説明

LEDユニット

【課題】LEDユニットの組立を、より簡便にすることが可能なLEDユニットを提供する。
【解決手段】複数個のLED1aを一表面2aa側に実装する実装基板2と、実装基板2の一表面2aaと対向する底部3c1から実装基板2側に延出する側壁部3c2を備え断面がC字状の長尺な透光性のカバー部3とを有するLEDユニット10である。実装基板2は、放熱部材5に他表面2ba側が保持されており、放熱部材5は、カバー部3に収容され実装基板2と当接する主片5aと、一対の側片5b,5bとを備え、一対の側片5bの各々には、側片5bの外方へ突出する突起部5baを備え、カバー部3は、側壁部3c2において、突起部5baと嵌合してカバー部3と放熱部材5とを結合させる嵌合凹部3caと、放熱部材5に対して、カバー部3の位置を決め且つ、突起部5baを嵌合凹部3caへ誘う誘導部3cbとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDを光源とするLEDユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境意識の高まりなどから、蛍光灯などと比較して消費電力が低く小型で、長寿なLED(発光ダイオード)を用いたLEDユニットを備えた照明器具が使用されつつある。
【0003】
この種の照明器具として、たとえば、断面がコ字状で長尺な取付ベースと、取付ベースの上部に嵌合されて内部に多数のLEDを配設している蓋部とを備えたものが知られている(たとえば、特許文献1)。
【0004】
特許文献1の照明器具における蓋部は、取付ベースの上部の開口部を覆うように取付ベースに嵌合するものであり、アクリル樹脂やガラス等の透明な絶縁材料からできている。蓋部の内部の上部には、基板に取り付けられたLEDが所定の間隔で配設されている。特許文献1の照明器具は、複数個のLEDを所定の間隔で配設するLEDユニットにより、線状光源として利用することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−19299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、LEDユニットは、LEDを配設した基板の長さや基板の数などに応じて、比較的自由に大きさを設定することができる特性を備えている。しかしながら、LEDユニットは、基板の長さが長くなれば、基板側と蓋部側などとの長尺方向の位置合わせが行い難く、LEDユニットの組立が煩雑になる恐れがある。
【0007】
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、LEDユニットの組立を、より簡便にすることが可能なLEDユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のLEDユニットは、LEDと、長尺の板状に形成され複数個の上記LEDを長手方向に沿って一表面側に実装する実装基板と、該実装基板の上記一表面と対向する底部と該底部から上記実装基板側に延出する側壁部とを備え上記実装基板を覆う断面がC字状の長尺な透光性のカバー部とを有するLEDユニットであって、上記実装基板は、該実装基板の長手方向に沿って長尺状で上記実装基板からの熱を放熱する放熱部材に上記実装基板の他表面側が保持されており、上記放熱部材は、上記カバー部に収容され上記実装基板の上記他表面側と当接する主片と、上記長手方向に沿って上記主片の両端部から上記主片の厚み方向に延びる一対の側片とを備え、一対の上記側片の各々には、上記側片の外方へ突出する突起部を備えており、上記カバー部は、上記側壁部において、上記突起部と嵌合して上記カバー部と上記放熱部材とを結合させる嵌合凹部と、上記放熱部材に対して、上記カバー部の位置を決め且つ、上記突起部を上記嵌合凹部へ誘う誘導部とを有することを特徴とする。
【0009】
このLEDユニットにおいて、上記カバー部は、上記LEDと対向する上記カバー部の内面側に、上記カバー部の短手方向に沿った第1突条部を上記カバー部の長手方向に複数有し、且つ上記カバー部の外面側に、上記カバー部の長手方向に沿った第2突条部を上記カバー部の短手方向に複数有しており、上記カバー部の上記側壁部における上記第1突状部に上記嵌合凹部を設けていることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明のLEDユニットは、LEDユニットの組立を、より簡便にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態のLEDユニットを示す略縦断面図である。
【図2】同上のLEDユニットの要部を示す背面側の略斜視図である。
