説明

ハンドパペットマニピュレーションシステム

【課題】従来ハンドパペットを人の手で操っていた方法を自動化制御システムで代替するハンドパペットマニピュレーションシステムを提供する。
【解決手段】ハンドパペットマニピュレーションシステム100は、制御モジュール110とパペット操作装置120とを備える。パペット操作装置120は、ベース122と、ベース122上に設けられ、第1のハンドパペットの胴体と接続され、制御信号を基にベースに対して胴体を制御する身体制御機構121と、身体制御機構121に配置され、第1のハンドパペットの頭部に接続され、制御信号を基に胴体に対して頭部を曲げ、ベースと結ぶ線が胴体の延伸方向である頭部制御機構123と、身体制御機構121に設けられ、頭部制御機構123の両側にそれぞれ配置され、第1のハンドパペットの手部にそれぞれ接続され、制御信号を基に手部を制御し、胴体に対して回転させる1対の手部制御機構とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動化制御システムに関し、特にハンドパペットの操作に用いる自動化制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パペット劇(「布袋劇」とも呼ぶ)は、台湾で非常に人気のある伝統芸能である。パペット劇では、操り人形師が手をハンドパペットの中に入れて操り、ハンドパペットに様々な動作を行わせるとともに、台詞および効果音を組合わせて躍動感溢れる演出を行う。さらに近年のデジタル技術の発展により、デジタル画像舞台の音と光の効果をパペット劇に組合せて変化に富んだ演出を行うことができるようなってきた。
【0003】
従来、ハンドパペットの操作は、ハンドパペットを操る操り人形師の手に負う部分が大きく、同じ劇に多数のハンドパペットが同時に登場する場合、操り人形師が多人数必要となり、劇を行うために必要な空間が狭くなり、舞台効果に対して悪い影響を与えることがあった。
【0004】
現在の自動化制御技術は日増しに成熟しており、自動化制御の技術によりハンドパペットを制御するには、上述のハンドパペットの制限を突破することができるだけでなく、ハンドパペットの新たな表現方法を創造し、伝統芸能をさらに発展させることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、自動化制御または半自動化制御により機械を制御し、ハンドパペットを制御することが可能なハンドパペットマニピュレーションシステムを提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、従来ハンドパペットを人の手で操っていた方法を自動化制御システムで代替するハンドパペットマニピュレーションシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によれば人の手の運動状態を基に複数の制御信号を生成させる制御モジュールと、第1のハンドパペットの中に装着し、前記制御モジュールと電気的に接続されたパペット操作装置と、を備えるハンドパペットマニピュレーションシステムであって、前記パペット操作装置は、ベースと、前記ベース上に設けられ、前記第1のハンドパペットの胴体と接続され、前記制御信号を基に前記ベースに対して前記胴体を制御する身体制御機構と、前記身体制御機構に配置され、前記第1のハンドパペットの頭部に接続され、前記制御信号を基に前記胴体に対して前記頭部を曲げ、前記ベースと結ぶ線が前記胴体の延伸方向である頭部制御機構と、前記身体制御機構に設けられ、前記頭部制御機構の両側にそれぞれ配置され、前記第1のハンドパペットの手部にそれぞれ接続され、前記制御信号を基に前記手部を制御し、前記胴体に対して回転させる1対の手部制御機構と、を含むハンドパペットマニピュレーションシステムが提供される。
【0007】
また、前記身体制御機構は、前記制御信号を基に前記ベースに対して前記胴体を回転させ、前記ベースに接続された腰捻りモータを有することが好ましい。
【0008】
また、前記身体制御機構は、前記制御信号を基に前記胴体を回転させ、前記胴体と前記ベースとのなす角度を変化させ、前記ベースと前記頭部制御機構との間に配置された腰曲用モータをさらに備えることが好ましい。
【0009】
また、前記頭部制御機構は、前記制御信号を基に前記頭部を回転させ、前記頭部と前記胴体とのなす角度を変化させ、前記身体制御機構と接続された頭部モータを有することが好ましい。
【0010】
また、各前記手部制御機構は、前記制御信号を基に前記胴体に対して前記手部を回転させ、前記身体制御機構と接続された第1の肩部モータを有することが好ましい。
【0011】
また、前記手部制御機構は、前記制御信号を基に前記手部制御機構を回転させ、前記手部と前記胴体とのなす角度を変化させ、前記身体制御機構と接続された第2の肩部モータをさらに備えることが好ましい。
【0012】
また、各前記手部制御機構は、リンク部材により前記手部に当接された肘部回転部材と、前記第2の肩部モータに接続され、肘部回転軸を有し、前記肘部回転軸により前記肘部回転部材と枢着され、前記制御信号を基に前記肘部回転部材を回転させ、前記肘部回転部材とのなす角度を変化させる肘部モータと、を有する肘部回転機構をさらに備えることが好ましい。
【0013】
また、弾性構造部は、前記リンク部材と前記肘部回転部材との間に固定された弾性構造部をさらに有することが好ましい。
【0014】
また、前記制御モジュールはデータグローブであり、前記データグローブは、3つの指サックを有し、手を入れることが可能なグローブ体と、前記指サックにそれぞれ配置され、手の指が曲がるときの前記指サックの複数の屈曲角度を検出することが可能な5つのセンサと、前記グローブ体に配置され、腕が回転されるときに前記グローブ体の傾斜角度を検出する傾斜センサと、前記グローブ体に配置され、腕が回転されるときに前記グローブ体の回転角度を検出する回転センサと、前記センサ、前記傾斜センサおよび前記回転センサと電気的に接続され、前記屈曲角度、前記傾斜角度および前記回転角度を前記制御信号に変換する変換モジュールと、を含むことが好ましい。
【0015】
また、前記指サックのそれぞれは、指の隣接した2つの指関節にそれぞれ嵌める第1の領域および第2の領域を有し、前記指サックは、親指サック、人差し指サックおよび中指サックであり、前記センサは、それぞれ前記親指サックの前記第1の領域、前記親指サックの第2の領域、前記人差し指サックの前記第1の領域、前記中指サックの前記第1の領域および前記中指サックの前記第2の領域にそれぞれ配置されることが好ましい。
【0016】
また、前記センサは、抵抗センサ、光ファイバセンサまたは圧電センサであることが好ましい。
【0017】
また、前記回転センサはジャイロであることが好ましい。
【0018】
また、前記制御モジュールは、人の手により制御された第2のハンドパペットの複数の画像をキャプチャする撮影装置と、前記画像中の前記第2のハンドパペットの頭部および両手の相対位置を検出する位置決めモジュールと、前記画像の前記相対位置を基に、各指の少なくとも1つの変異を演算する移動平均演算モジュールと、前記変異を基に前記制御信号を演算する逆演算モジュールと、を有することが好ましい。
【0019】
また、前記制御モジュールは、前記制御信号を複数の動作パケットとして記録する記録モジュールと、前記記録モジュールと電気的に接続し、前記動作パケットを編集する編集モジュールと、前記編集モジュールおよび前記パペット操作装置と電気的に接続され、編集した後の前記動作パケットを前記パペット操作装置へ伝送する出力モジュールと、をさらに有することが好ましい。
