説明

カメラ、ストラップユニットおよび携帯型電子機器

【課題】ストラップとしても使い勝手の良い通信用ケーブル付きのストラップを備えるカメラ、そのストラップユニット、同様のケーブルつきのストラップを備える携帯型電子機器を提供する。
【解決手段】カメラ本体1の側面には、ストラップユニット10が取り付けられる。ストラップユニット10の根元は長さの短い通信用のコード12となっており、コード12の先にコネクタ13が設けられ、さらにストラップ本体11が取り付けられている。コネクタ13には保護用のキャップ14が装着可能となっており、携帯時や撮影時にはキャップ14が装着された状態で使用され、カメラ本体1からPC等の外部機器に画像データを転送する際には、キャップ14を外し、端子13aを外部機器と接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ等の携帯型電子機器と、これに設けられるストラップユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
最近のデジタルカメラやデジタルレコーダ等の携帯型電子機器は、パーソナルコンピュータ(Personal Computer、以下「PC」と称す)とデータの送受信するための通信機能を備えたるものがある。例えば、デジタルカメラにデータ通信手段を設け、撮影した画像データをPCやプリンタに転送できるものがある。このようなデジタルカメラとPCの組み合わせでは、PCが受信した画像データをハードディスクに保存することができ、またPCからネットワークを介して外部のサイトに送信することもできる。さらに、プリンタとの組み合わせでは、プリンタは受信した画像データを印刷することができる。
【0003】
画像データを送信するための通信手段としては、ケーブルを介して行うワイヤード方式の他に、最近は光通信や無線通信によるワイヤレス方式が登場してきている。これら2方式の内、ワイヤレス方式は、送受信デバイスのコストが高く、装置のサイズも大きくなってしまい、また、送信先のPCやプリンタにおいてもコスト等の負担がかかってしまうという問題がある。そこで、現時点では、コストと安定性の観点から、ケーブルを使用するワイヤード方式が一般的である。特に、USB(Universal Serial Bus)規格を利用したワイヤード方式がポピュラーとなっている。
【0004】
このようにワイヤード方式が一般的となっているが、ワイヤード方式はケーブルなしでは送受信することができない。このため、家にいるときでも専用ケーブルを探し回ることがしばしばあり、また、外出先で通信を行う場合には、専用ケーブルを持ち歩かなければならないという不便がさがつきまとっている。
【0005】
そこで、通信用のケーブルをカメラのストラップ代わりして、常にカメラに付属させるようにし、ケーブルをわざわざ持ち運ぶ手間を省くようにしたカメラが提案されている(特許文献1)。特許文献1には、カメラ本体の側面にポート(ジャック)を2つ設け、このポートに接続される2つのコネクタを両端に備えたケーブルが開示されている。このケーブル両端のコネクタをカメラ本体に接続した状態では、ケーブルはストラップとして機能し、また、ケーブルの一端のコネクタをカメラ本体のポートに接続し、他端のコネクタをPCに接続した状態では、ケーブルは通信用ケーブルとしての機能を果たす。
【特許文献1】特開2001−257919号公報
【0006】
また、ケーブル兼用ストラップを利用して、フックなどにカメラを掛けて撮影ができるようにしたカメラも提案されている(特許文献2)。すなわち、特許文献2に開示されたカメラは、ストラップ兼用のケーブルの一端をカメラ本体に固定し、他端にコネクタを設け、このコネクタと接続するポート(ジャック)をカメラ本体の第1側面と第2側面に配置している。そして、このコネクタを第1側面のポートに接続した場合には、ケーブルはストラップとしての機能し、第2側面のポートに接続した場合には、壁などに設けられたフックに掛けて撮影することができる。
【特許文献2】特開2003−167293号公報
【0007】
さらに、通信用ケーブルがストラップを兼用するものではないが、ストラップにケーブルの抜け止めを設けることも提案されている(特許文献3参照)。同じく通信用ケーブルがストラップを兼用するものではないが、電池収納体と、この電池の電力をカメラに供給するケーブルをストラップに設けることも提案されている(特許文献4参照)
【特許文献3】特開2006−173308号公報
