説明

スイングスライドドアの開閉装置

【課題】確実なドア開閉軌跡に沿ってスイングスライドドアを開閉駆動できる、スイングスライドドアの開閉装置を提供する。
【解決手段】レール22を取付けたリアドア4と、レール22に嵌着するスライダー24に前後搖動端が連結された前後アーム31、32によりドアを支持する平行リンク16と、ドア開時にスライダー24及びレール22を突出し位置D2へ搖動させた上でスライダーに対してレールを全開位置D3へとスライドさせ、ドア閉時にレール22を突出し位置へスライドさせた上でスライダー24及びレール22を突出し位置D2より閉鎖位置D1へ搖動させる開閉装置において、スライダー24に設けられ、並行リンクと当接することでリアドア4の搖動を抑制し、レール22と当接することでリアドア4のスライドを抑制するフック部材400を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の側壁に設けられる乗降口を開閉するスイングスライドドアを開閉駆動するスイングスライドドアの開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に設置されているスイングスライドドアは、乗降口を閉鎖する状態より外方に突出るように搖動し、その上で後方にスライドして乗降口を全開することができる。このようなスイングスライドドアはそのドアの移動位置を規制できる平行リンクを用いたスイングスライドユニットにより車体側に移動可能に支持されている。
そのようなスイングスライドユニットを用いたドアの一例が特開平10−175444号公報(特許文献1)や、特開2007−196925号公報(特許文献2)に開示される。
【0003】
ここで、特許文献1に開示のようにスイングスライドドアは手動により開閉操作されるものや、特許文献2に開示のようにモータを備えた開閉駆動機構により開閉操作されるものがある。
ところで、開閉駆動機構により開閉操作されるスイングスライドユニットRUの場合、図15に示すように、平行リンク200とドア荷重を支持する支持アーム201とこれらを搖動させる開閉駆動機構203とを備える。平行リンク200は車体側ブラケット204に前後枢支端が連結され、ドア204側のレール205に嵌着するスライダー206に前後搖動端が連結された前後一対のアーム207、208を備える。開閉駆動機構203は車体側ブラケット204に支持されたモータ209と、モータ209に駆動される巻取りドラム210と、巻取りドラム210に巻取り、巻戻し可能に連結された開ケーブル211及び閉ケーブル212と、開ケーブル211を巻がける複数のプーリ213と、ドア204側の前ケーブル止め214と、ドア側の後ケーブル止め216と、開閉作動ケーブル211、212を巻がける複数のプーリ215とを備える。
【0004】
ここで、ドア204が閉鎖位置D1にあるときに巻取りドラム210が開ケーブル211を巻取ると、先ず、平行リンク上の前アーム207が複数のプーリ213に加わる張力によって突出し位置D2に向け搖動し、ドア204及びドア内のレール205に嵌着するスライダー206が突出し位置D2に達する。更に、開ケーブル211の巻取りが続くと、前ケーブル止め214が開き方向(図15で左側)に張力を受ける。これにより突出し位置D2で搖動を停止したスライダー206に対して、ドア側のレール205が後方にスライドし、ドア204が開位置(全開位置)D3に移動する。逆に、巻取りドラム210が閉ケーブル212を巻取ると、先ず、後ケーブル止め216が閉じ方向(図15で右側)に張力を受け、スライダー206に対して、ドア側のレール205が前方に摺動し、ドア204が突出し位置D2にスライドし、スライダー206に対するドア側のレール205の摺動が停止する。更に、閉ケーブル212の巻取りが続くと、平行リンク上の前アーム207の複数のプーリ213に加わる張力によって突出し位置D2より閉鎖位置D1側にスライダー206と共にドア側のレール205が搖動し、ドア204が閉鎖位置D1に保持される。
【0005】
このような開閉駆動機構203により開閉操作されるスイングスライドユニットRUは、不図示の開閉スイッチを操作することで、巻取りドラム210を正、逆回転してドア204を乗降口を閉鎖する閉鎖位置D1と、その閉鎖位置より車外に突出た突出し位置(搖動位置)D2と、突出し位置D2より後方にスライドした開位置(全開位置)D3との間で開閉操作できる。
【0006】
【特許文献1】特開2003−320964号公報
【特許文献2】特開2007−196925号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、ドア204が閉鎖位置D1より突出し位置D2に向け、あるいは突出し位置D2より閉鎖位置D1に向けて平行リンクの働きで搖動する際、同時に、スライダー206に対してドア内のレール205が開閉方向に摺動する可能性がある。更に、ドア204が突出し位置D2より全開位置D3に向け、あるいは全開位置D3より突出し位置D2に向けてスライダー206に対してレール205が摺動する際に、同時に、平行リンクの働きでドア204が閉鎖位置D1側に向けて搖動する可能性がある。
【0008】
即ち、ドア204が平行リンクの働きで閉鎖位置D1と突出し位置D2の間で搖動する領域と、ドア204がスライダー206に対するドア内のレール205の働きで突出し位置D2と全開位置D3の間で摺動する領域とを突出し位置D2を境に確実に切換えることが出来ない場合、ドア204が予め設定されたドア開閉軌跡より外れ、ドアが不確実な開閉作動を不安定に生じる可能性があり、改善が望まれている。
