説明

音楽記録再生装置

【課題】音楽コンテンツを含む放送番組全体を記録し、番組あるいは番組中の音楽コンテンツを任意に選択して容易に再生できるようにする。
【解決手段】記録部14に記録した放送番組のタイトルを含む番組記録情報と、該放送番組内で放送された音楽コンテンツを示す音楽記録情報とを対応付けて、番組記録情報リストとして記憶するメモリ12と、デジタル音声データの周波数解析を行い、少なくとも音楽部分の開始および終了とその位置を検出するDSP17を備え、DSP17は、放送番組を記録部に記録する際、デジタル音声データの周波数解析を行い、放送番組内で放送された音楽部分の開始および終了とその位置を検出し、番組記録情報リストの音楽記録情報に記憶し、記録部に記録された放送番組あるいは放送番組内で放送された音楽コンテンツを再生する場合には、番組記録情報リストに基づいて任意の放送番組または音楽コンテンツを選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アナログ放送やデジタル放送に対応したテレビジョン放送受信機能、AM放送やFM放送に対応したラジオ放送受信機能などを持ち、放送番組を受信して記録再生することができる音楽記録再生装置に関するものであり、特に、音楽コンテンツを含む放送番組を受信してハーディスクからなる記憶部に音楽コンテンツを記録することができる音楽記録再生装置に関し、音楽コンテンツを含む放送番組全体を記録し、番組あるいは番組中の音楽コンテンツを選択して再生できるようにした音楽再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近ではナビゲーション装置、音楽プレーヤー、DVDプレーヤー、アナログ放送やデジタル放送に対応したテレビジョン受信機など各種の電子装置が小型化され、携帯可能な装置として、あるいは車載用の装置として提供されている。特に車載用の装置としては、上記の各種機能を複合して備えた電子装置も提供されている。
【0003】
車載用のナビゲーション装置は、例えば、下記の特許文献1(特開2003−130669号公報)に開示されているように、所要のリンクコストを設定した地図データを用い、各リンクに設定されたリンクコストに基づいて、出発地から目的地までのリンクコストの累計が最少になる経路を探索して案内するものである。
【0004】
また、車載用のナビゲーション装置においては、アナログ放送やデジタル放送に対応したテレビジョン放送受信機能やAM放送やFM放送に対応したラジオ放送受信機能を併せ持った装置が数多く提供されている。
【0005】
このようなナビゲーション装置では、ハードディスク部に経路探索、地図表示のための地図データが記憶される。最近ではハードディスク部の記憶容量が飛躍的に増大したことから、地図データを記憶したハードディスク部の一部を用いて受信した放送の音楽データなどのコンテンツを記憶できるようにしたナビゲーション装置も提案されている。
【0006】
通常、CDやDVDなどに記録され音楽コンテンツを再生しながら再生装置内の記憶部に記録し、あるいは、放送を受信してその中に含まれる音楽コンテンツを放送受信装置内の記録部に記録したりする場合、再生中の音楽コンテンツのデータや放送受信部で受信した放送信号をデジタルデータに変換して音楽抽出部によって音楽データのみを抽出しながらRAMに一時記録し、1つの楽曲の記録が完了すると、ハードディスクからなる記憶部にその楽曲の音楽データを記録するようにされる。
【0007】
例えば、下記の特許文献2(特開2006−277792号公報)には、音楽データの圧縮処理と再生処理とを並行して実行する際に、圧縮処理された圧縮音楽データを一時的に順次DSP用ワークRAM16に記憶し、このDSP用ワークRAMに記憶されている圧縮音楽データに基づいて再生処理を実行するとともに、1曲分の音楽データの圧縮処理が完了したときに、DSP用ワークRAMに記憶されている圧縮音楽データをハードディスクドライブに転送して格納するようにした情報記録再生装置が開示されている。
【0008】
一方、ラジオ放送を受信し、音楽コンテンツの楽曲部分を記録するようにした録音再生装置は、例えば、下記の特許文献3(特開2006−99854号公報)にラジオ放送録音再生装置の発明として開示されている。このラジオ放送録音再生装置は、受信した放送電波の周波数を解析して音楽コンテンツの部分を抽出して記録するように構成されたものである。
【0009】