【0020】
また、前記編集モジュールは、前記動作パケットの時間順序を編集する複数の動作トラックを有するタイミング編集装置を含むことが好ましい。
【0021】
また、前記タイミング編集装置は、少なくとも1つの音声信号を編集する音声トラックを有することが好ましい。
【0022】
また、本発明の第2の形態によれば、データグローブと、ハンドパペット中に装着し、変換モジュールと電気的に接続されたパペット操作装置と、を備えるハンドパペットマニピュレーションシステムであって、前記データグローブは、第1の領域および第2の領域をそれぞれ有し、指の隣接した2つの指関節に嵌める複数の指サックを有するグローブ体と、前記指サックの前記第1の領域および前記第2の領域にそれぞれ配置され、前記指サックの複数の屈曲角度を検出することが可能な多くとも5つのセンサと、前記グローブ体に配置され、前記グローブ体の回転角度を検出する回転センサと、前記センサおよび前記回転センサと電気的に接続され、前記屈曲角度を頭部制御信号、複数の左手制御信号および複数の右手制御信号に変換し、前記回転角度を腰捻用制御信号に変換する変換モジュールと、を含み、前記パペット操作装置は、前記ハンドパペットの胴体に接続され、前記腰捻用制御信号を基に、前記ベースに対して前記胴体を回転させ、ベース上に配置される身体制御機構と、前記身体制御機構上に設けられ、前記ハンドパペットの頭部と接続され、前記頭部制御信号を基に、前記胴体に対して前記頭部を曲げる頭部制御機構と、前記ハンドパペットの左手と接続され、前記左手制御信号を基に制御し、前記胴体に対して前記左手を回転させる左手制御機構と、前記ハンドパペットの右手と接続され、前記右手制御信号を基に制御し、前記胴体に対して前記右手を回転させる右手制御機構と、を含み、前記左手制御機構および前記右手制御機構は、前記身体制御機構にそれぞれ配置され、前記頭部制御機構の両側にそれぞれ配置されるハンドパペットマニピュレーションシステムが提供される。
【0023】
また、前記指サックは、親指サック、人差し指サックおよび中指サックを含み、前記センサは、前記親指サックの前記第1の領域および前記第2の領域と、前記人差し指サックの前記第1の領域と、前記中指サックの前記第1の領域および前記第2の領域とにそれぞれ配置されることが好ましい。
【0024】
また、制御モジュールは、前記グローブ体の傾斜角度を検出することが可能な前記グローブ体に配置された傾斜センサをさらに備え、前記変換モジュールは、前記傾斜角度を腰曲用制御信号に変換することが好ましい。
【0025】
また、前記制御モジュールは、前記グローブ体の移動加速度を検出することが可能な前記グローブ体に配置された加速度センサをさらに備えることが好ましい。
【0026】
また、本発明の第3の形態によれば、モーションキャプチャモジュールと、変異を基に制御信号を演算する逆演算モジュールと、第2のハンドパペットの中に装着され、前記モーションキャプチャモジュールと電気的に接続されたパペット操作装置と、を備えるハンドパペットマニピュレーションシステムにおいて、前記モーションキャプチャモジュールは、人の手により制御される第1のハンドパペットの複数の画像をキャプチャする撮影装置と、前記画像の前記第1のハンドパペットの頭部と両手との間の複数の相対位置を検出することが可能な位置決めモジュールと、前記相対位置を基に指の変異を演算する移動平均演算モジュールと、を含み、前記パペット操作装置は、前記第2のハンドパペットの胴体と接続され、前記ベースに対して前記胴体を回転させ、ベース上に配置された身体制御機構と、前記身体制御機構に配置され、前記第2のハンドパペットの頭部に接続され、前記制御信号を基に制御して前記胴体に対して前記頭部を曲げる頭部制御機構と、前記第2のハンドパペットの左手と接続され、前記制御信号を基に前記胴体に対して前記左手を回転させる左手制御機構と、前記第2のハンドパペットの右手と接続され、前記制御信号を基に前記胴体に対して前記右手を回転させる右手制御機構と、を含み、前記左手制御機構および前記右手制御機構は、前記身体制御機構にそれぞれ配置され、前記頭部制御機構の両側にそれぞれ配置されるハンドパペットマニピュレーションシステムが提供される。
【0027】
また、前記相対位置は、各前記画像それぞれの親指、人差し指、中指の間の相対位置であることが好ましい。
【0028】
また、変換モジュールは、前記親指の屈曲角度を少なくとも1つの左手制御信号に変換し、前記中指の屈曲角度を少なくとも1つの右手制御信号に変換し、前記人差し指の屈曲角度を頭部制御信号に変換することが好ましい。
【発明の効果】
【0029】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ユーザは制御モジュールを利用してパペット操作装置を遠隔制御し、データグローブのグローブ体または指サックを曲げたり回転させたりすることにより、パペット操作装置を制御し、パペットに所定の動作(例えば、頷く、振り返る、手を組む、お辞儀などの動作)を行わせることができる。そのため、本発明のハンドパペットマニピュレーションシステムは、操り人形師が現場でハンドパペットの中に手を入れて操作する替わりに、パペット操作装置をハンドパペットの中に装着して操作することにより、自動化制御を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0031】
図1および図2を参照する。図1は、本発明の一実施形態によるハンドパペットマニピュレーションシステム100を示すブロック図である。図2は、本発明の一実施形態によるハンドパペット130およびパペット操作装置120を示す斜視図である。ハンドパペットマニピュレーションシステム100は、互いに電気的に接続された制御モジュール110およびパペット操作装置120を含む。制御モジュール110は、手の動きまたは手により制御されたハンドパペット130のポーズに基づいて制御信号を生成し、この制御信号をパペット操作装置120に送信する。このパペット操作装置120は、ハンドパペット130の中に装着させることができる。また、パペット操作装置120は、制御信号に基づいてその上にある関節を駆動し、手の運動状態をシミュレーションし、ハンドパペット130の操作により、人の手で操るような様々なポーズを演出することができる。
【0032】
ハンドパペットマニピュレーションシステム100の制御モジュール110は、主に操り人形師の手の動きをパペット操作装置120の制御信号に変換し、パペット操作装置120へ送信するために用いられる。制御モジュール110は、手の動きの過程または手でハンドパペットを操る過程において生成される関連する物理量の変化をキャプチャするために用いるデータグローブ111およびモーションキャプチャモジュール113を含む。当該技術に習熟した者であれば分かるように、従来の科学技術には手の動きをキャプチャするために用いる装置が多種類あるが、本実施形態ではデータグローブ111およびモーションキャプチャモジュール113を例に説明する。制御モジュール110は、物理量のサイズまたは時間の修正または編集を行うために用いる動作編集装置115を含む。続いて、物理量を制御信号に変換し、制御モジュール110の出力端子119からパペット操作装置120の入力端子129へ送信される。制御信号は、それぞれパペット操作装置120の各部位を制御する胴体制御信号、頭部制御信号、左手制御信号、右手制御信号などを含む。これら制御信号に関しては以下詳述する。
