説明

エキシマレーザ装置及びエキシマレーザシステム

【課題】レーザチャンバ内の全ガス交換の回数を抑制する。
【解決手段】このエキシマレーザ装置は、ハロゲンガスを含む第1レーザガスを収容した第1容器と、第1レーザガスよりもハロゲンガス濃度の低い第2レーザガスを収容した第2容器と、に接続され、第1レーザガス及び第2レーザガスのレーザチャンバの内部への供給を行うガス供給部を含んでもよい。そして、ガス供給部による第2レーザガスのレーザチャンバの内部への供給、及び、ガス排気部によるレーザチャンバの内部のガスの部分的な排気のいずれかを行うガス圧制御と、ガス供給部による第1レーザガス及び第2レーザガスのレーザチャンバの内部への供給、及び、ガス排気部によるレーザチャンバの内部のガスの部分的な排気の両者を行う部分ガス交換制御と、を選択的に行ってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エキシマレーザ装置及びエキシマレーザシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体露光装置(以下、「露光装置」という)においては、半導体集積回路の微細化及び高集積化につれて、解像力の向上が要請されている。このため、露光用光源から放出される光の短波長化が進められている。一般的に、露光用光源には、従来の水銀ランプに代わってガスレーザ装置が用いられる。例えば、露光用のガスレーザ装置としては、波長248nmの紫外線のレーザ光を出力するKrFエキシマレーザ装置、ならびに波長193nmの紫外線のレーザ光を出力するArFエキシマレーザ装置が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7741639号公報
【概要】
【0004】
本開示の第1の観点に係るエキシマレーザ装置は、ガスを封入するレーザチャンバと、レーザチャンバの内部に配置された少なくとも一対の電極と、電極間に電圧を供給する電源部と、ハロゲンガスを含む第1レーザガスを収容した第1容器と、第1レーザガスよりもハロゲンガス濃度の低い第2レーザガスを収容した第2容器と、に接続され、第1レーザガス及び第2レーザガスのレーザチャンバの内部への供給を行うガス供給部と、レーザチャンバの内部のガスの部分的な排気を行うガス排気部と、ガス供給部及びガス排気部を制御するガス制御部と、を備えてもよい。ガス制御部は、ガス供給部による第2レーザガスのレーザチャンバの内部への供給、及び、ガス排気部によるレーザチャンバの内部のガスの部分的な排気のいずれかを行うガス圧制御と、ガス供給部による第1レーザガス及び第2レーザガスのレーザチャンバの内部への供給と、ガス排気部によるレーザチャンバの内部のガスの部分的な排気とを順次行う部分ガス交換制御と、を選択的に行ってもよい。
【0005】
本開示の第2の観点に係るエキシマレーザシステムは、ガスを封入する第1のレーザチャンバと、第1のレーザチャンバの内部に配置された少なくとも一対の第1の電極と、第1のレーザチャンバを挟んで配置された第1の共振器と、を含む第1のエキシマレーザ装置と、ガスを封入する第2のレーザチャンバと、第2のレーザチャンバの内部に配置された少なくとも一対の第2の電極と、第2のレーザチャンバを挟んで配置された第2の共振器と、を含み、第1のエキシマレーザ装置から出力されたレーザ光を増幅する第2のエキシマレーザ装置と、第1の電極間及び第2の電極間に電圧を供給する少なくとも1つの電源部と、ハロゲンガスを含む第1レーザガスを収容した第1容器と、第1レーザガスよりもハロゲンガス濃度の低い第2レーザガスを収容した第2容器と、に接続され、第1レーザガス及び第2レーザガスの第1のレーザチャンバ及び第2のレーザチャンバの内部への供給を行うガス供給部と、第1のレーザチャンバ及び第2のレーザチャンバの内部のガスの部分的な排気を行うガス排気部と、ガス供給部及びガス排気部を制御するガス制御部と、を備えてもよい。ガス制御部は、ガス供給部による第2レーザガスの第1のレーザチャンバの内部への供給、及び、ガス排気部による第1のレーザチャンバの内部のガスの部分的な排気のいずれかを行う第1のガス圧制御と、ガス供給部による第2レーザガスの第2のレーザチャンバの内部への供給、及び、ガス排気部による第2のレーザチャンバの内部のガスの部分的な排気のいずれかを行う第2のガス圧制御と、ガス供給部による第1レーザガス及び第2レーザガスの第1のレーザチャンバの内部への供給と、ガス排気部による第1のレーザチャンバの内部のガスの部分的な排気とを順次行う第1の部分ガス交換制御と、ガス供給部による第1レーザガス及び第2レーザガスの第2のレーザチャンバの内部への供給と、ガス排気部による第2のレーザチャンバの内部のガスの部分的な排気とを順次行う第2の部分ガス交換制御と、を選択的に行ってもよい。
【0006】
本開示の第3の観点に係るエキシマレーザ装置は、ガスを封入するレーザチャンバと、レーザチャンバの内部に配置された少なくとも一対の電極と、電極間に電圧を供給する電源部と、ハロゲンガスを含む第1レーザガスを収容した第1容器と、第1レーザガスよりもハロゲンガス濃度の低い第2レーザガスを収容した第2容器と、に接続され、第1レーザガス及び第2レーザガスのレーザチャンバの内部への供給を行うガス供給部と、レーザチャンバの内部のガスの部分的な排気を行うガス排気部と、ガス供給部及びガス排気部を制御するガス制御部と、を備えてもよい。ガス制御部は、ガス供給部による第1レーザガス及び第2レーザガスのレーザチャンバの内部への供給と、ガス排気部によるレーザチャンバの内部のガスの部分的な排気とを順次行う部分ガス交換制御と、ガス供給部による第1レーザガスのレーザチャンバの内部への供給と、ガス排気部によるレーザチャンバの内部のガスの部分的な排気とを順次行うハロゲンガス補充制御と、を選択的に行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して以下に説明する。
【図1】図1は、第1の実施形態に係るエキシマレーザ装置の構成を模式的に示す。
【図2】図2は、第1の実施形態におけるガス制御の状態遷移図である。
【図3】図3は、第1の実施形態におけるガス制御のフローチャートである。
【図4】図4は、第1の実施形態において電極間の印加電圧を制御するためのフローチャートである。
【図5】図5は、第1の実施形態においてエキシマレーザ装置のデューティーを算出するためのフローチャートである。
【図6A】図6Aは、図3に示すガス制御間隔を算出する処理の第1の例を示すフローチャートである。
【図6B】図6Bは、エキシマレーザ装置のデューティーと図6Aにおいて算出されるガス制御間隔との関係を示すグラフである。
【図6C】図6Cは、図3に示すガス制御間隔を算出する処理の第2の例を示すフローチャートである。
【図6D】図6Dは、エキシマレーザ装置のデューティーと図6Cにおいて算出されるガス制御間隔との関係を示すグラフである。
【図6E】図6Eは、図3に示すガス制御間隔を算出する処理の第3の例を示すフローチャートである。
【図6F】図6Fは、エキシマレーザ装置のデューティーと図6Eにおいて算出されるガス制御間隔との関係を示すグラフである。
【図7A】図7Aは、図3に示すハロゲンガス分圧を算出する処理の第1の例を示すフローチャートである。
【図7B】図7Bは、図3に示すハロゲンガス分圧を算出する処理の第2の例を示すフローチャートである。
【図7C】図7Cは、図3に示すハロゲンガス分圧を算出する処理の第3の例を示すフローチャートである。
【図8A】図8Aは、図3に示すガス交換量を算出する処理の第1の例を示すフローチャートである。
【図8B】図8Bは、レーザチャンバ内のガス圧と図8Aにおいて算出されるガス交換量との関係を示すグラフである。
【図8C】図8Cは、図3に示すガス交換量を算出する処理の第2の例を示すフローチャートである。
【図8D】図8Dは、エキシマレーザ装置のデューティーと図8Cにおいて算出されるガス交換量との関係を示すグラフである。
【図9】図9は、図3に示すガス圧制御のフローチャートである。
【図10】図10は、図9に示すハロゲンガス分圧の減少量を算出する処理のフローチャートである。
【図11A】図11Aは、図9に示す第2レーザガス注入バルブの開閉に伴うレーザチャンバ内のガス圧及び電極間の印加電圧の変化を示すグラフである。
【図11B】図11Bは、図9に示す排気バルブの開閉に伴うレーザチャンバ内のガス圧及び電極間の印加電圧の変化を示すグラフである。
【図12】図12は、図3に示すハロゲンガス補充制御のフローチャートである。
【図13】図13は、図12に示す第1レーザガスの注入量を算出する処理のフローチャートである。
【図14】図14は、図12に示すハロゲンガス補充制御に伴うレーザチャンバ内のガス圧の変化を示すグラフである。
【図15】図15は、図3に示す部分ガス交換制御のフローチャートである。
【図16】図16は、図15に示す第1レーザガスの注入量及び第2レーザガスの注入量を算出する処理のフローチャートである。
【図17】図17は、図15に示す部分ガス交換制御に伴うレーザチャンバ内のガス圧の変化を示すグラフである。
【図18】図18は、第2の実施形態におけるガス制御の状態遷移図である。
【図19】図19は、第2の実施形態におけるガス制御のフローチャートである。
【図20A】図20Aは、図19に示すガス制御間隔を算出する処理の第1の例を示すフローチャートである。
【図20B】図20Bは、エキシマレーザ装置のデューティーと図20Aにおいて算出されるガス制御間隔との関係を示すグラフである。
【図20C】図20Cは、図19に示すガス制御間隔を算出する処理の第2の例を示すフローチャートである。
【図20D】図20Dは、エキシマレーザ装置のデューティーと図20Cにおいて算出されるガス制御間隔との関係を示すグラフである。
【図21】図21は、図19に示す部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御のフローチャートである。
【図22】図22は、図21に示す第1レーザガスの注入量及び第2レーザガスの注入量を算出する処理のフローチャートである。
【図23】図23は、第3の実施形態に係るエキシマレーザシステムの構成を模式的に示す。
【図24】図24は、第3の実施形態におけるガス制御の状態遷移図である。
【図25】図25は、第3の実施形態におけるガス制御のフローチャートである。
【図26】図26は、第4の実施形態におけるガス制御の状態遷移図である。
【図27】図27は、第4の実施形態におけるガス制御のフローチャートである。
【図28】図28は、第5の実施形態に係るエキシマレーザシステムの構成を模式的に示す。
【図29】図29は、第5の実施形態におけるガス制御のフローチャートである。
【図30A】図30Aは、第6の実施形態に係るエキシマレーザシステムの構成を模式的に示す。
【図30B】図30Bは、図30Aに示すパワーオシレータの構成を模式的に示す。
【実施形態】
【0008】
<内容>
1.概要
2.用語の説明
3.エキシマレーザ装置の全体説明
3.1 レーザチャンバ
3.2 光共振器
3.3 各種センサ
3.4 レーザ制御部
3.5 ガス制御装置
4.エキシマレーザ装置におけるガス制御
4.1 ガス制御の概略
4.2 メインフロー
4.3 レーザ制御部による電圧制御
4.4 レーザ制御部によるデューティー算出
4.5 ガス制御間隔の算出(S300の詳細)
4.6 ハロゲンガス分圧の算出(S400の詳細)
4.7 ガス交換量の算出(S500の詳細)
4.8 ガス圧制御(S600の詳細)
4.9 ハロゲンガス補充制御(S700の詳細)
4.10 部分ガス交換制御(S800の詳細)
5.第2の実施形態(部分ガス交換制御とハロゲンガス補充制御の一体化制御)
5.1 ガス制御の概略
5.2 メインフロー
5.3 ガス制御間隔の算出(S340の詳細)
5.4 部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御(S840の詳細)
6.第3の実施形態(MOPOシステム)
6.1 MOPOシステムの全体説明
6.2 MOPOシステムにおけるガス制御
7.第4の実施形態(MOPOシステムにおける制御の一体化)
8.第5の実施形態(MOPOシステムにおける充電器の一体化)
9.第6の実施形態(リング共振器を有するMOPOシステム)
【0009】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。以下に説明される実施形態は、本開示のいくつかの例を示すものであって、本開示の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本開示の構成及び動作として必須であるとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
【0010】
1.概要
露光装置用のエキシマレーザ装置は、長時間安定して所望のパルスレーザ光を出力することが求められ得る。エキシマレーザ装置において長時間レーザ発振させると、レーザチャンバ内において不純物が生成され、その不純物がレーザ光を吸収したり、放電の状態を悪化させたりすることによって、エキシマレーザ装置が所望のパルスレーザ光を出力できなくなり得る。そのような場合には、レーザ発振を停止させて、レーザチャンバ内の殆ど全てのガスを排気し、その後、新たにレーザ媒質となるガスを注入する必要があり得る。この工程を全ガス交換と呼ぶ。しかしながら、レーザ発振の停止中は、露光装置において露光を行うことができなくなり得る。
【0011】
本開示の1つの観点によれば、レーザ発振中に、レーザチャンバ内のガス圧制御、ハロゲンガス補充制御、部分ガス交換制御を選択的に行ってもよい。これにより、レーザチャンバ内の環境悪化を抑制し、全ガス交換の回数を抑制し得る。
【0012】
2.用語の説明
本願において使用される幾つかの用語を以下に説明する。
「第1レーザガス」は、ハロゲンガスを含むレーザガスであってもよい。
「第2レーザガス」は、第1レーザガスよりもハロゲンガス濃度の低いレーザガスであってもよい。
「ガス圧制御」は、第2レーザガスのレーザチャンバの内部への供給、及び、レーザチャンバの内部のガスの部分的な排気のいずれかを使い分ける制御であってもよい。
「ハロゲンガス補充制御」は、第1レーザガスのレーザチャンバの内部への供給、及び、レーザチャンバの内部のガスの部分的な排気を順次行う制御であってもよい。