また、下記の特許文献4(特開2008−47203号公報)には、複数の楽曲コンテンツから高品質な楽曲コンテンツを作成可能な楽曲結合装置が開示されている。この楽曲結合装置は、複数の楽曲コンテンツの少なくとも1つから特徴量を算出し、当該特徴量が閾値を超えた時点をカット点として検出するカット点検出部と、当該カット点を用いて、各楽曲コンテンツを複数のセグメントに分割するセグメント化部と、各楽曲コンテンツの各セグメントの品質を判定する品質判定部と、各楽曲コンテンツにおいて時間的位置の等しい各セグメント間で、最も品質の高いセグメントを選択するセグメント選択部と、当該選択されたセグメントを順次結合して1つの楽曲コンテンツを得るセグメント結合部とから構成されたものである。
【特許文献1】特開2003−130669号公報
【特許文献2】特開2006−277792号公報
【特許文献3】特開2006−99854号公報
【特許文献4】特開2008−47203号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
一般に、FMラジオなどに放送される音楽コンテンツは、それ自体が独立に放送されることは少なく、ディスクジョッキーなど、放送する音楽コンテンツにまつわる逸話やアーティストの紹介、あるいは視聴者のリクエストや投稿の紹介などの会話部分を交えて放送されることが多い。音楽コンテンツを記録再生する場合、前記のような会話部分の記録を省き、音楽コンテンツのみを記録再生したいというユーザもいる反面、会話部分を含め、番組全体を記録再生したいというユーザも存在する。
【0011】
しかしながら、上記特許文献2〜特許文献4に開示された記録再生装置は、何れも放送を受信して音楽コンテンツの部分を抽出して記録再生するように構成されたものであり、会話部分を含め、番組全体を記録再生したいというユーザの要求には対応することができないという問題点を有しているす。
【0012】
また、番組全体を記録した場合、番組全体を再生する以外に、当該番組の中で放送された音楽コンテンツを選択して当該音楽コンテンツの部分を再生できると好ましい。上記特許文献2〜特許文献4に開示された記録再生装置では、このような選択的な再生ができないという問題点も存在する。
【0013】
本願の発明者は、上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、音楽コンテンツを含む放送番組全体を記録し、その記録の過程で音楽コンテンツの開始位置、終了位置を検出し、記録した番組の情報とともに、番組中の音楽コンテンツの開始位置と終了位置とを含む音楽コンテンツの情報を記憶し、これらの情報を表示して音楽コンテンツの部分を選択し得るようになせば、上記の問題点を解消し得ることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0014】
すなわち、本発明は、上記の問題点を解消することを課題とし、音楽コンテンツを含む放送番組全体を記録し、番組あるいは番組中の音楽コンテンツを選択して再生できるようにした音楽再生装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
放送を受信し、デジタル音声データに変換した後、符号化変換器により変換した符号化音声データを記録部に記録し、記録部に記録した符号化音声データを読み出して再生する音楽記録再生装置において、
前記音楽記録再生装置は、放送番組を受信し音声信号に復調するチューナと、チューナにより復調された音声信号をデジタル音声データに変換するアナログ/デジタル変換器と、デジタル音声データを符号化音声データに変換する符号化変換器と、符号化音声データを記録する記録部と、前記記録部に記録した放送番組のタイトルを含む番組記録情報と、該放送番組内で放送された音楽コンテンツを示す音楽記録情報とを対応付けて、番組記録情報リストとして記憶するメモリと、前記デジタル音声データの周波数解析を行い、少なくとも音楽部分の開始および終了とその位置を検出するDSPと、を備え、
前記DSPは、前記放送番組を前記記録部に記録する際、アナログ/デジタル変換器で変換されたデジタル音声データの周波数解析を行い、前記放送番組内で放送された音楽部分の開始および終了とその位置を検出し、前記番組記録情報リストの音楽記録情報に、前記音楽部分の開始位置、終了位置を記憶し、
前記記録部に記録された放送番組あるいは前記放送番組内で放送された音楽コンテンツを再生する場合には、前記番組記録情報リストに基づいて、任意の放送番組または音楽コンテンツを選択して再生できるようになしたことを特徴とする。
