説明

電子機器

【課題】小型化を図りつつ、シールド性の低下や打振ノイズの発生を防止できる電子機器を提供する。
【解決手段】立形の電子機器(84)であって、配線基板(3)を支持してセット基板(1)への装着に供される枠体(28)は、基板表面(4)に対峙し、その下側に形成された下側開口(44)及び下側開口から切り起こされた係合部(45)を有する正面板(30)と、正面板の上辺(31)に連なり、左右横板(62,63)に連結して配線基板の上方を囲む天板表面(52)を有した天板(51)と、係合部を挟んで天板とは反対側で正面板の下辺(34)に連なる一方、左右横板に連結せず、端子群(10)を回避して配線基板の下方を囲む底板(74)とを備える。一方、蓋体(78)は、正面板を覆う正面蓋(80)と、正面蓋に連なって天板表面を上方から押さえる第1上側腕(81a)と、正面蓋に連なりつつ下側開口に挿入され、係合部を下方から支持する保持腕(84)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セット基板に対して立形装着される電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の電子機器、例えばテレビジョンやラジオのチューナでは、配線パターンや電子部品を搭載した配線基板を有し、この配線基板は金属製の枠体で支持される。
一方、配線基板には端子群が設けられる。端子群は、その一端側が配線パターンに接続し、その他端側が配線基板の周縁から突出して延びている。
【0003】
また、枠体にも、その周縁から突出した取り付け脚が設けられており、これら端子群や取り付け脚をセット基板に差し込むと、配線基板や枠体とセット基板とが接続される。
ここで、電子機器をシールドする構造が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
詳しくは、枠体を金属製の蓋体で覆い、電子機器の内側をその外側に対して遮蔽しているが、この電子機器では、上記端子群が電子機器の長さ方向に並設され、上記取り付け脚が端子群の両端にそれぞれ設置されている。これら端子群や取り付け脚は、枠体の底板(配線基板の下方を囲む)からセット基板に向けて延びており、当該電子機器はセット基板に対して立形装着、つまり、電子機器の高さ方向のサイズがその幅方向のサイズよりも大きくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−135204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記従来の技術では、電子機器の小型化を図れないという問題がある。上記端子群は、枠体の底板に形成された各開口のみから引き出されており、これら開口の間には底板部分が存在し、電子機器の長さ方向のサイズを小さくできないからである。
この問題を解決するには、上記開口同士を繋いで端子群を密集させることが考えられる。
【0007】
すなわち、底板の形状を端子群から逃げるように形成する。特に、これら開口と開口との間を底板部分の無い空間にするのみならず、開口と底板の左端側や、開口と底板の右端側も底板部分の無い空間にすれば、電子機器の長さ方向のサイズをより小さくできる。
しかしながら、この場合の底板は、枠体の正面板(配線基板の基板表面に対峙する)の下辺にだけ連結し、枠体の左横板(配線基板の左方を囲む)や、枠体の右横板(配線基板の右方を囲む)には連結しないため、底板の変形が懸念される。
【0008】
具体的には、蓋体が枠体の外側を単に覆うと、底板表面を下方から支持することになり、この底板が、本来の姿勢よりもさらに内側に向けて折れ曲がって変形し易くなってしまう。
そして、これでは、本来の姿勢では遮蔽できていた底板が機能しなくなり、シールド性が低下するとの問題がある。また、底板の変形に伴って枠体に対する蓋体の位置ずれが生じ、枠体と蓋体とは、本来接触すべき位置では接触せず、本来接触すべきではない位置で接触し、打振ノイズが発生するという問題もある。
【0009】
このように、立形装着の電子機器の小型化を図る場合には、枠体の底板の変形を防止にも留意しなければならない。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解消し、その小型化を図りつつ、シールド性の低下や打振ノイズの発生を防止することができる電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための第1の発明は、セット基板に対して立形装着される電子機器であって、正面視矩形状の基板表面に、配線パターンや電子部品を設けた配線基板と、配線基板の下側に並設され、この配線基板とセット基板とを接続する端子群と、配線基板を支持するとともに、セット基板への装着に供される金属製の枠体と、枠体を覆う金属製の蓋体とを具備する。
【0011】
枠体は、基板表面に対峙しており、その下側に形成された下側開口及びこの下側開口の形成の際に内側に切り起こされた係合部をそれぞれ有する正面板と、この正面板の左辺及び右辺に連なり、配線基板の左方及び右方をそれぞれ囲む左横板及び右横板と、正面板の上辺に連なり、これら左横板及び右横板に連結されて配線基板の上方を囲む天板表面を有した天板と、係合部を挟んで天板とは反対側にて正面板の下辺に連なる一方、これら左横板及び右横板に連結されず、端子群を回避して配線基板の下方を囲む底板とを備える。
