電気自動車に接続する電源ケーブルを備えた車止め及び駐車場管理方法
【課題】電気コンセント機器を駐車場の側部に配置することなく、駐車された電気自動車に容易に給電することができる車止め及び駐車場管理方法を提供する。
【解決手段】金属管によって構成され、車輪が当接するように所定長さで伸長する中央伸長部と、金属管を伸長方向に対してほぼ90度に曲げ、中央伸長部の両端にそれぞれ一体に設けられた第1の曲げ端部及び第2の曲げ端部と、第1の曲げ端部及び第2の曲げ端部各々の他方の端に接合され、床面に固定設置するための設面部とを有する。また、金属管に内設される電気ケーブル4と、電気ケーブルの先端部に取り付けられた電気自動車接続用の電気コンセント41とを有する。電気ケーブル4は、金属管からの伸長及び縮短が可能であり、伸長した電気ケーブル4の電気コンセント41は、電気自動車5の電気コンセント51に接続することができる。
【解決手段】金属管によって構成され、車輪が当接するように所定長さで伸長する中央伸長部と、金属管を伸長方向に対してほぼ90度に曲げ、中央伸長部の両端にそれぞれ一体に設けられた第1の曲げ端部及び第2の曲げ端部と、第1の曲げ端部及び第2の曲げ端部各々の他方の端に接合され、床面に固定設置するための設面部とを有する。また、金属管に内設される電気ケーブル4と、電気ケーブルの先端部に取り付けられた電気自動車接続用の電気コンセント41とを有する。電気ケーブル4は、金属管からの伸長及び縮短が可能であり、伸長した電気ケーブル4の電気コンセント41は、電気自動車5の電気コンセント51に接続することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場の床面に載置され、当接した車輪の乗り越えを阻止する車止め及び車止め方法に関する。
【背景技術】
【0002】
駐車場の床面には、車止めが載置されており、自動車の駐車の際に、当接した車輪の乗り越えを阻止する。一般に、駐車される自動車の車輪毎に、2つの車止めが、直線上に且つ所定間隔を設けて並設される。所定間隔を設けることによって、雨水等が溜まることを防止している。通常、車止めは、角柱状のコンクリート部材であって、アスファルトの床面に、ボンドによって接着される。コンクリート部材の車止めは、アスファルトと同様の灰色である。
【0003】
【特許文献1】特開2003−074025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、電気自動車の普及が進みつつあり、駐車場で給電をすることが一般的となるであろう。駐車場に駐車された電気自動車に対して給電するには、電気コンセント設備を、駐車場の側部に配置しなければならない。利用者は、電気自動車から伸長する電気ケーブルを、電気コンセント設備に接続しなければならない。逆に、電気コンセント設備から伸長する電気ケーブルを、電気自動車に接続する場合もある。この場合、電気ケーブルを、少なくとも2m程度、引き回す必要がある。そのために、人が電気ケーブルに引っかかることによって生じるケガや機器損傷も危惧される。
【0005】
また、バックミラーを見ながら後方に駐車しようとしている運転者にとって、車止めが、駐車場と異なる明るい色となっていることは、視覚的な判別のためには好ましい。しかしながら、車止めが、コンクリート部材である場合、彩色のために彩色剤を混合させる必要があり、低コストでの生産が難しい。特に、夜間に駐車しようとしている運転者にとって、灰色の車止めを、視覚的に判別することは更に困難である。コンクリート部材の車止めには、反射板を接着しているものも多く、自動車の後方ライトに反射させて、運転者に判別をさせようとしている。
【0006】
コンクリート部材の車止めは、重量が重く、可搬が容易でない。また、コンクリート部材の車止めは、アスファルトに対してボンドで接着されているために、ボンドの劣化から恒久的に固定することができず、アスファルトから外れる場合がある。車止めが外れた状態で放置されている駐車場を、見ることも多い。
【0007】
そこで、本発明は、電気コンセント機器を駐車場の側部に配置することなく、駐車された電気自動車に容易に給電することができる車止めを提供することを目的とする。また、この車止めは、彩色可能性、可搬容易性及び強固定性を有することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、駐車場の床面に設置され、当接した車輪の乗り越えを阻止する電気自動車用の車止めであって、
金属管によって構成され、車輪が当接するように所定長さで伸長する中央伸長部と、
金属管を伸長方向に対してほぼ90度に曲げ、中央伸長部の両端にそれぞれ一体に設けられた第1の曲げ端部及び第2の曲げ端部と、
第1の曲げ端部及び第2の曲げ端部各々の他方の端に接合され、床面に固定設置するための設面部と、
金属管に内設される電気ケーブルと、
電気ケーブルの先端部に取り付けられた電気自動車接続用の電気コンセントと
を有し、
電気ケーブルは、金属管からの伸長及び縮短が可能であり、
伸長した電気ケーブルの電気コンセントは、電気自動車の電気コンセントに接続することができることを特徴とする。
【0009】
本発明の電気自動車用の車止めにおける他の実施形態によれば、電気ケーブルは、伸長方向へとぐろ状に巻かれたものであって、伸長及び縮短が可能となることも好ましい。
【0010】
本発明の電気自動車用の車止めにおける他の実施形態によれば、
金属管は、電気ケーブルを円状に巻き取る巻きリール部を更に有し、
電気ケーブルは、巻きリール部から伸長及び縮短が可能となることも好ましい。
【0011】
本発明の電気自動車用の車止めにおける他の実施形態によれば、金属管は、電気ケーブルが縮短状態にある際に、少なくとも電気コンセントが収容される金属囲み部を更に有することも好ましい。
【0012】
本発明の電気自動車用の車止めにおける他の実施形態によれば、
電気ケーブルの先端部の電気コンセントは、オス形状(凸部)又はメス形状(凹部)であり、
金属管の外表面に、電気コンセントを機械的に接続可能なメス形状(凹部)又はオス形状(凸部)の嵌合接続部を更に有し、
電気ケーブルが縮短状態にある際に、電気コンセントが、嵌合接続部に接続することができることも好ましい。
【0013】
本発明の電気自動車用の車止めにおける他の実施形態によれば、
電気コンセントは、給電用の給電スイッチを有し、
利用者における給電スイッチの操作によって、電気コンセントの給電がオン/オフされることも好ましい。
【0014】
本発明の電気自動車用の車止めにおける他の実施形態によれば、
電気ケーブルは、ブレーカを経由して電気コンセントに接続されており、
ブレーカは、金属管の管内又は外表面に搭載されていることも好ましい。
【0015】
本発明の電気自動車用の車止めにおける他の実施形態によれば、
金属管は、床面に対して斜め方向に発光する発光部を備えており、
発光部は、電気ケーブルによって電気自動車への給電中に発光し、
利用者は、給電中であるか否かを、発光部によって当該車止めの側部に照射された光によって認識できることも好ましい。
【0016】
本発明の電気自動車用の車止めにおける他の実施形態によれば、
更なる金属管をほぼ90度に曲げ、中央伸長部の伸長部分に対して、車輪の当接強度に対抗する方向となる、ほぼ垂直に接合された第3の曲げ端部と、
