説明

テレビジョン受像機および電子機器

【課題】一例として、開口部が設けられた部分で筐体の剛性をより高めることが可能なテレビジョン受像機および電子機器を得る。
【解決手段】実施形態にかかる電子機器は、表示部と、第一筐体と、第二筐体と、を備える。表示部は、表示画面を有した。第一筐体には、電子部品が収容されるとともに、電子部品が露出される位置に開口部が設けられた。第二筐体は、電子部品と離間して開口部を覆う位置で、第一筐体に取り付けられた。第二筐体の内面には、リブが、単位六角形を構成する形状に設けられた。リブは、突出の高さが一定である第一領域と、突出の高さが第一領域での高さから第二筐体の端縁から離れた位置で内面に至るまで漸減する第二領域と、を有した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、テレビジョン受像機および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子部品の収容部分を開放する開口部が設けられた筐体を備えた電子機器が、知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−330148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のテレビジョン受像機や電子機器では、開口部が設けられた部分で筐体の剛性をより高めることが望まれている。
【0005】
そこで、本発明の実施形態は、一例として、開口部が設けられた部分で筐体の剛性をより高めることが可能なテレビジョン受像機および電子機器を得ることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態にかかる電子機器は、表示部と、第一筐体と、第二筐体と、を備える。表示部は、表示画面を有した。第一筐体には、電子部品が収容されるとともに、電子部品が露出される位置に開口部が設けられた。第二筐体は、電子部品と離間して開口部を覆う位置で、第一筐体に取り付けられた。第二筐体の内面には、リブが、単位六角形を構成する形状に設けられた。リブは、突出の高さが一定である第一領域と、突出の高さが第一領域での高さから第二筐体の端縁から離れた位置で内面に至るまで漸減する第二領域と、を有した。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、第1実施形態にかかる電子機器としてのパーソナルコンピュータの斜視図である。
【図2】図2は、第1実施形態にかかるパーソナルコンピュータの第一の本体部を底面側から見た平面図であって、第一および第二の開口部が開放された状態を示す図である。
【図3】図3は、第1実施形態にかかるパーソナルコンピュータの第一の本体部を底面側から見た平面図であって、第一の開口部が第一の蓋で覆われ、かつ第二の開口部が開放された状態を示す図である。
【図4】図4は、第1実施形態にかかるパーソナルコンピュータの第一の本体部を底面側から見た平面図であって、第一の開口部が第一の蓋で覆われ、かつ第二の開口部が第二の蓋で覆われた状態を示す図である。
【図5】図5は、第1実施形態にかかるパーソナルコンピュータの第一の本体部の縦断面図であって、図4のV−V断面を示す図である。
【図6】図6は、第1実施形態にかかるパーソナルコンピュータの第一の本体部の縦断面図であって、(a)は、図5のVIa部を示す図、(b)は、図4のVIb−VIb断面を示す図である。
【図7】図7は、第1実施形態にかかるパーソナルコンピュータの第一の本体部の筐体の底壁を筐体の内面側(裏面側)から見た斜視図である。
【図8】図8は、図7に第一および第二の蓋を取り付けた状態を示す図である。
【図9】図9は、第1実施形態にかかるパーソナルコンピュータの第一の蓋を裏面側から見た斜視図である。
【図10】図10は、第1実施形態にかかるパーソナルコンピュータの第一の蓋を裏面側から見た平面図である。
【図11】図11は、図10のXI−XI断面図である。
【図12】図12は、第1実施形態にかかるパーソナルコンピュータの第二の蓋を裏面側から見た斜視図である。
【図13】図13は、第1実施形態にかかるパーソナルコンピュータの第二の蓋を裏面側から見た平面図である。
【図14】図14は、第2実施形態にかかる電子機器としてのパーソナルコンピュータの第一の本体部の筐体の底壁を筐体の内面側(裏面側)から見た平面図である。
