説明

電池パック、電動工具あるいは充電器と電池パックとの組み合わせ

【課題】電動工具に着脱自在に装着されて給電可能な電池パックを提供する。
【解決手段】電池パックは、ハウジングとハウジング内に設けられた電池セルと電池セルに電気的に接続された複数の第1の端子42と電池セルを制御する制御信号が伝達される第2の端子44とを有する。複数の第1の端子及び第2の端子のそれぞれは、外部の対応する端子と嵌合して電気的に接続可能である。複数の第1の端子及び第2の端子は、外部機器への装着方向と異なる方向に延在する端子配置部に配設されており、端子配置部の中心を通って外部機器への装着方向に平行な仮想中心線に対して複数の第1の端子が分散して配置され、複数の第1の端子の間に第2の端子を介在させて構成されている。ハウジングを外部機器に装着したときの複数の第1の端子と機器本体の対応する端子との嵌合圧力は、第2の端子と該機器本体の対応する端子との嵌合圧力よりも大きくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電器によって充電されて電動工具に給電可能な電池パックと、充電器あるいは電動工具と電池パックとの組み合わせに関する。
【背景技術】
【0002】
電池パックは、電動工具の電源として広く使用され、内部に収納した電池セルの充放電が繰り返し行われている。通常、電池パックは、電動工具や充電器などの外部装置と電気的に接続される端子として、電池セルを充放電するための電流が流れる電力端子と、電池セルの充放電を制御する制御信号を外部装置と伝達するための信号伝達端子とを備えている。上記の電力端子および信号伝達端子などの端子は、通常、導電性金属を加工して作成されたピンやブレード、ブレード受けなど、どれも同一形状を有し、端子が接続される部品に応じてその用途が決められていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、電池パックは、内部の電池セルの充電及び放電を繰り返す度に、電動工具や充電器に対して頻繁に着脱されるので、端子は、摩耗したり変形することがある。特に電力端子が摩耗したり変形すると、電動工具や充電器の端子との接触不良につながることがあり、その結果、電動工具と電池パックとの電気的接続部の接触抵抗が大きくなり、電力端子を介して大電流が流れることが多いために、電力端子が発熱するようになる。この発熱によって電力端子が溶断した場合は、電池パックから電動工具へ給電することができなくなることがあり、電池パックそのものの短寿命化を招いていた。
【0004】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、端子の発熱を抑制した電池パック、かかる電池パックと電動工具との組み合わせ、及びかかる電池パックと充電器との組み合わせを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の電池パックは、複数の端子を備えた機器本体に着脱自在に装着されて該機器本体に給電可能な電池パックであって、上側ハウジングと下側ハウジングとからなるハウジングと、該ハウジング内に設けられた電池セルと、該電池セルに電気的に接続された複数の第1の端子と、該電池セルの充電及び放電の少なくとも一方を制御する制御信号が伝達される第2の端子と、を有し、該複数の第1の端子及び該第2の端子のそれぞれは、該機器本体の対応する端子と嵌合して電気的に接続される構成とされており、該複数の第1の端子及び該第2の端子は、該機器本体への装着方向と異なる方向に延在する端子配置部に配設されており、該端子配置部の中心を通って該機器本体への装着方向に平行な仮想中心線に対して該複数の第1の端子が分散して配置されるとともに、該複数の第1の端子の間に該第2の端子を介在させて構成されており、該ハウジングを該機器本体に装着したときの該複数の第1の端子と該機器本体の対応する端子との嵌合圧力が、該第2の端子と該機器本体の対応する端子との嵌合圧力よりも大きくなるように構成されている。
【0006】
上記構成において、電池セルを電池セル収容部に収容し、ハウジングを機器本体に装着すると、複数の第1の端子が、機器本体の対応する端子と嵌合圧入して、電池パックから機器本体に対し給電可能となる。次に、機器本体を始動させると、電池セルから電流が複数の第1の端子を介して機器本体に流れ、機器本体への給電が行われる。また、第2の端子が機器本体の対応する端子と嵌合圧入している場合、電池セルの放電を制御する制御信号が、信号伝達端子を介して機器本体と電池パックとの間で伝達される。
【0007】
電池パックは、機器本体に装着されている時、複数の第1の端子に作用する嵌合圧力は、第2の端子に作用する嵌合圧力よりも高くなっている。従って、複数の第1の端子に作用する高い嵌合圧力により、複数の第1の端子と機器本体の電力端子との接触不良を抑制でき、機器本体へ流れる電流による複数の第1の端子での発熱を抑制できる。すなわち、複数の第1の端子は、高い嵌合圧力により、機器本体の端子との接触面積を広く取ることができるので、接触抵抗の増大を抑制でき、故に、接触抵抗に起因した多量の電流が流れるときの複数の第1の端子の発熱を抑制できる。また、接触不良に起因する複数の第1の端子と機器本体側の端子との間でのアークの発生を抑制して、これら端子の各々の損傷や溶断を防止できる。
