説明

シュレッダ

【課題】利用者とシュレッダとの距離が遠方であっても、利用者は紙束の細断状態を検知してシュレッダの施錠を解錠することができるシュレッダを提供することである。
【解決手段】セット部20と、セット20部を開閉する蓋体21と、本体ケース10と、細断投入口26から本体ケース10内に投入された被細断物を細断する細断刃23とを備え、携帯端末30と所定の通信回線40を介して信号を送受信可能な送受信機16を具備しており、セット部20もしくは蓋体21の少なくともいずれか一方には、蓋体21を施錠する施錠装置13が設けてあり、セット部20もしくは本体ケース10の少なくともいずれか一方には、被細断物を検出する検知器14が設けてあり、携帯端末30からの施錠信号を受信すると、施錠装置13を介して蓋体21をロックし、被細断物が所定の残量になったことを検知器14で検出すると、携帯端末30に報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細断する紙束を紙束細断口へ給紙するセット部を有するシュレッダに関し、詳しくは給紙する紙束を取り出すことができないように施錠することができるシュレッダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、文章を大量に廃棄する場合、ペーパーフィーダを備えたシュレッダを使用して廃棄することが知られている。このペーパーフィーダとは、シュレッダの本体ケースに配置され、廃棄する文章の紙束を入れるためのボックスであり、その内部にセットした紙束を自動的に細断投入口へ給紙することができるものである。また機密性の高い文章を廃棄する場合には、ペーパーフィーダ、紙投入口などに、蓋体(カバー部材)を設けておき、一旦施錠するとその施錠を解錠しなければボックスの内部にセットした紙束を取り出すことができないようにしている。このように施錠することで、紙束をセットした利用者以外の者(以下、「第3者」と記す)が、既にセットしてある紙束を持ち去ることができないようにして紙束のセキュリティを確保している。またシュレッダには、このボックス内の紙束の有無を検知する検知器と、この検知器の検知に応じて所定の電波を送信する電波発生装置を備えている。そしてシュレッダに紙束をセットした利用者(以下、「利用者」と記す)は、この電波送信装置が送信する信号を受信可能な電波検知装置を所持している。
【0003】
利用者がこのシュレッダを使用する場合、まず廃棄したい紙束を自動給紙手段の内部へセットして蓋体を閉じ施錠装置で施錠する。そして紙束の細断を開始し、やがて細断が完了し紙束が無くなったことを検知器が検知すると、電波発生装置は所定の電波を送信する。そして電波検知装置がこの所定の電波を受信することで、利用者は細断の終了を検知できる。そして利用者は細断の終了を検知すると、この電波検知装置から電波発生装置へ解錠電波を送信して施錠装置を解錠する。このようにして細断中は施錠装置によって施錠されており、また細断が終了し利用者が解錠電波を送信しなければ解錠されないため、利用者が細断中にシュレッダの傍で待機していなくても未細断の紙束を第3者に持ち去られることの防止を図ることができる。そのため利用者は、細断中の待機時間を他の仕事をする時間に振り当てることができ、時間の有効活用を図ることができる。
【0004】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【特許文献1】特開平7−16486号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したシュレッダでは、電波の送信範囲が限定されており、細断が終了して電波発生装置が電波を送信しても、利用者が所持する電波検知装置がその電波を受信できないことがあった。一般的にシュレッダが発する電波の送信範囲はその会社の建物内に限定されるものであり、利用者が細断中であることを忘れて社外に外出してしまうと利用者が所持する電波検知装置は電波を受信できない状態となっていた。そのためシュレッダの電波発生装置から細断終了の電波が送信されても、利用者に届くことがないためシュレッダの施錠は解錠されることなく施錠されたままで、次に紙束の細断を希望する者がいてもシュレッダを使用できない状態が発生していた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、このような課題を解決しようとするもので、その目的は、利用者とシュレッダとの距離が遠方であっても、利用者は紙束の細断状態を検知してシュレッダの施錠を解錠することができるシュレッダを提供することである。
