説明

電子機器の筐体構造

【課題】オペレーターから加えられた応力が、前面パネル部から回路基板を介してスライダーの配置された筐体の背面まで確実に伝達され、筐体の軽量薄型化への対応が容易となる、簡素な構成の電子機器の筐体構造を提供する。
【解決手段】前面パネル部13と複数に分割された筐体(上側筐体11と下側筐体12)とが回路基板(第1回路基板16と第2回路基板17)を介して強固に結合されることにより、オペレーターから加えられた応力が、前面パネル部13からその回路基板を介して一対のスライダー(第1スライダー14と第2スライダー15)の配置された筐体の背面まで、確実に伝達される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば信号変換器や計測制御用遠隔入出力機など各種計装用の電子機器を、DINレールなどに取り付けるための、電子機器の筐体構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、筐体に収容される回路基板を所定の位置に係止する構造としては、その回路基板の所定の位置に開口部を設けるとともに、筐体側にもその開口部に嵌り込む係止爪を設ける構造が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この構造においては、係止爪によって回路基板が所定の位置に固定されていた。
【0004】
その従来の技術を、図15に示した従来の回路基板を所定の位置に係止する構造の断面図を参照して説明する。
【0005】
プリント配線基板120の端部が所定の位置に挿入された時、プリント配線基板120の端部付近に設けられた角穴122に係止爪131の爪部が嵌り込み、係止爪131の弾性片が復元して、プリント配線基板120は係止爪131により係止され、プリント基板120は固定されるようになっている。
【0006】
また、他の従来の例としては、あらかじめ基板の凹部に対応して内方に折り曲げられた爪部の形成されたシャーシに基板を組み込む際に、その基板の凹部を爪部に係合させることにより、基板をシャーシに対して位置決めする構造が知られていた(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−135089号公報(第7頁、図2)
【特許文献2】特開2001−251070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前述したような構造では、例えばDINレールなどのレール状構造物に取り付けるための電子機器に適用すると、前面パネル部に加えられた応力が確実にその筐体の背面まで伝達できずに、筐体の軽量薄型化への対応が困難であるという課題があった。
【0009】
例えば、そのような電子機器の着脱作業において、ユーザーはまずあらかじめレール状構造物に対して電子機器を傾けた状態で配置し、背面の一方の係合部(例えば、固定爪部)をレール状構造物の張出片部の先端部に接触させ、前面パネル部に所定以上の応力を加えながら、筐体の背面とその係合部との隙間にレール状構造物の一方の張出片部を押し込む必要があった。
【0010】
その際、他方の係合部(例えば、可動爪部)を手動により後退させながら、レール状構造物に対して電子機器を平行な状態に戻して、その係合部の付勢力により取り付けを行っていた。
【0011】
そのため、筐体自体が薄型軽量化などの理由により、薄肉化されその機械強度が低下すると前面パネル部から筐体の背面側への応力伝達が妨げられ、前面パネル部に加えられた応力が減衰し筐体の背面まで作用しないこととなる。
【0012】
特に、電子機器の本体側の筐体が、レール状構造物の延在する方向において、積層するように複数に分割された場合には、その筐体が箱形に一体成形されていないため、効率的な応力伝達が得にくいという独自の課題があった。
【0013】
したがって、筐体の軽量薄型化への対応が極めて困難となっていた。
【0014】
また、電子機器の筐体の背面側のみがレール状構造物に取り付けられた状態においては、回路基板、その実装部品および前面パネル部が筐体自体で保持されているため、それらの重量により筐体自体の変形や撓みが生じやすくなり、たとえ筐体を薄肉化すると電子機器が安定して保持されないという課題もあった。
【0015】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、前面パネル部と複数に分割された筐体とが回路基板を介して強固に結合されることにより、オペレーターから加えられた応力が、前面パネル部から回路基板を介してスライダーの配置された筐体の背面まで、確実に伝達されるので、筐体の軽量薄型化への対応が容易となる、簡素な構成の電子機器の筐体構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記従来の課題を解決するために、本発明の電子機器の筐体構造は、あらかじめ所定の方向に延在し、かつ外方に張り出す張出片部を両側に有するレール状構造物に電子機器を取り付けるための電子機器の筐体構造であって、レール状構造物の延在する方向において複数に分割された筐体と、複数に分割された筐体の境界を跨ぐように配置され、レール状構造物の張出片部を挟み込むため進退自在に取り付けられたスライダーと、複数に分割された筐体に対してスライダーの配置された側と反対側に位置し、複数に分割された筐体の端部に嵌着された前面パネル部と、前面パネル部に係止し、複数に分割された筐体内にその実装面がレール状構造物と直交する方向に装着される回路基板とを備え、回路基板には、前面パネル部側の両側端部に前方係止部が形成されるとともに、装着方向の先頭側の両側端部に後方係止部が形成され、前方係止部は前面パネル部に形成された一対の前方側押圧片部の係止部に嵌り込み、かつ、複数に分割された筐体のスライダーが配置された側の内壁に形成された一対の後方側押圧片部の係止部は後方係止部に嵌り込むようにしたことを特徴としている。
【0017】
この構成によれば、筐体を薄肉化した場合であっても、前面パネル部から筐体の背面側への応力伝達が妨げられることがなくなる。
【0018】
つまり、前面パネル部と複数に分割された筐体とが回路基板を介して強固に結合されることにより、オペレーターから加えられた応力が、前面パネル部から回路基板を介してスライダーの配置された筐体の背面まで、確実に伝達されるので、筐体の軽量薄型化への対応が容易となる。
【0019】
本発明の電子機器の筐体構造は、前記構成に加え、スライダーは、複数に分割された筐体間の間隔がレール状構造物の延在方向において所定間隔以上に離間しないように複数に分割された筐体を併せて把持することが好ましい。
【0020】
この構成によれば、スライド性を十分に確保できるのに加え、複数に分割された筐体が密接に結合され、筐体全体の密閉度が保たれ内部の構成部材の品質を良好に維持できる。
【0021】
仮にスライダーのレール状構造物に当接する部分とレール状構造物の延在方向との平行度が保たれていない場合であっても、複数に分割された筐体間の間隔が所定の間隔以上に離間しないので、上記の効果が得られる。
【0022】
また、複数に分割された筐体を組み立てる際には、それら分割された筐体間を結合するために、ネジ、ボルト、接着剤、その他専用の結合部材を必要とすることなく、スライダー自体がそれぞれの筐体を密接かつ強固に結合することができる。
【0023】
また、それら複数に分割された筐体をレール状構造物に取り付ける際には、そのスライダーがレール状構造物を挟み込むため容易に取り付け可能となる。
