説明

セラミック体と金属体との接合体

【課題】 セラミック体と金属体との接合強度を比較的高くするとともに、長期にわたって安定した接合強度を実現する。
【解決手段】 接合層32を、セラミック体16の貫通孔16aの内面17に対して、第1内面部分72aの少なくとも一部から第2内面部分72bの全体を経て第3内面部分72cの少なくとも一部まで連続して接着させ、セラミック体16と金属体14との接合強度を比較的高くするとともに、貫通孔16aの内面17と柱状部15の側面19との間における接合層32の一方主面16αの側の端面32aを、他方主面16βの側に向かって凹んだ凹形状とした、セラミック体16と金属体14との接合体1である。温度変化等に応じて接合層自体が変形し易く、接合層自体の変形によって応力を緩和することができ、比較的長期にわたって安定した接合強度を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミック体と金属体との接合体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばリチウムイオン電池等の電池には、電解液を含む電池体を内部に封止しつつ、電気を外部へ取り出すための気密端子が用いられている。例えば下記特許文献1に、従来の気密端子の一例が記載されている。図5に断面図で示すように、下記特許文献1に記載の気密端子100は、貫通孔102aを備える金属からなる封止板102と、一方主面104αから他方主面104βにかけて貫通した貫通孔104aを備える円筒状のセラミック体104と、貫通孔104aに挿通された、金属からなる柱状の端子体106とを備えている。封止端子100では、封止板102とセラミック体104とが接合層110を介して接合され、端子体106とセラミック体104とが接合層112を介して接合されている。接合層110および接合層112は、例えばアルミニウムろう材からなる。セラミック体104は、貫通孔104aの一方主面104α側の端部に、端子体106の側面106aと平行な内周面122と、側面106aと垂直な底面124とで囲まれた拡径部120を備えている。特許文献1の気密端子100では、この拡径部120において接合層112の厚みが大きく、セラミック体104と端子体106との接合強度は比較的高くなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−167915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の気密端子100におけるセラミック体104では、拡径部120における接合層112の厚みが大きく接合強度が十分に強い一方、接合層112を例えばろう付け工程を経て作製する際に、この拡径部120部分において、ろう付け時に大きな熱応力が発生し、このろう付け時の熱応力によってセラミック体104にクラック等の損傷が発生し易いといった課題があった。また、拡径部120では、電池を使用している最中の温度変化に伴なう、接合層112の熱膨張や熱収縮が比較的大きく、繰り返しの使用によってセラミック体104に損傷が発生したり、接合層112がセラミック体104から剥離し易いといった課題があった。また、拡径部120の内周面122と底面124とが垂直に形成されており、この内周面122と底面124との境界のコーナー部に応力が集中し易く、この集中した応力に起因したセラミック体104の損傷も発生し易いといった課題もあった。
【0005】
本発明は、かかる課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、一方主面と他方主面と、前記一方主面および前記他方主面の間を貫通した貫通孔とを有するセラミック体と、前記貫通孔内に少なくとも一部が配置された、前記貫通孔の内面と対向する側面を有する柱状部を備えた金属体と、前記貫通孔の前記内面と前記柱状部の前記側面との間隙に配置された、前記内面と前記側面とに接着して前記セラミック体と前記金属体とを接合する接合層とを有し、前記貫通孔の前記内面のうち、前記柱状部の前記側面と対向する部分は、前記側面に平行な第1内面部分と、該第1内面部分に連続して該第1内面部分よりも前記他方主面の側に配置された
