説明

コンバイン

【課題】機体回行時に、唐箕の風量を減少させるため、選別性能および選別効率が低下するという課題がある。
【解決手段】刈取装置4へのエンジン駆動力の伝動を接続および遮断する第一伝動切替手段29と、刈取穀稈を脱穀装置3に供給する穀稈供給搬送装置13への駆動力の伝動を接続および遮断する第二伝動切替手段57とを備え、前記脱穀装置3には唐箕19の送風方向を変更する変更手段59を設け、前記刈取装置4の非作業高さへの上昇に関連して、第一伝動切替手段29と第二伝動切替手段57を伝動遮断状態に切り替えると共に、前記変更手段59を作動して唐箕19からの送風を前記揺動選別棚22における被処理物移送方向の上手側の部位に向かわせる構成としたことを特徴とするコンバイン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、刈取装置へのエンジンの駆動力の伝達および遮断するクラッチと、唐箕の風量変更手段とを設け、刈取装置の非作業高さへの上昇によって、刈取装置の駆動を停止させると共に、唐箕の風量を減少させる構成は公知である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−61440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例は、唐箕の風量を変更することにより、穀粒の機外排出を抑制しようとするものであるが、唐箕の風量の全量を減少させるので、揺動選別棚における被処理物移送方向上手側の送風量が減少し、選別性能が低下するという課題がある。
本願は、回行時等の揺動選別棚の被処理物の量が減少したときに、唐箕の風量を弱くせずに、穀粒の機外排出を抑制し、穀粒の機外排出の防止と選別能力の維持との両立を図ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、下方に走行装置2を設けた機体フレーム1の前方に刈取装置4を設け、機体フレーム1の上方に刈取装置4で刈り取った穀稈を脱穀する脱穀装置3を設け、脱穀装置3は穀稈を脱穀する扱室12と、該扱室12の下方に配置され、扱室12で発生した被処理物を選別する揺動選別棚22と、揺動選別棚22の被処理物移送方向上手側の下方に配置され、揺動選別棚22に選別風を送風する唐箕19とを備えるコンバインであって、前記刈取装置4へのエンジン49の駆動力の伝動を接続および遮断する第一伝動切替手段29と、刈取装置4で刈り取った穀稈を脱穀装置3に供給する穀稈供給搬送装置13への駆動力の伝動を接続および遮断する第二伝動切替手段57とを備え、前記脱穀装置3には唐箕19の送風方向を変更する変更手段59を設け、前記刈取装置4の非作業高さへの上昇に関連して、第一伝動切替手段29と第二伝動切替手段57を伝動遮断状態に切り替えると共に、前記変更手段59を作動して唐箕19からの送風を前記揺動選別棚22における被処理物移送方向の上手側の部位に向かわせる構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、通常の刈取作業中では、揺動選別棚22の全体に、唐箕19の選別風を送風し、刈取装置4を非作業高さに上昇させると、刈取装置4および穀稈供給搬送装置13の駆動を停止させ、揺動選別棚22における被処理物移送方向の下手側へ向かう送風を弱め、穀粒の機外排出を抑制する。
請求項2記載の発明は、前記変更手段59によって、唐箕19の送風方向と送風量を変更する構成とし、前記刈取装置4の非作業高さへの上昇に関連して、変更手段59を作動して唐箕19からの送風を前記揺動選別棚22における被処理物移送方向の上手側の部位に向かう風量を増加させる構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、刈取装置4を非作業高さに上昇させると、変更手段59によって、唐箕19の送風方向を上向きに変更し、揺動選別棚22における被処理物移送方向の上手側の部位に向かう風量を増加させる。
請求項3記載の発明は、前記唐箕19は、天井面51Bと底面51Aの間に送風口50を有する唐箕ケーシング20内に設け、前記送風口50の上壁となる上面板51と該上面板51よりも下側に配置される風向板52を設け、前記上面板51は唐箕19の選別風の上流側端部で軸支し、風向板52は送風方向の中間部位で軸支し、前記送風方向変更手段59は、上面板51と風向板52を連動して回動させることで風向を変更する構成とし、前記刈取装置4の非作業高さへの上昇によって、第一伝動切替手段29と第二伝動切替手段57を遮断すると共に、前記変更手段59により上面板51と風向板52における選別風下流側端部が上昇するように回動させる構成としたコンバインとしたものであり、通常の刈取作業中では、上面板51および風向板52を倒伏させて揺動選別棚22の全体に、唐箕19の選別風を送風し、刈取装置4を非作業高さに上昇させると、刈取装置4および穀稈供給搬送装置13の駆動を停止させ、上面板51と風向板52とを連動させて選別風下流側端部を立ち上げて起立させ、唐箕19の送風方向を上向きにして揺動選別棚22における被処理物移送方向の下手側へ向かう送風を弱め、穀粒の機外排出を抑制する。