【0007】
本発明は、上記の目的を達成するためのものであって、以下のように構成されている。
請求項1に記載のシュレッダは、紙束等の被細断物をセットするとともに被細断物が細断投入口へ送り込まれる部位であるセット部と、前記セット部を開閉する蓋体と、本体ケースと、前記細断投入口から本体ケース内に投入された被細断物を細断する細断刃と、を備えている。また前記シュレッダは、携帯端末(例えば、携帯電話)と所定の通信回線を介して信号を送受信可能な送受信機を具備している。また前記セット部もしくは前記蓋体の少なくともいずれか一方には、前記蓋体を施錠する施錠装置が取り付けてある。また前記セット部もしくは前記本体ケースの少なくともいずれか一方には、被細断物を検出する検出器を設けてある。そして前記携帯端末からの施錠信号を前記受信機で受信すると、前記施錠装置を介して前記蓋体をロックし、被細断物が所定の残量(例えば、0枚)になったことを前記検出器で検出すると、前記携帯端末に前記送信機で報知する構成である。この構成によれば、シュレッダの利用者は携帯端末を使用してシュレッダを施錠することができ、細断した紙束が所定の残量になるとシュレッダから自身の所有する携帯端末へその旨の信号を受けることができる。そのため、例えば利用者は細断中にシュレッダの傍で待機していなくても細断完了を知ることができ、さらに施錠によって細断中の紙束のセキュリティも確保できる。したがって、利用者は細断中の待機時間を他の仕事をする時間に振り当てることができ、時間の有効活用を図ることができる。
【0008】
また請求項2に記載のシュレッダは、請求項1に記載のシュレッダであって、前記携帯端末からの解錠信号を前記送受信機で受信すると、前記施錠装置のロックを解除する構成である。この構成によれば、シュレッダの利用者は自身の所有する携帯端末に、例えば細断完了の旨の連絡が入ると、携帯端末からシュレッダの解錠信号を送信できる。そのためシュレッダを利用する利用者にとって利便性が向上する。
【0009】
また請求項3に記載のシュレッダは、請求項1〜2のいずれか1項に記載のシュレッダであって、前記所定の通信回線は、通信網に含まれている回線である。この構成によれば、利用者は携帯端末として携帯電話を使用できるため、シュレッダとの送受信を広範囲とすることができる。そのため携帯電話であれば通信エリアが広域であるため、細断中でも利用者は社外に外出可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図1〜5を用いて説明する。
図1は、本発明に係るシュレッダ1と携帯端末30とのネットワークシステムを表す一実施の形態の構成図である。図2は、本発明に係るシュレッダ1の側面図であり、本体ケース10のみ断面図で記載している。図3は、本発明に係るシュレッダ1の電気的構成を表すブロック図である。図4は、本発明に係る携帯端末30の電気的構成を表すブロック図である。図5は、本発明に係るシュレッダ1の施錠装置13の施錠方法およびその解錠方法を説明するフロー図である。
なお、本特許請求の範囲に記載する「被細断物が所定の残量になったこと」とは、実施例において「紙束検知手段14によって紙24aの存在が検知されなくなったこと」に相当する。また、同じく本特許請求の範囲に記載する「施錠信号」と「解錠信号」は、実施例において「携帯端末30の電話番号と施錠ID」と「携帯端末30の電話番号と解錠ID」にそれぞれ相当する。
【0011】
まず、図1を参照してネットワークシステムについて説明する。
シュレッダ1と携帯端末30とは、例えば公衆回線網40と中継装置42を介して接続してある。本発明で使用する通信網は、電話回線網、無線LANまたはインターネットなどでもよい。この中継装置42とは、公衆回線網40と携帯端末30とを無線接続するための中継局である。なお、この実施例でいう「接続」とは各機器間で各種情報を送受信するための通信経路が確立してあることであり、情報を送受信している通信中の状態が成立してあることを意味していない。
