説明

カメラ及びカメラの製造方法

【課題】専用のチェッカを必ずしも必要とせずに、簡単にEEPROM内に書き込まれているカメラの誤差補正用のデータを変更できるようにすること。
【解決手段】作業者がスイッチ5をONしたことをCPU1で検出すると、CPU1は調整用のプログラムを動作させる。このプログラムは、測距用回路3によって測定された実測値をEEPROM2に書き込まれた設計値を用いて自動的に補正して、その補正した値をEEPROM2に書き込むものである。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カメラ及びカメラの製造方法に関する。より詳しくはカメラの各部品のバラツキ(個体差)やカメラ製造時のそれら部品の組み付け誤差による影響を除去するための各種補正データを電気的に書き込み可能なメモリ(EEPROM)と、その書き込まれた補正データにしたがって撮影制御を行うマイコン(CPU)とを搭載したカメラ、及び、そのようなカメラの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、特開平3−64715号公報において、各種データを電気的に書き込み可能なEEPROMを有効に利用したオートフォーカス(AF)カメラの高精度化に関する技術についての提案を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特開平3−64715号公報に開示されているカメラには、マイコンと通信させることにより、EEPROMに書き込まれている上記補正データを簡単に調整することができる、いわゆるチェッカが必要であった。
【0004】また、近年のグローバリゼーションや価値観の多様化によって、消費地生産や少量多品種生産が活発に行われる中で、カメラの生産や修理を上記チェッカのない場所で行わなければならない機会も増加している。その一方で、部品の共通化はコストダウンのためにも必須の方向であり、上記マイコンやEEPROMなどを含む電子回路をプリント基板に実装するような場合には、一箇所で大量生産するほうが原価を安く押さえられる。そして、このような場合には、チェッカを導入する効果は大きい。
【0005】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、カメラの品種又は生産形態に応じて最適な調整を行うことによって、コストを押さえながら高精度なAFを行うことができ、更に調整用のスイッチを撮影用のスイッチと兼用させることで部材費を押さえることができるカメラ、及びそのようなカメラの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明によるカメラは、ピント制御又は露出制御用のセンサと、所定条件において撮影を行ったときのピント制御や露出制御の結果に基づいて通常撮影時におけるピント制御や露出制御の結果の誤差を補正するための補正データを記憶するメモリと、を具備するカメラにおいて、上記所定条件が設定されたことを判定する判定手段と、上記判定手段によって上記所定条件が設定されたことが判定されたときに上記ピント制御又は露出制御用のセンサの出力に基づいて上記補正データを算出する算出手段と、を更に具備することを特徴とする。
【0007】即ち、本発明のカメラによれば、必ずしもチェッカを用いずに簡単にメモリ内に書き込まれたデータを変更することができる。これによって、カメラの品種や生産形態に応じてチェッカの使用又は不使用を選択することができ、チェッカ導入によるコストを押さえることができる。
【0008】また、上記の目的を達成するために、本発明によるカメラの製造方法は、レリーズボタンの押し込み途中の状態を判定する第1のスイッチと、レリーズボタンの押し込み終了の状態を判定する第2のスイッチと、上記第1又は第2のスイッチの入力状態によって撮影制御を行う演算制御手段と、を有するカメラの製造方法において、上記演算制御手段は、上記第1又は第2のスイッチの何れか一方のON操作によって、上記撮影制御時における誤差を算出する工程を有することを特徴とする。
【0009】即ち、本発明のカメラの製造方法によれば、誤差算出を開始させるためのスイッチと撮影を開始させるためのスイッチとを兼用させることで部材費を押さえることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0011】[第1の実施の形態]本発明の第1の実施の形態について図1乃至図9を参照して説明する。図1は本第1の実施の形態に係るカメラの電子回路用プリント基板の電気的な構成を示すブロック図である。
【0012】即ち、本カメラはカメラのピント合わせや露出制御を行うための電子回路用プリント基板(以後、基板と記す。)10を有している。そして、該基板10上にはCPU1、メモリ(EEPROM)2、測距用回路3、測光用回路4、ピント制御回路14a、シャッタ制御回路17などが実装されている。
【0013】CPU1は、ワンチップマイコン等からなるカメラ全体の動作制御や、カメラの調整動作時等におけるシーケンスコントローラとしての機能などを持つ演算制御部である。