請求項4記載の発明は、前記揺動選別棚22を、エンジン49から穀稈供給搬送装置13に駆動力を伝達する経路における前記第二伝動切替手段57よりも伝動下手側から駆動する構成としたコンバインとしたものであり、第二伝動切替手段57により揺動選別棚22および穀稈供給搬送装置13の駆動を停止させる。
請求項5記載の発明は、前記第二伝動切替手段57と前記送風方向変更手段59とは、第一アクチュエータにより連繋させる構成としたコンバインとしたものであり、第一アクチュエータにより第二伝動切替手段57の伝動を遮断して穀稈供給搬送装置13を停止させ、穀稈供給搬送装置13の停止に連動させて送風方向変更手段59により風向板52を起立させる。
請求項6記載の発明は、前記第二伝動切替手段57に第二アクチュエータを連繋させ、前記送風方向変更手段59に第三アクチュエータを連繋させ、刈取装置4の非作業高さから作業高さへの下降により前記第一伝動切替手段29および前記第二伝動切替手段57が接続された時点から所定時間経過後に、前記変更手段59により、被処理物移送方向の下手側の風量を上手側の風量に対して増加させるコンバインとしたものであり、第二アクチュエータにより第二伝動切替手段57の伝動を遮断して穀稈供給搬送装置13を停止させ、穀稈供給搬送装置13の停止に連動させて送風方向変更手段59を第三アクチュエータにより作動させて風向板52を起立させ、次に、刈取装置4の非作業高さへから作業高さへの下降により前記第一伝動切替手段29および前記第二伝動切替手段57が接続された時点から所定時間経過後に、前記変更手段59を第三アクチュエータにより作動させて送風方向を通常作業状態に復帰させる。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明では、刈取作業状態に応じて、風向板52の傾斜角度を切り替えて、唐箕19の選別風の送風方向を切り替えるため、唐箕19の送風量を低下させずに、揺動選別棚22における被処理物移送方向の下手側へ向かう送風を弱め、
穀粒の機外排出を抑制でき、穀粒の機外排出の防止と選別能力の維持との両立を図ることができる。
請求項2記載の発明では、穀稈供給搬送装置13の駆動が停止されることで、扱室12内で藁屑が多く発生しても、この藁屑が揺動選別棚22における被処理物移送方向の上手側の部位から下方へ落下することを防止でき、揺動選別棚22の選別精度の低下を抑制することができる。
請求項3記載の発明では、簡単な構成で唐箕19の送風方向を切り替えることができる。
請求項4記載の発明では、刈取装置4の非作業高さへの上昇によって揺動選別棚22の駆動を停止するため、穀粒の機外飛散を更に抑制するできる。
請求項5記載の発明では、簡単な構成で、第二伝動切替手段57の伝動を遮断と唐箕19の送風方向の切り替えを行うことができる。
請求項6記載の発明は、刈取装置4の下降により作業再開に際して、穀稈供給搬送装置13の再起動後、直ぐに、揺動選別棚22の揺動は再開させて良好な選別作業状態にでき、作業再開直後の機外飛散を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】コンバインの側面図。
【図2】脱穀装置の縦断側面図。
【図3】伝動機構の概略図。
【図4】脱穀装置の側面図。
【図5】送風方向変更手段59の側面図。
【図6】送風方向変更手段59の他の実施例の側面図。
【図7】送風方向変更手段59の他の実施例の側面図。
【図8】脱穀装置の平面図。
【図9】脱穀装置の平面図。
【図10】排藁搬送装置の展開状態の平面図。
【図11】排藁搬送装置の背面図。
【図12】脱穀装置の他の実施例の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施例をコンバインの図面により説明すると、1はコンバインの機体フレーム、2は機体フレーム1の下方に設けた走行装置、3は機体フレーム1の上方に設けた脱穀装置、4は脱穀装置3の前側に設けた刈取装置、5は脱穀装置3の側部に設けたグレンタンク、6はグレンタンク5の前側に設けた操縦部である。
前記脱穀装置3は、上部に扱歯10を有する扱胴11を略水平に軸装した扱室12を設ける。扱室12の一側には前記刈取装置4により刈り取った穀稈を供給搬送する穀稈供給搬送装置13の供給搬送チェン14を設けている。なお、理解を容易にするため、便宜的に前後左右等の方向を示して以下説明するが、これにより構成が限定されるものではない。
前記刈取装置4は、機体フレーム1側との間に設けた刈取上下シリンダ(図示省略)により上下動自在の構成とし、刈取装置4を上昇させると、前記穀稈供給搬送装置13の供給搬送チェン14の駆動を停止させる構成としている。
【0009】
扱胴11は脱穀装置3の前板16と扱室後板17に軸装し、扱胴11の主として下方側は扱網18により包囲している。扱網18の下方には唐箕19の唐箕ケーシング20を設ける。前記扱室12の下方には前記唐箕19の送風により穀粒と異物とを風選し得る風選室21を形成し、風選室21内には、唐箕19の送風方向(前後方向)に往復揺動する揺動選別棚22により構成した揺動選別装置23を設ける。
揺動選別装置23の構成は任意であるが、一例を示すと、前記揺動選別棚22の始端部(前端部)を唐箕ケーシング20の上方に位置させて移送棚部24に形成する。移送棚部24の上面には、突起や凹凸を設けて揺動選別棚22の移送方向下手側に扱網18からの落下物を移送するように構成する。