【0008】
一方、制御信号は、電流成分が微少であるために、第2の端子には、ほとんど電流が流れない。従って、第2の端子は、たとえ機器本体側の端子との接触面積が小さくなり接触抵抗が大きくなったとしても、電流量が少ないためにあまり発熱しない。故に、第2の端子は、複数の第1の端子のような高い嵌合圧力を必要としない。
【0009】
また、複数の第1の端子の嵌合圧力のみが第2の端子の嵌合圧力に比較して高いために、電池パックの機器本体に対する着脱を容易に行うことができ、着脱時の操作性が改善される。さらに、電池パックを機器本体に装着するとき、より大きな力を要する複数の第1の端子が、中心線を介在させて離れて配置されるとともに、複数の第1の端子の間に第2の端子を介在させて構成されているために、複数の第1の端子及び第2の端子と機器本体の対応する端子との嵌合圧入に必要な力を第1の長さに亘り略均一に分散させることができる。従って、電池パックの機器本体に対する装着を円滑に行うことができる。
【0010】
好ましくは、該電池パックは該電池セルと該上側ハウジングとの間に配置される基板を有し、該複数の第1の端子及び該第2の端子は該基板に設けられ、該複数の第1の端子及び該第2の端子のそれぞれは、開口端部と、底部と、該開口端部と該底部とを接続する一対の腕部と、該底部から該基板に向けて伸長する脚部と、を有し、該複数の第1の端子と該第2の端子とは、該機器本体の対応する端子が、該開口端部を押し広げるように圧入される構成とし、該複数の第1の端子の板厚は、該第2の端子の板厚よりも厚く形成されていても良い。
【0011】
また、好ましくは、該電池パックは該電池セルと該上側ハウジングとの間に配置される基板を有し、該複数の第1の端子及び該第2の端子は該基板に設けられ、該複数の第1の端子及び該第2の端子のそれぞれは、開口端部と、底部と、該開口端部と該底部とを接続する一対の腕部と、該底部から該基板に向けて伸長する脚部と、を有し、該複数の第1の端子と該第2の端子とは、該機器本体の対応する端子が、該開口端部を押し広げるように圧入される構成とし、該複数の第1の端子の腕部は、該第2の端子の腕部よりも短く形成されていても良い。
【0012】
また、好ましくは、該電池パックは該電池セルと該上側ハウジングとの間に配置される基板を有し、該複数の第1の端子及び該第2の端子は該基板に設けられ、該複数の第1の端子及び該第2の端子は、略矩形の平板からなり、該機器本体の複数の端子は、開口端部と、底部と、該開口端部と該底部とを接続する一対の腕部と、を有し、該複数の第1の端子と該第2の端子とは、該機器本体の対応する端子の該開口端部を押し広げるように圧入する構成とされており、該複数の第1の端子の板厚みは、該第2の端子の板厚よりも厚く形成されていてもよい。
【0013】
上記構成により、複数の第1の端子の機械強度は、第2の端子に比較して高くなる。従って、機器本体の対応する端子を、U字形の複数の第1及び第2の端子に、その開口端部より底部に向かう差し込み方向に沿って嵌合圧入したとき、複数の第1の端子の変形は、第2の端子の変形に比較して小さくなり、複数の第1の端子に作用する嵌合圧力を、第2の端子に作用する嵌合よりも高くできる。
【0014】
また、本発明による電池パックと電動工具との組み合わせは、電動工具と、該電動工具に着脱自在に装着される電池パックとの組み合わせであって、該電動工具は、モータと、該モータの駆動を制御する制御部と、該モータを駆動するための電力端子と、該制御部と接続する信号伝達端子とを有し、該電池パックは、上側ハウジングと下側ハウジングからなるハウジングと、該ハウジング内に収容される複数の電池セルと、該電池セルと該上側ハウジングとの間に配置される基板と、該基板に設けられ該電力端子に電力を供給する複数の第1の端子と、該信号伝達端子との間で信号を伝達する第2の端子と、を有し、該複数の第1の端子及び該第2の端子は、該電動工具への装着方向と異なる方向に延在する端子配置部に配設されており、該端子配置部の中心を通って該電動工具への装着方向に平行な仮想中心線に対して該複数の第1の端子が分散して配置されるとともに、該複数の第1の端子の間に該第2の端子を介在させて構成されており、該ハウジングを該電動工具に装着したときの該複数の第1の端子と該電力端子との嵌合圧力が、該第2の端子と該信号伝達端子との嵌合圧力よりも大きくなるように構成してもよい。
【0015】
また、好ましくは、該複数の第1の端子は、開口端部と、底部と、該開口端部と該底部とを接続する一対の腕部と、該底部から該基板に向けて伸長する脚部と、を有すると共に、該電力端子が該第1の端子の開口端部を押し広げるように圧入されることで、該電力端子と電気的に接続され、該第2の端子は、開口端部と、底部と、該開口端部と該底部とを接続する一対の腕部と、該底部から該基板に向けて伸長する脚部と、を有すると共に、該信号伝達端子が該第2の端子の開口端部を押し広げるように圧入されることで、該信号伝達端子と電気的に接続され、該複数の第1の端子の板厚は、該第2の端子の板厚よりも厚く形成してもよい。
【0016】