「部分ガス交換制御」は、第1レーザガス及び第2レーザガスのレーザチャンバの内部への供給、及び、レーザチャンバの内部のガスの部分的な排気を順次行う制御であってもよい。
【0013】
3.エキシマレーザ装置の全体説明
図1は、第1の実施形態に係るエキシマレーザ装置の構成を模式的に示す。図1に示すエキシマレーザ装置は、レーザチャンバ10と、一対の電極11a及び11bと、充電器12と、パルスパワーモジュール(PPM)13と、狭帯域化モジュール14と、出力結合ミラー15と、圧力センサ16と、光センサモジュール17と、レーザ制御部30と、ガス制御装置40と、を含んでもよい。図1に示すエキシマレーザ装置は、エキシマレーザ装置から出力されるレーザ光を用いて露光を行う露光装置100に接続されてもよい。
【0014】
3.1 レーザチャンバ
レーザチャンバ10は、例えばアルゴン、ネオン及びフッ素等を含むレーザ媒質としてのレーザガスが封入されるチャンバでもよい。一対の電極11a及び11bは、レーザ媒質を放電により励起するための電極として、レーザチャンバ10内に配置され得る。充電器12は、例えば電源装置に接続されたコンデンサによって構成されてもよく、一対の電極11a及び11b間に高電圧を印加するための電気エネルギーを保持し得る。パルスパワーモジュール13は、レーザ制御部30によって制御されるスイッチ13aを含んでもよい。スイッチ13aがOFFからONになると、パルスパワーモジュール13は、充電器12に保持されていた電気エネルギーからパルス状の高電圧を生成し、この高電圧を一対の電極11a及び11b間に印加してもよい。
【0015】
一対の電極11a及び11b間に高電圧が印加されると、一対の電極11a及び11b間に放電が起こり得る。この放電のエネルギーにより、レーザチャンバ10内のレーザ媒質が励起されて高エネルギー準位に移行し得る。励起されたレーザ媒質が、その後低エネルギー準位に移行するとき、そのエネルギー準位差に応じた光を放出し得る。
【0016】
レーザチャンバ10の両端にはウインドウ10a及び10bが設けられてもよい。レーザチャンバ10内で発生した光は、ウインドウ10a及び10bを介してレーザチャンバ10の外部に出射し得る。
【0017】
3.2 光共振器
狭帯域化モジュール14は、プリズム14aと、グレーティング14bとを含んでもよい。プリズム14aは、レーザチャンバ10から出射された光のビーム幅を拡大させるとともに、その光をグレーティング14b側に透過させ得る。また、プリズム14aは、グレーティング14bからの反射光のビーム幅を縮小させるとともに、その光をレーザチャンバ10側に透過させ得る。また、プリズム14aは、光を透過させるとき、光の波長に応じて異なった角度で光を屈折させ得る。従って、プリズム14aは波長分散素子としても機能し得る。
【0018】
グレーティング14bは、高反射率の材料によって構成され、表面に多数の溝が所定間隔で形成された波長分散素子であり得る。各溝は例えば三角溝であってもよい。プリズム14aからグレーティング14bに入射した光は、各溝の斜面において、各溝の方向(図1における上下方向)に対して垂直な多方向に反射し得る。1つの溝において反射した反射光と、他の1つの溝において反射した反射光とが重なり合うとき、それらの反射光の間の光路長の差は、それらの反射光の反射角度に依存し得る。そして、当該光路長の差に対応する波長の光は、それらの反射光どうしで位相が一致して強め合うことができ、当該光路長の差に対応しない波長の光は、それらの反射光どうしで位相が一致せずに弱め合うことができる。この干渉作用の結果、反射角度に応じて特定の波長付近の光を取り出すことができ、当該特定の波長の光を多く含む光がプリズム14aを介してレーザチャンバ10に戻され得る。
【0019】
このように、プリズム14aとグレーティング14bとによって、特定の波長の光を取り出してレーザチャンバ10側に戻すことによって、レーザ光のスペクトル幅を低減する狭帯域化モジュール14が構成され得る。
【0020】
出力結合ミラー15の表面には、部分反射膜がコーティングされていてもよい。従って、出力結合ミラー15は、レーザチャンバ10から出力される光のうちの一部を透過させて出力し、他の一部を反射させてレーザチャンバ10内に戻してもよい。
【0021】
出力結合ミラー15とグレーティング14bとの間の距離は、レーザチャンバ10から出力される所定波長の光が定常波を形成する距離に設定され得る。従って、狭帯域化モジュール14と出力結合ミラー15とで、光共振器が構成され得る。レーザチャンバ10から出射した光は、狭帯域化モジュール14と出力結合ミラー15との間で往復し、レーザチャンバ10内の電極11aと電極11bとの間(レーザゲイン空間)を通過する度に増幅され得る。増幅された光の一部が、出力結合ミラー15を介して、出力レーザ光として出力され得る。
【0022】
3.3 各種センサ
圧力センサ16は、レーザチャンバ10内のガス圧を検出し、ガス制御装置40に出力してもよい。光センサモジュール17は、ビームスプリッタ17aと、集光光学系17bと、光センサ17cとを含んでもよい。ビームスプリッタ17aは、出力結合ミラー15を透過した出力レーザ光を高い透過率で露光装置100に向けて透過させるとともに、出力レーザ光の一部を集光光学系17bに向けて反射してもよい。集光光学系17bは、ビームスプリッタ17aによって反射された光を光センサ17cの感光面上に集光してもよい。光センサ17cは、感光面に集光されたレーザ光のパルスエネルギーに関する値を検出し、検出したパルスエネルギーに関する値に基づくデータをレーザ制御部30に出力してもよい。
【0023】
3.4 レーザ制御部
レーザ制御部30は、露光装置100に設けられた露光装置コントローラ110との間で各種信号を送受信してもよい。例えば、露光装置コントローラ110からレーザ光出力開始信号を受信してもよい。また、レーザ制御部30は、充電器12に対して充電電圧の設定信号を送信したり、パルスパワーモジュール13に対してスイッチON又はOFFの指令信号を送信したりしてもよい。
【0024】
レーザ制御部30は、光センサモジュール17からパルスエネルギーに基づくデータを受信してもよく、このパルスエネルギーに基づくデータを参照して充電器12の充電電圧を制御してもよい。充電器12の充電電圧を制御することにより、一対の電極11a及び11b間に印加される電圧が制御されてもよい。
【0025】
また、レーザ制御部30は、光センサモジュール17から受信したデータに基づいて、エキシマレーザ装置の発振パルス数を計数してもよい。また、レーザ制御部30は、ガス制御装置40に設けられたガス制御部47との間で各種信号を送受信してもよい。例えば、レーザ制御部30は、エキシマレーザ装置の発振パルス数のデータをガス制御装置40に送信してもよい。
【0026】
3.5 ガス制御装置
ガス制御装置40は、フッ素ガス(F)等のハロゲンガスを含む第1レーザガスを収容した第1容器F2と、バッファガスを含む第2レーザガスを収容した第2容器Bと、に接続されてもよい。第1レーザガスとしては、アルゴン、ネオン及びフッ素の混合ガスが用いられてもよい。第2レーザガスとしては、アルゴン及びネオンの混合ガスが用いられてもよい。第1容器F2及び第2容器Bのガス取り出し口にはそれぞれバルブが設けられていてもよいが、少なくともエキシマレーザ装置が起動している間はこれらのバルブは開いていてよい。
【0027】
ガス制御装置40は、排気ポンプ46と、ガス制御部47と、以下に説明する各種バルブ及びマスフローコントローラと、を含んでもよい。レーザチャンバ10には第1の配管41の一端が接続され、第1の配管41にはコントロールバルブC−Vが設けられていてもよい。第1の配管41の他端には、第1容器F2に接続された第2の配管42と、第2容器Bに接続された第3の配管43と、排気ポンプ46に接続された第4の配管44と、が接続されていてもよい。
【0028】
第2の配管42には、第1レーザガスの供給を制御する第1レーザガス注入バルブF2−Vが設けられていてもよい。第2の配管42は途中で二股に分かれ、一方にはマスフローコントローラF2−MFCが設けられ、他方にはバイパスバルブF2−V2が設けられていてもよい。バイパスバルブF2−V2は、レーザ発振を停止して全ガス交換を行うときにのみ開かれ、レーザ発振中は常時閉めておくものとしてもよい。レーザ発振中に第1レーザガスをレーザチャンバ10内に供給するときは、コントロールバルブC−V及び第1レーザガス注入バルブF2−Vを開き、マスフローコントローラF2−MFCによってレーザチャンバ10内に供給される第1レーザガスの流量を制御してもよい。
【0029】
第3の配管43には、第2レーザガスの供給を制御する第2レーザガス注入バルブB−Vが設けられていてもよい。第3の配管43は途中で二股に分かれ、一方にはマスフローコントローラB−MFCが設けられ、他方にはバイパスバルブB−V2が設けられていてもよい。バイパスバルブB−V2は、レーザ発振を停止して全ガス交換を行うときにのみ開かれ、レーザ発振中は常時閉めておくものとしてもよい。レーザ発振中に第2レーザガスをレーザチャンバ10内に供給するときは、コントロールバルブC−V及び第2レーザガス注入バルブB−Vを開き、マスフローコントローラB−MFCによってレーザチャンバ10内に供給される第2レーザガスの流量を制御してもよい。
【0030】
第4配管44には、レーザチャンバ10内のガスの排気を制御する排気バルブEX−Vが設けられていてもよい。レーザチャンバ10内のガスの排気を制御するときは、排気ポンプ46を駆動して、排気バルブEX−VおよびコントロールバルブC−Vを開いてもよい。
【0031】
ガス制御部47は、レーザ制御部30との間で各種信号を送受信し、さらに、圧力センサ16からレーザチャンバ10内のガス圧のデータを受信してもよい。また、ガス制御部47は、コントロールバルブC−V、第1レーザガス注入バルブF2−V、マスフローコントローラF2−MFC、第2レーザガス注入バルブB−V、マスフローコントローラB−MFC、バイパスバルブF2−V2、バイパスバルブB−V2、排気バルブEX−V及び排気ポンプ46等を制御してもよい。
【0032】
4.エキシマレーザ装置におけるガス制御
4.1 ガス制御の概略
図2は、第1の実施形態におけるガス制御の状態遷移図である。図2に示すように、第1の実施形態におけるガス制御は、ガス圧制御(S600)と、ハロゲンガス補充制御(S700)と、部分ガス交換制御(S800)と、を含んでいてもよい。さらに、ガス制御の停止状態(S0)があってもよい。これらのガス制御は、ガス制御部47(図1)によって行われてもよい。
【0033】
ガス圧制御(S600)は、レーザチャンバ10内のガス圧を制御することにより、レーザ光の出力を制御するためのガス制御であってもよい。エキシマレーザ装置においては、レーザ光のパルスエネルギーを所望の値に維持するために、光センサモジュール17から得られたデータに基づいて充電器12の充電電圧が制御(一対の電極11a及び11b間に印加される電圧が制御)され得る。例えば、レーザチャンバ10内の不純物の影響、その他の運転条件により、レーザ光のパルスエネルギーが低下する傾向がある場合は、一対の電極11a及び11b間に印加される電圧が上昇させられ得る。しかしながら、電圧を上げすぎると、あるいは下げすぎると、放電が不安定となりエキシマレーザ装置の動作が不安定となる可能性がある。
【0034】
そこで、ガス圧制御においては、レーザチャンバ10内のガス圧を制御することにより、所望のレーザ光出力が得られるようにし、電圧の上げすぎあるいは下げすぎが回避され得るようにしてもよい。具体的には、一対の電極11a及び11b間に印加される電圧Vが第1の閾値VHより高い場合に、第2レーザガスをレーザチャンバ10に供給してガス圧を上げてもよい。また、一対の電極11a及び11b間に印加される電圧Vが第1の閾値より低い第2の閾値VLより、さらに低い場合に、レーザチャンバ10内のガスの部分的な排気を行ってガス圧を下げてもよい。
【0035】
ハロゲンガス補充制御(S700)は、レーザチャンバ10内において低下したハロゲンガス分圧を所定の値に回復するためのガス制御であってもよい。レーザチャンバ10内のレーザガスを構成する希ガスは、化学的に安定であるが、レーザガスを構成するフッ素等のハロゲンガスは、他の物質との反応性が高く、例えば電極材料と反応して不純物となりやすい。従って、レーザ光を長時間出力していると、次第にレーザチャンバ10内のハロゲンガスが減少(ハロゲンガス分圧が低下)し得る。
【0036】
そこで、ハロゲンガス補充制御においては、所定時間が経過するごとに、第1レーザガスをレーザチャンバ10に注入し、その注入量と同量(体積)のガスをレーザチャンバ10内から排気してもよい。
【0037】
部分ガス交換制御(S800)は、レーザチャンバ10内の不純物を排気するためのガス制御であってもよい。エキシマレーザ装置において、レーザ光を長時間出力していると、次第にレーザチャンバ10内の不純物濃度が上昇し、所望のパルスレーザ光を出力できなくなり得る。
【0038】
そこで、部分ガス交換制御においては、所定時間が経過するごとに、第1レーザガス及び第2レーザガスをレーザチャンバ10に注入し、その注入量の合計と同量(体積)のガスをレーザチャンバ10内から排気してもよい。また、レーザチャンバ10内のハロゲンガス分圧が部分ガス交換制御の前後において変化しないように、第1レーザガスの注入量と第2レーザガスの注入量とが算出されてもよい。
【0039】
ガス制御部47(図1)は、ガス圧制御(S600)の条件が整った場合に、ガス制御の停止状態(S0)からガス圧制御に遷移させ、ガス圧制御が終了した場合に、ガス圧制御からガス制御の停止状態に遷移させてもよい。
【0040】
ガス制御部47は、ハロゲンガス補充制御(S700)の条件が整った場合に、ガス制御の停止状態(S0)からハロゲンガス補充制御に遷移させ、ハロゲンガス補充制御が終了した場合に、ハロゲンガス補充制御からガス制御の停止状態に遷移させてもよい。
【0041】
ガス制御部47は、部分ガス交換制御(S800)の条件が整った場合に、ガス制御の停止状態(S0)から部分ガス交換制御に遷移させ、部分ガス交換制御が終了した場合に、部分ガス交換制御からガス制御の停止状態に遷移させてもよい。
【0042】
4.2 メインフロー
