説明

コンテンツ再生装置、コンテンツ再生方法、及び、プログラム

【課題】再生候補として選択されたコンテンツを音声や映像により瞬時にユーザに認識させて、再生対象のコンテンツを決定しやすくするのに好適なコンテンツ再生装置等を提供する。
【解決手段】本発明に係るコンテンツ再生装置400は、複数のコンテンツのそれぞれのマルチメディア情報と、当該コンテンツの一部の区間を指定する区間情報と、が記憶されるコンテンツ記憶部401と、複数のコンテンツのいずれかを候補として選択する選択部402と、選択により候補が変化した場合、当該変化後の候補のマルチメディア情報の一部の区間を再生する区間再生部403と、選択された候補を再生対象として決定する決定部404と、決定されたコンテンツのマルチメディア情報を再生するコンテンツ再生部405と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生候補として選択されたコンテンツを音声や映像により瞬時にユーザに認識させて、再生対象のコンテンツを決定しやすくするのに好適なコンテンツ再生装置、コンテンツ再生方法、及び、これらをコンピュータにて実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
表示される複数の候補の中からユーザが所望する候補を表示して、当該候補の決定を効率よく行う発明が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3836795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、所望の候補を決定するために、表示される候補を注視することが煩わしいと感じるユーザが存在する。また、楽曲のように、楽曲名やアーティスト名等の名称(文字列)からでは、再生される楽曲がどのような曲であるかわからない場合もある。そこで、表示される候補を注視しなくとも、選択された候補を瞬時にユーザに認識させて、候補を決定しやすくするのに好適な新たな手法が求められている。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、再生候補として選択されたコンテンツを音声や映像により瞬時にユーザに認識させて、再生対象のコンテンツを決定しやすくするのに好適なコンテンツ再生装置、コンテンツ再生方法、及び、これらをコンピュータにて実現するためのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るコンテンツ再生装置は、コンテンツ記憶部と、選択部と、区間再生部と、決定部と、コンテンツ再生部と、を含んで構成される。
【0007】
コンテンツ記憶部には、複数のコンテンツのそれぞれのマルチメディア情報と、当該コンテンツの一部の区間を指定する区間情報と、が記憶される。
【0008】
コンテンツとは、例えば、楽曲や映像から構成されるマルチメディア情報をいう。また、コンテンツの一部の区間とは、楽曲の場合、例えば、楽曲のイントロ(前奏)区間、Aメロ(最初のメロディ)区間、サビ(最も盛り上がる)区間、アウトロ(後奏)区間等、任意の区間をいい、映像の場合、タイトル(題名)が示される区間、オープニング区間、エンディング区間等、任意の区間をいう。
【0009】
選択部は、複数のコンテンツのいずれかを候補として選択する。ここで、選択とは、再生すべきコンテンツを決定する前のコンテンツを選ぶ行為をいう。
【0010】
区間再生部は、選択により候補が変化した場合、当該変化後の候補のマルチメディア情報の一部の区間を再生する。ここで、選択により候補が変化した場合とは、具体的には、コンテンツが選択されていない状態から、再生候補としてコンテンツAが選択されること、また、再生候補としてコンテンツAがすでに選択されている状態から、新たな再生候補としてコンテンツBが選択されることをいう。
【0011】
区間再生部は、選択部により複数のコンテンツのいずれかが候補として選択されると、当該コンテンツの一部の区間を仮再生する。ここで、仮再生とは、本再生がなされる前に、コンテンツの一部の区間が再生されることをいう。また、本再生とは、典型的には、コンテンツが最初から最後まで再生されることをいう。
【0012】
具体例として、コンテンツが、音声情報から構成される楽曲である場合を例にとって説明する。複数のコンテンツの候補として、楽曲A、楽曲B、楽曲Cがあるとし、一部の区間として、楽曲Aが「ド」、楽曲Bが「ミ」、楽曲Cが「ソ」の音が仮再生されるとする。この場合において、再生対象の候補として、楽曲A、楽曲B、楽曲Cと順番にユーザが選択していくと、まず、一番目に選択された楽曲Aの「ド」の音が仮再生される。続いて、二番目に選択された楽曲Bの「ミ」の音、三番目に選択された楽曲Cの「ソ」の音、が順番に仮再生される。選択が何度か繰り返されることにより、楽曲の仮再生が行われると、「ド」の音は楽曲Aに、「ミ」の音は楽曲Bに、「ソ」の音は楽曲Cに、それぞれ対応しているとユーザは認識できるようになる。このため、例えば、「ミ」の音が聞こえた場合、再生対象の候補として楽曲Bが選択されているとユーザは瞬時に認識することができる。すなわち、ユーザは、仮再生された楽曲の一部の区間を聞くことにより、再生候補として選択されている楽曲がいずれであるのかを認識することができる。
【0013】
決定部は、選択された候補を再生対象として決定する。ここで、決定とは、すでに選択されたコンテンツについて本再生を行うためにコンテンツを選ぶ行為をいう。決定部により再生対象としてのコンテンツが決定されると、当該コンテンツが本再生される。
【0014】
コンテンツ再生部は、決定されたコンテンツのマルチメディア情報を再生する。
【0015】
コンテンツのいずれかが候補としてユーザによって選択されると、当該コンテンツの一部の区間が仮再生される。仮再生を聞くことにより、再生候補対象として現在選択されているコンテンツを認識したユーザは、当該コンテンツが所望のコンテンツである場合、決定を行うことにより、仮再生されたコンテンツが本再生される。
【0016】
本発明により、再生候補として選択されたコンテンツを音声や映像により瞬時にユーザに認識させて、再生対象のコンテンツを決定しやすくすることができる。
【0017】
また、複数のコンテンツには所定の順序が定められる。所定の順序は、例えば、アルファベット順、再生回数が多い順、ユーザにより定められた順等、任意の順序である。
【0018】
選択部は、ユーザから第1の選択指示入力があると、候補の次のコンテンツを新たな候補として選択し、第2の選択指示入力があると、候補の前の候補を新たな候補として選択することもできる。
【0019】
第1の選択指示入力とは、例えば、↓ボタン、→ボタン等の入力である。また、第2の選択指示入力とは、例えば、↑ボタン、←ボタン等の入力である。第1の選択指示入力、もしくは、第2の選択指示入力が行われると、新たなコンテンツの候補が選択される。具体的には、↓ボタンの入力が繰り返されることにより、コンテンツA、コンテンツB、コンテンツC、・・・と、候補が変化していく。また、↑ボタンの入力が繰り返されることにより、コンテンツC、コンテンツB、コンテンツA、・・・と、候補が変化していく。
