説明

コンバイン

【課題】ブロワの風力で穀粒の排出と機体の清掃とを行えるものとする。
【解決手段】ブロワ(7)を始端側に接続した排出パイプ(16,17)の中途部で、グレンタンク(5)の繰出装置(15)により繰り出された穀粒を受けて風力搬送する構成とし、排出パイプ(16,17)における繰出装置(15)の位置よりも始端側の位置から清掃ホース(41)を分岐して、分流弁(42)により排出パイプ(16,17)側あるいは清掃ホース(41)側に送風を切り換え可能に構成し、分流弁(42)が清掃ホース(41)側へ切り換えられている場合には繰出装置(15)の駆動を停止する繰出駆動停止手段を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
機台上に脱穀装置と穀粒タンクを搭載し、該タンクに穀粒排出用のスロワを装着した収穫機において、スロワの搬送部にスロワ起風を絞るように先端部が細くなった連結筒の基部を、着脱可能に連結し、この連結筒の先端に掃除ホースを連結したものは、公知である。
【特許文献1】実平3−19709号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
背景技術のものは、掃除ホースにより清掃作業をする場合には、スロワの穀粒揚穀用の筒部を取り外し、その後に先端部が細くなった連結筒の基部を取り付け、この連結筒の先端に掃除ホースを連結しなければならず、清掃作業をする度に煩雑な取換え作業をする必要があり、迅速に清掃作業ができないという不具合があった。そこで、この発明はこのような不具合を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1の発明は、走行装置(1)を有する車台(2)の前方に、植立穀稈を刈り取り後方へ搬送する刈取装置(3)を設け、前記車台(2)上には刈取装置(3)から搬送されてきた穀稈を脱穀選別する脱穀装置(4)と、該脱穀装置(4)により脱穀選別された穀粒を一時貯溜するグレンタンク(5)と、グレンタンク(5)の穀粒を繰り出す繰出装置(15)を設け、ブロワ(7)の吐出部(7b)に排出パイプ(16,17)の始端側を接続して、排出パイプ(16,17)の中途部で前記グレンタンク(5)の繰出装置(15)により繰り出された穀粒を受けてブロワ(7)の風力により機外へ排出するように構成し、前記排出パイプ(16,17)の中途部の繰出装置(15)から繰り出された穀粒を受ける位置よりも始端側の位置から清掃ホース(41)を分岐して、分流弁(42)により排出パイプ(16,17)側あるいは清掃ホース(41)側に送風を切り換え可能に構成し、前記分流弁(42)の清掃ホース(41)側への切り換えを検出する清掃検出スイッチ(SW1)を設け、該清掃検出スイッチ(SW1)が分流弁(42)の清掃ホース(41)側への切り換えを検出しているときには前記繰出装置(15)の駆動を停止する繰出駆動停止手段を設けたことを特徴とするコンバインとする。
【0005】
前記構成によると、ブロワ(7)の送風状態を分流弁(42)により排出パイプ(16,17)側に切り換えると、繰出装置(15)を駆動しグレンタンク(5)の穀粒を繰り出し排出パイプ(16,17)により機外に排出することができる。また、ブロワ(7)の送風状態を分流弁(42)により清掃ホース(41)側へ切り換えると、清掃ホース(41)に送風し清掃ホース(41)から吹き出す強風により、コンバインの各所に付着した塵埃類を除去することができる。また、清掃ホース(41)への送風状態を清掃検出スイッチ(SW1)が検出すると、繰出駆動停止手段により繰出装置(15)の駆動が停止し、排出パイプ(16,17)による穀粒排出を停止する。
【0006】