【特許文献4】特開2003−005271号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の特許文献に開示された通信用ケーブル兼用ストラップは、ストラップ全体がケーブルで構成されているため、従来の専用ストラップに比較すると、柔軟性におとり、また質感上で問題がある。さらに、ケーブルをストラップとしても使用すると、ストラップには色々な力が加わるので、ストレスによって断線する可能性も少なくはない。その上、ケーブルに設けたコネクタはPCに接続すると共に、カメラ本体にも接続していることから、カメラ側にもPCと同じ大きさの端子を設ける必要がある。通常のデジタルカメラは、PC用の端子に比べ、小型のコネクタ端子(レセプタクル)を設け、小型化を図っている。このためカメラ本体にPCと同じ大きさのコネクタ端子を設けるとすると、カメラが大型化してしまうという問題が生ずる。このことはデジタルカメラに限らず、他の携帯用電子機器でも同様である。
【0009】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、ストラップとしても使い勝手の良い通信用ケーブル付きのストラップを備えるカメラ、そのストラップ、同様のケーブルつきのストラップを備える携帯型電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため第1の発明に係わるカメラは、カメラ本体に携行用のストラップユニットが設けられるカメラにおいて、上記ストラップユニットは、一端がカメラ本体に取り付けられ、カメラ本体と外部装置との通信を中継するケーブルと、このケーブルの他端部に設けられ、上記外部装置の端子に接続されるコネクタと、このコネクタの先端を保護するキャップと、上記コネクタに設けられるストラップ本体を具備する。
【0011】
第2の発明に係わるカメラは、上記第1の発明において、上記キャップは、上記コネクタに着脱自在に設けられ、または上記コネクタの先端を保護する位置と開放する位置に移動可能なように上記コネクタに取り付けられる。
また、第3の発明に係わるカメラは、上記第1の発明において、上記ケーブルは、一端に第2のコネクタが設けられ、この第2のコネクタでカメラ本体に取り付けられ、上記カメラ本体側の第2のコネクタに対応するレセプタクルは、上記ケーブルに代えて、一端がパーソナルコンピュータ用のコネクタが設けられ、他端が上記カメラ本体用のコネクタが設けられたケーブルが取り付け可能なレセプタクルである。
さらに、第4の発明に係わるカメラは、上記第3の発明において、上記第2のコネクタには、上記ケーブルとカメラ本体との接続を保持するためのロック部が設けられている。
さらに、第5の発明に係わるカメラは、上記第1の発明において、上記ストラップ本体を上記カメラ本体に取り付けるためのサブストラップを更に有し、上記ストラップ本体に引張力が加わった場合に、その引張力が上記ケーブルに加わらない長さに設定されている。
【0012】
上記目的を達成するため第6の発明に係わるカメラは、外部機器と通信可能なカメラにおいて、カメラ本体と、一端が上記カメラ本体に取り付けられ、他端に外部機器との接続用コネクタが設けられ、カメラ本体の厚さと同程度の長さの通信用ケーブルと、上記接続用コネクタに設けられるカメラ本体携行用ストラップを具備する。
上記目的を達成するため第7の発明に係わるストラップユニットは、カメラ本体に設けられるカメラ携行用ストラップユニットにおいて、一端がカメラ本体に取り付けられ、カメラ本体と外部装置との通信を中継するケーブルと、このケーブルの他端部に設けられ、上記外部装置の端子に接続されるコネクタと、このコネクタの先端を保護するキャップと、上記コネクタに設けられるストラップ本体を具備する。
上記目的を達成するため第8の発明に係わる携帯型電子機器は、機器本体に携行用のストラップユニットが設けられる携帯型電子機器において、上記ストラップユニットは、一端が電子機器本体に取り付けられ、上記電子機器本体と外部装置との通信を中継するケーブルと、このケーブルの他端部に設けられ、上記外部装置の端子に接続されるコネクタと、上記コネクタの先端を保護するキャップと、上記コネクタに設けられるストラップ本体と、を具備する。
【0013】
上記目的を達成するため第9の発明に係わるカメラは、カメラ本体に携行用のストラップユニットが取り付けられるカメラにおいて、上記ストラップユニットの取り付け用にカメラ本体に設けられる係合部と、カメラ本体の上記係合部に近接した位置にカメラ本体の厚さと同程度の長さで、外部機器に接続されるコネクタが先端に設けられた通信用ケーブルを備え、上記ストラップユニットは、カメラ携行用のメインストラップと、上記メインストラップに取り付けられ上記コネクタを保護するキャップと、上記メインストラップを上記係合部に取り付けるためのサブストラップを具備する。