図3は、第1の実施形態におけるガス制御のフローチャートである。図3に示される処理は、ガス制御部47(図1)によって行われてもよい。図3に示される処理は、ガス圧制御(S600)と、ハロゲンガス補充制御(S700)と、部分ガス交換制御(S800)と、を含み得る。
【0043】
まず、ガス制御部47は、ガス制御に必要な初期値を読み込んでもよい(S100)。この初期値には、例えば、各種の比例定数や、制御のための閾値等が含まれてもよい。例えば比例定数は、後述するa、b、c、g、h、k等であってよく、閾値は、後述する第1の閾値VH及び第2の閾値VL等であってよい。また、タイマーTh及びTpの計時を開始してもよい。
【0044】
次に、ガス制御部47は、電圧Vと、デューティーDと、ガス圧Pと、を読み込んでもよい(S200)。電圧Vは、一対の電極11a及び11b間に供給される電圧であってもよく、レーザ制御部30から受信したものでもよい。デューティーDは、レーザ光の繰り返し周波数の、その最大値に対する比率(デューティー)であってもよく、レーザ制御部30から受信したものでもよい。ガス圧Pは、レーザチャンバ10内のガス圧であってもよく、圧力センサ16から受信したものであってもよい。
【0045】
次に、ガス制御部47は、ハロゲンガス補充制御の時間間隔Thi及び部分ガス交換制御の時間間隔Tpiを算出してもよい(S300)。この算出処理の詳細は後述する。
次に、ガス制御部47は、レーザチャンバ10内のハロゲンガス分圧Phを算出してもよい(S400)。この算出処理の詳細は後述する。
次に、ガス制御部47は、部分ガス交換制御におけるガス交換量Qを算出してもよい(S500)。この算出処理の詳細は後述する。
【0046】
次に、ガス制御部47は、一対の電極11a及び11b間に供給される電圧Vと、第1の閾値VH及び第2の閾値VLとを比較してもよい(S590)。電圧Vが第1の閾値VHから第2の閾値VLまでの範囲外である場合(V<VL又はVH<V)、ガス圧制御の条件が整ったと判定して、ガス制御部47は、ガス圧制御を行ってもよい(S600)。ガス圧制御の詳細は後述する。ガス圧制御が終了したら、上述のS200に戻って各種パラメータを読み込んでもよい。ガス圧制御においては、後述のようにガス圧を低下させる制御においてハロゲンガス分圧Phが低下する場合があるため、上述のS200に戻ることにより、ハロゲンガス分圧Ph等を再計算し、ハロゲンガス補充制御等を適切に行い得る。
【0047】
電圧Vが第1の閾値VHから第2の閾値VLまでの範囲内である場合(VL≦V≦VH)、ガス制御部47は、タイマーThとハロゲンガス補充制御の時間間隔Thiとを比較してもよい(S690)。タイマーThがハロゲンガス補充制御の時間間隔Thiに達した場合(Thi<Th)、ハロゲンガス補充制御の条件が整ったと判定し、ガス制御部47は、ハロゲンガス補充制御を行ってもよい(S700)。ハロゲンガス補充制御の詳細は後述する。ハロゲンガス補充制御が終了したら、タイマーThをリセットしてもよい(S780)。
【0048】
タイマーThがハロゲンガス補充制御の時間間隔Thiに達していない場合(Thi≧Th)、あるいは、タイマーThがリセット(S780)された後、ガス制御部47は、タイマーTpと部分ガス交換制御の時間間隔Tpiとを比較してもよい(S790)。タイマーTpが部分ガス交換制御の時間間隔Tpiに達した場合(Tpi<Tp)、部分ガス交換制御の条件が整ったと判定し、ガス制御部47は、部分ガス交換制御を行ってもよい(S800)。部分ガス交換制御の詳細は後述する。部分ガス交換制御が終了したら、タイマーTpをリセットしてもよい(S880)。
【0049】
タイマーTpが部分ガス交換制御の時間間隔Tpiに達していない場合(Tpi≧Tp)、あるいは、タイマーTpがリセット(S880)された後、ガス制御部47は、ガス制御を停止するか否かを判定してもよい(S900)。ガス制御を停止するか否かの判定は、レーザ制御部30から停止信号を受信したか否かによって行われてもよい。ガス制御を停止する場合(S900:YES)、本フローチャートの処理を終了してもよい。ガス制御を停止しない場合(S900:NO)、上述のS200に戻って各種パラメータを読み込んでもよい。
【0050】
4.3 レーザ制御部による電圧制御
図4は、第1の実施形態において電極間の印加電圧を制御するためのフローチャートである。図4に示される処理は、図3に示されるガス制御とは独立に、レーザ制御部30(図1)によって行われてもよい。図4に示される処理においては、レーザ光のパルスエネルギーを所望の値に維持するために、光センサモジュール17から得られたデータに基づいて充電器12の充電電圧を制御(一対の電極11a及び11b間に印加される電圧を制御)してもよい。図4に示される処理は、図3に示されるガス制御とは別個に行われるものであるが、ガス制御の前提となり得るので以下に説明する。
【0051】
まず、レーザ制御部30は、レーザ光の目標パルスエネルギーEtの値を読み込んでもよい(S10)。目標パルスエネルギーEtの値は、例えば露光装置100の設定によって要求される値であってもよい。
【0052】
次に、レーザ制御部30は、レーザ発振が開始されたか否かを判定してもよい(S11)。レーザ発振が開始されたか否かは、レーザ制御部30が充電器12及びパルスパワーモジュール13に対してレーザ発振のための各種信号を送信したか否かによって判定されてもよい。あるいは、レーザ発振が開始されたか否かは、光センサモジュール17からパルスエネルギーEのデータを受信したか否かによって判定されてもよい。
【0053】
次に、レーザ制御部30は、レーザ光のパルスエネルギーEの値を読み込んでもよい(S12)。パルスエネルギーEの値は、光センサモジュール17から受信したものであってもよい。
次に、レーザ制御部30は、レーザ光のパルスエネルギーEの値と目標パルスエネルギーEtの値とを比較してもよい(S13)。
【0054】
パルスエネルギーEの値が目標パルスエネルギーEtの値に等しい場合(E=Et)、レーザ制御部30は、一対の電極11a及び11b間に印加される電圧Vを、現在の値Vのまま維持してもよい(S14:V=V)。
【0055】
パルスエネルギーEの値が目標パルスエネルギーEtの値より小さい場合(E<Et)、レーザ制御部30は、一対の電極11a及び11b間に印加される電圧Vを、現在の値Vに所定の増減幅ΔVを加算した値に上昇させてもよい(S15:V=V+ΔV)。これにより、パルスエネルギーEを上昇させ目標パルスエネルギーEtに近づけ得る。
【0056】
パルスエネルギーEの値が目標パルスエネルギーEtの値より大きい場合(E>Et)、レーザ制御部30は、一対の電極11a及び11b間に印加される電圧Vを、現在の値Vから所定の増減幅ΔVを減算した値に低下させてもよい(S16:V=V−ΔV)。これにより、パルスエネルギーEを低下させ目標パルスエネルギーEtに近づけ得る。
【0057】
電圧Vの制御(S14〜S16のいずれか)が終了したら、レーザ制御部30は、電圧Vのデータをガス制御部47に送信してもよい(S17)。これにより、ガス制御部47は、図3に示すガス圧制御(S600)の条件が整ったか否か(S590)を判定することができる。
【0058】
次に、レーザ制御部30は、電圧Vが上限値Vmax以上であるか否かを判定してもよい(S18)。電圧Vが上限値Vmax以上である場合(V≧Vmax)、レーザ光の発光効率が悪く、レーザ発振を停止させてメンテナンスすること(例えば全ガス交換等)が必要となるため、本フローチャートの処理を終了してもよい。電圧Vが上限値Vmax以上でない場合(V<Vmax)、上述のS10に戻り、引き続き電圧Vを制御してパルスエネルギーEを安定化するとともに、電圧Vのデータをガス制御部47に送信してもよい。
【0059】
4.4 レーザ制御部によるデューティー算出
図5は、第1の実施形態においてエキシマレーザ装置のデューティーを算出するためのフローチャートである。図5に示される処理は、図3に示されるガス制御とは独立に、レーザ制御部30(図1)によって行われてもよい。図5に示される処理においては、レーザ発振時の繰り返し周波数と、当該エキシマレーザ装置の最大繰り返し周波数との比率をデューティーDとして算出してもよい。図5に示される処理は、図3に示されるガス制御とは別個に行われるものであるが、ガス制御の前提となり得るので以下に説明する。
【0060】
まず、レーザ制御部30は、当該エキシマレーザ装置の最大繰り返し周波数で発振した場合の、一定時間Tmaxにおけるパルス数Np0を読み込んでもよい(S20)。
次に、レーザ制御部30は、レーザ光のパルス数を計数するためのカウンターNを0にセットしてもよい(S21)。
次に、レーザ制御部30は、一定時間内におけるレーザ光のパルス数を計数するためのタイマーTをセットして計時を開始してもよい(S22)。
【0061】
次に、レーザ制御部30は、レーザパルスが出力されたか否かを判定してもよい(S23)。レーザパルスは1パルスのレーザ光であってよい。レーザパルスが出力されたか否かは、たとえば、光センサモジュール17からパルスエネルギーEのデータを受信したか否かによって判定されてもよい。レーザパルスが出力されない場合(S23:NO)、出力されるまでこの判定を繰り返してもよい。
レーザパルスが出力された場合(S23:YES)、レーザ制御部30は、カウンターNに1を加えてもよい(S24)。
次に、レーザ制御部30は、タイマーTが一定時間Tmaxに達したか否かを判定してもよい(S25)。一定時間Tmaxに達していない場合(Tmax>T)、上述のS23に戻り、一定時間Tmaxに達するまで、カウンターNによってパルス数を計数してもよい。
【0062】
一定時間Tmaxに達した場合(Tmax≦T)、レーザ制御部30は、カウンターNの値を、一定時間Tmaxにおけるパルス数Npとして記憶装置に記憶させてもよい(S26)。
【0063】
次に、レーザ制御部30は、(Np/Np0)の値をデューティーDとして算出してもよい(S27)。なお、デューティーDの値が最大値1である場合は、当該エキシマレーザ装置が最大繰り返し周波数で発振していることを意味し得る。デューティーDの値は、レーザ制御部30からガス制御部47に送信されてもよい。
【0064】
次に、レーザ制御部30は、デューティーDの計算を中止するか否かを判定してもよい(S28)。中止する場合は、本フローチャートの処理を終了してもよい。中止しない場合は、上述のS21に戻ってもよい。
【0065】
4.5 ガス制御間隔の算出(S300の詳細)
図6Aは、図3に示すガス制御間隔を算出する処理の第1の例を示すフローチャートである。図6Aに示される処理は、図3に示すS300のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。
【0066】
上述のように、レーザ光を長時間出力していると、次第にレーザチャンバ10内のハロゲンガスが減少するため、所定時間が経過するごとに、ハロゲンガス補充制御を行ってもよい。また、レーザ光を長時間出力していると、次第にレーザチャンバ10内の不純物濃度が上昇するため、所定時間が経過するごとに、部分ガス交換制御を行ってもよい。
【0067】
しかしながら、ハロゲンガスの減少や不純物濃度の上昇は、レーザ光の出力時間だけでなく、レーザ光の繰り返し周波数あるいはデューティーD(図5)によっても影響を受け得る。そこで、ガス制御部47は、以下の処理により、所定時間に対する補正演算を行ってもよい。
【0068】
まず、ガス制御部47は、ハロゲンガス補充制御のための時間間隔の基準値Thi0と、部分ガス交換制御のための時間間隔の基準値Tpi0とを読み込んでもよい(S301)。
【0069】
ガス制御部47は、ハロゲンガス補充制御のための時間間隔の基準値Thi0と、エキシマレーザ装置のデューティーDとに基づいて、(Thi0/D)によってハロゲンガス補充制御の時間間隔Thiを算出してもよい(S302)。デューティーDはレーザ制御部30から送信された値であってもよい。
【0070】
また、ガス制御部47は、部分ガス交換制御のための時間間隔の基準値Tpi0と、エキシマレーザ装置のデューティーDとに基づいて、(Tpi0/D)によって部分ガス交換制御の時間間隔Tpiを算出してもよい(S303)。デューティーDはレーザ制御部30から送信された値であってもよい。
【0071】
図6Bは、エキシマレーザ装置のデューティーと図6Aにおいて算出されるガス制御間隔との関係を示すグラフである。図6Aにおいて算出されるハロゲンガス補充制御の時間間隔Thiは、デューティーDが1であるとき(最大繰り返し周波数で発振しているとき)に最も短く、最小値Thi0となってもよい。デューティーDが1より小さい場合、ハロゲンガス補充制御の時間間隔Thiは、基準値Thi0より大きい値となってもよい。
【0072】
同様に、図6Aにおいて算出される部分ガス交換制御の時間間隔Tpiは、デューティーDが1であるとき(最大繰り返し周波数で発振しているとき)に最も短く、最小値Tpi0となってもよい。デューティーDが1より小さい場合、部分ガス交換制御の時間間隔Tpiは、基準値Tpi0より大きい値となってもよい。
【0073】
これにより、エキシマレーザ装置のデューティーに応じて、適切なタイミングでハロゲンガス補充制御及び部分ガス交換制御を行い得る。
【0074】
図6Cは、図3に示すガス制御間隔を算出する処理の第2の例を示すフローチャートである。図6Cに示される処理は、図3に示すS300のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。
【0075】
図6Aを参照しながら説明したように、ハロゲンガスの減少や不純物濃度の上昇は、レーザ光の繰り返し周波数あるいはデューティーD(図5)によって影響を受け得る。しかしながら、レーザ光を発振しなくても、ハロゲンガスの減少や不純物濃度の上昇があり得る。そこで、ガス制御間隔に上限値を設けることにより、レーザ光の繰り返し周波数が小さい場合に、ガス制御間隔が上限値を超えることがないようにしてもよい。
【0076】
まず、ガス制御部47は、ハロゲンガス補充制御のための時間間隔の基準値Thi0及び上限となる一定値Thicと、部分ガス交換制御のための時間間隔の基準値Tpi0及び上限となる一定値Tpicと、を読み込んでもよい(S304)。
【0077】
次に、ガス制御部47は、エキシマレーザ装置のデューティーDを読み込み、デューティーDが一定値(例えば0.2)以上であるか否かを判定してもよい(S305)。
