説明

骨組部材の接合構造及び接合金物

【課題】複数の骨組部材の接合部における曲げ剛性、耐力に優れているとともに、骨組構造体の設計自由度の向上を図ることを可能とする。
【解決手段】金物中央部11から交差する二方向両側に延びる四つの筒状部12が設けられ、金物中央部11及び四つの筒状部12の内部に連続した空洞部が形成された接合金物10と、金物中央部11を間に挟んで相対する二つの筒状部12と金物中央部11との内部に嵌め合わされて挿通された骨組部材20と、接合金物10の残りの筒状部12それぞれの内部にその先端開口部12bから嵌め合わせて差し込まれた骨組部材30と、骨組部材20及び骨組部材30がなす構面と略平行に配置され、筒状部12の両側面とともに筒状部12内に嵌め合わされた骨組部材20又は骨組部材30を貫通する貫通ボルト51、52と、貫通ボルト51、52に螺合された雌ネジ部材53とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の骨組部材を接合するための骨組部材の接合構造及び接合金物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、木製軸組、パイプ、形鋼等の骨組部材同士を接合部材により接合するための構造として様々なものが提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0003】
特許文献1においては、複数の骨材を挿入可能なコ字状の複数の接続片を有する接続金具を用いて複数の骨材を接合する点が開示されている。この構造では、この接続金具の複数の接続片に対して複数の骨材それぞれの端部を挿入したうえで、その接続片を通してビス等を骨材にねじ込むことにより、複数の骨材が接合される。
【0004】
特許文献2においては、複数の棒状部材それぞれを嵌合可能な複数のパイプ部分を有するジョイント部材を用いて複数の棒状部材を接合する点が開示されている。このジョイント部材は、上下方向に対称に2分割された分割ジョイント部材をボルト、ナットにより結合して構成され、その複数のパイプ部分のそれぞれに棒状部材の端部を嵌合させることにより、複数の棒状部材が接合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭63−34203号公報
【特許文献2】特開2000−129800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、複数の骨組部材を接合することにより格子状の骨組構造体を組み立て、その骨組構造体がなす構面上に太陽光パネル等の種々のパネル構造体を設置して、その骨組構造体をパネル構造体用架台として用いる場合がある。この場合、その骨組構造体に対しては、パネル構造体からの荷重等により面外方向の応力が作用することから、骨組部材同士の接合部においては、その面外方向の応力に対して優れた曲げ剛性、耐力を発揮することが要求される。
【0007】
このような要求性能に対して、特許文献1の接合構造では、骨材が挿入される接続片がコ字状に形成されていることから、骨材に作用する面外方向の応力が接続金物に十分に伝達されず、優れた曲げ剛性、耐力を発揮することが困難であるという問題点がある。また、特許文献2の接合構造では、骨材から接続金物に伝達された面外方向の応力に対して、分割ジョイント部材を結合するボルト、ナットにより抵抗することになるため、優れた曲げ剛性、耐力を発揮することが困難であるという問題点がある。
【0008】
また、上述の骨組構造体をパネル構造体用架台として用いる場合、設計自由度を高める観点から、骨組構造体そのものの厚みを薄くすることが要求される。このような要求性能に対して、特許文献1、特許文献2の開示技術は、何れもその骨材等がなす構面の面外方向にボルト、ビス等の頭部やナットが突出するように配置されるため、その分、骨組構造体の厚みが増大してしまい、設計自由度が低下してしまうという問題点があった。
【0009】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、複数の骨組部材の接合部における曲げ剛性、耐力に優れているとともに、骨組構造体の設計自由度の向上を図ることを可能とする骨組部材の接合構造及び接合金物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上述した課題を解決するために、鋭意検討の末、下記の骨組部材の接合構造及び接合金物を発明した。
【0011】
第1発明に係る骨組部材の接合構造は、金物中央部から交差する二方向両側に延びる四つの筒状部が設けられ、前記金物中央部及び前記四つの筒状部の内部に連続した空洞部が形成された接合金物と、前記金物中央部を間に挟んで相対する二つの筒状部と前記金物中央部との内部に嵌め合わされて挿通された第一骨組部材と、前記接合金物の残りの筒状部それぞれの内部にその先端開口部から嵌め合わせて差し込まれた第二骨組部材と、前記第一骨組部材及び前記第二骨組部材がなす構面と略平行に配置され、前記筒状部の両側面とともに当該筒状部内に嵌め合わされた前記第一骨組部材又は前記第二骨組部材を貫通する貫通ボルトと、前記貫通ボルトに螺合された雌ネジ部材とを備えることを特徴とする。