【0014】
第10の発明に係わるカメラは、上記第9の発明において、上記サブストラップは、一端が上記係合部に取り付けられ、他端が上記キャップ部に取り付けられるひも状の部材であって、上記ストラップ本体に引張力が加わった場合に、その力がケーブルに加わらず専らこのひも状部材に加わるように、その長さが設定されている。
また、第11の発明に係わるカメラは、上記第9の発明において、上記キャップには、上記ケーブルとの接続を保持するためのロック部が設けられている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ストラップとしても使い勝手の良い通信用ケーブル付きのストラップを備えるカメラ、そのストラップ、同様のケーブルつきのストラップを備える携帯型電子機器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面に従って本発明を適用したデジタルカメラを用いて好ましい実施形態について説明する。図1は本発明の第1実施形態に係るデジタルカメラの外観斜視図であり、図2はコネクタ13のキャップ14を取り外した状態の外観斜視図である。カメラ本体1の正面部1Fの中央右よりには撮影レンズ2が配置され、撮影レンズ2の左斜め上にはストロボ照射用のストロボ窓4が設けられている。また、カメラ本体1の上面部1Tの左側には、撮影動作を指示するためのレリーズ釦3が配置されている。
【0017】
カメラ本体1の左側面部1Lには、ストラップユニット10を構成するコード12が固着されている。コード12の内部には、導線が配線されており、その外側はビニル樹脂等によって覆われている。またコード12の長さLは、カメラ本体1の側部の厚さtと同等かそれよりは短い長さとしている。コード12の他端は、コネクタ13に固着されており、コネクタ13の反対側にはキャップが脱着自在に装着されている。キャップ14を矢印Aの方向に外すと、図2に示すように、コネクタ13の端子13aが露出する。
【0018】
端子13aはPCのUSB端子に接続可能であり、接続することによりカメラ本体の電気回路とPCとが電気的に接続する。コネクタ13の側面には、ハンドストラップとして機能するひも状のストラップ本体11の両端が固着されている。このストラップ本体11は、通常、ストラップとして用いられる材料、すなわち、繊維、柔軟性のある合成樹脂、皮革等、柔軟性のある肌触りの良いから構成される。なお、ストラップユニット10は、コード12の他、コネクタ13、キャップ14、ストラップ本体11によって構成される。
【0019】
なお、本実施形態においては、コネクタ13とキャップは、分離可能に構成しているが、これに限らず、図4に示す変形例のように、コネクタ13とキャップ14を回動軸15で一体化し、キャップ14を回動軸15の周りに回動させ、コネクタ13に対して回動自在に着脱可能な構成としても良い。この場合には、キャップ14はストラップユニット10と一体化するので、キャップ14を紛失してしまうおそれがなくなる。
【0020】
次に、この第1実施形態の電気回路について図5を用いて説明する。カメラ本体1の内部には、撮影レンズ1を介して受光を被写体像信号に変換する撮像部100と、カメラ本体1内の制御を行うCPU101と、被写体像信号に基づく画像データを記録するメモリ部102と、カメラ本体外と通信するための入出力部103とがバスを介して接続されている。入出力部103は接続線104を介してコネクタ13に接続されており、接続線104は、前述のコード12の内部に設けられている。
【0021】
コネクタ13の端子13aは、公知のUSB規格で構成されていることから、これと同規格のPC200のコネクタ201に接続可能であり、またプリンタ300のコネクタ301にも接続可能である。従って、カメラ本体1内のメモリ部102に記録された画像データを、コネクタ13、コネクタ201を介して、PC200内のハードディスクに送信することができる。また、メモリ部102に記録された画像データを、コネクタ13、コネクタ301を介して、プリンタ300に送信し、画像をプリントさせることができる。
【0022】
