説明

2振動子型高温用超音波探触子

【課題】 例えば200〜400℃の高温で使用でき、残響によるノイズを低減してSN比を高めることができ、歩留まりを高め、キャリブレーションや試験に要する時間を短縮し、互換性を高め必要な予備品数を減らすことができる2振動子型高温用超音波探触子を提供する。
【解決手段】 送信又は受信する超音波の中心軸11が被検査物の内部で交差する送信用及び受信用の探触子10と、2つの探触子を着脱可能に取り付け被検査物1との間で超音波を伝播する耐熱性の伝播補助部材20とを備える。伝播補助部材20は、被検査物の計測面1aと接触する接触面22と、接触面に近接して内部に設けられ接触面に対向し中心軸に直交する内底面24と、内底面から中心軸を軸心として外面まで延びる1対の雌ネジ孔26とを有する。2つの探触子10は、雌ネジ孔と螺合する雄ネジ部12と、雄ネジ部の上部に同軸に設けられ雄ネジ部より大径の拡径部14と、拡径部の上面に固定された超音波振動子16とからなる。雄ネジ部12の下面13は、伝播補助部材20の内底面24と密着するように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波探傷試験、超音波厚さ計測、等に用いる2振動子型高温用超音波探触子に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波は物体中において特定の方向に集中して出すことができ、また音響インピーダンンス、すなわち(密度)×(音速)の異なった境界面で反射する。従ってこの性質を利用して、超音波探傷試験、超音波厚さ計測、等に用いることができる。以下、これらの試験又は計測用のセンサを「超音波探触子」と総称する。
【0003】
送信用と受信用の2つの探触子を備えた2振動子型の超音波探触子は、例えば[特許文献1]が開示されている。
【0004】
特許文献1の「2振動子探触子」は、図7に示すように、超音波を送信する送信用探触子52が、振動子組立体55にウエッジ部材57を密着させ、超音波を受信する受信用探触子53が振動子組立体56にウエッジ部材58を密着させる2振動子探触子であって、各ウエッジ部材57、58が、各振動子組立体55、56の傾斜面55d,56dに密着する傾斜面60a、61aを一側に有し、平面60b、61bを他側に有する主ウエッジ部材60、61と、一側が主ウエッジ部材60、61の平面60b、61bに密着する平面62a、63aを形成し、他側が被検査物66の探傷面と適合する接触曲面62b、63bを形成する副ウエッジ部材62、63とを有するものである。
なおこの図で、55b、56bは振動子である。
【0005】
【特許文献1】特開平08−160022号公報、「2振動子探触子」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
2振動子型の超音波探触子は、被検査物の内部で送信用と受信用の2つの探触子の検出軸が交差するように、振動子(圧電素子)を互いに正確に傾斜させて取り付ける必要がある。そのため、振動子の取付け面と被検査物との間に、その間で超音波を伝播させるための伝播補助部材(又はくさび部材)が用いられる。
【0007】
図7は従来の常温用の2振動子型超音波探触子の構造例である。伝播補助部材は、通常は、振動子の取付面が傾斜したアクリル等の樹脂ブロックからなり、被検査物と接触する下面は、被検査物との間に隙間ができないように、被検査物の形状に合わせた形状(平面、円弧面等)に形成されている。
【0008】
一方、2振動子型高温用超音波探触子、すなわち使用温度が高温(例えば200〜400℃)である場合には、アクリル等の伝播補助部材に代えて、図9のように、金属製の伝播補助部材(くさび部材)を用いる必要がある。しかし、この場合、アクリル等に比べて金属内では、超音波の減退がはるかに小さく、音速も速いので、伝播補助部材内を反響して生じる残響がノイズとして入り込み、SN比が悪くなる問題点があった。
また、かかる2振動子型高温用超音波探触子では、複数(例えば3〜5種)の振動子取付角度を必要とする場合、各取付角度毎に別の伝播補助部材と別の振動子を準備し、それぞれろう付等で固定する必要があった。そのため、ろう付時の形状がそれぞれ相違するため歩留まりが低く、各振動子の特性が相違するためキャリブレーションや試験に時間がかかり、伝播補助部材及び振動子に互換性がないため、多数の予備品を準備する必要があった。