【0009】
本発明は以上のような課題に基づきなされたもので、目的とするところは、確実なドア開閉軌跡に沿ってスイングスライドドアを開閉駆動できる、スイングスライドドアの開閉装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明は、車体の前後方向に長いレールを一体的に取付けたスイングスライドするドアと、前記車体の固定部材に前後枢支端が連結され、前記ドアのレールに摺動自在に嵌着するスライダーに前後搖動端が連結された前後一対のアームにより前記ドアを支持する平行リンクと、を備え、前記ドア開時に前記スライダー及びレールを車体前側の閉鎖位置より外側後方の突出し位置へ搖動させた上でスライダーに対してレールを車体後側の全開位置へとスライドさせ、前記ドア閉時に前記スライダーに対してレールを全開位置より車体前側の突出し位置へスライドさせた上で同スライダー及びレールを突出し位置より閉鎖位置へ搖動させるスイングスライドドアの開閉装置において、前記スライダーに設けられ、前記平行リンクと前記レールとに選択的に当接し、前記並行リンクと当接することで前記ドアの搖動を抑制し、前記レールと当接することで前記ドアのスライドを抑制するフック部材を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のスイングスライドドアの開閉装置において、前記フック部材は、前記スライダーの基枠部に横向きピンを介してボスが枢支されると共に同ボスより一対の上下フック及び上向きレバーを突き出して形成され、上記下フックは上記レールがスライダーに対して突出し位置を離脱した上で全開位置との間で往復動する際に上記前後一方のアームを係止することで同アームをスライダーに対してロックするよう形成され、上記レールがスライダーに対して突出し位置に戻った際に上記上フックが上記レールを係止することで、前後一対のアームがスライダーに対して突出し位置より閉鎖位置の間で相対的に搖動する際にレールをスライダーに対してロックするよう形成された、ことを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載のスイングスライドドアの開閉装置において、上記下フックに係止されるアームは後アームであることを特徴とする。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項2又は3に記載のスイングスライドドアの開閉装置において、上記フック部材は上記下フックが前後一方のアームを係止するアーム係止位置に向けて弾性的に回動付勢され、上記スライダーに対してレールが上記全開位置側より突出し位置に達した際に、同レールに形成された切換え壁が上記上向きレバーを押圧するのに連動して上記下フック部材がアーム係止位置より離脱し上記上フックが上記レール側の係止壁部を係止することを特徴とする。
【0014】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか一つに記載のスイングスライドドアの開閉装置において、前記車体側の固定部材に枢支される第1搖動アームと同第1搖動アームの搖動端に枢支される第2搖動アームと同第2搖動アームの他の搖動端に前記ドアのドア側枢支部を枢支するドア荷重支持アームを備えた、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明は、ドアが突出し位置と全開位置との間をスライドする際にはフック部材が平行リンクと当接してドアの突出し位置と閉鎖位置との間の搖動を抑制し、ドアが突出し位置と閉鎖位置との間を搖動する際にはフック部材がレールと当接してドアの突出し位置と全開位置との間のスライドを抑制するため、ドアの搖動とスライドが同時に作動することを抑制し、閉鎖位置、突出し位置及び全開位置とに亘るドア開閉軌跡に沿ってスイングスライドドアを確実に安定して開閉駆動でき、ドア開閉装置の品質の向上を図れる。
【0016】
請求項2の発明は、レールがスライダーに対して摺動することで、ドアが突出し位置を離れた上で全開位置との間で往復動する際、下フックが前後一方のアームを係止することで同アームをスライダーに対してロックし、平行リンク側の搖動を阻止でき、ドアの前後摺動作動のみを安定して確実に行うことができ、一方、レールがスライダーに対して突出し位置に戻った際に上フックがレールを係止してレールとスライダーを確実にロックでき、ドア側が前後一対のアームによる突出し位置より閉鎖位置の間での搖動のみを安定して確実に行うことができる。このため、閉鎖位置、突出し位置及び全開位置とに亘るドア開閉軌跡に沿ってスイングスライドドアを確実に安定して開閉駆動でき、ドア開閉装置の品質の向上を図れる。
【0017】
請求項3の発明は、後アームを上記下フックが係止することで、後アームとスライダーをロックして、その間の平行リンク側の搖動を阻止してドアの前後摺動作動を安定して確実に行うことができ、特に、前アームの構成の自由度を確保できる。
【0018】
請求項4の発明は、下フックが前後一方のアームを係止するアーム係止位置に弾性的に回動付勢された状態のままで、レールが全開位置側より突出し位置に戻った際に、レール側の切換え壁が上向きレバーを押圧するのに連動して下フックが一方のアームを解除し、上フックがレールの係止壁部を係止するよう切換わるので、突出し位置と閉鎖位置との間で一対の前後アームがスライダーに対して相対変位できると共にレールのスライダーに対するずれを防止できる。
【0019】
