コンバイン
【課題】 走行用変速装置を人為操作自在な変速操作具によって変速操作するものでありながら、第一作業状態での作業も第二作業状態での作業も適切な作業走行速度で行いやすいコンバインを提供する。
【解決手段】 複数の植付け条の植立穀稈を刈取り処理する刈取り処理幅を有した刈取り部と、走行用変速装置を変速操作する人為操作自在な変速操作具51と、認識手段61とを備えている。認識手段61は、備え走行用変速装置の変速状態が、複数の植付け条よりも少数の植付け条の植立穀稈を刈取り部に導入する第一作業状態の作業走行速度を現出する変速状態であるか、あるいは複数の植付け条の植立穀稈を刈取り部に導入する第二作業状態の作業走行速度を現出する変速状態であるかを操縦者に認識させる。
【解決手段】 複数の植付け条の植立穀稈を刈取り処理する刈取り処理幅を有した刈取り部と、走行用変速装置を変速操作する人為操作自在な変速操作具51と、認識手段61とを備えている。認識手段61は、備え走行用変速装置の変速状態が、複数の植付け条よりも少数の植付け条の植立穀稈を刈取り部に導入する第一作業状態の作業走行速度を現出する変速状態であるか、あるいは複数の植付け条の植立穀稈を刈取り部に導入する第二作業状態の作業走行速度を現出する変速状態であるかを操縦者に認識させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の植付け条の植立穀稈を刈取り処理する刈取り処理幅を有した刈取り部と、走行用変速装置を変速操作する人為操作自在な変速操作具とを備えたコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の植付け条の植立穀稈を刈取り処理する刈取り処理幅を有した刈取り部を備え、前記複数の植付け条よりも少数の植付け条の植立穀稈を刈取り部に導入する第一作業状態での作業と、前記複数の植付け条の植立穀稈を刈取り部に導入する第二作業状態での作業とを行うことが可能なコンバインとして、従来、たとえば特許文献1に記載されたものがあった。
特許文献1に記載されたコンバインは、三つの分草具が横方向に並んだ前処理部(刈取り部に相当)を備えている。この前処理部は、走行機体の運転部側とは反対側に位置した回刈り作業位置と、走行機体の運転部側に寄った中割り作業位置とに横スライド操作自在に支持されている。
前処理部が回刈り作業位置にスライド操作されると、一方の分草具間と他方の分草具間とに一つの植え付け条の植立穀稈を導入しながら作業する。すなわち、二つの植付け条の植立穀稈を前処理部に導入する作業状態(第一作業状態に相当)になる。
一方、前処理部が中割り作業位置にスライド操作されると、一方の分草具間に一つの植え付け条の植立穀稈を、他方の分草具間に二つの植え付け条の植立穀稈をそれぞれ導入しながら作業する。すなわち、三つの植え付け条の植立穀稈を前処理部に導入する作業状態(第二作業状態に相当)になる。
【0003】
【特許文献1】特開平10−210847号公報(段落〔0023〕、〔0032〕、図7,8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した第一作業状態での作業を行う際、作業走行速度を速く調節し、第二作業状態での作業を行う際、作業走行速度を遅く調節すると、第一作業状態での作業も第二作業状態での作業も有利に行うことができる。
つまり、第一作業状態での作業と第二作業状態での作業とを同一の作業走行速度で行うと、第二作業状態での作業時における脱穀装置の単位時間当たりの穀稈供給量が、第一作業状態での作業時におけるその穀稈供給量よりも多くなるなどに起因し、第二作業状態でのエンジン負荷が、第一作業状態でのエンジン負荷よりも大になる。これにより、第一作業状態での作業走行速度を、第二作業状態での作業速度よりも速くなるよう、かつエンジン負荷が過大にならないよう調節し、第二作業状態での作業走行速度を、第一作業状態での作業速度よりも遅くなるよう、かつエンジン負荷が過小にならないよう調節すれば、第一作業状態での作業も第二作業状態での作業もエンジン出力を適切かつ有効に利用しながら行うことができる。
【0005】
従来、走行用変速装置を人為的に変速操作するよう人為操作自在な変速操作具を備えたコンバインが存在しているが、この種のコンバインでは、エンジン出力の適切かつ有効な利用が行いにくくなっていた。
つまり、変速操作具を操作することによって変化した走行用変速装置の変速状態が、第一作業状態あるいは第二作業状態の作業走行速度を現出する変速状態であるか否かを認識しにくく、走行用変速装置を第一作業状態あるいは第二作業状態の作業走行速度を現出する適切な変速状態に変速操作しにくくなっていた。
【0006】
本発明の目的は、走行用変速装置を人為操作自在な変速操作具によって変速操作するものでありながら、第一作業状態での作業も第二作業状態での作業も適切な作業走行速度で行いやすいコンバインを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本第1発明は、複数の植付け条の植立穀稈を刈取り処理する刈取り処理幅を有した刈取り部と、走行用変速装置を変速操作する人為操作自在な変速操作具とを備えたコンバインにおいて、
前記走行用変速装置の変速状態が、前記複数の植付け条よりも少数の植付け条の植立穀稈を前記刈取り部に導入する第一作業状態の作業走行速度を現出する変速状態であるか、あるいは前記複数の植付け条の植立穀稈を前記刈取り部に導入する第二作業状態の作業走行速度を現出する変速状態であるかを操縦者に認識させる認識手段を備えてある。
【0008】
本第1発明の構成によると、変速操作具の人為操作による走行用変速装置の変速操作に伴って走行用変速装置の変速状態が第一作業状態の作業走行速度を現出する変速状態、あるいは第二作業状態の作業走行速度を現出する変速状態になれば、認識手段によって認識することができる。これにより、第一作業状態あるいは第二作業状態での作業を行う際、走行用変速装置をそれぞれに適切な変速状態に変速操作し、第一作業状態あるいは第二作業状態の作業走行速度を確実に現出することができる。
【0009】
従って、走行用変速装置を人為操作によって変速操作するものでありながら、第一作業状態での作業を行う際も第二作業状態での作業を行う際も、適切な作業走行速度を現出させてエンジン出力を適切かつ有効に利用することができる。
【0010】
本第2発明は、前記変速操作具の前記走行用変速装置を前記第二作業状態のための変速状態に操作する操作域を示す第二作業指標と、前記変速操作具の前記走行用変速装置を作業走行のための変速状態に操作する操作域を示す作業指標とを備えて前記認識手段を構成してある。
【0011】
本第2発明の構成によると、変速操作具が第二作業指標によって示される操作域に位置したことを知ることにより、走行用変速装置の変速状態が第二作業状態の作業走行速度を現出する変速状態になったと認識することができ、変速操作具が作業指標によって示される操作域のうちの第二作業指標によって示される操作域から外れた操作域に位置したことを知ることにより、走行用変速装置が第一作業状態の作業走行速度を現出する変速状態になったと認識することができる。
【0012】