【0020】
決定部は、ユーザから決定指示入力があると、候補を再生対象として決定することもできる。
【0021】
決定指示入力とは、例えば、○ボタン、STARTボタン等の入力である。決定指示入力が行われると、選択されている楽曲が再生対象として決定される。
【0022】
例えば、複数のコンテンツが、楽曲A、楽曲B、楽曲C、・・・と、いうようにあらかじめ順序が定められている。また、それぞれのコンテンツ(楽曲)が仮再生される音も、楽曲Aが「ド」、楽曲Bが「ミ」、楽曲Cが「ソ」、・・・と、定められている。この場合、ユーザから↓ボタンの入力がなされると、再生候補として、楽曲A、楽曲B、楽曲C、・・・と、定められた順序通りに選択されて、「ド」、「ミ」、「ソ」、・・・と楽曲が仮再生される。選択が何度か繰り返されることにより、楽曲が仮再生されて出力される音の順序が、「ド」の次は「ミ」、「ミ」の次は「ソ」、・・・と、ユーザは認識できるようになる。これにより、「ミ」の次は「ソ」が仮再生され、当該「ソ」の音は楽曲Cであるとユーザは瞬時に認識できるようになる。仮再生された楽曲が所望の楽曲である場合には○ボタン等を入力することにより、当該楽曲が再生対象として決定されるため、本再生を行うコンテンツ(楽曲)を決定することができる。
【0023】
また、コンテンツ記憶部には、コンテンツの一部の区間と重ならない他の一部の区間が指定された他区間情報がさらに記憶される。
【0024】
他の一部の区間は、コンテンツの一部の区間と重ならない任意の区間であり、例えば、一部の区間がイントロ区間である場合には、他の一部の区間は、Aメロ区間やサビ区間となる。
【0025】
区間再生部は、候補が選択されてから変化しないまま第1の時間が経過すると、他区間情報の他の一部の区間をさらに再生する。
【0026】
第1の時間は、例えば3秒間等、任意の時間である。
【0027】
例えば、コンテンツ(楽曲)が選択されるとイントロ区間がまず仮再生される。そして、楽曲が選択されてから当該選択が一定時間以上維持されると、イントロ区間以外のAメロ区間やサビ区間がイントロ区間に次いで仮再生される。
【0028】
これにより、1つのコンテンツについて異なる複数の区間が再生されるため、再生候補として選択されたコンテンツを音声や映像により瞬時にユーザに認識させて、再生対象のコンテンツを決定しやすくすることができる。
【0029】
また、決定部は、候補が選択されてから変化しないまま第2の時間が経過すると、当該候補を前記再生対象として決定することもできる。
【0030】
第2の時間は、任意の時間であるが、上述する第1の時間よりも長い時間であることが好ましい。
【0031】
例えば、コンテンツ(楽曲)が選択された状態が3秒以上維持されると、サビ区間が仮再生される。そして、当該コンテンツが選択された状態が10秒以上さらに維持されると、選択されているコンテンツが再生対象として決定される。
【0032】
これにより、ユーザから再生対象を決定する旨の入力がない場合でも再生対象のコンテンツが再生されるため、コンテンツを容易に決定することができる。
【0033】
また、選択部は、一部の区間が再生されている間、候補を維持することもできる。
【0034】
例えば、一部の区間がコンテンツのイントロ区間の場合、当該イントロ区間の再生が終了するまで選択が維持される。
【0035】
これにより、ユーザがコンテンツを認識できるまで当該コンテンツが再生され続けるため、再生対象のコンテンツを決定しやすくすることができる。
【0036】
また、コンテンツは、音声情報を有する楽曲を含むこともできる。
また、コンテンツ再生装置は、複数の楽曲のそれぞれについて、当該楽曲の音量が初めて所定の閾値以上となる所定時間長の区間を当該マルチメディア情報に基づいて抽出し、当該抽出された区間を当該区間情報に指定する抽出部、をさらに備えることもできる。
【0037】
抽出部は、例えば、楽曲のイントロ区間が再生されるまでの無音の区間を除いた所定の閾値以上の音量が出力されるイントロ区間を抽出する。
【0038】
所定の閾値とは、例えば、30デシベル、最大音量の10%等、任意の音量である。
【0039】
所定時間長とは、例えば、1小節、3秒間等、任意の時間長をいう。
【0040】
例えば、楽曲のイントロ区間が再生されるまでに無音区間やノイズが存在する場合には、当該無音区間等が除かれた区間が抽出され、当該区間が再生される。
【0041】
これにより、選択により候補が変化した場合、音量がある区間がすぐに再生されるため、ユーザは瞬時に楽曲を認識することができる。
【0042】
また、抽出部は、複数のコンテンツのそれぞれについて、コンテンツの題名を示す画像を当該マルチメディア情報に基づいて抽出し、当該抽出された画像を当該区間情報に指定することもできる。
【0043】
コンテンツの題名を示す画像とは、例えば、映画やドラマにおいて典型的には最初に表示されるタイトルを示す画像、第何話目かを示す画像等、ユーザがコンテンツを認識することができる任意の画像をいう。
【0044】
例えば、ユーザが再生候補としてコンテンツを選択していくと、コンテンツが映像である場合、コンテンツの題名を示す画像が抽出される。そして、コンテンツの題名を示す画像が仮再生される。当該画像にはコンテンツの題名が含まれているため、題名を見ることによりユーザはコンテンツを瞬時に認識することができる。
【0045】
上記の目的を達成するため、本発明の他の観点に係るコンテンツ再生方法は、コンテンツ記憶部と、選択部と、区間再生部と、決定部と、コンテンツ再生部と、を有するコンテンツ再生装置にて実行されるコンテンツ再生方法であって、コンテンツ記憶工程と、選択工程と、区間再生工程と、決定工程と、コンテンツ再生工程と、を備える。
【0046】
コンテンツ記憶工程では、複数のコンテンツのそれぞれのマルチメディア情報と、当該コンテンツの一部の区間を指定する区間情報と、が記憶される。
【0047】
選択工程では、複数のコンテンツのいずれかを候補として選択する。
【0048】
区間再生工程では、選択により候補が変化した場合、当該変化後の候補のマルチメディア情報の一部の区間を再生する。
【0049】
決定工程では、選択された候補を再生対象として決定する。
【0050】
コンテンツ再生工程では、決定されたコンテンツのマルチメディア情報を再生する。
【0051】
本発明のその他の観点に係るプログラムは、コンピュータを上記のコンテンツ再生装置として機能させ、コンピュータに上記のコンテンツ再生方法を実行させるように構成する。
【0052】
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記録媒体に記録することができる。上記プログラムは、当該プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記録媒体は、当該コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0053】