第3の曲げ端部の他方の端に接合された設面部と
を更に有することも好ましい。
【0017】
本発明の電気自動車用の車止めにおける他の実施形態によれば、車輪の当接強度に応じて、第3の曲げ端部の数を複数にすることも好ましい。
【0018】
本発明によれば、駐車場の床面に設置され、当接した車輪の乗り越えを阻止する電気自動車用の車止めであって、
金属管によって構成され、車輪が当接するように所定長さで伸長する中央伸長部と、
金属管を伸長方向に対してほぼ90度に曲げ、中央伸長部の両端にそれぞれ一体に設けられた第1の曲げ端部及び第2の曲げ端部と、
第1の曲げ端部及び第2の曲げ端部各々の他方の端に接合され、床面に固定設置するための設面部と、
金属管に内設される電気ケーブルと、
金属管の外表面に取り付けられ、且つ、電気ケーブルに接続されている電気自動車接続用の電気コンセントと
を有し、
電気コンセントは、電気自動車から伸長する給電ケーブルが接続されるものであり、
金属管は、床面に対して斜め方向に発光する発光部を備えており、
発光部は、電気ケーブルに接続され、電気自動車への給電中に発光し、
利用者は、給電中であるか否かを、発光部によって当該車止めの側部に照射された光によって認識できることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、駐車場の床面に固定設置された、前述した電気自動車用の車止めと、
車止めから離れて配置され、電気ケーブルにおける給電を制御する給電制御装置と、
給電制御装置における給電時間及び/又は給電電圧に応じて、駐車識別情報に対する課金を制御する課金制御装置と
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の車止めによれば、金属管に電気ケーブルを内設し、その電気ケーブルの先端部に電気コンセントを備え、伸長させた電気ケーブルを電気自動車に接続することによって、電気コンセント機器を駐車場の側部に配置することなく、駐車された電気自動車に給電することができる。また、この車止めは、金属管によって構成されているために、彩色可能性、可搬容易性及び強固定性も有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】駐車場に載置された車止めの位置を表す概観図である。
【図2】本発明における基本形態の車止めを表す三面図である。
【図3】電気ケーブルをとぐろ巻きによって伸長させる第1の構成図である。
【図4】電気ケーブルを巻きリール部によって伸長させる第2の構成図である。
【図5】電気コンセントの電極部分を保護する構成図である。
【図6】電気ケーブルからの給電を制御する構成図である。
【図7】給電中であることを利用者に明示する第1の構成図である。
【図8】給電中であることを利用者に明示する第2の構成図である。
【図9】本発明における第2の車止めを表す三面図である。
【図10】本発明における第3の車止めを表す三面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、図面を用いて、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0023】
図1は、駐車場に載置された車止めの位置を表す概観図である。
【0024】
車止め1は、駐車場の後方の位置に載置され、駐車される電気自動車5の車輪52が当接する。これによって、車輪52の乗り越えを阻止する。図1によれば、電気自動車5の車輪毎に、2つの車止めが、直線上に且つ所定間隔を設けて並設されている。電気自動車5は、電気コンセント51を備え、バッテリに対する外部からの給電を可能とする。
【0025】
本発明の車止め1からは、電気ケーブル4が伸長する。電気ケーブル4の先端部には、電気コンセント41が取り付けられている。電気ケーブル4の電気コンセント41は、電気自動車5の電気コンセント51に接続される。電気コンセント41がオス形状(凸部)であれば、電気コンセント51はメス形状(凹部)となる。逆に、電気コンセント41がメス形状(凹部)であれば、電気コンセント51はオス形状(凸部)となる。これにより、電気自動車5は、車止め1から伸長する電気ケーブル4によって、バッテリに給電することができる。
【0026】
また、本発明の車止め1は、金属管によって構成されている。車止めを、従来のコンクリート部材から、金属管にすることによって、ペンキによって様々な色彩を施すことが可能となる。色彩が施された車止めは、バックミラーを見ながら後方に駐車しようとしている運転者にとっては、視覚的な判別を容易にする。
【0027】
尚、図1によれば、車輪が当接する部分と、駐車場のアスファルト床面との間は、隔離されている。従って、雨水等が溜まることもない。
【0028】
更に、図1によれば、車止め1の金属管に内設される電気ケーブル4は、駐車場の床面に埋設されて延伸し、給電制御装置6に接続される。給電制御装置6は、車止め1から離れて配置され、電気ケーブル4における給電を制御する。また、給電制御装置6は、課金制御装置7に接続される。課金制御装置7は、給電制御装置6における給電時間及び/又は給電電圧を検知する。そして、課金制御装置7は、駐車識別情報に対する課金を制御する。駐車識別情報とは、コイン貸し駐車場であれば駐車場番号であってもよいし、マンション管理駐車場であれば、その電気自動車を所持する利用者識別番号であってもよい。課金制御装置7は、ネットワークを介して、銀行の口座番号に対して電子決済するものであってもよい。これによって、電気自動車に対する駐車場の給電管理が可能となる。
【0029】
図2は、本発明における基本形態の車止めを表す三面図である。
【0030】
図2(a)は、基本形態の車止めの正面図である。金属管から構成された本発明の車止め1は、車輪が当接するように所定長さで伸長する中央伸長部100と、金属管を伸長方向に対してほぼ90度に曲げられた第1の曲げ端部110及び第2の曲げ端部120とを有する。第1の曲げ端部110及び第2の曲げ端部120は、中央伸長部100の両端にそれぞれ一体に設けられる。第1の曲げ端部110、中央伸長部100及び第2曲げ端部120は、金属管を0〜180度で曲げることができるパイプベンダー装置を用いて製造することもできる。車止め1は、中央伸長部100と、駐車場床面との間が離隔するように、第1の曲げ端部110及び第2の曲げ端部120の他方の端が固定設置される。このような中央伸長部100と駐車場床面との間の離隔は、雨水等が溜まることを防止できると共に、チェーンロックを通して車両(自動車、バイク、自転車等)と結び付けることで盗難も防止できる。
【0031】
また、図2(a)によれば、車止め1における第1の曲げ端部110の固定設置される端と、第2の曲げ端部120の固定設置される端とにそれぞれ、設面部111及び121が接合されている。車止め1は、設面部111及び121の係止孔112を通して、ボルト2によって基礎コンクリート部3に嵌合される。基礎コンクリート部3は、駐車場の地中に埋設されている。従来、砂利敷駐車場では、床面への固定が困難となり、コンクリート部材の車止めを置くだけとなっていた。本発明によれば、車止めに金属管を用いることにより、その金属管に接合される設面部を基礎コンクリート部にボルト締めをすることが可能となり、砂利敷駐車場であっても床面への固定が可能となる。