【0012】
次に、図2を参照してシュレッダ1の構成について説明する。シュレッダ1は内部に中空部を有する本体ケース10と、その上面に配置されているセット部(例えば、ペーパフィーダなどの給紙手段)20とによって大別され構成されている。以下に、本体ケース10とセット部20とについてそれぞれ説明する。
【0013】
まず本体ケース10について説明する。
本体ケース10の内部には、回転軸を有する駆動手段15、15(図2において、図示していない)を備えており、その回転軸の延長上には周縁部に複数の切断刃(図示しない)を有する円筒状の双方回転刃23、23を備えている。この双方回転刃23、23は、駆動手段15、15によって互いに噛合うように逆方向に回転可能(図2において、右側の双方回転刃23は反時計方向に回転し、左側の双方回転刃23は時計方向に回転している)となっている。そして双方回転刃23、23をこのように回転させた状態で、その噛合い部位に上方から紙24aを挿入すると、切断刃によって紙24aは細断され噛合い部位の下方から排出される。
【0014】
また本体ケース10の上面には、紙束24を双方回転刃23、23の噛合い部位に案内する傾斜面22を備えている。また大量の紙束24が一度に噛合い部位に挿入されることにより発生する詰まり防止のために遮蔽壁25を設け、適量の紙24aのみが細断投入口26へ送られるようになっている。また傾斜面22には、傾斜面22上に位置する紙24aの存在を検知可能な紙束検知手段14が埋め込まれている。なお、この紙束検知手段14によって紙24aの存在が検知されなくなると駆動手段15、15は自動停止する。
【0015】
次にセット部20について説明する。
このセット部20は、内部21aが空洞の箱形状であり、その上面には可動式に開閉可能な蓋体21を備えている。この蓋体21を開けることにより、セット部20の内部21aは外部と連通状態になり、内部21aに紙束24をセット可能となっている。また、蓋体21には、この蓋体21を閉じた状態で保持可能な施錠装置13を備えている。この施錠装置13は、詳細は図示しないが、例えばソレノイドとソレノイドの励磁によって突出する嵌合凸部によって構成されている。また、セット部20には、蓋体21を閉じた状態でこの嵌合凸部の突出に対応し受け入れ可能な嵌合凹部を備えている。そのため蓋体21を閉じた状態でソレノイドを励磁すると、嵌合凸部が突出して嵌合凹部に嵌合されて、施錠装置13が施錠状態(ロック状態)となって蓋体21を開けることができなくなる。この施錠を解錠するには、ソレノイドの励磁を解除すればよい。このようにして利用者は紙束24を細断中にこの施錠装置13を施錠しておけば、蓋体21は開かないためセットした紙束24を第3者に持ち去られる恐れがない。すなわち、紙束24のセキュリティを保つことができる。
【0016】
また本体ケース10の内部には、後述する施錠IDと解錠IDを照合するためのプログラムを実施したり、所定の電話番号へ電話を発信するためのプログラムを実施したり、各種プログラムを実施する制御手段11を備えている。また、それらの各プログラムを記憶したり、施錠ID、解錠IDおよび電話番号を記憶したりする記憶手段12を備えている。また公衆回線網40と接続し各種信号を送受信するための送受信器16を備えている。このシュレッダ1の電気的構成は、図3に示すように制御手段11に対して記憶手段12と、施錠装置13と、紙束検知手段14と、駆動手段15と、送受信器16とが各々電気的に接続してある。
【0017】
続いて、携帯端末30の構成について説明する。
この携帯端末30とは、電話機能またはメール機能を有する汎用の携帯電話、PHS、PDA等である。以降、携帯端末30を携帯電話30として説明していく。携帯電話30の本体には表示手段(例えば、液晶ディスプレイなど)33と入力手段(例えば、入力キーなど)34とを備えている。
【0018】