本発明によれば、再生候補として選択されたコンテンツを音声や映像により瞬時にユーザに認識させて、再生対象のコンテンツを決定しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施の形態に係るコンテンツ再生装置が実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示すブロック図である。
【図2】情報処理装置に接続可能なコントローラの概要構成を示す模式図である。
【図3A】複数の楽曲が表示される楽曲表示画面の例を示す図である。
【図3B】複数の楽曲が表示される楽曲表示画面の例を示す図である。
【図4】コンテンツ再生装置の概要構成を示す説明図である。
【図5】コンテンツ再生処理を説明するフローチャートである。
【図6】楽曲の仮再生について説明するための図である。
【図7A】楽曲の選択を説明するための図である。
【図7B】楽曲の選択を説明するための図である。
【図7C】楽曲の選択を説明するための図である。
【図8】楽曲が再生対象として決定された状態を示す図である。
【図9】楽曲の譜面の構成を示す図である。
【図10】実施形態2に係る映像表示画面の例を示す図である。
【図11A】映像の再生表示例を示す図である。
【図11B】映像の再生表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
(実施形態1)
以下では、本発明のコンテンツ再生装置の実施形態の一つについて説明する。本実施形態では、コンテンツを楽曲として、当該楽曲の音声情報が再生される場合について説明する。
【0056】
なお、当該実施形態は本発明の原理の理解を容易にするためのものであり、本発明の範囲は、下記の実施形態に限られるものではなく、当業者が以下の実施形態の構成を適宜置換した他の実施形態も、本発明の範囲に含まれる。
【0057】
まず、本発明の実施の形態に係るコンテンツ再生装置が実現される典型的なゲーム用の情報処理装置の概要構成を示す図1を参照して説明する。
【0058】
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、インターフェース104と、コントローラ105と、外部メモリ106と、DVD(Digital Versatile Disk)−ROMドライブ107と、画像処理部108と、音声処理部109と、NIC(Network Interface Card)110と、を備える。
【0059】
なお、ゲーム用のプログラムおよびデータを記憶したDVD−ROMをDVD−ROMドライブ107に装着して、情報処理装置100の電源を投入することにより、当該プログラムが実行され、本実施形態のコンテンツ再生装置が実現される。
【0060】
CPU 101は、情報処理装置100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。
【0061】
ROM 102には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録され、CPU 101がDVD−ROMに記録されたプログラムをRAM 103に読み出して実行する。また、ROM 102には、情報処理装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記録され、CPU 101がこれらのプログラム等を読み出して実行する。
【0062】
RAM 103は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、DVD−ROMから読み出したプログラムやデータ、その他ゲームの進行に必要なデータが保持される。
また、CPU 101は、RAM 103に変数領域を設け、当該変数に格納された値に対して直接ALUを作用させて演算を行う処理や、RAM 103に格納された値を一旦レジスタに格納してからレジスタに対して演算を行い、演算結果をメモリに書き戻す、などの処理を行う。
【0063】
インターフェース104を介して接続されたコントローラ105は、ユーザがゲーム実行の際に行う操作入力を受け付ける。図2は、コントローラ105の外観を示す説明図である。以下、本図を参照してコントローラ105を説明する。
【0064】
図2に示すように、コントローラ105の左方には、上下左右を示す操作入力を行うのに利用される↑ボタン201、↓ボタン202、←ボタン203、→ボタン204が配置されている。
【0065】
右方には、決定操作入力を行うのに利用される○ボタン205、取消操作入力を行うのに利用される×ボタン206、メニュー表示等の指示入力を行うのに利用される△ボタン207、その他の指示入力を行うのに利用される□ボタン208が配置されている。
【0066】
中央下部には、上下左右他の向きと、その向きへの大きさを指定する指示入力を行うためのジョイスティック213、214が配置されている。ジョイスティック213、214には、ひずみゲージが配備され、これらがどの方向にどれだけ曲げられているか、を検知することができる。
【0067】
このほか、中央には、SELECTボタン209、STARTボタン210のほか、アナログ入力の開始・停止を指示するためのANALOGボタン211、および、アナログ入力が有効か無効かを表示するためのインジケータ212が配置されている。
さらに、上方には、各種の指示入力に用いることができるL1ボタン215、L2ボタン216、R1ボタン217、R2ボタン218が配置されている。
【0068】
コントローラ105の各ボタン201〜208、215〜218には、圧力センサが配備され、アナログ入力が有効となっている場合には、いずれのボタンが押圧操作されているかを検知することができるほか、ユーザの押圧操作の圧力の大きさを0〜255の256段階で得ることができる。
【0069】
図1の説明に戻る。インターフェース104を介して着脱自在に接続された外部メモリ106には、ゲームの進行状態を示すデータなどが書き換え可能に記憶される。ユーザは、例えば、コントローラ105を介して指示入力を行うことにより、これらのデータを適宜外部メモリ106に記録することができる。
【0070】
DVD−ROMドライブ107に装着されるDVD−ROMには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データが記録される。CPU 101の制御によって、DVD−ROMドライブ107は、これに装着されたDVD−ROMに対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し,これらはRAM 103等に一時的に記憶される。
【0071】