移送棚部24の移送方向下手側にはシーブ25を設ける。シーブ25は前側のグレンシーブ25Aと後側のチャフシーブ25Bにより構成している。
【0010】
シーブ25は、穀粒と異物とを選別するものであり、所定間隔をおいて揺動方向に複数並設する。グレンシーブ25Aは、薄い平板形状に形成し、移送方向の下手側(後側)が高くなるように傾斜させて設ける。チャフシーブ25Bは傾斜角度調節自在に構成している。
チャフシーブ25Bの移送方向の下手側(後側)にはストローラック26を設ける。揺動選別棚22の下方には一番コンベア27を設け、一番コンベア27の後側には二番コンベア28を設ける。
前記穀稈供給搬送装置13の設置側とは反対側の扱胴11の後部(終端側)側方には、排塵処理装置30を設ける。排塵処理装置30は、扱胴11の軸心と略平行な排塵処理胴31を軸装し、扱室12の後部に設けた排塵連通口33(図2)により扱室12と連通させて構成する。排塵処理胴31の始端部は中板34に軸装し、中板34と扱室後板17との間に扱網18より落下しない藁屑を含む被処理物を排出する排出口35を設ける。
【0011】
前記排塵処理装置30の前側には、二番コンベア28により回収された二番物を処理する二番処理装置42を設ける。
二番処理装置42の二番処理胴44は、排塵処理胴31と同心状に配置する。二番処理胴44は、穀稈供給搬送装置13の搬送方向と反対に揺動選別棚22の始端部側上方に向けて被処理物を搬送するように構成すると共に、扱網18の側方に位置している。
46は吸引排塵ファン、46Aは吸塵口、47は吸引排塵ファン46のケーシングである。
しかして、扱網18の存在しない扱室12の終端側の部分のうちの前側部分は排塵連通部Hに形成し、排塵連通部H内に前記排塵連通口33を形成する。
扱網18の存在しない扱室12の終端側の部分のうちの後側部分は刺さり粒回収部Sに形成する。前記排塵連通部Hおよび刺さり粒回収部S内には前記扱胴11の後部を延長して臨ませる。
前記排塵連通部H内の前記扱胴11の扱歯10は、扱網18の上方の扱胴11の扱歯10よりも扱胴11の軸心方向の間隔を狭く(密)して設ける。
【0012】
そのため、排塵連通口33への被処理物の移行を円滑に効率よく行える。
また、刺さり粒回収部S内の前記扱胴11の扱歯10は、板状の所謂ソリッド形状に形成している。
しかして、前記刈取装置4へのエンジン49の駆動力の伝達および遮断する第一伝動切替手段29と、刈取装置4が刈り取った穀稈を脱穀装置3に供給する穀稈供給搬送装置13への駆動力の伝達および遮断する第二伝動切替手段(入切クラッチ)57とを備える。
前記唐箕ケーシング20および唐箕19は、揺動選別棚22の移送棚部24の下方に位置させる。前記唐箕19は、天井面51Bと底面51Aの間に送風口50を有する唐箕ケーシング20内に設け、前記送風口50には、この送風口50の上壁となる上面板51と、上面板51の下側に配置される風向板52とを設け、前記上面板51は唐箕19の選別風の上流側端部で軸支し、風向板52は送風方向の中間部位で軸支する。
【0013】
上面板51と風向板52を傾斜角度切替自在に設ける。上面板51および風向板52は、刈取装置4の非作業高さへの上昇によって、変更手段(送風方向変更手段)59により前記脱穀装置3の前記揺動選別棚22における被処理物移送方向の上手側の風量を下手側の風量に対して増加させるように構成する。
即ち、上面板51および風向板52は、前記穀稈供給搬送装置13の停止時の起立状態と、穀稈供給搬送装置13の作動中の倒伏状態とに、送風方向変更手段59により切り替えるように構成する。
通常の刈取作業中では、上面板51および風向板52を倒伏させて揺動選別棚22の全体に、唐箕19の選別風を送風する。次に、刈取装置4を上昇させて機体を回行させる際には、刈取装置4および穀稈供給搬送装置13の駆動を停止させる駆動停止制御を行い、このとき、脱穀装置3の駆動は続行するが、選別処理量が減少するので、穀稈供給搬送装置13の停止時には上面板51および風向板52を起立させて、唐箕19の送風方向を上向きにして終端側のシーブ25へ向かう送風を弱め、穀粒の機外排出を抑制する。
【0014】
即ち、唐箕19の回転数は変更せずに、揺動選別棚22の選別作業能率を維持しつつ、送風方向を上面板51および風向板52により変更させることにより揺動選別棚22の終端側へ向かう送風を弱め、穀粒の機外排出を抑制する。
そのため、通常の刈取作業および回行時の脱穀作業の全体の作業効率を向上させられる。
前記第二伝動切替手段57は、穀稈供給搬送装置13の供給搬送チェン14の駆動歯車55の駆動軸56への回転伝達を入切する入切クラッチ(第二伝動切替手段)により構成している。入切クラッチ57の入切により作動する入切伝達機構58を設け、入切伝達機構58と前記風向板52とをワイヤー等の伝達部材60で連結する。
65は第二伝動切替手段57の一部を構成する入切クラッチ57を入切させるクラッチ用モータ(第一アクチュエータ)、66は風向板52に固定の作動軸、67は作動軸66の固定のアーム、68はバネ、69は風向板52と上面板51とを連動させる連動連結部材、70は上面板51の取付軸である。
【0015】
