説明

デジタル放送受信装置

【課題】一般的な放送装置のサービスと、これとは異なるユーザには未知の周波数配置で放送しているサービスとの間をシームレスに移動することはできない。
【解決手段】同一のサービスを複数の物理周波数で放送しているデジタル放送システムのデジタル放送受信装置(100)は、デジタル放送システムが放送している物理周波数とサービスとの対応関係を示す周波数編成情報を受信するための情報を格納する記憶部(180)と、デジタル放送を受信している際に、当該デジタル放送の受信品質が劣化すると、記憶部に格納されている情報に基づいて、周波数編成情報を放送しているデジタル放送を受信し、受信したデジタル放送に含まれる該周波数編成情報から、受信品質が劣化したデジタル放送のサービスに相当するサービスを放送している物理周波数を検出し、検出した物理周波数に基づいてデジタル放送を受信するように制御する制御部(110)とを具える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルテレビジョン放送やデジタル音声放送などのデジタル放送システムのデジタル放送受信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、日本国において運用されている地上デジタルテレビジョン放送は、ISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting for Terrestrial)方式と呼ばれ、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式を採用している。このISDB−T方式は、一つのチャンネルの伝送帯域を13個のセグメントに分割し、そのうちの1個のセグメント(中央のセグメント番号0)を、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末用の地上デジタル放送、いわゆる1セグ放送に割り当てている。
【0003】
上記のISDB−T方式を採用する放送装置として、最近では、例えば、複数の放送局のデジタル放送波を受信して、それぞれ1セグ放送を抜き出し、それらを連結して上記の放送局のチャンネルとは異なる所定のチャンネルで再送信するようにした放送装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、放送局のデジタル放送波から抜き出した1セグ放送に加えて、独自コンテンツを連結して、所定のチャンネルで送信するように構成した放送装置も提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−109283号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1に記載のように、所定のチャンネルの各セグメントを1セグ放送で構成して放送する場合には、放送地域が変わると、サービスのセグメント配置が変わることが考えられる。特に、上述した既存のサービスに独自コンテンツを追加して放送する場合には、放送地域が変わると、独自コンテンツやそのセグメント配置が変わる可能性が高くなる。
【0006】
このため、当該チャンネルにおけるサービスのセグメント配置をユーザが把握して、所望の1セグ放送を部分受信するには、当該チャンネルの放送局のウェブサイトにアクセスして、サービスのセグメント配置情報を取得したり、電子メールを経由して通知してもらったり、或いは、当該チャンネルのセグメントをスキャンして、サービスのセグメント配置を把握したりする必要がある。また、仮に、放送中のセグメントの配置を把握できたとしても、どのセグメントでどのようなサービス(番組)が放送されているかを把握することができないという問題がある。
【0007】
しかしながら、放送局のウェブサイトからサービスのセグメント配置情報を取得するには、取得毎に放送局のウェブサイトにアクセスする必要があるため、取得に時間がかかるとともに、通信費がかかることが懸念される。また、チャンネル内のセグメントをスキャンしてサービスのセグメント配置情報を把握する場合には、全てのサービスのセグメント配置情報を把握するのに、時間がかかることが懸念される。
【0008】
また、上記技術に限らず、所定のチャンネルにおいて、独自コンテンツのみを(連結して)放送することも考えられる。しかしながら、この場合においても、当該チャンネルにおけるサービスのセグメント配置を把握するには、上述した場合と同様に、当該チャンネルの放送局のウェブサイトにアクセスしたり、当該チャンネルのセグメントをスキャンしたりする必要があるため、同様の問題が生じることになる。
【0009】
また、ISDB−Tsb(ISDB for Terrestrial Sound Broadcasting)を採用する地上デジタル音声放送においても、放送地域に応じて、サービスのセグメント配置を変更したり、独自コンテンツを追加したりすることが考えられるが、これらの場合にも、同様の問題が生じることになる。
【0010】
即ち、従来のデジタル放送技術は、或る広域のエリアでは、個々のサービスが、個々の特定の物理周波数でそれぞれ放送されることを前提とし、特定の広域エリア内では、周波数配置が変更されないものである。しかしながら、上述した従来技術のように、ある広域エリア内であっても、特定の物理周波数で放送されていたサービス、を、全く別の周波数に、別のセグメントレイアウトに再配置して放送する、或いは、全く独自のサービス(番組)を放送する、デジタル放送装置が提案されている。このようなデジタル放送装置は、小規模、かつ、電波法の許認可が不要であるものが多数となり、サービスのコンテンツ、周波数配置などが頻繁かつ動的に変更されることが予想される。従って、従来のように予め特定の物理周波数を割り当てて管理することは困難かつ適当ではない。このような多種・多様なデジタル放送の受信エリアを、デジタル放送受信装置を携行するユーザが移動することになるが、上述したように、ユーザに既知の特定の物理周波数で放送している「従来の一般的な放送装置」のサービスと、ユーザには未知の周波数配置で放送している、「特許文献1などが提案する放送装置」のサービスとの間をシームレスに移動することはできない。このようなシームレスな移動が実現できれば、ユーザの利便性が格段に向上すると予想されるが、このような技術は開発されていない。また、全く独自のサービスを放送している受信エリアにユーザが移動しても、その放送におけるサービス情報(周波数配置など)を知ることはできない。
【0011】