つまり、極めて簡素な構成にもかかわらず、複数に分割された筐体間の強固な結合機能と、それら複数に分割された筐体を容易にレール状構造物に取り付けることのできる挟持機能の両方の機能を併せ持つことができる。
【0024】
本発明の電子機器の筐体構造は、前記構成に加え、回路基板は、複数に分割されたそれぞれの筐体毎に設けられることが好ましい。
【0025】
この構成によれば、オペレーターから加えられた応力が、前面パネル部からそれぞれの筐体毎に設けられた回路基板を介してそれぞれの筐体の背面まで、筐体毎に独立して、かつほぼ均等に応力が伝達されので、より確実に応力が伝達される。
【0026】
本発明の電子機器の筐体構造は、前記構成に加え、前方側押圧片部は、前面パネル部から回路基板の装着方向へ突出するように形成され、かつ、回路基板を前面パネル部の両側端部側から内側方向へ押圧することが好ましい。
【0027】
この構成によれば、回路基板は、前面パネル部によって両側からほぼ均一の付勢力で挟持される。
【0028】
本発明の電子機器の筐体構造は、前記構成に加え、回路基板の前方係止部は、側方に突出した凸形状に形成され、かつ、前面パネル部側の両側端部に形成された前方側押圧片部の係止部は、前方係止部が嵌り込む開口部を有することが好ましい。
【0029】
この構成によれば、回路基板は、前面パネル部と強固に結合される。
【0030】
本発明の電子機器の筐体構造は、前記構成に加え、後方側押圧片部は、複数に分割された筐体のスライダーが配置された側の内壁から回路基板の装着方向と真反対の方向へ突出するように形成され、かつ、回路基板を内壁の両側端部側から内側方向へ押圧することが好ましい。
【0031】
この構成によれば、回路基板は、筐体によって両側からほぼ均一の付勢力で挟持される。
【0032】
本発明の電子機器の筐体構造は、前記構成に加え、回路基板の後方係止部は、装着方向の先頭側の両側端部に切り欠き状に形成され、かつ、複数に分割された筐体の後方側押圧片部は、その先端部に円柱形状に形成された係止部を有し、その係止部が後方係止部に嵌り込むことが好ましい。
【0033】
この構成によれば、回路基板は、筐体と強固に結合される。
【発明の効果】
【0034】
本発明の電子機器の筐体構造によれば、前面パネル部と複数に分割された筐体とが回路基板を介して強固に結合されることにより、オペレーターから加えられた応力が、前面パネル部から回路基板を介してスライダーの配置された筐体の背面まで、確実に伝達されるので、筐体の軽量薄型化への対応が容易となる、簡素な構成の電子機器の筐体構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態における電子機器の前面側から見た全体斜視図
【図2】本発明の実施の形態における電子機器の分解斜視図
【図3】(a)2つのスライダーを嵌装する前の背面側斜視図、(b)2つのスライダーを嵌装した後の背面側斜視図
【図4】(a)第1スライダーの表側斜視図、(b)第1スライダーの裏側斜視図
【図5】(a)第2スライダーの表側斜視図、(b)第2スライダー裏側斜視図
【図6】(a)2つのスライダーを嵌装する前の背面図、(b)2つのスライダーを嵌装した後の背面図
【図7】(a)第2スライダーが嵌装された後の部分拡大斜視図、(b)前図のA−A部分断面図
【図8】(a)前面パネル部へ2つの回路基板が係合する前の斜視図、(b)前面パネル部へ2つの回路基板が係合した後の斜視図
【図9】(a)前面パネル部へ2つの回路基板が係合する前の部分拡大斜視図、(b)前面パネル部へ2つの回路基板が係合した後の部分拡大斜視図
【図10】前面パネル部に組み合わせた第1回路基板と第2回路基板を箱状に組み合わせた上側筐体と下側筐体に装着する前の全体斜視図
【図11】(a)前面パネル部を箱状筐体へ装着している途中の分割斜視図、(b)前面パネル部を箱状筐体へ装着した後の分割斜視図
【図12】(a)前面パネル部を箱状筐体へ装着している途中の分割部分拡大斜視図、(b)前面パネル部を箱状筐体へ装着した後の分割部分拡大斜視図
【図13】(a)前面パネル部を下側筐体に嵌着する前の分割部分拡大斜視図、(b)前面パネル部を下側筐体に嵌着した後の分割部分拡大斜視図
【図14】(a)第1の変形例についてレール状構造物側から見た模式図、(b)第2の変形例についてレール状構造物側から見た模式図、(c)第3の変形例についてレール状構造物側から見た模式図、(d)第4の変形例についてレール状構造物側から見た模式図、(e)第5の変形例についてレール状構造物側から見た模式図
【図15】従来の回路基板を所定の位置に係止する構造の断面図
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
【0037】
まず、図1は、本発明の実施の形態における電子機器の前面側から見た全体斜視図で、図2は、本発明の実施の形態における電子機器の分解斜視図で、図3(a)は、2つのスライダーを嵌装する前の背面側斜視図で、図3(b)は、2つのスライダーを嵌装した後の背面側斜視図で、図4(a)は、第1スライダーの表側斜視図で、図4(b)は、第1スライダーの裏側斜視図で、図5(a)は、第2スライダーの表側斜視図で、図5(b)は、第2スライダーの裏側斜視図で、図6(a)は、2つのスライダーを嵌装する前の背面図で、図6(b)は、2つのスライダーを嵌装した後の背面図で、図7(a)は、第2スライダーが嵌装された後の部分拡大斜視図で、図7(b)は、前図のA−A部分断面図で、図8(a)は、前面パネル部へ2つの回路基板が係合する前の斜視図で、図8(b)は、前面パネル部へ2つの回路基板が係合した後の斜視図で、図9(a)は、前面パネル部へ2つの回路基板が係合する前の部分拡大斜視図で、図9(b)は、前面パネル部へ2つの回路基板が係合した後の部分拡大斜視図で、図10は、前面パネル部に組み合わせた第1回路基板と第2回路基板を箱状に組み合わせた上側筐体と下側筐体に装着する前の全体斜視図で、図11(a)は、前面パネル部を箱状筐体へ装着している途中の分割斜視図で、図11(b)は、前面パネル部を箱状筐体へ装着した後の分割斜視図で、図12(a)は、前面パネル部を箱状筐体へ装着している途中の分割部分拡大斜視図で、図12(b)は、前面パネル部を箱状筐体へ装着した後の分割部分拡大斜視図で、図13(a)は、前面パネル部を下側筐体に嵌着する前の分割部分拡大斜視図で、図13(b)は、前面パネル部を下側筐体に嵌着した後の分割部分拡大斜視図で、図14(a)は、第1の変形例についてレール状構造物側から見た模式図で、図14(b)は、第2の変形例についてレール状構造物側から見た模式図で、図14(c)は、第3の変形例についてレール状構造物側から見た模式図で、図14(d)は、第4の変形例についてレール状構造物側から見た模式図で、図14(e)は、第5の変形例についてレール状構造物側から見た模式図である。
【0038】
次に、図1で示したように、本発明の実施の形態における電子機器10は、いわゆる工業用計測の分野で使用される機器であって、例えば電圧、電流、有効電力、無効電力、皮相電力、力率などの計測や計測値の表示などを可能とする電力用マルチメータや電力用トランスデューサ、各種センサーの計測信号を変換、表示、警報出力などを行う信号変換器、あるいは現場に設置された検出端(測温抵抗体、差圧発信器など)と中央制御室などに設置された受発信器(指示計、記録計、調節計、PLC、DCS、コンピュータなど)との間のデータ通信をネットワークにより行う計測制御用遠隔入出力機など各種各様に適用可能である。
【0039】