また本体の内部には、入力手段34から入力された電話番号を発信して相手との通話を成立させるためのプログラムを実施したり、メールによる各種情報を送受信させるためのプログラムを実施したり、各種プログラムを実施させる制御手段31を備えている。またこれら各プログラムを記憶したり、外部機器から受け取った各種情報を一旦記憶したりする記憶手段32を備えている。また中継装置42を介して第1の通信回線と40と接続するための通信手段35を備えている。この携帯電話30の電気的構成は、図4に示すように制御手段31に対して記憶手段32と、表示手段33と、入力手段34と、通信手段35とが各々電気的に接続してある。
【0019】
続いて図5を参照して、上述したシュレッダ1と携帯電話30とを使用し、携帯電話30からの入力操作によってシュレッダ1の施錠装置13を施錠させる方法およびその施錠を解錠させる方法について説明する。
まず利用者は、蓋体21を開けて細断したい紙束24をセット部20の内部21aにセットする。利用者は携帯電話30から公衆回線網40を介してシュレッダ1へ電話をかける(ステップS100)。なお予めシュレッダ1には、自身の電話番号を記載したシールなどが貼ってあるため、利用者はその番号を見ながら電話をかけることができる。シュレッダ1は、利用者からの着信電話番号を記憶手段12へ記憶する(ステップS102)。シュレッダ1は、携帯電話30へ施錠IDの入力に関するアナウンスをする(ステップS104)。このアナウンスとは、例えば「4桁の数字を入力して、最後に♯を押して下さい」等である。利用者は、携帯電話30の入力手段34から施錠IDを入力(例えば、「1234#」を入力)してシュレッダ1へ送信する(ステップS106)。
【0020】
シュレッダ1は、受信した施錠IDを一旦記憶手段12へ記憶するとともに、その施錠IDを携帯電話30へアナウンスして利用者の確認をとる(ステップS108)。このアナウンスとは、例えば「施錠IDは、「1234」でよろしいですか(ステップS110)?よろしければ「1」を、間違いであれば「2」を押して下さい」等である。ここで、よろしい場合には、利用者は、携帯電話30の入力手段34から「1」を入力してシュレッダ1へ送信する(ステップS112)。そして携帯電話30とシュレッダ1との通信は自動切断される。一方、間違いである場合には、利用者は携帯電話30の入力手段34から「2」を入力してシュレッダ1へ送信し(ステップS114)、ステップS104へ戻るループを形成する。なお、ここでシュレッダ1は、「2」を受信すると、先ほど記憶した施錠IDを消去する。
【0021】
施錠装置13は、ステップS112で携帯電話30から「1」を受信すると施錠される(ステップS116)。駆動手段15を回転させて紙束24の細断を開始する(ステップS118)。なお細断の開始は、利用者のボタン操作(図示しない)によって実施される構成でも構わないし、施錠後に自動に実施される構成でも構わない。紙束検知手段14は紙24aの存在の有無を判断する(ステップS120)。細断中であれば、紙束検知手段14は紙24aを検知するためステップS118へ戻るループを形成する。やがて細断は終了するため、紙束検知手段14は紙24aを検知しなくなる。すると制御手段11は、紙束検知手段14の紙24a無し検知に基づいて、駆動手段15の回転を停止させるとともに、公衆回線網40を介して先ほど記憶手段12に記憶した電話番号を発信し細断終了の旨のアナウンスをする(ステップS122)。このアナウンスとは、例えば「細断が終了しましたので解錠IDを入力して下さい」等である。
【0022】
利用者は、このアナウンスを聞いて携帯電話30の入力手段34から解錠IDを入力操作して送信する(ステップS124)。ここで解錠IDとは、先ほど利用者自身が決定した施錠IDのことである。シュレッダ1の制御手段11は、この解錠IDを受信すると、受信した解錠IDと記憶手段12に記憶の施錠IDとを照合する(ステップS126)。そして照合が一致すると、施錠装置13の施錠を解錠する(ステップS128)とともに解錠完了の旨のアナウンスをして電話を切断する。一方、照合が不一致であれば、不一致の旨のアナウンスをする。このアナウンスとは、例えば「入力された解錠IDは不一致です。再度解錠IDを入力して下さい」等である。なおシュレッダ1は、この不一致の解錠IDを連続3回受付けると、セキュリティ面から以降の解錠IDの入力を受付けない構成としている。
【0023】