【0078】
デューティーDが一定値以上である場合(S305:YES)、図6Aと同様に、ガス制御部47は、(Thi0/D)によってハロゲンガス補充制御の時間間隔Thiを算出してもよい(S306)。また、ガス制御部47は、(Tpi0/D)によって部分ガス交換制御の時間間隔Tpiを算出してもよい(S307)。
【0079】
デューティーDが一定値以上でない場合(S305:NO)、ガス制御部47は、ハロゲンガス補充制御の時間間隔Thiを、一定値Thicとしてもよい(S308)。また、ガス制御部47は、部分ガス交換制御の時間間隔Tpiを、一定値Tpicとしてもよい(S309)。
【0080】
図6Dは、エキシマレーザ装置のデューティーと図6Cにおいて算出されるガス制御間隔との関係を示すグラフである。図6Cにおいて算出されるハロゲンガス補充制御の時間間隔Thiは、デューティーDが1であるときに最も短く、最小値Thi0となってもよい。デューティーDが一定値(例えば0.2)より小さい場合、ハロゲンガス補充制御の時間間隔Thiは、一定値Thicとなってもよい。
【0081】
同様に、図6Cにおいて算出される部分ガス交換制御の時間間隔Tpiは、デューティーDが1であるときに最も短く、最小値Tpi0となってもよい。デューティーDが一定値(例えば0.2)より小さい場合、部分ガス交換制御の時間間隔Tpiは、一定値Tpicとなってもよい。
【0082】
これにより、レーザ光の発振間隔が非常に長い時間で発振する場合や、デューティーDが小さい状態で発振する場合でも、適切なタイミングでハロゲンガス補充制御及び部分ガス交換制御を行い得る。
【0083】
図6Eは、図3に示すガス制御間隔を算出する処理の第3の例を示すフローチャートである。図6Eに示される処理は、図3に示すS300のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。
【0084】
まず、ガス制御部47は、ハロゲンガス補充制御のための時間間隔の基準値Thi0と、部分ガス交換制御のための時間間隔となる一定値Tpicと、を読み込んでもよい(S310)。
【0085】
図6Aと同様に、ガス制御部47は、(Thi0/D)によってハロゲンガス補充制御の時間間隔Thiを算出してもよい(S311)。
一方、ガス制御部47は、部分ガス交換制御の時間間隔Tpiを、一定値Tpi0としてもよい(S312)。
【0086】
図6Fは、エキシマレーザ装置のデューティーと図6Eにおいて算出されるガス制御間隔との関係を示すグラフである。図6Fに示されるように、ハロゲンガス補充制御の時間間隔Thiは、デューティーDに依存したものとし、部分ガス交換制御の時間間隔Tpiは、デューティーDに依存しない一定値Tpicとして、一定時間間隔で部分ガス交換制御を行うようにしてもよい。
【0087】
4.6 ハロゲンガス分圧の算出(S400の詳細)
図7Aは、図3に示すハロゲンガス分圧を算出する処理の第1の例を示すフローチャートである。図7Aに示される処理は、図3に示すS400のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。
【0088】
上述のように、レーザチャンバ10内のハロゲンガスの減少は、レーザ光の繰り返し周波数あるいはデューティーD(図5)によって影響を受け得る。そこで、ハロゲンガス補充制御において適切な量のハロゲンガスをレーザチャンバ10内に補充するため、あるいは部分ガス交換制御において適切なハロゲンガス濃度のレーザガスをレーザチャンバ10内に供給するため、以下のようにしてハロゲンガス分圧を算出してもよい。
【0089】
まず、ガス制御部47は、前回ハロゲンガス補充制御した直後のレーザチャンバ10内のハロゲンガス分圧Ph0を読み込んでもよい(S401)。S401における処理では、エキシマレーザ装置の設置直後等、前回のハロゲンガス補充制御におけるハロゲンガス分圧Ph0がデータとして存在しない場合がある。このような場合、直近の全ガス交換時において、第1及び第2のレーザガス供給前後の圧力及び排出量に基づいてハロゲンガス分圧を算出しておき、このハロゲンガス分圧をPh0に代入してもよい。
次に、ガス制御部47は、前回ハロゲンガス補充制御した直後のハロゲンガス分圧Ph0と、一定時間における発振パルス数Np(図5)と、比例定数kと、に基づいて、(Ph0−k・Np)によってハロゲンガス分圧Phを算出してもよい(S402)。
【0090】
図7Bは、図3に示すハロゲンガス分圧を算出する処理の第2の例を示すフローチャートである。図7Bに示される処理は、図3に示すS400のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。
【0091】
レーザチャンバ10内のハロゲンガスの減少は、レーザ光の繰り返し周波数あるいはデューティーDだけでなく、ハロゲンガス補充制御の時間間隔Thiによっても影響を受け得る。そこで、ハロゲンガス補充制御において適切な量のハロゲンガスを補充するため、あるいは部分ガス交換制御において適切なハロゲンガス濃度のレーザガスを供給するため、以下のようにしてハロゲンガス分圧を算出してもよい。
【0092】
まず、ガス制御部47は、前回ハロゲンガス補充制御した直後のレーザチャンバ10内のハロゲンガス分圧Ph0を読み込んでもよい(S401)。
次に、ガス制御部47は、前回ハロゲンガス補充制御した直後のハロゲンガス分圧Ph0と、一定時間における発振パルス数Npと、ハロゲンガス補充制御の時間間隔Thiと、比例定数h及びkと、に基づいて、(Ph0−h・Thi−k・Np)によってハロゲンガス分圧Phを算出してもよい(S403)。
【0093】
図7Cは、図3に示すハロゲンガス分圧を算出する処理の第3の例を示すフローチャートである。図7Cに示される処理は、図3に示すS400のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。
【0094】
レーザチャンバ10内のハロゲンガスの減少は、レーザ光の繰り返し周波数あるいはデューティーDだけでなく、一対の電極11a及び11b間に印加される電圧Vによっても影響を受け得る。そこで、ハロゲンガス補充制御において適切な量のハロゲンガスを補充するため、あるいは部分ガス交換制御において適切なハロゲンガス濃度のレーザガスを供給するため、以下のようにしてハロゲンガス分圧を算出してもよい。
【0095】
まず、ガス制御部47は、前回ハロゲンガス補充制御した直後のレーザチャンバ10内のハロゲンガス分圧Ph0を読み込んでもよい(S401)。
次に、ガス制御部47は、前回ハロゲンガス補充制御した直後のハロゲンガス分圧Ph0と、一定時間における発振パルス数Npと、一対の電極11a及び11b間に印加される電圧Vと、比例定数gと、に基づいて、(Ph0−g・Np・f(V))によってハロゲンガス分圧Phを算出してもよい(S404)。ここで、f(V)は、(c・V)であってもよいし、(a・V+b)であってもよい。また、a、b及びcは定数であってもよい。あるいは実験から得たデータに基づいた関数であってもよい。
【0096】
4.7 ガス交換量の算出(S500の詳細)
図8Aは、図3に示すガス交換量を算出する処理の第1の例を示すフローチャートである。図8Aに示される処理は、図3に示すS500のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。部分ガス交換制御において適切な量のガスを交換するため、以下のようにしてガス交換量を算出してもよい。
【0097】
まず、ガス制御部47は、圧力センサ16から受信したレーザチャンバ10内のガス圧Pを読み込んでもよい(S501)。
次に、ガス制御部47は、レーザチャンバ10内のガス圧Pと、第1の閾値Pmin及び第2の閾値Pmaxとを比較してもよい(S502)。第1の閾値Pmin及び第2の閾値Pmaxは、あらかじめガス制御部47によって保持されていてもよい。
【0098】
ガス圧Pが第1の閾値Pminより小さい場合(P<Pmin)、ガス制御部47は、ガス交換量Qを最小値Qminに設定してもよい(S503)。
ガス圧Pが第1の閾値より大きい第2の閾値Pmaxより、さらに大きい場合(Pmin<Pmax<P)、ガス制御部47は、ガス交換量Qを最大値Qmaxに設定してもよい(S504)。
【0099】
ガス圧Pが第1の閾値Pminと第2の閾値Pmaxとの間の値である場合(Pmin≦P≦Pmax)、ガス制御部47は、ガス交換量Qを、最小値Qminと最大値Qmaxとの間でガス圧Pに応じて連続的に変化する値に設定してもよい。例えば、ガス交換量Qは、a及びbを定数として、(a・P+b)で表わされる値としてもよい(S505)。
【0100】
図8Bは、レーザチャンバ内のガス圧と図8Aにおいて算出されるガス交換量との関係を示すグラフである。レーザチャンバ10内のガス圧Pが高くなるのは、上述のように、一対の電極11a及び11b間に印加される電圧Vが高いために、ガス圧制御(S600)によってガス圧を上げた場合であり得る。すなわち、レーザチャンバ10内のガス圧Pが高くなるのは、レーザチャンバ10内の不純物が増えてレーザ光の発光効率が低下した場合であり得る。
【0101】
そこで、図8Bに示すように、レーザチャンバ10内のガス圧Pが高い場合にはガス交換量Qを大きくすることにより、レーザチャンバ10内の不純物を低減し得る。逆に、レーザチャンバ10内のガス圧Pが低い場合にはガス交換量Qを小さくし得る。
【0102】
図8Cは、図3に示すガス交換量を算出する処理の第2の例を示すフローチャートである。図8Cに示される処理は、図3に示すS500のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。部分ガス交換制御において適切な量のガスを交換するため、以下のようにしてガス交換量を算出してもよい。
【0103】
まず、ガス制御部47は、レーザ制御部30から受信したエキシマレーザ装置のデューティーDを読み込んでもよい(S506)。
次に、ガス制御部47は、エキシマレーザ装置のデューティーDと、第1の閾値Dmin及び第2の閾値Dmaxとを比較してもよい(S507)。第1の閾値Dmin及び第2の閾値Dmaxは、あらかじめガス制御部47によって保持されていてもよい。
【0104】
デューティーDが第1の閾値Dminより小さい場合(D<Dmin)、ガス制御部47は、ガス交換量Qを最大値Qmaxに設定してもよい(S508)。
デューティーDが第1の閾値より大きい第2の閾値Dmaxより、さらに大きい場合(Dmin<Dmax<D)、ガス制御部47は、ガス交換量Qを最小値Qminに設定してもよい(S509)。
【0105】
デューティーDが第1の閾値Dminと第2の閾値Dmaxとの間の値である場合(Dmin≦D≦Dmax)、ガス制御部47は、ガス交換量Qを、最小値Qminと最大値Qmaxとの間でデューティーDに応じて連続的に変化する値に設定してもよい。例えば、ガス交換量Qは、a及びbを定数として、(a・D+b)で表わされる値としてもよい(S510)。
【0106】
図8Dは、エキシマレーザ装置のデューティーと図8Cにおいて算出されるガス交換量との関係の一例を示すグラフである。このように、ガス交換量Qは、エキシマレーザ装置のデューティーDに依存して設定されてもよい。
【0107】
4.8 ガス圧制御(S600の詳細)
図9は、図3に示すガス圧制御のフローチャートである。図9に示される処理は、図3に示すS600のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。
【0108】
まず、ガス制御部47は、レーザチャンバ10内のガス圧Pを、制御前のガス圧Pinとして記憶装置に記憶させてもよい(S601)。ガス圧Pは、圧力センサ16から受信したものでもよい。
【0109】
次に、ガス制御部47は、一対の電極11a及び11b間に供給される電圧Vが、第1の閾値VHより大きいか否かを判定してもよい(S602)。電圧Vが第1の閾値VHより大きい場合(S602:YES)、ガス制御部47は、S603〜S607において第2レーザガスをレーザチャンバ10に供給する制御を行ってもよい。電圧Vが第1の閾値VHより大きくない場合(S602:NO)、S608に移行してもよい。
【0110】
電圧Vが第1の閾値VHより大きい場合(S602:YES)、ガス制御部47は、制御前のガス圧Pinにガス圧増減幅ΔPを加算した値(Pin+ΔP)を、第1の目標ガス圧Pt1として設定してもよい(S603)。
【0111】
次に、ガス制御部47は、第2レーザガス注入バルブB−V及びコントロールバルブC−Vを開くことにより、第2レーザガスをレーザチャンバ10内に供給してもよい(S604)。第2レーザガスの流量は、マスフローコントローラB−MFCによって制御されてもよい。上述の通り、第2レーザガスとしては、アルゴン及びネオンの混合ガスが用いられてもよい。ハロゲンガスを含まない第2レーザガスをレーザチャンバ10内に供給することにより、レーザチャンバ10内のハロゲンガス分圧の変動を抑制し得る。すなわち、レーザチャンバ10内のガス圧Pを上昇させる以外は、レーザ光の発振条件の変動を抑制し得るので、エキシマレーザ装置の性能の安定性を確保し得る。
【0112】
次に、ガス制御部47は、レーザチャンバ10内のガス圧Pを新たに読み込んでもよい(S605)。次に、ガス制御部47は、新たに読み込んだガス圧Pが第1の目標ガス圧Pt1に達したか否かを判定してもよい(S606)。ガス圧Pが第1の目標ガス圧Pt1に達していない場合(Pt1>P)、第2レーザガス注入バルブB−Vを開いたまま、上述のS605に戻り、第1の目標ガス圧Pt1に達するまで待ってもよい。ガス圧Pが第1の目標ガス圧Pt1に達した場合(Pt1≦P)、ガス制御部47は、コントロールバルブC−V及び第2レーザガス注入バルブB−Vを閉じてもよい(S607)。
【0113】
一対の電極11a及び11b間に供給される電圧Vが、第1の閾値VHより大きくない場合(S602:NO)、ガス制御部47は、電圧Vが第2の閾値VLより小さいか否かを判定してもよい(S608)。ここで、メインフローのS590および本サブルーチンのS602による判定結果から、S608に処理が移行した時点で、既にV<VLを満たしていてもよい。その場合、S608は結果をYESとして判定は省略してもよい。電圧Vが第2の閾値VLより小さい場合(S608:YES)、ガス制御部47は、S609〜S620においてレーザチャンバ10内のガスの部分的な排気を行ってもよい。電圧Vが第2の閾値VLより小さくない場合(S608:NO)、S609〜S620の制御を行わなくてもよい。つまり、一対の電極11a及び11b間に供給される電圧Vが、第1の閾値VHから第2の閾値VLまでの範囲内にある場合には、ガス圧制御は開始されなくともよい。