【0032】
更に、図2(a)によれば、車止め1の金属管に、電気ケーブル4が内設されている。例えば、駐車場のアスファルト床面に埋設され且つ延伸している電気ケーブル4を、車止め1の金属管内に通す。電気ケーブル4の先端部には、電気自動車用の電気コンセント41が接続されている。本発明によれば、電気ケーブル4は、車止めから伸長及び縮短可能である。伸長させた電気ケーブル4の電気コンセント41を、電気自動車5の電気コンセント51に接続することによって、バッテリに給電することができる。
【0033】
図2(b)は、基本形態の車止めの平面図である。第1の曲げ端部110、中央伸長部100及び第2曲げ端部120は、金属管として一体に構成され、第1の曲げ端部110の固定設置される端と、第2の曲げ端部120の固定設置される端とにそれぞれ、設面部111及び121が接合されている。また、図2(b)によれば、第2の端部41から、電気ケーブル4の先端部の電気コンセント41が伸長する。
【0034】
図2(c)は、基本形態の車止めの側面図である。また、図2(d)は、基本形態の車止めの断面図である。金属管は、外壁面が曲線で囲まれていることが好ましく、円状であってもよい。勿論、角状であってもよいが、当接する車輪に対する衝撃をできる限り分散させるためにも、曲線であることが好ましい。
【0035】
図2(e)は、基本形態の車止めの底面図である。設面部111及び121には、金属管の中空形状に対応する孔113及び123が形成されている。また、設面部112及び122は、金属管の周囲に、ボルトを挿入することができる複数の係止孔112及び122が形成されている。
【0036】
図2に記載された車止めについて、具体的な寸法例を表す。但し、本発明は、この寸法に限定されるものでないことは当然である。
(a1)760mm
(a2)500mm
(a3)133mm
(a4)76mm
(a5)57mm
(a6)80mm
(a7)6mm
(b1)100mm
(b2)150mm
(d1)4mm
【0037】
図3は、電気ケーブルをとぐろ巻きによって伸長させる第1の構成図である。
【0038】
図3によれば、電気ケーブル4は、伸長方向へとぐろ状に巻かれたものであって、伸長及び縮短が可能となる。例えば、固定電話機における本体と受話器との間に接続される電話線のような形状である。とぐろ状に巻かれたケーブルは、例えばスプリングケーブル又はカールコードとも称される。
【0039】
図4は、電気ケーブルを巻きリール部によって伸長させる第2の構成図である。
【0040】
図4によれば、車止め1の金属管に、電気ケーブル4を円状に巻き取る巻きリール部42が取り付けられており、電気ケーブル4は、巻きリール部42から伸長及び縮短が可能となる。例えば、ノードパーソナルコンピュータ用の電源アダプタに接続される電源ケーブルであって、いわゆる「メガネケーブル」のような形状であってもよい。
【0041】
図5は、電気コンセントの電極部分を保護する構成図である。
【0042】
図5(a)によれば、車止め1の金属管は、電気ケーブル4が縮短状態にある際に、少なくとも電気コンセント41が収容される金属囲み部を更に有する。これによって、電気コンセント41の電極部分が、風水にさらされることを防止する。但し、利用者の手によって、電気コンセント41を容易に取り出せるように構成する必要がある。
【0043】
図5(b)によれば、車止め1の金属管の外表面に、電気コンセント41を機械的に接続可能なメス形状(凹部)又はオス形状(凸部)の嵌合接続部150を更に有する。嵌合接続部150は、電気自動車5と同じ形状(オス又はメス)を有する。電気ケーブル4が縮短状態にある際に、電気コンセント41を、嵌合接続部150に接続することができる。これによって、電気コンセント41の電極部分が、風水にさらされることを防止する。
【0044】
図6は、電気ケーブルからの給電を制御する構成図である。
【0045】
図6(a)によれば、電気コンセント41に、給電用の給電スイッチ43が取り付けられている。利用者における給電スイッチ43の操作によって、電気ケーブル4からの給電がオン/オフに制御される。
【0046】
図6(b)によれば、電気ケーブルは、ブレーカ44を経由して電気コンセント41に接続されている。ブレーカ44は、金属管の管内又は外表面に搭載される。ブレーカは、配線用遮断器であって、過負荷や短絡などの要因で電気ケーブル4に異常な電流が流れたときに電路を開放し、給電を遮断する。
【0047】
図7は、給電中であることを利用者に明示する第1の構成図である。
【0048】
図7よれば、車止め1の金属管が、床面に対して斜め方向に発光する発光部45を備える。また、金属管内に、発光部45の表示を制御する発光制御部46も有する。発光制御部46は、電気ケーブル4に電流が流れている場合、発光部45に対して、「給電中」である旨の表示を発光するべく制御する。例えば、発光制御部46は、「給電中」である場合にのみ、発光部45が例えば「赤色」で発光させることも好ましい。発光部45は、例えば、発光素子(LED)のようなものであってもよい。
【0049】
発光部45は、「給電中」である旨の文字を表示させることができる小型液晶プロジェクタのようなものであってもよい。例えば、人間の視覚の残像を利用して、小型プロジェクタから発光した文字を、床面に浮かび上がらせることもできる(例えば、プロジェクタ(残像)付き目覚まし電波時計、[online]、[平成21年4月26日検索]、インターネット<URL:http://mitsuwastyle.com/select/log/eid53.html>参照)。この技術によれば、文字を可変することができる。従って、発光制御部46が、電気ケーブル4に流れる電流を監視することによって、発光部45に、給電状態を文字で表示することもできる。利用者は、駐車した電気自動車の側部に照らし出された色又は文字を視認することによって、電気自動車に対する給電状態を認識することができる。
【0050】
また、金属管に外部光センサを搭載することも好ましい。発光制御部46が、外部光センサから外の光度を検出し、夜間の場合にのみ、発光部45を発光させることもできる。
【0051】
図8は、給電中であることを利用者に明示する第2の構成図である。
【0052】
図8は、図7と異なって、車止め1の金属管の外表面に電気コンセント41が取り付けられている。この電気コンセント41は、金属管に内設された電気ケーブル4に接続されている。そして、電気自動車5から伸長する電気ケーブル53が、金属管の電気コンセント41に接続される。
【0053】
また、図8は、図7と同様に、金属管が、床面に対して斜め方向に発光する発光部45及び発光制御部46を備えている。発光部45は、電気ケーブル4に接続され、電気自動車への給電中に発光する。これによって、利用者は、給電中であるか否かを、発光部から当該車止めの側部に照射された光によって認識できる。例えば、発光制御部46が、電気ケーブル4に流れる電流(又は制御情報)を監視することによって給電状態(何%給電中)を検知することができる場合、発光部45から発光される文字に、例えば「給電中70%」と表示することもできる。利用者は、電気自動車の外から、給電状態を視認することができる。
【0054】
図9は、本発明における第2の車止めを表す三面図である。
【0055】