通常刈取作業中では、入切クラッチ57が入りで入切伝達機構58は伝達部材60を弛め、風向板52はバネ68の弾力で倒伏した通常姿勢となる。刈取装置4の上昇で、入切クラッチ57を切りにすると、入切伝達機構58が伝達部材60を牽引し、伝達部材60はアーム67を回動させて作動軸66を回転させ、作動軸66は風向板52を起立姿勢に変更し、風向板52の姿勢変更により連動連結部材69が連動させて上面板51を起立させる。
そのため、穀稈供給搬送装置13の入切と上面板51の姿勢変化を一つのクラッチ用モータ65により行えて、安価に構成できる。
即ち、前記第二伝動切替手段57と前記送風方向変更手段送風方向変更手段59とは、クラッチ用モータ(第一アクチュエータ)65により連繋させる構成となる。
【0016】
前記揺動選別棚22は、エンジン49から穀稈供給搬送装置13に駆動力を伝達する経路における前記第二伝動切替手段57よりも伝動下手側から駆動する構成にする(図3)。
図6は、他の実施例であり、唐箕19の回転を前記揺動選別棚22に伝達するようにし、唐箕19と揺動選別棚22との間にクラッチ(第三伝動切替手段)73を設け、クラッチ73(第三伝動切替手段)と入切クラッチ(第二伝動切替手段)57とを連動するように構成する。
65Aはクラッチ用モータ(第二アクチュエータ)、75は唐箕19の回転軸、76は回転軸75のプーリー、77は揺動回転軸、78はプーリー、79はベルト、80はベルト79に接離するテンションプーリー、81はテンションプーリー80のアーム、82はクラッチ用モータ65Aとアーム81を連結する伝達部材、82Aはクラッチ用モータ(第二アクチュエータ)65Aとアーム67を連結する伝達部材である。
【0017】
そのため、回行時に、上面板51を起立姿勢にさせ、穀稈供給搬送装置13と共に揺動選別棚22の揺動を停止させるので、機外飛散を一層抑制する。
この場合、クラッチ用モータ65(図4)で穀稈供給搬送装置13の駆動を停止させ、クラッチ用モータ65A(図6)により揺動選別棚22の揺動を停止させる。
また、クラッチ用モータ65により穀稈供給搬送装置13を単独で停止させられるので、脱穀対象穀稈が麦であったり、穀稈が乾燥している等の条件によって、扱室12内に多量の藁屑が発生する場合では、クラッチ用モータ65により穀稈供給搬送装置13だけを停止させ、揺動選別棚22の駆動を続行することにより選別負荷を増加させない。
図7は、他の実施例であり、前記上面板51の姿勢切替えと、前記揺動選別棚22の伝動の入切を独立して行うように構成する。
即ち、前記入切クラッチ(第二伝動切替手段)57にクラッチ用モータ(第二アクチュエータ)86を連繋させ、前記送風方向変更手段送風方向変更手段59にフラッパ用モータ(第三アクチュエータ)85を連繋させる。
【0018】
具体的には、前記上面板51は、アーム67にロッド84の一端を取付け、ロッド84をフラッパ用モータ85により前後移動するように構成し、フラッパ用モータ85によりロッド84を前方移動させると風向板52を起立姿勢にし、フラッパ用モータ85によりロッド84を後方移動させると風向板52を倒伏姿勢にする構成としている。
したがって、揺動選別棚22の伝動の入切はクラッチ用モータ(第二アクチュエータ)86により、上面板51の姿勢切替えはフラッパ用モータ(第三アクチュエータ)85により、それぞれ独立して行う。
そのため、回行時に、上面板51の起立姿勢への切替と、揺動選別棚22の揺動停止のタイミングを変更させられ、一層、機外飛散を抑制する。
フラッパ用モータ85の上面板51の起立姿勢への切替と、クラッチ用モータ86の揺動選別棚22の揺動停止のタイミングは、略同じとなるように制御する。
【0019】
そのため、回行時に、上面板51の起立姿勢への切替と、揺動選別棚22の揺動停止のタイミングが略同じになって、機外飛散を抑制する。
また、機体回行終了時、クラッチ用モータ86の揺動選別棚22の揺動再開よりも、遅れて、上面板51の起立姿勢から倒伏姿勢への復帰するように、制御する。
即ち、第一伝動切替手段29および前記第二伝動切替手段57が接続されてから、送風方向変更手段送風方向変更手段59により送風方向を被処理物移送方向の上手側の風量を下手側の風量に対して増加させる以前の状態に復帰するように構成する。
そのため、回行終了時に、穀稈供給搬送装置13の再起動後、直ぐに、揺動選別棚22の揺動は再開するが、揺動選別棚22の揺動再開してから所定時間は、上面板51および風向板52は起立姿勢を保持して、機外飛散を抑制する。
【0020】
しかして、揺動選別棚揺動選別棚22のシーブ25上には排塵受部材87を設ける。排塵受部材87は、前後に所定幅を有する平板形状に形成し、シーブ25から所定間隔を置いた上方に配置する。
排塵受部材87は、穀稈供給搬送装置13側の排出口35からの落下物を受け留める所定幅に設定した外側の外棚部88と、排塵処理装置30側の内棚部89とを有して構成し、前記外棚部88は直線状の前縁90および後縁91を有している。前記内棚部89の排塵処理装置30側には直線状の前縁92と後縁93を形成する。
この外棚部88の後縁91と前記内棚部89の後縁93との間には後側傾斜縁94を形成する。内棚部89の前縁92は前記排出口35の前側漏下部36の下方に臨ませ、内棚部89の後縁93はシーブ25の終端上方に臨ませる。
