説明

フレキシブルプリント基板及び電子機器

【課題】屈曲が容易で組み立て性に優れ、小型化が可能なフレキシブルプリント基板を提供する。
【解決手段】フレキシブルプリント基板103は、第1の屈曲部215で山折りされ、第2の屈曲部217及び第3の屈曲部218で谷折りされるものであって、第1の屈曲部215、第2の屈曲部217及び第3の屈曲部218が交差する交差部219には、第1のフレキシブルプリント基板103を貫通する穴部220を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルプリント基板及び電子機器に関し、特に電子機器がその内部に備えるフレキシブルプリント基板の折り曲げ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等の電子機器では、小型化が進むにつれて内部部品を配置するスペースが小さくなってきており、その一方で、電子化によって電子機器の内部に配設される電子部品の数や配線は増加してきている。
【0003】
そこで、多くの電子部品を電気的に接続するための配線用の基板として、自由に折り曲げて形を変えて配置できるフレキシブルプリント基板が多用されており、電子機器の小型化に貢献している。したがって、電子機器の小型化と高機能化を更に進める上で、限られたスペースに様々な部品を配置するために部品の小型化を進めつつフレキシブルプリント基板をどのように配置するかが、重要な技術となっている。
【0004】
ここで、フレキシブルプリント基板を折り曲げて電子機器内に配置する場合、電子部品を限られたスペースに配置しつつ、さらに別に基板と接続するためにフレキシブルプリント基板を引き出そうとすると、その折り曲げの形態が複雑になることが多い。しかし、あまりにも複雑な折り曲げを行うことは、組み立て性(組み立て作業性)を悪化させ、組み立て時にフレキシブルプリント基板の破断を招く可能性を高める。
【0005】
よって、フレキシブルプリント基板の展開形状を、他の基板まで効率よく配線されるように引き回すことができ、且つ、組み立て性を損なわないように設計することが、極めて重要である。上述した状況を考慮したフレキシブルプリント基板の設計例として、デジタルカメラを取り上げて、以下に説明する。
【0006】
デジタルカメラは、円形の撮影レンズを保持したレンズ鏡筒を備えており、レンズ鏡筒は撮影レンズの形状に合わせて、円筒形状となっている。円筒形のレンズ鏡筒と直線的な形状で形成される他の部品とを組み合わせると、略三角形状のスペースが生じることが多い。矩形形状のスペースであれば、他の部品を配置する上で比較的利用しやすく、配置効率もよいが、三角形形状のスペースは、非常に利用しづらく、スペース効率を悪化させる要因となる。しかし、電子機器において必要な機能を実現するために必然的に生じる利用しづらいスペースに、フレキシブル性を上手に活用してフレキシブルプリント基板を屈曲させて配置することにより、スペースの有効利用を図ることができる。
【0007】
円筒形の部材に効率よくフレキシブルプリント基板を配置する方法として、円筒の円周方向にフレキシブルプリント基板多角形状に折り曲げて取り付ける方法が提案されている(特許文献1参照)。この方法によれば、フレキシブルプリント基板を円筒に巻き付けて配置し、展開形状を直線状とすることができるため、デッドスペースを有効に利用することができることに加えて、フレキシブルプリント基板のコストを低くすることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平7−151948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1に記載された方法では、フレキシブルプリント基板から別の基板に接続する際にコネクタを用いて接続する必要があるため、その分だけ、コスト高となる。また、コネクタの設置スペースを確保する必要があり、この設置スペースに構造上の制約が伴うために、全体的に効果的であるとは言い難い。さらに、基板と基板を接続するためコネクタをフレキシブルプリント基板上に配設する際に、狭いスペースにコネクタを配置すると、フレキシブルプリント基板の抜き差しが困難となって、組み立て性が悪化するおそれがある。
【0010】