【0012】
そして、蓋体は、正面板を覆う正面蓋と、この正面蓋に連なり、天板表面を上方から押さえる第1上側腕と、正面蓋に連なるとともに、下側開口に挿入され、係合部を下方から支持する保持腕とを備える。
第1の発明によれば、電子機器は、配線基板、端子群、枠体、及び蓋体からなるが、伏形ではなく立形にて構成される。
【0013】
詳しくは、端子群の並設方向、換言すれば枠体の左右方向(機器の長さ方向)と、配線基板の厚み方向(機器の幅方向)と、各端子の形成方向、換言すれば枠体の上下方向(機器の高さ方向)とでみて、機器の高さ方向のサイズが機器の幅方向のサイズよりも大きく構成されている。
また、配線基板は金属製の枠体に支持され、この枠体は同じく金属製の蓋体に覆われており、機器の内側をその外側に対して遮蔽できる。
【0014】
ここで、枠体の底板は、セット基板に向かう端子群を逃げた位置に設けられ、これら端子群を機器の長さ方向に沿って密集して設置可能である。よって、当該長さ方向のサイズを小さくした機器の小型化を図ることができる。
一方、この底板が、左横板及び右横板に連結されず、正面板の下辺のみに連なる場合には、底板の変形が懸念される。具体的には、蓋体が、天板表面を上方から押さえるとともに、仮に、底板表面を下方から支持して枠体を覆うと、正面板の下辺だけに連なる底板が、本来の姿勢よりもさらに内側に向けて折れ曲がって変形し易くなるのである。
【0015】
しかしながら、本発明によれば、枠体の正面板には下側開口や係合部が設けられており、蓋体の保持腕は、底板とは別個の係合部を支持している。
このように、蓋体がその上下方向で枠体を覆うにあたり、底板表面を下方から支持するのではなく、正面板に設けられた係合部の表面を下方から支持すれば、底板は本来の姿勢を維持でき、シールド性の低下を防止できる。しかも、枠体に対する蓋体の位置ずれも回避され、これら枠体と蓋体とは本来接触すべき位置で接触するので、打振ノイズの発生も防止できる。これらの結果、電子機器の信頼性が向上する。
【0016】
第2の発明は、第1の発明の構成において、下側開口は、正面板の下辺に形成されていることを特徴とする。
第2の発明によれば、第1の発明の作用に加えてさらに、下側開口を正面板と底板との境目に形成すれば、この底板を本来の姿勢に容易に折り曲げ可能になる。また、この下側開口が係合部を設ける機能も兼ねるため、折り曲げ用の開口と係合部設置用の開口とを別個にそれぞれ形成しなくて済み、シールド性の低下をより防止できる。
【0017】
第3の発明は、第1や第2の発明の構成において、正面板は、その上側に上側開口を有し、蓋体は、この上側開口に挿入され、配線基板の周縁に対峙した天板裏面を下方から支える第2上側腕を有することを特徴とする。
第3の発明によれば、第1や第2の発明の作用に加えてさらに、蓋体はクリップ構造で枠体の天板を覆う。詳しくは、第1上側腕が天板表面を上方から押さえ、第2上側腕が天板裏面を下方から支えており、天板を挟みつけている。したがって、蓋体は枠体から外れ難くなる。
【0018】
第4の発明は、第3の発明の構成において、上側開口は、正面板の上辺に形成されていることを特徴とする。
第4の発明によれば、第3の発明の作用に加えてさらに、上側開口を正面板と天板との境目に形成すれば、天板を容易に折り曲げることができる。さらに、この上側開口が第2上側腕を挿入する機能も兼ねるので、折り曲げ用の開口と第2上側腕挿入用の開口とを別個にそれぞれ形成しなくて済み、シールド性の低下をより一層防止できる。
【0019】
第5の発明は、第1から第4の発明の構成において、天板表面は、正面板の上辺近傍にて外側に向けて突出した表突起を有し、第1上側腕は、この表突起に係合して天板表面を上方から押さえていることを特徴とする。
第5の発明によれば、第1から第4の発明の作用に加えてさらに、第1上側腕が表突起に係合すれば、枠体に対する蓋体の位置が規定され、これら枠体と蓋体とは本来接触すべき位置でより確実に接触できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、蓋体が、枠体の底板を下方から支持するのではなく、枠体の正面板を下方から支持するため、この底板を端子群から逃がしても、底板が変形しない電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施例のチューナをマザーボードに取り付けた正面図である。
【図2】図1のチューナの外観斜視図である。
【図3】図2のチューナの正面図である。
【図4】図2のチューナの背面図である。
【図5】図2のフレームの斜視図である。
【図6】図5のフレームの斜視図である。
【図7】図5のフレームの側面図である。
【図8】図2の表カバーの斜視図である。
【図9】図1のチューナの外観斜視図である。
【図10】図9のチューナの側面図である。
