説明

バッテリ充電装置

【課題】バッテリの劣化が促進する状態をできるだけ抑制しつつ、最適なタイミングで均等充電を行うことができるバッテリ充電装置を提供する。
【解決手段】バッテリ充電装置30は、使用期間と不使用期間を有するバッテリ13の充電方式として普通充電と均等充電とに切替可能である。コントローラ15は、充電スイッチ31の操作に伴いバッテリ13の普通充電を行うとともに、バッテリ13の普通充電の累計充電時間に応じた自動均等充電カウンタの値nを計数する。コントローラ15は、自動均等充電カウンタの値nが第1の規定値以上となった状態で、充電スイッチ31の操作に伴いバッテリ13の前回の使用の終了から次回の使用期間の開始までの不使用期間が均等充電推奨期間よりも大きいと判定されると、普通充電に替えてバッテリ13の均等充電を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリ充電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
バッテリ充電装置として、例えば、特許文献1においては、電力使用料金の安い時間帯をできる限り有効に利用して低料金で且つ効率の良いバッテリの充電を行わせるようにしている。具体的には、バッテリの放電量およびメモリに記憶された時間帯毎の電気料金に基づいて次回のバッテリの使用開始時までに低料金でバッテリを満充電させるための時間対充電電流パターンを演算し、この時間対充電電流パターンに基づくバッテリの充電を行わせるように充電電流切換器の電流切換作動制御を行っている。また、一週間単位での時間対充電電流パターンを設定し、週末のように休日となる日に追加的な充電を行わせ、不足した充電を補うとともに、バッテリを完全に均等充電状態となるまで充電を行わせるのが好ましいとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−214046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一週間単位での時間対充電電流パターンを設定して週末のような休日に均等充電を行う場合、毎週末に均等充電が行われることになるため、バッテリが過充電気味に充電される回数が頻繁となり、かえってバッテリの劣化を促進させてしまうことにつながる。また、均等充電が行われた後のバッテリは高温になるが、この均等充電終了後のバッテリを十分に冷ますことなく使用すると、これもバッテリの劣化を促進させてしまうことにつながる。
【0005】
本発明の目的は、バッテリの劣化が促進する状態をできるだけ抑制しつつ、最適なタイミングで均等充電を行うことができるバッテリ充電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明では、使用期間と不使用期間とを有するバッテリの充電方式として普通充電と均等充電とに切替可能なバッテリ充電装置において、充電スイッチの操作に伴い前記バッテリの普通充電を行う普通充電制御手段と、前記普通充電制御手段によるバッテリの普通充電の累計充電時間または当該累計充電時間に応じた累計充電値を計数する計数手段と、前記バッテリの前回の使用期間の終了から次回の使用期間の開始までの不使用期間が均等充電推奨期間よりも大きいか否か判定する期間判定手段と、前記計数手段による普通充電の累計充電時間または累計充電値が第1の規定値以上となった状態で、充電スイッチの操作に伴い、前記期間判定手段によるバッテリの前回の使用期間の終了から次回の使用期間の開始までの不使用期間が均等充電推奨期間よりも大きいと判定されると、普通充電に替えて前記バッテリの均等充電を行う均等充電制御手段と、を備えたことを備えたことを要旨とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、通常は、普通充電制御手段により充電スイッチの操作に伴いバッテリの普通充電が行われ、計数手段により普通充電制御手段によるバッテリの普通充電の累計充電時間または当該累計充電時間に応じた累計充電値が計数される。また、期間判定手段により、バッテリの前回の使用期間の終了から次回の使用期間の開始までの不使用期間が均等充電推奨期間よりも大きいか否かが判定される。そして、計数手段による普通充電の累計充電時間または累計充電値が第1の規定値以上となった状態で、充電スイッチの操作に伴い、期間判定手段によるバッテリの前回の使用期間の終了から次回の使用期間の開始までの不使用期間が均等充電推奨期間よりも大きいと判定された場合には、均等充電制御手段により、普通充電に替えてバッテリの均等充電が行われる。
【0008】
これにより、均等充電は、普通充電の累計充電時間または累計充電値が第1の規定値以上となった状態、且つ、バッテリの前回の使用期間の終了から次回の使用期間の開始までの不使用期間が均等充電推奨期間よりも大きいと判定された場合において行われるので、頻繁に均等充電が行われて常にバッテリが過充電気味の状態となることが抑制される。また、不使用期間が均等充電推奨期間よりも大きくなる場合に均等充電が行われるように制御しているので、均等充電を行うための充電時間を十分に確保できるとともに、均等充電完了後から次回の使用期間の開始までの間に、均等充電により高温となったバッテリを通常の使用温度になるまで冷ます時間を十分に確保することができる。