そして、内棚部89の上面には前記後側傾斜縁94に対して略直角に交差するように寄せ板95を設ける。寄せ板95は左右方向に複数並設する。
【0021】
この場合、扱室12の後部の前記排塵処理装置30の反対側に吸引排塵ファン46のケーシング47の吸引口46Aを開口させ、前記排塵受部材87上の前記排塵処理装置30側に偏倚した位置に、後方ほど吸引排塵ファン46側に向かう姿勢の寄せ板95を複数並設し、最も吸引排塵ファン46側の寄せ板95より吸引排塵ファン46側の排塵受部材87の前後幅に対して、この最も吸引排塵ファン46側の寄せ板95より前記排塵処理装置30側の排塵受部材87の部分の前後幅を幅広とする。
また、内棚部89の所定位置には濾過孔96を設ける。
このように、シーブ25の上方に排塵受部材87を設けたので、排塵受部材87の排塵処理装置30側では、穀稈供給搬送装置13側に比し、排出口35による扱室12からの落下物に加えて排塵処理装置30による処理物が合流して落下量が増加しても、排出口35および排塵処理装置30からの落下物を受け止めて、既に選別処理の進んだシーブ25の被処理物に混入するのを防止し、選別効率を向上させられる。
【0022】
この場合、排塵受部材87は、穀稈供給搬送装置13側の排出口35からの落下物を受け留める所定幅に設定した外側の外棚部88と、排塵処理装置30側の内棚部89とを有して構成し、内棚部89の前後幅を外棚部88の前後幅より大きく(広く)形成しているので、排塵受部材87の内棚部89では、排出口35による扱室12からの落下物に加えて排塵処理装置30による処理物が合流して増加した落下物を受け止めて、既に選別処理の進んだシーブ25の被処理物に混入するのを防止し、選別効率を向上させられる。
また、内棚部89の上面には、寄せ板95を設けており、寄せ板95によりシーブ25の中央側に誘導するので、シーブ25上の被処理物の均分化を促進させる。
また、排塵受部材87と寄せ板95により機体左側に設けた吸引排塵ファン46による吸塵選別を良好にし、選別効率を向上させられる。
【0023】
また、内棚部89の後縁93はシーブ25の終端上方に臨ませ、内棚部89の後側部分には濾過孔96を設けているので、穀粒は濾過孔96よりシーブ25上に落下し、藁屑は吸引排塵ファン46により吸引排除する。
即ち、濾過孔96は、吸引排塵ファン46と対向する排塵処理装置30に設けている。
そのため、排塵処理装置30から落下する穀粒を内棚部89が受け止めて濾過孔96から落下させ、藁屑は濾過孔96から落下させずに後方に送ることができ、選別効率を向上させられる。
また、濾過孔96は、一枚板により形成した内棚部89に形成しているので、安価に製造できる。
【0024】
また、排塵処理装置30からの落下物よりも穀粒の含有率の高い排出口35からの処理物が多く落下する排塵受部材87の穀稈供給搬送装置13側の部位を、排塵処理装置30側より前後幅を狭くしたことで、排出口35からの被処理物を排塵処理装置30からの落下物よりもシーブ25の前寄りの部位に落下させて穀粒の回収率を高めると共に、唐箕19からシーブ25の上方へ抜ける選別風を阻害しない。
また、内棚部89の前縁92は前記扱室12の後部に設けた前記排塵処理装置30と連通させる排塵連通口33の下方まで延出させると、排塵処理装置30の排塵連通口33の部分で落下する落下物を受け止めて、既に選別処理の進んだシーブ25の被処理物に混入するのを防止し、選別効率を向上させられる。
しかして、穀稈供給搬送装置13の終端には、脱穀室2にて脱穀済みの穀稈(排藁)を穀稈供給装置穀稈供給搬送装置13より引き継いで搬送する排藁搬送装置97を設ける。
排藁搬送装置97は、穀稈供給搬送装置13より引き継いだ排藁の根本側を搬送する株元側排藁搬送装置98と、穂先側排藁搬送装置99とにより構成する。
【0025】
前記扱胴11の扱胴軸100の後端には中間伝動プーリ101を設け、中間伝動プーリ101の側方に中間出力プーリ102を設ける。中間出力プーリ102は排藁入力ギヤケース103に軸装する。排藁入力ギヤケース103には排藁入力軸104の一端を軸装する。
排藁入力軸排藁入力軸104の中間部は前記穂先側排藁搬送装置99を貫通させ、排藁入力軸104の他端には株元側排藁搬送装置98の排藁搬送チェン駆動歯車105を設け、排藁搬送チェン駆動歯車105に排藁株元搬送チェン106を掛け回す。
したがって、穂先側排藁搬送装置99を迂回させて株元側排藁搬送装置98に伝動させずに、排藁入力軸104は排藁入力ギヤケース103から穂先側排藁搬送装置99を貫通させて排藁株元搬送チェン106の排藁搬送チェン駆動歯車105を設け、排藁株元搬送チェン106を直接駆動している。
前記排藁株元搬送チェン106の終端には中間伝動歯車107を噛み合わせ、中間伝動歯車107に穂先伝動軸108の一端を固定し、穂先伝動軸108の他端に穂先入力歯車109を固定し、エンジン49からの回転を株元側排藁搬送装置98経由で穂先側排藁搬送装置99に伝達している。
【0026】
しかして、排藁入力軸104の中間部には回転体110を設け、回転体110の穂先側排藁搬送装置99の搬送方向の下手側に抵抗体111を設ける。
そのため、穂先側排藁搬送装置99により搬送された排藁が抵抗体111により抵抗を受けている状態で、回転体110により排藁を扱き、排藁中の刺さり粒の回収効率を向上させられる。