【図11】図9のチューナの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施例に係るFM/AMチューナ(電子機器)2の外観正面図であり、このチューナ2は、マザーボード(セット基板)1とともに、例えばカーステレオの筐体内に納められており、デジタルラジオ放送の信号を受信可能である。
【0023】
このチューナ2の正面側は金属製の表カバー(蓋体)78で覆われているのに対し(図1〜図3)、チューナ2の背面側は金属製の裏カバー(蓋体)88で覆われている(図2や図4)。
これら表カバー78と裏カバー88との間には、金属製のフレーム(枠体)28に支持された図5で後述の配線基板3が配置される。この配線基板3には、チューナ2の機能を奏する電気回路が設けられている。
【0024】
図1の正面視にて配線基板3の下側には端子群10が並設される。端子群10は折り曲げられずにマザーボード1に装着されており、チューナ2は、表カバー78や裏カバー88が起立状態で配置された立形をなして構成されている。詳しくは、本実施例のチューナ2は、長さ方向が約50mm、幅方向が約10mm、高さ方向が約30mmのサイズで形成され、より一層の小型化が図られている。
【0025】
また、本実施例の端子群10は計21本の端子11を有する(図2)。つまり、チューナ2の長さに対して端子11の数が多いことが分かる。
これら各端子11は、入力用の端子や出力用の端子の他、電源用やGND用の端子などをそれぞれ担っており、例えばデジタルラジオ放送の信号は、入力用の端子11を介して上記電気回路に入力され、当該信号処理に最適な出力信号が出力用の端子11を介して出力される。
【0026】
詳しくは、入力用の端子11からのデジタルラジオ信号は、同調回路や増幅回路を経て混合回路に入力される。
また、この混合回路には、局部発振器からの局部発振信号も入力されており、混合回路はデジタルラジオ信号と局部発振信号とを混合して中間周波信号に変換する。
【0027】
次いで、当該中間周波信号から不要な周波数成分が除去され、その後、この減衰された中間周波信号が増幅されて検波される。これにより、デジタルラジオの信号処理に最適な音声信号や動画用の映像信号を出力用の端子11から出力できる。
ここで、本実施例の配線基板3は、図3の正面視で矩形状の基板表面4を備え、上記電気回路はこの基板表面4に形成される。
【0028】
具体的には、配線基板3は、その厚み方向で対向した基板表面4や基板裏面5を有し、基板表面4は図5で、基板裏面5は図4や図6で見ることができる。これら基板表面4や基板裏面5もまた、その長さ方向のサイズが高さ方向のサイズよりも大きく形成されており、基板表面4の適宜位置には配線パターン(図示しない)が設けられ、この配線パターン上に電子部品(図示しない)が搭載されている。
【0029】
また、図3の正面視で配線基板3の左右両側には、略直方体の保持腕6,6がそれぞれ形成され(図2、図5や図6)、保持腕6は配線基板3の周縁からその長さ方向に沿って突出している。
さらに、配線基板3は、基板表面4と基板裏面5とを貫通して穿設されたフレーム用の貫通孔7やピン用の貫通孔8を有する。
【0030】
フレーム用の貫通孔7は、図5でその一部を見ることができ、図3の正面視にて配線基板3の上側でその長さ方向に沿って設けられ、また、配線基板3の右側や左側で、さらに、この配線基板3の中央位置でその高さ方向に沿ってそれぞれ設けられた計10個の円形状の孔である。このフレーム用の貫通孔7は後述のようにシールド脚38を受容でき、各シールド脚38は基板裏面5にてフレーム用の半田20で固定される(図6や図7)。これにより、配線基板3はフレーム28を介して接地される。
【0031】
一方、ピン用の貫通孔8は、図4に示される如く、図3の正面視で配線基板3の下側にて、その長さ方向に沿って設けられた計21個の円形状の孔であり、断面視矩形状のピン16を受容できる。これら各ピン16は基板裏面5にてピン用の半田21で固定される。
より具体的には、本実施例の端子11は、当該ピン16と、直線状脚12と、樹脂ホルダー14とで構成されている(図5や図6)。
【0032】
直線状脚12は、断面視矩形状に形成され、その一端側がフレーム28から露出してマザーボード1に差し込まれ、その電極に接続可能に構成されている。一方、直線状脚12の他端側は樹脂ホルダー14に挿入される。
この樹脂ホルダー14は、直方体形状に形成されており、直線状脚12の他端側を受容する角型の受容穴15を有する。
【0033】
また、樹脂ホルダー14は、ピン16を受容するピン用受容穴(図示しない)を有している。このピン用受容穴は、受容穴15の形成方向に直交して設けられており、受容穴15に連通している。これにより、直線状脚12の他端側とピン16の一端側とは樹脂ホルダー14の内部で接触する。そして、このピン16の他端側をピン用の貫通孔8に差し込むと、配線基板3の配線パターンとマザーボード1の電極とが端子11を介して導通される。
【0034】
次に、フレーム28は、配線基板3の支持やシールド、さらに、マザーボード1への装着の各機能を担い、正面板30と、左横板62及び右横板63と、天板51と、底板74とからなる。
まず、正面板30は、チューナ2の長さ方向及び高さ方向に沿って延びており、図3の正面視で矩形状に形成され、基板表面4に対峙する(図5)。なお、本実施例のフレーム28には基板裏面5に対峙する背面板は設けられていない(図6)。