請求項2の発明は、前記分流弁(42)の排出パイプ(16,17)側への切り換えを検出する排出検出スイッチ(SW2)を設け、前記清掃検出スイッチ(SW1)あるいは排出検出スイッチ(SW2)が前記分流弁(42)の清掃ホース(41)側への切り換え、あるいは、排出パイプ(16,17)側への切り換えのいずれかを検出しているときにのみ、前記ブロワ(7)を駆動するブロワ駆動制御手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載のコンバインとする。
【0007】
前記構成によると、清掃検出スイッチ(SW1)あるいは排出検出スイッチ(SW2)のいずれかが分流弁(42)の清掃ホース(41)側への切り換え、あるいは、排出パイプ(16,17)側への切り換えを検出しているときにのみブロワ(7)を駆動することができる。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明によると、排出パイプ(16、17)の送風状態を清掃ホース(41)側に切り換え、排出パイプ(16,17)の風力が弱まった状態でのグレンタンク(5)から穀粒の繰り出しを停止するので、排出パイプ(16,17)の穀粒の詰まりを防止することができ、穀粒排出作業の能率を高めることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明によると、上記請求項1に記載の発明の効果に加え、清掃検出スイッチ(SW1)あるいは排出検出スイッチ(SW2)が分流弁(42)の清掃ホース(41)側への切り換え、あるいは、排出パイプ(16,17)側への切り換えのいずれかの検出状態のときにだけブロワ(7)を駆動することができるので、分流弁(42)の破損を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1〜図3には、本発明の実施例を備えた普通型のコンバインが図示されている。
走行装置1を備えた車台2の前方には、植立穀稈を刈り取り後方へ搬送する刈取装置3と、この刈取装置3から搬送されてきた穀稈を受け継ぎ更に後方の脱穀装置4へ向けて搬送するエレベータ3aが設けられている。
【0011】
前記刈取装置3は植立穀稈を分草する分草具10、分草された穀稈を掻き込むタイン3bを有するリール3c、掻き込まれた穀稈を刈り取る刈刃11、刈り取られた穀稈を後方のエレベータ3aに送り込むオーガドラム12等により構成されている。前記エレベータ3aの搬送途中には、該エレベータ3a内の塵埃類を機外へ排出する排塵装置40を設けている。
【0012】
前記車台2上にはエレベータ3aから搬送されてきた穀稈を脱穀選別する脱穀装置4と、該脱穀装置4で脱穀選別された穀粒を一時貯溜するグレンタンク5と、キャビン6aに覆われている操縦部6が載置されている。キャビン6a内は冷暖房装置により温度調節が可能になっており、この冷却装置を構成するコンデンサ6cを車台2の後部上方のフレームに載置している。また、エンジン2aを車台2の前側部の操縦部6の下方に搭載し、各装置の回転各部を駆動するように構成している。
【0013】
前記構成のコンバインを走行させて作業を開始すると、植立穀稈は分草具10により分草され、タイン3bを備えたリール3cにより掻き込まれ、刈刃11により刈り取られる。刈刃11により刈り取られた穀稈はオーガドラム12により集められ、エレベータ3aの始端側へ送られる。
【0014】
エレベータ3aに送られた穀稈は後方へ搬送され、脱穀装置4に投入されて脱穀選別される。脱穀装置4により脱穀選別された穀粒は、一番揚穀機35によりグレンタンク5内へ搬送されて一時貯溜される。グレンタンク5内の穀粒が満杯になると、空気搬送力発生手段7(以下ブロワという)により発生した風により穀粒は搬送されて、穀粒排出装置8を経由して機外へ排出される。本実施例のコンバインは普通型のコンバインとしたが、自動脱穀型のコンバインに転用しても同様の作用効果を奏するものである。
【0015】
前記ブロワ7とグレンタンク5との関連構成について更に具体的に説明する。