図9によれば、第3の曲げ端部130が、車止め1の中央伸長部100の伸長部分にほぼ垂直に接合されている。第3の曲げ端部130は、第1の曲げ端部110及び第2の曲げ端部120と同様に、金属管を伸長方向に対してほぼ90度に曲げられ、第3の曲げ端部の他方の端は固定設置される。これによって、車の車輪の当接強度が強くても、その強度に耐えることができる。金属管は、コンクリート部材より強度不足である問題を、このような形状によって解決することができる。
【0056】
図10は、本発明における第3の車止めを表す三面図である。
【0057】
図10によれば、車輪の当接強度に応じて、複数の第3の曲げ端部が、中央伸長部の伸長部分にほぼ垂直に接合されている。これによって、更なる車輪の当接強度に対しても、その強度に耐えることができる。
【0058】
以上、詳細に説明したように、本発明の車止めによれば、金属管に電気ケーブルを内設し、その電気ケーブルの先端部に電気コンセントを備え、伸長させた電気ケーブルを電気自動車に接続することによって、電気コンセント機器を駐車場の側部に配置することなく、最短距離の電気ケーブルで、駐車された電気自動車に給電することができる。電気ケーブルを引き回さないために、人が電気ケーブルに引っかかることによって生じるケガや機器損傷を防止することができる。また、この車止めは、金属管によって構成されているために、彩色可能性、可搬容易性及び強固定性も有する。
【0059】
尚、本発明によれば、駐車場管理方法としても実現できる。電気ケーブルにおける給電を制御する給電制御装置と、給電時間及び/又は給電電圧に応じて駐車識別情報に対する課金を制御する課金制御装置とを有することによって、駐車場管理サービスを実現することもできる。
【0060】
前述した本発明の種々の実施形態において、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【符号の説明】
【0061】
1 車止め
100 中央伸長部
110 第1の端部
120 第2の端部
130 第3の端部
140 囲み部
150 嵌合接続部
111、121、131 設面部
112 係止孔
113 孔
2 ボルト
3 基礎コンクリート部
4 電気ケーブル
41 電気コンセント
42 巻きリール部
43 給電スイッチ
44 ブレーカ
45 発光部
46 発光制御部
5 電気自動車
51 電気コンセント
52 車輪
6 給電制御装置
7 課金制御装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場の床面に載置され、当接した車輪の乗り越えを阻止する車止め及び車止め方法に関する。
【背景技術】
【0002】
駐車場の床面には、車止めが載置されており、自動車の駐車の際に、当接した車輪の乗り越えを阻止する。一般に、駐車される自動車の車輪毎に、2つの車止めが、直線上に且つ所定間隔を設けて並設される。所定間隔を設けることによって、雨水等が溜まることを防止している。通常、車止めは、角柱状のコンクリート部材であって、アスファルトの床面に、ボンドによって接着される。コンクリート部材の車止めは、アスファルトと同様の灰色である。
【0003】
【特許文献1】特開2003−074025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、電気自動車の普及が進みつつあり、駐車場で給電をすることが一般的となるであろう。駐車場に駐車された電気自動車に対して給電するには、電気コンセント設備を、駐車場の側部に配置しなければならない。利用者は、電気自動車から伸長する電気ケーブルを、電気コンセント設備に接続しなければならない。逆に、電気コンセント設備から伸長する電気ケーブルを、電気自動車に接続する場合もある。この場合、電気ケーブルを、少なくとも2m程度、引き回す必要がある。そのために、人が電気ケーブルに引っかかることによって生じるケガや機器損傷も危惧される。
【0005】
また、バックミラーを見ながら後方に駐車しようとしている運転者にとって、車止めが、駐車場と異なる明るい色となっていることは、視覚的な判別のためには好ましい。しかしながら、車止めが、コンクリート部材である場合、彩色のために彩色剤を混合させる必要があり、低コストでの生産が難しい。特に、夜間に駐車しようとしている運転者にとって、灰色の車止めを、視覚的に判別することは更に困難である。コンクリート部材の車止めには、反射板を接着しているものも多く、自動車の後方ライトに反射させて、運転者に判別をさせようとしている。
【0006】
コンクリート部材の車止めは、重量が重く、可搬が容易でない。また、コンクリート部材の車止めは、アスファルトに対してボンドで接着されているために、ボンドの劣化から恒久的に固定することができず、アスファルトから外れる場合がある。車止めが外れた状態で放置されている駐車場を、見ることも多い。
【0007】
そこで、本発明は、電気コンセント機器を駐車場の側部に配置することなく、駐車された電気自動車に容易に給電することができる車止めを提供することを目的とする。また、この車止めは、彩色可能性、可搬容易性及び強固定性を有することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、駐車場の床面に設置され、当接した車輪の乗り越えを阻止する電気自動車用の車止めであって、
金属管によって構成され、車輪が当接するように所定長さで伸長する中央伸長部と、
金属管を伸長方向に対してほぼ90度に曲げ、中央伸長部の両端にそれぞれ一体に設けられた第1の曲げ端部及び第2の曲げ端部と、
第1の曲げ端部及び第2の曲げ端部各々の他方の端に接合され、床面に固定設置するための設面部と、
金属管に内設される電気ケーブルと、
電気ケーブルの先端部に取り付けられた電気自動車接続用の電気コンセントと
を有し、
電気ケーブルは、金属管からの伸長及び縮短が可能であり、
伸長した電気ケーブルの電気コンセントは、電気自動車の電気コンセントに接続することができることを特徴とする。
【0009】
本発明の電気自動車用の車止めにおける他の実施形態によれば、電気ケーブルは、伸長方向へとぐろ状に巻かれたものであって、伸長及び縮短が可能となることも好ましい。
【0010】
本発明の電気自動車用の車止めにおける他の実施形態によれば、
金属管は、電気ケーブルを円状に巻き取る巻きリール部を更に有し、
電気ケーブルは、巻きリール部から伸長及び縮短が可能となることも好ましい。
【0011】
本発明の電気自動車用の車止めにおける他の実施形態によれば、金属管は、電気ケーブルが縮短状態にある際に、少なくとも電気コンセントが収容される金属囲み部を更に有することも好ましい。
【0012】
本発明の電気自動車用の車止めにおける他の実施形態によれば、
電気ケーブルの先端部の電気コンセントは、オス形状(凸部)又はメス形状(凹部)であり、
金属管の外表面に、電気コンセントを機械的に接続可能なメス形状(凹部)又はオス形状(凸部)の嵌合接続部を更に有し、
電気ケーブルが縮短状態にある際に、電気コンセントが、嵌合接続部に接続することができることも好ましい。
【0013】
本発明の電気自動車用の車止めにおける他の実施形態によれば、
電気コンセントは、給電用の給電スイッチを有し、
利用者における給電スイッチの操作によって、電気コンセントの給電がオン/オフされることも好ましい。
