説明

ディスクブレーキ

【課題】摩擦パッドの交換時期を知らせるセンサ板の裏板に対する取付強度を確保できると共に、センサ板とシム板とが干渉することを抑制できるようにしたディスクブレーキを提供する。
【解決手段】センサ板21は、挟持部22と、ばね部24と、振動部25とを有する構成とする。このうちの挟持部22は、裏板7の耳部7Bに差し込み可能な断面コ字形に形成され、該耳部7Bを挟持する2つの対向片22A,22Bを有するものとする。また、一方の対向片22Aには、裏板7の突起9に係合される係合孔22Dと、他方の対向片22Bに向けて突出する凸部22Eと、他方の対向片22Bから離れる方向に凹む凹部22Fとを設ける。さらに、凹部22Fと裏板7の背面7Dとの間には、シム板11の一部が入り込む隙間23を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車等の車両に制動力を付与するディスクブレーキに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車等の車両に設けられるディスクブレーキは、裏板と該裏板の表面に接合(固着)されたライニング(摩擦材)とから成り、キャリパへの液圧供給によりディスクに押圧される摩擦パッドと、該摩擦パッドの裏板の背面側に取付けられるブレーキ鳴き防止用のシム板と、摩擦パッドの裏板に取付けられ、ライニングが予め設定した所定部位(例えば摩耗限界)まで摩耗したときに、ディスクと接触して音を発生することにより、摩擦パッドの交換時期(ライニングが摩耗限界に達したこと)を警報するセンサ板とを備えて構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
車両の運転者等がブレーキ操作を行ったときは、例えばキャリパに設けたピストンを外部からの液圧供給によりディスク側に摺動変位させ、該ピストンによって摩擦パッドをディスクに向けて押圧することにより、該ディスクに制動力が付与される。長期間の使用等に伴って、ライニングが予め設定した所定部位(摩耗限界)まで摩耗したときは、センサ板とディスクとが接触することにより音が発生し、運転者等に摩擦パッドの交換時期がきたこと(ライニングが摩耗限界に達したこと)を警報することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−54889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来技術の場合、センサ板が裏板に対してがたつき、センサ板の姿勢が不安定になる虞がある。また、裏板の大きさや形状等に起因して、センサ板とシム板とを近接して配置する必要がある場合に、センサ板とシム板とが干渉するという問題もある。
【0006】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、センサ板の裏板に対する取付強度を確保できると共に、センサ板とシム板とが干渉することを抑制できるようにしたディスクブレーキを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため本発明は、裏板と該裏板の表面に接合されたライニングとからなる摩擦パッドと、該摩擦パッドの裏板の背面側に取付けられるブレーキ鳴き防止用のシム板と、前記摩擦パッドの裏板に取付けられ、ディスクと接触して音を発生することにより前記ライニングの摩耗限界を警報するセンサ板とを備えてなるディスクブレーキに適用される。
【0008】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記裏板の側縁部の背面側には、前記センサ板を前記裏板に位置決めするための突起を設け、前記センサ板は、前記裏板の側縁部に差し込み可能な断面コ字形に形成され該側縁部を挟持する2つの対向片を有した挟持部と、該挟持部から前記裏板の背面側で断面U字状に回曲して形成されたばね部と、該ばね部からディスクに向けて直線的に延びた振動部とを有する構成とし、前記挟持部の各対向片のうち一方の対向片には、前記裏板の突起に係合される係合孔と、該係合孔を挟んで前記ディスクの径方向一側となる位置に配置され前記挟持部の他方の対向片に向けて突出する凸部と、前記係合孔を挟んで該凸部とは反対側となる前記ディスクの径方向他側位置に配置され前記他方の対向片から離れる方向に凹んで形成された凹部とを設け、前記凸部は、その突出長さが前記シム板の厚みよりも大きく構成されていることにある。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、センサ板の裏板に対する取付強度を確保できると共に、センサ板とシム板とが干渉することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態によるディスクブレーキを上側からみた平面図である。