前記ブロワ7は、操縦部6とグレンタンク5の間の空間部に設けられていて、空気を吸入口7aから吸入し、吐出部7bから吐出する構成である。また、グレンタンク5の下方には穀粒繰出装置15が設けられていて、モータ13と伝動チエーン14により繰出バルブ15aが駆動され穀粒が繰り出される構成である。また、前記ブロワ7の吐出口7bと穀粒繰出装置15の繰出部の一側は上手側搬送パイプ16により接続され、また、繰出部の他側には下手側搬送パイプ17が接続されている。この下手側搬送パイプ17の終端側を穀粒排出装置8の穀粒排出口8aの近傍まで延長した1本の搬送パイプにより構成されている。グレンタンク5の前後側壁を前後フレーム5b,5cを介して車台2に支持し、この前フレーム5bにブロワ7を取り付けている。
【0016】
前記上手側搬送パイプ16は可撓性材により構成しているが、鋼管により構成してもよい。下手側搬送パイプ17は可撓性材により構成されている。この下手側搬送パイプ17の始端側は縦方向の鋼管19内に配置し、下手側搬送パイプ17の終端側を横方向の鋼管21内を通って穀粒排出口8aまで延長している。また、縦方向の鋼管19及び横方向の鋼管21を縦方向の鋼管19の軸心回りに左右に旋回可能に構成し、モータ18のピニオン18aと鋼管19のギヤ19aとにより旋回回動するように構成している。また、縦方向の鋼管19の上端部には横方向の鋼管21の後部を昇降自在に枢支連結し、油圧シリンダ20により昇降可能に構成している。
【0017】
次に、図4に基づきブロワ7の駆動構成について説明する。
エンジン2aの出力軸からベルト伝動装置23を介してカウンタケース24に伝達し、カウンタケース24からベルト伝動装置26を介して後方のベベルギヤケース27に伝達し、ベベルギヤケース27から伝動軸31を前方へ延出してプーリ32に伝達し、プーリ32からベルト伝動装置34を介してブロワ7の入力軸に動力を伝達している。また、前記ベルト伝動装置26にはベルトテンションクラッチ33を設けて、操縦部6に設けた穀粒排出レバー22(図1に示す)を操作すると、ケーブル33aを介してベルトテンションクラッチ33を入切できるように構成している。
【0018】
穀粒排出レバー22を入り状態とすると、ケーブル33aを介してベルトテンションクラッチ33が緊張側に回動し、ベルト伝動装置26を緊張伝動状態とし、エンジン2aの動力がブロワ7の入力軸に伝達されブロワ7は駆動される。また、穀粒排出レバー22の入り操作の所定時間後に、コントローラ(図示省略)の指令によりモータ13が駆動され、繰出装置15が駆動される。しかして、上手側搬送パイプ16及び下手側搬送パイプ17にブロワ7から空気が送られた後にグレンタンク5から穀粒が繰り出されるので、穀粒の空気搬送を円滑に行なうことができる。
【0019】
次に、図5及び図6についてコンバインの清掃構成について説明する。
ブロワ7の吐出口7bに接続されている上手側搬送パイプ16の始端側部から清掃ホース41を分岐し、上手側搬送パイプ16の始端側部には分流弁42を設け、分流弁切換レバー43により分流弁42を上手側搬送パイプ16側への送風あるいは清掃ホース41側の送風に切り換え、切り換えて送風するように構成している。また、分流弁操作レバー43の清掃ホース41側への切り換え位置近傍には清掃検出スイッチSW1を設け、分流弁操作レバー43により分流弁42を清掃ホース41側送風に切り換えると、清掃検出スイッチSW1がONしてコントローラ(図示省略)に検出情報を入力するように構成している。しかして、清掃検出スイッチSW1のON検出により、コントローラの指令により繰出装置15駆動用のモータ13のON出力を停止するように構成している。
【0020】
ブロワ7の吐出空気を分流弁42により清掃ホース41側に切り換え、上手側搬送パイプ16の搬送風が弱くなった状態で、グレンタンク5から穀粒が繰り出されると、上手側搬送パイプ16に穀粒がつまる怖れがある。しかし、前記構成によると、分流弁42を清掃ホース41側に切り換えた上手側搬送パイプ16の風力が弱くなる状態では、繰出装置15の駆動が停止するので、前記不具合を防止することができる。