【0012】
第2発明に係る骨組部材の接合構造は、金物中央部から一方向片側に延びる筒状部と、前記金物中央部から前記一方向と交差する他方向両側に延びる二つの筒状部とが設けられ、前記金物中央部及び前記三つの筒状部の内部に連続した空洞部が形成された接合金物と、前記一方向片側の筒状部の先端開口部から前記金物中央部の内部まで嵌め合わせて差し込まれた第一骨組部材と、前記接合金物の残りの筒状部それぞれの内部にその先端開口部から嵌め合わせて差し込まれた第二骨組部材と、前記第一骨組部材及び前記第二骨組部材がなす構面と略平行に配置され、前記筒状部の両側面とともに当該筒状部内に嵌め合わされた前記第一骨組部材又は前記第二骨組部材を貫通する貫通ボルトと、前記貫通ボルトに螺合された雌ネジ部材とを備えることを特徴とする。
【0013】
第3発明に係る骨組部材の接合構造は、第1発明又は第2発明において、前記筒状部内に差し込まれた前記第二骨組部材の差込部内に設けられ、前記構面の面外方向の応力に抵抗するための補剛部材を更に備えることを特徴とする。
【0014】
第4発明に係る骨組部材の接合構造は、第1発明〜第3発明の何れかにおいて、前記第二骨組部材は、互いのウエブ部の外面を接触させて逆向きに配置された一対の溝形鋼から構成され、前記筒状部内に差し込まれた前記第二骨組部材の差込部内に設けられ、前記溝形鋼の側部に形成された側面開口部を塞ぐように当該溝形鋼内に補剛部材を更に備えることを特徴とする。
【0015】
第5発明に係る骨組部材の接合構造は、第4発明において、前記補剛部材は、前記側面開口部を塞ぐように設けられたウエブ部と、前記溝形鋼の長手方向端部に形成された端面開口部を塞ぐように設けられた第一フランジ部と、前記筒状部の先端開口部を塞ぐように設けられた第二フランジ部とを有することを特徴とする。
【0016】
第6発明に係る骨組部材の接合構造は、第5発明において、前記補剛部材は、前記ウエブ部が前記溝形鋼に接合されていることを特徴とする。
【0017】
第7発明に係る骨組部材の接合構造は、第1発明〜第6発明の何れかにおいて、前記接合金物は、前記金物中央部及び前記筒状部がハイドロフォーム加工により一体的に形成されていることを特徴とする。
【0018】
第8発明に係る骨組部材の接合構造は、第1発明〜第7発明の何れかにおいて、前記接合金物は、前記金物中央部及び前記筒状部が複数の部材を溶接により接合して一体的に形成されていることを特徴とする。
【0019】
第9発明に係る接合金物は、第1発明〜第8発明の何れかの骨組部材の接合構造に用いられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
第1発明によれば、接合金物内において第一骨組部材が第二骨組部材のように分断されていないので、その分断による応力伝達のロスがなくなり、各骨組部材がなす構面の面外方向の応力に対して優れた曲げ剛性、耐力を発揮することが可能となる。また、各骨組部材が接合金物の筒状部内に嵌め合わせられているので、各骨組部材それぞれと筒状部との面接触により応力を伝達することができ、その分、骨組部材と接合金物との間での応力伝達のロスが少なくなり、各骨組部材がなす構面の面外方向の応力に対して優れた曲げ耐力、耐力を発揮することが可能となる。また、各骨組部材と接合金物を接合するうえで、これらに貫通ボルトを貫通させるのみで足り、貫通ボルトによる摩擦接合が不要であるので、その分、ボルト本数を抑えることができ、複数の骨組部材の接合部全体の大きさをコンパクト化することが可能となる。また、第一骨組部材及び第二骨組部材が略同一平面上に配置されることになるうえ、各骨組部材がなす構面の面外方向に貫通ボルトのボルト頭部や雌ねじ部材が突出しないので、各骨組部材により形成される骨組構造体の厚みを薄くすることができ、その分、骨組構造体の厚さ方向での設計自由度の向上を図ることが可能となる。
【0021】
第2発明によれば、各骨組部材が接合金物の筒状部内に嵌め合わせられているので、各骨組部材それぞれと筒状部との面接触により応力を伝達することができ、その分、骨組部材と接合金物との間での応力伝達のロスが少なくなり、各骨組部材がなす構面の面外方向の応力に対して優れた曲げ耐力、耐力を発揮することが可能となる。また、各骨組部材と接合金物を接合するうえで、これらに貫通ボルトを貫通させるのみで足り、貫通ボルトによる摩擦接合が不要であるので、その分、ボルト本数を抑えることができ、複数の骨組部材の接合部全体の大きさをコンパクト化することが可能となる。また、第一骨組部材及び第二骨組部材が略同一平面上に配置されることになるうえ、各骨組部材がなす構面の面外方向に貫通ボルトのボルト頭部や雌ねじ部材が突出しないので、各骨組部材により形成される骨組構造体の厚みを薄くすることができ、その分、骨組構造体の厚さ方向での設計自由度の向上を図ることが可能となる。
【0022】
第3発明によれば、筒状部内に差し込まれた第二骨組部材の差込部内に補剛部材が設けられているので、各骨組部材がなす構面の面外方向の応力が第二骨組部材の差込部に作用した場合でも優れた曲げ剛性、耐力を発揮することが可能となる。
【0023】