【0033】
従来、操り人形師の手は、ハンドパペット130の中に入れられていたが、本実施形態では、手をハンドパペット130の中に入れる替わりにパペット操作装置120が入れられている。パペット操作装置120は、身体制御機構121と、頭部制御機構123と、左手制御機構125および右手制御機構127を含む1対の手部制御機構とを含む。
【0034】
身体制御機構121は、パペット操作装置120のベース122上に固定され、ハンドパペット130の胴体131に接続されている。当該技術分野における通常の知識を有する者であれば分かるように、ハンドパペット130の胴体131は、布製グローブのような装置からなるものがほとんどである。身体制御機構121は、ハンドパペット130の胴体131内に装着されている。パペット操作装置120が制御信号を受信すると、この制御信号に基づいて身体制御機構121が胴体131を制御し、ベース122に対して胴体131を回転させる。これにより、ハンドパペット130に振り返る動作または腰を捻る動作を行わせることができる。
【0035】
頭部制御機構123は、身体制御機構121に配置され、ハンドパペット130の頭部133に接続されている。一般に、ハンドパペット130の頭部133は、操り人形師の指(例えば、人差し指など)を入れることができるように中空となっている。頭部制御機構123は、制御信号に基づいてハンドパペット130の頭部133を制御し、胴体131に対して頭部133を曲げることができる。これにより、ハンドパペット130に、頷きや上を見上げる動作をさせることができる。
【0036】
手部制御機構(即ち、左手制御機構125および右手制御機構127)は、身体制御機構121上に配置され、頭部制御機構123の両側にそれぞれ配置されている。左手制御機構125は、ハンドパペット130の左手135に接続され、右手制御機構127は、ハンドパペット130の右手137に接続されている。さらに詳細には、ハンドパペット130の左手135および右手137は、操り人形師の指(例えば、中指、親指など)を入れることができるように中空となっているが、本実施形態では、左手制御機構125および右手制御機構127が、ハンドパペット130の左手135および右手137の中空部にそれぞれ配置されている。制御信号がパペット操作装置120に伝達されると、左手制御機構125および右手制御機構127は、制御信号に基づいてハンドパペット130の両手をそれぞれ制御し、胴体131に対してハンドパペット130の左手135または右手137を曲げることができる。これにより、ハンドパペット130に手を振る動作、腕を上げる動作などを行わせることができる。
【0037】
以下、パペット操作装置120の細部構造およびその作動方法について説明する。図2および図3を同時に参照する。図3は、本発明の一実施形態によるパペット操作装置120を示す斜視図である。
【0038】
パペット操作装置120の身体制御機構121は、ハンドパペット130の胴体131の回転動作(例えば、腰を捻る動作、振り返る動作など)を行う腰捻り機構210を含む。この腰捻り機構210は、腰捻り回転軸212、腰捻り回転部材214および腰捻りモータ216の3つの構成要素を含む。腰捻り回転軸212は、胴体131の延伸方向に沿って、腰捻りモータ216上に配置されている。ここで、胴体131の延伸方向とは、頭部制御機構123とベース122とを結ぶ線に沿った方向を指す。腰捻り回転部材214は、腰捻り回転軸212と係合されている。腰捻りモータ216は、制御信号中の腰を捻る制御信号に基づいて作動し、腰捻り回転軸212を中心にして腰捻り回転部材214を回転させることができる。本実施形態では、腰捻りモータ216がベース122上に固定されている。腰捻り回転軸212は、胴体131の延伸方向に対して平行であるため、ハンドパペット130の胴体131が腰捻り回転部材214により回転され、振り返る動作を行うことができる。
【0039】
身体制御機構121は、ハンドパペット130の胴体131を曲げる動作(例えば、腰を曲げる動作など)を行う1組の腰曲げ機構220をさらに含む。腰曲げ機構220の腰曲用モータ226は、ベース122と頭部制御機構123との間に配置されている。腰曲用モータ226は、腰捻り機構210の腰捻り回転部材214上に配置されてもよい。本実施形態では、腰捻り機構210の腰捻り回転部材214は、腰曲用モータ226でもある。腰曲げ回転軸222は、腰曲用モータ226に配置されている。腰曲げ回転軸222の軸方向は、腰捻り回転軸212の軸方向に対して非平行である。本実施形態では、腰曲げ回転軸222の軸方向は、腰捻り回転軸212の軸方向に対して垂直である。つまり、腰曲げ回転軸222の軸方向は、胴体131の延伸方向に対して垂直である。腰曲げ回転部材224は、腰曲げ回転軸222に接続されている。制御信号を受信した後、腰曲用モータ226は、腰曲用制御信号に基づき、腰曲げ回転軸222を中心に、ベース122に対して腰曲げ回転部材224を回転させることができる。腰曲げ回転軸222は、胴体131の延伸方向に対して垂直であり、腰曲げ回転部材224が回転して腰曲げ回転部材224とベース122とのなす角度が変化すると、ベース122に対して胴体131を曲げ、腰を曲げるような動作を行うことができる。
【0040】
パペット操作装置120の頭部制御機構123は、主にハンドパペット130の頭部133を動かし、頷いたり上を見上げる動作を行う。この目的を達成するために、頭部制御機構123の中には頭部回転機構230が設けられている。この頭部回転機構230は、頭部回転軸232、頭部回転部材234および頭部モータ236を含む。頭部モータ236は、身体制御機構121の腰曲げ機構220の腰曲げ回転部材224に固定されている。頭部回転軸232は、頭部モータ236の中に配置されている。頭部回転軸232の軸方向は、腰曲げ回転軸222の軸方向に対して平行であり、腰捻り回転軸212の軸方向に対して非平行である。本発明の一実施形態において、頭部回転軸232の軸方向は、腰捻り回転軸212の軸方向に対して垂直である(即ち、胴体131の延伸方向に対して垂直である)。頭部回転部材234は、頭部回転軸232に接続されている。制御信号を受信した後、頭部モータ236は、頭部制御信号に基づいて作動し、頭部回転軸232を介し、頭部回転軸232を中心にして頭部回転部材234を回転させる。頭部回転軸232により、頭部回転部材234が回転すると、頭部回転部材234と身体制御機構121とのなす角度を変化させることにより、胴体131に対してハンドパペット130を曲げ、俯いたり上を見上げる動作を行う。
【0041】
パペット操作装置120の左手制御機構125および右手制御機構127の主な動作には、以下の3ステップが含まれる。ハンドパペット130の左手135および右手137を動かし、肩関節の回転動作、肩関節の屈曲動作および肘の屈曲動作を行う。本実施形態では、上述の動作を行うために、左手制御機構125および右手制御機構127の中にそれぞれ3組の回転機構が配置されている。右手制御機構127の構成は、左手制御機構125と全く同じであるため、以下では左手制御機構125だけを例に説明する。
【0042】