従って、かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、放送局のウェブサイトへのアクセスや、チャンネルスキャンやセグメントスキャンなどの無駄な処理や、通信費を要することなく、受信装置において、放送されているサービスの周波数配置を容易に把握できるデジタル放送受信装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した諸課題を解決すべく、本発明によるデジタル放送受信装置は、
同一のサービスを複数の物理周波数で放送しているデジタル放送システムのデジタル放送受信装置であって、
前記デジタル放送システムが放送している前記物理周波数と前記サービスとの対応関係を示す周波数編成情報を受信するための情報を格納する記憶部と、
デジタル放送を受信している際に、当該デジタル放送の受信品質が劣化すると、前記記憶部に格納されている情報に基づいて、前記周波数編成情報を放送しているデジタル放送を受信し、該受信したデジタル放送に含まれる該周波数編成情報から、前記受信品質が劣化したデジタル放送のサービスに相当するサービスを放送している物理周波数を検出し、該検出した物理周波数に基づいてデジタル放送を受信するように制御する制御部と、
を具えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の一実施態様によるデジタル放送受信装置は、
表示部をさらに具え、
前記制御部は、
前記周波数編成情報を放送しているデジタル放送を受信すると、該周波数編成情報に基づくサービス情報を前記表示部に表示するように制御する、
ことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の別の実施態様によるデジタル放送受信装置は、
前記制御手段が、
前記サービス情報を前記表示部に表示してから所定時間経過してもサービスが選択されない場合に限り、前記検出した物理周波数に基づいてデジタル放送を受信するように制御する、
ことを特徴とする。
【0015】
また、本発明のさらに別の実施態様によるデジタル放送受信装置は、
同一のサービスを複数の物理周波数で放送しているデジタル放送システムのデジタル放送受信装置であって、
前記デジタル放送システムが放送している前記物理周波数と前記サービスとの対応関係を示す周波数編成情報を受信するための情報を格納する記憶部と、
表示部と、
前記記憶部に格納されている情報に基づいて、前記周波数編成情報を放送しているデジタル放送を受信し、該受信したデジタル放送に含まれる該周波数編成情報に基づくサービス情報を前記表示部に表示し、該表示しているサービスが選択されると、該選択したサービスに対応する物理周波数に基づいてデジタル放送を受信するように制御する制御部と、
を具えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明のさらなる実施態様によるデジタル放送受信装置は、
前記制御部が、
所定の物理周波数のデジタル放送を受信している際に、当該デジタル放送の受信品質が劣化すると、前記周波数編成情報を放送しているデジタル放送を受信し、当該デジタル放送に含まれる周波数編成情報から、前記所定の物理周波数のデジタル放送のサービスに相当するサービスを放送している物理周波数を検出し、該検出した物理周波数に基づいてデジタル放送を受信するように制御する、
ことを特徴とする。
【0017】
また、本発明のさらなる実施態様によるデジタル放送受信装置は、
所定の物理周波数のデジタル放送を受信した際に、該所定の物理周波数を示す情報を一時的に記録する一時記憶部をさらに具え、
前記制御部が、
前記周波数編成情報に基づいて検出された物理周波数のデジタル放送を受信している際に、当該デジタル放送の受信品質が劣化すると、前記周波数編成情報に基づいて受信しているデジタル放送のサービスに相当するサービスを放送している物理周波数を検出して該検出した物理周波数に基づいてデジタル放送を受信し、前記相当するサービスを放送している物理周波数検出できなかった場合は、前記一時記憶部に記録された情報に示された前記所定の物理周波数に基づいてデジタル放送を受信するように制御する、
ことを特徴とする。
【0018】
また、本発明のさらに別の実施態様によるデジタル放送受信装置は、
同一のサービスを複数の物理周波数で放送しているデジタル放送システムのデジタル放送受信装置であって、
前記デジタル放送システムが放送している前記物理周波数と前記サービスとの対応関係を示す周波数編成情報を受信するための情報を格納する記憶部と、
表示部と、
デジタル放送を受信している際に、前記記憶部に格納されている情報に基づいて前記周波数編成情報を放送しているデジタル放送を受信する指示を検出すると、該検出した指示に応じて、該周波数編成情報を放送しているデジタル放送を受信し、該受信したデジタル放送に含まれる該周波数編成情報に基づくサービス情報を前記表示部に表示するように制御する制御部と、
を具えることを特徴とする。
【0019】
また、前記物理周波数の各々を物理チャンネルとすることが好適である。或いは、前記物理周波数の各々を物理チャンネルとセグメントとを示す情報とすることが好適である。
【0020】
上述したように本発明の解決手段を装置として説明してきたが、本発明はこれらに実質的に相当する方法、プログラム、プログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
【0021】
一例を挙げれば、本発明を方法として実現させた別の実施態様によるデジタル放送受信装置の制御方法は、
同一のサービスを複数の物理周波数で放送しているデジタル放送システムのデジタル放送受信装置の制御方法であって、
前記デジタル放送システムが放送している前記物理周波数と前記サービスとの対応関係を示す周波数編成情報を受信するための情報を記憶部に格納する格納ステップと、