【0021】
次に、図7について説明する。
分流弁操作レバー43の清掃ホース41側への切り換え位置近傍には清掃検出スイッチSW1を設け、分流弁操作レバー43の上手側搬送パイプ16側への切り換え位置近傍には排出検出スイッチSW2を設け、分流弁操作レバー43の操作位置を検出可能に構成している。ブロワ7に動力を伝達する前記ベルト伝動装置26のテンションクラッチ33には駆動側への移動を牽制する牽制手段(図示省略)を設けている。
【0022】
前記清掃検出スイッチSW1、排出検出スイッチSW2のON情報がコントローラ(図示省略)に入力されると、コントローラの指令によりブロワ7駆動用の前記ベルト伝動装置26のテンションクラッチ33に対する牽制手段(図示省略)を解除し、ベルト伝動装置26のテンションクラッチ33を入り側に操作し、ブロワ7を駆動できるように構成している。
【0023】
前記構成によると、分流弁操作レバー43が穀粒排出切換位置あるいは清掃切換位置にあり、分流弁42が穀粒排出位置あるいは清掃位置の適正切換位置にあるときにだけブロワ7を駆動し、分流弁42が適正切換位置にない状態ではブロワ7の駆動を停止するため、分流弁42の破損を防止し耐久性を高めることができる。
【0024】
また、図8に示すように構成してもよい。排出清掃検出スイッチSW3を分流弁操作レバー43の近傍に配設し、清掃排出検出スイッチSW3の検出アングル片SW3aを分流弁操作レバー43にピン係合し、単一のスイッチで分流弁操作レバー43の清掃位置、及び、排出位置への操作を検出する。そして、清掃排出検出スイッチSW3が分流弁操作レバー43の清掃位置あるいは排出位置への操作を検出したときにだけ、コントローラの指令によりブロワ7駆動用の前記ベルト伝動装置26のテンションクラッチ33に対する牽制手段(図示省略)を解除し、ベルト伝動装置26のテンションクラッチ33を入り側に操作できるように構成する。
【0025】
次に、図9及び図10に基づき清掃ホース41の収納構成について説明する。
グレンタンク5の下部に繰出装置15を設け、グレンタンク5の下方空間部前側にブロワ7を配設し、グレンタンク5の下部におけるブロワ7及び繰出装置15の右側方をカバー46により覆っている。このカバー46の下部を前後方向に沿った軸46aにより軸支し、開閉可能に構成している。このカバー46の内側にはL字型のフック46b,46bを設け、前記清掃ホース41を巻き付けて収納できるように構成している。
【0026】
前記構成によると、上手側搬送パイプ16の清掃ホース41の分岐部近傍にカバー46を配設しているので、カバー46内側のフック46b,46bに清掃ホース41を容易に巻き取ることができ、外観をスッキリしたものとすることができる。
【0027】
また、図11のように構成してもよい。ブロワ7及び繰出装置15の右側方を覆うカバー46の前側部を、上下方向の軸46bにより車台2に開閉自在に支持し、カバー46の内側には巻取装置48を回転自在に設けている。カバー46の内側には巻取リール48bの軸心パイプ48cを回転自在に支持し、軸心パイプ48cの外側端部にハンドル48aを取り付けている。この軸心パイプ48cの中間部に上手側清掃ホース41aを接続し、軸心パイプ48cの内側端部に下手側清掃ホース41bをブッシュ48dを介して接続している。
【0028】
前記構成によると、巻取装置48の巻取リール48bをハンドル48aにより回転することにより、清掃ホース41を容易に巻き取り収納することができる。
次に、図12によりエレベータ3aの排塵構成について説明する。
【0029】
前記刈取装置3のエレベータ3aの搬送途中には、エレベータ3a内の塵埃類を機外へ排出する排塵装置40を設けている。このエレベータ3aは操縦部6の左側方(前進方向を基準にしている。以下同じ。)に設けられているが、排塵装置40によりエレベータ3a内の塵埃類及び操縦部6近傍の塵埃類を合わせて排除しようとするものである。
