説明

ネガ露光用フォトマスク及びこれを用いて製造される光硬化型パターン

【課題】パターンの剥離なく光硬化型パターンを作製可能なネガ露光用フォトマスク、及びこれを用い作製した光硬化型パターンを提供する。
【解決手段】目的とするパターン24とダミーパターン25とを含むネガ露光用フォトマスク21であって、目的とするパターン24が開口部22と遮光部23からなり、該目的とするパターン24の少なくとも1つの辺に接するようにダミーパターン25を配置したネガ露光用フォトマスク21である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネガ露光用フォトマスク、該フォトマスクを用いたパターン形成方法及び該方法を用いて製造される光硬化型パターンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子素子間や配線基板間の高速・高密度信号伝送において、従来の電気配線による伝送では、信号の相互干渉や減衰が障壁となり、高速・高密度化の限界が見え始めている。これを打ち破るため電子素子間や配線基板間を光で接続する技術、いわゆる光インタコネクションが提案されており、これに用いるポリマー光導波路材の開発が盛んになされている。
【0003】
ポリマー光導波路材のなかでも、材料形態がドライフィルム状のものは取り扱い性や大面積化の点において優れており、例えば特許文献1及び特許文献2には感光性のドライフィルム状ポリマー光導波路材が提案されている。
ドライフィルム状ポリマー光導波路材の一般的な構成を図1に示す。ドライフィルム状ポリマー光導波路材1は、一般的に基材フィルム3上に樹脂ワニスを塗工・乾燥し、製膜して得られるコア層又はクラッド層になる感光性層2を有し、その上に保護フィルム(セパレーター)4を有するものであり、ロール状に巻き取られ製造される。このドライフィルム状ポリマー光導波路材を用いた光導波路の作製工程は、
(1)基板上への下部クラッド層形成用樹脂フィルムの貼り付けと下部クラッド層の硬化(図2(a))、
(2)下部クラッド層形成用樹脂フィルムにおける基材フィルムの剥離(図2(b))、
(3)下部クラッド層上へのコア層形成用樹脂フィルムの貼り付け(図2(c))、
(4)コアパターンの露光(図2(d))、
(5)コア層形成用樹脂フィルムにおける基材フィルムの剥離(図2(e))、
(6)現像(図2(f))、
(7)コアパターンを被覆するための上部クラッド層形成用樹脂フィルムの貼り付け及び硬化(図2(g))、
(8)上部クラッド層形成用樹脂フィルムにおける基材フィルムの剥離(図2(h))、
を含む工程で構成されるが、発明者らの検討では、(5)のコア層形成用樹脂フィルムの基材フィルム剥離工程で、基材フィルムを剥離する際にコアパターンも一緒に剥離してしまうという課題があった。
【0004】
これは、図3に示すようなフォトマスク、すなわち、目的とするパターン開口部22と遮光部23のみからからなるフォトマスク21を用いていたために、露光により形成したパターンが島状に孤立しており、特に光導波路のような幅数十μmの細線パターンでは、パターンの下面、すなわち下部クラッドとの密着が十分に取れない場合がある。このようなケースでは、基材フィルムの剥離に伴って必要とするパターンが剥離してしまう場合があった。
また、感光性の光導波路材としては、上述のドライフィルム状光導波路材以外に液状の光導波路材を用いる場合もあるが、この場合においても、フォトマスクの汚染防止、あるいはアクリル系材料では酸素による硬化阻害防止のため、感光性光導波路材上に酸素遮断用にカバーフィルムを設ける必要がある。この場合、カバーフィルムは上述の基材フィルムと同様、露光硬化後に剥離する必要があるため、カバーフィルムの剥離に伴って、必要とするパターンが剥離してしまう場合があった。
【0005】
【特許文献1】特開平6−258537号公報
【特許文献2】特開2006−22317号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑み、目的とするパターンの剥離がない光硬化型パターンを作製可能なネガ露光用フォトマスク、該フォトマスクを用いたパターン形成方法及び該方法を用いて製造される光硬化型パターンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、目的とするパターンに対してその一部に接するようにダミーパターンを設けることで、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、
[1]目的とするパターンとダミーパターンとを含むネガ露光用フォトマスクであって、目的とするパターンが開口部と遮光部からなり、該目的とするパターンの少なくとも1つの辺に接するようにダミーパターンを配置したネガ露光用フォトマスク、