第4発明によれば、一対の溝形鋼それぞれのフランジ部と補剛部材のウエブ部とにより第二骨組部材の軸直交断面がボックス形鋼状をなすように設けられることになる。これにより、各骨組部材がなす構面の面外方向の応力が第二骨組部材に作用したときにおいて、溝形鋼の側面開口部が狭まるような変形が抑制され、筒状部内への第二骨組部材の差込部の曲げ剛性の向上を図ることが可能となる。
【0024】
第5発明によれば、二つの補剛部材それぞれの第一フランジ部と、それぞれの第二フランジ部とにより、一対の溝形鋼内にダイアフラムが設けられた状態になる。この補剛部材がなすダイアフラムと、一対の溝形鋼それぞれのフランジ部と補剛部材のウエブ部とにより、筒状部内への第二骨組部材の差込部が立方体状をなすように設けられることになる。このダイアフラムは、筒状部内への第二骨組部材の差込部のうち、面外方向の応力が強く作用し易い位置である、一対の溝形鋼の端面開口部と、筒状部の先端開口部とがある位置に設けられている。これにより、筒状部内への第二骨組部材の差込部の曲げ剛性の更なる向上を図ることが可能となる。
【0025】
第6発明によれば、溝形鋼に対して補剛部材を一体化することが可能となり、第二骨組部材の差込部の曲げ剛性の更なる向上とともに、その差込部のねじれに対する剛性の向上を図ることが可能となる。また、第二骨組部材に対して接合金物の筒状部内から抜け出そうとする抜け出し力が作用したときに、その抜け出し力を溝形鋼のウエブ部からではなく補剛部材のウエブ部から貫通ボルトを介して筒状部の側面に伝達させることが可能となる。このとき、溝形鋼のウエブ部から筒状部の側面までの距離より、補剛部材のウエブ部から筒状部の側面までの距離の方が短いことから、抜け出し力の作用により貫通ボルトに作用するモーメントが小さくなり、その結果、抜け出し力による貫通ボルトの変形量を抑えることが可能となるので、筒状部内からの第二骨組部材の抜け出しをより効果的に防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】格子状に配置された複数の骨組部材を接合して構成された骨組構造体を示す平面図である。
【図2】格子状の骨組構造体をパネル構造体用架台として用いている状態を模式的に示す側面図である。
【図3】第1実施形態に係る骨組部材の接合構造の構成を示す斜視図である。
【図4】第1実施形態に係る骨組部材の接合構造の構成を示す分解斜視図である。
【図5】第1実施形態に係る骨組部材の接合構造の構成を示す平面断面図である。
【図6】図5のAA線断面図である。
【図7】図5のBB線断面図である。
【図8】第1実施形態に係る骨組部材の接合構造で用いられる接合金物の構成を示す平面断面図である。
【図9】第1実施形態に係る骨組部材の接合構造で用いられる接合金物の構成を示す側面図である。
【図10】第1実施形態に係る骨組部材の接合構造で用いられる接合金物の構成を示す正面図である。
【図11】第1実施形態に係る骨組部材の接合構造で用いられる第二骨組部材の構成を示す側面図である。
【図12】第1実施形態に係る骨組部材の接合構造で用いられる第二骨組部材の構成を示す平面断面図である。
【図13】第1実施形態に係る骨組部材の接合構造で用いられる第二骨組部材の構成を示す正面図である。
【図14】第2実施形態に係る骨組部材の接合構造の構成を示す平面断面図である。
【図15】第2実施形態に係る骨組部材の接合構造で用いられる接合金物の構成を示す平面断面図である。
【図16】第1実施形態に係る接合金物を得るために用いられるハイドロフォーム加工方法について説明するための図である。
【図17】(a)はハイドロフォーム加工品の一例を示す斜視図であり、(b)はそのハイドロフォーム加工品から得られた接合金物を示す斜視図である。
【図18】(a)は複数の部材を接合して得られる接合金物の分解斜視図であり、(b)はその接合金物の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を適用した骨組部材の接合構造を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0028】
まず、第1実施形態に係る骨組部材の接合構造について説明する。
【0029】
骨組部材の接合構造1は、図1〜図7に示すように、複数の骨組部材20、30を接合するために用いられ、第1実施形態においては、格子状に配置された複数の骨組部材20、30を接合するものとして用いられる場合を例示している。このように格子状に配置された複数の骨組部材20、30を接合して構成された骨組構造体3は、例えば、図2に示すように支持面4上に支柱6等を介して設置され、その骨組構造体3上に太陽光パネル等のパネル構造体5が設置されることによりパネル構造体用架台として用いられる。
【0030】
第1実施形態に係る骨組部材の接合構造1は、図3〜図5に示すように、第一骨組部材20と、第一骨組部材20の中間部を間に挟んで直列に配置された二つの第二骨組部材30と、その第一骨組部材20と第二骨組部材30との交差部3aにおいて配置され、これら第一骨組部材20及び第二骨組部材30を接合する接合金物10とを備えている。第1実施形態に係る骨組部材の接合構造1は、図1におけるA部のような十字状の交差部3aに用いられる。
【0031】