以下の説明を容易にするため、電子機器10の幅方向をX方向、奥行き方向をY方向、高さ方向でもあるレール状構造物Lの延在方向をZ方向とし、X方向、Y方向およびZ方向は、相互に直交する方向と定義する。
【0040】
本図は、例えば制御ボックス内において、電子機器10がDINレールなどあらかじめ所定の方向(本実施の形態においては矢印で示した上下方向であるZ方向)に延在し、かつ外方に張り出す張出片部L1を両端に有するレール状構造物Lに取り付けられた状態を示している。
【0041】
通常、このようなレール状構造物Lには、計測対象が多数存在し数十台以上の同一または類似する電子機器が相互に隣接し、かつ、それらは密接して取り付けられることが一般的である。
【0042】
ここで、電子機器10の本体側の筐体は、レール状構造物Lの延在するZ方向において、積層するように均等に2つに分割され、かつ、同一形状の上側筐体11と下側筐体12とから構成されている。
【0043】
これにより、製造の場面においては、それぞれの筐体を成形するための金型を別々に準備する必要がなくなり、製造工程の簡素化を実現できる。
【0044】
また、上側筐体11と下側筐体12の当接部には、両者間の境界Kが形成されている。
【0045】
そして、上側筐体11と下側筐体12のそれぞれの前面側においては、板厚を薄肉化した段差面を有する端部11a(図2参照)と端部12a(図2参照)に対して前面パネル部13が嵌着されている。
【0046】
さらに、上側筐体11と下側筐体12の背面側においては、レール状構造物Lを挟んで相互に対向し、かつ、上側筐体11と下側筐体12の境界Kを跨ぐように第1スライダー14と第2スライダー15が配置され、一対のスライダーを構成している。
【0047】
なお、詳細には後述するが、上側筐体11と下側筐体12は、前面パネル部13に対して、その筐体内に装着された第1回路基板16(図2参照)と第2回路基板17(図2参照)によって強固に結合され、かつ、背面側においては第1スライダー14と第2スライダー15とから構成される一対のスライダーにより、上側筐体11と下側筐体12との間隔が所定の間隔以上に離間しないので、それらの筐体(上側筐体11と下側筐体12、以下同じ)が全体として密接に結合されている。
【0048】
そして、前面パネル部13のコネクタ挿通部13f(図2参照)には、内部に装着された第1回路基板16のコネクタ部16aと、内部に装着された第2回路基板17のコネクタ部17aが挿通し係合している。
【0049】
次に、図2を参照して内部の全体構成を詳細に説明する。
【0050】
ここで、第1回路基板16は、例えば電源モジュール、複数の信号変換モジュールまたはネッワークへの信号伝送制御を行う制御モジュールなどを構成しており、その前面側には外部機器やネートワークとの電気的な接続を可能とするコネクタ部16aが接続されている。
【0051】
同様に、第2回路基板17は、例えば電源モジュール、複数の信号変換モジュールまたはネッワークへの信号伝送制御を行う制御モジュールなどを構成しており、その前面側には外部機器やネートワークとの電気的な接続を可能とするコネクタ部17aが接続されている。
【0052】
なお、本図においては、前述した前面パネル部13のコネクタ挿通部13fを図示しているが、前面パネル部13のコネクタ挿通部13fへの挿通方向に沿って、コネクタ部16aに電気的に接続された第1回路基板16と、コネクタ部17aに電気的に接続された第2回路基板17とがほぼ平行に配置されている。
【0053】
そして、前面パネル部13の上部から第1回路基板16の装着方向へ突出するように、幅方向において一対の前方側押圧片部13aが前面パネル部13と一体成形され、同様に前面パネル部13の下部から第2回路基板17の装着方向へ突出するように幅方向において一対の前方側押圧片部13bが前面パネル部13と一体成形されている。
【0054】
そして、後述する所定の結合がなされた上で、一対の前方側押圧片部13aは、第1回路基板16をその両側の端部側から押圧しながら保持し、同様に一対の前方側押圧片部13bは、第2回路基板17をその両側の端部側から押圧しながら保持している。
【0055】
また、第1回路基板16の前面パネル部13側の両側端部には、側方に突出した凸形状の前方係止部16bが形成されるとともに、同様に第2回路基板17の前面パネル部13側の両側端部には、側方に突出した凸形状の前方係止部17bが形成されている。
【0056】
さらに、第1回路基板16の装着方向の先頭側となる両側端部には、切り欠き状の後方係止部16cが形成され、同様に第2回路基板17の装着方向の先頭側となる両側端部には、切り欠き状の後方係止部17cが形成されている。
【0057】
一方、上側筐体11と下側筐体12は、上下方向(Z方向)に重ね合わされた後、その背面側において境界K(図6(b)参照)を跨ぐように配置された第1スライダー14と第2スライダー15とによる一対のスライダーによって強固に結合され、前面側が開放された一体的な箱形状に組み立てられる。
【0058】
そして、詳細には後述するが、あらかじめ第1回路基板16と第2回路基板17とが前面パネル部13に結合された状態で、上側筐体11に形成された複数の装着用ガイド(図示せず)と下側筐体12に形成された複数の装着用ガイド12cに沿ってそれぞれ装着できるようになっている。
【0059】
次に、図3(a)と図3(b)を参照して上側筐体11と下側筐体12とを組み合わせる方法について説明する。
【0060】
まず、図3(a)で示したように、前述した上側筐体11と下側筐体12とを重ね合わせた後、第1スライダー14と第2スライダー15は、幅方向(X方向)における両側から矢印で示したようにレール状構造物L(図示せず)を挟み込むような方向に嵌装される。
【0061】
そして、第1スライダー14と第2スライダー15をそれぞれ前進方向に進めることにより、図3(b)で示したように、上側筐体11と下側筐体12の背面側に位置する境界Kを跨ぐように嵌装され、所定の取り付け位置に配置される。
【0062】
この図から明らかように、第1スライダー14と第2スライダー15は、筐体背面側において境界Kの伸長方向に沿って嵌装され、2つに分割された上側筐体11と下側筐体12との間隔が図示しないレール状構造物Lの延在方向(Z方向)において所定間隔以上に離間しないようにそれら筐体を併せて把持しているため、それらの筐体が密接かつ強固に結合される。
【0063】
次に、図4(a)と図4(b)を参照して第1スライダー14の構成を詳細に説明する。
【0064】
ここで、第1スライダー14は、第1スライダー基部14aに連接され第1爪部14cの後退距離に応じて前進方向の弾性力を第1スライダー基部14aに対して付与する第1弾性片部14bと、第1弾性片部14bの先端部に形成され、上側筐体11と下側筐体12のそれぞれにおいてレール状構造物Lの位置する側の面(背面)に形成された係止用凹部11g(図6(a)参照)と係止用凹部12g(図6(a)参照)のそれぞれに対応して嵌り込む2つの円柱形状の係止用凸部14dを有している。
【0065】
また、第1スライダー14の第1弾性片部14bは、第1スライダー基部14aの両側から内側に位置する境界Kを跨ぐ方向に延出するように一対の柱状体で形成されているが、これにより、その延出方向と直交する方向へ復元応力を作用させることができるため、所定の付勢力を第1スライダー14に容易に与えることができる。
【0066】