【図3】同上のLEDユニットの要部を示す縦断面図である。
【図4】同上のLEDユニットの要部を示す正面側の略斜視図である。
【図5】同上のLEDユニットの要部を示す略横断面図である。
【図6】同上のLEDユニットを示す正面側の分解斜視図である。
【図7】同上のLEDユニットを示す背面側の分解斜視図である。
【図8】同上のLEDユニットを示す背面側の斜視図である。
【図9】同上の別のLEDユニットの要部を示す背面側の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本実施形態のLEDユニット10を図1ないし図9に基づいて説明する。なお、図中において同じ部材に対しては、同じ番号を付している。
【0013】
本実施形態のLEDユニット10は、LED1aと、長尺の板状に形成され複数個のLED1aを長手方向に沿って一表面2aa側に実装する実装基板2とを有している(図1および図6を参照)。また、LEDユニット10は、実装基板2の一表面2aaと対向する底部3c1と底部3c1から実装基板2側に延出する側壁部3c2,3c2とを備え実装基板2を覆う断面がC字状の長尺な透光性のカバー部3を有している。
【0014】
実装基板2は、実装基板2の長手方向に沿って長尺状で実装基板2からの熱を放熱する放熱部材5に実装基板2の他表面2ba側が保持されている。また、放熱部材5は、カバー部3に収容され実装基板2の他表面2ba側と当接する主片5aと、長手方向に沿って主片5aの両端部から主片5aの厚み方向に延びる一対の側片5bとを備えている。一対の側片5b,5bの各々には、側片5bの外方へ突出する突起部5baを備えている。さらに、カバー部3は、側壁部3c2において、突起部5baと嵌合してカバー部3と放熱部材5とを結合させる嵌合凹部3caと、放熱部材5に対して、カバー部3の位置を決め且つ、突起部5baを嵌合凹部3caへ誘う誘導部3cbとを有している。
【0015】
これにより、本実施形態のLEDユニット10は、LEDユニット10の組立を、より簡便にすることが可能となる。
【0016】
以下、本実施形態のLEDユニット10の各構成について、より具体的に詳述する。
【0017】
本実施形態のLEDユニット10は、たとえば、従来からの直管形蛍光管の代替として、長尺状の照明器具(図示していない)の器具本体11を適宜に加工して取り付けることができる。なお、LEDユニット10は、長尺状の照明器具に用いられるものだけに限られず、矩形状の照明器具や種々の形状の照明器具に用いることができる。
【0018】
本実施形態のLEDユニット10は、主として、光源部1を構成するLED1a、実装基板2、カバー部3および放熱部材5を備えている。
【0019】
光源部1は、導電体パターン(図示していない)を有する実装基板2の一表面2aa側に設けられている。光源部1は、実装基板2の一表面2aaに実装される複数個の半導体発光素子たる矩形状のLED1aと、蛍光体が含有された透光性材料により複数個のLED1aを封止する封止部材1bとを有している。LED1aは、長尺状の実装基板2の長手方向に沿って、実装基板2の一表面2aaの中央部(短手方向の中央部)に略等間隔に並べて実装されている(図1および図6を参照)。封止部材1bは、平面視において、実装基板2の一表面2aaの中央部に実装基板2の長手方向に沿ってライン状に形成されている。光源部1は、LED1aから放射される光が蛍光体で波長変換され、波長変換された光を放射することができる。
【0020】
本実施形態のLEDユニット10に用いられるLED1aは、給電により光を放射することが可能な半導体発光素子である。LED1aは、たとえば、発光層に青色光が放射可能なInGaNなどの窒化ガリウム系化合物半導体を用いたLEDチップを用いることができる。光源部1の封止部材1bは、青色光を吸収して補色となる黄色光などを放射するEuで付活された(Sr,Ba)SiOなどの希土類でドープされた珪酸塩系の蛍光体を有している。蛍光体は、希土類でドープされた珪酸塩系の蛍光体だけに限られない。蛍光体は、たとえば、Ceで付活されたYAl12やCeで付活されたTbAl12などの希土類でドープされたアルミネート系の蛍光体などを用いることもできる。封止部材1bは、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂やガラスなどの透光性材料中に蛍光体を含有したものを用いることができる。これにより、光源部1は、たとえば、LED1aからの青色光と、封止部材1bに含有された蛍光体からの黄色光との混色により、白色光などを放射させることができる。なお、LED1aは、青色光を放射するものだけに限られず、たとえば、紫外線を放射するものでもよい。この場合、封止部材1bの蛍光体は、青色光を吸収して黄色光を放射するものの代わりに、紫外線を吸収し、青色光を放射する青色蛍光体、緑色光を放射する緑色蛍光体および赤色光を放射する赤色蛍光体を用いるものでもよい。