【0016】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる音楽記録再生装置において、前記DSPの周波数解析において、音楽コンテンツの特徴部分を抽出し、該特徴部分の開始位置を検出するとともに、該特徴部分に基づいて、当該音楽コンテンツの曲タイトルを取得し、前記番組記録情報リストの音楽記録情報に、前記曲タイトルと特徴部分の開始位置を記憶することを特徴とする。
【0017】
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項1または請求項2にかかる音楽記録再生装置において、前記音楽記録再生装置は、放送番組を受信して前記記録部に記録する際、当該放送番組のタイトル、周波数、放送時刻を取得して、前記番組記録情報リストの番組記録情報に記憶することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1にかかる発明においては、
音楽記録再生装置は、放送番組を受信し音声信号に復調するチューナと、チューナにより復調された音声信号をデジタル音声データに変換するアナログ/デジタル変換器と、デジタル音声データを符号化音声データに変換する符号化変換器と、符号化音声データを記録する記録部と、前記記録部に記録した放送番組のタイトルを含む番組記録情報と、該放送番組内で放送された音楽コンテンツを示す音楽記録情報とを対応付けて、番組記録情報リストとして記憶するメモリと、前記デジタル音声データの周波数解析を行い、少なくとも音楽部分の開始および終了とその位置を検出するDSPと、を備え、
前記DSPは、前記放送番組を前記記録部に記録する際、アナログ/デジタル変換器で変換されたデジタル音声データの周波数解析を行い、前記放送番組内で放送された音楽部分の開始および終了とその位置を検出し、前記番組記録情報リストの音楽記録情報に、前記音楽部分の開始位置、終了位置を記憶し、前記記録部に記録された放送番組あるいは前記放送番組内で放送された音楽コンテンツを再生する場合には、前記番組記録情報リストに基づいて、任意の放送番組または音楽コンテンツを選択する。
【0019】
かかる構成によれば、音楽コンテンツを含む放送番組全体を記録し、記録部に記録された放送番組あるいは前記放送番組内で放送された音楽コンテンツを再生する場合には、番組記録情報リストに基づいて、放送番組全体またはその番組内で放送された音楽コンテンツを任意に選択して容易に再生することができるようになる。
【0020】
また、請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかる音楽記録再生装置において、前記DSPの周波数解析において、音楽コンテンツの特徴部分を抽出し、該特徴部分の開始位置を検出するとともに、該特徴部分に基づいて、当該音楽コンテンツの曲タイトルを取得し、前記番組記録情報リストの音楽記録情報に、前記曲タイトルと特徴部分の開始位置を記憶する。
【0021】
かかる構成によれば、記録部に記録された放送番組あるいは前記放送番組内で放送された音楽コンテンツを再生する場合には、番組記録情報リストに基づいて、放送番組全体またはその番組内で放送された音楽コンテンツを任意に選択することができ、また、放送番組内で放送された音楽コンテンツの曲タイトルがわかるから、所望の音楽コンテンツを選択して再生することができるようになる。
【0022】
また、請求項3にかかる発明においては、請求項1または請求項2にかかる音楽記録再生装置において、前記音楽記録再生装置は、放送番組を受信して前記記録部に記録する際、当該放送番組のタイトル、周波数、放送時刻を取得して、前記番組記録情報リストの番組記録情報に記憶する。
【0023】
かかる構成によれば、記録部に記録された放送番組あるいは前記放送番組内で放送された音楽コンテンツを再生する場合には、番組記録情報リストに基づいて、放送番組全体またはその番組内で放送された音楽コンテンツを任意に選択して容易に再生することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための音楽記録再生装置を例示するものであって、本発明をこの音楽記録再生装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の音楽記録再生装置にも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0025】