以上の如く、本発明の第1実施形態は構成されているので、カメラ本体1を持ち運ぶ際(携帯時)には、図3に示すように、ストラップ本体11はハンドストラップとして機能することから、ひも状部分を手で把持することができる。このとき、コード12によってカメラ本体1とコネクタ13はしっかりと結合され、コネクタ13はストラップ本体11に固着されているので、ストラップ本体11からカメラ本体1が落下してしまうことはない。また、カメラ本体1をPC200やプリンタ300等の外部機器と電気的に接続する場合には、図2や図4に示すように、キャップ14を端子13aから外し、図5に示すように、コネクタ13を介してPC200やプリンタ300と接続すればよい。なお、撮影時には、端子13aの保護のためにキャップ14をコネクタ13に装着しておくことが望ましい。
【0023】
このように、本実施形態においては、コード付きストラップを携帯機器としてのカメラに設け、ストラップ本体部(ストラップ本体119とコード部(コード12)を分離させたので、ストラップ本体部を専用の材質で構成することができる。このため、ストラップ本体部の質感や柔軟性を従来通り確保でき、かつコードを持ち運ぶ必要がなくなる。一般に、コード12は、ビニル樹脂等で銅線を外装したものが普通であり、ビニル樹脂等の外装は剛性を有しており、ストラップとしての使用感は良くない。本実施形態では、ユーザが直接触れるストラップ本体11を、コード12とは異なる材質で構成するようにしたので、このような不具合を解消することができる。
【0024】
また、コード12のコード長をPCに接続できる程度の短さ、すなわち、カメラの側面部の厚さ程度もしくはそれよりも短くしたので、ストラップ本体11の柔軟性を妨げることが殆どない。この観点から、本実施形態においては、コード長はなるべく短いほうが良く、PC等と接続する際に、不便でない程度の短さであれば構わない。なお、カメラ本体の厚さは年々薄くなっていることから、コード長がカメラ本体の厚さと同程度とした場合、PC等と接続した際に、不便となるようであれば、コード長はカメラ本体の厚さよりも厚くても良い。
【0025】
また、コネクタ13の端子13aを覆うキャップ14を設けたので、端子13aに設けられたコネクタ接点を保護することができ、またデザイン性も確保することができる。さらに、図4に示す本実施形態の変形例のように、回動式のキャップを採用すれば、紛失のおそれをなくすことができる。
【0026】
次に、本発明の第2実施形態について図6および図7を用いて説明する。第1実施形態においては、コード12はカメラ本体1の左側面部1Lに固着していたが、第2実施形態においては、脱着自在の第2コネクタでカメラ本体1と接続すると共に、コネクタ付きのストラップユニット10以外にも、通常用意される長いケーブル接続可能としている。第1実施形態と同一の部材には、同一の符号を付し、詳しい説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0027】
カメラ本体21の左側面部には、ストラップユニット30の第2コネクタ35と嵌合するレセプタクル27と、2つのロック爪36とそれぞれ嵌合する2つの嵌合孔28が設けられている。ロック爪36は、第2コネクタ35がカメラ本体21に接続した際に、容易に抜けないように保持するための部材であって、嵌合孔に押し込むとその先端の爪部が図示しない係合部に嵌り、第2コネクタ35が外れることを防止する。第2コネクタ35にはロック解除釦37が設けられており、これを押圧することにより、ロック爪36は内側に撓んで係合部から外れ、第2コネクタ35をカメラ本体21から外すことができる。
【0028】
第2コネクタ35のカメラ本体21との接続部とは反対側には、コード32が固着されており、第1実施形態と同様に、コード32の内部には通信用の導線が配線されており、またコード32の長さLは、カメラ本体21の側部の厚さtと同等かそれよりは短い長さとしている。コード32の他端は、第1コネクタ33に固着されており、反対側はキャップ34が脱着自在に装着されている。キャップ34を外すと、図示しないが、第1コネクタ33の端子が露出する。なお、キャップ34は、第1実施形態の変形例と同様に回動式としても勿論構わない。
【0029】
第1コネクタ33の端子は、第1実施形態と同様に、PCのUSB端子に接続可能であり、接続することによりカメラ本体の電気回路とPCとが電気的に接続する。なお、第1コネクタ33の端子は、PCと接続可能としているが、第2コネクタ35はカメラのレセプタクル27と接続可能な規格とする。一般的には、カメラの小型化を図るためにカメラのレセプタクル27はPC用のUSB端子よりは小型のものとなっている。
【0030】
