説明

ウラボシ科植物の増産方法

【課題】シダ植物の胞子の簡単な発芽方法と量的生産及び鑑賞価値を向上する栽培方法と装置を提供する。
【解決手段】殺菌した発芽用容器に殺菌した植物繊維を設け、これに請求項1乃至請求項9記載の何れかの胞子を播き、これを水を入れた水槽の水面と前記容器の底面が3乃至5センチメートルの間隔に調整し、これを透明体ビニール袋に封入密閉して、明るい日陰に設置した、発芽工程から植物体へと変化する期間を静観して、以後、発芽苗を、生育工程、育成工程、成育工程えと移植して育てた成育苗を鑑賞工程へと植え付けて、鑑賞価値を向上する工程と土壌に移植して産業用として増殖生産する、シダ植物の増殖生産方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウラボシ科の植物を胞子から増産する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開2001−69850号公報(以下、特許文献1という)の、請求項1に「殺菌した冬虫夏草栽培用培地に冬虫夏草菌を接種する工程、冬虫夏草菌を前記栽培用培地に蔓延させる培養工程、冬虫夏草を発生させる発芽工程、発生した冬虫夏草を1500ppm以上の炭酸ガス濃度を含有する栽培環境下で生育させる生育工程を経て栽培することを特徴とする冬虫夏草の栽培方法。」という記載がある。
培地として(冬虫夏草用培地)は、「冬虫夏草用培地割麦15gとサナギ粉3gと水30ccを混合し121℃で15分殺菌してから室温になるまで放置し、その後無菌状態で滅菌シャーレに充填した。(特許文献1の第0008実施例1)」という記載もある。
【0003】
特開平10−66408号公報(以下、特許文献2という)の、請求項1に「耕作土壌に種子または胞子を播与した後、当該種子、胞子、苗を除く耕作土壌面にあって、水による古紙の分散懸濁液を塗布し、または当該分散縣濁液を漉き具に流入して乾燥することにより得た漉き延べ板を敷き、これに敷き水を与えることにより定着させるようにしたことを特徴とする古紙を利用した種子または胞子の植え付け方法。」という記載がある。
【0004】
特開平5−153851号公報(以下、特許文献3という)の、請求項1に「水捌け及び通気性の良い和紙等にコケやシダの胞子を含有した胞子含有シートを用い、該胞子含有シートを日陰で水捌けが良くコケやシダの生育に適した場所を選んで敷設し、適度に水を与えて発芽させ、コケやシダを生育させることを特徴とするコケの栽培方法。」という記載がある。
【0005】
特表2002−516575号公報(以下、特許文献4という)の、請求項1に「植生支持体を形成するもつれた有機繊維からなるマットを含む植生支持体であって、支持基材は該マットの空洞中に導入され、そして発芽し得る植物材料、特に種子、胞子などを介して、該マットの上側への適用により緑化され、そして該マットの繊維は該マットからのずれに対して保護されている植生支持体であって、ここで、該マット(12)の該繊維(14)がココヤシ繊維であり、そして該マット(12)からの該繊維(14)のずれに対する保護が植物適合性結合剤(28)であり、該結合剤が該表面の少なくとも一部の繊維(14)に塗布されており、そして該結合剤を介して該マット(12)の繊維(14)が少なくとも部分的に互いに接着されている、植生支持体。」という記載がある。
【0006】
【特許文献1】 特開2001−69850号公報
【特許文献2】 特開平10−66408号公報
【特許文献3】 特開平5−153851号公報
【特許文献4】 特表2002−516575号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の培地では、発芽工程並びに生育工程の培地として、保水性並びに植物体に移行した際の植物体の支持機能に問題がある。育成環境は、シャーレ囲いの中で、炭酸ガス雰囲気という特殊な条件である。
【0008】
特許文献2に、耕作土壌に胞子を播いた後古紙の分散懸濁液を塗布することで胞子の発芽に対する影響発芽率、例えば塗布された古紙の分散懸濁液で胞子を追う、又は古紙の分散懸濁液の表面が乾燥した場合又は、漉き延べ板に敷き水を与えることで胞子の流失や漉き延べ板の表面が乾燥した場合の胞子の発芽率の問題点がある。
【0009】
特許文献3には、適度に水を与える際に胞子の流失の問題点と和紙の乾燥による発芽率及び生育期間中の保水にも問題がある。育成環境は、大まかに庭である。これを特定してコケの生えやすい場所としている。
【0010】
特許文献4記載のマット(培地)はココヤシの繊維と結合剤で構成されてされていて灌水の際の胞子の流失及び保水性植物体の支持機能に問題がある。育成環境は、通常の道路斜面などであり、ウラボシ科植物に適さない。
【0011】
本願発明は、市場の激しい条件にも耐える、観賞用として長期間新鮮で人の心にも安らぎをもたらし、他にも利用価値を生み出す優良植物、ウラボシ科植物の、自然に消滅していく数限りない量の胞子を効率よく発芽させて、生育させ、成長させて、優良の品種を選別増産する等の課題を解決するものである。
本願発明の植物繊維を設けた発芽用容器と水槽を一体に備えた強制発芽装置を用い、発芽工程中には灌水する必要が無く、胞子の流失を防ぎ、発芽率の向上を実現し、更に生育工程においても間接潅水を実現して、植物繊維の持つ保水性とあいまって、作業効率の向上を図り、そして胞子が植物体に移行した際の植物体の支持機能も充分であり、発芽工程、生育工程、育成工程、さらに必要ならば鑑賞工程が順調に進行するような条件および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願発明者は、鋭意研究の結果、給湿用の水槽と植物繊維を設けた発芽用容器とを組み合わせ、この容器の底面と水槽の水面との間に空間を有することで、湿度の循環作用を生じせしめ、適度の温度と適度の湿度と適度の光を胞子に与えることで胞子の発芽を促進し、胞子を効率よく発芽させる新規な湿度循環式発芽用容器を備えた強制発芽装置ならびに増産方法の発明を完成し、上記課題を解決した。