また、好ましくは、該複数の第1の端子は、開口端部と、底部と、該開口端部と該底部とを接続する一対の腕部と、該底部から該基板に向けて伸長する脚部と、を有すると共に、該電力端子が該第1の端子の開口端部を押し広げるように圧入されることで、該電力端子と電気的に接続され、該第2の端子は、開口端部と、底部と、該開口端部と該底部とを接続する一対の腕部と、該底部から該基板に向けて伸長する脚部と、を有すると共に、該信号伝達端子が該第2の端子の開口端部を押し広げるように圧入されることで、該信号伝達端子と電気的に接続され、該複数の第1の端子の腕部は、該第2の端子の腕部よりも短く形成されていてもよい。
【0017】
さらに、好ましくは、該複数の第1の端子及び該第2の端子は、略矩形の平板からなり、該電力端子及び該信号伝達端子は、開口端部と、底部と、該開口端部と該底部とを接続する一対の腕部と、を有し、該複数の第1の端子は、該電力端子の開口端部を押し広げるように圧入することで、該電力端子と電気的に接続され、該第2の端子は、該信号伝達端子の開口端部を押し広げるように圧入することで、該信号伝達端子と電気的に接続され、該複数の第1の端子の板厚は、該第2の端子の板厚よりも厚く形成されていてもよい。
【0018】
上記構成により、電動機の駆動に伴い発生した振動が、電動工具と電池パックとの装着部分に作用しても、複数の第1の端子と給電端子との嵌合圧入部の嵌合圧力が高いために、嵌合圧入部は、かかる振動に耐えて、複数の第1の端子と給電端子との接触不良を抑制する。従って、複数の第1の端子と給電端子との嵌合部における接触抵抗の増大が抑制されるので、電動機への給電に伴う複数の第1の端子での発熱を抑制できる。その一方で、第2の端子と信号端子との嵌合圧力が小さいために、電池パックの電動工具に対する着脱を円滑に行うことができる。
【0019】
また、本発明による電池パックと充電器との組合せは、充電器と、該充電器に接続されて充電可能な電池パックとの組み合わせであって、該充電器は、該電池パックを充電するための電力端子と、該電池パックと信号の伝達を行う信号伝達端子とを有し、該電池パックは、上側ハウジングと下側ハウジングからなるハウジングと、該ハウジング内に収容される複数の電池セルと、該電池セルと該上側ハウジングとの間に配置される基板と、該基板に設けられ、該電力端子に電気的に接続される複数の第1の端子と、該基板に設けられ、該信号伝達端子に電気的に接続される第2の端子とを有し、該複数の第1の端子及び該第2の端子は、該充電器への装着方向と異なる方向に延在する端子配置部に配設されており、該端子配置部の中心を通って該充電器への装着方向に平行な仮想中心線に対して該複数の第1の端子が分散して配置されるとともに、該複数の第1の端子の間に該第2の端子を介在させて構成されており、該ハウジングを該充電器に装着したときの該複数の第1の端子と該電力端子との嵌合圧力が、該第2の端子と該信号伝達端子との嵌合圧力よりも大きくなるように構成されていてもよい。
【0020】
好ましくは、該複数の第1の端子は、開口端部と、底部と、該開口端部と該底部とを接続する一対の腕部と、該底部から該基板に向けて伸長する脚部と、を有すると共に、該電力端子が該第1の端子の開口端部を押し広げるように圧入されることで、該電力端子と電気的に接続され、該第2の端子は、開口端部と、底部と、該開口端部と該底部とを接続する一対の腕部と、該底部から該基板に向けて伸長する脚部と、を有すると共に、該信号伝達端子が該第2の端子の開口端部を押し広げるように圧入されることで、該信号伝達端子と電気的に接続され、該複数の第1の端子の板厚は、該第2の端子の板厚よりも厚く形成されていてもよい。
【0021】
また、好ましくは、該複数の第1の端子は、開口端部と、底部と、該開口端部と該底部とを接続する一対の腕部と、該底部から該基板に向けて伸長する脚部と、を有すると共に、該電力端子が該第1の端子の開口端部を押し広げるように圧入されることで、該電力端子と電気的に接続され、該第2の端子は開口端部と、底部と、該開口端部と該底部とを接続する一対の腕部と、該底部から該基板に向けて伸長する脚部と、を有すると共に、該信号伝達端子が該第2の端子の開口端部を押し広げるように圧入されることで、該信号伝達端子と電気的に接続され、該複数の第1の端子の腕部は、該第2の端子の腕部よりも短く形成されていてもよい。
【0022】
さらに、好ましくは、該複数の第1の端子及び該第2の端子は、略矩形の平板からなり、該電力端子および信号伝達端子は、開口端部と、底部と、該開口端部と該底部とを接続する一対の腕部と、を有し、該複数の第1の端子は、該電力端子の開口端部を押し広げるように圧入することで、該電力端子と電気的に接続され、該第2の端子は、該信号伝達端子の開口端部を押し広げるように圧入することで、該信号伝達端子と電気的に接続され、該複数の第1の端子の板厚は、該第2の端子の板厚よりも厚く形成されていてもよい。
【0023】