【0014】EEPROM2は、カメラの製造時における誤差を補正するための補正データなどの各種データが記憶されている電気的に書き込み可能なメモリである。本実施の形態ではメモリとしてEEPROMを使用しているが、不揮発性の半導体メモリであればEEPROMに限らず使用することができる。なお、このEEPROM2に書き込まれた補正データとは、カメラごとに異なる固有のデータであり、主にカメラ製造時における部品の出来によって生じる誤差や、カメラの組立て時に生じる誤差によって設計値からずれたデータ(誤差)を撮影時に補正するためにカメラ製造時に書き込まれるものである。例えばカメラを大量生産する工場での調整工程において、この補正データを算出するには、まず、上記基板10の接続端子6aを介して専用の調整機(チェッカ)7を接続してカメラ内部のCPU1と通信させ、CPU1内部の図示しないROMに記憶されているサブルーチンプログラムに基づいて基準となる条件で測距及び測光を行い、それら測距及び測光の結果と設計値とのずれ量(誤差)を算出して、そのずれ量を打ち消すような値を算出すれば良い。なお、EEPROM2に書き込んでおく補正データとして、部品などの誤差による設計値からの誤差を書き込んでおくのではなく、設計値そのものを書き込んでおくようにしても良い。
【0015】測距用回路3は、カメラのピント合わせを行うために被写体距離を測定する回路である。CPU1は、この測距用回路3で測定された被写体距離に基づいてピント制御回路14aを制御することによりカメラのピント合わせを行う。
【0016】測光用回路4は、カメラの撮影時の露出制御を行うために被写体輝度を測定する回路である。CPU1は、この測光用回路4で測定した被写体輝度に基づいてシャッタ制御回路17を制御することによりカメラのシャッタ制御を行う。
【0017】また、上記CPU1には調整モード設定用ポート(MOD)1aが設けられていて、スイッチ5を介して接地されるように構成されている。そして、CPU1は、上記スイッチ5のON操作を上記MOD1aの電位レベルの状態によって判定し、それに応じて、CPU1内の図示しないROMに記憶された調整用プログラムを実行するようになっている。
【0018】なお、ここではスイッチ5を設けることによって、MOD1aの電位レベルを切り替えるようにしているが、スイッチ5に代わって開放端子としておき、必要なときにだけ、これらの開放端子を半田などでショートさせ、調整終了後に半田を除去して電気的に開放する構成としても良い。
【0019】図2(A)は、このような電子回路用プリント基板を有する本実施の形態に係るカメラの外観構成及び内部構成を示す図である。
【0020】即ち、本カメラの外装11から上カバー12を取り外すと、上記基板10が露出するよう、外装11内に内蔵されている。なお、該基板10に実装された各種回路や素子は、電池19によって電源供給されている。また、上記外装11にはレリーズボタン13が配置されていて、製品状態では、CPU1は、このレリーズボタン13のON状態を判定することにより、該CPU1内部の図示しないROMに記憶されているプログラムを動作させて、測距や測光といった撮影動作のシーケンス制御を行う。なお、このレリーズボタン13は2段階押し下げ式のボタンとなっていて、1段階目の押し込みで測距及び測光を行い、2段階目の押し下げで実際に撮影を行う構成となっている。また、カメラの外装11の前面には、撮影レンズ14、測距用センサのための測距用窓15、測光用センサのための測光用窓16、上記露出時の補助光となるストロボ発光部20などが配置されている。
【0021】上記基板10の上面には上記CPU1と、上記EEPROM2と、上記測距用回路3、測光用回路4、ピント制御回路14aやシャッタ制御回路17などを含むIC3a(このIC3a内の各回路を別々に配置することも勿論可能である。)と、上記スイッチ5に対応する開放部であるチェックランド5aと、上記接続端子6aなどが実装されている。また、この基板10の下面の、外装11に配置された上記測距用窓15を介して測距用光の投光及び受光が可能な位置には投光素子3b及び受光素子3cが設けられていて、これら投光素子3b及び受光素子3cの結果に基づいて上記測距用回路3で被写体距離を測定することができる。更に、この基板10の下面の、外装11に配置された上記測光用窓16を介して被写体輝度が測定可能な位置には測光用センサ4aが設けられていて、この測光用センサ4aの結果に基づいて上記測光用回路4で被写体輝度を測定することができる。
【0022】なお、前述の構成の基板10は、図2(B)に示す、長焦点タイプのズームレンズ(14a)付きのカメラ11aや、単焦点レンズ(14b)付きのカメラ11bに共通して使用することができるものである。したがって、カメラ工場の基板実装部門では、図3(A)に示すように基板10上への部品(CPU1、EEPROM2、IC3a、等)の実装を行い、後工程で、図3(B)のように上記接続端子6aにチェッカ7のピン7aを接続して、チェッカ7とCPU1との通信が行えるか否かを確認する。このとき、CPU1は、基板10上の他の回路や素子の実装が正しく行われているか否かのチェックを行う。更に、基板10上に設けられた接続端子6bを介して接続した測定機7bから所定の信号を入力したときに所定の出力信号が出るか否かをチェックする。