、前記第1内面部分の側から前記他方主面の側に近づくにしたがって前記側面との間隔が減少するように前記側面に対して傾斜した第2内面部分と、該第2内面部分に連続して該第2内面部分よりも前記他方主面の側に配置された、前記側面に平行な第3内面部分とを有し、前記接合層は、前記貫通孔の前記内面に対して、前記第1内面部分の少なくとも一部から前記第2内面部分の全体を経て前記第3内面部分の少なくとも一部まで連続して接着しており、前記貫通孔の前記内面と前記柱状部の前記側面との間における前記接合層の前記一方主面の側の端面は、前記他方主面の側に向かって凹んだ凹形状であることを特徴とするセラミック体と金属体との接合体を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明のセラミック体と金属体との接合体は、セラミック体と金属体とを接合する接合層が、セラミック体の貫通孔の内面に対して、第1内面部分の少なくとも一部から第2内面部分の全体を経て第3内面部分の少なくとも一部まで連続して接着しているので、セラミック体と金属体との接合強度が比較的高いとともに、貫通孔の内面と柱状部の側面との間における接合層の一方主面の側の端面が、他方主面の側に向かって凹んだ凹形状となっているので、温度変化等に応じて接合層自体が変形し易く、接合層自体の変形によって応力を緩和することができ、比較的長期にわたって安定した接合強度を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明のセラミック体と金属体との接合体の一実施形態である端子部材1の概略断面図である。
【図2】(a)は、図1に示す端子部材の一部を拡大して示す断面図であり、(b)は、図1に示す端子部材の実施例の断面の電子顕微鏡写真である。
【図3】図1および図2に示す端子部材を備えて構成された電池について説明する図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【図4】図3に示す電池が備える電池本体の断面図である。
【図5】従来のセラミック体と金属体との接合体の一実施形態である気密端子100の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のセラミック体と金属体との接合体の実施形態を、図面を参照して以下に詳細に説明する。まず、図1および図2を参照し、本発明のセラミック体と金属体との接合体の一実施形態である端子部材1について説明する。図1は、本発明のセラミック体と金属体との接合体の一実施形態である端子部材1の概略断面図である。図2(a)は、端子部材1の一部を拡大して示す断面図である。図2(b)には、端子部材1の実施例の断面の電子顕微鏡写真を併せて示している。
【0010】
端子部材1は、例えば後述する電池60の一部として用いられる部材である。端子部材1は、セラミック体16と、金属体14と、セラミック体16と金属体14とを接合する接合層32とを有して構成されている。セラミック体16は例えば公知のアルミナセラミックスからなり、一方主面16αと他方主面16βと、一方主面16αおよび他方主面16βの間を貫通した貫通孔16aとを有する。金属体14は、貫通孔16a内に少なくとも一部が配置された柱状部15と、セラミック体16の他方主面16βと対向するように突出した鍔部13とを備えている。柱状部15は、貫通孔16aの内面17と対向する側面19を有している。
【0011】
端子部材1のセラミック体16は、貫通孔16aの内面17のうち、柱状部15の側面19と対向する部分が、側面17に平行な第1内面部分17aと、第1内面部分17aに連続して第1内面部分17aよりも他方主面16βの側に配置された、第1内面部分17
aの側から他方主面16βの側に近づくにしたがって側面19との間隔が減少するように側面19に対して傾斜した第2内面部分17bと、第2内面部分17bに連続して第2内面部分17bよりも他方主面16βの側に配置された、側面19に平行な第3内面部分17cとを有している。なお、側面17に平行とは、柱状部15の中心軸を含む断面における断面視において(図1、図2に対応する断面)、側面17とのなす角の絶対値が30度以下であることをいう。
【0012】
また、端子部材1では、柱状部15の中心軸を含む断面による断面視において、第1内面部分17aと第2内面部分17bとの境界が、滑らかな曲線状となっている。また、第2内面部分17bは、第1内面部分17aに連続した第1領域21aと、第1領域21aに連続して第1領域21aよりも他方主面16βの側に配置された、第1領域21aに比べて側面19に対する傾斜角が小さい第2領域21bと、第2領域21bに連続して第2領域21bよりも他方主面16βの側に配置された、第2領域21bに比べて側面19に対する傾斜角が大きい第3領域21cとを備えている。加えて、柱状部15の中心軸を含む断面による断面視において、第1領域21aと第2領域21bとの境界、および第2領域21bと第3領域21cとの境界は、それぞれ滑らかな曲線状である。
【0013】
セラミック体16は、例えばアルミナセラミックスから成る場合であれば、酸化アルミニウム(アルミナ:Al23)、酸化珪素(SiO2)、酸化カルシウム(CaO)、酸
