ガス遮断装置
【課題】脈動があっても正しく内管漏洩を検出でき、また口火登録を確実におこなうことのできるガス遮断装置を提供する。
【解決手段】ガスメータ装置1は、流量計測手段3、演算手段6、口火判別手段7、区間演算手段8、流量有無判定手段9、制御手段10、表示部4、感震器5、遮断手段2、外部通信手段11から構成され、区間演算手段8からの最大流量と最小流量との差が所定許容幅内かつ区間平均流量が所定の許容範囲内で、所定回数継続した際の区間平均流量の平均が平均判定流量以内でない場合は流量ありと判定し、所定期間継続した場合には内管漏洩確定とする。
【解決手段】ガスメータ装置1は、流量計測手段3、演算手段6、口火判別手段7、区間演算手段8、流量有無判定手段9、制御手段10、表示部4、感震器5、遮断手段2、外部通信手段11から構成され、区間演算手段8からの最大流量と最小流量との差が所定許容幅内かつ区間平均流量が所定の許容範囲内で、所定回数継続した際の区間平均流量の平均が平均判定流量以内でない場合は流量ありと判定し、所定期間継続した場合には内管漏洩確定とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内管漏洩の有無を検出するガス遮断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種のガス遮断装置としては図10に示すようなものがあった。このガス遮断装置は、流量計測手段3、演算手段6、表示部4を備えており、表示部4は、ガス供給源であるガス容器(図示せず)からガス器具(図示せず)に供給されるガスの流量がカウント表示(積算表示)される。そして、漏洩を判定する漏洩判定手段13と、弁閉により、ガス容器からガス器具へのガス供給を遮断する遮断手段2と、遮断手段2を駆動する弁駆動手段14と、漏洩を判定するための所定時間をカウントする時間計測手段12を備えている。
【0003】
上記構成において、漏洩判定手段13は時間計測手段12から出力されるタイミングパルス等に基づいて、所定の時間が経過する毎に、その間に検出された流量値Qの最大値Qmaxと最小値Qminとを抽出し、それらの差ΔQ=Qmax−Qminを算出し、その差ΔQの値を所定の差分しきい値ΔQthと比較し、差ΔQの値が差分しきい値ΔQthを超えたものであった場合には、内管漏洩ではないと判定し、差ΔQの値が差分しきい値ΔQth以下の場合には、さらに、前述の所定時間内での流量値の平均値Qaveを演算し、その平均値Qaveを所定の平均流量しきい値と比較して、流量値Qの平均値Qaveが平均流量しきい値aveQthを超える場合には、内管漏洩ではないと判定し、流量値Qの平均値Qaveが平均流量しきい値aveQth以下であった場合には、内管漏洩と判定する。
【0004】
上記構成によって、共用配管等を介して近接のガス機器に起因した脈動が発生する場合などでも、それを誤ってガス漏れとして検知することを防止することができる(例えば特許文献1参照)。
【0005】
また、口火のある機器を使用時に、あらかじめ口火流量を登録しておき、内管漏洩と誤検知しないようにしたものもあった(例えば特許文献2参照)。以下、その構成について図11を参照しながら説明する。
【0006】
図11は、従来の口火流量計測装置の動作示すタイミングチャートである。ガス流量演算値のQhからQlの領域が設定された許容流量範囲で、時間t0のタイミングで第1の所定値Qp以上の流量が検出されたので、所定期間の計時を開始し、所定期間の計時が終了する時間t1までの期間、すなわちt0からt1間の最小流量Qminが、設定された許容流量範囲、すなわち、Qh〜Ql内なので、時間t1でQminが口火流量として登録される。
【0007】
上記構成によって、口火相当のガス燃焼量が登録され、内管漏洩検知に関連して有効に活用することができる。
【特許文献1】特開2002−156304号公報
【特許文献2】特公平6−92903号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら前記従来の構成では、GHP等の大型燃焼機器が近接したところに設置されている場合、脈動が激しいために、内管漏洩と判断してしまったり、逆に閾値を変更して脈動で誤判定しないようにすると、実際に漏れが発生していても検出できなかったり、また、脈動により口火が登録できずに口火のある機器を使用した場合に内管漏洩と誤判定してしまったり、口火登録ができたとしても本来の口火流量でなく更に少ない流量である脈動の最小流量を登録してしまい、脈動が収まった時に口火流量を内管漏洩と誤判定してしまうという課題を有していた。
【0009】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、脈動があっても正しく内管漏洩を検出でき、また口火登録を確実におこなうことのできるガス遮断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記従来の課題を解決するために、本発明のガス遮断装置は、ガス供給管に接続され、外部との通信が可能な外部通信手段と、外部通信手段を制御する制御手段と、ガス流量を一定時間間隔で計測する流量計測手段と、流量計測手段から出力により流量値を求める演算手段と、演算手段により算出された流量値から口火であるかどうかを判定する口火判定手段と、演算手段により算出された流量値を所定時間蓄積して区間平均流量を算出するとともに、その間の最大流量と最小流量を選別する区間演算手段と、区間演算手段からの出力により流量の有無を判定する流量有無判定手段とを備え、流量有無判定手段は、区間演算手段からの最大流量と最小流量との差が所定許容幅内かつ区間平均流量が所定の許容範囲内で、所定回数継続した際の区間平均流量の平均が平均判定流量以内であった場合に流量なしと判定するとともに内管漏洩判定タイマを初期化し、それ以外は流量ありと判定し所定期間継続した場合には内管漏洩確定とする構成としたものである。また、内管漏洩の判定に必要な口火登録についても前回の区間平均流量と今回の区間平均流量との差およびその比率を判定することにより脈動下であっても口火登録を確実におこなう構成としたものである。
【0011】
これよって、GHP等による脈動が発生しているような環境下であっても、実際には漏洩していないにも関わらず内管漏洩警告が発生してしまうという誤判定を防止することができ、また、口火登録においても確実に登録でき、口火登録以降も内管漏洩の誤判定を防止することができ、誤警告による使用者の不安を解消でき、また、ガス事業者の不要な出動を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
第1の発明は、ガス供給管に接続され、外部との通信が可能な外部通信手段と、前記外部通信手段を制御する制御手段と、ガス流量を一定時間間隔で計測する流量計測手段と、前記流量計測手段から出力により流量値を求める演算手段と、前記演算手段により算出された流量値から口火であるかどうかを判定する口火判定手段と、前記演算手段により算出された流量値を所定時間蓄積して区間平均流量を算出するとともに、その間の最大流量と最小流量を選別する区間演算手段と、前記区間演算手段からの出力により流量の有無を判定する流量有無判定手段とを備え、前記流量有無判定手段は、所定時間毎に前記区間演算手段からの最大流量と最小流量との差が判定許容幅未満かつ、区間平均流量が判定許容範囲+判定許容範囲シフト量以内であった場合に区間平均流量を蓄積し、第1判定回数分を蓄積した際に平均流量を算出し、算出した平均流量が平均判定流量以内であった場合に流量なしと判定するとともに内管漏洩判定タイマを初期化し、それ以外は流量ありと判定し所定期間継続した場合には内管漏洩確定とすることを特徴とする構成としたものである。
【0013】
これにより、区間平均流量の判定回数分の平均を判定することにより、脈動下であっても安定して流量なしを判定することができ、内管漏洩の誤警告を防止することができる。
【0014】
第2の発明は、特に、第1発明の流量有無判定手段を、口火登録以降に、前記区間演算手段からの最大流量と最小流量との差が判定許容幅未満かつ、区間平均流量が判定許容範囲以内であった場合に区間平均流量を蓄積し、第2判定回数分を蓄積した際に平均流量を算出し、算出した平均流量と口火登録流量との差が登録流量の所定比率または、平均判定流量以内となった場合に、流量なしと判定するとともに内管漏洩判定タイマを初期化し、それ以外は流量ありと判定し所定期間継続した場合には内管漏洩確定とする構成としたものである。