従って、走行用変速装置を人為操作によって変速操作するものでありながら、第一作業状態での作業も第二作業状態での作業もエンジン出力を適切かつ有効に利用して行えるよう第一作業状態や第二作業状態に適切な作業走行速度を確実に現出させることができるコンバインを、第二作業指標と作業指標とを備えた簡単な認識手段を備えるだけで安価に得ることができる。
【0013】
本第3発明は、前記変速操作具の前記走行用変速装置を前記第一作業状態のための変速状態に操作する操作域と、前記変速操作具の前記走行用変速装置を前記第二作業状態のための変速状態に操作する操作域とを、前記変速操作具の前記走行用変速装置を変速操作する移動方向と異なる方向に位置ずれさせて前記認識手段を構成してある。
【0014】
本第3発明の構成によると、変速操作具を走行用変速装置が第一作業状態の作業走行速度を現出する変速状態になる操作域に操作した場合と、変速操作具を走行用変速装置が第二作業状態の作業走行速度を現出する変速状態になる操作域に操作した場合とでは、変速操作具が走行用変速装置を変速操作するための移動方向と異なる方向に位置ずれることにより、走行用変速装置が第一作業走行速度を現出する変速状態に、あるいは第二作業走行速度を現出する変速状態になったと認識することができる。
【0015】
従って、走行用変速装置を人為操作によって変速操作するものでありながら、第一作業状態での作業も第二作業状態での作業もエンジン出力を適切かつ有効に利用して行えるよう第一作業状態や第二作業状態に適切な作業走行速度を確実に現出させることができるコンバインを、操作域が位置ずれした簡単な認識手段を備えるだけで安価に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に係るコンバインの全体の左側面図である。図2は、本発明の実施例に係るコンバインの全体平面図である。図3は、本発明の実施例に係るコンバインの正面図である。図4は、本発明の実施例に係るコンバインの全体の右側面図である。これらの図に示すように、本発明の実施例に係るコンバインは、左右一対のクローラ式の走行装置1,1によって自走する走行機体と、この走行機体の機体フレーム2の前部に連結された刈取り部10と、前記機体フレーム2の後側に走行機体横方向に並べて設けた脱穀装置3と穀粒タンク4とを備えて構成してある。このコンバインは、稲、麦などを収穫するものである。
【0017】
すなわち、走行機体は、前記左右一対の走行装置1,1を備える他、前記穀粒タンク4の前方に位置する運転座席5が装備された運転部6を備え、前記運転座席5の下方に設けたエンジン7(図5参照)が装備された原動部を備えている。
【0018】
前記刈取り部10は、前記機体フレーム2の前部に前記運転部6の横側方で上下揺動自在に支持された主フレーム15aを有した刈取り部フレーム15を備えている。この刈取り部フレーム15は、前記主フレーム15aを備える他、この主フレーム15aの先端部に走行機体横方向に並べて連結された三本の分草フレーム15bを備えて構成してある。刈取り部10は、前記刈取り部フレーム15が前記主フレーム15aと前記機体フレーム2とに連結された油圧シリンダ16によって機体フレーム2に対して上下に揺動操作されることにより、前記各分草フレーム15bの前端部に設けてある分草具11が地面近くに下降した下降作業状態と、前記分草具11が地面から高く上昇した上昇非作業状態とに昇降する。
【0019】
刈取り部10を下降作業状態にして走行機体を走行させると、刈取り部10は、前記分草具11によって植立穀稈を刈り取り対象と非刈り取り対象とに分草し、各分草具11からの刈り取り対象の植立穀稈を左右一対の引起し経路のうちの対応する方の引起し経路に導入してその引起し経路の横側部に位置する引起し装置12によって引起し処理するとともに一つのバリカン形の刈取り装置13によって刈取り処理し、刈取り穀稈を供給装置14によって機体後方向きに搬送して脱穀装置3の脱穀フィードチェーン3aに供給する。
【0020】
図3に示すように、刈取り部10は、前記三つの分草具11のうちの走行機体横方向での両端に位置する分草具11の先端どうしの距離を刈取り処理幅Wとして備えている。三つの分草具11のうちの最も運転部6に近い分草具11と中央に位置する分草具11との先端どうしの距離が、最も運転部6から離れている分草具11と中央に位置する分草具11との先端どうしの距離よりも大になっている。前記刈取り処理幅Wは、走行機体の全幅とほぼ等しくなっている。刈取り部10は、前記刈取り処理幅Wを備える作業部位が走行機体の直前方に位置した状態で機体フレーム2に連結している。すなわち、刈取り部10は、回刈り作業と中割刈り作業と周囲刈り作業とを可能にしている。
【0021】
図10(イ)は、第一作業状態としての回刈り作業状態での刈取り部10の平面図である。回刈り作業は、走行機体の運転部側の横側に既刈り地が位置し、走行機体の運転部側とは反対側の横側に未刈り地が位置する状態で作業する。この図に示すように、回刈り作業では、刈取り部10の分草具間距離が大である側(運転部側)の分草具間に一つの植え付け条の植立穀稈aを、分草具間距離が小である側(運転部側とは反対側)の分草具間に一つの植え付け条の植立穀稈aをそれぞれ導入しながら作業する。いわゆる二条刈りの作業をする。
【0022】
図10(ロ)は、第二作業状態としての中割刈り作業と周囲刈り作業とでの刈取り部10の平面図である。中割刈り作業は、走行機体の両横側に未刈り地が位置する状態で作業する。周囲刈り作業は、走行機体の一方の横側に畦が位置する状態で畦に沿って走行しながら作業する。この図に示すように、中割刈り作業と周囲刈り作業とでは、刈取り部10は、分草具間距離が大である側の分草具間に二つの植え付け条の植立穀稈aを、分草具間距離が小である側の分草具間に一つの植え付け条の植立穀稈aをそれぞれ導入しながら作業する。いわゆる三条刈りの作業をする。
【0023】
脱穀装置3は、脱穀フィードチェーン3aによって刈取り穀稈の株元側を機体後方向きに挟持搬送しながら穂先側を扱室(図示せず)に供給して脱穀処理する。穀粒タンク4は、脱穀装置3からの脱穀粒を供給されて貯留する。
【0024】
図5は、走行用と刈り取り用との伝動構造の側面図である。この図に示すように、前記伝動構造は、前記機体フレーム2の前部に設けた走行用ミッションケース20を備え、この走行用ミッションケース20の上部に自走機体横向きに設けた入力軸21を、伝動ベルト22を介して前記エンジン7の出力軸7aに連動させ、前記走行用ミッションケース20の下部に自走機体横向きに設けた左右一対の走行出力軸23,23の端部に、対応する側の前記走行装置1のクローラ駆動輪体1aを一体回転自在に設け、前記走行用ミッションケース20の上部に自走機体横向きに設けた刈取り出力軸24を、伝動ベルト25を介して刈取り部10の入力軸17に連動させている。
【0025】
前記伝動ベルト22は、走行用ベルトテンションクラッチを構成している。刈取り部10の前記入力軸17は、前記主フレーム15aの機体フレーム2に回動自在に連結している基部15cに回転自在に支持されている。
【0026】
図6は、前記走行用ミッションケース20の縦断正面図である。この図に示すように、前記走行用ミッションケース20は、前記入力軸21と前記左右一対の走行出力軸23,23と前記刈取り出力軸24とを備える他、前記入力軸21を走行用変速装置31などによって前記左右一対の走行出力軸23,23に連動させる走行伝動機構30と、前記入力軸21に一体回転自在に設けた伝動ギヤ41などによって前記入力軸21を前記刈取り出力軸24に連動させる刈取り伝動機構40とを備えている。