本発明は、屈曲が容易で組み立て性に優れ、小型化が可能なフレキシブルプリント基板、及びこのフレキシブルプリント基板を備える電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、第1の領域と、前記第1の領域に隣接する第2の領域と、前記第1の領域及び前記第2の領域に隣接する第3の領域とを有するフレキシブルプリント基板において、前記フレキシブルプリント基板は、前記第1の領域と前記第2の領域との間に位置する第1の屈曲部にて屈曲され、前記第1の領域と前記第3の領域との間に位置する第2の屈曲部にて屈曲され、前記第2の領域と前記第3の領域との間に位置する第3の屈曲部にて屈曲されるものであって、前記第1の屈曲部、前記第2の屈曲部及び前記第3の屈曲部が交差する交差部に穴部が形成されていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記フレキシブルプリント基板を保持する電子機器であって、上記フレキシブルプリント基板に形成された穴部を、電子機器の内部構造物に突出形成されるピン状部材に挿通させることで、前記フレキシブルプリント基板が前記内部構造物に保持されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るフレキシブルプリント基板は、屈曲が容易で、小さなスペースに折り込みつつ他の基板への接続を効率的に行うことができる等、組み立て性に優れており、更に、小型化が可能である。これにより、ひいては、フレキシブルプリント基板を備える電子機器のコストを低く抑えることも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態に係るフレキシブルプリント基板を備えるデジタルカメラの正面図である。
【図2】第1実施形態に係るフレキシブルプリント基板の取り付け部の構造を示す斜視図である。
【図3】デジタルカメラに組み込まれているときの第1実施形態に係るフレキシブルプリント基板の状態を示す正面図である。
【図4】デジタルカメラに組み込まれているときの第1実施形態に係るフレキシブルプリント基板の状態を示す斜視図である。
【図5】第1実施形態に係るフレキシブルプリント基板の平面展開図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るフレキシブルプリント基板の平面展開図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係るフレキシブルプリント基板の平面展開図である。
【図8】第3実施形態に係るフレキシブルプリント基板を屈曲させた状態を示す斜視図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係るフレキシブルプリント基板の平面展開図である。
【図10】本発明の第5実施形態に係るフレキシブルプリント基板の平面展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。ここでは、本発明に係るフレキシブルプリント基板を備える電子機器としてデジタルカメラを取り上げて、本発明に係るフレキシブルプリント基板の構造を具体的に説明することとする。
【0016】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係るフレキシブルプリント基板を備える電子機器としてのデジタルカメラの正面図(光軸方向の被写体側から見た図)であり、外装カバーが取り外された状態が示されている。デジタルカメラは、被写体の撮影を行うための撮影レンズ101と、撮影レンズ101を保持する鏡筒102と、第1実施形態に係るフレキシブルプリント基板(以下「第1のフレキシブルプリント基板103」と記す)とを有している。第1のフレキシブルプリント基板103は、内部構造物としての鏡筒102に固定される。
【0017】
また、デジタルカメラは、第1のフレキシブルプリント基板103に接続される第2のフレキシブルプリント基板104及び第3のフレキシブルプリント基板105と、第1のフレキシブルプリント基板103が接続されるメイン基板106と、バッテリボックス107とを備える。メイン基板106には、第1のフレキシブルプリント基板103が接続される第1のコネクタ210が実装されている。
【0018】
撮影レンズ101を保持する鏡筒102の内部から第2のフレキシブルプリント基板104及び第3のフレキシブルプリント基板105が引き出されており、これらとメイン基板106との電気的な接続を第1のフレキシブルプリント基板103を介して行う。
【0019】