【図15】図15は、第3実施形態にかかる電子機器としてのテレビジョン装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素については、共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
【0009】
<第1実施形態>
まずは、本発明が電子機器としてのパーソナルコンピュータ1として実施された実施形態が例示される。本発明にかかる電子機器は、パーソナルコンピュータ1には限定されず、例えば、テレビジョン装置や、デスクトップ型のパーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートブック、スマートフォン、携帯電話端末等として実施することも可能である。
【0010】
本実施形態にかかる電子機器としての所謂ノート型のパーソナルコンピュータ1は、図1に示すように、矩形状の扁平な第一の本体部2と、矩形状の扁平な第二の本体部3と、を備えている。これら第一の本体部2および第二の本体部3は、ヒンジ機構4を介して、回動軸Ax回りに相対回動可能に接続されている。なお、本実施形態では、便宜上、第一の本体部2の幅方向(左右方向)をX方向、第一の本体部2の先端方向をY方向、第一の本体部2の厚さ方向をZ方向とする。X軸、Y軸、およびZ軸は、相互に直交する。
【0011】
第一の本体部2には、筐体2aの外面としての上面2b側に露出する状態で、キーボード5や、ポインティングデバイス6、クリックボタン7等が設けられている。一方、第二の本体部3には、筐体3aの外面としての前面3b側に露出する状態で、表示装置としてのLCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイパネル8が設けられている。図1に示す展開状態では、キーボード5や、ポインティングデバイス6、クリックボタン7、ディスプレイパネル8等が露出し、作業者が使用可能な状態となる。一方、折り畳み状態では、上面2b,3b同士が相互に近接した状態で対向して、キーボード5や、ポインティングデバイス6、クリックボタン7、ディスプレイパネル8等が、筐体2a,3aによって隠された状態となる。
【0012】
第一の本体部2は、Z方向からの平面視ではX方向に長くY方向に短い長方形状を呈しているとともに、Z方向には薄い扁平な形状に構成されている。第一の本体部2の筐体2aは、下面2cを形成する底壁2dと当該底壁2dの周縁部で突出する側壁2e1とを有した第一の分割体2Cと、上面2bを形成する天壁2fと当該天壁2fの周縁部で突出する側壁2e2とを有する第二の分割体2Mと、を有している。
【0013】
図2に示すように、筐体2aの底壁2dには、第一の開口部2gおよび第二の開口部2hが形成されている。第一の開口部2gは、第一の本体部2のヒンジ機構4から離れた先端側の端縁2iに近い位置に設けられている。また、第一の開口部2gは、下面2c側から(Z方向)の平面視で、端縁2iに沿う長辺2jとこの長辺2jと直交する短辺2kとを有した長方形状に形成されている。長辺2jはX方向に沿い、短辺2kはY方向に沿っている。
【0014】
第二の開口部2hは、第一の開口部2gのヒンジ機構4側(基端側)に隣接して設けられている。また、第二の開口部2hは、下面2c側から(Z方向)の平面視で、第一の開口部2gに近い側でX方向の幅が広い矩形部分2mとヒンジ機構4に近い側でX方向の幅が狭い矩形部分2nとが繋がってL字状に形成されている。
【0015】
図2,5に示すように、第一の開口部2gは、筐体2a内の、電子部品としてのHDD(Hard Disk Drive)9の収容部分を開放し、第二の開口部2hは、筐体2a内の、電子部品としてのメモリ10の収容部分を開放する。メモリ10は、基板11に実装されたメモリソケット11aに着脱可能に装着される。すなわち、第一の開口部2gおよび第二の開口部2hは、いずれも、電子部品を着脱する作業用の開口である。第一の開口部2gは、第一の蓋12(図3,4参照)で覆われ、第二の開口部2hは、第二の蓋13(図4参照)で覆われる。
【0016】