【0021】
さらに、光源部1は、蛍光体を含有する封止部材1bを用いる代わりに、蛍光体を含有しない透光性材料で、赤色光を発光する赤色LEDチップ、緑色光を発光する緑色LEDチップおよび青色光を発光する青色LEDチップを覆った封止部材を用いた構成として、白色光を発光させることもできる。LEDチップは、リフロー半田付けなどにより、実装基板2の一表面2aaの導電体パターンに表面実装するとともに電気的に接続させることができる。なお、LED1aは、ベアチップとなるLEDチップだけでもよいし、LEDチップを合成樹脂などのパッケージで被覆させ外部に給電のためのリード端子が設けられた表面実装型発光ダイオードなどを用いてもよい。
【0022】
複数個のLED1aは、実装基板2の一表面2aa上に実装させており、各LED1aを実装基板2の一表面2aa側の導電体パターンを用いて電気的に直列接続、並列接続や直並列接続させてもよい。LED1aは、長尺の実装基板2の長手方向に沿って実装基板2の一表面2aa側に、平面視において、一直線状、マトリックス状や千鳥状など適宜に配置させてもよい。
【0023】
実装基板2は、複数個のLED1aを実装基板2の長手方向に実装できるように、長尺の板状に形成している。実装基板2は、たとえば、アルミナセラミック基板や窒化アルミニウム基板などのセラミック基板からなる絶縁性基板上に、金属材料(たとえば、Auなど)を用いた導電体パターンが形成されたものを用いることができる。また、実装基板2は、ガラスエポキシ樹脂基板や金属ベース基板などを用いることもできる。
【0024】
実装基板2は、LED1aと、実装基板2の一表面2aa上に設けられた導電体パターンの一部からなるダイパッド部とを、AuSn、半田や銀ペーストなどの接合材料を用いて接合することができる。実装基板2は、実装基板2の一表面2aa上に、導電体パターンを電気的や機械的に保護するため、合成樹脂などからなる保護膜を適宜に形成させてもよい。また、実装基板2は、実装基板2の一表面2aa側に白色塗装膜を形成させてもよい。実装基板2は、白色塗装膜により、LED1aからの直接光を効率よく反射させることもできる。また、実装基板2は、白色塗装膜により、カバー部3に設けられた後述の第1突条部3baからの反射光をカバー部3側に効率よく反射させることもできる。
【0025】
実装基板2は、LED1aが実装された一表面2aaと反対側の実装基板2の他表面2ba側に、LED1aを点灯するための点灯回路の回路部品を、半田などを用いて実装してもよい。実装基板2は、LED1aが実装された一表面2aa側の導電体パターンと、他表面2ba側の導電体パターン(図示していない)とを実装基板2の厚み方向に貫設した貫通配線(図示していない)を介して電気的に接続することができる。また、実装基板2は、一表面2aa側にLED1aと電気的に接続させる接続コネクタ2cを好適に備えることができる。LEDユニット10は、接続コネクタ2cに接続させる接続コード(図示していない)を介して、複数個の実装基板2を電気的に接続させて構成することもできる。
【0026】
カバー部3は、実装基板2を覆う断面がC字状の長尺な形状に形成している。カバー部3は、たとえば、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂により形成することができる。カバー部3は、LED1aが実装された実装基板2の一表面2aと対向する底部3c1を有している。カバー部3は、底部3c1の周囲を囲む実装基板2の長手方向に沿った側壁部3c2と、底部3c1の周囲を囲む実装基板2の短手方向に沿った側壁部3c3とを有している(図4ないし図7を参照)。カバー部3は、底部3c1と、一対の対向する側壁部3c2,3c2と、一対の対向する側壁部3c3,3c3とで、長尺の矩形箱状に形成している。すなわち、カバー部3は、底部3c1と、側壁部3c2と、側壁部3c3とを一体的に成形している。
【0027】
ところで、LED1aは、蛍光灯の1種である線状光源たる直管形蛍光管と比較すると、点状光源である。また、LED1aは、直管形蛍光管などと比較して指向性が強い光学特性を備えている。照明器具では、従来からの照明器具に用いられている直管形蛍光管の代わりに、単に、LED1aを直線状に並べて配置させたLEDユニットを使用するだけでは、発光むらが生じ易い。すなわち、LEDユニットは、複数個のLED1aを直線状に並べて配置させても、直管形蛍光管と同等以上の均一な発光を得ることが難しい傾向にある。
【0028】