【図2】ディスクブレーキをアウタ側(図1の下側)からみた正面図である。
【図3】図2中の摩擦パッドとシム板とセンサ板を拡大して示す正面図である。
【図4】摩擦パッドとシム板とセンサ板を図3中の矢示IV−IV方向からみた拡大図である。
【図5】摩擦パッドとシム板とセンサ板を図3中の矢示V−V方向からみた拡大図である。
【図6】摩擦パッドとシム板とセンサ板を図3中の矢示VI−VI方向からみた断面図である。
【図7】摩擦パッドとシム板とセンサ板を図6中の矢示VII−VII方向からみた断面図である。
【図8】摩擦パッドとシム板とセンサ板を図7中の矢示VIII−VIII方向からみた断面図である。
【図9】センサ板を単体で示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本実施の形態によるディスクブレーキを、図1ないし図9に従って詳細に説明する。
【0012】
図1および図2に示すディスク1は、例えば車両が前進方向に走行するときに、車輪(図示せず)と共に矢示A方向に回転し、車両が後退するときには矢示B方向に回転するものである。
【0013】
取付部材2は、車両の非回転部分に取付けられるものである。この取付部材2は、図1に示すように、ディスク1の回転方向(周方向)に離間してディスク1の外周を跨ぐようにディスク1の軸方向に延びた一対の腕部2A,2Aと、該各腕部2Aの基端側を一体化するように接続して設けられ、ディスク1のインナ側となる位置で車両の非回転部分に固定される厚肉の支承部2Bとにより大略構成されている。
【0014】
取付部材2には、ディスク1のアウタ側となる位置で各腕部2Aの先端側を互いに連結する補強ビーム2Cが一体に形成されている。これにより、取付部材2の各腕部2Aは、ディスク1のインナ側で支承部2Bにより一体的に連結されるとともに、アウタ側で補強ビーム2Cにより一体的に連結されている。
【0015】
取付部材2の各腕部2Aのうちディスク1の軸方向に関する中間部には、該ディスク1の外周(回転軌跡)に沿って弧状に延びるディスクパス部(図示せず)が形成されている。取付部材2のうちディスクパス部の両側(ディスク1の軸方向に関する両側)には、インナ側,アウタ側のパッドガイド3,3がそれぞれ形成されている。これら各パッドガイド3は、断面コ字形状をなす凹溝として形成され、後述の摩擦パッド6が摺動変位する方向、即ち、ディスク1の軸方向に延びている。
【0016】
各パッドガイド3は、摩擦パッド6を構成する裏板7の耳部7B,7Cを介して、該摩擦パッド6をディスク1の軸方向にガイドするものである。このために、各パッドガイド3には、上,下方向(ディスク1の径方向)から挟むように、摩擦パッド6(裏板7)の耳部7B,7Cが凹凸嵌合している。
【0017】
各パッドガイド3の奥側壁面は、所謂トルク受部としてのトルク受面4を構成するものである。このトルク受面4は、ブレーキ操作時に発生する制動トルクを摩擦パッド6の耳部7B,7Cを介して受承する。
【0018】
取付部材2には、キャリパ5が摺動可能に設けられている。このキャリパ5は、ディスク1の一側であるインナ側に設けられたインナ脚部5Aと、取付部材2の各腕部2A間でディスク1の外周側を跨ぐようにインナ脚部5Aからディスク1の他側であるアウタ側へと延設されたブリッジ部5Bと、該ブリッジ部5Bの先端側であるアウタ側からディスク1の径方向内向きに延び、先端側が二又状の爪部となったアウタ脚部5Cとにより構成されている。
【0019】
キャリパ5のインナ脚部5Aには、ピストン5D(図2参照)が摺動可能に挿嵌されるシリンダ(図示せず)が形成されている。また、インナ脚部5Aには、図1に示すように、ディスク1の周方向(図1の左,右方向)に突出する一対の取付部5E,5Eが一体に設けられている。これら各取付部5E,5Eは、キャリパ5を摺動ピン(図示せず)を介して取付部材2の各腕部2Aに摺動可能に支持するものである。
【0020】
インナ側,アウタ側の摩擦パッド6,6は、ディスク1の軸方向両側面に対向して配置されている。これら各摩擦パッド6は、ディスク1の周方向(回転方向)に延びる平板状の裏板7と、該裏板7の表面7A側に接合(固着)して設けられディスク1の表面(軸方向側面)に摩擦接触する摩擦材としてのライニング8(図4参照)等とにより構成されている。なお、裏板7は金属や樹脂等で成形することができる。
【0021】
摩擦パッド6の裏板7には、ディスク1の周方向に関する両側(図2および図3の左,右方向両側)の側縁部に位置してそれぞれ凸形状をなした耳部7B,7Cが設けられている。これら各耳部7B,7Cは、車両のブレーキ操作時にディスク1から摩擦パッド6が受ける制動トルクを取付部材2のトルク受面4に当接して伝達するトルク伝達部を構成するものである。