請求項5の発明は、ドア荷重がドア荷重支持アームにより支持されているので、平行リンクの上下方向のたわみが抑制され、安定してスイングスライドドアが支持されるので、摺動抵抗を少なくして開閉駆動力を低減し、モータの小型化を図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1にはこの発明の一実施形態としてのスイングスライドドアの開閉装置を示した。この開閉装置は4ドアのハッチバックタイプの自動車(以後単に車両と記す)Bのスイングスライドドアに装着されている。
車両Bは左右の各前乗降口1を開閉するフロントドア2と、左右の各後乗降口3を開閉するスイングスライドドア(以後単にリアドアと記す)4を備える。各フロントドア2は前端上下2箇所h1、h2がヒンジ結合され、回動端がセンタピラ5の上下中ほどの後ロック部Jfに不図示のラッチとストライカを用いて離脱可能にロックされる。
【0021】
一方、リアドア4は後述のスイングスライドユニットUに支持され、後乗降口3を閉鎖する閉鎖位置D1と、閉鎖位置D1より車外に突出た突出し位置(突出し位置)D2と、突出し位置D2より後方にスライドした全開位置D3とにスライド可能に支持される。閉鎖位置D1においてリアドア4はその前端上下ロック部J1、J2が不図示の電動機器であるパワーラッチとストライカを用いてセンタピラ5に2点位置で離脱可能にロックされ、後端上下中ほどの後端ロック部J3が不図示の電動機器であるパワーラッチとストライカを用いてリアピラー60に離脱可能にロックされる。
【0022】
リアドア4の外周縁部には不図示のウエザーストリップが取付けられ、このウエザーストリップによりリアドア4が閉鎖位置D1に保持された際に、後乗降口3の周縁壁面に対して密に圧接でき、シール性を確保できるようにしている。
図1、2、3に示すように、リアドア4のドア開閉装置の要部を成すスイングスライドユニットUは車体の後乗降口3に沿って配備されたリアピラー60における上下方向での中間部近傍に取付けられる。
【0023】
図3、4に示すように、リアピラー60は車体の後部のアウタパネル(クオーターパネル)60bの前端部分とその車内側のインナパネル29(図5参照)の前端部分と、不図示のリンフォースとで形成される。リアピラー60の上下方向での中間部近傍には、平らな縦壁を成すインナパネル29とインナパネル29の車外側に接合されたアウタパネル60bとを互いに溶着させてなる後乗降口3の周縁部である縦フランジ部(以後単に後方縦フランジ部)f1が形成される。
【0024】
図1、3、4に示すように、後方縦フランジ部f1の一部に重なるように取付け凹部Tが形成される。この取付け凹部Tは車外側(図1で手前側)に向けて開口するよう形成され、後端ロック部J3の下方に位置し、上述のドア開閉装置の要部を成すスイングスライドユニットUを取付け可能に形成される。なお、後方縦フランジ部f1及びその車内側のインナパネル29の縦壁面に亘りクオータートリム120(図5参照)が装着される。
【0025】
図3、4に示すように、車体の取付け凹部Tの低壁601にはスイングスライドユニットUの基部であるベース部材15が固着される。ベース部材15は車体側壁の固定部材を成しており、平行リンク16と、ドア荷重支持アーム18と、リアドア4の開閉駆動源を有する開閉駆動機構19のケーブルエンドPoe、Pce(図3、5参照)及び後述する複数の中間ローラrが取付けられる。
更に、開閉駆動機構19の車体側部材に連動する部材がリアドア4側に配備される。即ち、図1に示すように、リアドア4側には開閉駆動機構19の駆動源Mを成すモータ101及び巻取りドラム46と複数のローラPo1、Pc1、Po2、Pc2(図5、6参照)が配備される。
【0026】
図3乃至5に示すように、ベース部材15は剛性を保持した形状を有し、前後一対の平行リンク16を枢支する下部取付け部151とそれより上方に延びドア荷重支持アーム18を枢支する上部縦柱部152とを備える。下部取付け部151は前後一対の平行リンク16を枢支する横向きフランジ部15aとその横向きフランジ部15aを補強するよう溶着され下方に斜めに延びる下方傾斜部15bと、下方傾斜部15bより屈曲して延出し、取付け凹部Tの一部をなす前向段状部601にボルト止めされる締結フランジ15cとを備える。
【0027】
上部縦柱部152はドア荷重支持アーム18の基端を縦ピン43を介して枢支する基端ボス部41を備える。基端ボス部41の一側にはコ字型締結ブラケット53(図3参照)が重ねられ、相互にボルト止めされる。更に、図4に示すように、コ字型締結ブラケット53は基端より離れて延出する縦壁面が取付け凹部Tの縦壁に重ねられ、両部材が不図示のボルトによって止められる。
図3、図4に示すように、平行リンク16は搖動するリアドア4の開閉移動軌跡や各位置を位置決めする機能を備える。
平行リンク16の前アーム31及び後アーム32の前、後連結ピン246、245はスライダー24の前後端近傍とそれぞれピン結合される。前アーム31及び後アーム32は前後及び上下に所定間隔を保ったままで揺動でき、両アーム相互の干渉を防止するように形成される。
【0028】
ここで、スライダー24はリアドア4のインナパネル402に取付けブラケット35を介し一体結合されたドア支持レール22に嵌着される。なお、取付けブラケット35はインナパネル402の内壁の中央主要部を覆うような形状の屈曲板材であり、ドア重心位置近傍に後述のドア側枢支部37を一体的に取付けている。