【0027】
図6に示すように、前記走行伝動機構30は、前記走行用変速装置31を備える他、この走行用速装置31の出力軸32のギヤ部に噛み合った伝動ギヤ33と、この伝動ギヤ33の回転支軸34に一体回転自在に設けた伝動ギヤ35と、この伝動ギヤ35に噛み合った伝動ギヤ36と、この伝動ギヤ36が一体回転自在に連結している伝動軸37と、この伝動軸37の両端部に振り分けて設けた左右一対の噛み合い式の操向クラッチ38,38と、前記左側の操向クラッチ38の出力ギヤ38aに噛み合った状態で前記左側の走行出力軸23に一体回転自在に設けた伝動ギヤ39と、前記右側の操向クラッチ38の出力ギヤ38aに噛み合った状態で前記右側の走行出力軸23に一体回転自在に設けた伝動ギヤ39とを備えている。
【0028】
前記走行用変速装置31は、前記入力軸21をポンプ軸として備えた可変容量形でアキシャルプランジャ形の油圧ポンプ31aと、この油圧ポンプ31aからの圧油によって駆動されるとともに前記出力軸32をモータ軸として備えたアキシャルプランジャ形の油圧モータ31bとを備えて構成してある。つまり、走行用変速装置31は、油圧ポンプ31aの斜板角を変更操作されることにより、入力軸21の駆動力を前進側と後進側の駆動力に変換して、かつ前進側においても後進側においても無段階に変速して出力軸32から出力するよう静油圧式の無段変速装置になっている。
【0029】
前記刈取り伝動機構40は、前記伝動ギヤ41を備える他、この伝動ギヤ41に噛み合った伝動ギヤ42と、この伝動ギヤ42の回転支軸43に一体回転自在に設けた伝動ギヤ44と、この伝動ギヤ44に噛み合った状態で刈取り出力軸24に一体回転自在に設けた伝動ギヤ45とを備えている。
【0030】
前記走行用ミッションケース20は、前記伝動軸37の両端側に振り分け配置した左右一対の操向ブレーキB,Bを備えている。前記各操向ブレーキBは、前記操向クラッチ38の出力ギヤ38aに一体回転自在に係合した複数枚のブレーキプレートと、走行用ミッションケース20に係止された複数枚の摩擦プレートとを備えており、多板式の摩擦ブレーキになっている。
【0031】
図7は、走行操作装置の正面図である。図8は、走行操作装置の側面図である。これらの図に示すように、前記走行操作装置は、前記運転部6に前記運転座席5の横側方に配置して設けた操作パネル50と、この操作パネル50を挿通したレバー形の変速操作具51とを備えている。
【0032】
前記変速操作具51は、操作パネル50の下方で支持フレーム52に操作具支持体53を介して支持されている。支持フレーム52は、機体フレーム2に固定されている。変速操作具51と操作具支持体53とは、連結ピン54を介して連結し、操作具支持体53と支持フレーム52とは、支軸55を介して連結している。
つまり、変速操作具51は、連結ピン54の軸芯まわりに操作パネル50が備えるガイド溝56(図9参照)に沿って機体横方向に揺動し、支軸55の機体横向き軸芯まわりに前記ガイド溝56に沿って機体前後方向に揺動する。
【0033】
前記操作具支持体53は、この操作具支持体53の出力部に一端側が連結された連動ロッド57を介して前記走行用変速装置31の変速操作部31cに連動されている。つまり、変速操作具51は、操作具支持体53と連動ロッド57とを介して走行用変速装置31の変速操作部31aに連動している。
【0034】
図9は、前記変速操作具51の操作域の平面図である。この図に示すように、前記ガイド溝56の機体前方側部が変速操作具31の前進操作域Fを形成し、前記ガイド溝56の中間部が変速操作具31の中立位置Nを形成し、前記ガイド溝56の機体後方側部が変速操作具31の後進操作域Rを形成している。
【0035】
図9に示すように、前記操作パネル50は、前記ガイド溝56の付近に変速操作具51の移動方向に並べて設けた移動指標60と認識手段61と中立指標62と後進指標63とを備えている。
【0036】
前記移動指標60は、「移動」という文字の表記60aと、ガイド溝56の機体前方側部分の両横側に沿った操作域指示60bとによって前記前進操作域Fのうちの移動用の操作域70(以下、移動操作域70と称する。)を表示する。前記移動操作域70は、走行機体を移動前進させるよう変速操作具51を操作する操作域である。すなわち、移動操作域70に変速操作具51が操作されると、変速操作具51は、走行用変速装置31を移動走行のための変速状態(以下、移動用変速状態と称する)に変速操作する。走行用変速装置31の移動用変速状態は、左右一対の走行装置1,1を移動用の前進走行速度で駆動する変速状態である。
【0037】
前記中立指標62は、「N」というアルファベットの表記62aと、前記ガイド溝56の中間部分の一方の横側に沿った操作位置指示62bとによって前記中立位置Nを表示する。前記後進指標63は、「後進」という文字の表記63aと、前記ガイド溝56の機体後方側部分の両横側に沿った操作域指示63bとによって前記後進操作域Rを表示する。
【0038】
前記認識手段61は、前記移動指標60と前記中立指標62との間に設けた作業指標64と第二作業指標65とを備えさせ、さらに、前記前進操作域Fのうちの第一作業用の操作域71(以下、第一作業操作域71と称する。)と第二作業用の操作域72(以下、第二作業操作域72と称する。)とをガイド溝56の屈曲56aによって位置ずれさせることによって構成してある。
【0039】
第一作業操作域71と第二作業操作域72とは、機体横方向に位置ずれしている。すなわち、第一作業操作域71と第二作業操作域72とは、変速操作具51の走行用変速装置31を変速操作するための移動方向としての機体前後方向とは異なる方向に位置ずれしている。
【0040】
前記作業指標64は、「作業」という文字の表記64aと、前記中立指標62と前記移動指標60との間でガイド溝56の両横側に沿っている操作域指示64bとを備えて構成してある。これにより、作業指標64は、前記表記64aと前記一対の操作域指示64b,64bとによって前記第一作業操作域71と前記第二作業操作域72とを表示する。
【0041】
前記第二作業指標65は、「中割・周囲刈」という文字の表記65aと、前記作業指標64の前記操作域指示64bよりも変速操作具移動方向での長さが短い操作域指示65bとを備えて構成してある。第二作業指標65の前記操作域指示65bは、前記表記65aを囲った矩形図画で成る。第二作業指標65は、前記表記65aと前記操作域指示65bとによって前記第一作業操作域71と前記第二作業操作域72とのうちの前記中立位置Nに近い方の第二作業操作域72を表示する。
【0042】
前記第一作業操作域71は、走行機体を前記第一作業状態での作業走行速度で走行させるよう変速操作具51を操作する操作域である。すなわち、第一作業操作域71に変速操作具51が操作されると、変速操作具51は、走行用変速装置31を第一作業状態のための変速状態(以下、第一作業用変速状態と称する。)に変速操作する。第一作業用変速状態は、第一作業状態での作業がエンジン出力を適切かつ有効に利用した状態で行われるものとして設定した作業走行速度で走行機体を前進走行させるよう走行装置1を駆動するための変速状態である。
【0043】