つまり、この2つの係止用凸部14dが、上側筐体11と下側筐体12のそれぞれにおいてレール状構造物Lの位置する側の面(背面)に形成された係止用凹部11gと係止用凹部12gのそれぞれに対応して嵌り込むことにより、第1スライダー基部14aが初期の位置(レール状構造物Lが取り付けられる前の停止位置)よりも後退すると、その後退距離に応じた前進方向の弾性力が第1弾性片部14bによって付与されるため、レール状構造物Lを挟み込む付勢力として作用する。
【0067】
また、第1スライダー14の前進方向の先端部に形成されている第1爪部14cは、上側筐体11の背面との間に所定の高さの隙間を生じるように形成されているため、その隙間にレール状構造物Lの張出片部L1(図1参照)が嵌り込む構造となっている。
【0068】
さらに、第1スライダー14の裏側の面は、境界Kを跨ぐ側の面でもあるが、その面上において、第1スライダー基部14aと両側端部14eとによってスライド方向(進退方向)の直交断面形状をコの字形状となるように形成することにより、境界Kの伸長方向と平行な方向に延びるスライド用凹部14fが両側に設けられる。
【0069】
その結果、両側に設けられた2つのスライド用凹部14fにより、後述する上側筐体11の背面に形成されたスライド用凸部11d(図6(a)、図7(a)参照)と下側筐体12の背面に形成されたスライド用凸部12dとを併せて嵌装できるようになっている。
【0070】
スライド用凸部11dとスライド用凸部12dのそれぞれの嵌合部分は、それぞれスライド用凹部14fに嵌りあうように、スライド方向(進退方向)の直交断面形状がL字形状となっている。
【0071】
次に、図5(a)と図5(b)を参照して第2スライダー15の構成を詳細に説明する。
【0072】
第2スライダー15は、前進方向の先端部に第2爪部15cを有する第2スライダー基部15aと、第2スライダー基部15aに連接され第2爪部15cの後退距離に応じて前進方向の弾性力を第2スライダー基部15aに対して付与する第2弾性片部15bと、第2弾性片部15bの先端部に形成され、上側筐体11のレール状構造物Lの位置する側の面(背面)に形成されたガイド用凹部11e(図6(a)参照)と下側筐体12のレール状構造物Lの位置する側の面(背面)に形成されたガイド用凹部12e(図6(a)参照)のそれぞれに対応して嵌り込む2つの円柱形状のガイド用凸部15dを有している。
【0073】
また、第2スライダー15の第2弾性片部15bは、第2スライダー基部15aから境界Kの伸長方向に沿って延出した柱状体(図6(a)参照)から構成されている。
【0074】
詳細には後述するが、一対のガイド用凸部15dが上側筐体11に形成されたガイド用凹部11eと下側筐体12に形成されたガイド用凹部12eに嵌り込むことにより、第2スライダー15は、ガイド用凹部11eとガイド用凹部12eの停止位置P(手で前進方向に押したとき、ガイド用凸部15dが最も前進して停止する位置、図6(a)参照)よりも後退すると、その後退距離に応じた前進方向の弾性力が第2弾性片部15bの復元応力によって付与されるため、レール状構造物Lを挟み込む付勢力として作用する。
【0075】
また、第2スライダー15の前進方向の先端部に形成されている第2爪部15cは、上側筐体11の背面と下側筐体12の背面との間でそれぞれ所定の高さの隙間を生じるように形成されているため、その隙間に図示しないレール状構造物Lの張出片部L1(図1参照)が嵌り込む構造となっている。
【0076】
さらには、第2スライダー15の裏側の面は、筐体の境界Kを跨ぐ側の面でもあるが、その面上において、第2スライダー基部15aと両側端部15eとによってスライド方向(進退方向)の直交断面形状をコの字形状となるように形成することにより、境界Kの伸長方向と平行な方向に延びるスライド用凹部15fが両側に設けられる。
【0077】
その結果、両側に設けられた2つのスライド用凹部15fにより、後述する上側筐体11の背面に形成されたスライド用凸部11dと下側筐体12の背面に形成されたスライド用凸部12dを併せて嵌装できるようになっている。
【0078】
また、第2スライダー基部15aの後退方向側の端部には、第2スライダー15の付勢応力を解除する作業を容易にするための操作部15gが形成されている。
【0079】
さらに、第2スライダー15においては、第2弾性片部15bとその先端部に形成されたガイド用凸部15dを取り囲むように開口部15hが形成されている。
【0080】
これにより、例えば開口部15hにマイナスドライバーの扁平な先端を挿入して、第2弾性片部15bのガイド用凸部15dに対して内側に変位する応力を加えれば、ガイド用凹部11eとガイド用凹部12eに嵌り込んだ状態を解除して第2スライダー15を外すことも容易となるため、電子機器として動作可能となった後であっても、調整や内部の電子部品交換などのため必要に応じて筐体を分解することができる。
【0081】
次に、図6(a)は、組み合わせた上側筐体11と下側筐体12の境界Kの伸長方向(X方向)に沿って第1スライダー14と第2スライダー15が矢印方向に嵌装される前の状態を示し、図6(b)は、それぞれのスライダーが嵌装され、いずれも初期の位置(レール状構造物Lに取り付けられる前の停止位置)にある状態を示している。
【0082】
図6(a)で示したように、第1スライダー14の裏面側に形成された一対の係止用凸部14d(図4(b)参照)が、上側筐体11の半円部と直線部とからなる切り欠き状の係止用凹部11gと、下側筐体12の半円部と直線部とからなる切り欠き状の係止用凹部12gとが連通し全体としてレーストラック形状となった開口部に嵌り込むことにより、図6(b)で示した、第1スライダー14の初期の位置(レール状構造物Lに取り付けられる前の停止位置)に配置される。
【0083】
一方、一対のガイド用凸部15d(図5(b)参照)が上側筐体11に形成されたガイド用凹部11eと下側筐体12に形成されたガイド用凹部12eにそれぞれ嵌り込むことにより、第2スライダー15は、ガイド用凸部15dの先端側が図6(a)で示したガイド用凹部11eとガイド用凹部12eの停止位置Pに到達する位置に配置され、図6(b)で示した状態で停止する。
【0084】
そして、電子機器10の筐体がレール状構造物Lに取り付けられた状態においては、第1スライダー14は、図6(b)で示した初期の位置(レール状構造物Lが取り付けられる前の停止位置)よりも後退し、第2スライダー15は、ガイド用凸部15dの先端側が図6(b)で示したガイド用凹部11eとガイド用凹部12eの停止位置Pよりも後退し、それぞれにその後退距離に応じた前進方向の復元応力が付与される。
【0085】
その結果、電子機器10は、レール状構造物Lの両側に延設される張出片部L1からほぼ均一の付勢力で挟持された状態で安定して保持される。
【0086】
ここで、図6(a)で示したように、分割された筐体のレール状構造物Lの位置する側の面に形成されたガイド用凹部11eとガイド用凹部12eの幅方向の両側に位置する内側壁11fと内側壁12fは、それぞれ第2スライダー15の進退方向に沿った連続的な山と谷によって形成されている。
【0087】
そして、山と谷の幅方向の中間線をそれぞれ波線の直線で示しているが、この2つの中間線の間隔wは、復元応力が作用しないときにおける第2スライダー15の一対のガイド用凸部15dの間隔とほぼ一致している。
【0088】
したがって、第2スライダー15の一対のガイド用凸部15dが、連続的な山と谷によって形成された内側壁11fと内側壁12fにおいて、2つの中間線の間隔wよりも狭い内側壁11fと内側壁12fそれぞれの谷の領域に位置すると、その当接部の傾斜方向に応じて前進方向または後退方向の付勢力が第2弾性片部15bの復元応力によって付与される。