図2は、第1のフレキシブルプリント基板103の取り付け部の構造を示す斜視図であり、第1のフレキシブルプリント基板103に対する第2のフレキシブルプリント基板104及び第3のフレキシブルプリント基板105の接続状態をより詳しく示している。また、図3は、デジタルカメラに組み込まれているときの第1のフレキシブルプリント基板103の状態を示す正面図であり、図4は、デジタルカメラに組み込まれているときの第1のフレキシブルプリント基板103の状態を示す斜視図である。
【0020】
第1のフレキシブルプリント基板103には、第1の領域213、第2の領域214、第3の領域216が形成される。第1の領域213と第2の領域214は、互いに隣接しており、第3の領域216は第1の領域213及び第2の領域214に隣接している。
【0021】
第1の領域213には、第2のフレキシブルプリント基板104と電気的接続を取るための第2のコネクタ211が実装されている。第2の領域214には、第3のフレキシブルプリント基板105と電気的接続を取るための第3のコネクタ212が実装されている。第2のコネクタ211及び第3のコネクタ212は共にNON−ZIF型のコネクタである。第3の領域216には、第1のフレキシブルプリント基板103をメイン基板106に実装される第1のコネクタ210に接続される接続部が形成される。
【0022】
第1のフレキシブルプリント基板103は、第1の領域213と第2の領域214との間に位置する第1の屈曲部215で山折りされる。鏡筒102は円筒形であるため、第1のフレキシブルプリント基板103が第1の屈曲部215で山折りされることで、鏡筒102の外周面に沿って効率的に第1のフレキシブルプリント基板103を配置することができる。
【0023】
NON−ZIF型のコネクタは、コネクタの側面方向に接続されるフレキシブルプリント基板を挿入するために十分な空間が必要となる。したがって、第2のコネクタ211と第3のコネクタ212との間には、第2のフレキシブルプリント基板104を第2のコネクタ211に挿入するための空間を確保しなければならない。
【0024】
本実施形態では、第1のフレキシブルプリント基板103を第1の屈曲部215で山折りすることで、第2のコネクタ211の側面に第2のフレキシブルプリント基板104を挿入する空間を確保している。これによって、第2のコネクタ211と第3のコネクタ212とを近接して実装したとしても、第2のコネクタ211に第2のフレキシブルプリント基板104を挿入する際に、第3のコネクタ212が邪魔になることがない。
【0025】
図5は、第1のフレキシブルプリント基板103の平面展開図である。図5に図示するように、第2の屈曲部217が第1の領域213と第3の領域216との間に位置し、第3の屈曲部218が第2の領域214と第3の領域216との間に位置する。そして、第1の屈曲部215、第2の屈曲部217及び第3の屈曲部218が交差する交差部219には、穴部220が形成される。穴部220は、第1のフレキシブルプリント基板103を貫通して形成される。
【0026】
第1のフレキシブルプリント基板103は、第1の屈曲部215で山折りされ、第2の屈曲部217及び第3の屈曲部218で谷折りされることで、図4に示す状態となる。図2に図示されるように、第1のフレキシブルプリント基板103は、第1の領域213及び第2の領域214が鏡筒102の外周面に沿うように配置される。したがって、第1のフレキシブルプリント基板103の第3の領域216は、撮影レンズ101の光軸と垂直な方向の面に沿うように配置されることになる。メイン基板106は撮影レンズ101の光軸と垂直な方向の面に沿って配置されているので、第1のフレキシブルプリント基板103の第3の領域216は、メイン基板106の面方向に沿って配置される。
【0027】
一般的に、フレキシブルプリント基板を屈曲させる際に、複数の屈曲部がフレキシブルプリント基板上で交差すると、複数の屈曲部が交差する交差部でフレキシブルプリント基板の屈曲が妨げられる。また、交差部には大きなストレスが発生するので、交差部からフレキシブルプリント基板が破断する可能性がある。
【0028】
本実施形態では、第1の屈曲部215、第2の屈曲部217及び第3の屈曲部218が交差する交差部219には、第1のフレキシブルプリント基板103を貫通する穴部220を形成している。これによって、第1のフレキシブルプリント基板103の屈曲が妨げられることもなく、第1のフレキシブルプリント基板103が破断する可能性が低くなる。