【0009】
本発明は、かかる要望を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、例えば200〜400℃の高温で使用でき、残響によるノイズを低減してSN比を高めることができ、歩留まりを高め、キャリブレーションや試験に要する時間を短縮し、互換性を高め必要な予備品数を減らすことができる2振動子型高温用超音波探触子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、送信又は受信する超音波の中心軸が被検査物の内部で交差する送信用及び受信用の探触子と、該2つの探触子を着脱可能に取り付け、被検査物との間で超音波を伝播する耐熱性の伝播補助部材とを備え、
該伝播補助部材は、被検査物の計測面と接触する接触面と、接触面に近接して内部に設けられ該接触面に対向し前記中心軸に直交する内底面と、該内底面から中心軸を軸心として外面まで延びる1対の雌ネジ孔とを有し、
前記2つの探触子は、前記雌ネジ孔と螺合する雄ネジ部と、該雄ネジ部の上部に同軸に設けられ雄ネジ部より大径の拡径部と、該拡径部の上面に固定された超音波振動子とからなり、
前記雄ネジ部の下面は、伝播補助部材の前記内底面と密着するように形成されている、ことを特徴とする2振動子型高温用超音波探触子が提供される。
【0011】
本発明の構成によれば、超音波の中心軸が被検査物の内部で交差する送信用及び受信用の探触子と、この2つの探触子を取り付ける耐熱性の伝播補助部材とを備えるので、例えば耐熱性の伝播補助部材を金属(チタン材、鋼材、等)で構成することで、例えば200〜400℃の高温で使用することができる。
また、伝播補助部材は、被検査物の計測面と接触する接触面と、内部に設けられる内底面と、この内底面から外面まで延びる1対の雌ネジ孔とを有する構造であり、ろう付け等を必要としないので、短時間に高い歩留まりで安価に製作できる。
【0012】
さらに、送信用及び受信用の2つの探触子は、雄ネジ部と、雄ネジ部の上部に同軸に設けられた拡径部と、拡径部の上面に固定された超音波振動子とからなる同一構造なので、ろう付する場合でも形状が同一であるため歩留まりが高く、また伝播補助部材に着脱可能でかつ互換性があるため、必要最小限(例えば一組2台)を設ければよく、予備品数も最小にでき、キャリブレーションや試験時間も大幅に短縮できる。
また、探触子の雄ネジ部下面が、伝播補助部材の内底面と密着するように形成されているので、音響インピーダンンスの大きく異なる境界面を無くし、雑音となる反射を低減することができる。
またさらに、伝播補助部材の内底面は接触面に近接しているので、その間の残響によるノイズを低減してSN比を高めることができる。
【0013】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記超音波振動子は、該拡径部の上面にろう付けされた圧電素子と、その上面にろう付けされた電極板とを有し、送信用探触子の拡径部と電極板間に電圧を印加し、受信用探触子の拡径部と電極板間の電圧を計測する。
【0014】
この構成により、送信用及び受信用の2つの探触子を同一構造にでき、かつ送信用探触子の拡径部と電極板間に電圧を印加して超音波を中心軸の方向に送信し、被検査物の内部で交差する受信用探触子の中心軸の方向から超音波を受信することができる。
【0015】
前記伝播補助部材は、前記接触面を送信する超音波の伝播面と受信する超音波の伝播面を仕切るスリット溝を有する。
【0016】
この構成により、スリット溝の間の空気層により、送信する超音波と受信する超音波の混信を防止し、残響によるノイズを低減してSN比を更に高めることができる。
【発明の効果】
【0017】
上述したように、本発明の2振動子型高温用超音波探触子は、例えば200〜400℃の高温で使用でき、残響によるノイズを低減してSN比を高めることができ、歩留まりを高め、更正や試験に要する時間を短縮し、互換性を高め必要な予備品数を減らすことができる、等の優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0019】
図1は、本発明による2振動子型高温用超音波探触子の全体構成図であり、(A)は断面図、(B)は(A)のB−B矢視図である。また、図2はこの2振動子型高温用超音波探触子の各構成部品を示す図であり、(A)は探触子、(B)は伝播補助部材、(C)は(B)のC−C矢視図である。