上記構成において、電池セルを電池セル収納部に収納した電池パックを充電器に装着すると、複数の第1の端子が、充電器の対応する端子と嵌合圧入して、充電器から電池セルへの充電が行われる。また、第2の端子が充電器の対応する端子としての充電器制御端子と嵌合圧入し、電池セルの充電を制御する制御信号が、第2の端子を介して充電器と電池パックとの間で伝達される。電池パックは、充電器によって充電されている時、複数の第1の端子に作用する嵌合圧力は、第2の端子に作用する嵌合よりも高くなっている。従って、高い嵌合圧力により、複数の第1の端子と充電器側の端子との接触不良を抑制でき、充電器から電池セルへ流れる電流による複数の第1の端子での発熱を抑制できる。また、複数の第1の端子の嵌合圧力のみが第2の端子に比較して高いために、電池パックの充電器に対する着脱を容易に行うことができ、着脱時の操作性が改善される。また、高い嵌合圧力により、複数の第1の端子と給電端子との接触不良を抑制でき、充電器から電池セルへ流れる電流による複数の第1の端子での発熱を抑制できる。また、複数の第1の端子の嵌合圧力のみが第2の端子の嵌合圧力に比較して高いために、電池パックの充電器に対する着脱を容易に行うことができ、着脱時の操作性が改善される。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、電池パックの複数の第1の端子と電動工具や充電器などの機器本体側の端子との接触不良を抑制して、複数の第1の端子と機器本体側の端子との接触抵抗の増大を防止し、多量の電流を複数の第1の端子を介して電池パックと機器本体との間で流すときの複数の第1の端子の発熱を抑制できる。従って、複数の第1の端子の損傷や溶断を防止できる。さらに、電池パックの機器本体に対する装着を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明による電池パックを装着した電動工具を示す斜視図である。
【図2】電池パックを外した図1に示す電動工具の斜視図である。
【図3】本発明による電池パックが装着された充電器を示す斜視図である。
【図4】図1に示す電池パックの斜視図である。
【図5】図4に示す電池パックの分解斜視図である。
【図6】上側ハウジングを外した電池パックの平面図である。
【図7】電池パックの端子の1つを示す平面図である。
【図8】電池パックの端子のうち、(a)は、正極端子及び負極端子を示す上面図であり、(b)は、信号伝達端子を示す上面図である。
【図9】電池パックの端子の他の構成を示し、(a)は、正極端子及び負極端子を示す上面図であり、(b)は、信号伝達端子を示す上面図である。
【図10】電池パックの端子のさらに他の構成を示し、(a)は、正極端子及び負極端子を示す上面図であり、(b)は、信号伝達端子を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、上下、左右及び前後の方向は、参照する図面にて規定した方向を示す。
【0027】
図1に、本発明による電池パックを装着した電動工具を示す。電動工具としてのドリル1は、機器本体としての本体部2と、電池パック10とを備えている。
【0028】
本体部2は、モータ(図示せぬ)と、モータの駆動を制御する制御部(図示せぬ)とを内蔵しており、先端部分にドリルビット5を装着可能とする工具保持部2Aが設けられている。本体部2の後端部分から、ハンドル3が下方に延出し、その延出部分の基端部分には、トリガ3Aが設けられている。制御部は、トリガ3Aを介して電池パック10から本体部2への給電を制御する。また、図2に示すように、ハンドル3の延出方向端部には、板状の複数の端子4が前方に向けて突出するように設けられている。複数の端子4のうち、2つの端子は、モータを駆動するための電流が流れる電力端子であり、残りの端子は、電池パック10の温度を表す信号を制御部に向けて伝達するための信号伝達端子である。
【0029】
電池パック10は、本体部2の前後方向に沿って、ハンドル3の延出方向先端部に対して着脱可能に設けられている。図1に示すように、本体部2の前後方向に沿う矢印Aで示す方向を差し込み方向として、電池パック10を本体部2に差し込むと、電池パック10は、本体部2に装着される。一方、本体部2に対し、矢印Aで示す方向と反対方向に電池パック10を移動させると、電池パック10を本体部2から外すことができる。
【0030】
一方、電池パック10は、図3に示すように、ドリル1に代えて充電器100に装着すると、内部に収納された電池セル(図示せぬ)が充電器100によって充電されるようになっている。
【0031】
電池パック10は、図4に示すハウジング20内に、電池セル群30と、基板40と、カバー50とを有し、内部に収容される電池セルの充放電を可能にしている。図4及び図5において、矢印Aで示す方向が、ハウジング20の本体部22に対する差し込み方向である。従って、本体部2に対しハウジング20をかかる方向Aに沿って押し込むと、ハウジング20を本体部2に装着させることができる。
【0032】
ハウジング20は、図5に示すように、上側ハウジング21と、下側ハウジング22とからなり、上側及び下側ハウジング21、22は、ボス22Aを介して互いに嵌合される。ハウジング20には、下側ハウジング22から順に、電池セル群30、基板40及びカバー50が収容される。上側ハウジング21には、端子挿入部21Aが形成され、本体部2の端子4が差し込み可能に形成されている。また、ハウジング20の側部前方には、ハウジング20を本体部2に係止させるための1対の操作部23,23が取り付けられている。端子挿入部21Aは、カバー50によって基板40が外部に露出しないように覆われている。