【0014】
本発明の電気自動車用の車止めにおける他の実施形態によれば、
電気ケーブルは、ブレーカを経由して電気コンセントに接続されており、
ブレーカは、金属管の管内又は外表面に搭載されていることも好ましい。
【0015】
本発明の電気自動車用の車止めにおける他の実施形態によれば、
金属管は、床面に対して斜め方向に発光する発光部を備えており、
発光部は、電気ケーブルによって電気自動車への給電中に発光し、
利用者は、給電中であるか否かを、発光部によって当該車止めの側部に照射された光によって認識できることも好ましい。
【0016】
本発明の電気自動車用の車止めにおける他の実施形態によれば、
更なる金属管をほぼ90度に曲げ、中央伸長部の伸長部分に対して、車輪の当接強度に対抗する方向となる、ほぼ垂直に接合された第3の曲げ端部と、
第3の曲げ端部の他方の端に接合された設面部と
を更に有することも好ましい。
【0017】
本発明の電気自動車用の車止めにおける他の実施形態によれば、車輪の当接強度に応じて、第3の曲げ端部の数を複数にすることも好ましい。
【0018】
本発明によれば、駐車場の床面に設置され、当接した車輪の乗り越えを阻止する電気自動車用の車止めであって、
金属管によって構成され、車輪が当接するように所定長さで伸長する中央伸長部と、
金属管を伸長方向に対してほぼ90度に曲げ、中央伸長部の両端にそれぞれ一体に設けられた第1の曲げ端部及び第2の曲げ端部と、
第1の曲げ端部及び第2の曲げ端部各々の他方の端に接合され、床面に固定設置するための設面部と、
金属管に内設される電気ケーブルと、
金属管の外表面に取り付けられ、且つ、電気ケーブルに接続されている電気自動車接続用の電気コンセントと
を有し、
電気コンセントは、電気自動車から伸長する給電ケーブルが接続されるものであり、
金属管は、床面に対して斜め方向に発光する発光部を備えており、
発光部は、電気ケーブルに接続され、電気自動車への給電中に発光し、
利用者は、給電中であるか否かを、発光部によって当該車止めの側部に照射された光によって認識できることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、駐車場の床面に固定設置された、前述した電気自動車用の車止めと、
車止めから離れて配置され、電気ケーブルにおける給電を制御する給電制御装置と、
給電制御装置における給電時間及び/又は給電電圧に応じて、駐車識別情報に対する課金を制御する課金制御装置と
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の車止めによれば、金属管に電気ケーブルを内設し、その電気ケーブルの先端部に電気コンセントを備え、伸長させた電気ケーブルを電気自動車に接続することによって、電気コンセント機器を駐車場の側部に配置することなく、駐車された電気自動車に給電することができる。また、この車止めは、金属管によって構成されているために、彩色可能性、可搬容易性及び強固定性も有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】駐車場に載置された車止めの位置を表す概観図である。
【図2】本発明における基本形態の車止めを表す三面図である。
【図3】電気ケーブルをとぐろ巻きによって伸長させる第1の構成図である。
【図4】電気ケーブルを巻きリール部によって伸長させる第2の構成図である。
【図5】電気コンセントの電極部分を保護する構成図である。
【図6】電気ケーブルからの給電を制御する構成図である。
【図7】給電中であることを利用者に明示する第1の構成図である。
【図8】給電中であることを利用者に明示する第2の構成図である。
【図9】本発明における第2の車止めを表す三面図である。
【図10】本発明における第3の車止めを表す三面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、図面を用いて、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0023】
図1は、駐車場に載置された車止めの位置を表す概観図である。
【0024】
車止め1は、駐車場の後方の位置に載置され、駐車される電気自動車5の車輪52が当接する。これによって、車輪52の乗り越えを阻止する。図1によれば、電気自動車5の車輪毎に、2つの車止めが、直線上に且つ所定間隔を設けて並設されている。電気自動車5は、電気コンセント51を備え、バッテリに対する外部からの給電を可能とする。
【0025】
本発明の車止め1からは、電気ケーブル4が伸長する。電気ケーブル4の先端部には、電気コンセント41が取り付けられている。電気ケーブル4の電気コンセント41は、電気自動車5の電気コンセント51に接続される。電気コンセント41がオス形状(凸部)であれば、電気コンセント51はメス形状(凹部)となる。逆に、電気コンセント41がメス形状(凹部)であれば、電気コンセント51はオス形状(凸部)となる。これにより、電気自動車5は、車止め1から伸長する電気ケーブル4によって、バッテリに給電することができる。
【0026】
また、本発明の車止め1は、金属管によって構成されている。車止めを、従来のコンクリート部材から、金属管にすることによって、ペンキによって様々な色彩を施すことが可能となる。色彩が施された車止めは、バックミラーを見ながら後方に駐車しようとしている運転者にとっては、視覚的な判別を容易にする。
【0027】
尚、図1によれば、車輪が当接する部分と、駐車場のアスファルト床面との間は、隔離されている。従って、雨水等が溜まることもない。
【0028】
更に、図1によれば、車止め1の金属管に内設される電気ケーブル4は、駐車場の床面に埋設されて延伸し、給電制御装置6に接続される。給電制御装置6は、車止め1から離れて配置され、電気ケーブル4における給電を制御する。また、給電制御装置6は、課金制御装置7に接続される。課金制御装置7は、給電制御装置6における給電時間及び/又は給電電圧を検知する。そして、課金制御装置7は、駐車識別情報に対する課金を制御する。駐車識別情報とは、コイン貸し駐車場であれば駐車場番号であってもよいし、マンション管理駐車場であれば、その電気自動車を所持する利用者識別番号であってもよい。課金制御装置7は、ネットワークを介して、銀行の口座番号に対して電子決済するものであってもよい。これによって、電気自動車に対する駐車場の給電管理が可能となる。
【0029】
図2は、本発明における基本形態の車止めを表す三面図である。
【0030】
図2(a)は、基本形態の車止めの正面図である。金属管から構成された本発明の車止め1は、車輪が当接するように所定長さで伸長する中央伸長部100と、金属管を伸長方向に対してほぼ90度に曲げられた第1の曲げ端部110及び第2の曲げ端部120とを有する。第1の曲げ端部110及び第2の曲げ端部120は、中央伸長部100の両端にそれぞれ一体に設けられる。第1の曲げ端部110、中央伸長部100及び第2曲げ端部120は、金属管を0〜180度で曲げることができるパイプベンダー装置を用いて製造することもできる。車止め1は、中央伸長部100と、駐車場床面との間が離隔するように、第1の曲げ端部110及び第2の曲げ端部120の他方の端が固定設置される。このような中央伸長部100と駐車場床面との間の離隔は、雨水等が溜まることを防止できると共に、チェーンロックを通して車両(自動車、バイク、自転車等)と結び付けることで盗難も防止できる。