まず、肩関節の回転動作装置について説明する。左手制御機構125には、第1の肩部回転機構240が配置されている。第1の肩部回転機構240の第1の肩部モータ246は、腰曲げ機構220の腰曲げ回転部材224上に固定され、第1の肩部回転軸242は、第1の肩部モータ246に配置されている。第1の肩部回転部材244は、第1の肩部回転軸242と係合され、第1の肩部モータ246と接続されている。
【0043】
第1の肩部回転軸242は、手部の延伸方向に沿って配置されている。ここで、手部の延伸方向とは、身体制御機構121が接続された左手制御機構125の一方の端部から左手制御機構125の他方の端部への方向を指し、これは頭部制御機構123から左手制御機構125へ線でつないだ方向と見なしてもよい。さらに詳細には、第1の肩部回転軸242の軸方向は、腰捻り回転軸212の軸方向に対して非並行である。本実施形態において、第1の肩部回転軸242は、腰捻り回転軸212の軸方向に対して垂直である(即ち、第1の肩部回転軸242は、胴体131の延伸方向に対して垂直である)。本実施形態では、第1の肩部回転軸242の軸方向は、頭部回転軸232の軸方向に対して水平である。第1の肩部モータ246が左手制御信号に基づいて作動した場合、第1の肩部モータ246は、第1の肩部回転軸242を中心として第1の肩部回転部材244を回転させ、ハンドパペット130の左手135の肩を胴体131に対して回転させることができる。
【0044】
続いて、肩関節の屈曲動作を行う機構について説明する。左手制御機構125は、第2の肩部回転機構250を含む。第2の肩部回転機構250は、第2の肩部回転軸252、第2の肩部モータ256および第2の肩部回転部材254を含む。第2の肩部回転軸252は、第2の肩部モータ256に配置され、第2の肩部回転軸252の軸方向は、手部の延伸方向または第1の肩部回転軸242の軸方向に対して非平行である。本実施形態では、第2の肩部回転軸252の軸方向は、手部の延伸方向に対して垂直であるとともに、第1の肩部回転軸242の軸方向に対して垂直である。
【0045】
第2の肩部回転部材254は、第2の肩部回転軸252に接続され、第2の肩部回転軸252を介して第2の肩部モータ256に枢着されている。本実施形態では、第2の肩部回転部材254は、第1の肩部回転部材244に固定されている。ここで、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば分かるように、実際の必要に応じて構成要素間の配置を変えても作動後の結果に影響を与えることはない。例えば、第2の肩部回転部材254および第2の肩部モータ256のうちの1つは、第1の肩部回転部材244、第1の肩部モータ246または身体制御機構121のいずれの構成要素と固定されてもよい。
【0046】
第2の肩部回転機構250が作動すると、第2の肩部モータ256は、左手制御信号に基づいて第2の肩部回転部材254を動かす。第2の肩部モータ256と第2の肩部回転部材254とは、第2の肩部回転軸252を介して互いに枢着されているため、第2の肩部回転部材254は、第2の肩部回転軸252を中心に回転し、第2の肩部回転部材254と第2の肩部モータ256とのなす角度が変化する。上述したように、本実施形態では、第2の肩部回転部材254が第1の肩部回転部材244に固定されているため、第2の肩部回転部材254が回転すると、第2の肩部回転部材254と第1の肩部モータ246とのなす角度と、第2の肩部回転部材254と身体制御機構121とのなす角度とが変化する。このように、第2の肩部回転機構250は、ハンドパペット130の左手135を動かし、肩を中心に胴体131に対して左手135を曲げる動作を行うことができる。
【0047】
最後に肘関節を曲げる動作について説明する。左手制御機構125には、肘部回転軸262、肘部回転部材264および肘部モータ266を含む肘部回転機構260が配置されている。肘部モータ266に配置された肘部回転軸262の軸方向は、第1の肩部回転軸242の軸方向に対して非平行である。本実施形態では、肘部回転軸262の軸方向は、第1の肩部回転軸242の軸方向に対して垂直である。肘部回転軸262の軸方向は、第2の肩部回転軸252の軸方向に対して平行であるため、第1の肩部回転軸242の軸方向に対して垂直であるとともに、手部の延伸方向に対しても垂直である。
【0048】
肘部モータ266は、第2の肩部回転機構250に接続され、第2の肩部回転機構250を動かすことができる。上述したように、肘部回転機構260の各要素は、必要に応じて他の制御機構との接続方法および位置を自由に変えることができる。つまり、肘部モータ266および肘部回転部材264のうちの1つは、第2の肩部回転機構250または第1の肩部回転機構240のどちらか一方に接続してもよい。本実施形態において、肘部モータ266は、第2の肩部モータ256に固定されている。
【0049】
肘部回転部材264は、肘部回転軸262を介して肘部モータ266に枢着されている。左手制御信号を受信すると、肘部モータ266は肘部回転部材264を動かし、肘部回転軸262を中心に肘部回転部材264を回転させて肘部回転部材264と肘部モータ266とのなす角度が変化するため、肘部回転部材264と第2の肩部回転部材254とのなす角度が変化する。そのため、ハンドパペット130の左手135を動かし、肘を屈曲させるような動作をさせることができる。
【0050】
上述の実施形態から分かるように、パペット操作装置120は、ハンドパペット130の様々な肢体動作をそれぞれ操作することが可能な少なくとも9組の回転機構を含む。各組の回転機構は、それぞれ独立した制御信号によって制御される。本実施形態の制御信号は、例えば、腰を曲げる信号および腰を捻る信号の2つの胴体制御信号と、頭部制御信号と、3つの左手制御信号と、3つの右手制御信号とを含み、それぞれ腰捻り機構210と、腰曲げ機構220と、頭部回転機構230と、左手制御機構125の第1の肩部回転機構240、第2の肩部回転機構250および肘部回転機構260と、右手制御機構127の第1の肩部回転機構240、第2の肩部回転機構250および肘部回転機構260と、をそれぞれ制御する。
【0051】
また、上述したように、頭部制御機構123は、ハンドパペット130の頭部133内の中空部と係合され、左手制御機構125および右手制御機構127も、それぞれハンドパペット130の左手135および右手137と係合されている。しかし、ハンドパペット130は、激しい動きをした場合、外れることがあった。また、ハンドパペット130は種類および態様が非常に多く、それぞれの頭部133および両手の配置が僅かずつ異なることがあった。
【0052】
本実施形態は、ハンドパペット130とパペット操作装置120とを強固に接続させるために、リンク部材272および弾性構造部274を利用し、ハンドパペット130の頭部133を頭部制御機構123へ弾力を有する状態で係止させる。さらに詳細には、リンク部材272が弾性構造部274に固定され、この弾性構造部274は、頭部回転機構230の頭部回転部材234に固定されている。ハンドパペット130の中にパペット操作装置120を装着すると、リンク部材272がハンドパペット130の頭部133に当接され、弾性構造部274の弾力により、ハンドパペット130の頭部133内の中空部と係止されている。
【0053】