【0022】
摩擦パッド6(裏板7)の耳部7B,7Cは、例えば図2および図3に示すように左,右対称に形成され、互いに同一の形状をなしている。そして、一方(図2および図3の右方)の耳部7Bは、車両の前進時に矢示A方向に回転するディスク1の入口側(回入側)に配置され、他方(図2および図3の左方)の耳部7Cは、ディスク1の回転方向出口側(回出側)に配置されるようになっている。各耳部7B,7Cのうちディスク1の回入側に位置する一方の耳部7Bには、後述のセンサ板21が取付けられている。
【0023】
摩擦パッド6の裏板7には、各耳部7B,7Cの基端(根元)側寄りに位置してそれぞれ突起9,9が設けられている。これら各突起9は、裏板7の背面7D(ライニング8が設けられる表面7Aに対して反対側となる面、裏面)側に突出して設けられており、その横断面形状は、非円形、より具体的には、図8に示すように、一対の直線部9A,9Aと一対の半円弧部9B,9Bとからなる略小判形(トラック形)に形成されている。各突起9のうちディスク1の回入側に位置する一方の突起9は、後述するセンサ板21を裏板7に対して位置決めするためのものである。即ち、図8に示すように、一方の突起部9には、センサ板21の係合孔22Dが係合(嵌合)されている。
【0024】
裏板7の各耳部7B,7Cには、それぞれ切欠き10,10が設けられている。これら各切欠き10は、耳部7B,7Cの先端側(突出側)の端面を部分的にL字状に切欠くことにより形成されている。各切欠き10は、耳部7B,7Cの幅方向(ディスク1の径方向)の中心位置よりも径方向外側寄りとなる位置に配置されている。各切欠き10のうちディスク1の回入側に位置する切欠き10は、後述するセンサ板21の一部を収納するための収納隙間を構成するものである。
【0025】
インナ側,アウタ側の摩擦パッド6には、裏板7の背面7D側に位置して鳴き防止用のシム板11(アウタ側のシム板11のみ図示)が着脱可能に取付けられている。アウタ側のシム板11は、キャリパ5のアウタ脚部5Cと裏板7との間に配置され、両者が直に接触することを防止することにより、両者の間で所謂ブレーキ鳴きの発生を抑えるものである。一方、インナ側のシム板は、キャリパ5のインナ脚部5Aに挿嵌されたピストン5Dと裏板7との間に配置され、両者が直に接触することを防止することにより、両者の間でブレーキ鳴きの発生を抑えるものである。
【0026】
シム板11は、裏板7よりも薄い肉厚でばね性を有するステンレス鋼板等をプレス加工することによって一体物として形成されている。シム板11は、図3に示すように、平板部11Aと、3個の取付爪部11B,11C,11Cと、2個の突出板部11D,11Dとを含んで構成されている。このうちの平板部11Aは、裏板7の背面7Dに沿ってディスク1の周方向と径方向とに延びる略扇形状の平板として形成されている。
【0027】
3個の取付爪部11B,11Cのうち1個の取付爪部11Bは、平板部11Aの周縁部に該周縁部からディスク1の径方向外側に突出するように設けられており、残り2個の取付爪部11C,11Cは、平板部11Aの周縁部に該周縁部からディスク1の径方向内側に突出するように設けられている。これら各取付爪部11B,11Cの先端側は、略S字状または略コ字状に折曲げ形成され、その先端側を、裏板7の周縁部に摺動可能に係止している。これにより、ブレーキ操作時にディスク1からの回転力が摩擦パッド6に伝わり、該摩擦パッド6がディスク1の回転方向に変位した場合でも、シム板11が裏板7に対して摺動変位することにより、このときの回転力がキャリパ5またはピストン5D側に伝わるのを防ぐことができる。なお、本実施の形態においては、取付爪部を3個としたが、これに限らず、ディスク1の径方向外側及び径方向内側にそれぞれ1つ以上設けられていれば、2個以上で構成してもよい。
【0028】
2個の突出板部11Dは、平板部11Aの周縁部のうち裏板7の耳部7B,7Cに対応する位置に、これら各耳部7B,7Cの先端側(突出側)に向けて突出するように設けられている。各突出板部11Dのうちディスク1の回入側に位置する突出板部11Dは、図4および図7に示すように、後述するセンサ板21の凹部22Fと裏板7の背面7Dとの間の隙間23に入り込んでいる。ブレーキ操作時に、シム板11が裏板7に対して摺動変位すると、例えば突出板部11Dないしはその近傍が裏板7の突起9に当接すことにより、その摺動変位を規制することができる。
【0029】