このようにして、バッテリの劣化が促進する状態をできるだけ抑制しつつ、最適なタイミングで均等充電を行うことができる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、使用期間と不使用期間を有するバッテリの充電方式として普通充電と均等充電とに切替可能なバッテリ充電装置において、充電スイッチの操作に伴い前記バッテリの普通充電を行う普通充電制御手段と、前記普通充電制御手段によるバッテリの普通充電の累計充電時間または当該累計充電時間に応じた累計充電値を計数する計数手段と、曜日毎に、バッテリの使用期間を有する稼動日であるか、バッテリの不使用期間のみの非稼動日であるかをバッテリの使用状況より特定して記憶する稼動日特定手段と、前記稼動日特定手段に基づいて休日を判定する休日判定手段と、前記休日判定手段に基づいて前記バッテリの前回の使用期間の終了から次回の使用期間の開始までの不使用期間内に休日が存在するか否かを判定する期間判定手段と、前記計数手段による普通充電の累計充電時間または累計充電値が第1の規定値以上となった状態で、充電スイッチの操作に伴い、前記期間判定手段によるバッテリの前回の使用期間の終了から次回の使用期間の開始までの不使用期間内に休日が存在すると判定されると、普通充電に替えて前記バッテリの均等充電を行う均等充電制御手段と、を備えたことを要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、通常は、普通充電制御手段により充電スイッチの操作に伴いバッテリの普通充電が行われ、計数手段により普通充電制御手段によるバッテリの普通充電の累計充電時間または当該累計充電時間に応じた累計充電値が計数される。また、稼動日特定手段により、曜日毎に、バッテリの使用期間を有する稼動日であるか、バッテリの不使用期間のみの非稼動日であるかがバッテリの使用状況より特定されて記憶される。休日判定手段により、稼動日特定手段に基づいて休日が判定され、期間判定手段により、休日判定手段に基づいてバッテリの前回の使用期間の終了から次回の使用期間の開始までの不使用期間内に休日が存在するか否かが判定される。均等充電制御手段により、計数手段による普通充電の累計充電時間または累計充電値が第1の規定値以上となった状態で、充電スイッチの操作に伴い、期間判定手段によるバッテリの前回の使用期間の終了から次回の使用期間の開始までの不使用期間内に休日が存在すると判定されると、普通充電に替えてバッテリの均等充電が行われる。
【0011】
これにより、均等充電は、普通充電の累計充電時間または累計充電値が第1の規定値以上となった状態、且つ、バッテリの前回の使用期間の終了から次回の使用期間の開始までの不使用期間内に休日が存在すると判定された場合において行われるので、頻繁に均等充電が行われて常にバッテリが過充電気味の状態となることが抑制される。また、バッテリの前回の使用期間の終了から次回の使用期間の開始までの不使用期間内に休日が存在する場合に均等充電が行われるように制御しているので、均等充電を行うための充電時間を十分に確保できるとともに、均等充電完了後から次回の使用期間の開始までの間に、均等充電により高温となったバッテリを通常の使用温度になるまで冷ます時間を十分に確保することができる。このようにして、バッテリの劣化が促進する状態をできるだけ抑制しつつ、最適なタイミングで均等充電を行うことができる。
【0012】
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載のバッテリ充電装置において、前記稼動日特定手段は、一日のバッテリの使用時間が使用期間判定値を超えない場合、その曜日をバッテリの不使用期間のみの非稼動日として特定して記憶し、前記休日判定手段は、前記稼動日特定手段により連続する複数の週において同じ曜日が非稼動日として特定された場合に、その曜日を休日として判定することを要旨とする。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、稼動日特定手段により、一日のバッテリの使用時間が使用期間判定値を超えない場合、その曜日がバッテリの不使用期間のみの非稼動日として特定されて記憶され、休日判定手段により、稼動日特定手段により連続する複数の週において同じ曜日が非稼動日として特定された場合に、その曜日が休日として判定される。これにより、非稼動日を特定して休日を判定することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のいずれか1項に記載のバッテリ充電装置において、前記計数手段による普通充電の累計充電時間または累計充電値が前記第1の規定値よりも大きな第2の規定値以上となった状態で、充電スイッチの操作に伴い、普通充電に替えて前記バッテリの均等充電を行う強制均等充電制御手段を更に備えたことを要旨とする。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、強制均等充電制御手段により、計数手段による普通充電の累計充電時間または累計充電値が第1の規定値よりも大きな第2の規定値以上となった状態で、充電スイッチの操作に伴い、普通充電に替えてバッテリの均等充電が行われる。これにより、均等充電制御手段において期間判定手段によるバッテリの前回の使用期間の終了から次回の使用期間の開始までの不使用期間が条件を満たすときが来ないときにおいても均等充電を行ってバッテリの各セルの性能を均等化させることができる。
【0016】
請求項5に記載のように、請求項1〜4のいずれか1項に記載のバッテリ充電装置において、前記バッテリが車両に搭載されている場合に適用するとよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、バッテリの劣化が促進する状態をできるだけ抑制しつつ、最適なタイミングで均等充電を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態におけるバッテリフォークリフトの側面図。
