デジタルカメラ
【課題】適切な露出設定でノンフラッシュ撮影とフラッシュ撮影を連続して行う。
【解決手段】デジタルカメラ10は、ストロボ13の発光をしないノンフラッシュ撮影と、レリーズに同期してストロボ発光をするフラッシュ撮影とをレンズして行う特殊連続撮影モードを備えており、レリーズボタン16の半押し時には、AE検出回路54で行ったAE処理から露出設定を決定し、レリーズボタン16の全押し時には、決定した露出設定に基づき、同一の露出値、またはフラッシュ撮影及びノンフラッシュ撮影応じた露出値で連続して撮影を行う。フラッシュ撮影及びノンフラッシュ撮影で取得した画像がLCDパネル15に表示される。
【解決手段】デジタルカメラ10は、ストロボ13の発光をしないノンフラッシュ撮影と、レリーズに同期してストロボ発光をするフラッシュ撮影とをレンズして行う特殊連続撮影モードを備えており、レリーズボタン16の半押し時には、AE検出回路54で行ったAE処理から露出設定を決定し、レリーズボタン16の全押し時には、決定した露出設定に基づき、同一の露出値、またはフラッシュ撮影及びノンフラッシュ撮影応じた露出値で連続して撮影を行う。フラッシュ撮影及びノンフラッシュ撮影で取得した画像がLCDパネル15に表示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラは、コンパクトタイプや一眼レフタイプ、また、携帯電話などの電子機器に組み込まれたものも含めて様々な種類のものがあり、デジタルカメラのそれぞれのタイプに応じて様々な機能を有しており、例えば、一眼レフタイプのデジタルカメラでは、複数回の撮影を連続的に行う連写機能を有するものがある。また、このような連写機能を有するデジタルカメラの中には、その連続撮影中に、各撮影に同期させてストロボ発光を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1記載のデジタルスチルカメラ及びその連続撮影の制御方法ではさらに、撮影距離,絞り、撮影感度に基づいて、適正露光とするための発光量を求め、この発光量でのストロボ発光が可能であるか否かを、メインコンデンサの充電電圧等に基づいて連続撮影中に判断する。発光可能な間は、ストロボ発光を行ってのストロボ撮影を行い、ストロボ発光が不可能となった以降は、アベイラブル光の下で適正露出が得られるように、絞り、シャッタ速度、撮影感度の組み合せを設定して連続撮影を続行する。
【特許文献1】特開2005−284166号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1では、メインコンデンサの充電電圧等に基づいてフラッシュ撮影、又はノンフラッシュ撮影かの判定をするものであり、フラッシュの有無について、ユーザーの意思を反映することができない。さらにフラッシュ撮影及びノンフラッシュ撮影のうち、どちらが好ましい画像を撮影できるかという選択は、撮影した画像を確認しなければ分からない面があり、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影の両方を撮影し、比較できるようにすることが望まれている。
【0005】
本発明は上記事情を考慮してなされたものであり、ノンフラッシュ撮影とフラッシュ撮影を連続して行うときに、適切な露出設定で撮影を行い、両方の撮影で取得した画像を比較することができるデジタルカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載のデジタルカメラでは、フラッシュ発光の有無を切り替えて撮影を行い、画像データを出力するフラッシュ撮影及びノンフラッシュ撮影が可能であり、一回のレリーズ動作に応じて、前記ノンフラッシュ撮影と、前記フラッシュ撮影とを連続して行う特殊連続撮影モードを備えた撮影手段と、この撮影手段による撮影時に測光及び露出演算を行って露出設定を決定する露出決定手段とを備えたデジタルカメラにおいて、前記特殊連続撮影モード下で、前記露出決定手段によって決定した同一の露出設定で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影を行うことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に記載のデジタルカメラでは、フラッシュ発光の有無を切り替えて撮影を行い、画像データを出力するフラッシュ撮影及びノンフラッシュ撮影が可能であり、一回のレリーズ動作に応じて、前記ノンフラッシュ撮影と、前記フラッシュ撮影とを連続して行う特殊連続撮影モードを備えた撮影手段と、この撮影手段による撮影時に測光及び露出演算を行って露出設定を決定する露出決定手段とを備えたデジタルカメラにおいて、前記特殊連続撮影モード下で、前記露出決定手段は、レリーズ半押し動作が行われたとき、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影に適した露出設定をそれぞれ決定し、前記撮影手段は、レリーズ全押し動作が行われたとき、前記露出決定手段で決定したそれぞれの露出設定で前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影を行うことを特徴とする。
【0008】
なお、フラッシュの発光量を調整する調光制御手段を備えており、前記特殊連続撮影モード下での撮影中に前記調光制御手段が所定の動作または所定の時間を契機として連続して作動することが好ましい。あるいは、前記特殊連続撮影モード下で、複数回の前記フラッシュ撮影を行うとき、前記撮影手段の撮影感度を上昇させるとともに、前記調光制御手段を作動させることが好ましい。
【0009】
前記撮影手段による撮影感度の変更を行う感度変更手段を備えており、前記特殊連続撮影モード下で、前記露出決定手段が測光・露出演算を行い、この演算結果から前記撮影手段の現在の撮影感度による露出設定の最大値でも露光量が不足すると判定されたときには、前記感度変更手段で前記撮影感度を変更することが好ましい。
【0010】
また、前記特殊連続撮影モード下で、被写体光に応じて測光感度及び撮影感度の切り替えの要否を判定する切替判定手段と、この感度切替判定手段による判定結果で被写体光が所定量以上であり、測光感度及び撮影感度の切り替えが必要と判定されたときに、前記露出決定手段は、測光感度及び撮影感度を通常時よりも下げた低感度設定値に切り替えて測光及び露出演算を行い、前記撮影手段は、前記低感度設定値の撮影感度で前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影を行うこと、さらにまた、前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影を最初に行い、その後に前記フラッシュ撮影を行うことが好ましい。あるいは、前記特殊連続撮影モード下で、前記フラッシュ撮影を最初に行い、その後に前記ノンフラッシュ撮影を行うこと、また、前記露出決定手段が前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影の露出設定をそれぞれ決定したとき、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影のうち、前記露出設定でシャッタスピードが短いほうの撮影を最初に行い、その後にシャッタスピードが長いほうの撮影を行うことも効果的である。
【0011】
さらにまた、前記撮影手段による撮影感度の変更を行う感度変更手段を備えており、前記特殊連続撮影モード下で、先に撮影するコマでは撮影感度を高くし、それよりも後に撮影するコマでは撮影感度をそれよりも低く設定することが好ましい。なお、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影の前にプレビュー画像を撮像し、取得したプレビュー画像を表示する表示手段を備えることが好ましい。前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影のそれぞれの撮影条件及び警告情報を表示することが好ましく、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影のそれぞれの撮影条件及び警告情報と、前記プレビュー画像を部分的に拡大した部分拡大画像とを同時に表示することが好ましい。あるいは、前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影を各1回ずつ行うことが好ましい。また、前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影を計3回以上行うことが好ましい。
【0012】
なお、前記撮影手段で撮影した画像データに基づく画像を表示する表示手段を備えており、前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影で取得した画像を前記表示手段に表示することが好ましい。また、前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影で取得した画像の両方を前記表示手段の同一画面内に表示することが好ましい。さらにまた、前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影で取得した複数の画像を前記表示手段に交互に表示することが好ましい。さらに、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影で取得した複数の画像を前記表示手段に表示するとき、所定の時間間隔で表示画像を切り替えること、あるいは操作手段の操作に応じて表示画像を切り替えることが好ましい。前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を行った直後に、前記ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影で取得した画像のいずれか一方、または両方を前記表示手段に表示すること、あるいは、前記ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を行い、記録媒体への書き込みを終えた後、前記ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影で取得した画像のいずれか一方、または両方を前記表示手段に表示することが好ましい。
【0013】
また、通常モード下での前記フラッシュ撮影のとき、シャッタスピードを通常時よりも遅い値に切り替えて、その遅いシャッタスピードに同期させてフラッシュ発光を行うスローシンクロ機能を備えており、前記特殊連続撮影モード下では前記スローシンクロ機能を停止状態とすることが好ましい。
【0014】
さらにまた、前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影のうち、少なくとも一方の撮影で支障が出ると判定されたときに、警告を行う警告手段を備えていることが好ましい。さらに、前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影のうち、少なくとも一方の撮影で支障が出ると判定されたときに、その警告内容を知らせる警告情報を表示すること、あるいは、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影でそれぞれ支障が出ると判定されたときに、それらの警告を行う警告情報を各撮影毎にそれぞれ区別して表示することが好ましい。また前記特殊連続撮影モード下で、最初の撮影を行った直後、各コマの撮影の直後、及び最後の撮影の直後のいずれかで前記警告情報及び撮影条件の少なくとも一方を表示することが好ましい。さらにまた、前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影のうち、最初に撮影するほうの前記警告情報及び撮影条件の少なくとも一方を、撮影前に表示することや、前記露出決定手段で決定されたシャッタスピードが遅いほうの撮影に関する前記警告情報及び撮影条件の少なくとも一方を、撮影前に表示することも効果的である。前記特殊連続撮影モード下で、前記露出決定手段が前記露出設定を決定した直後に、前記表示手段の表示内容を切り替えて、各撮影に関する撮影情報を表示することが好ましい。
【0015】
あるいは、前記特殊連続撮影モード下で、前記撮影手段が前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影を行い、画像データを取得したとき、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影に応じた付加情報を前記画像データにそれぞれ付加することや、同一回の連続撮影で取得した前記画像データについて共通の付加情報を付加することが好ましい。
【0016】
前記特殊連続撮影モード下で、撮影前に、フラッシュを発光させるプリ発光と、このプリ発光の発光量を調整する調光制御と、前記プリ発光を行ったときの発光量演算とを行い、前記フラッシュ撮影のときに、前記発光量演算の演算結果に基づいてフラッシュ発光を行うことが好ましく、前記プリ発光が、赤目低減用の発光を兼用していることが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の第1実施形態を適用したデジタルカメラについて説明する。図1及び図2に示すデジタルカメラ10は、略直方体形状のカメラ本体11の前面に、撮影レンズ12と、ストロボ13とが設けられている。また、カメラ本体11の背面には、画像を表示する表示手段であるLCDパネル15とが設けられている。さらに、このLCDパネル15の表面には、後述するように、タッチパネル(図3参照)19が設けられている。また、カメラ本体11の上面には、レリーズボタン16と、電源ボタン17と、モード選択ダイヤル18とが設けられている。なお、本実施形態では、レリーズボタン16は、半押し位置と、この半押し位置からさらに押し込んだ全押し位置とに押圧操作可能となっている。さらに、カメラ本体11の底面には、画像データが記憶されるメモリカード51(図3参照)が着脱自在に装填されるスロット(図示せず)が設けられている。このメモリカード51に撮影された画像データが書き込まれて保存される。
【0018】
このデジタルカメラ10は、モード選択ダイヤル18の操作によって、通常撮影モード、特殊連写撮影モード、及び撮影済みの画像を再生してLCDパネル15に表示する再生モードなどを切り替えて実行することができる。また、デジタルカメラ10は、レリーズボタン16及び電源ボタン17による操作以外は、LCDパネル15に表示された操作アイコンに対して、ユーザの指、又は付属する操作ペン(図示せず)を用いて、タッチパネル49に触れることによって操作を行う。
【0019】
ストロボ13は、通常撮影モード下でストロボ撮影を行うとき、及び後述する特殊連写撮影モード下でストロボ撮影を行うとき、レリーズに同期してストロボ光を被写体に向けて照射する。ストロボ発光量は、ストロボ光による露光量が適正となるように撮影距離、撮影感度、絞り値に応じて決定される。通常モード下では、被写体輝度が所定レベルより低いときには、ストロボ発光が行われ、被写体輝度が所定レベルより高いときには、ストロボ発光が行われない。なお、通常モード下ではストロボ発光の要否を手動で選択できるようにしてもよい。
【0020】
本実施形態では、特殊連続撮影モードが選択されたときには、一回のレリーズ全押し動作に対して、最初にストロボを発光しないノンフラッシュ撮影を行い、その次にレリーズに同期してストロボ光を照射させるフラッシュ撮影を連続して行い、それぞれ画像データを取得する特殊連続撮影を実行する。
【0021】
デジタルカメラ10の構成を示す図3において、CPU21は、レリーズボタン16、電源ボタン17及びタッチパネル49等から入力される各種の操作信号に応じて、I/Oバス23を介してデジタルカメラ10の本体各部を制御する。
【0022】
撮影レンズとしてのズームレンズ12は、レンズ26と絞り27を備える。レンズ26は、ステッピングモータを含むレンズ駆動機構28によって駆動され、光学ズーム倍率の変更と焦点調節が行われる。
【0023】
絞り27は、ステッピングモータを含む絞り駆動機構29によってステップ駆動され、絞り径が、複数の絞り値のいずれかに切り換えられる。この目標絞り値は、例えば、絞り27の開放絞りがF2.8,最小絞りがF11である場合、これらの開放絞りF2.8,最小絞りF11も含め、F4,F5.6,F8となる。レンズ駆動機構28及び絞り駆動機構29は、CPU21に制御されるモータドライバ31,32によって駆動される。
【0024】
ズームレンズ21の背後には、固体撮像素子としてCCD35が配置されている。このCCD35は、タイミングジェネレータ(TG)36を介してCPU21に接続されている。撮影モードにおいては、CPU21は、TG36を制御してタイミング信号(クロックパルス)を発生させ、CCD35は、TG36から入力されるタイミング信号によって駆動される。
【0025】
ズームレンズ21により形成された光学画像がCCD35の受光面に結像され、光電変換されてアナログの撮像信号が出力される。この撮像信号は、相関二重サンプリング回路(CDS)37に入力され、CCD35の各セルの蓄積電荷量に対応したR,G,Bの画像データとして出力される。CDS37から出力された画像データは、増幅器(AMP)38で増幅され、A/D変換器(A/D)39によって、アナログ信号からデジタルな画像データに変換される。
【0026】
画像入力コントローラ41は、I/Oバス23を介してCPU21に接続されている。また、I/Oバス23には、内部メモリ43が接続されており、この内部メモリ43としては、例えば、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)が用いられる。CPU21は、画像入力コントローラ41を制御して、A/D39から出力された画像データを内部メモリ43に記憶させる。画像信号処理回路46は、内部メモリ43に記憶された画像データにアクセスして、階調変換、ホワイトバランス補正、γ補正処理等の各種画像処理を施す。
【0027】
撮影モードでは、所定のフレームレートでCCD35が撮像処理を行い、取得した画像データに対して上記画像処理が施され、処理済みの撮影画像がライブ画像としてLCDパネル15にスルー表示される。LCDパネル15は、LCDドライバ48によって駆動される。LCDドライバ48は、画像メモリやD/Aコンバータを備えており、画像メモリに一時的に蓄積した処理済みの画像データを、D/Aコンバータで、例えば、NTSC方式のアナログ信号に変換して、LCDパネル15に出力する。
【0028】
レリーズ操作が行われると、CCD35によって、スルー表示用のライブ画像よりも画素数の大きな本画像データが取得される。この本画像データに対しては、上記画像処理がなされるとともに、圧縮伸張処理回路49によって、所定の圧縮形式(例えば、JPEG形式)で圧縮処理が施される。圧縮処理が施された本画像データは、メディアコントローラ50を介してメモリカード51に記憶される。
【0029】
前記I/Oバス23には、前記メディアコントローラ50等の他に、AE検出回路53,AF検出回路54,フラッシュメモリ55が接続されている。AF検出回路54は、画像入力コントローラ41から出力される撮像信号から高周波数成分のコントラストデータを抽出してCPU21に送る。CPU21は、モータドライバ27を介してレンズ駆動機構28を制御し、フォーカシングレンズを光軸方向に進退させて、被写体像の高周波数成分のコントラストが最も高くなる位置で停止させる。
【0030】
