説明

靴底用、特に水不透過性および水蒸気透過性の膜を備え、高分子材料から作られた有孔靴底用の挿入体および前記挿入体を備えた靴底

メッシュ、フェルトまたはその他の拡散有孔材料から作られた支持層(11)と、
支持層(11)上に配置された膜(13)を備えた蒸気透過構成材(12)と、
支持層(11)に局所的に含浸し、靴の他の構成材との接着用基材(15)を形成する1層の高分子材料(14)とを備え、
接着用基材(15)は、少なくとも支持層(11)の周辺領域に影響を及ぼし、高分子材料(14)がない支持層(11)の少なくとも1つの蒸気透過部分(18)を区画し、
密封領域(16)は、前記支持層(11)に含浸する高分子材料(14)の密接な把握力を膜に(13)に与え、
水不透過性および水蒸気透過性の膜(13)を備えた靴底用の挿入体(10)、特に高分子材料から作られた有孔靴底用の挿入体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、靴底用、特に水不透過性および水蒸気透過性の膜を備え、高分子材料から作られた有孔靴底用の挿入体、当該挿入体を備えた靴底およびそれらの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スポーツ用途の靴用の高分子材料から作られた防水性および蒸気透過性の靴底が、ここ数年前から知られている。
この種の靴底は、例えば、WO2004/028284に開示されている。
WO2004/028284は、少なくとも1つのプレセットずみマクロ部分(preset macroportion)に、メッシュ、フェルトまたはその他の拡散有孔材料から作られた支持層を備えた構造を有する靴底を開示している。
【0003】
水不透過性および水蒸気透過性の材料から作られた膜は、少なくともプレセットずみマクロ部分において支持層の上部領域を当該膜が覆って結合する。当該設けられたマクロ部分において少なくとも1つの貫通孔を有する、高分子材料から作られた接地面が、膜および支持層に少なくともマクロ部分の周辺において密封されて結合する。
孔の存在は、外部との膜の熱および蒸気の交換のための大きな部分を規定する。それゆえ、前記靴底構造は、水不透過性および水蒸気透過性の膜の蒸気透過性が利用可能である。
【0004】
この種の靴底は、平均より発汗量が多い人の靴の内部において生成される多量の水蒸気を消散させるのに特に適している。
足の過剰な発汗は、極端に暑く湿度の高い気候の場合のほか、スポーツ活動において靴を使用する場合にも生じうる。
【0005】
前記靴底は、別個に与えられるいくつかの層および諸要素:接地面、膜、本底その他を組み立て接着することによって提供される。
膜の下に配置され支持要素として機能するメッシュ、フェルトまたはその他の拡散有孔材料から作られたマクロ部分の力学的な抵抗力は、前記靴底の製造に特に重要である。
【0006】
マクロ部分の周辺において、接地面を支持層上に単純に接着すれば、靴底に要求される構造強度を与えるために必要とされる密接な把握力(intimate grip)を事実上考慮する必要はない。
WO2006/010578に開示された教示によって与えられる靴底は、メッシュから作られた支持保護層上に、マクロ孔(macrohole)を有する靴底下層のオーバーモールドを設ける。
【0007】
このように、接地面も備える下層は、メッシュを通して埋め込み密接に把握させる流体状態の高分子材料の注入による成形中にメッシュと結合する。
この成形法は、第1金型にメッシュ膜パッケージを挿入し、接地面が設けられた下層が前記パッケージ上に一体成形される。金型内に流体状態で注入された下層の材料は、メッシュの網の目を通すことにより膜に付着し、凝固させることによって水不透過性を有し、2つの要素間でもはや漏れることのない密封を作り出す。
【0008】
このように得られた半仕上げの構成材は、第2金型に挿入され、靴底の上層が一体成形される。この場合も、上層の材料は、金型内に流体状態で注入された下層の材料が膜に付着し、凝固させることによって水不透過性を有する密封を作り出す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
膜の密封は相当な効果を有するが、この方法にはいくつかの欠点がある。