また、抵抗体111は、弾性部材を垂れ下がるように設けて構成しているので、回転体110により排藁から払い出された穀粒を抵抗体111に当てて落下させ、抵抗体111の存在により穀粒の機外排出を抑制する。
図12は、脱穀装置3の他の実施例であり、唐箕ケーシング20の送風口50の後側には、上側導風体上面板51と下側導風体風向板52を傾斜角度調節自在に設け、刈取装置4を上昇させて機体を回行させる際には、刈取装置4および穀稈供給搬送装置13の駆動を停止させる駆動停止制御を行うように構成すると共に、揺動選別棚22の構成を、揺動選別棚22の移送棚部24を上側移送棚部24Aと、下側移送棚部24Bとに上下二段とし、前記シーブ25のうちの前側のグレンシーブ25Aの更に前側に前側上方シーブ25Cを設けて上下二段とし、前側上方シーブ25Cの下方にプレファン112により送風される上側風路113を形成し、上側風路113の下方に第一選別網114を設ける。
【0027】
そのため、始端部の扱網18により漏下した被処理物は、揺動選別棚22の上側移送棚部24Aに落下して前側上方シーブ25Cに移送されて選別される。
前側上方シーブ25Cから落下した被処理物は、前側上方シーブ25Cの下方にプレファン112により送風される上側風路上側風路113で風選され、穀粒は第一選別網114により選別されて回収される。
前側上方シーブ25Cから落下しない被処理物は、前記シーブ25のうちの前側のグレンシーブ25Aに移送され、前側のグレンシーブ25Aと後側のチャフシーブ25Bにより選別処理される。
したがって、前側上方シーブ25Cの存在によりシーブ25の全体の面積を拡大し、これに伴って、選別網の面積も拡大させられ、全体の揺動選別棚22の処理能力を向上させられる。
115は第二選別網である。
また、前側上方シーブ25Cと、前側のグレンシーブ25Aとは、前後に並設すると共に、上下の位置関係となるので、立体的に被処理物を揺動風選処理でき、処理能力を向上させることができる。
【0028】
(実施例の作用)
走行装置2により走行し、刈取装置4で刈り取った穀稈は穀稈供給搬送装置13の供給搬送チェン14により搬送されて、扱室12に供給され、扱室12の扱胴11で脱穀される。
脱穀された脱穀物は、扱網18より揺動選別棚22上に落下し、揺動選別棚22の揺動と唐箕19からの送風により選別され、穀粒は揺動選別棚22の選別網から一番コンベア28に回収され、一番コンベア28により回収された穀粒はグレンタンク5に貯留される。
また、二番コンベア28に回収された二番物は二番還元装置により二番処理装置42に還元され、二番処理装置42の二番処理胴44により再処理されて揺動選別棚22の始端部に拡散排出される。
また、扱室12で脱穀された脱穀物のうち、扱網18より落下しない脱穀物の一部は排塵連通口33から排塵処理装置30に入って処理される。
【0029】
また、揺動選別棚22上の処理物は風選室21で風選され、揺動選別棚22より落下しない処理物のうち藁屑・塵埃は吸引排塵ファン42により機外に吸引排出される。
また、扱室12で脱穀された脱穀物のうち、扱網18より落下しない脱穀物の一部は、扱室12の終端の排出口35に至る。
しかして、扱網18の存在しない扱室12の終端側の部分のうちの前側部分は排塵連通部Hに形成し、排塵連通部H内に排塵連通口33を形成し、扱網18の存在しない扱室12の終端側の部分のうちの後側部分は刺さり粒回収部Sに形成し、排塵連通部Hおよび刺さり粒回収部S内にまで扱胴11の後部を延長して臨ませ、排塵連通部H内の扱胴11の扱歯10は、扱網18の上方の扱胴11の扱歯10よりも扱胴11の軸心方向の間隔を狭くして設けているので、排塵連通口33への被処理物の移行を円滑に効率よく行うことができる。
【0030】
しかして、唐箕ケーシング20および唐箕19は、揺動選別棚22の移送棚部24の下方に位置させ、唐箕19は、天井面51と底面51Aの間に送風口を有する唐箕ケーシング20内に設け、前記上面板51と底面51Aの間に風向板52を設け、前記上面板51は唐箕19の選別風の上流側端部で軸支し、風向板52は送風方向の中間部位で軸支し、上面板51と風向板52を傾斜角度切替自在に設け、前記刈取装置4の非作業高さへの上昇によって、第一伝動切替手段29と第二伝動切替手段57を伝動遮断状態に切り替えると共に、前記送風方向変更手段59により前記脱穀装置3の前記揺動選別棚22における被処理物移送方向の上手側の風量を下手側の風量に対して増加させる構成としているので、通常の刈取作業中では、上面板51および風向板52を倒伏させて揺動選別棚22の全体に、唐箕19の選別風を送風し、次に、刈取装置4を上昇させて機体を回行させる際には、刈取装置4および穀稈供給搬送装置13の駆動を停止させる駆動停止制御を行い、このとき、脱穀装置3の駆動は続行するが、選別処理量が減少するので、穀稈供給搬送装置13の停止時には上面板51および風向板52を起立させて、唐箕19の送風方向を上向きにして終端側のシーブ25へ向かう送風を弱め、穀粒の機外排出を抑制する。
【0031】
即ち、機体回行時に、唐箕19の回転数は変更せずに、揺動選別棚22の選別作業能率を維持しつつ、送風方向を上面板51および風向板52により変更させることにより揺動選別棚22の終端側へ向かう送風を弱め、穀粒の機外排出を抑制する。