【0031】
また、図2(a)によれば、車止め1における第1の曲げ端部110の固定設置される端と、第2の曲げ端部120の固定設置される端とにそれぞれ、設面部111及び121が接合されている。車止め1は、設面部111及び121の係止孔112を通して、ボルト2によって基礎コンクリート部3に嵌合される。基礎コンクリート部3は、駐車場の地中に埋設されている。従来、砂利敷駐車場では、床面への固定が困難となり、コンクリート部材の車止めを置くだけとなっていた。本発明によれば、車止めに金属管を用いることにより、その金属管に接合される設面部を基礎コンクリート部にボルト締めをすることが可能となり、砂利敷駐車場であっても床面への固定が可能となる。
【0032】
更に、図2(a)によれば、車止め1の金属管に、電気ケーブル4が内設されている。例えば、駐車場のアスファルト床面に埋設され且つ延伸している電気ケーブル4を、車止め1の金属管内に通す。電気ケーブル4の先端部には、電気自動車用の電気コンセント41が接続されている。本発明によれば、電気ケーブル4は、車止めから伸長及び縮短可能である。伸長させた電気ケーブル4の電気コンセント41を、電気自動車5の電気コンセント51に接続することによって、バッテリに給電することができる。
【0033】
図2(b)は、基本形態の車止めの平面図である。第1の曲げ端部110、中央伸長部100及び第2曲げ端部120は、金属管として一体に構成され、第1の曲げ端部110の固定設置される端と、第2の曲げ端部120の固定設置される端とにそれぞれ、設面部111及び121が接合されている。また、図2(b)によれば、第2の端部41から、電気ケーブル4の先端部の電気コンセント41が伸長する。
【0034】
図2(c)は、基本形態の車止めの側面図である。また、図2(d)は、基本形態の車止めの断面図である。金属管は、外壁面が曲線で囲まれていることが好ましく、円状であってもよい。勿論、角状であってもよいが、当接する車輪に対する衝撃をできる限り分散させるためにも、曲線であることが好ましい。
【0035】
図2(e)は、基本形態の車止めの底面図である。設面部111及び121には、金属管の中空形状に対応する孔113及び123が形成されている。また、設面部112及び122は、金属管の周囲に、ボルトを挿入することができる複数の係止孔112及び122が形成されている。
【0036】
図2に記載された車止めについて、具体的な寸法例を表す。但し、本発明は、この寸法に限定されるものでないことは当然である。
(a1)760mm
(a2)500mm
(a3)133mm
(a4)76mm
(a5)57mm
(a6)80mm
(a7)6mm
(b1)100mm
(b2)150mm
(d1)4mm
【0037】
図3は、電気ケーブルをとぐろ巻きによって伸長させる第1の構成図である。
【0038】
図3によれば、電気ケーブル4は、伸長方向へとぐろ状に巻かれたものであって、伸長及び縮短が可能となる。例えば、固定電話機における本体と受話器との間に接続される電話線のような形状である。とぐろ状に巻かれたケーブルは、例えばスプリングケーブル又はカールコードとも称される。
【0039】
図4は、電気ケーブルを巻きリール部によって伸長させる第2の構成図である。
【0040】
図4によれば、車止め1の金属管に、電気ケーブル4を円状に巻き取る巻きリール部42が取り付けられており、電気ケーブル4は、巻きリール部42から伸長及び縮短が可能となる。例えば、ノードパーソナルコンピュータ用の電源アダプタに接続される電源ケーブルであって、いわゆる「メガネケーブル」のような形状であってもよい。
【0041】
図5は、電気コンセントの電極部分を保護する構成図である。
【0042】
図5(a)によれば、車止め1の金属管は、電気ケーブル4が縮短状態にある際に、少なくとも電気コンセント41が収容される金属囲み部を更に有する。これによって、電気コンセント41の電極部分が、風水にさらされることを防止する。但し、利用者の手によって、電気コンセント41を容易に取り出せるように構成する必要がある。
【0043】
図5(b)によれば、車止め1の金属管の外表面に、電気コンセント41を機械的に接続可能なメス形状(凹部)又はオス形状(凸部)の嵌合接続部150を更に有する。嵌合接続部150は、電気自動車5と同じ形状(オス又はメス)を有する。電気ケーブル4が縮短状態にある際に、電気コンセント41を、嵌合接続部150に接続することができる。これによって、電気コンセント41の電極部分が、風水にさらされることを防止する。
【0044】
図6は、電気ケーブルからの給電を制御する構成図である。
【0045】
図6(a)によれば、電気コンセント41に、給電用の給電スイッチ43が取り付けられている。利用者における給電スイッチ43の操作によって、電気ケーブル4からの給電がオン/オフに制御される。
【0046】
図6(b)によれば、電気ケーブルは、ブレーカ44を経由して電気コンセント41に接続されている。ブレーカ44は、金属管の管内又は外表面に搭載される。ブレーカは、配線用遮断器であって、過負荷や短絡などの要因で電気ケーブル4に異常な電流が流れたときに電路を開放し、給電を遮断する。
【0047】
図7は、給電中であることを利用者に明示する第1の構成図である。
【0048】
図7よれば、車止め1の金属管が、床面に対して斜め方向に発光する発光部45を備える。また、金属管内に、発光部45の表示を制御する発光制御部46も有する。発光制御部46は、電気ケーブル4に電流が流れている場合、発光部45に対して、「給電中」である旨の表示を発光するべく制御する。例えば、発光制御部46は、「給電中」である場合にのみ、発光部45が例えば「赤色」で発光させることも好ましい。発光部45は、例えば、発光素子(LED)のようなものであってもよい。
【0049】
発光部45は、「給電中」である旨の文字を表示させることができる小型液晶プロジェクタのようなものであってもよい。例えば、人間の視覚の残像を利用して、小型プロジェクタから発光した文字を、床面に浮かび上がらせることもできる(例えば、プロジェクタ(残像)付き目覚まし電波時計、[online]、[平成21年4月26日検索]、インターネット<URL:http://mitsuwastyle.com/select/log/eid53.html>参照)。この技術によれば、文字を可変することができる。従って、発光制御部46が、電気ケーブル4に流れる電流を監視することによって、発光部45に、給電状態を文字で表示することもできる。利用者は、駐車した電気自動車の側部に照らし出された色又は文字を視認することによって、電気自動車に対する給電状態を認識することができる。
【0050】
また、金属管に外部光センサを搭載することも好ましい。発光制御部46が、外部光センサから外の光度を検出し、夜間の場合にのみ、発光部45を発光させることもできる。
【0051】
図8は、給電中であることを利用者に明示する第2の構成図である。
【0052】
図8は、図7と異なって、車止め1の金属管の外表面に電気コンセント41が取り付けられている。この電気コンセント41は、金属管に内設された電気ケーブル4に接続されている。そして、電気自動車5から伸長する電気ケーブル53が、金属管の電気コンセント41に接続される。