【0089】
より詳細に説明すると、内側壁11fと内側壁12fの谷の領域においては、2つのガイド用凸部15dの間隔は、あらかじめ設定された2つのガイド用凸部15dの間隔wよりも小さくなるため、第2弾性片部15bが弾性変形し、その反作用としての弾性力、すなわち弾性復帰しようとする弾性応力(復元応力)が付与される。
【0090】
その結果、その復元応力は、2つのガイド用凸部15dの間隔があらかじめ設定された2つのガイド用凸部15dの間隔wに近づく方向に作用するため、内側壁11fと内側壁12fとの間隔が拡がる方向の傾斜に沿った前進方向または後退方向の付勢力として、第2スライダー15に作用する。
【0091】
これにより、電子機器10の筐体をレール状構造物Lに取り付ける際において、オペレーターが第2スライダー15を手で押して少しずつ前進させると、その前進距離に応じて一対の内側壁11fと内側壁12fとの間隔と当接部の傾斜方向が変化し、第2弾性片部15bの復元応力による付勢力が前進方向と後退方向とで交互に作用するため、取り付け作業を行うときに手の感覚で触感的に認識でき、山と谷の形状の設定によってはカチッ、カチッと衝撃音ではっきりと聴覚的にも認識できるため、直接第2スライダー15の前進状態を目視確認する必要もなく取り付け作業が容易かつ簡単となる。
【0092】
次に、図7(a)と図7(b)を参照して、第2スライダー15が上側筐体11の背面に形成されたスライド用凸部11dと下側筐体12の背面に形成されたスライド用凸部12dとを併せて把持している状態を説明する。
【0093】
図7(a)は、第2スライダー15のガイド用凸部15dの先端側がガイド用凹部11eとガイド用凹部12eの停止位置Pよりも少し後退し、まだ停止位置Pに到達していない状態を示しており、スライド用凸部11dとスライド用凸部12dが第2スライダー15に覆われず露出している。
【0094】
また、図7(b)で示したように、第2スライダー15の前進方向の先端部に形成されている第2爪部15cは、第2スライダー15が図7(a)の状態よりもさらに前進した状態において、上側筐体11の背面と下側筐体12の背面との間でそれぞれ所定の高さhの隙間を生じるように形成されている。
【0095】
これにより、その隙間に図示しないレール状構造物Lの張出片部L1(図1参照)が嵌り込む構造となっている。
【0096】
さらには、第2スライダー15の裏側の面は、筐体の境界Kを跨ぐ側の面でもあるが、その面上において、第2スライダー基部15aと両側端部15eとによってスライド方向(進退方向)の直交断面形状をコの字形状となるように形成することにより、境界Kの伸長方向と平行な方向に延びるスライド用凹部15fが両側に設けられる。
【0097】
その結果、両側に設けられた2つのスライド用凹部15fにより、上側筐体11の背面に形成されたスライド用凸部11dと下側筐体12の背面に形成されたスライド用凸部12dを併せて嵌装できるようになっている。
【0098】
そして、スライド用凸部11dとスライド用凸部12dのそれぞれの嵌合部分は、それぞれスライド用凹部15fに嵌りあうように、スライド方向(進退方向)の直交断面形状がL字形状となっている。
【0099】
なお、説明を省略したが、第1スライダー14も同様に上側筐体11の背面に形成されたスライド用凸部11dと下側筐体12の背面に形成されたスライド用凸部12dとを併せて嵌装できるようになっている。
【0100】
すなわち、第1スライダー14と第2スライダー15は、上側筐体11と下側筐体12の間隔がレール状構造物Lの延在方向(Z方向)において所定間隔以上に離間しないように、それぞれの筐体を併せて把持している。
【0101】
これにより、スライド性を十分に確保できるのに加え、複数に分割された筐体が密接に結合され、筐体全体の密閉度が保たれ内部の構成部材の品質を良好に維持できる。
【0102】
仮に第1スライダー14や第2スライダー15のレール状構造物Lに当接する部分とレール状構造物Lの延在方向(Z方向)との平行度が保たれていない場合であっても、上側筐体11と下側筐体12の間隔が所定の間隔以上に離間しないので、上記の効果が得られる。
【0103】
また、分割された筐体を組み立てる際には、それら分割された筐体間を結合するために、ネジ、ボルト、接着剤、その他専用の結合部材を必要とすることなく、それぞれのスライダー自体がそれぞれの筐体を密接かつ強固に結合することができる。
【0104】
また、それら分割された筐体をレール状構造物Lに取り付ける際には、第1スライダー14と第2スライダー15がレール状構造物Lを挟み込むため容易に取り付け可能となる。
【0105】
つまり、極めて簡素な構成にもかかわらず、分割された筐体間の強固な結合機能と、それら複数に分割された筐体を容易にレール状構造物Lに取り付けることのできる挟持機能の両方の機能を併せ持つことができる。
【0106】
また、第1スライダー14は、分割された筐体の境界Kを跨ぐ側の面の両側に、その境界Kの伸長方向と平行な方向に延びるスライド用凹部14fを有し、第2スライダー15は、分割された筐体の境界Kを跨ぐ側の面の両側に、その境界Kの伸長方向と平行な方向に延びるスライド用凹部15fを有し、かつ、スライド用凹部14fとスライド用凹部15fは、分割された筐体に形成されたスライド用凸部11dとスライド用凸部12dを併せて嵌装できるように形成されている。
【0107】
これにより、第1スライダー14のスライド用凹部14fに、分割された筐体に形成されたスライド用凸部11dとスライド用凸部12dを併せて嵌装し、第2スライダー15のスライド用凹部15fに、分割された筐体に形成されたスライド用凸部11dとスライド用凸部12dを併せて嵌装できるので、分割された筐体を強固に密着させるための圧接応力を作用させる面積が小さくなり、効率的な結合機能を実現できる。
【0108】
また、第1スライダー14と第2スライダー15は、分割された筐体がレール状構造物Lに取り付けられた状態において、レール状構造物Lを挟んで相互に対向するように配置されている。
【0109】
そして、第1スライダー14は、前進方向の先端部に第1爪部14cを有する第1スライダー基部14aと、その第1スライダー基部14aに連接され第1爪部14cの後退距離に応じて前進方向の弾性力を第1スライダー基部14aに対して付与する第1弾性片部14bと、その第1弾性片部14bの先端部に形成され、分割された筐体のレール状構造物Lの位置する側の面に形成された係止用凹部11gと係止用凹部12gに嵌り込む一対の係止用凸部14dとを有している。
【0110】
また、第2スライダー15は、前進方向の先端部に第2爪部15cを有する第2スライダー基部15aと、第2スライダー基部15aに連接され第2爪部15cの後退距離に応じて前進方向の弾性力を第2スライダー基部15aに対して付与する第2弾性片部15bと、第2弾性片部15bの先端部に形成され、分割された筐体のレール状構造物Lの位置する側の面に形成されたガイド用凹部11eとガイド用凹部12eのそれぞれに嵌り込む一対のガイド用凸部15dとを有している。
【0111】
これにより、電子機器10がレール状構造物Lに取り付けられた状態においては、第1スライダー14は初期の位置(レール状構造物Lに取り付けられる前の停止位置)よりも後退し、第2スライダー15は、ガイド用凸部15dの先端側がガイド用凹部11eとガイド用凹部12eの停止位置Pよりも後退するため、その後退距離に応じての第1弾性片部14bと第2弾性片部15bがそれぞれ弾性変形し、復元応力が付与されるため、レール状構造物Lの両側からほぼ均一の付勢力で挟持された状態で電子機器10を安定して保持することができる。