【0023】図4は、この一連のチェック動作を示すフローチャートである。
【0024】即ち、基板10にチェッカ7及び測定機7bを接続した後、このフローの動作が開始され、まず、基板10上の回路や素子が正しく実装されているか否かのチェックを行う(ステップS1)。このチェックは前述したように、チェッカ7をCPU1と通信させることで、まずCPU1の実装チェックを行い、その後、CPU1は、他の回路や素子のチェックを行ってその結果をチェッカ7に送信することで他の回路や素子の実装チェックを行う。そして、チェッカ7は上記ステップS1の実装チェックの結果、基板10上の回路や素子に異常が無かったか否かを判定する(ステップS2)。実装チェックの結果、基板10上の回路や素子に異常な箇所があったと判定した場合には、チェッカ7の図示しない表示部にエラー表示を行った後(ステップS5)、このフローを終了する。このエラー表示に応じて、基板10上の回路や素子を正しく実装しなおして再チェックを行うことになる。
【0025】一方、上記ステップS2の判定の結果、基板10上の回路や素子に異常が無かったと判定した場合には、基板10上の各回路や素子の設計値に対応する値をEEPROM2に書き込んだ後、測定機7bから所定の信号(例えば、上記測距用回路3に入力する測距用信号に対応する信号)を入力し、そのときの出力を測定機7bによってチェックする(ステップS3)。次に上記ステップS3で所定の出力(設計値)が得られたか否かを判定する(ステップS4)。この判定の結果、所定の出力が得られなかったと判定した場合には、ステップS5に進み、測定機7bの図示しない表示器にエラー表示を行った後、このフローを終了する。このエラー表示がなされたときには、基板10上の回路や素子に対して後述する調整を行うことになる。一方、所定の出力が得られたと判定した場合には、そのままこのフローを終了する。
【0026】このように基板実装工場において、共通部品となる基板を大量生産できるようにすれば、チェッカ7のための設備投資を行っても減価償却が比較的容易に行える。
【0027】しかし、11a,11bのような異なる種類のカメラを作り分けるときには、場合によっては売れ筋の商品であり、場合によっては少量多品種型の商品であり、必ずしも上記チェッカ7を導入でき、投資が回収できるとは限らない。
【0028】更に、図3(C)のズーム比の大きいズームレンズ付きカメラ11aのようにチェッカ7を用いた厳密な調整が必要な製品と、図3(D)の単焦点で被写界深度の深いカメラ11bのようにチェッカ7を用いない簡略化した調整で十分な製品とではAF調整の方法も異なってくる。
【0029】ここで、チェッカを用いない調整の詳細を説明する前に、まず、三角測距の原理に基づくカメラのAF装置の特に測距用回路について、図5を参照して説明する。
【0030】AF用の投光手段である赤外発光ダイオード(IRED)3d(上記投光素子3bに相当する。)は、測距時に投光レンズ15aを介して被写体100に測距用光を投光する。このとき、被写体100からの反射信号光は受光レンズ15bによって光位置検出素子(PSD)3e(上記受光素子3cに相当する。)に導かれ、その入射位置xが検出される。なお、このPSD3eは、光の入射位置によって出力信号を変化させる半導体素子である。そして、PSD3eによって入射位置xを検出した後、入射位置xが被写体距離Lによって変化することを利用して被写体距離Lの算出を行う。つまり、投光レンズ15aと受光レンズ15bとのレンズ間距離を基線長Sとし、受光レンズ15bの焦点距離をfとするとき、上記xを検出することにより、以下の(式1)によって被写体距離Lを算出することができる。そして、算出した被写体距離Lから以下の(式2)を用いてピント合わせ位置に対応する撮影レンズの繰り出し量Kを求めることができる。
【0031】
【数1】


ただし、Kは定数である。
【0032】以上説明したようなAF装置では、各レンズや素子の位置が正しく配置されていることが重要で、例えばPSD3eが正しい位置からΔaの位置誤差の分だけずれて配置されていた場合には、以下の(式3)に示すような誤差Aを含んだ被写体距離Lが算出されてしまい、その結果、以下の(式4)に示すように撮影レンズの繰り出し量にも、誤差Kが生じてしまうことになる。
【0033】
【数2】


【0034】図6(A)に被写体距離Lと入射位置xとの関係を示す。ただし、被写体距離Lは逆数1/Lとして図示されている。上記位置誤差Δaが存在している場合には、被写体距離の逆数1/Lと入射位置xとの関係に、上記(式3)に示すような誤差Aが生じてしまう。このため、入射位置がxR0の場合に被写体距離として算出されるのは、本来の1/Lではなく、誤差を含んだ1/LE0となってしまう。そこで、多くのカメラでは製造時にこの誤差Aを補正データとしてEEPROM2に書き込んでおいて、撮影時にはこの補正データを用いてピントずれ量などを補正することによりピント合わせを行う。