前記第二作業操作域72は、走行機体を前記第一作業状態での作業のために走行させるよう変速操作具51を操作する操作域である。すなわち、第二作業操作域72に変速操作具51が操作されると、変速操作具51は、走行用変速装置31を第二作業状態のための変速状態(以下、第二作業用変速状態と称する。)に変速操作する。第二作業用変速状態は、第二作業状態での作業がエンジン出力を適切かつ有効に利用した状態で行われるものとして設定した作業走行速度で走行機体を前進走行させるよう走行装置1を駆動するための変速状態である。第二作業状態のために設定した作業走行速度は、第一作業状態のために設定した作業走行速度よりも低速になっている。
【0044】
変速操作具51が第一作業操作域71と第二作業操作域72とに位置することを作業指標64による表示によって知ることができる。変速操作具51が第二作業操作域72に位置することを第二作業指標65による表示によって知ることができる。変速操作具51が第一作業操作域71と第二作業操作域72との一方から他方に移動したことを、変速操作具51のその移動の際の機体横方向への位置ずれによって知ることができる。
【0045】
これにより、認識手段61は、作業指標64と第二作業指標65とによって第一作業操作域71を表示することと、第一作業操作域71と第二作業操作域72との位置ずれによって変速操作具51の第一作業操作域71への移動を意識付けることとにより、変速操作具51が第一作業操作域71に位置したと操縦者に判断させ、これによって走行用変速装置31が第一作業用変速状態にあると操縦者に認識させる。認識手段61は、第二作業指標65によって第二作業操作域72を表示することと、第一作業操作域71と第二作業操作域72との位置ずれとによって変速操作具51の第二作業操作域72への移動を意識つけることとにより、変速操作具51が第二作業操作域72に位置したと操縦者に判断させ、これによって走行用変速装置31が第二作業用変速状態にあると操縦者に認識させる。
【0046】
移動指標60の操作域指示60bと、作業指標64の操作域指示64bと、第二作業指標65の操作域指示65bと、中立指標62の操位置指示62bと、前記後進指標63の操作域指示63bとは、異なる色の着色を備えて変速操作具51がいずれの操作域に位置したかを判別しやすくしている。
【0047】
つまり、移動走行の場合、変速操作具51を支軸55の軸芯まわりにガイド溝56に沿わせて機体前方側に揺動操作して前進域Fの移動操作域70に操作する。すると、走行用変速装置31を作業走行速度よりも高速の移動走行速度を現出する変速状態に変速操作でき、左右一対の走行装置1,1が作業走行時よりも高速で前進駆動される。この場合、変速操作具51をより機体前方側に揺動操作するほど、走行用変速装置31の出力速度が増速する。
【0048】
作業走行の場合、変速操作具51を支軸51の軸芯まわりにガイド溝56に沿わせて機体前方側に揺動操作して前進域Fの第一作業操作域71又は第二作業操作域72に操作して走行用変速装置31を変速操作する。このとき、走行用変速装置31が第一作業状態の作業走行速度を現出する第一作業用の変速状態になったか、あるいは第二作業状態の作業走行速度を現出する第二作業用の変速状態になったかを認識手段61によって認識し、回刈り作業の場合には、走行用変速装置31を第一作業用の変速状態に変速操作し、中割刈り作業や周囲刈り作業の場合には、走行用変速装置31を第二作業用の変速状態に変速操作する。
すると、回刈り作業の場合、左右一対の走行装置1,1が移動走行時よりも低速で、かつ中割刈りや周囲刈り作業の場合よりも高速で前進駆動される。中割刈りや周囲刈り作業の場合、左右一対の走行装置1,1を移動走行時よりも低速で、かつ回刈り作業の場合よりも低速で前進駆動される。
【0049】
後進走行の場合、変速操作具31を支軸54の軸芯まわりにガイド溝56に沿わせて機体後方側に揺動操作して後進域Rに操作する。すると、走行用変速装置31を後進駆動の変速状態に変速操作でき、左右一対の走行装置1,1が後進駆動される。この場合、変速操作具31をより機体後方側に揺動操作するほど、走行用変速装置31の出力速度が増速する。
【0050】
変速操作具31を中立位置Nに操作すると、走行用変速装置31が中立状態になり、左右一対の走行装置1,1の駆動が停止されて走行停止する。
【0051】
図2、図11に示すように、前記運転部6は、前記操作パネル50の運転座席側とは反対側の横外側に設けた操作レバー75を備えている。この操作レバー75は、機体前後方向に揺動操作されることにより、図2に示す分草杆76を下降使用位置と上昇格納位置とに切り換え操作する。この操作レバー75は、伸縮自在になっている。すなわち、使用の際、伸長状態にして分草杆76を軽く操作でき、不使用の際、短縮状態にして障害物になりにくくできる。
【0052】
〔別実施例〕
認識手段61として、上記した実施例の構成に替え、ランプや音声による表示や報知によって所定の認識をさせる構成、変速操作具51の操作抵抗の変化によって所定の認識をさせる構成を採用して実施してもよい。これらの場合も、本発明の目的を達成することができる。
【0053】
刈取り部10として、上記した実施例の構成に替え、分草具間隔が小である方の分草具間が運転部側に位置し、分草具間隔が大である方の分草具間が運転部側とは反対側に位置した構成、または三つ以上の引起し経路を備えた構成を採用して実施してもよい。いずれの構成を採用したものにおいても、本発明の目的を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】コンバインの全体の左側面図
【図2】コンバインの全体平面図
【図3】コンバインの正面図
【図4】コンバインの全体の右側面図
【図5】伝動構造の側面図
【図6】走行用ミッションケースの縦断正面図
【図7】走行操作装置の正面図
【図8】走行操作装置の側面図
【図9】変速操作具の操作域の平面図
【図10】(イ)は、刈取り部の第一作業状態での平面図、(ロ)は、刈取り部の第二作業状態での平面図
【図11】分草杆用操作レバーの側面図
【符号の説明】
【0055】
10 刈取り部
31 走行用変速装置
51 変速操作具
61 認識手段
64 作業指標
65 第二作業指標
71,72 作業指標が示す操作域
72 第二作業指標が示す操作域
W 刈取り処理幅
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の植付け条の植立穀稈を刈取り処理する刈取り処理幅を有した刈取り部と、走行用変速装置を変速操作する人為操作自在な変速操作具とを備えたコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の植付け条の植立穀稈を刈取り処理する刈取り処理幅を有した刈取り部を備え、前記複数の植付け条よりも少数の植付け条の植立穀稈を刈取り部に導入する第一作業状態での作業と、前記複数の植付け条の植立穀稈を刈取り部に導入する第二作業状態での作業とを行うことが可能なコンバインとして、従来、たとえば特許文献1に記載されたものがあった。
特許文献1に記載されたコンバインは、三つの分草具が横方向に並んだ前処理部(刈取り部に相当)を備えている。この前処理部は、走行機体の運転部側とは反対側に位置した回刈り作業位置と、走行機体の運転部側に寄った中割り作業位置とに横スライド操作自在に支持されている。