【0114】
電圧Vが第2の閾値VLより小さい場合(S608:YES)、ガス制御部47は、制御前のガス圧Pinからガス圧増減幅ΔPを減算した値(Pin−ΔP)を、第2の目標ガス圧Pt2として設定してもよい(S609)。このとき同時にガス制御部47は、排気ポンプ46を起動して、コントロールバルブC−Vを開いてもよい。
【0115】
次に、ガス制御部47は、排気バルブEX−Vを所定時間開いて閉じることにより、レーザチャンバ10内のガスの部分的な排気を行ってもよい(S610)。
【0116】
次に、ガス制御部47は、レーザチャンバ10内のガス圧Pを新たに読み込んでもよい(S611)。次に、ガス制御部47は、新たに読み込んだガス圧Pが第2の目標ガス圧Pt2に達したか否かを判定してもよい(S612)。ガス圧Pが第2の目標ガス圧Pt2に達していない場合(Pt2<P)、上述のS610に戻り、第2の目標ガス圧Pt2に達するまで、レーザチャンバ10内のガスの部分的な排気を繰り返してもよい。ガス圧Pが第2の目標ガス圧Pt2に達した場合(Pt2≧P)、ガス制御部47は、ガスの排気によるハロゲンガス分圧の減少量ΔPhexを算出してもよい(S620)。このとき同時にガス制御部47は、コントロールバルブC−Vを閉じて、排気ポンプ46を停止してもよい。
【0117】
図10は、図9に示すハロゲンガス分圧の減少量を算出する処理のフローチャートである。図9のS609〜S612の制御によってガス圧を低下させると、レーザチャンバ10内のハロゲンガス分圧が減少し得る。そこで、ガス制御部47は、以下の処理により、ハロゲンガス分圧の減少量ΔPhexを算出してもよい。
【0118】
まず、ガス制御部47は、上述のS400(図3)において算出したハロゲンガス分圧Phを読み込み、制御前のハロゲンガス分圧Phinとして記憶装置に記憶させてもよい(S621)。
次に、ガス制御部47は、ガス圧制御によるガス圧増減幅ΔPと、制御前のハロゲンガス分圧Phinと、制御前のガス圧Pinとを用いて、(ΔP・Phin/Pin)により、ハロゲンガス分圧の減少量ΔPhexを算出してもよい(S622)。
【0119】
なお、図10に示す処理S620を終了した後、図3のS200に戻り、S400においてハロゲンガス分圧Phが再計算されてもよい。そのとき、図10において算出したハロゲンガス分圧の減少量ΔPhexを差し引いて、ハロゲンガス分圧Phが再計算されてもよい。そのようにして求めたハロゲンガス分圧Phを用いて、ハロゲンガス補充制御(S700)を行ってもよい。
【0120】
図11Aは、図9に示す第2レーザガス注入バルブの開閉に伴うレーザチャンバ内のガス圧及び電極間の印加電圧の変化を示すグラフである。
【0121】
一対の電極11a及び11b間に供給される電圧Vが、第1の閾値VHから第2の閾値VLまでの範囲内にある場合には、ガス圧制御は開始されないが、図11Aに示されるように、電圧Vが第1の閾値VHを超えると、ガス圧制御が開始され得る。電圧Vが第1の閾値VHを超えた場合、ガス圧制御によって、第2レーザガス注入バルブB−Vが開かれ、レーザチャンバ10内のガス圧Pは、制御前のガス圧Pinから次第に上昇し得る。レーザチャンバ10内のガス圧Pが上昇すると、エキシマレーザ装置の出力が上昇しようとするので、エキシマレーザ装置の出力を一定化するために、図4に示す処理によって電圧Vが低下し得る。レーザチャンバ10内のガス圧Pが第1の目標ガス圧Pt1に達すると、第2レーザガス注入バルブB−Vが閉じられるので、ガス圧Pの上昇が止まり、これに伴って電圧Vの低下も止まり得る。
【0122】
このようにして、レーザチャンバ10内のガス圧Pを上昇させることにより、一対の電極11a及び11b間に供給される電圧Vの過度の上昇を抑制し得る。
【0123】
図11Bは、図9に示す排気バルブの開閉に伴うレーザチャンバ内のガス圧及び電極間の印加電圧の変化を示すグラフである。
【0124】
一対の電極11a及び11b間に供給される電圧Vが、第1の閾値VHから第2の閾値VLまでの範囲内にある場合には、ガス圧制御は開始されないが、図11Bに示されるように、電圧Vが第2の閾値VL未満になると、ガス圧制御が開始され得る。電圧Vが第2の閾値VL未満になった場合、ガス圧制御によって、排気バルブEX−Vが所定時間開かれて閉じられ、レーザチャンバ10内のガス圧Pは、制御前のガス圧Pinから僅かに低下し得る。レーザチャンバ10内のガス圧Pが低下すると、エキシマレーザ装置の出力が低下しようとするので、エキシマレーザ装置の出力を一定化するために、図4に示す処理によって電圧Vが上昇し得る。
【0125】
レーザチャンバ10内のガス圧Pが第2の目標ガス圧Pt2に達するまで、排気バルブEX−Vの開閉動作が繰り返され、その度に、レーザチャンバ10内のガス圧Pが僅かに低下し、電圧Vが僅かに上昇し得る。レーザチャンバ10内のガス圧Pが第2の目標ガス圧Pt2に達すると、排気バルブEX−Vの開閉動作が終了するため、ガス圧Pの低下が止まり、これに伴って電圧Vの上昇も止まり得る。
【0126】
このようにして、レーザチャンバ10内のガス圧Pを低下させることにより、一対の電極11a及び11b間に供給される電圧Vの過度の低下を抑制し得る。
【0127】
4.9 ハロゲンガス補充制御(S700の詳細)
図12は、図3に示すハロゲンガス補充制御のフローチャートである。図12に示される処理は、図3に示すS700のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。
【0128】
まず、ガス制御部47は、ハロゲンガス分圧Phと、ガス圧Pと、目標ハロゲンガス分圧Phtと、を読み込んでもよい(S701)。ハロゲンガス分圧Phは、上述のS400(図3)において算出したものでもよい。ガス圧Pは、圧力センサ16から受信したものでもよい。目標ハロゲンガス分圧Phtは、エキシマレーザ装置の運転条件に応じて設定された値でもよい。
【0129】
次に、ガス制御部47は、ガス圧Pを、制御前のガス圧Pinとして記憶装置に記憶させてもよい(S702)。次に、ガス制御部47は、レーザチャンバ10内のハロゲンガス分圧を目標ハロゲンガス分圧Phtに制御するための第1レーザガスの注入量ΔPf2を算出してもよい(S710)。この算出処理の詳細は後述する。
【0130】
次に、ガス制御部47は、制御前のガス圧Pinに第1レーザガスの注入量ΔPf2を加算した値(Pin+ΔPf2)を、第1レーザガス注入後(排気前)の目標ガス圧Pxとして設定してもよい(S720)。次に、ガス制御部47は、第1レーザガス注入バルブF2−V及びコントロールバルブC−Vを開くことにより、第1レーザガスをレーザチャンバ10内に供給してもよい(S721)。第1レーザガスの流量が、マスフローコントローラF2−MFCによって制御されてもよい。上述の通り、第1レーザガスとしては、アルゴン、ネオン及びフッ素の混合ガスが用いられてもよい。フッ素ガスを含む第1レーザガスをレーザチャンバ10内に供給することにより、レーザチャンバ10内のハロゲンガス分圧を上昇させることができる。
【0131】
次に、ガス制御部47は、レーザチャンバ10内のガス圧Pを新たに読み込んでもよい(S722)。次に、ガス制御部47は、新たに読み込んだガス圧Pが第1レーザガス注入後の目標ガス圧Pxに達したか否かを判定してもよい(S723)。ガス圧Pが目標ガス圧Pxに達していない場合(Px>P)、第1レーザガス注入バルブF2−Vを開いたまま、上述のS722に戻り、目標ガス圧Pxに達するまで待ってもよい。ガス圧Pが目標ガス圧Pxに達した場合(Px≦P)、ガス制御部47は、コントロールバルブC−V及び第1レーザガス注入バルブF2−Vを閉じてもよい(S724)。この後、ガス制御部47は、排気ポンプ46を起動して、コントロールバルブC−Vを開いてもよい。このとき、排気バルブEX−Vは閉じていてよい。
【0132】
次に、ガス制御部47は、排気バルブEX−Vを所定時間開いて閉じることにより、レーザチャンバ10内のガスの部分的な排気を行ってもよい(S725)。
【0133】
次に、ガス制御部47は、レーザチャンバ10内のガス圧Pを新たに読み込んでもよい(S726)。次に、ガス制御部47は、新たに読み込んだガス圧Pが制御前のガス圧Pinまで戻ったか否かを判定してもよい(S727)。ガス圧Pが制御前のガス圧Pinまで戻っていない場合(Pin<P)、上述のS725に戻り、制御前のガス圧Pinに戻るまで、レーザチャンバ10内のガスの部分的な排気を繰り返してもよい。この間、排気ポンプ46は起動状態、コントロールバルブC−Vは開いた状態であってよい。ガス圧Pが制御前のガス圧Pinに戻った場合(Pin≧P)、ガス制御部47は、コントロールバルブC−Vを閉じて、排気ポンプ46を停止してもよい。そして、本フローチャートの処理を終了してもよい。
【0134】
図13は、図12のS710に示す第1レーザガスの注入量を算出する処理のフローチャートである。ガス制御部47は、以下の処理により、第1レーザガスの注入量ΔPf2を算出してもよい。
【0135】
まず、ガス制御部47は、上述のS400(図3)において算出したハロゲンガス分圧Phを、制御前のハロゲンガス分圧Phinとして記憶装置に記憶させてもよい(S711)。
次に、ガス制御部47は、第1レーザガスにおけるハロゲンガス濃度(体積比)C0を読み込んでもよい(S712)。第1レーザガスにおけるハロゲンガス濃度は、第1容器F2におけるハロゲンガス濃度(体積比)であってよく、あらかじめガス制御部47に入力され、ガス制御部47によって参照可能に保持されていてもよい。
【0136】
第1レーザガスをレーザチャンバ10内に注入(注入量ΔPf2)する場合のハロゲンガス分圧の増加量ΔPhは、下式で表わされ得る。
ΔPh=C0・ΔPf2
【0137】
第1レーザガスをレーザチャンバ10内に注入した後、制御前のガス圧Pinまで排気(注入量ΔPf2と同量排気)したときに減少するハロゲンガス分圧(減少量)ΔPhexは、下式で表わされ得る。
ΔPhex=ΔPf2・(Phin+C0・ΔPf2)/(Pin+ΔPf2)
・・・式1
【0138】
また、目標ハロゲンガス分圧Phtは、下式で表わされ得る。
Pht=Phin+C0・ΔPf2−ΔPhex ・・・式2
そこで、ガス制御部47は、式1及び式2を満たすΔPf2を、第1レーザガスの注入量ΔPf2として算出してもよい(S713)。または、ガス制御部47があらかじめテーブル等を保持していてもよく、このテーブルを参照することで第1レーザガスの注入量ΔPf2を決定してもよい。テーブルはたとえば、ガス圧Pと、ハロゲンガス分圧Phと、目標ハロゲンガス分圧Pht等に対応した、第1レーザガスの注入量ΔPf2の値を保持しているとよい。
【0139】
図14は、図12に示すハロゲンガス補充制御に伴うレーザチャンバ内のガス圧の変化を示すグラフである。ガス制御部47は、ハロゲンガス補充制御の時間間隔Thiが経過する度に、ハロゲンガス補充制御を開始してもよい。ハロゲンガス補充制御が開始されると、第1レーザガス注入バルブF2−V及びコントロールバルブC−Vが開かれ、レーザチャンバ10内のガス圧Pは、制御前のガス圧Pinから次第に上昇し得る。レーザチャンバ10内のガス圧Pが目標ガス圧Pxに達すると、コントロールバルブC−V及び第1レーザガス注入バルブF2−Vが閉じられるので、ガス圧Pの上昇が止まり得る。
【0140】
次に、排気ポンプ46が起動され、コントロールバルブC−Vが開かれた後に、排気バルブEX−Vが所定時間開かれて閉じられ、レーザチャンバ10内のガス圧Pは、目標ガス圧Pxから僅かに低下し得る。レーザチャンバ10内のガス圧Pが制御前のガス圧Pinに達するまで、排気バルブEX−Vの開閉動作が繰り返され、その度に、レーザチャンバ10内のガス圧Pが僅かに低下し得る。レーザチャンバ10内のガス圧Pが制御前のガス圧Pinに達すると、排気バルブEX−Vの開閉動作が終了するため、ガス圧Pの低下が止まり得る。その後、コントロールバルブC−Vは閉じられ、排気ポンプ46は停止されてもよい。
【0141】
このようにして、レーザチャンバ10内にハロゲンガスを供給し、その後、レーザチャンバ10内のガス圧Pを制御前のガス圧Pinに近い値に戻してもよい。このように、ハロゲンガス補充制御においては、レーザチャンバ10内のハロゲンガス分圧を上昇させながらも、レーザ光の発振条件の変動を抑制し得るので、エキシマレーザ装置の性能の安定性を確保し得る。
【0142】
4.10 部分ガス交換制御(S800の詳細)
図15は、図3に示す部分ガス交換制御のフローチャートである。図15に示される処理は、図3に示すS800のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。
【0143】
まず、ガス制御部47は、ガス交換量Qと、ガス圧Pと、ハロゲンガス分圧Phとを読み込んでもよい(S801)。ガス交換量Qは、上述のS500(図3)において算出したものでもよい。ガス圧Pは、圧力センサ16から受信したものでもよい。ハロゲンガス分圧Phは、上述のS400(図3)において算出したものでもよい。
【0144】
次に、ガス制御部47は、ガス圧Pを、制御前のガス圧Pinとして記憶装置に記憶させてもよい(S802)。次に、ガス制御部47は、部分ガス交換制御のための第1レーザガスの注入量ΔPf2及び第2レーザガスの注入量ΔPbを算出してもよい(S810)。この算出処理の詳細は後述する。
【0145】
次に、ガス制御部47は、制御前のガス圧Pinに第1レーザガスの注入量ΔPf2を加算した値(Pin+ΔPf2)を、第1レーザガス注入後の第1目標ガス圧Px1として設定してもよい(S820)。次に、ガス制御部47は、第1レーザガス注入バルブF2−V及びコントロールバルブC−Vを開くことにより、第1レーザガスをレーザチャンバ10内に供給してもよい(S821)。第1レーザガスの流量が、マスフローコントローラF2−MFCによって制御されてもよい。上述の通り、第1レーザガスとしては、アルゴン、ネオン及びフッ素の混合ガスが用いられてもよい。これにより、フッ素ガスを含む第1レーザガスがレーザチャンバ10内に供給され得る。