[2]ダミーパターンの幅が目的とするパターンの開口部の幅の2倍以上であることを特徴とする上記[1]記載のネガ露光用フォトマスク、
[3]上記[1]又は[2]に記載のネガ露光用フォトマスクを用い、基材フィルム又はカバーフィルム付きの感光性樹脂組成物に、該基材フィルム又はカバーフィルムを介して所望のパターンを露光する工程及び露光後に該基材フィルム又はカバーフィルムを剥離する工程を有する光硬化型パターンの形成方法、
[4]上記[3]に記載の方法で得られる光硬化型パターン、及び
[5]前記光硬化型パターンが光導波路である上記[4]に記載の光硬化型パターン、
を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、目的とするパターンの剥離がない光硬化型パターンを製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明のフォトマスクは、目的とするパターンとダミーパターンとを含むネガ露光用フォトマスクであって、目的とするパターンの少なくとも1つの辺に接するようにダミーパターンを配置したことを特徴とする。以下、図4を用いて詳細に説明する。なお、ここでは、光硬化型パターンが光導波路コアパターンである場合を例として説明するが、活性光線の照射によって硬化し、パターンを形成する手法で製造し得る用途であれば適用することができるため、本発明の光硬化パターンは光導波路には限定されず、例えばエッチングレジスト、電気絶縁用レジスト、はんだレジストなどの各種レジストパターン、液晶用部材などにも適用できる。
【0010】
図4(a)は、本発明のフォトマスクを示す図である。本発明のフォトマスク21は、目的とするパターン(点線領域内、パターン領域24)とダミーパターン25とを含み、目的とするパターン(パターン領域24)は開口部22と遮光部23によって形成される。目的とするパターン(パターン領域24)とダミーパターン25は、目的とするパターン(パターン領域24)の少なくとも1つの辺にダミーパターン25が接するように配置されている。
このようなマスクパターンとすることで、図4(b)及び図4(c)に示すように、コアパターン32が周辺のパターン固定用の縁37によって保持されるため、光導波路コア層形成用樹脂フィルムの基材フィルム剥離時に、パターンが剥離してしまうという課題を解決できる。
すなわち、図4(b)のA−A’断面を図4(d)に示すが、基材フィルム36を剥離するに際し、コアパターン32は周辺のパターン固定用の縁37によって保持され、コアパターン32が基材フィルム36と供に剥離することがない。従って、図4(e)に現像後の断面図を示すように、下部クラッド層34上にコアパターン32を確実に配置することができる。
【0011】
パターン固定用の縁37の幅dは、所定のマスク寸法において必要なパターン露光用領域24を確保できる範囲内であれば特に限定されないが、形成するコアパターン32の幅に対して2倍以上あれば下部クラッド層34と大きな接触面積を確保できるため、十分な効果を得ることができる。この観点から縁の幅dはコアパターン32の幅に対して5倍以上であることがより好ましく、10倍以上であることがさらに好ましい。すなわち、フォトマスクにおいては、ダミーパターンの幅dが目的とするパターンを構成する開口部22の幅の2倍以上であることが好ましく、さらには5倍以上、特には10倍以上であることが好ましい。
【0012】
また、図4では、パターン領域24の4辺にダミーパターン25を設けた例を示したが、ダミーパターン25は、パターン領域24の少なくとも1辺、例えば図5(ダミーパターンを3辺に配置)、図6(同2辺に配置)、図7(同1辺に配置)に示すように配置されていればよい。この場合、露光後の基材フィルムの剥離は、設けたダミーパターン側のいずれかの側から行うことが目的とするパターンの剥離が起きにくく、好ましい。
さらに、図4(a)に示す例ではフォトマスクの外周までダミーパターンを設けているが、所望の幅を有していれば、図8に示すようにダミーパターンをフォトマスクの外周にかからないように設けてもよい。
【0013】
さらに、ダミーパターンは、図9に示すようにパターン領域24の内部に設けられていてもよく、この場合、より強固に目的とするパターンを固定できる。さらに、ダミーパターンは、図10に示すように目的とするパターンと接していれば、独立した形状でもよい。光導波路の作製では、コアパターン形成後に上部クラッド層を設けるが、図10のようにダミーパターンを独立した形状とすることで島状のコアパターンが形成でき、これにより空気の逃げ道が確保されるため、上部クラッド層形成時の気泡抜けがよくなり、不良発生を低減できるという効果がある。
