コンバインの伝動装置
【課題】コンバインの揺動選別装置の選別精度の向上。
【解決手段】エンジンEからHST38、副変速装置42の設けられている走行伝動経路を経由して走行クローラ3,3に変速動力を伝達するコンバインの伝動装置において、扱室12の下方に選別部16を配置し、選別部16には後側の主唐箕21及び前側の副唐箕22から後側に向けて選別風の送られる選別風路23を設けて揺動選別棚17を揺動自在に配設する。この揺動選別棚17には上側部の粗選別部17aと下側部の精選別部17bを設け、副唐箕22の選別風を揺動選別棚17前側部における上側部の粗選別部17aと下側部の精選別部17bとの間に送り込むように構成し、主唐箕21の選別風を揺動選別棚17の下側部の精選別部17bの前側下方から後側上方に送るように構成し、副唐箕21を走行速度に追従した変速動力で駆動するように構成する。
【解決手段】エンジンEからHST38、副変速装置42の設けられている走行伝動経路を経由して走行クローラ3,3に変速動力を伝達するコンバインの伝動装置において、扱室12の下方に選別部16を配置し、選別部16には後側の主唐箕21及び前側の副唐箕22から後側に向けて選別風の送られる選別風路23を設けて揺動選別棚17を揺動自在に配設する。この揺動選別棚17には上側部の粗選別部17aと下側部の精選別部17bを設け、副唐箕22の選別風を揺動選別棚17前側部における上側部の粗選別部17aと下側部の精選別部17bとの間に送り込むように構成し、主唐箕21の選別風を揺動選別棚17の下側部の精選別部17bの前側下方から後側上方に送るように構成し、副唐箕21を走行速度に追従した変速動力で駆動するように構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、主唐箕及び副唐箕を有するコンバインにおいて、副唐箕を車速追従回転あるいは一定速度回転で伝動する伝動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
扱室の下方に揺動選別棚を具備するコンバインにおいて、揺動選別棚の前側部に上下二段に前後の穀粒移送板を配置し、この前側上部の穀粒移送板の後端部に篩い線を配置し、この篩い線を後側下部の穀粒移送板の上方に配置し、主唐箕で揺動選別棚の後側部に選別風を送り、副唐箕により上下の穀粒移送板の間に選別風を送るようにしたものは公知である(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平9−140247号公報(第3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記従来技術にあっては、主唐箕及び副唐箕を一定回転速度で駆動しながら揺動選別棚上の被選別物を選別する構成である。従って、被選別物の多少や、穀粒に対する藁屑類の混合比率の高低により選別精度が低下するという不具合があった。そこで、この発明このような不具合を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1の発明は、エンジン(E)から変速装置(38、42)の設けられている走行伝動経路を経由して走行装置(3,3)に変速動力を伝動するように構成したコンバインの伝動装置において、扱室(12)の下方に選別部(16)を配置し、前記選別部(16)には後側の主唐箕(21)及び前側の副唐箕(22)から後側に向けて選別風が送られる選別風路(23)を設け、前記選別風路(23)には上側部の粗選別部(17a)と下側部の精選別部17bを具備する揺動選別棚(17)を揺動自在に設け、前記副唐箕(22)の選別風を前記揺動選別棚(17)の前側部における粗選別部(17a)と精選別部(17b)との間に送り込むように構成し、前記主唐箕(21)の選別風を前記揺動選別棚(17)の精選別部(17b)の前側下方から後側上方に向けて送るように構成し、前記副唐箕(21)を走行速度に追従した変速動力で駆動するように構成したことを特徴とするコンバインの伝動装置とする。
【0005】
前記構成によると、エンジン(E)から変速装置(38、42)で変速された動力が走行伝動経路を経由して走行装置(3,3)に伝達され、扱室12下方の選別部(16)の選別風路(23)には揺動選別棚17が揺動自在に設けられていて、揺動選別棚(17)の前側部における粗選別部(17a)と精選別部(17b)の間に走行速度に追従した変速動力で駆動される副唐箕(21)の選別風が送られて扱室12からの穀粒の多く混じっている被選別物が選別され、また、主唐箕(21)の選別風が揺動選別棚(17)の精選別部(17b)の前側下方から後側上方に向けて送られて藁屑類の多い被選別物が選別される。
【0006】
請求項2の発明は、前記主唐箕(21)を一定速度動力で駆動するように構成し、走行装置(3,3)の高速変速領域では前記主唐箕(21)の選別風量よりも前記副唐箕(22)の選別風量を大にするように構成したことを特徴とする請求項1記載のコンバインの伝動装置とする。
【0007】
前記構成によると、請求項1の発明の前記作用に加えて、一定速度動力で駆動される主唐箕(21)の選別風が揺動選別棚(17)の精選別部(17b)の前側下方から後側上方に向けて送られて藁屑類の多い被選別物が選別される。また、走行装置(3,3)の高速変速領域では主唐箕(21)の選別風量よりも副唐箕(22)の選別風量を大になり、揺動選別棚(17)の前側部での穀粒比率の高い多量の被選別物が風選され穀粒と藁屑類が分離選別される。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明は、揺動選別棚(17)の前側部での穀粒の多く混じっている被選別物を風選するにあたり、副唐箕(22)からの選別風を被選別物量の多少に合わせた選別風量とすることができ選別精度を高めることができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明の前記効果に加えて、高速領域では副唐箕(22)の選別風量を主唐箕(21)の選別風量よりも大にするので、揺動選別棚(17)の前側部での穀粒比率の高い多量の被選別物を円滑に選別処理をし、また、揺動選別棚(17)の後側部における藁屑類の多い被選別物の領域では所定選別風量で選別し、穀粒の飛散や二番選別物の増加を抑制しながら選別精度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面に示すこの発明の実施例の形態について説明する。
図1にはコンバイン1の全体側面図が図示されている。コンバイン1の走行車台2の下方には、土壌面を走行する左右一対の走行クローラ3,3を配設し、走行車台2上には、操縦席4、脱穀部5、グレンタンク6、排稾処理装置7等を搭載している。脱穀部5の前方には、植立穀稈を分草引越しながら刈り取り後方の脱穀部5に向けて搬送する刈取搬送部8を昇降自在に設けている。
【0011】
次に、図2〜図6に基づき脱穀部5について具体的に説明する。