【図2】本実施形態におけるバッテリフォークリフトの電気的構成図。
【図3】作用を説明するためのタイムチャート。
【図4】充電特性図。
【図5】休日学習のための記憶領域の説明図。
【図6】作用を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明をバッテリフォークリフトに具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、車両としてのバッテリフォークリフト10は、その下部に駆動輪11を駆動する走行モータ12とバッテリ13とが搭載されている。走行モータ12には、ACモータが使用されている。また、バッテリフォークリフト10には、その後側収容部14に充電器20が搭載されるとともに、前側収容部16に荷役モータ17が搭載されている。荷役モータ17は、ティルトシリンダ18およびリフトシリンダ19の油圧制御を行う油圧回路の一構成である図示しない油圧ポンプを駆動する駆動源として用いられており、ACモータが使用されている。バッテリフォークリフト10の前側収容部16にはコントローラ15が搭載されている。
【0020】
バッテリフォークリフト10の電気的構成を図2に示す。バッテリ13を充電するためのバッテリ充電装置30は、充電器20とコントローラ15と充電スイッチ31と走行・荷役アワーメータ32を備えている。充電器20は、バッテリ13に外部の交流電源40からの電力を供給する。コントローラ15は、充電器20を制御する。
【0021】
バッテリ13は、鉛蓄電池であり、出力が2ボルトのセルが複数個直列に接続されることで、例えば、24ボルト若しくは48ボルト出力のバッテリとなるように構成されている。
【0022】
バッテリ13には電圧計が設けられ、電圧計によりバッテリ13の電圧Vbが検出される。バッテリ13にはインバータ50を介して走行モータ12が接続されている。また、バッテリ13にはインバータ51を介して荷役モータ17が接続されている。走行モータ12により車両を走行制御することができる。また、荷役モータ17により油圧ポンプを駆動してフォークを上下動する等の荷役動作を行わせることができる。
【0023】
充電器20は、バッテリ13の充電時においては、プラグ33をコンセント41に差し込むことにより、外部の交流電源40と接続され、交流電源40からの電力を整流しバッテリ13に供給する。また、バッテリ充電装置30は、充電器20によるバッテリ13の充電方式として、普通充電と均等充電とを切替可能としている。
【0024】
コントローラ15には、普通充電や均等充電の制御を行うための制御プログラム等が記憶されている。
また、コントローラ15には充電スイッチ31が接続されている。コントローラ15は充電スイッチ31の操作に伴いバッテリ13の充電(普通充電、均等充電)を行う。コントローラ15には走行・荷役アワーメータ32が接続されている。この走行・荷役アワーメータ32により走行モータ12と荷役モータ17の稼動時間を検知することができる。また、バッテリ13の電圧Vbがコントローラ15に取り込まれる。
【0025】
次に、バッテリ充電装置30の作用について説明する。この作用を説明するために図3のタイムチャートを用いる。図3では、曜日(月曜日、火曜日、…)及び時間(0時〜24時)毎の、バッテリフォークリフトの稼動状況(バッテリの使用状況)、バッテリの充電状況、自動均等充電カウンタの値n、バッテリ温度Tbを示す。
【0026】
図3に示すように、月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日はバッテリフォークリフト10の稼動日となっており、例えば、午前8時から午後5時までバッテリフォークリフト10を稼動させている。このバッテリフォークリフト10が稼動している期間が、バッテリ13が使用される使用期間となる。また、土曜日、日曜日のような休日や、各稼働日の夜から次の日の朝にかけては、バッテリフォークリフト10は稼動していない。このバッテリフォークリフト10が稼動していない期間が、バッテリ13が使用されない不使用期間となる。このように、バッテリ13は使用期間と不使用期間とを有する。
【0027】
月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日のバッテリフォークリフト10の稼動終了後には、充電スイッチ31が操作されて(押されて)バッテリ13の充電が行われる。充電が行われる毎に自動均等充電カウンタの値nが大きくなる。また、充電が行われるとバッテリ温度Tbが上昇する。
【0028】
ここで、バッテリの充電方式について説明する。
本実施形態においては充電方式として、準定電圧充電方式を採用している。充電器(チャージャ)の出力特性(充電電流、充電電圧)は、トランスの出力特性に依存するため、ここでは出力可変制御は行わず、バッテリ電圧をモニタしながら出力一定となるように制御している。そして、バッテリ電圧をモニタすることで満充電検知を行っている。
【0029】
図4には充電時の電圧特性線と電流特性線を示す。充電電圧が充電開始の充電開始電圧から終期充電電圧まで変化するのに合わせて充電電流は充電開始の初期電流から終期電流まで変化する。本実施形態においては、充電領域を初期充電領域と終期充電領域の2領域に分けて充電制御を行っている。初期充電領域においては、充電電圧が充電開始電圧から転極点電圧に到達するまで充電が行われる。その後、終期充電領域に切り替わると、充電電圧が終期充電電圧に到達してバッテリが満充電状態となるまで充電が行われる。