【0033】
電池セル群30は、電池セル収容部として、セルフレーム31に複数の電池セル32を電気的に接続して収容し、電池セル32と電気的に接続される2つの電極部(図示せず)を有する。電池セル32は、ニッケル水素電池、またはリチウムイオン電池等からなり、複数回充放電可能な電池である。
【0034】
基板40は、上側ハウジング21の内部に位置するように、電池セル群30の上方に配置されている。基板40の上面には、差し込み方向Aと直交する方向に沿って延在する長さLに亘って端子配置部41が設けられている。端子配置部41には、本体部2の端子4と嵌合可能な複数の端子42〜48が配設されている。本実施の形態においては、図5及び図6に示すように、7本の端子42〜48が、端子配置部41に適度な間隔を介して配設され、端子挿入部21Aを介して差し込まれた本体部2の端子4と、必要に応じて嵌合される。
【0035】
7本の端子42〜48は、端子配置部41の一端から順に、充電用正極端子42と、放電用正極端子43と、信号伝達端子44,45,46と、充放電用負極端子47と、信号伝達用端子48とから構成されている。正極端子42、43は、電池セル群30の一方の電極部と接続され、負極端子47は、電池セル32の他方の電極部と接続されている。従って、電池セル32を充電するときは、正極端子42と負極端子47とには、充電電圧に応じた電流が流れ、電池セル32を放電させるときは、正極端子43と負極端子47とには、本体部2の負荷に応じた電流が流れるように構成されている。すなわち、正極端子42,43及び負極端子47は、電池セル32の充放電に応じた電流を、電池パック10と電池パック10に装着された装置との間で流すために使用される。
【0036】
信号伝達端子44,45,46、48は、それぞれ、収容される電池セルの種類や本数を識別するために使用される端子、過充電を検出するために使用される端子、サーミスタからの出力を伝達するための端子、過放電あるいは過電流を防止するために使用される端子である。すなわち、信号伝達端子44,45,46、48を介して、電池パック10の充電や放電を制御する制御信号が伝達される。このように、正極端子42、43及び負極端子47は、特許請求の範囲に記載する第1の端子に相当し、信号伝達端子44,45,46、48は、第2の端子に相当する。
【0037】
正極端子42、43は、端子配置部41の長さLの中心を通って差し込み方向Aと平行に延在する仮想の中心線K−Kによって分割される端子配置部41の一方の領域41Aに配置される。一方、負極端子7は、中心線K−Kによって分割された他方の領域41Bに配置される。すなわち、負極端子47は、正極端子42,43のいずれか一方と、必ず中心線K−Kを間に介在させるように配設される。信号伝達端子44,45,46,48は、端子配置部41において、正極端子42、43及び負極端子47の配置場所に対して適切な距離を介して配置される。
【0038】
次に、端子42〜48の構成を、図7を参照して説明する。端子42〜48は、いずれも、図7に示すように、導電性金属からなる平板をU字形に湾曲させてなるU字形形状を有し、U字形の開口端部は、その近傍が互いに圧接するように加工成型される。故に、端子42を例に図7を参照して詳細に説明する。端子42は、互いに圧接しあう2つの開口端部42aと、U字形の折曲部である底部42bと、開口端部42aと底部42bとを接続する腕部42cとから構成される。端子42は、底部42bから垂直方向に基板40に向けて伸長する脚部42d(図5参照)によって、基板40に固定され、電池セル群30等の対応する部品と電気的に接続されている。なお、以下の説明において、各端子42〜48の開口端部、底部、腕部を参照するときは、各端子の参照番号にそれぞれa,b,cを付して引用する。
【0039】
また、端子42は、電池パック10の本体部2への差し込み方向Aに沿った装着に伴い、開口端部42aの間に、本体部2の端子4が嵌合圧入され、端子42と端子4との圧接によって、端子42と端子4とが電気的に接続される。
【0040】
本実施の形態において、正極端子42,43及び負極端子47は、図8(a)に示すように、厚み0.5mmの平板にて形成され、一方、信号伝達端子44,45,46,48は、図8(b)に示すように、厚み0.3mmの平板にて形成されている。すなわち、電流が流れる正極端子42,43及び負極端子47が、信号伝達端子44,45,46,48よりも厚く形成される。これにより、正極端子42,43及び負極端子47は、信号伝達端子44,45,46,48に比較して高い機械強度を備え、端子と嵌合する際の嵌合圧力が高くなる。
【0041】
上記のように構成された電池パック10をドリル1に装着する時、図1に示すように、電池パック10を、ハンドル3の延出方向先端部に対して、差し込み方向Aに沿って差し込むと、正極端子43,負極端子47,信号伝達端子48に端子4がそれぞれ嵌合される。このとき、端子4が、端子43,47,48の開口端部43aをそれぞれ押し広げるように端子43,47,48に圧入されて、端子4と端子,47,48とが嵌合圧入される。正極端子43および負極端子47は、信号伝達端子48に比較して厚みが厚いので、端子43,47の各々と端子4との嵌合点P1に作用する嵌合圧力は、端子48と端子4との嵌合点P2に作用する嵌合圧力よりも高くなる。