接合金物10は、図8〜図10に示すように、金物中央部11から交差する二方向両側に延びる四つの筒状部12が設けられ、その金物中央部11及び四つの筒状部12の内部に連続した空洞部13が形成されている。第1実施形態に係る接合金物10は、金物中央部11及び四つの筒状部12により平面視において十字状に形成されており、それらの内部に設けられた空洞部13も平面視において十字状に形成されていることになる。
【0032】
接合金物10は、金物中央部11及び四つの筒状部12が一体的に形成されており、第1実施形態においては、これらがハイドロフォーム加工により一体的に形成されている場合を例示している。この詳細は後述する。この他にも、接合金物10は、金物中央部11及び四つの筒状部12が複数の部材を溶接により接合して一体的に形成されていてもよい。また、接合金物10は、鋼材のような金属材料から構成される。
【0033】
筒状部12は、その先端部が開口して形成されている。筒状部12は、第1実施形態において、その軸直交断面が矩形筒状に形成されている。
【0034】
筒状部12は、第一骨組部材20及び第二骨組部材30がなす構面Sの面内方向の両側面12aに一対のボルト挿通孔14が形成されている。この一対のボルト挿通孔14には、後述のように、一本の貫通ボルト51、52が挿通される。
【0035】
第一骨組部材20及び第二骨組部材30は、それぞれの軸直交断面が接合金物10の筒状部12に嵌合可能な形状に形成されている。このとき、第一骨組部材20及び第二骨組部材30は、接合金物10の筒状部12の内周面にその外周面が接触するようにして嵌め合わされる。第1実施形態においては、第一骨組部材20及び第二骨組部材30のそれぞれが互いのウエブ部41の外面を接触させて逆向きに配置された一対のリップ溝形鋼40から構成されている。この他にも、第一骨組部材20及び第二骨組部材30は、例えば、矩形筒状のボックス形鋼や、リップ部43のない一対の溝形鋼から構成されていてもよい。一対のリップ溝形鋼40や一対の溝形鋼から構成される場合、上下のフランジ部42間の側面開口部44からリップ溝形鋼40等の内部にビス等の締結具を作業員が差し込むことが可能となり、そのリップ溝形鋼40等の内部から各骨組部材20、30上に配置されたパネル構造体5に締結具をねじ込むことが可能となり、パネル構造体5の取り付け作業時の作業性の向上を図ることが可能となる。なお、一対のリップ溝形鋼40や一対の溝形鋼は、互いのウエブ部41にねじ込まれた図示しないビス等の締結具により固定される。
【0036】
第一骨組部材20及び第二骨組部材30は、第1実施形態において、薄板軽量形鋼から構成されている。ここでいう薄板軽量形鋼とは、板厚2.3mm以下の薄鋼板をロールフォーミング等により折り曲げ加工することによって成形されるものであり、その種類としては、上述のリップ溝形鋼40の他、溝形鋼、ボックス形鋼等が挙げられる。
【0037】
第一骨組部材20は、接合金物10の金物中央部11を間に挟んで相対する二つの筒状部12とその金物中央部11との内部に嵌め合わせて挿通される。第一骨組部材20は、図5の例では、図中上側の筒状部12、金物中央部11、図中下側の筒状部12の順で嵌め合わせて挿通されている。
【0038】
第一骨組部材20は、接合金物10の筒状部12内に挿通される挿通部21において、その筒状部12に形成された一対のボルト挿通孔14と同軸上に並ぶようにボルト挿通孔22が形成されている。第1実施形態においては、第一骨組部材20を構成する一対のリップ溝形鋼40それぞれのウエブ部41にこのボルト挿通孔22が形成されている。
【0039】
この第一骨組部材20のボルト挿通孔22と、その第一骨組部材20が嵌め合わされた筒状部12の一対のボルト挿通孔14とに対しては、第一貫通ボルト51が挿通される。これにより、第一貫通ボルト51は、図7等に示すように、筒状部12の両側面12aとともに第一骨組部材20を貫通して、第一骨組部材20及び第二骨組部材30がなす構面Sと略平行に配置されることになる。この第一貫通ボルト51は、ナット等の雌ねじ部材53が螺合されることによって、接合金物10に固定される。雌ねじ部材53は、第1実施形態において、第一貫通ボルト51の筒状部12から突出した先端部51aに螺合されたナットから構成されている場合を例示しているが、この他にも、第一貫通ボルト51のボルト頭部51b側において筒状部12に溶接されたナットや、筒状部12のボルト挿通孔14に形成された雌ねじ孔から構成されていてもよい。
【0040】
この第一貫通ボルト51は、接合金物10に対する第一骨組部材20のずれを防止することを目的として用いられ、そのような目的を達成できる程度の本数、径のものが用いられていればよい。図示の例では、一つの筒状部12につき一つの第一貫通ボルト51が用いられている。
【0041】
第二骨組部材30は、接合金物10の第一骨組部材20が挿通された筒状部12の残りの筒状部12それぞれの内部にその先端開口部12bから嵌め合わせて差し込まれている。第二骨組部材30は、図5の例では、図中右側の筒状部12にその先端開口部12bから一つ差し込まれ、図中左側の筒状部12にその先端開口部12bからもう一つ差し込まれている。この第二骨組部材30は、図示の例では、第一骨組部材20の側面に接触するまで差し込まれているが、接触していなくともよい。