図3に示すように、リアドア4のアウタパネル401とドア内空間を介して配備されるインナパネル402とは互いの前後及び下部の外周縁部が相互に一体接合処理され、更に、両パネルの上方周縁部間には開口が形成される。この開口は、不図示のドアガラスの昇降作動域及びその支持部材のサッシュ55を装着可能なように形成される。
【0029】
ドア内空間にはドアガラスの他に、開閉駆動機構19と、制御手段としてのコントローラ30とが装着されている。図12に2点鎖線で示すように、コントローラ30と車体側の電源(不図示)及びメインコントローラ300とがワイヤハーネス20によって連結される。
図2に示すように、リアドア4のインナパネル402の車内側面はトリム80により覆われる。トリム80は平行リンク16の前後アーム31、32を嵌挿するスリット81を形成され、全体はインナパネル402(図3参照)の車内側面に不図示の係止手段で係止される。なお、トリム80には、ドア荷重支持アーム18側とピン結合されるドア側枢支部37が嵌合される取付け穴90が形成される。
【0030】
図1、3、4に示すように、平行リンク16の上方にはドア荷重支持アーム18が取付けられる。ドア荷重支持アーム18は車体側に枢支されたベース部材15の上部の上部縦柱部152に形成された基端ボス部41に第1縦ピン43を介して第1支持アーム44の基端部441が枢支される。第1支持アーム44の回動端には第2縦ピン62を介して第2支持アーム61の基端部611が枢支され、その他端である揺動端612がリアドア4の重心位置近傍のドア側枢支部37を第3縦ピン36を介して枢支している。
【0031】
このようなドア荷重支持アーム18を成す第1支持アーム44と第2支持アーム61とは縦長断面のバー状部材として剛性材で形成される。これによって、ドア荷重支持アーム18は上下方向のドア荷重を受けても変形を抑え、リアドア4の重心部の荷重を常にベース部材15に伝達できる。この際、図12乃至図14に示すように、ドア荷重支持アーム18はリアドア4が閉鎖位置D1より突出し位置D2、全開位置D3とドア開閉軌跡に沿って移動する何れの位置においてもリアドア4のドア荷重を確実に支持し、リアドア4の傾きを規制することができる。
【0032】
このようなドア荷重支持アーム18には、ワイヤハーネス20の要部が支持される。即ち、図12に2点鎖線で示すように、ワイヤハーネス20はリアドア4内の電装機器、例えば、開閉駆動機構19の駆動源Mを成すモータ101、不図示の電動ウインドウレギュレータ、前、後端ロック部J1、J2、J3のパワーラッチ6、8や、不図示のラッチセンサ及びコントローラ30等の各配線を束ねてワイヤハーネス20を形成し、そのワイヤハーネス20を車体側の電源(不図示)及びメインコントローラ300に連結する。ワイヤハーネス20は車体側より延出し、ドア荷重支持アーム18の基端部441、第1支持アーム44、第2支持アーム61、揺動端612、ドア側枢支部37の各側壁に不図示の樹脂等で形成されたクリップを用いて順次締結され、リアドア4の内部空間側に達し、制御機器であるコントローラ30等に接続されている。
【0033】
図3、12に示すように、ドア支持レール22はその内部に下向き主、従レール溝33u1、33u2と下部の主下向きレール溝33l1、従上向きレール溝33l2とを前後方向Xに長く形成され、ドア支持レール22の内部に前後外ローラr1、r2、複数のローラrを介してスライダー24が嵌挿される。
【0034】
図3、7、8、9に示すように、スライダー24は前後方向Xに長い板状の互いに結合する上基板241及び同上基板241の一部より下方に延出する下基板244と、上基板241の上面より突き出す前後方向Xに長い一対の並列状の縦長壁242、243と、上基板241の前部に後アーム32の揺動端を揺動可能にピン結合する後連結ピン245(図3、4参照)と、下基板244の前より(図4で右側)の下向き壁より下方に延び前アーム31の揺動端を揺動可能にピン結合する前連結ピン246とを備える。
【0035】
縦長壁242(図3参照)の要部には後外ローラr1を遊嵌する切欠孔が形成され、後外ローラr1は縦向きの後枢支ピンを介して縦長壁242に枢支される。この後、外ローラr1は後連結ピン245と共通の後揺動中心線Lrr上に配備される。
下基板244の前よりの前連結ピン246と共通の前揺動中心線Lrf上に前外ローラr2の縦向きの前枢支ピンが配備され、同前枢支ピンが前アーム31の分岐揺動端bに前外ローラr2を枢支する。
これによって、並行リンク16に対してその外側前、後揺動中心線Lrf、Lrrを介し枢支されたスライダー24が並行リンク16により搖動すると共にスライダー24の後外ローラr1、前外ローラr2に対してドア支持レール22が前後方向Xに容易に摺動できる。なお、後揺動中心線Lrf、Lrrの平面視での点を図5、6においては前後搖動中心点Prf、Prrとして示す。
【0036】
図12、13、14に示すように、ドア支持レール22の上部の下向きレール溝33u1、33u2は前後方向Xの全域に長く形成される。一方、下部の主下向きレール溝33l1、従上向きレール溝33l2は、図12に示すように、ドア支持レール22の長手方向のほぼ中間部まで形成され、その後方(図12で左側)には形成されていない。下部の主下向きレール溝33l1、従上向きレール溝33l2はこれに嵌合する前アーム31の搖動端の前外ローラr2及びその近傍の従前ローラ23fsを嵌挿する。特に、前外ローラr2が下部の主下向きレール溝33l1のストッパ壁部rs0に当接することで、相対的なドア支持レール22(リアドア4)の更なる前摺動を阻止し、ドア支持レール22(リアドア4)の突出し位置D2を規制する。
【0037】