AE検出回路53は、画像入力コントローラ41から出力される撮像信号の輝度信号を積分演算し、得られた測光データとしての輝度積分値(被写体輝度値)を検出、また光源の種類の検出を行い、それらの被写体輝度値、光源情報などをCPU21に送る。CPU21は、被写体輝度値に基づいて、適正となる絞り値、シャッタ速度、撮影感度、などの露出設定を決定する。本実施形態においては、特殊連続撮影モード下では、被写体輝度値に基づいて決定した同一の露出設定でノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を行う。なお、この露出設定としては、図4に示すプログラム線図60がデータとしてフラッシュメモリ55に格納されており、CPU21はこのプログラム線図60を読み出し、被写体輝度値に基づいてシャッタ速度、絞り値を決定する。そしてCPU21は決定された露出設定に応じた所定の絞り値が絞り27にセットされるようにモータドライバ28を介して絞り駆動機構29を制御するとともに、所定の撮影感度をCDS37,AMP38にセットし、さらに、所定のシャッタ速度となるようにTG36を制御してタイミング信号を発生させる。また、本実施形態では、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影ともに撮影感度が常に一定となるようにCDS37,AMP38を制御している。
【0031】
なお、前記フラッシュメモリ55は、周知の不揮発性メモリであり、各種プログラムやデータ,各種制御用のパラメータ等も記憶してある。
【0032】
このように構成されたデジタルカメラ10で特殊連続撮影を行うには、図5のフローチャートに示すように、電源ボタン14を押して(st1)からモード選択ダイヤル15を操作して特殊連続撮影モードを選択すると(st2)、画像入力コントローラ41から出力された画像データが、LCDドライバ48を介してスルー画像としてLCDパネル15に表示される(st3)。LCDパネル15を電子ビューファインダとして、LCDパネル15の表示画像を観察してフレーミングを行う。ユーザが特殊連続撮影を行おうとする際には、まずレリーズボタン16を半押し(軽くレリーズボタン16を押圧する)すると(st4)、AE処理(st5)及びAF処理(st6)がスタートする。
【0033】
AE処理では、AE検出回路53は、撮像信号の輝度信号を取り込んで積分演算し、この輝度積分値(被写体輝度値)をCPU21に送る。CPU21は、プログラム線図60を読み出し、被写体輝度値に基づいた絞り値、シャッタスピードなどの露出設定を決定する。なお図4に示す例では、撮影時の被写体輝度値が13EVであり、この時線図と交差する位置から、シャッタスピードがTV8(1/250S)、絞り値がAV5(F5.8)と求められる。そして、CPU21は、その決定した露出設定となるように絞り駆動機構29、TG36を駆動する(st7)。
【0034】
また、AF処理では、AF検出回路54は、撮像信号から高周波数成分のコントラストデータを抽出し、CPU21に送る。CPU21は、モータドライバ27を介してレンズ駆動機構28を制御し、レンズ26を光軸方向に進退させて、被写体像の高周波数成分のコントラストが最も高くなる位置を探し出して停止させる。
【0035】
ユーザは、LCDパネル15に表示されたスルー画像を確認し(st8)、半押し位置から更に深い全押し位置までレリーズボタン16を押し下げる(st9)。次の瞬間、先ずノンフラッシュ撮影が行われ(st10)、露出設定に基づくシャッタ速度に対応する電荷蓄積時間でCCD35から撮像信号の読出が行われる。CCD35から出力された撮像信号は、CDS37,AMP38,A/D変換器39を経て画像入力コントローラ41に入力される。この画像入力コントローラ41から出力されたノンフラッシュ撮影による画像データは、内部メモリ43に一時保存される。そして最初のノンフラッシュ撮影が完了すると、次にCPU21は、所定の光量でフラッシュ撮影を行うようにストロボ13による発光を同期させながら、シャッタ速度に対応する電荷蓄積時間でCCD35から撮像信号の読出が行われる(st11)。そして、内部メモリ43に画像データが一時保存され、フラッシュ撮影が完了する。フラッシュ撮影が完了すると、CPU21は、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影で取得した画像データを内部メモリ43から読み出し、LCDパネル15に表示させる(st12)。これらの確認用の画像は図6に示すように表示される。先ず、LCDパネル15には、ノンフラッシュ撮影の画像61が表示され(図6(A)に示す状態)、次にフラッシュ撮影の画像62が表示される(図6(B)に示す状態)。これらの確認画像の表示後、CPU21は、画像データを圧縮伸長処理回路44で圧縮してデータ容量を小さくしてから、メディアコントローラ50を介してメモリカード51に記憶させる(st8)。なお、図6に示す確認画像を表示するとき、同時にメモリカード21への記憶を行ってもよく、例えばノンフラッシュ撮影の画像61の表示中(図6(A)に示す状態)に、この画像61のデータをメモリカード21に書き込みを行い、この書き込みが完了したときに、LCDパネル15の表示をフラッシュ撮影の画像62の表示に切り替えて、さらにこの画像62のデータをメモリカード51に書き込む(st13)。これらのノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影の画像データの記録が終了すると、一回の特殊連続撮影が終了し、CPU21は、LCDパネル15の表示をスルー画像に戻す。そしてユーザーが所望の回数だけレリーズボタン16を押圧して撮影を実行し、特殊連続撮影モード下での撮影が終了する。
【0036】
このように、一回のレリーズ動作でノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を連続して行い、それらの画像データを取得しているので、撮影後、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影の画像を確認、比較して旨く撮れているほうの画像を選択することができる。
【0037】
上記第1実施形態では、特殊連続撮影後の確認画像の表示では、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影の画像をそれぞれ別に表示しているが、本発明はこれに限らず、図7に示すように、ノンフラッシュ撮影で取得した画像61、及びフラッシュ撮影で取得した画像62の両方をLCDパネル15の同一画面内に表示するようにしてもよい。これによって、両方の撮影で取得した画像をより比較しやすくなっている。
【0038】
また、上記第1実施形態においては、特殊連続撮影後に、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影のポストビュー画像(確認画像)を表示するときのタイミングは上記の例に限らず、例えば、特殊連続撮影が終了(最後のコマの画像データを取得)した直後から、各撮影の確認画像を所定の時間間隔で切り替えて表示するようにしてもよい。あるいは、図1aに示すように、LCDパネル15の画面内に切り替えボタン63a,63bを表示し、この切り替えボタン63a,63bをタッチパネル19で操作すると、確認画像64が切り替わるようにしてもよい。なお、操作手段としては、タッチパネル19を用いたものに限らず、切り替え用の操作部材を別に設けるようにしてもよい。
【0039】
また、上記第1実施形態では、特殊連続撮影後に、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影をメモリカード51に書き込む前に確認画像の表示を行っているが、本発明はこれに限らず、メモリカード51への書き込み後に各撮影の確認画像の表示を行ってもよい。なお、この画像の確認後は、例えば、元の表示に戻すことを入力するボタン65(図8参照)をタッチパネルで操作することによって、確認画像の表示からもとの表示画面(例えば、次の撮影に備えるスルー画像表示)に戻すようにすればよい。あるいは、所定の時間、確認画像を表示した後は、もとの表示画面に戻すようにしてもよい。
【0040】
なお、上記実施形態においては、特殊連続撮影モード下で、レリーズボタン押圧時のAE処理で決定した同一の露出設定によって、ノンフラッシュ撮影及びノンフラッシュ撮影をともに行うようにしているが、本発明はこれに限るものではなく、以下ので説明する本発明の第2実施形態では、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影をそれぞれ別の露出設定で実行する例を示す。この第2実施形態を適用するデジタルカメラの構成としては、上記第1実施形態のものと同様の部品を使用するため説明を省略する。
【0041】
この第2実施形態では、図9に示すノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影用のプログラム線図71,72がフラッシュメモリ55に格納されており、特殊連続撮影モード下で、AE処理を行うとき、CPU21は、プログラム線図71,72をそれぞれ読み出し、これらのプログラム線図71,72及び被写体輝度値に基づいて、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影にそれぞれ適した露出設定を決定する。そして、CPU21は、それぞれの露出設定でノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を行う。
【0042】
この第2実施形態を適用したデジタルカメラで特殊連続撮影を行うには、図10のフローチャートに示すように、電源オン(st1)から特殊連続撮影モード選択(st2)の後、スルー画像が表示される(st3)と、ユーザーはLCDパネル15の表示画像を観察してフレーミングし、レリーズボタン16を半押しすると(st4)、AE処理(st5)及びAF処理(st6)がスタートする。AE処理では、AE検出回路53は、撮像信号の輝度信号を取り込んで積分演算し、この輝度積分値(被写体輝度値)をCPU21に送る。CPU21は、プログラム線図71,72を読み出し、被写体輝度値に基づいてフラッシュ撮影及びノンフラッシュ撮影に適した露出設定を決定する。なお図7に示す例では、撮影時の被写体輝度値が8EVであり、この時、ノンフラッシュ撮影用のプログラム線図71からはシャッタスピードがTV5(1/30S)、絞り値がAV3(F2.8)と求められる。さらに、フラッシュ用のプログラム線図72から露出設定を求める場合には、被写体輝度値(8EV)が暗すぎるため線図から外れていることから、その付近で一番明るい設定としてシャッタスピードがTV6(1/30S)、絞り値がAV3(F2.8)と求められる。そして、CPU21は、その決定した露出設定となるように絞り駆動機構29、TG36を駆動する(st7)。ユーザは、LCDパネル15に表示されたスルー画像を確認し(st8)、半押し位置から更に深い全押し位置までレリーズボタン16を押し下げる(st9)。
【0043】
レリーズボタン16を全押しすると、次の瞬間、先ずプログラム線図71に基づく露出設定でノンフラッシュ撮影が行われ(st10)、画像データが内部メモリ43に一時保存される。そして最初のノンフラッシュ撮影が完了すると、次にCPU21は、プログラム線図72に基づく露出設定に切り替えて(st11)、所定の光量でフラッシュ撮影を行うようにストロボ13による発光を同期させながら、フラッシュ撮影が行われ(st12)、内部メモリ43に画像データが一時保存される。フラッシュ撮影が完了すると、CPU21は、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影で取得した画像データを内部メモリ43から読み出し、LCDパネル15に表示させた後、画像データを圧縮伸長処理回路44で圧縮してデータ容量を小さくしてから、メディアコントローラ50を介してメモリカード51に記憶させる(st13)。
【0044】
このように、一回のレリーズ動作でノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を連続して行い、それらの画像データを取得するとき、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影のそれぞれ最適な露出設定で撮影を行っているので、上記第1実施形態の効果に加えて、さらに露出設定が望ましい画像を得ることができる。
【0045】
なお、上記第1実施形態では、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影ともに撮影感度が常に一定としているが、本発明はこれに限らず、以下で説明する本発明の第3実施形態では、被写体の光量に応じて撮影感度を変更し、特殊連続撮影する例を示す。この第3実施形態を適用するデジタルカメラの構成としては、上記第1実施形態のものと同様の部品を使用するため説明を省略する。
【0046】
この第3実施形態では、図11に示すノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影用のプログラム線図81,82がフラッシュメモリ55に格納されており、特殊連続撮影モード下で、AE処理を行うとき、CPU21は、プログラム線図81,82をそれぞれ読み出し、これらのプログラム線図81,82及び被写体輝度値に基づいて、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影にそれぞれ適したシャッタスピード、絞り値、及び撮影感度からなる露出設定を決定する。そして、CPU21は、それぞれの露出設定でノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影用を行う。これらのプログラム線図81,82に示すように、被写体輝度が低いときには、それぞれ、撮影感度を1SV、2SV、3SVとそれぞれアップする。
【0047】
この第3実施形態を適用したデジタルカメラで特殊連続撮影を行うには、図12のフローチャートに示すように、電源オン(st1)から特殊連続撮影モード選択(st2)の後、スルー画像が表示される(st3)と、ユーザーはLCDパネル15の表示画像を観察してフレーミングし、レリーズボタン16を半押しすると(st4)、AE処理(st5)及びAF処理(st6)がスタートする。AE処理では、AE検出回路53は、撮像信号の輝度信号を取り込んで積分演算し、この輝度積分値(被写体輝度値)をCPU21に送る。CPU21は、プログラム線図81,82を読み出し、被写体輝度値に基づいてフラッシュ撮影及びノンフラッシュ撮影に適した露出設定を決定する。なお図10に示す例では、撮影時の被写体輝度値が6EVであり、この時、ノンフラッシュ撮影用のプログラム線81からはシャッタスピードがTV5(1/30S)、絞り値がAV3(F2.9)、さらに撮影感度が3SVアップと求められる。さらに、フラッシュ用のプログラム線図82から露出設定を求める場合には、被写体輝度値(6EV)が暗すぎるため線図から外れていることから、その付近で一番明るい設定としてシャッタスピードがTV6(1/60S)、絞り値がAV3(F2.9)、撮影感度が1SVアップと求められる。そして、CPU21は、その決定した露出設定となるように絞り駆動機構29、TG36、及びCDS37,AMP38を駆動する(st7)。ユーザは、LCDパネル15に表示されたスルー画像を確認し(st8)、半押し位置から更に深い全押し位置までレリーズボタン16を押し下げる(st9)。
【0048】
レリーズボタン16を全押しすると、次の瞬間、先ずプログラム線図81に基づくシャッタスピード、絞り値、及び撮影感度からなる露出設定でノンフラッシュ撮影が行われ、画像データが内部メモリ43に一時保存される。そして最初のノンフラッシュ撮影が完了すると、次にCPU21は、プログラム線図82に基づくシャッタスピード、絞り値、及び撮影感度からなる露出設定に切り替えて所定の光量でフラッシュ撮影を行うようにストロボ13による発光を同期させながら、フラッシュ撮影が行われ、内部メモリ43に画像データが一時保存される。フラッシュ撮影が完了すると、CPU21は、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影で取得した画像データを内部メモリ43から読み出し、LCDパネル15に表示させた後、画像データを圧縮伸長処理回路44で圧縮してデータ容量を小さくしてから、メディアコントローラ50を介してメモリカード51に記憶させる(st8)。
【0049】
このように、一回のレリーズ動作でノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を連続して行い、それらの画像データを取得するとき、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影において、撮影感度の変更を含むそれぞれ最適な露出設定で撮影を行っているので、上記第1及び第2の実施形態の効果に加えて、さらに露出設定が望ましい画像を得ることができる。
【0050】
なお、上記第1実施形態においては、特殊連続撮影モード下で、測光感度及び撮影感度を常に一定としてノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を連続して行っているが、本発明はこれに限らず、以下で説明する本発明の第4実施形態では、被写体の光量に応じて撮影感度及び測光感度を変更し、特殊連続撮影を行う例を示す。この第4実施形態を適用するデジタルカメラの構成としては、上記第1実施形態のものと同様の部品を使用するため説明を省略する。なお、本実施形態の場合、CPU21が感度ダウンの判定を行う判定手段として機能する。
【0051】
この第実施形態では、図13に示すプログラム線図91がフラッシュメモリ55に格納されており、特殊連続撮影モード下で、AE処理を行うとき、CPU21は、プログラム線図91をそれぞれ読み出し、これらのプログラム線図91及び被写体輝度値に基づいて、露出設定を決定する。そして、CPU21は、この露出設定でノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を行う。これらのプログラム線図91に示すように、被写体輝度が低いときは、実線の線図91aを使用し、被写体輝度が高いときには、点線及び一点鎖線の線図91b,91cをそれぞれ使用する。なお、線図91b,91cは、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影用の露出設定であり、撮影感度及び測光感度のダウンに合わせて露出設定を上げるようにしている。なお、この感度の設定としては例えばISO感度を使用する。
【0052】
この第3実施形態を適用したデジタルカメラで特殊連続撮影を行うには、図14のフローチャートに示すように、電源オン(st1)から特殊連続撮影モード選択(st2)の後、スルー画像が表示される(st3)と、ユーザーはLCDパネル15の表示画像を観察してフレーミングし、レリーズボタン16を半押しすると(st4)、CPU21は感度ダウンの判定を行う判定処理が行われる。この感度ダウンの判定を行う判定処理は図15に示すように、先ずはISO感度設定が自動設定もしくは固定値のいずれかが選択されているかを検出する(st101)。なお、固定値設定となっている場合は、感度ダウンの処理を行わず固定値の感度設定をそのまま使用する。そして、LCDパネル15にスルー画像が表示されているか否かを検出し(st102)、スルー画像が表示されているとき、CPU21は、この表示中の最後のフレームを抜き出してAE処理回路に送る(st103)、なお、スルー画像が表示されていないときは、感度ダウンの処理を行わない。AE処理回53は、抜き出したフレームから輝度信号を取り込んで積分演算し(st104)、この仮輝度積分値(仮被写体輝度値)をCPU21に送る。CPU21はこの仮輝度積分値が所定値を超えるか否かを判定し(st105)、所定値以上のときには、仮被写体輝度値に応じた感度ダウン値の算出を行う(st106)。感度ダウン値が所定値を超えるか否かを判定し(st107)、所定値以上のときには、測光感度及び撮影感度をダウンさせる設定に切り替える(st108)。あるいは、所定値未満のときは、測光感度及び撮影感度をそのままとし(st109)、判定処理を終了する。