【0035】
詳しくは、正面板30は、図5に示される如く、上辺31、左辺32、右辺33、及び下辺34で区画されており、この下辺34は端子群10に近接し、上辺31とは反対側に位置する。これら上辺31や下辺34は左辺32や右辺33よりも長く形成され、この図5で見て上辺31や下辺34の左右両端は、左辺32の上下端や右辺33の上下端にそれぞれ交差する。
【0036】
また、正面板30の中央位置には中央開口39が形成され、その左右両側には、正面板30を打ち抜いて開放した打ち抜き部36,36が形成される。
中央開口39は、シールド脚38を内側、換言すれば、基板表面4への折り曲げによって形成された開放部分である。中央開口39とシールド脚38との境界辺には上下方向に沿って3個の縦開口42が設けられている。
【0037】
これら縦開口42を利用して折り曲げられたシールド脚38の先端は、基板表面4からフレーム用の貫通孔7に挿入され、基板裏面5に突出してフレーム用の半田20で配線基板3に固定される。
なお、基板裏面5には各シールド脚38に対応した計10個のフレーム用の半田20が設けられ、図6で云えば、フレーム用の半田20は、配線基板3の上側に2個、配線基板3の上記左側に2個、そして、配線基板3の中央位置に2個を明確に見ることができる。
【0038】
再び図5に戻り、縦開口42は、左辺32や右辺33に、詳しくは、左辺32や右辺33を跨いだ位置にもそれぞれ2個形成されており、左右横板62,63を正面板30に対して直交方向に折り曲げる際にそれぞれ利用される。
一方、上辺31のうち、打ち抜き部36,36の近傍には正面視矩形状の上側開口41が2個形成されている。
【0039】
具体的には、この上側開口41は、天板51を正面板30に対して直交方向に折り曲げる際に利用されるが、本実施例の上側開口41は、上辺31を上側開口41の周縁として残し、正面板30寄りの位置で打ち抜かれている。
また、下辺34のうち、打ち抜き部36,36の近傍にも正面視矩形状の下側開口44が2個形成されている。この下側開口44は、底板74を正面板30に対して直交方向に折り曲げる際に利用される。
【0040】
ここで、下側開口44は、下辺34を下側開口44の周縁として残し、正面板30寄りの位置で設けられるものの、上側開口41とは異なり、正面板30を打ち抜いた構造ではない。
それは、図5に示されるように、下側開口44のうち下辺34の反対側には係合片(係合部)45が設けられ、下側開口44はこの係合片45を内側に向けて切り起こすことにより形成されているからである。
【0041】
なお、天板51や底板74の強度を確保できることを条件として、これら上側開口41や下側開口44は、上述した縦開口42のような跨いだ位置、つまり、上辺31や下辺34を跨いで設けることも可能である。
また、正面板30は、係合片45と中央開口39との間に、2個の切り起こし部46,46を有する。
【0042】
切り起こし部46は、係合片45と同様に、内側に向けて切り起こされており、配線基板3の下側中央に配置された樹脂ホルダー14を基板表面4に向けて押さえている。なお、上述した係合片45の先端部分も、対峙した樹脂ホルダー14を基板表面4に向けて押さえることは可能である。
さらに、本実施例の正面板30は補助脚48を有している。
【0043】
この補助脚48は、下辺34の中央部分から下方に向けて延び、マザーボード1の表面1aに接触する(図1や図3)。また、補助脚48の左右端部分は配線基板3から離間する方向にそれぞれ突出しており、補助脚48の下端部分は、断面コ字状に形成されている。これにより、表面1aへの接触面積を増やし、マザーボード1に対するチューナ2の傾きを防止することができる。
【0044】
しかも、この補助脚48の下端中央部分には、上方に向けて窪んだ逃げ穴49が設けられ(図1や図3)、この逃げ穴49は上記配線パターンとの接触を回避している。
次に、右横板63は、図5や図6で見ることができ、正面板30の右辺33に連なり、正面板30に対して折り曲げられてチューナ2の幅方向及び高さ方向に沿って延びて配線基板3の右方を囲んでいる。
【0045】
右横板63の下端には取り付け脚66が設けられ(図6)、この取り付け脚66はマザーボード1に差し込まれてチューナ2の固定に利用される。
また、右横板63の上端には受容穴64が設けられており、後述の天板51の固定に用いられる。
そして、右横板63は計6個の表突起65を備えている。
【0046】
詳しくは、図6に示されるように、表突起65は、まず、正面板30の右辺33の近傍にて外側に向けて突出し、この右辺33に沿って3個配置される。
一方、残り3個の表突起65は、この右辺33の反対側の近傍にて外側に向けて突出しており、受容穴64の近傍や、配線基板3の周縁から突出した保持腕6,6の間に配置されている。
【0047】
ここで、右横板63は、これら保持腕6,6の他、基板表面4や基板裏面5を支持することができる。
具体的には、保持腕6,6の位置には舌片67,67が設置され、この舌片67は内側に折り曲げられて基板表面4を支持する。また、保持腕6と取り付け脚66との間には、1組の半円状突起68及び弾性片69が設けられている。