そのため、通常の刈取作業および回行時の脱穀作業の全体の作業効率を向上させられる。
穀稈供給搬送装置13の供給搬送チェン14を掛け回している駆動歯車55の駆動軸56への回転伝達を入切する入切クラッチ57を設け、入切クラッチ57の入切により作動する入切伝達機構58を設け、入切伝達機構58と前記上面板51および風向板52の送風方向変更手段59とをワイヤー等の伝達部材伝達部材60で連結しているので、通常刈取作業中では、入切クラッチ57が入りで入切伝達機構58は伝達部材60を弛め、風向板52はバネ68の弾力で倒伏した通常姿勢となり、刈取装置4の上昇で、入切クラッチ57を切りにすると、入切伝達機構58が伝達部材60を牽引し、伝達部材60はアーム67を回動させて作動軸66を回転させ、作動軸66は風向板52を起立姿勢に変更し、風向板52の姿勢変更により連動連結部材69が連動させて上面板51を起立させる。
【0032】
そのため、穀稈供給搬送装置13の入切と上面板51および風向板52の姿勢変化を一つのクラッチ用モータ65により行えて、安価に構成できる。
図6の他の実施例では、唐箕19の回転を前記揺動選別棚22に伝達するようにし、唐箕19と揺動選別棚22との間にクラッチ73を設け、クラッチ73と入切クラッチ57を連動するように構成しているので、通常刈取作業中では、入切クラッチ57が入りで入切伝達機構58は伝達部材60を弛め、風向板52はバネ68の弾力で倒伏した通常姿勢となり、クラッチ73となるテンションプーリー80はベルト79に当接して伝動を入りにして揺動選別棚22を揺動させて選別しており、刈取装置4の上昇で、入切クラッチ57を切りにすると、入切伝達機構58が伝達部材60を牽引し、伝達部材60はアーム67を回動させて作動軸66を回転させ、作動軸66は風向板52を起立姿勢に変更し、風向板52の姿勢変更により連動連結部材69が連動させて上面板51を起立させ、入切伝達機構58のの伝達部材60の牽引によりクラッチ73となるテンションプーリー80をベルト79から離脱させてクラッチ73を切りにし、揺動選別棚22の揺動を停止させる。
【0033】
そのため、回行時に、上面板51を起立姿勢にさせ、穀稈供給搬送装置13と共に揺動選別棚22の揺動を停止させるので、機外飛散を一層抑制する。
図7の実施例では、上面板51の姿勢切替えと、揺動選別棚22の伝動の入切を独立して行うように構成し、上面板51は、アーム67にロッド84の一端を取付け、ロッド84をフラッパ用モータ85により前後移動するように構成し、フラッパ用モータ85によりロッド84を前方移動させると風向板52を起立姿勢にし、フラッパ用モータ85によりロッド84を後方移動させると風向板52を倒伏姿勢にする構成とし、伝達部材82にはクラッチ用モータ86を連結しているので、上面板51および風向板52の姿勢切替えはフラッパ用モータ85により、揺動選別棚22の伝動の入切はクラッチ用モータ86により独立して行える。
そのため、回行時に、上面板51および風向板52の起立姿勢への切替と、揺動選別棚22の揺動停止のタイミングを変更させられ、一層、機外飛散を抑制する。
【0034】
フラッパ用モータ85の上面板51の起立姿勢への切替と、クラッチ用モータ86の揺動選別棚22の揺動停止のタイミングは、略同じとなるように制御しているので、回行時に、上面板51および風向板52の起立姿勢への切替と、揺動選別棚22の揺動停止のタイミングが略同じになって、機外飛散を抑制する。
また、機体回行終了時、クラッチ用モータ86の揺動選別棚22の揺動再開よりも、遅れて、上面板51および風向板52の起立姿勢から倒伏姿勢への復帰するように、制御するようにすると、回行終了時に、穀稈供給搬送装置13の再起動後、直ぐに、揺動選別棚22の揺動は再開するが、揺動選別棚22の揺動再開してから所定時間は、上面板51および風向板52は起立姿勢を保持して、機外飛散を抑制する。
なお、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示、あるいは説明しているが、これらは夫々種々組合せ可能であり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
【符号の説明】
【0035】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…刈取装置、5…グレンタンク、6…操縦部、11…扱胴、12…扱室、13…穀稈供給搬送装置、14…供給搬送チェン、16…前板、17…扱室後板、18…扱網、19…唐箕、20…唐箕ケーシング、21…風選室、22…揺動選別棚、23…揺動選別装置、24…移送棚部、25…シーブ、26…ストローラック、27…一番コンベア、28…二番コンベア、29…第一伝動切替手段、30…排塵処理装置、31…排塵処理胴、33…排塵連通口、35…排出口、36…前側漏下部36、37…後側漏下部37、42…二番処理装置、44…二番処理胴、46…吸引排塵ファン、49…エンジン、50…送風口、51…上面板、51A…底面、51B…天井面、52…風向板、55…駆動歯車、56…駆動軸、57…入切クラッチ(第二伝動切替手段)、58…入切伝達機構、59…変更手段(送風方