【0013】
本願発明は、続けて生育工程、育成工程及び鑑賞工程を充実させるに至った、間接的に潅水することで、胞子に対して湿度の循環を有効に作用させることを実現し、胞子の流失を防ぎ、発芽率を高め、給湿循環式育苗装置、などにより各工程においても管理作業の効率化を図った。
【0014】
即ち、本発明は、殺菌した植物繊維に水が滴り落ちない程度に湿度を与え、これを発芽用の容器に敷設し、この上にウラボシ科植物の胞子を播き、この発芽用容器の底面と水槽の水面との間を3〜5cmの空間を設け、水槽と容器を組み合わせる。これら全体を透明体または半透明体で一定の空間を形成して覆うことにより、適度の温度と適度の湿度と適度の光を与える。湿度と封入された空気が循環する。この湿度及び空気の循環作用により胞子の発芽が促進され、胞子を効率よく発芽し、さらに新規な発芽・生育・育成方法を実現したものである。
【0015】
さらに、発芽・生育したウラボシ科植物の苗を、湿度循環式育苗装置、給湿空洞ブロックを用いて養生し、育成する。
【0016】
本発明のエゾデンタ属は 羊歯植物門、しだ目、ウラボシ科に属する植物である。ノキシノブ(Polypodium thunbergianusまたはLepisorus thunbergianus)、アオネカズラ(Polypodium nlponicumまたはMarginaria niponica)、ミヤマノキシノブ(Polypodium ussuruenseまたはLepisorus usseriensis)、ミツデウラボシ(Polypodium hastatumまたはPhymatopsiahastataまたはCrypsinus hastatus)、トモアオネカズラ(Polypodium amoenum)、ニセアオネカズラ(Polypodium pseudo−amoenum)、オオエゾデンダ(Polypodium vulgale)などの植物が挙げられる。
【0017】
本発明のチャセンシダ属は、羊歯植物門、しだ目、ウラボシ科に属する植物である。コタニワタリ(A.sclopendium L.)、オオタニワタリ(A.antiquum Makino)、シマオオタニワタリ(A.nidus L.)、リュウキュウトリノスシダ(A.australasicum(J.Sm.)Hook.)、クスモノシダ(A.ruprechtii Kurata)、ホコガタシダ(A.ensiforme Wall.ex Hook.et Grev.)、フササジラン(A.griffithianum Hook.)、イチョウシダ(A.ruta−muraria L.)、クルマシダ(A.wrightii Eaton ex Hook.)、マキノシダ(A.loroceum Christ ex C.Chr.)、ムニンシダ(A.polyodon Forst.)、ナンカイシダ(A.micantifrons(Tuyama) Tuyama ex H.Ohba)、オトメシダ(A.tenerum Forst.)、ヒノキシダ(A.prolongatum Hook.)、コウザキシダ(A.ritoense Hayata)、コバノヒノキシダ(A.sarelii Hook.)、トキワトラノオ(A.pekinense Hance)、トキワシダ(A.yoshinagae Makino)、オオバノヒノキシダ(A.trigonopterum Kunze)、オオトキワシダ(A.laserpitiifolium Lam.)、アオガネシダ(A.wilfordii Mett.ex Kuhn)、オクタマシダ(A.pseud−wilfordii Tagawa)、イワトラノオ(A.teniucaule Hayata)、ヒメイワトラノオ(A.capillipes Makino)、トラノオシダ(A.incisum Thunb.)、アオチャセンシダ(A.viride Huds.)、チャセンシダ(A.trichomanes L.)、イヌチャセンシダ(A.tripteropus Nakai)、カミガモシダ(A.oligophlebium Baker)、ヌリトラノオ(A.normale D.Don)、クロガネシダ(A.coenobiale Hance)、ウスバクジャク(A.cheilosorum Kunze ex Mett.)、ウスイロホウビシダ(A.subnormale Copel.)、ラハオシダ(A.exiscum Presl)、ヤクシマホウビシダ(A.filipes Copel.)、ホウビシダ(A.hondoense Murakami et Hatanaka)、ナンゴクホウビシダ(A.cataractarum Rosenst.)、タイワンホウビシダ(A.apogamum Murakami et Hatanaka)、ヒメタニワタリ(A.cardiophyllum (Hance) Baker)、ウンナンテツカクケツ(A.yunnanense Franch.)などの植物が挙げられる。
【0018】
本発明のウラボシ科植物の増産方法は、ウラボシ科の植物を胞子から発芽させ鑑賞用および/または産業的生産用として増殖し、育成する方法であって、殺菌した植物繊維を有する発芽用容器を備えた強制発芽装置を用いる発芽工程と、土壌と植物繊維を有する育苗装置を用いる生育工程と、鑑賞用として成形及び活着補助体に植物繊維を介して植え付ける工程及び育苗ポット又は育苗トレーに植え付ける育成工程とを含む工程を特徴とするウラボシ科植物の増産方法である。