【0030】
ここで、バッテリの充電モードについて説明する。本実施形態では、普通充電モードと均等充電モードの2つの充電モードを用意している。普通充電モードと均等充電モードとでは、終期充電領域における充電時間が異なっている。具体的には、均等充電モードでは、バッテリの充電電圧が終期充電電圧に到達してから充電完了と判断されるまでの時間を普通充電モードよりも長くしている。
【0031】
普通充電モードは、日常的に使用される通常の充電モードであり、普通充電が行われる。本実施形態では、バッテリの充電量が放電量の110%〜120%となるように終期充電領域の充電時間が制御される。均等充電モードは、多数個のセルからなるバッテリを長時間使用した場合に自己放電などで生じるセル間の充電状態のばらつきをなくしてバッテリの充電状態を均一にするための均等充電を行う充電モードであり、複数回の普通充電に対して補助的に行われる。均等充電モードが選択された場合には、バッテリの全セルが過充電気味に充電されるよう、終期充電領域の充電時間を普通充電モードよりも長く制御する。
【0032】
次に、自動均等充電機能について説明する。
均等充電の推奨実施頻度は、バッテリの利用のされ方や充電開始前のバッテリの放電深度にもよるが、おおよそ2週間〜1ヶ月に1回となっている。自動均等充電機能は、常に普通充電モードで充電されるバッテリに対して、推奨実施頻度の範囲内で、自動的に均等充電モードで充電する機能である。つまり、自動均等充電機能が実行されると、ユーザが普通充電を行うように充電スイッチを操作したとしても、強制的にバッテリの充電モードが切り替わり均等充電が行われるのである。自動均等充電機能が強制均等充電制御手段に該当する。
【0033】
コントローラ15は、内部値として、自動均等充電機能を実行するか否かを判定するための自動均等充電カウンタを有している。この自動均等充電カウンタは、バッテリの均等充電が行われてリセットされるまで、普通充電が行われる毎に、新たな値として更新されていく。具体的には、1回の普通充電が行われると、充電開始から充電終了までの充電経過時間の長さに応じたカウント値が、コントローラ15に記憶されている自動均等充電カウンタの値nに加算されて、新たな自動均等充電カウンタの値nとして更新される。
【0034】
例えば、普通充電の経過時間が第1の閾値に達すると自動均等充電カウンタの値nを「1」インクリメントし、さらにその充電が継続されて普通充電の経過時間が第2の閾値に達すると自動均等充電カウンタの値nをさらに「1」インクリメントし、さらにその充電が継続されて普通充電の経過時間が第3の閾値に達すると自動均等充電カウンタの値nをさらに「1」インクリメントする。よって、1回の普通充電が行われる場合、充電完了と判断されるまでの充電経過時間が第1の閾値以上で第2の閾値未満の場合は自動均等充電カウンタの値nの累積値が「1」となり、充電完了と判断されるまでの充電経過時間が第2の閾値以上で第3の閾値未満の場合は自動均等充電カウンタの値nの累積値が「2」となり、充電完了と判断されるまでの充電経過時間が第3の閾値以上の場合は自動均等充電カウンタの値nの累積値が「3」となる。
【0035】
図3を用いてコントローラ15による自動均等充電カウンタの値nの計数について説明する。図3に示すように、バッテリの均等充電が行われるまで、自動均等充電カウンタの値nはバッテリの普通充電が行われる毎に増加していく。月曜日のバッテリフォークリフト稼動終了後のt1〜t3の期間においては、バッテリの普通充電が行われており、その充電経過時間は第2の閾値以上かつ第3の閾値未満となっている。このため、自動均等充電カウンタの値nは、充電経過時間に応じたカウンタ値の「2」が加算されて、新たな自動均等充電カウンタの値nとして更新される。同様に、火曜日のバッテリフォークリフトの稼動終了後のt4〜t6の期間、水曜日のバッテリフォークリフトの稼動終了後のt7〜t9の期間、木曜日のバッテリフォークリフトの稼動終了後のt10〜t13の期間においても普通充電が行われ、それぞれ、普通充電の経過時間に応じたカウンタ値が自動均等充電カウンタの値nに加算されて、自動均等充電カウンタの値nが大きくなっていく。
【0036】
このようにして、計数手段としてのコントローラ15は自動均等充電カウンタを用いてバッテリ13の普通充電の累計充電時間に応じた累計充電値を計数する。
次に、自動均等充電機能の実行条件について説明する。
【0037】
バッテリの充電開始前において、累計充電時間に応じた累計充電値の計数手段である自動均等充電カウンタの値nが第2の規定値以上であると、普通充電モードを選択不可とし、ユーザが普通充電モードでの充電を行うように充電スイッチを操作したとしても、均等充電モードによる充電が実施される。なお、出荷後の最初の充電を均等充電とするため、自動均等充電カウンタの値nの初期値は第2の規定値が入力されている。ここで、自動均等充電カウンタの値nの閾値である第2の規定値は、セル間の性能にバラつきが生じていると推測されるバッテリ状態に対応するものである。つまり、バッテリの寿命劣化を防ぐために最低限必要な均等充電が強制的に行われるような値として設定されている。
【0038】
均等充電(手動均等、自動均等問わず)完了時には、自動均等充電カウンタの値nがクリアされる。なお、均等充電の途中で充電を停止した場合には、自動均等充電カウンタの値nはクリアされず、次回も自動均等充電が実施される。
【0039】