【0053】
感度ダウンの判定処理を終了すると、AE処理(st5)及びAF処理(st6)がスタートする。AE処理では、AE検出回路53は、撮像信号の輝度信号を取り込んで積分演算し、この輝度積分値(被写体輝度値)をCPU21に送る。なお、上述の感度ダウン判定処理で感度ダウンと決定されたときには、その設定に基づいて測光感度をダウンさせるように、TG36、及びCDS37,AMP38を駆動する。CPU21は、プログラム線図91を読み出し、被写体輝度値に基づいてフラッシュ撮影及びノンフラッシュ撮影に適した露出設定を決定する。そして、CPU21は、その決定した露出設定となるように絞り駆動機構29、TG36、及びCDS37,AMP38を駆動する(st7)。ユーザは、LCDパネル15に表示されたスルー画像を確認し(st8)、半押し位置から更に深い全押し位置までレリーズボタン16を押し下げる(st9)。
【0054】
レリーズボタン16を全押しすると、次の瞬間、先ずプログラム線図91に基づくシャッタスピード、絞り値、及び撮影感度からなる露出設定でノンフラッシュ撮影が行われ(st10)、画像データが内部メモリ43に一時保存される。なお、上述の感度ダウン判定処理で感度ダウンの設定が決定されたときは、その設定に基づいて撮影感度をダウンさせて撮影を行う。そして最初のノンフラッシュ撮影が完了すると、次にCPU21は、プログラム線図82に基づくシャッタスピード、絞り値、及び撮影感度からなる露出設定に切り替えて(st11)所定の光量でフラッシュ撮影を行うようにストロボ13による発光を同期させながら、フラッシュ撮影が行われ(st12)、内部メモリ43に画像データが一時保存される。なお、上述の感度ダウン判定処理で感度ダウンが決定されたときは、その設定に基づいてCCD25の撮影感度をダウンさせるようにTG36、及びCDS37,AMP38を駆動してノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を行う。フラッシュ撮影が完了すると、CPU21は、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影で取得した画像データを内部メモリ43から読み出し、LCDパネル15に表示させた(st12)後、画像データを圧縮伸長処理回路44で圧縮してデータ容量を小さくしてから、メディアコントローラ50を介してメモリカード51に記憶させる(st13)。
【0055】
このように、一回のレリーズ動作でノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を連続して行い、それらの画像データを取得するとき、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影において、感度ダウンの判定としたときには測光感度及び撮影感度をダウンさせ、それらに応じた露出設定で撮影を行っているので、上記第1及び第2の実施形態の効果に加えて、さらに露出設定が望ましい画像を得ることができる。なお、このように、感度ダウンの設定で測光・露出演算を行ったとき、絞り値が開放絞りでも明るさが不足する演算結果となったときには、感度をアップさせた設定とし、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を行ってもよい。また、このような場合、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影時とで線図が異なるときは、測光感度及び撮影感度も異なる設定で撮影されるようにしてもよい。
【0056】
なお、上記第3実施形態においては、露出設定の演算結果に応じてCCD35の撮影感度を切り替えて撮影を行っているが本発明はこれに限るものではなく、例えば1枚目は撮影感度を上げて、2枚目はそれよりも撮影感度を下げるというように、撮影順によって撮影感度を切り替えて撮影を行うようにしてもよい。これによって、感度切り替えの判定や、演算などを行う必要がなく、各撮影間のタイムラグを短縮することができる。
【0057】
また、上記第1〜4の構成に加えてさらに、特殊連続撮影モード下での撮影前に各種警告を行って撮影に支障が出る可能性をユーザーに知らせる構成とした第5の実施形態を以下で説明する。なお、本実施形態では、CPU21は警告判定を行う判定手段として機能し、それ以外は、上記第1の実施形態とほぼ同様の部品を使用する。また、警告の種類としては例えば、「フラッシュ発光予告警告」、「手ブレ注意警告」、「露出範囲外警告」、「ピント非合焦警告」を行い、これらの警告判定は、半押しレリーズ動作後、AE処理及びAF処理を行っているときに同時に行われ、例えば「手ブレ注意警告」はスルー画像のフレーム間を比較して変化量が多いときに手ブレ状態と判定してそれを警告するものであり、また、「露出範囲外警告」は、被写体輝度が暗すぎるため最も明るい露出設定でも露光量が不足すること、さらにまた「ピント非合焦警告」は、被写体距離が撮影レンズの合焦可能範囲から外れていることを警告するものであり、CPU21は、これらの判定を行う。
【0058】
上述したような警告判定が行われると、CPU21は、スルー画像表示中のLCDパネル15に警告内容を表示する。図16のフローチャートでは、警告表示を行うときのCPU21のシーケンスを示す。警告表示処理がスタートすると、先ず前回撮影時の警告内容を初期化し(st201)、次にノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影時の両方の撮影のうち、少なくともいずれか一方で警告判定がなされているときは、警告表示を行う設定する(st202)。そして全ての警告内容について同様の処理を行う(st203)と、図17に示すような警告表示が行われる。図17に示す警告表示では、スルー画像101の表示とともに、「フラッシュ発光予告警告」、「手ブレ注意警告」、「露出範囲外警告」、「ピント非合焦警告」をそれぞれ示すマーク102a〜102dがそれぞれ表示されている。なお、これらの警告内容は、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影時の両方を対象とし、少なくともいずれか一方で警告判定がなされたときに警告表示を行っているので、2枚分(ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影の両方)の警告内容を表示する必要がなく表示面積を減らすことができる。よって、これらのマーク102a〜102dを確認するだけで、ユーザーはノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影の両方で警告される内容を全て把握することができる。また、このとき、LCDパネル15の同じ画面内に特殊連続撮影モード下であることを示すマーク103(非フラッシュとフラッシュをそれぞれ示すマーク103a、103bからなる)や、AE処理で算出された絞り、シャッタスピード、撮影感度などの情報を、1枚目(ノンフラッシュ撮影)の情報104a、及び2枚目(フラッシュ撮影)の情報104bとして表示してもよい。なお、警告手段としては、上記の例のように警告情報を表示する構成に限らず、音声や、文字などの警告手段を用いて警告するようにしてもよい。
【0059】
なお、上記第1〜4の実施形態の構成に加えて、デジタルカメラ2の通常撮影モード下でスローシンクロ機能、すなわち、シャッタスピードを通常時よりも遅い値に切り替えて、その遅いシャッタスピードに同期させてフラッシュ発光を行う機能を備えた場合、特殊連続撮影モード下でノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を行うときには、このスローシンクロ機能を停止させて撮影を行うように制御を行うことが好ましい。これによって、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影のとき、遅いシャッタスピードで撮影されることがなく、両方の撮影ともにブレが発生してしまうことを防ぐことができる。
【0060】
また、上記第1〜4の実施形態の構成に加えて、特殊連続撮影モード下で、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影時を行い、メモリカード51に記録するときにノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影に応じた付加情報を前記画像データにそれぞれ付加することが好ましい。この場合、画像データに付加情報を付加した画像ファイルの構造は、図18に示すようになる。また付加情報としては、例えばExif形式のデータを使用し、画像データのExifタグの領域に情報を書き込む。図18に示す特殊連続撮影モード下で取得した画像ファイル111及び112では、画像データ111a、112aと、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影をそれぞれ行ったことを示す情報、さらにそのときのAE処理で演算した露出設定などが付加情報111b,112bとしてそれぞれ構成され、このような画像ファイル111及び112がメモリカード51に記録される。
【0061】
なお、画像データに付加する付加情報としては、上記のものに限定されるものではなく、図19に示す画像ファイル113,114のような情報内容としてもよい。この図19に示す特殊連続撮影モード下で取得した画像ファイル113及び114では、画像データ113a、114aとともに、さらにそのときの日付、時間などの共通の付加情報115とからそれぞれ構成され、このような画像ファイル113及び114がメモリカード51に記録される。これによって、同一回の撮影でノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を連続して行った画像データであることを容易に判別でき、後に見直したときユーザーが他の画像と区別しやすくなっている。
【0062】
なお、上記実施形態においては、一回のレリーズ全押し動作に応じて最初にノンフラッシュ撮影を、その後にフラッシュ撮影の順で各1回ずつ撮影を行っているが、本発明はこれに限るものではなく、最初にフラッシュ撮影を、その後にノンフラッシュ撮影の順で撮影を行うようにしてもよい。これによって、フラッシュ撮影時の発光でユーザー及び被写体に撮影が行われていることを認識させた後、ノンフラッシュ撮影を行うことができる。さらに、ノンフラッシュ撮影・フラッシュ撮影の順で行うときは、ノンフラッシュ撮影の後、フラッシュ撮影で十分な発光量を得るまでに長いタイムラグが生じるが、フラッシュ撮影・ノンフラッシュ撮影の順で行うことによって、両方の撮影の間のタイムラグを短縮することができる。
【0063】
また、ノンフラッシュ撮影・フラッシュ撮影の順番については、予め設定された順番通りに行うものではなく、撮影前に決定された露出設定に応じて順番を変更するようにしてもよい。この場合、例えば、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影のうち、CPU21が決定した露出設定でシャッタスピードが短いほうの撮影を最初に行い、その後にシャッタスピードが長いほうの撮影を行うようにすればよい。
【0064】
また、撮影の回数としては、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を少なくとも各1回以上、且つ合計2回以上行うことによって、ノンフラッシュ撮影とフラッシュ撮影の画像を比較することができるため、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0065】
なお、上記実施形態の構成に加えて、フラッシュ発光装置として調光制御機能を有するオートストロボを備えたデジタルカメラとすることもできる。このオートストロボを備えた本発明の第6実施形態を適用したデジタルカメラの構成を図20のブロック図に示す。なおこの図20に示すデジタルカメラ120としては、上記実施形態と同様の部品を使用しているものについては同符号を付して説明を省略する。このデジタルカメラ120に内蔵されたオートストロボ121は、ストロボ発光回路122、放電管123、調光回路124、調光用センサ125から構成されている。フラッシュ撮影を行う場合は、CPU21からの制御信号によってストロボ発光回路122内のメインコンデンサが充電され、レリーズに同期してシンクロ信号が発光回路122及び調光回路124に入力される。発光回路122ではシンクロ信号の入力により、メインコンデンサ内に貯えられた電荷を放電管123に流すことで、被写体に向けてストロボ光を照射する。調光回路124は、シンクロ信号が入力され、且つCCD35による被写体の露光が開始されたときに、調光センサ104から検出された被写体からのストロボ反射光の輝度に応じた輝度信号を受け取り、この輝度信号を時間積分し、この積分値が予め設定された閾値に達したときに停止信号を発光回路122に出力する。発光回路122は、調光回路124からの停止信号を受けると放電管123へ流す電流を遮断し、発光を停止する。
【0066】
本実施形態では、特殊連続撮影モード下で、少なくとも1回以上のノンフラッシュ撮影と、複数回のフラッシュ撮影と連続して行う設定で、且つフラッシュ撮影時にCCD35の撮影感度を上昇させるようにCPU21が制御を行う。これによって、フラッシュ撮影が行われるときに、オートストロボ121の発光量を小さく、すなわちメインコンデンサへの充電を少なくすることができる。よって、フラッシュ撮影を連続して行うとき、撮影間のタイムラグを短縮することができる。
【0067】
なお、本実施形態では、オートストロボ121が調光制御を行うタイミングは、レリーズ半押し時及び全押し時に応じたタイミングに限るものではなく、特殊連続撮影モードが選択された直後から、撮影を終了までの間であれば、どのタイミングで調光制御を開始してもよく、例えば特殊連続撮影モードが開始してから所定の時間間隔、あるいは、直前の撮影後から所定の時間を置いたタイミングなどで調光制御を開始してフラッシュ撮影を行うようにしてもよく、さらにまた、レリーズボタン16以外の操作手段による入力に応じて調光制御を開始するようにしてもよい。
【0068】
なお、これらに限らず、本撮影(画素数の大きな本画像データを取得するときの撮影)の前に仮撮影を行い、このときに調光制御を行うことによって、本撮影のときに調光制御に掛かる時間を短縮することができる。以下で説明する本発明の第7実施形態では、本撮影の前に調光制御を行う構成について例示する。なお、部品構成などは、上述のデジタルカメラ100と同様であり、説明を省略する。このような調光制御を行うデジタルカメラで特殊連続撮影を行うときには、図21のフローチャートに示すように、電源オン状態(st1)としてから、特殊連続撮影モードを選択すると(st2)、LCDパネル15にスルー画像が表示される(st3)。そしてレリーズボタン16を半押し位置に押し下げると(st4)、ノンフラッシュ仮撮影(st5)及びフラッシュ仮撮影(st6)がスタートする。なお、これらの仮撮影の直前に赤目軽減用の発光を行うようにしてもよい。
【0069】
ノンフラッシュ仮撮影(st6)では、オートストロボ101のフラッシュ発光を行わずにAE処理及びAF処理などを行い、このときの輝度積分値や、コントラストが最も高くなるレンズ26の位置情報などをCPU21に送る。CPU21は、これらの値から後述するノンフラッシュ本撮影用の露出設定を決定する。そして、フラッシュ仮撮影(st6)では、オートストロボ101で調光制御したフラッシュ発光(プリ発光)を行い、このときの輝度積分値や、コントラストが最も高くなるレンズ26の位置情報、さらに調光制御したときに調光センサ104で受光した輝度値(被写体からのストロボ反射光)の情報をCPU21に送る。CPU21は、これらの値から、後述するフラッシュ本撮影用の露出設定、及びオートストロボ101の発光量を演算する(st7)。なお、これらの仮撮影を行うときは、本撮影のときよりも少ない画素数で撮影を行い、時間短縮を図るようにしてもよい。
【0070】
ユーザーがスルー画像を確認して(st8)、レリーズボタン16を全押し位置に押し下げると(st9)、次の瞬間、CPU21は上述した仮撮影(st5)のときに決定された露出設定に基づいて絞り、シャッタ速度などを制御してノンフラッシュ本撮影を行う(st10)。続いて、上述の仮撮影(st6)の露出設定に基づく絞り、シャッタ速度などに制御されるとともに、発光量演算(st7)の結果に基づく発光量でオートストロボ101が発光をするようにCPU21が制御を行い、この発光に同期させながらフラッシュ本撮影を行う(st11)。そして、ノンフラッシュ本撮影及びフラッシュ本撮影で取得した確認画像を表示(st12)し、これらの画像をメモリカード51に書き込む(st13)。そして、所定の枚数分の画像データが取得されると特殊連続撮影モード下での撮影が終了する。
【0071】
このように、特殊連続撮影モード下で、ノンフラッシュ本撮影及びフラッシュ本撮影の前に仮撮影、調光制御、及び発光量の演算を行っているので、ノンフラッシュ本撮影及びフラッシュ撮影の間で調光制御等を行う必要がなく、タイムラグを短縮することができる。また、本撮影の前に発光を行っているため、ユーザ及び被写体に対して撮影が開始したことを認識させることができる。
【0072】
なお、本撮影の前に仮撮影を行う場合、フラッシュ仮撮影のときのフラッシュ発光(プリ発光)と赤目軽減用の発光を兼用するようにしてもよい。これによって、フラッシュ仮撮影時の赤目軽減用発光とフラッシュ本撮影時のフラッシュ発光との差が大きくなり、瞳孔が閉じるのに十分な時間を置いているからフラッシュ本撮影時に高い赤目軽減効果を得ることができ、さらに赤目軽減用発光として別の発光手段を設ける必要がないため、発光回数を抑制し、デジタルカメラのバッテリ消費量を少なくすることができる。
【0073】
なお、上記実施形態では、撮影前には、LCDパネル15に表示される画像としては、リアルタイムのスルー画像のみを表示する構成としているが、本発明はこれに限るものではなく、特殊連続撮影モード下で本撮影を行う前に、ノンフラッシュ及びフラッシュの仮撮影を行って、この仮撮影で取得したプレビュー画像をLCDパネル15にそれぞれ表示させるようにしてもよい。これによって本撮影の前にプレビュー画像を確認することができる。また、仮撮影のときは画素数の少ない(解像度の低い)画像データを取得することでプレビュー画像を素早く表示することができ、本撮影のときは、仮撮影のときよりも画素数の多い(解像度の高い)画像データを出力し、高精細な画像を得ることができる。
【0074】
また、上記実施形態では、特殊連続撮影モード下で、撮影前に表示される警告情報としては、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影のうち、いずれか一方で警告があることを示す警告表示を行っているが、本発明はこれに限るものではなく、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影で警告があることをそれぞれ示す警告表示を行うようにしてもよい。この場合、例えば、図22に示すように、上段〈点線151aで囲まれた範囲)が1枚目(ノンフラッシュ撮影)の情報で、下段(点線151bで囲まれた範囲)が2枚目(フラッシュ撮影の情報とすればよい。なお、符号152a,152bは、各撮影時の撮影情報で、その隣のマーク153a〜153dが各警告内容を示す表示である。このようにして、各撮影毎に撮影情報及び警告情報を表示し、ユーザに知らせることができる。
【0075】