【0053】
また、図8は、図7と同様に、金属管が、床面に対して斜め方向に発光する発光部45及び発光制御部46を備えている。発光部45は、電気ケーブル4に接続され、電気自動車への給電中に発光する。これによって、利用者は、給電中であるか否かを、発光部から当該車止めの側部に照射された光によって認識できる。例えば、発光制御部46が、電気ケーブル4に流れる電流(又は制御情報)を監視することによって給電状態(何%給電中)を検知することができる場合、発光部45から発光される文字に、例えば「給電中70%」と表示することもできる。利用者は、電気自動車の外から、給電状態を視認することができる。
【0054】
図9は、本発明における第2の車止めを表す三面図である。
【0055】
図9によれば、第3の曲げ端部130が、車止め1の中央伸長部100の伸長部分にほぼ垂直に接合されている。第3の曲げ端部130は、第1の曲げ端部110及び第2の曲げ端部120と同様に、金属管を伸長方向に対してほぼ90度に曲げられ、第3の曲げ端部の他方の端は固定設置される。これによって、車の車輪の当接強度が強くても、その強度に耐えることができる。金属管は、コンクリート部材より強度不足である問題を、このような形状によって解決することができる。
【0056】
図10は、本発明における第3の車止めを表す三面図である。
【0057】
図10によれば、車輪の当接強度に応じて、複数の第3の曲げ端部が、中央伸長部の伸長部分にほぼ垂直に接合されている。これによって、更なる車輪の当接強度に対しても、その強度に耐えることができる。
【0058】
以上、詳細に説明したように、本発明の車止めによれば、金属管に電気ケーブルを内設し、その電気ケーブルの先端部に電気コンセントを備え、伸長させた電気ケーブルを電気自動車に接続することによって、電気コンセント機器を駐車場の側部に配置することなく、最短距離の電気ケーブルで、駐車された電気自動車に給電することができる。電気ケーブルを引き回さないために、人が電気ケーブルに引っかかることによって生じるケガや機器損傷を防止することができる。また、この車止めは、金属管によって構成されているために、彩色可能性、可搬容易性及び強固定性も有する。
【0059】
尚、本発明によれば、駐車場管理方法としても実現できる。電気ケーブルにおける給電を制御する給電制御装置と、給電時間及び/又は給電電圧に応じて駐車識別情報に対する課金を制御する課金制御装置とを有することによって、駐車場管理サービスを実現することもできる。
【0060】
前述した本発明の種々の実施形態において、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【符号の説明】
【0061】
1 車止め
100 中央伸長部
110 第1の端部
120 第2の端部
130 第3の端部
140 囲み部
150 嵌合接続部
111、121、131 設面部
112 係止孔
113 孔
2 ボルト
3 基礎コンクリート部
4 電気ケーブル
41 電気コンセント
42 巻きリール部
43 給電スイッチ
44 ブレーカ
45 発光部
46 発光制御部
5 電気自動車
51 電気コンセント
52 車輪
6 給電制御装置
7 課金制御装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場の床面に設置され、当接した車輪の乗り越えを阻止する電気自動車用の車止めであって、
金属管によって構成され、前記車輪が当接するように所定長さで伸長する中央伸長部と、
前記金属管を伸長方向に対してほぼ90度に曲げ、前記中央伸長部の両端にそれぞれ一体に設けられた第1の曲げ端部及び第2の曲げ端部と、
第1の曲げ端部及び第2の曲げ端部各々の他方の端に接合され、前記床面に固定設置するための設面部と、
前記金属管に内設される電気ケーブルと、
前記電気ケーブルの先端部に取り付けられた電気自動車接続用の電気コンセントと
を有し、
前記電気ケーブルは、前記金属管からの伸長及び縮短が可能であり、
伸長した前記電気ケーブルの前記電気コンセントは、電気自動車の電気コンセントに接続することができることを特徴とする電気自動車用の車止め。
【請求項2】
前記電気ケーブルは、伸長方向へとぐろ状に巻かれたものであって、伸長及び縮短が可能となることを特徴とする請求項1に記載の電気自動車用の車止め。
【請求項3】
前記金属管は、前記電気ケーブルを円状に巻き取る巻きリール部を更に有し、
前記電気ケーブルは、前記巻きリール部から伸長及び縮短が可能となることを特徴とする請求項1に記載の電気自動車用の車止め。
【請求項4】
前記金属管は、前記電気ケーブルが縮短状態にある際に、少なくとも前記電気コンセントが収容される金属囲み部を更に有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電気自動車用の車止め。
【請求項5】
前記電気ケーブルの先端部の前記電気コンセントは、オス形状(凸部)又はメス形状(凹部)であり、
前記金属管の外表面に、前記電気コンセントを機械的に接続可能なメス形状(凹部)又はオス形状(凸部)の嵌合接続部を更に有し、
前記電気ケーブルが縮短状態にある際に、前記電気コンセントが、前記嵌合接続部に接続することができることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電気自動車用の車止め。
【請求項6】
前記電気コンセントは、給電用の給電スイッチを有し、
利用者における前記給電スイッチの操作によって、前記電気コンセントの給電がオン/オフされることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電気自動車用の車止め。
【請求項7】
前記電気ケーブルは、ブレーカを経由して前記電気コンセントに接続されており、
前記ブレーカは、前記金属管の管内又は外表面に搭載されている
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の電気自動車用の車止め。
【請求項8】
前記金属管は、前記床面に対して斜め方向に発光する発光部を備えており、
前記発光部は、前記電気ケーブルによって前記電気自動車への給電中に発光し、
利用者は、給電中であるか否かを、前記発光部によって当該車止めの側部に照射された光によって認識できることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の電気自動車用の車止め。
【請求項9】
更なる金属管をほぼ90度に曲げ、前記中央伸長部の伸長部分に対して、前記車輪の当接強度に対抗する方向となる、ほぼ垂直に接合された第3の曲げ端部と、
第3の曲げ端部の他方の端に接合された設面部と
を更に有することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の電気自動車用の車止め。
【請求項10】
前記車輪の当接強度に応じて、第3の曲げ端部の数を複数にすることを特徴とする請求項9に記載の電気自動車用の車止め。
【請求項11】
駐車場の床面に設置され、当接した車輪の乗り越えを阻止する電気自動車用の車止めであって、
金属管によって構成され、前記車輪が当接するように所定長さで伸長する中央伸長部と、