取付部材2の各腕部2Aには、それぞれパッドスプリング12,12(図1および図2参照)が取付けられている。これら各パッドスプリング12は、それぞれインナ側,アウタ側の摩擦パッド6を弾性的に支持すると共に、これら各摩擦パッド6の摺動変位を滑らかにするものである。パッドスプリング12は、ばね性を有するステンレス鋼板等を曲げ加工(プレス成形)することにより形成されている。
【0030】
パッドスプリング12は、一対の案内板部12Aと、連結板部12Bと、径方向付勢板部12Cとを含んで構成されている。一対の案内板部12Aは、取付部材2の各パッドガイド3内に嵌合するように略コ字状に折曲げて形成され、ディスク1のインナ側とアウタ側とで互いに離間して形成されている。
【0031】
連結板部12Bは、各案内板部12Aをディスク1のインナ側とアウタ側とで一体的に連結するため、ディスク1の外周側を跨いだ状態で軸方向に延びて形成されている。径方向付勢板部12Cは、各案内板部12Aのディスク1の径方向内側部位に一体形成されている。
【0032】
パッドスプリング12の各案内板部12Aは、取付部材2の各パッドガイド3内に嵌合して取付けられ、摩擦パッド6の裏板7を凸形状の耳部7B,7Cを介してディスク1の軸方向に案内する機能を有している。各径方向付勢板部12Cは、取付部材2の各パッドガイド3内で各摩擦パッド6(裏板7)の耳部7B,7Cに弾性的に当接することにより、各摩擦パッド6の裏板7をディスク1の径方向外側に向けて付勢している。これにより、各摩擦パッド6のがたつきを抑えつつ、ブレーキ操作時には、摩擦パッド6を案内板部12Aに沿ってディスク1の軸方向へと円滑に案内することができる。
【0033】
次に、運転者等に摩擦パッド6の交換時期がきたことを知らせるためのセンサ板21について説明する。
【0034】
このセンサ板21は、インナ側,アウタ側の摩擦パッド6を構成する裏板7の各側縁部(耳部7B,7C)のうち車両前進時にディスク回入側となる側縁部(耳部7B)と、これに対向する取付部材2のトルク受面4との間に設けられている。ここで、センサ板21は、摩擦パッド6のライニング8が予め設定した所定部位(摩耗限界)まで摩耗したときに、図4に示すように後述する振動部25の先端がディスク1と接触して音を発生することにより、運転者等に摩擦パッド6の交換時期がきたこと、即ち、ライニング8が摩耗限界に達したことを警報する機能を有するものである。また、センサ板21は、摩擦パッド6の交換時期を警報する他、後述のばね部24により摩擦パッド6をディスク1の回出側に向けて付勢する付勢手段としての機能も有するものである。
【0035】
センサ板21は、例えば、ばね性を有するステンレス鋼板等を曲げ加工(プレス成形)することにより形成されている。センサ板21は、挟持部22と、ばね部24と、振動部25とにより大略構成され、これら挟持部22とばね部24と振動部25とは一体成形されている。
【0036】
センサ板21の挟持部22は、裏板7の側縁部である一方の耳部7Bに差し込み可能な断面コ字形に形成されている。この挟持部22は、耳部7Bを厚さ方向(図3の表裏方向、図4ないし図6の上,下方向)両側から挟持する2つの対向片22A,22Bと、これら両対向片22A,22Bを前記厚さ方向で連結する連結片22Cとを有している。
【0037】
挟持部22の両対向片22A,22Bのうち裏板7の背面7D側に配置される一方の対向片22Aは、略矩形状に形成され、その中央部には、裏板7(耳部7B)の突起9に係合(嵌合)される係合孔22Dが貫通して設けられている。この係合孔22Dは、図8に示すように、耳部7Bの突起9の横断面形状と略同様な非円形の孔、より具体的には、一対の直線部22D1と一対の半円弧部22D2とからなる略小判形状の孔として形成されている。これら係合孔22Dと突起9とは、互いに非円形(略小判形)に形成されているため、裏板7に対するセンサ板21の位置決め精度の確保、センサ板21のがたつき防止、係合孔22Dの周縁部と突起9の端縁部との干渉防止を図ることができる。
【0038】
一方の対向片22Aには、係合孔22Dを挟むように凸部22Eと凹部22Fとが設けられている。このうちの凸部22Eは、係合孔22Dを挟んでディスク1の径方向一側(外側)となる位置に配置され、挟持部22の他方の対向片22Bに向けて(裏板7の背面7Dに近付く方向に)突出して形成されている。この一方の対向片22Aの凸部22Eの突出高さ(長さ)は、シム板11の肉厚よりも大きく形成されている。また、凸部22Eは、他方の対向片22Bの屈曲爪部22Hとの間で耳部7Bを挟持するものである。耳部7Bを挟持するとき、一方の対向片22Aの凸部22Eの頂部は、ディスク1の径方向に直線状に延び、耳部7Bの背面7Dに線接触する。また、他方の対向片22Bの屈曲爪部22Hの頂部も、ディスク1の径方向に直線状に延び、耳部7Bの表面7Aに線接触する。これにより、センサ板21を耳部7Bに対して安定した姿勢で取付けることができる。