前処理部が回刈り作業位置にスライド操作されると、一方の分草具間と他方の分草具間とに一つの植え付け条の植立穀稈を導入しながら作業する。すなわち、二つの植付け条の植立穀稈を前処理部に導入する作業状態(第一作業状態に相当)になる。
一方、前処理部が中割り作業位置にスライド操作されると、一方の分草具間に一つの植え付け条の植立穀稈を、他方の分草具間に二つの植え付け条の植立穀稈をそれぞれ導入しながら作業する。すなわち、三つの植え付け条の植立穀稈を前処理部に導入する作業状態(第二作業状態に相当)になる。
【0003】
【特許文献1】特開平10−210847号公報(段落〔0023〕、〔0032〕、図7,8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した第一作業状態での作業を行う際、作業走行速度を速く調節し、第二作業状態での作業を行う際、作業走行速度を遅く調節すると、第一作業状態での作業も第二作業状態での作業も有利に行うことができる。
つまり、第一作業状態での作業と第二作業状態での作業とを同一の作業走行速度で行うと、第二作業状態での作業時における脱穀装置の単位時間当たりの穀稈供給量が、第一作業状態での作業時におけるその穀稈供給量よりも多くなるなどに起因し、第二作業状態でのエンジン負荷が、第一作業状態でのエンジン負荷よりも大になる。これにより、第一作業状態での作業走行速度を、第二作業状態での作業速度よりも速くなるよう、かつエンジン負荷が過大にならないよう調節し、第二作業状態での作業走行速度を、第一作業状態での作業速度よりも遅くなるよう、かつエンジン負荷が過小にならないよう調節すれば、第一作業状態での作業も第二作業状態での作業もエンジン出力を適切かつ有効に利用しながら行うことができる。
【0005】
従来、走行用変速装置を人為的に変速操作するよう人為操作自在な変速操作具を備えたコンバインが存在しているが、この種のコンバインでは、エンジン出力の適切かつ有効な利用が行いにくくなっていた。
つまり、変速操作具を操作することによって変化した走行用変速装置の変速状態が、第一作業状態あるいは第二作業状態の作業走行速度を現出する変速状態であるか否かを認識しにくく、走行用変速装置を第一作業状態あるいは第二作業状態の作業走行速度を現出する適切な変速状態に変速操作しにくくなっていた。
【0006】
本発明の目的は、走行用変速装置を人為操作自在な変速操作具によって変速操作するものでありながら、第一作業状態での作業も第二作業状態での作業も適切な作業走行速度で行いやすいコンバインを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本第1発明は、複数の植付け条の植立穀稈を刈取り処理する刈取り処理幅を有した刈取り部と、走行用変速装置を変速操作する人為操作自在な変速操作具とを備えたコンバインにおいて、
前記走行用変速装置の変速状態が、前記複数の植付け条よりも少数の植付け条の植立穀稈を前記刈取り部に導入する第一作業状態の作業走行速度を現出する変速状態であるか、あるいは前記複数の植付け条の植立穀稈を前記刈取り部に導入する第二作業状態の作業走行速度を現出する変速状態であるかを操縦者に認識させる認識手段を備えてある。
【0008】
本第1発明の構成によると、変速操作具の人為操作による走行用変速装置の変速操作に伴って走行用変速装置の変速状態が第一作業状態の作業走行速度を現出する変速状態、あるいは第二作業状態の作業走行速度を現出する変速状態になれば、認識手段によって認識することができる。これにより、第一作業状態あるいは第二作業状態での作業を行う際、走行用変速装置をそれぞれに適切な変速状態に変速操作し、第一作業状態あるいは第二作業状態の作業走行速度を確実に現出することができる。
【0009】
従って、走行用変速装置を人為操作によって変速操作するものでありながら、第一作業状態での作業を行う際も第二作業状態での作業を行う際も、適切な作業走行速度を現出させてエンジン出力を適切かつ有効に利用することができる。
【0010】
本第2発明は、前記変速操作具の前記走行用変速装置を前記第二作業状態のための変速状態に操作する操作域を示す第二作業指標と、前記変速操作具の前記走行用変速装置を作業走行のための変速状態に操作する操作域を示す作業指標とを備えて前記認識手段を構成してある。
【0011】
本第2発明の構成によると、変速操作具が第二作業指標によって示される操作域に位置したことを知ることにより、走行用変速装置の変速状態が第二作業状態の作業走行速度を現出する変速状態になったと認識することができ、変速操作具が作業指標によって示される操作域のうちの第二作業指標によって示される操作域から外れた操作域に位置したことを知ることにより、走行用変速装置が第一作業状態の作業走行速度を現出する変速状態になったと認識することができる。
【0012】
従って、走行用変速装置を人為操作によって変速操作するものでありながら、第一作業状態での作業も第二作業状態での作業もエンジン出力を適切かつ有効に利用して行えるよう第一作業状態や第二作業状態に適切な作業走行速度を確実に現出させることができるコンバインを、第二作業指標と作業指標とを備えた簡単な認識手段を備えるだけで安価に得ることができる。
【0013】
本第3発明は、前記変速操作具の前記走行用変速装置を前記第一作業状態のための変速状態に操作する操作域と、前記変速操作具の前記走行用変速装置を前記第二作業状態のための変速状態に操作する操作域とを、前記変速操作具の前記走行用変速装置を変速操作する移動方向と異なる方向に位置ずれさせて前記認識手段を構成してある。
【0014】
本第3発明の構成によると、変速操作具を走行用変速装置が第一作業状態の作業走行速度を現出する変速状態になる操作域に操作した場合と、変速操作具を走行用変速装置が第二作業状態の作業走行速度を現出する変速状態になる操作域に操作した場合とでは、変速操作具が走行用変速装置を変速操作するための移動方向と異なる方向に位置ずれることにより、走行用変速装置が第一作業走行速度を現出する変速状態に、あるいは第二作業走行速度を現出する変速状態になったと認識することができる。
【0015】
従って、走行用変速装置を人為操作によって変速操作するものでありながら、第一作業状態での作業も第二作業状態での作業もエンジン出力を適切かつ有効に利用して行えるよう第一作業状態や第二作業状態に適切な作業走行速度を確実に現出させることができるコンバインを、操作域が位置ずれした簡単な認識手段を備えるだけで安価に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に係るコンバインの全体の左側面図である。図2は、本発明の実施例に係るコンバインの全体平面図である。図3は、本発明の実施例に係るコンバインの正面図である。図4は、本発明の実施例に係るコンバインの全体の右側面図である。これらの図に示すように、本発明の実施例に係るコンバインは、左右一対のクローラ式の走行装置1,1によって自走する走行機体と、この走行機体の機体フレーム2の前部に連結された刈取り部10と、前記機体フレーム2の後側に走行機体横方向に並べて設けた脱穀装置3と穀粒タンク4とを備えて構成してある。このコンバインは、稲、麦などを収穫するものである。
【0017】