化マグネシウム(MgO)等の原料粉末に適当な有機バインダを添加して調製した原料粉末を、所定形状のプレス型内に充填するとともに、これを所定圧力でプレスして成形し、しかる後、得られた成形体を大気中で約1600℃の温度で焼成することにより製作することができる。上述した内面17で囲まれた貫通孔16を備えるセラミック体16は、貫通孔16aの横断面積が、他方主面16βから一方主面16αに向かって一定か、または一方主面16αに向かって大きくなっているかのいずれかであり、例えばプレス成型によって、比較的容易に作製することができる。
【0014】
金属体14は、例えば、高起電力状態において電気化学的に安定なAl合金からなり、好ましくは耐食性が優れ、ろう付けしやすいAl合金(JIS H 4040 合金番号3
003)等からなる。本実施形態では、柱状部15が円柱形状であり、貫通孔16aは柱状部15に対応する円柱状に形成されている。なお、本発明において、柱状部および貫通孔の形状は円柱形状に限定されない。
【0015】
接合層32は、貫通孔16aの内面17に対して、第1内面部分17aの少なくとも一部から第2内面部分17bの全体を経て第3内面部分17cの少なくとも一部まで連続して接着したメタライズ層42と、メタライズ層42の表面を被覆したメッキ層43と、このメッキ層43および金属体14の柱状部15の双方に接着したろう材層52とを備えている。
【0016】
メタライズ層42は例えばMo−Mn等の公知のメタライズ層からなり、例えばMo粉末およびMn粉末ならびに金属の酸化物粉末に適当な有機バインダおよび溶剤を添加混合して得た金属ペーストを、セラミック体16の内面17に塗布し、これを還元雰囲気中で約1400℃の温度で焼き付けることによって形成することができる。メッキ層43は、公知のNiメッキ層からなる。ろう材層52は、Alを主成分としたAl合金からなり、Al−Si系のろう材を用いている。なお、Al合金はその表面の強固な酸化皮膜のためにろう付け性が比較的低いため、Al合金表面の酸化皮膜を除去してろう付け性を向上させるゲッター作用を有するマグネシウム(Mg)を少量含有したものを用いることが好ましい。
【0017】
端子部材1では、接合層32が、貫通孔16aの内面17に対して、第1内面部分17aの少なくとも一部から第2内面部分17bの全体を経て第3内面部分17cの少なくと
も一部まで連続して接着し、貫通孔16aの内面17と柱状部15の側面19との間における接合層32の一方主面16αの側の端面32aが、他方主面16βの側に向かって凹んだ凹形状となっている。すなわち、端子部材1では、接合層32が、第1内面部分17aの少なくとも一部から第2内面部分17bの全体を経て第3内面部分17cの少なくとも一部まで連続して接着しており、接合層32とセラミック体16との接合面積が比較的大きくされている。一方、接合層32の端面32aが凹形状となっており、接合層32自体の体積は比較的小さくされている。接合層32の端面32aのこのような凹形状は、接合層32の形成の際、第1内面部分17aから第3内面部分17cとを緩やかに繋ぐように傾斜した第2内面部分17bに沿って、ろう材が濡れあがることで形成されている。第1内面部分17aと第2内面部分17bと第3内面部分17cとを備える内面17を備えることで、接合層32を形成する際に、凹状の端面32aを安定して形成することが可能となっている。
【0018】
また、端面32aの断面が凹形状であるので、接合層32の端面32aの近傍部分は、柱状部15の側面19に接着した側と、貫通孔16aの内面17に接着した側とが、お互いに近づく方向または遠ざかる方向(図1および図2に矢印で示す方向)に変形し易い。このため、例えば温度変化によって、接合層32や金属体14が熱膨張または熱収縮した場合でも、比較的変形し易い接合層32の端面32aの近傍部分が選択的に変形する。これにより、温度変化に伴う余分な応力が緩和されて、温度変化に伴うセラミック体16や金属体14の破損が抑制されている。端子部材1では、接合層32の端面32aは、凹形状のうち他方主面の側に最も近い部分が、内面17と側面19との間隙における、第2内面部分17bに対応する領域に位置しており、第1内面部分17aに対応する部分が変形しやすく、応力緩和効果が比較的高い。
【0019】
また、端子部材1が、第1領域21aと第2領域21bと第3領域21cとを備えていることで、充分に高い接合強度を有するとともに、応力の緩和効果の高い接合層32を得ることができる。すなわち、第3領域21cと第2領域21bとに対応する部分と側面19との間隙に、比較的多くの量の接合層32を配置し、比較的高い接合強度を実現するとともに、側面19に対する角度が比較的大きい第1領域21aに沿って、比較的大きな曲率半径を有する凹形状の端面32aを形成することで、応力緩和効果を比較的高くすることができる。
【0020】