下層の流体状態の高分子材料の成形により、金型を完全に閉じることが困難なメッシュを通して、材料の漏出が事実上発生する。
膜に対してメッシュを完全に押しつけるのが可能でないため、流体状態の材料が、前記メッシュの網の目を通して事実上通り抜ける。
【0010】
メッシュの形状は、金型を事実上密閉させず、これらの漏出が避けられない。当該漏出は靴底の美観を損ない、マクロ孔に設けられた蒸気透過部分を減少させる。
前記の方法はそれゆえ、多数の不良品を生じる。
さらに、接地面を有する膜の一体成形法は、接地面として用いられる諸材料の選択を限定する。なぜなら、例えば、注入のため流体状態にならない、加硫ゴムおよびすべての材料から作られた接地面の使用が不可能になるためである。
【0011】
それゆえ、流体状態の水を透過せず、水蒸気を透過し、前記の欠点を未然に防止して、靴の内部から大量の水蒸気を排出しうる、靴底を提供する必要性が感じられている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明の目標は、前記必要性を満たす靴底用の挿入体を提供することである。
前記目標内で、発明の目的は、防水性および蒸気透過性を有し、広い蒸気透過領域を有する一方で、少なくとも現在公知の靴底の構造強度に等しい構造強度を確保する、靴底用の挿入体を提供することである。
【0013】
この発明の別の目的は、生産工程が液状化しない、ゴムおよび材料のような接地面に最も適した諸材料を、挿入体を備えた靴底に提供できるようにする挿入体を提供することである。
【0014】
この発明の別の目的は、靴底の他の構成材への高度の接着力を有し、当該靴底を強く丈夫にする防水性および蒸気透過性の靴底用の挿入体を提供することである。
【0015】
この発明の別の目的は、構造的に単純かつ低価格で製造しうる靴底用の挿入体を提供することである。
【0016】
以下でより明らかになる前記目標、これらおよび別の目的は、
メッシュ、フェルトまたはその他の拡散有孔材料から作られた支持層と、
水不透過性および水蒸気透過性の膜を備え、前記支持層上に配置された蒸気透過構成材と、
前記支持層に局所的に含浸(impregnates)し、靴の他の構成材との接着用基材を形成する1層の高分子材料とを備え、
前記接着用基材は、少なくとも前記支持層の周辺領域に影響を及ぼし、前記高分子材料がない前記支持層の少なくとも1つの部分を水蒸気透過のために区画し、
前記支持層に含浸する前記高分子材料の密接な把握力を少なくとも膜の周辺端において膜に与え、それらの間に含まれる領域を密封する領域を備え、
水不透過性および水蒸気透過性の膜を備えた靴底用の挿入体、特に高分子材料から作られた有孔靴底用の挿入体によって実現される。
【0017】
さらに、前記目標のほか、以下でより明らかになるこれらおよび別の目的もまた、メッシュ、フェルトまたはその他の拡散有孔材料から作られた支持層と、
水不透過性および水蒸気透過性の膜を備え、前記支持層上に配置された蒸気透過構成材と、
前記支持層に局所的に含浸し、靴の他の構成材との接着用基材を形成する1層の高分子材料とを備え、
前記接着用基材は、少なくとも前記支持層の周辺領域に影響を及ぼし、前記高分子材料がない前記支持層の少なくとも1つの蒸気透過部を水蒸気透過のために区画する、水不透過性および水蒸気透過性の膜を備えた靴底用の挿入体、特に高分子材料から作られた有孔靴底用の挿入体によって実現される。
【0018】
この発明のさらに別の特徴および利点は、添付図面における非限定的な例によって図示された、この発明による靴底用の挿入体、靴底およびその製造法のいくつかの好ましいが排他的ではない実施形態の説明からいっそう明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、この発明の靴底用の挿入体の底面斜視図である。
【図2】図2は、この発明の靴底用の挿入体の細部の拡大断面図である。
【図3】図3は、この発明の別の実施形態に係る靴底用の挿入体の細部の拡大断面図である。
【図4a】図4aは、この発明の第1実施形態に係る挿入体を備えた靴底の細部の拡大断面図である。
【図4b】図4bは、この発明の第1実施形態に係る挿入体を備えた靴底の部分分解図である。
【図5】図5は、この発明の第2実施形態に係る挿入体を備えた靴底の細部の拡大断面図である。