左手制御機構125および右手制御機構127は類似した構造を有する。さらに詳細には、左手制御機構125および右手制御機構127は、それぞれリンク部材276および弾性構造部278を含む。リンク部材276は、弾性構造部278に固定され、この弾性構造部278は、肘部回転機構260の肘部回転部材264に固定されている。各構成要素を組み合わせると、左手制御機構125および右手制御機構127のリンク部材276がハンドパペット130の左手135および右手137にそれぞれ当接され、弾性構造部278の弾力により、左手135および右手137の中空部にそれぞれ当接される。
【0054】
図4を参照する。図4は、本発明の一実施形態によるデータグローブ111を示す平面図である。ユーザは、グローブ体400を利用してデータグローブ111を手に嵌めることができる。また、様々なセンサを利用してユーザの手の動きを検出し、手の動きにより変化する物理量(例えば、角度、強度、速度などの物理量)を記録することができる。データグローブ111は、測定した物理量のデータを変換モジュール117へ送信し、変換モジュール117により様々な物理量データが上述の様々な制御信号に変換される。
【0055】
一般に、データグローブ111のグローブ体400は、その中に手を入れて自由に動かすことができる。グローブ体400は、通常、布やプラスチックなどの柔軟な材料からなる。
【0056】
グローブ体400は、それぞれの指を差し込むことができる複数の指サック410を有する。本実施形態では、主に親指、人差し指および中指を入れる指サック410を例に説明する。指サック410は、指先を露出させずに指全体を覆う密閉式の態様でもよいし、指関節の一部だけを覆って指先が露出された開放式の態様でもよい。本実施形態では、指サック410は、第1の領域417および第2の領域419に細かく分けられ、互いに隣り合う2つの指関節にそれぞれ嵌められている。
【0057】
グローブ体400には、手首の動き(つまり掌の腕に対する回転または曲げ)を測定するために用いるセンサ430が配置されている。さらに詳細には、センサ430は、それぞれ手首が回転したときのグローブ体400の傾斜角度および回転角度を検出し、腕に対する掌の屈曲角度または回転角度を検出するために用いる傾斜センサ431および回転センサ433を含む。現在、傾斜角度または回転角度を測定するセンサは非常に多く開発されているが、ここではそれらについて説明しない。本実施形態では、回転センサ433はジャイロを含む。また、センサ430は、グローブ体400の移動加速度を測定するために用いてもよい。言い換えれば、センサ430は、手が移動するときの加速度を測定する加速度センサを含んでもよい。
【0058】
変換モジュール117は、回転角度および傾斜角度を検出するために用いる傾斜センサ431および回転センサ433と電気的に接続され、回転角度を腰を捻る制御信号に変換し、傾斜角度を腰曲用制御信号に変換させる。
【0059】
指サック410には、複数のセンサ420が配置されている。指が屈曲されると、指サック410が動かされ、指サック410の屈曲角度がセンサ420により検出され、指の屈曲角度を知ることができる。パペット劇では、親指、人差し指および中指を使った操作が重要である。そのため、本実施形態では親指サック411、人差し指サック413および中指サック415に取り付けたセンサ420により、親指、人差し指および中指の屈曲角度を検出する。
【0060】
パペット劇の操り技法において、人差し指は、主に頭の動作(例えば、俯いたり上を見上げる動作)を制御し、基本的に単純な動作しか行わない。従って、1つの屈曲角度だけを検出すればよい。このため、本実施形態では、人差し指サック413の第1の領域417に、人差し指の1つの指関節が曲がったときの人差し指サック413の屈曲角度を検出するために用いるセンサ425を取り付ける。
【0061】
従来、パペット劇を演じる際、親指でハンドパペット130の左手135を制御し、親指の2つの関節によりハンドパペット130の左手の肩および肘を動かしていた。親指の2つの関節の運動状態を測定するため、本実施形態では、親指サック411の第1の領域417にセンサ421を取り付け、第2の領域419にセンサ423を取り付ける。そして、センサ421,423を利用し、親指二つの関節が曲がるときの親指サック411の屈曲角度を測定する。
【0062】
従来、パペット劇は、ハンドパペット130の右手137が中指により制御されていた。つまり、中指の3つの関節により、ハンドパペット130の右手の肩および肘を動かしていた。そのため、指の動きのデータを詳細にキャプチャするために、一般に、中指を入れる中指サック415には3つのセンサ420が装着され、3つの関節の動きをキャプチャする。また、本実施形態では、指関節の相互の連動関係を利用することにより、中指サック415にセンサ420を2つだけ装着し、3つ目の関節の動きをキャプチャしてもよい。人の指の3つの指関節は互いに連動しているため、2つの指関節の屈曲角度が分かれば、残りの3つ目の関節の屈曲角度を推算することができる。なお、これに関する理論および推算方法については、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば分かるため、ここでは述べない。このように、本実施形態では、中指サック415の第1の領域417にセンサ427を取り付け、第2の領域419にセンサ429を取り付けて中指の屈曲角度を得る。
【0063】
センサ420は、それぞれ変換モジュール117と電気的に接続されており、変換モジュール117により検出された屈曲角度を対応する制御信号(例えば、頭部制御信号、左手制御信号および右手制御信号)に変換させる。さらに詳細には、変換モジュール117は、親指サック411のセンサ421およびセンサ423が検出した屈曲角度を左手制御信号に変換し、人差し指サック413のセンサ425が検出した屈曲角度を頭部制御信号に変換し、中指サック415のセンサ427およびセンサ429が検出した屈曲角度を右手制御信号に変換する。
【0064】
当該技術分野において通常の知識を持つ者であれば分かるように、角度変化を検出することができるセンサ420の種類(例えば、抵抗センサ、光ファイバセンサ、ジャイロ等)は非常に多い。本実施形態のセンサ420は圧電センサである。一般に、圧電センサは、検出した形状変化を電気信号に変換する作用を有する。詳細に述べると、圧電センサは、コンデンサのような装置を含み、作用力により圧電センサの形状が変化すると、コンデンサが放電して電気信号を生成させる。コンデンサの充放電時間は、指の動きに必要な時間と比べて非常に短いため、圧電センサは、指が動くときに生成される複数の電気信号を検出することができる。1回の電気信号の発生は、1個の小さい角度の回転と見なすことができるため、電気信号が発生した回数を累計することにより、回転角度を推算することができる。
【0065】
図5Aおよび図5Bを参照する。図5Aは、本発明の一実施形態によるモーションキャプチャモジュール113を示すブロック図である。図5Bは、ハンドパペット130を示す斜視図である。モーションキャプチャモジュール113は、手により制御された他のハンドパペット130のモーション画像をキャプチャし(主にハンドパペット130の上半身のポーズをキャプチャする)、操り人形師の手の動きを逆算してハンドパペット130の動作を制御信号に変換させる。
【0066】