デジタル放送を受信している際に、当該デジタル放送の受信品質が劣化すると、前記記憶部に格納されている情報に基づいて、前記周波数編成情報を放送しているデジタル放送を受信し、該受信したデジタル放送に含まれる該周波数編成情報から、前記受信品質が劣化したデジタル放送のサービスに相当するサービスを放送している物理周波数を検出し、該検出した物理周波数に基づいてデジタル放送を受信するように制御する制御ステップと、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、物理周波数とサービスとの対応関係を示す周波数編成情報を利用することによって、放送局のウェブサイトへのアクセスや、チャンネル内のセグメントスキャンなどの無駄な処理や、通信費を要することなく、受信装置において、サービスの周波数配置を容易に把握できるようになる。即ち、ユーザに既知の特定の物理周波数で放送している「従来の一般的な放送装置」のサービスと、これとは異なる「ユーザには未知の周波数配置で放送している放送装置」のサービスとの間をシームレスに移動すること/把握することができるようになり、ユーザの利便性が格段に向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以降、諸図面を参照しながら、本発明の実施態様を詳細に説明する。最初に本実施例に用いる用語を説明する。但し、これに限定するものではない。実施例における「ガイドチャンネル(ch)」とは、連結送信された全ての番組に関する物理周波数(セグメント)とサービスとの対応関係を示す周波数編成情報を放送するためのチャンネルと定義する。また、デジタル放送受信装置は、最初にNIT(Network Interface Table)を参照するためにセグメント番号0を受信するため、ガイドchは、セグメント番号0に配置することが好適である。また、「独自放送(サービス)(独自番組/自主番組)」とは、既存の放送局以外で作成されたサービス(番組)のことである。例えば、商店街や遊園地、美術館など限られたエリアや施設の情報を提供するサービス(番組)である。
【0024】
図1は、本発明が適用される受信装置およびこれに放送波を提供する放送装置から構成される放送システムの構成図である。図に示すように、この放送システムは、受信装置100、および放送装置200,300から構成される。放送装置200は、一般的なデジタル放送システムの放送装置であり、1セグメント放送、即ち、1セグメント単独で受信可能である部分受信用のセグメントを使用したデジタル放送、および12セグメントを使用した地上波テレビ用のデジタル放送を行っている。本デジタル放送システムでは、放送装置200と放送装置300とが、同一のサービスを放送しているが、放送装置200が使用している物理周波数帯域と、放送装置300が使用している物理周波数帯域とは異なるものである。即ち、放送装置200から放送されるサービスの全て或いは一部が、放送装置300から、放送装置200が使用する物理周波数帯域とは別の物理周波数帯域を用いて放送される。また、放送装置300は、放送装置200が放送するサービスとは異なるサービス、例えば、独自放送(独自番組/自主番組)も放送している。本発明による受信装置100は、放送装置200がカバーする受信エリア内では、放送装置200から放送されるデジタル放送を受信することが可能である。受信装置100が、例えば、地下街などに入った場合に、放送装置200からのデジタル放送が弱電界や圏外になり、受信継続が困難になる。逆に、地下街から地上に出て、放送装置300からのデジタル放送が弱電界や圏外になり、受信継続が困難になる場合も発生する。このような場合は、受信装置100は、放送装置200のデジタル放送の受信と、放送装置300のデジタル放送の受信とをガイドチャンネル(後で詳細に説明する)を介してシームレスに切り替える。
【0025】
図2は、放送装置300のブロック図である。図に示すように、放送装置300は、光ファイバから入力されるチャンネルの数に対応する数の受信部、即ち、chA受信部310A、chB受信部310B、chZ受信部310Zを具える。放送装置300は、多重化処理部320、変調部330、送信部340、ガイドch作成部350、およびアンテナ360をさらに具える。chA受信部310A、chB受信部310B、chZ受信部310Zは、TS信号受信部312A,312B,312Z、サービス情報抽出部314A,314B,314Zをそれぞれ具える。
【0026】
chA受信部310A、310Bは、本実施の形態では、既存の物理チャンネルの放送局に対応している。ここでは、便宜上、例えば、chA受信部310Aは、物理チャンネルchAのAAAテレビに対応し、chB受信部310Bは、物理チャンネルchBのBBBテレビに対応するものとする。chA受信部310AのTS信号受信部312Aは、対応する放送局のコンテンツ記憶装置などから光ファイバなどの伝送手段を介して伝送されてくるchA TS信号を受信し、サービス情報抽出部314AでTS信号に含まれるサービス情報を抽出する。chB受信部310Bも、chB TS信号に対して同様の処理をそれぞれ行う。また、chZ受信部310Zは、放送装置300の独自放送(サービス)に対応している。chZ受信部310ZのTS信号受信部312Zは、対応するコンテンツ記憶装置などから光ファイバなどの伝送手段を介して伝送されてくるchZ TS信号を受信し、サービス情報抽出部314ZでTS信号に含まれるサービス情報を抽出する。サービス情報抽出部314A,314B,314Zは、TS信号受信部310A,310B,310Zから供給されるTS信号からサービス情報を抽出し、その抽出したサービス情報をガイドch作成部350へ供給する。
【0027】
ガイドch作成部350は、サービス情報抽出部314A,314B,314Zから供給されたサービス情報(例えば、PSI/SI情報中のSDT:Service Description Table)に基づいて、例えば、図6に示すようなセグメント番号とサービス名(放送局)とを関連付けた周波数編成情報であるBMLからなる1セグ放送用のデータ放送、即ち、ガイドch用のTS信号を作成する。ここで、セグメント番号とサービスとの関連付けは、セグメント番号0をガイドchに割り当て、残りのセグメント番号1〜12については、各受信部で受信するTS信号の数(放送局)に応じて、固定的に、或いは予め定めたプログラムに従って、放送局名を割り当てる。
【0028】
多重化処理部320は、各チャンネルの部分受信用のTS信号とガイドchのTS信号を、あらかじめ設定されたセグメント配置に基づき多重化する。このときデジタル放送の信号に適合するように制御信号などを追加する。変調部330は、多重化された信号をOFDM信号に変換し送信部340に送る。送信部340は、OFDM信号を設定された値まで増幅しアンテナ360から出力する。
【0029】
図3は、放送装置300が送信するチャンネルのセグメント構成を示す図である。通常の放送局である放送装置300は、図の上段に示すように、物理チャンネル毎の中央のセグメント番号0を部分受信用のセグメントである1セグ放送に使用している。放送装置300は、部分受信用のセグメント番号0の各サービスを1つの物理チャンネル内で連結放送する。また、放送装置300は、独自番組を部分受信用のセグメントとして未使用のセグメント(例えば図3のセグメント番号10)に配置することもできる。ガイドchである中央のセグメント番号0には、これら各サービスへリンクするための情報(例えば図6のようなBML)を格納する。図3の下段のセグメント7が未使用であるように、各サービス(チャンネル)は完全に隙間なく連結しなくてもよく、このような形式も便宜上、連結放送と呼ぶものとする。