図1は本発明の実施例にかかる音楽記録再生装置1の詳細な構成を示すブロック図である。この音楽記録再生装置は、車載用のナビゲーション装置などの機器に適用される複合的な電子装置であってもよい。この場合、音楽記録再生装置1は、自動車等の車両のダッシュボード上に載置されることにより車載用として使用されるだけでなく、車両から取り外されユーザが携帯し使用できるタイプのものであってもよい。
【0026】
音楽記録再生装置1は、チューナ11、A/D(アナログ/デジタル)変換器13、符号化変換器15、D/A(デジタル/アナログ)変換器16、スピーカ18、DSP17、CPU19、ROM,RAMなどから構成されるメモリ12、音楽などのデータを記憶する記録部14、番組表などを表示するタッチバネル機能を有する表示部10などを備えて構成されている。
【0027】
CPU19は、音楽記録再生装置1全体の制御や各種演算処理を実行する。
【0028】
DSP(Digital Signal Processor)17は、CPU19の制御の下、デジタル音声データを周波数解析して音楽の楽曲部分を判別する機能を有する処理手段であり、音楽コンテンツの部分の開始と終了およびそれらの位置を検出する。
【0029】
メモリ12は、DSP17およびCPU19で実行されるプログラムを記憶するとともに、DSP17およびCPU19のプログラム実行中に作業領域として利用される。記録部14はHDD(ハードディスクドライブ)やSDカードなどのデジタルデータ記憶手段から構成されている。
【0030】
図示していないアンテナ、放送受信機により受信された放送信号は、チューナ11で復調され、音声信号に変換される。チューナ11で変換された音声信号はA/D(アナログ/デジタル)変換器13でデジタル音声データに変換され、符号化変換器15で符号化音声データに変換される。符号化変換器15は、例えば、MP3変換器などを用いることができ、デジタル音声データを圧縮符号化し、符号化音声データを得るエンコーダの機能と、符号化音声データを復号化するデコーダの機能を有するものである。
【0031】
符号化変換器15でエンコードされた符号化音声データはHDDやSDなどの記録部14に記録される。記録部14に記録された符号化音声データを再生する場合、記録部14から読み出された符号化音声データは、符号化変換器15でデジタル音声データに復号化され、D/A(デジタル/アナログ)変換器16でアナログ音声信号に変換され、スピーカ18を介して出力される。
【0032】
一方、DSP17は、A/D変換器13によって変換されたデジタル音声データの周波数解析を行い、音楽コンテンツの部分を検出し、また、当該音楽コンテンツの部分の開始位置と終了位置とを検出する。音楽コンテンツの判別は、例えば、次のようにして行うことができる。
【0033】
すなわち、一般に人の話し声はあまり周波数が高くない。これに比較して音楽は周波数が高く、周波数レベルの基準値レベルを設定し、基準値レベルを中心に一定の幅で基準値レベルより高い閾値レベル1と、一定の幅で基準値レベルより低い閾値レベル2とを設定しておき、閾値レベル1より高い周波数レベルであったら音楽部分と判別し、閾値レベル2より低い周波数レベルであったら会話やDJ(ディスクジョッキー)であると判別することができる。
【0034】
DSP17は、A/D変換器13により変換されたデジタル音声データを常時監視し、上述した閾値レベルを用いて、周波数レベルが閾値レベル1(X)よりも高くなったら音楽(楽曲)の開始と判別し、デジタル音声データ上の開始位置を特定する。また、周波数レベルが閾値レベル2(Y)よりも低くなったら音楽(楽曲)の終端(終了)と判別し、デジタル音声データ上の終端(終了)位置を特定する。また、周波数レベルの変化からその楽曲(音楽コンテンツ)の特徴部分(サビの部分)を特定し、サビの部分の開始位置を特定する。
【0035】
チューナ11で受信中の放送の番組情報(放送曲名、番組名、放送日時など)と、番組中に含まれる音楽コンテンツの情報、すなわち、DSP17によって検出された音楽コンテンツと、その開始位置、終了位置、サビ部分の開始位置などの情報および曲名やアーティストなどの音楽情報は、メモリ12に記憶され、再生時の番組の選択や音楽コンテンツの選択に用いられる。
【0036】