画像処理部108は、DVD−ROMから読み出されたデータをCPU 101や画像処理部108が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部108が備えるフレームメモリ(図示せず)に記録する。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され画像処理部108に接続されるモニタ(図示せず)へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。
【0072】
なお、画像演算プロセッサは、2次元の画像の重ね合わせ演算やαブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を高速に実行できる。
また、仮想3次元空間に配置され、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴン情報を、Zバッファ法によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想3次元空間に配置されたポリゴンを俯瞰したレンダリング画像を得る演算の高速実行も可能である。
【0073】
さらに、CPU 101と画像演算プロセッサが協調動作することにより、文字の形状を定義するフォント情報にしたがって、文字列を2次元画像としてフレームメモリへ描画したり、各ポリゴン表面へ描画したりすることが可能である。フォント情報は、ROM 102に記録されているが、DVD−ROMに記録された専用のフォント情報を利用することも可能である。
【0074】
音声処理部109は、DVD−ROMから読み出した音声データをアナログ音声信号に変換し、これに接続されたスピーカ(図示せず)から出力させる。また、CPU 101の制御の下、ゲームの進行の中で発生させるべき効果音や楽曲データを生成し、これに対応した音声をスピーカから出力させる。音声処理部109は、例えば、BGMやカラオケとして再生される楽曲の音や、ユーザのボタン操作に合わせて再生される効果音などを変換する。
【0075】
NIC 110は、情報処理装置100をインターネット等のコンピュータ通信網(図示せず)に接続するためのものであり、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格にしたがうものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integrated Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等と、これらとCPU 101との仲立ちを行うインターフェース(図示せず)により構成される。
【0076】
このほか、情報処理装置100は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM 102、RAM 103、外部メモリ106、DVD−ROMドライブ107に装着されるDVD−ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
また、ユーザからの文字列の編集入力を受け付けるためのキーボードや、各種の位置の指定および選択入力を受け付けるためのマウスなどの入出力デバイスを接続する形態も採用することができる。
【0077】
また、本実施形態の情報処理装置100にかえて、一般的なコンピュータ(汎用のパーソナルコンピュータ等)を本発明に係るコンテンツ再生装置として利用することもできる。例えば、一般的なコンピュータは、上記情報処理装置100と同様に、CPU、RAM、ROM、DVD−ROMドライブ、および、NICを備え、情報処理装置100よりも簡易な機能を備えた画像処理部を備え、外部記憶装置としてハードディスクを有する他、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、磁気テープ等が利用できるようになっている。また、コントローラではなく、キーボードやマウスなどを入力装置として利用する。そして、ゲームプログラムをインストールした後に、そのプログラムを実行させると、コンテンツ再生装置として機能させることができる。
【0078】
以下では、注記しない限り、後述するコンテンツ再生装置について、図1に示した情報処理装置100により説明を加える。コンテンツ再生装置は、必要に応じて適宜一般的なコンピュータの要素に置換することができ、これらの実施の形態も本発明の範囲に含まれる。
【0079】
(表示画面の説明)
本実施形態に係るコンテンツ再生装置が表示する楽曲表示画面について図3A及び3Bを参照して説明する。楽曲表示画面300は、複数の楽曲から構成される楽曲リストの中から、再生する楽曲をユーザが決定するために表示される画面である。楽曲表示画面300には、図3A及び3Bに示すように、複数の楽曲がリスト状に表示される楽曲リスト301、再生される楽曲が表示される楽曲表示302(302a〜302z)、カーソル303が表示される。
【0080】
カーソル303は、コントローラ105が備える↑ボタン201や↓ボタン202が押圧操作されると、押圧操作されているボタンの種類に対応する方向に移動する。図3Aに示すように、カーソル303により楽曲Cが選択されている場合に、↑ボタン201が押圧されると、カーソル303は上側に移動して、新しい楽曲Bが選択される。また、↓ボタン202が押圧されると、カーソル303は下側に移動して、新しい楽曲Dが選択される。↑ボタン201や↓ボタン202が押圧操作されると、次々と新しい楽曲が選択される。ユーザは、コントローラ105を操作することにより、楽曲表示302に表示される任意の楽曲を選択することができる。
【0081】
楽曲表示302の中からいずれかの楽曲がカーソル303により選択されると、楽曲表示302の色彩などが変化して、どの楽曲が現在選択されているかが表示される。例えば、カーソル303により楽曲表示302cが選択されると、楽曲表示302cの色彩が変化するため、楽曲Cが現在選択されているとユーザは認識できる。
【0082】
そして、コントローラ105が備える○ボタン205が押圧操作されると、当該カーソル303によって選択されている楽曲が決定されて、当該楽曲が再生される。
【0083】
なお、カーソル303は、ジョイスティック213による入力操作に対応する方向に移動することもできる。
また、カーソル303を表示せずに、楽曲表示302の色彩などの変化により、現在選択されている楽曲が何れであるのかを表示することもできる。
【0084】
また、図3Bに示すように、楽曲表示画面300において、カーソル303を移動させずに、↑ボタン201等が押下操作されるとカーソル303に選択される楽曲表示302を上下にスクロール移動させることにより、楽曲を選択することもできる。
【0085】
(コンテンツ再生装置の構成)
次に、本実施形態のコンテンツ再生装置の各部の構成について、図面を参照して説明する。図4は、本実施形態に係るコンテンツ再生装置400の構成を示す説明図である。