【0042】
第二骨組部材30は、図6等に示すように、接合金物10の筒状部12内に差し込まれる差込部31において、その筒状部12に形成された一対のボルト挿通孔14と同軸上に並ぶようにボルト挿通孔32が形成されている。第1実施形態においては、第二骨組部材30を構成する一対のリップ溝形鋼40それぞれのウエブ部41にこのボルト挿通孔32が形成されている。
【0043】
この第二骨組部材30のボルト挿通孔32と、その第二骨組部材30が嵌め合わされた筒状部12の一対のボルト挿通孔14とに対しては、第二貫通ボルト52が挿通される。これにより、第二貫通ボルト52は、筒状部12の両側面12aとともに第二貫通ボルト52を貫通して、第一骨組部材20及び第二骨組部材30がなす構面Sと略平行に配置されることになる。この第二貫通ボルト52は、ナット等の雌ねじ部材53が螺合されることによって、接合金物10に固定される。
【0044】
この第二貫通ボルト52は、接合金物10の筒状部12からの第二骨組部材30の抜け出しを防止することを目的として用いられ、そのような目的を達成できる程度の本数、径のものが用いられていればよい。図示の例では、一つの筒状部12につき四つの第二貫通ボルト52が用いられている。
【0045】
第1実施形態に係る第二骨組部材30は、一対のリップ溝形鋼40から構成されているため、第一骨組部材20及び第二骨組部材30がなす構面Sの面外方向Qの応力が作用したときに、図11に示すように、その側面開口部44が狭まるような方向Pに全体的に変形し易い構造となっている。この傾向は、第二骨組部材30の端部となる筒状部12内に差し込まれた差込部31において特に強くなるため、その差込部31においては、面外方向Qの応力に対する曲げ剛性、耐力を確保し難い。これを解決するため、第1実施形態に係る第二骨組部材30は、筒状部12内に差し込まれた差込部31内において、その構面Sの面外方向Qの応力に抵抗するための補剛部材60が設けられている。
【0046】
第1実施形態に係る補剛部材60は、図5、図11〜図13に示すように、リップ溝形鋼40内に挿入されており、リップ溝形鋼40の側面開口部44を塞ぐように設けられたウエブ部61と、リップ溝形鋼40の長手方向端部に形成された端面開口部45を塞ぐように設けられた第一フランジ部62と、筒状部12の先端開口部12bを塞ぐように設けられた第二フランジ部63とを有している。第1実施形態に係る補剛部材60は、ウエブ部61の両端側にそれぞれ第一フランジ部62と第二フランジ部63とを有している。補剛部材60のウエブ部61には、図6等に示すように、筒状部12に形成された一対のボルト挿通孔14と同軸上に並ぶようにボルト挿通孔64が形成されている。第1実施形態に係る補剛部材60は、ウエブ部61、第一フランジ部62及び第二フランジ部63によりコ字状に形成されており、これらが一体的に設けられている。補剛部材60は、鋼材のような金属材料等から構成される。
【0047】
第1実施形態において、補剛部材60のウエブ部61、第一フランジ部62及び第二フランジ部63のそれぞれは、図11に示すように、リップ溝形鋼40の上下一対のフランジ部42間の間隔と略同一の長さとなるようにその高さ寸法が形成されている。これにより、補剛部材60のウエブ部61、第一フランジ部62及び第二フランジ部63は、リップ溝形鋼40の上下一対のフランジ部42の内面に接触して設けられていることになる。また、第1実施形態において、補剛部材60の第一フランジ部62及び第二フランジ部63のそれぞれは、リップ溝形鋼40のリップ部43とウエブ部41との間の間隔と略同一の長さとなるようにその幅寸法が形成されている。これにより、補剛部材60の第一フランジ部62及び第二フランジ部63にリップ溝形鋼40のウエブ部41内面とリップ部43内面とが接触して設けられることになる。
【0048】
第二骨組部材30を構成する一対のリップ溝形鋼40は、それぞれの側面開口部44が補剛部材60のウエブ部61により塞がれることによって、図11に示すように、一対のリップ溝形鋼40それぞれのフランジ部42と補剛部材60のウエブ部61とによりその軸直交断面がボックス形鋼状をなすように設けられることになる。これにより、構面Sの面外方向Qの応力が第二骨組部材30に作用したときにおいて、リップ溝形鋼40の側面開口部44が狭まるような変形が抑制され、筒状部12内への第二骨組部材30の差込部31の曲げ剛性の向上を図ることが可能となる。
【0049】
また、一対のリップ溝形鋼40それぞれに設けられた補剛部材60は、図5等に示すように、第一フランジ部62及び第二フランジ部63のそれぞれが略同一平面上に位置するように設けられる。第二骨組部材30を構成する一対のリップ溝形鋼40は、それぞれの端面開口部45が補剛部材60の第一フランジ部62により塞がれるとともに、筒状部12の先端開口部12bが補剛部材60の第二フランジ部63により塞がれることによって、二つの補剛部材60それぞれの第一フランジ部62と、それぞれの第二フランジ部63とにより、一対のリップ溝形鋼40内に二つのダイアフラムが設けられた状態になる。この補剛部材60がなす二つのダイアフラムと、一対のリップ溝形鋼40それぞれのフランジ部42と補剛部材60のウエブ部61とにより、筒状部12内への第二骨組部材30の差込部31が立方体状をなすように設けられることになる。このダイアフラムは、筒状部12内への第二骨組部材30の差込部31のうち、面外方向Qの応力が強く作用し易い位置である、一対のリップ溝形鋼40の端面開口部45と、筒状部12の先端開口部12bとがある位置に設けられている。これにより、筒状部12内への第二骨組部材30の差込部31の曲げ剛性の更なる向上を図ることが可能となる。