すなわち、走行機体は、前記左右一対の走行装置1,1を備える他、前記穀粒タンク4の前方に位置する運転座席5が装備された運転部6を備え、前記運転座席5の下方に設けたエンジン7(図5参照)が装備された原動部を備えている。
【0018】
前記刈取り部10は、前記機体フレーム2の前部に前記運転部6の横側方で上下揺動自在に支持された主フレーム15aを有した刈取り部フレーム15を備えている。この刈取り部フレーム15は、前記主フレーム15aを備える他、この主フレーム15aの先端部に走行機体横方向に並べて連結された三本の分草フレーム15bを備えて構成してある。刈取り部10は、前記刈取り部フレーム15が前記主フレーム15aと前記機体フレーム2とに連結された油圧シリンダ16によって機体フレーム2に対して上下に揺動操作されることにより、前記各分草フレーム15bの前端部に設けてある分草具11が地面近くに下降した下降作業状態と、前記分草具11が地面から高く上昇した上昇非作業状態とに昇降する。
【0019】
刈取り部10を下降作業状態にして走行機体を走行させると、刈取り部10は、前記分草具11によって植立穀稈を刈り取り対象と非刈り取り対象とに分草し、各分草具11からの刈り取り対象の植立穀稈を左右一対の引起し経路のうちの対応する方の引起し経路に導入してその引起し経路の横側部に位置する引起し装置12によって引起し処理するとともに一つのバリカン形の刈取り装置13によって刈取り処理し、刈取り穀稈を供給装置14によって機体後方向きに搬送して脱穀装置3の脱穀フィードチェーン3aに供給する。
【0020】
図3に示すように、刈取り部10は、前記三つの分草具11のうちの走行機体横方向での両端に位置する分草具11の先端どうしの距離を刈取り処理幅Wとして備えている。三つの分草具11のうちの最も運転部6に近い分草具11と中央に位置する分草具11との先端どうしの距離が、最も運転部6から離れている分草具11と中央に位置する分草具11との先端どうしの距離よりも大になっている。前記刈取り処理幅Wは、走行機体の全幅とほぼ等しくなっている。刈取り部10は、前記刈取り処理幅Wを備える作業部位が走行機体の直前方に位置した状態で機体フレーム2に連結している。すなわち、刈取り部10は、回刈り作業と中割刈り作業と周囲刈り作業とを可能にしている。
【0021】
図10(イ)は、第一作業状態としての回刈り作業状態での刈取り部10の平面図である。回刈り作業は、走行機体の運転部側の横側に既刈り地が位置し、走行機体の運転部側とは反対側の横側に未刈り地が位置する状態で作業する。この図に示すように、回刈り作業では、刈取り部10の分草具間距離が大である側(運転部側)の分草具間に一つの植え付け条の植立穀稈aを、分草具間距離が小である側(運転部側とは反対側)の分草具間に一つの植え付け条の植立穀稈aをそれぞれ導入しながら作業する。いわゆる二条刈りの作業をする。
【0022】
図10(ロ)は、第二作業状態としての中割刈り作業と周囲刈り作業とでの刈取り部10の平面図である。中割刈り作業は、走行機体の両横側に未刈り地が位置する状態で作業する。周囲刈り作業は、走行機体の一方の横側に畦が位置する状態で畦に沿って走行しながら作業する。この図に示すように、中割刈り作業と周囲刈り作業とでは、刈取り部10は、分草具間距離が大である側の分草具間に二つの植え付け条の植立穀稈aを、分草具間距離が小である側の分草具間に一つの植え付け条の植立穀稈aをそれぞれ導入しながら作業する。いわゆる三条刈りの作業をする。
【0023】
脱穀装置3は、脱穀フィードチェーン3aによって刈取り穀稈の株元側を機体後方向きに挟持搬送しながら穂先側を扱室(図示せず)に供給して脱穀処理する。穀粒タンク4は、脱穀装置3からの脱穀粒を供給されて貯留する。
【0024】
図5は、走行用と刈り取り用との伝動構造の側面図である。この図に示すように、前記伝動構造は、前記機体フレーム2の前部に設けた走行用ミッションケース20を備え、この走行用ミッションケース20の上部に自走機体横向きに設けた入力軸21を、伝動ベルト22を介して前記エンジン7の出力軸7aに連動させ、前記走行用ミッションケース20の下部に自走機体横向きに設けた左右一対の走行出力軸23,23の端部に、対応する側の前記走行装置1のクローラ駆動輪体1aを一体回転自在に設け、前記走行用ミッションケース20の上部に自走機体横向きに設けた刈取り出力軸24を、伝動ベルト25を介して刈取り部10の入力軸17に連動させている。
【0025】
前記伝動ベルト22は、走行用ベルトテンションクラッチを構成している。刈取り部10の前記入力軸17は、前記主フレーム15aの機体フレーム2に回動自在に連結している基部15cに回転自在に支持されている。
【0026】
図6は、前記走行用ミッションケース20の縦断正面図である。この図に示すように、前記走行用ミッションケース20は、前記入力軸21と前記左右一対の走行出力軸23,23と前記刈取り出力軸24とを備える他、前記入力軸21を走行用変速装置31などによって前記左右一対の走行出力軸23,23に連動させる走行伝動機構30と、前記入力軸21に一体回転自在に設けた伝動ギヤ41などによって前記入力軸21を前記刈取り出力軸24に連動させる刈取り伝動機構40とを備えている。
【0027】
図6に示すように、前記走行伝動機構30は、前記走行用変速装置31を備える他、この走行用速装置31の出力軸32のギヤ部に噛み合った伝動ギヤ33と、この伝動ギヤ33の回転支軸34に一体回転自在に設けた伝動ギヤ35と、この伝動ギヤ35に噛み合った伝動ギヤ36と、この伝動ギヤ36が一体回転自在に連結している伝動軸37と、この伝動軸37の両端部に振り分けて設けた左右一対の噛み合い式の操向クラッチ38,38と、前記左側の操向クラッチ38の出力ギヤ38aに噛み合った状態で前記左側の走行出力軸23に一体回転自在に設けた伝動ギヤ39と、前記右側の操向クラッチ38の出力ギヤ38aに噛み合った状態で前記右側の走行出力軸23に一体回転自在に設けた伝動ギヤ39とを備えている。
【0028】
前記走行用変速装置31は、前記入力軸21をポンプ軸として備えた可変容量形でアキシャルプランジャ形の油圧ポンプ31aと、この油圧ポンプ31aからの圧油によって駆動されるとともに前記出力軸32をモータ軸として備えたアキシャルプランジャ形の油圧モータ31bとを備えて構成してある。つまり、走行用変速装置31は、油圧ポンプ31aの斜板角を変更操作されることにより、入力軸21の駆動力を前進側と後進側の駆動力に変換して、かつ前進側においても後進側においても無段階に変速して出力軸32から出力するよう静油圧式の無段変速装置になっている。
【0029】
前記刈取り伝動機構40は、前記伝動ギヤ41を備える他、この伝動ギヤ41に噛み合った伝動ギヤ42と、この伝動ギヤ42の回転支軸43に一体回転自在に設けた伝動ギヤ44と、この伝動ギヤ44に噛み合った状態で刈取り出力軸24に一体回転自在に設けた伝動ギヤ45とを備えている。
【0030】
前記走行用ミッションケース20は、前記伝動軸37の両端側に振り分け配置した左右一対の操向ブレーキB,Bを備えている。前記各操向ブレーキBは、前記操向クラッチ38の出力ギヤ38aに一体回転自在に係合した複数枚のブレーキプレートと、走行用ミッションケース20に係止された複数枚の摩擦プレートとを備えており、多板式の摩擦ブレーキになっている。
【0031】