【0086】
同図に示すように、本実施形態に係るコンテンツ再生装置400は、コンテンツ記憶部401と、選択部402と、区間再生部403と、決定部404と、コンテンツ再生部405と、受付部406と、表示部407と、抽出部408と、を備える。
【0087】
コンテンツ記憶部401には、複数のコンテンツのそれぞれに対応するマルチメディア情報が記憶される。例えば、コンテンツ記憶部401には、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)データ等の所定形式の楽曲情報が記憶される。コンテンツ記憶部401には、楽曲の一部の区間が指定された区間情報が記憶される。楽曲の一部の区間とは、例えば、楽曲のイントロ区間、Aメロ区間、サビ区間、アウトロ区間等、任意の区間である。
【0088】
また、コンテンツ記憶部401には、楽曲の一部の区間と重ならない他の一部の区間が指定された他区間情報がさらに記憶される。例えば、楽曲の一部の区間がイントロ区間である場合には、他の一部の区間は、Aメロ区間やサビ区間である。
【0089】
ROM 102、RAM 103、及びDVD−ROM等が協働して動作することにより、コンテンツ記憶部401として機能する。
【0090】
選択部402は、後述する受付部406が受け付けた操作入力に基づいて、複数の楽曲の中からいずれかの楽曲を候補として選択する。例えば、コントローラ105が備える↑ボタン201や↓ボタン202が押圧操作されると、カーソル303が移動することにより、楽曲が選択される。
【0091】
また、選択部402は、後述する区間再生部403が楽曲の一部の区間を再生している間、当該楽曲を候補として選択することもできる。
【0092】
CPU 101等が動作することにより、選択部402として機能する。
【0093】
区間再生部403は、選択部402が候補として選択した楽曲について、コンテンツ記憶部401から当該楽曲の一部の区間が指定された区間情報(例えば、MIDIデータ)を読み出し、楽曲を仮再生する。また、区間再生部403は、区間情報に基づいて楽曲音を仮再生し、当該仮再生に伴う音声信号をスピーカに供給して、楽曲音をスピーカから出力させる。例えば、区間再生部403は、楽曲が選択されると、当該楽曲のイントロ区間を仮再生して、当該イントロ区間の音をスピーカから出力させる。
【0094】
また、区間再生部403は、楽曲の候補が選択されてから、変化しないまま一定時間以上、選択された候補が維持され続けると、コンテンツ記憶部401から他区間情報を読み出し、他の一部の区間を仮再生することもできる。
【0095】
CPU 101、及び音声処理部109等が協働して動作することにより、区間再生部403として機能する。
【0096】
決定部404は、受付部406が受け付けた操作入力に基づいて、選択された楽曲の候補を再生対象として決定する。例えば、コントローラ105が備える○ボタン205が押圧操作されると、選択されている楽曲が決定される。また、決定部404は、所定時間(例えば、10秒)以上、同じ楽曲が選択され続ける場合には、当該楽曲を再生対象として決定することもできる。
【0097】
CPU 101等が動作することにより、決定部404として機能する。
【0098】
コンテンツ再生部405は、決定部404が決定した楽曲について、コンテンツ記憶部401から再生対象となる楽曲情報(例えば、MIDIデータ)を読み出し、楽曲を本再生する。また、コンテンツ再生部405は、楽曲情報に基づいて楽曲音を再生し、再生に伴う音声信号をスピーカに供給して、楽曲音をスピーカから出力させる。例えば、コンテンツ再生部405は、選択された楽曲が決定されると、当該楽曲を本再生して、楽曲音をスピーカから出力させる。
【0099】
CPU 101、及び音声処理部109等が協働して動作することにより、コンテンツ再生部405として機能する。
【0100】
受付部406は、ユーザからの操作入力を受け付ける。受付部406は、↑ボタン201や↓ボタン202の押圧操作を受け付けてカーソル303を移動させ、また、楽曲を決定するための○ボタン205の押圧操作を受け付ける。例えば、カーソル303を移動させて楽曲を選択する操作や、楽曲を選択して当該楽曲を仮再生する操作が選択指示入力として受け付けられる。また、カーソル303によって選択されている楽曲について、○ボタン205等の決定ボタンを押圧して当該楽曲を本再生する操作が決定指示入力として受け付けられる。
【0101】
CPU 101、インターフェース104、及びコントローラ105等が協働して動作することにより、受付部406として機能する。
【0102】
表示部407は、選択可能な複数の楽曲が表示される楽曲表示画面等を生成して、映像信号としてモニタに供給して、当該画面を表示させる。
【0103】
CPU 101、及び画像処理部108等が協働して動作することにより、表示部407として機能する。
【0104】
抽出部408は、区間再生部403がコンテンツ記憶部401から読み出した区間情報から、楽曲の音量が初めて所定の閾値以上となる所定時間長の区間を抽出して、当該抽出した区間を区間情報として指定する。例えば、楽曲の一部の区間であるイントロ区間より前に無音区間やノイズが存在する場合には、当該無音区間等が除かれたイントロ区間が仮再生するための区間として抽出される。
【0105】
CPU 101、及びROM 102等が協働して動作することにより、抽出部408として機能する。
【0106】
(コンテンツ再生処理)
次に、本実施形態に係るコンテンツ再生装置400の動作について、図面を参照して説明する。図5は、本実施形態に係るコンテンツ装置400にて実行されるコンテンツ再生処理を示すフローチャートである。
【0107】
まず、CPU 101は、図3A及び3Bに示すように、ユーザが楽曲を選択するための楽曲選択画面300をモニタ等に表示させる。そして、CPU 101は、ユーザの操作入力により楽曲を選択する旨の要求を受け付ける(ステップS101)。カーソル303が移動することにより、また、楽曲表示302がスクロール移動することにより、楽曲が選択される。
【0108】
なお、楽曲の選択は、ユーザからの操作入力だけでなく、CPU 101が行うこともできる。例えば、CPU 101は、カーソル303を1秒おきに移動させて、新しい楽曲が次々と選択されるように実行することもできる。
【0109】
次に、CPU 101は、ユーザからの操作入力により楽曲が選択されたか否かを判定する(ステップS102)。CPU 101は、図3Aに示すように、例えば、カーソル303等が移動されて、楽曲表示302cが選択されると、楽曲Cが選択されたと判定する。
【0110】
なお、表示される楽曲表示302の順序は任意であり、例えば、アルファベット順、再生回数が多い順、ユーザにより定められた順等に並べられる。
【0111】
楽曲が選択されていない場合(ステップS102;No)、CPU 101は、ユーザからの操作入力を受け付けて、楽曲を選択する旨の要求を受ける。(ステップS101)。