脱穀部5は、フィードチエン11により穀稈の株元を挟持しながら搬送し穂先部を扱室12内に挿入して、回転駆動される扱歯13a,…付きの扱胴13により脱穀するように構成し、脱穀処理されて受網14を漏下した脱穀処理物は下方の選別部16の揺動選別棚17で一番穀粒、枝梗付き穀粒等の二番物及び藁屑類の三番物に選別される。そして、選別された一番穀粒は一番揚穀機(図示省略)によりグレンタンク6に揚穀貯溜される。また、選別された二番物は二番揚穀機(図示省略)により処理室18に還元されて再度脱穀処理される。また、選別された三番物の藁屑類の一部は揺動選別棚17の後側端部から排塵ファン19により機外に排出され、残部の藁屑類は揺動選別棚17の後端部から機外に排出される構成である。
【0012】
次に、選別部16について具体的に説明する。
選別部16は、主唐箕21及び副唐箕22から後側に向けて選別風の送られる選別風路23と、選別風路23に前後方向に往復揺動自在に支持されていて、扱室12からの脱穀物を後側に揺動移送しながら比重選別する揺動選別棚17と、選別された一番穀粒を受ける一番ラセン24a付き一番受樋24と、選別された二番物を受ける二番ラセン25a付き二番受樋25と、揺動選別棚17で選別されて後側に吹き飛ばされた藁屑類の一部を機体の左右一側から吸引して機外に排出する排塵ファン19等により構成されている。
【0013】
また、揺動選別棚17の前側端部に設けた揺動ローラ27を後上り傾斜状のスライド溝28により支持し、揺動選別棚17の後側端部を揺動アーム27により揺動自在に支持して、揺動選別棚17を後上り傾斜状に往復揺動するように構成している。また、揺動選別棚17の上部には、扱室12から漏下した穀粒を受けて後側に移送する突起付き穀粒移送板26、チャフシーブ29、ストローラック30を前側から後側に順次配設して粗選別部17aを構成し、揺動選別棚17の後側下部には前側のグレンパン31a及び後側の網体からなるグレンシーブ31bにより精選別部17bを構成し、更に、粗選別部17aの突起付き穀粒移送板26の後端部下方には突起付き移送板33aと網体33bとからなる中継案内板33を設け、突起付き穀粒移送板26からの被選別物を突起付き移送板33aで受けて網体33bに送り、網体33bから漏下した穀粒をグレンパン31aにより一番受け24に供給するように構成している。
【0014】
また、主唐箕21により生起された選別風は、風割板32で上下に分割されながら上吹出し口21a及び下吹出し口21bから吹き出して後方に流れ、揺動選別棚17の精選別部17bを通って上方の粗選別部17aに流れ被選別物を選別する。
【0015】
また、主唐箕21の前側には副唐箕22が設けられている。この副唐箕22は例えば横断流ファンで構成されていて、副唐箕22のファン22aの径を主唐箕21の送風板21dよりも大径に構成して、主唐箕21よりも大風量の選別風が供給できるように構成している。そして、副唐箕22のケース22bにおける後側上部の送風口22cを形成する上側板22dをやや後下がり傾斜とし、この上側板22dの先端に後下がり傾斜状の風案内板71を延設し、副唐箕22からの副選別風を主唐箕21のケース21cと揺動選別棚17前側部の突起付き穀粒移送板26との間を通って、揺動選別棚17の粗選別部17aと精選別部17bとの間に案内するように構成している。
【0016】
しかして、扱室12から落下した穀粒と小さな藁屑類を主体とした脱穀物は揺動選別棚17の前側部に受けられ、後上り傾斜状に往復揺動する突起付き穀粒移送板26により後方に移送されてチャフシーブ29に供給される。また、揺動選別棚17のチャフシーブ29には扱室12の後側端部の排塵口12aから藁屑類の多い脱穀物が供給され、チャフシーブ29により後上り傾斜状に往復揺動されながら選別されて、藁屑類はチャフシーブ29上を後方に移送され、後上り傾斜状に往復揺動しているストローラック30により選別され、一部の軽い藁屑類は排塵ファン19により機体一側から機外に吸引排出され、残りの藁屑類はストローラック30の後側端部から後機外に排出される。
【0017】
また、穀粒移送板26で移送された穀粒の多く混じった脱穀物は中継案内板33に落下し、更に、下方の流下板31aに落下する間に副唐箕22からの選別風により風選され、更に、穀粒はグレンパン31aからグレンシーブ31bに送られ、チャフシーブ29で選別されて漏下した穀粒や枝梗付き穀粒と共にグレンシーブ31bで選別される。そして、穀粒はグレンシーブ31bから漏下して一番受樋13に落下選別され、また、枝梗付き穀粒はグレンシーブ31b上を後側に送られ下方の二番受樋14に落下選別される。
【0018】
また、副唐箕22は次のように構成している。副唐箕22のケース22bの下側部及び前側部を開放し、側面視でケース22bの下側部及び前側部からファン22aの先端部が露出するように構成している。また、走行車台2の前側端部には刈取部支持フレーム78を前方に向けて斜め上り傾斜に取り付け、刈取部支持フレーム78の上端部に前記刈取搬送部8の後側端部を上下回動自在に支持している。そして、刈取部支持フレーム78の後側端部と副唐箕22のファン22aとの間に所定間隙のすき間を設け、また、副唐箕22のファン22aの下端部と走行車台2との間に所定間隔を空けて配置している。
【0019】
しかして、副唐箕22のケース22bを小型化しながらファン22aを大径に構成できて大風量を供給可能となり、副唐箕22からの選別風を主唐箕21のケース21cと揺動選別棚17前側部の突起付き穀粒移送板26との間を通って、揺動選別棚17の粗選別部17aと精選別部17bとの間に案内し、揺動選別棚17の前側部の選別を良好にしている。
【0020】
また、刈取部支持フレーム78の後側に所定間隙のすき間を設けてその後側に副唐箕22の前側部を配置しているので、副唐箕22の前側上方への取り外しが容易となり、また、副唐箕22のケース22bを小型化しながらファン22aを大径にし大風量の供給が可能になる。また、エンジンEは副唐箕22の右側方に配置されていて、エンジンEの熱風が副唐箕22の下側空間から左側方に向けて良好に排出される。
【0021】
次に、図7に基づきコンバインの伝動構成について説明する。
まず、エンジンEから走行クローラ3,3への伝動構成について説明する。操縦席4の下方にエンジンEを配設し、エンジンEの回転動力はベルト伝動装置36を経て、走行ミッションケース37の上部に設けたHST(静油圧式無段変速装置)38に伝達される。次いで、HST38により正逆切替及び無段変速された動力が、迂回伝動ケース39内の減速伝動装置(図示省略)を経由して走行ミッションケース37上部のミッション入力軸41に伝動される。
【0022】
ミッション入力軸41に伝達された動力は、副変速装置42により低速、中速、高速に変速され、センターギヤ43、入/切される左右のサイドクラッチギヤ44,44、左右の走行ギヤ45,45を経て左右の走行伝動軸46,46に伝達される構成である。走行ミッションケース37の下部から左右両側に左右の走行伝動軸46,46を突出し、左右の走行伝動軸46,46の端部に取り付けた駆動スプロケットにより走行クローラ3,3が駆動される。
【0023】
次に、脱穀部5への伝動構成について説明する。