【0015】
これにより、口火登録以降も区間平均流量の判定回数分の平均と口火登録流量との差分を判定することにより、脈動下であっても安定して流量なしを判定することができ、内管漏洩の誤警告を防止することができる。
【0016】
第3の発明は、特に、第1発明の口火判定手段を、前記外部通信手段から口火登録開始要求を入力した場合に、前記区間演算手段からの区間平均流量が所定の口火登録流量範囲内かつ、前記区間演算手段からの最大流量と最小流量の差が、第1差分流量内に2回連続して収まり、前回の区間平均流量と今回の区間平均流量の差が、前回の区間平均流量の第1所定比率以内または、所定流量以内となった場合に、前回の区間平均流量と今回の区間平均流量との平均流量を口火登録流量として登録する構成としたものである。
【0017】
これにより、前回の区間平均流量と今回の区間平均流量の差およびその比率を判定することにより、脈動下であっても現場での口火登録を確実におこなうことができる。
【0018】
第4の発明は、特に、第1発明の口火判定手段を、口火判定手段は、前記外部通信手段から口火登録開始要求がない場合には、前記区間演算手段からの区間平均流量が所定の口火登録流量範囲内かつ、前記区間演算手段からの最大流量と最小流量の差が、第2差分流量内に2回連続して収まり、前回の区間平均流量と今回の区間平均流量の差が、前回の区間平均流量の第1所定比率以内または、所定流量以内となった場合に、前回の区間平均流量と今回の区間平均流量との平均流量を仮口火登録流量とし、仮口火登録ありとするとともに、前回の区間平均流量と今回の区間平均流量との和を加算手段に記憶しておき、仮口火登録あり以降は、前記区間演算手段からの区間平均流量と仮口火登録流量との差が判定許容幅内かつ、前記区間演算手段からの最大流量と最小流量の差が、第2差分流量内に収まった場合に、前記加算手段に区間平均流量を加算し、第3判定回数に到達すると、前記加算手段に加算した流量の平均を算出し、算出した平均流量が登録流量範囲に収まっていた場合に、算出した平均流量を口火登録流量として登録する構成としたものである。
【0019】
これにより、仮口火流量登録および仮口火流量登録以降に区間平均流量の判定回数分の平均を判定することにより、脈動下であっても口火の自動登録を確実におこなうことができる。
【0020】
第5の発明は、第1から第4のいずれか1つの発明に記載のガス遮断装置の全てもしくは一部として、コンピュータを機能させるプログラムである。そして、プログラムであるので汎用コンピュータやサーバーを用いて本発明のプログラムの少なくとも一部を容易に実現できる。また記録媒体に記録したり通信回線を用いてプログラムを配信したりすることでプログラムの配布やインストール作業が簡単にできる。
【0021】
本発明は、第1の発明から第4の発明の要部を実施の形態とすることにより本発明の目的を達成できるので、各請求項に対応する実施の形態の詳細を、以下に図面を参照しながら説明し、本発明を実施するための最良の形態の説明とする。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、各実施の形態の説明において、同一構成並びに同一作用効果を奏するところには、同一符号を付して重複した説明を行わないものとする。
【0022】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるガス遮断装置としてのガスメータのブロック図を示すものである。
【0023】
図1において、ガスメータ装置1はガス供給管の途中に設けられ、その下流側の配管には各顧客宅内に設置された1台以上のガス器具が接続されている。
【0024】
図1において、ガスメータ装置1は、流量計測手段3、演算手段6、口火判別手段7、区間演算手段8、流量有無判定手段9、制御手段10、表示部4、感震器5、遮断手段2、外部通信手段11を有して構成される。流量計測手段3は、ガス供給管aの経路中に接続され、後述するように、超音波信号を用いてガス供給管a内のガス流により生じる伝搬時間差を求め、ガスの瞬時流量を検出するものである。演算手段6は、検出された瞬時流量を基に、瞬時流量を積算してガス流量を算出する。この流量計測手段3及び演算手段6が流量計測部の機能を実現する。
【0025】
口火判定手段7は、前記算出された流量値に基づき、口火流量登録のために口火の判定をおこなう。
【0026】
区間演算手段8は、前記算出された流量値を所定時間蓄積して区間平均流量を算出したり、その間の最大流量と最小流量を選別する。
【0027】
流量有無判定手段9は、所定時間毎に前記区間平均流量とその間の最大流量と最小流量から内管漏洩を判断するための流量有無判定処理をおこなう。
【0028】
制御手段10は、ガスメータ装置1内の各部の動作制御の他、流量有無判定手段9による流量有無判定結果ならびに内管漏洩確定による警告やガスの遮断などの保安処理などをおこなうものである。
【0029】
ここで、制御手段10、演算手段6、口火判定手段7、区間演算手段8,流量有無判定手段9は、マイクロコンピュータ(マイコン)等を構成するプロセッサ及び動作プログラムにより構成され、プロセッサにおいて所定の動作プログラムを実行して対応する処理をおこなうことにより、各機能が実現される。
【0030】
なお、本発明の流量計測手段3に関しては、超音波方式の計測手段を使用しているが、計測方式としては、他の流量計測方式でもフルイディック方式などの短時間に一定サイクルで連続計測可能であればよい。
【0031】
表示部4は、LED、液晶ディスプレイ等により構成され、ガス流量やガス器具の動作状態、警告などを表示するものである。感震器5は、地震などの振動を検出して検出信号を制御手段10に出力するものである。遮断手段2は、ガス供給管aの経路中に接続され、制御手段10からの指示に基づいてガス供給管aを閉塞してガスの供給を遮断するものである。
【0032】
外部通信手段11は、有線または無線による通信機能を有し、例えば公衆回線を介して管理センター(図示せず)と接続される。この外部通信手段11は、各種情報及びコマンドや信号を管理センターとの間で授受するものである。
【0033】
管理センターは、コンピュータ等を有して構成され、管理部の機能を実現するもので、コンピュータ等を構成するプロセッサ及び動作プログラムを含み、プロセッサにおいて所定の動作プログラムを実行して対応する処理をおこなうことにより、各機能が実現される。
【0034】
上記の流量計測手段3及び演算手段6の動作について詳しく説明する。図2は流量計測手段3の概略構成を示す構成図である。
【0035】
流量計測手段3は、ガス供給管aに連通する矩形断面を持つ計測流路32を有し、この計測流路32の相対向する流路壁の上流側と下流側には、一対の超音波送受信器33、34が配置されている。これらの超音波送受信器33、34は、超音波伝播経路が計測流路32を流動するガス流を斜めに横切るように設定され、交互に超音波を送受信させることによって、ガス流に対して順方向と逆方向に超音波の伝搬をおこなう。
【0036】
このとき、超音波送受信器33、34間の距離、すなわち測定距離をL、ガス流に対する超音波伝播経路の角度をφ、超音波送受信器33、34の上流から下流への超音波伝播時間をt1、下流から上流への超音波伝播時間をt2、音速をCとすると、流速Vは以下の式により求められる。
V=L/2cosφ((1/t1)−(1/t2))
この流速Vと計測流路32の断面積とからガス流の瞬時流量を算出する。
【0037】
瞬時流量の計測の時間間隔は、超音波の送受信が可能な範囲で設定できる。ガス器具により起動や制御により変化する時間が器具ごとに異なるため、計測時間間隔を小さくすることは器具判別を瞬時におこなう点では有利となるが、計測時間間隔を短くすると電池の消耗が大きくなる。また、計測時間間隔が従来のガスメータで使用している膜式方式と同等の2桁オーダーの秒数間隔になると、流量変化の差分を見て判断することが困難になる。そこで、本実施形態では、ガス器具が使われていないときは2秒間隔の周期的な瞬時流量の計測をおこない、その差分値をとってガス器具の起動を判別する。なお、計測時間間隔は更に短くすることも可能である。例えば、ガス器具起動後は計測精度を上げるために計測時間間隔を短くするなどの制御を行ってもよい。
【0038】
次に、流量有無判定手段9の動作について詳しく説明する。図3は脈動時のガス流量の変化を示す特性図で、図4は区間平均流量Qtの判定許容範囲を示す図である。
【0039】