【0029】
本実施形態では、第1のフレキシブルプリント基板103は、第1の領域213及び第2の領域214が鏡筒102の外周面に沿うように配置され、第3の領域216がメイン基板106の面方向に沿うように配置される。このとき、図2に示すように、内部構造物としての鏡筒102に突出形成されている位置決め用のピン状部材201が第1のフレキシブルプリント基板103の穴部220に差し込まれる。
【0030】
ピン状部材201の先端には、腕部202が第3の屈曲部218に沿って延出形成される。図2に図示するように、腕部202が第3の屈曲部218を押さえつけることで、第2の領域214が鏡筒102の外周面から浮き上がらないようにするとともに、第2の屈曲部217及び第3の屈曲部218での谷折りが維持される。すなわち、第1のフレキシブルプリント基板103の穴部220をピン状部材201に、挿通させることで、第1のフレキシブルプリント基板103は鏡筒102に保持される。そして、ピン状部材201に腕部202が形成されることで、第1のフレキシブルプリント基板103の屈曲形状が維持される。
【0031】
本実施形態では、腕部202が第3の屈曲部218に沿って延出形成されるが、腕部202が第2の屈曲部217に沿って延出形成され、第2の屈曲部217を押さえつける場合にも、第2の屈曲部217及び第3の屈曲部218での谷折りが維持される。そして、第1の領域213が鏡筒102の外周面から浮き上がらないようにすることができる。
【0032】
<第2実施形態>
第2実施形態に係るフレキシブルプリント基板113は、第1実施形態に係る第1のフレキシブルプリント基板103の変形例に相当する。そのため、図6において、フレキシブルプリント基板113の構成要素のうち第1のフレキシブルプリント基板103と共通する構成要素には、第1のフレキシブルプリント基板103と同じ符号を付して説明を省略する。
【0033】
図6に図示するように、フレキシブルプリント基板113には、第1の領域213、第2の領域214、第3の領域216、第4の領域231及び第5の領域232が形成される。
【0034】
第1実施形態と同様に、フレキシブルプリント基板113は、第1の屈曲部215で山折りされる。そして、フレキシブルプリント基板113は、第1の領域213と第4の領域231との間に位置する第4の屈曲部233で山折りされる。さらに、フレキシブルプリント基板113は、第4の領域231と第5の領域232との間に位置する第5の屈曲部234で山折りされる。これによって、第1の領域213、第2の領域214、第4の領域231及び5の領域232が鏡筒102の外周面に沿うように、フレキシブルプリント基板113は配置される。
【0035】
第1実施形態と同様に、フレキシブルプリント基板113は、第2の屈曲部217及び第3の屈曲部218で谷折りされる。そして、フレキシブルプリント基板113は、第4の領域231と第3の領域216との間に位置する第6の屈曲部235で谷折りされる。これによって、第3の領域216がメイン基板106の面方向に沿うように、フレキシブルプリント基板113は配置される。
【0036】
第1実施形態と同じように、第1の屈曲部215、第2の屈曲部217及び第3の屈曲部218が交差する交差部219には、フレキシブルプリント基板113を貫通する穴部220が形成される。そして、第2の屈曲部217、第3の屈曲部218及び第4の屈曲部231が交差する交差部236には、フレキシブルプリント基板113を貫通する穴部237が形成される。
【0037】
これにより、第1実施形態と同様に、フレキシブルプリント基板113を無理なく安全に屈曲させることができる。
【0038】
<第3実施形態>
図7は、本発明の第3実施形態に係るフレキシブルプリント基板123の平面展開図であり、図8は、図7に示すフレキシブルプリント基板を屈曲させた状態を示す斜視図である。図7及び図8において、第3実施形態に係るフレキシブルプリント基板123の構成要素のうち第1のフレキシブルプリント基板103と共通する構成要素には同じ符号を付して、説明を省略する。
【0039】
図7に図示するように、フレキシブルプリント基板123には、第1の領域213、第2の領域214、第3の領域216及び第6の領域241が形成される。
【0040】
第1実施形態と同様に、フレキシブルプリント基板123は、第1の屈曲部215で山折りされる。これによって、第1の領域213及び第2の領域214が鏡筒102の外周面に沿うように、フレキシブルプリント基板123は配置される。