そのため、カバー部3は、図1ないし図5に示すように、LED1aと対向するカバー部3の内面3b側に、カバー部3の短手方向(図1の紙面の左右方向)に沿った第1突条部3baをカバー部3の長手方向(図5の紙面の左右方向)に複数有している。また、カバー部3は、カバー部3の外面3a側に、カバー部3の長手方向に沿った第2突条部3aaをカバー部3の短手方向に複数有している。
【0029】
カバー部3は、第1突条部3baが、カバー部3の長手方向に沿ってLED1aと対向するカバー部3の内面3b側に形成されていることにより、内部反射による光の拡散を生じさせることができる。LEDユニット10は、カバー部3の内面3b側に形成された複数個の第1突条部3baで、LED1aからの光を内部反射などにより拡散した光L2、L3を生じさせる(図5を参照)。なお、光L3は、たとえば、LED1aからの光が第1突条部3baで反射され、実装基板2の表面で再反射などされた光を例示している。これにより、LEDユニット10は、複数個のLED1a間の間隙が暗くなることを抑制し、より均一な光を放射することが可能となる。
【0030】
また、カバー部3は、第2突条部3aaが、カバー部3の短手方向に沿ってカバー部3の外面3a側で形成されていることにより、LED1aからの光をカバー部3の短手方向に広げることができる。すなわち、LEDユニット10は、カバー部3の長手方向に沿って、カバー部3の外面3a側に形成された複数個の第2突条部3aaにより、LED1aからの光L1をカバー部3の短手方向に広がるように制御することが可能となる(図3を参照)。
【0031】
すなわち、カバー部3の第1突条部3baおよび第2突条部3aaは、LED1aからの光の指向性を緩和させ、より均一な光を放射させることができる。
【0032】
なお、LEDユニット10は、カバー部3に形成された第1突条部3baおよび第2突条部3aaの数が特に限定されるものではないが、LED1aからの光の指向性を緩和させ、より均一な光を放射できるように、適宜に調整すればよい。また、LEDユニット10は、カバー部3に形成された第1突条部3baおよび第2突条部3aaの形状を、LED1aからの光の指向性を緩和させ、より均一な光を放射できるように、適宜に設定すればよい。第1突条部3baは、たとえば、カバー部3の内面3bから窪んだ窪み部3bbから滑らかに立ち上がる形状とすることができる。第2突条部3aaは、たとえば、カバー部3の外面3aに凹状に窪んだ凹状部3abと滑らかに連続する突起状の形状とすることができる。
【0033】
カバー部3は、カバー部3の短手方向において、底部3c1が外側に向かって円弧状に湾曲している(図1を参照)。これにより、カバー部3は、LED1aからカバー部3の底部3c1に入射する光を、カバー部3の短手方向に屈折させてLEDユニット10から放射させることができる。言い換えれば、LEDユニット10は、LED1aからの光をカバー部3の短手方向に広がらせることが可能となる。
【0034】
カバー部3は、側壁部3c2において、放熱部材5の側片5bの外方へ突出した突起部5baと嵌合してカバー部3と放熱部材5とを結合させる嵌合凹部3caを有している。さらに、カバー部3は、側壁部3c2において、嵌合凹部3caの近傍に、放熱部材5に対して、カバー部3の位置を決め且つ、突起部5baを嵌合凹部3caへ誘う誘導部3cbを有している。誘導部3cbは、放熱部材5の側片5bに形成されている突起部5baを嵌合凹部3caへ押し込んでカバー部3と放熱部材5とを結合させる際、突起部5baの位置決めとして機能させることができる。また、誘導部3cbは、突起部5baを嵌合凹部3caへ押し込んでカバー部3と放熱部材5とを結合させる際、嵌合凹部3caへ誘い込む機能を果たすことができる。
【0035】
これにより、本実施形態のLEDユニット10は、カバー部3と実装基板2を保持する放熱部材5との結合を容易にし、LEDユニット10の組立を、より簡便にすることが可能となる。
【0036】
また、カバー部3は、上述のごとく、LED1aと対向するカバー部3の内面3b側に、カバー部3の短手方向に沿った第1突条部3baをカバー部3の長手方向に複数有している。また、カバー部3は、カバー部3の外面3a側に、カバー部3の長手方向に沿った第2突条部3aaをカバー部3の短手方向に複数有している。ここで、本実施形態のLEDユニット10におけるカバー部3は、カバー部3の側壁部3c2における第1突状部3baに嵌合凹部3caを設けている。LEDユニット10は、第1突状部3baに嵌合凹部3caを設けていることにより、カバー部3の側壁部3c2が平坦なものと比較して、突起部5baが側壁部3c2から突出する第1突状部3baに設けられた嵌合凹部3caと嵌合する嵌合代を多くすることが可能となる。
【0037】