モーションキャプチャモジュール113は、人の手でハンドパペット130を制御するときのハンドパペット130の動作を撮影するために用いる撮影装置510を含む。モーションキャプチャモジュール113の位置決めモジュール520は、各映像中のハンドパペット130の頭部133、左手135、右手137間のそれぞれの相対位置を検出するために用いる。さらに詳細には、位置決めモジュール520は、各画像毎のハンドパペット130の頭部133、左手135、右手137の位置をサーチし、これによりハンドパペット130中の人差し指、親指および中指の位置を決定し、人差し指、親指および中指の相対位置を判断する。さらに、位置決めモジュール520は、頭部133と左手135との間隔d1と、頭部133と右手137との間隔d2と、右手137と左手135との間隔d3とを計算する。本実施形態の位置決めモジュール520は、主にハンドパペット130の頭部133、右手137および左手135から構成される三角形の中心位置をトラッキングするために用いる。続いて、中心位置から頭部133、右手137および左手135までの距離をそれぞれ測定することにより、ハンドパペット130の頭部133および両手137,135の相対位置を知ることができる。
【0067】
指の相対位置を位置決めした後、モーションキャプチャモジュール113の移動平均演算モジュール530は、各画像毎のそれぞれの間隔の変化に基づき、各指の変異を演算する。さらに詳細には、各画像毎のハンドパペット130の頭部133と、両手との相対位置の変化から、頭部133、右手137および左手135の変異を推算し、それぞれの指の変異を知ることができる。
【0068】
続いて、モーションキャプチャモジュール113の逆演算モジュール540は、各指の変異および指の間の間隔に基づいて各制御信号を演算する。
【0069】
図6および図7を同時に参照する。図6は、本発明の一実施形態によるハンドパペットマニピュレーションシステム100を示すブロック図である。図7は、動作編集装置115のインターフェース622を示す操作画面図である。動作編集装置115は、データグローブ111がキャプチャした手の動きまたはモーションキャプチャモジュール113がキャプチャしたハンドパペット130のポーズを記録し、この記録された動きを新たに編集して新しい動作に変えてもよい。動作編集装置115は、記録モジュール610、編集モジュール620および出力モジュール630を含み、以下それらについて説明する。
【0070】
上述したように、データグローブ111またはモーションキャプチャモジュール113は、手を動かしたときまたはハンドパペット130のポーズを変えたときに生成される各物理量の変化を検出し、様々な制御信号(例えば、腰曲用制御信号、腰を捻る制御信号、頭部制御信号、左手制御信号、右手制御信号など)に変換させることができる。記録モジュール610の作用は、手またはハンドパペット130が動くときに生成される様々な制御信号を記録し、同一の動作の各制御信号を1つの動作パケット640に設定させることにある。これにより、操り人形師がハンドパペット130を操るとき、記録モジュール610は、対応した動作パケット640(例えば、頷く動作パケット、歩く動作パケット、手を振る動作パケットなど)を記録することができる。
【0071】
動作編集装置115の記録モジュール610は、データグローブ111、モーションキャプチャモジュール113または変換モジュール117に接続され、検出した物理量値または変換後の制御信号を取得してもよい。本実施形態の記録モジュール610は、変換モジュール117と電気的に接続され、データグローブ111がキャプチャした様々な物理量(例えば、腰曲用制御信号、腰を捻る制御信号、頭部制御信号、左手制御信号、右手制御信号など)を記録した後、これらの制御信号を動作パケットとして保存する。また、本実施形態の記録モジュール610は、モーションキャプチャモジュール113と電気的に接続され、モーションキャプチャモジュール113が演算した各制御信号を記録する。
【0072】
編集モジュール620は、記録モジュール610と電気的に接続され、動作パケット640中の各制御信号の時間(例えば、起点、終点および作用時間の長さ)を編集するために用いてもよい。例えば、編集モジュール620は、頷く動作の動作パケット640中の頭部制御信号の開始時間点および終了時間点を編集し、頷きの開始時間点、動作時間および回数を決定することができる。また、編集過程において、頷きの開始時間点や上を見上げ始める時間点を決定するといった各動作の作用時間を編集することもできる。また、編集モジュール620は、異なる制御信号間での相対時間(例えば、左手制御信号、頭部制御信号、右手制御信号の間の時間順序、それぞれの作用時間の長さなど)を編集することができる。
【0073】
編集モジュール620は、ユーザが編集に用いるためのインターフェース622を含む。インターフェース622には、動作パケット640中の各制御信号のクロック編集を行うのに都合が良いようにタイミング編集装置626が配置されている。さらに詳細には、タイミング編集装置626は、複数の動作トラック628を含み、動作トラック628には、それぞれ頭部制御信号などの制御信号が含まれてもよい。ユーザは、動作トラック628の中に含む制御信号を編集してもよい。具体的には、この制御信号の編集には、制御信号の作用時間の長さ、開始時間点、終了時間点などの変更を含む。
【0074】
複数の動作トラック628を配置させることにより、複数の様々な制御信号(例えば、左手制御信号、頭部制御信号、右手制御信号など)をそれぞれ編集し、各制御信号の開始時間点、終了時間点、作用時間の長さなどを修正し、動作パケット640中の各制御信号の時間順序を編集してもよい。
【0075】
また、動作トラック628は、複数の動作パケット640を編集するために用いてもよく、各動作トラック628は動作パケット640を含み、上述の動作を行って複数の動作パケット640間の時間順序を編集してもよい。
【0076】
完全なパペット劇では、躍動感溢れる演出を行うために、ハンドパペットの動きの他に、台詞および効果音も必要である。本発明の一実施形態では、タイミング編集装置626は、台詞、効果音などの音声信号を編集するために用いる音声トラック650を有する。音声トラック650および動作トラック628は、同一の時間軸上に配列され編集してもよい。このように、ユーザは、ハンドパペットの動作、台詞および効果音の編集を同時に行うこともできる。
【0077】
本発明の一実施形態では、インターフェース622は、モータ制御モジュール624を提供し、パペット操作装置120の各回転モジュールを直接調整することができる。さらに詳細には、ユーザは、モータ制御モジュール624の中に速度および角度の設定値を入力してもよい。モータ制御モジュール624は、設定値に基づいて各回転モジュールへ送る制御信号を生成し、これにより各回転モジュールのモータをそれぞれ個別に駆動させ、設定した速度および角度を再現させる。モータ制御モジュール624により制御された各制御信号は、動作パケット640として保存され、タイミング編集装置626により動作の編集を行ってもよい。
【0078】
最後に、出力モジュール630について説明する。出力モジュール630は、編集モジュール620と電気的に接続されており、制御モジュール110の出力端子119を介してパペット操作装置120と電気的に接続されている。編集モジュール620により編集された動作パケット640が、編集モジュール620から出力モジュール630へ送信されてから、出力モジュール630から動作パケット640中の各制御信号を順次パペット操作装置120へ送信する。
【0079】