【0048】
半円状突起68は内側に向けて突出して基板表面4を支持しており、弾性片69は、この半円状突起68に対向し、内側に折り曲げられて基板裏面5を支持する。
なお、左横板62は、正面板30の左辺32に連なり、正面板30に対して折り曲げられてチューナ2の幅方向及び高さ方向に沿って延びて配線基板3の左方を囲む。そして、右横板63の如く図5や図6で詳細を見ることはできないものの、その構造は右横板63と同様に、取り付け脚66、受容穴64、表突起65、舌片67、半円状突起68及び弾性片69それぞれを備えている。
【0049】
続いて、天板51は、正面板30の上辺31に連なり、正面板30に対して折り曲げられる。天板51はチューナ2の長さ方向及び幅方向に沿って延びて配線基板3の上方を囲む(図5)。詳しくは、この配線基板3の上方は平面視矩形状の天板裏面53が直に対面し、天板裏面53の反対側には同形状の天板表面52を有する(図6や図7)。つまり、この天板表面52が外部に露出する。
【0050】
また、天板51の左右両側には、配線基板3の長さ方向に沿って突出した差し込み腕54がそれぞれ形成され(図7)、折り曲げられた左横板62や右横板63の各受容穴64に挿入される。よって、正面板30に対して折り曲げられた天板51は、この正面板30に加え、折り曲げられた左横板62及び右横板63にも連結される。
【0051】
天板51は計4個の表突起55を備えている。詳しくは、この表突起55は、正面板30の上辺31の近傍にて外側に向けて突出しており、天板51の左右両側にそれぞれ1個ずつ、天板51の中央位置に2個配置されている。
これに対し、図6や図7を見れば容易に理解できるように、表突起55は、左横板62や右横板63の表突起65とは異なり、上辺31の反対側には配置されていない。
【0052】
ここで、天板51もまた、基板表面4や基板裏面5を支持することができ、まず、舌片57,57が内側に折り曲げられて基板表面4を支持する(図6)。また、これら舌片57,57の間には、2組の半円状突起58及び弾性片59が設けられ、半円状突起58は内側に向けて突出して基板表面4を支持し、弾性片59は、この半円状突起58に対向し、内側に折り曲げられて基板裏面5を支持する。
【0053】
次いで、底板74は、図5に示されるように、正面板30の係合片45よりもさらに下方に位置しており、正面板30の下辺34に連なり、正面板30に対して折り曲げられて天板51と同様にチューナ2の長さ方向及び幅方向に沿って延び、配線基板3の下方を囲んでいる。
しかし、この底板74は、天板51の如く左横板62及び右横板63には連結されておらず、正面板30のみに連結する。そして、底板74は、補助脚48の左右両側に配置され、直線状脚12の周面までには届かない幅で形成されている。
【0054】
ところで、表カバー78や裏カバー88は、フレーム28とともに配線基板3のシールド機能を担う。
まず、表カバー78は正面蓋80を備える(図3)。この正面蓋80は、チューナ2の長さ方向及び高さ方向に沿って延びてフレーム28を覆う。すなわち、この図3の正面視で矩形状に形成され、正面板30に対峙してその全体を覆っている。
【0055】
この図3に示されるように、正面蓋80は内側に向けて窪んだ中央凹み86を有し、この中央凹み86にチューナ2に関するラベル(図示しない)が貼付される。このように、ラベルを正面蓋80よりも低い位置に貼付すれば、チューナ2を梱包して搬送する際にも、隣り合うチューナ2との接触によるラベルの剥がれや擦れを防止できる。
【0056】
また、図3の正面視にて、正面蓋80はその上下方向及び左右方向でフレーム28に係合する。
詳しくは、この図3、図8や図9に示されるように、正面蓋80の上側には、3個の上押さえ腕(第1上側腕)81a及び2個の下支え腕(第2上側腕)81bが設けられる。
【0057】
なお、この図8には、この正面板30に直に対峙する表カバー78の裏面が見えており、図3の正面蓋80は当該裏面に隠れて見えない。
上押さえ腕81aは、正面蓋80の上側の左右両端及び中央位置にそれぞれ配置され、天板表面52の表突起55に係合することができる。具体的には、この上押さえ腕81aは、正面蓋80に対して直交方向に折り曲げられており、表突起55に係合するフック形状をなし、天板表面52を上方から押さえている。
【0058】
一方、下支え腕81bは、中央位置の上押さえ腕81aの左右両側にそれぞれ配置される。この下支え腕81bは、上押さえ腕81aと同様に、正面蓋80に対して直交方向に折り曲げられるが、面一に形成されており、正面板30の上側開口41に差し込まれて天板裏面53を下方から支えている。すなわち、これら上押さえ腕81aと下支え腕81bとは、天板51を挟みつけるクリップ構造である。
【0059】
また、正面蓋80の左側(図8では右側に相当する)には3個の左押さえ腕82が、さらに、正面蓋80の右側(図8では左側に相当する)にも3個の右押さえ腕83がそれぞれ設けられる。
これら左押さえ腕82や右押さえ腕83は、正面蓋80に対して直交方向に折り曲げられ、表突起65に係合するフック形状をなしており、左横板62や右横板63を側方からそれぞれ押さえている(図9)。
【0060】