【0020】
図1及び図2に示すように、本発明の2振動子型高温用超音波探触子は、送信用及び受信用の探触子10と耐熱性の伝播補助部材20とを備える。送信用及び受信用の探触子10は、送信又は受信する超音波の中心軸11が被検査物1の内部で交差するようになっている。また、伝播補助部材20は、送信用及び受信用の2つの探触子10を着脱可能に取り付け、被検査物1との間で超音波を伝播する機能を有する。伝播補助部材20は、例えば200〜400℃の高温で形状及び超音波の伝播特性が大きく変化しない材料、例えば耐熱性の金属材料(チタン材、鋼材、等)からなる。
【0021】
2つの探触子10は、円筒形の雄ネジ部12と、雄ネジ部12の図で上部に同軸に設けられた拡径部14と、拡径部14の上面に固定された超音波振動子16とからなる。
【0022】
雄ネジ部12は、伝播補助部材20に設けられた雌ネジ孔26(後述する)と螺合する。この雄ネジ部12の谷径は、少なくとも超音波振動子16の最大径よりも大きく設定され、超音波振動子16の送受信する超音波が中心軸11に沿ってロスがほとんどなく伝搬できるようになっている。
また、雄ネジ部12の図で下面13は、伝播補助部材20内の後述する内底面24と密着するように形成されている。
【0023】
拡径部14は、雄ネジ部12より大径であり、従って少なくとも超音波振動子16の最大径よりも大きく設定され、同様に超音波振動子16の送受信する超音波が中心軸11に沿ってロスがほとんどなく伝搬できるようになっている。
【0024】
超音波振動子16は、拡径部14の図で上面にろう付けされた圧電素子17と、その上面にろう付けされた電極板18とを有する。この構成により、送信用探触子の場合には拡径部14と電極板18との間に所定の電圧を印加することにより超音波を送信することができ、受信用探触子の場合には、拡径部14と電極板18との間の電圧を計測することにより超音波を受信することができる。
【0025】
伝播補助部材20は、被検査物1の計測面1aと接触する接触面22と、内部に設けられた内底面24と、内底面24から中心軸11を軸心として外面まで延びる1対の雌ネジ孔26とを有する。内底面24は、接触面22に近接しており、かつ中心軸11に直交する。
更に伝播補助部材20は、接触面22を送信する超音波の伝播面と受信する超音波の伝播面を仕切るスリット溝28を有する。接触面22は、送信する超音波の伝播面と受信する超音波の伝播面が互いに重ならないように設定されており、このスリット溝28は、その重ならない領域、すなわちその中間部分に設けられている。なお、スリット溝28の幅は、使用中に付着するおそれのある液体(水や油)により溝が塞がらないように大きく設定するのがよい。
【0026】
上述した2振動子型高温用超音波探触子は、被検査物1の計測面1aと接触面22を密着させ、かつ雄ネジ部12の下面13と伝播補助部材20内の内底面24とを密着させて使用する。なお、必要におうじて、それらの接触面に、超音波の伝搬を促進させるために、高温で使用可能な水ガラス、軟質金属、等を介在させるのがよい。また、雄ネジ部12の下面13と伝播補助部材20内の内底面24との密着を保持するために、周知の固定具、例えば止めネジ、ナット、接着剤等を用いてもよい。
【0027】
上述した本発明の構成によれば、超音波の中心軸11が被検査物1の内部で交差する送信用及び受信用の探触子10と、この2つの探触子を取り付ける耐熱性の伝播補助部材20とを備えるので、例えば200〜400℃の高温で使用することができる。
また、伝播補助部材20は、被検査物1の計測面1aと接触する接触面22と、内部に設けられる内底面24と、この内底面から外面まで延びる1対の雌ネジ孔26とを有する構造であり、ろう付け等を必要としないので、短時間に高い歩留まりで安価に製作できる。
【0028】
さらに、送信用及び受信用の2つの探触子10は、雄ネジ部12と、雄ネジ部の上部に同軸に設けられた拡径部14と、拡径部の上面に固定された超音波振動子16とからなる同一構造なので、ろう付する場合でも形状が同一であるため歩留まりが高く、また伝播補助部材に着脱可能でかつ互換性があるため、必要最小限(例えば一組2台)を設ければよく、予備品数も最小にでき、キャリブレーションや試験時間も大幅に短縮できる。