上述の実施形態から分かるように、本発明は、以下3種類の制御信号の生成方法を含む。第1の制御信号の生成方法は、データグローブを利用し、手が動くときの様々な物理量を検出し、この検出した物理量に基づいて制御信号を生成させる方法である。第2の制御信号の生成方法は、モーションキャプチャモジュールを利用し、画像中の指の相対位置の変化をキャプチャし、この相対位置の変化に基づいて制御信号を生成させる方法である。第3の制御信号の生成方法は、動作編集装置を利用して制御信号を編集する制御信号の生成方法である。
【0080】
本発明のハンドパペットマニピュレーションシステムは、パペット劇の演出を行う際、パペットの中に手を入れる代わりにパペット操作装置を中に装着し、制御モジュールによりパペット操作装置を遠隔制御してハンドパペットに所定動作(例えば、頷く、振り返る、手を組む、お辞儀などの動作)を行わせ、自動化制御の効果を得ることができる。
【0081】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることができることは当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の一実施形態によるハンドパペットマニピュレーションシステムを示すブロック図である。
【図2】図1のハンドパペットおよびパペット操作装置を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態によるパペット操作装置を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態によるデータグローブを示す平面図である。
【図5A】本発明の一実施形態によるモーションキャプチャモジュールを示すブロック図である。
【図5B】図5Aのハンドパペットを示す斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態によるハンドパペットマニピュレーションシステムを示すブロック図である。
【図7】図6の動作編集装置のインターフェースを示す操作画面図である。
【符号の説明】
【0083】
100 ハンドパペットマニピュレーションシステム、110 制御モジュール、111 データグローブ、113 モーションキャプチャモジュール、115 動作編集装置、117 変換モジュール、119 出力端子、120 パペット操作装置、121 身体制御機構、122 ベース、123 頭部制御機構、125 左手制御機構、127 右手制御機構、129 入力端子、130 ハンドパペット、131 胴体、133 頭部、135 左手、137 右手、210 腰捻り機構、212 腰捻り回転軸、214 腰捻り回転部材、216 腰捻りモータ、220 腰曲げ機構、222 腰曲げ回転軸、224 腰曲げ回転部材、226 腰曲用モータ、230 頭部回転機構、232 頭部回転軸、234 頭部回転部材、236 頭部モータ、240 第1の肩部回転機構、242 第1の肩部回転軸、244 第1の肩部回転部材、246 第1の肩部モータ、250 第2の肩部回転機構、252 第2の肩部回転軸、254 第2の肩部回転部材、256 第2の肩部モータ、260 肘部回転機構、262 肘部回転軸、264 肘部回転部材、266 肘部モータ、272 リンク部材、274 弾性構造部、276 リンク部材、278 弾性構造部、400 グローブ体、410 指サック、411 親指サック、413 人差し指サック、415 中指サック、417 第1の領域、419 第2の領域、420 センサ、421 センサ、423 センサ、425 センサ、427 センサ、429 センサ、430 センサ、431 傾斜センサ、433 回転センサ、510 撮影装置、520 位置決めモジュール、530 移動平均演算モジュール、540 逆演算モジュール、610 記録モジュール、620 編集モジュール、622 インターフェース、624 モータ制御モジュール、626 タイミング編集装置、628 動作トラック、630 出力モジュール、640 動作パケット、650 音声トラック、d1 間隔、d2 間隔、d3 間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の手の運動状態を基に複数の制御信号を生成させる制御モジュールと、
第1のハンドパペットの中に装着し、前記制御モジュールと電気的に接続されたパペット操作装置と、を備えるハンドパペットマニピュレーションシステムであって、
前記パペット操作装置は、
ベースと、
前記ベース上に設けられ、前記第1のハンドパペットの胴体と接続され、前記制御信号を基に前記ベースに対して前記胴体を制御する身体制御機構と、
前記身体制御機構に配置され、前記第1のハンドパペットの頭部に接続され、前記制御信号を基に前記胴体に対して前記頭部を曲げ、前記ベースと結ぶ線が前記胴体の延伸方向である頭部制御機構と、
前記身体制御機構に設けられ、前記頭部制御機構の両側にそれぞれ配置され、前記第1のハンドパペットの手部にそれぞれ接続され、前記制御信号を基に前記手部を制御し、前記胴体に対して回転させる1対の手部制御機構と、を含むハンドパペットマニピュレーションシステム。
【請求項2】
前記身体制御機構は、前記制御信号を基に前記ベースに対して前記胴体を回転させ、前記ベースに接続された腰捻りモータを有する請求項1に記載のハンドパペットマニピュレーションシステム。
【請求項3】
前記身体制御機構は、前記制御信号を基に前記胴体を回転させ、前記胴体と前記ベースとのなす角度を変化させ、前記ベースと前記頭部制御機構との間に配置された腰曲用モータをさらに備える請求項1または2に記載のハンドパペットマニピュレーションシステム。
【請求項4】
前記頭部制御機構は、前記制御信号を基に前記頭部を回転させ、前記頭部と前記胴体とのなす角度を変化させ、前記身体制御機構と接続された頭部モータを有する請求項1から3のいずれか一項に記載のハンドパペットマニピュレーションシステム。
【請求項5】
各前記手部制御機構は、前記制御信号を基に前記胴体に対して前記手部を回転させ、前記身体制御機構と接続された第1の肩部モータを有する請求項1から4のいずれか一項に記載のハンドパペットマニピュレーションシステム。
【請求項6】
前記手部制御機構は、前記制御信号を基に前記手部制御機構を回転させ、前記手部と前記胴体とのなす角度を変化させ、前記身体制御機構と接続された第2の肩部モータをさらに備える請求項5に記載のハンドパペットマニピュレーションシステム。
【請求項7】
各前記手部制御機構は、
リンク部材により前記手部に当接された肘部回転部材と、
前記第2の肩部モータに接続され、肘部回転軸を有し、前記肘部回転軸により前記肘部回転部材と枢着され、前記制御信号を基に前記肘部回転部材を回転させ、前記肘部回転部材とのなす角度を変化させる肘部モータと、を有する肘部回転機構をさらに備える請求項6に記載のハンドパペットマニピュレーションシステム。
【請求項8】
前記手部制御機構は、前記リンク部材と前記肘部回転部材との間に固定された弾性構造部をさらに有する請求項7に記載のハンドパペットマニピュレーションシステム。
【請求項9】
前記制御モジュールはデータグローブであり、
前記データグローブは、
3つの指サックを有し、手を入れることが可能なグローブ体と、
前記指サックにそれぞれ配置され、手の指が曲がるときの前記指サックの複数の屈曲角度を検出することが可能な5つのセンサと、
前記グローブ体に配置され、腕が回転されるときに前記グローブ体の傾斜角度を検出する傾斜センサと、
前記グローブ体に配置され、腕が回転されるときに前記グローブ体の回転角度を検出する回転センサと、