これに対し、正面蓋80の下側には2個の保持腕84が設けられる(図2や図8)。この保持腕84は、下側開口44に対応した位置に配置され、正面蓋80に対して直交方向に折り曲げられる。そして、この保持腕84は、下側開口44に挿入されるため、底板74ではなく、係合片45を下方から支持するフック形状をなしている。
【0061】
裏カバー88は、図4に示されるように、背面蓋90を有する。この背面蓋90は、チューナ2の長さ方向及び高さ方向に沿って延びて基板裏面5に対峙して基板裏面5の全体を覆う。また、裏カバー88は図8に示した表カバー78のうち保持腕84を省略した構造である。これは、本実施例のフレーム28が背面板を備えていないからである。
【0062】
つまり、本実施例の裏カバー88は、背面蓋90の上側に、3個の上押さえ腕91a及び2個の下支え腕91bを有し、正面蓋80に対して直交方向に折り曲げられる(図4)。
上押さえ腕91aは天板表面52を上方から押さえ、下支え腕91bは天板裏面53を下方から支えており(図4や図9)、これら上押さえ腕91a及び下支え腕91bも天板51を挟みつけるクリップ構造である。
【0063】
ただし、上押さえ腕91aは、フック形状であっても天板表面52を上方から押さえるのみである(図7や図10)。これは、上述の如く、裏カバー88には表カバー78のような保持腕84がなく、この裏カバー88の上下方向における係合力の均衡を図るために、天板表面52には裏カバー88に対する表突起を設けていないからである(図6や図7)。
【0064】
また、フレーム28は背面板を備えていないことから、下支え腕91bは、下支え腕81bのように上側開口41に差し込むものではない。
したがって、上押さえ腕91a及び下支え腕91bのクリップ構造は、上押さえ腕81a及び下支え腕81bのクリップ構造よりも保持力が落ちることが懸念される。
【0065】
しかし、背面蓋90の左右側には、図6の表突起65にそれぞれ係合する左押さえ腕82や右押さえ腕83が設置され、左横板62や右横板63を側方からそれぞれ押さえていることから(図9、図10や図11)、裏カバー88もまたフレーム28から脱落しない。
上記構造のチューナ2は、まず、上記電気回路が基板表面4に設けられた配線基板3を準備する。
【0066】
そして、基板裏面5を上方に配置し、ピン用の貫通孔8の周辺外側にピン用の半田21を塗布する。詳しくは、ピン用の貫通孔8の周縁を避けた位置、例えば図4にてピン用の貫通孔8の手前側と奥側とにピン用の半田21をそれぞれ塗布する。これは、ピン16が基板裏面5から突出した際に、ピン用の半田21がピン16に付着しないようにするためである。
【0067】
次に、配線基板3を反転させて基板表面4を上方に配置し、端子11を配線基板3に設ける。具体的には、直線状脚12やピン16を有した樹脂ホルダー14を準備しておき、直線状脚12を配線基板3の下方から突出させるとともに、ピン16を基板表面4からピン用の貫通孔8に差し込み、基板裏面5に突出させる。
【0068】
なお、ピン用の貫通孔8は、その孔径がチューナ2の長さ方向で若干異なっており、ピン16は、配線基板3の左右両端に位置したピン用の貫通孔8に対しては軽く圧入され、配線基板3の中央部分に位置したピン用の貫通孔8に対してはフリー状態で挿入される。
続いて、正面板30に対して天板51、左横板62及び右横板63や、底板74を折り曲げたフレーム28を準備する。
【0069】
そして、フレーム28にて、基板表面4を上方に配置した配線基板3を押さえ、正面板30で基板表面4を覆い、左横板62及び右横板63で保持腕6を支持する。これにより、配線基板3の周囲は天板51、左横板62及び右横板63や、底板74で囲まれる(図5)。
その際には、天板51の弾性片59や、左横板62及び右横板63の弾性片69を内側に折り曲げ、基板裏面5に当接させる(図6)。
【0070】
弾性片59,69は基板裏面5に当接して撓むが、天板51の半円状突起58や、左横板62及び右横板63の半円状突起68が、これら弾性片59,69の対峙位置で基板表面4を支持する。
したがって、配線基板3は、弾性片59と半円状突起58とによって、さらに、弾性片69と半円状突起68とによって正規位置に押さえ込まれる。
【0071】
なお、基板表面4は内側に折り曲げられた舌片57,67にも支持される。
また、切り起こし部46が樹脂ホルダー14を基板表面4に向けて押えつける。よって、仮にピン用の貫通孔8の孔径がリフロー時に収縮しても、樹脂ホルダー14、特に、上記フリー状態でピン用の貫通孔8に挿入されたピン16を有した樹脂ホルダー14の浮き上がりを防止する。
【0072】
さらに、シールド脚38の先端を基板表面4からフレーム用の貫通孔7に差し込み、基板裏面5に突出させる。この基板裏面5に突出したシールド脚38の先端にはフレーム用の半田20を塗布する。その後、フレーム28は当該フレーム用の半田20によって、同時に、端子群10はピン用の半田21によって配線基板3にそれぞれリフロー接続される。
【0073】
次いで、表カバー78及び裏カバー88を図5のフレーム28に取り付ける。