第1コネクタ33の側面には、第1実施形態と同様に、ハンドストラップとして機能するひも状のストラップ本体31の両端が固着されている。このストラップ本体31は、通常、ストラップとして用いられる材料、すなわち、繊維、柔らかい合成樹脂、皮革等、柔軟性のある肌触りの良いから構成される。なお、ストラップユニット30は、ストラップ本体31、コード32、第1コネクタ33、キャップ34、第2コネクタ35、ロック爪36、ロック解除釦37によって構成される。
【0031】
また、カメラ本体21のレセプタクル27は、ストラップユニット30以外にも、カメラとPC接続用に使用される通常ケーブル40も接続可能となっている。この通常ケーブル40は、通常用意されるPCとカメラを接続するためのケーブルであって、コード32よりも長さが長いケーブルである。通常ケーブル40の内部には、コード12と同様に導線が配線されており、その外側はビニル樹脂等によって覆われている。そして通常ケーブル40のカメラ側にはCコネクタ43が設けられ、PC側にはPコネクタ42が設けられている。Cコネクタ43は、カメラ本体21のレセプタクル27に嵌合可能であり、Pコネクタ42はPC側のUSB端子に嵌合可能である。前述したように、カメラ本体21側のレセプタクル27は、PC側のUSB端子より小型に構成されているので、Cコネクタ43の方がPコネクタ42よりも小型である。Cコネクタ43をレセプタクル27に押し込み、Pコネクタ43をPCのUSB端子に押し込むことにより、カメラ本体21とPCは電気的に接続する。
【0032】
なお、本実施形態においては、Cコネクタ43に、ロック爪36を設けていない。ストラップユニット30をレセプタクル27に嵌合させる際には、ハンドストラップとしてカメラ本体21の荷重を支えるために、ロック爪36を設ける必要があったが、Cコネクタ43でカメラ本体21と接続する場合には、大きな荷重がかからないことから、Cコネクタ43にはロック爪を設けていない。しかし、Cコネクタ43とカメラ本体21との接続が容易に外れないようにするために、ロック爪を設けても良い。
【0033】
次に、この第2実施形態の電気回路について図7を用いて説明する。カメラ本体21の内部には、撮像部100、CPU101、メモリ部102、入出力部103が設けられており、第1実施形態と同様であるので、詳しい説明は省略する。入出力部103はレセプタクル27に接続されており、このレセプタクル27は前述したように第2コネクタ35と接続可能であると共に、Cコネクタ43とも接続可能である。そして、第2コネクタ35とコード32を介して接続される第1コネクタ33は、PC200のコネクタ201とプリンタ300のコネクタ301に接続可能である。また、Cコネクタ43と通常ケーブル40を介して接続されるPコネクタ42も、PC200のコネクタ201とプリンタ300のコネクタ301に接続可能である。
【0034】
以上の如く、本発明の第2実施形態は構成されているので、カメラ本体21を持ち運ぶ際には、ストラップ本体11を手で把持することができ、また、ストラップユニット30若しくは通常ケーブル40を介してPC200やプリンタ300と接続することができる。すなわち、持ち運ぶ際には、第2コネクタ35とコード32によって結合され、ストラップ本体31を把持すればよい。そして、PC200やプリンタ300と接続するときには、キャップ34を外し、第1コネクタ33の端子をPC200やプリンタ300のコネクタ201または301と接続すれば良い。また、通常ケーブル40によって、PC200やプリンタ300とも接続することが可能である。
【0035】
このように、第2実施形態においては、カメラ本体21とコードとの間をコネクタ接続にしたので、通常使用されているケーブル40を利用することもできる。特にケーブル40は市販されているもので良く、コード32に比べ長く、多様性を増すことができる。また、ロック爪36やロック解除釦37等からなるロック機構を設けたので、ストラップユニット30のカメラ本体21に対する保持力を、コネクタの挿し抜きだけの保持力に比べ大きくすることができる。
【0036】
次に、本発明の第3実施形態について図8乃至図10を用いて説明する。第1および第2実施形態においては、コード12、32によってカメラ本体1、21とコネクタ13若しくは第2コネクタ35を結合していたが、第3実施形態においては、コード以外にサブストラップ64によっても、カメラ本体とコネクタとを結合するようにしている。第1実施形態若しくは第2実施形態と同一の部材には、同一の符号を付し、詳しい説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0037】