【0035】なお、前述したカメラよりも更に高精度のピント合わせが要求されるようなカメラにおいては、図6(B)に示すようなレンズの収差等によって生じる被写体距離Lと入射位置xとの間の非線形性による誤差をも補正するために、複数の距離に対する誤差を補正データとしてEEPROM2に書き込んでおき、算出した被写体距離によって、補正の仕方(補正に使用する補正データの値)を変更するようにしている。このように複数の距離に対する補正データをEEPROM2に書き込む方法としては、図7に示すような装置でカメラ11の基板10の接続端子6aとチェッカ7のピン7aとを接続し、パソコン21が、チェッカ7を介してカメラ11やチャート切替え用のモータドライバ(MD)24を制御して、カメラ11とチャート23との距離を変更しながら測距結果を取得した後、設計値との誤差を算出してカメラ11内のEEPROM2に書き込むようにすれば良い。この調整時における動作の流れを図8に示す。
【0036】まず、パソコン21を操作して、MD24を介してカメラ11とチャート23との距離が図7のLとなるようにチャート23を移動させる(ステップS11)。そして、パソコン21からチェッカ7を介して測距用回路3を動作させて、チャート23からの反射信号光の入射位置を測定し、その測定結果をxR1とする(ステップS12)。次に、パソコン21において、カメラ11とチャート23との距離がLの場合に測定されるべき入射位置(設計値)をxと入射位置xR1との差、つまり誤差Aが算出される(ステップS13)。また同様に、パソコン21を操作して、MD24を介してカメラ11とチャート23との距離が図7のLとなるようにチャート23を移動させる(ステップS14)。そして、パソコン21からチェッカ7を介して測距用回路3を動作させて、チャート23からの反射信号光の入射位置を測定し、その測定結果をxR2とする(ステップS15)。次に、パソコン21において、カメラ11とチャート23との距離がLの場合に測定されるべき入射位置(設計値)をxと入射位置xR2との差、つまり誤差Aが算出される(ステップS16)。そして、パソコン21から、ステップS13及びS16で求めた誤差A及びAを補正データとしてカメラ11内部のEEPROM2に書き込むように命令を送る(ステップS17)。なお、この誤差については、図7の水平方向(L及びLの矢印方向)だけでなく図7の垂直方向(チャート23から、破線で示すチャート22の矢印方向)についても測定可能である。また、誤差の測定数についても2つに限るものではないことは勿論である。
【0037】なお、前述のように、測距結果に誤差が生じた場合にピントのずれとしては現れにくい場合もある。例えば、焦点距離が短いカメラやFナンバーが大きいカメラでは、パンフォーカス(全ての被写体にピントが合っている状態)傾向となり厳密な調整は必要ない。このため、図3(D)に示すように、1種類の距離のチャート23を測距した結果に基づいて調整を行うだけで、製造時の誤差の問題がないカメラを製造することができる。このチェッカ7を導入せずに調整を行う場合の手順を図9に示す。このような調整法によれば、チェッカ7やパソコン21等の煩雑な装置を必要とせずに、EEPROM2を利用した、温度、湿度、振動等の変化によるずれがない調整を行うことが可能となる。なお、予めこのEEPROM2には初期の補正データとして設計値xが書き込まれているものとする。また、この所定距離においたチャート23を撮影することをピント制御の調整時における上記所定条件の撮影であるものとする。
【0038】この調整モードにおいて、まず、CPU1は、作業者によってレリーズボタン13の1段階押し下げがなされたか否か、つまり、1stレリーズスイッチがONされたか否かを判定する(ステップS20)。1stレリーズスイッチがONされていないと判定した場合には1stレリーズスイッチがONされるまで待機し、1stレリーズスイッチがONされたと判定した場合には測距用回路3を動作させて測距を行い、そのときのPSD3eに入射した入射位置xR1を検出する(ステップS21)。そして、xR1の検出後にMOD1aの電位レベルの状態によりMOD1aの電位レベルがLであるか否かを判定する(ステップS22)。
【0039】MOD1aの電位レベルがL、つまり、調整モード側であると判定した場合には製造時又は修理時における基板10のチェックの工程にあって作業者101が図3(D)のようにカメラ11をチャート23から所定距離Lの位置に置いて調整作業を行っているものとCPU1は認識する。このとき、本来ならばチャート23からの反射信号光は、PSD3eのx(設計値)の位置に入射するはずであるが、一般的には部品毎のバラツキや製造時の組立てのバラツキ等によってxと異なるxR1の位置に入射する。そこで、CPU1は、このときの誤差ΔxとしてxR1とxの差を算出する(ステップS23)。なお、この調整モードでは、誤差Δxが所定の条件内にあることが必要であり、それ以外の条件では間違った調整がなされてしまう恐れがある。このためCPU1は、誤差Δxが所定の条件外にあるか否かを判定し(ステップS24)、誤差Δxが所定の条件外であると判定した場合には警告を行う(ステップS40)。なお、この警告は基板10上にLEDを設けてそのLEDを発光させても良いし、アラームなどを設けて警告音を鳴らすようにしても良い。ステップS40で警告を行った場合には調整が行えないとして撮影レンズ14の繰り出しを行わずに(ステップ41)、本フローを抜ける。