【0146】
次に、ガス制御部47は、レーザチャンバ10内のガス圧Pを新たに読み込んでもよい(S822)。次に、ガス制御部47は、新たに読み込んだガス圧Pが、第1レーザガス注入後の第1目標ガス圧Px1に達したか否かを判定してもよい(S823)。ガス圧Pが第1目標ガス圧Px1に達していない場合(Px1>P)、第1レーザガス注入バルブF2−Vを開いたまま、上述のS822に戻り、第1目標ガス圧Px1に達するまで待ってもよい。ガス圧Pが第1目標ガス圧Px1に達した場合(Px1≦P)、ガス制御部47は、コントロールバルブC−V及び第1レーザガス注入バルブF2−Vを閉じてもよい(S824)。
【0147】
次に、ガス制御部47は、制御前のガス圧Pinに第1レーザガスの注入量ΔPf2と第2レーザガスの注入量ΔPbとを加算した値(Pin+ΔPf2+ΔPb)を、第2レーザガス注入後の第2目標ガス圧Px2として設定してもよい(S825)。次に、ガス制御部47は、第2レーザガス注入バルブB−V及びコントロールバルブC−Vを開くことにより、第2レーザガスをレーザチャンバ10内に供給してもよい(S826)。第2レーザガスの流量が、マスフローコントローラB−MFCによって制御されてもよい。上述の通り、第2レーザガスとしては、アルゴン及びネオンの混合ガスが用いられてもよい。第1レーザガスの注入量ΔPf2及び第2レーザガスの注入量ΔPbを適切に算出(S810)することにより、部分ガス交換制御の前後においてレーザチャンバ10内のハロゲンガス分圧が変化しないようにしてもよい。
【0148】
次に、ガス制御部47は、レーザチャンバ10内のガス圧Pを新たに読み込んでもよい(S827)。次に、ガス制御部47は、新たに読み込んだガス圧Pが、第2レーザガス注入後の第2目標ガス圧Px2に達したか否かを判定してもよい(S828)。ガス圧Pが第2目標ガス圧Px2に達していない場合(Px2>P)、第2レーザガス注入バルブB−Vを開いたまま、上述のS827に戻り、第2目標ガス圧Px2に達するまで待ってもよい。ガス圧Pが第2目標ガス圧Px2に達した場合(Px2≦P)、ガス制御部47は、コントロールバルブC−V及び第2レーザガス注入バルブB−Vを閉じてもよい(S829)。この後、ガス制御部47は、排気ポンプ46を起動して、コントロールバルブC−Vを開いてもよい。このとき、排気バルブEX−Vは閉じていてよい。
【0149】
次に、ガス制御部47は、排気バルブEX−Vを所定時間開いて閉じることにより、レーザチャンバ10内のガスの部分的な排気を行ってもよい(S830)。
【0150】
次に、ガス制御部47は、レーザチャンバ10内のガス圧Pを新たに読み込んでもよい(S831)。次に、ガス制御部47は、新たに読み込んだガス圧Pが制御前のガス圧Pinまで戻ったか否かを判定してもよい(S832)。ガス圧Pが制御前のガス圧Pinまで戻っていない場合(Pin<P)、上述のS830に戻り、制御前のガス圧Pinに戻るまで、レーザチャンバ10内のガスの部分的な排気を繰り返してもよい。この間、排気ポンプ46は起動状態、コントロールバルブC−Vは開いた状態であってよい。ガス圧Pが制御前のガス圧Pinに戻った場合(Pin≧P)、ガス制御部47は、コントロールバルブC−Vを閉じて、排気ポンプ46を停止してもよい。そして、本フローチャートの処理を終了してもよい。
【0151】
図16は、図15に示す第1レーザガスの注入量及び第2レーザガスの注入量を算出する処理のフローチャートである。ガス制御部47は、以下の処理により、第1レーザガスの注入量ΔPf2及び第2レーザガスの注入量ΔPbを算出してもよい。
【0152】
まず、ガス制御部47は、上述のS400(図3)において算出したハロゲンガス分圧Phを、制御前のハロゲンガス分圧Phinとして記憶装置に記憶させてもよい(S811)。次に、ガス制御部47は、第1レーザガスにおけるハロゲンガス濃度(体積比)C0を読み込んでもよい(S812)。第1レーザガスにおけるハロゲンガス濃度は、あらかじめガス制御部47に入力され、ガス制御部47によって参照可能に保持されていてもよい。
【0153】
ガス制御部47は、レーザチャンバ10内のハロゲンガス濃度(体積比)Ch0を下式によって算出してもよい(S813)。
Ch0=Phin/Pin
【0154】
第1レーザガス(注入量ΔPf2、ハロゲンガス濃度C0)及び第2レーザガス(注入量ΔPb)を合わせた注入ガスのハロゲンガス濃度(体積比)が、制御前のハロゲンガス濃度(体積比)Ch0と等しい場合には、下式が成立し得る。
Ch0=C0・ΔPf2/(ΔPf2+ΔPb) ・・・式3
【0155】
一方、ガス交換量Qは、下式で表わされ得る。
Q=ΔPf2+ΔPb ・・・式4
そこで、ガス制御部47は、式3及び式4を満たすΔPf2及びΔPbを、第1レーザガスの注入量ΔPf2及び第2レーザガスの注入量ΔPbとして算出してもよい(S814)。
【0156】
図17は、図15に示す部分ガス交換制御に伴うレーザチャンバ内のガス圧の変化を示すグラフである。ガス制御部47は、部分ガス交換制御の時間間隔Tpiが経過する度、部分ガス交換制御を開始してもよい。部分ガス交換制御が開始されると、第1レーザガス注入バルブF2−V及びコントロールバルブC−Vが開かれ、レーザチャンバ10内のガス圧Pは、制御前のガス圧Pinから次第に上昇し得る。レーザチャンバ10内のガス圧Pが第1目標ガス圧Px1に達すると、コントロールバルブC−V及び第1レーザガス注入バルブF2−Vが閉じられる。次に、第2レーザガス注入バルブB−V及びコントロールバルブC−Vが開かれ、レーザチャンバ10内のガス圧Pは、第1目標ガス圧Px1からさらに上昇し得る。レーザチャンバ10内のガス圧Pが第2目標ガス圧Px2に達すると、コントロールバルブC−V及び第2レーザガス注入バルブB−Vが閉じられるので、ガス圧Pの上昇が止まり得る。
【0157】
次に、排気ポンプ46が起動され、コントロールバルブC−Vが開かれた後に、排気バルブEX−Vが所定時間開かれて閉じられ、レーザチャンバ10内のガス圧Pは、第2目標ガス圧Px2から僅かに低下し得る。レーザチャンバ10内のガス圧Pが制御前のガス圧Pinに達するまで、排気バルブEX−Vの開閉動作が繰り返され、その度に、レーザチャンバ10内のガス圧Pが僅かに低下し得る。レーザチャンバ10内のガス圧Pが制御前のガス圧Pinに達すると、排気バルブEX−Vの開閉動作が終了するため、ガス圧Pの低下が止まり得る。その後、コントロールバルブC−Vは閉じられ、排気ポンプ46は停止されてもよい。
【0158】
以上のようにして、部分ガス交換制御の前後においてハロゲンガス分圧が変化しないように、第1レーザガスの注入量ΔPf2及び第2レーザガスの注入量ΔPbを算出してもよい。さらに、第1レーザガス及び第2レーザガスの注入量の合計と実質的に同量の排気をすることにより、部分ガス交換制御の前後においてレーザチャンバ10内のガス圧変化が殆どないようにしてもよい。従って、不純物濃度を低下させながらも、レーザ光の発振条件の変動を抑制し得るので、エキシマレーザ装置の性能の安定性を確保し得る。
【0159】
また、第1レーザガスをレーザチャンバ10内に供給した後に、第2レーザガスをレーザチャンバ10内に供給するので、共通の配管である第1の配管41内に残ったハロゲンガスを第2レーザガスによってレーザチャンバ10内に送り込むことができる。従って、レーザチャンバ10内のハロゲンガス分圧を精度よく制御し得る。
【0160】
5.第2の実施形態(部分ガス交換制御とハロゲンガス補充制御の一体化制御)
5.1 ガス制御の概略
図18は、第2の実施形態におけるガス制御の状態遷移図である。図18に示すように、第2の実施形態におけるガス制御は、ガス圧制御(S600)と、部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御(S840)と、を含んでいてもよい。さらに、ガス制御の停止状態(S0)があってもよい。エキシマレーザ装置の構成は、第1の実施形態と同様でよい。
【0161】
部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御(S840)は、第1の実施形態における部分ガス交換制御と同様に、第1レーザガス及び第2レーザガスをレーザチャンバ10に注入し、その注入量の合計と同量のガスをレーザチャンバ10内から排気してもよい。但し、第2の実施形態の部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御においては、長時間のレーザ光出力によって低下したハロゲンガス分圧を所定の値に回復させるように、第1レーザガスの注入量と第2レーザガスの注入量とを算出してもよい。
【0162】
5.2 メインフロー
図19は、第2の実施形態におけるガス制御のフローチャートである。図19に示される処理は、ガス制御部47(図1)によって行われてもよい。図19に示される処理は、S100においては、第1の実施形態におけるタイマーTh及びTpの代わりに、タイマーThpの計時を開始してもよい。また、第1の実施形態におけるガス制御間隔Thi及びTpiの代わりに、ガス制御間隔Thpiを算出してもよい(S340)。ガス制御間隔Thpiの算出については、後述する。
【0163】
また、図19に示される処理は、第1の実施形態においてハロゲンガス補充制御や部分ガス交換制御を個別の状態として含む代わりに、部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御(S840)を1つの状態として含み得る点で、第1の実施形態と異なる。
【0164】
第2の実施形態において、ガス圧制御の条件が整っていなかった場合(S590:YES)、ガス制御部47は、タイマーThpと、部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御の時間間隔Thpiとを比較してもよい(S791)。
【0165】
タイマーThpが部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御の時間間隔Thpiに達した場合(Thpi<Thp)、ガス制御部47は、部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御を行ってもよい(S840)。部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御の詳細は後述する。部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御が終了したら、タイマーThpをリセットしてもよい(S881)。他の点については、第1の実施形態と同様の処理でよい。
【0166】
5.3 ガス制御間隔の算出(S340の詳細)
図20Aは、図19に示すガス制御間隔を算出する処理の第1の例を示すフローチャートである。図20Bは、エキシマレーザ装置のデューティーと図20Aにおいて算出されるガス制御間隔との関係を示すグラフである。
【0167】
まず、ガス制御部47は、部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御のための時間間隔の基準値Thpi0を読み込んでもよい(S341)。
次に、ガス制御部47は、読み込んだ基準値Thpi0と、エキシマレーザ装置のデューティーDとに基づいて、(Thpi0/D)によって、部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御のための時間間隔Thpiを算出してもよい(S342)。
【0168】
図20Cは、図19に示すガス制御間隔を算出する処理の第2の例を示すフローチャートである。図20Dは、エキシマレーザ装置のデューティーと図20Cにおいて算出されるガス制御間隔との関係を示すグラフである。
【0169】
まず、ガス制御部47は、部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御のための時間間隔の基準値Thpi0と、上限となる一定値Thpicとを読み込んでもよい(S343)。
次に、ガス制御部47は、エキシマレーザ装置のデューティーDを読み込み、デューティーDが一定値(例えば0.2)以上であるか否かを判定してもよい(S344)。
【0170】
デューティーDが一定値以上である場合(S344:YES)、図20Aと同様に、ガス制御部47は、(Thpi0/D)によって部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御の時間間隔Thpiを算出してもよい(S345)。
【0171】
デューティーDが一定値以上でない場合(S344:NO)、ガス制御部47は、部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御の時間間隔Thpiを、一定値Thpicとしてもよい(S346)。
【0172】
5.4 部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御(S840の詳細)
図21は、図19に示す部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御のフローチャートである。部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御においては、第1の実施形態における部分ガス交換制御と同様に、第1レーザガス及び第2レーザガスをレーザチャンバ10に注入し、その注入量の合計と同量のガスをレーザチャンバ10内から排気してもよい。但し、第2の実施形態の部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御においては、第1レーザガス及び第2レーザガスの注入量が、第1の実施形態の部分ガス交換制御と異なってもよい。
【0173】
ガス制御部47は、ガス交換量Qと、ガス圧Pと、ハロゲンガス分圧Phと、目標ハロゲンガス分圧Phtとを読み込んでもよい(S841)。次に、ガス制御部47は、ガス圧Pを、制御前のガス圧Pinとして記憶装置に記憶させてもよい(S842)。
さらに、ガス制御部47は、レーザチャンバ10内のハロゲンガス分圧を目標ハロゲンガス分圧Phtに制御するための第1レーザガスの注入量ΔPf2及び第2レーザガスの注入量ΔPbを算出してもよい(S850)。他の処理は、第1の実施形態の部分ガス交換制御(図15)と同様でよい。