走行ミッションケース11の一側から刈取脱穀伝動軸51を突出軸架して、HST38及び副変速装置42で変速された走行速度に追従した動力を取り出し、刈取脱穀伝動軸51と副唐箕駆動軸52の一端側との間をベルト型脱穀伝動装置53により伝動している。そして、副唐箕駆動軸52とベルト型脱穀伝動装置53のプーリ53aとの間にワンウエークラッチ60を介装し、前進走行時にだけ副唐箕駆動軸52に動力を伝達し副唐箕22を駆動している。副唐箕駆動軸52の他端側からフィードチエン伝動装置55にフィードチエン動力を取り出し、フィードチエン伝動装置55の終端側をフィードチエン駆動軸54に伝動している。フィードチエン伝動装置55の中間部から主唐箕動力を分岐し、ベルト型主唐箕伝動装置56の終端側を主唐箕駆動軸57の一端に伝動している。なお、刈取脱穀伝動軸51の刈取プーリ51aから刈取搬送部8の回転各部に動力が伝達される。
【0024】
また、主唐箕駆動軸57の他端部とエンジンEの出力軸との間をベルト型第二脱穀伝動装置58により伝動している。また、主唐箕駆動軸57の一端側からベルト型扱胴伝動装置59に扱胴動力を分岐し、ベルト型扱胴伝動装置59から処理胴伝動装置61を経由して処理胴12aに動力を伝達し、処理胴伝動装置61の終端側から第二扱胴伝動装置62を経て扱胴13に動力を伝達し、扱胴13の軸端部から排藁伝動装置63に動力を取り出し排藁搬送チエン68を駆動している。
【0025】
また、主唐箕駆動軸57の他端側からベルト型揺動伝動装置64に動力を伝達し、ベルト型揺動伝動装置64により一番受樋24の一番ラセン24a、二番受樋25の二番ラセン25a、及び、揺動選別棚17用の揺動駆動軸65をそれぞれ駆動している。ベルト型揺動伝動装置64の終端側からベルト型排塵伝動装置66の始端側に動力を伝達して排塵ファン19を駆動し、ベルト型排塵伝動装置66の終端側から排藁伝動装置67の始端側に動力を伝達し排藁伝動装置67により排藁処理装置7に動力を伝達している。
【0026】
前記構成によると、副唐箕駆動軸52の上手側からベルト型脱穀伝動装置53により走行速度に追従した動力を伝達して副唐箕22を駆動し、また、ベルト型第二脱穀伝動装置58、主唐箕駆動軸57、ベルト型主唐箕伝動装置56を経て一定速度動力を副唐箕駆動軸52の下手側から伝達することができ、伝動ラインが交差したり混み合うようなことがなく、ベルト伝動装置を短く構成できる。
【0027】
また、ベルト型脱穀伝動装置53には伝動ベルトを緊張あるいは弛緩する第一テンションプーリ69を、また、ベルト型主唐箕伝動装置56には伝動ベルトを緊張弛緩する第二テンションプーリ70を設けている。そして、図18に示すように、刈取脱穀レバー86を刈取・脱穀入り位置に操作すると、第一操作装置87及び第二操作装置88を介して第一テンションプーリ69と第二テンションプーリ70を選択的に入/切できるように構成し、副唐箕22に一定速度動力あるいは車速追従動力のいずれかが伝達される。なお、第一テンションプーリ69、第二テンションプーリ70を独立して操作できるように構成してもよい。
【0028】
また、ベルト型主唐箕伝動装置56にワンウエークラッチ(図示省略)を介装し、ベルト型脱穀伝動装置53あるいはベルト型主唐箕伝動装置56のいずれか速い方の動力で副唐箕駆動軸52を駆動するように構成してもよい。
【0029】
前記構成によると、ベルト型脱穀伝動装置53から走行速度に追従した動力が副唐箕駆動軸52に伝達され、副唐箕22及びフィードチエン11が車速に追従した速度で駆動され、また、主唐箕21は第二脱穀伝動装置58からの一定速度動力が伝達されて一定回転数で駆動される。また、例えば、副唐箕22を横断流ファンとして主唐箕21よりも大径に構成しているので、主唐箕21よりも大風量の選別風を供給し、揺動選別棚17の前側部での穀粒の多く混じっている多量の被選別物が良好に選別することができる。
【0030】
また、図8に示すように、主唐箕21の選別風量は直線Aで示すように走行速度の高低にかかわらず一定量であり、副唐箕22の選別風量は走行速度に追従し傾斜直線Bで示すように走行速度の増速につれて比例して増加し、中間速度Cよりも高速走行領域では副唐箕22の選別風量が主唐箕21の選別風量よりも多くなるように構成している。
【0031】
しかして、作業速度が低速及び中速領域(中間速度Cよりも低速の領域)では主唐箕21の選別風量よりも副唐箕22の選別風量を少なくして、主唐箕21の選別風を主体としながら風選し、穀粒の飛散を防止しながら選別精度を高めることができる。また、高速領域(中間速度Cよりも高速の領域)では副唐箕22の選別風量を主唐箕21の選別風量よりも多くし、揺動選別棚17の前側部での穀粒比率の高い多量の被選別物を円滑に選別処理し、また、揺動選別棚17の後側部の藁屑類の多い被選別物の選別領域では、穀粒の飛散や二番選別物の増加を抑制しながら選別精度を高めることができる。
【0032】
また、図9乃至図11に示すように、主唐箕21の一定風量に対して、走行速度に追従してフィードチエン11の搬送速度及び副唐箕22の選別風量を増加調整するように構成してもよい。
【0033】
この実施例では、ベルト型脱穀伝動装置53により高低2速の動力を副唐箕22及びフィードチエン11に伝達するように構成している。即ち、ベルト型脱穀伝動装置53を例えばプーリ径を変更することにより標準ベルト伝動装置53aと高速ベルト伝動装置53bの2本で構成し、標準、高速のベルト伝動装置53a,53bにテンションプーリ53ap,53bpをそれぞれ設けて、高低切替レバー74の操作により、切替装置76を介して択一的にテンションプーリ53ap,53bpが入り作動され、いずれかのベルト伝動装置53a,53bで動力を伝達するように構成している。
【0034】
なお、図11(A)は主唐箕21、副唐箕22の選別風量と走行速度との関係を示すもので、一定風速直線A1は主唐箕21の選別風量を示し、標準傾斜直線B1は標準ベルト伝動装置53a伝動時の副唐箕22の標準風量と走行速度との関係を示し、高速傾斜直線C1は高速ベルト伝動装置53b伝動時の副唐箕22の高速風量と走行速度との関係を示すものである。
【0035】
また、図11(B)は主唐箕21の選別風量とフィードチエン11の移送速度との関係を示すもので、一定移送速度直線D1はフィードチエン11の一定移送速度を示し、標準傾斜直線E1は標準ベルト伝動装置53a伝動時のフィードチエン11の移送速度と走行速度との関係を示し、高速傾斜直線C1は高速ベルト伝動装置53b伝動時のフィードチエン11の移送速度と走行速度の関係を示すものである。
【0036】
しかして、脱穀処理物が通常条件のときには、標準ベルト伝動装置53aにより走行速度に追従した標準速度動力を伝達し、副唐箕22及びフィードチエン11を駆動する。また、脱穀処理物に湿気を含んでいたり、藁屑類の多く発生する品種のときには、高速ベルト伝動装置53bにより走行速度に追従した高速動力を伝達し、副唐箕22及びフィードチエン11を高速で駆動する。
【0037】
従って、標準状態よりも選別風量を増加することにより、揺動選別棚17のチャフシーブ29への藁屑類の付着を少なくしたり、揺動選別棚17の前側部での穀粒の多く混じっている多量の脱穀処理物を円滑に選別し、藁屑類への刺さり粒を少なくし選別精度を向上させることができる。また、高低切替レバー74を操作することにより、コンバイン1の走行中でも切替装置76によりテンションプーリ53ap,53bpを操作して標準速度伝動あるいは高速伝動に切り替えて動力を伝達することができ、作業性を向上させることができる。