本発明のウラボシ科植物の増産方法は、殺菌した植物繊維を敷き詰めた湿度循環式発芽用容器の底面が水槽の水面から3〜5cm離れており、湿度85〜100%、温度20〜30度C、遮光50〜70%の遮光で、日照時間3〜5時間/日で増殖する発芽工程であるものが好ましい
さらに、間引いた発芽胞子苗を土壌と植物繊維を有する育苗ポットおよび/または育苗トレーに移植し、湿度循環式の育苗装置に入れて育苗する生育工程であるウラボシ科植物の増産方法も本発明に含まれる。
【0019】
本発明のウラボシ科植物の、成育工程においては、根又は気根が2〜3cmに生育した苗を、根部又は気根部を補助体の上部に植物繊維を介して、包み込む処理を施して、土壌又は植物繊維を有するポット又は育苗トレーに植え替えて、湿度循環式育苗装置に設置して、肥培管理を施して、育成する工程を特徴とするウラボシ科植物の増産方法である。
【0020】
本発明のウラボシ科植物の、鑑賞工程において、鑑賞用の枯れ木、気泡岩石及び非着生体の所定の場所に活着保持材を設置し、これに成苗の根部又は気根部を着生することにより噴霧および/または給湿の装置のみ、更に自然空間で育成する、ウラボシ科植物の増産方法である。
【0021】
本発明のウラボシ科植物の、観賞用としての、育成工程において、水盤用として、非着生体に給湿用芯材を備えて構成される給湿用芯材付け非着生体も本発明に含まれる。
【0022】
本発明の増産方法は、ウラボシ科植物がエゾデンタ属、チャセンシダ属の胞子から発芽して鑑賞用又は産業的生産用として、土壌栽培を施すものである。
【0023】
本発明の増産方法は、ウラボシ科のエゾデンタ属の植物がノキシノブ、アオネカズラ、ミヤマノキシノブ、ミツデウラボシ、トモアオネカズラ、オオエゾデンダの胞子に適用するものである。
【0024】
本発明の増産方法は、チャセンシダ属の植物がコバノヒノキシダ、オオバノヒノキシダ、トラノオシダ、ヒメイワトラノオ、トキワシダ、チャセンシダ、オオタニワタリ、シマオオタニワタリ、ハネチャセンシダ、ヤクシマホウビシダ、タイワンホウビシダ、ウンナンテツカクケツの胞子に適用するものである。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように本発明により、胞子の発芽率の向上を図り、市場の要請による胞子植物の苗を充分に提供できるようになった。更に鑑賞用として一般的花物のように季節的でなく、ある一定の期間この植物の持つ素質と優雅な成長振りを鑑賞し、このことを通じて人の心の癒しに役立つ、特に小さい石の上でも大きな葉をつけ続けることができる。
更に、発芽工程と、生育工程と、育成工程など各工程の管理作業を軽減して、楽な増産ができるようになる。
【0026】
本願発明は、ウラボシ科植物を鑑賞用として利用する場合は、耕作の邪魔になる畑の、つまり、産業廃棄物である岩石(石ころ)や野や山に散らばる木片(古木片)を用いて、この植物の住処とすることができる。量産又は産業的生産が必要な場合にはブロックを作成して、これに本植物を植え付けて鑑賞する。尚この植物を芸術的作品又は石や木片を利用した盆栽に取り付けて楽しむこともできる。
【0027】

【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
〔発芽工程〕
図1を示して説明すると。
用意する物として
(1) 強制発芽装置
(2) 水苔又は植物繊維
(3) 発芽用容器又は容器の底
(4) 水槽
(5) 水又は水面
(6) 胞子
(7) 透明体ビニール袋
(8) 透明体ビニールシート
(9) 紐
(10) 支柱
(11) 地面
【0029】
本願発明の実施の形態の、発芽工程に於ける、強制発芽装置(1)の斜視図、図1及び断面図、図2を示してを示して詳細に説明する。
先ず、強制発芽装置(1)の構成を述べると、殺菌した植物繊維(2)に水が滴り落ちない程度に湿度を与え、これを発芽用容器(3)に敷設する、そして水(5)を入れた水槽(4)の水面(5)と、先に植物繊維(2)を敷き設した発芽用容器(3)の底面(3)とが3〜5cmの空間を有する程度に水槽(4)の水面(5)を調整する、そして先に敷き設した植物繊維(2)の上に、次のような方法で胞子(6)を播く、この際播かれる胞子(6)は請求項1乃至請求項9で播かれる何れかの胞子(6)であるが、この度実験に使用した胞子(6)はチャセンシダ属のウラボシ科に属するシマオオタニワタリの胞子(6)を利用した、ここで胞子(6)の播き方を述べると、完熟した胞子(6)の有する葉を用意して、これの胞子(6)のついた葉の裏面を前記容器(3)に敷き設した植物繊維(2)の方に向けて、約30cm程度離して片方の手で持つ、そして片方の手で小さい棒を持ち、葉の表の中心部にある芯をこつこつと叩く、この胞子(6)を植物繊維(2)の全面に繰り返して満遍なく播く、そして、この強制発芽装置(1)がすっぽり入れる、透明体ビニール袋(7)又は透明体ビニールシイト(8)の底に置き、一定の空間を形成して、上縁部(開口部分)を紐(9)で縛り、この紐(9)を支柱(10)に吊るす。
これは袋(7)内部に空間を形成するためであり、装置自体は地面(11)に設置する、そして、おき場所としては、1日に2〜3時間程度の木漏れ日の当たる木陰が最適当であるが、内部の温度を20度〜30度以内に調整する必要があり、明るい日陰の場所で前記条件にあえば何処でも発芽させることができる。
【作用】
【0030】
〔発芽工程に於ける作用〕
本願発明の実施の形態に於ける、発芽工程の作用に付いて述べると、前記強制発芽装置(1)は適度の温度を受けて封入された空気が装置内において対流を発生する、これと同時に湿度も静かな対流と成る、この循環作用によって、胞子(6)の発芽が促進される。