図3は流量計測手段3により測定されたガスの瞬時流量値を示している。ガス器具が未使用時に流量がゼロ付近で安定していれば、流量なしの判定は容易であり、また、微少流量で安定していれば、内管漏洩の検出も容易である。しかしながら、GHP等の影響により、脈動が発生した場合には、流量が安定しないため、流量なしを判定できず、所定時間継続すると、内管漏洩が発生していないにも関わらず、内管漏洩と判定してしまうといった課題があった。そこで、脈動下における流量なし判定をおこなうために、ある所定時間の流量の最大値Qtmax、最小値Qtminおよび所定時間内の流量の平均を求め、区間平均流量Qtとし、脈動下における安定度合いを判定に用いる。図4は、区間平均流量Qtの安定度合いを判定する閾値について示している。判定許容範囲Qh、判定許容範囲シフト幅Qsとすると、(−Qh+Qs)から(Qh+Qs)が判定の閾値となる。この範囲を外れる場合は、流量ありとする。なお、判定許容範囲シフト幅Qsは、経年変化に対する流量計測手段3のオフセットの変化を考慮して設けたものである。図5は、図4で示した判定の閾値である(−Qh+Qs)から(Qh+Qs)の範囲内に収まった区間平均流量Qtの第1判定回数分プロットした図である。第1判定回数分の区間平均流量の平均流量が平均判定流量以内でなければ流量ありとする。
【0040】
図6は本実施形態の流量有無判定の動作手順を示すフローチャートである。流量有無判定9は、図6に示すステップ(以下、Sと表示する)1からS13の制御フローを実行するプログラムを格納したものである。
【0041】
まずS1で所定時間毎に区間演算手段8からの最大流量Qtmaxと最小流量Qtminとの差が許容範囲幅未満かどうか判定し、許容範囲幅未満でなければS3へ進む。S2では区間演算手段8からの区間平均流量Qtが判定許容範囲+判定許容範囲シフト幅以下かどうか判定し、判定許容範囲+判定許容範囲シフト幅以下であればS6へ進む。判定範囲許容+判定許容範囲シフト幅より大であれば流量ありとして内管漏洩判定タイマをアップし(S3)、S4では内管漏洩判定タイマが所定値に到達したかどうか判定し、所定値に到達すると内管漏洩確定とする(S5)。
【0042】
S6では区間演算手段8からの区間平均流量Qtを合計流量へ加算し、S7では連続回数カウンタをアップする。S8では連続回数カウンタが第1判定回数に到達したかどうか判定し、到達した場合はS9へ、到達していない場合はS3へ進む。S9では連続回数カウンタをクリアし、S10ではS6で区間平均流量Qtを第1判定回数分加算した合計流量を用いて平均流量を算出し、S11では合計流量をクリアする。S12ではS10で算出した平均流量の絶対値が平均判定流量以内かどうか判定し、平均判定流量以内であれば流量なしとしてS13へ進み、平均判定流量以内でなければS3へ進む。S13では、内管漏洩判定タイマをクリアする。
【0043】
以上のように、本実施の形態においては、脈動下であっても安定して流量なしを判定することができ、内管漏洩の誤警告を防止することができる。
【0044】
(実施の形態2)
図7は本実施形態の流量有無判定の動作手順を示すフローチャートである。本実施の形態は、実施の形態1における図1に示す流量有無判定手段9とプログラムのみが異なるだけで、ガス遮断装置のブロック図は図1と同一である。すなわち、流量有無判定手段9は図7に示すS14からS40の制御フローを実行するプログラムを格納したものである。
【0045】
S14で所定時間毎に区間演算手段8からの最大流量Qtmaxと最小流量Qtminとの差が許容範囲幅未満かどうか判定し、許容範囲幅未満でなければS16へ進む。S15では区間演算手段8からの区間平均流量Qtが判定許容範囲+判定許容範囲シフト幅以下かどうか判定し、判定許容範囲+判定許容範囲シフト幅以下であればS24へ進む。判定範囲許容+判定許容範囲シフト幅より大であれば流量ありとして流量ありフラグをセットし(S16)、S17へ進む。S24では区間演算手段8からの区間平均流量Qtを第1合計流量へ加算し、S25では第1連続回数カウンタをアップする。S26では第1連続回数カウンタが第1判定回数に到達したかどうか判定し、到達した場合はS27へ、到達していない場合はS16へ進む。S27では第1連続回数カウンタをクリアし、S28ではS24で区間平均流量Qtを第1判定回数分加算した第1合計流量を用いて第1平均流量を算出し、S29では第1合計流量をクリアする。S30ではS28で算出した第1平均流量の絶対値が平均判定流量以内かどうか判定し、平均判定流量以内であればS31へ進み、平均判定流量以内でなければS16へ進む。S31では、流量ありフラグをクリアしS17へ進む。S17では口火登録があるかどうか判定し、口火登録がなければS20へ進み、口火登録があれば区間演算手段8からの最大流量Qtmaxと最小流量Qtminとの差が許容範囲幅未満かどうか判定し、許容範囲幅未満でなければS20へ進む。S19では区間演算手段8からの区間平均流量Qtが口火登録流量±判定許容範囲以内かどうか判定し、口火登録流量±判定許容範囲より大であればS20へ進む。口火登録流量±判定許容範囲以内であれば区間演算手段8からの区間平均流量Qtを第2合計流量へ加算し(S32)、S33では第2連続回数カウンタをアップする。S34では第2連続回数カウンタが第2判定回数に到達したかどうか判定し、到達した場合はS35へ、到達していない場合はS20へ進む。S35では第2連続回数カウンタをクリアし、S36ではS32で区間平均流量Qtを第2判定回数分加算した第2合計流量を用いて第2平均流量を算出し、S37では第2合計流量をクリアする。S38ではS36で算出した第2平均流量と口火登録流量との差の絶対値が平均判定流量以内かどうか判定し、平均判定流量以内であればS40へ進み、平均判定流量以内でなければS20へ進む。S39では、第2平均流量と口火登録流量との差の絶対値が口火登録流量の所定比率以下かどうか判定し、口火登録流量の所定比率以下でなければS20へ進み、口火登録流量の所定比率以下であれば流量なしとして内管漏洩判定タイマをクリアする(S40)。S20では流量ありフラグがセットされているかどうか判定し、流量ありフラグがセットされていなければ、流量なしとしてS40へ進み、流量ありフラグがセットされていれば、流量ありとして内管漏洩判定タイマをアップする(S21)。S22では内管漏洩判定タイマが所定値に到達したかどうか判定し、所定値に到達すると内管漏洩確定とする(S23)。
【0046】
なお、本実施形態においては、口火登録が一つの場合について説明したが、複数の口火登録がある場合には、S17からS19およびS32からS39の処理をそれぞれの口火ごとに処理することにより、実現できる。
【0047】
以上のように、本実施の形態においては、口火登録以降であっても、脈動下で安定して流量なしを判定することができ、内管漏洩の誤警告を防止することができる。
【0048】
(実施の形態3)
図8は本実施形態の口火現場登録の動作手順を示すフローチャートである。本実施の形態は、実施の形態1における図1に示す口火判定手段7とプログラムのみが異なるだけで、ガス遮断装置のブロック図は図1と同一である。すなわち、口火判定手段7は図8に示すS41からS47の制御フローを実行するプログラムを格納したものである。
【0049】
外部通信手段11から口火登録開始要求を入力した場合に、S41で今回の区間演算手段8からの区間平均流量Qtが登録流量範囲以内かどうか判定し、登録流量範囲以内ならば、前回の区間平均流量Qt−1が登録流量範囲以内かどうか判定する(S42)。前回の区間平均流量Qt−1が登録流量範囲以内ならば、今回の区間演算手段8からの最大流量Qtmaxと最小流量Qtminとの差が、第1差分流量未満かどうか判定し(S43)、第1差分流量未満ならば、S44で前回の最大流量Qt−1maxと最小流量Qt−1minとの差が、第1差分流量未満かどうか判定し、第1差分流量未満であれば、今回の区間平均流量Qtと前回の区間平均流量Qt−1との差の絶対値が、前回の区間平均流量Qt−1の所定比率未満かどうか判定し(S45)、前回の区間平均流量Qt−1の所定比率未満ならばS47へ進み、前回の区間平均流量Qt−1の所定比率未満でなければ、今回の区間平均流量Qtと前回の区間平均流量Qt−1との差の絶対値が、所定流量未満かどうか判定し(S46)、所定流量未満ならば、S47で今回の区間平均流量Qtと前回の区間平均流量Qt−1との平均を算出し、口火登録流量として登録する。
【0050】