向変更手段)、60…伝達部材、65…クラッチ用モータ(第一アクチュエータ)、65A…クラッチ用モータ(第二アクチュエータ)、66…作動軸、67…アーム、68…バネ、69…連動連結部材、70…取付軸、73…クラッチ(第三伝動切替手段)、75…回転軸、76…プーリー、77…揺動回転軸、78…プーリー、79…ベルト、80…テンションプーリー(第三伝動切替手段)、81…アーム、82…伝達部材、84…ロッド、85…フラッパ用モータ(第三アクチュエータ)、86…クラッチ用モータ(第二アクチュエータ)、87…排塵受部材、88…外棚部、89…内棚部、90…前縁、91…後縁、92…前縁、93…後縁、94…後側傾斜縁、95…寄せ板、96…濾過孔、97…排藁搬送装置、98…株元側排藁搬送装置、99…穂先側排藁搬送装置、100…扱胴軸、101…中間出力プーリ、102…中間出力プーリ、103…排藁入力ギヤケース、104…排藁入力軸、105…排藁搬送チェン駆動歯車、106…排藁株元搬送チェン、107…中間伝動歯車、108…穂先伝動軸、109…穂先入力歯車 、110…回転体 、111…抵抗体 、113…上側風路 、114…第一選別網。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方に走行装置(2)を設けた機体フレーム(1)の前方に刈取装置(4)を設け、機体フレーム(1)の上方に刈取装置(4)で刈り取った穀稈を脱穀する脱穀装置(3)を設け、脱穀装置(3)は穀稈を脱穀する扱室(12)と、該扱室(12)の下方に配置され、扱室(12)で発生した被処理物を選別する揺動選別棚(22)と、揺動選別棚(22)の被処理物移送方向上手側の下方に配置され、揺動選別棚(22)に選別風を送風する唐箕(19)とを備えるコンバインであって、前記刈取装置(4)へのエンジン(49)の駆動力の伝動を接続および遮断する第一伝動切替手段(29)と、刈取装置(4)で刈り取った穀稈を脱穀装置(3)に供給する穀稈供給搬送装置(13)への駆動力の伝動を接続および遮断する第二伝動切替手段(57)とを備え、前記脱穀装置(3)には唐箕(19)の送風方向を変更する変更手段(59)を設け、前記刈取装置(4)の非作業高さへの上昇に関連して、第一伝動切替手段(29)と第二伝動切替手段(57)を伝動遮断状態に切り替えると共に、前記変更手段(59)を作動して唐箕(19)からの送風を前記揺動選別棚(22)における被処理物移送方向の上手側の部位に向かわせる構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
請求項1において、前記変更手段(59)によって、唐箕(19)の送風方向と送風量を変更する構成とし、前記刈取装置(4)の非作業高さへの上昇に関連して、変更手段(59)を作動して唐箕(19)からの送風を前記揺動選別棚(22)における被処理物移送方向の上手側の部位に向かう風量を増加させる構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記唐箕(19)は、天井面(51B)と底面(51A)の間に送風口(50)を有する唐箕ケーシング(20)内に設け、前記送風口(50)の上壁となる上面板(51)と該上面板(51)よりも下側に配置される風向板(52)を設け、前記上面板(51)は唐箕(19)の選別風の上流側端部で軸支し、風向板(52)は送風方向の中間部位で軸支し、前記送風方向変更手段(59)は、上面板(51)と風向板(52)を連動して回動させることで風向を変更する構成とし、前記刈取装置(4)の非作業高さへの上昇によって、第一伝動切替手段(29)と第二伝動切替手段(57)を遮断すると共に、前記変更手段(59)により上面板(51)と風向板(52)における選別風下流側端部が上昇するように回動させる構成としたコンバイン。
【請求項4】
請求項1または請求項2または請求項3において、前記揺動選別棚(22)を、エンジン(49)から穀稈供給搬送装置(13)に駆動力を伝達する経路における前記第二伝動切替手段(57)よりも伝動下手側から駆動する構成としたコンバイン。
【請求項5】
請求項1または請求項2または請求項3または請求項4において、前記第二伝動切替手段(57)と前記送風方向変更手段(59)とは、第一アクチュエータにより連繋させる構成としたコンバイン。
【請求項6】
請求項1または請求項2または請求項3または請求項4において、前記第二伝動切替手段(57)に第二アクチュエータを連繋させ、前記送風方向変更手段(59)に第三アクチュエータを連繋させ、刈取装置(4)の非作業高さから作業高さへの下降により前記第一伝動切替手段(29)および前記第二伝動切替手段(57)が接続された時点から所定時間経過後に、前記変更手段(59)により、被処理物移送方向の下手側の風量を上手側の風量に対して増加させるコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−70670(P2013−70670A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212508(P2011−212508)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】