【0174】
図22は、図21に示す第1レーザガスの注入量及び第2レーザガスの注入量を算出する処理のフローチャートである。ガス制御部47は、以下の処理により、第1レーザガスの注入量ΔPf2及び第2レーザガスの注入量ΔPbを算出してもよい。
【0175】
まず、ガス制御部47は、ハロゲンガス分圧Phを、制御前のハロゲンガス分圧Phinとして記憶装置に記憶させてもよい(S851)。
次に、ガス制御部47は、第1レーザガスにおけるハロゲンガス濃度(第1レーザガスにおけるハロゲン成分の体積比)C0を読み込んでもよい(S852)。第1レーザガスにおけるハロゲンガス濃度は、第1容器F2におけるハロゲンガス濃度(体積比)であってよく、あらかじめガス制御部47に入力され、ガス制御部47によって参照可能に保持されていてもよい。
【0176】
第1レーザガス(注入量ΔPf2)及び第2レーザガス(注入量ΔPb)をレーザチャンバ10内に注入した場合のハロゲンガス分圧の増加量ΔPhは、下式で表わされ得る。
ΔPh=C0・ΔPf2
【0177】
第1レーザガス及び第2レーザガスをレーザチャンバ10内に注入した後、制御前のガス圧Pinまで排気(注入量ΔPf2+ΔPbと同量排気)したときに減少するハロゲンガス分圧(減少量)ΔPhexは、下式で表わされ得る。
ΔPhex=(ΔPf2+ΔPb)・(Phin+C0・ΔPf2)/(Pin+ΔPf2+ΔPb) ・・・式5
【0178】
また、目標ハロゲンガス分圧Phtは、下式で表わされ得る。なお、目標ハロゲンガス分圧Phtは第1の実施形態と同様、エキシマレーザ装置の運転条件に応じて設定された値でもよい。
Pht=Phin+C0・ΔPf2−ΔPhex ・・・式6
【0179】
さらに、ガス交換量Qは、下式で表わされ得る。
Q=ΔPf2+ΔPb ・・・式7
【0180】
そこで、ガス制御部47は、式5〜式7を満たすΔPf2及びΔPbを、第1レーザガスの注入量ΔPf2及び第2レーザガスの注入量ΔPbとして算出してもよい(S853)。または、ガス制御部47があらかじめテーブル等を保持していてもよく、このテーブルを参照することで第1レーザガスの注入量ΔPf2及び第2レーザガスの注入量ΔPbを決定してもよい。テーブルはたとえば、ガス交換量Qと、ガス圧Pと、ハロゲンガス分圧Phと、目標ハロゲンガス分圧Pht等に対応した、第1レーザガスの注入量ΔPf2及び第2レーザガスの注入量ΔPbの値を保持しているとよい。
【0181】
第2の実施形態によれば、部分ガス交換制御とハロゲンガス補充制御とを一体化した処理を行うことにより、1回の処理で、レーザチャンバ10内の不純物を低減できるとともにハロゲンガス分圧を回復させることができる。
【0182】
6.第3の実施形態(MOPOシステム)
6.1 MOPOシステムの全体説明
図23は、第3の実施形態に係るエキシマレーザシステムの構成を模式的に示す。エキシマレーザシステムは、第1の実施形態に係るエキシマレーザ装置に加え、高反射ミラー18a及び18bと、レーザチャンバ20と、一対の電極21a及び21bと、充電器22と、パルスパワーモジュール(PPM)23と、部分反射ミラー24と、出力結合ミラー25と、圧力センサ26と、光センサモジュール27と、を含んでもよい。
【0183】
第1の実施形態において説明したレーザチャンバ10と、一対の電極11a及び11bと、充電器12と、パルスパワーモジュール(PPM)13と、狭帯域化モジュール14と、出力結合ミラー15とは、マスターオシレータMOを構成してもよい。レーザチャンバ20と、一対の電極21a及び21bと、充電器22と、パルスパワーモジュール(PPM)23と、部分反射ミラー24と、出力結合ミラー25とは、パワーオシレータPOを構成してもよい。マスターオシレータMOとパワーオシレータPOとによる、MOPO型のエキシマレーザシステムが構成されてもよい。
【0184】
マスターオシレータMOによって出力されたパルスレーザ光は、高反射ミラー18a及び18bを介してパワーオシレータPOの部分反射ミラー24に入射してもよい。部分反射ミラー24に入射したパルスレーザ光は、部分反射ミラー24と出力結合ミラー25との間で往復しながらレーザチャンバ20内を通過し、増幅され得る。増幅されたパルスレーザ光の一部は、出力結合ミラー25を透過して、出力レーザ光として出力され、光センサモジュール27を介して露光装置100に向けて出力され得る。
【0185】
充電器22、パルスパワーモジュール(PPM)23、圧力センサ26、光センサモジュール27等の構成及び機能は、第1の実施形態において対応するものと同様でよい。
ガス制御装置40において、第2〜第4の配管42〜44には、レーザチャンバ10に接続された第1の配管41が接続されている。これに加えて、レーザチャンバ20に接続された第5の配管45が接続されていてもよい。従って、レーザチャンバ20は、第1容器F2、第2容器B、排気ポンプ46にそれぞれ接続されてもよい。第5の配管45には、コントロールバルブC−V2が設けられていてもよい。
【0186】
6.2 MOPOシステムにおけるガス制御
図24は、第3の実施形態におけるガス制御の状態遷移図である。図24に示すように、第3の実施形態におけるガス制御は、マスターオシレータMOのガス圧制御(S600mo)、ハロゲンガス補充制御(S700mo)及び部分ガス交換制御(S800mo)の他に、パワーオシレータPOのガス圧制御(S600po)、ハロゲンガス補充制御(S700po)及び部分ガス交換制御(S800po)を含んでいてもよい。
【0187】
エキシマレーザ装置においてハロゲンガス分圧などの運転条件を変更すると、レーザパルス波形の立ち上がりタイミング等が変動する可能性がある。しかし、MOPOシステムにおいては、マスターオシレータMO及びパワーオシレータPOの一方でレーザパルス波形の立ち上がりタイミング等が変動しても、パワーオシレータPOから出力されるパルスレーザ光の、たとえばエネルギーが変動しにくいという利点がある。このため、マスターオシレータMOのガス制御と、パワーオシレータPOのガス制御とを、それぞれのガスの状態に合わせて独立に行なってもよい。
【0188】
図25は、第3の実施形態におけるガス制御のフローチャートである。図25に示される処理は、ガス制御部47(図23)によって行われてもよい。図25に示される処理は、第1の実施形態(図3)におけるS300〜S880の処理を、マスターオシレータMO及びパワーオシレータPOについてそれぞれ行う点で、第1の実施形態と異なり得る。他の点については第1の実施形態と同様でよい。
【0189】
7.第4の実施形態(MOPOシステムにおける制御の一体化)
図26は、第4の実施形態におけるガス制御の状態遷移図である。図27は、第4の実施形態におけるガス制御のフローチャートである。
【0190】
第4の実施形態におけるガス制御は、マスターオシレータMOの部分ガス交換制御とハロゲンガス補充制御とを一体化し、パワーオシレータPOの部分ガス交換制御とハロゲンガス補充制御とを一体化した点で、第3の実施形態と異なり得る。他の点は、第3の実施形態と同様でよい。部分ガス交換制御とハロゲンガス補充制御とを一体化した部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御の内容は、第2の実施形態と同様でよい。
【0191】
8.第5の実施形態(MOPOシステムにおける充電器の一体化)
図28は、第5の実施形態に係るエキシマレーザシステムの構成を模式的に示す。図28に示すように、マスターオシレータMOに含まれる一対の電極11a及び11bと、パワーオシレータPOに含まれる一対の電極21a及び21bとに、共通の充電器12が接続されてもよい。他の点については、第4の実施形態と同様でよい。
【0192】
マスターオシレータMOとパワーオシレータPOとに共通の充電器12を用いる場合、一対の電極11a及び11bと、一対の電極21a及び21bとには共通の電圧制御がなされ得る。すなわち、いずれか一方のレーザチャンバにおいて、不純物濃度が上昇等してレーザ光のパルスエネルギーが変化した場合でも、両者に共通の電圧制御がなされ、パワーオシレータPOの出力エネルギーが安定化され得る。従って、電極に印加される電圧に基づいてガス圧制御しようとしても、マスターオシレータMO及びパワーオシレータPOのいずれをガス圧制御すべきかを、電圧のみによっては的確に判断できない場合がある。そこで、マスターオシレータMOの出力エネルギーを検出することにより、マスターオシレータMO及びパワーオシレータPOのいずれをガス圧制御すべきかを判断してもよい。
【0193】
図29は、第5の実施形態におけるガス制御のフローチャートである。ガス制御部47は、電圧Vと、デューティーDと、マスターオシレータMOのガス圧Pmoと、パワーオシレータPOのガス圧Ppoと、マスターオシレータMOのパルスエネルギーEmoと、を読み込んでもよい(S210)。
【0194】
また、ガス制御部47は、電圧Vと、第1の閾値VH及び第2の閾値VLとを比較してもよい(S591、S594)。電圧Vが第1の閾値VHから第2の閾値VLまでの範囲外である場合(S591:YES、又は、S594:YES)、マスターオシレータMO及びパワーオシレータPOのいずれか又は両方のレーザチャンバにおいてガス圧制御すべきであると判断し得る。そこで、ガス制御部47は、マスターオシレータMOのパルスエネルギーEmoと、第1の閾値Emomin及び第2の閾値Emomaxとを比較してもよい(S592、S593、S595、S596)。
【0195】
比較の結果、VL<VH<Vであって、且つ、Emo<Emomin<Emomaxの関係にある場合(S592:YES)、マスターオシレータMOの出力が低く、マスターオシレータMO及びパワーオシレータPOの電極間に高電圧を印加しないとパワーオシレータPOの出力が確保できない状態であることがわかる。従って、この場合には、マスターオシレータMOのレーザチャンバ10に第2レーザガスを注入してもよい(S602mo)。
【0196】
また、VL<VH<Vであって、且つ、Emomin<Emomax<Emoの関係にある場合(S593:YES)、パワーオシレータPOの増幅率が低く、マスターオシレータMO及びパワーオシレータPOの電極間に高電圧を印加しないとパワーオシレータPOの出力が確保できない状態であることがわかる。従って、この場合には、パワーオシレータPOのレーザチャンバ20に第2レーザガスを注入してもよい(S602po)。
【0197】
また、V<VL<VHであって、且つ、Emomin<Emomax<Emoの関係にある場合(S595:YES)、マスターオシレータMOの出力が過剰で、マスターオシレータMO及びパワーオシレータPOの電極間の電圧を抑制しないとパワーオシレータPOの出力が過剰になってしまう状態であることがわかる。従って、この場合には、マスターオシレータMOのレーザチャンバ10についてガスの部分的な排気を行ってもよい(S608mo)。
【0198】
また、V<VL<VHであって、且つ、Emo<Emomin<Emomaxの関係にある場合(S596:YES)、パワーオシレータPOの増幅率が過剰で、マスターオシレータMO及びパワーオシレータPOの電極間の電圧を抑制しないとパワーオシレータPOの出力が過剰になってしまう状態であることがわかる。従って、この場合には、パワーオシレータPOのレーザチャンバ20についてガスの部分的な排気を行ってもよい(S608po)。
【0199】
電圧Vが、VL<V<VHの関係にある場合(S591:NO、且つ、S594:NO)、ガス圧制御をしなくてもよい。
なお、VL<VH<Vであって、且つ、Emomin<Emo<Emomaxの関係にある場合(S593:NO)、ガス圧制御をしなくてもよいし、マスターオシレータMO及びパワーオシレータPOのレーザチャンバに、それぞれ第2レーザガスを注入してもよい。
また、V<VL<VHであって、且つ、Emomin<Emo<Emomaxの関係にある場合(S596:NO)、ガス圧制御をしなくてもよいし、マスターオシレータMO及びパワーオシレータPOのレーザチャンバについて、それぞれ部分的な排気を行ってもよい。
上記以外の制御については、第4の実施形態と同様でよい。
【0200】
9.第6の実施形態(リング共振器を有するMOPOシステム)
図30Aは、第6の実施形態に係るエキシマレーザシステムの構成を模式的に示す。図30Bは、図30Aに示すパワーオシレータPOの構成を模式的に示す。上述の第3の実施形態においてはファブリペロ共振器を用いてパワーオシレータPOを構成していたのに対し、第6の実施形態においては、リング共振器を用いてパワーオシレータPOを構成し得る点で、第3の実施形態と異なる。
【0201】
第6の実施形態に係るエキシマレーザシステムは、第1の実施形態に係るエキシマレーザ装置に加え、高反射ミラー18a〜18cと、レーザチャンバ20と、一対の電極21a及び21bと、部分反射ミラー(出力結合ミラー)24と、高反射ミラー25a〜25cと、を含んでもよい。さらに、図示しない充電器、パルスパワーモジュール(PPM)、圧力センサ、光センサモジュール等を含んでもよい。
【0202】
マスターオシレータMOから出力されたレーザ光は、高反射ミラー18a〜18cを介して、パワーオシレータPOの部分反射ミラー(出力結合ミラー)24に導入されてもよい。
パワーオシレータPOは、高反射ミラー25a〜25c及び部分反射ミラー24によって構成されるリング型の光路によってレーザ光がレーザチャンバ20内を複数回通過するようにして、レーザ光を増幅してもよい。
【0203】
パワーオシレータPOによって増幅されたレーザ光は、部分反射ミラー(出力結合ミラー)24を介して、出力レーザ光として出力され得る。
他の点については、第3の実施形態と同様でよい。
【0204】
上記の説明は、制限ではなく単なる例示を意図したものである。従って、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本開示の実施形態に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
【0205】