以上のように、本実施の形態においては、口火の現場登録をおこなう際に、脈動下であっても現場での口火登録を確実におこなうことができる。
【0051】
(実施の形態4)
図9は本実施形態の口火自動登録の動作手順を示すフローチャートである。本実施の形態は、実施の形態1における図1に示す口火判定手段7とプログラムのみが異なるだけで、ガス遮断装置のブロック図は図1と同一である。すなわち、口火判定手段7は図9に示すS48からS67の制御フローを実行するプログラムを格納したものである。
【0052】
S48で仮口火流量登録ありフラグがセットされているかどうか判定し、仮口火流量登録ありフラグがセットされているならばS59へ進み。仮口火流量登録ありフラグがセットされていなければ、今回の区間演算手段8からの区間平均流量Qtが登録流量範囲以内かどうか判定し(S49)、登録流量範囲以内ならば、前回の区間平均流量Qt−1が登録流量範囲以内かどうか判定する(S50)。前回の区間平均流量Qt−1が登録流量範囲以内ならば、今回の区間演算手段8からの最大流量Qtmaxと最小流量Qtminとの差が、第2差分流量未満かどうか判定し(S51)、第2差分流量未満ならば、S52で前回の最大流量Qt−1maxと最小流量Qt−1minとの差が、第2差分流量未満かどうか判定し、第2差分流量未満であれば、今回の区間平均流量Qtと前回の区間平均流量Qt−1との差の絶対値が、前回の区間平均流量Qt−1の所定比率未満かどうか判定し(S53)、前回の区間平均流量Qt−1の所定比率未満ならばS55へ進み、前回の区間平均流量Qt−1の所定比率未満でなければ、今回の区間平均流量Qtと前回の区間平均流量Qt−1との差の絶対値が、所定流量未満かどうか判定し(S54)、所定流量未満ならば、S55で今回の区間平均流量Qtと前回の区間平均流量Qt−1との平均を算出し、仮口火登録流量として登録する。S56では今回の区間平均流量Qtと前回の区間平均流量Qt−1とを加算したものを第3合計流量へ格納する。S57ではチェックカウンタに初期値として2を格納し、仮口火登録流量ありフラグをセットする(S58)。S59で区間平均流量Qtと仮口火登録流量との差の絶対値が判定許容幅以下かどうか判定し、判定許容幅以下ならばS60へ進み、判定許容幅以下でないならS67へ進む。S60で最大流量Qtmaxと最小流量Qtminとの差が、第2差分流量未満かどうか判定し、第2差分流量未満であれば、S61へ進み、第2差分流量未満でなければS67へ進む。S61でチェックカウンタをアップし、S62で区間平均流量Qtを第3合計流量へ加算し、S63でチェックカウンタが第3判定回数に到達したかどうか判定し、第3判定回数に到達すると第3合計流量を用いて、第3平均流量を算出する。S65では第3平均流量が登録流量範囲以内かどうか判定し、登録流量範囲以内でなければS67へ進み、登録流量範囲以内であれば、S64で算出した第3平均流量を口火登録流量として登録する(S66)。S67では仮口火流量登録ありフラグをクリアする。
【0053】
以上のように、本実施の形態においては、脈動下であっても口火の自動登録を確実におこなうことができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
以上のように、本発明にかかるガス遮断装置は、脈動が発生しているような環境下であっても内管漏洩を判定できることから、水や気体の漏れを検出する方式にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施の形態1〜4におけるガスメータのブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における超音波流量計の概略構成図
【図3】本発明の実施の形態1におけるガスの瞬時流量値を示す図
【図4】本発明の実施の形態1における区間平均流量の安定度合いを判定する閾値を示す図
【図5】本発明の実施の形態1における区間平均流量の第1判定回数分プロットした図
【図6】本発明の実施の形態1における流量有無判定の動作手順を示すフローチャート
【図7】本発明の実施の形態2における流量有無判定の動作手順を示すフローチャート
【図8】本発明の実施の形態3における口火現場登録の動作手順を示すフローチャート
【図9】本発明の実施の形態4における口火自動登録の動作手順を示すフローチャート
【図10】従来の内管漏洩の有無を検出するガスメータのブロック図
【図11】従来の口火流量計測装置の動作示すタイミングチャート
【符号の説明】
【0056】
1 ガスメータ装置
2 遮断手段
3 流量計測手段
4 表示部
5 感震器
6 演算手段
7 口火判定手段
8 区間演算手段
9 流量有無判定手段
10 制御手段
11 外部通信手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、内管漏洩の有無を検出するガス遮断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種のガス遮断装置としては図10に示すようなものがあった。このガス遮断装置は、流量計測手段3、演算手段6、表示部4を備えており、表示部4は、ガス供給源であるガス容器(図示せず)からガス器具(図示せず)に供給されるガスの流量がカウント表示(積算表示)される。そして、漏洩を判定する漏洩判定手段13と、弁閉により、ガス容器からガス器具へのガス供給を遮断する遮断手段2と、遮断手段2を駆動する弁駆動手段14と、漏洩を判定するための所定時間をカウントする時間計測手段12を備えている。
【0003】
上記構成において、漏洩判定手段13は時間計測手段12から出力されるタイミングパルス等に基づいて、所定の時間が経過する毎に、その間に検出された流量値Qの最大値Qmaxと最小値Qminとを抽出し、それらの差ΔQ=Qmax−Qminを算出し、その差ΔQの値を所定の差分しきい値ΔQthと比較し、差ΔQの値が差分しきい値ΔQthを超えたものであった場合には、内管漏洩ではないと判定し、差ΔQの値が差分しきい値ΔQth以下の場合には、さらに、前述の所定時間内での流量値の平均値Qaveを演算し、その平均値Qaveを所定の平均流量しきい値と比較して、流量値Qの平均値Qaveが平均流量しきい値aveQthを超える場合には、内管漏洩ではないと判定し、流量値Qの平均値Qaveが平均流量しきい値aveQth以下であった場合には、内管漏洩と判定する。
【0004】
上記構成によって、共用配管等を介して近接のガス機器に起因した脈動が発生する場合などでも、それを誤ってガス漏れとして検知することを防止することができる(例えば特許文献1参照)。
【0005】
また、口火のある機器を使用時に、あらかじめ口火流量を登録しておき、内管漏洩と誤検知しないようにしたものもあった(例えば特許文献2参照)。以下、その構成について図11を参照しながら説明する。
【0006】
図11は、従来の口火流量計測装置の動作示すタイミングチャートである。ガス流量演算値のQhからQlの領域が設定された許容流量範囲で、時間t0のタイミングで第1の所定値Qp以上の流量が検出されたので、所定期間の計時を開始し、所定期間の計時が終了する時間t1までの期間、すなわちt0からt1間の最小流量Qminが、設定された許容流量範囲、すなわち、Qh〜Ql内なので、時間t1でQminが口火流量として登録される。
【0007】
上記構成によって、口火相当のガス燃焼量が登録され、内管漏洩検知に関連して有効に活用することができる。
【特許文献1】特開2002−156304号公報
【特許文献2】特公平6−92903号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら前記従来の構成では、GHP等の大型燃焼機器が近接したところに設置されている場合、脈動が激しいために、内管漏洩と判断してしまったり、逆に閾値を変更して脈動で誤判定しないようにすると、実際に漏れが発生していても検出できなかったり、また、脈動により口火が登録できずに口火のある機器を使用した場合に内管漏洩と誤判定してしまったり、口火登録ができたとしても本来の口火流量でなく更に少ない流量である脈動の最小流量を登録してしまい、脈動が収まった時に口火流量を内管漏洩と誤判定してしまうという課題を有していた。