図8はストラップユニット60をカメラ本体51に装着した状態の外観斜視図であり、図9は、それぞれの部材を分離した状態における外観斜視図である。カメラ本体51の左側面部には、第2コネクタ73と嵌合するレセプタクル53が設けられており、また、隣接する角部にはサブストラップ64の取り付け用の係合部52が設けられている(図9(A))。
【0038】
図9(B)により、ストラップ60の構成を説明する。サブストラップ64の係合部52への取り付け側と反対側は、ロック部63に固着されている。このロック部63は後述する第1コネクタ72のロック嵌合溝74に係合する係合爪(不図示)が設けられている。そして、ロック部63のサブストラップ64の固着部と反対側は、キャップ62に固着しており、キャップ62は第1コネクタ72の端子72aを覆い、保護するものである。このキャップ62にはメインストラップ61が固着されている。サブストラップ64とメインストラップ61の材質は、通常、ストラップとして用いられる材料、すなわち、繊維、柔らかい合成樹脂、皮革等、柔軟性のある肌触りの良いから構成される。なお、ストラップユニット60は、メインストラップ61、キャップ62、ロック部63、サブストラップ64によって構成される。
【0039】
図9(C)により、ケーブル70の構成を説明する。カメラ本体51のレセプタクル53に嵌合する第2コネクタ73は、コード71によって第1コネクタ72に結合されている。コード12やコード32と同様に、コード71の内部には、導線が配線されており、その外側はビニル樹脂等によって覆われている。またコード71の長さは、カメラ本体51の側部の厚さと同等かそれよりは短い長さとし、サブストラップ64よりも長くする。長くするのは、メインストラップ61を把持した際に、カメラ本体51の荷重がサブストラップ64に集中するようにするためである。そして、第1コネクタ72の先端には、PCとの接続用の端子72aが設けられている。この端子72aもUSB端子に接続可能としており、第2コネクタ73はカメラ用の小型端子であることから、端子72aの方が大きいことは、第2実施形態と同様である。
【0040】
この第3実施形態においても、第2実施形態と同様に、通常ケーブル40が装着可能であり、この通常ケーブル40の構成や接続の仕方は同じであるので、詳しい説明は省略する。また、第3実施形態の回路構成は、図7に示した第2実施形態の回路構成と同様であるので、詳しい説明は省略する。
【0041】
以上の如く、本発明の第3実施形態は構成されているので、カメラ本体51を持ち運ぶ際には、図10に示すように、サブストラップ64を係合部52に取り付けると共に、第2コネクタ73をレセプタクル53に接続し、第2コネクタ72の端子72aをキャップ62で覆い、ストラップユニット60のロック部63をケーブル70のロック嵌合溝74に係合させた状態で、メインストラップ61を把持すればよい。この状態では、メインストラップ61は、キャップ62およびロック部63を介してサブストラップ64と一体化しており、直接、カメラ本体51の荷重を受けることができる。特に、コード71に比べてサブストラップ64を短くしているので、メインストラップ61の把持時にはカメラ本体51の荷重はサブストラップ64に集中し、コード71には殆ど加わらない。なお、第2コネクタ73がレセプタクル53に接続していない状態であっても、サブストラップ64によってストラップユニット60がカメラ本体51と結合状態にあるので、持ち運ぶことは可能である。
【0042】
また、ケーブル70若しくは通常ケーブル40を介してPC200やプリンタ300と接続することもできる。すなわち、キャップ62を外し、第1コネクタ72の端子72aをPC200やプリンタ300のコネクタ201または301と接続すれば良い。また、通常ケーブル40でPC200やプリンタ300とも接続することが可能である。
【0043】
このように、第3実施形態においては、メインストラップ61がサブストラップ64を介してカメラ本体51に取り付けられ、サブストラップ64がコード71より短い長さなので、ストラップに加わる引っ張り力が、コード71に加わらず、サブストラップ64に加わるようになっている。このためコード71に、大きな力が加わらないので、コード71内の導線の断線を防止することができる。また、サブストラップ64で引っ張り力を受け止めるので、第2コネクタ73自体の保持力を大きくしなくても、ストラップとカメラとの保持力を確保することができる。
【0044】