このため、前アーム31が前アーム搖動基点Pcf(図5参照)まわりに搖動した際、即ち、突出し位置D2における前ローラ23fの中心線回り(外側搖動中心点Prf回り)に前アーム31が相対的に搖動すると、前外ローラr2の近傍の従前ローラ23fs側が前外ローラr2の中心線Lrf回りに円弧(図7の2点差線の矢示参照)q1を描くように回動する。この状態において、従前ローラ23fsはストッパ壁部rs0の外側にコロ接触状態を保持して変位し、前ローラ23fの中心線は前後方向Xにずれることを阻止することが出来る。この前ローラ23fの中心線回りに前アーム31が相対的に搖動することで、ドア支持レール22(リアドア4)が突出し位置D2より、図14に示す閉鎖位置D1にまで搖動可能であり、この際、従前ローラ23fsは、図14に示すように、従上向きレール溝33l2の湾曲最深部に達する。
【0038】
一方、前アーム31が前アーム搖動基点Pcfまわりに搖動し、前外ローラr2が主下向きレール溝33l1のストッパ壁部rs0に当接し、ドア支持レール22(リアドア4)が突出し位置D2に達し、ドア支持レール22(リアドア4)が全開位置D3に向けて後方にスライドするとする。この場合、図13に示すように、近傍の従前ローラ23fsは従上向きレール溝33l2の湾曲部より直状部に対向しており、前外ローラr2、従前ローラ23fsはスムーズに主下向きレール溝33l1、従上向きレール溝33l2に沿って相対的に摺動し、図13に示すように、ドア支持レール22(リアドア4)を全開位置D3にスライドさせることが出来る。
【0039】
次に、図7乃至図11に示すように、スライダー24はその上基板241及び縦長壁243における長手方向での中間部分にロック機構Rを備える。
ロック機構Rはスライダー24の基枠部を成す縦長壁243に横向きピンc1を介してボス401が枢支されるフック部材400と、後アーム32を係止するアーム係止位置である下位置e1に向けてフック部材400を弾性的に回動付勢するバネ411と(図7、図10(a)参照)と、フック部材400の回動をストップさせる係止部414を有した係止レバー410と(図10(b)参照)、レール22側に形成された切換え壁fp及び係止壁部fwと(図7参照)、後アーム32に突設された係止突部32fと(図11(a)、(b)参照)、スライダー24の基枠部を成す上基板241の底面より延出し係止突部32fと当接するストッパ壁241f(図10(b)参照)とを備える。
【0040】
ここで、フック部材400は横向きピンc1に枢支されたボス401の一側より延出するレバー部402の先端に上下フック403、404を形成し、他側より解除バー405を突設する。
このうち、下フック404は上基板241に設けた貫通穴sh1に遊嵌した上でストッパ壁241fに当接する状態の後アーム32に突設された係止突部32fをストッパ壁241fと協働して挟持する下位置e1に回動可能に形成される。この下位置e1に下フック404(フック部材)が保持され、ストッパ壁241f(平行リンク)と当接することで、リアドア4が突出し位置D2と全開位置D3との間をスライドする際に、ドアの突出し位置D2と閉鎖位置D1との間の搖動を抑制する機能を発揮する。
【0041】
一方、上フック403はスライダー24に対してレール22が突出し位置D2に戻った状態にある場合に、レール22の内壁面に一体結合された操作片22dの後部の係止壁部fwを係止可能に形成される。
更に、解除バー405はスライダー24に対してレール22が突出し位置D2に戻った際にレール側の操作片22dの前部に形成された切換え壁fpに押圧されて移動可能に形成される。しかも、その際、下フック404を下位置e1より離脱させ、上フック403が係止壁部fwを係止する上位置e2に切換わるように揺動可能に形成される。この上位置e2に上フック403(フック部材)が保持され、操作片22d(レール22)と当接することで、リアドア4が突出し位置D2と閉鎖位置D1との間を搖動する際に、ドアの突出し位置D2と全開位置D3との間のスライドを抑制する機能を発揮する。
【0042】
このように、フック部材400はリアドア4の搖動とスライドが同時に作動することを抑制し、閉鎖位置D1、突出し位置D2及び全開位置D3とに亘るドア開閉軌跡に沿ってドアを確実に安定して開閉駆動でき、ドア開閉装置の品質の向上を図れる。
なお、図7中のバネ411は横向きピンc1に外嵌された上でフック部材400を下位置e1側に弾性的に回動付勢するように取付けられる。
【0043】
図7に示すように、フック部材400の前(図7で右側)に配備された係止レバー410は、横向きピンc1に枢支される枢支部407より下方に延出して上基板241に設けた貫通穴sh2に遊嵌した主部408と、主部408の先端より屈曲して延びストッパ壁241fに設けた縦貫通穴sh3に遊嵌される尖塔部409と、主部408の側部より突出して上位置e2に達したフック部材400をその状態に保持するようフック部材400側係止部406を係止するレバー側係止部414と、横向きピンc2に外嵌され、尖塔部409を縦貫通穴sh3に突入させるよう弾性付勢するバネ412とを備える。
【0044】
ここで、図7(2点鎖線参照)、図8(実線参照)に示すように、尖塔部409は縦貫通穴sh3を貫通した上で、全開位置D3側に揺動している後アーム32側に所定量t1突き出し保持され、この際、レバー側係止部414がフック部材400側の係止部406を係止し、フック部材400を上位置e2に保持し、上フック403がスライダー24側を係止し(図8、図9、図10参照)、スライダー24とレール22をロック状態に保持する。