【0030】
ここで、セグメント番号0に割り当てられるガイドchのデータ放送は、1セグ受信装置において、当該物理チャンネルに関連付けられている既存放送局の物理チャンネルまたはリモコンチャンネル(チャンネル番号)を表示する役割と、ユーザによる選局時にチューニングするセグメント(周波数)をチューナ部に通知する役割とを有している。このために、このデータ放送には、ガイドchが含む各サービスである既存放送局および独自放送の全ての物理チャンネル(本例では、ガイドchと同じ物理チャンネル内のセグメンド番号)へのリンクを張り、受信装置において、ユーザが希望するチャンネルへのリンクを選択することによって、ガイドchが割り当てた物理チャンネル内で、選局を行うことができるようになっている。
【0031】
図4は、本発明の一実施態様による受信装置のブロック図である。図に示すように、受信装置100は、制御部110、チューナ部120、復調部130、音声デコーダ部140、映像デコーダ部150、データ放送デコーダ部160、画面制御部170、メモリ180、および入力部190を具える。また、受信装置100は、アンテナANT、システムバスSB、スピーカSP、および画面表示部DISをさらに具える。
【0032】
受信装置100における放送装置300が放送するデジタル放送の表示までの動作を簡単に説明する。ユーザが携行する受信装置100は、放送装置300から送信される放送波を受信できるエリアにいるものとする。
1.ユーザは放送装置300から送信される信号に選局する。ここで、放送装置から送信される周波数(チャンネル)は既知とする。
2.選局が完了するとガイドchが表示されるので、ユーザはデータ放送を表示して希望の番組を選択する。
3.制御部110においてセグメント番号から周波数に変換し、その周波数をチューナ部120に通知する。
4.チューナ部120において指定された周波数にチューニングする。
【0033】
受信装置100の各部の機能を詳細に説明する。受信装置100は、デジタル放送の信号をアンテナANTで受信し、受信したRF信号は、装置全体の制御を司る制御部110からの周波数(チャンネル)指定命令に基づいてチューナ部120でチューニングされる。チューナ部120で周波数変換されたチャンネル信号は復調部130でMPEGのTS(Transport Stream)信号に復調し、TS信号内のパケットIDに基づいて音声パケット、映像パケット、データ放送パケットを検出し、それぞれのパケットを音声デコーダ部140、映像デコーダ部150、データ放送デコーダ部160に出力する。音声デコーダ部140は、音声データをデコードし、スピーカSPに出力する。映像デコーダ部150は映像データをデコードし画面制御部170に出力する。データ放送デコーダ部160は受信したBMLを元に画面イメージを作成し画面制御部170に出力する。ユーザが入力部190を用いて、所望のサービス(番組)をクリックして選択すると、制御部110は、BMLから当該サービスを放送しているセグメント番号を割り出し、当該セグメント番号の周波数にチューニングするようにチューナ部120を制御する。また、データ放送デコーダ部160は、受信したBMLから番組表を取り出し、メモリ180に格納する。メモリ180は、チャンネルリストや、ガイドチャンネルを受信するための情報(物理チャンネルや、物理チャンネルとセグメントとのセットなど)、BMLやラストチャンネル(最後の受信チャンネル)、番組表などを格納する。画面制御部170は、映像デコーダ部150、および、データ放送デコーダ部160から出力されたデータを制御部110からの命令に基づいて画面表示部DISに出力する。
【0034】
図5は、ガイドchで放送しているデータ放送を表示した画面イメージを示す図である。図6は、図5の表示を行い、各チャンネルへの切り替え動作を行うためにガイドchで使用されるBML(Broadcast Markup Language)のソースコードの一例を示す図である。図5、6に示すように、ガイドchで放送するデータ放送には連結、或いは関連付けられている全てのチャンネルへのリンクが張られており、ユーザは希望のチャンネルのリンクを選択することで、選局を行うことが出来る。例えば、図5の「AAAテレビ」を選択すると、図6のBMLに従って、選局のために新規に導入したonTune()という関数をコールし、この関数の中で、idの値に応じて選局する。AAAテレビの場合、idには「chA」が入り、browser.tune("11")でセグメント11に選局する。連結したチャンネルのPSI/SI(Program Specific Information/Service Information)情報をデータ放送に入れておき、受信機側でその値を取り出すようにしてもよい。
【0035】
図7に、ガイドchのデータ放送のデータに含まれるセグメントと番組名を関連付けた対応表を示す。図に示すように、ガイドchのデータ放送に格納されているデータ(データ放送)には、少なくともセグメント(の周波数)とサービスの対応表(表1)が入っている必要がある。この対応表は、連結しているチャンネルを図5のような画面で画像表示部DISに表示する役割と、選局時にチューニングするセグメントをチューナ部120に通知する役割がある。
【0036】
図8は、受信装置100が放送装置200のチャンネルから放送装置300のチャンネルへ切り替える第1の動作フローを示すフローチャートである。ここでは、受信装置100を携行するユーザが、図1のような通常の放送装置200のデジタル放送を受信できるエリアから、放送装置300からの放送を受信できるエリアへ次第に移動するケースを想定する。図8に示すように、ステップS11では、ユーザは、入力部190を用いて、放送装置200が放送するデジタル放送のチャンネルAを選局する。この選局を受けてチューナ部120はチャンネルAにチューニングし、チャンネルAが存在するか否かを電界強度などを用いて判定する(ステップS12)。チャンネルAが存在する場合は、チャンネルAを表示する(ステップS13)。チャンネルAが存在しない、即ち、受信できない場合は、ステップS15に進み、放送装置300が放送するガイドchを選局する。また、ステップS13の後、チャンネルA受信中において、受信品質(例えば、受信感度や受信画像品質など)が任意の閾値N以下になった場合(ステップS14)、ステップS15に進み、ガイドchを選局する。
【0037】