【0112】
次に、図8(a)と図8(b)を参照して、コネクタ部16aに電気的に接続された第1回路基板16と、コネクタ部17aに電気的に接続された第2回路基板17が、前面パネル部13のコネクタ挿通部13fへ矢印で示した挿通方向に沿って、相互にほぼ平行になるように挿通される前後の状態を説明する。
【0113】
ここで、第1回路基板16の前面パネル部13側の両側端部には、側方に突出した凸形状の前方係止部16bが形成されるとともに、第2回路基板17の前面パネル部13側の両側端部には、側方に突出した凸形状の前方係止部17bが形成されている。
【0114】
そして、第1回路基板16と第2回路基板17がそれぞれ前面パネル部13の所定の位置に取り付けられた状態においては、前方係止部17bは前面パネル部13に形成された前方側押圧片部13bの開口部13c(図9(a)参照)にそれぞれ嵌り込み、同様に前方係止部16bは前面パネル部13に形成された前方側押圧片部13aの開口部13cにそれぞれ嵌り込んでいる。
【0115】
次に、図9(a)で示したように、前面パネル部13の幅方向の両側端部に形成された前方側押圧片部13bは、前面パネル部13から第2回路基板17の装着方向(図10で示した矢印方向)へ突出するように板形状に形成されている。
【0116】
そして、そのほぼ中央部に突出方向に沿った長辺を有する長方形の形状の開口部13cが形成されている。
【0117】
一方、第2回路基板17の前面パネル部13側の両側端部には、側方に突出した凸形状の前方係止部17bが形成されている。
【0118】
そして、第2回路基板17が前面パネル部13に対して所定の位置へ挿通されると、図9(b)で示したように、前方係止部17bは前面パネル部13に形成された前方側押圧片部13bの開口部13cに嵌り込んでいる。
【0119】
これにより、それぞれの前方側押圧片部13bは側方に弾性変形し、復元応力が付与されるため、第2回路基板17は、挿通方向と直交する幅方向の両側からほぼ均一の付勢力で挟持されることとなる。
【0120】
したがって、第2回路基板17は、前面パネル部13に対して安定かつ強固に保持される。
【0121】
同様に、第1回路基板16も、前面パネル部13に対して安定かつ強固に保持される。
【0122】
次に、図10を参照して、前面パネル部13に対して係合した第1回路基板16と第2回路基板17が、箱状に組み合わせた上側筐体11と下側筐体12に対して、矢印の方向に装着される前の状態を説明する。
【0123】
ここで、第1回路基板16においては、矢印で示した装着方向の先頭側の両側端部に切り欠き状の後方係止部16cが形成され、同様に第2回路基板17にも、装着方向の先頭側の両側端部に切り欠き状の後方係止部17cが形成されている。
【0124】
また、第1回路基板16の後方係止部16cよりさらに装着方向の先頭側においては、先頭に近づくにつれて漸次基板の幅長が小さくなるように設定されているため、装着時において後方側押圧片部11bの円柱形状の係止部(図示せず)がスムーズに外側に変位し、所定の位置にて後方側押圧片部11bの係止部は後方係止部16cに嵌挿されるようになっている。
【0125】
同様に、後方側押圧片部12bの円柱形状の係止部12hは、第2回路基板17の後方係止部17cに嵌挿されるが、詳細は後述する。
【0126】
また、上側筐体11に対して第1回路基板16が装着され、同時に下側筐体12に対して第2回路基板17が装着される。
【0127】
そのとき、第1回路基板16と第2回路基板17のそれぞれの実装面は、取り付けられるレール状構造物Lの延在方向(Z方向)に直交する平面(XY平面)と平行となる位置関係にある。
【0128】
そして、装着された後は、上側筐体11の第1スライダー14と第2スライダー15が配置された側の内壁に形成された後方側押圧片部11bは、第1回路基板16の装着方向の先頭側となる両側端部に形成された後方係止部16cのそれぞれに嵌り込む。
【0129】
同様に、下側筐体12の第1スライダー14と第2スライダー15が配置された側の内壁に形成された後方側押圧片部12b(図1、図11(a)参照)は、第2回路基板17の装着方向の先頭側となるの両側端部に形成された後方係止部17cのそれぞれに嵌り込む。
【0130】
次に、図11(a)と図11(b)を参照して第2回路基板17が下側筐体12に装着される様子を説明する。
【0131】
なお、説明を容易にするため、図11(a)と図11(b)は、前面パネル部13の上側半分、第1回路基板16および上側筐体11を省略し、前面パネル部13の下側半分、第2回路基板17および下側筐体12のみを示している。
【0132】
図11(a)で示したように、第1回路基板16(図示せず)と第2回路基板17は、いずれも同一の方法と同一のタイミングにて上側筐体11(図示せず)と下側筐体12に対して矢印で示した方向に装着される。
【0133】
ここで、前面パネル部13によって両側から挟持された第2回路基板17は、矢印で示した装着方向に進入していくと、箱形状に組み立てられた下側筐体12の側壁の内側に形成された複数の装着用ガイド12cに沿って装着できるようになっている。
【0134】
さらに、後方係止部17cよりさらに装着方向の先頭側は先頭に近づくにつれて漸次基板の幅長が小さくなるように設定されているため、第2回路基板17を押し込んでゆくと、装着時において後方側押圧片部12bの先端部に形成された円柱形状の係止部12hがスムーズに外側に変位する。
【0135】
そして、図11(b)で示した所定の位置にて、下側筐体12の第1スライダー14と第2スライダー15が配置された側の内壁に形成された後方側押圧片部12bの先端部に形成された円柱形状の係止部12h(図12(a)参照)は、第2回路基板17の後方係止部17cのそれぞれに嵌り込む状態となっている。
【0136】
その結果、後方側押圧片部12bが側方に弾性変形し、その復元応力が第2回路基板17に付与されこととなり、2つの後方側押圧片部12bにより両側からほぼ均一の付勢力で挟持されることとなる。
【0137】
すなわち、第2回路基板17は、幅方向(X方向)の両側に位置する2つの後方側押圧片部12bからほぼ均一の付勢力で挟持された状態で下側筐体12に対して安定かつ強固に保持される。
【0138】
また、図11(a)と図11(b)からも明らかなように、第2回路基板17は、前面パネル部13にあらかじめ係合され、かつ、その実装面がレール状構造物L(図1参照)の延在する方向(Z方向)と直交する平面(XY平面)と平行となる位置関係で装着される。
【0139】
さらに、図12(a)と図12(b)を参照して、第2回路基板17が下側筐体12に装着される前後の状態を詳細に説明する。
【0140】
図12(a)は、第2回路基板17が矢印で示した装着方向に進行し、その先頭側コーナー部17dが後方側押圧片部12bの先端部に形成された円柱形状の係止部12hに当接する直前の状態を示している。
【0141】
ここで、後方側押圧片部12bは、下側筐体12の第2スライダー15が配置された側の内壁から第2回路基板17の装着方向(矢印方向)と真反対の方向へ突出するように形成されている。
【0142】
一方、第2回路基板17は、その先頭側の側面が先頭にいくにつれて漸次緩やかに幅長が小さくなるように設定され、円弧形状の先頭側コーナー部17dを有している。
【0143】
そして、円弧形状の先頭側コーナー部17dと円柱形状の係止部12hはあらかじめ幅方向においてほぼ同じ位置に設置されている。