【0038】
また、図12乃至図14に示すように、揺動駆動軸64を排塵ファン19の下方に配置し、主唐箕駆動軸57の他端側からベルト型揺動伝動装置64に動力を伝達している。そして、このベルト型揺動伝動装置64をベルト型第一揺動伝動装置64aとベルト型第二揺動伝動装置64gとで構成している。このベルト型揺動伝動装置64aの伝動ベルトを、一番ラセン24a駆動用の一番ラセンプーリ64b、二番ラセン25a駆動用の二番ラセンプーリ64c、主唐箕駆動軸57のプーリ64d、排塵中間軸81のプーリ64e及び揺動中間軸79駆動用のプーリ64fに架け回して、一番ラセン24a、二番ラセン25a、排塵中間軸81及び揺動中間軸79を駆動するように構成している。また、ベルト型第二揺動伝動装置64gのベルトを揺動中間軸79のプーリ64hと揺動駆動軸65のプーリ64iに架け回し、揺動選別棚17を揺動駆動している。
【0039】
また、ベルト型排塵伝動装置66の伝動ベルトを、排塵中間軸81のプーリ66aと排塵ファン19駆動用のプーリ66bに架け回して排塵ファン19を駆動している。また、ベルト型排藁伝動装置67の伝動ベルトを排塵中間軸81のプーリ67aと排稾処理装置7駆動用のプーリ67bとに架け回して排藁処理装置7を駆動している。
【0040】
前記のように、副唐箕22を揺動選別棚17の前側に配置し、揺動選別棚17駆動用の揺動駆動軸65を排塵ファン19の下方に配置し、選別部16の伝動装置を機体右側にまとめて配置したので、副唐箕22により第二選別風を送り揺動選別棚17の前側部での風選を良好にしたものでありながら排塵ファン19を大きく構成することができ、また、揺動選別棚17を後側から容易に着脱することができると共に、選別部16の右側から伝動装置のメンテナンスを容易に行なうことができる。
【0041】
次に、図15乃至図17に基づきフィードチエン11の開閉構成及び副唐箕22の着脱構成について説明する。
副唐箕22のケース22bの左側板にフィードチエン伝動ケース72を取り付け、フィードチエン伝動ケース72の進行方向左側にフィードチエン11が位置するように構成している。フィードチエン11の枠体はフレームに前上り状に傾斜したピン73により平面視で内外方向に開閉自在に取り付けられている。
【0042】
しかして、フィードチエン伝動ケース72を取り外すことにより、内側に位置している副唐箕22のメンテナンスが容易となる。また、フィードチエン伝動ケース72は選別部16の左側壁16aよりも左外側に突出状態で配設されていて、フィードチエン11は前側部を回動支点として外側に回動できるので、作業者が副唐箕22の近傍まで立ち入ることができてメンテナンス作業が容易となる。また、副唐箕22のケース22b側板にフィードチエン伝動ケース72を取り付けたので、副唐箕22とフィードチエン伝動ケース72を一体的に取り外すことができる。しかも、フィードチエン11は前上り傾斜のピン73により軸支されているので、フィードチエン11の左外側方へ開放回動した時には上昇し、フィードチエン伝動ケース72の取外しが容易となる。
【0043】
また、フィードチエン11の駆動用スプロケット77をフィードチエン11の前後方向中間部で、且つ、側面視及び平面視で副唐箕22の近傍に位置するように構成し、駆動用スプロケット77、前側スプロケット11a、後側スプロケット11b及びテンションスプロケット11cにフィードチエン11を架け回している。しかして、副唐箕22の副唐箕駆動軸52から走行速度に追従した動力をフィードチエン11に伝達するものでありながら、伝動構成を短くし簡単化することができる。
【0044】
また、副唐箕駆動軸52の他端側からフィードチエン伝動ケース72内のフィードチエン伝動装置55を経由してフィードチエン11に動力を伝達するにあたり、フィードチエン伝動装置55を小径ギヤ55aと大径ギヤ55bとの第一の減速装置、及び、伝動軸55cの第二小径ギヤ55dと第二大径ギヤ55eとの第二の減速装置により構成し、これらの減速装置をケースに内装して、大幅に減速しながらフィードチエン11に適正速度の動力を伝達するように構成し、副唐箕22の走行速度に追従した伝動速度でフィードチエン11を駆動するようにしている。
【0045】
しかして、副唐箕22の高速伝動時にはフィードチエン11の搬送速度も追従して高速とにより、湿気を含んだ被選別物、あるいは、藁屑類の多く発生する被選別物の場合には、副唐箕22の選別風量増加に加えて、搬送穀稈の扱室12内の通過時間を短して扱室12内での藁屑類の発生を抑制し、揺動選別棚17での選別を円滑化し藁屑類への刺さり粒を少なくして選別精度を高め、また、扱室12での異音の発生や負荷を抑制することができる。
【0046】
また、ベルト型主唐箕伝動装置56により一定速度動力をフィードチエン11に伝動するにあたっては、フィードチエン11の下方からフィードチエン伝動装置55の第一の減速装置の伝動軸55cに入力するので、フィードチエン11を車速追従伝動及び一定速度伝動を可能にしながら一定速度伝動の入力を容易にし構成をコンパクト化することができる。また、車速追従伝動及び一定速度伝動の切替を伝動ベルトを緊張弛緩するテンションクラッチにより行なうので、減速装置を内装するケース部を小型化し、切替手段のメンテナンスが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】コンバインの全体側面図。
【図2】コンバインの一部の切断側面図。
【図3】コンバインの一部の切断側面図。
【図4】コンバインの切断正面図。
【図5】コンバインの一部の切断平面図。
【図6】コンバインの一部の切断平面図。
【図7】伝動装置の展開図。
【図8】作業速度と主唐箕、副唐箕の風量の関係を示す図。
【図9】コンバインの一部の切断平面図。
【図10】脱穀伝動装置の操作装置の側面図。
【図11】作業速度と主唐箕、副唐箕の風量及びフィードチエンの移送速度の関係を示す図。
【図12】脱穀部の側面図。
【図13】コンバインの切断平面図。
【図14】コンバインの切断背面図。
【図15】コンバインの側面図。
【図16】コンバインの平面図。
【図17】コンバインの分解した正面図。
【図18】脱穀伝動装置の操作装置の側面図。
【符号の説明】
【0048】
1 コンバイン
2 走行車台
3 走行クローラ(走行装置)
5 脱穀部
6 グレンタンク
8 刈取搬送部
38 HST(変速装置)
42 副変速装置(変速装置)
12 扱室
16 選別部
17 揺動選別棚
17a 粗選別部
17b 精選別部
21 主唐箕
22 副唐箕
23 選別風路
E エンジン
【技術分野】
【0001】
この発明は、主唐箕及び副唐箕を有するコンバインにおいて、副唐箕を車速追従回転あるいは一定速度回転で伝動する伝動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