本実施形態のバッテリ充電装置は、休日になるタイミングを自動的に学習して(休日学習機能)、その休日直前のバッテリフォークリフト稼動終了後に均等充電モードによるバッテリ13の充電を実施する(休日均等充電機能)機能を備えている。つまり、休日前の稼働日における稼動終了後の充電時に、バッテリ13の均等充電を実施するのである。これによって、確実に均等充電を行うための充電時間を確保できる(充電が途中で停止されることがない)とともに、均等充電完了後にもバッテリ13を冷ますための時間を十分に確保できる。均等充電完了後にバッテリ13を十分に冷ますことで、バッテリ13は温度が高いままで使用されることが防止され、バッテリ13の劣化を促進することが抑制される。
【0040】
休日になるタイミングを自動的に学習する、休日学習機能について詳しく説明する。
コントローラ15には、休日の初期値として土曜日と日曜日が設定されており、その後はユーザ毎に異なるバッテリフォークリフトの稼動状況に応じて休日となる曜日を自動で学習していく。
【0041】
例えば、図5に示すように、コントローラ15には休日学習のための4バイトの記憶領域が用意されている。各記憶領域には1週間分のバッテリフォークリフトの稼動状況が記憶される。つまり、1バイト目の8ビットが第1週目の稼動状況が記憶される記憶領域であり、2バイト目の8ビットが第2週目の稼動状況が記憶される記憶領域であり、3バイト目の8ビットが第3週目の稼動状況が記憶される記憶領域であり、4バイト目の8ビットが第4週目の稼動状況が記憶される記憶領域である。そして、週が変わっていく毎に、一番古い記憶領域に新しいデータが上書きされる。つまり第5週目の稼動状況は、第1週目の稼動状況が記憶された1バイト目の記憶領域に上書きされる。
【0042】
各記憶領域には、その週における曜日毎のフォークリフトの稼動状況(稼働日であるか非稼動日であるか)が1ビット(0/1)のフラグで記憶される。各曜日が稼動日であるか非稼動日であるかの判別は走行・荷役アワーメータ32を用い、例えば、1日に1時間以上バッテリフォークリフトが稼動していたと判定される場合を稼動日として扱う。初期値として、土曜日および日曜日に対応するビットには非稼動日を意味する「0」が記憶されており、月曜日〜金曜日に対応するビットには稼動日を意味する「1」が記憶されている。各記憶領域のMSBには、その記憶領域が当週使用される記憶領域であることを示すフラグが立てられる。ある記憶領域が当週使用される記憶領域であると判断されると、その記憶領域のMSBには「1」のフラグが立てられ、先週使っていた記憶領域のMSBは「1」から「0」に書き換えられる。MSBに「1」が立てられると、まずその週の全曜日に対応するビットのフラグが「0」にクリアされる。そして、当該曜日のフォークリフトの稼動時間(断続を含む)が1時間以上となった場合には稼動日であると判定し「1」のフラグを立てて記憶する。そして、コントローラ15は、当週以外の過去3週分のデータを参照して休日を学習する。例えば、3週とも非稼動日であると判定された曜日が休日であると判定して学習するのである。つまり、ユーザ毎に異なるバッテリフォークリフトの稼動状況に基づき、1週間の各曜日を「稼動日」と「非稼動日」とに分けて記憶し、それら記憶された複数週のデータを総合的に判断して、初めて、特定の曜日がそのユーザにとっての「休日」であるとして認識する。
【0043】
図5には、休日学習の一例として、あるユーザの使用状況に基づいて判定されたバッテリオークリフトの稼動状況(稼働日であるか非稼動日であるか)のデータを示す。図5において、1バイト目は先々週の稼動状況が記憶された記憶領域であり、木曜日に対応するビットと金曜日に対応するビットが「0」となっている。2バイト目は先週の稼動状況が記憶された記憶領域であり、木曜日に対応するビットと金曜日に対応するビットが「0」となっている。3バイト目が今週使用している記憶領域であり、MSBが「1」となっている。4バイト目がまだ使用されていない記憶領域であり、初期値として土曜日に対応するビットと日曜日に対応するビットが「0」として記憶されている。週がかわって、4バイト目の記憶領域が使用される段階で、コントローラ15は1バイト目から3バイト目までの記憶領域を参照して、3週連続して木曜日と金曜日に対応するビットが「0」となっていた場合に、土曜日と日曜日は休日ではなく木曜日と金曜日が休日であると、新たに休日を学習する。
【0044】
次に、休日均等充電機能について説明する。
休日均等充電機能とは、「休日学習機能」により学習した「休日」にバッテリの均等充電が行われるように、均等充電が行われるタイミングを制御する機能である。
【0045】
具体的には、自動均等充電カウンタの値が、セル間に性能のバラつきが生じはじめていると推定されるバッテリ状態に対応する第1の規定値を超えている場合に、コントローラ15が、次に充電が行われるバッテリの不使用期間が均等充電推奨期間よりも大きいと判定すると、充電スイッチの操作にともない、充電モードを普通充電モードから均等充電モードに自動的に切り替えて、バッテリ13の均等充電を行うものである。特に、1日中バッテリフォークリフトの使用がない「休日」は、不使用期間が均等充電推奨期間よりも大きくなる期間であると判定される。
【0046】
なお、自動均等充電カウンタの値nにおいて、休日自動均等充電を行うか否かを判定する閾値としての第1の規定値は、強制的に均等充電が行われる第2の規定値よりも小さい値である。
【0047】
期間判定手段としてのコントローラ15は、バッテリ13の前回の使用期間の終了から次回の使用期間の開始までのバッテリ不使用期間が均等充電推奨期間よりも大きいか否か判定する。
【0048】