【0039】
一方の対向片22Aの凹部22Fは、係合孔22Dを挟んで凸部22Eとは反対側となるディスク1の径方向他側(内側)位置に配置され、挟持部22の他方の対向片22Bから離れる方向に凹んで形成されている。センサ板21を耳部7Bに取付けた状態で、一方の対向片22Aの凹部22Fと裏板7(耳部7B)の背面7Dとの間には、凸部22Eによってその突出高さ(長さ)分の隙間23が形成される。この隙間23には、シム板11の突出板部11Dが入り込み、これにより、センサ板21とシム板11の突出板部11Dとが干渉することを抑制している。
【0040】
挟持部22を構成する連結片22Cは、その一端側が一方の対向片22Aに接続され、裏板7の背面7D側から表面7A側に向け、耳部7Bの切欠き10を介してディスク1に近付く方向に延出されている。また、裏板7の表面7A側に延出された連結片22Cの他端側は、他方の対向片22Bに接続されている。図8に示すように、連結片22C(および他方の対向片22B)は、その幅寸法X1を一方の対向片22Aの幅寸法X2の1/2ないし2/3程度に設定している。
【0041】
一方の対向片22Aのうち連結片22Cが接続された位置からディスク1の径方向内側に外れた部位には、延出片22Gが設けられている。この延出片22Gは、一方の対向片22Aから耳部7Bの先端側に向けて延びると共に、その先端側が、耳部7Bの背面7Dに近づく方向に折曲げられている。延出片22Gは、例えばセンサ板21がディスク1の径方向内側や回入側に向けて傾く傾向となった場合に、耳部7Bの背面7Dと当接する。これにより、延出片22Gは、センサ板21がそれ以上傾くことを防止して、センサ板21が裏板7に対してがたつくことを抑制できる。
【0042】
挟持部22を構成する他方の対向片22Bは、連結片22Cの他端側に接続され、該他端側から裏板7の表面7Aに沿って延びている。他方の対向片22Bには、一方の対向片22Aに向けて(裏板7の表面7Aに近付く方向に)屈曲した屈曲爪部22Hが設けられている。図9に示すように、他方の対向片22Bの屈曲爪部22Hの先端と一方の対向片22Aの凸部22Eの先端との離間距離Y1は、自由状態(センサ板21を耳部7Bに取付ける前の弾性変形していない状態)で、裏板7(耳部7B)の厚さY2(図6参照)よりも小さくなるよう設定している。
【0043】
即ち、他方の対向片22Bと一方の対向片22Aとの離間距離Y1は、裏板7(耳部7B)の厚さY2に対して締め代をもたせている。これにより、一方の対向片22Aと他方の対向片22Bとの間に耳部7Bを挟持したときに、センサ板21の裏板7に対する取付け強度を十分に確保することができ、センサ板21が裏板7に対してがたつくことを抑制することができる。
【0044】
センサ板21を構成するばね部24は、挟持部22から裏板7の背面7D側で断面U字状に回曲して形成されている。このばね部24は、立上がり部24Aと、折返し部24Bと、当接部24Cとにより構成されている。
【0045】
立上がり部24Aは、一方の対向片22Aのうち係合孔22Dを挟んで連結片22Cとは反対側の部位に接続され、裏板7の背面7D側から離れる方向に延びている。折返し部24Bは、立上がり部24Aの先端側に接続され、裏板7の背面7D側でディスク1に近付く方向に向けてU字状に折返されている。
【0046】
当接部24Cは、折返し部24Bの先端側に接続され、該先端側から裏板7の表面7A側へとディスク1に近付く方向に延びている。この当接部24Cは、ディスク1に近付く程幅寸法(図5の左,右方向の寸法)が小さくなる先細部24C1と、幅寸法が変化せずに(一定で)ディスク1に向けて延びる同幅部24C2とにより構成されている。また、当接部24Cには、先細部24C1から同幅部24C2にわたって突出部24C3が設けられている。
【0047】
当接部24C(突出部24C3)は、図2に示す取付状態で、取付部材2のトルク受面4にパッドスプリング12の案内板部12Aを介して弾性変形状態で当接(弾接)する。なお、図3ないしは図9では、当接部24Cがパッドスプリング12を介してトルク受面4に当接することによりばね部24が弾性変形している状態を示しており、図9の仮想線(二点鎖線)は、自由状態(弾性変形していない状態)のばね部24を示している。
【0048】
センサ板21のばね部24は、当接部24Cがパッドスプリング12を介してトルク受面4に弾接することにより、摩擦パッド6をディスク1の回出側に付勢する。これにより、摩擦パッド6が車両走行時の振動等でディスク1の周方向にがたつくことを防止できると共に、緩制動時のブレーキ鳴き(微圧鳴き)を低減することができる。
【0049】