【0009】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、脈動があっても正しく内管漏洩を検出でき、また口火登録を確実におこなうことのできるガス遮断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記従来の課題を解決するために、本発明のガス遮断装置は、ガス供給管に接続され、外部との通信が可能な外部通信手段と、外部通信手段を制御する制御手段と、ガス流量を一定時間間隔で計測する流量計測手段と、流量計測手段から出力により流量値を求める演算手段と、演算手段により算出された流量値から口火であるかどうかを判定する口火判定手段と、演算手段により算出された流量値を所定時間蓄積して区間平均流量を算出するとともに、その間の最大流量と最小流量を選別する区間演算手段と、区間演算手段からの出力により流量の有無を判定する流量有無判定手段とを備え、流量有無判定手段は、区間演算手段からの最大流量と最小流量との差が所定許容幅内かつ区間平均流量が所定の許容範囲内で、所定回数継続した際の区間平均流量の平均が平均判定流量以内であった場合に流量なしと判定するとともに内管漏洩判定タイマを初期化し、それ以外は流量ありと判定し所定期間継続した場合には内管漏洩確定とする構成としたものである。また、内管漏洩の判定に必要な口火登録についても前回の区間平均流量と今回の区間平均流量との差およびその比率を判定することにより脈動下であっても口火登録を確実におこなう構成としたものである。
【0011】
これよって、GHP等による脈動が発生しているような環境下であっても、実際には漏洩していないにも関わらず内管漏洩警告が発生してしまうという誤判定を防止することができ、また、口火登録においても確実に登録でき、口火登録以降も内管漏洩の誤判定を防止することができ、誤警告による使用者の不安を解消でき、また、ガス事業者の不要な出動を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
第1の発明は、ガス供給管に接続され、外部との通信が可能な外部通信手段と、前記外部通信手段を制御する制御手段と、ガス流量を一定時間間隔で計測する流量計測手段と、前記流量計測手段から出力により流量値を求める演算手段と、前記演算手段により算出された流量値から口火であるかどうかを判定する口火判定手段と、前記演算手段により算出された流量値を所定時間蓄積して区間平均流量を算出するとともに、その間の最大流量と最小流量を選別する区間演算手段と、前記区間演算手段からの出力により流量の有無を判定する流量有無判定手段とを備え、前記流量有無判定手段は、所定時間毎に前記区間演算手段からの最大流量と最小流量との差が判定許容幅未満かつ、区間平均流量が判定許容範囲+判定許容範囲シフト量以内であった場合に区間平均流量を蓄積し、第1判定回数分を蓄積した際に平均流量を算出し、算出した平均流量が平均判定流量以内であった場合に流量なしと判定するとともに内管漏洩判定タイマを初期化し、それ以外は流量ありと判定し所定期間継続した場合には内管漏洩確定とすることを特徴とする構成としたものである。
【0013】
これにより、区間平均流量の判定回数分の平均を判定することにより、脈動下であっても安定して流量なしを判定することができ、内管漏洩の誤警告を防止することができる。
【0014】
第2の発明は、特に、第1発明の流量有無判定手段を、口火登録以降に、前記区間演算手段からの最大流量と最小流量との差が判定許容幅未満かつ、区間平均流量が判定許容範囲以内であった場合に区間平均流量を蓄積し、第2判定回数分を蓄積した際に平均流量を算出し、算出した平均流量と口火登録流量との差が登録流量の所定比率または、平均判定流量以内となった場合に、流量なしと判定するとともに内管漏洩判定タイマを初期化し、それ以外は流量ありと判定し所定期間継続した場合には内管漏洩確定とする構成としたものである。
【0015】
これにより、口火登録以降も区間平均流量の判定回数分の平均と口火登録流量との差分を判定することにより、脈動下であっても安定して流量なしを判定することができ、内管漏洩の誤警告を防止することができる。
【0016】
第3の発明は、特に、第1発明の口火判定手段を、前記外部通信手段から口火登録開始要求を入力した場合に、前記区間演算手段からの区間平均流量が所定の口火登録流量範囲内かつ、前記区間演算手段からの最大流量と最小流量の差が、第1差分流量内に2回連続して収まり、前回の区間平均流量と今回の区間平均流量の差が、前回の区間平均流量の第1所定比率以内または、所定流量以内となった場合に、前回の区間平均流量と今回の区間平均流量との平均流量を口火登録流量として登録する構成としたものである。
【0017】
これにより、前回の区間平均流量と今回の区間平均流量の差およびその比率を判定することにより、脈動下であっても現場での口火登録を確実におこなうことができる。
【0018】
第4の発明は、特に、第1発明の口火判定手段を、口火判定手段は、前記外部通信手段から口火登録開始要求がない場合には、前記区間演算手段からの区間平均流量が所定の口火登録流量範囲内かつ、前記区間演算手段からの最大流量と最小流量の差が、第2差分流量内に2回連続して収まり、前回の区間平均流量と今回の区間平均流量の差が、前回の区間平均流量の第1所定比率以内または、所定流量以内となった場合に、前回の区間平均流量と今回の区間平均流量との平均流量を仮口火登録流量とし、仮口火登録ありとするとともに、前回の区間平均流量と今回の区間平均流量との和を加算手段に記憶しておき、仮口火登録あり以降は、前記区間演算手段からの区間平均流量と仮口火登録流量との差が判定許容幅内かつ、前記区間演算手段からの最大流量と最小流量の差が、第2差分流量内に収まった場合に、前記加算手段に区間平均流量を加算し、第3判定回数に到達すると、前記加算手段に加算した流量の平均を算出し、算出した平均流量が登録流量範囲に収まっていた場合に、算出した平均流量を口火登録流量として登録する構成としたものである。
【0019】
これにより、仮口火流量登録および仮口火流量登録以降に区間平均流量の判定回数分の平均を判定することにより、脈動下であっても口火の自動登録を確実におこなうことができる。
【0020】
第5の発明は、第1から第4のいずれか1つの発明に記載のガス遮断装置の全てもしくは一部として、コンピュータを機能させるプログラムである。そして、プログラムであるので汎用コンピュータやサーバーを用いて本発明のプログラムの少なくとも一部を容易に実現できる。また記録媒体に記録したり通信回線を用いてプログラムを配信したりすることでプログラムの配布やインストール作業が簡単にできる。
【0021】
本発明は、第1の発明から第4の発明の要部を実施の形態とすることにより本発明の目的を達成できるので、各請求項に対応する実施の形態の詳細を、以下に図面を参照しながら説明し、本発明を実施するための最良の形態の説明とする。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、各実施の形態の説明において、同一構成並びに同一作用効果を奏するところには、同一符号を付して重複した説明を行わないものとする。
【0022】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるガス遮断装置としてのガスメータのブロック図を示すものである。
【0023】
図1において、ガスメータ装置1はガス供給管の途中に設けられ、その下流側の配管には各顧客宅内に設置された1台以上のガス器具が接続されている。
【0024】
図1において、ガスメータ装置1は、流量計測手段3、演算手段6、口火判別手段7、区間演算手段8、流量有無判定手段9、制御手段10、表示部4、感震器5、遮断手段2、外部通信手段11を有して構成される。流量計測手段3は、ガス供給管aの経路中に接続され、後述するように、超音波信号を用いてガス供給管a内のガス流により生じる伝搬時間差を求め、ガスの瞬時流量を検出するものである。演算手段6は、検出された瞬時流量を基に、瞬時流量を積算してガス流量を算出する。この流量計測手段3及び演算手段6が流量計測部の機能を実現する。
【0025】
口火判定手段7は、前記算出された流量値に基づき、口火流量登録のために口火の判定をおこなう。
【0026】
区間演算手段8は、前記算出された流量値を所定時間蓄積して区間平均流量を算出したり、その間の最大流量と最小流量を選別する。
【0027】
流量有無判定手段9は、所定時間毎に前記区間平均流量とその間の最大流量と最小流量から内管漏洩を判断するための流量有無判定処理をおこなう。
【0028】
制御手段10は、ガスメータ装置1内の各部の動作制御の他、流量有無判定手段9による流量有無判定結果ならびに内管漏洩確定による警告やガスの遮断などの保安処理などをおこなうものである。