つまり、稼動日特定手段としてのコントローラ15は、曜日毎に、バッテリの使用期間を有する稼動日であるか、バッテリの不使用期間のみの非稼動日であるかをバッテリの使用状況より特定して記憶し、休日判定手段としてのコントローラ15は、休日を判定し、期間判定手段としてのコントローラ15は、休日の判定結果に基づいてバッテリの前回の使用期間の終了から次回の使用期間の開始までの不使用期間内に休日が存在するか否かを判定する。
【0049】
均等充電推奨期間より大きい不使用期間において均等充電を行った場合には、均等充電完了からバッテリ13の使用される日の朝までに、均等充電が行われることにより高温状態となったバッテリ13を十分に冷まして、通常のバッテリ使用温度にすることができる。例えば、土曜日と日曜日のように休日が2日連続するような場合、不使用期間が均等充電推奨期間よりも十分に大きいと判定されるので、金曜日の稼動が終了した時点で自動均等充電カウンタの値nが第1の規定値より大きいと、充電スイッチ31の操作に伴い均等充電モードが選択されてバッテリ13の均等充電が行われる。
【0050】
比較例として、休日均等充電機能を有していない、一般のバッテリ充電装置に関して述べる。この一般のバッテリ充電装置では、均等充電モードが実行されるタイミングを自動均等充電カウンタの値に応じてのみ制御している。均等充電モードではバッテリを過充電気味に充電するのでバッテリ13の液温が高くなるが、例えば、月曜のバッテリフォークリフトの稼動終了後におけるバッテリの充電に際して、自動均等充電カウンタの値が第2の規定値を超えていることにより均等充電モードが実行されると、翌日(火曜日)の稼動開始時におけるバッテリ13は、その液温が高い状態のままとなってしまう。これは、均等充電終了後からバッテリの使用開始までに、バッテリを冷ます時間が十分に確保できていないことによるものである。
【0051】
次に、普通充電と均等充電を行うための処理について図6のフローチャートを用いて説明する。
コントローラ15は、ステップ100で充電スイッチ31が操作(押下)されたか否か判定する。充電スイッチ31が押下されると、コントローラ15は、ステップ101で自動均等充電カウンタの値nが第2の規定値以上か否か判定する。自動均等充電カウンタの値nが第2の規定値未満であると、コントローラ15は、ステップ102で自動均等充電カウンタの値nが第1の規定値以上か否か判定する。自動均等充電カウンタの値nが第1の規定値未満であると、コントローラ15は、ステップ103で普通充電モードを設定して普通充電を行う。
【0052】
一方、ステップ102で自動均等充電カウンタの値nが第1の規定値以上であると、コントローラ15は、ステップ104でバッテリ13の前回の使用期間の終了から次回の使用期間の開始までの不使用期間が均等充電推奨期間よりも大きいか判定する。具体的には、翌日は休日か否か判定する。このとき、休日自動学習機能を用いて学習した休日を元に処理を行う。
【0053】
翌日は休日であり、不使用期間が均等充電推奨期間よりも大きいと判定されると、コントローラ15は、ステップ105で均等充電モードを設定して均等充電を行う。つまり、均等充電の実施条件として、使用期間から次の使用期間までの不使用期間に休日(1日中バッテリフォークリフトの使用がない日)が含まれていることと、自動均等充電カウンタの値nが第1の規定値以上(第2の規定値の90%)であることを必要としている。
【0054】
また、ステップ104で翌日は休日でなく、不使用期間が均等充電推奨期間よりも小さいと判定されると、コントローラ15は、ステップ103で普通充電モードを設定して普通充電を行う。
【0055】
なお、ステップ101で自動均等充電カウンタの値nが第2の規定値以上であると、コントローラ15は、ステップ105で均等充電モードを設定して均等充電を行う。つまり、自動均等充電カウンタの値が第1の規定値を超えていたとしても、翌日が休日とならない場合には均等充電が実施されないが、この状態が続くとセル間の性能がバラついたままバッテリ13が使用されることとなってしまう。これを防ぐために、自動均等充電カウンタの値が第1の規定値よりも大きい第2の規定値以上においては、翌日が休日か否か関わらず均等充電が行われるようにしている。
【0056】
そして、コントローラ15は、ステップ106で充電が停止されたか否か判定する。充電が停止されたと判定されると、コントローラ15は、ステップ107で均等充電が完了したか否か判定する。均等充電が完了したと判定されると、コントローラ15は、ステップ108で自動均等充電カウンタの値nをクリアする。一方、ステップ107において均等充電が完了しておらず途中停止であると判定されると、コントローラ15は、ステップ108の処理を迂回して、エンド処理を行う。この場合、自動均等充電カウンタの値nはクリアされない。
【0057】
そして、コントローラ15は、ステップ106で充電停止か否か判定するとともにステップ107で均等充電が完了したか否か判定して均等充電が完了するとステップ108で自動均等充電カウンタの値nをクリアする。
【0058】
図3を用いてより具体的に説明する。
図3において、土曜日、日曜日が休みの場合において、金曜日の稼動が終了した後、均等充電を行う(t14〜t15)。この均等充電の実施によりバッテリ温度が上昇し、均等充電が完了する土曜日の朝方にはバッテリ温度は高温になっている。土曜日が稼働日であると高温のままでバッテリ13が使用されることになるが、土曜日と日曜日は休日でありバッテリフォークリフトの稼動が無い。よって、バッテリが十分に冷まされてバッテリ温度は低くなる(図3のt16のタイミング)。その結果、月曜日の稼動時(図3のt17のタイミング)には、バッテリ13が適温まで冷まされた状態になっている。(均等充電によって温度が上昇したバッテリ13を適正温度まで冷ましてから使用することができる)。