以上述べた作用による、本、発芽工程に於ける、胞子(6)の発芽の変化について、これをを詳細に述べると、今回は、チャセンシダ属のシマオオタニワタリの胞子(6)を用いて発芽試験を実施した、目視で、小さな茶色っぽい点程の胞子(6)は、顕微鏡で観察すると、前後にエビのしっぽをくっけた様な小さな虫のように見える、これが図5の胞子(6)である、そしてこれは、前記〔発芽工程〕で説明・設置した、強制発芽装置(1)内に播き設した胞子(6)は、気温にも関係すると思われるが数ヶ月を経過した頃から表面の色が変化する、見方にも依ると思われるが、濃い水色のゼリーの粉を降り播いた様に目視することができる、これが胞子(6)の発芽の初期の状態である、そして顕微鏡で観察すると透き通った二枚貝の様に見える、これが胞子(6)の発芽変化した初期状態である、これが図6の発芽初期の藻(106)である(以後、胞子(6)が発芽して藻の状態に変化した藻を藻(106)と云う)そして、これから藻の状態えと変化生長していく、そして藻(106)の状態に変化した頃から藻(106)の上部に常時露を溜めて、更に藻は生長していく、そして、この頃からは目視で藻(106)の状態を見ることもできる様になる、そして約5〜8ミリぐらいに生長し、中心部に丸い窪みを形成し、ここに常時露を溜めて植物体えと生育、促進をしている自然的現象の様子も見ることができる、尚、顕微鏡で観察すると藻(106)の透き通った両端は黒いネット状の筋が形成されている、これが図7の藻(106)である、Aは目視に依る藻(106)の状態、Bは顕微鏡観察による藻(106)の状態である、そして、これから徐々に藻が縮れて植物体即ち、葉と根が目視できるようになる、これが図8の植物体の初期の状態、即ち苗の始まりで有り、この植物体初期の状態を(以後、幼苗(206)と云う)以上が本願発明の作用による胞子(6)の発芽の経過を述べたものである。
そして更に、幼苗(206)は強制発芽装置(1)内に於いて生長を続け、葉面が約1,5〜2cm程度に生長した頃から、間引いて植物繊維(2)を設けた、育苗トレー(122)又は育苗ポット(123)に移植する、そして、これを湿度循環式育苗装置(111)に設置して育てる。
【0031】
本願発明の湿度循環式育苗装置(111)を図3に示して、生育工程、又は、他の各工程に於いて利用する、本、湿度循環式育苗装置(111)の詳細を述べると、先ず設置する設置場所として直射日光の当たらない、できれば木陰で明るい場所などがあれば、木陰のほうが良いが、これに準じて決める、そして平らにした地面(112)に水(113)を入れた水槽(114)を必要量設置する、これの上に簀状の棚(115)を形成し、更に給水用として水槽(114)の上部にパイプ(116)を設置する、そして、このパイプ(116)の水槽(114)の上部に当たる場所に給水用穴(117)を水槽(114)に向けて形成する、そしてこのパイプ(116)を止め水栓(118)を介して水道パイプに接続し、このパイプ(116)の他方に止め水キャップ(119)を設け、そして簀の子状棚(115)を囲むように支柱(120)を設置する、この支柱(120)をスッポリ覆うように透明体ビニールシート(121)でこの湿度循環式育苗装置(111)を覆う、そして、この透明体ビニールシート(121)の一方(向こう側)と両脇を地面(112)に固定する、他方(手前)から育苗トレー(122)や育苗ポット(123)の出し入れをする、この際育苗トレー(122)や育苗ポット(123)の設置時には充分に潅水して設置する、更に出し入れ終了後は、透明体ビニールシート(121)の手前の方も地面(112)に固定する、これが本願発明の生育工程及び育成工程、成育工程、更に鑑賞工程に於いて利用する湿度循環式育苗装置(111)である。
ここで、この湿度循環式育苗装置(111)の管理について述べると常時の潅水の必要はないが、内部の温度10℃〜30℃を超えないように調整し、更に水槽(114)の水を切らさないように注意し、更に内部の湿度を保つように管理する。
【0032】
〔生育工程〕
ここで、前記作用で述べた胞子から発芽して植物体に生長した幼苗(206)が発芽用容器(3)の全面にシマオオタニワタリの葉面が5ミリ乃至1cmに育った頃、この発芽用容器(3)を透明体ビニール袋(7)から出して、前記に製作した、湿度循環式育苗装置(111)に設置して、肥培管理などを施しながら更なる生長を促進する。
【0033】
〔育成工程〕
ここで、湿度循環式育苗装置(111)を利用した育成工程について述べると、発芽苗、幼苗(206)が生育工程に於いて更に生長して葉面が約2〜3cmに育った頃、発芽用容器(3)から間引いて、植物繊維(102)を設けた育苗トレー(122)又は育苗ポット(123)に移植する、移植の方法は、幼苗(206)は幼苗であるので丁寧に扱う、先ず間仕切られた、育苗トレー(122)に植物繊維(102)を詰めて、これの中心部にピンセット等を利用して挿すように植え付けていく、そして、これには充分潅水して、この育苗トレー(122)を湿度循環式育苗装置(111)に設置して肥培管理等施して成長を促進する、そして、手前の方の透明体ビニールシート(121)の裾を地面(112)に密着するように固定する。
この際、更に今後の管理について述べておく、温度管理は10度乃至30度を基準に調整すること、毎日の潅水の必要はないが水槽(114)の水を切らさないことである。
【0034】
〔成育工程〕図9を示して説明すると
生育工程に使用する場所と装置は湿度循環式育苗装置(111)と同じで、これを例にして説明すると、観賞用として育てるには根又は気根部の形が大事である、この植物は石や木片に着生して育つ植物であるから根の部分をできるだけ太く育てる必要がある。