また、端子部材1では、上述のように、柱状部15の中心軸を含む断面による断面視において、第1内面部分17aと第2内面部分17bとの境界が、滑らかな曲線状となっている。加えて、柱状部15の中心軸を含む断面による断面視において、第1領域21aと第2領域21bとの境界、および第2領域21bと第3領域21cとの境界は、それぞれ滑らかな曲線状である。端子部材1では、セラミック体16の内面17に、余分な応力が集中するような角部が存在せず、外部から印加された力や、温度変化に応じて発生した応力が一箇所に集中することなく分散され、セラミック体16の破損が抑制されている。
【0021】
次に、かかる端子部材1を備えた電池60について説明する。図3は、端子部材1を備えて構成された電池60について説明する図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図である。端子部材1は、図3に示すように、電池体61と、内部に電池体61が収容された長円筒形状の金属容器62と、封止板12と、図1に示す接合体1とを有して構成されている。封止板12は貫通孔12aを備え、この貫通孔12a内に端子部材1が配置されて、貫通孔12aの内周面とセラミック体16の内面17とが、接合層34を介して接合されている。封止板12は、例えばリチウムイオンを含む電解液に対する耐食性に優れるとともにろう付けしやすいAl合金(JIS H 4040 合金番号3003)からなるこ
とが好ましい。接合層34は、例えばMo−Mn等の図示しないメタライズ層と、Alを主成分とした図示しないろう材層とを備えて構成されている。接合層34のメタライズ層
も、メタライズ層42と同様、例えばMo粉末およびMn粉末ならびに金属の酸化物粉末に適当な有機バインダおよび溶剤を添加混合して得た金属ペーストを、セラミック体16の第1の面16αに塗布し、これを還元雰囲気中で約1400℃の温度で焼き付けることによって形成することができる。接合層34のろう材層も、ろう材層52と同様、Alを主成分としたAl合金からなり、Al−Si系組成のものを使用すればよい。封止板12の周縁部分は、金属容器62の開口端62aと溶接接合されている。
【0022】
電池体61は、正極端子体72と負極端子体73とが設けられた筐体70と、筐体70内部に収容された電池本体80とを備えている。図4は、電池本体80の断面図である。本体80は、セパレータ79と、セパレータ79を挟んで互いに近接して対向配置された正極板77および負極板78とを有し、各部材の間隙には電解質液(図示せず)が充填されている。本実施形態では、正極板77と負極板78とを積層する構造として、図4に示す、いわゆる重ね合わせ構造を採用している。正極板77と負極板78との重ね合わせ構造としては、いわゆる折り畳み構造や巻き型構造などを採用しても構わず、特に限定されない。正極板77および負極板78は活物質を集電体(電極母材)に塗着したものである。正極板77における活物質は、コバルト、マンガン、ニッケル等の遷移金属の酸化物、カルコゲン化合物、あるいはこれらの複合化合物、また各種の添加元素を加えたものが限定されることなく使用できる。負極板78における活物質は、炭素質材料が好ましく用いられるが、ホウ素、すずの酸化物を含有するものも用いられる。その形状は通常、粒状で、粒径は0.3μmから20μmのもの、なかでも1μmから5μmのものが好ましく用いられる。また金属リチウムを活物質に用いることも可能である。金属リチウムの場合は粒状、および箔状の、いずれのものでもよい。正極板77および負極板78は電気化学的に安定な金属が用いられ、正極板77にはアルミニウムが、負極板78には銅が好ましく用いられている。集電体は箔、網、エクスパンドメタル等、いずれの形状のものでも使用可能であるが、箔が用いられることが多い。筐体70に設けられた正極端子体72はアルミ金属等で形成された板状部材であり、筐体70に収容された電池本体80の正極板7と接続している。また負極端子体73はニッケル、銅等で形成された板状部材であり、筐体70に収容された電池本体80の負極板78と接続している。正極板77と正極端子体72との接続、負極板78と負極端子体73との接続は、例えば溶接など各種の接続形態があるが、電池本体80から効率よく電流が取り出せるように構成されていれば、特に限定されない。
【0023】
このような電池体61が収容された金属容器62の開口端62aを閉塞するように、封止板12に固定された端子部材1が配置されている。具体的には、1つの接合体1の金属体14が正極端子体72と当接するとともに、他方の接合体1の金属体14が負極端子体73と当接した状態で、封止板12の周縁部分が金属容器102の開口端102aと溶接接合されている。
【0024】
端子部材1を備えて構成された電池60は、セラミック体16と金属体14との接合強度が高く、かつ温度変化や印加された外力に伴なう接合部分の損傷が抑制されており、長期間にわたって高い信頼性を有する。