【0029】
ここで、制御手段10、演算手段6、口火判定手段7、区間演算手段8,流量有無判定手段9は、マイクロコンピュータ(マイコン)等を構成するプロセッサ及び動作プログラムにより構成され、プロセッサにおいて所定の動作プログラムを実行して対応する処理をおこなうことにより、各機能が実現される。
【0030】
なお、本発明の流量計測手段3に関しては、超音波方式の計測手段を使用しているが、計測方式としては、他の流量計測方式でもフルイディック方式などの短時間に一定サイクルで連続計測可能であればよい。
【0031】
表示部4は、LED、液晶ディスプレイ等により構成され、ガス流量やガス器具の動作状態、警告などを表示するものである。感震器5は、地震などの振動を検出して検出信号を制御手段10に出力するものである。遮断手段2は、ガス供給管aの経路中に接続され、制御手段10からの指示に基づいてガス供給管aを閉塞してガスの供給を遮断するものである。
【0032】
外部通信手段11は、有線または無線による通信機能を有し、例えば公衆回線を介して管理センター(図示せず)と接続される。この外部通信手段11は、各種情報及びコマンドや信号を管理センターとの間で授受するものである。
【0033】
管理センターは、コンピュータ等を有して構成され、管理部の機能を実現するもので、コンピュータ等を構成するプロセッサ及び動作プログラムを含み、プロセッサにおいて所定の動作プログラムを実行して対応する処理をおこなうことにより、各機能が実現される。
【0034】
上記の流量計測手段3及び演算手段6の動作について詳しく説明する。図2は流量計測手段3の概略構成を示す構成図である。
【0035】
流量計測手段3は、ガス供給管aに連通する矩形断面を持つ計測流路32を有し、この計測流路32の相対向する流路壁の上流側と下流側には、一対の超音波送受信器33、34が配置されている。これらの超音波送受信器33、34は、超音波伝播経路が計測流路32を流動するガス流を斜めに横切るように設定され、交互に超音波を送受信させることによって、ガス流に対して順方向と逆方向に超音波の伝搬をおこなう。
【0036】
このとき、超音波送受信器33、34間の距離、すなわち測定距離をL、ガス流に対する超音波伝播経路の角度をφ、超音波送受信器33、34の上流から下流への超音波伝播時間をt1、下流から上流への超音波伝播時間をt2、音速をCとすると、流速Vは以下の式により求められる。
V=L/2cosφ((1/t1)−(1/t2))
この流速Vと計測流路32の断面積とからガス流の瞬時流量を算出する。
【0037】
瞬時流量の計測の時間間隔は、超音波の送受信が可能な範囲で設定できる。ガス器具により起動や制御により変化する時間が器具ごとに異なるため、計測時間間隔を小さくすることは器具判別を瞬時におこなう点では有利となるが、計測時間間隔を短くすると電池の消耗が大きくなる。また、計測時間間隔が従来のガスメータで使用している膜式方式と同等の2桁オーダーの秒数間隔になると、流量変化の差分を見て判断することが困難になる。そこで、本実施形態では、ガス器具が使われていないときは2秒間隔の周期的な瞬時流量の計測をおこない、その差分値をとってガス器具の起動を判別する。なお、計測時間間隔は更に短くすることも可能である。例えば、ガス器具起動後は計測精度を上げるために計測時間間隔を短くするなどの制御を行ってもよい。
【0038】
次に、流量有無判定手段9の動作について詳しく説明する。図3は脈動時のガス流量の変化を示す特性図で、図4は区間平均流量Qtの判定許容範囲を示す図である。
【0039】
図3は流量計測手段3により測定されたガスの瞬時流量値を示している。ガス器具が未使用時に流量がゼロ付近で安定していれば、流量なしの判定は容易であり、また、微少流量で安定していれば、内管漏洩の検出も容易である。しかしながら、GHP等の影響により、脈動が発生した場合には、流量が安定しないため、流量なしを判定できず、所定時間継続すると、内管漏洩が発生していないにも関わらず、内管漏洩と判定してしまうといった課題があった。そこで、脈動下における流量なし判定をおこなうために、ある所定時間の流量の最大値Qtmax、最小値Qtminおよび所定時間内の流量の平均を求め、区間平均流量Qtとし、脈動下における安定度合いを判定に用いる。図4は、区間平均流量Qtの安定度合いを判定する閾値について示している。判定許容範囲Qh、判定許容範囲シフト幅Qsとすると、(−Qh+Qs)から(Qh+Qs)が判定の閾値となる。この範囲を外れる場合は、流量ありとする。なお、判定許容範囲シフト幅Qsは、経年変化に対する流量計測手段3のオフセットの変化を考慮して設けたものである。図5は、図4で示した判定の閾値である(−Qh+Qs)から(Qh+Qs)の範囲内に収まった区間平均流量Qtの第1判定回数分プロットした図である。第1判定回数分の区間平均流量の平均流量が平均判定流量以内でなければ流量ありとする。
【0040】
図6は本実施形態の流量有無判定の動作手順を示すフローチャートである。流量有無判定9は、図6に示すステップ(以下、Sと表示する)1からS13の制御フローを実行するプログラムを格納したものである。
【0041】
まずS1で所定時間毎に区間演算手段8からの最大流量Qtmaxと最小流量Qtminとの差が許容範囲幅未満かどうか判定し、許容範囲幅未満でなければS3へ進む。S2では区間演算手段8からの区間平均流量Qtが判定許容範囲+判定許容範囲シフト幅以下かどうか判定し、判定許容範囲+判定許容範囲シフト幅以下であればS6へ進む。判定範囲許容+判定許容範囲シフト幅より大であれば流量ありとして内管漏洩判定タイマをアップし(S3)、S4では内管漏洩判定タイマが所定値に到達したかどうか判定し、所定値に到達すると内管漏洩確定とする(S5)。
【0042】
S6では区間演算手段8からの区間平均流量Qtを合計流量へ加算し、S7では連続回数カウンタをアップする。S8では連続回数カウンタが第1判定回数に到達したかどうか判定し、到達した場合はS9へ、到達していない場合はS3へ進む。S9では連続回数カウンタをクリアし、S10ではS6で区間平均流量Qtを第1判定回数分加算した合計流量を用いて平均流量を算出し、S11では合計流量をクリアする。S12ではS10で算出した平均流量の絶対値が平均判定流量以内かどうか判定し、平均判定流量以内であれば流量なしとしてS13へ進み、平均判定流量以内でなければS3へ進む。S13では、内管漏洩判定タイマをクリアする。
【0043】
以上のように、本実施の形態においては、脈動下であっても安定して流量なしを判定することができ、内管漏洩の誤警告を防止することができる。
【0044】
(実施の形態2)
図7は本実施形態の流量有無判定の動作手順を示すフローチャートである。本実施の形態は、実施の形態1における図1に示す流量有無判定手段9とプログラムのみが異なるだけで、ガス遮断装置のブロック図は図1と同一である。すなわち、流量有無判定手段9は図7に示すS14からS40の制御フローを実行するプログラムを格納したものである。
【0045】
S14で所定時間毎に区間演算手段8からの最大流量Qtmaxと最小流量Qtminとの差が許容範囲幅未満かどうか判定し、許容範囲幅未満でなければS16へ進む。S15では区間演算手段8からの区間平均流量Qtが判定許容範囲+判定許容範囲シフト幅以下かどうか判定し、判定許容範囲+判定許容範囲シフト幅以下であればS24へ進む。判定範囲許容+判定許容範囲シフト幅より大であれば流量ありとして流量ありフラグをセットし(S16)、S17へ進む。S24では区間演算手段8からの区間平均流量Qtを第1合計流量へ加算し、S25では第1連続回数カウンタをアップする。S26では第1連続回数カウンタが第1判定回数に到達したかどうか判定し、到達した場合はS27へ、到達していない場合はS16へ進む。S27では第1連続回数カウンタをクリアし、S28ではS24で区間平均流量Qtを第1判定回数分加算した第1合計流量を用いて第1平均流量を算出し、S29では第1合計流量をクリアする。S30ではS28で算出した第1平均流量の絶対値が平均判定流量以内かどうか判定し、平均判定流量以内であればS31へ進み、平均判定流量以内でなければS16へ進む。S31では、流量ありフラグをクリアしS17へ進む。S17では口火登録があるかどうか判定し、口火登録がなければS20へ進み、口火登録があれば区間演算手段8からの最大流量Qtmaxと最小流量Qtminとの差が許容範囲幅未満かどうか判定し、許容範囲幅未満でなければS20へ進む。