扱室の下方に揺動選別棚を具備するコンバインにおいて、揺動選別棚の前側部に上下二段に前後の穀粒移送板を配置し、この前側上部の穀粒移送板の後端部に篩い線を配置し、この篩い線を後側下部の穀粒移送板の上方に配置し、主唐箕で揺動選別棚の後側部に選別風を送り、副唐箕により上下の穀粒移送板の間に選別風を送るようにしたものは公知である(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平9−140247号公報(第3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記従来技術にあっては、主唐箕及び副唐箕を一定回転速度で駆動しながら揺動選別棚上の被選別物を選別する構成である。従って、被選別物の多少や、穀粒に対する藁屑類の混合比率の高低により選別精度が低下するという不具合があった。そこで、この発明このような不具合を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1の発明は、エンジン(E)から変速装置(38、42)の設けられている走行伝動経路を経由して走行装置(3,3)に変速動力を伝動するように構成したコンバインの伝動装置において、扱室(12)の下方に選別部(16)を配置し、前記選別部(16)には後側の主唐箕(21)及び前側の副唐箕(22)から後側に向けて選別風が送られる選別風路(23)を設け、前記選別風路(23)には上側部の粗選別部(17a)と下側部の精選別部17bを具備する揺動選別棚(17)を揺動自在に設け、前記副唐箕(22)の選別風を前記揺動選別棚(17)の前側部における粗選別部(17a)と精選別部(17b)との間に送り込むように構成し、前記主唐箕(21)の選別風を前記揺動選別棚(17)の精選別部(17b)の前側下方から後側上方に向けて送るように構成し、前記副唐箕(21)を走行速度に追従した変速動力で駆動するように構成したことを特徴とするコンバインの伝動装置とする。
【0005】
前記構成によると、エンジン(E)から変速装置(38、42)で変速された動力が走行伝動経路を経由して走行装置(3,3)に伝達され、扱室12下方の選別部(16)の選別風路(23)には揺動選別棚17が揺動自在に設けられていて、揺動選別棚(17)の前側部における粗選別部(17a)と精選別部(17b)の間に走行速度に追従した変速動力で駆動される副唐箕(21)の選別風が送られて扱室12からの穀粒の多く混じっている被選別物が選別され、また、主唐箕(21)の選別風が揺動選別棚(17)の精選別部(17b)の前側下方から後側上方に向けて送られて藁屑類の多い被選別物が選別される。
【0006】
請求項2の発明は、前記主唐箕(21)を一定速度動力で駆動するように構成し、走行装置(3,3)の高速変速領域では前記主唐箕(21)の選別風量よりも前記副唐箕(22)の選別風量を大にするように構成したことを特徴とする請求項1記載のコンバインの伝動装置とする。
【0007】
前記構成によると、請求項1の発明の前記作用に加えて、一定速度動力で駆動される主唐箕(21)の選別風が揺動選別棚(17)の精選別部(17b)の前側下方から後側上方に向けて送られて藁屑類の多い被選別物が選別される。また、走行装置(3,3)の高速変速領域では主唐箕(21)の選別風量よりも副唐箕(22)の選別風量を大になり、揺動選別棚(17)の前側部での穀粒比率の高い多量の被選別物が風選され穀粒と藁屑類が分離選別される。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明は、揺動選別棚(17)の前側部での穀粒の多く混じっている被選別物を風選するにあたり、副唐箕(22)からの選別風を被選別物量の多少に合わせた選別風量とすることができ選別精度を高めることができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明の前記効果に加えて、高速領域では副唐箕(22)の選別風量を主唐箕(21)の選別風量よりも大にするので、揺動選別棚(17)の前側部での穀粒比率の高い多量の被選別物を円滑に選別処理をし、また、揺動選別棚(17)の後側部における藁屑類の多い被選別物の領域では所定選別風量で選別し、穀粒の飛散や二番選別物の増加を抑制しながら選別精度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面に示すこの発明の実施例の形態について説明する。
図1にはコンバイン1の全体側面図が図示されている。コンバイン1の走行車台2の下方には、土壌面を走行する左右一対の走行クローラ3,3を配設し、走行車台2上には、操縦席4、脱穀部5、グレンタンク6、排稾処理装置7等を搭載している。脱穀部5の前方には、植立穀稈を分草引越しながら刈り取り後方の脱穀部5に向けて搬送する刈取搬送部8を昇降自在に設けている。
【0011】
次に、図2〜図6に基づき脱穀部5について具体的に説明する。
脱穀部5は、フィードチエン11により穀稈の株元を挟持しながら搬送し穂先部を扱室12内に挿入して、回転駆動される扱歯13a,…付きの扱胴13により脱穀するように構成し、脱穀処理されて受網14を漏下した脱穀処理物は下方の選別部16の揺動選別棚17で一番穀粒、枝梗付き穀粒等の二番物及び藁屑類の三番物に選別される。そして、選別された一番穀粒は一番揚穀機(図示省略)によりグレンタンク6に揚穀貯溜される。また、選別された二番物は二番揚穀機(図示省略)により処理室18に還元されて再度脱穀処理される。また、選別された三番物の藁屑類の一部は揺動選別棚17の後側端部から排塵ファン19により機外に排出され、残部の藁屑類は揺動選別棚17の後端部から機外に排出される構成である。
【0012】
次に、選別部16について具体的に説明する。
選別部16は、主唐箕21及び副唐箕22から後側に向けて選別風の送られる選別風路23と、選別風路23に前後方向に往復揺動自在に支持されていて、扱室12からの脱穀物を後側に揺動移送しながら比重選別する揺動選別棚17と、選別された一番穀粒を受ける一番ラセン24a付き一番受樋24と、選別された二番物を受ける二番ラセン25a付き二番受樋25と、揺動選別棚17で選別されて後側に吹き飛ばされた藁屑類の一部を機体の左右一側から吸引して機外に排出する排塵ファン19等により構成されている。
【0013】
また、揺動選別棚17の前側端部に設けた揺動ローラ27を後上り傾斜状のスライド溝28により支持し、揺動選別棚17の後側端部を揺動アーム27により揺動自在に支持して、揺動選別棚17を後上り傾斜状に往復揺動するように構成している。また、揺動選別棚17の上部には、扱室12から漏下した穀粒を受けて後側に移送する突起付き穀粒移送板26、チャフシーブ29、ストローラック30を前側から後側に順次配設して粗選別部17aを構成し、揺動選別棚17の後側下部には前側のグレンパン31a及び後側の網体からなるグレンシーブ31bにより精選別部17bを構成し、更に、粗選別部17aの突起付き穀粒移送板26の後端部下方には突起付き移送板33aと網体33bとからなる中継案内板33を設け、突起付き穀粒移送板26からの被選別物を突起付き移送板33aで受けて網体33bに送り、網体33bから漏下した穀粒をグレンパン31aにより一番受け24に供給するように構成している。
【0014】
また、主唐箕21により生起された選別風は、風割板32で上下に分割されながら上吹出し口21a及び下吹出し口21bから吹き出して後方に流れ、揺動選別棚17の精選別部17bを通って上方の粗選別部17aに流れ被選別物を選別する。
【0015】