【0030】
エレベータ3aの中途部右側上面には、排塵装置40の排塵ケース40aを右側の操縦部6側に突出するように取り付け、排塵ケース40a内には排塵ファン40bを上側ほど操縦部6から遠ざかるように傾斜した軸回りに回転するように設けている。しかして、左側吸入部40cからエレベータ3a内の塵埃類を吸入し、右側吸入部40dからは操縦部6に近い上方の塵埃類を吸入し、これらの塵埃類をまとめてエレベータ3aの上方に排塵口40eから操縦部6から遠ざかる左側へ排出するように構成している。
【0031】
従来構成では、例えば、特開2003−143923号公報のように、エレベータ3aの中途部に排塵ケースを設けるにあたり、その吸入口全体をケース内に向けて開口しているものがある。このような構成では、エレベータ3a内の塵埃類しか除去できなく、隣接している操縦部側の塵埃類を排除できないという不具合があった。
【0032】
しかし、前記構成によると、単一の排塵装置40により、エレベータ3a内の塵埃類及び操縦部6側の塵埃類を合わせて排塵することができ、エレベータ3aから操縦部6側に舞い上がる塵埃類を除去し、操縦環境を良くすることができる。
【0033】
また、図13のように構成してもよい。エレベータ3aの中途部右側上面に、排塵ケース40aの右側部を操縦部6側に突出するように取り付け、排塵ケース40a内には排塵ファン40bを上下方向の軸回りに回転するように設けている。そして、左側吸入部40cからエレベータ3a内の塵埃類を吸入し、右側吸入部40dから操縦部6側の塵埃類を吸入するようにし、これらの塵埃類をまとめて排塵口40eを経てエレベータ3aの上方を通して操縦部6から遠ざかる左側へ排出するように構成している。前記構成によると、前記実施例と同様の効果を奏する。
【0034】
次に、図1及び図14により他の実施例について説明する。
刈取装置3のエレベータ3aの搬送中途部には排塵装置40を設け、エレベータ3a内の塵埃類を機外へ排出すると共に、エレベータ3aの右側方に位置している操縦部6近傍の塵埃類も合わせて除去するようにしている。即ち、エレベータ3aの中途部における操縦部6に近い右側面に、排塵ケース40aの下部を下方に突出するように取り付け、排塵ケース40a内には排塵ファン40bを左右方向の軸回りに回転するように構成している。そして、排塵ケース40aの右側上部吸入部40fから操縦部6寄りの塵埃類をエレベータ3aの下部に吸入し、塵埃類はエレベータ3aの底部を左側に流れ、エレベータ3aの下部排塵孔40kから下方に排出される。
【0035】
また、排塵ケース40aの右側下部吸入部40gから操縦部6下方寄りの塵埃類を吸入し、この塵埃類はエレベータ3aの下方を左側に流れ、エレベータ3aから排出された塵埃類を含めて操縦部6から遠ざかる左側に排出する。
【0036】
実開平4−127121号公報には、エレベータ3aの底板下部に吸塵ファンを設け、塵埃類を後側下方に向けて排塵するものがある。このような構成であると、操縦部6下方に配設されている油圧機器類、油圧タンク、ミッションケース等に塵埃類が溜るという不具合が発生する。
【0037】
しかし、前記構成によると、単一の排塵装置40により、エレベータ3a内の塵埃類及び操縦部6側の塵埃類を合わせて操縦部6から遠ざかる左方向へ排塵することができて、操縦部6の操縦空間を良好に保つことができる。また、エレベータ3aの下方に位置している油圧機器52、油圧タンク53及びミッションケース54への塵埃類の溜りを防止することができる。
【0038】
次に、図15について説明する。
刈取装置3のエレベータ3aの搬送中途部には排塵装置40を設けている。エレベータ3aの中途部における操縦部6に近い右側面上部寄りに排塵ケース40aを取り付けている。しかして、右側吸入部40dからは操縦部6に近い塵埃類をエレベータ3a内に吸入し、エレベータ3aの上部を通って左側に送り、エレベータ3a内の塵埃類をまとめて左側の排塵口40eから操縦部6から遠ざかる方向へ排出するようにしている。