また、探触子10の雄ネジ部下面13が、伝播補助部材20の内底面24と密着するように形成されているので、音響インピーダンンスの大きく異なる境界面を無くし、雑音となる反射を低減することができる。
またさらに、伝播補助部材の内底面24は接触面22に近接しているので、その間の残響によるノイズを低減してSN比を高めることができる。
【0029】
また、伝播補助部材20は、接触面22を送信する超音波の伝播面と受信する超音波の伝播面を仕切るスリット溝を有するので、スリット溝28の間の空気層により、送信する超音波と受信する超音波の混信を防止し、残響によるノイズを低減してSN比を更に高めることができる。
【実施例1】
【0030】
以下、本発明の実施例を説明する。
本発明の2振動子型高温用超音波探触子、すなわち二振動子型斜角探触子では、探触子から送受信される超音波の中心軸が特定の深さで一致(交軸)する。このために、「きず」が交軸点と一致する深さにあるときに最も検出性能が高く、交軸点から位置が離れると検出性能は低下する。この低下の度合いは、超音波ビームの指向性と関連してくる。
【0031】
図3は、本発明の実施例の説明図である。この図において、試験体(被検査物1)への超音波の入射角(探触子の屈折角:θr)と探触子の入射角:θiは、スネルの法則から式(1)の関係がある。
sinθi/sinθr=v/v・・・(1)
ここでv:探触子側の材料の音速、v:試験体側の材料の音速である。
探触子を構成する10,20にチタン材を用い、試験体が鋼材である場合、常温での音速はチタン6000m/sec、鋼5900m/secであり、ほとんど差はない。従って、角度θrとθiの差は非常に小さく、実用的には同一であるといえる。
【0032】
図4は、図3のA-A'線における断面説明図である。このA-A’線を含む平面に着目し、この面内の音圧分布について検討する。
音圧分布に影響する因子としては、振動子の周波数:F、有効径:d、超音波の入射点間距離2L及び交軸点深さ:Woがある。このとき、交軸点における音圧に対して、任意の距離Wにおける位置での音圧の低下の度合い:Rは送波の指向性:D及び受波の指向性数:Dの積として求められる。一方、二振動子型探触子は、A-A’平面において左右対称となるので、中心線上の音圧分布を検討する上では、D=Dとなる。
従って、R=D×D=D・・・(2)となる。
【0033】
一方、方形振動子を用いた場合の指向性数は式(3)で示される。
=sin(ka・sinφ)/ka・sinφ・・・(3)
ここで、k=2π/λ、a:有効振動子寸法の1/2、λ:波長である。 従って、交軸点位置での音圧に対する音圧の低下の度合いRは式(4)で求まる。
r=(sin(ka・sinφ)/ka・sinφ)・・・(4)
【0034】
振動子が円形の場合には指向係数はベッセル関数を用いて式(5)で示されるが、実用音圧範囲においいては(4)式と余り大きな差異は生じない。
=2J(m)/m・・・(5)
ここで、2J(m):ベッセル関数、m=ka・sinφである。
【0035】
(4)式を用いて音圧分布を計算し、これを用いて、探傷のニーズに見合った音圧分布が得られるように、入射点間距離2Lや探触子の傾ける角度:rなどの音圧分布に影響する因子を調整して、探触子を設計することが可能である。
【0036】
(2振動子型高温用超音波探触子の試作と試験)
図1に示した2振動子型高温用超音波探触子を実際に製作し、その性能確認試験を実施した。図5は、本発明の性能確認試験に用いた試験体の概要図である。
図5に示す各深さ方向に、3.0mmφの横穴を設けた鋼製の試験体を用いて探触子の性能を確認した。試験は、常温で探触子の性能を確認した後に、高温での確認試験を行った。常温での試験では通常のソニコートを接触媒質に用いたが、高温の試験においては水溶性のガラス質の粉末を水で溶解してペースト状にしたものを用いた。
【0037】
図6は、本発明の試験結果を示す図である。この図に各深さの横穴の最大エコー高さを測定した距離振幅特性曲線を示している。また、同図には、求めた音圧分布の計算結果を破線で示している。この結果から、両者の値はほぼ一致しており、探触子の設計にあたり音圧分布を予測できることが確認された。
【0038】
一般に、横穴からのエコー高さに対して、20%のエコーレベル(例えばASME Sec.5)や25%(JISZ3060L検出レベル)などを「きず」の検出レベルとして使用することが多い。