また、主唐箕21の前側には副唐箕22が設けられている。この副唐箕22は例えば横断流ファンで構成されていて、副唐箕22のファン22aの径を主唐箕21の送風板21dよりも大径に構成して、主唐箕21よりも大風量の選別風が供給できるように構成している。そして、副唐箕22のケース22bにおける後側上部の送風口22cを形成する上側板22dをやや後下がり傾斜とし、この上側板22dの先端に後下がり傾斜状の風案内板71を延設し、副唐箕22からの副選別風を主唐箕21のケース21cと揺動選別棚17前側部の突起付き穀粒移送板26との間を通って、揺動選別棚17の粗選別部17aと精選別部17bとの間に案内するように構成している。
【0016】
しかして、扱室12から落下した穀粒と小さな藁屑類を主体とした脱穀物は揺動選別棚17の前側部に受けられ、後上り傾斜状に往復揺動する突起付き穀粒移送板26により後方に移送されてチャフシーブ29に供給される。また、揺動選別棚17のチャフシーブ29には扱室12の後側端部の排塵口12aから藁屑類の多い脱穀物が供給され、チャフシーブ29により後上り傾斜状に往復揺動されながら選別されて、藁屑類はチャフシーブ29上を後方に移送され、後上り傾斜状に往復揺動しているストローラック30により選別され、一部の軽い藁屑類は排塵ファン19により機体一側から機外に吸引排出され、残りの藁屑類はストローラック30の後側端部から後機外に排出される。
【0017】
また、穀粒移送板26で移送された穀粒の多く混じった脱穀物は中継案内板33に落下し、更に、下方の流下板31aに落下する間に副唐箕22からの選別風により風選され、更に、穀粒はグレンパン31aからグレンシーブ31bに送られ、チャフシーブ29で選別されて漏下した穀粒や枝梗付き穀粒と共にグレンシーブ31bで選別される。そして、穀粒はグレンシーブ31bから漏下して一番受樋13に落下選別され、また、枝梗付き穀粒はグレンシーブ31b上を後側に送られ下方の二番受樋14に落下選別される。
【0018】
また、副唐箕22は次のように構成している。副唐箕22のケース22bの下側部及び前側部を開放し、側面視でケース22bの下側部及び前側部からファン22aの先端部が露出するように構成している。また、走行車台2の前側端部には刈取部支持フレーム78を前方に向けて斜め上り傾斜に取り付け、刈取部支持フレーム78の上端部に前記刈取搬送部8の後側端部を上下回動自在に支持している。そして、刈取部支持フレーム78の後側端部と副唐箕22のファン22aとの間に所定間隙のすき間を設け、また、副唐箕22のファン22aの下端部と走行車台2との間に所定間隔を空けて配置している。
【0019】
しかして、副唐箕22のケース22bを小型化しながらファン22aを大径に構成できて大風量を供給可能となり、副唐箕22からの選別風を主唐箕21のケース21cと揺動選別棚17前側部の突起付き穀粒移送板26との間を通って、揺動選別棚17の粗選別部17aと精選別部17bとの間に案内し、揺動選別棚17の前側部の選別を良好にしている。
【0020】
また、刈取部支持フレーム78の後側に所定間隙のすき間を設けてその後側に副唐箕22の前側部を配置しているので、副唐箕22の前側上方への取り外しが容易となり、また、副唐箕22のケース22bを小型化しながらファン22aを大径にし大風量の供給が可能になる。また、エンジンEは副唐箕22の右側方に配置されていて、エンジンEの熱風が副唐箕22の下側空間から左側方に向けて良好に排出される。
【0021】
次に、図7に基づきコンバインの伝動構成について説明する。
まず、エンジンEから走行クローラ3,3への伝動構成について説明する。操縦席4の下方にエンジンEを配設し、エンジンEの回転動力はベルト伝動装置36を経て、走行ミッションケース37の上部に設けたHST(静油圧式無段変速装置)38に伝達される。次いで、HST38により正逆切替及び無段変速された動力が、迂回伝動ケース39内の減速伝動装置(図示省略)を経由して走行ミッションケース37上部のミッション入力軸41に伝動される。
【0022】
ミッション入力軸41に伝達された動力は、副変速装置42により低速、中速、高速に変速され、センターギヤ43、入/切される左右のサイドクラッチギヤ44,44、左右の走行ギヤ45,45を経て左右の走行伝動軸46,46に伝達される構成である。走行ミッションケース37の下部から左右両側に左右の走行伝動軸46,46を突出し、左右の走行伝動軸46,46の端部に取り付けた駆動スプロケットにより走行クローラ3,3が駆動される。
【0023】
次に、脱穀部5への伝動構成について説明する。
走行ミッションケース11の一側から刈取脱穀伝動軸51を突出軸架して、HST38及び副変速装置42で変速された走行速度に追従した動力を取り出し、刈取脱穀伝動軸51と副唐箕駆動軸52の一端側との間をベルト型脱穀伝動装置53により伝動している。そして、副唐箕駆動軸52とベルト型脱穀伝動装置53のプーリ53aとの間にワンウエークラッチ60を介装し、前進走行時にだけ副唐箕駆動軸52に動力を伝達し副唐箕22を駆動している。副唐箕駆動軸52の他端側からフィードチエン伝動装置55にフィードチエン動力を取り出し、フィードチエン伝動装置55の終端側をフィードチエン駆動軸54に伝動している。フィードチエン伝動装置55の中間部から主唐箕動力を分岐し、ベルト型主唐箕伝動装置56の終端側を主唐箕駆動軸57の一端に伝動している。なお、刈取脱穀伝動軸51の刈取プーリ51aから刈取搬送部8の回転各部に動力が伝達される。
【0024】
また、主唐箕駆動軸57の他端部とエンジンEの出力軸との間をベルト型第二脱穀伝動装置58により伝動している。また、主唐箕駆動軸57の一端側からベルト型扱胴伝動装置59に扱胴動力を分岐し、ベルト型扱胴伝動装置59から処理胴伝動装置61を経由して処理胴12aに動力を伝達し、処理胴伝動装置61の終端側から第二扱胴伝動装置62を経て扱胴13に動力を伝達し、扱胴13の軸端部から排藁伝動装置63に動力を取り出し排藁搬送チエン68を駆動している。
【0025】
また、主唐箕駆動軸57の他端側からベルト型揺動伝動装置64に動力を伝達し、ベルト型揺動伝動装置64により一番受樋24の一番ラセン24a、二番受樋25の二番ラセン25a、及び、揺動選別棚17用の揺動駆動軸65をそれぞれ駆動している。ベルト型揺動伝動装置64の終端側からベルト型排塵伝動装置66の始端側に動力を伝達して排塵ファン19を駆動し、ベルト型排塵伝動装置66の終端側から排藁伝動装置67の始端側に動力を伝達し排藁伝動装置67により排藁処理装置7に動力を伝達している。
【0026】
前記構成によると、副唐箕駆動軸52の上手側からベルト型脱穀伝動装置53により走行速度に追従した動力を伝達して副唐箕22を駆動し、また、ベルト型第二脱穀伝動装置58、主唐箕駆動軸57、ベルト型主唐箕伝動装置56を経て一定速度動力を副唐箕駆動軸52の下手側から伝達することができ、伝動ラインが交差したり混み合うようなことがなく、ベルト伝動装置を短く構成できる。
【0027】