図7は、走行操作装置の正面図である。図8は、走行操作装置の側面図である。これらの図に示すように、前記走行操作装置は、前記運転部6に前記運転座席5の横側方に配置して設けた操作パネル50と、この操作パネル50を挿通したレバー形の変速操作具51とを備えている。
【0032】
前記変速操作具51は、操作パネル50の下方で支持フレーム52に操作具支持体53を介して支持されている。支持フレーム52は、機体フレーム2に固定されている。変速操作具51と操作具支持体53とは、連結ピン54を介して連結し、操作具支持体53と支持フレーム52とは、支軸55を介して連結している。
つまり、変速操作具51は、連結ピン54の軸芯まわりに操作パネル50が備えるガイド溝56(図9参照)に沿って機体横方向に揺動し、支軸55の機体横向き軸芯まわりに前記ガイド溝56に沿って機体前後方向に揺動する。
【0033】
前記操作具支持体53は、この操作具支持体53の出力部に一端側が連結された連動ロッド57を介して前記走行用変速装置31の変速操作部31cに連動されている。つまり、変速操作具51は、操作具支持体53と連動ロッド57とを介して走行用変速装置31の変速操作部31aに連動している。
【0034】
図9は、前記変速操作具51の操作域の平面図である。この図に示すように、前記ガイド溝56の機体前方側部が変速操作具31の前進操作域Fを形成し、前記ガイド溝56の中間部が変速操作具31の中立位置Nを形成し、前記ガイド溝56の機体後方側部が変速操作具31の後進操作域Rを形成している。
【0035】
図9に示すように、前記操作パネル50は、前記ガイド溝56の付近に変速操作具51の移動方向に並べて設けた移動指標60と認識手段61と中立指標62と後進指標63とを備えている。
【0036】
前記移動指標60は、「移動」という文字の表記60aと、ガイド溝56の機体前方側部分の両横側に沿った操作域指示60bとによって前記前進操作域Fのうちの移動用の操作域70(以下、移動操作域70と称する。)を表示する。前記移動操作域70は、走行機体を移動前進させるよう変速操作具51を操作する操作域である。すなわち、移動操作域70に変速操作具51が操作されると、変速操作具51は、走行用変速装置31を移動走行のための変速状態(以下、移動用変速状態と称する)に変速操作する。走行用変速装置31の移動用変速状態は、左右一対の走行装置1,1を移動用の前進走行速度で駆動する変速状態である。
【0037】
前記中立指標62は、「N」というアルファベットの表記62aと、前記ガイド溝56の中間部分の一方の横側に沿った操作位置指示62bとによって前記中立位置Nを表示する。前記後進指標63は、「後進」という文字の表記63aと、前記ガイド溝56の機体後方側部分の両横側に沿った操作域指示63bとによって前記後進操作域Rを表示する。
【0038】
前記認識手段61は、前記移動指標60と前記中立指標62との間に設けた作業指標64と第二作業指標65とを備えさせ、さらに、前記前進操作域Fのうちの第一作業用の操作域71(以下、第一作業操作域71と称する。)と第二作業用の操作域72(以下、第二作業操作域72と称する。)とをガイド溝56の屈曲56aによって位置ずれさせることによって構成してある。
【0039】
第一作業操作域71と第二作業操作域72とは、機体横方向に位置ずれしている。すなわち、第一作業操作域71と第二作業操作域72とは、変速操作具51の走行用変速装置31を変速操作するための移動方向としての機体前後方向とは異なる方向に位置ずれしている。
【0040】
前記作業指標64は、「作業」という文字の表記64aと、前記中立指標62と前記移動指標60との間でガイド溝56の両横側に沿っている操作域指示64bとを備えて構成してある。これにより、作業指標64は、前記表記64aと前記一対の操作域指示64b,64bとによって前記第一作業操作域71と前記第二作業操作域72とを表示する。
【0041】
前記第二作業指標65は、「中割・周囲刈」という文字の表記65aと、前記作業指標64の前記操作域指示64bよりも変速操作具移動方向での長さが短い操作域指示65bとを備えて構成してある。第二作業指標65の前記操作域指示65bは、前記表記65aを囲った矩形図画で成る。第二作業指標65は、前記表記65aと前記操作域指示65bとによって前記第一作業操作域71と前記第二作業操作域72とのうちの前記中立位置Nに近い方の第二作業操作域72を表示する。
【0042】
前記第一作業操作域71は、走行機体を前記第一作業状態での作業走行速度で走行させるよう変速操作具51を操作する操作域である。すなわち、第一作業操作域71に変速操作具51が操作されると、変速操作具51は、走行用変速装置31を第一作業状態のための変速状態(以下、第一作業用変速状態と称する。)に変速操作する。第一作業用変速状態は、第一作業状態での作業がエンジン出力を適切かつ有効に利用した状態で行われるものとして設定した作業走行速度で走行機体を前進走行させるよう走行装置1を駆動するための変速状態である。
【0043】
前記第二作業操作域72は、走行機体を前記第一作業状態での作業のために走行させるよう変速操作具51を操作する操作域である。すなわち、第二作業操作域72に変速操作具51が操作されると、変速操作具51は、走行用変速装置31を第二作業状態のための変速状態(以下、第二作業用変速状態と称する。)に変速操作する。第二作業用変速状態は、第二作業状態での作業がエンジン出力を適切かつ有効に利用した状態で行われるものとして設定した作業走行速度で走行機体を前進走行させるよう走行装置1を駆動するための変速状態である。第二作業状態のために設定した作業走行速度は、第一作業状態のために設定した作業走行速度よりも低速になっている。
【0044】
変速操作具51が第一作業操作域71と第二作業操作域72とに位置することを作業指標64による表示によって知ることができる。変速操作具51が第二作業操作域72に位置することを第二作業指標65による表示によって知ることができる。変速操作具51が第一作業操作域71と第二作業操作域72との一方から他方に移動したことを、変速操作具51のその移動の際の機体横方向への位置ずれによって知ることができる。
【0045】
これにより、認識手段61は、作業指標64と第二作業指標65とによって第一作業操作域71を表示することと、第一作業操作域71と第二作業操作域72との位置ずれによって変速操作具51の第一作業操作域71への移動を意識付けることとにより、変速操作具51が第一作業操作域71に位置したと操縦者に判断させ、これによって走行用変速装置31が第一作業用変速状態にあると操縦者に認識させる。認識手段61は、第二作業指標65によって第二作業操作域72を表示することと、第一作業操作域71と第二作業操作域72との位置ずれとによって変速操作具51の第二作業操作域72への移動を意識つけることとにより、変速操作具51が第二作業操作域72に位置したと操縦者に判断させ、これによって走行用変速装置31が第二作業用変速状態にあると操縦者に認識させる。
【0046】
移動指標60の操作域指示60bと、作業指標64の操作域指示64bと、第二作業指標65の操作域指示65bと、中立指標62の操位置指示62bと、前記後進指標63の操作域指示63bとは、異なる色の着色を備えて変速操作具51がいずれの操作域に位置したかを判別しやすくしている。
【0047】