図2に示すように、第一の開口部2gおよび第二の開口部2hには、それぞれの周縁2p,2qに沿って、下面2cより筐体内側に位置した内向きのフランジ部2rが設けられている。また、フランジ部2rには、雌ねじ孔14aが設けられている。雌ねじ孔14aには、第一の蓋12および第二の蓋13を固定するねじ15(図3,4参照)が、結合される。本実施形態では、ねじ15が固定具、雌ねじ孔14aが固定具に対応する被固定部に相当する。また、第一の開口部2gと第二の開口部2hとの境界部分には、X方向に沿う架設フレーム16aが設けられている。第一の開口部2gおよび第二の開口部2hは、X方向に沿う帯状の架設フレーム16aによって分断されている。
【0017】
第一の蓋12は、第一の開口部2gのフランジ部2rおよび架設フレーム16a上に支持される。すなわち、これらフランジ部2rおよび架設フレーム16aが、第一の蓋12の周縁支持部となっている。
【0018】
また、図2〜5に示すように、本実施形態では、架設フレーム16aの中間部分に設けられたボス部14上に、第一の蓋12が重ねられ、当該第一の蓋12上に、第二の蓋13が重ねられる。よって、作業者等は、第一の開口部2gを開放するに際しては、図4の閉塞状態からまずは第二の蓋13を取り外し(図3の状態)、その後、第一の蓋12を取り外す(図2の状態)。逆に、作業者は、第一および第二の蓋12,13を取り付けるに際しては、図2の開放状態からまずは第一の蓋12を取り付け(図3の状態)、その後、第二の蓋13を取り付ける(図4の状態)。本実施形態では、第一の開口部2gおよび第二の開口部2hの境界部分で、架設フレーム16a、第一の蓋12、および第二の蓋13が重なり合うことで、筐体2aの剛性が高められている。なお、第一の蓋12および第二の蓋13ともに、係合爪12n,13e(図9,12等参照)による第一の開口部2gおよび第二の開口部2hの縁との係合と、ねじ15の固定とによって、筐体2aに固定される。
【0019】
また、第一の蓋12には、図3に示すように、第二の開口部2h側の端縁12aから架設フレーム16aに向けて突出する舌片状のアーム部12bが設けられている。また、ボス部14(図2参照)には、アーム部12bが載置される。ボス部14には、雌ねじ孔14aが設けられている。そして、アーム部12bに設けられた貫通孔を貫通したねじ15が雌ねじ孔14aに取り付けられることで、アーム部12bがボス部14すなわち架設フレーム16aに固定される。また、第一の蓋12の第二の開口部2h側の端縁部には、第一の蓋12の表面12cより筐体内側に位置した外向きのフランジ部12dが設けられている。
【0020】
第二の蓋13は、架設フレーム16a、第一の蓋12のフランジ部12d、および底壁2dのフランジ部2r上に支持される。すなわち、これら架設フレーム16a、フランジ部12d、およびフランジ部2rが、第二の蓋13の周縁支持部となっている。
【0021】
また、本実施形態では、図3および図6の(a)に示すように、架設フレーム16aに設けられたボス部14が、第一の蓋12を支持する第一の蓋支持部に相当し、図3および図6の(b)に示すように、架設フレーム16aのボス部14を除く帯状部16bが、第二の蓋13を支持する第二の蓋支持部に相当する。このように、第一の蓋支持部としてのボス部14と第二の蓋支持部としての帯状部16bとを、架設フレーム16aの長手方向(延伸方向、本実施形態ではX方向)に分けて設定することで、二つの蓋支持部を架設フレーム16aの短手方向(幅方向)に分けて設定した場合に比べて、架設フレーム16aの幅を狭くしやすくなり、第一の開口部2gおよび第二の開口部2h、ひいては、筐体2a内でのHDD9の収容部分とメモリ10の収容部分とを、より近接して配置しやすくなる。また、図3に示すように、第一の蓋12の架設フレーム16a側の端縁12aには、アーム部12b等が設けられるとともに、切欠12mが形成されるため、第一の蓋12をより軽量に構成し、ひいては、第一の本体部2をより軽量に構成することができる。すなわち、第一および第二の開口部2g,2hの境界部分では、比較的軽量な構成によって、第一および第二の開口部2g,2h同士が近接し、かつ所要の剛性を確保しやすい構成が実現されている。
【0022】