すなわち、表カバー78は、正面蓋80で正面板30を覆うとともに、上押さえ腕81aが天板表面52を押さえ、表突起55に係合して天板表面52に固定される。同時に、下支え腕81bが上側開口41に挿入され、天板裏面53を支持する(図2、図9や図10)。
【0074】
また、左押さえ腕82や右押さえ腕83は表突起65にそれぞれ係合し、左横板62や右横板63に固定される(図9〜図11)。さらに、保持腕84が下側開口44に挿入され、係合片45を支持する(図2や図11)。
一方、裏カバー88は背面蓋90で基板裏面5を覆い、上押さえ腕91aが天板表面52を押さえるとともに、下支え腕91bが天板裏面53を支持する(図10)。
【0075】
左押さえ腕92や右押さえ腕93は表突起65にそれぞれ係合し、左横板62や右横板63に固定される(図9〜図11)。
より具体的には、これら上押さえ腕81aと表突起55、左押さえ腕82や右押さえ腕83と表突起65はかしめられ、フレーム28に対する表カバー78の位置が決まる。さらに、左押さえ腕92や右押さえ腕93と表突起65も同じくかしめられ、フレーム28に対する裏カバー88の位置が決まる。
【0076】
その後、図1に示されるように、フレーム28の取り付け脚66や端子11の直線状脚12をマザーボード1の表面1aから差し込み、裏面1bに突出させる。
そして、フレーム28の補助脚48が表面1aに当接すると、マザーボード1へのチューナ2の取り付けが完了する。
【0077】
以上のように、本実施例によれば、チューナ2は、配線基板3、端子群10、フレーム28、及び表カバー78や裏カバー88からなるが、伏形ではなく立形にて構成される。詳しくは、端子群10の並設方向、換言すれば、フレーム28の左右方向と、配線基板3の厚み方向と、フレーム28の上下方向とでみて、チューナ2の高さ方向のサイズがチューナ2の幅方向のサイズよりも大きく構成されている。
【0078】
また、配線基板3は金属製のフレーム28に支持され、このフレーム28は同じく金属製の表カバー78や裏カバー88に覆われており、チューナ2の内側をその外側に対して遮蔽できる。
ここで、フレーム28の底板74は、マザーボード1に向かう端子群10を逃げた位置に設けられ、これら端子群10をチューナ2の長さ方向に沿って密集して設置可能である。よって、当該長さ方向のサイズを小さくしたチューナ2の小型化を図ることができる。
【0079】
一方、この底板74が、左横板62及び右横板63に連結されず、正面板30の下辺34のみに連なる場合には、底板74の変形が懸念される。具体的には、例えば表カバー78が、天板表面52を上方から押さえるとともに、仮に、底板74の表面を下方から支持してフレーム28を覆うと、正面板30の下辺34だけに連なる底板74が、本来の姿勢よりもさらに内側に向けて折れ曲がって変形し易くなるのである。
【0080】
しかしながら、本実施例によれば、フレーム28の正面板30には下側開口44や係合片45が設けられており、表カバー78の保持腕84は、底板74とは別個の係合片45を支持している。
このように、表カバー78がその上下方向でフレーム28を覆うにあたり、底板74の表面を下方から支持するのではなく、正面板30に設けられた係合片45の表面を下方から支持すれば、底板74は本来の姿勢を維持でき、シールド性の低下を防止できる。
【0081】
さらに、フレーム28に対する表カバー78の位置ずれも回避され、これらフレーム28と表カバー78とは本来接触すべき位置で接触するので、打振ノイズの発生も防止できる。これらの結果、チューナ2の信頼性が向上する。
また、下側開口41を正面板30と底板74との境目に形成すれば、底板74を本来の姿勢に容易に折り曲げ可能になる。
【0082】
しかも、この下側開口41が係合片45を設ける機能も兼ねるため、折り曲げ用の開口と係合片設置用の開口とを別個にそれぞれ形成しなくて済み、シールド性の低下をより防止できる。
さらに、表カバー78はクリップ構造でフレーム28の天板51を覆う。詳しくは、上押さえ腕81aが天板表面52を上方から押さえ、下支え腕81bが天板裏面53を下方から支えており、天板51を挟みつけている。したがって、表カバー78はフレーム28から外れ難くなる。
【0083】
さらにまた、上側開口41を正面板30と天板51との境目に形成すれば、天板51を容易に折り曲げることができる。
しかも、この上側開口41が下支え腕81bを挿入する機能も兼ねるので、折り曲げ用の開口と下支え腕挿入用の開口とを別個にそれぞれ形成しなくて済み、シールド性の低下をより一層防止できる。
【0084】
また、上押さえ腕81aが表突起55に係合すれば、フレーム28に対する表カバー78の位置が規定され、これらフレーム28と表カバー78とは本来接触すべき位置でより確実に接触できる。
さらに、裏カバー88もまたクリップ構造でフレーム28の天板51を覆う。詳しくは、上押さえ腕91aが天板表面52を上方から押さえ、下支え腕91bが天板裏面53を下方から支えており、天板51を挟みつける。
【0085】
そして、左右の各押さえ腕92,93が左右横板62,63の表突起65にそれぞれ係合すれば、フレーム28に対する裏カバー88の位置が規定され、これらフレーム28と裏カバー88とは本来接触すべき位置で確実に接触できる。したがって、裏カバー88もフレーム28から外れ難くなる。