この選局を受けてチューナ部120はガイドchにチューニングし、ガイドchが存在する、即ち、受信できるか否かを電界強度などを用いて判定する(ステップS16)。ガイドchが存在する場合は、ガイドchから番組表を取得し(ステップS17)、チャンネルAに対応する、即ち、同じサービスIDを持つ放送装置300のチャンネルPを選局し(ステップS18)、チャンネルPを表示して(ステップS19)、処理を終える。ステップS16にて、ガイドchが存在しない(受信できない)場合は、ステップS20に進み、「受信できません」と受信できない旨(メッセージ)を表示して、処理を終える。ここで、番組表は、サービスIDやネットワークID(放送局名)と、これに関連付けられた物理周波数(この例では、セグメント番号、或いは、物理チャンネルとセグメント番号のセットである)とを含む。
【0038】
図9は、受信装置100が放送装置200のチャンネルから放送装置300のチャンネルへ切り替える第2の動作フローを示すフローチャートである。ここでも、受信装置100を携行するユーザが、図1のような通常の放送装置200のデジタル放送を受信できるエリアから、放送装置300からの放送を受信できるエリアへ次第に移動するケースを想定する。図9に示すように、ステップS21にて、ユーザは、入力部190を用いて、放送装置200が放送するデジタル放送のチャンネルAを選局する。この選局を受けてチューナ部120はチャンネルAにチューニングし、チャンネルAが存在する、即ち、受信できるか否かを電界強度などを用いて判定する(ステップS22)。チャンネルAが存在する場合は、チャンネルAを表示する(ステップS23)。チャンネルAが存在しない、即ち、受信できない場合は、ステップS25に進み、放送装置300が放送するガイドchを選局する。また、ステップS23の後、チャンネルA受信中において、受信品質が任意の閾値N以下になった場合(ステップS24)、ステップS25に進み、ガイドchを選局する。
【0039】
この選局を受けてチューナ部120はガイドchにチューニングし、ガイドchが存在する、即ち、受信できるか否かを電界強度などを用いて判定する(ステップS26)。ガイドchが存在する、即ち、受信できる場合は、ガイドchから番組表を取得し(ステップS27)、ガイドchから取得した番組表を表示する(ステップS28)。番組表を表示してから所定の時間経過後、チャンネルAに対応するチャンネル、即ち、チャンネルAと同じサービスIDを持つ放送装置300のチャンネルP(この例では、ある物理チャンネル内の特定の位置のセグメント番号となる。)を選局し(ステップS29)、チャンネルPを表示する(ステップS30)。なお、所定の時間内に、ユーザによって手動で別チャンネルが指定された場合は、別チャンネルを選局してもよい。ステップS26にて、ガイドchが受信できなかった場合、ステップS31に進み、「受信できません」と受信できない旨(メッセージ)を表示して、処理を終える。
【0040】
図10は、受信装置100が放送装置200のチャンネルから放送装置300のチャンネルへ切り替える第3の動作フローを示すフローチャートである。ここでも、受信装置100を携行するユーザが、図1のような通常の放送装置200のデジタル放送を受信できるエリアから、放送装置300からの放送を受信できるエリアへ次第に移動するケースを想定する。図10に示すように、ステップS41にて、ユーザは、入力部190を用いて、放送装置200が放送するデジタル放送のチャンネルAを選局する。この選局を受けてチューナ部120はチャンネルAにチューニングし、チャンネルAが存在する、即ち、受信できるか否かを電界強度などを用いて判定する(ステップS42)。チャンネルAが存在する、即ち、チャンネルAが受信できる場合、チャンネルAを表示する(ステップS43)。チャンネルAが受信できない場会は、ステップS45に進み、放送装置300が放送するガイドchを選局する。また、ステップS43の後、チャンネルA受信中において、受信品質が任意の閾値N以下になった場合(ステップS44)、ステップS45に進み、放送装置300のガイドchを選局する。
【0041】
この選局を受けてチューナ部120はガイドchにチューニングし、ガイドchが存在する、即ち、受信できるか否かを電界強度などを用いて判定する(ステップS46)。ガイドchが存在する、即ち、受信できる場合は、ガイドchから番組表を取得し(ステップS47)、ガイドchから取得した番組表を表示する(ステップS48)。番組表を表示してから所定の時間経過後、チャンネルAに対応するチャンネル、即ち、チャンネルAと同じサービスIDを持つ放送装置300のチャンネルPを選局し(ステップS49)、チャンネルPを表示して(ステップS50)、処理を終える。なお、所定の時間内に、ユーザによって手動で別チャンネルが指定された場合は、別チャンネルを選局してもよい。ステップS46にて、ガイドchが受信できなかった場合、ステップS51に進み、初期値0のループカウントを1だけインクリメントする。インクメントした後、ループカウントが0以上の閾値M以上であるか否かを判定する(ステップS52)。ループカウントが閾値M以上でない、即ち、閾値Mより小さい場合は、ステップS41に処理を戻し、デジタル放送のチャンネルAを再選局する。ループカウントが閾値M以上である場合は、「受信できません」と受信できない旨(メッセージ)を表示して(ステップS53)、処理を終える。このように、本動作フローによれば、ガイドchの受信に失敗しても、閾値Mの回数だけガイドchの受信を再試行するため、ガイドchを介してサービス間をシームレスに移行する機会を最大化することが可能となり、ユーザの利便性がさらに向上する。
【0042】
図11は、受信装置100が放送装置300のチャンネルから放送装置200のチャンネルへ切り替える第1の動作フローを示すフローチャートである。ここでは、受信装置100を携行するユーザが、図1のような放送装置300の放送を受信できるエリアから、通常の放送装置200のデジタル放送を受信できるエリアへ次第に移動するケースを想定する。また、ユーザが最後に受信視聴(選局)した放送装置300が放送するチャンネル(本動作フローではチャンネルP)がラストチャンネルとしてメモリ180に格納されており、ガイドchから取得した番組表もメモリに格納されているとする。図11に示すように、ステップS61にて、ユーザは、入力部190を用いて、放送装置300が放送するガイドchを選局する。この選局を受けてチューナ部120はガイドchにチューニングし、ガイドchが存在する、即ち、受信できるか否かを電界強度などを用いて判定する(ステップS62)。ガイドchが存在する、即ち、ガイドchが受信できる場合、ガイドchから番組表を取得して(ステップS63)、チャンネルPを選局して表示する(ステップS64)。ステップS62にて、ガイドchが存在しない、即ち、受信できない場合、ステップS66に進み、メモリ180に格納されている番組表からチャンネルPと同じサービスIDを持つ放送装置200が放送するデジタル放送のチャンネルを探す(ステップS66)。