非着生体、即ち、石や木片やブロックに簡単に取り付けができるように、育てる時から準備して育てる必要がある、そのために、育苗ポット(123)又は育苗トレー(122)の間仕切りは、大きい目のものを使用して、次のような工作をする、生育工程で育てた幼苗(206)を、利用して更に目的にあった成苗に育てる方法であって、(以後、この苗を成苗(306)と云う)そして、前記育苗トレー(122)から取り出した成苗(306)の植え付けについて、図9に示す様に、成苗(306)の根部分、下部を少し広げ、又は曲げて、化学繊維ブロック(311)の先端部に、押しつける様にして、そしてこれを水苔など植物繊維(102)で適当な大きさに包むように丸めて、これを植物繊維製の紐(309)を利用して軽く縛る、そして育苗ポット(123)又は適当な育苗トレー(122)に詰める、又は普通のかごトレーなどに入れて前記湿度循環式育苗装置(111)で育て、こうして育てた成苗を以後大苗(316)と云うる。
【0035】
〔鑑賞工程〕 図10、図11を示して説明すると、 本願発明の、胞子から発芽工程、生育工程、育成工程、成育工程を経て、そしてシダ科植物を観賞用として育てるための最終工程である鑑賞工程で、非着生体、即ち、空洞ブロック、岩石や枯れ木又はブロックに着生させる工程であるが、これは成育工程で育てた健全な苗、大苗(316)を非着生体である、空洞ブロック(320)及び、気泡岩石(339)や、木片(331)やブロック(332)と一体になって鑑賞され、人々の心の癒しに役立つ物でなければいけない、このことを念頭に次の作業を実施する。
本願発明の、空洞ブロック(320)(以後、この空洞ブロックを空洞ブロック(320)と云う)を利用して鑑賞工程の実施例を示す、先ず、この空洞ブロック(320)の構造を述べると下部を広げ転倒し難い様にしてあり、内部が空洞(321)にしてあり、そして上部に芯材取付用穴(322)と活着保持材取付穴(323)を複数が設けてある、そして今回は、芯材取付穴(322)に芯材(324)を取付、そして上部の保持材取付穴(323)に複数の杭(325)を設け、そして上部に、アスファルトプライマー(338)を塗布して、これに植物繊維(102)を適宜に設けてある、これに先の図9で実施して育てた苗、大苗(316)を、先に設けた杭(325)に差し込み、更に植物繊維(102)を利用してブロック(320)と大苗(316)の間の隙間や成形をして、これを植物繊維製の紐(329)で軽く縛る、これが図10であり、これの断面図が図11である、これを湿度循環式育苗装置や自然環境や又数時間の日光浴など繰り返しながら、非着生体付けシダ植物の観賞価値を高める、こうして出来上がったブロック付けシダを水盤に置いて観賞する。
【0036】
本願発明の胞子発芽植物を植え付ける、植え付け体、即ち非着生体として何に着けた方が良いか、これが問題である、ここで非着生体を列記する。
非着生体として次の物が上げられる。
1 空洞ブロック(320)
2 岩石(330)又は気泡岩石(339)
3 木片(331)
4 ブロック(332)
この植物シマオオタニワタリ(16)は石の上に置くだけで自然に活着するが、活着するまでに半年から1年かかるのでその間、風やその他の関係で動くと折角石や木に張りかけた根がはがされてしまい活着し難いので人工的に本植物の活着を助ける必要がある。
そこで、補助体(311)及び活着保持材を使用して、これの活着を助ける様にした。
ここで、図9・図10・図11・図12・図13・図14記載の保持材を列記する。
イ 釘(333)
ロ 螺旋状に形成したプラスチック又は金属製保持材(334)
ハ ビス(335))
二 劣化しにくい杭(325)
ホ 劣化しにくい紐(336)
ヘ 金属線(337)
ト アスファルトプライマー・活着剤(338)
チ 化学繊維製ブロック、補助体(311)
活着保持材の使用法について述べると、図14に示すように、気泡岩石(339)を例に説明すると気泡岩石(339)に複数の紐(336)を設けたビス(335)を設け、観賞用として育てた大苗(316)を育苗ポット(123)から出して、これを図14の様な方法で、複数個の紐(336)を適当な場所から針(340)を介して、引き抜く、そして各紐でしっかりと成苗(316)を結びつけ固定する。
この際この紐は腐敗又は劣化しにくいものが良いが、紐(336)の他、金属線(337)でも良い、しかし金属線を使用するときは金属線(337)の先端部に、必ず細いビニールのホースの様なもので保護装置を設置する、(例えば、金属線の先端部に細いホースを差し込んでホースと金属線を一緒に曲げてこのホースが抜け落ちない様にする、このようにして金属線(337)の先端を保護する)これは、これを扱うときに怪我などしないための保護装置である、金属線(337)の先端にこの保護装置のない物は、いかなる扱いもしない様にすること、これは事故防止のためである、このことを充分に認識して事故の無いように実施する。
(ロ) 以上(イ)で説明したような方法で、図12と図14を参照して、木片(331)、に紐(336)を設けた釘(333)を設け、この釘に設けた紐で、針(340)を介して成苗(316)を木片(331)に設ける、さらに、釘(333)を複数本を利用して成苗(316)を取り付けることも出来る、そして、ブロック(332)、にビス(335)を介して螺旋保持具(334)を利用して大苗(316)をねじ込む様にして固定することが出来る、ブロック(332)に、本願記載の活着保持材を介して、本願発明の成大苗(316)を1個又は複数個を非着生体に植付けることが出来る。
【実施例1】
【0037】
〔胞子の強制発芽方法〕