【0045】
更に、後アーム32が突出し位置D2に戻ると、後アーム32の係止突部32fに尖塔部409が押圧され、レバー側係止部414がフック部材400側係止部406より離脱し、フック部材400を上位置e2より下位置e1に回動させる。この際、上フック403がスライダー24より離脱して(図7、図11参照)、スライダー24とレール22は非ロック状態に切換わる。しかも、下フック404が後アーム32に突設された係止突部32fをストッパ壁241fと協働して挟持し、スライダー24と後アーム32及び平行リング16側とをロック状態に保持する。
次に、リアドア4に配備されるスイングスライドユニットUの開閉駆動機構19を説明する。
【0046】
図1に示すように、開閉駆動機構19はリアドア4の駆動源を成すモータ101、巻取りドラム46の回転力で閉鎖載置D1より突出し位置D2を介して全開位置D3へとリアドア4を移動する機能を備える。
即ち、開閉駆動機構19は、図6(a)〜(c)に示すように、リアドア4内部に配設されたモータ101と、モータ101に巻取り、巻戻し可能に駆動される巻取りドラム46と、巻取りドラム46に引き出し自在に巻き取られる開ケーブル49及び閉ケーブル51と、開ケーブル49を巻きがけるドア支持レール22前端の端部プーリPo1と、閉ケーブル51を巻きがけるドア支持レール22後端の端部プーリPc1と、スライダー24の前側の第1プーリ23fと、前アーム31上の第2プーリPo2(前中間プーリ)と、横向きフランジ部15aに支持され開ケーブル49のアンカー部を連結したケーブルエンドPoeと、スライダー24の後側の第1プーリ23rと、後アーム32上の第2プーリPc2(後中間プーリ)と、コ字型締結ブラケット53(図3参照)の下フランジ53dに支持され閉ケーブル51のアンカー部を連結したケーブルエンドPceと、を備える。
【0047】
次に、リアドア4の作動を説明する。
コントローラ30がドア開指令を受ける前において、リアドア4が閉鎖位置D1に保持されているとする。その際、リアドア4側の前端上ロック部J1と前端下ロック部J2と後端ロック部J3の各パワーラッチ6、8がロック状態を保持したまま非通電状態に保持されている。
この場合、図6(a)、図14に示すように、後アーム32と前アーム31の搖動端は車内側(図6(a)で下方)に引き込まれ、両アームの搖動端のスライダー24と共にドア支持レール22がリアドア4を閉鎖位置(図1参照)D1を保持する。
【0048】
この場合、図8に示すように、ロック機構Rのフック部材400が上位置e2にあり、上フック403がスライダー24側を係止し、スライダー24とレール22をロック状態に保持するので、スライダー24に対するドア側の摺動は阻止され、平行リンク16の揺動のみが許容される状態にある。
次に、コントローラ30がドア開指令を受けると、ワイヤハーネス20を介して閉鎖位置D1のリアドア4の前端上ロック部J1と前端下ロック部J2と後端ロック部J3の各パワーラッチ6、8にロック解除の出力を発する。
【0049】
更に、コントローラ30はドア開指令に基づくドア開出力を受けると、図6(b)、図12に示すように、巻取りドラム46を駆動して太い実線で示す開ケーブル49を巻取り、閉ケーブル51の放出を行う。この際、図6(a)に示すように、開ケーブル49に加わる張力により、ケーブルエンドPoe(開ケーブル固定端)と前アーム31上の第2プーリPo2(前中間プーリ)間が狭まり、前アーム31の搖動端及びスライダー24が一体的に車外側に搖動し、ドアが突出し位置D2側に搖動できる。即ち、平行リンク16及びその搖動端のスライダー24を開方向に搖動し、これに連動してドア4を突出し位置D2側に搖動できる。
【0050】
この場合、図9(a)、(b)、図10(a)、(b)に示すように、ロック機構Rのフック部材400が上位置e2にあり、上フック403がスライダー24側と当接して係止し、スライダー24とレール22をロック状態に保持するので、スライダー24に対するドア側のスライドは阻止され、平行リンク16の揺動のみが許容される状態にある。このため、前アーム31が前アーム搖動基点Pcfまわりに搖動し、下部の主下向きレール溝33l1のストッパ壁241f部rs0に前アーム31の搖動端の前外ローラr2が当接した状態を保ち、更に、前ローラ23f近傍の従前ローラ23fsがストッパ壁241f部rsの外側にコロ接触状態を保持することができ、前外ローラr2の中心線は前後方向Xにずれることを阻止され、平行リンク16の揺動変位が安定して、確実に成され、ドア開閉装置の品質の向上を図れる。
【0051】
更に、コントローラ30のドア開出力を受けていると、巻取りドラム46が駆動して太い実線で示す開ケーブル49を巻取り、太い実線で示す閉ケーブル51の放出を継続して行うと、リアドア4が図9(b)に示すように、突出し位置D2に接近する。次いで、リアドア4が突出し位置D2に達すると、図7に2点差線で示す状態より、実線で示すように、ロック機構Rのフック部材400が上位置e2より下位置e1に切換わる。
【0052】
これにより、下フック404が後アーム32に突設された係止突部32fと当接し、ストッパ壁241fと協働して挟持し、スライダー24と後アーム32及び平行リング16側とをロック状態に保持する。
このため、リアドア4が閉鎖位置D1より突出し位置D2に揺動する領域では上フック403がスライダー24側を係止し、スライダー24に対するドア側のスライドは阻止され、平行リンク16の揺動のみが許容され、リアドア4が突出し位置D2に達し、全開位置D3に向かう状態では、下フック404が後アーム32及び平行リング16をロックし、平行リンク16の揺動が阻止され、スライダー24に対するドア側のスライドが許容される状態に入る。