また、上記の例では、スルー画像表示の画面内で警告情報を表示しているが本発明はこれに限るものではなく、図23に示すように1枚目(ノンフラッシュ撮影)及び2枚目(フラッシュ撮影)のプレビュー画像をそれぞれ取得してその一部〈例えば中心付近)を拡大した部分拡大画像156a,156bをそれぞれ表示するとともに、上記の例と同様に撮影情報152a,152b及び警告情報153a〜153dを表示するようにしてもよい。これによって、本撮影の前に、1枚目(ノンフラッシュ撮影)及び2枚目(フラッシュ撮影)の情報をさらに確実に知ることができ、また部分拡大画像を見ることで確認を行うことができる。
【0076】
また、撮影情報及び警告情報の表示としては、これらのものに限らず、所定の順番、例えば1枚目の撮影(上記実施形態ではノンフラッシュ撮影)に関する撮影条件、及び警告情報を表示するようにしてもよい。これによって、情報内容が少なく、小さな表示領域でも情報を知らせることができ、スルー画像などを表示する領域を大きくとることができる。さらにまた、上記の例のように所定の順番の撮影に関する撮影条件及び警告条件を表示するのではなく、CPU(露出決定手段)21が露出設定を決定したとき、シャッタスピードが遅く設定されたほうの撮影に関する撮影条件、及び警告情報を表示するようにしてもよい。シャッタスピードが遅く設定されたほうの撮影を選択することによって、警告が出やすい(手ブレなどが発生しやすい)ほうの撮影に関する撮影条件、及び警告情報を表示することができる。また、図24に示すように、CPU(露出決定手段)21が露出設定を決定したとき、シャッタスピードが遅く設定されたほうの撮影情報157と、1枚目(ノンフラッシュ撮影)及び2枚目(フラッシュ撮影)の両方の撮影のうち、少なくともいずれか一方で警告があるときの警告情報158a〜d(上記第5実施形態の警告表示と同様)を表示するようにしてもよい。
【0077】
また撮影情報及び警告情報を表示するタイミングとしては、例えば図25に示すように、特殊連続撮影モードの開始から1枚目(フラッシュ撮影)の撮影が終了するまでは1枚目の撮影情報161a及び警告情報162aを表示し(図25(A))、1枚目の撮影が終了した直後からは、2枚目の撮影情報161b及び警告情報162bを表示するようにしてもよい(図25(B))。これによって、次の撮影を対象とする情報のみが表示されるため、情報内容が少なく、小さな表示領域でも情報を知らせることができ、スルー画像などを表示する領域を大きくとることができる。なお、特殊連続撮影モード下で、1回のレリーズで3枚以上撮影を行う場合も、2枚目の撮影が終了した直後からは3枚目の情報を表示し、以後同様にして情報の表示を行うようにすればよい。
【0078】
また、撮影情報及び警告情報を表示するタイミングとしては、上記のものに限らず、最初の撮影を行った直後、各コマの撮影の直後、及び特殊連続撮影を終了した直後などのいずれかで表示を行ってもよい。あるいは、CPU(露出決定手段)21が露出設定を決定した直後に、この露出設定を含む撮影情報及び警告情報を表示するようにしてもよい。これによって、露出設定の決定前は、画面の表示がシンプルとなるため確認をしやすい。
【0079】
なお、上記実施形態では、撮影情報及び警告情報をLCDパネル15の画面内に表示しているが、これに限らず、別の表示手段を設けてこれらの情報を表示してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明のデジタルカメラの正面側外観斜視図である。
【図2】本発明のデジタルカメラの背面側外観斜視図である。
【図3】本発明のデジタルカメラの概略的な構成を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態の露出設定を決定するときのプログラム線図である。
【図5】第1実施形態の主なシーケンスを示すフローチャートである。
【図6】撮影後の確認画像の表示の一例を示す説明図である。
【図7】撮影後の確認画像の表示の別の実施例を示す説明図である。
【図8】撮影後の確認画像の表示の別の実施例を示す説明図である。
【図9】第2実施形態の露出設定を決定するときのプログラム線図である。
【図10】第2実施形態の主なシーケンスを示すフローチャートである。
【図11】第3実施形態の露出設定を決定するときのプログラム線図である。
【図12】第3実施形態の主なシーケンスを示すフローチャートである。
【図13】第4実施形態の露出設定を決定するときのプログラム線図である。
【図14】第4実施形態の主なシーケンスを示すフローチャートである。
【図15】第4実施形態の感度ダウン判定処理の主なシーケンスを示すフローチャートである。
【図16】第5実施形態の警告表示処理の主なシーケンスを示すフローチャートである。
【図17】第5実施形態の警告表示画面の一例を示す説明図である。
【図18】メモリカードに記憶する画像ファイルの構造の一例を示す説明図である。
【図19】メモリカードに記憶する画像ファイルの構造の別の実施例を示す説明図である。
【図20】第6実施形態のデジタルカメラの概略的な構成を示すブロック図である。
【図21】第7実施形態の主なシーケンスを示すフローチャートである。
【図22】撮影情報及び警告情報を1枚目及び2枚目の両方に関して表示する画面の一例を示す説明図である。
【図23】撮影情報及び警告情報を1枚目及び2枚目の両方に関して表示する画面の別の実施例を示す説明図である。
【図24】撮影情報及び警告情報を一方の撮影に関してのみ表示する画面の一例を示す説明図である。
【図25】撮影情報及び警告情報を切り替えて表示する画面の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0081】
10 デジタルカメラ
15 LCDパネル
21 CPU
35 CCD
31 絞り駆動機構
51 メモリカード
53 AE検出回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラは、コンパクトタイプや一眼レフタイプ、また、携帯電話などの電子機器に組み込まれたものも含めて様々な種類のものがあり、デジタルカメラのそれぞれのタイプに応じて様々な機能を有しており、例えば、一眼レフタイプのデジタルカメラでは、複数回の撮影を連続的に行う連写機能を有するものがある。また、このような連写機能を有するデジタルカメラの中には、その連続撮影中に、各撮影に同期させてストロボ発光を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1記載のデジタルスチルカメラ及びその連続撮影の制御方法ではさらに、撮影距離,絞り、撮影感度に基づいて、適正露光とするための発光量を求め、この発光量でのストロボ発光が可能であるか否かを、メインコンデンサの充電電圧等に基づいて連続撮影中に判断する。発光可能な間は、ストロボ発光を行ってのストロボ撮影を行い、ストロボ発光が不可能となった以降は、アベイラブル光の下で適正露出が得られるように、絞り、シャッタ速度、撮影感度の組み合せを設定して連続撮影を続行する。
【特許文献1】特開2005−284166号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1では、メインコンデンサの充電電圧等に基づいてフラッシュ撮影、又はノンフラッシュ撮影かの判定をするものであり、フラッシュの有無について、ユーザーの意思を反映することができない。さらにフラッシュ撮影及びノンフラッシュ撮影のうち、どちらが好ましい画像を撮影できるかという選択は、撮影した画像を確認しなければ分からない面があり、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影の両方を撮影し、比較できるようにすることが望まれている。
【0005】
本発明は上記事情を考慮してなされたものであり、ノンフラッシュ撮影とフラッシュ撮影を連続して行うときに、適切な露出設定で撮影を行い、両方の撮影で取得した画像を比較することができるデジタルカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載のデジタルカメラでは、フラッシュ発光の有無を切り替えて撮影を行い、画像データを出力するフラッシュ撮影及びノンフラッシュ撮影が可能であり、一回のレリーズ動作に応じて、前記ノンフラッシュ撮影と、前記フラッシュ撮影とを連続して行う特殊連続撮影モードを備えた撮影手段と、この撮影手段による撮影時に測光及び露出演算を行って露出設定を決定する露出決定手段とを備えたデジタルカメラにおいて、前記特殊連続撮影モード下で、前記露出決定手段によって決定した同一の露出設定で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影を行うことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に記載のデジタルカメラでは、フラッシュ発光の有無を切り替えて撮影を行い、画像データを出力するフラッシュ撮影及びノンフラッシュ撮影が可能であり、一回のレリーズ動作に応じて、前記ノンフラッシュ撮影と、前記フラッシュ撮影とを連続して行う特殊連続撮影モードを備えた撮影手段と、この撮影手段による撮影時に測光及び露出演算を行って露出設定を決定する露出決定手段とを備えたデジタルカメラにおいて、前記特殊連続撮影モード下で、前記露出決定手段は、レリーズ半押し動作が行われたとき、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影に適した露出設定をそれぞれ決定し、前記撮影手段は、レリーズ全押し動作が行われたとき、前記露出決定手段で決定したそれぞれの露出設定で前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影を行うことを特徴とする。
【0008】
なお、フラッシュの発光量を調整する調光制御手段を備えており、前記特殊連続撮影モード下での撮影中に前記調光制御手段が所定の動作または所定の時間を契機として連続して作動することが好ましい。あるいは、前記特殊連続撮影モード下で、複数回の前記フラッシュ撮影を行うとき、前記撮影手段の撮影感度を上昇させるとともに、前記調光制御手段を作動させることが好ましい。
【0009】
前記撮影手段による撮影感度の変更を行う感度変更手段を備えており、前記特殊連続撮影モード下で、前記露出決定手段が測光・露出演算を行い、この演算結果から前記撮影手段の現在の撮影感度による露出設定の最大値でも露光量が不足すると判定されたときには、前記感度変更手段で前記撮影感度を変更することが好ましい。
【0010】
また、前記特殊連続撮影モード下で、被写体光に応じて測光感度及び撮影感度の切り替えの要否を判定する切替判定手段と、この感度切替判定手段による判定結果で被写体光が所定量以上であり、測光感度及び撮影感度の切り替えが必要と判定されたときに、前記露出決定手段は、測光感度及び撮影感度を通常時よりも下げた低感度設定値に切り替えて測光及び露出演算を行い、前記撮影手段は、前記低感度設定値の撮影感度で前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影を行うこと、さらにまた、前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影を最初に行い、その後に前記フラッシュ撮影を行うことが好ましい。あるいは、前記特殊連続撮影モード下で、前記フラッシュ撮影を最初に行い、その後に前記ノンフラッシュ撮影を行うこと、また、前記露出決定手段が前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影の露出設定をそれぞれ決定したとき、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影のうち、前記露出設定でシャッタスピードが短いほうの撮影を最初に行い、その後にシャッタスピードが長いほうの撮影を行うことも効果的である。
【0011】
さらにまた、前記撮影手段による撮影感度の変更を行う感度変更手段を備えており、前記特殊連続撮影モード下で、先に撮影するコマでは撮影感度を高くし、それよりも後に撮影するコマでは撮影感度をそれよりも低く設定することが好ましい。なお、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影の前にプレビュー画像を撮像し、取得したプレビュー画像を表示する表示手段を備えることが好ましい。前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影のそれぞれの撮影条件及び警告情報を表示することが好ましく、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影のそれぞれの撮影条件及び警告情報と、前記プレビュー画像を部分的に拡大した部分拡大画像とを同時に表示することが好ましい。あるいは、前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影を各1回ずつ行うことが好ましい。また、前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影を計3回以上行うことが好ましい。
【0012】
なお、前記撮影手段で撮影した画像データに基づく画像を表示する表示手段を備えており、前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影で取得した画像を前記表示手段に表示することが好ましい。また、前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影で取得した画像の両方を前記表示手段の同一画面内に表示することが好ましい。さらにまた、前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影で取得した複数の画像を前記表示手段に交互に表示することが好ましい。さらに、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影で取得した複数の画像を前記表示手段に表示するとき、所定の時間間隔で表示画像を切り替えること、あるいは操作手段の操作に応じて表示画像を切り替えることが好ましい。前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を行った直後に、前記ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影で取得した画像のいずれか一方、または両方を前記表示手段に表示すること、あるいは、前記ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を行い、記録媒体への書き込みを終えた後、前記ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影で取得した画像のいずれか一方、または両方を前記表示手段に表示することが好ましい。
【0013】
また、通常モード下での前記フラッシュ撮影のとき、シャッタスピードを通常時よりも遅い値に切り替えて、その遅いシャッタスピードに同期させてフラッシュ発光を行うスローシンクロ機能を備えており、前記特殊連続撮影モード下では前記スローシンクロ機能を停止状態とすることが好ましい。
【0014】
さらにまた、前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影のうち、少なくとも一方の撮影で支障が出ると判定されたときに、警告を行う警告手段を備えていることが好ましい。さらに、前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影のうち、少なくとも一方の撮影で支障が出ると判定されたときに、その警告内容を知らせる警告情報を表示すること、あるいは、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影でそれぞれ支障が出ると判定されたときに、それらの警告を行う警告情報を各撮影毎にそれぞれ区別して表示することが好ましい。また前記特殊連続撮影モード下で、最初の撮影を行った直後、各コマの撮影の直後、及び最後の撮影の直後のいずれかで前記警告情報及び撮影条件の少なくとも一方を表示することが好ましい。さらにまた、前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影のうち、最初に撮影するほうの前記警告情報及び撮影条件の少なくとも一方を、撮影前に表示することや、前記露出決定手段で決定されたシャッタスピードが遅いほうの撮影に関する前記警告情報及び撮影条件の少なくとも一方を、撮影前に表示することも効果的である。前記特殊連続撮影モード下で、前記露出決定手段が前記露出設定を決定した直後に、前記表示手段の表示内容を切り替えて、各撮影に関する撮影情報を表示することが好ましい。
【0015】
あるいは、前記特殊連続撮影モード下で、前記撮影手段が前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影を行い、画像データを取得したとき、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影に応じた付加情報を前記画像データにそれぞれ付加することや、同一回の連続撮影で取得した前記画像データについて共通の付加情報を付加することが好ましい。
【0016】
前記特殊連続撮影モード下で、撮影前に、フラッシュを発光させるプリ発光と、このプリ発光の発光量を調整する調光制御と、前記プリ発光を行ったときの発光量演算とを行い、前記フラッシュ撮影のときに、前記発光量演算の演算結果に基づいてフラッシュ発光を行うことが好ましく、前記プリ発光が、赤目低減用の発光を兼用していることが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の第1実施形態を適用したデジタルカメラについて説明する。図1及び図2に示すデジタルカメラ10は、略直方体形状のカメラ本体11の前面に、撮影レンズ12と、ストロボ13とが設けられている。また、カメラ本体11の背面には、画像を表示する表示手段であるLCDパネル15とが設けられている。さらに、このLCDパネル15の表面には、後述するように、タッチパネル(図3参照)19が設けられている。また、カメラ本体11の上面には、レリーズボタン16と、電源ボタン17と、モード選択ダイヤル18とが設けられている。なお、本実施形態では、レリーズボタン16は、半押し位置と、この半押し位置からさらに押し込んだ全押し位置とに押圧操作可能となっている。さらに、カメラ本体11の底面には、画像データが記憶されるメモリカード51(図3参照)が着脱自在に装填されるスロット(図示せず)が設けられている。このメモリカード51に撮影された画像データが書き込まれて保存される。
【0018】
このデジタルカメラ10は、モード選択ダイヤル18の操作によって、通常撮影モード、特殊連写撮影モード、及び撮影済みの画像を再生してLCDパネル15に表示する再生モードなどを切り替えて実行することができる。また、デジタルカメラ10は、レリーズボタン16及び電源ボタン17による操作以外は、LCDパネル15に表示された操作アイコンに対して、ユーザの指、又は付属する操作ペン(図示せず)を用いて、タッチパネル49に触れることによって操作を行う。
【0019】
ストロボ13は、通常撮影モード下でストロボ撮影を行うとき、及び後述する特殊連写撮影モード下でストロボ撮影を行うとき、レリーズに同期してストロボ光を被写体に向けて照射する。ストロボ発光量は、ストロボ光による露光量が適正となるように撮影距離、撮影感度、絞り値に応じて決定される。通常モード下では、被写体輝度が所定レベルより低いときには、ストロボ発光が行われ、被写体輝度が所定レベルより高いときには、ストロボ発光が行われない。なお、通常モード下ではストロボ発光の要否を手動で選択できるようにしてもよい。
【0020】