視聴中の番組のタイトルなどに関する番組情報は、例えば、放送視聴のために音楽記録再生装置1に取り込んだ番組表から取得でき、また、音楽コンテンツの曲名や特徴部分などの情報は、例えば、特開2006−301448号公報に記載された技術のように、音楽データを曲情報保持サーバに送り、該当する曲名などの情報を当該サーバから取得することができる。サーバが、楽曲毎の特徴部分(サビの部分)を特定する情報をデータベースとして備えていればその情報も同時に取得できる。また、サーバが備えている楽曲データをデータベースとして音楽記録装置1自体が備えていれば、曲名や特徴部分を音楽記録装置1において特定することもできる。
【0037】
また、音楽放送において番組内で放送される音楽コンテンツの曲名やアーティストなどの情報が番組内の情報として放送される場合には、これを利用して記録した音楽コンテンツの曲名などの情報を取得することができる(例えば、特開2000−207839号公報参照)。また、曲名などが上記のような方法で取得できない場合は、文字等の入力モードを選択し、表示部10にソフトキーボードを表示して、曲名やアーティストなどの情報を直接入力することもできる。
【0038】
このようにして、記録部14に記録された番組の情報や当該番組内で放送された音楽の情報を取得し、メモリ12に番組記録情報リストとして記憶する。図2は、メモリ12に記憶された番組記録情報リストのデータ構成の一例を示す図である。この番組記録情報リストは、図2に示すように、記録した番組のタイトル(番組名)2a、周波数2b、時間(放送時間)2cを含む番組記録情報21と、その番組中で放送された音楽記録情報22とからなり、音楽記録情報22には、曲タイトル(曲名)2d、開始位置2e、終了位置2f、サビ開始位置2gなどの情報が含まれる。
【0039】
図2の番組記録情報21では、最初の番組は、番組タイトル(あいうえお)が入力済であり、周波数が77.8MHz、放送時間が21、00〜22:00であることを示しており、次の番組は、番組タイトルが未入力であり、周波数が85.8MHz、放送時間が10:00〜12:00であることを示している。
【0040】
また、音楽記録情報22では、番組タイトルが「あいうえお」の番組中で放送された音楽コンテンツの情報が記憶されており、最初の音楽コンテンツの曲タイトル(めいかきくけこ)が入力済であり、その開始位置がAAAA、終了位置がBBBB、サビ部分の開始位置がaaaaであることを示しており、次の音楽コンテンツは、曲タイトル(めいかきくけこ)が未入力であり、その開始位置がCCCC、終了位置がDDDD、サビ部分の開始位置がddddであることを示している。
【0041】
図3は、放送を受信して番組全体を記録部14に記録するとともにその記録の過程で番組中に含まれる音楽コンテンツを識別し、その部分の開始位置、終了位置等を検出する処理手順を示すフローチャートである。
【0042】
音楽記録再生装置1は、放送番組の記録が指示されるとステップS101の処理で、番組の記録を開始し、ステップS102の処理に進む。番組の記録は、先に述べたように、アンテナ、放送受信機により受信された放送信号は、チューナ11で復調され、音声信号に変換される。チューナ11で変換された音声信号はA/D(アナログ/デジタル)変換器13でデジタル音声データに変換され、更に、符号化変換器15で符号化音声データに変換されHDDやSDなどの記録部14に記録する処理である。
【0043】
一方、ステップS102の処理では、DSP17による楽曲(音楽)部分の解析が開始される。音楽部分の開始を検出する(ステップS103)と、ステップS104でその開始位置をメモリ12の一時記憶領域に記憶する。ステップS103の処理で音楽部分の開始が検出されなかった場合は、ステップS107の番組録音終了の判別処理に進む。
【0044】
音楽部分の開始が検出されると、ステップS105の処理においてDSP17は音楽部分の終了を検出する。音楽部分の終了を検出しされなければステップS105の処理を繰り返し、音楽部分の終了が検出されると、ステップS106でその開始位置をメモリ12の一時記憶領域に記憶する。この間に、曲名が取得できればその曲名もメモリ12の一時記憶領域に記憶し、同様に楽曲の特徴部分(サビの部分)を検出すれば、その開始位置もメモリ12の一時記憶領域に記憶する。
【0045】
ステップS106の処理が終了するとステップS107の処理で番組記録が終了か否かが判別され、番組記録が終了であれば処理を終了し、番組記録が終了でなければ、ステップS103の処理に戻り、前述の処理をくり返す。番組の記録が終了すると、メモリ12の一時記憶領域に記憶された情報は、番組記録情報とともに図2に示す番組記録情報リストに記憶される。
【0046】