【0042】
従って、電池パック10をドリル1に装着して給電する際、ドリル1の振動により嵌合点P1に力が継続的に作用した場合であっても、正極端子43及び負極端子47との接触不良を抑制でき、端子43,47を流れる電流による端子43,47の発熱を抑制できる。
【0043】
即ち、電池パック10の電流が流れる端子43,47は、高い嵌合圧力により、ドリル1の端子4との接触面積が広くなるので、接触抵抗の増大を抑制でき、接触抵抗の増大に起因した端子の発熱を抑制できる。また、発熱の抑制により、端子43と端子4との間や端子47と端子4との間でのアークの発生を抑制して、端子43,47の損傷や溶断を防止できる。一方、信号伝達端子48と端子4との間には、ほとんど電流が流れないため、低い嵌合圧力のために端子4との接触面積が小さく接触抵抗が大きくなったとしても、端子48の発熱を抑制できる。
【0044】
また、電流が流れる端子43,47のみの嵌合圧力が高いために、電池パック10のドリル1への装着に力を要さず、装着をスムーズに行うことができる。
【0045】
さらに、嵌合に力をより必要とする端子43,47が、端子配置部41の比較的両側に分散配置されているために、電池パック10のドリル1への装着に必要な力を端子配置部41の長さLに亘り略均一に分散作用させることができる。従って、電池パック10をドリル1に円滑に装着できる。
【0046】
電池パック10を充電するとき、電池パック10が充電器100に装着されると、正極端子42及び負極端子47が充電器100の電源端子とそれぞれ嵌合圧入され、信号伝達端子44,45,46は、充電器100の信号伝達端子とそれぞれ嵌合圧入される。ドリル1への装着と同様に、電流が流れる端子42,47の嵌合圧力が、信号伝達端子44〜46の嵌合圧力よりも高くなる。従って、電流が流れる端子42,47の接触不良が抑制でき、かかる端子42,47の発熱を抑制できる。また、充電器100に対する電池パック10の装着を少ない力で円滑に行うことができる。
【0047】
なお、図8に示す構成において、U字形の底部の厚みをすべての端子42〜48の間で同一としながらも、電流が流れる端子の腕部42c、43c、47cの厚みのみを、信号伝達端子の腕部44c,45c,46c,48cの厚みよりも厚く形成しても同様な効果を奏する。
【0048】
図9に、端子42〜48の他の構成を示す。図9において、端子42〜48は、いずれも同じ厚みの平板から作成される。しかしながら、図9(a)に示す正極端子42,43及び負極端子47の腕部42c,43c、47cの長さが、図9(b)に示す信号伝達端子44,45,46,48の腕部44c,45c,46c,48cの長さよりも短く形成されている。これにより、電流が流れる端子42,43,47は、信号伝達端子44,45,46,48に比較して高い機械強度を備え、端子と嵌合する際の嵌合圧力が高くなるように形成されている。従って、図8に示す構成の端子42〜48と同様な効果を奏する。
【0049】
図10に、端子42〜48のさらに他の構成を示す。端子42〜48は、導電性金属の平板からなる。端子42〜48は、長手方向の一端部42e、43e,44e,45e,46e,47e,48eから基板40に向けて伸長する脚部(図示せぬ)によって、基板40に固定され、電池セル群30等の対応する部品と電気的に接続されている。正極端子42,43及び負極端子47は、図10(a)に示すように、厚み0.5mmの平板にて形成され、一方、信号伝達端子44,45,46、48は、図10(b)に示すように、厚み0.3mmの平板にて形成されている。すなわち、電流が流れる正極端子42,43及び負極端子47が、信号伝達端子44,45,46、48よりも厚く形成される。なお、電池パック10の端子42〜48が板状に形成されている場合は、電池パック10が装着されるドリル1や充電器100の対応する端子4は、端子42〜48を内部に差し込み可能とする開口端部を有するU字形である。この構成においても、端子42〜48は、ドリル1や充電器100の対応する端子4と嵌合圧入するときは、電流が流れる端子の嵌合圧力は、信号伝達端子の嵌合圧力よりも高くなり、図8に示す端子と同様な効果を奏する。
【0050】
なお、上記の実施の形態において、電池パック10の端子の数が7本の構成を説明したが、端子の数は、これに限定されない。
【0051】
また、本発明の電池パックは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の電池パックは、ドリルやインパクトドライバなどの持ち運び可能な電動工具に対して装着できる。
【符号の説明】
【0053】
1 ドリル
4 端子
10 電池パック
20 ハウジング
31 セルフレーム
32 電池セル
42,43,47 第1の端子
44,45,46,48 第2の端子
100 充電器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端子を備えた機器本体に着脱自在に装着されて該機器本体に給電可能な電池パックであって、
上側ハウジングと下側ハウジングとからなるハウジングと、