本実施形態では、特殊連続撮影モードが選択されたときには、一回のレリーズ全押し動作に対して、最初にストロボを発光しないノンフラッシュ撮影を行い、その次にレリーズに同期してストロボ光を照射させるフラッシュ撮影を連続して行い、それぞれ画像データを取得する特殊連続撮影を実行する。
【0021】
デジタルカメラ10の構成を示す図3において、CPU21は、レリーズボタン16、電源ボタン17及びタッチパネル49等から入力される各種の操作信号に応じて、I/Oバス23を介してデジタルカメラ10の本体各部を制御する。
【0022】
撮影レンズとしてのズームレンズ12は、レンズ26と絞り27を備える。レンズ26は、ステッピングモータを含むレンズ駆動機構28によって駆動され、光学ズーム倍率の変更と焦点調節が行われる。
【0023】
絞り27は、ステッピングモータを含む絞り駆動機構29によってステップ駆動され、絞り径が、複数の絞り値のいずれかに切り換えられる。この目標絞り値は、例えば、絞り27の開放絞りがF2.8,最小絞りがF11である場合、これらの開放絞りF2.8,最小絞りF11も含め、F4,F5.6,F8となる。レンズ駆動機構28及び絞り駆動機構29は、CPU21に制御されるモータドライバ31,32によって駆動される。
【0024】
ズームレンズ21の背後には、固体撮像素子としてCCD35が配置されている。このCCD35は、タイミングジェネレータ(TG)36を介してCPU21に接続されている。撮影モードにおいては、CPU21は、TG36を制御してタイミング信号(クロックパルス)を発生させ、CCD35は、TG36から入力されるタイミング信号によって駆動される。
【0025】
ズームレンズ21により形成された光学画像がCCD35の受光面に結像され、光電変換されてアナログの撮像信号が出力される。この撮像信号は、相関二重サンプリング回路(CDS)37に入力され、CCD35の各セルの蓄積電荷量に対応したR,G,Bの画像データとして出力される。CDS37から出力された画像データは、増幅器(AMP)38で増幅され、A/D変換器(A/D)39によって、アナログ信号からデジタルな画像データに変換される。
【0026】
画像入力コントローラ41は、I/Oバス23を介してCPU21に接続されている。また、I/Oバス23には、内部メモリ43が接続されており、この内部メモリ43としては、例えば、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)が用いられる。CPU21は、画像入力コントローラ41を制御して、A/D39から出力された画像データを内部メモリ43に記憶させる。画像信号処理回路46は、内部メモリ43に記憶された画像データにアクセスして、階調変換、ホワイトバランス補正、γ補正処理等の各種画像処理を施す。
【0027】
撮影モードでは、所定のフレームレートでCCD35が撮像処理を行い、取得した画像データに対して上記画像処理が施され、処理済みの撮影画像がライブ画像としてLCDパネル15にスルー表示される。LCDパネル15は、LCDドライバ48によって駆動される。LCDドライバ48は、画像メモリやD/Aコンバータを備えており、画像メモリに一時的に蓄積した処理済みの画像データを、D/Aコンバータで、例えば、NTSC方式のアナログ信号に変換して、LCDパネル15に出力する。
【0028】
レリーズ操作が行われると、CCD35によって、スルー表示用のライブ画像よりも画素数の大きな本画像データが取得される。この本画像データに対しては、上記画像処理がなされるとともに、圧縮伸張処理回路49によって、所定の圧縮形式(例えば、JPEG形式)で圧縮処理が施される。圧縮処理が施された本画像データは、メディアコントローラ50を介してメモリカード51に記憶される。
【0029】
前記I/Oバス23には、前記メディアコントローラ50等の他に、AE検出回路53,AF検出回路54,フラッシュメモリ55が接続されている。AF検出回路54は、画像入力コントローラ41から出力される撮像信号から高周波数成分のコントラストデータを抽出してCPU21に送る。CPU21は、モータドライバ27を介してレンズ駆動機構28を制御し、フォーカシングレンズを光軸方向に進退させて、被写体像の高周波数成分のコントラストが最も高くなる位置で停止させる。
【0030】
AE検出回路53は、画像入力コントローラ41から出力される撮像信号の輝度信号を積分演算し、得られた測光データとしての輝度積分値(被写体輝度値)を検出、また光源の種類の検出を行い、それらの被写体輝度値、光源情報などをCPU21に送る。CPU21は、被写体輝度値に基づいて、適正となる絞り値、シャッタ速度、撮影感度、などの露出設定を決定する。本実施形態においては、特殊連続撮影モード下では、被写体輝度値に基づいて決定した同一の露出設定でノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を行う。なお、この露出設定としては、図4に示すプログラム線図60がデータとしてフラッシュメモリ55に格納されており、CPU21はこのプログラム線図60を読み出し、被写体輝度値に基づいてシャッタ速度、絞り値を決定する。そしてCPU21は決定された露出設定に応じた所定の絞り値が絞り27にセットされるようにモータドライバ28を介して絞り駆動機構29を制御するとともに、所定の撮影感度をCDS37,AMP38にセットし、さらに、所定のシャッタ速度となるようにTG36を制御してタイミング信号を発生させる。また、本実施形態では、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影ともに撮影感度が常に一定となるようにCDS37,AMP38を制御している。
【0031】
なお、前記フラッシュメモリ55は、周知の不揮発性メモリであり、各種プログラムやデータ,各種制御用のパラメータ等も記憶してある。
【0032】
このように構成されたデジタルカメラ10で特殊連続撮影を行うには、図5のフローチャートに示すように、電源ボタン14を押して(st1)からモード選択ダイヤル15を操作して特殊連続撮影モードを選択すると(st2)、画像入力コントローラ41から出力された画像データが、LCDドライバ48を介してスルー画像としてLCDパネル15に表示される(st3)。LCDパネル15を電子ビューファインダとして、LCDパネル15の表示画像を観察してフレーミングを行う。ユーザが特殊連続撮影を行おうとする際には、まずレリーズボタン16を半押し(軽くレリーズボタン16を押圧する)すると(st4)、AE処理(st5)及びAF処理(st6)がスタートする。
【0033】
AE処理では、AE検出回路53は、撮像信号の輝度信号を取り込んで積分演算し、この輝度積分値(被写体輝度値)をCPU21に送る。CPU21は、プログラム線図60を読み出し、被写体輝度値に基づいた絞り値、シャッタスピードなどの露出設定を決定する。なお図4に示す例では、撮影時の被写体輝度値が13EVであり、この時線図と交差する位置から、シャッタスピードがTV8(1/250S)、絞り値がAV5(F5.8)と求められる。そして、CPU21は、その決定した露出設定となるように絞り駆動機構29、TG36を駆動する(st7)。
【0034】
また、AF処理では、AF検出回路54は、撮像信号から高周波数成分のコントラストデータを抽出し、CPU21に送る。CPU21は、モータドライバ27を介してレンズ駆動機構28を制御し、レンズ26を光軸方向に進退させて、被写体像の高周波数成分のコントラストが最も高くなる位置を探し出して停止させる。
【0035】
ユーザは、LCDパネル15に表示されたスルー画像を確認し(st8)、半押し位置から更に深い全押し位置までレリーズボタン16を押し下げる(st9)。次の瞬間、先ずノンフラッシュ撮影が行われ(st10)、露出設定に基づくシャッタ速度に対応する電荷蓄積時間でCCD35から撮像信号の読出が行われる。CCD35から出力された撮像信号は、CDS37,AMP38,A/D変換器39を経て画像入力コントローラ41に入力される。この画像入力コントローラ41から出力されたノンフラッシュ撮影による画像データは、内部メモリ43に一時保存される。そして最初のノンフラッシュ撮影が完了すると、次にCPU21は、所定の光量でフラッシュ撮影を行うようにストロボ13による発光を同期させながら、シャッタ速度に対応する電荷蓄積時間でCCD35から撮像信号の読出が行われる(st11)。そして、内部メモリ43に画像データが一時保存され、フラッシュ撮影が完了する。フラッシュ撮影が完了すると、CPU21は、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影で取得した画像データを内部メモリ43から読み出し、LCDパネル15に表示させる(st12)。これらの確認用の画像は図6に示すように表示される。先ず、LCDパネル15には、ノンフラッシュ撮影の画像61が表示され(図6(A)に示す状態)、次にフラッシュ撮影の画像62が表示される(図6(B)に示す状態)。これらの確認画像の表示後、CPU21は、画像データを圧縮伸長処理回路44で圧縮してデータ容量を小さくしてから、メディアコントローラ50を介してメモリカード51に記憶させる(st8)。なお、図6に示す確認画像を表示するとき、同時にメモリカード21への記憶を行ってもよく、例えばノンフラッシュ撮影の画像61の表示中(図6(A)に示す状態)に、この画像61のデータをメモリカード21に書き込みを行い、この書き込みが完了したときに、LCDパネル15の表示をフラッシュ撮影の画像62の表示に切り替えて、さらにこの画像62のデータをメモリカード51に書き込む(st13)。これらのノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影の画像データの記録が終了すると、一回の特殊連続撮影が終了し、CPU21は、LCDパネル15の表示をスルー画像に戻す。そしてユーザーが所望の回数だけレリーズボタン16を押圧して撮影を実行し、特殊連続撮影モード下での撮影が終了する。
【0036】
このように、一回のレリーズ動作でノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を連続して行い、それらの画像データを取得しているので、撮影後、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影の画像を確認、比較して旨く撮れているほうの画像を選択することができる。
【0037】
上記第1実施形態では、特殊連続撮影後の確認画像の表示では、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影の画像をそれぞれ別に表示しているが、本発明はこれに限らず、図7に示すように、ノンフラッシュ撮影で取得した画像61、及びフラッシュ撮影で取得した画像62の両方をLCDパネル15の同一画面内に表示するようにしてもよい。これによって、両方の撮影で取得した画像をより比較しやすくなっている。
【0038】
また、上記第1実施形態においては、特殊連続撮影後に、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影のポストビュー画像(確認画像)を表示するときのタイミングは上記の例に限らず、例えば、特殊連続撮影が終了(最後のコマの画像データを取得)した直後から、各撮影の確認画像を所定の時間間隔で切り替えて表示するようにしてもよい。あるいは、図1aに示すように、LCDパネル15の画面内に切り替えボタン63a,63bを表示し、この切り替えボタン63a,63bをタッチパネル19で操作すると、確認画像64が切り替わるようにしてもよい。なお、操作手段としては、タッチパネル19を用いたものに限らず、切り替え用の操作部材を別に設けるようにしてもよい。
【0039】
また、上記第1実施形態では、特殊連続撮影後に、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影をメモリカード51に書き込む前に確認画像の表示を行っているが、本発明はこれに限らず、メモリカード51への書き込み後に各撮影の確認画像の表示を行ってもよい。なお、この画像の確認後は、例えば、元の表示に戻すことを入力するボタン65(図8参照)をタッチパネルで操作することによって、確認画像の表示からもとの表示画面(例えば、次の撮影に備えるスルー画像表示)に戻すようにすればよい。あるいは、所定の時間、確認画像を表示した後は、もとの表示画面に戻すようにしてもよい。
【0040】
なお、上記実施形態においては、特殊連続撮影モード下で、レリーズボタン押圧時のAE処理で決定した同一の露出設定によって、ノンフラッシュ撮影及びノンフラッシュ撮影をともに行うようにしているが、本発明はこれに限るものではなく、以下ので説明する本発明の第2実施形態では、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影をそれぞれ別の露出設定で実行する例を示す。この第2実施形態を適用するデジタルカメラの構成としては、上記第1実施形態のものと同様の部品を使用するため説明を省略する。
【0041】
この第2実施形態では、図9に示すノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影用のプログラム線図71,72がフラッシュメモリ55に格納されており、特殊連続撮影モード下で、AE処理を行うとき、CPU21は、プログラム線図71,72をそれぞれ読み出し、これらのプログラム線図71,72及び被写体輝度値に基づいて、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影にそれぞれ適した露出設定を決定する。そして、CPU21は、それぞれの露出設定でノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を行う。
【0042】
この第2実施形態を適用したデジタルカメラで特殊連続撮影を行うには、図10のフローチャートに示すように、電源オン(st1)から特殊連続撮影モード選択(st2)の後、スルー画像が表示される(st3)と、ユーザーはLCDパネル15の表示画像を観察してフレーミングし、レリーズボタン16を半押しすると(st4)、AE処理(st5)及びAF処理(st6)がスタートする。AE処理では、AE検出回路53は、撮像信号の輝度信号を取り込んで積分演算し、この輝度積分値(被写体輝度値)をCPU21に送る。CPU21は、プログラム線図71,72を読み出し、被写体輝度値に基づいてフラッシュ撮影及びノンフラッシュ撮影に適した露出設定を決定する。なお図7に示す例では、撮影時の被写体輝度値が8EVであり、この時、ノンフラッシュ撮影用のプログラム線図71からはシャッタスピードがTV5(1/30S)、絞り値がAV3(F2.8)と求められる。さらに、フラッシュ用のプログラム線図72から露出設定を求める場合には、被写体輝度値(8EV)が暗すぎるため線図から外れていることから、その付近で一番明るい設定としてシャッタスピードがTV6(1/30S)、絞り値がAV3(F2.8)と求められる。そして、CPU21は、その決定した露出設定となるように絞り駆動機構29、TG36を駆動する(st7)。ユーザは、LCDパネル15に表示されたスルー画像を確認し(st8)、半押し位置から更に深い全押し位置までレリーズボタン16を押し下げる(st9)。
【0043】
レリーズボタン16を全押しすると、次の瞬間、先ずプログラム線図71に基づく露出設定でノンフラッシュ撮影が行われ(st10)、画像データが内部メモリ43に一時保存される。そして最初のノンフラッシュ撮影が完了すると、次にCPU21は、プログラム線図72に基づく露出設定に切り替えて(st11)、所定の光量でフラッシュ撮影を行うようにストロボ13による発光を同期させながら、フラッシュ撮影が行われ(st12)、内部メモリ43に画像データが一時保存される。フラッシュ撮影が完了すると、CPU21は、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影で取得した画像データを内部メモリ43から読み出し、LCDパネル15に表示させた後、画像データを圧縮伸長処理回路44で圧縮してデータ容量を小さくしてから、メディアコントローラ50を介してメモリカード51に記憶させる(st13)。
【0044】
このように、一回のレリーズ動作でノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を連続して行い、それらの画像データを取得するとき、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影のそれぞれ最適な露出設定で撮影を行っているので、上記第1実施形態の効果に加えて、さらに露出設定が望ましい画像を得ることができる。
【0045】
なお、上記第1実施形態では、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影ともに撮影感度が常に一定としているが、本発明はこれに限らず、以下で説明する本発明の第3実施形態では、被写体の光量に応じて撮影感度を変更し、特殊連続撮影する例を示す。この第3実施形態を適用するデジタルカメラの構成としては、上記第1実施形態のものと同様の部品を使用するため説明を省略する。
【0046】
この第3実施形態では、図11に示すノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影用のプログラム線図81,82がフラッシュメモリ55に格納されており、特殊連続撮影モード下で、AE処理を行うとき、CPU21は、プログラム線図81,82をそれぞれ読み出し、これらのプログラム線図81,82及び被写体輝度値に基づいて、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影にそれぞれ適したシャッタスピード、絞り値、及び撮影感度からなる露出設定を決定する。そして、CPU21は、それぞれの露出設定でノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影用を行う。これらのプログラム線図81,82に示すように、被写体輝度が低いときには、それぞれ、撮影感度を1SV、2SV、3SVとそれぞれアップする。
【0047】
この第3実施形態を適用したデジタルカメラで特殊連続撮影を行うには、図12のフローチャートに示すように、電源オン(st1)から特殊連続撮影モード選択(st2)の後、スルー画像が表示される(st3)と、ユーザーはLCDパネル15の表示画像を観察してフレーミングし、レリーズボタン16を半押しすると(st4)、AE処理(st5)及びAF処理(st6)がスタートする。AE処理では、AE検出回路53は、撮像信号の輝度信号を取り込んで積分演算し、この輝度積分値(被写体輝度値)をCPU21に送る。CPU21は、プログラム線図81,82を読み出し、被写体輝度値に基づいてフラッシュ撮影及びノンフラッシュ撮影に適した露出設定を決定する。なお図10に示す例では、撮影時の被写体輝度値が6EVであり、この時、ノンフラッシュ撮影用のプログラム線81からはシャッタスピードがTV5(1/30S)、絞り値がAV3(F2.9)、さらに撮影感度が3SVアップと求められる。さらに、フラッシュ用のプログラム線図82から露出設定を求める場合には、被写体輝度値(6EV)が暗すぎるため線図から外れていることから、その付近で一番明るい設定としてシャッタスピードがTV6(1/60S)、絞り値がAV3(F2.9)、撮影感度が1SVアップと求められる。そして、CPU21は、その決定した露出設定となるように絞り駆動機構29、TG36、及びCDS37,AMP38を駆動する(st7)。ユーザは、LCDパネル15に表示されたスルー画像を確認し(st8)、半押し位置から更に深い全押し位置までレリーズボタン16を押し下げる(st9)。
【0048】