【図6】図6は、この発明の第3実施形態に係る挿入体を備えた靴底の細部の拡大断面図である。
【図7】図7は、この発明による挿入体を備えた靴底の底面図である。
【0020】
特許手続中に公知と判明したものは請求されておらず、否認の対象にならないと理解されることに留意する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
前述の図に関連して、符号10は、一般に水不透過性および水蒸気透過性の膜を備えた靴底用の挿入体、特に高分子材料から作られた有孔靴底用の挿入体であって、
メッシュ、フェルトまたはその他の拡散有孔材料から作られた支持層11と、
水不透過性および水蒸気透過性の膜13を備え、支持層11上に配置された蒸気透過構成材12と、
支持層11に局所的に含浸し、靴を構成する他の構成材との接着用基材15を形成する1層の高分子材料14と、
支持層11を蒸気透過構成材12に密封するための領域16とを備え、
領域16は、支持層11に含浸する高分子材料14の密接な把握力を少なくとも膜13の周辺端17において膜に与え、それらの間に含まれる領域を密封する靴底用の挿入体を示す。
【0022】
接着用基材15は、少なくとも支持層11の周辺領域に影響を及ぼし、高分子材料14がない支持層11の少なくとも1つの蒸気透過部分18を水蒸気透過のために区画する。
【0023】
前記接着用基材15は、好ましくは、マイクロインジェクション、スクリーン印刷、または高分子フィルムの支持層11上への融解、例えば、高周波電流をフィルムに影響を及ぼすことによる加熱処理によって提供される。
【0024】
好ましくは、支持層11は、金属材料、合成材料および天然繊維から選択された材料から作られた繊維で密に編んだメッシュから作られる。
【0025】
水不透過性および水蒸気透過性の膜13は、発泡ポリテトラフルオロエチレン(e−PTFE)および/またはポリウレタン(PU)、またはそれと同等のものである。
【0026】
蒸気透過構成材12はまた、補強のために膜13に結合した、合成材料から作られたファインメッシュ(fine mesh)19と、
当該膜および支持層11間に、衝撃からの保護のため、膜13の下方領域に結合する保護層20と、
膜13および支持層11間に、貫通および切断に対する高い耐性を有するケブラー(Kevlar)(登録商標)製の任意の蒸気透過層21とを有利なことに備え、
保護層20は、都合のよいことに、衝撃吸収に適したフェルトおよび拡散有孔材料から選択される材料から作られ、
密封領域16は、少なくとも高分子材料14により含浸される周辺端17において保護層20の部分に影響を及ぼすように広がり、支持層11を膜13に密封する。
【0027】
同様に、密封領域16はまた、少なくとも高分子材料14によって含浸される周辺端17において貫通および切断に対する高い耐性を有する蒸気透過層21の部分に影響を及ぼして、支持層11を膜13に密封する。
【0028】
有利なことに、蒸気透過構成材12、すなわち、膜13および都合のよいことにファインメッシュ19、保護槽20、貫通および切断に対する高い耐性を有する蒸気透過層21の構成部分は、水蒸気透過性および防水性を損なわない方法で、かつ、裁縫、接着、熱融着、高周波電流による溶接、超音波溶接から選択される方法で点または線により互いに結合している。
【0029】
さらに、蒸気透過構成材12を構成する前記部分は、都合のよいことに、少なくとも周辺領域に対応し、支持層11および膜13間に備えられた全層を通して高分子材料14によって含浸される部分を有する。
【0030】
これらの部分は、支持層11および膜13間に備えられた領域の少なくとも周辺を密封する密封領域16を規定する。
【0031】
靴底用の挿入体10の特定の実施形態において、少なくとも周辺領域に対応する前記部分に、支持層11および膜13間に備えられた蒸気透過構成材12の構成材の、高分子材料による含浸を促進するように構成された孔がある。
【0032】
図3の非限定的な例によって図示された別の実施形態において、挿入体10は、膜13の周辺を超えて接着用基材15を拡張する、高分子材料14から作られた細革22を有し、少なくとも支持層11および蒸気透過構成材12を包み込み、少なくとも膜13に支持層11を密封する。
【0033】