なお、本実施形態においては、サブストラップ64は、メインストラップ61を固着しているキャップ62に固着しているが、これに限らず、例えば、第1コネクタ72とキャップ62を確実に結合し、サブストラップ64を第1コネクタに固着するようにしても良い。また、第1実施形態において、コネクタ13とカメラ本体1との間にサブストラップを設け、ハンドストラップ使用時にカメラ本体1の荷重が、サブストラップにかかるようにしても良い。
【0045】
本発明の実施形態の説明にあたっては、デジタルカメラを例に挙げたが、デジタルカメラとしては、デジタル一眼レフカメラや携帯電話等に内蔵されるデジタルカメラ等の種々のデジタルカメラが含まれる。また、本発明はデジタルカメラに限らず、デジタル音声音楽レコーダや、デジタル音楽プレーヤー、画像再生機等の携帯型電子機器にも適用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1実施形態に係るストラップ付きデジタルカメラの外観斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るストラップ付きデジタルカメラにおいて、コネクタからキャップを外した状態を示す外観斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るストラップ付きデジタルカメラの使用状態を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るストラップ付きデジタルカメラのコネクタとキャップの変形例を示す外観斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係るストラップ付きデジタルカメラの電気回路の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るストラップ付きデジタルカメラを示す図であって、(A)は外観斜視図であり、(B)はコネクタ部分を示す要部拡大図であり、(C)はケーブルの外観斜視図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係るストラップ付きデジタルカメラの電気回路の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係るストラップ付きデジタルカメラの外観斜視図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係るストラップ付きデジタルカメラを示す図であって、(A)はカメラ本体の外観斜視図であり、(B)はストラップユニットの外観斜視図であり、(C)はコネクタ部分を示す外観斜視図であり、(D)はケーブルの外観斜視図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係るストラップ付きデジタルカメラの使用状態を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
1・・・カメラ本体、1F・・・正面部、1T・・・上面部、1L・・・左側面部、2・・・撮影レンズ、3・・・レリーズ釦、4・・・ストロボ窓、10・・・ストラップユニット、11・・・ストラップ本体、12・・・コード、13・・・コネクタ、13a・・・端子、14・・・キャップ、15・・・回動軸、21・・・カメラ本体、27・・・レセプタクル、28・・・嵌合孔、31・・・ストラップ本体、32・・・コード、33・・・第1コネクタ、34・・・キャップ、35・・・第2コネクタ、36・・・ロック爪、37・・・ロック解除釦、40・・・通常ケーブル、41・・・ケーブル本体、42・・・Pコネクタ、43・・・Cコネクタ、51・・・カメラ本体、52・・・係合部、53・・・レセプタクル、60・・・ストラップユニット、61・・・メインストラップ、62・・・キャップ、63・・・ロック部、64・・・サブストラップ、70・・・ケーブル、71・・・コード、72・・・第1コネクタ、72a・・・端子、73・・・第2コネクタ、74・・・ロック嵌合溝、100・・・撮像部、101・・・CPU、102・・・メモリ部、103・・・入出力部、200・・・PC、201・・・コネクタ、300・・・プリンタ、301・・・コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ本体に携行用のストラップユニットが設けられるカメラにおいて、
上記ストラップユニットは、
一端がカメラ本体に取り付けられ、カメラ本体と外部装置との通信を中継するケーブルと、