記録部14に記録した番組や音楽コンテンツを再生する際には、ユーザは、記録再生装置1に設けられた操作ボタンや表示部10に表示されたメニュー画面を用いて記憶した情報の再生を選択する。再生が選択されると、メモリ12に記憶された番組記録情報リストの情報が一覧画面として表示部10に表示され、ユーザは表示された番組記録情報の一覧画面から、所望の番組や音楽を選択して再生することができる。以下、表示部10に表示される画面の例を参照して再生時の処理について説明する。
【0047】
図4〜図6は、記録部14に記録された情報(放送番組や音楽コンテンツ)の再生が選択された際に表示部10に表示される画面遷移を示しており、記録した番組の再生、あるいは、番組中の音楽コンテンツの再生を行う場合の画面遷移を示す図である。
【0048】
図4は、記録部14に記録された情報(放送番組や音楽コンテンツ)の再生が選択された際に表示部10に最初に表示される画面の構成を示す図であり、メモリ12に記憶された番組記録情報リストにおける番組記録情報(図2の符号21を参照)の一覧画面の一例を示す図である。
【0049】
この一覧画面には、画面中央に、番組記録情報(図2の符号21参照)の一覧31が表示され、右側のスクロールバー32を操作して所望の番組を選択することができる。また、画面の下部には、選択した番組を再生するための再生ボタン33、番組中に記録された音楽コンテンツの一覧画面に遷移するための曲リストボタン34が表示される。
【0050】
ユーザは、スクロールバー32を操作して番組記録情報一覧31から所望の番組を選択し、再生ボタンス33を操作することでその番組の再生をすることができる。ユーザが、スクロールバー32を操作して番組記録情報一覧31から所望の番組を選択し、再生ボタン33を操作すると、再生中画面(後述する)に遷移する。また、ユーザが選択した番組中に放送された音楽コンテンツの部分を再生したい場合には、曲リストボタン34を操作して、曲リスト、すなわち、音楽記録情報(図2の符号22参照)の一覧を表示することができる。
【0051】
図5は、図4において曲リストボタン34が操作された場合に遷移する画面の構成を示しており、図4において選択された番組中に放送され、記憶部14に記録された音楽コンテンツの情報、すなわち、図2に示す音楽記録情報22の一覧を示している。
【0052】
この一覧画面には、画面中央に、音楽記録情報(図2の符号22参照)の一覧41が表示され、右側のスクロールバー42を操作して所望の番組を選択することができる。また、画面の下部には、選択した音楽コンテンツを再生するための再生ボタン43、元の画面(図4の番組記録情報一覧画面)に戻るためのボタン44が表示される。
【0053】
ユーザは、スクロールバー42を操作して音楽記録情報一覧41から所望の音楽コンテンツを選択し、再生ボタン43を操作することでその音楽コンテンツの再生をすることができる。また、元の画面に戻り、他の番組を選択したい場合には、「戻る」のボタン44を操作して図4に示す番組記録情報一覧画面に戻ることができる。
【0054】
ユーザが、スクロールバー32を操作して番組記録情報一覧31から所望の番組を選択し、再生ボタンス33を操作し(図4参照)、または、スクロールバー42を操作して音楽記録情報一覧41から所望の音楽コンテンツを選択し、再生ボタン43を操作する(図5参照)と、再生中画面に遷移する。図6は、選択された番組または音楽コンテンツを再生中に表示部10に表示される再生中画面の一例を示す図である。
【0055】
図6の画面の中央には再生中であることを示す「再生中」の表示51と再生中の番組の情報(番組記録情報)、または、音楽コンテンツの情報(音楽記録情報)52が表示され、再生がどこまで進んでいるかを示す進捗表示バー53、再生箇所の巻き戻し、スキップ、一時停止などの操作制御をするための制御ボタン54、再生を終了して元の画面に戻るためのボタン55が表示される。「戻る」のボタン55が操作されると、再生画面に遷移する直前の画面に戻る。なお、このボタン55が操作された際に、直前の画面に戻すのでなく、最初の画面すなわち図4の番組記録情報の一覧画面に戻るようにしてもよい。
【0056】
図7は、記録部14に記録した放送番組を再生する処理の手順を示すフローチャートである。記録部14に記録された情報(放送番組や音楽コンテンツ)の再生が選択される(ステップS201)と、表示部10には、図4に示す番組記録情報の一覧が表示される(ステップS202)。
【0057】