また、ベルト型脱穀伝動装置53には伝動ベルトを緊張あるいは弛緩する第一テンションプーリ69を、また、ベルト型主唐箕伝動装置56には伝動ベルトを緊張弛緩する第二テンションプーリ70を設けている。そして、図18に示すように、刈取脱穀レバー86を刈取・脱穀入り位置に操作すると、第一操作装置87及び第二操作装置88を介して第一テンションプーリ69と第二テンションプーリ70を選択的に入/切できるように構成し、副唐箕22に一定速度動力あるいは車速追従動力のいずれかが伝達される。なお、第一テンションプーリ69、第二テンションプーリ70を独立して操作できるように構成してもよい。
【0028】
また、ベルト型主唐箕伝動装置56にワンウエークラッチ(図示省略)を介装し、ベルト型脱穀伝動装置53あるいはベルト型主唐箕伝動装置56のいずれか速い方の動力で副唐箕駆動軸52を駆動するように構成してもよい。
【0029】
前記構成によると、ベルト型脱穀伝動装置53から走行速度に追従した動力が副唐箕駆動軸52に伝達され、副唐箕22及びフィードチエン11が車速に追従した速度で駆動され、また、主唐箕21は第二脱穀伝動装置58からの一定速度動力が伝達されて一定回転数で駆動される。また、例えば、副唐箕22を横断流ファンとして主唐箕21よりも大径に構成しているので、主唐箕21よりも大風量の選別風を供給し、揺動選別棚17の前側部での穀粒の多く混じっている多量の被選別物が良好に選別することができる。
【0030】
また、図8に示すように、主唐箕21の選別風量は直線Aで示すように走行速度の高低にかかわらず一定量であり、副唐箕22の選別風量は走行速度に追従し傾斜直線Bで示すように走行速度の増速につれて比例して増加し、中間速度Cよりも高速走行領域では副唐箕22の選別風量が主唐箕21の選別風量よりも多くなるように構成している。
【0031】
しかして、作業速度が低速及び中速領域(中間速度Cよりも低速の領域)では主唐箕21の選別風量よりも副唐箕22の選別風量を少なくして、主唐箕21の選別風を主体としながら風選し、穀粒の飛散を防止しながら選別精度を高めることができる。また、高速領域(中間速度Cよりも高速の領域)では副唐箕22の選別風量を主唐箕21の選別風量よりも多くし、揺動選別棚17の前側部での穀粒比率の高い多量の被選別物を円滑に選別処理し、また、揺動選別棚17の後側部の藁屑類の多い被選別物の選別領域では、穀粒の飛散や二番選別物の増加を抑制しながら選別精度を高めることができる。
【0032】
また、図9乃至図11に示すように、主唐箕21の一定風量に対して、走行速度に追従してフィードチエン11の搬送速度及び副唐箕22の選別風量を増加調整するように構成してもよい。
【0033】
この実施例では、ベルト型脱穀伝動装置53により高低2速の動力を副唐箕22及びフィードチエン11に伝達するように構成している。即ち、ベルト型脱穀伝動装置53を例えばプーリ径を変更することにより標準ベルト伝動装置53aと高速ベルト伝動装置53bの2本で構成し、標準、高速のベルト伝動装置53a,53bにテンションプーリ53ap,53bpをそれぞれ設けて、高低切替レバー74の操作により、切替装置76を介して択一的にテンションプーリ53ap,53bpが入り作動され、いずれかのベルト伝動装置53a,53bで動力を伝達するように構成している。
【0034】
なお、図11(A)は主唐箕21、副唐箕22の選別風量と走行速度との関係を示すもので、一定風速直線A1は主唐箕21の選別風量を示し、標準傾斜直線B1は標準ベルト伝動装置53a伝動時の副唐箕22の標準風量と走行速度との関係を示し、高速傾斜直線C1は高速ベルト伝動装置53b伝動時の副唐箕22の高速風量と走行速度との関係を示すものである。
【0035】
また、図11(B)は主唐箕21の選別風量とフィードチエン11の移送速度との関係を示すもので、一定移送速度直線D1はフィードチエン11の一定移送速度を示し、標準傾斜直線E1は標準ベルト伝動装置53a伝動時のフィードチエン11の移送速度と走行速度との関係を示し、高速傾斜直線C1は高速ベルト伝動装置53b伝動時のフィードチエン11の移送速度と走行速度の関係を示すものである。
【0036】
しかして、脱穀処理物が通常条件のときには、標準ベルト伝動装置53aにより走行速度に追従した標準速度動力を伝達し、副唐箕22及びフィードチエン11を駆動する。また、脱穀処理物に湿気を含んでいたり、藁屑類の多く発生する品種のときには、高速ベルト伝動装置53bにより走行速度に追従した高速動力を伝達し、副唐箕22及びフィードチエン11を高速で駆動する。
【0037】
従って、標準状態よりも選別風量を増加することにより、揺動選別棚17のチャフシーブ29への藁屑類の付着を少なくしたり、揺動選別棚17の前側部での穀粒の多く混じっている多量の脱穀処理物を円滑に選別し、藁屑類への刺さり粒を少なくし選別精度を向上させることができる。また、高低切替レバー74を操作することにより、コンバイン1の走行中でも切替装置76によりテンションプーリ53ap,53bpを操作して標準速度伝動あるいは高速伝動に切り替えて動力を伝達することができ、作業性を向上させることができる。
【0038】
また、図12乃至図14に示すように、揺動駆動軸64を排塵ファン19の下方に配置し、主唐箕駆動軸57の他端側からベルト型揺動伝動装置64に動力を伝達している。そして、このベルト型揺動伝動装置64をベルト型第一揺動伝動装置64aとベルト型第二揺動伝動装置64gとで構成している。このベルト型揺動伝動装置64aの伝動ベルトを、一番ラセン24a駆動用の一番ラセンプーリ64b、二番ラセン25a駆動用の二番ラセンプーリ64c、主唐箕駆動軸57のプーリ64d、排塵中間軸81のプーリ64e及び揺動中間軸79駆動用のプーリ64fに架け回して、一番ラセン24a、二番ラセン25a、排塵中間軸81及び揺動中間軸79を駆動するように構成している。また、ベルト型第二揺動伝動装置64gのベルトを揺動中間軸79のプーリ64hと揺動駆動軸65のプーリ64iに架け回し、揺動選別棚17を揺動駆動している。
【0039】
また、ベルト型排塵伝動装置66の伝動ベルトを、排塵中間軸81のプーリ66aと排塵ファン19駆動用のプーリ66bに架け回して排塵ファン19を駆動している。また、ベルト型排藁伝動装置67の伝動ベルトを排塵中間軸81のプーリ67aと排稾処理装置7駆動用のプーリ67bとに架け回して排藁処理装置7を駆動している。
【0040】
前記のように、副唐箕22を揺動選別棚17の前側に配置し、揺動選別棚17駆動用の揺動駆動軸65を排塵ファン19の下方に配置し、選別部16の伝動装置を機体右側にまとめて配置したので、副唐箕22により第二選別風を送り揺動選別棚17の前側部での風選を良好にしたものでありながら排塵ファン19を大きく構成することができ、また、揺動選別棚17を後側から容易に着脱することができると共に、選別部16の右側から伝動装置のメンテナンスを容易に行なうことができる。
【0041】
次に、図15乃至図17に基づきフィードチエン11の開閉構成及び副唐箕22の着脱構成について説明する。
副唐箕22のケース22bの左側板にフィードチエン伝動ケース72を取り付け、フィードチエン伝動ケース72の進行方向左側にフィードチエン11が位置するように構成している。フィードチエン11の枠体はフレームに前上り状に傾斜したピン73により平面視で内外方向に開閉自在に取り付けられている。
【0042】