【0040】一方、誤差Δxが所定の条件外でないと判定した場合には、算出した誤差Δxを補正データとしてEEPROM2に記憶させる(ステップS25)。次に、補正データが正しくEEPROM2に記憶されているか否かを確認するために、ステップS25においてEEPROM2に記憶したΔxを読み出して(ステップS26)、このΔxを用いてPSD3eで検出したxR1を補正した値x(通常、このxはほぼxと等しい値となる。)を算出する(ステップS27)。そして、このxから上記(式1)を用いてピント合わせ距離Lを決定し(ステップS28)、このピント合わせ距離Lに応じて撮影レンズ14の繰り出しを行う(ステップS29)。CPU1はこの繰り出し動作時に1stレリーズスイッチ又は2ndレリーズスイッチの何れかがONされているか否かを判定している(ステップS30)。そして、1stレリーズスイッチ又は2ndレリーズスイッチの何れか一方がONされている間は現在の撮影レンズ14の繰り出し位置を保持しておく(ステップS31)。このときの撮影レンズ14の繰り出し量を実測できるようにすれば、正しく調整が行われたか否かが作業者にも認識できるようになる。
【0041】一方、1stレリーズスイッチ及び2ndレリーズスイッチの何れもONされていないと判定した場合には、撮影レンズ14の繰り出しを解除して(ステップS32)、本フローを抜ける。
【0042】なお、前述したように通常レリーズボタンは1段階押し下げにより測距及び測光動作を行わせ、2段階押し下げにより撮影動作を行わせるボタンであるが、本調整モード時においては1stレリーズスイッチと2ndレリーズスイッチとの区別は無く、何れかのスイッチがONされた場合には調整モードに入り、撮影レンズ14の繰り出しを制御するためのスイッチとして機能するものとする。
【0043】上記ステップS22の判定でMOD1aの電位レベルがHのままであると判定された場合には、通常の撮影動作を行う。まず、現在EEPROM2に記憶されている補正データΔxを読み出す(ステップS51)。次に、測定された入射位置xR1から補正データΔxの分を差し引いたxを算出する(ステップS52)。次に、このxから上記(式1)を用いてピント合わせ距離Lを決定する(ステップS53)。そして、CPU1は、レリーズボタン13の2段階目の押し下げがなされて2ndレリーズスイッチがONされたか否かを判定する(ステップS54)。2ndレリーズスイッチがONされたと判定した場合には撮影レンズ14の繰り出し(ステップS55)及び露出制御(ステップS56)を行った後、本フローを抜ける。一方、2ndレリーズスイッチがONされていない場合には1stレリーズスイッチがONのままであるか否かを判定し(ステップS57)、ONのままである場合には上記ステップS54に戻る。1stレリーズスイッチがOFFされた場合にはそのまま本フローを抜ける。
【0044】以上説明したように本実施の形態によれば、組立てや部品のバラツキを補正するための補正データを電気的に書き込み可能なEEPROMを利用した調整が極めて単純に行われ、正確なピント合わせが可能なカメラを提供することができる。また、繰り出した撮影レンズをそのままの位置で保持しておく機能や警告機能によって作業中の確認がしやすく、作業ミスを無くして高い品質の確保が可能となる。更に、撮影時にはレリーズボタンの押し下げ状態によって1stレリーズスイッチと2ndレリーズスイッチとを使い分けることができ、1stレリーズスイッチを押しつつ、2ndレリーズスイッチを押さない半押し状態にして、フォーカスロック等のテクニックで種々の撮影シーンに対応することができるようになっているが、調整モード時にはこのような機能が不要であるため1stレリーズスイッチ、2ndレリーズスイッチの操作に関係なく撮影レンズの繰り出しを行うことができるようになっている。つまり、本実施の形態のカメラによれば作業時の操作の仕方や作業者による調整の差異を無くし、カメラの品質を一定にすることができる。
【0045】[第2の実施の形態]本発明の第2の実施の形態を図10乃至図12を参照して説明する。図10は本第2の実施の形態に係るカメラ及びそのカメラを調整するための調整装置を説明するための図である。なお、本実施の形態に係るカメラは1眼レフカメラを前提としている。また、上記第1の実施の形態ではAF調整を例としたが本実施の形態では露出の調整を例としている。