【0144】
このため、この状態からさらに第2回路基板17が押し込まれると円弧形状の先頭側コーナー部17dが係止部12hに当接する。
【0145】
そして、第2回路基板17の側面の形状に沿って係止部12hが側方に変位するため、後方側押圧片部12bが弓形に弾性変形する。
【0146】
最終的に、係止部12hが切り欠き状の後方係止部17cに嵌挿され、図12(b)で示した状態となる。
【0147】
また、この状態における後方側押圧片部12bの先端部に形成された円柱形状の係止部12hは、図12(a)で示された位置よりも側方側に変位するように切り欠き状の後方係止部17cの位置があらかじめ設定されている。
【0148】
これにより、後方側押圧片部12bが側方に弾性変形し、その復元応力が第2回路基板17に作用する。
【0149】
したがって、第2回路基板17は、両側からほぼ均一の付勢力で挟持されることとなる。
【0150】
すなわち、第2回路基板17は、幅方向(X方向)の両側に位置する2つの後方側押圧片部12bからほぼ均一の付勢力で挟持された状態で下側筐体12に対して安定かつ強固に保持される。
【0151】
なお、説明は省略するが、第1回路基板16についても同様に、幅方向(X方向)の両側に位置する2つの後方側押圧片部11bからほぼ均一の付勢力で挟持された状態で下側筐体12に対して安定かつ強固に保持される。
【0152】
また、開口部12kは、後方側押圧片部12とその先端部に形成された円柱形状の係止部12hを取り囲むように形成されている。
【0153】
これにより、例えば開口部12kにマイナスドライバーの扁平な先端部を挿入して、後方側押圧片部12bの係止部12hに対して側方に変位する応力を加えれば、嵌挿状態を解除することも容易となる。
【0154】
したがって、電子機器10として完成し動作可能となった後であっても、調整や内部部品の交換などのため必要に応じて筐体を分解することができる。
【0155】
次に、図13(a)と図13(b)を参照して、前面パネル部13が下側筐体12に嵌着される前後の状態を説明する。
【0156】
なお、説明を容易にするため、前面パネル部13の上側部分および上側筐体11の上側部分を省略して示している。
【0157】
ここで、前面パネル部13の最外周部には、内側に薄肉化による段差面を有する端部13dと複数の案内板13eが形成されている。
【0158】
そして、矢印方向に前面パネル部13を進行させることにより、端部13dと複数の案内板13eとの隙間に、上側筐体11の外側に薄肉化による段差面を有する端部11aと下側筐体12の外側に薄肉化による段差面を有する端部12aがそれぞれ嵌着される。
【0159】
以上説明したように、前面パネル部13は、第1回路基板16と第2回路基板17とを介することにより、分割された上側筐体11と下側筐体12とに強固に結合される。
【0160】
また、第1回路基板16と第2回路基板17の実装面がレール状構造物Lの延在方向(Z方向)と直交する平面(XY平面)上に配置されているため、その幅方向(X方向)や奥行き方向(Y方向)において寸法のばらつき(特に、所望の寸法よりも拡大する方向のばらつき)が生じたとしても、分割された上側筐体11と下側筐体12間の間隔に影響することがないので、レール状構造物Lの延在方向において所定間隔以上に離間しないようにできる。
【0161】
その結果、上側筐体11と下側筐体12とが密接に結合され、筐体全体の密閉度が保たれ内部の構成部材の品質を良好に維持できる。
【0162】
また、例えば、電子機器10の着脱作業において、ユーザーはまずあらかじめレール状構造物Lに対して電子機器10を傾けた状態で配置し、第1スライダー14を一方の張出片部L1の先端部に接触させ、前面パネル部13に所定以上の応力を加えながら、それぞれの筐体との背面とその第1スライダー14との隙間にレール状構造物Lの一方の張出片部L1を押し込む必要がある。
【0163】
次に、第2スライダー15を手動により後退させながら、あるいは第2スライダー15を張出片部L1に押し付けながら、レール状構造物Lに対して電子機器10を平行な状態に戻して、その第1スライダー14と第2スライダー15の付勢力により取り付けを行う。
【0164】
その際、オペレーターから加えられた応力が、前面パネル部13から第1回路基板16と第2回路基板17の両方を介して第1スライダー14と第2スライダー15の配置された筐体の背面まで、分割されたそれぞれの筐体毎に独立して、かつほぼ均等に応力が伝達される。
【0165】
すなわち、前面パネル部13に加えられた応力が減衰することなく筐体の背面まで直接的に作用することとなる。
【0166】
これにより、例え上側筐体11と下側筐体12を薄肉化した場合であっても、前面パネル部13から筐体の背面側への応力伝達が妨げられることがなくなるため、筐体の軽量薄型化の対応が極めて容易となる。
【0167】
つまり、前面パネル部13と複数に分割された筐体とが回路基板(第1回路基板16と第2回路基板17、以下同じ)を介して強固に結合されることにより、オペレーターから加えられた応力が、前面パネル部13からその回路基板を介して一対のスライダー(第1スライダー14と第2スライダー15)の配置された筐体の背面まで、確実に伝達されるので、筐体の軽量薄型化への対応が容易となる。
【0168】
特に、電子機器10の本体側の筐体が、レール状構造物Lの延在する方向において、積層するように複数に分割された場合には、その筐体が箱形に一体成形されていないため、効率的な応力伝達が得られず、筐体の軽量薄型化の対応が極めて困難であったという独自の課題があったが、本構成によれば容易にその課題を解決できる。
【0169】
また、電子機器10の筐体の背面側のみがレール状構造物Lに取り付けられた状態においては、第1回路基板16と第2回路基板17の両方によって実装部品や前面パネル部13が保持されているため、それらの重量により筐体自体の変形が生じることもなく、例え筐体を薄肉化しても電子機器10が安定して保持される。
【0170】
また、オペレーターから前面パネル部13へ作用する応力が、前面パネル部13から第1回路基板16と第2回路基板17に分散され、筐体と前面パネル部13との嵌着部分に集中的に作用することが少なくなるため、前面パネル部13が筐体から分離したり筐体の側面が撓み変形したりするのを確実に防止できる。
【0171】
さらに、前面パネル部13を上側筐体11の端部11aと下側筐体12の端部12aに嵌着させた上で、前面パネル部13と筐体とを前述したように結合するために、ネジ、ボルト、接着剤、その他の専用の結合部材など前記応力に耐えうるような複雑な構成を必要とする必要もなく、簡素な構成で確実に電子機器10の筐体を結合できる。
【0172】
なお、本発明の技術的範囲は、上述した実施の形態に限定されるものでなく、請求項に示した範囲で種々の変形が可能であり、異なる実施の形態にそれぞれ開示された技術的な手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態の変形例についても本発明の技術的範囲に含まれるものとする。
【0173】
次に、別の変形例について、レール状構造物側Lに取り付けられた状態を背面側から見た模式図を参照して説明する。
【0174】
なお、それぞれにおいて前面パネル部と複数に分割された筐体とを内部の回路基板とスライダーによって結合する構成については、前述した通りなので詳細な説明は省略する。
【0175】