該ハウジング内に設けられた電池セルと、
該電池セルに電気的に接続された複数の第1の端子と、
該電池セルの充電及び放電の少なくとも一方を制御する制御信号が伝達される第2の端子と、を有し、
該複数の第1の端子及び該第2の端子のそれぞれは、該機器本体の対応する端子と嵌合して電気的に接続される構成とされており、
該複数の第1の端子及び該第2の端子は、該機器本体への装着方向と異なる方向に延在する端子配置部に配設されており、
該端子配置部の中心を通って該機器本体への装着方向に平行な仮想中心線に対して該複数の第1の端子が分散して配置されるとともに、該複数の第1の端子の間に該第2の端子を介在させて構成されており、
該ハウジングを該機器本体に装着したときの該複数の第1の端子と該機器本体の対応する端子との嵌合圧力が、該第2の端子と該機器本体の対応する端子との嵌合圧力よりも大きくなるように構成したことを特徴とする電池パック。
【請求項2】
該電池パックは該電池セルと該上側ハウジングとの間に配置される基板を有し、
該複数の第1の端子及び該第2の端子は該基板に設けられ、
該複数の第1の端子及び該第2の端子のそれぞれは、開口端部と、底部と、該開口端部と該底部とを接続する一対の腕部と、該底部から該基板に向けて伸長する脚部と、を有し、
該複数の第1の端子と該第2の端子とは、該機器本体の対応する端子が、該開口端部を押し広げるように圧入される構成とし、
該複数の第1の端子の板厚は、該第2の端子の板厚よりも厚いことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
該電池パックは該電池セルと該上側ハウジングとの間に配置される基板を有し、
該複数の第1の端子及び該第2の端子は該基板に設けられ、
該複数の第1の端子及び該第2の端子のそれぞれは、開口端部と、底部と、該開口端部と該底部とを接続する一対の腕部と、該底部から該基板に向けて伸長する脚部と、を有し、
該複数の第1の端子と該第2の端子とは、該機器本体の対応する端子が、該開口端部を押し広げるように圧入される構成とし、
該複数の第1の端子の腕部は、該第2の端子の腕部よりも短いことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項4】
該電池パックは該電池セルと該上側ハウジングとの間に配置される基板を有し、
該複数の第1の端子及び該第2の端子は該基板に設けられ、
該複数の第1の端子及び該第2の端子は、略矩形の平板からなり、
該機器本体の複数の端子は、開口端部と、底部と、該開口端部と該底部とを接続する一対の腕部と、を有し、
該複数の第1の端子と該第2の端子とは、該機器本体の対応する端子の該開口端部を押し広げるように圧入する構成とされており、
該複数の第1の端子の板厚みは、該第2の端子の板厚よりも厚いことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項5】
該機器本体は、電動工具であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の電池パック。
【請求項6】
該機器本体は、充電器であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の電池パック。
【請求項7】
電動工具と、該電動工具に着脱自在に装着される電池パックとの組み合わせであって、
該電動工具は、モータと、該モータの駆動を制御する制御部と、該モータを駆動するための電力端子と、該制御部と接続する信号伝達端子とを有し、
該電池パックは、上側ハウジングと下側ハウジングからなるハウジングと、該ハウジング内に収容される複数の電池セルと、該電池セルと該上側ハウジングとの間に配置される基板と、該基板に設けられ該電力端子に電力を供給する複数の第1の端子と、該信号伝達端子との間で信号を伝達する第2の端子と、を有し、
該複数の第1の端子及び該第2の端子は、該電動工具への装着方向と異なる方向に延在する端子配置部に配設されており、該端子配置部の中心を通って該電動工具への装着方向に平行な仮想中心線に対して該複数の第1の端子が分散して配置されるとともに、該複数の第1の端子の間に該第2の端子を介在させて構成されており、
該ハウジングを該電動工具に装着したときの該複数の第1の端子と該電力端子との嵌合圧力が、該第2の端子と該信号伝達端子との嵌合圧力よりも大きくなるように構成したことを特徴とする電動工具と電池パックとの組み合わせ。
【請求項8】
該複数の第1の端子は、開口端部と、底部と、該開口端部と該底部とを接続する一対の腕部と、該底部から該基板に向けて伸長する脚部と、を有すると共に、該電力端子が該第1の端子の開口端部を押し広げるように圧入されることで、該電力端子と電気的に接続され、
該第2の端子は、開口端部と、底部と、該開口端部と該底部とを接続する一対の腕部と、該底部から該基板に向けて伸長する脚部と、を有すると共に、該信号伝達端子が該第2の端子の開口端部を押し広げるように圧入されることで、該信号伝達端子と電気的に接続され、
該複数の第1の端子の板厚は、該第2の端子の板厚よりも厚いことを特徴とする請求項7に記載の電動工具と電池パックとの組み合わせ。
【請求項9】