都合のよいことに、前記高分子材料14は、ポリ塩化ビニル、PVC、熱可塑性ゴム、TR、または代替および同等の方法において、熱可塑性のポリウレタン、TPUである。
【0034】
非限定的な例によって図示された図4aおよび4bにおいて、この発明による靴底23の第1実施形態は、この発明に係る挿入体10を備え、好ましくは、挿入体10と結合する挿入体10用の支持フレーム24を備え、接着用基材15によって防水密封する特異性を有する。
【0035】
支持フレーム24は、都合のよいことに、水蒸気透過性および防水性のため、蒸気透過部分18に対応する少なくとも1つの孔を設けている。
【0036】
都合のよいことに、靴底23は複数の孔25を有する。
支持フレーム24は、好ましくは、例えば、加硫ゴム、熱可塑性のポリウレタン(TPU)または熱可塑性ゴム(TR)のような高分子材料から作られている。
【0037】
都合のよいことに、孔25は少なくとも1cm2の表面を有する。図7を参照して、支持フレーム24は、都合のよいことに、挿入体10に結合した面の反対側にある面上に、接地面の表面26を有する。
【0038】
さらに、支持フレーム24は、都合のよいことに、靴底の前部領域およびかかと領域にそれぞれ配置される前部孔25aおよび後部孔25bを区画する。
【0039】
特に、この実施形態において、支持フレーム24は、孔25を区画する周辺縁27と、周辺縁27と一体となって孔25を覆う構造格子28とを備え、それらを複数の窓29に分割する。窓の表面は、都合のよいことに、少なくとも5mm2である
【0040】
構造格子28は、好ましくはそこから突出したスタッド30を有し、地面との接触に適している。
【0041】
図5の非限定的な例によって示された第2実施形態において、この発明による靴底123は、有利なことに、エチレン酢酸ビニル、EVAから作られた本底126が上に重ね合わされた支持フレーム124を含む。前記本底は、衝撃吸収性および蒸気透過性があり、少なくとも挿入体10の蒸気透過部分18において孔が開いている。
【0042】
都合のよいことに、蒸気透過構成材12は、周辺で密封され、少なくとも膜13の周辺で本底126に透過しないように密封される。
【0043】
図6の非限定的な例によって図示された第3実施形態において、好ましくは、靴底223は、孔225による影響を受ける部分の周辺にある支持フレーム224を備える。
【0044】
都合のよいことに、支持フレーム224は、上面に挿入体10用の周辺閉じこめ端226を有し、閉じこめ端226および挿入体10の整合した端部をまたぐように配置された前記支持フレーム224に挿入体10を密封するため不透水性材料から作られた周辺ガスケット227もある。
【0045】
都合のよいことに、挿入体10の膜13の支持フレーム224への密封は、閉じこめエッジ226をまたぐような周辺ガスケット227の接着または一体成形によって得られる。
【0046】
この発明は、意図された目標および諸目的を達成し、防水性および同時に高い蒸気透過性能を有する靴底用の挿入体を提供する、ということが、実際に明らかになった。
【0047】
この発明による挿入体を有する靴底は、実際、防水性および蒸気透過性があり、大きくて広い孔を有することにより大きな蒸気透過領域が設けられる一方で、高分子材料から作られた接着用基材により靴底の他の構成材に容易かつ効果的に接着する、ナイロンまたは金属メッシュから作られた支持層によって確保されたかなりの構造強度を有する。
【0048】
高分子材料から作られた接着用基材を設けた挿入体は、種々の諸材料から作られた靴底内における使用で高い柔軟性をさらに確保し、接地面用のゴムのような諸材料の使用を可能にする。
【0049】
さらに、メッシュから作られた支持要素を直接靴底の残りの部分と一体成形することが不可能なすべての場合において、この発明によって別個に提供される靴底用の挿入体を利用する点において有利である。
【0050】
この発明による靴底用の挿入体は、実際にはメッシュから作られた支持要素上に直接、接着用基材を有する。例えば、高周波による高分子フィルムの融解、高分子材料層のマイクロインジェクションまたはスクリーン印刷のような種々の方法で容易かつ正確に提供され、靴底全体の同時処理を回避する。
【0051】
このようにして、大孔を有する接地面を備えた靴用の靴底のような3次元の複雑な物体の成型に典型的な、技術的および美的な制限が克服される。