前記金属管を伸長方向に対してほぼ90度に曲げ、前記中央伸長部の両端にそれぞれ一体に設けられた第1の曲げ端部及び第2の曲げ端部と、
第1の曲げ端部及び第2の曲げ端部各々の他方の端に接合され、前記床面に固定設置するための設面部と、
前記金属管に内設される電気ケーブルと、
前記金属管の外表面に取り付けられ、且つ、前記電気ケーブルに接続されている電気自動車接続用の電気コンセントと
を有し、
前記電気コンセントは、電気自動車から伸長する給電ケーブルが接続されるものであり、
前記金属管は、前記床面に対して斜め方向に発光する発光部を備えており、
前記発光部は、前記電気ケーブルに接続され、前記電気自動車への給電中に発光し、
利用者は、給電中であるか否かを、前記発光部によって当該車止めの側部に照射された光によって認識できることを特徴とする電気自動車用の車止め。
【請求項12】
前記駐車場の床面に固定設置された、請求項1から11のいずれか1項に記載の電気自動車用の車止めと、
前記車止めから離れて配置され、前記電気ケーブルにおける給電を制御する給電制御装置と、
前記給電制御装置における給電時間及び/又は給電電圧に応じて、前記駐車識別情報に対する課金を制御する課金制御装置と
を有することを特徴とする電気自動車に対する駐車場管理方法。
【請求項1】
駐車場の床面に設置され、当接した車輪の乗り越えを阻止する電気自動車用の車止めであって、
金属管によって構成され、前記車輪が当接するように所定長さで伸長する中央伸長部と、
前記金属管を伸長方向に対してほぼ90度に曲げ、前記中央伸長部の両端にそれぞれ一体に設けられた第1の曲げ端部及び第2の曲げ端部と、
第1の曲げ端部及び第2の曲げ端部各々の他方の端に接合され、前記床面に固定設置するための設面部と、
前記金属管に内設される電気ケーブルと、
前記電気ケーブルの先端部に取り付けられた電気自動車接続用の電気コンセントと
を有し、
前記電気ケーブルは、前記金属管からの伸長及び縮短が可能であり、
伸長した前記電気ケーブルの前記電気コンセントは、電気自動車の電気コンセントに接続することができることを特徴とする電気自動車用の車止め。
【請求項2】
前記電気ケーブルは、伸長方向へとぐろ状に巻かれたものであって、伸長及び縮短が可能となることを特徴とする請求項1に記載の電気自動車用の車止め。
【請求項3】
前記金属管は、前記電気ケーブルを円状に巻き取る巻きリール部を更に有し、
前記電気ケーブルは、前記巻きリール部から伸長及び縮短が可能となることを特徴とする請求項1に記載の電気自動車用の車止め。
【請求項4】
前記金属管は、前記電気ケーブルが縮短状態にある際に、少なくとも前記電気コンセントが収容される金属囲み部を更に有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電気自動車用の車止め。
【請求項5】
前記電気ケーブルの先端部の前記電気コンセントは、オス形状(凸部)又はメス形状(凹部)であり、
前記金属管の外表面に、前記電気コンセントを機械的に接続可能なメス形状(凹部)又はオス形状(凸部)の嵌合接続部を更に有し、
前記電気ケーブルが縮短状態にある際に、前記電気コンセントが、前記嵌合接続部に接続することができることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電気自動車用の車止め。
【請求項6】
前記電気コンセントは、給電用の給電スイッチを有し、
利用者における前記給電スイッチの操作によって、前記電気コンセントの給電がオン/オフされることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電気自動車用の車止め。
【請求項7】
前記電気ケーブルは、ブレーカを経由して前記電気コンセントに接続されており、
前記ブレーカは、前記金属管の管内又は外表面に搭載されている
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の電気自動車用の車止め。
【請求項8】
前記金属管は、前記床面に対して斜め方向に発光する発光部を備えており、
前記発光部は、前記電気ケーブルによって前記電気自動車への給電中に発光し、
利用者は、給電中であるか否かを、前記発光部によって当該車止めの側部に照射された光によって認識できることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の電気自動車用の車止め。
【請求項9】
更なる金属管をほぼ90度に曲げ、前記中央伸長部の伸長部分に対して、前記車輪の当接強度に対抗する方向となる、ほぼ垂直に接合された第3の曲げ端部と、
第3の曲げ端部の他方の端に接合された設面部と
を更に有することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の電気自動車用の車止め。
【請求項10】
前記車輪の当接強度に応じて、第3の曲げ端部の数を複数にすることを特徴とする請求項9に記載の電気自動車用の車止め。
【請求項11】
駐車場の床面に設置され、当接した車輪の乗り越えを阻止する電気自動車用の車止めであって、
金属管によって構成され、前記車輪が当接するように所定長さで伸長する中央伸長部と、
前記金属管を伸長方向に対してほぼ90度に曲げ、前記中央伸長部の両端にそれぞれ一体に設けられた第1の曲げ端部及び第2の曲げ端部と、
第1の曲げ端部及び第2の曲げ端部各々の他方の端に接合され、前記床面に固定設置するための設面部と、
前記金属管に内設される電気ケーブルと、
前記金属管の外表面に取り付けられ、且つ、前記電気ケーブルに接続されている電気自動車接続用の電気コンセントと
を有し、
前記電気コンセントは、電気自動車から伸長する給電ケーブルが接続されるものであり、
前記金属管は、前記床面に対して斜め方向に発光する発光部を備えており、
前記発光部は、前記電気ケーブルに接続され、前記電気自動車への給電中に発光し、
利用者は、給電中であるか否かを、前記発光部によって当該車止めの側部に照射された光によって認識できることを特徴とする電気自動車用の車止め。
【請求項12】
前記駐車場の床面に固定設置された、請求項1から11のいずれか1項に記載の電気自動車用の車止めと、
前記車止めから離れて配置され、前記電気ケーブルにおける給電を制御する給電制御装置と、
前記給電制御装置における給電時間及び/又は給電電圧に応じて、前記駐車識別情報に対する課金を制御する課金制御装置と
を有することを特徴とする電気自動車に対する駐車場管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2010−255330(P2010−255330A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−107744(P2009−107744)
【出願日】平成21年4月27日(2009.4.27)
【出願人】(509068884)有限会社MEC (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月27日(2009.4.27)
【出願人】(509068884)有限会社MEC (2)
【Fターム(参考)】
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