【0050】
なお、二つの補剛部材60それぞれの第一フランジ部62は、一対のリップ溝形鋼40の端面開口部45より軸方向内側寄りの箇所に設けられ、二つの補剛部材60それぞれの第二フランジ部63は、筒状部12の先端開口部12bより軸方向内側寄りの箇所に設けられている。これにより、骨組構造体3全体が大変形したときに、補剛部材60の第一フランジ部62が一対のリップ溝形鋼40内から抜け出て外れてしまうのを防止することが可能となる。
【0051】
また、補剛部材60は、図13に示すように、そのウエブ部61がリップ溝形鋼40に溶接等により接合されている。第1実施形態に係る補剛部材60は、そのウエブ部61がリップ溝形鋼40のリップ部43に隅肉溶接Wにより接合されている。これにより、リップ溝形鋼40に対して補剛部材60を一体化することが可能となり、第二骨組部材30の差込部31の曲げ剛性の更なる向上とともに、その差込部31のねじれに対する剛性の向上を図ることが可能となる。また、第二骨組部材30に対して接合金物10の筒状部12内から抜け出そうとする抜け出し力が作用したときに、その抜け出し力をリップ溝形鋼40のウエブ部41からではなく補剛部材60のウエブ部61から第二貫通ボルト52を介して筒状部12の側面12aに伝達させることが可能となる。このとき、図6に示すような、リップ溝形鋼40のウエブ部41から筒状部12の側面12aまでの距離L1より、補剛部材60のウエブ部61から筒状部12の側面12aまでの距離L2の方が短いことから、抜け出し力の作用により第二貫通ボルト52に作用するモーメントが小さくなり、その結果、抜け出し力による第二貫通ボルト52の変形量を抑えることが可能となるので、筒状部12内からの第二骨組部材30の抜け出しをより効果的に防止することが可能となる。このとき、抜け出し力の作用によりリップ溝形鋼40のウエブ部41から第二貫通ボルト52に応力が伝達されないように、リップ溝形鋼40のウエブ部41のボルト挿通孔32は、補剛部材60のウエブ部61のボルト挿通孔64より大きくすることが望ましい。
【0052】
なお、上述の補剛部材60による第二骨組部材30の曲げ剛性の向上効果は、第二骨組部材60を構成する一対のリップ溝形鋼40がリップ部43のない一対の溝形鋼から構成されている場合も同様に得られる。
【0053】
以上の第1実施形態によれば、接合金物10内において第一骨組部材20が第二骨組部材30のように分断されていないので、その分断による応力伝達のロスがなくなり、各骨組部材20、30がなす構面Sの面外方向Qの応力に対して優れた曲げ剛性、耐力を発揮することが可能となる。また、各骨組部材20、30が接合金物10の筒状部12内に嵌め合わせられているので、各骨組部材20、30それぞれと筒状部12との面接触により応力を伝達することができ、その分、骨組部材20、30と接合金物10との間での応力伝達のロスが少なくなり、上述の構面Sの面外方向Qの応力に対して優れた曲げ耐力、耐力を発揮することが可能となる。また、各骨組部材20、30と接合金物10を接合するうえで、これらに貫通ボルト51、52を貫通させるのみで足り、貫通ボルト51、52による摩擦接合が不要であるので、その分、ボルト本数を抑えることができ、接合構造1全体の大きさをコンパクト化することが可能となる。また、第一骨組部材20及び第二骨組部材30が略同一平面上に配置されることになるうえ、各骨組部材20、30がなす構面Sの面外方向Qに貫通ボルト51、52のボルト頭部51b、52bや雌ねじ部材53が突出しないので、各骨組部材20、30により形成される骨組構造体3の厚みを薄くすることができ、その分、骨組構造体3の厚さ方向での設計自由度の向上を図ることが可能となる。
【0054】
また、筒状部10内に差し込まれた第二骨組部材30の差込部31内に補剛部材60が設けられているので、構面Sの面外方向Qの応力が第二骨組部材30の差込部31に作用した場合でも優れた曲げ剛性、耐力を発揮することが可能となる。
【0055】
次に、第2実施形態に係る骨組部材の接合構造について説明する。なお、上述した構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付すことにより以下での説明を省略する。
【0056】
第2実施形態に係る骨組部材の接合構造1は、図14に示すように、第一骨組部材20と、第一骨組部材20の端部を間に挟んで直列に配置された二つの第二骨組部材30と、その第一骨組部材20と第二骨組部材30との交差部3aにおいて配置され、これら第一骨組部材20及び第二骨組部材30を接合する接合金物10とを備えている。第2実施形態に係る骨組部材の接合構造1は、図1におけるB部のようなT字状の交差部3aに用いられる。