【0052】
接地面および靴底の残りの部分は、実際には接着用基材に接着され、防水性および蒸気透過性膜に密封され、水不透過性および水蒸気透過性の靴底を得る。
【0053】
以上のように着想された発明は、そのすべてが特許請求の範囲内にある多数の修正および変形を行う余地がある。すべての細部は、技術的に等価な他の諸要素にさらに置き換えてもよい。
【0054】
実際には、使用される諸材料は、特定の用途に適合する限り、条件付きの形状および寸法と同様に、諸要件および最新技術に従う任意のものであってもよい。
【0055】
この出願が優先権を主張するイタリア特許出願第PD2008A000196号における開示は、参照によってこの明細書に組み込まれる。
【0056】
特許請求の範囲に言及されている技術的特徴の後に参照符号が続く場合、これらの参照符号は、特許請求の範囲の理解度を増す目的のみに挙げられる。したがって、このような参照符号は、このような参照符号による例によって特定される各要素の解釈に対するいかなる限定的な影響も有しない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッシュ、フェルトまたはその他の拡散有孔材料から作られた支持層(11)と、
水不透過性および水蒸気透過性の膜(13)を備え、前記支持層(11)上に配置された蒸気透過構成材(12)と、
前記支持層(11)に局所的に含浸し、靴の他の構成材との接着用基材(15)を形成する1層の高分子材料(14)とを備え、
前記接着用基材(15)は、少なくとも前記支持層(11)の周辺領域に影響を及ぼし、前記高分子材料(14)がない前記支持層(11)の少なくとも1つの蒸気透過部分(18)を水蒸気透過のために区画し、
前記支持層(11)を前記蒸気透過構成材(12)に密封し、前記支持層(11)に含浸する前記高分子材料(14)の密接な把握力を少なくとも膜(13)の周辺端(17)において前記膜(13)に与え、それらの間に含まれる領域を密封する領域(16)を備え、
水不透過性および水蒸気透過性の膜を備えた靴底用の挿入体、特に高分子材料から作られた有孔靴底用の挿入体。
【請求項2】
メッシュ、フェルトまたはその他の拡散有孔材料から作られた支持層(11)と、
水不透過性および水蒸気透過性の膜(13)を備え、前記支持層(11)上に配置された蒸気透過構成材(12)と、
前記支持層(11)に局所的に含浸し、靴の他の構成材との接着用基材(15)を形成する1層の高分子材料(14)とを備え、
前記接着用基材(15)は、少なくとも前記支持層(11)の周辺領域に影響を及ぼし、前記高分子材料(14)がない前記支持層(11)の少なくとも1つの蒸気透過部分(18)を水蒸気透過のために区画する、水不透過性および水蒸気透過性の膜を備えた靴底用の挿入体、特に高分子材料から作られた有孔靴底用の挿入体。
【請求項3】
前記支持層(11)は、金属材料、合成材料および天然繊維から選択された材料から作られた繊維で密に編んだメッシュから作られた請求項1または2に記載の靴底用の挿入体。
【請求項4】
水不透過性および水蒸気透過性の前記膜(13)は、発泡ポリテトラフルオロエチレン(e−PTFE)および/またはポリウレタン(PU)、またはそれと同等のものである請求項1ないし3のいずれか1つに記載の靴底用の挿入体。
【請求項5】
前記蒸気透過構成材(12)は、補強のため前記膜(13)に結合した、合成材料から作られたファインメッシュ(19)を備える請求項1ないし4のいずれか1つに記載の靴底用の挿入体。
【請求項6】
前記蒸気透過構成材(12)は、衝撃からの保護のため、前記膜(13)の下方領域に結合する保護層(20)を当該膜および前記支持層(11)間に挟んで備え、前記保護層(20)は、衝撃吸収に適したフェルトおよび拡散有孔材料から選択される材料から作られ、前記密封領域(16)は、少なくとも前記高分子材料(14)により含浸される前記周辺端(17)に対応する前記保護層(20)の部分に沿って広がり、前記支持層(11)を前記膜(13)に密封する請求項1ないし5のいずれか1つに記載の靴底用の挿入体。
【請求項7】