【0059】
なお、図3のt15の均等充電完了時には、自動均等充電カウンタの値nがクリアされる。
このようにして、「休日均等充電機能」を備えることにより、優先的に、均等充電推奨期間において均等充電が実施され、「自動均等充電機能」を備えていることで、均等充電の推奨実施頻度である2週間〜1ヶ月に1回は強制的に均等充電が実施される。
【0060】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)普通充電制御手段としてのコントローラ15は、図6のステップ100→101→102→103に移行して充電スイッチ31の操作に伴いバッテリ13の普通充電を行う。また、均等充電制御手段としてのコントローラ15は、図6のステップ100→101→102→104→105に移行して自動均等充電カウンタの値nが第1の規定値以上となった状態で充電スイッチ31の操作に伴いバッテリ13の前回の使用の終了から次回の使用期間の開始までの不使用期間が均等充電推奨期間よりも大きいと判定されると、普通充電に替えてバッテリ13の均等充電を行う。
【0061】
これにより、均等充電は、普通充電の累計充電値(自動均等充電カウンタの値n)が第1の規定値以上となった状態、且つ、バッテリ13の前回の使用期間の終了から次回の使用期間の開始までの不使用期間が均等充電推奨期間よりも大きいと判定された場合において行われるので、頻繁に均等充電が行われて常にバッテリ13が過充電気味の状態となることが抑制される。また、不使用期間が均等充電推奨期間よりも大きくなる場合に均等充電が行われるように制御しているので、均等充電を行うための充電時間を十分に確保できるとともに、均等充電完了後から次回の使用期間の開始までの間に、均等充電により高温となったバッテリ13を通常の使用温度になるまで冷ます時間を十分に確保することができる。このようにして、バッテリ13の劣化が促進する状態をできるだけ抑制しつつ、最適なタイミングで均等充電を行うことができる。
【0062】
(2)均等充電制御手段としてのコントローラ15は、図6のステップ100→101→102→104→105に移行して普通充電の累計充電値が第1の規定値以上となった状態で、充電スイッチ31の操作に伴い、バッテリ13の前回の使用期間の終了から次回の使用期間の開始までの不使用期間内に休日が存在すると判定されると、普通充電に替えてバッテリ13の均等充電を行う。
【0063】
これにより、均等充電は、普通充電の累計充電値が第1の規定値以上となった状態、且つ、バッテリ13の前回の使用期間の終了から次回の使用期間の開始までの不使用期間内に休日が存在すると判定された場合において行われるので、頻繁に均等充電が行われて常にバッテリ13が過充電気味の状態となることが抑制される。また、バッテリ13の前回の使用期間の終了から次回の使用期間の開始までの不使用期間内に休日が存在する場合に均等充電が行われるように制御しているので、均等充電を行うための充電時間を十分に確保できるとともに、均等充電完了後から次回の使用期間の開始までの間に、均等充電により高温となったバッテリ13を通常の使用温度になるまで冷ます時間を十分に確保することができる。このようにして、バッテリ13の劣化が促進する状態をできるだけ抑制しつつ、最適なタイミングで均等充電を行うことができる。
【0064】
(3)稼動日特定手段としてのコントローラ15は、一日のバッテリ13の使用時間が使用期間判定値(例えば1時間)を超えない場合、その曜日をバッテリ13の不使用期間のみの非稼動日として特定して記憶し、休日判定手段としてのコントローラ15は、連続する複数の週において同じ曜日が非稼動日として特定された場合に、その曜日を休日として判定する。これにより、非稼動日を特定して休日を判定することができる。具体的には、図5に示すように各曜日の稼動状況を記憶するための4バイト分(四週間分)の記憶領域を有しており、ユーザの使用状況に合わせて休日を学習するので、その学習した休日を自動均等充電の制御に利用することができる。例えば、土曜日、日曜日を休日とする勤務体制から日曜日、月曜日を休日する勤務体制に変わった場合にも学習機能を用いて勤務体制の変化に対応することができる。
【0065】
(4)コントローラ15は、図6のステップ100→101→105に移行して自動均等充電カウンタの値nが第1の規定値よりも大きな第2の規定値以上となった状態で充電スイッチ31の操作に伴いバッテリ13の均等充電を行う。このように、強制均等充電制御手段としてのコントローラ15は、普通充電の累計充電値が第1の規定値よりも大きな第2の規定値以上となった状態で、充電スイッチ31の操作に伴い、普通充電に替えてバッテリ13の均等充電を行う。
【0066】
これにより、上述の(1),(2)においてバッテリ13の前回の使用期間の終了から次回の使用期間の開始までの不使用期間が条件を満たすときが来ないとき(均等充電推奨期間よりも大きい期間が来ないとき、不使用期間内に休日が存在すると判定されるときが来ないとき)においても均等充電を行ってバッテリの各セルの性能を均等化させることができる。
【0067】
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
・土曜日、日曜日が休日の場合について説明したが、日曜日だけが休日の場合においても均等充電を行った後にバッテリを冷やす時間を確保できるのであれば、不使用期間が均等充電推奨期間よりも大きいと判定されるので、自動均等充電カウンタの値nが第1の規定値より大きいときに土曜日の稼動終了後から日曜日にかけて均等充電を行わせるようにしてもよい。