前記センサ、前記傾斜センサおよび前記回転センサと電気的に接続され、前記屈曲角度、前記傾斜角度および前記回転角度を前記制御信号に変換する変換モジュールと、を含む請求項1から8のいずれか一項に記載のハンドパペットマニピュレーションシステム。
【請求項10】
前記指サックのそれぞれは、指の隣接した2つの指関節にそれぞれ嵌める第1の領域および第2の領域を有し、
前記指サックは、親指サック、人差し指サックおよび中指サックであり、
前記センサは、それぞれ前記親指サックの前記第1の領域、前記親指サックの第2の領域、前記人差し指サックの前記第1の領域、前記中指サックの前記第1の領域および前記中指サックの前記第2の領域にそれぞれ配置される請求項9に記載のハンドパペットマニピュレーションシステム。
【請求項11】
前記センサは、抵抗センサ、光ファイバセンサまたは圧電センサである請求項9または10に記載のハンドパペットマニピュレーションシステム。
【請求項12】
前記回転センサはジャイロである請求項9から11のいずれか一項に記載のハンドパペットマニピュレーションシステム。
【請求項13】
前記制御モジュールは、
人の手により制御された第2のハンドパペットの複数の画像をキャプチャする撮影装置と、
前記画像中の前記第2のハンドパペットの頭部および両手の相対位置を検出する位置決めモジュールと、
前記画像の前記相対位置を基に、各指の少なくとも1つの変異を演算する移動平均演算モジュールと、
前記変異を基に前記制御信号を演算する逆演算モジュールと、を有する請求項1から8のいずれか一項に記載のハンドパペットマニピュレーションシステム。
【請求項14】
前記制御モジュールは、
前記制御信号を複数の動作パケットとして記録する記録モジュールと、
前記記録モジュールと電気的に接続し、前記動作パケットを編集する編集モジュールと、
前記編集モジュールおよび前記パペット操作装置と電気的に接続され、編集した後の前記動作パケットを前記パペット操作装置へ伝送する出力モジュールと、をさらに有する請求項9から13のいずれか一項に記載のハンドパペットマニピュレーションシステム。
【請求項15】
前記編集モジュールは、
前記動作パケットの時間順序を編集する複数の動作トラックを有するタイミング編集装置を含む請求項14に記載のハンドパペットマニピュレーションシステム。
【請求項16】
前記タイミング編集装置は、少なくとも1つの音声信号を編集する音声トラックを有する請求項15に記載のハンドパペットマニピュレーションシステム。
【請求項17】
データグローブと、ハンドパペット中に装着し、変換モジュールと電気的に接続されたパペット操作装置と、を備えるハンドパペットマニピュレーションシステムであって、
前記データグローブは、
第1の領域および第2の領域をそれぞれ有し、指の隣接した2つの指関節に嵌める複数の指サックを有するグローブ体と、
前記指サックの前記第1の領域および前記第2の領域にそれぞれ配置され、前記指サックの複数の屈曲角度を検出することが可能な多くとも5つのセンサと、
前記グローブ体に配置され、前記グローブ体の回転角度を検出する回転センサと、を含み、
前記変換モジュールは、前記センサおよび前記回転センサと電気的に接続され、前記屈曲角度を頭部制御信号、複数の左手制御信号および複数の右手制御信号に変換し、前記回転角度を腰捻用制御信号に変換し、
前記パペット操作装置は、
前記ハンドパペットの胴体に接続され、前記腰捻用制御信号を基に、ベースに対して前記胴体を回転させ、前記ベース上に配置される身体制御機構と、
前記身体制御機構上に設けられ、前記ハンドパペットの頭部と接続され、前記頭部制御信号を基に、前記胴体に対して前記頭部を曲げる頭部制御機構と、
前記ハンドパペットの左手と接続され、前記左手制御信号を基に制御し、前記胴体に対して前記左手を回転させる左手制御機構と、
前記ハンドパペットの右手と接続され、前記右手制御信号を基に制御し、前記胴体に対して前記右手を回転させる右手制御機構と、を含み、
前記左手制御機構および前記右手制御機構は、前記身体制御機構にそれぞれ配置され、前記頭部制御機構の両側にそれぞれ配置されるハンドパペットマニピュレーションシステム。
【請求項18】
前記指サックは、親指サック、人差し指サックおよび中指サックを含み、
前記センサは、前記親指サックの前記第1の領域および前記第2の領域と、前記人差し指サックの前記第1の領域と、前記中指サックの前記第1の領域および前記第2の領域とにそれぞれ配置される請求項17に記載のハンドパペットマニピュレーションシステム。
【請求項19】
前記データグローブは、前記グローブ体の傾斜角度を検出することが可能な前記グローブ体に配置された傾斜センサをさらに備え、
前記変換モジュールは、前記傾斜角度を腰曲用制御信号に変換する請求項18に記載のハンドパペットマニピュレーションシステム。
【請求項20】
前記データグローブは、前記グローブ体の移動加速度を検出することが可能な前記グローブ体に配置された加速度センサをさらに備える請求項17から19のいずれか一項に記載のハンドパペットマニピュレーションシステム。
【請求項21】
モーションキャプチャモジュールと、変異を基に制御信号を演算する逆演算モジュールと、第2のハンドパペットの中に装着され、前記モーションキャプチャモジュールと電気的に接続されたパペット操作装置と、を備えるハンドパペットマニピュレーションシステムにおいて、
前記モーションキャプチャモジュールは、
人の手により制御される第1のハンドパペットの複数の画像をキャプチャする撮影装置と、
前記画像の前記第1のハンドパペットの頭部と両手との間の複数の相対位置を検出することが可能な位置決めモジュールと、
前記相対位置を基に指の変異を演算する移動平均演算モジュールと、を含み、
前記パペット操作装置は、
前記第2のハンドパペットの胴体と接続され、ベースに対して前記胴体を回転させ、前記ベース上に配置された身体制御機構と、
前記身体制御機構に配置され、前記第2のハンドパペットの頭部に接続され、前記制御信号を基に制御して前記胴体に対して前記頭部を曲げる頭部制御機構と、
前記第2のハンドパペットの左手と接続され、前記制御信号を基に前記胴体に対して前記左手を回転させる左手制御機構と、
前記第2のハンドパペットの右手と接続され、前記制御信号を基に前記胴体に対して前記右手を回転させる右手制御機構と、を含み、
前記左手制御機構および前記右手制御機構は、前記身体制御機構にそれぞれ配置され、前記頭部制御機構の両側にそれぞれ配置されるハンドパペットマニピュレーションシステム。
【請求項22】
前記相対位置は、各前記画像それぞれの親指、人差し指、中指の間の相対位置である請求項21に記載のハンドパペットマニピュレーションシステム。
【請求項23】
変換モジュールは、前記親指の屈曲角度を少なくとも1つの左手制御信号に変換し、前記中指の屈曲角度を少なくとも1つの右手制御信号に変換し、前記人差し指の屈曲角度を頭部制御信号に変換する請求項22に記載のハンドパペットマニピュレーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−89248(P2010−89248A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−27007(P2009−27007)
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【出願人】(503077109)国立交通大学 (34)
【Fターム(参考)】