このようにして紙24aの細断中はセット部20の内部21aは施錠装置13によって施錠されており、また細断が終了し利用者が解錠IDを送信しなければその施錠は解錠されないため、利用者は細断中にシュレッダ1の傍で待機していなくても未細断の紙束を第3者に持ち去られることの防止を図ることができる。また利用者は、細断中の待機時間を他の仕事をする時間に振り当てることができ、時間の有効活用を図ることができる。また携帯電話30を使用することによって、シュレッダ1との送受信範囲を広くすることができるため、利用者は細断中の待機時間に社外にでも外出可能となるため利便性が向上する。
【0024】
また上述した構成では、利用者はシュレッダ1の遠方からでも解錠操作は可能である。そのため、シュレッダ1の解錠は利用者がシュレッダ1の傍に立ち会うことなく実施されることもある。しかし、例えば紙束検知手段14の検知不良などのため紙束24が全て細断されずに一部が残った状態で遠方から解錠操作されてしまうと、次の利用者に残った紙束24を見られることになりセキュリティ面での問題を有する場合がでてくる。その場合には、シュレッダ1は携帯電話30から解錠IDを受付けても所定の時間(例えば、数分)は施錠状態を保持し、その後に解錠する構成にすればよい。この構成であれば利用者は解錠操作を実施して、解錠されるまでの数分間の間にシュレッダ1へ戻ることができるため、利用者がシュレッダ1の傍に立会いのもとシュレッダ1を解錠することができる。また利用者は、解錠後にセット部20の内部21aに紙束24の残りが無いことを確認して確実に紙束24が細断されたことを判断できる。
【0025】
しかし、このようにすると、例えば所定の時間が5分であり利用者が1分でシュレッダ1の傍に戻れる場合には、利用者はシュレッダ1の傍で4分間待たなければならない。この4分間の待ち時間をなくすために、解錠IDの送信を利用者が任意に実施する構成が好ましい。この場合を説明すると、ステップS122により利用者は細断終了の案内を受けると一旦電話を切断する。そして利用者はシュレッダ1の傍まで移動し、再度、公衆回線網40を介して携帯電話30からシュレッダ1へ電話を発信する。するとシュレッダ1は着信番号から、既に記憶の電話番号と一致するか否かを判断する。一致すると判断すれば、施錠を実施した利用者が解錠を希望していると判断できるため携帯電話30へ解錠に関するアナウンスを送信する。このアナウンスとは、例えば「現在、施錠されています。解錠を希望する場合には解錠IDを入力して下さい」等である。以降の処理は、ステップS126からの処理と同様であるため説明は省略する。このようにして、利用者の待ち時間をなくすこともできる。一方、一致すると判断しなければ、施錠を実施した利用者と異なる利用者が解錠を試みていると判断できるため、その携帯電話30には現在他の利用者によって施錠中である旨をアナウンスする。その際に、施錠を実施した利用者の電話番号をアナウンスに含めてもよい。
【0026】
上述した内容は、あくまでも本発明の一実施の形態に関するものであって、本発明が上記内容に限定されることを意味するものではない。
実施例では、携帯端末30の電話機能を使用してシュレッダ1と情報の送受信をする構成を例に説明した。しかし、これに限定されるものでなく、携帯端末30のメール機能を使用してシュレッダ1と情報の送受信をする構成でも構わない。
【0027】
また実施例では、所定の通信回線が公衆回線網40である構成を例に説明した。しかし、これに限定されるものでなく、直接接続、ケーブル接続、ブルートゥース(登録商標)または赤外線通信等であっても構わない。その場合には、シュレッダ1および携帯端末30には各種接続に対応する送受信手段などが必要となる。
【0028】
また実施例では、紙24aの有無を検知する構成、すなわち紙の残り枚数を0枚としてこの0枚の状態になれば携帯電話30へその旨を報知する例を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、1枚、10枚、20枚などであっても構わない。その場合には、紙束検知手段14を傾斜面22の内部ではなく遮蔽壁25の下端部に設けて、予め紙24aの厚みなどを考慮して指定した残り枚数を検知可能となるように紙束検知手段14を設定する必要がある。
【0029】