センサ板21を構成する振動部25は、ばね部24(当接部24C)の先端側からディスク1に向けて直線的に延びている。この振動部25は、摩擦パッド6のライニング8が予め設定した所定部位(摩耗限界)まで摩耗したときに、ディスク1の軸方向側面(表面)と接触して振動することにより、音を発生するものである。
【0050】
即ち、図4に示すように、ライニング8が摩耗することにより、制動時におけるディスク1の位置が、二点鎖線で示す位置まで裏板7に対して近付くと、振動部25の先端は、ディスク1の側面と接触して音を発生する。これにより、運転者等に摩擦パッド6の交換時期がきた旨(ライニング8が摩耗限界に達した旨)を警報することができる。
【0051】
本実施の形態によるディスクブレーキは、上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
【0052】
まず、車両のブレーキ操作時には、キャリパ5のインナ脚部5A(シリンダ)にブレーキ液圧を供給することによりピストン5Dをディスク1に向けて摺動変位させ、これによりインナ側の摩擦パッド6をディスク1の一側面に押圧する。そして、このときにはキャリパ5がディスク1からの押圧反力を受けるため、キャリパ5全体が取付部材2の腕部2Aに対してインナ側に摺動変位し、アウタ脚部5Cがアウタ側の摩擦パッド6をディスク1の他側面に押圧する。
【0053】
これにより、インナ側とアウタ側の摩擦パッド6は、例えば図1および図2中の矢示A方向(車両の前進時)に回転しているディスク1を、両者の間で軸方向両側から強く挟持することができ、このディスク1に制動力を与えることができる。そして、ブレーキ操作を解除したときには、ピストン5Dへの液圧供給が停止されることにより、インナ側とアウタ側の摩擦パッド6がディスク1から離間し、再び非制動状態に復帰する。
【0054】
このようなブレーキ操作時、解除時(非制動時)には、摩擦パッド6の耳部7B,7Cのうちディスク1の回入側に位置する耳部7Bが、センサ板21のばね部24によって、図2中のC方向に付勢され、摩擦パッド6は、ディスク1の回出側(図2中の矢示A方向)に弱い力で常時付勢される。そして、ディスク1の回出側に位置する耳部7Cは、このときの付勢力によりパッドスプリング12の案内板部12Aを介してパッドガイド3のトルク受面4に弾性的に押付けられる。
【0055】
このため、摩擦パッド6が車両走行時の振動等でディスク1の周方向にがたつくことを、ディスク1の回入側の耳部7Bとトルク受面4との間に設けたセンサ板21により規制することができる。そして、車両前進時のブレーキ操作時には、摩擦パッド6がディスク1から受ける制動トルク(矢示A方向の回転トルク)を、回出側の腕部2A(パッドガイド3のトルク受面4)により受承することができる。
【0056】
これにより、ディスク1の回出側に位置する摩擦パッド6の耳部7Cは、パッドガイド3のトルク受面4に案内板部12Aを介して当接し続ける。しかも、回出側の耳部7Cは、ブレーキ操作前にセンサ板21のばね部24の付勢力により案内板部12Aに当接し、クリアランス(隙間)がない状態となっているので、制動トルクによって摩擦パッド6が移動して異音が発生することを防止することができる。これにより、緩制動時のブレーキ鳴き(微圧鳴き)を防止することができる。
【0057】
一方、長期間の使用等に伴って、摩擦パッド6のライニング8が予め設定した所定部位(摩耗限界)まで摩耗すると、図4に示すように、制動時におけるディスク1の位置が、二点鎖線で示す位置まで裏板7に対して近付く。この場合、センサ板21の振動部25の先端が、ディスク1の側面(表面)と接触し、センサ板21から音が発生する。これにより、運転者等に、摩擦パッド6の交換時期がきたことを知らせることができる。
【0058】
本実施の形態によれば、センサ板21の挟持部22を、裏板7の側縁部(耳部7B)を挟持する2つの対向片22A,22Bを有した断面コ字状に形成すると共に、一方の対向片22Aには、係合孔22Dを挟んで凸部22Eと凹部22Fとを設け、凸部22Eの突出長さをシム板11の厚みよりも大きくする構成としている。このため、センサ板21の裏板7に対する取付強度を確保することができると共に、センサ板21とシム板11とが干渉することを抑制することができる。
【0059】
即ち、センサ板21は、一方の対向片22Aの係合孔22Dを裏板7の突起9に係合させると共に、一方の対向片22Aの凸部22Eと他方の対向片22Bの屈曲爪部22Hとの間で裏板7を挟みこむことにより、裏板7に対して大きな取付強度をもって取付けることができる。この場合、一方の対向片22Aの凸部22Eと他方の対向片22Bの屈曲爪部22Hとを裏板7の表面7Aと背面7Dとにそれぞれ線接触させているので、裏板7の平面度が良好でなくても、その影響を抑えることができる。具体的には、裏板7の平面度が良好でなくても、対向片22A,22Bによる挟持力(取付強度)を確保することができると共に、センサ板21の位置決め精度を確保することもでき、センサ板21を安定した姿勢で取付けることができる。