【0041】
第1実施形態と同様に、フレキシブルプリント基板123は、第2の屈曲部217及び第3の屈曲部218で谷折りされる。これによって、第3の領域216がメイン基板106の面方向に沿うように、フレキシブルプリント基板123は配置される。
【0042】
図8に図示するように、フレキシブルプリント基板123は、第1の領域213と第6の領域241との間に位置する第7の屈曲部242で山折りされる。フレキシブルプリント基板123は、第2の領域214と第6の領域241との間に位置する第8の屈曲部243で山折りされる。
【0043】
第1実施形態と同じように、第1の屈曲部215、第2の屈曲部217及び第3の屈曲部218が交差する交差部219には、フレキシブルプリント基板123を貫通する穴部220が形成される。そして、第1の屈曲部215、第7の屈曲部242及び第8の屈曲部243が交差する交差部242には、フレキシブルプリント基板123を貫通する穴部245が形成される。
【0044】
これにより、第1実施形態と同様に、フレキシブルプリント基板123を無理なく安全に屈曲させることができる。
【0045】
<第4実施形態>
図9は、本発明の第4実施形態に係るフレキシブルプリント基板133の平面展開図である。第4実施形態に係るフレキシブルプリント基板133は、第2実施形態に係るフレキシブルプリント基板113の変形例に相当する。そのため、図9において、第1のフレキシブルプリント基板133の構成要素のうち、第2実施形態に係るフレキシブルプリント基板113と共通する構成要素には、第2実施形態に係るフレキシブルプリント基板113と同じ符号を付して説明を省略する。
【0046】
図9に図示するように、フレキシブルプリント基板133には、第1の領域213、第2の領域214、第3の領域216、第4の領域231、第5の領域232及び第7の領域251が形成される。
【0047】
第2実施形態と同様に、フレキシブルプリント基板133は、第1の屈曲部215、第4の屈曲部233及び第5の屈曲部234で山折りされる。これによって、第1の領域213、第2の領域214、第4の領域231及び第5の領域232が鏡筒102の外周面に沿うように、フレキシブルプリント基板133は配置される。
【0048】
フレキシブルプリント基板113は、第2の屈曲部217及び第3の屈曲部218で谷折りされる。これによって、第3の領域216がメイン基板106の面方向に沿うように、フレキシブルプリント基板133は配置される。
【0049】
フレキシブルプリント基板133は、第5の領域232と第7の領域251との間に位置する第9の屈曲部251で谷折りされる。フレキシブルプリント基板133は、第4の領域231と第7の領域251との間に位置する第10の屈曲部253で谷折りされる。これによって、第7の領域251がメイン基板106の面方向に沿うように、フレキシブルプリント基板113は配置される。
【0050】
第1実施形態と同じように、第1の屈曲部215、第2の屈曲部217及び第3の屈曲部218が交差する交差部219には、フレキシブルプリント基板133を貫通する穴部220が形成される。そして、第5の屈曲部234、第9の屈曲部252及び第10の屈曲部253が交差する交差部254には、フレキシブルプリント基板133を貫通する穴部255が形成される。
【0051】
これにより、第2実施形態と同様に、フレキシブルプリント基板133を無理なく安全に屈曲させることができる。
【0052】
<第5実施形態>
図10は、本発明の第5実施形態に係るフレキシブルプリント基板143の平面展開図である。第5実施形態に係るフレキシブルプリント基板143は、第2実施形態に係るフレキシブルプリント基板113及び第3実施形態に係るフレキシブルプリント基板123の変形例に相当する。
【0053】
図10に図示するように、フレキシブルプリント基板143には、第1の領域213、第2の領域214、第3の領域216、第4の領域231、第5の領域232、及び第6の領域241が形成される。
【0054】
第2実施形態と同様に、フレキシブルプリント基板143は、第1の屈曲部215で山折りされる。フレキシブルプリント基板143は、第1の屈曲部215、第4の屈曲部233及び第5の屈曲部234で山折りされる。これによって、第1の領域213、第2の領域214、第4の領域231及び5の領域232が鏡筒102の外周面に沿うように、フレキシブルプリント基板143は配置される。