なお、本実施形態のLEDユニット10に用いられるカバー部3は、長尺の矩形箱状に形成されたカバー部3だけに限られない。したがって、カバー部3は、図9に示すように、複数個(ここでは、2個)のカバー部位3A,3Bを連結させた長尺の矩形箱状のカバー部3で実装基板2を覆うものでもよい。
【0038】
図9に示すカバー部3は、カバー部3の長手方向に沿って、カバー部位3A,3Bを連結して構成している。カバー部3は、隣接するカバー部位3A,3B同士を連結する連結部3Aa,3Baが第1突条部3baの少なくとも一部を構成している。
【0039】
言い換えれば、カバー部3は、カバー部位3Aの端部が出っ張った雄部となる連結部3Aaと、対向するカバー部位3Bの端部が雌部となる連結部3Baとを連結する印籠継手のごとき構造を備えている。ここで、カバー部位3Aは、雄部の出っ張り長(3A1)を第1突条部3baの幅(3P)よりも若干短くしている。同様に、カバー部位3Bは、雌部の切り込み長(3B1)を雄部の出っ張り長(3A1)と略同じ長さとしている。さらに、カバー部位3Aとカバー部位3Bとが連結された連結部3Aa,3Baでは、カバー部位3A,3Bそれぞれにおける他の複数個の第1突条部3baの幅(3P)と同一の幅で連なった第1突条部3baを構成している。
【0040】
なお、LEDユニット10は、カバー部位3Aとカバー部位3Bとを連結した連結部3Aa,3Baにおいて、1個の第1突条部3baを構成させてもよいし、複数個の第1突条部3baを構成させてもよい。また、LEDユニット10は、カバー部位3Aとカバー部位3Bとを連結した連結部3Aa,3Baにおいて、第2突条部3aaがカバー部位3Aとカバー部位3Bに渡って連続するように構成している。カバー部位3Aにおける雄部の出っ張り長(3A1)と、カバー部位3Bにおける雌部の切り込み長(3B1)とは、第1突条部3baの幅(3P)と同一としてもよいし、長くすることもできる。
【0041】
これにより、LEDユニット10は、連結部3Aa,3Baが、第1突条部3baの少なくとも一部を構成しているので、カバー部3の内面に設けられた他の第1突条部3baと同等の光を放出させ、カバー部3全体として光の均一性を確保することが可能となる。また、LEDユニット10は、カバー部3を、複数個のカバー部位3A,3Bに分けて形成することができる。カバー部3は、透光性を備える必要があるため、一般に、使用する材料などにも制限が多い。そのため、カバー部3は、長尺状に長く形成させると、歪みなどが生じ易く量産性が低下する傾向がある。本実施形態のLEDユニット10は、長尺状のカバー部3を複数個のカバー部位3A,3Bに分けて形成することができるため、カバー部3全体の量産性を高めることが可能となる。ここで、カバー部3は、各カバー部位3A,3Bそれぞれの側壁部3c2,3c2において、突起部5baと嵌合してカバー部3と放熱部材5とを結合させる嵌合凹部3caと、放熱部材5に対して、カバー部3の位置を決め且つ、突起部5baを嵌合凹部3caへ誘う誘導部3cbとを有している。これにより、カバー部位3A,3Bと個別に放熱部材5を嵌合させやすくすることができる。
【0042】
ユニットカバー部4は、長尺状に形成しており、実装基板2と、実装基板2を保持する放熱部材5との間に設けることが可能なものである(図6および図7を参照)。ユニットカバー部4は、カバー部3側に向かって突出するユニット反射部4b,4bを、ユニットカバー部4の長手方向に沿って一対設けている。ユニットカバー部4は、ユニットカバー部4の主部4a側に実装基板2の他表面2ba側を配して、一対のユニット反射部4b,4bの間に実装基板2を配置している。また、ユニットカバー部4は、実装基板2が一対のユニットカバー部4,4それぞれを跨ぐように配置されており、隣接するユニットカバー部4,4には間隙を空けている。ユニットカバー部4は、たとえば、加工性に優れた樹脂材料(たとえば、PBTなど)により形成することができる。ユニットカバー部4は、樹脂材料を用いて射出形成などにより形成することができる。
【0043】
本実施形態のLEDユニット10では、樹脂材料により形成されたユニットカバー部4と、セラミック基板を用いた実装基板2との熱膨張率差により、ユニットカバー部4側の膨張が大きくなっても隣接するユニットカバー部4,4同士が接触しないように離間させている。これにより、LEDユニット10は、隣接するユニットカバー部4,4同士の接触でユニットカバー部4に歪みが生ずることを抑制させることが可能となる。これにより、LEDユニット10は、隣接するユニットカバー部4同士の接触でユニットカバー部4に歪みが生ずることを抑制させることが可能となる。なお、ユニットカバー部4は、長尺状のユニットカバー部4を形成しやすいように、複数個(ここでは、2個)に分けて形成させているが、1個であってもよい。また、ユニットカバー部4は、一対のユニット反射部4b,4bの間に実装基板2を当接して挟持させる構造としてもよい。