【0060】
しかも、一方の対向片22Aは、裏板7の突起9に対して係合孔22Dを係合させる構成としているので、例えばセンサ板を突起に対してかしめにより固定する構成に比べ、センサ板21の裏板7に対する組付工程数の低減(かしめ行程の廃止)、組付作業の容易化(組付性の向上)を図ることができる。特に、センサ板を突起に対してかしめにより固定する構成の場合、かしめ不良によるセンサ板の位置決め精度の悪化、センサ板の姿勢のずれ、センサ板の変形等の虞もある。
【0061】
これに対し、本実施の形態の場合は、裏板7の突起9に対して係合孔22Dを係合させると共に、一方の対向片22Aの凸部22Eと他方の対向片22Bの屈曲爪部22Hとの間で裏板7を挟持する(挟込む)構成としているので、組付工程数の低減、組付作業の容易化、センサ板の位置決め精度の向上、センサ板の姿勢の安定化、センサ板の変形の防止等を図ることができる。
【0062】
センサ板21は、一方の対向片22Aの凸部22Eと他方の対向片22Bの屈曲爪部22Hとで裏板7(耳部7B)を挟持することと、係合孔22Dと突起9とを係合させることとの2つの固定手段を用いて裏板7に取付ける構成としている。このため、センサ板21が裏板7に対してがたつくことを、より一層低減することができる。これにより、例えばセンサ板21のがたつきに伴うばね部24とパットスプリング12との擦れ合いを低減することができ、センサ板21、パットスプリング12の耐久性を高めることができる。
【0063】
センサ板21を構成する挟持部22の裏板7に対する支持強度は、一方の対向片22Aの凸部22Eの突出寸法(高さ)を調節すること、即ち、裏板7の厚さY2に対する挟持部22の締め代(離間寸法Y1)を調節することで、容易に調節することができる。このため、所望の支持強度を安定して得ることができる。また、裏板7の厚さY2の変化に対しては、一方の対向片22Aの凸部22Eの突出寸法(離間寸法Y1)や対向片22Aと連結片22Cとのなす角、連結片22Cと対向片22Bとのなす角等を調節することにより対応することができる。このため、センサ板21は、凸部22Eの突出寸法(離間寸法Y1)の調節、ばね部24の寸法の調節(ばね定数の調節)等をすることにより、大きさや形状、型式等の異なる種々のディスクブレーキに組付けることができ、汎用性を確保することもできる。
【0064】
しかも、所望の支持強度を安定して得ることができることにより、センサ板21の設計の自由度を向上することもできる。即ち、例えば一方の対向片22Aの中心に対してばね部24の当接片24Cをディスク1の径方向(図5の左,右方向)にずらして配置しても(オフセットさせても)、センサ板21のばね部24は、摩擦パッド6に対して所望の弾性力(付勢力)を付与することができる。これにより、摩擦パッド6のがたつき、緩制動時のブレーキ鳴き(微圧鳴き)を有効に防止することができる。
【0065】
センサ板21を裏板7に組付けるときは、一方の対向片22Aの係合孔22Dを裏板7の突起9に係合させると共に、他方の対向片22Bの屈曲爪部22Hを裏板7の表面7A側に係止する。このとき、他方の対向片22Bは、例えば一方の対向片22Aの凸部22Eを支点とするテコの原理により、裏板7の表面7A側に容易に係止することができる。このため、この面からも、センサ板21の組付作業の容易化、組付性の向上を図ることができる。
【0066】
さらに、一方の対向片22Aには、係合孔22Dを挟んで凸部22Eと反対側に凹部22Fを設け、該凹部22Fと裏板7の背面7Dとの隙間23には、シム板11の突出板部11Dが入り込む構成としている。このため、シム板11とセンサ板21との干渉を抑制することができ、シム板11の形状やセンサ板21を設ける位置等の自由度、即ち、設計(レイアウト)の自由度を向上することができる。
【0067】
しかも、シム板11は、その位置決め(位置規制)を突起9との当接により行うこともできる。即ち、シム板11の突出板部11Dないしはその近傍が突起9の直線部9Aないしは半円弧部9Bに当接することにより、シム板11ががたつくことを抑制することもできる。これにより、シム板11のがたつきに伴う該シム板11と裏板7の背面7Dとの擦れ合いを低減することができ、シム板11の耐久性を高めることもできる。
【0068】