【0046】いわゆる1眼レフカメラは、レリーズ動作(露出)時にはクイックリターンミラー(ミラー)32が、図10(A)のような状態から、図10(B)のように光路上から退避することにより撮影レンズ14からの光を導き、フォーカルプレンシャッタ(シャッタ)33を開放して図示しない露出面に露光を行う。このシャッタ33が開いている時間をシャッタスピードと呼び、露出を制御する際にはこのシャッタスピードを制御することになる。なお、露出制御の方法の1つとして、カメラ内のセンサにより撮影レンズ14から導かれた光を検出して、センサからの光電流を積分コンデンサに蓄積して所定レベルの光が蓄積されたときにシャッタ33を閉じる、いわゆるダイレクト測光方式が知られている。
【0047】図11(A)は、このダイレクト測光方式による測光回路を含むカメラのブロック回路図である。CPU1は、レリーズボタン13に連動する2つのスイッチ(上記1stレリーズスイッチ及び2ndレリーズスイッチ)51の状態により露出制御を開始し、それに応じてスイッチ42をOFFして積分コンデンサ41に積分を行わせる。つまり、スイッチ42がOFFされている間は、光検出用のセンサ40からの光電流が積分コンデンサ41で積分されることになる。コンパレータ44は、このときの積分電圧VINTと比較電圧発生回路45の電圧Vとを比較して、積分電圧がVに達した場合にその出力レベルCOMPがLからHになる。CPU1は、コンパレータ44の出力レベルCOMPがLからHになったことを判定した場合に、スイッチ42をONして積分コンデンサ41の積分を終了させると共に、シャッタ・ミラー制御回路46を動作させて、図10(B)のようにミラー32を光路上から退避させシャッタ33を閉じるように制御する。なお、上記比較電圧発生回路45の電圧Vは、フィルム感度や露出補正などの設定(この設定手段については図示されていない。)によって変更されるものである。
【0048】また、カメラを調整モードにするか否かの判定は、上記第1の実施の形態と同様にCPU1の調整モード設定用ポート(MOD)1aの電位レベルがLになったことを判定した場合に行うようになっている。また、この図11(A)の回路には警告を行うためのLED53が設けられている。そして、EEPROM2には調整モード時以外のデータの書き込みを禁止するためのプロテクト端子2aが設けられている。なお、このほかの回路や素子は上記第1の実施の形態と同様のものを用いることができるため、その説明を省略する。
【0049】この図11(A)のような回路を有するカメラを調整するための調整装置は、図10(A)に示すように一定の光量でランプ37を発光させる光量制御回路36及びランプ37の光を拡散させてカメラに導く光学系38を備えた輝度箱35を有している。つまり、所定の明るさランプ37を用いて所定の絞りで露出制御を行ったときの露光手段(ファイルや撮像素子)の感度が所定の値であれば、シャッタスピードは所定の値となる。なお、この調整装置を用いて所定の明るさ及び所定の絞りで撮影を行うことを露出制御調整時における上記所定条件の撮影であるものとする。
【0050】図11(B)は、積分時間に対する積分電圧を設計値と製造誤差による測定誤差を含んだ実測値とを図示したものである。ここで、設計値の直線において、シャッタスピード(積分時間)を例えば、tにする場合には、積分電圧、つまり比較電圧発生回路45に設定する比較電圧VをVD1とすれば良いことが分かる。この調整装置では所定のシャッタスピードに応じて、所定の明るさ、所定の感度、所定の絞りを実現できる。このため、センサやコンデンサなどの素子のバラツキや組立て時のバラツキのためにVD1の電圧に設定しても所定の時間t内に積分が終了しない場合であっても、図11(B)の関係により、VD1をシフトした電圧Vになるように調整を行えば所定の積分時間(シャッタスピード)tでの露出制御ができることが分かる。このようなカメラの露出制御の調整を行うプログラムについて図12のフローチャートを参照して説明する。
【0051】まず、CPU1は1stレリーズスイッチの状態により1stレリーズスイッチがONされたか否かを判定する(ステップS61)。1stレリーズスイッチがOFFのままである場合には1stレリーズスイッチがONされるまで待機する。1stレリーズスイッチがONされた場合にはMOD1aの電位レベルがLであるか判定する(ステップS62)。
【0052】MOD1aの電位レベルがHである場合には通常の撮影モードである。なお、この通常の撮影モードでは、EEPROM2のプロテクト端子2aの電位レベルがLとなっていて、EEPROM2へのデータの書き込みができないようになっている。
【0053】この通常撮影モードにおいてCPU1は、2ndレリーズスイッチの状態により2ndレリーズスイッチがONされたか否かを判定する(ステップS79)。2ndレリーズスイッチがOFFのままであると判定した場合には、図示しないファインダに表示を行う(ステップS80)。ここで、このファインダに行う表示とは、撮影前に露出やピントに関する情報を撮影者に示すためのものである。一方、2ndレリーズスイッチがONされたと判定した場合には、設定電圧V(補正データ)をEEPROM2から読み出す(ステップS81)。そして、比較電圧発生回路45の比較電圧Vを上記設定電圧Vとした状態で(ステップS82)、シャッタ・ミラー制御回路46を介してシャッタ33を開くように制御する(ステップS83)。