しかして、フィードチエン伝動ケース72を取り外すことにより、内側に位置している副唐箕22のメンテナンスが容易となる。また、フィードチエン伝動ケース72は選別部16の左側壁16aよりも左外側に突出状態で配設されていて、フィードチエン11は前側部を回動支点として外側に回動できるので、作業者が副唐箕22の近傍まで立ち入ることができてメンテナンス作業が容易となる。また、副唐箕22のケース22b側板にフィードチエン伝動ケース72を取り付けたので、副唐箕22とフィードチエン伝動ケース72を一体的に取り外すことができる。しかも、フィードチエン11は前上り傾斜のピン73により軸支されているので、フィードチエン11の左外側方へ開放回動した時には上昇し、フィードチエン伝動ケース72の取外しが容易となる。
【0043】
また、フィードチエン11の駆動用スプロケット77をフィードチエン11の前後方向中間部で、且つ、側面視及び平面視で副唐箕22の近傍に位置するように構成し、駆動用スプロケット77、前側スプロケット11a、後側スプロケット11b及びテンションスプロケット11cにフィードチエン11を架け回している。しかして、副唐箕22の副唐箕駆動軸52から走行速度に追従した動力をフィードチエン11に伝達するものでありながら、伝動構成を短くし簡単化することができる。
【0044】
また、副唐箕駆動軸52の他端側からフィードチエン伝動ケース72内のフィードチエン伝動装置55を経由してフィードチエン11に動力を伝達するにあたり、フィードチエン伝動装置55を小径ギヤ55aと大径ギヤ55bとの第一の減速装置、及び、伝動軸55cの第二小径ギヤ55dと第二大径ギヤ55eとの第二の減速装置により構成し、これらの減速装置をケースに内装して、大幅に減速しながらフィードチエン11に適正速度の動力を伝達するように構成し、副唐箕22の走行速度に追従した伝動速度でフィードチエン11を駆動するようにしている。
【0045】
しかして、副唐箕22の高速伝動時にはフィードチエン11の搬送速度も追従して高速とにより、湿気を含んだ被選別物、あるいは、藁屑類の多く発生する被選別物の場合には、副唐箕22の選別風量増加に加えて、搬送穀稈の扱室12内の通過時間を短して扱室12内での藁屑類の発生を抑制し、揺動選別棚17での選別を円滑化し藁屑類への刺さり粒を少なくして選別精度を高め、また、扱室12での異音の発生や負荷を抑制することができる。
【0046】
また、ベルト型主唐箕伝動装置56により一定速度動力をフィードチエン11に伝動するにあたっては、フィードチエン11の下方からフィードチエン伝動装置55の第一の減速装置の伝動軸55cに入力するので、フィードチエン11を車速追従伝動及び一定速度伝動を可能にしながら一定速度伝動の入力を容易にし構成をコンパクト化することができる。また、車速追従伝動及び一定速度伝動の切替を伝動ベルトを緊張弛緩するテンションクラッチにより行なうので、減速装置を内装するケース部を小型化し、切替手段のメンテナンスが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】コンバインの全体側面図。
【図2】コンバインの一部の切断側面図。
【図3】コンバインの一部の切断側面図。
【図4】コンバインの切断正面図。
【図5】コンバインの一部の切断平面図。
【図6】コンバインの一部の切断平面図。
【図7】伝動装置の展開図。
【図8】作業速度と主唐箕、副唐箕の風量の関係を示す図。
【図9】コンバインの一部の切断平面図。
【図10】脱穀伝動装置の操作装置の側面図。
【図11】作業速度と主唐箕、副唐箕の風量及びフィードチエンの移送速度の関係を示す図。
【図12】脱穀部の側面図。
【図13】コンバインの切断平面図。
【図14】コンバインの切断背面図。
【図15】コンバインの側面図。
【図16】コンバインの平面図。
【図17】コンバインの分解した正面図。
【図18】脱穀伝動装置の操作装置の側面図。
【符号の説明】
【0048】
1 コンバイン
2 走行車台
3 走行クローラ(走行装置)
5 脱穀部
6 グレンタンク
8 刈取搬送部
38 HST(変速装置)
42 副変速装置(変速装置)
12 扱室
16 選別部
17 揺動選別棚
17a 粗選別部
17b 精選別部
21 主唐箕
22 副唐箕
23 選別風路
E エンジン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン(E)から変速装置(38、42)の設けられている走行伝動経路を経由して走行装置(3,3)に変速動力を伝動するように構成したコンバイン伝動装置において、扱室(12)の下方に選別部(16)を配置し、前記選別部(16)には後側の主唐箕(21)及び前側の副唐箕(22)から後側に向けて選別風が送られる選別風路(23)を設け、前記選別風路(23)には上側部の粗選別部(17a)と下側部の精選別部17bを具備する揺動選別棚(17)を揺動自在に設け、前記副唐箕(22)の選別風を前記揺動選別棚(17)の前側部における粗選別部(17a)と精選別部(17b)との間に送り込むように構成し、前記主唐箕(21)の選別風を前記揺動選別棚(17)の精選別部(17b)の前側下方から後側上方に向けて送るように構成し、前記副唐箕(21)を走行速度に追従した変速動力で駆動するように構成したことを特徴とするコンバインの伝動装置。
【請求項2】
前記主唐箕(21)を一定速度動力で駆動するように構成し、走行装置(3,3)の高速変速領域では前記主唐箕(21)の選別風量よりも前記副唐箕(22)の選別風量を大にするように構成したことを特徴とする請求項1記載のコンバインの伝動装置。
【請求項1】
エンジン(E)から変速装置(38、42)の設けられている走行伝動経路を経由して走行装置(3,3)に変速動力を伝動するように構成したコンバイン伝動装置において、扱室(12)の下方に選別部(16)を配置し、前記選別部(16)には後側の主唐箕(21)及び前側の副唐箕(22)から後側に向けて選別風が送られる選別風路(23)を設け、前記選別風路(23)には上側部の粗選別部(17a)と下側部の精選別部17bを具備する揺動選別棚(17)を揺動自在に設け、前記副唐箕(22)の選別風を前記揺動選別棚(17)の前側部における粗選別部(17a)と精選別部(17b)との間に送り込むように構成し、前記主唐箕(21)の選別風を前記揺動選別棚(17)の精選別部(17b)の前側下方から後側上方に向けて送るように構成し、前記副唐箕(21)を走行速度に追従した変速動力で駆動するように構成したことを特徴とするコンバインの伝動装置。
【請求項2】
前記主唐箕(21)を一定速度動力で駆動するように構成し、走行装置(3,3)の高速変速領域では前記主唐箕(21)の選別風量よりも前記副唐箕(22)の選別風量を大にするように構成したことを特徴とする請求項1記載のコンバインの伝動装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−230247(P2006−230247A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−47473(P2005−47473)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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