【0053】
ドア支持レール22側(リアドア4側)が全開位置D3に向けて後方にスライドする場合、図12、13に示すように、近傍の従前ローラ23fsは従上向きレール溝33l2の湾曲部より直状部に対向している。この際、前外ローラr2、従前ローラ23fsはスムーズに主下向きレール溝33l1、従上向きレール溝33l2に沿って相対的に摺動し、ドア支持レール22(リアドア4)を全開位置D3にスライドさせることが出来る。
【0054】
一方、ドア閉指令を受けると、コントローラ30はこれに基づき、ドア閉出力をモータ45に出力し、巻取りドラム46を駆動して太い実線で示す閉ケーブル51を巻取り、太い実線で示す開ケーブル49の放出を可能とする。この際、閉ケーブル51を巻きがけるドア支持レール22後端の端部プーリPc1と、スライダー24の後側の第1プーリ23rとの間隔が狭まり、図6(b)に示す突出し位置D2に前後アーム31、32は戻る。
【0055】
この場合、リアドア4が全開位置D3側より突出し位置D2に戻る摺動領域では下フック404が後アーム32及び平行リング16をロックし、平行リンク16の揺動が阻止され、スライダー24に対するドア側の摺動軌跡が所定の軌跡からずれることがなく、確実な突出し位置D2と全開位置D3の間での開閉がなされる。リアドア4が突出し位置D2に戻ると、図11(b)に示すように、レール側の操作片22dの前部に形成された切換え壁fpに解除バー405が当たり、下フック404を下位置e1より離脱させ、上フック403が係止壁部fwを係止する上位置e2に切換わる。
これによって、スライダー24に対するドア側のスライドは阻止され、平行リンク16の揺動のみが許容され、リアドア4が突出し位置D2より閉鎖位置D1に向かう。
【0056】
次いで、閉ケーブル51に加わる張力によって、突出し位置D2にある後アーム32上の第2プーリPc3(後中間プーリ)と閉ケーブル51のアンカー部を連結したケーブルエンドPce(閉ケーブル固定端)との間隔が狭まり、後アーム32が前アーム搖動基点Pcf(図6参照)まわりに搖動し、図6(a)に示す閉鎖位置D1に達し、リアドア4が後乗降口3を閉鎖する。この際、コントローラ30はリアドア4が閉鎖位置D1に達したことを不図示の位置センサによりドア閉信号を受ける。
これに応じて、コントローラ30はリアドア4の前端上ロック部J1と前端下ロック部J2と後端ロック部J3の各パワーラッチ(不図示)にワイヤハーネス20を介してロック出力を発し、リアドア4を後乗降口3へロックし、ロック信号がコントローラ30に入力されることとなる。
【0057】
このようにリアドア4が突出し位置D2より閉鎖位置D1に向かうあいだ、フック部材400が上位置e2にあり、上フック403がスライダー24側を係止し、スライダー24とレール22をロック状態に保持するので、スライダー24に対するドア側の摺動は阻止され、平行リンク16の揺動のみが許容され、ドア側の揺動軌跡が所定の揺動軌跡からずれることがなく、突出し位置D2と閉鎖位置D1の間での開閉変位が安定して、確実に成され、ドア開閉装置の品質の向上を図れる。
【0058】
上述のところにおいて、図1のドア開閉装置が採用していたスイングスライドユニットUの開閉駆動機構19では、開閉ケーブル49、51を巻き取り、放出する駆動源Mを成すモータ101及び巻取りドラム46をドア内に収容し、開閉駆動機構19のケーブルエンドPoe、Pceを車体側のベース部材15に取り付けた構成を取っていた。しかし、これに限定されるものではなく、開閉駆動機構の開閉ケーブルの一対のケーブルエンドを不図示のドア内のレールの前後端に連結し、モータ及び巻取りドラムを車体側の基枠に装着するという逆構成をとるようなドア開閉装置を採用することが出来る。この場合も、図1のドア開閉装置と同様に、ドア内に配備するレール及び同レールに摺動可能に嵌挿されるスライダーに対して図7に示したようなロック機構Rを装着して、ドアを閉鎖位置D1より突出し位置D2の間では揺動のみを許容し、スライダーに対するレール側の摺動を阻止し、突出し位置D2より全開位置D3の間では摺動のみを許容し、平行リンク側の揺動を阻止することで、ドアの揺動軌跡及び摺動軌跡が所定の軌跡よりずれることがないようにして、安定したドアの揺動及び摺動変位を確実に保持することが出来、ドア開閉装置の品質の向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施形態としてのスイングスライドドアの開閉装置を装備する車両の概略側面図である。
【図2】図1のリアドアの内側要部斜視図である。
【図3】図1のリアドアに用いられるスイングスライドユニットの概略正面図である。
【図4】図1のリアドアに用いられるスイングスライドユニットの概略側面図である。
【図5】図1のリアドアに用いられるスイングスライドユニットの要部拡大平面図である。
【図6】図1のリアドアに用いられるスイングスライドユニットの平行リンク及び開閉駆動機構の機能説明図で、(a)は閉鎖位置を、(b)は突出し位置を、(c)は全開位置を示す平面図である。
【図7】図1のリアドアに用いられるロック機構の機能説明図である。
【図8】図1のリアドアに用いられるロック機構のドアの閉鎖位置での態様を説明する斜視図である。
【図9】図1のリアドアに用いられるロック機構のドアの閉鎖位置と突出し位置の間での態様を説明する斜視図で、(a)は揺動初期を、(b)は揺動終了前を示す。