【0054】次に、積分時間を計時するための図示しないタイマをスタートする(ステップS84)。このタイミングでCPU1は、スイッチ42をOFFして積分コンデンサ41による積分を開始させる(ステップS85)。積分が開始された後は、コンパレータ44の出力レベルCOMPがHになったか否か、つまり、積分電圧VINTが比較電圧発生回路45で設定した電圧Vに達したか否かを判定する(ステップS86)。まだ、Hになっていない場合には、積分時間tが所定の時間t01を超えたか否かを判定する(ステップS87)。t01を超えていないと判定した場合には、ステップS86に戻り積分を続ける。t01を超えたと判定した場合には、ステップS88に進みシャッタ33を閉じる。また、上記ステップ86の判定でCOMPがHになったと判定した場合にはシャッタ33を閉じて(ステップS88)、ステップS75に進む。
【0055】MOD1aの電位レベルがLである場合には調整モードである。このときEEPROM2のプロテクト端子2aの電位レベルはHとなり、データの書き込みが可能な状態となる。なお、この調整モードは、図11(B)の本来実線で示す設計値に基づいた積分が行われるべきであるのに製造時における部品のバラツキや組立てバラツキなどによる誤差によって、破線で示すような積分が行われてしまう場合のシャッタスピードを補正するものである。設計値と実測値とが図11(B)のような場合、VD1:t=V:tの関係が成立するためVは下記(式5)のように算出することができる。
【0056】
【数3】


【0057】このような関係に基づいて調整モードでは、まず比較電圧発生回路45の比較電圧Vを設計値VD1に設定する(ステップS63)。そして、シャッタ・ミラー制御回路46を介してシャッタ33を開くように制御する(ステップS64)。次に、積分時間を計時するための図示しないタイマをスタートする(ステップS65)。このタイミングでCPU1は、スイッチ42をOFFして積分コンデンサ41に積分を開始させる(ステップS66)。積分が開始された後は、コンパレータ44の出力レベルCOMPがHになったか否か、つまり、積分電圧VNTが比較電圧発生回路45の電圧VD1に達したか否かを判定する(ステップS67)。まだ、Hになっていない場合には、積分時間tが所定の時間tを超えたか否かを判定する(ステップS68)。なお、このtは上記t01よりも短い時間であるとする。tを超えていないと判定した場合には、ステップS67に戻り積分を続ける。tを超えたと判定した場合には、所定の時間が経過してもシャッタが閉じなかったことの警告を行って(ステップS69)、ステップS72に進む。
【0058】上記ステップS67の判定でコンパレータ44の出力COMPがHになった場合には、タイマの計時を終了する(ステップS71)。また、このときのタイマの値をtENDとしてCPU1の図示しないRAMに記憶させておく。そして、CPU1はシャッタ・ミラー制御回路46を介してシャッタ33を閉じる(ステップS72)。次に、上記測定した積分時間tENDと設計値tから上記(式5)を用いてVを算出する(ステップS73)。そして、この算出したVをEEPROM2に書き込む(ステップS74)。
【0059】この書き込みの後、スイッチ42をONして積分を終了し(ステップS75)、本フローを抜ける。つまり、撮影時にはステップS74においてEEPROM2に書き込まれたVを用いることにより、図11(B)のように誤差が生じたとしても正しく補正した状態でシャッタ制御を行うことができる。
【0060】以上説明したように本実施の形態によれば、所定の明るさの光を出力できる輝度箱さえあれば、バラツキの多い部品を使ったカメラであっても正確な露出制御ができるようになる。また、この露出制御の調整のために特別な装置を必要としない。
【0061】また、調整モード設定用ポートをCPUの入力端子に接続すると共に、EEPROMのプロテクト端子に連動するように接続することにより、調整モード以外ではEEPROMへのデータの書き込みを禁止し、更にCPUの調整モード設定用ポートを専用入力端子とすることによって誤作動によってEEPROMへのデータの書き込みが行われることが無い。
【0062】以上実施の形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は前述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
【0063】ここで、本発明の要旨をまとめると特許請求の範囲に記載したものに加えて以下のようなものを含む。
【0064】(1) 上記所定条件における撮影は、ピント制御時には所定チャートを所定の距離で撮影することであり、露出制御時には所定の明るさかつ所定の絞りで撮影することであることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