【0055】
第3実施形態と同様に、フレキシブルプリント基板143は、第7の屈曲部242及び第8の屈曲部243で山折りされる。
【0056】
第1実施形態と同様に、第1の屈曲部215、第2の屈曲部217及び第3の屈曲部218が交差する交差部219には、フレキシブルプリント基板143を貫通する穴部220が形成される。第2実施形態と同様に、第2の屈曲部217、第3の屈曲部218及び第4の屈曲部231が交差する交差部236には、フレキシブルプリント基板143を貫通する穴部237が形成される。そして、第3実施形態と同様に、第1の屈曲部215、第7の屈曲部242及び第8の屈曲部243が交差する交差部242には、フレキシブルプリント基板143を貫通する穴部245が形成される。
【0057】
これにより、第3実施形態と同様に、フレキシブルプリント基板143を無理なく安全に屈曲させることができる。
【0058】
以上に説明した通り、本発明によれば、フレキシブルプリント基板を複数個所で屈曲させる場合には、複数の屈曲部がフレキシブルプリント基板上で交差しないように、フレキシブルプリント基板を貫通する穴部を形成する。これにより、組み立て性を良好に確保することができ、しかも、フレキシブルプリント基板が破断することを防止することができる。
【0059】
<他の実施形態>
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0060】
例えば、本発明は、フレキシブルプリント基板に上記実施形態よりも更に多い面が設けられる構成に対しても適用することができることは、上記説明から明らかである。
【符号の説明】
【0061】
103 第1のフレキシブルプリント基板
113,123,133,134 フレキシブルプリント基板
213 第1の面
214 第2の面
216 第3の面
219 交差部
220 穴部
201 ピン状部材
202 腕部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の領域と、前記第1の領域に隣接する第2の領域と、前記第1の領域及び前記第2の領域に隣接する第3の領域とを有するフレキシブルプリント基板において、
前記フレキシブルプリント基板は、前記第1の領域と前記第2の領域との間に位置する第1の屈曲部にて屈曲され、前記第1の領域と前記第3の領域との間に位置する第2の屈曲部にて屈曲され、前記第2の領域と前記第3の領域との間に位置する第3の屈曲部にて屈曲されるものであって、
前記第1の屈曲部、前記第2の屈曲部及び前記第3の屈曲部が交差する交差部に穴部が形成されていることを特徴とするフレキシブルプリント基板。
【請求項2】
前記第1の領域または前記第2の領域には、別のフレキシブルプリント基板と接続されるNON−ZIF型のコネクタが実装されることを特徴とする請求項1記載のフレキシブルプリント基板。
【請求項3】
フレキシブルプリント基板を備える電子機器であって、
前記フレキシブルプリント基板は、第1の領域と、前記第1の領域に隣接する第2の領域と、前記第1の領域及び前記第2の領域に隣接する第3の領域とを有し、前記第1の領域と前記第2の領域との間に位置する第1の屈曲部にて屈曲され、前記第1の領域と前記第3の領域との間に位置する第2の屈曲部にて屈曲され、前記第2の領域と前記第3の領域との間に位置する第3の屈曲部にて屈曲され、前記第1の屈曲部、前記第2の屈曲部及び前記第3の屈曲部が交差する交差部には穴部が形成されるものであって、
前記穴部を前記電子機器の内部構造物に突出形成されるピン状部材に挿通させることで、前記フレキシブルプリント基板が前記内部構造物に保持されることを特徴とする電子機器。
【請求項4】
前記ピン状部材は、前記第2の屈曲部または前記第3の屈曲部に沿って延出形成される腕部を有し、
前記腕部が前記第2の屈曲部または前記第3の屈曲部を押えることで、前記フレキシブルプリント基板は、第2の屈曲部217及び第3の屈曲部218での屈曲形状を維持することを特徴とする請求項3記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−55253(P2013−55253A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193133(P2011−193133)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】