ユーザがスクロールバー32を操作して番組記録情報一覧31から所望の番組を選択すると、ステップS203でこれを検出する。番組の選択がなければステップS203の処理を繰り返す。番組の選択があれば、ステップS204の処理で再生ボタン33(図4参照)の操作による再生指示の有無を判別する。再生指示があると、ステップS207の処理に進み、選択された番組(記録部14に記録された番組)が再生され、ステップS208の処理で再生中画面(図6参照)を表示部10に表示してリターンし、次の操作を待つ。
【0058】
一方、ステップS204で再生の指示がない場合は、ステップS205の処理で曲リストボタン34(図4参照)の操作による曲リストの表示指示の有無を判別する。曲リストの表示指示があるとステップS206の処理で表示部10に図5に示した音楽記録情報の一覧を表示してリターンし、次の操作を待つ。曲リストの表示指示がなければそのままリターンして次の操作を待つ。
【0059】
図8は、曲リストの表示指示に基づいて表示部10に曲リスト(音楽記録情報の一覧)を表示して音楽コンテンツを再生する処理の手順を示すフローチャートである。曲リストの表示指示があり、ステップS301で図5に示す音楽記録情報の一覧が表示される。
【0060】
ユーザが、スクロールバー42を操作して音楽記録情報一覧41から所望の曲(音楽コンテンツ)を選択すると、ステップS302でこれを検出する。曲の選択がなければステップS302の処理を繰り返す。番組の選択があれば、ステップS303の処理で再生ボタン43(図5参照)の操作による再生指示の有無を判別する。再生指示があると、ステップS306の処理に進み、選択された曲(記録部14に記録された曲)が再生され、ステップS307の処理で再生中画面(図6参照)を表示部10に表示してリターンし、次の操作を待つ。
【0061】
一方、ステップS303で再生の指示がない場合は、ステップ304の処理で戻りボタン44(図5参照)の操作による画面遷移の指示の有無を判別する。戻りの指示があるとステップS305の処理で表示部10に図4に示した番組記録情報の一覧画面に戻り(一覧画面を表示して)リターンし、次の操作を待つ。戻りの指示がなければそのままリターンして次の操作を待つ。
【0062】
複数の放送番組を記録すると、それらの番組の中で同じ音楽コンテンツが放送されることがある。このような場合に記録した音楽コンテンツの情報、特に曲のタイトル入力に際して、異なる入力がなされることがある。その場合、メモリ12に記憶される音楽記録情報(図2の符号22参照)の曲タイトルが同じ曲であるにもかかわらず異なったものになってしまう。そこで、本実施例の音楽記録再生装置1においては、以下に説明するような処理を行い、曲タイトルが統一されるようにする。
【0063】
先に説明したように、DSP17は、A/D変換器13により変換されたデジタル音声データを常時監視し、周波数解析により音楽(楽曲)の開始と音楽(楽曲)の終端(終了)とを判別し、また、周波数レベルの変化からその楽曲(音楽コンテンツ)の特徴部分(サビの部分)を特定し、サビの部分の開始位置を特定する。従って、記憶部14に記録された音楽コンテンツのデータを比較し、同じ特徴部分(サビの部分)を持った曲は同じ曲であると判断することができる。同じ曲が記録済である場合には、現時点で記録中の音楽コンテンツの曲タイトルを入力する際に、既に記録部14に記録されメモリ12に記憶された音楽記録情報(図2の符号22参照)の曲タイトルに反映させて(例えば上書きして)統一することができる。なお、曲名の入力とは、表示部10にソフトキーを表示して入力する場合の他、他のサーバから曲名を取得する場合、音楽記録再生装置1自体に楽曲データベースを備え、曲名を取得する場合も含むものとする。
【0064】
図9は、音楽コンテンツの曲名を入力する処理の手順を示すフローチャートである。図9のフローチャートに示すように、ステップS401で曲のタイトルが入力されると、DSP17は、現在記録中の音楽コンテンツのデータと、記憶部14に記録された音楽コンテンツのデータを比較し(ステップS402)、同じ特徴部分(サビの部分)を持った曲があるか否かを判別する)(ステップS403)。同じ特徴部分(サビの部分)を持った曲がある場合は、既にメモリ12に記憶された該当する音楽コンテツの音楽記録情報(図2の符号22参照)の曲タイトルを同じタイトルに書換え(上書きして)統一する(ステップS404)。同じ特徴部分(サビの部分)を持った曲がない場合は処理を終了する。
【0065】