【0025】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明のセラミック体と金属体との接合体は、上記実施形態に限定されない。例えば、本発明のセラミック体と金属体は、各種測定装置における電極や碍子など、種々の用途に利用することができる。本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0026】
1 端子部材(接合体)
13 鍔部
14 金属体
15 柱状部
16 セラミック体
16a 貫通孔
16α 一方主面
16β 他方主面
17 内面
17a 第1内面部分
17b 第2内面部分
17c 第3内面部分
19 側面
21a 第1領域
21b 第2領域
21c 第3領域
32 接合層
42 メタライズ層
43 メッキ層
52 ろう材層
60 電池
61 電池体
70 筐体
72 正極端子体
73 負極端子体
79 セパレータ
80 本体
100 気密端子
102 封止板
102a 貫通孔
104 セラミック体
104α 一方主面
104β 他方主面
104a 貫通孔
106 端子体
110 接合層
112 接合層
120 拡径部
122 内周面
124 底面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方主面と他方主面と、前記一方主面および前記他方主面の間を貫通した貫通孔とを有するセラミック体と、
前記貫通孔内に少なくとも一部が配置された、前記貫通孔の内面と対向する側面を有する柱状部を備えた金属体と、
前記貫通孔の前記内面と前記柱状部の前記側面との間隙に配置された、前記内面と前記側面とに接着して前記セラミック体と前記金属体とを接合する接合層とを有し、
前記貫通孔の前記内面のうち、前記柱状部の前記側面と対向する部分は、
前記側面に平行な第1内面部分と、
該第1内面部分に連続して該第1内面部分よりも前記他方主面の側に配置された、前記第1内面部分の側から前記他方主面の側に近づくにしたがって前記側面との間隔が減少するように前記側面に対して傾斜した第2内面部分と、
該第2内面部分に連続して該第2内面部分よりも前記他方主面の側に配置された、前記側面に平行な第3内面部分とを有し、
前記接合層は、前記貫通孔の前記内面に対して、前記第1内面部分の少なくとも一部から前記第2内面部分の全体を経て前記第3内面部分の少なくとも一部まで連続して接着しており、前記貫通孔の前記内面と前記柱状部の前記側面との間における前記接合層の前記一方主面の側の端面は、前記他方主面の側に向かって凹んだ凹形状であることを特徴とするセラミック体と金属体との接合体。
【請求項2】
前記接合層の前記端面は、凹形状のうち前記他方主面の側に最も近い部分が、前記間隙における前記第2内面部分に対応する領域に位置していることを特徴とする請求項1記載のセラミック体と金属体との接合体。
【請求項3】
前記柱状部の中心軸を含む断面による断面視において、前記第1内面部分と前記第2内面部分との境界が、滑らかな曲線状であることを特徴とする請求項1または2に記載のセラミック体と金属体との接合体。
【請求項4】
前記第2内面部分は、
前記第1内面部分に連続した第1領域と、
該第1領域に連続して該第1領域よりも前記他方主面の側に配置された、前記第1領域に比べて前記側面に対する傾斜角が小さい第2領域と、
該第2領域に連続して該第2領域よりも前記他方主面の側に配置された、前記第2領域に比べて前記側面に対する傾斜角が大きい第3領域とを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセラミック体と金属体との接合体。
【請求項5】
前記柱状部の中心軸を含む断面による断面視において、前記第1領域と前記第2領域との境界および前記第2領域と前記第3領域との境界は、それぞれ滑らかな曲線状であることを特徴とする請求項4に記載のセラミック体と金属体との接合体。
【請求項6】
前記接合層は、前記貫通孔の前記内面に被着したメタライズ層と、該メタライズ層の表面を被覆したメッキ層と、該メッキ層および前記金属体の前記柱状部の双方に接着したろう材層とを備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のセラミック体と金属体との接合体。


【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−112586(P2013−112586A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261949(P2011−261949)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】