【0014】
次に、本発明のフォトマスクを用いた光導波路の製造方法について、図2を用いて説明する。
まず、FR−4基板やポリイミド、シリコン、アルミニウム、銅などで構成される基板11上に、保護フィルムが存在する場合には保護フィルムを剥離後、下部クラッド層形成用樹脂フィルムの基材フィルム面を上面にし、該基板上に加熱圧着することにより、下部クラッド層形成用樹脂フィルムを積層する。ここで、密着性及び追従性の見地から減圧下で積層することが好ましい。また、該フィルムの加熱温度は50〜130℃とすることが好ましく、圧着圧力は、0.1〜1.0MPa(1〜10kgf/cm2)程度とすることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。次いで、下部クラッド層形成用樹脂フィルムを光又は加熱により硬化して下部クラッド層12を得る(図2(a)参照)。
【0015】
次に、下部クラッド層形成用樹脂フィルムの基材フィルム16を剥離した後(図2(b)参照)、屈折率の高いコア層形成用樹脂フィルムを上述の下部クラッド層形成用樹脂フィルムと同様の方法で積層する(図2(c)参照)。次いで、本発明のフォトマスク、すなわち目的とするパターンの周辺部のうち少なくとも1つの辺に接するようにダミーパターンを配置したフォトマスク21を用い、コア層形成用樹脂フィルムの基材フィルム17を介して活性光線を画像状に照射、露光する(図2(d)参照)。活性光線の光源としては、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射する公知の光源が挙げられる。
【0016】
続いて必要であれば露光後加熱処理を行った後、コア層形成用樹脂フィルムの基材フィルム17を剥離する(図2(e)参照)。本発明のフォトマスクを使用した場合には、この基材フィルム17を剥離する段階で、基材フィルム17に伴って目的とするコアパターン14が剥離することがない。
なお、この基材フィルム17を剥離するに際し、必要に応じ、加熱条件下で該基材フィルム17を剥がしてもよい。
【0017】
次いで、ウェット現像等で未露光部を除去して現像し(図2(f)参照)、コアパターン14を形成する。ウェット現像の場合は、フィルムの組成に適した現像液を用いて、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により現像するが、スプレー方式が解像度向上のためには適している。
また、現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.1〜1000mJ/cm2程度の露光を行うことにより、コアパターン14をさらに硬化して用いてもよい。
【0018】
この後、コアフィルムより屈折率の低い上部クラッド形成用樹脂フィルムを上述の下部クラッド形成用樹脂フィルムと同様な方法で積層、硬化し(図2(g)参照)、上部クラッド層形成用樹脂フィルムの基材フィルムを剥離する(図2(h)参照)。この後、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.1〜1000mJ/cm2程度の露光を行うことにより、上部クラッド層をさらに硬化してもよい。
【0019】
本発明のフォトマスクを用い、以上のようなプロセスで光導波路を作製することで、コア層形成用樹脂フィルムにおける基材フィルムを剥離する際にも、コアパターンが剥離することなく、目的の光導波路を簡便に作製することができる。
【0020】
本発明のフォトマスクは、感光性の光導波路材として、液状の光導波路材を用いる場合も好適に使用することができる。この場合には、上述の各クラッド層形成用樹脂フィルム及びコア層形成用樹脂フィルムに代えて、液状の光導波路材を用いることになる。この態様では液状の光導波路材を塗布、乾燥させた後に汚染防止や酸素による硬化阻害防止のためカバーフィルムを設ける。該カバーフィルムは露光硬化後に剥離する。従って、コア層を形成するステップでは、具体的には以下のような態様になる。
すなわち、下部クラッド層を形成した後に、屈折率の高いコア層形成用樹脂溶液を塗布・乾燥し、その上にカバーフィルムを設ける。該カバーフィルムの上に本発明のフォトマスクを積層し、該カバーフィルムを介して活性光線を画像状に照射、露光する。続いて必要に応じて加熱処理を行った後、該カバーフィルムを剥離する。本発明のフォトマスクを使用した場合には、カバーフィルムを剥離する段階で、カバーフィルムに伴って目的とするコアパターンが剥離することがない。
【実施例】
【0021】
以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。
【0022】
実施例1