つまり、移動走行の場合、変速操作具51を支軸55の軸芯まわりにガイド溝56に沿わせて機体前方側に揺動操作して前進域Fの移動操作域70に操作する。すると、走行用変速装置31を作業走行速度よりも高速の移動走行速度を現出する変速状態に変速操作でき、左右一対の走行装置1,1が作業走行時よりも高速で前進駆動される。この場合、変速操作具51をより機体前方側に揺動操作するほど、走行用変速装置31の出力速度が増速する。
【0048】
作業走行の場合、変速操作具51を支軸51の軸芯まわりにガイド溝56に沿わせて機体前方側に揺動操作して前進域Fの第一作業操作域71又は第二作業操作域72に操作して走行用変速装置31を変速操作する。このとき、走行用変速装置31が第一作業状態の作業走行速度を現出する第一作業用の変速状態になったか、あるいは第二作業状態の作業走行速度を現出する第二作業用の変速状態になったかを認識手段61によって認識し、回刈り作業の場合には、走行用変速装置31を第一作業用の変速状態に変速操作し、中割刈り作業や周囲刈り作業の場合には、走行用変速装置31を第二作業用の変速状態に変速操作する。
すると、回刈り作業の場合、左右一対の走行装置1,1が移動走行時よりも低速で、かつ中割刈りや周囲刈り作業の場合よりも高速で前進駆動される。中割刈りや周囲刈り作業の場合、左右一対の走行装置1,1を移動走行時よりも低速で、かつ回刈り作業の場合よりも低速で前進駆動される。
【0049】
後進走行の場合、変速操作具31を支軸54の軸芯まわりにガイド溝56に沿わせて機体後方側に揺動操作して後進域Rに操作する。すると、走行用変速装置31を後進駆動の変速状態に変速操作でき、左右一対の走行装置1,1が後進駆動される。この場合、変速操作具31をより機体後方側に揺動操作するほど、走行用変速装置31の出力速度が増速する。
【0050】
変速操作具31を中立位置Nに操作すると、走行用変速装置31が中立状態になり、左右一対の走行装置1,1の駆動が停止されて走行停止する。
【0051】
図2、図11に示すように、前記運転部6は、前記操作パネル50の運転座席側とは反対側の横外側に設けた操作レバー75を備えている。この操作レバー75は、機体前後方向に揺動操作されることにより、図2に示す分草杆76を下降使用位置と上昇格納位置とに切り換え操作する。この操作レバー75は、伸縮自在になっている。すなわち、使用の際、伸長状態にして分草杆76を軽く操作でき、不使用の際、短縮状態にして障害物になりにくくできる。
【0052】
〔別実施例〕
認識手段61として、上記した実施例の構成に替え、ランプや音声による表示や報知によって所定の認識をさせる構成、変速操作具51の操作抵抗の変化によって所定の認識をさせる構成を採用して実施してもよい。これらの場合も、本発明の目的を達成することができる。
【0053】
刈取り部10として、上記した実施例の構成に替え、分草具間隔が小である方の分草具間が運転部側に位置し、分草具間隔が大である方の分草具間が運転部側とは反対側に位置した構成、または三つ以上の引起し経路を備えた構成を採用して実施してもよい。いずれの構成を採用したものにおいても、本発明の目的を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】コンバインの全体の左側面図
【図2】コンバインの全体平面図
【図3】コンバインの正面図
【図4】コンバインの全体の右側面図
【図5】伝動構造の側面図
【図6】走行用ミッションケースの縦断正面図
【図7】走行操作装置の正面図
【図8】走行操作装置の側面図
【図9】変速操作具の操作域の平面図
【図10】(イ)は、刈取り部の第一作業状態での平面図、(ロ)は、刈取り部の第二作業状態での平面図
【図11】分草杆用操作レバーの側面図
【符号の説明】
【0055】
10 刈取り部
31 走行用変速装置
51 変速操作具
61 認識手段
64 作業指標
65 第二作業指標
71,72 作業指標が示す操作域
72 第二作業指標が示す操作域
W 刈取り処理幅
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の植付け条の植立穀稈を刈取り処理する刈取り処理幅を有した刈取り部と、走行用変速装置を変速操作する人為操作自在な変速操作具とを備えたコンバインであって、
前記走行用変速装置の変速状態が、前記複数の植付け条よりも少数の植付け条の植立穀稈を前記刈取り部に導入する第一作業状態の作業走行速度を現出する変速状態であるか、あるいは前記複数の植付け条の植立穀稈を前記刈取り部に導入する第二作業状態の作業走行速度を現出する変速状態であるかを操縦者に認識させる認識手段を備えてあるコンバイン。
【請求項2】
前記変速操作具の前記走行用変速装置を前記第二作業状態のための変速状態に操作する操作域を示す第二作業指標と、前記変速操作具の前記走行用変速装置を作業走行のための変速状態に操作する操作域を示す作業指標とを備えて前記認識手段を構成してある請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記変速操作具の前記走行用変速装置を前記第一作業状態のための変速状態に操作する操作域と、前記変速操作具の前記走行用変速装置を前記第二作業状態のための変速状態に操作する操作域とを、前記変速操作具の前記走行用変速装置を変速操作する移動方向と異なる方向に位置ずれさせて前記認識手段を構成してある請求項1又は2記載のコンバイン。
【請求項1】
複数の植付け条の植立穀稈を刈取り処理する刈取り処理幅を有した刈取り部と、走行用変速装置を変速操作する人為操作自在な変速操作具とを備えたコンバインであって、
前記走行用変速装置の変速状態が、前記複数の植付け条よりも少数の植付け条の植立穀稈を前記刈取り部に導入する第一作業状態の作業走行速度を現出する変速状態であるか、あるいは前記複数の植付け条の植立穀稈を前記刈取り部に導入する第二作業状態の作業走行速度を現出する変速状態であるかを操縦者に認識させる認識手段を備えてあるコンバイン。
【請求項2】
前記変速操作具の前記走行用変速装置を前記第二作業状態のための変速状態に操作する操作域を示す第二作業指標と、前記変速操作具の前記走行用変速装置を作業走行のための変速状態に操作する操作域を示す作業指標とを備えて前記認識手段を構成してある請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記変速操作具の前記走行用変速装置を前記第一作業状態のための変速状態に操作する操作域と、前記変速操作具の前記走行用変速装置を前記第二作業状態のための変速状態に操作する操作域とを、前記変速操作具の前記走行用変速装置を変速操作する移動方向と異なる方向に位置ずれさせて前記認識手段を構成してある請求項1又は2記載のコンバイン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−48(P2009−48A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−164012(P2007−164012)
【出願日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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