レリーズボタン16を全押しすると、次の瞬間、先ずプログラム線図81に基づくシャッタスピード、絞り値、及び撮影感度からなる露出設定でノンフラッシュ撮影が行われ、画像データが内部メモリ43に一時保存される。そして最初のノンフラッシュ撮影が完了すると、次にCPU21は、プログラム線図82に基づくシャッタスピード、絞り値、及び撮影感度からなる露出設定に切り替えて所定の光量でフラッシュ撮影を行うようにストロボ13による発光を同期させながら、フラッシュ撮影が行われ、内部メモリ43に画像データが一時保存される。フラッシュ撮影が完了すると、CPU21は、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影で取得した画像データを内部メモリ43から読み出し、LCDパネル15に表示させた後、画像データを圧縮伸長処理回路44で圧縮してデータ容量を小さくしてから、メディアコントローラ50を介してメモリカード51に記憶させる(st8)。
【0049】
このように、一回のレリーズ動作でノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を連続して行い、それらの画像データを取得するとき、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影において、撮影感度の変更を含むそれぞれ最適な露出設定で撮影を行っているので、上記第1及び第2の実施形態の効果に加えて、さらに露出設定が望ましい画像を得ることができる。
【0050】
なお、上記第1実施形態においては、特殊連続撮影モード下で、測光感度及び撮影感度を常に一定としてノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を連続して行っているが、本発明はこれに限らず、以下で説明する本発明の第4実施形態では、被写体の光量に応じて撮影感度及び測光感度を変更し、特殊連続撮影を行う例を示す。この第4実施形態を適用するデジタルカメラの構成としては、上記第1実施形態のものと同様の部品を使用するため説明を省略する。なお、本実施形態の場合、CPU21が感度ダウンの判定を行う判定手段として機能する。
【0051】
この第実施形態では、図13に示すプログラム線図91がフラッシュメモリ55に格納されており、特殊連続撮影モード下で、AE処理を行うとき、CPU21は、プログラム線図91をそれぞれ読み出し、これらのプログラム線図91及び被写体輝度値に基づいて、露出設定を決定する。そして、CPU21は、この露出設定でノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を行う。これらのプログラム線図91に示すように、被写体輝度が低いときは、実線の線図91aを使用し、被写体輝度が高いときには、点線及び一点鎖線の線図91b,91cをそれぞれ使用する。なお、線図91b,91cは、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影用の露出設定であり、撮影感度及び測光感度のダウンに合わせて露出設定を上げるようにしている。なお、この感度の設定としては例えばISO感度を使用する。
【0052】
この第3実施形態を適用したデジタルカメラで特殊連続撮影を行うには、図14のフローチャートに示すように、電源オン(st1)から特殊連続撮影モード選択(st2)の後、スルー画像が表示される(st3)と、ユーザーはLCDパネル15の表示画像を観察してフレーミングし、レリーズボタン16を半押しすると(st4)、CPU21は感度ダウンの判定を行う判定処理が行われる。この感度ダウンの判定を行う判定処理は図15に示すように、先ずはISO感度設定が自動設定もしくは固定値のいずれかが選択されているかを検出する(st101)。なお、固定値設定となっている場合は、感度ダウンの処理を行わず固定値の感度設定をそのまま使用する。そして、LCDパネル15にスルー画像が表示されているか否かを検出し(st102)、スルー画像が表示されているとき、CPU21は、この表示中の最後のフレームを抜き出してAE処理回路に送る(st103)、なお、スルー画像が表示されていないときは、感度ダウンの処理を行わない。AE処理回53は、抜き出したフレームから輝度信号を取り込んで積分演算し(st104)、この仮輝度積分値(仮被写体輝度値)をCPU21に送る。CPU21はこの仮輝度積分値が所定値を超えるか否かを判定し(st105)、所定値以上のときには、仮被写体輝度値に応じた感度ダウン値の算出を行う(st106)。感度ダウン値が所定値を超えるか否かを判定し(st107)、所定値以上のときには、測光感度及び撮影感度をダウンさせる設定に切り替える(st108)。あるいは、所定値未満のときは、測光感度及び撮影感度をそのままとし(st109)、判定処理を終了する。
【0053】
感度ダウンの判定処理を終了すると、AE処理(st5)及びAF処理(st6)がスタートする。AE処理では、AE検出回路53は、撮像信号の輝度信号を取り込んで積分演算し、この輝度積分値(被写体輝度値)をCPU21に送る。なお、上述の感度ダウン判定処理で感度ダウンと決定されたときには、その設定に基づいて測光感度をダウンさせるように、TG36、及びCDS37,AMP38を駆動する。CPU21は、プログラム線図91を読み出し、被写体輝度値に基づいてフラッシュ撮影及びノンフラッシュ撮影に適した露出設定を決定する。そして、CPU21は、その決定した露出設定となるように絞り駆動機構29、TG36、及びCDS37,AMP38を駆動する(st7)。ユーザは、LCDパネル15に表示されたスルー画像を確認し(st8)、半押し位置から更に深い全押し位置までレリーズボタン16を押し下げる(st9)。
【0054】
レリーズボタン16を全押しすると、次の瞬間、先ずプログラム線図91に基づくシャッタスピード、絞り値、及び撮影感度からなる露出設定でノンフラッシュ撮影が行われ(st10)、画像データが内部メモリ43に一時保存される。なお、上述の感度ダウン判定処理で感度ダウンの設定が決定されたときは、その設定に基づいて撮影感度をダウンさせて撮影を行う。そして最初のノンフラッシュ撮影が完了すると、次にCPU21は、プログラム線図82に基づくシャッタスピード、絞り値、及び撮影感度からなる露出設定に切り替えて(st11)所定の光量でフラッシュ撮影を行うようにストロボ13による発光を同期させながら、フラッシュ撮影が行われ(st12)、内部メモリ43に画像データが一時保存される。なお、上述の感度ダウン判定処理で感度ダウンが決定されたときは、その設定に基づいてCCD25の撮影感度をダウンさせるようにTG36、及びCDS37,AMP38を駆動してノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を行う。フラッシュ撮影が完了すると、CPU21は、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影で取得した画像データを内部メモリ43から読み出し、LCDパネル15に表示させた(st12)後、画像データを圧縮伸長処理回路44で圧縮してデータ容量を小さくしてから、メディアコントローラ50を介してメモリカード51に記憶させる(st13)。
【0055】
このように、一回のレリーズ動作でノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を連続して行い、それらの画像データを取得するとき、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影において、感度ダウンの判定としたときには測光感度及び撮影感度をダウンさせ、それらに応じた露出設定で撮影を行っているので、上記第1及び第2の実施形態の効果に加えて、さらに露出設定が望ましい画像を得ることができる。なお、このように、感度ダウンの設定で測光・露出演算を行ったとき、絞り値が開放絞りでも明るさが不足する演算結果となったときには、感度をアップさせた設定とし、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を行ってもよい。また、このような場合、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影時とで線図が異なるときは、測光感度及び撮影感度も異なる設定で撮影されるようにしてもよい。
【0056】
なお、上記第3実施形態においては、露出設定の演算結果に応じてCCD35の撮影感度を切り替えて撮影を行っているが本発明はこれに限るものではなく、例えば1枚目は撮影感度を上げて、2枚目はそれよりも撮影感度を下げるというように、撮影順によって撮影感度を切り替えて撮影を行うようにしてもよい。これによって、感度切り替えの判定や、演算などを行う必要がなく、各撮影間のタイムラグを短縮することができる。
【0057】
また、上記第1〜4の構成に加えてさらに、特殊連続撮影モード下での撮影前に各種警告を行って撮影に支障が出る可能性をユーザーに知らせる構成とした第5の実施形態を以下で説明する。なお、本実施形態では、CPU21は警告判定を行う判定手段として機能し、それ以外は、上記第1の実施形態とほぼ同様の部品を使用する。また、警告の種類としては例えば、「フラッシュ発光予告警告」、「手ブレ注意警告」、「露出範囲外警告」、「ピント非合焦警告」を行い、これらの警告判定は、半押しレリーズ動作後、AE処理及びAF処理を行っているときに同時に行われ、例えば「手ブレ注意警告」はスルー画像のフレーム間を比較して変化量が多いときに手ブレ状態と判定してそれを警告するものであり、また、「露出範囲外警告」は、被写体輝度が暗すぎるため最も明るい露出設定でも露光量が不足すること、さらにまた「ピント非合焦警告」は、被写体距離が撮影レンズの合焦可能範囲から外れていることを警告するものであり、CPU21は、これらの判定を行う。
【0058】
上述したような警告判定が行われると、CPU21は、スルー画像表示中のLCDパネル15に警告内容を表示する。図16のフローチャートでは、警告表示を行うときのCPU21のシーケンスを示す。警告表示処理がスタートすると、先ず前回撮影時の警告内容を初期化し(st201)、次にノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影時の両方の撮影のうち、少なくともいずれか一方で警告判定がなされているときは、警告表示を行う設定する(st202)。そして全ての警告内容について同様の処理を行う(st203)と、図17に示すような警告表示が行われる。図17に示す警告表示では、スルー画像101の表示とともに、「フラッシュ発光予告警告」、「手ブレ注意警告」、「露出範囲外警告」、「ピント非合焦警告」をそれぞれ示すマーク102a〜102dがそれぞれ表示されている。なお、これらの警告内容は、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影時の両方を対象とし、少なくともいずれか一方で警告判定がなされたときに警告表示を行っているので、2枚分(ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影の両方)の警告内容を表示する必要がなく表示面積を減らすことができる。よって、これらのマーク102a〜102dを確認するだけで、ユーザーはノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影の両方で警告される内容を全て把握することができる。また、このとき、LCDパネル15の同じ画面内に特殊連続撮影モード下であることを示すマーク103(非フラッシュとフラッシュをそれぞれ示すマーク103a、103bからなる)や、AE処理で算出された絞り、シャッタスピード、撮影感度などの情報を、1枚目(ノンフラッシュ撮影)の情報104a、及び2枚目(フラッシュ撮影)の情報104bとして表示してもよい。なお、警告手段としては、上記の例のように警告情報を表示する構成に限らず、音声や、文字などの警告手段を用いて警告するようにしてもよい。
【0059】
なお、上記第1〜4の実施形態の構成に加えて、デジタルカメラ2の通常撮影モード下でスローシンクロ機能、すなわち、シャッタスピードを通常時よりも遅い値に切り替えて、その遅いシャッタスピードに同期させてフラッシュ発光を行う機能を備えた場合、特殊連続撮影モード下でノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を行うときには、このスローシンクロ機能を停止させて撮影を行うように制御を行うことが好ましい。これによって、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影のとき、遅いシャッタスピードで撮影されることがなく、両方の撮影ともにブレが発生してしまうことを防ぐことができる。
【0060】
また、上記第1〜4の実施形態の構成に加えて、特殊連続撮影モード下で、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影時を行い、メモリカード51に記録するときにノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影に応じた付加情報を前記画像データにそれぞれ付加することが好ましい。この場合、画像データに付加情報を付加した画像ファイルの構造は、図18に示すようになる。また付加情報としては、例えばExif形式のデータを使用し、画像データのExifタグの領域に情報を書き込む。図18に示す特殊連続撮影モード下で取得した画像ファイル111及び112では、画像データ111a、112aと、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影をそれぞれ行ったことを示す情報、さらにそのときのAE処理で演算した露出設定などが付加情報111b,112bとしてそれぞれ構成され、このような画像ファイル111及び112がメモリカード51に記録される。
【0061】
なお、画像データに付加する付加情報としては、上記のものに限定されるものではなく、図19に示す画像ファイル113,114のような情報内容としてもよい。この図19に示す特殊連続撮影モード下で取得した画像ファイル113及び114では、画像データ113a、114aとともに、さらにそのときの日付、時間などの共通の付加情報115とからそれぞれ構成され、このような画像ファイル113及び114がメモリカード51に記録される。これによって、同一回の撮影でノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を連続して行った画像データであることを容易に判別でき、後に見直したときユーザーが他の画像と区別しやすくなっている。
【0062】
なお、上記実施形態においては、一回のレリーズ全押し動作に応じて最初にノンフラッシュ撮影を、その後にフラッシュ撮影の順で各1回ずつ撮影を行っているが、本発明はこれに限るものではなく、最初にフラッシュ撮影を、その後にノンフラッシュ撮影の順で撮影を行うようにしてもよい。これによって、フラッシュ撮影時の発光でユーザー及び被写体に撮影が行われていることを認識させた後、ノンフラッシュ撮影を行うことができる。さらに、ノンフラッシュ撮影・フラッシュ撮影の順で行うときは、ノンフラッシュ撮影の後、フラッシュ撮影で十分な発光量を得るまでに長いタイムラグが生じるが、フラッシュ撮影・ノンフラッシュ撮影の順で行うことによって、両方の撮影の間のタイムラグを短縮することができる。
【0063】
また、ノンフラッシュ撮影・フラッシュ撮影の順番については、予め設定された順番通りに行うものではなく、撮影前に決定された露出設定に応じて順番を変更するようにしてもよい。この場合、例えば、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影のうち、CPU21が決定した露出設定でシャッタスピードが短いほうの撮影を最初に行い、その後にシャッタスピードが長いほうの撮影を行うようにすればよい。
【0064】
また、撮影の回数としては、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を少なくとも各1回以上、且つ合計2回以上行うことによって、ノンフラッシュ撮影とフラッシュ撮影の画像を比較することができるため、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0065】
なお、上記実施形態の構成に加えて、フラッシュ発光装置として調光制御機能を有するオートストロボを備えたデジタルカメラとすることもできる。このオートストロボを備えた本発明の第6実施形態を適用したデジタルカメラの構成を図20のブロック図に示す。なおこの図20に示すデジタルカメラ120としては、上記実施形態と同様の部品を使用しているものについては同符号を付して説明を省略する。このデジタルカメラ120に内蔵されたオートストロボ121は、ストロボ発光回路122、放電管123、調光回路124、調光用センサ125から構成されている。フラッシュ撮影を行う場合は、CPU21からの制御信号によってストロボ発光回路122内のメインコンデンサが充電され、レリーズに同期してシンクロ信号が発光回路122及び調光回路124に入力される。発光回路122ではシンクロ信号の入力により、メインコンデンサ内に貯えられた電荷を放電管123に流すことで、被写体に向けてストロボ光を照射する。調光回路124は、シンクロ信号が入力され、且つCCD35による被写体の露光が開始されたときに、調光センサ104から検出された被写体からのストロボ反射光の輝度に応じた輝度信号を受け取り、この輝度信号を時間積分し、この積分値が予め設定された閾値に達したときに停止信号を発光回路122に出力する。発光回路122は、調光回路124からの停止信号を受けると放電管123へ流す電流を遮断し、発光を停止する。
【0066】
本実施形態では、特殊連続撮影モード下で、少なくとも1回以上のノンフラッシュ撮影と、複数回のフラッシュ撮影と連続して行う設定で、且つフラッシュ撮影時にCCD35の撮影感度を上昇させるようにCPU21が制御を行う。これによって、フラッシュ撮影が行われるときに、オートストロボ121の発光量を小さく、すなわちメインコンデンサへの充電を少なくすることができる。よって、フラッシュ撮影を連続して行うとき、撮影間のタイムラグを短縮することができる。
【0067】
なお、本実施形態では、オートストロボ121が調光制御を行うタイミングは、レリーズ半押し時及び全押し時に応じたタイミングに限るものではなく、特殊連続撮影モードが選択された直後から、撮影を終了までの間であれば、どのタイミングで調光制御を開始してもよく、例えば特殊連続撮影モードが開始してから所定の時間間隔、あるいは、直前の撮影後から所定の時間を置いたタイミングなどで調光制御を開始してフラッシュ撮影を行うようにしてもよく、さらにまた、レリーズボタン16以外の操作手段による入力に応じて調光制御を開始するようにしてもよい。
【0068】
なお、これらに限らず、本撮影(画素数の大きな本画像データを取得するときの撮影)の前に仮撮影を行い、このときに調光制御を行うことによって、本撮影のときに調光制御に掛かる時間を短縮することができる。以下で説明する本発明の第7実施形態では、本撮影の前に調光制御を行う構成について例示する。なお、部品構成などは、上述のデジタルカメラ100と同様であり、説明を省略する。このような調光制御を行うデジタルカメラで特殊連続撮影を行うときには、図21のフローチャートに示すように、電源オン状態(st1)としてから、特殊連続撮影モードを選択すると(st2)、LCDパネル15にスルー画像が表示される(st3)。そしてレリーズボタン16を半押し位置に押し下げると(st4)、ノンフラッシュ仮撮影(st5)及びフラッシュ仮撮影(st6)がスタートする。なお、これらの仮撮影の直前に赤目軽減用の発光を行うようにしてもよい。
【0069】