前記蒸気透過構成材(12)は、貫通および切断に対する高い耐性を有する蒸気透過層(21)を前記膜(13)および前記支持層(11)間に挿入して備え、前記密封領域(16)は、少なくとも前記高分子材料(14)によって含浸される前記周辺端(17)に対応する、貫通および切断に対する高い耐性を有する前記蒸気透過層(21)の部分に沿って広がり、前記支持層(11)を前記膜(13)に密封する請求項1ないし6のいずれか1つに記載の靴底用の挿入体。
【請求項8】
前記蒸気透過構成材(12)の構成部分は、水蒸気透過性および防水性を損なわず、裁縫、点接着、熱融着、高周波電流による溶接、超音波溶接から選択される方法で互いに結合している請求項1ないし7のいずれか1つに記載の靴底用の挿入体。
【請求項9】
前記蒸気透過構成材(12)の構成部分は、少なくとも前記周辺端(17)に対応し、前記支持層(11)および前記膜(13)間に備えられた全層を通して前記高分子材料(14)によって含浸される部分を有し、前記少なくとも周辺の密封領域(16)を形成する請求項1ないし8のいずれか1つに記載の靴底用の挿入体。
【請求項10】
前記膜(13)の周辺を超えて前記接着用基材(15)を拡張する、前記高分子材料(14)から作られた細革(22)を有し、少なくとも前記支持層(11)および前記蒸気透過構成材(12)を包み込み、少なくとも前記膜(13)を前記支持層(11)に密封する請求項1ないし9のいずれか1つに記載の靴底用の挿入体。
【請求項11】
前記高分子材料(14)は、ポリ塩化ビニル(PVC)である請求項1ないし10のいずれか1つに記載の靴底用の挿入体。
【請求項12】
前記高分子材料(14)は、熱可塑性のポリウレタン(TPU)である請求項1ないし10のいずれか1つに記載の靴底用の挿入体。
【請求項13】
靴底用の前記挿入体(10)を備えた靴底(23,123,223)。
【請求項14】
前記少なくとも1つの蒸気透過部分(18)に対応する少なくとも1つの孔(25,225)における水蒸気透過性および防水性のため、前記接着用基材(15)に防水密封を設け、前記少なくとも1つの孔(25,225)が設けられた、靴底用の前記挿入体(10)用の支持フレーム(24,124,224)を結合して備えた請求項13に記載の靴底(23,123,223)。
【請求項15】
少なくとも前記少なくとも1つの蒸気透過部分(18)において、衝撃吸収性および蒸気透過性または穿孔を有する本底(26)を備え、前記挿入体(10)を周辺に結合して備え、少なくとも前記膜(13)において前記本底(26)に防水密封を形成する請求項13に記載の靴底(23,123,223)。
【請求項16】
支持フレーム(24,124,224)を備え、上面に前記挿入体(10)用の周辺閉じこめ端(226)を有し、前記周辺閉じこめ端(226)をまたぐように配置された前記支持フレーム(24,124,224)に前記挿入体(10)の前記膜(13)を密封するため周辺ガスケット(227)も有する請求項13に記載の靴底(23,123,223)。
【請求項17】
前記支持フレーム(24,124,224)は、前記挿入体(10)に結合する面と反対側にある面上に、接地面の表面(26)を有する請求項13ないし16のいずれか1つに記載の靴底(23,123,223)。
【請求項18】
前記挿入体(10)を設けた前記靴底(23,123,223)を備えた靴。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−526178(P2011−526178A)
【公表日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−515318(P2011−515318)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際出願番号】PCT/EP2009/057564
【国際公開番号】WO2010/000617
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(502346105)ジェオックス エス.ピー.エー. (27)
【氏名又は名称原語表記】GEOX S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Via Feltrina Centro 16,31044 MONTEBELLUNA(Treviso),Localita Biadene,ITALY
【Fターム(参考)】