【図10】図1のリアドアに用いられるロック機構における上フックがレール側を係止する状態の説明切欠斜視図で、(a)は第1の方向からの図を、(b)は第2の方向からの図である。
【図11】図1のリアドアに用いられるロック機構のドアの突出し位置と全開位置の間での態様を説明する斜視図で、(a)は第1の方向からの図を、(b)は第2の方向からの図である。
【図12】図1のリアドアに用いられるスイングスライドユニットの突出し位置を示す作動説明図である。
【図13】図1のリアドアに用いられるスイングスライドユニットの全開位置を示す作動説明図である。
【図14】図1のリアドアに用いられるスイングスライドユニットのドア閉鎖位置を示す作動説明図である。
【図15】従来のスイングスライドドアの平行リンクと開閉駆動機構の機能を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0060】
3 後乗降口
4 リアドア
16 平行リンク
17 ドア摺動機構
18 ドア荷重支持アーム
19 開閉駆動機構(ドア開閉装置)
101 モータ
102 ドラム
20 ワイヤハーネス
22 ドア支持レール
24 スライダー
241 上基板
241f ストッパ壁
243 縦長壁
30 コントローラ
31 前アーム
32 後アーム
32f 係止突部
400 フック部材
401 ボス
403、404 上下フック
405 解除バー
410 係止レバー
411 バネ
414 係止部
49 開ケーブル
51 閉ケーブル
c1 横向きピン
e1 下位置
fp 切換え壁
fw 係止壁部
B 車両
D1 閉鎖位置
D2 突出し位置
D3 全開位置
R ロック機構
U スイングスライドユニット
X 前後方向
Y 車幅方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の前後方向に長いレールを一体的に取付けたスイングスライドするドアと、
前記車体の固定部材に前後枢支端が連結され、前記ドアのレールに摺動自在に嵌着するスライダーに前後搖動端が連結された前後一対のアームにより前記ドアを支持する平行リンクと、を備え、
前記ドア開時に前記スライダー及びレールを車体前側の閉鎖位置より外側後方の突出し位置へ搖動させた上でスライダーに対してレールを車体後側の全開位置へとスライドさせ、前記ドア閉時に前記スライダーに対してレールを全開位置より車体前側の突出し位置へスライドさせた上で同スライダー及びレールを突出し位置より閉鎖位置へ搖動させるスイングスライドドアの開閉装置において、
前記スライダーに設けられ、前記平行リンクと前記レールとに選択的に当接し、前記並行リンクと当接することで前記ドアの搖動を抑制し、前記レールと当接することで前記ドアのスライドを抑制するフック部材を備えたことを特徴とするスイングスライドドアの開閉装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスイングスライドドアの開閉装置において、
前記フック部材は、前記スライダーの基枠部に横向きピンを介してボスが枢支されると共に同ボスより一対の上下フック及び上向きレバーを突き出して形成され
上記下フックは上記レールがスライダーに対して突出し位置を離脱した上で全開位置との間で往復動する際に上記前後一方のアームを係止することで同アームをスライダーに対してロックするよう形成され、
上記レールがスライダーに対して突出し位置に戻った際に上記上フックが上記レールを係止することで、前後一対のアームがスライダーに対して突出し位置より閉鎖位置の間で相対的に搖動する際にレールをスライダーに対してロックするよう形成された、ことを特徴とするスイングスライドドアの開閉装置。
【請求項3】
請求項2に記載のスイングスライドドアの開閉装置において、
上記下フックに係止されるアームは後アームであることを特徴とするスイングスライドドアの開閉装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のスイングスライドドアの開閉装置において、
上記フック部材は上記下フックが前後一方のアームを係止するアーム係止位置に向けて弾性的に回動付勢され、
上記スライダーに対してレールが上記全開位置側より突出し位置に達した際に、同レールに形成された切換え壁が上記上向きレバーを押圧するのに連動して上記下フック部材がアーム係止位置より離脱し上記上フックが上記レール側の係止壁部を係止することを特徴とするスイングスライドドアの開閉装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一つに記載のスイングスライドドアの開閉装置において、
前記車体側の固定部材に枢支される第1搖動アームと同第1搖動アームの搖動端に枢支される第2搖動アームと同第2搖動アームの他の搖動端に前記ドアのドア側枢支部を枢支するドア荷重支持アームを備えた、ことを特徴とするスイングスライドドアの開閉装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−113607(P2009−113607A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−287753(P2007−287753)
【出願日】平成19年11月5日(2007.11.5)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【出願人】(591038587)株式会社アンセイ (48)
【Fターム(参考)】