以上、詳細に説明したように、本発明にかかる音楽記録再生装置によれば、音楽コンテンツを含む放送番組全体を記録し、番組あるいは番組中の音楽コンテンツを任意に選択して容易に再生することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施例にかかる音楽記録再生装置の詳細な構成を示すブロック図である。
【図2】放送を受信して記録部に記録した番組や番組中に含まれる音楽コンテンツなどの番組録音情報リストのデータ構成の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施例にかかる音楽記録再生装置の番組記録および音楽記録の手順を示すフローチャートである。
【図4】記録した番組を再生する場合に、表示部に表示される番組記録情報の一覧画面の構成の一例を示す図である。
【図5】記録した音楽コンテンツを再生する場合に、表示部に表示される音楽記録情報の一覧画面の構成の一例を示す図である。
【図6】記録した番組や音楽の再生中に表示部に表示される再生中画面の構成の一例を示す図である。
【図7】記録した番組みを再生する処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】記録した音楽コンテンツを再生する処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】音楽コンテンツの曲名を入力する処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0067】
1・・・・・音楽記録再生装置
10・・・・表示部
11・・・・チューナ
13・・・・A/D変換器
15・・・・符号化変換器
16・・・・D/A変換器
12・・・・メモリ
14・・・・記録部
17・・・・DSP
19・・・・CPU
18・・・・スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送を受信し、デジタル音声データに変換した後、符号化変換器により変換した符号化音声データを記録部に記録し、記録部に記録した符号化音声データを読み出して再生する音楽記録再生装置において、
前記音楽記録再生装置は、放送番組を受信し音声信号に復調するチューナと、チューナにより復調された音声信号をデジタル音声データに変換するアナログ/デジタル変換器と、デジタル音声データを符号化音声データに変換する符号化変換器と、符号化音声データを記録する記録部と、前記記録部に記録した放送番組のタイトルを含む番組記録情報と、該放送番組内で放送された音楽コンテンツを示す音楽記録情報とを対応付けて、番組記録情報リストとして記憶するメモリと、前記デジタル音声データの周波数解析を行い、少なくとも音楽部分の開始および終了とその位置を検出するDSPと、を備え、
前記DSPは、前記放送番組を前記記録部に記録する際、アナログ/デジタル変換器で変換されたデジタル音声データの周波数解析を行い、前記放送番組内で放送された音楽部分の開始および終了とその位置を検出し、前記番組記録情報リストの音楽記録情報に、前記音楽部分の開始位置、終了位置を記憶し、
前記記録部に記録された放送番組あるいは前記放送番組内で放送された音楽コンテンツを再生する場合には、前記番組記録情報リストに基づいて、任意の放送番組または音楽コンテンツを選択して再生できるようになしたことを特徴とする音楽記録再生装置。
【請求項2】
前記DSPの周波数解析において、音楽コンテンツの特徴部分を抽出し、該特徴部分の開始位置を検出するとともに、該特徴部分に基づいて、当該音楽コンテンツの曲タイトルを取得し、前記番組記録情報リストの音楽記録情報に、前記曲タイトルと特徴部分の開始位置を記憶することを特徴とする請求項1に記載の音楽記録再生装置。
【請求項3】
前記音楽記録再生装置は、放送番組を受信して前記記録部に記録する際、当該放送番組のタイトル、周波数、放送時刻を取得して、前記番組記録情報リストの番組記録情報に記憶することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の音楽記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−61758(P2010−61758A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−227848(P2008−227848)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】