第一の分割体2Cの底壁2dの裏面2sには、図7に示すように、筐体2a内側に向けて壁状あるいは畝状に突出したリブ17が設けられている。また、第一および第二の開口部2g,2hの周縁部には、それぞれ裏面2s上に突出するとともに屈曲した断面を有したフレーム16A,16Bが設けられている。これらフレーム16A,16Bおよび複数のリブ17は相互に接続されて、ラダー状あるいは格子状の骨格部材として機能し、底壁2dの剛性が高められている。また、フレーム16Aは底壁2dの先端側の端縁2iに接続され、フレーム16Bは底壁2dの基端側の端縁2uに接続され、フレーム16A,16B同士が相互に接続されている。よって、本実施形態では、底壁2dの第一および第二の開口部2g,2hが形成された領域では、相互に接続されたフレーム16A,16Bが先端側の端縁2iと基端側の端縁2uとの間で架設され、これにより、剛性が高められている。また、フレーム16Aは、内向きのフランジ部2rの先端で筐体2a内側に屈曲して延びる縦壁部16cを有し、剛性がより一層高められている。さらに、フレーム16A,16Bには、ねじ15が結合される雌ねじ孔14a(図2参照)が形成された複数のボス部14が接続されており、底壁2dの剛性の向上とともに、第一および第二の蓋12,13と底壁2dとの結合の安定性の向上が図られている。第一および第二の分割体2M,2Cは、金属材料や合成樹脂材料等(一例としてはマグネシウム合金等)で形成される。
【0023】
そして、図8〜10,12,13等に示すように、第一および第二の蓋12,13の底壁12e,13aの裏面12f,13bには、ハニカム状のリブ18が設けられている。ハニカム状のリブ18は、裏面12f,13b上に突出した複数の縦壁部18aが、裏面12f,13bに対する平面視で六角形を敷き詰めた形状に接続されて構成されている。リブ18は、部分的に設けられた非形成領域を除き、第一および第二の蓋12,13の裏面12f,13bの全域に亘って設けることができる。第一および第二の蓋12,13は、金属材料や合成樹脂材料等(一例としてはマグネシウム合金等)で形成される。
【0024】
図9,10に示すように、第一の蓋12では、筐体2aの先端側に位置する端縁12hに沿う領域を除き、ハニカム状のリブ18が裏面12fのほぼ全域に亘って設けられている。第一の蓋12では、リブ18は、端縁12h側を除き、第一の蓋12の周縁に設けられた周壁12gに接続されている。第一の蓋12には、Y方向に沿って中間部から先端側の端縁12h側に向けて、リブ18の高さが漸減する領域Arが設けられている。このような構成により、リブ18の高さの急変による応力集中を抑制することができる。また、本実施形態では、図5に示すように、Y方向に沿って中間部から先端側の端縁2iに向けて、筐体2aの内部空間の高さが漸減している。よって、第一の蓋12に、リブ18の高さが漸減する領域Arが設けられることで、HDD9を収容する空間の高さを確保しやすいという利点もある。なお、リブ18の高さは、領域Ar以外では一定である。
【0025】
また、第一の蓋12には、リブ18の形成領域内に、部分的に非形成領域Nfが形成されている。この非形成領域Nfには、例えば、弾性かつ導電性を有した介在部品としてのガスケット(図示せず)が貼着される。このような構成により、第一の蓋12や筐体2aと、第一の蓋12で覆われる収容部分に収容されるHDD9(図5参照)との間で、グラウンド電位の共通化を図ることができる。介在部品をリブ18の非形成領域Nfに取り付けることで、リブ18上に取り付けた場合に比べて接触面積が増大する分、より安定的に取り付けることができる。また、第一の蓋12の四隅から突出する角柱状の突出部12iには弾性を有した緩衝部材(図示せず)を取り付けることができる。緩衝部材により、第一の蓋12からHDD9へ過大な荷重が作用するのを抑制することができる。
【0026】
図12,13に示すように、第二の蓋13では、裏面13bの中央部を除いて、ハニカム状のリブ18が設けられている。第二の蓋13では、リブ18は、第二の蓋13の周縁に設けられた周壁13cに接続されている。なお、第二の蓋13では、リブ18の高さは一定である。第二の蓋13のリブ18が形成されていない中央部には、貫通孔としての通気孔13dが形成されている。
【0027】
ここで、図8に示すように、本実施形態では、第一および第二の開口部2g,2hを覆う第一および第二の蓋12,13の周縁部は、第一および第二の開口部2g,2hの周縁部に設けられたフレーム16A,16Bと重なり合っている。すなわち、第一および第二の蓋12,13の周縁部では、フレーム16A,16Bの一部である内向きのフランジ部2rと、ハニカム状のリブ18の周縁部とが、相互に重なり合っている。したがって、第一および第二の蓋12,13に入力された荷重が、リブ18を介してフレーム16A,16Bに入力されるため、第一および第二の蓋12,13の耐荷重性や耐衝撃性を高めることができる。特に、第一の開口部2gの周縁部では、フレーム16Aの縦壁部16cとハニカム状のリブ18とが重なり合うため、耐荷重性や耐衝撃性をより一層高めることができる。