【0044】
ユニットカバー部4は、ユニットカバー部4の一対のユニット反射部4b,4b間に実装基板2を配置できるように、ユニットカバー部4の主部4aを実装基板2の外形よりも若干大きな矩形状としている。ユニットカバー部4は、ユニットカバー部4の樹脂材料の弾性を利用して、ユニットカバー部4の一対のユニット反射部4b,4bの間に実装基板2を当接させて挟持させることができる。
【0045】
なお、本実施形態のLEDユニット10では、実装基板2の一表面2aaにLED1aを実装するとともに、実装基板2の他表面2ba側に放熱部材5を当接させる構造としている(図1、図4および図6を参照)。そのため、ユニットカバー部4は、ユニットカバー部4の主部4aが放熱部材5の主片5aとLED1aの間に介装される。ユニットカバー部4は、主部4aと、主部4aの両端部(長手方向に沿った両端)側から実装基板2の一表面2aaに対して所定の角度(たとえば、45°)で立ち上がる一対のユニット反射部4b,4bとを一体に形成している。すなわち、ユニット反射部4は、LED1aから側方に放射される光を、カバー部3の底部3c1側となる前方に反射させる機能を備えている。ユニットカバー部4は、一対のユニット反射部4b,4bが主部4aから離れるにしたがって外側に開くように、実装基板2の一表面2aaに対して傾斜している。ユニットカバー部4のユニット反射部4bは、LED1aに対向する表面側がLED1aから放射される光を前方へ反射する反射面4baとなる。言い換えれば、LEDユニット10は、LED1aから実装基板2の短手方向に放射される光を底部3c1側に反射させるユニット反射部4bを、実装基板2の長手方向に沿って実装基板2の短手方向の両端側それぞれに備えている。
【0046】
LEDユニット10は、カバー部3の側面部3c2にまで第2突条部3aaを形成すると、LED1aからの光がLEDユニット10の背面側(図1の紙面の上側)に放射されやすくなる傾向にある。そのため、カバー部3は、図1に示すC字状の断面において、実装基板2の一表面2aaに対して傾斜する一対のユニット反射部4bの反射面4baにおける延長方向とカバー部3とが交差する交点間の範囲内のみに第2突条部3aaを形成させることが好ましい。LEDユニット10は、カバー部3の側面となる側壁部3c2にまで第2突条部3aaを形成させたものと比較して、LEDユニット10の背面側にLED1aから放射された光が広がることを抑制する。すなわち、LEDユニット10は、上記断面における、カバー部3の特定部位にのみ第2突条部3aaを形成していることにより、LEDユニット10から放射された光が有効に利用されない光のロスとなることを抑制することが可能となる。
【0047】
ユニットカバー部4は、ユニットカバー部4の主部4aが長尺状の放熱部材5の主片5a上に載置された状態において、放熱部材5の突条部位5aaが挿通される長孔状の挿通孔4aaを主部4aの中央に貫設している(図5、図6および図7を参照)。さらに、ユニットカバー部4は、ユニットカバー部4の長手方向の一端側に、放熱部材5の端部を塞ぐ壁部4eを突設している。また、ユニットカバー部4は、放熱部材5の主片5aに設けられた複数の位置決め孔5abにそれぞれ挿通される複数個(ここでは、4個)の位置決め突起4dを有している。位置決め突起4dは、ユニットカバー部4の短手方向(図7の紙面の左右方向)の両端部から放熱部材5側に突出する円柱形状に形成されている。位置決め突起4dは、ユニットカバー部4の長手方向(図7の紙面の上下方向)の両端部に配設されている。LEDユニット10は、ユニットカバー部4の位置決め突起4dが、放熱部材5の主片5aに貫設している位置決め孔5abそれぞれに挿通する。また、LEDユニット10は、ユニットカバー部4の主部4aに設けられた挿通孔4aaに、放熱部材5の突条部位5aaが挿通される。これにより、LEDユニット10は、放熱部材5に対してユニットカバー部4が位置決めされる。
【0048】