本願発明の実施の形態で述べたように、発芽工程に於ける、強制発芽装置(1)の斜視図、図1及び断面図、図2とを示して詳細に説明する。
先ず、強制発芽装置(1)の構成を述べると、殺菌した植物繊維(2)に水が滴り落ちない程度に湿度を与え、これを発芽用容器(3)に敷設する、そして水を入れた水槽(4)の水面(5)と、先に植物繊維(2)を敷き設した発芽用容器(3)の底面(3)とが3〜5cmの空間を有する程度に水槽(4)の水面(5)を調整する、そして先に敷き設した植物繊維(2)の上に、次のような方法で胞子(6)を播く、この際播かれる胞子(6)は請求項1乃至請求項9で播かれる何れかの胞子(6)であるが、この度の実験に使用した胞子(6)はチャセンシダ属のウラボシ科に属するシマオオタニワタリの胞子(6)を利用した、ここで胞子(6)の播き方を述べると、完熟した胞子(6)の有する葉を用意して、これの胞子(6)のついた葉の裏面を前記容器(3)に敷き設した植物繊維(2)の方に向けて、約30cm程度離して片方の手で持つ、そして片方の手で小さい棒を持ち、葉の表の中心部にある芯をこつこつと叩く、この胞子(6)を植物繊維(2)の全面に繰り返して満遍なく播く、そして、この強制発芽装置(1)がすっぽりと入る、袋状の透明のシート(8)又は透明ビニール袋(7)の底に置き、一定の空間を形成して、上縁部(開口部分)を紐(9)で縛り、この紐(9)を支柱(10)に吊るす。
これは袋(7)内部に空間を形成するためであり、装置自体は地面(11)に設置する、そして、おき場所としては、1日に2〜3時間程度の木漏れ日の当たる木陰が最適当であるが、内部の温度を10度〜30度以内に調整する必要があり、明るい日陰の場所で前記条件にあえば何処でも発芽させることができる。
【実施例2】
【0038】
イ ここで、本願発明の胞子の発芽の状態を、図5・図6・図7・図8に示して説明すると、先ず、本願発明で使用したシマオオタニワタリの状態を述べると、葉は長さ約1メートル以上有りこの葉の裏に胞子は付着する、胞子は、この葉の裏の巾約8センチ長さ60cm乃至70cmの長さに茶色っぽい粉がギッシリと付着している手で触るとすべすべする、これがチャセンシダ属のシマオオタニワタリの胞子(6)である、これを顕微鏡で見ると図5の(6)の様にしている。
ロ そして、前記胞子(6)を、本願発明の強制発芽装置(1)に播き設しで数ヶ月経過すると強制発芽装置(1)内の胞子(6)は発芽を開始する、今までは殆どが植物繊維(2)だけが見えていたが、発芽を開始すると植物繊維(2)の上の色が変化してくる、見方にも依ると思われるが、断定は出来ないが濃い水色に見える、この頃からぽっぽっとこの色が増えてくる、そして1ヶ月程経過する頃に成ると、濃い水色のゼリーの粉をまき散らしたように見える、この頃、虫眼鏡で見ると小さな藻の丸い葉が二つくっついたように見える、これが発芽初期の胞子(6)の姿であり、これを顕微鏡で観察すると透き通った小さな二枚貝のように見える、これが図6のAとB(106)である。
ハ この強制発芽装置(1)では、この頃から目視で藻の様な発芽体に全面的に常時露が付着している様子がわかる、そして付着した露による、胞子(6)の成長を助けている自然現象の様子を見ることも出来る、更に1月程すると、少し汚れたような色に変わり藻も生長して5ミリから7.8ミリ程度まで生長する、これが図7のAとB、藻(106)であるが、Bは藻(106)の顕微鏡観察図である。
二 そして発芽を開始してから、2〜3ヶ月を経過した頃からぼつぼつ藻は縮れて小さくなり、代わりに小さな葉と根を出して植物体へと変化する、これが図8であり胞子(6)から藻(106)を経て植物体(206)えと変化生長するのである。
【比較例1】
【0039】
図4を示して説明すると。
これは本願発明の強制発芽装置(1)と同時に、発芽装置(500)を、同じ方法で設置したが、違う点は、発芽用容器(503)に弓状に支柱(510)を設け、これに透明袋を(507)を上から被せて縁部を水槽(504)に押し込んだことである、結果は発芽が少し遅れ、容器の北側に発芽遅れが出たが、しかし1月ぐらい遅れて全面に発芽したこれは場所の関係かもしれないが、いまだに不明である。
そして、発芽装置の設置の状況を述べるとポリ容器(504)に9部目ぐらい水を入れ、湿った水苔(502)を発芽用容器(503)に5センチ程度敷く、これに図1で示したような方法で胞子(506)を播く、この発芽用容器(503)を、前記水を入れたポリ容器(504)の上に設置してこの容器の上に弓状に形成した支柱を(510)を設け、これに透明のビニール袋(507)をかぶせる、この袋の裾を前記ポリ容器(504)の中にスッポリと押し込む、そして明るい木陰に設置した。
【実施例3】
【0040】
胞子(6)から発芽して植物体に生長した幼苗(206)が発芽用容器(3)の全面に葉が5ミリ乃至1cmに育った頃、この発芽用容器(3)を透明ビニール袋(7)から出して、前記に制作した、湿度循環式育苗装置(111)に設置して、肥培管理などを施しながら更なる生長を促進して、葉面が約2cm程度に生長した頃から、間引いて、植物繊維(2)を設けた育苗トレー(112)に移植して、更に湿度循環式育苗装置(111)に設置して育苗する。
【実施例4】
【0041】
図9を示して説明すると。