まず、図14(a)は、レール状構造物Lの延在方向における高さが相互に異なるように2つに分割された第1筐体21aと第2筐体21bが、進退自在な一対の可動スライダー22で結合されている電子機器20を示している。
【0176】
次に、図14(b)は、レール状構造物Lの延在方向において3つに分割された第1筐体31a、第2筐体31bおよび第3筐体31cが、進退自在な一対の可動スライダー32で結合されている電子機器30を示している。
【0177】
また、図14(c)は、レール状構造物Lの延在方向において3つに分割された第1筐体41a、第2筐体41bおよび第3筐体41cが、進退自在な一対の可動スライダー42と一対の可動スライダー43で結合されている電子機器40を示している。
【0178】
また、図14(d)は、レール状構造物Lの延在方向において2つに分割された第1筐体51aと第2筐体51bの全体高さよりも大きな高さを有する進退自在な一対の可動スライダー52で結合されている電子機器50を示している。
【0179】
最後に、図14(e)は、レール状構造物Lの延在方向において2つに分割された第1筐体61aと第2筐体61bが、進退自在な可動スライダー63で結合され、かつ、固定係合部62と可動スライダー63とによりレール状構造物Lを挟持している電子機器60を示している。
【0180】
また、前述した実施の形態で説明した前面パネル部、複数に分割された筐体、スライダーの構成要素の素材としては、例えばPBT(ポリブチレンテレフタレート)、POM(ポリアセタール)、ABS(アクリロニトリンブタジエンスチレン)、PC(ポリカーボネイト)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PA(ポリアミド)などのプラスティック素材が好ましいが、アルミニウム、マグネシウム、SUS(ステンレス鋼)などの金属素材やそれらを複合した素材であっても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0181】
本発明にかかる電子機器の筐体構造は、前面パネル部と分割された筐体とが回路基板を介して強固に結合されるので、例えばDINレールなどに取り付ける信号変換器や計測制御用遠隔入出力機などの電子機器の筐体構造として有用である。
【符号の説明】
【0182】
10 電子機器
11 上側筐体
11a 端部
11b 後方側押圧片部
11d スライド用凸部
11e ガイド用凹部
11f 内側壁
11g 係止用凹部
12 下側筐体
12a 端部
12b 後方側押圧片部
12c 装着用ガイド
12d スライド用凸部
12e ガイド用凹部
12f 内側壁
12g 係止用凹部
12h 係止部
12k 開口部
13 前面パネル部
13a、13b 前方側押圧片部
13c 開口部
13d 端部
13e 案内板
13f コネクタ挿通部
14 第1スライダー
14a 第1スライダー基部
14b 第1弾性片部
14c 第1爪部
14d 係止用凸部
14e 両側端部
14f スライド用凹部
15 第2スライダー
15a 第2スライダー基部
15b 第2弾性片部
15c 第2爪部
15d ガイド用凸部
15e 両側端部
15f スライド用凹部
15g 操作部
15h 開口部
16 第1回路基板
16a コネクタ部
16b 前方係止部
16c 後方係止部
17 第2回路基板
17a コネクタ部
17b 前方係止部
17c 後方係止部
17d 先頭側コーナー部
20 電子機器
21a 第1筐体
21b 第2筐体
22 一対の可動スライダー
30 電子機器
31a 第1筐体
31b 第2筐体
31c 第3筐体
32 一対の可動スライダー
40 電子機器
41a 第1筐体
41b 第2筐体
41c 第3筐体
42、43 一対の可動スライダー
50 電子機器
51a 第1筐体
51b 第2筐体
52 一対の可動スライダー
60 電子機器
61a 第1筐体
61b 第2筐体
62 固定係合部
63 可動スライダー
K 境界
L レール状構造物
L1 張出片部
P 停止位置
w 間隔
h 高さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
あらかじめ所定の方向に延在し、かつ外方に張り出す張出片部を両側に有するレール状構造物に電子機器を取り付けるための電子機器の筐体構造であって、
前記レール状構造物の延在する方向において複数に分割された筐体と、
前記複数に分割された筐体の境界を跨ぐように配置され、前記レール状構造物の張出片部を挟み込むため進退自在に取り付けられたスライダーと、
前記複数に分割された筐体に対して前記スライダーの配置された側と反対側に位置し、前記複数に分割された筐体の端部に嵌着された前面パネル部と、
前記前面パネル部に係止し、前記複数に分割された筐体内にその実装面が前記レール状構造物と直交する方向に装着される回路基板とを備え、
前記回路基板には、前記前面パネル部側の両側端部に前方係止部が形成されるとともに、装着方向の先頭側の両側端部に後方係止部が形成され、前記前方係止部は前記前面パネル部に形成された一対の前方側押圧片部の係止部に嵌り込み、かつ、前記複数に分割された筐体の前記スライダーが配置された側の内壁に形成された一対の後方側押圧片部の係止部は前記後方係止部に嵌り込むようにしたことを特徴とする電子機器の筐体構造。
【請求項2】
前記スライダーは、前記複数に分割された筐体間の間隔が前記レール状構造物の延在方向において所定間隔以上に離間しないように前記複数に分割された筐体を併せて把持することを特徴とする請求項1記載の電子機器の筐体構造。
【請求項3】
前記回路基板は、前記複数に分割されたそれぞれの筐体毎に設けられることを特徴とする請求項1または2記載の電子機器の筐体構造。
【請求項4】
前記前方側押圧片部は、前記前面パネル部から前記回路基板の装着方向へ突出するように形成され、かつ、前記回路基板を前記前面パネル部の両側端部側から内側方向へ押圧することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電子機器の筐体構造。
【請求項5】
前記回路基板の前記前方係止部は、側方に突出した凸形状に形成され、かつ、前面パネル部側の両側端部に形成された前記前方側押圧片部の係止部は、前記前方係止部が嵌り込む開口部を有することを特徴とする請求項4記載の電子機器の筐体構造。
【請求項6】
前記後方側押圧片部は、前記複数に分割された筐体の前記スライダーが配置された側の内壁から前記回路基板の装着方向と真反対の方向へ突出するように形成され、かつ、前記回路基板を前記内壁の両側端部側から内側方向へ押圧することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の電子機器の筐体構造。
【請求項7】
前記回路基板の前記後方係止部は、装着方向の先頭側の両側端部に切り欠き状に形成され、かつ、前記複数に分割された筐体の前記後方側押圧片部は、その先端部に円柱形状に形成された係止部を有し、その係止部が前記後方係止部に嵌り込むことを特徴とした請求項6記載の電子機器の筐体構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−249741(P2011−249741A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−136564(P2010−136564)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(390001166)株式会社エム・システム技研 (25)
【Fターム(参考)】