これに対して、上述した試験で得られた横穴でのAスコープ波形から、得られた波形のノイズは一般のこれら検出レベルより低く、充分に「きず」を検出する能力を持っていることが確認された。
また、170℃及び300℃の高温で同様の横穴を計測した試験で得られたAスコープ波形から、常温と同様に高温(170℃及び300℃)でも横穴を明瞭に捉えることが確認された。
【0039】
上述したように、2振動子型高温用超音波探触子を試作し、性能を確認した結果、本発明の高温用超音波探触子は、高温下での「きず」の探傷用として充分に使用可能であることがわかった。また、従来とは異なる構造から以下の特徴がある。
1.ろう付時の形状が単純であり、製作の歩留まりを向上できる。
2.送信用及び受信用の探触子は種々の伝播補助部材に対して共通であり、予め探触子をろう付等で製作しておき、必要な被検査物に合わせて伝播補助部材のみを製作することで製作期間を大幅に短縮できる。
3.製作が単純であり、探触子性能の均一性を確保できる。また、伝播補助部材の設計に当たって、予め超音波の音場を予測することができ、必要な被検査物に最適な設計が可能になった。
【0040】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することができることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明による2振動子型高温用超音波探触子の全体構成図である。
【図2】本発明の2振動子型高温用超音波探触子の各構成部品を示す図である。
【図3】本発明の実施例の説明図である。
【図4】図3のA-A'線における断面説明図である。
【図5】本発明の性能確認試験に用いた試験体の概要図である。
【図6】本発明の試験結果を示す図である。
【図7】特許文献1の「2振動子探触子」の模式図である。
【図8】従来の常温用の2振動子型超音波探触子の構造例である。
【図9】従来の高温用の2振動子型超音波探触子の構造例である。
【符号の説明】
【0042】
1 被検査物、1a 計測面、
10 探触子、11 中心軸、12 雄ネジ部、13 下面、
14 拡径部、16 超音波振動子、17 圧電素子、18 電極板、
20 伝播補助部材、22 接触面、24 内底面、
26 雌ネジ孔、28 スリット溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信又は受信する超音波の中心軸が被検査物の内部で交差する送信用及び受信用の探触子と、該2つの探触子を着脱可能に取り付け、被検査物との間で超音波を伝播する耐熱性の伝播補助部材とを備え、
該伝播補助部材は、被検査物の計測面と接触する接触面と、接触面に近接して内部に設けられ該接触面に対向し前記中心軸に直交する内底面と、該内底面から中心軸を軸心として外面まで延びる1対の雌ネジ孔とを有し、
前記2つの探触子は、前記雌ネジ孔と螺合する雄ネジ部と、該雄ネジ部の上部に同軸に設けられ雄ネジ部より大径の拡径部と、該拡径部の上面に固定された超音波振動子とからなり、
前記雄ネジ部の下面は、伝播補助部材の前記内底面と密着するように形成されている、ことを特徴とする2振動子型高温用超音波探触子。
【請求項2】
前記超音波振動子は、該拡径部の上面にろう付けされた圧電素子と、その上面にろう付けされた電極板とを有し、送信用探触子の拡径部と電極板間に電圧を印加し、受信用探触子の拡径部と電極板間の電圧を計測する、ことを特徴とする請求項1に記載の2振動子型高温用超音波探触子。
【請求項3】
前記伝播補助部材は、前記接触面を送信する超音波の伝播面と受信する超音波の伝播面を仕切るスリット溝を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の2振動子型高温用超音波探触子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−90804(P2006−90804A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−275627(P2004−275627)
【出願日】平成16年9月22日(2004.9.22)
【出願人】(000198318)石川島検査計測株式会社 (132)
【Fターム(参考)】