S19では区間演算手段8からの区間平均流量Qtが口火登録流量±判定許容範囲以内かどうか判定し、口火登録流量±判定許容範囲より大であればS20へ進む。口火登録流量±判定許容範囲以内であれば区間演算手段8からの区間平均流量Qtを第2合計流量へ加算し(S32)、S33では第2連続回数カウンタをアップする。S34では第2連続回数カウンタが第2判定回数に到達したかどうか判定し、到達した場合はS35へ、到達していない場合はS20へ進む。S35では第2連続回数カウンタをクリアし、S36ではS32で区間平均流量Qtを第2判定回数分加算した第2合計流量を用いて第2平均流量を算出し、S37では第2合計流量をクリアする。S38ではS36で算出した第2平均流量と口火登録流量との差の絶対値が平均判定流量以内かどうか判定し、平均判定流量以内であればS40へ進み、平均判定流量以内でなければS20へ進む。S39では、第2平均流量と口火登録流量との差の絶対値が口火登録流量の所定比率以下かどうか判定し、口火登録流量の所定比率以下でなければS20へ進み、口火登録流量の所定比率以下であれば流量なしとして内管漏洩判定タイマをクリアする(S40)。S20では流量ありフラグがセットされているかどうか判定し、流量ありフラグがセットされていなければ、流量なしとしてS40へ進み、流量ありフラグがセットされていれば、流量ありとして内管漏洩判定タイマをアップする(S21)。S22では内管漏洩判定タイマが所定値に到達したかどうか判定し、所定値に到達すると内管漏洩確定とする(S23)。
【0046】
なお、本実施形態においては、口火登録が一つの場合について説明したが、複数の口火登録がある場合には、S17からS19およびS32からS39の処理をそれぞれの口火ごとに処理することにより、実現できる。
【0047】
以上のように、本実施の形態においては、口火登録以降であっても、脈動下で安定して流量なしを判定することができ、内管漏洩の誤警告を防止することができる。
【0048】
(実施の形態3)
図8は本実施形態の口火現場登録の動作手順を示すフローチャートである。本実施の形態は、実施の形態1における図1に示す口火判定手段7とプログラムのみが異なるだけで、ガス遮断装置のブロック図は図1と同一である。すなわち、口火判定手段7は図8に示すS41からS47の制御フローを実行するプログラムを格納したものである。
【0049】
外部通信手段11から口火登録開始要求を入力した場合に、S41で今回の区間演算手段8からの区間平均流量Qtが登録流量範囲以内かどうか判定し、登録流量範囲以内ならば、前回の区間平均流量Qt−1が登録流量範囲以内かどうか判定する(S42)。前回の区間平均流量Qt−1が登録流量範囲以内ならば、今回の区間演算手段8からの最大流量Qtmaxと最小流量Qtminとの差が、第1差分流量未満かどうか判定し(S43)、第1差分流量未満ならば、S44で前回の最大流量Qt−1maxと最小流量Qt−1minとの差が、第1差分流量未満かどうか判定し、第1差分流量未満であれば、今回の区間平均流量Qtと前回の区間平均流量Qt−1との差の絶対値が、前回の区間平均流量Qt−1の所定比率未満かどうか判定し(S45)、前回の区間平均流量Qt−1の所定比率未満ならばS47へ進み、前回の区間平均流量Qt−1の所定比率未満でなければ、今回の区間平均流量Qtと前回の区間平均流量Qt−1との差の絶対値が、所定流量未満かどうか判定し(S46)、所定流量未満ならば、S47で今回の区間平均流量Qtと前回の区間平均流量Qt−1との平均を算出し、口火登録流量として登録する。
【0050】
以上のように、本実施の形態においては、口火の現場登録をおこなう際に、脈動下であっても現場での口火登録を確実におこなうことができる。
【0051】
(実施の形態4)
図9は本実施形態の口火自動登録の動作手順を示すフローチャートである。本実施の形態は、実施の形態1における図1に示す口火判定手段7とプログラムのみが異なるだけで、ガス遮断装置のブロック図は図1と同一である。すなわち、口火判定手段7は図9に示すS48からS67の制御フローを実行するプログラムを格納したものである。
【0052】
S48で仮口火流量登録ありフラグがセットされているかどうか判定し、仮口火流量登録ありフラグがセットされているならばS59へ進み。仮口火流量登録ありフラグがセットされていなければ、今回の区間演算手段8からの区間平均流量Qtが登録流量範囲以内かどうか判定し(S49)、登録流量範囲以内ならば、前回の区間平均流量Qt−1が登録流量範囲以内かどうか判定する(S50)。前回の区間平均流量Qt−1が登録流量範囲以内ならば、今回の区間演算手段8からの最大流量Qtmaxと最小流量Qtminとの差が、第2差分流量未満かどうか判定し(S51)、第2差分流量未満ならば、S52で前回の最大流量Qt−1maxと最小流量Qt−1minとの差が、第2差分流量未満かどうか判定し、第2差分流量未満であれば、今回の区間平均流量Qtと前回の区間平均流量Qt−1との差の絶対値が、前回の区間平均流量Qt−1の所定比率未満かどうか判定し(S53)、前回の区間平均流量Qt−1の所定比率未満ならばS55へ進み、前回の区間平均流量Qt−1の所定比率未満でなければ、今回の区間平均流量Qtと前回の区間平均流量Qt−1との差の絶対値が、所定流量未満かどうか判定し(S54)、所定流量未満ならば、S55で今回の区間平均流量Qtと前回の区間平均流量Qt−1との平均を算出し、仮口火登録流量として登録する。S56では今回の区間平均流量Qtと前回の区間平均流量Qt−1とを加算したものを第3合計流量へ格納する。S57ではチェックカウンタに初期値として2を格納し、仮口火登録流量ありフラグをセットする(S58)。S59で区間平均流量Qtと仮口火登録流量との差の絶対値が判定許容幅以下かどうか判定し、判定許容幅以下ならばS60へ進み、判定許容幅以下でないならS67へ進む。S60で最大流量Qtmaxと最小流量Qtminとの差が、第2差分流量未満かどうか判定し、第2差分流量未満であれば、S61へ進み、第2差分流量未満でなければS67へ進む。S61でチェックカウンタをアップし、S62で区間平均流量Qtを第3合計流量へ加算し、S63でチェックカウンタが第3判定回数に到達したかどうか判定し、第3判定回数に到達すると第3合計流量を用いて、第3平均流量を算出する。S65では第3平均流量が登録流量範囲以内かどうか判定し、登録流量範囲以内でなければS67へ進み、登録流量範囲以内であれば、S64で算出した第3平均流量を口火登録流量として登録する(S66)。S67では仮口火流量登録ありフラグをクリアする。
【0053】
以上のように、本実施の形態においては、脈動下であっても口火の自動登録を確実におこなうことができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
以上のように、本発明にかかるガス遮断装置は、脈動が発生しているような環境下であっても内管漏洩を判定できることから、水や気体の漏れを検出する方式にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施の形態1〜4におけるガスメータのブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における超音波流量計の概略構成図
【図3】本発明の実施の形態1におけるガスの瞬時流量値を示す図
【図4】本発明の実施の形態1における区間平均流量の安定度合いを判定する閾値を示す図
【図5】本発明の実施の形態1における区間平均流量の第1判定回数分プロットした図
【図6】本発明の実施の形態1における流量有無判定の動作手順を示すフローチャート
【図7】本発明の実施の形態2における流量有無判定の動作手順を示すフローチャート
【図8】本発明の実施の形態3における口火現場登録の動作手順を示すフローチャート
【図9】本発明の実施の形態4における口火自動登録の動作手順を示すフローチャート
【図10】従来の内管漏洩の有無を検出するガスメータのブロック図
【図11】従来の口火流量計測装置の動作示すタイミングチャート
【符号の説明】
【0056】
1 ガスメータ装置
2 遮断手段
3 流量計測手段
4 表示部
5 感震器
6 演算手段
7 口火判定手段
8 区間演算手段
9 流量有無判定手段
10 制御手段