【0043】
ステップS64にてチャンネルPを表示した後、チャンネルP受信中に受信品質が任意の閾値N以下になっているか否かを判定する(ステップS65)。受信品質が閾値N以下になった場合は、ステップS66に進み、現在の番組表からチャンネルPと同じサービスIDを持つデジタル放送のチャンネルを探す。ステップS66においてチャンネルPと同じサービスIDを持つデジタル放送のチャンネルAが受信できる場合、ステップS67に進み、チャンネルAを表示して、処理を終える。チャンネルPと同じサービスIDを持つ放送装置200が放送するデジタル放送のチャンネルAが受信できない場合、ステップS68に進み、「受信できません」と受信できない旨(メッセージ)を表示して(ステップS68)、処理を終える。このように、本動作フローによれば、ガイドchを利用して選局できるとともに、サービス間をシームレスに移行することが可能となり、ユーザの利便性が向上する。
【0044】
図12は、受信装置100が放送装置300のチャンネルから放送装置200のチャンネルへ切り替える第2の動作フローを示すフローチャートである。ここでも、受信装置100を携行するユーザが、図1のような放送装置300の放送を受信できるエリアから、通常の放送装置200のデジタル放送を受信できるエリアへ次第に移動するケースを想定する。また、ユーザが最後に受信視聴(選局)した放送装置300が放送するチャンネル(本動作フローではチャンネルP)がラストチャンネルとしてメモリ180に格納されており、ガイドchから取得した番組表もメモリに格納されているとする。また、ユーザが最後に受信視聴(選局)した放送装置200が放送するデジタル放送のチャンネル(本動作フローではチャンネルB)もラストチャンネルとして、放送装置300のラストチャンネルとは区別されてメモリ180に格納されている。即ち、メモリ180は、放送装置毎のラストチャンネルを格納している。図12に示すように、ステップS71にて、ユーザは、入力部190を用いて、放送装置300のガイドchを選局する。この選局を受けてチューナ部120はガイドchにチューニングし、ガイドchが存在する、即ち、受信できるか否かを電界強度などを用いて判定する(ステップS72)。ガイドchが存在する、即ち、受信できる場合、ガイドchから番組表を取得して(ステップS73)、チャンネルPを選局して表示する(ステップS74)。ガイドchを受信できない場合、ステップS76に進み、メモリ180に格納されている番組表からチャンネルPと同じサービスIDを持つ放送装置200が放送するデジタル放送のチャンネルを探す。ステップS74にてチャンネルPを表示した後、チャンネルP受信中において、受信品質が任意の閾値N以下になった場合(ステップS75)、ステップS76に進み、現在の番組表からチャンネルPと同じサービスIDを持つ放送装置200が放送するデジタル放送のチャンネルを探す。現在視聴しているチャンネルPと同じサービスIDを持つ放送装置200が放送するデジタル放送のチャンネルAが存在する、即ち、受信できる場合は、チャンネルAを表示して(ステップS77)、処理を終える。
【0045】
ステップS76においてチャンネルPと同じサービスIDを持つ放送装置200が放送するデジタル放送のチャンネルAが受信できないと判定された場合、ステップS78に進み、放送装置200側のデジタル放送で最後に選局(受信)したチャンネルBを選局する。この選局を受けてチューナ部120はチャンネルBにチューニングし、チャンネルBが存在する、即ち、受信できるか否かを電界強度などを用いて判定する(ステップS79)。チャンネルBが受信できる場合、チャンネルBを表示して(ステップS80)、処理を終える。チャンネルBが受信できない場合は、ステップS81に進み、「受信できません」と受信できない旨(メッセージ)を表示して、処理を終える。
【0046】
図13は、受信装置100が放送装置300のチャンネルから放送装置200のチャンネルへ切り替える第3の動作フローを示すフローチャートである。図12と同じ状況を想定し、図13とのステップS91〜S100は、図12のステップS71〜S80と同様の処理を行う。図13に示すように、ステップS99にて、チャンネルBが受信できない場合は、ステップS101に進み、初期値0のループカウントを1だけインクリメントする。次に、ループカウントが0以上の閾値M以上であるか否かを判定する(ステップS102)。ループカウントが閾値M以上でない、即ち、閾値Mより小さい場合は、ステップS91に処理を戻し、ガイドchを再度選局する。ループカウントが閾値M以上である場合は、「受信できません」と受信できない旨(メッセージ)を表示して(ステップS103)、処理を終える。このように、本動作フローによれば、ガイドchの受信に失敗しても、閾値Mの回数だけ、同じサービスであるチャンネルPおよびチャンネルAの受信、またはラストチャンネルであるチャンネルBの受信を再試行するため、ガイドchを利用して選局できるとともに、サービス間をシームレスに移行する機会を最大化して、ユーザの視聴機会を最大化することが可能となり、ユーザの利便性がさらに向上する。
【0047】
なお、図10から図13の説明において、最初はガイドchを選局しているが、この理由は、エリアによって、独自放送が変更される恐れがあるため、最初にガイドchによって番組表を再作成して、独自放送の変更に対処するためである。エリアによって独自放送が変わらないのであれば、最初からラストchを選局してもよい。
【0048】
図14は、ガイドchを選局して番組表を表示させるためのボタンが押下されたときの動作フローを示すフローチャートである。図に示すように、ステップS111にて、ユーザは、入力部190の番組表表示ボタンを押下する。この選局を受けてチューナ部120は、放送装置300が放送するガイドchにチューニングし(ステップS112)、ガイドchが存在する、即ち、受信できるか否かを電界強度などを用いて判定する(ステップS113)。ガイドchが存在する、即ち、ガイドchが受信できる場合、ガイドchから番組表を取得して(ステップS114)、番組表を表示する(ステップS115)。ステップS113にてガイドchが存在しない、即ち、受信できない場合、ステップS116に進み、「受信できません」と受信できない旨(メッセージ)を表示して、処理を終える。このように、番組表の取得、表示のみを行って、後は、ユーザが所望の番組を選択するという構成を取ることも可能である。
【0049】
最後に、本発明の各実施態様の効果をまとめると以下のようになる。