ノンフラッシュ仮撮影(st6)では、オートストロボ101のフラッシュ発光を行わずにAE処理及びAF処理などを行い、このときの輝度積分値や、コントラストが最も高くなるレンズ26の位置情報などをCPU21に送る。CPU21は、これらの値から後述するノンフラッシュ本撮影用の露出設定を決定する。そして、フラッシュ仮撮影(st6)では、オートストロボ101で調光制御したフラッシュ発光(プリ発光)を行い、このときの輝度積分値や、コントラストが最も高くなるレンズ26の位置情報、さらに調光制御したときに調光センサ104で受光した輝度値(被写体からのストロボ反射光)の情報をCPU21に送る。CPU21は、これらの値から、後述するフラッシュ本撮影用の露出設定、及びオートストロボ101の発光量を演算する(st7)。なお、これらの仮撮影を行うときは、本撮影のときよりも少ない画素数で撮影を行い、時間短縮を図るようにしてもよい。
【0070】
ユーザーがスルー画像を確認して(st8)、レリーズボタン16を全押し位置に押し下げると(st9)、次の瞬間、CPU21は上述した仮撮影(st5)のときに決定された露出設定に基づいて絞り、シャッタ速度などを制御してノンフラッシュ本撮影を行う(st10)。続いて、上述の仮撮影(st6)の露出設定に基づく絞り、シャッタ速度などに制御されるとともに、発光量演算(st7)の結果に基づく発光量でオートストロボ101が発光をするようにCPU21が制御を行い、この発光に同期させながらフラッシュ本撮影を行う(st11)。そして、ノンフラッシュ本撮影及びフラッシュ本撮影で取得した確認画像を表示(st12)し、これらの画像をメモリカード51に書き込む(st13)。そして、所定の枚数分の画像データが取得されると特殊連続撮影モード下での撮影が終了する。
【0071】
このように、特殊連続撮影モード下で、ノンフラッシュ本撮影及びフラッシュ本撮影の前に仮撮影、調光制御、及び発光量の演算を行っているので、ノンフラッシュ本撮影及びフラッシュ撮影の間で調光制御等を行う必要がなく、タイムラグを短縮することができる。また、本撮影の前に発光を行っているため、ユーザ及び被写体に対して撮影が開始したことを認識させることができる。
【0072】
なお、本撮影の前に仮撮影を行う場合、フラッシュ仮撮影のときのフラッシュ発光(プリ発光)と赤目軽減用の発光を兼用するようにしてもよい。これによって、フラッシュ仮撮影時の赤目軽減用発光とフラッシュ本撮影時のフラッシュ発光との差が大きくなり、瞳孔が閉じるのに十分な時間を置いているからフラッシュ本撮影時に高い赤目軽減効果を得ることができ、さらに赤目軽減用発光として別の発光手段を設ける必要がないため、発光回数を抑制し、デジタルカメラのバッテリ消費量を少なくすることができる。
【0073】
なお、上記実施形態では、撮影前には、LCDパネル15に表示される画像としては、リアルタイムのスルー画像のみを表示する構成としているが、本発明はこれに限るものではなく、特殊連続撮影モード下で本撮影を行う前に、ノンフラッシュ及びフラッシュの仮撮影を行って、この仮撮影で取得したプレビュー画像をLCDパネル15にそれぞれ表示させるようにしてもよい。これによって本撮影の前にプレビュー画像を確認することができる。また、仮撮影のときは画素数の少ない(解像度の低い)画像データを取得することでプレビュー画像を素早く表示することができ、本撮影のときは、仮撮影のときよりも画素数の多い(解像度の高い)画像データを出力し、高精細な画像を得ることができる。
【0074】
また、上記実施形態では、特殊連続撮影モード下で、撮影前に表示される警告情報としては、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影のうち、いずれか一方で警告があることを示す警告表示を行っているが、本発明はこれに限るものではなく、ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影で警告があることをそれぞれ示す警告表示を行うようにしてもよい。この場合、例えば、図22に示すように、上段〈点線151aで囲まれた範囲)が1枚目(ノンフラッシュ撮影)の情報で、下段(点線151bで囲まれた範囲)が2枚目(フラッシュ撮影の情報とすればよい。なお、符号152a,152bは、各撮影時の撮影情報で、その隣のマーク153a〜153dが各警告内容を示す表示である。このようにして、各撮影毎に撮影情報及び警告情報を表示し、ユーザに知らせることができる。
【0075】
また、上記の例では、スルー画像表示の画面内で警告情報を表示しているが本発明はこれに限るものではなく、図23に示すように1枚目(ノンフラッシュ撮影)及び2枚目(フラッシュ撮影)のプレビュー画像をそれぞれ取得してその一部〈例えば中心付近)を拡大した部分拡大画像156a,156bをそれぞれ表示するとともに、上記の例と同様に撮影情報152a,152b及び警告情報153a〜153dを表示するようにしてもよい。これによって、本撮影の前に、1枚目(ノンフラッシュ撮影)及び2枚目(フラッシュ撮影)の情報をさらに確実に知ることができ、また部分拡大画像を見ることで確認を行うことができる。
【0076】
また、撮影情報及び警告情報の表示としては、これらのものに限らず、所定の順番、例えば1枚目の撮影(上記実施形態ではノンフラッシュ撮影)に関する撮影条件、及び警告情報を表示するようにしてもよい。これによって、情報内容が少なく、小さな表示領域でも情報を知らせることができ、スルー画像などを表示する領域を大きくとることができる。さらにまた、上記の例のように所定の順番の撮影に関する撮影条件及び警告条件を表示するのではなく、CPU(露出決定手段)21が露出設定を決定したとき、シャッタスピードが遅く設定されたほうの撮影に関する撮影条件、及び警告情報を表示するようにしてもよい。シャッタスピードが遅く設定されたほうの撮影を選択することによって、警告が出やすい(手ブレなどが発生しやすい)ほうの撮影に関する撮影条件、及び警告情報を表示することができる。また、図24に示すように、CPU(露出決定手段)21が露出設定を決定したとき、シャッタスピードが遅く設定されたほうの撮影情報157と、1枚目(ノンフラッシュ撮影)及び2枚目(フラッシュ撮影)の両方の撮影のうち、少なくともいずれか一方で警告があるときの警告情報158a〜d(上記第5実施形態の警告表示と同様)を表示するようにしてもよい。
【0077】
また撮影情報及び警告情報を表示するタイミングとしては、例えば図25に示すように、特殊連続撮影モードの開始から1枚目(フラッシュ撮影)の撮影が終了するまでは1枚目の撮影情報161a及び警告情報162aを表示し(図25(A))、1枚目の撮影が終了した直後からは、2枚目の撮影情報161b及び警告情報162bを表示するようにしてもよい(図25(B))。これによって、次の撮影を対象とする情報のみが表示されるため、情報内容が少なく、小さな表示領域でも情報を知らせることができ、スルー画像などを表示する領域を大きくとることができる。なお、特殊連続撮影モード下で、1回のレリーズで3枚以上撮影を行う場合も、2枚目の撮影が終了した直後からは3枚目の情報を表示し、以後同様にして情報の表示を行うようにすればよい。
【0078】
また、撮影情報及び警告情報を表示するタイミングとしては、上記のものに限らず、最初の撮影を行った直後、各コマの撮影の直後、及び特殊連続撮影を終了した直後などのいずれかで表示を行ってもよい。あるいは、CPU(露出決定手段)21が露出設定を決定した直後に、この露出設定を含む撮影情報及び警告情報を表示するようにしてもよい。これによって、露出設定の決定前は、画面の表示がシンプルとなるため確認をしやすい。
【0079】
なお、上記実施形態では、撮影情報及び警告情報をLCDパネル15の画面内に表示しているが、これに限らず、別の表示手段を設けてこれらの情報を表示してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明のデジタルカメラの正面側外観斜視図である。
【図2】本発明のデジタルカメラの背面側外観斜視図である。
【図3】本発明のデジタルカメラの概略的な構成を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態の露出設定を決定するときのプログラム線図である。
【図5】第1実施形態の主なシーケンスを示すフローチャートである。
【図6】撮影後の確認画像の表示の一例を示す説明図である。
【図7】撮影後の確認画像の表示の別の実施例を示す説明図である。
【図8】撮影後の確認画像の表示の別の実施例を示す説明図である。
【図9】第2実施形態の露出設定を決定するときのプログラム線図である。
【図10】第2実施形態の主なシーケンスを示すフローチャートである。
【図11】第3実施形態の露出設定を決定するときのプログラム線図である。
【図12】第3実施形態の主なシーケンスを示すフローチャートである。
【図13】第4実施形態の露出設定を決定するときのプログラム線図である。
【図14】第4実施形態の主なシーケンスを示すフローチャートである。
【図15】第4実施形態の感度ダウン判定処理の主なシーケンスを示すフローチャートである。
【図16】第5実施形態の警告表示処理の主なシーケンスを示すフローチャートである。
【図17】第5実施形態の警告表示画面の一例を示す説明図である。
【図18】メモリカードに記憶する画像ファイルの構造の一例を示す説明図である。
【図19】メモリカードに記憶する画像ファイルの構造の別の実施例を示す説明図である。
【図20】第6実施形態のデジタルカメラの概略的な構成を示すブロック図である。
【図21】第7実施形態の主なシーケンスを示すフローチャートである。
【図22】撮影情報及び警告情報を1枚目及び2枚目の両方に関して表示する画面の一例を示す説明図である。
【図23】撮影情報及び警告情報を1枚目及び2枚目の両方に関して表示する画面の別の実施例を示す説明図である。
【図24】撮影情報及び警告情報を一方の撮影に関してのみ表示する画面の一例を示す説明図である。
【図25】撮影情報及び警告情報を切り替えて表示する画面の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0081】
10 デジタルカメラ
15 LCDパネル
21 CPU
35 CCD
31 絞り駆動機構
51 メモリカード
53 AE検出回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラッシュ発光の有無を切り替えて撮影を行い、画像データを出力するフラッシュ撮影及びノンフラッシュ撮影が可能であり、一回のレリーズ動作に応じて、前記ノンフラッシュ撮影と、前記フラッシュ撮影とを連続して行う特殊連続撮影モードを備えた撮影手段と、この撮影手段による撮影時に測光及び露出演算を行って露出設定を決定する露出決定手段とを備えたデジタルカメラにおいて、
前記特殊連続撮影モード下で、前記露出決定手段によって決定した同一の露出設定で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影を行うことを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】
フラッシュ発光の有無を切り替えて撮影を行い、画像データを出力するフラッシュ撮影及びノンフラッシュ撮影が可能であり、一回のレリーズ動作に応じて、前記ノンフラッシュ撮影と、前記フラッシュ撮影とを連続して行う特殊連続撮影モードを備えた撮影手段と、この撮影手段による撮影時に測光及び露出演算を行って露出設定を決定する露出決定手段とを備えたデジタルカメラにおいて、
前記特殊連続撮影モード下で、前記露出決定手段は、レリーズ半押し動作が行われたとき、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影に適した露出設定をそれぞれ決定し、前記撮影手段は、レリーズ全押し動作が行われたとき、前記露出決定手段で決定したそれぞれの露出設定で前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影を行うことを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項3】
フラッシュの発光量を調整する調光制御手段を備えており、前記特殊連続撮影モード下での撮影中に前記調光制御手段が所定の動作または所定の時間を契機として連続して作動することを特徴とする請求項1又は2記載のデジタルカメラ。
【請求項4】
前記特殊連続撮影モード下で、複数回の前記フラッシュ撮影を行うとき、前記撮影手段の撮影感度を上昇させるとともに、前記調光制御手段を作動させることを特徴とする請求項3記載のデジタルカメラ。
【請求項5】
前記撮影手段による撮影感度の変更を行う感度変更手段を備えており、前記特殊連続撮影モード下で、前記露出決定手段が測光・露出演算を行い、この演算結果から前記撮影手段の現在の撮影感度による露出設定の最大値でも露光量が不足すると判定されたときには、前記感度変更手段で前記撮影感度を変更することを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項6】
前記特殊連続撮影モード下で、被写体光に応じて測光感度及び撮影感度の切り替えの要否を判定する切替判定手段と、この感度切替判定手段による判定結果で被写体光が所定量以上であり、測光感度及び撮影感度の切り替えが必要と判定されたときに、前記露出決定手段は、測光感度及び撮影感度を通常時よりも下げた低感度設定値に切り替えて測光及び露出演算を行い、前記撮影手段は、前記低感度設定値の撮影感度で前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影を行うことを特徴とする請求項1ないし5記載のデジタルカメラ。
【請求項7】
前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影を最初に行い、その後に前記フラッシュ撮影を行うことを特徴とする請求項1ないし6記載のデジタルカメラ。
【請求項8】
前記特殊連続撮影モード下で、前記フラッシュ撮影を最初に行い、その後に前記ノンフラッシュ撮影を行うことを特徴とする請求項1ないし7記載のデジタルカメラ。
【請求項9】
前記特殊連続撮影モード下で、前記露出決定手段が前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影の露出設定をそれぞれ決定したとき、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影のうち、前記露出設定でシャッタスピードが短いほうの撮影を最初に行い、その後にシャッタスピードが長いほうの撮影を行うことを特徴とする請求項1ないし8いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項10】
前記撮影手段による撮影感度の変更を行う感度変更手段を備えており、前記特殊連続撮影モード下で、先に撮影するコマでは撮影感度を高くし、それよりも後に撮影するコマでは撮影感度をそれよりも低く設定することを特徴とする請求項1ないし9いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項11】
前記特殊連続撮影モード下で、解像度を下げたプレビュー画像を撮影して表示手段に表示した後、それよりも高い解像度で前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影を行い画像データを取得することを特徴とする請求項1ないし10いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項12】
前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影のそれぞれの撮影条件及び警告情報を表示することを特徴とする請求項1ないし11いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項13】
前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影のそれぞれの撮影条件及び警告情報と、前記プレビュー画像を部分的に拡大した部分拡大画像とを同時に表示することを特徴とする請求項1ないし12いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項14】
前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影を各1回ずつ行うことを特徴とする請求項1ないし13いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項15】
前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影を計3回以上行うことを特徴とする請求項1ないし13いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項16】
前記撮影手段で撮影した画像データに基づく画像を表示する表示手段を備えており、前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影で取得した画像を前記表示手段に表示することを特徴とする請求項1ないし15いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項17】
前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影で取得した画像の両方を前記表示手段の同一画面内に表示することを特徴とする請求項16記載のデジタルカメラ。
【請求項18】
前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影で取得した複数の画像を前記表示手段に交互に表示することを特徴とする請求項16記載のデジタルカメラ。
【請求項19】
前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影で取得した複数の画像を前記表示手段に表示するとき、所定の時間間隔で表示画像を切り替えることを特徴とする請求項16ないし18記載のデジタルカメラ。
【請求項20】
前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影で取得した複数の画像を前記表示手段に表示するとき、操作手段の操作に応じて表示画像を切り替えることを特徴とする請求項16記載のデジタルカメラ。
【請求項21】
前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を行った直後に、前記ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影で取得した画像のいずれか一方、または両方を前記表示手段に表示することを特徴とする請求項16ないし20いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項22】
前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を行い、記録媒体への書き込みを終えた後、前記ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影で取得した画像のいずれか一方、または両方を前記表示手段に表示することを特徴とする請求項16ないし20いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項23】
通常モード下での前記フラッシュ撮影のとき、シャッタスピードを通常時よりも遅い値に切り替えて、その遅いシャッタスピードに同期させてフラッシュ発光を行うスローシンクロ機能を備えており、前記特殊連続撮影モード下では前記スローシンクロ機能を停止状態とすることを特徴とする請求項1ないし22いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項24】