【0065】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、製品により最適な方法での調整が可能で高精度のAFが行えるカメラを提供することができる。また、調整を開始するためのスイッチと撮影を開始するためのスイッチとを兼用させることで部材費を押さえることができるカメラ、及びそのようなカメラの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るカメラの電子回路用プリント基板の電気的構成を示すブロック回路図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るカメラの外観構成及び内部構成を示す図である。
【図3】カメラの製造時や修理時における調整の様子を示した図である。
【図4】電子回路用プリント基板に実装された回路や素子のチェック動作の流れを説明するためのフローチャートを示す図である。
【図5】カメラのAF装置の特に測距用回路について説明するための図である。
【図6】被写体からの反射信号光の入射位置と被写体距離の関係を示す図である。
【図7】チェッカを用いてEEPROMに書き込まれたデータを調整する際の調整装置の構成を示す図である。
【図8】チェッカを用いてEEPROM内に書き込まれた補正データを調整する際の動作の流れを説明するためのフローチャートを示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係るカメラのEEPROM内に書き込まれた補正データをチェッカを用いずに調整する際の動作の流れを説明するためのフローチャートを示す図である。
【図10】露出制御回路調整装置の構成を示す図である。
【図11】図11(A)は本発明の第2の実施の形態に係るカメラの、特に露出制御回路に関する電気的構成を示すブロック回路図であり、図11(B)は積分コンデンサの積分時間に対する積分電圧を実測値と設計値とについて示した図である。
【図12】露出制御回路の調整の動作の流れについて説明するためのフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
1 CPU
1a 調整モード設定用ポート(MOD)
2 メモリ(EEPROM)
3 測距用回路
4 測光用回路
5 スイッチ
5a チェックランド
7a 調整機(チェッカ)
10 電子回路用プリント基板(基板)
13 レリーズボタン
14 撮影レンズ
35 輝度箱
53 LED

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ピント制御又は露出制御用のセンサと、所定条件において撮影を行ったときのピント制御や露出制御の結果に基づいて通常撮影時におけるピント制御や露出制御の結果の誤差を補正するための補正データを記憶するメモリと、を具備するカメラにおいて、上記所定条件が設定されたことを判定する判定手段と、上記判定手段によって上記所定条件が設定されたことが判定されたときに上記ピント制御又は露出制御用のセンサの出力に基づいて上記補正データを算出する算出手段と、を更に具備することを特徴とするカメラ。
【請求項2】 上記判定手段は、入力ポートを有する演算制御手段からなり、上記入力ポートへの入力電圧レベル及び上記ピント制御又は露出制御用のセンサの出力にしたがって上記所定条件が設定されたか否かの判定を行い、上記所定条件が設定されたと判定した場合に、上記メモリに上記補正データを書き込む制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
【請求項3】 上記判定手段によって上記所定条件が設定されていないと判定された場合に、目視可能な形式で警告を行う警告手段を更に具備することを特徴とする請求項2に記載のカメラ。
【請求項4】 レリーズボタンの押し込み途中の状態を判定する第1のスイッチと、レリーズボタンの押し込み終了の状態を判定する第2のスイッチと、上記第1又は第2のスイッチの入力状態によって撮影制御を行う演算制御手段と、を有するカメラの製造方法において、上記演算制御手段は、上記第1又は第2のスイッチの何れか一方のON操作によって上記撮影制御時における誤差を算出する工程を有することを特徴とするカメラの製造方法。
【請求項5】 上記誤差を算出する工程は、EEPROMのプロテクト端子をプロテクト解除することに連動して行われることを特徴とする請求項4に記載のカメラの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2003−215684(P2003−215684A)
【公開日】平成15年7月30日(2003.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−10501(P2002−10501)
【出願日】平成14年1月18日(2002.1.18)
【出願人】(000000376)オリンパス光学工業株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】