また、ユニットカバー部4は、位置決め突起4dと反対向き(図6の紙面における下向き)に突出する円柱状の突起4cが各位置決め突起4dと一体的に形成されている。突起4cは、LED1aが実装された実装基板2を、前方および側方から覆うカバー部3を支持することができる。ユニットカバー部4は、ユニット反射部4bの反射面4baと反対の面側から外向き(主部4aから離れる向き)に突出する係止爪4fが突設されている(図7を参照)。ユニットカバー部4は、係止爪4fが放熱部材5の側片5bに設けられている係止孔(図示していない)に挿入係止される。これにより、LEDユニット10は、放熱部材5とユニットカバー部4との抜け止めがされる。なお、ユニットカバー部4の突起4cは、カバー部3を支持する機能を備えたものだけに限られない。突起4cは、ユニットカバー部4にLEDユニット10を係止した後、LEDユニット10と放熱部材5とが密着するように、熱により突起4cを塑性変形させて固定する機能を備えたものでもよい。同様に、位置決め突起4dは、位置決め孔5abに挿通した位置決め突起4dを熱により塑性変形させて、ユニットカバー部4と、放熱部材5とを固定させることもできる。
【0049】
放熱部材5は、実装基板2の長手方向に沿って長尺状に形成している。放熱部材5は、ユニットカバー部4を介して、実装基板2からの熱が放熱できるように、実装基板2の他表面2abを保持している。より具体的には、放熱部材5は、断面がH字状であって、長尺状に形成されている。放熱部材5は、ユニットカバー部4を介してLED1aが実装された実装基板2を載置される主片5aと、主片5aの両端部(長手方向に沿った両端側)より主片5aの厚み方向に延びる一対の側片5b,5bとが一体に形成されている。放熱部材5は、熱伝導度の高い材料として、たとえば、アルミニウム材料を用いて形成することができる。放熱部材5は、アルミニウム材料の板材の折り曲げ加工によって形成することができる。また、放熱部材5は、実装基板2を介してLED1aからの熱を放熱させるため、長手方向に沿って主片5aの一表面側に突出する複数個(ここでは、2個)の突条部位5aaを設けている。
【0050】
取付部材6は、断面がC字状の長尺な板状に形成されている。取付部材6は、長尺矩形状の底板6aと、底板6aの長手方向に沿った両端より放熱部材5側に立ち上がる一対の側板6bとを備えている。取付部材6は、鋼板などの金属板の折り曲げ加工により形成している。取付部材6は、放熱部材5の側片5b,5b間に収納された状態で放熱部材5に固定される。なお、取付部材6は、取付部材6の底板6aの長手方向の両端側に螺子孔6abを設けている。また、放熱部材5は、放熱部材5の主片5aの長手方向の両端側に螺子挿通孔5acを設けている。LEDユニット10は、放熱部材5の螺子挿通孔5acと取付部材6の螺子孔6abとを、固定螺子(図示していない)により螺合することで固定することができる。LEDユニット10は、固定螺子を用いて取付部材6と放熱部材5とを固定するものだけに限られない。LEDユニット10は、取付部材6に設ける、かしめ爪6cと放熱部材5に設けた受け部(図示していない)とをかしめることで固定してもよい。さらに、取付部材6は、取付金具8を用いて、器具本体11側と電気的に接続するためのレセプタクルコネクタ7が取り付けられている。
【0051】
レセプタクルコネクタ7は、実装基板2の導電体パターンなどを介して、LED1aへ給電させる電線(図示していない)が接続される接続端子部7aと、器具本体11側のプラグコネクタ(図示していない)が差し込まれるコネクタ接続部7bとを有している(図6、図7および図8を参照)。プラグコネクタは、器具本体11側に設けた点灯装置(図示していない)に接続されており、レセプタクルコネクタ7がプラグコネクタと挿抜自在に差し込みして接続することが可能に構成されている。すなわち、LEDユニット10は、プラグコネクタと、レセプタクルコネクタ7とが差込して接続されることで、器具本体11側の点灯装置とLED1aとが電気的に接続される。なお、LEDユニット10は、器具本体11側の点灯装置とLED1aとが電気的に接続できればよく、器具本体11側をレセプタクルコネクタとし、LEDユニット10側をプラグコネクタとした構成でもよい。また、点灯装置は、図示していないが、たとえば、外部の商用電源(図示していない)から供給される交流電流を整流した後に、平滑化して直流電流を出力する整流平滑部と、整流平滑部から出力された直流電流を、一定の定電流値に保ってLED1a側に供給する定電流電源部とを有する構成とすることができる。
【0052】
LEDユニット10は、外部の商用電源などと電気的に接続された器具本体11側の点灯装置を介してレセプタクルコネクタ7に接続させる。LEDユニット10は、レセプタクルコネクタ7からユニットカバー部4に貫設された図示しない貫通孔に電線(図示していない)を通してLED1aに給電可能としている。
【0053】
取付金具8は、レセプタクルコネクタ7を保持する矩形枠状のコネクタ保持部8aを有している。また、取付金具8は、コネクタ保持部8aの端部より曲げ起こされた略台形状の支持部8bと、支持部8bの先端より突出する一対の固定爪8cとを有している。取付金具8は、たとえば、鋼板などの金属板の折り曲げ加工によって一体に形成することができる。取付金具8は、取付金具8の固定爪8cが、取付部材6の底板6aの端部に形成されている一対の固定溝6aaに挿通される。また、取付金具8は、取付金具8の支持部8bに貫設する螺子挿通孔8dに挿通された螺子(図示していない)が、取付部材6の底板6aの長手方向両端に形成されている螺子孔6abに螺合することで、底板6aに固定される。