【0028】
また、図10,3,4等から明らかとなるように、本実施形態では、第一の蓋12は長方形状に形成され、ハニカム状のリブ18は、単位六角形を構成する縦壁部18aとして第一の蓋12の長方形の短辺12jと平行な縦壁部18bを含む姿勢で、配置されている。第一の蓋12を鋳造(ダイカスト)によって製造する場合には、このような姿勢とすることで、例えば図10に白抜きの矢印で示すように、型(図示せず)内に、溶湯を、一方の長辺12k側から他方の長辺12k側へ流し込む際に、溶湯の流下抵抗を減らすことができる。仮に、溶湯方向と直交する縦壁部18aを含む姿勢では、溶湯の流下抵抗が高まってしまう。また、溶湯を長辺12kに沿って流し込む場合には、単位六角形を構成する縦壁部18aとして、長辺12kと平行な縦壁部を含む姿勢であったとしても、溶湯の流下する距離が長くなって、製造不良がより生じやすくなってしまう。この点、本実施形態では、ハニカム状のリブ18が、単位六角形を構成する縦壁部18aとして第一の蓋12の長方形の短辺12jと平行な縦壁部18bを含む姿勢で、配置されているため、ハニカム状のリブ18が設けられた第一の蓋12を、より効率良く製造することができる。
【0029】
以上、説明したように、本実施形態では、第一および第二の開口部2g,2hを覆う第一の蓋および第二の蓋12,13のうち少なくともいずれか一方(本実施形態では両方)の裏面12f,13b上に、ハニカム状のリブ18が設けられた。よって、ハニカム状のリブ18により、第一および第二の蓋12,13のうち少なくともいずれか一方(本実施形態では両方)の剛性を効率良く高めることができる。
【0030】
また、本実施形態では、第一および第二の開口部2g,2hのうち少なくともいずれか一方(本実施形態では両方)の周縁部に、筐体2aの裏面2sから筐体2a内側に突出したフレーム16A,16Bが設けられた。よって、フレーム16A,16Bによって、第一および第二の開口部2g,2hが形成された部分で、筐体2aの剛性をより高めることができる。
【0031】
また、本実施形態では、第一および第二の開口部2g,2hのうち少なくともいずれか一方(本実施形態では両方)を閉じた状態で、フレーム16A,16Bとハニカム状のリブ18とが重なりあう。よって、第一または第二の蓋12,13に入力された荷重を、リブ18を介してフレーム16A,16Bに伝達することができ、第一および第二の蓋12,13の耐荷重性や耐衝撃性をより高めることができる。
【0032】
また、本実施形態では、第一の蓋12には、裏面12fに沿ってリブ18の高さが漸減する領域Arが設けられた。よって、リブ18の高さの急変による応力集中を抑制することができる。また、リブ18の高さが漸減する領域Arでは、リブ18の高さが、筐体2aの中央側から周縁部側に向けて漸減する。よって、筐体2aの周縁部の厚さが中央部の厚さより薄い構成の場合に、筐体2a内の部品収容部の高さをより確保しやすくなる。
【0033】
また、本実施形態では、筐体2aには、第一の開口部2gと隣接した第二の開口部2hが設けられ、第一の蓋12および第二の蓋13を閉じた状態では、第一の蓋12の周縁部の一部と、第二の蓋13の周縁部の一部とが重なり合う。よって、第一および第二の蓋12,13が重なり合う分、第一および第二の開口部2g,2hの境界部分での筐体2aの剛性をより高めることができる。
【0034】
また、本実施形態では、筐体2aの底壁2dには、第一および第二の開口部2g,2hの境界部分で架け渡された架設フレーム16aが設けられた。よって、第一および第二の開口部2g,2hの境界部分での筐体2aの剛性をより高めることができる上、架設フレーム16aを第一および第二の蓋12,13の支持に用いることができる。そして、本実施形態では、架設フレーム16aに、当該架設フレーム16aの延伸方向に沿って、第一の蓋12が載置される第一の蓋支持部としてのボス部14、第二の蓋13が載置される第二の蓋支持部としての帯状部16bと、が設けられた。よって、二つの蓋支持部を架設フレーム16aの短手方向(幅方向)に分けて設定した場合に比べて、架設フレーム16aの幅を狭くしやすくなり、第一および第二の開口部2g,2h、ひいては、筐体2a内のこれら第一および第二の開口部2g,2hのそれぞれに対応した部品収容部を、より近接して配置しやすくなる。