【0068】
・休日に均等充電を実行することで確実に充電時間を確保する休日の学習方法は上記の方法に限るものではなく、上記以外の自動学習ロジックとしてもよい。
・ユーザによる手動操作により休日を入力するようにしてもよい。
【0069】
このように、休日学習のロジック変更、手動入力により、隔週での休日等にも対応可能である。
・自動均等充電カウンタのカウント方法が変わっても適用可能である。
【0070】
・上記実施形態においては自動均等充電機能と休日均等充電機能を有する場合に適用したが、上記(1)の休日均等充電機能のみを有する場合に適用してもよい。
・計数手段は、普通充電の累計充電時間に応じた累計充電値(自動均等充電カウンタの値n)を計数したが、これに代わり普通充電の累計充電時間を計数してもよい。そして、計数手段による普通充電の累計充電時間が第1の規定値以上となった状態で、充電スイッチの操作に伴い、期間判定手段によるバッテリの前回の使用期間の終了から次回の使用期間の開始までの不使用期間が均等充電推奨期間よりも大きいと判定されると、普通充電に替えてバッテリの均等充電を行う。
【0071】
・上記実施形態では1つの充電スイッチ31を用いて普通充電と均等充電を行うようにしたが、普通充電を行うための充電スイッチと均等充電を行うための充電スイッチをそれぞれ設けてもよい。あるいは、充電スイッチ31を連続して押下することにより均等充電を行うようにしてもよい。
【0072】
・充電器や充電制御用のコントローラは車両に搭載したが、充電器や充電制御用のコントローラは地上側設備としてもよい。
・車両はフォークリフトであったが、フォークリフト以外の車両であってもよい。
【符号の説明】
【0073】
13…バッテリ、15…コントローラ、20…充電器、30…バッテリ充電装置、31…充電スイッチ、32…走行・荷役アワーメータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用期間と不使用期間とを有するバッテリの充電方式として普通充電と均等充電とに切替可能なバッテリ充電装置において、
充電スイッチの操作に伴い前記バッテリの普通充電を行う普通充電制御手段と、
前記普通充電制御手段によるバッテリの普通充電の累計充電時間または当該累計充電時間に応じた累計充電値を計数する計数手段と、
前記バッテリの前回の使用期間の終了から次回の使用期間の開始までの不使用期間が均等充電推奨期間よりも大きいか否か判定する期間判定手段と、
前記計数手段による普通充電の累計充電時間または累計充電値が第1の規定値以上となった状態で、充電スイッチの操作に伴い、前記期間判定手段によるバッテリの前回の使用期間の終了から次回の使用期間の開始までの不使用期間が均等充電推奨期間よりも大きいと判定されると、普通充電に替えて前記バッテリの均等充電を行う均等充電制御手段と、
を備えたことを特徴とするバッテリ充電装置。
【請求項2】
使用期間と不使用期間を有するバッテリの充電方式として普通充電と均等充電とに切替可能なバッテリ充電装置において、
充電スイッチの操作に伴い前記バッテリの普通充電を行う普通充電制御手段と、
前記普通充電制御手段によるバッテリの普通充電の累計充電時間または当該累計充電時間に応じた累計充電値を計数する計数手段と、
曜日毎に、バッテリの使用期間を有する稼動日であるか、バッテリの不使用期間のみの非稼動日であるかをバッテリの使用状況より特定して記憶する稼動日特定手段と、
前記稼動日特定手段に基づいて休日を判定する休日判定手段と、
前記休日判定手段に基づいて前記バッテリの前回の使用期間の終了から次回の使用期間の開始までの不使用期間内に休日が存在するか否かを判定する期間判定手段と、
前記計数手段による普通充電の累計充電時間または累計充電値が第1の規定値以上となった状態で、充電スイッチの操作に伴い、前記期間判定手段によるバッテリの前回の使用期間の終了から次回の使用期間の開始までの不使用期間内に休日が存在すると判定されると、普通充電に替えて前記バッテリの均等充電を行う均等充電制御手段と、
を備えたことを特徴とするバッテリ充電装置。
【請求項3】
前記稼動日特定手段は、一日のバッテリの使用時間が使用期間判定値を超えない場合、その曜日をバッテリの不使用期間のみの非稼動日として特定して記憶し、
前記休日判定手段は、前記稼動日特定手段により連続する複数の週において同じ曜日が非稼動日として特定された場合に、その曜日を休日として判定することを特徴とする請求項2に記載のバッテリ充電装置。
【請求項4】
前記計数手段による普通充電の累計充電時間または累計充電値が前記第1の規定値よりも大きな第2の規定値以上となった状態で、充電スイッチの操作に伴い、普通充電に替えて前記バッテリの均等充電を行う強制均等充電制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のバッテリ充電装置。
【請求項5】
前記バッテリは、車両に搭載されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のバッテリ充電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−120263(P2012−120263A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265184(P2010−265184)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】