さらにまた、フレーム28を配線基板3に取り付ける際に、一旦、弾性片59,69で基板裏面5を受けておき、半円状突起58,59との間で配線基板3を挟み込めば、配線基板3をフレーム28に容易に仮止めできる。
【0086】
また、左右横板62,63の各取り付け脚66のみならず、これらの間にも補助脚48を設ければ、マザーボード1に対するチューナ2の傾きを防止でき、端子群10とマザーボード1の電極との接続不良などを回避できる。しかも、補助脚48は、コ字状の接触面によってマザーボード1の表面1aとの接触面積を増やしているため、チューナ2の姿勢はより安定する。
【0087】
本発明は、上記実施例に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
例えば、上記実施例では、上側開口41や下側開口41を天板51や底板74の折り曲げに利用できる位置に設けた構造や、天板51を挟みつける表カバー78のクリップ構造、さらに、フレーム28と表カバー78との係合力が表突起55,65を用いて得る構造などを説明している。
【0088】
しかし、上記実施例は最適な例を示したものであり、本発明は、必ずしもこれら総ての構造を備えていなくても良く、上記実施例の各構成の一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせることもできる。
また、上記実施例では、FM/AMチューナ2に具現化した例で説明されているが、本発明は、マザーボード1に対して立形装着される電子機器である限り、小型のテレビジョンチューナにも当然に適用可能である。
【0089】
そして、これらいずれの場合にも上記と同様に、電子機器の小型化を図り、かつ、シールド性の低下や打振ノイズの発生を防止できるとの効果を奏する。
【符号の説明】
【0090】
1 マザーボード(セット基板)
2 チューナ(電子機器)
3 配線基板
4 基板表面
5 基板裏面
10 端子群
28 フレーム(枠体)
30 正面板
31 上辺
32 左辺
33 右辺
34 下辺
41 上側開口
44 下側開口
45 係合片(係合部)
51 天板
52 天板表面
53 天板裏面
62 左横板
63 右横板
74 底板
78 表カバー(蓋体)
80 正面蓋
81a 上押さえ腕(第1上側腕)
81b 下支え腕(第2上側腕)
84 保持腕
88 裏カバー(蓋体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セット基板に対して立形装着される電子機器であって、
正面視矩形状の基板表面に、配線パターンや電子部品を設けた配線基板と、
前記配線基板の下側に並設され、この配線基板と前記セット基板とを接続する端子群と、
前記配線基板を支持するとともに、前記セット基板への装着に供される金属製の枠体と、
前記枠体を覆う金属製の蓋体とを具備し、
前記枠体は、
前記基板表面に対峙しており、その下側に形成された下側開口及びこの下側開口の形成の際に内側に切り起こされた係合部をそれぞれ有する正面板と、
この正面板の左辺及び右辺に連なり、前記配線基板の左方及び右方をそれぞれ囲む左横板及び右横板と、
前記正面板の上辺に連なり、これら左横板及び右横板に連結されて前記配線基板の上方を囲む天板表面を有した天板と、
前記係合部を挟んで前記天板とは反対側にて前記正面板の下辺に連なる一方、これら左横板及び右横板に連結されず、前記端子群を回避して前記配線基板の下方を囲む底板とを備え、
前記蓋体は、
前記正面板を覆う正面蓋と、
この正面蓋に連なり、前記天板表面を上方から押さえる第1上側腕と、
前記正面蓋に連なるとともに、前記下側開口に挿入され、前記係合部を下方から支持する保持腕とを備える
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記下側開口は、前記正面板の下辺に形成されていることを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電子機器であって、
前記正面板は、その上側に上側開口を有し、前記蓋体は、この上側開口に挿入され、前記配線基板の周縁に対峙した天板裏面を下方から支える第2上側腕を有することを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項3に記載の電子機器であって、
前記上側開口は、前記正面板の上辺に形成されていることを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の電子機器であって、
前記天板表面は、前記正面板の上辺近傍にて外側に向けて突出した表突起を有し、前記第1上側腕は、この表突起に係合して前記天板表面を上方から押さえていることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−114271(P2012−114271A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−262414(P2010−262414)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】