【0039】
前記構成によると、単一の排塵装置40により、エレベータ3a内の塵埃類及び操縦部6側の塵埃類を合わせて操縦部6から遠ざかる方向へ排塵することができ、操縦部6の操縦空間を良好に保つことができる。また、油圧機器52、油圧タンク53及びミッションケース54への塵埃類の溜りを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】コンバインの左側面図。
【図2】コンバインの右側面図。
【図3】コンバインの平面図。
【図4】コンバイン後部の切断平面図。
【図5】グレンタンク部の側面図、正面図、搬送パイプの側面図、平面図。
【図6】グレンタンク部の側面図。
【図7】グレンタンク部の側面図、正面図、搬送パイプの側面図、平面図。
【図8】搬送パイプの側面図、平面図。
【図9】コンバインの右側面図。
【図10】グレンタンクの正面図。
【図11】コンバインの平面図、巻取装置の切断背面図。
【図12】エレベータ部の切断正面図。
【図13】エレベータ部の切断正面図。
【図14】エレベータ部の切断正面図。
【図15】エレベータ部の切断正面図。
【符号の説明】
【0041】
1 走行装置
2 車台
3 刈取装置
4 脱穀装置
5 グレンタンク(5)
7 ブロワ
7a 吸入口
7b 吐出部
15 繰出装置
16 排出パイプ
17 排出パイプ
41 清掃ホース
42 分流弁
SW1 清掃検出スイッチ
SW2 排出検出スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置(1)を有する車台(2)の前方に、植立穀稈を刈り取り後方へ搬送する刈取装置(3)を設け、前記車台(2)上には刈取装置(3)から搬送されてきた穀稈を脱穀選別する脱穀装置(4)と、該脱穀装置(4)により脱穀選別された穀粒を一時貯溜するグレンタンク(5)と、グレンタンク(5)の穀粒を繰り出す繰出装置(15)を設け、
ブロワ(7)の吐出部(7b)に排出パイプ(16,17)の始端側を接続して、排出パイプ(16,17)の中途部で前記グレンタンク(5)の繰出装置(15)により繰り出された穀粒を受けてブロワ(7)の風力により機外へ排出するように構成し、前記排出パイプ(16,17)の中途部の繰出装置(15)から繰り出された穀粒を受ける位置よりも始端側の位置から清掃ホース(41)を分岐して、分流弁(42)により排出パイプ(16,17)側あるいは清掃ホース(41)側に送風を切り換え可能に構成し、前記分流弁(42)の清掃ホース(41)側への切り換えを検出する清掃検出スイッチ(SW1)を設け、該清掃検出スイッチ(SW1)が分流弁(42)の清掃ホース(41)側への切り換えを検出しているときには前記繰出装置(15)の駆動を停止する繰出駆動停止手段を設けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記分流弁(42)の排出パイプ(16,17)側への切り換えを検出する排出検出スイッチ(SW2)を設け、前記清掃検出スイッチ(SW1)あるいは排出検出スイッチ(SW2)が前記分流弁(42)の清掃ホース(41)側への切り換え、あるいは、排出パイプ(16,17)側への切り換えのいずれかを検出しているときにのみ、前記ブロワ(7)を駆動するブロワ駆動制御手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−75128(P2010−75128A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−249353(P2008−249353)
【出願日】平成20年9月27日(2008.9.27)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】