該複数の第1の端子は、開口端部と、底部と、該開口端部と該底部とを接続する一対の腕部と、該底部から該基板に向けて伸長する脚部と、を有すると共に、該電力端子が該第1の端子の開口端部を押し広げるように圧入されることで、該電力端子と電気的に接続され、
該第2の端子は、開口端部と、底部と、該開口端部と該底部とを接続する一対の腕部と、該底部から該基板に向けて伸長する脚部と、を有すると共に、該信号伝達端子が該第2の端子の開口端部を押し広げるように圧入されることで、該信号伝達端子と電気的に接続され、
該複数の第1の端子の腕部は、該第2の端子の腕部よりも短いことを特徴とする請求項7に記載の電動工具と電池パックとの組み合わせ。
【請求項10】
該複数の第1の端子及び該第2の端子は、略矩形の平板からなり、
該電力端子及び該信号伝達端子は、開口端部と、底部と、該開口端部と該底部とを接続する一対の腕部と、を有し、
該複数の第1の端子は、該電力端子の開口端部を押し広げるように圧入することで、該電力端子と電気的に接続され、
該第2の端子は、該信号伝達端子の開口端部を押し広げるように圧入することで、該信号伝達端子と電気的に接続され、
該複数の第1の端子の板厚は、該第2の端子の板厚よりも厚いことを特徴とする請求項7に記載の電動工具と電池パックとの組み合わせ。
【請求項11】
充電器と、該充電器に接続されて充電可能な電池パックとの組み合わせであって、
該充電器は、該電池パックを充電するための電力端子と、該電池パックと信号の伝達を行う信号伝達端子とを有し、
該電池パックは、上側ハウジングと下側ハウジングからなるハウジングと、該ハウジング内に収容される複数の電池セルと、該電池セルと該上側ハウジングとの間に配置される基板と、該基板に設けられ、該電力端子に電気的に接続される複数の第1の端子と、該基板に設けられ、該信号伝達端子に電気的に接続される第2の端子とを有し、
該複数の第1の端子及び該第2の端子は、該充電器への装着方向と異なる方向に延在する端子配置部に配設されており、該端子配置部の中心を通って該充電器への装着方向に平行な仮想中心線に対して該複数の第1の端子が分散して配置されるとともに、該複数の第1の端子の間に該第2の端子を介在させて構成されており、
該ハウジングを該充電器に装着したときの該複数の第1の端子と該電力端子との嵌合圧力が、該第2の端子と該信号伝達端子との嵌合圧力よりも大きくなるように構成したことを特徴とする充電器と電池パックとの組み合わせ。
【請求項12】
該複数の第1の端子は、開口端部と、底部と、該開口端部と該底部とを接続する一対の腕部と、該底部から該基板に向けて伸長する脚部と、を有すると共に、該電力端子が該第1の端子の開口端部を押し広げるように圧入されることで、該電力端子と電気的に接続され、
該第2の端子は、開口端部と、底部と、該開口端部と該底部とを接続する一対の腕部と、該底部から該基板に向けて伸長する脚部と、を有すると共に、該信号伝達端子が該第2の端子の開口端部を押し広げるように圧入されることで、該信号伝達端子と電気的に接続され、
該複数の第1の端子の板厚は、該第2の端子の板厚よりも厚いことを特徴とする請求項11に記載の充電器と電池パックとの組み合わせ。
【請求項13】
該複数の第1の端子は、開口端部と、底部と、該開口端部と該底部とを接続する一対の腕部と、該底部から該基板に向けて伸長する脚部と、を有すると共に、該電力端子が該第1の端子の開口端部を押し広げるように圧入されることで、該電力端子と電気的に接続され、
該第2の端子は開口端部と、底部と、該開口端部と該底部とを接続する一対の腕部と、該底部から該基板に向けて伸長する脚部と、を有すると共に、該信号伝達端子が該第2の端子の開口端部を押し広げるように圧入されることで、該信号伝達端子と電気的に接続され、
該複数の第1の端子の腕部は、該第2の端子の腕部よりも短いことを特徴とする請求項11に記載の充電器と電池パックとの組み合わせ。
【請求項14】
該複数の第1の端子及び該第2の端子は、略矩形の平板からなり、
該電力端子および信号伝達端子は、開口端部と、底部と、該開口端部と該底部とを接続する一対の腕部と、を有し、
該複数の第1の端子は、該電力端子の開口端部を押し広げるように圧入することで、該電力端子と電気的に接続され、
該第2の端子は、該信号伝達端子の開口端部を押し広げるように圧入することで、該信号伝達端子と電気的に接続され、
該複数の第1の端子の板厚は、該第2の端子の板厚よりも厚いことを特徴とする請求項11に記載の充電器と電池パックとの組み合わせ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−187953(P2009−187953A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−61170(P2009−61170)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【分割の表示】特願2006−243386(P2006−243386)の分割
【原出願日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【出願人】(000005094)日立工機株式会社 (1,861)
【Fターム(参考)】