1.現在の1セグ受信機は選局すると部分受信用のセグメント(セグメント番号0)にチューニングするようになっているので、ギャップフィラーなどの放送装置300から送信されるチャンネル(周波数)のセグメント番号0に周波数編成情報を入れた情報を入れたガイドchを配置することで、受信機は放送装置300から送信されているチャンネル(周波数)に選局するだけで、どのサービスを放送しているか知ることが出来る。
2.また、放送装置300から送信されているチャンネル(周波数)に選局しても受信できない場合(即ち、放送装置300のエリア外の場合)、独自放送しているサービスも受信できない可能性が高いので、ユーザは無駄な操作(例えば、チャンネルスキャン)を行わなくてもよい。
3.逆にガイドchが受信できれば、ユーザのいる場所は放送装置300のエリア内だということが分かる。即ち、放送装置300が送信しているサービスも受信できる可能性が高い。
4.放送装置300が放送する或るデジタル放送のチャンネルを受信中に弱電界になっても、放送装置300が放送するガイドchをサーチして受信できれば、見ていたチャンネルと同じサービスを選局して表示するので、ユーザが意識することなく、即ち、シームレスに通常の放送装置200のチャンネルから放送装置300のチャンネルへ切り替えることができる。
【0050】
5.逆に、放送装置300のチャンネルを受信中に弱電界になっても、見ていたサービスと同じサービスの放送装置200のチャンネルを選局して表示するので、ユーザが意識することなく放送装置300のチャンネルから、放送装置200のチャンネルへ切り替えることができる。
6.放送装置300の周波数編成情報を格納したセグメントを受信する機能を割り当てたボタンを押下すると番組情報が表示されるので、ユーザはいつでも放送装置300の番組を知ることができる。
【0051】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各部、各手段、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0052】
例えば、図3に示すように、ガイドch、および、これに関連付けられた各チャンネル(サービス)は、1つの物理チャンネル内に収容している態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、ガイドchが、物理チャンネルやセグメントを問わず何らかの周波数帯域で放送され、このガイドchに、各サービスとこれらに関連付けられた各サービスが放送されている周波数情報(物理チャンネル、物理チャンネルおよびセグメント番号のセット、或いは、これらに類する同様のものなど)が格納されていれば足りる。また、本発明では、ガイドchは、放送装置300から送信される態様で説明したが、通常の放送を行う放送装置である放送装置200、或いは、全く別個にスポット的に、設けられた他の放送装置から独自サービスやガイドchを放送してもよい。即ち、本発明では、物理周波数とサービスとの対応関係を示す周波数編成情報を放送装置を問わずに受信できれば良く、周波数編成情報(ガイドch)によりガイドされるサービスを放送している放送装置も問わないことに注意されたい。また、ガイドchでガイドされるサービスは、特定の物理チャンネル内の連結されたセグメントを挙げたが、これは単なる例示に過ぎず、ガイドchでガイドされるサービスは、別個の物理チャンネル、或いは、別個の物理チャンネルの任意のセグメントに収容されていてもよい。図15に、放送装置300が使用する周波数配置の一例を示す。図15に示すように、ある周波数帯域(物理チャンネルやセグメント)をガイドチャンネルとし、他の周波数帯域(物理チャンネルやセグメント)とサービスとの対応関係を示す周波数編成情報を放送する態様も含むものである。
【0053】
また、図1、図2に示した放送装置300は、光ファイバでTS信号を受ける構成で説明したが、放送装置300はこれに限定されず、例えば、受信用アンテナを設けて、これを用いて他の放送装置からRF信号を受信する中継装置やギャップフィラー装置として構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明が適用される受信装置およびこれに放送波を提供する放送装置から構成される放送システムの構成図である。
【図2】放送装置300のブロック図である。
【図3】放送装置300が送信するチャンネルのセグメント構成を示す図である。
【図4】本発明の一実施態様による受信装置のブロック図である。
【図5】ガイドchで放送しているデータ放送を表示した画面イメージを示す図である。
【図6】ガイドchで使用されるBML(Broadcast Markup Language)のソースコードの一例を示す図である。
【図7】ガイドchのデータ放送のデータに含まれるセグメントと番組名を関連付けた対応表である。
【図8】受信装置100が放送装置200のチャンネルから放送装置300のチャンネルへ切り替える第1の動作フローを示すフローチャートである。
【図9】受信装置100が放送装置200のチャンネルから放送装置300のチャンネルへ切り替える第2の動作フローを示すフローチャートである。
【図10】受信装置100が放送装置200のチャンネルから放送装置300のチャンネルへ切り替える第3の動作フローを示すフローチャートである。
【図11】、受信装置100が放送装置300のチャンネルから放送装置200のチャンネルへ切り替える第1の動作フローを示すフローチャートである。
【図12】受信装置100が放送装置300のチャンネルから放送装置200のチャンネルへ切り替える第2の動作フローを示すフローチャートである。
【図13】受信装置100が放送装置300のチャンネルから放送装置200のチャンネルへ切り替える第3の動作フローを示すフローチャートである。
【図14】ガイドchを選局して番組表を表示させるためのボタンが押下されたときの動作フローを示すフローチャートである。
【図15】放送装置300が使用する周波数配置の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
100 受信装置
110 制御部
120 チューナ部
130 復調部
140 音声デコーダ部
150 映像デコーダ部
160 データ放送デコーダ部
170 画面制御部
180 メモリ
190 入力部
DIS 画面表示部
SB システムバス
SP スピーカ
ANT アンテナ
200,300 放送装置
310A,310B,310Z chA信号受信部、chB信号受信部、chZ信号受信部
312A,312B,312Z TS信号受信部
314A,314B,314Z サービス情報抽出部
320 多重化処理部
330 変調部
340 送信部