(ワニスの調合)
第1表に示す配合にて、コア層及びクラッド層用樹脂組成物を用意し、これに溶剤としてエチルセロソルブを全量に対して40質量部加え、コア層用及びクラッド層用樹脂ワニスを調合した。
【0023】
【表1】

【0024】
*1 フェノトートYP−70;東都化成(株)製、ビスフェノールA/ビスフェノールF共重合型フェノキシ樹脂
*2 A−BPEF;新中村工業(株)製、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン
*3 EA−1020;新中村工業(株)製、ビスフェノールA型エポキシアクリレート
*4 KRM−2110;新中村工業(株)製、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート
*5 イルガキュア819;チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド
*6 イルガキュア2959;チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン
*7 SP−170;旭電化工業(株)製、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩
【0025】
(光導波路形成用脂フィルムの作製)
基材フィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:コスモシャインA4100、東洋紡績(株)製、厚さ:50μm)を用い、これの非処理面上に塗工機(マルチコーターM−200、(株)ヒラノテクシード製)を用いてクラッド用樹脂ワニスを塗布し、80℃、10分、その後100℃、10分乾燥し、クラッド層形成用樹脂フィルムを作製した。
また、同様にしてコア用樹脂ワニスをポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:コスモシャインA1517、東洋紡績(株)製、厚さ:16μm)の非処理面に作製し、コア層形成用樹脂フィルムを得た。このとき樹脂層の厚さは、塗工機のギャップを調節することで、任意に調整可能であり、本実施例では硬化後の膜厚が、下部クラッド層20μm、上部クラッド層70μm、コア層50μmとなるように調節した。
【0026】
(光導波路の作製)
FR−4基板(商品名:MCL−E−679F、日立化成工業(株)製)上に、真空加圧式ラミネータ((株)名機製作所製、MVLP−500)を用い、圧力0.4MPa、温度50℃、加圧時間30秒の条件にて下部クラッド層形成用樹脂フィルムを基材フィルムが上面になるようにラミネートし、紫外線露光機((株)オーク製作所製、EXM−1172)にて紫外線(波長365nm)を300mJ/cm2照射し、さらに80℃で10分加熱し、下部クラッド層形成用樹脂フィルムを光硬化した(図2(a)参照)。
【0027】
次に、下部クラッド層形成用樹脂フィルムの基材フィルムを剥離した後(図2(b)参照)、この下部クラッド層上に、下部クラッド層形成用樹脂フィルムの積層と同様な条件にてコア層形成用樹脂フィルムをラミネートした(図2(c)参照)。続いて図4(a)に示すような、パターン露光用領域(パターン領域24)の周辺部にマスク開口部(ダミーパターン25)を設けたネガ型フォトマスクを用い、コア層形成用樹脂フィルムの基材フィルムを介して、上記紫外線露光機にて紫外線(波長365nm)を1000mJ/cm2照射した(図2(d)参照)。直後に後露光加熱(PEB)を80℃で5分し、コア形成用樹脂フィルムの基材フィルムを剥離した(図2(e)参照)。
ここで用いたネガ型フォトマスクは、目的とするパターン開口部22の幅が50μm、遮光部23の幅が200μm、パターン領域24の縦125mm、横125mm、及びダミーパターン(開口部)25の幅dが1mmである。
【0028】
続いてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとN,N−ジメチルアセトアミドの8対2質量比混合溶剤にて、コアパターンを現像した(図2(f)参照)。現像液の洗浄には、イソプロピルアルコールを用いた。
次いで、下部クラッド層形成用樹脂フィルムと同様なラミネート条件にて上部クラッド層形成用樹脂フィルムをラミネートし(図2(g)参照)、上記紫外線露光機にて紫外線(波長365nm)を1000mJ/cm2照射した。その後、上部クラッド層形成用樹脂フィルムの基材フィルムを剥離し(図2(h)参照)、最後に160℃で1時間加熱処理を行い、光導波路を作製した。
【0029】
なお、コア層及びクラッド層の屈折率をMetricon社製プリズムカプラー(Model2010)で測定したところ、波長830nmにて、コア層が1.584、クラッド層が1.550であった。