本明細書及び添付の特許請求の範囲全体で使用される用語は、「限定的でない」用語と解釈されるべきである。例えば、「含む」又は「含まれる」という用語は、「含まれるものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「有する」という用語は、「有するものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。また、本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される修飾句「1つの」は、「少なくとも1つ」又は「1又はそれ以上」を意味すると解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0206】
10…レーザチャンバ、10a、10b…ウインドウ、11a、11b…電極、12…充電器、13…パルスパワーモジュール、13a…スイッチ、14…狭帯域化モジュール、14a…プリズム、14b…グレーティング、15…出力結合ミラー、16…圧力センサ、17…光センサモジュール、17a…ビームスプリッタ、17b…集光光学系、17c…光センサ、18a〜18c…高反射ミラー、20…レーザチャンバ、21a、21b…電極、22…充電器、24…部分反射ミラー、25…出力結合ミラー、25a〜25c…高反射ミラー、26…圧力センサ、27…光センサモジュール、30…レーザ制御部、40…ガス制御装置、41〜45…配管、46…排気ポンプ、47…ガス制御部、100…露光装置、110…露光装置コントローラ、F2…第1容器、F2−V…第1レーザガス注入バルブ、F2−MFC…マスフローコントローラ、F2−V2…バイパスバルブ、B…第2容器、B−V…第2レーザガス注入バルブ、B−MFC…マスフローコントローラ、B−V2…バイパスバルブ、C−V…コントロールバルブ、EX−V…排気バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスを封入するレーザチャンバと、
前記レーザチャンバの内部に配置された少なくとも一対の電極と、
前記電極間に電圧を供給する電源部と、
ハロゲンガスを含む第1レーザガスを収容した第1容器と、前記第1レーザガスよりもハロゲンガス濃度の低い第2レーザガスを収容した第2容器と、に接続され、前記第1レーザガス及び前記第2レーザガスの前記レーザチャンバの内部への供給を行うガス供給部と、
前記レーザチャンバの内部のガスの部分的な排気を行うガス排気部と、
前記ガス供給部及び前記ガス排気部を制御するガス制御部と、
を備え、
前記ガス制御部は、
前記ガス供給部による前記第2レーザガスの前記レーザチャンバの内部への供給、及び、前記ガス排気部による前記レーザチャンバの内部のガスの部分的な排気のいずれかを行うガス圧制御と、
前記ガス供給部による前記第1レーザガス及び前記第2レーザガスの前記レーザチャンバの内部への供給と、前記ガス排気部による前記レーザチャンバの内部のガスの部分的な排気とを順次行う部分ガス交換制御と、
を選択的に行う、エキシマレーザ装置。
【請求項2】
前記ガス制御部は、
前記ガス圧制御と、
前記部分ガス交換制御と、
前記ガス供給部による前記第1レーザガスの前記レーザチャンバの内部への供給と、前記ガス排気部による前記レーザチャンバの内部のガスの部分的な排気とを順次行うハロゲンガス補充制御と、
を選択的に行う、請求項1記載のエキシマレーザ装置。
【請求項3】
前記レーザチャンバから出力されるレーザ光のエネルギーを検出するエネルギー検出器と、
前記電源部により前記一対の電極間に供給される電圧を制御する電圧制御部であって、前記エネルギー検出器による検出結果が第1の値である場合に、前記一対の電極間に第1の電圧が供給されるように制御し、前記エネルギー検出器による検出結果が前記第1の値より小さい第2の値である場合に、前記一対の電極間に前記第1の電圧より大きい第2の電圧が供給されるように制御する、前記電圧制御部と、
をさらに備え、
前記ガス制御部は、
前記電源部により前記一対の電極間に供給される電圧が、第1の所定値より高い場合に、前記ガス圧制御のうち、前記ガス供給部による前記第2レーザガスの前記レーザチャンバの内部への供給を行い、
前記電源部により前記一対の電極間に供給される電圧が、前記第1の所定値より低い第2の所定値より、さらに低い場合に、前記ガス圧制御のうち、前記ガス排気部による前記レーザチャンバの内部のガスの部分的な排気を行う、
請求項1記載のエキシマレーザ装置。
【請求項4】
前記ガス制御部は、所定時間が経過するごとに前記部分ガス交換制御を行う、請求項1記載のエキシマレーザ装置。
【請求項5】
前記ガス制御部は、
前記レーザチャンバから出力されるレーザ光の繰り返し周波数を計測し、
前記繰り返し周波数に基づいて、所定時間に対する補正演算を行って補正時間を算出し、
前回の部分ガス交換制御を行ったときから前記補正時間が経過したときに次の部分ガス交換制御を行う、請求項1記載のエキシマレーザ装置。
【請求項6】
前記ガス制御部は、前記部分ガス交換制御において、所定量の前記第1レーザガス及び前記第2レーザガスを前記レーザチャンバの内部に供給し、前記所定量と実質的に同量の排気を行う、請求項1記載のエキシマレーザ装置。
【請求項7】
前記レーザチャンバの内部のガス圧を検出する圧力センサをさらに備え、
前記ガス制御部は、前記部分ガス交換制御において、
前記圧力センサによる検出結果が第1の値である場合に、第1の所定量の前記第1レーザガス及び前記第2レーザガスを前記レーザチャンバの内部に供給し、前記第1の所定量の排気を行い、
前記圧力センサによる検出結果が前記第1の値より大きい第2の値である場合に、前記第1の所定量より大きい第2の所定量の前記第1レーザガス及び前記第2レーザガスを前記レーザチャンバの内部に供給し、前記第2の所定量の排気を行う、
請求項3記載のエキシマレーザ装置。
【請求項8】
前記ガス制御部は、
前記レーザチャンバから出力されるレーザ光の繰り返し周波数を計測し、
前記部分ガス交換制御において、
前記繰り返し周波数が第1の値である場合に、第1の所定量の前記第1レーザガス及び前記第2レーザガスを前記レーザチャンバの内部に供給し、前記第1の所定量の排気を行い、
前記繰り返し周波数が前記第1の値より大きい第2の値である場合に、前記第1の所定量より小さい第2の所定量の前記第1レーザガス及び前記第2レーザガスを前記レーザチャンバの内部に供給し、前記第2の所定量の排気を行う、
請求項3記載のエキシマレーザ装置。
【請求項9】
前記ガス制御部は、前記ハロゲンガス補充制御において、所定量の前記第1レーザガスを前記レーザチャンバの内部に供給し、前記所定量と実質的に同量の排気を行う、請求項2記載のエキシマレーザ装置。
【請求項10】
前記ガス制御部は、前記ハロゲンガス補充制御において、
前記電源部により前記一対の電極間に供給される電圧が第1の値である場合に、第1の所定量の前記第1レーザガスを前記レーザチャンバの内部に供給し、前記第1の所定量の排気を行い、
前記電源部により前記一対の電極間に供給される電圧が前記第1の値より大きい第2の値である場合に、前記第1の所定量より大きい第2の所定量の前記第1レーザガスを前記レーザチャンバの内部に供給し、前記第2の所定量の排気を行う、
請求項2記載のエキシマレーザ装置。
【請求項11】
ガスを封入する第1のレーザチャンバと、前記第1のレーザチャンバの内部に配置された少なくとも一対の第1の電極と、前記第1のレーザチャンバを挟んで配置された第1の共振器と、を含む第1のエキシマレーザ装置と、
ガスを封入する第2のレーザチャンバと、前記第2のレーザチャンバの内部に配置された少なくとも一対の第2の電極と、前記第2のレーザチャンバを挟んで配置された第2の共振器と、を含み、前記第1のエキシマレーザ装置から出力されたレーザ光を増幅する第2のエキシマレーザ装置と、
前記第1の電極間及び前記第2の電極間に電圧を供給する少なくとも1つの電源部と、
ハロゲンガスを含む第1レーザガスを収容した第1容器と、前記第1レーザガスよりもハロゲンガス濃度の低い第2レーザガスを収容した第2容器と、に接続され、前記第1レーザガス及び前記第2レーザガスの前記第1のレーザチャンバ及び前記第2のレーザチャンバの内部への供給を行うガス供給部と、
前記第1のレーザチャンバ及び前記第2のレーザチャンバの内部のガスの部分的な排気を行うガス排気部と、
前記ガス供給部及び前記ガス排気部を制御するガス制御部と、
を備え、
前記ガス制御部は、
前記ガス供給部による前記第2レーザガスの前記第1のレーザチャンバの内部への供給、及び、前記ガス排気部による前記第1のレーザチャンバの内部のガスの部分的な排気のいずれかを行う第1のガス圧制御と、
前記ガス供給部による前記第2レーザガスの前記第2のレーザチャンバの内部への供給、及び、前記ガス排気部による前記第2のレーザチャンバの内部のガスの部分的な排気のいずれかを行う第2のガス圧制御と、
前記ガス供給部による前記第1レーザガス及び前記第2レーザガスの前記第1のレーザチャンバの内部への供給と、前記ガス排気部による前記第1のレーザチャンバの内部のガスの部分的な排気とを順次行う第1の部分ガス交換制御と、
前記ガス供給部による前記第1レーザガス及び前記第2レーザガスの前記第2のレーザチャンバの内部への供給と、前記ガス排気部による前記第2のレーザチャンバの内部のガスの部分的な排気とを順次行う第2の部分ガス交換制御と、
を選択的に行う、エキシマレーザシステム。
【請求項12】
前記ガス制御部は、
前記第1のガス圧制御と、
前記第2のガス圧制御と、
前記第1の部分ガス交換制御と、
前記第2の部分ガス交換制御と、
前記ガス供給部による前記第1レーザガスの前記第1のレーザチャンバの内部への供給と、前記ガス排気部による前記第1のレーザチャンバの内部のガスの部分的な排気とを順次行う第1のハロゲンガス補充制御と、
前記ガス供給部による前記第1レーザガスの前記第2のレーザチャンバの内部への供給と、前記ガス排気部による前記第2のレーザチャンバの内部のガスの部分的な排気とを順次行う第2のハロゲンガス補充制御と、
を選択的に行う、請求項11記載のエキシマレーザシステム。
【請求項13】
前記電源部は、電気エネルギーを蓄える1つの蓄電部を含み、前記1つの蓄電部が、前記第1の電極間及び前記第2の電極間の両方に電圧を供給する、請求項11記載のエキシマレーザシステム。
【請求項14】
ガスを封入するレーザチャンバと、
前記レーザチャンバの内部に配置された少なくとも一対の電極と、
前記電極間に電圧を供給する電源部と、
ハロゲンガスを含む第1レーザガスを収容した第1容器と、前記第1レーザガスよりもハロゲンガス濃度の低い第2レーザガスを収容した第2容器と、に接続され、前記第1レーザガス及び前記第2レーザガスの前記レーザチャンバの内部への供給を行うガス供給部と、
前記レーザチャンバの内部のガスの部分的な排気を行うガス排気部と、
前記ガス供給部及び前記ガス排気部を制御するガス制御部と、
を備え、
前記ガス制御部は、
前記ガス供給部による前記第1レーザガス及び前記第2レーザガスの前記レーザチャンバの内部への供給と、前記ガス排気部による前記レーザチャンバの内部のガスの部分的な排気とを順次行う部分ガス交換制御と、
前記ガス供給部による前記第1レーザガスの前記レーザチャンバの内部への供給と、前記ガス排気部による前記レーザチャンバの内部のガスの部分的な排気とを順次行うハロゲンガス補充制御と、
を選択的に行う、エキシマレーザ装置。
【請求項15】
前記ガス制御部は、
前記レーザチャンバから出力されるレーザ光の繰り返し周波数を計測し、
前記繰り返し周波数に基づいて、所定時間に対する補正演算を行って補正時間を算出し、
前回の部分ガス交換制御を行ったときから前記補正時間が経過したときに次の部分ガス交換制御を行う、請求項14記載のエキシマレーザ装置。
【請求項16】
ガスを封入する第1のレーザチャンバと、
前記第1のレーザチャンバ内の圧力を検出する第1圧力検出部と、
を含み、レーザ光を出力するマスターオシレータと、
ガスを封入する第2のレーザチャンバと、
前記第2のレーザチャンバ内の圧力を検出する第2圧力検出部と、
を含み、前記マスターオシレータから出力されたレーザ光を増幅して出力するパワーオシレータと、
ハロゲンガスを含む第1レーザガスを収容した第1容器と、
前記第1レーザガスよりもハロゲンガス濃度の低い第2レーザガスを収容した第2容器と、に接続され、
前記第1レーザガス及び前記第2レーザガスを前記第1のレーザチャンバ及び前記第2のレーザチャンバの内部に選択的に供給あるいは供給停止するための複数のバルブを含む、
ガス供給部と、
前記第1のレーザチャンバ及び前記第2のレーザチャンバの内部のガスの排気を行うガス排気部と、
前記第1及び第2の圧力検出部に接続され、前記ガス供給部及び前記ガス排気部を制御するガス制御部と、
を備え、
前記ガス制御部は、第1及び第2のレーザガス供給前後の圧力及び排出量に基づいて、第1及び第2レーザチャンバそれぞれのハロゲンガス分圧値を算出、保持し、最新のハロゲン分圧値に基づいて、第1所定圧、第2所定圧、第3所定圧、第4所定圧を算出し、
前記第1のレーザチャンバの内部に前記第1レーザガスを第1所定圧まで供給し、続いて、前記第2レーザガスを第2所定圧まで供給し、前記第1のレーザチャンバの内部のガスを前記第1レーザガスの供給前の圧力まで排気する第1のガス交換制御と、
前記第2のレーザチャンバの内部に前記第1レーザガスを第3所定圧まで供給し、続いて、前記第2レーザガスを第4所定圧まで供給し、前記第2のレーザチャンバの内部のガスを前記第1レーザガスの供給前の圧力まで排気する第2のガス交換制御と、
を選択的に行う、エキシマレーザシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図20D】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30A】
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【図30B】
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【公開番号】特開2013−110381(P2013−110381A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−160399(P2012−160399)
【出願日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【出願人】(300073919)ギガフォトン株式会社 (227)
【Fターム(参考)】