本実施の形態によれば、係合孔22Dを小判形状をなす非円形の孔として形成すると共に、該係合孔22Dを、横断面が小判形状の突起9に係合する構成としている。このため、これら係合孔22Dと突起9との係合により、裏板7に対するセンサ板21の位置決め精度の確保、センサ板21のがたつき防止を図ることができる。しかも、係合孔22Dの周縁部と突起9の端縁部との干渉防止を図ることもできる。
【0069】
なお、上述した実施の形態では、センサ板21を裏板7の耳部7Bに取付ける構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、特許文献1に記載のように、裏板の側縁部のうち耳部からディスクの径方向内側に外れた部位等、裏板の側縁部のうち耳部以外の部位に、センサ板を取付ける構成としてもよい。
【0070】
上述した実施の形態では、係合孔22Dを小判形状の孔とすると共に、裏板7の突起9の横断面形状を小判形に形成した場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、係合孔を楕円形状の孔により形成し、これに対応して突起の横断面形状を楕円形に形成する等、小判形以外の他の非円形状を採用してもよい。
【0071】
さらに、上述した実施の形態では、キャリパ5のインナ脚部5Aにシリンダを介してピストン5Dを摺動可能に設け、キャリパ5のアウタ脚部5Cをアウタ側の摩擦パッド6に当接させる構成とした所謂フローティングキャリパ型のディスクブレーキを例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えばキャリパのインナ側とアウタ側とにそれぞれピストンを設ける構成とした所謂対向ピストン型のディスクブレーキに適用してもよい。
【0072】
以上の実施の形態によれば、センサ板の挟持部を、裏板の側縁部を挟持する2つの対向片を有した断面コ字状のものとすると共に、一方の対向片には、係合孔を挟んで凸部と凹部とを設ける構成としている。このため、センサ板の裏板に対する取付強度を確保することができると共に、センサ板とシム板とが干渉することを抑制することができる。
【0073】
さらに、実施の形態によれば、係合孔を小判形状または楕円形状をなす非円形の孔により構成している。このため、係合孔と突起との係合により、裏板に対するセンサ板の位置決め精度の確保、センサ板のがたつき防止、係合孔の周縁部と突起の端縁部との干渉防止を図ることができる。
【符号の説明】
【0074】
6 摩擦パッド
7 裏板
7A 表面
7B 耳部(裏板の側縁部)
7D 背面
8 ライニング
9 突起
11 シム板
11D 突出板部(シム板の一部)
21 センサ板
22 挟持部
22A 一方の対向片
22B 他方の対向片
22E 凸部
22F 凹部
23 隙間
24 ばね部
25 振動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
裏板と該裏板の表面に接合されたライニングとからなる摩擦パッドと、
該摩擦パッドの裏板の背面側に取付けられるブレーキ鳴き防止用のシム板と、
前記摩擦パッドの裏板に取付けられ、ディスクと接触して音を発生することにより前記ライニングの摩耗限界を警報するセンサ板とを備えてなるディスクブレーキにおいて、
前記裏板の側縁部の背面側には、前記センサ板を前記裏板に位置決めするための突起を設け、
前記センサ板は、前記裏板の側縁部に差し込み可能な断面コ字形に形成され該側縁部を挟持する2つの対向片を有した挟持部と、
該挟持部から前記裏板の背面側で断面U字状に回曲して形成されたばね部と、
該ばね部からディスクに向けて直線的に延びた振動部とを有する構成とし、
前記挟持部の各対向片のうち一方の対向片には、前記裏板の突起に係合される係合孔と、該係合孔を挟んで前記ディスクの径方向一側となる位置に配置され前記挟持部の他方の対向片に向けて突出する凸部と、前記係合孔を挟んで該凸部とは反対側となる前記ディスクの径方向他側位置に配置され前記他方の対向片から離れる方向に凹んで形成された凹部とを設け、
前記凸部は、その突出長さが前記シム板の厚みよりも大きく構成されていることを特徴とするディスクブレーキ。
【請求項2】
前記凹部と前記裏板の背面との間には、前記シム板の一部が入り込む隙間を形成する構成としてなる請求項1に記載のディスクブレーキ。
【請求項3】
前記係合孔は、楕円形状または小判形状をなす非円形の孔により構成してなる請求項1または2に記載のディスクブレーキ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−211664(P2012−211664A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−78393(P2011−78393)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】