【0035】
さらに、本実施形態では、第一および第二の蓋12,13のうちいずれか一方(本実施形態では第一の蓋12)の架設フレーム16a側の端縁12aは、架設フレーム16aから離間して設けられ、当該端縁12aから架設フレーム16aに向けて突出して当該架設フレーム16aに支持されたアーム部12bが設けられた。よって、第一の蓋12の架設フレーム16a側の端縁12aには、アーム部12b等が設けられるとともに、切欠12mが形成されるため、第一の蓋12をより軽量に構成し、ひいては、第一の本体部2をより軽量に構成することができる。
【0036】
<第2実施形態>
本実施形態では、図14に示すように、第一の本体部2Aの筐体2aの底壁2dの裏面2sに、フレーム16Aと接続されたハニカム状の第二のリブ19が設けられている。この第二のリブ19は、第一の蓋12に設けられたリブ18と同様の構成を有し、フレーム16Aおよびリブ17に接続されている。本実施形態によれば、リブ19により、底壁2dの剛性をより一層高めることができる上、第一の蓋12に入力された荷重を、リブ18およびフレーム16Aを介して、リブ19にも伝達することができるため、第一の蓋2gの耐荷重性や耐衝撃性をより高めることができる。また、リブ19を設けた点以外、本実施形態にかかる第一の本体部2Aを有した電子機器としてのパーソナルコンピュータ1Aも、第1実施形態と同様の構成を有し、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0037】
<第3実施形態>
本実施形態にかかる電子機器としてのテレビジョン装置20は、図15に示すように、スタンド21と、当該スタンド21に支持された本体部22と、を備えている。
【0038】
本体部22の筐体22aは、その前面22bに設けられた開口部22cから前方に露出する表示画面23aを有した表示装置(ディスプレイ)としてのディスプレイパネル23(例えばLCD(Liquid Crystal Display)等)と、図示しない電子部品等が実装された基板24と、を有している。ディスプレイパネル23および基板24は、筐体22aに、図示しないねじ等によって固定されている。
【0039】
ディスプレイパネル23は、前後方向(図15の紙面に垂直な方向)に薄い扁平な直方体状に形成されている。ディスプレイパネル23は、基板24に実装された電子部品等で構成された制御回路に含まれる映像信号処理回路(いずれも図示せず)から映像信号を受け取り、その前面側の表示画面23aに、静止画や動画等の映像を表示させる。テレビジョン装置20の制御回路は、映像信号処理回路の他、いずれも図示しないチューナ部や、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)信号処理部、AV(Audio Video)入力端子、リモコン信号受信部、制御部、セレクタ、オンスクリーンディスプレイインタフェース、記憶部(例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等)、音声信号処理回路等を有している。基板24は、筐体22a内のディスプレイパネル23の後方(背面側)に収容されている。また、テレビジョン装置20は、音声出力用のアンプやスピーカ等(図示せず)も内蔵している。
【0040】
そして、本実施形態にかかるテレビジョン装置20は、筐体22aの背面側に、上記第1実施形態あるいは第2実施形態と同様の構成のフレーム、架設フレーム、リブ、第一および第二の蓋25,26を有し、開口部22d,22eが形成された後壁(図示せず)を備えている。第一および第二の蓋25,26は、着脱可能に構成され、開口部22d,22eを塞ぐ。そして、第一および第二の蓋25,26の内面には、ハニカム状のリブが設けられている。したがって、本実施形態にかかる電子機器としてのテレビジョン装置20にあっても、上記各実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0041】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。例えば、ディスプレイや、電子機器、筐体、開口部、蓋、ハニカム状のリブ、フレーム、筐体のリブ、高さが漸減する領域、縦壁部、架設フレーム、蓋支持部、アーム部等のスペック(方式や、構造、形状、材質、大きさ、数、方向、種類、配置等)は、適宜変更して実施することができる。