【0112】
一方、楽曲が選択された場合(ステップS102;Yes)、CPU 101は、選択された楽曲の一部の区間を仮再生する(ステップS103)。例えば、楽曲のイントロ区間等の任意の一部の区間が仮再生される。ユーザが新しい楽曲を次々と選択していくと、新しく選択された楽曲のイントロ区間等が次々と仮再生される。
【0113】
図6は、楽曲の仮再生について説明するための図である。同図に示すように、まず、ユーザによって、楽曲Aが再生候補として選択されると、楽曲Aの一部の区間が仮再生される。楽曲Aの一部の区間が仮再生された後、楽曲Bが選択されると、楽曲Bの一部の区間が仮再生される。楽曲A、楽曲B、楽曲C、・・・と、楽曲が次々と選択されると、楽曲A、楽曲B、楽曲Cと選択された順番で、楽曲の一部の区間が仮再生される。ここで、楽曲A、楽曲B、楽曲Cのそれぞれの一部の区間が、「ド」、「ミ」、「ソ」の音である場合、楽曲A、楽曲B、楽曲Cが順番に選択されると、「ド」、「ミ」、「ソ」と仮再生される。
【0114】
CPU 101は、楽曲の一部の区間の一部分である1小節や1つの音符を仮再生することもでき、また、1秒間だけ仮再生することもできる。楽曲の一部の区間のうち、一部分について仮再生する場合、CPU 101は、任意の部分を仮再生することができる。
また、CPU 101は、楽曲の一部の区間を繰り返し仮再生することもできる。例えば、楽曲の一部の区間が楽曲のイントロ区間である場合、当該イントロ区間が繰り返されて再生される。繰り返し再生される回数は任意であり、所定回数以上再生されると、当該仮再生を停止することもできる。
【0115】
なお、楽曲の一部の区間を仮再生する際に、CPU 101は、楽曲の音量が初めて所定の閾値以上となる所定時間長の区間を抽出して、当該区間を仮再生することもできる。例えば、楽曲の一部の区間であるイントロ区間より前に無音区間やノイズが存在する場合には、当該無音区間等が除かれたイントロ区間が抽出されて仮再生される。
【0116】
次に、CPU 101は、選択された楽曲の候補が変化していないか否か、すなわち、楽曲の選択が維持されているか否かを判定する(ステップS104)。図7A〜7Cは、楽曲の選択について説明するための図である。図7Aでは、カーソル303により楽曲表示302bが選択されている。そして、図7Bでは、カーソル303を移動させることにより、新しい楽曲である楽曲表示302cが選択されている。図7及び7Bに示すように、カーソル303が移動して、楽曲表示302bから新しい楽曲表示302cが選択されると、CPU 101は、楽曲の選択が維持されていないと判定する。
【0117】
なお、図7Cに示すように、カーソル303が、例えば横方向に移動したことにより、カーソル303が移動する前に指示されていた楽曲表示302cと、移動した後に指示されている楽曲表示302cと、が同じである場合、CPU 101は、楽曲の選択が維持されていると判定する。
【0118】
楽曲の選択が維持されていない場合(ステップS104;No)、CPU 101は、ユーザからの操作入力を受け付けて、楽曲を選択する旨の要求を受ける。(ステップS101)。
【0119】
一方、楽曲の選択が維持されている場合(ステップS104;Yes)、CPU 101は、選択されている楽曲の候補が変化していないと判定し、当該選択されている楽曲が再生対象として決定されたか否かを判定する(ステップS105)。
【0120】
ユーザが、再生候補として新しい楽曲を次々と選択することにより、ステップS101〜S104が繰り返される。当該ステップが繰り返されることにより、楽曲が仮再生されたときの音と、選択された楽曲と、が対応付けられてユーザに記憶されていく。例えば、「ド」の音は楽曲A、「ミ」の音は楽曲B、「ソ」の音は楽曲C、と対応付けられて記憶されることとなる。このため、「ミ」の音が出力された場合、再生対象の候補として楽曲Bが選択されているとユーザは瞬時に認識することができる。すなわち、ユーザは、仮再生された楽曲の一部の区間を聞くことにより、再生候補として選択されている楽曲がいずれであるのかを認識することができる。
【0121】
楽曲が再生対象として決定された場合(ステップS105;Yes)、CPU 101は、当該楽曲を再生対象として決定し(ステップS111)、当該決定された楽曲を本再生して(ステップS112)、本処理を終了する。図8は、楽曲が再生対象として決定された状態を示す図である。CPU 101は、同図に示すように、楽曲が再生対象として決定されると、決定された楽曲の楽曲表示302の色彩等を変更させて、当該楽曲が決定されたことを明確に表示することもできる。
【0122】
一方、楽曲が再生対象として決定されていない場合(ステップS105;No)、CPU 101は、選択されている楽曲の他の一部の区間を仮再生する(ステップS106)。例えば、ステップS103において、一部の区間として楽曲のイントロ部分が仮再生された場合、当該一部の区間と重ならない他の一部の区間である、Aメロ区間やサビ区間が仮再生される。
【0123】
例えば、楽曲A〜楽曲Cの一部の区間が仮再生されたときの音が、「ド」、「ミ」、「ソ」であり、当該一部の区間と重ならない他の一部の区間が仮再生されたときの音が、それぞれ「レ」、「ファ」、「ラ」とする。この場合において、まず、楽曲Aが選択されると「ド」の音が仮再生される。そして、楽曲Aの選択が維持されると、続いて「レ」の音が仮再生される。このため、「ドレ」と音が出力された場合には、現在選択されている楽曲は楽曲Aであると、ユーザは認識することができる。また、同様に、「ミファ」の場合では楽曲Bが、また、「ソラ」の場合では楽曲Cが、選択されていると認識することができる。仮再生により出力される音と、選択されている楽曲と、が対応付けられてユーザに記憶されていくことにより、仮再生された音を聞くことによって再生候補として選択されている楽曲がいずれであるのかをユーザは瞬時に認識することができる。
【0124】
CPU 101は、一部の区間と他の一部の区間とを、切れ間なく連続して仮再生することもでき、また、一部の区間の仮再生を停止した後、他の一部の区間を仮再生することもできる。
【0125】
なお、CPU 101は、一部の区間として楽曲のイントロ区間の1小節目を仮再生している場合、当該一部の区間と重ならない他の一部の区間として、イントロ区間の2小節目を仮再生することもできる。
【0126】
次に、CPU 101は、楽曲の選択が維持されているか否かを判定する(ステップS107)。ステップS107の処理は、上述するステップS104と同様である。
【0127】
楽曲の選択が維持されていない場合(ステップS107;No)、CPU 101は、ユーザからの操作入力を受け付けて、楽曲を選択する旨の要求を受ける。(ステップS101)。
【0128】