【0057】
接合金物10は、図15に示すように、金物中央部11から方向Aの片側に延びる筒状部12と、その方向Aと交差する方向Bの両側に延びる二つの筒状部12が設けられ、その金物中央部11及び三つの筒状部12の内部に連続した空洞部13が設けられている。第2実施形態に係る接合金物10は、金物中央部11及び三つの筒状部12により平面視においてT字状に形成されており、それらの内部に形成された空洞部13も平面視においてT字状に形成されていることになる。
【0058】
第一骨組部材20は、方向Aの筒状部の先端開口部12bから金物中央部11の内部まで嵌め合わせて差し込まれ、第1実施形態においては、金物中央部11の内面に接触するまで差し込まれている。
【0059】
以上の第2実施形態によれば、各骨組部材20、30が接合金物10の筒状部12内に嵌め合わせられているので、各骨組部材20、30それぞれと筒状部12との面接触により応力を伝達することができ、その分、各骨組部材20、30と接合金物10との間での応力伝達のロスが少なくなり、上述の構面Sの面外方向Qの応力に対して優れた曲げ耐力、耐力を発揮することが可能となる。また、各骨組部材20、30と接合金物10を接合するうえで、これらに貫通ボルト51、52を貫通させるのみで足り、貫通ボルト51、52による摩擦接合が不要であるので、その分、ボルト本数を抑えることができ、接合構造1全体の大きさをコンパクト化することが可能となる。また、第一骨組部材20及び第二骨組部材30が略同一平面上に配置されることになるうえ、各骨組部材20、30がなす構面Sの面外方向Qに貫通ボルト51、52のボルト頭部51b、52bや雌ねじ部材53が突出しないので、各骨組部材20、30により形成される骨組構造体3の厚みを薄くすることができ、その分、骨組構造体3の厚さ方向での設計自由度の向上を図ることが可能となる。
【0060】
次に、各実施形態に係る接合金物10の製造方法の一例について説明する。
【0061】
上述の接合金物10は、例えば、金物中央部11及び複数の筒状部12がハイドロフォーム加工により一体的に形成される。このハイドロフォーム加工では、図16(a)に示すように、管状のハイドロフォーム加工品を管軸直交方向に分割した外形と略同一の内形からなるキャビティ72を有する上下の金型71を用いて行う。
【0062】
ハイドロフォーム加工を行ううえでは、まず、これら金型71のキャビティ72内にハイドロフォーム加工品の素材となる素材管81を配置する。次に、図16(b)に示すように、上下の金型71の型閉めを行う。次に、図16(c)に示すように、素材管81に対して内部に液体Wを供給して内圧を負荷するとともに、軸押しパンチ73により素材管81に対して管軸方向に圧縮荷重を負荷する。これにより、図16(d)に示すように、上下の金型71のキャビティ72内に沿って素材管81が拡径されつつ管軸方向に圧縮されて、金型71のキャビティ72の内形に沿った外形からなるハイドロフォーム加工品が得られる。
【0063】
このとき、上述の第1実施形態に係る十字状の接合金物10を得るうえでは、図17(a)に示すように、第二骨組部材30が嵌め合わされる筒状部12が加工後の素材管81の管軸方向の両端部81aとなるようにし、第一骨組部材20が嵌め合わされる筒状部12が加工後の素材管81の径方向両側に形成された拡径部81bとなるように、上下の金型71のキャビティ72の形状を調整する。これにより、ハイドロフォーム加工後に素材管81の拡径部81bの先端部81cが閉塞して形成されることになるので、その拡径部81bの先端部81cを切断加工することにより、図17(b)に示すように、上述の第1実施形態に係る接合金物10が得られる。第2実施形態に係るT字状の接合金物10を得るときは、素材管81の径方向片側に拡径部81bが一つのみ形成されるようにする点以外、上述と同様である。
【0064】
なお、一般的なハイドロフォーム加工では、素材管81の拡径部81bの最大幅が素材管81そのものの直径に応じて定まる特性がある。具体的には、素材管81の拡径部81bの最大幅は、素材管81の径方向両側に二つの拡径部81bが形成されるようにする場合、素材管81の直径の1/2程度となり、径方向片側に一つの拡径部81bが形成されるようにする場合、素材管81の直径と同程度となる。この最大幅を超えるような幅となるようにハイドロフォーム加工すると、素材管81のバーストが生じ得る。このため、一般的なハイドロフォーム加工により接合金物10を得るうえでは、このことを考慮のうえ、素材管81のバーストが生じないような寸法の接合金物10を製造することになる。
【0065】
なお、ハイドロフォーム加工により接合金物10を得る場合、寸法精度に優れた接合金物10を生産性よく得ることが可能となるという利点がある。
【0066】
この他に、上述の接合金物10は、図18に示すように、例えば、金物中央部11及び複数の筒状部12が複数の部材を溶接により接合して一体的に形成されていてもよい。この場合の接合金物10は、例えば、金物中央部11及び二つの筒状部12を上下方向に二分割した形状からなる一対の第一分割部材91と、残りの筒状部12それぞれを上下方向に対称に二分割した形状からなる一対の第二分割部材92のそれぞれを隅肉溶接W等の溶接により接合することにより構成される。