【0030】
このように作製した光導波路は、コア層形成用樹脂フィルムの基材フィルム剥離時において、全コア本数120本のうち、剥離は1本もなかった。また、作製した光導波路の伝搬損失を、光源に850nmの面発光レーザー((EXFO社製、FLS−300−01−VCL)を、受光センサに(株)アドバンテスト製、Q82214を用い、カットバック法(測定導波路長5、3、2cm、入射ファイバ;GI−50/125マルチモードファイバ(NA=0.20)、出射ファイバ;SI−114/125(NA=0.22))により測定したところ、0.09dB/cmであった。
【0031】
比較例1
実施例1において、ネガ型フォトマスクとして、図3に示すような、パターン領域24の周辺部にマスク開口部を設けていないフォトマスクを用いたこと以外は、実施例1と同様に光導波路を作製した。その結果、伝搬損失は0.09dB/cmと同様であったものの、コア層形成用樹脂フィルムの基材フィルム剥離時において、全コア本数120本のうち、10本の剥離が生じた。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明によれば、パターンの剥離なく光硬化型パターンを製造できるため、光導波路、エッチングレジスト、電気絶縁用レジスト、はんだレジストなどの各種レジストパターン、液晶用部材などに適用が可能である。特に光導波路のような幅数十μmの細線パターンでは、パターンとその下面との密着性が不十分になりやすく、基材フィルム剥離時に必要とするパターンが基材フィルムと共に剥離しやすいため、本発明は特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】ドライフィルム状光導波路材を説明する図である。
【図2】ドライフィルム状光導波路材を用いた光導波路の製造方法を説明する図である。
【図3】従来のフォトマスクを説明する図である。
【図4】本発明のフォトマスク及びこれを用いて形成されるコア層パターンを説明する図である。
【図5】本発明のフォトマスクを説明する図である。
【図6】本発明のフォトマスクを説明する図である。
【図7】本発明のフォトマスクを説明する図である。
【図8】本発明のフォトマスクを説明する図である。
【図9】本発明のフォトマスクを説明する図である。
【図10】本発明のフォトマスクを説明する図である。
【符号の説明】
【0034】
1;ドライフィルム状光導波路材
2;感光性層(コア層又はクラッド層)
3;基材フィルム
4;保護フィルム(セパレーター)
11;基板
12;下部クラッド層
13;コア層
14;コアパターン
15;上部クラッド層
16、17、18;基材フィルム
21;フォトマスク
22;目的とするパターン開口部
23;遮光部
24;パターン領域
25;ダミーパターン(開口部)
31;光導波路
32;コア層露光部(コアパターン)
33;コア層未露光部
34;クラッド層
35;基板
36;基材フィルム
37;コアパターン固定用の縁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的とするパターンとダミーパターンとを含むネガ露光用フォトマスクであって、目的とするパターンが開口部と遮光部からなり、該目的とするパターンの少なくとも1つの辺に接するようにダミーパターンを配置したネガ露光用フォトマスク。
【請求項2】
ダミーパターンの幅が目的とするパターンの開口部の幅の2倍以上であることを特徴とする請求項1記載のネガ露光用フォトマスク。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のネガ露光用フォトマスクを用い、基材フィルム又はカバーフィルム付きの感光性樹脂組成物に、該基材フィルム又はカバーフィルムを介して所望のパターンを露光する工程及び露光後に該基材フィルム又はカバーフィルムを剥離する工程を有する光硬化型パターンの形成方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法で得られる光硬化型パターン。
【請求項5】
前記光硬化型パターンが光導波路である請求項4に記載の光硬化型パターン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−122897(P2008−122897A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−13934(P2007−13934)
【出願日】平成19年1月24日(2007.1.24)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】