一方、楽曲の選択が維持されている場合(ステップS107;Yes)、CPU 101は、選択されている楽曲の候補が変化していないと判定し、当該選択されている楽曲が再生対象として決定されたか否かを判定する(ステップS108)。ステップS108の処理は、上述するステップS105と同様である。
【0129】
楽曲が再生対象として決定された場合(ステップS108;Yes)、CPU 101は、当該楽曲を再生対象として決定し(ステップS111)、当該決定された楽曲を本再生して(ステップS112)、本処理を終了する。
【0130】
一方、楽曲が再生対象として決定されない場合(ステップS108;No)、CPU 101は、選択されている楽曲の任意の区間を仮再生する(ステップS109)。図9は、楽曲の譜面の構成を示す図である。なお、同図の譜面に表示される音符は省略する。例えば、ステップS106において、他の一部の区間として楽曲のサビ区間が仮再生されている場合、CPU 101は、同図に示すように、当該サビ区間に続く次区間を仮再生することもでき、また、当該サビ区間に続けて楽曲の最初であるイントロ区間から当該楽曲を仮再生することもできる。
【0131】
CPU 101は、仮再生される他の一部の区間と音楽的につながる任意の区間を抽出して、他の一部の区間とつながるように、当該任意の区間を仮再生することもできる。例えば、同一のコードを有する区間、音程から協和音程だけずれた音程を有する区間等が抽出されて、仮再生される。
【0132】
次に、CPU 101は、楽曲の選択が維持されているか否かを判定する(ステップS110)。ステップS110の処理は、上述するステップS104及びステップS107と同様である。
【0133】
楽曲の選択が維持されていない場合(ステップS110;No)、CPU 101は、ユーザからの操作入力を受け付けて、楽曲を選択する旨の要求を受ける。(ステップS101)。
【0134】
一方、楽曲の選択が維持されている場合(ステップS110;Yes)、CPU 101は、選択されている楽曲の候補が変化していないと判定し、当該選択されている楽曲を再生対象として決定し(ステップS111)、当該決定された楽曲を本再生して(ステップS112)、本処理を終了する。
【0135】
以上の処理により、再生候補として選択された楽曲を音声により瞬時にユーザに認識させて、再生対象の楽曲を決定しやすくすることができる。
【0136】
(実施形態2)
実施形態1では、音声が再生される例について説明した。本実施形態では、映像が再生される例について説明する。なお、上述の実施形態と共通する構成については同じ参照番号を用い説明を省略する。
【0137】
図10は、実施形態2に係る映像画面表示の例を示す図である。映像表示画面500は、複数の映像から構成される映像リストの中から、再生する映像をユーザが決定するために表示される画面である。映像表示画面500には、同図に示すように、複数の映像がリスト状に表示される映像リスト501、再生される映像が表示される映像表示502(502a〜502z)、カーソル503が表示される。映像リスト501は、例えば、放送されるテレビ映像の一覧リスト、複数の映像が記録された一覧リスト等、任意である。ユーザは、コントローラ105を操作することによりカーソル503を移動させて、映像表示502に表示される任意の映像を選択することができる。
【0138】
コンテンツ記憶部401には、音声情報に加えて、映像情報、当該映像情報の一部の区間情報や他の一部の区間情報がさらに記憶される。一部の区間とは、例えば、タイトルが表示されるタイトル区間、オープニング区間、本編区間、エンディング区間等、任意の区間である。また、他の一部の区間は、一部の区間と重ならない任意の区間である。
【0139】
選択部402及び決定部404は、後述する受付部406が受け付けた操作入力に基づいて、映像を選択・決定する。
【0140】
区間再生部403及びコンテンツ再生部405は、ユーザにより映像が選択・決定されると、コンテンツ記憶部401から当該映像情報を読み出し、映像を再生する。また、区間再生部403及びコンテンツ再生部405は、映像情報に基づいて映像を再生し、再生に伴う映像信号をモニタに供給して、映像をモニタから出力させる。
【0141】
図11A及び11Bは、映像の再生表示例を示す図である。例えば、映像表示502cが選択されると、区間再生部403は、図11A及び11Bに示すように、映像表示502cに表示される映像を拡大した拡大映像を仮再生することもできる。
【0142】
表示部407は、選択可能な複数の映像が表示される映像表示画面500等を生成して、映像信号としてモニタに供給して、当該画面を表示させる。
【0143】
抽出部408は、映像情報からタイトル区間、オープニング区間、主人公が登場する区間、本編区間、エンディング区間等、任意の区間を抽出する。また、抽出部408は、公知の手法により、映像中にある宣伝広告区間等を除いた区間を抽出することもできる。
【0144】
本実施形態に係る再生処理は、図5に示される「楽曲」を「映像」に置き換えることにより、実施形態1のコンテンツ再生処理と同様となる。ユーザにより映像が選択されると、CPU 101は、選択された映像の一部の区間を仮再生する。例えば、タイトル区間、オープニング区間等、任意の区間が抽出されて、当該任意の区間が仮再生される。そして、当該選択されている映像が再生対象として決定されると、当該映像が本再生される。
なお、仮再生及び本再生される映像は、動画像、静止画像等、任意である。
【0145】
例えば、ユーザが再生候補としてコンテンツを選択すると、選択されたコンテンツの題名を示す映像(画像)が抽出されて、当該映像が仮再生される。当該映像にはコンテンツの題名が含まれているため、ユーザは題名を見ることによって、仮再生された映像と選択されたコンテンツとを対応付けることができる。このため、コンテンツの題名が含まれる映像を見ることによって、現在選択されているコンテンツを瞬時に認識することができる。
【0146】
以上の処理により、再生候補として選択された映像を瞬時にユーザに認識させて、再生対象の映像を決定しやすくすることができる。
【0147】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
【0148】
区間再生部403は、任意の速度で楽曲及び映像を仮再生することもできる。区間再生部403は、いわゆる「イントロクイズ」のように、選択された楽曲等のイントロ区間を、例えば5倍速で仮再生する。そして、同一の楽曲等が選択されるごとに、4倍速、3倍速、2倍速、1倍速と再生速度を変化させて、楽曲等を再生することもできる。区間再生部403は、楽曲及び映像の選択回数に応じて再生速度を任意に変更することもできる。
【0149】
また、区間再生部403は、楽曲及び映像が選択された回数に応じて、仮再生する再生時間を徐々に増加させることもできる。例えば、楽曲等が最初に選択されたときは、再生時間を0.5秒とし、同一の楽曲等が再び選択されたときは、再生時間を1秒とする。そして、選択回数が増加するごとに、再生時間が2秒、3秒、・・・、と増加していくようにすることもできる。