【0067】
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、前述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
【0068】
例えば、補剛部材60は、筒状部12内に挿通された第一骨組部材20の挿通部21内において設けられていてもよい。また、第一骨組部材20及び第二骨組部材30は、矩形筒状のボックス形鋼や、上述の補剛部材60が用いられた一対の溝形鋼等から構成される場合、貫通ボルト51、52の代替として、接合金物10の筒状部12の両側面それぞれに対してねじにより接合されていてもよい。
【符号の説明】
【0069】
1 接合構造
3 骨組構造体
3a 交差部
10 接合金物
11 金物中央部
12 筒状部
13 空洞部
20 第一骨組部材
30 第二骨組部材
31 差込部
40 リップ溝形鋼
44 側面開口部
45 端面開口部
51 第一貫通ボルト
52 第二貫通ボルト
53 雌ねじ部材
60 補剛部材
61 ウエブ部
62 第一フランジ部
63 第二フランジ部
S 構面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金物中央部から交差する二方向両側に延びる四つの筒状部が設けられ、前記金物中央部及び前記四つの筒状部の内部に連続した空洞部が形成された接合金物と、
前記金物中央部を間に挟んで相対する二つの筒状部と前記金物中央部との内部に嵌め合わされて挿通された第一骨組部材と、
前記接合金物の残りの筒状部それぞれの内部にその先端開口部から嵌め合わせて差し込まれた第二骨組部材と、
前記第一骨組部材及び前記第二骨組部材がなす構面と略平行に配置され、前記筒状部の両側面とともに当該筒状部内に嵌め合わされた前記第一骨組部材又は前記第二骨組部材を貫通する貫通ボルトと、
前記貫通ボルトに螺合された雌ネジ部材とを備えること
を特徴とする骨組部材の接合構造。
【請求項2】
金物中央部から一方向片側に延びる筒状部と、前記金物中央部から前記一方向と交差する他方向両側に延びる二つの筒状部とが設けられ、前記金物中央部及び前記三つの筒状部の内部に連続した空洞部が形成された接合金物と、
前記一方向片側の筒状部の先端開口部から前記金物中央部の内部まで嵌め合わせて差し込まれた第一骨組部材と、
前記接合金物の残りの筒状部それぞれの内部にその先端開口部から嵌め合わせて差し込まれた第二骨組部材と、
前記第一骨組部材及び前記第二骨組部材がなす構面と略平行に配置され、前記筒状部の両側面とともに当該筒状部内に嵌め合わされた前記第一骨組部材又は前記第二骨組部材を貫通する貫通ボルトと、
前記貫通ボルトに螺合された雌ネジ部材とを備えること
を特徴とする骨組部材の接合構造。
【請求項3】
前記筒状部内に差し込まれた前記第二骨組部材の差込部内に設けられ、前記構面の面外方向の応力に抵抗するための補剛部材を更に備えること
を特徴とする請求項1又は2記載の骨組部材の接合構造。
【請求項4】
前記第二骨組部材は、互いのウエブ部の外面を接触させて逆向きに配置された一対の溝形鋼から構成され、
前記筒状部内に差し込まれた前記第二骨組部材の差込部内において、前記溝形鋼の側部に形成された側面開口部を塞ぐように当該溝形鋼内に設けられた補剛部材を更に備えること
を特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の骨組部材の接合構造。
【請求項5】
前記補剛部材は、前記側面開口部を塞ぐように設けられたウエブ部と、前記溝形鋼の長手方向端部に形成された端面開口部を塞ぐように設けられた第一フランジ部と、前記筒状部の先端開口部を塞ぐように設けられた第二フランジ部とを有すること
を特徴とする請求項4記載の骨組部材の接合構造。
【請求項6】
前記補剛部材は、前記ウエブ部が前記溝形鋼に接合されていること
を特徴とする請求項5記載の骨組部材の接合構造。
【請求項7】
前記接合金物は、前記金物中央部及び前記筒状部がハイドロフォーム加工により一体的に形成されていること
を特徴とする請求項1〜6の何れか1項記載の骨組部材の接合構造。
【請求項8】
前記接合金物は、前記金物中央部及び前記筒状部が複数の部材を溶接により接合して一体的に形成されていること
を特徴とする請求項1〜6の何れか1項記載の骨組部材の接合構造。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか1項に記載の骨組部材の接合構造に用いられること
を特徴とする接合金物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−40521(P2013−40521A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179197(P2011−179197)
【出願日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(000006655)新日鐵住金株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】