350 ガイドch作成部
360 アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一のサービスを複数の物理周波数で放送しているデジタル放送システムのデジタル放送受信装置であって、
前記デジタル放送システムが放送している前記物理周波数と前記サービスとの対応関係を示す周波数編成情報を受信するための情報を格納する記憶部と、
デジタル放送を受信している際に、当該デジタル放送の受信品質が劣化すると、前記記憶部に格納されている情報に基づいて、前記周波数編成情報を放送しているデジタル放送を受信し、該受信したデジタル放送に含まれる該周波数編成情報から、前記受信品質が劣化したデジタル放送のサービスに相当するサービスを放送している物理周波数を検出し、該検出した物理周波数に基づいてデジタル放送を受信するように制御する制御部と、
を具えることを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデジタル放送受信装置において、
表示部をさらに具え、
前記制御部は、
前記周波数編成情報を放送しているデジタル放送を受信すると、該周波数編成情報に基づくサービス情報を前記表示部に表示するように制御する、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項3】
請求項2に記載のデジタル放送受信装置において、
前記制御手段が、
前記サービス情報を前記表示部に表示してから所定時間経過してもサービスが選択されない場合に限り、前記検出した物理周波数に基づいてデジタル放送を受信するように制御する、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のデジタル放送受信装置において、
前記複数の物理周波数の各々は、物理チャンネルである、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のデジタル放送受信装置において、
前記物理周波数の各々は、物理チャンネルとセグメントとを示す情報である、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項6】
同一のサービスを複数の物理周波数で放送しているデジタル放送システムのデジタル放送受信装置であって、
前記デジタル放送システムが放送している前記物理周波数と前記サービスとの対応関係を示す周波数編成情報を受信するための情報を格納する記憶部と、
表示部と、
前記記憶部に格納されている情報に基づいて、前記周波数編成情報を放送しているデジタル放送を受信し、該受信したデジタル放送に含まれる該周波数編成情報に基づくサービス情報を前記表示部に表示し、該表示しているサービスが選択されると、該選択したサービスに対応する物理周波数に基づいてデジタル放送を受信するように制御する制御部と、
を具えることを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項7】
請求項6に記載のデジタル放送受信装置において、
前記制御部が、
所定の物理周波数のデジタル放送を受信している際に、当該デジタル放送の受信品質が劣化すると、前記周波数編成情報を放送しているデジタル放送を受信し、当該デジタル放送に含まれる周波数編成情報から、前記所定の物理周波数のデジタル放送のサービスに相当するサービスを放送している物理周波数を検出し、該検出した物理周波数に基づいてデジタル放送を受信するように制御する、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項8】
請求項6に記載のデジタル放送受信装置において、
所定の物理周波数のデジタル放送を受信した際に、該所定の物理周波数を示す情報を一時的に記録する一時記憶部をさらに具え、
前記制御部が、
前記周波数編成情報に基づいて検出された物理周波数のデジタル放送を受信している際に、当該デジタル放送の受信品質が劣化すると、前記周波数編成情報に基づいて受信しているデジタル放送のサービスに相当するサービスを放送している物理周波数を検出して該検出した物理周波数に基づいてデジタル放送を受信し、前記相当するサービスを放送している物理周波数検出できなかった場合は、前記一時記憶部に記録された情報に示された前記所定の物理周波数に基づいてデジタル放送を受信するように制御する、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか1項に記載のデジタル放送受信装置において、
前記物理周波数の各々は、物理チャンネルである、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項10】
請求項6〜8のいずれか1項に記載のデジタル放送受信装置において、
前記物理周波数の各々は、物理チャンネルとセグメントとを示す情報である、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項11】
同一のサービスを複数の物理周波数で放送しているデジタル放送システムのデジタル放送受信装置であって、
前記デジタル放送システムが放送している前記物理周波数と前記サービスとの対応関係を示す周波数編成情報を受信するための情報を格納する記憶部と、
表示部と、
デジタル放送を受信している際に、前記記憶部に格納されている情報に基づいて前記周波数編成情報を放送しているデジタル放送を受信する指示を検出すると、該検出した指示に応じて、該周波数編成情報を放送しているデジタル放送を受信し、該受信したデジタル放送に含まれる該周波数編成情報に基づくサービス情報を前記表示部に表示するように制御する制御部と、
を具えることを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項12】
請求項11に記載のデジタル放送受信装置において、
前記物理周波数の各々は、物理チャンネルである、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項13】
請求項11に記載のデジタル放送受信装置において、
前記物理周波数の各々は、物理チャンネルとセグメントとを示す情報である、
ことを特徴とするデジタル放送受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−288989(P2008−288989A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−133123(P2007−133123)
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】