前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影のうち、少なくとも一方の撮影で支障が出ると判定されたときに、警告を行う警告手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし23いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項25】
前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影のうち、少なくとも一方の撮影で支障が出ると判定されたときに、その警告内容を知らせる警告情報を表示することを特徴とする請求項1ないし23いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項26】
前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影でそれぞれ支障が出ると判定されたときに、それらの警告を行う警告情報を各撮影毎にそれぞれ区別して表示することを特徴とする請求項1ないし23いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項27】
前記特殊連続撮影モード下で、最初の撮影を行った直後、各コマの撮影の直後、及び最後の撮影の直後のいずれかで前記警告情報及び撮影条件の少なくとも一方を表示することを特徴とする請求項25または26いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項28】
前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影のうち、最初に撮影するほうの前記警告情報及び撮影条件の少なくとも一方を、撮影前に表示することを特徴とする請求項1ないし27いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項29】
前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影のうち、前記露出決定手段で決定されたシャッタスピードが遅いほうの撮影に関する前記警告情報及び撮影条件の少なくとも一方を、撮影前に表示することを特徴とする請求項1ないし26いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項30】
前記特殊連続撮影モード下で、前記露出決定手段が前記露出設定を決定した直後に、前記表示手段の表示内容を切り替えて、各撮影に関する撮影情報を表示することを特徴とする請求項1ないし29いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項31】
前記特殊連続撮影モード下で、前記撮影手段が前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影を行い、画像データを取得したとき、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影に応じた付加情報を前記画像データにそれぞれ付加することを特徴とする請求項1ないし30いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項32】
前記特殊連続撮影モード下で、前記撮影手段が前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影を行い、画像データを取得したとき、同一回の連続撮影で取得した前記画像データについて共通の付加情報を付加することを特徴とする請求項1ないし31いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項33】
前記特殊連続撮影モード下で、撮影前に、フラッシュを発光させるプリ発光と、このプリ発光の発光量を調整する調光制御と、前記プリ発光を行ったときの発光量演算とを行い、前記フラッシュ撮影のときに、前記発光量演算の演算結果に基づいてフラッシュ発光を行うことを特徴とする請求項1ないし32いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項34】
前記プリ発光は、赤目低減用の発光を兼用していることを特徴とする請求項1ないし31いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項1】
フラッシュ発光の有無を切り替えて撮影を行い、画像データを出力するフラッシュ撮影及びノンフラッシュ撮影が可能であり、一回のレリーズ動作に応じて、前記ノンフラッシュ撮影と、前記フラッシュ撮影とを連続して行う特殊連続撮影モードを備えた撮影手段と、この撮影手段による撮影時に測光及び露出演算を行って露出設定を決定する露出決定手段とを備えたデジタルカメラにおいて、
前記特殊連続撮影モード下で、前記露出決定手段によって決定した同一の露出設定で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影を行うことを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】
フラッシュ発光の有無を切り替えて撮影を行い、画像データを出力するフラッシュ撮影及びノンフラッシュ撮影が可能であり、一回のレリーズ動作に応じて、前記ノンフラッシュ撮影と、前記フラッシュ撮影とを連続して行う特殊連続撮影モードを備えた撮影手段と、この撮影手段による撮影時に測光及び露出演算を行って露出設定を決定する露出決定手段とを備えたデジタルカメラにおいて、
前記特殊連続撮影モード下で、前記露出決定手段は、レリーズ半押し動作が行われたとき、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影に適した露出設定をそれぞれ決定し、前記撮影手段は、レリーズ全押し動作が行われたとき、前記露出決定手段で決定したそれぞれの露出設定で前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影を行うことを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項3】
フラッシュの発光量を調整する調光制御手段を備えており、前記特殊連続撮影モード下での撮影中に前記調光制御手段が所定の動作または所定の時間を契機として連続して作動することを特徴とする請求項1又は2記載のデジタルカメラ。
【請求項4】
前記特殊連続撮影モード下で、複数回の前記フラッシュ撮影を行うとき、前記撮影手段の撮影感度を上昇させるとともに、前記調光制御手段を作動させることを特徴とする請求項3記載のデジタルカメラ。
【請求項5】
前記撮影手段による撮影感度の変更を行う感度変更手段を備えており、前記特殊連続撮影モード下で、前記露出決定手段が測光・露出演算を行い、この演算結果から前記撮影手段の現在の撮影感度による露出設定の最大値でも露光量が不足すると判定されたときには、前記感度変更手段で前記撮影感度を変更することを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項6】
前記特殊連続撮影モード下で、被写体光に応じて測光感度及び撮影感度の切り替えの要否を判定する切替判定手段と、この感度切替判定手段による判定結果で被写体光が所定量以上であり、測光感度及び撮影感度の切り替えが必要と判定されたときに、前記露出決定手段は、測光感度及び撮影感度を通常時よりも下げた低感度設定値に切り替えて測光及び露出演算を行い、前記撮影手段は、前記低感度設定値の撮影感度で前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影を行うことを特徴とする請求項1ないし5記載のデジタルカメラ。
【請求項7】
前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影を最初に行い、その後に前記フラッシュ撮影を行うことを特徴とする請求項1ないし6記載のデジタルカメラ。
【請求項8】
前記特殊連続撮影モード下で、前記フラッシュ撮影を最初に行い、その後に前記ノンフラッシュ撮影を行うことを特徴とする請求項1ないし7記載のデジタルカメラ。
【請求項9】
前記特殊連続撮影モード下で、前記露出決定手段が前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影の露出設定をそれぞれ決定したとき、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影のうち、前記露出設定でシャッタスピードが短いほうの撮影を最初に行い、その後にシャッタスピードが長いほうの撮影を行うことを特徴とする請求項1ないし8いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項10】
前記撮影手段による撮影感度の変更を行う感度変更手段を備えており、前記特殊連続撮影モード下で、先に撮影するコマでは撮影感度を高くし、それよりも後に撮影するコマでは撮影感度をそれよりも低く設定することを特徴とする請求項1ないし9いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項11】
前記特殊連続撮影モード下で、解像度を下げたプレビュー画像を撮影して表示手段に表示した後、それよりも高い解像度で前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影を行い画像データを取得することを特徴とする請求項1ないし10いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項12】
前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影のそれぞれの撮影条件及び警告情報を表示することを特徴とする請求項1ないし11いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項13】
前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影のそれぞれの撮影条件及び警告情報と、前記プレビュー画像を部分的に拡大した部分拡大画像とを同時に表示することを特徴とする請求項1ないし12いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項14】
前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影を各1回ずつ行うことを特徴とする請求項1ないし13いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項15】
前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影を計3回以上行うことを特徴とする請求項1ないし13いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項16】
前記撮影手段で撮影した画像データに基づく画像を表示する表示手段を備えており、前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影で取得した画像を前記表示手段に表示することを特徴とする請求項1ないし15いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項17】
前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影で取得した画像の両方を前記表示手段の同一画面内に表示することを特徴とする請求項16記載のデジタルカメラ。
【請求項18】
前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影で取得した複数の画像を前記表示手段に交互に表示することを特徴とする請求項16記載のデジタルカメラ。
【請求項19】
前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影で取得した複数の画像を前記表示手段に表示するとき、所定の時間間隔で表示画像を切り替えることを特徴とする請求項16ないし18記載のデジタルカメラ。
【請求項20】
前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影で取得した複数の画像を前記表示手段に表示するとき、操作手段の操作に応じて表示画像を切り替えることを特徴とする請求項16記載のデジタルカメラ。
【請求項21】
前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を行った直後に、前記ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影で取得した画像のいずれか一方、または両方を前記表示手段に表示することを特徴とする請求項16ないし20いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項22】
前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影を行い、記録媒体への書き込みを終えた後、前記ノンフラッシュ撮影及びフラッシュ撮影で取得した画像のいずれか一方、または両方を前記表示手段に表示することを特徴とする請求項16ないし20いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項23】
通常モード下での前記フラッシュ撮影のとき、シャッタスピードを通常時よりも遅い値に切り替えて、その遅いシャッタスピードに同期させてフラッシュ発光を行うスローシンクロ機能を備えており、前記特殊連続撮影モード下では前記スローシンクロ機能を停止状態とすることを特徴とする請求項1ないし22いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項24】
前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影のうち、少なくとも一方の撮影で支障が出ると判定されたときに、警告を行う警告手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし23いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項25】
前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影のうち、少なくとも一方の撮影で支障が出ると判定されたときに、その警告内容を知らせる警告情報を表示することを特徴とする請求項1ないし23いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項26】
前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影でそれぞれ支障が出ると判定されたときに、それらの警告を行う警告情報を各撮影毎にそれぞれ区別して表示することを特徴とする請求項1ないし23いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項27】
前記特殊連続撮影モード下で、最初の撮影を行った直後、各コマの撮影の直後、及び最後の撮影の直後のいずれかで前記警告情報及び撮影条件の少なくとも一方を表示することを特徴とする請求項25または26いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項28】
前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影のうち、最初に撮影するほうの前記警告情報及び撮影条件の少なくとも一方を、撮影前に表示することを特徴とする請求項1ないし27いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項29】
前記特殊連続撮影モード下で、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影のうち、前記露出決定手段で決定されたシャッタスピードが遅いほうの撮影に関する前記警告情報及び撮影条件の少なくとも一方を、撮影前に表示することを特徴とする請求項1ないし26いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項30】
前記特殊連続撮影モード下で、前記露出決定手段が前記露出設定を決定した直後に、前記表示手段の表示内容を切り替えて、各撮影に関する撮影情報を表示することを特徴とする請求項1ないし29いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項31】
前記特殊連続撮影モード下で、前記撮影手段が前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影を行い、画像データを取得したとき、前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影に応じた付加情報を前記画像データにそれぞれ付加することを特徴とする請求項1ないし30いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項32】
前記特殊連続撮影モード下で、前記撮影手段が前記ノンフラッシュ撮影及び前記フラッシュ撮影を行い、画像データを取得したとき、同一回の連続撮影で取得した前記画像データについて共通の付加情報を付加することを特徴とする請求項1ないし31いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項33】
前記特殊連続撮影モード下で、撮影前に、フラッシュを発光させるプリ発光と、このプリ発光の発光量を調整する調光制御と、前記プリ発光を行ったときの発光量演算とを行い、前記フラッシュ撮影のときに、前記発光量演算の演算結果に基づいてフラッシュ発光を行うことを特徴とする請求項1ないし32いずれか記載のデジタルカメラ。
【請求項34】
前記プリ発光は、赤目低減用の発光を兼用していることを特徴とする請求項1ないし31いずれか記載のデジタルカメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2007−256907(P2007−256907A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−223400(P2006−223400)
【出願日】平成18年8月18日(2006.8.18)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2006年(平成18年)1月26日 インターネットアドレス(http://www.fujifilm.co.jp/news_r/nrj1461.html)にて発表、2006年(平成18年)1月27日 電波新聞社 電波新聞に発表
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月18日(2006.8.18)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2006年(平成18年)1月26日 インターネットアドレス(http://www.fujifilm.co.jp/news_r/nrj1461.html)にて発表、2006年(平成18年)1月27日 電波新聞社 電波新聞に発表
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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