これは鑑賞用として、本願発明のシマオオタニワタリの成苗(306)を非着生体即ち石や木片につける前の成長過程の成苗であって非着生体につけても安心のできる健全で安定性を保つ丈夫な苗を育てる方法である、そのため根又は気根部をできるだけ太く気根や根で石や木片の上で植物体を支えることができる装置と方法であって、このような考え方で育てる必要がある、そのための発明者の考案を記載する、先ず、4〜6センチ程度のポット(123)又は大きめの育苗トレー(122)を用意して、これに劣化しにくい化学繊維ブロック(311)又はフエルトブロック(312)等で腰の強い棒状のブロックを活着保持材として利用する、このブロックを適宜に切断して、これを植物繊維又は水苔等で包み、これを先に用意した育苗ポット(123)又は育苗トレー(122)に詰める、そして、これに成苗(306)を移植して、このブロックに先ず着生させるように、前記湿度循環式育苗装置(111)で育てるのであるが、これからは、1日、日光を2〜3時間は当てるようにして育て、ポット内やトレー内に充分に根や気根が繁殖して先のブロック(311)又は(312)にも充分に根が張った頃を見計らって最後の鑑賞工程である非着生体に植え付ける作業に取りかかる、そし充分な遮光と温度調節が出来れば前期の育苗装置(111)を利用して畑やハウスでの栽培も可能である。
【実施例5】
【0042】
〔鑑賞用苗の植え付け方法〕
図10及び図11を示して説明すると。
図10は本願発明の空洞ブロック(320)に、前記、実施例4で説明したポット入り成苗(306)を完全な大苗に育てた大苗を(以後、大苗(316)と云う)をポットから出して植え付けた図面であるが、これの植え付け方法について更に説明すると、空洞ブロック(320)に所定の部品を取り付ける、先ず図11の断面図の様に中心部の貫通した、給湿件芯材取付穴(322)に芯材(324)を取付、そして活着保持材(327)取付穴(323)に今回は杭(325)を複数、取り付ける、そしてこのブロック(320)の上面に活着剤として、アスファルトプライマー(338)を塗布し、是の上に植物繊維を0,5〜1cm程度敷く、これに先に説明した大苗(316)を杭(325)に挿す様にして植え付けていく、そしてこれは、水盤に置いて育て鑑賞する物であるが、鑑賞工程の育苗中は充分に潅水をして湿度循環式育苗装置(111)と自然環境と又は1日2〜3時間の日光浴等及び適度の液肥の施肥も必要である、こうして更になる完全な植物に育てる。
【実施例6】
【0043】
図12・13・図14に示して説明すると。
各種活着保持材を利用した、各種非着生体に、本願発明のシダ植物の発芽苗の大苗(316)の植え付け方法の例を示すと。
図12は、木片に釘を設けてこれに大苗(316)を植えようとする物である。
図13は、ブロックにビス(335)を介して螺旋保持材を取り付け、これに大苗(316を)回転しながら植え付けようとする物である。
図14はビス(335に)に劣化しにくい複数の紐(336)を設け、これを気泡岩石(339)に設ける、そして図14の様な方法で、前記鑑賞用として育てた大苗(316)をポット(123)から出して、千枚通しの様な針(340)を作成利用して、これを大苗(316)を痛めないように適当な場所から底部に向かって差し込む、そして針(340)の先端に設うけてある穴に、前記、紐(336)の先端部を差し込む、そして、この紐(336)を引き抜く、更に設けてある他の紐(336)を、すべて適当な場所から引き抜き、紐(336)と紐(336)を数箇所に結び合わせて、大苗(316)を固定する、尚このとき大苗(316)と気泡岩石(339)との間に隙間等ができるが、ここにアスフャルトプライマー(338)等、活着促進剤を塗布して、更に確りとミゴケなど植物繊維(102)を詰め、麻紐など植物質の紐でくるくる巻いて形を整える、この様にして成形固定した鑑賞用、石付けシダを、本願発明で使用している湿度循環式育苗装置(111)で再成育、又は自然環境及び日光浴などを適当に組み合わせて完全な鑑賞価値のある、シダ植物を育てる、そして、やがて根や気根を沢山出して気泡岩石(339)に確りと活着する、以上が本植物の最終工程である。
図15は非着生体、木片(331)に大苗(316)を設け、これを鉢に設けた例を示す斜視図である。
図16は非着生体、ブロック(332)に大苗(316)を設け、これを水盤に設けた例を示す斜視図である。
図17に、非着生体、気泡岩石(339)に大苗(316)を設け、これを水盤に設けた例示す斜視図である。
【実施例7】
【0044】
本願発明の、発芽胞子苗、の、土壌栽培の方法について述べると。
この植物は、直射日光を嫌う植物なので充分な遮光を実現する必要がある、先ず上面を平にした巾120cmの畝を設け、これに育苗トレー(122)で育てた成苗(306)を100cm巾に10cm間隔の筋植で植え込むそしてこれを囲む様に幅110センチのトンネル用の支柱を設け、これに遮光率70%〜80%の遮光ネットを設け、これに適度の灌水又は適度の肥培管理を施して育てる。 更に、夏期の高温時には上記遮光ネットを2重にして更に平面に設置にして、風通しを良くして育てると良い。
前記の様な条件を備えたハウス栽培も出来る、この植物は、植物体全体に有効成分を保持しており葉の先から根の先まで大事であるから清潔に育てる必要がある、この様にして産業用としての量産も出来る。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】強制発芽装置と強制発芽方法の実施方法を示した説明図である。
【図2】強制発芽装置の構成を説明した断面図である。
【図3】湿度循環式育苗装置の育苗方法の実施方法を示した説明図である。
【図4】強制発芽方法の比較例を示した説明図である。
【図5】胞子の発芽前の顕微鏡観察した説明図である。
【図6】胞子が発芽を開始した初期の状態と顕微鏡観察の説明図である。
【図7】胞子が藻の状態えと生長変化した状態を示した説明図である。
【図8】胞子が植物体え変化した初期の状態を示す説明図である。
【図9】活着保持体の利用の実施方法を示した説明図である。
【図10】本願発明の空洞ブロックに活着保持材を設けこれに成苗を設けた説明図。
【図11】本願発明の空洞ブロックに給湿と活着保持材と成苗を設けた断面説明図。