11 外部通信手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス供給管に接続され、外部との通信が可能な外部通信手段と、前記外部通信手段を制御する制御手段と、ガス流量を一定時間間隔で計測する流量計測手段と、前記流量計測手段から出力により流量値を求める演算手段と、前記演算手段により算出された流量値から口火であるかどうかを判定する口火判定手段と、前記演算手段により算出された流量値を所定時間蓄積して区間平均流量を算出するとともに、その間の最大流量と最小流量を選別する区間演算手段と、前記区間演算手段からの出力により流量の有無を判定する流量有無判定手段とを備え、前記流量有無判定手段は、所定時間毎に前記区間演算手段からの最大流量と最小流量との差が判定許容幅未満かつ、区間平均流量が判定許容範囲+判定許容範囲シフト量以内であった場合に区間平均流量を蓄積し、第1判定回数分を蓄積した際に平均流量を算出し、算出した平均流量が平均判定流量以内であった場合に流量なしと判定するとともに内管漏洩判定タイマを初期化し、それ以外は流量ありと判定し所定期間継続した場合には内管漏洩確定とすることを特徴とするガス遮断装置。
【請求項2】
流量有無判定手段は、口火登録以降に、前記区間演算手段からの最大流量と最小流量との差が判定許容幅未満かつ、区間平均流量が判定許容範囲以内であった場合に区間平均流量を蓄積し、第2判定回数分を蓄積した際に平均流量を算出し、算出した平均流量と口火登録流量との差が登録流量の所定比率または、平均判定流量以内となった場合に、流量なしと判定するとともに内管漏洩判定タイマを初期化し、それ以外は流量ありと判定し所定期間継続した場合には内管漏洩確定とすることを特徴とする、請求項1記載のガス遮断装置。
【請求項3】
口火判定手段は、前記外部通信手段から口火登録開始要求を入力した場合に、前記区間演算手段からの区間平均流量が所定の口火登録流量範囲内かつ、前記区間演算手段からの最大流量と最小流量の差が、第1差分流量内に2回連続して収まり、前回の区間平均流量と今回の区間平均流量の差が、前回の区間平均流量の第1所定比率以内または、所定流量以内となった場合に、前回の区間平均流量と今回の区間平均流量との平均流量を口火登録流量として登録することを特徴とする、請求項1または2記載のガス遮断装置。
【請求項4】
口火判定手段は、前記外部通信手段から口火登録開始要求がない場合には、前記区間演算手段からの区間平均流量が所定の口火登録流量範囲内かつ、前記区間演算手段からの最大流量と最小流量の差が、第2差分流量内に2回連続して収まり、前回の区間平均流量と今回の区間平均流量の差が、前回の区間平均流量の第1所定比率以内または、所定流量以内となった場合に、前回の区間平均流量と今回の区間平均流量との平均流量を仮口火登録流量とし、仮口火登録ありとするとともに、前回の区間平均流量と今回の区間平均流量との和を加算手段に記憶しておき、仮口火登録あり以降は、前記区間演算手段からの区間平均流量と仮口火登録流量との差が判定許容幅内かつ、前記区間演算手段からの最大流量と最小流量の差が、第2差分流量内に収まった場合に、前記加算手段に区間平均流量を加算し、第3判定回数に到達すると、前記加算手段に加算した流量の平均を算出し、算出した平均流量が登録流量範囲に収まっていた場合に、算出した平均流量を口火登録流量として登録することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項記載のガス遮断装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のガス遮断装置の全てもしくは一部として、コンピュータを機能させるプログラム。
【請求項1】
ガス供給管に接続され、外部との通信が可能な外部通信手段と、前記外部通信手段を制御する制御手段と、ガス流量を一定時間間隔で計測する流量計測手段と、前記流量計測手段から出力により流量値を求める演算手段と、前記演算手段により算出された流量値から口火であるかどうかを判定する口火判定手段と、前記演算手段により算出された流量値を所定時間蓄積して区間平均流量を算出するとともに、その間の最大流量と最小流量を選別する区間演算手段と、前記区間演算手段からの出力により流量の有無を判定する流量有無判定手段とを備え、前記流量有無判定手段は、所定時間毎に前記区間演算手段からの最大流量と最小流量との差が判定許容幅未満かつ、区間平均流量が判定許容範囲+判定許容範囲シフト量以内であった場合に区間平均流量を蓄積し、第1判定回数分を蓄積した際に平均流量を算出し、算出した平均流量が平均判定流量以内であった場合に流量なしと判定するとともに内管漏洩判定タイマを初期化し、それ以外は流量ありと判定し所定期間継続した場合には内管漏洩確定とすることを特徴とするガス遮断装置。
【請求項2】
流量有無判定手段は、口火登録以降に、前記区間演算手段からの最大流量と最小流量との差が判定許容幅未満かつ、区間平均流量が判定許容範囲以内であった場合に区間平均流量を蓄積し、第2判定回数分を蓄積した際に平均流量を算出し、算出した平均流量と口火登録流量との差が登録流量の所定比率または、平均判定流量以内となった場合に、流量なしと判定するとともに内管漏洩判定タイマを初期化し、それ以外は流量ありと判定し所定期間継続した場合には内管漏洩確定とすることを特徴とする、請求項1記載のガス遮断装置。
【請求項3】
口火判定手段は、前記外部通信手段から口火登録開始要求を入力した場合に、前記区間演算手段からの区間平均流量が所定の口火登録流量範囲内かつ、前記区間演算手段からの最大流量と最小流量の差が、第1差分流量内に2回連続して収まり、前回の区間平均流量と今回の区間平均流量の差が、前回の区間平均流量の第1所定比率以内または、所定流量以内となった場合に、前回の区間平均流量と今回の区間平均流量との平均流量を口火登録流量として登録することを特徴とする、請求項1または2記載のガス遮断装置。
【請求項4】
口火判定手段は、前記外部通信手段から口火登録開始要求がない場合には、前記区間演算手段からの区間平均流量が所定の口火登録流量範囲内かつ、前記区間演算手段からの最大流量と最小流量の差が、第2差分流量内に2回連続して収まり、前回の区間平均流量と今回の区間平均流量の差が、前回の区間平均流量の第1所定比率以内または、所定流量以内となった場合に、前回の区間平均流量と今回の区間平均流量との平均流量を仮口火登録流量とし、仮口火登録ありとするとともに、前回の区間平均流量と今回の区間平均流量との和を加算手段に記憶しておき、仮口火登録あり以降は、前記区間演算手段からの区間平均流量と仮口火登録流量との差が判定許容幅内かつ、前記区間演算手段からの最大流量と最小流量の差が、第2差分流量内に収まった場合に、前記加算手段に区間平均流量を加算し、第3判定回数に到達すると、前記加算手段に加算した流量の平均を算出し、算出した平均流量が登録流量範囲に収まっていた場合に、算出した平均流量を口火登録流量として登録することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項記載のガス遮断装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のガス遮断装置の全てもしくは一部として、コンピュータを機能させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−216724(P2010−216724A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−64542(P2009−64542)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【出願人】(000220262)東京瓦斯株式会社 (1,166)
【出願人】(000221834)東邦瓦斯株式会社 (440)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【出願人】(000222211)東洋ガスメーター株式会社 (34)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【出願人】(000220262)東京瓦斯株式会社 (1,166)
【出願人】(000221834)東邦瓦斯株式会社 (440)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【出願人】(000222211)東洋ガスメーター株式会社 (34)
【Fターム(参考)】
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