また実施例では、セット部20と、その内部21aを開閉する蓋体21と、その蓋体21を閉じた状態で施錠する施錠装置13とを備えて、施錠装置13を施錠するとセット部20の内部21aにセットした紙束24を取り出すことができなくなる構成を例に説明した。しかし、これに限定されるものでなく、セット部と、内部が空洞でその空洞部位に細断したい紙束24をセット可能な挿入体とを備える構成で実施しても構わない。その場合には、セット部20の側面には細断投入口26へ向けて挿入体を挿入にする開口部を設ける必要がある。そしてセット部20に対して挿入体は抜き差し可能となっている。またセット部20には実施例と同様に施錠装置13が設けてあり、施錠状態にするとセット部20に挿入体を挿し込んだ状態で引き抜くことができないようになっている。このようにして実施例と同様に施錠装置13で施錠すると、挿入体の内部にセットした紙束24を第3者は持ち去ることはできないため紙束24のセキュリティを確保できる。
【0030】
また実施例では、蓋体21には嵌合凸部を有する施錠装置13と、セット部20にはその嵌合凸部を嵌合させる嵌合凹部とを設けて蓋体21とセット部20とを施錠する構成を例に説明した。しかし、これに限定されるものでなく、逆の構成でも構わない。その場合には、セット部20には嵌合凸部を有する施錠装置13と、蓋体21にはその嵌合凸部を嵌合させる嵌合凹部とを設けてセット部20と蓋体21とを施錠する構成となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係るシュレッダ1と携帯端末30とのネットワークシステムを表す一実施の形態の構成図である。
【図2】本発明に係るシュレッダ1の側面図であり、本体ケース10のみ断面図で記載している。
【図3】本発明に係るシュレッダ1の電気的構成を表すブロック図である。
【図4】本発明に係る携帯端末30の電気的構成を表すブロック図である。
【図5】本発明に係るシュレッダ1の施錠装置13の施錠方法およびその解錠方法を説明するフロー図である。
【符号の説明】
【0032】
1 シュレッダ
10 本体ケース
13 施錠装置
14 紙束検知手段
16 送受信器
20 セット部
21 蓋体
23 細断刃
24 紙束
26 細断投入口
30 携帯端末(携帯電話)
40 所定の通信回線



【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙束等の被細断物をセットするとともに被細断物が細断投入口へ送り込まれる部位であるセット部と、前記セット部を開閉する蓋体と、本体ケースと、前記細断投入口から本体ケース内に投入された被細断物を細断する細断刃と、を備えるシュレッダであって、
前記シュレッダは、携帯端末と所定の通信回線を介して信号を送受信可能な送受信機を具備しており、
前記セット部もしくは前記蓋体の少なくともいずれか一方には、前記蓋体を施錠する施錠装置が取り付けてあり、
前記セット部もしくは前記本体ケースの少なくともいずれか一方には、被細断物を検出する検知器を設けてあり、
前記携帯端末からの施錠信号を前記受信機で受信すると、前記施錠装置を介して前記蓋体をロックし、
被細断物が所定の残量になったことを前記検知器で検出すると、前記携帯端末に前記送信機で報知することを特徴とする、シュレッダ。
【請求項2】
請求項1に記載のシュレッダであって、
前記携帯端末からの解錠信号を前記送受信機で受信すると、前記施錠装置のロックを解除する、請求項1に記載のシュレッダ。
【請求項3】
請求項1〜2のいずれか1項に記載のシュレッダであって、
前記所定の通信回線は、通信網に含まれる回線である、請求項1〜2のいずれか1項に記載のシュレッダ。







【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−61857(P2006−61857A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−248411(P2004−248411)
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【出願人】(000155193)株式会社明光商会 (11)
【出願人】(000000309)IDEC株式会社 (188)
【出願人】(391006348)株式会社タイテック (79)
【Fターム(参考)】