このケーブルの他端部に設けられ、上記外部装置の端子に接続されるコネクタと、
このコネクタの先端を保護するキャップと、
上記コネクタに設けられるストラップ本体と、
を具備することを特徴とするカメラ。
【請求項2】
上記キャップは、上記コネクタに着脱自在に設けられ、または上記コネクタの先端を保護する位置と開放する位置に移動可能なように上記コネクタに取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
【請求項3】
上記ケーブルは、一端に第2のコネクタが設けられ、この第2のコネクタでカメラ本体に取り付けられ、
上記カメラ本体側の第2のコネクタに対応するレセプタクルは、上記ケーブルに代えて、一端がパーソナルコンピュータ用のコネクタが設けられ、他端が上記カメラ本体用のコネクタが設けられたケーブルが取り付け可能なレセプタクルである
ことを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
【請求項4】
上記第2のコネクタには、上記ケーブルとカメラ本体との接続を保持するためのロック部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のカメラ。
【請求項5】
上記ストラップ本体を上記カメラ本体に取り付けるためのサブストラップを更に有し、上記ストラップ本体に引張力が加わった場合に、その引張力が上記ケーブルに加わらない長さに設定されていることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
【請求項6】
外部機器と通信可能なカメラにおいて、
カメラ本体と、
一端が上記カメラ本体に取り付けられ、他端に外部機器との接続用コネクタが設けられ、カメラ本体の厚さと同程度の長さの通信用ケーブルと、
上記接続用コネクタに設けられるカメラ本体携行用ストラップと、
を具備することを特徴とするカメラ。
【請求項7】
カメラ本体に設けられるカメラ携行用ストラップユニットにおいて、
一端がカメラ本体に取り付けられ、カメラ本体と外部装置との通信を中継するケーブルと、
このケーブルの他端部に設けられ、上記外部装置の端子に接続されるコネクタと、
このコネクタの先端を保護するキャップと、
上記コネクタに設けられるストラップ本体と、
を具備することを特徴とするストラップユニット。
【請求項8】
機器本体に携行用のストラップユニットが設けられる携帯型電子機器において、
上記ストラップユニットは、
一端が電子機器本体に取り付けられ、上記電子機器本体と外部装置との通信を中継するケーブルと、
このケーブルの他端部に設けられ、上記外部装置の端子に接続されるコネクタと、
上記コネクタの先端を保護するキャップと、
上記コネクタに設けられるストラップ本体と、
を具備することを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項9】
カメラ本体に携行用のストラップユニットが取り付けられるカメラにおいて、
上記ストラップユニットの取り付け用にカメラ本体に設けられる係合部と、
カメラ本体の上記係合部に近接した位置にカメラ本体の厚さと同程度の長さで、外部機器に接続されるコネクタが先端に設けられた通信用ケーブルと、
を備え、
上記ストラップユニットは、
カメラ携行用のメインストラップと、
上記メインストラップに取り付けられ上記コネクタを保護するキャップと、
上記メインストラップを上記係合部に取り付けるためのサブストラップと、
を具備することを特徴とするカメラ。
【請求項10】
上記サブストラップは、一端が上記係合部に取り付けられ、他端が上記キャップ部に取り付けられるひも状の部材であって、上記ストラップ本体に引張力が加わった場合に、その力がケーブルに加わらず専らこのひも状部材に加わるように、その長さが設定されていることを特徴とする請求項9に記載のカメラ。
【請求項11】
上記キャップには、上記ケーブルとの接続を保持するためのロック部が設けられていることを特徴とする請求項9に記載のカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−96611(P2008−96611A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−277192(P2006−277192)
【出願日】平成18年10月11日(2006.10.11)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】