【図12】非着生体木片に活着保持材釘を設けた例を示す斜視図である。
【図13】非着生体ブロックに螺旋活着保持材を設けた例を示す説明図である。
【図14】岩石に活着保持材を介し本願育苗のシダ苗の植付け方法の説明図である。
【図15】木片に活着保持材を介して本願シダ苗を植え付けた例を示す説明図である。
【図16】ブロックに活着保持材を介し本願発芽の大苗を植た例を示す説明図である。
【図17】気泡岩石に活着保持材を介し本願シダ苗を植え付けた例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0046】
〔発芽工程〕
1 強制発芽装置
2 水苔又は植物繊維
3 発芽用容器
4 水槽
5 水又は水面
6 胞子
7 透明体ビニール袋
8 透明体ビニールシート
9 紐
10 支柱
11 地面
16 シマオオタニワタリ
106 藻
206 発芽苗
〔生育工程〕
111 湿度循環式育苗装置
112 地面
113 水
114 水槽
115 簀の子状棚
116 パイプ
117 給水用穴
118 止め水栓
119 止め水キャップ
120 支柱
121 透明体ビニールシート
122 育苗トレー
123 育苗ポット
206 発芽苗
〔育成工程〕
111 湿度循環式育苗装置
102 植物繊維
206 幼苗
122 育苗トレー
123 育苗ポット
〔成育工程〕
111 湿度循環式育苗装置
122 育苗トレー
123 育苗ポット
302 植物繊維
306 成苗
309 植物繊維製紐
311 化学繊維ブロック
312 フエルトブロック
316 大苗
327 活着保持材
〔鑑賞工程〕
111 湿度循環式育苗装置
122 育苗トレー
123 育苗ポット
311 補助体(繊維ブロック)
302 植物繊維(水苔)
316 大苗
320 空洞ブロック
321 空洞
322 芯材取付穴
323 保持材取付穴
324 芯材
325 杭
327 活着保持材
330 岩石
331 木片
332 ブロック
333 釘
334 螺旋活着保持材
335 ビス
336 腐敗劣化しにくい紐
337 金属線
338 アスファルトプライマー
339 気泡岩石
340 針
341 鉢
342 水盤
343 鉢底
344 木製台
345 陶器製台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウラボシ科の植物を胞子から発芽させ鑑賞用および/または産業的生産用として増殖し、育成する方法であって、殺菌給湿した植物繊維を有する発芽用容器にウラボシ科の植物の胞子を播き設して、水を有する水槽に設置し、これを一体の封入した、強制発芽装置を用いる発芽工程と、土壌と植物繊維に移植して、給湿育苗装置を用いる生育工程と、育成工程と成育工程と鑑賞用として非着生体に植え付ける鑑賞工程とを含む工程を特徴とするウラボシ科植物の増産方法。
【請求項2】
発芽工程が、殺菌した植物繊維を有する発芽用容器の底面が水槽の水面から3〜5cm離し、湿度85〜100%、温度20〜30度C、遮光率50〜70%の遮光環境に於いて日照時間3〜5時間/日の条件であることを特徴とする請求項1に記載のウラボシ科植物の増産方法。
【請求項3】
生育工程が、土壌と植物繊維を有する育苗ポットおよび/または育苗トレーに発芽した胞子を移植し、湿度循環式の育苗装置に設置して育苗し、生育することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のウラボシ科植物の増産方法。
【請求項4】
育成工程が、根又は気根が2〜3cmに生育した植物体を、根部又は気根部を拡げて補助体を包み込む処理をして、土壌と植物繊維を有する育苗トレー又は育苗ポットに植え替えて、湿度循環式育苗装置に設置して、肥培管理して、育成することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のウラボシ科植物の増産方法。
【請求項5】
鑑賞工程が、鑑賞用の枯れ木、気泡岩石の所定の場所に吸水性の活着保持材を設置し、これに成長した植物体の根部又は気根部を着生することにより噴霧のみで育成し、胞子を結実することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のウラボシ科植物の増産方法。
【請求項6】
水盤と、給湿用空洞ブロックに、芯材とを、備えて構成されるウラボシ科植物の増産用の請求項1から請求項5のいずれかに記載の給湿非着生体。
【請求項7】
ウラボシ科植物がエゾデンタ属、チャセンシダ属である請求項1から請求項5のいずれかに記載のウラボシ科植物の増産方法。
【請求項8】
ウラボシ科のエゾデンタ属の植物がノキシノブ、アオネカズラ、ミヤマノキシノブ、ミツデウラボシ、トモアオネカズラ、オオエゾデンダである請求項1から請求項5のいずれかに記載のウラボシ科植物の増産方法。
【請求項9】
チャセンシダ属の植物がコバノヒノキシダ、オオバノヒノキシダ、トラノオシダ、ヒメイワトラノオ、トキワシダ、チャセンシダ、オオタニワタリ、シマオオタニワタリ、ハネチャセンシダ、ヤクシマホウビシダ、タイワンホウビシダ、ウンナンテツカクケツである請求項1から請求項5のいずれかに記載のウラボシ科植物の増産方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−288356(P2006−288356A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−135382(P2005−135382)
【出願日】平成17年4月5日(2005.4.5)
【出願人】(000239769)
【Fターム(参考)】