【0042】
本発明の実施形態によれば、開口部が設けられた部分で筐体の剛性をより高めることが可能なテレビジョン装置および電子機器を得ることができる。
【符号の説明】
【0043】
1…パーソナルコンピュータ(電子機器)、2a…筐体、2g…第一の開口部、2h…第二の開口部、9…HDD、10…メモリ、12…第一の蓋、12a…端縁、12b…アーム部、12f…裏面、12j…短辺、13…第二の蓋、13b…裏面、14…ボス部(第一の蓋支持部)、16A,16B…フレーム、16a…架設フレーム、16b…帯状部(第二の蓋支持部)、17…(第二の)リブ、18…(ハニカム状の)リブ、18a…縦壁部、20…テレビジョン装置、22a…筐体、22d,22e…開口部、25,26…蓋、Ar…リブの高さが漸減する領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面を有した表示部と、
電子部品が収容されるとともに、前記電子部品が露出される位置に開口部が設けられた第一筐体と、
前記電子部品と離間して前記開口部を覆う位置で、前記第一筐体に取り付けられた第二筐体と、
を備え、
前記第二筐体の内面には、リブが、単位六角形を構成する形状に設けられ、
前記リブは、突出の高さが一定である第一領域と、突出の高さが前記第一領域での高さから前記第二筐体の端縁から離れた位置で前記内面に至るまで漸減する第二領域と、を有した、電子機器。
【請求項2】
前記リブの前記単位六角形の一辺が、前記第二筐体の短手方向に沿う、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記リブと、前記第一筐体に設けられた直線状の第二のリブとが並べて設けられた、請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第二筐体の前記内面に、前記リブより高く突出した突出部が設けられた、請求項1〜3のうちいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項5】
表示画面を有した表示部と、
電子部品が収容された筐体と、
を備え、
前記筐体の内面に、前記筐体の端縁から離れた位置で前記内面まで突出高さが漸減する領域を有したリブが、ハニカム状に突出された、電子機器。
【請求項6】
表示画面を有した表示部と、
電子部品が収容された筐体と、
を備え、
前記筐体の内面に、一定の高さで突出された領域を含むリブがハニカム状に設けられ、
前記リブの端部は、前記筐体の端縁から離れた位置で前記内面まで傾斜した領域を有した、電子機器。
【請求項7】
ハニカム状の前記リブの単位六角形の一辺が、前記筐体の短手方向に沿う、請求項5または6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記筐体の前記内面に、前記リブより高く突出した突出部が設けられた、請求項5〜7のうちいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項9】
電子部品が取り付けられた他の筐体を備え、
前記筐体は前記電子部品の全体を片側から覆う位置で前記他の筐体に取り付けられた、請求項5〜8のうちいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項10】
請求項1〜9のうちいずれか一つに記載の特徴を備えたテレビジョン受像機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−10414(P2012−10414A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224122(P2011−224122)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【分割の表示】特願2010−139824(P2010−139824)の分割
【原出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】