【0150】
コンテンツ再生装置400は、いわゆる「コンシューマ向けテレビゲーム装置」に相当するものであるが、音声や映像を再生できるものであれば本発明を実現することができる。したがって、携帯電話機、携帯ゲーム機器、カラオケ装置、一般的なビジネス用コンピュータなど、種々の計算機上で本発明を実現することが可能である。例えば、DVD−ROMやCD−ROM等から読み出された音声や映像が再生される場合、本発明を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0151】
以上説明したように、本発明によれば、再生候補として選択されたコンテンツを音声や映像により瞬時にユーザに認識させて、再生対象のコンテンツを決定しやすくするのに好適なコンテンツ再生装置、コンテンツ再生方法、及び、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0152】
100 情報処理装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 インターフェース
105 コントローラ
106 外部メモリ
107 DVD−ROMドライブ
108 画像処理部
109 音声処理部
110 NIC
201 ↑ボタン
202 ↓ボタン
203 ←ボタン
204 →ボタン
205 ○ボタン
206 ×ボタン
207 △ボタン
208 □ボタン
209 SELECTボタン
210 STARTボタン
211 ANALOGボタン
212 インジケータ
213 ジョイスティック
214 ジョイスティック
215 L1ボタン
216 L2ボタン
217 R1ボタン
218 R2ボタン
300 楽曲表示画面
301 楽曲リスト
302(302a〜302z) 楽曲表示
303 カーソル
400 コンテンツ再生装置
401 コンテンツ記憶部
402 選択部
403 区間再生部
404 決定部
405 コンテンツ再生部
406 受付部
407 表示部
408 抽出部
500 映像表示画面
501 映像リスト
502(502a〜502z) 映像表示
503 カーソル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンテンツのそれぞれのマルチメディア情報と、当該コンテンツの一部の区間を指定する区間情報と、が記憶されるコンテンツ記憶部と、
前記複数のコンテンツのいずれかを候補として選択する選択部と、
前記選択により候補が変化した場合、当該変化後の候補のマルチメディア情報の一部の区間を再生する区間再生部と、
前記選択された候補を再生対象として決定する決定部と、
前記決定されたコンテンツのマルチメディア情報を再生するコンテンツ再生部と、を備える、
ことを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテンツ再生装置であって、
前記複数のコンテンツには所定の順序が定められ、
前記選択部は、ユーザから第1の選択指示入力があると、前記候補の次のコンテンツを新たな候補として選択し、第2の選択指示入力があると、前記候補の前の候補を新たな候補として選択し、
前記決定部は、前記ユーザから決定指示入力があると、前記候補を前記再生対象として決定する、
ことを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のコンテンツ再生装置であって、
前記コンテンツ記憶部には、前記コンテンツの一部の区間と重ならない他の一部の区間が指定された他区間情報がさらに記憶され、
前記区間再生部は、前記候補が選択されてから変化しないまま第1の時間が経過すると、前記他区間情報の他の一部の区間をさらに再生する、
ことを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置であって、
前記決定部は、前記候補が選択されてから変化しないまま第2の時間が経過すると、当該候補を前記再生対象として決定する、
ことを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置であって、
前記選択部は、前記一部の区間が再生されている間、前記候補を維持する、
ことを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置であって、
前記コンテンツは、音声情報を有する楽曲を含み、
複数の楽曲のそれぞれについて、当該楽曲の音量が初めて所定の閾値以上となる所定時間長の区間を当該マルチメディア情報に基づいて抽出し、当該抽出された区間を当該区間情報に指定する抽出部、をさらに備える、
ことを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置であって、
前記抽出部は、前記複数のコンテンツのそれぞれについて、前記コンテンツの題名を示す画像を当該マルチメディア情報に基づいて抽出し、当該抽出された画像を当該区間情報に指定する、
ことを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項8】
コンテンツ記憶部と、選択部と、区間再生部と、決定部と、コンテンツ再生部と、を有するコンテンツ再生装置にて実行されるコンテンツ再生方法であって、
前記コンテンツ記憶部には、複数のコンテンツのそれぞれのマルチメディア情報と、当該コンテンツの一部の区間を指定する区間情報と、が記憶されるコンテンツ記憶工程と、
前記選択部は、前記複数のコンテンツのいずれかを候補として選択する選択工程と、
前記区間再生部は、前記選択により候補が変化した場合、当該変化後の候補のマルチメディア情報の一部の区間を再生する区間再生工程と、
前記決定部は、前記選択された候補を再生対象として決定する決定工程と、
前記コンテンツ再生部は、前記決定されたコンテンツのマルチメディア情報を再生するコンテンツ再生工程と、を備える、
ことを特徴とするコンテンツ再生方法。
【請求項9】
コンピュータを、
複数のコンテンツのそれぞれのマルチメディア情報と、当該コンテンツの一部の区間を指定する区間情報と、が記憶されるコンテンツ記憶部と、
前記複数のコンテンツのいずれかを候補として選択する選択部と、
前記選択により候補が変化した場合、当該変化後の候補のマルチメディア情報の一部の区間を再生する区間再生部と、
前記選択された候補を再生対象として決定する決定部と、
前記決定されたコンテンツのマルチメディア情報を再生するコンテンツ再生部と、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【公開番号】特開2011−65692(P2011−65692A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−213978(P2009−213978)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】