【0054】
次に、本実施形態のLEDユニット10の組立手順について説明する。
【0055】
LEDユニット10の組立にあたっては、まず、LED1aが実装された実装基板2を一対のユニットカバー部4の各主部4aの載置面に載置させる。LEDユニット10は、かしめや接着などの適宜の方法により、各ユニットカバー部4と実装基板2とが結合される。このとき、LEDユニット10は、ユニットカバー部4の載置面に載置された実装基板2が、長手方向に沿ってユニットカバー部4と当接することで、ユニットカバー部4と実装基板2との位置ずれを抑制させることができる。
【0056】
続いて、LEDユニット10は、LEDユニット10の組立において、実装基板2を載置したユニットカバー部4が、放熱部材5の主片5aに取り付けられる。ユニットカバー部4は、ユニットカバー部4の係止爪4fが放熱部材5の側片5bに設けられている係止孔に挿入係止され、ユニットカバー部4が放熱部材5に対して抜け止めされる。そして、LEDユニット10は、取付金具8によってレセプタクルコネクタ7が取り付けられた取付部材6が放熱部材5に固定される。
【0057】
最後に、LEDユニット10は、LEDユニット10の組立において、カバー部3の底部3c1をLED1aに対向させる向きで、放熱部材5にカバー部3を被せる。ここで、LEDユニット10の組立にあたっては、放熱部材5の突起部5baと、カバー部3の誘導部3cbとの位置を合わせる。続いて、LEDユニット10では、放熱部材5の側片5bに形成されている突起部5baを嵌合凹部3caへ押し込む。これにより、LEDユニット10では、カバー部3と放熱部材5とを結合させることが可能となる。なお、誘導部3cbは、嵌合凹部3ca向かって徐々に窪みが小さくなる凹所形状となっており、突起部5baを嵌合凹部3caへ誘い込む機能を果たすことができる。本実施形態のLEDユニット10は、上述のごとく、LEDユニット10の組立を、より簡便に行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0058】
1a LED
2 実装基板
2aa 一表面
2ba 他表面
3 カバー部
3a 外面
3aa 第2突条部
3b 内面
3ba 第1突条部
3c1 底部
3c2 側壁部
3ca 嵌合凹部
3cb 誘導部
5 放熱部材
5a 主片
5b 側片
5ba 突起部
10 LEDユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDと、長尺の板状に形成され複数個の前記LEDを長手方向に沿って一表面側に実装する実装基板と、該実装基板の前記一表面と対向する底部と該底部から前記実装基板側に延出する側壁部とを備え前記実装基板を覆う断面がC字状の長尺な透光性のカバー部とを有するLEDユニットであって、
前記実装基板は、該実装基板の長手方向に沿って長尺状で前記実装基板からの熱を放熱する放熱部材に前記実装基板の他表面側が保持されており、
前記放熱部材は、前記カバー部に収容され前記実装基板の前記他表面側と当接する主片と、前記長手方向に沿って前記主片の両端部から前記主片の厚み方向に延びる一対の側片とを備え、一対の前記側片の各々には、前記側片の外方へ突出する突起部を備えており、
前記カバー部は、前記側壁部において、前記突起部と嵌合して前記カバー部と前記放熱部材とを結合させる嵌合凹部と、前記放熱部材に対して、前記カバー部の位置を決め且つ、前記突起部を前記嵌合凹部へ誘う誘導部とを有することを特徴とするLEDユニット。
【請求項2】
前記カバー部は、前記LEDと対向する前記カバー部の内面側に、前記カバー部の短手方向に沿った第1突条部を前記カバー部の長手方向に複数有し、且つ前記カバー部の外面側に、前記カバー部の長手方向に沿った第2突条部を前記カバー部の短手方向に複数有しており、前記カバー部の前記側壁部における前記第1突状部に前記嵌合凹部を設けていることを特徴とする請求項1に記載のLEDユニット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−98513(P2013−98513A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243103(P2011−243103)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】