説明

プラズマ処理装置及びプラズマ処理装置におけるトレイの載置方法

【課題】処理対象物を支持部材上の正確な位置に載置して処理対象物を支持部材上に正しい姿勢で支持することができるようにしたプラズマ処理装置及びプラズマ処理装置におけるトレイの載置方法を提供することを目的とする。
【解決手段】トレイ6の下面側から下方に突出して設けられた突起52と、トレイ載置面5に下方に窪んで設けられた突起嵌入穴53を有する。昇降ピン7によってトレイ6がトレイ載置面5に載置される過程で、トレイ6の下面側に設けられた突起52が突起嵌入穴53に上方から嵌入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理対象物に対してプラズマ処理を行うプラズマ処理装置及びプラズマ処理装置におけるトレイの載置方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プラズマ処理装置は、チャンバ内に形成される処理室内に設けられた支持部材上に処理対象物を支持し、密閉状態にした処理室内に高周波電圧を印加するとともにプラズマ発生用のガスを供給して処理室内にプラズマを発生させることにより、処理対象物にドライエッチング等のプラズマ処理を施すようになっている。
【0003】
このようなプラズマ処理装置では、複数の処理対象物を一括して支持部材上に支持させるためのトレイが用いられる。トレイは厚さ方向に貫通して設けられた複数の収容孔を有し、各収容孔の内周部から収容孔の内方に張り出して設けられた張り出し部により処理対象物の外縁を下方から支持してその処理対象物を収容孔の内部に収容するように構成されている。支持部材には同期して昇降する複数のピン状部材が設けられており、処理対象物を収容したトレイを支持部材の上方で位置合わせをしたところでピン状部材を上昇させてトレイを下方から支持し、それからピン状部材を下降させると、支持部材の上面に設けられた複数の台状部がそれぞれトレイの各収容孔を相対的に上方に突き抜けるので、トレイの収容孔内に収容された処理対象物は台状部によって相対的に押し上げられ、処理対象物は張り出し部から上方に離間した状態で、各台状部の上面に支持される(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−109770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のプラズマ処理装置において、トレイを支持部材の上面に載置する際、トレイの支持部材に対する位置合わせを正確に行った状態でトレイをピン状部材に支持させたとしても、ピン状部材が下降してトレイがトレイ載置面に接触するとき、位置ずれが生じてしまう可能性があった。そうすると、台状部は収容孔を突き抜けることができずにトレイと干渉してしまい、処理対象物を支持部材上に正しい姿勢で支持することができなくなるおそれがあるという問題点があった。処理対象物を支持部材上に正しい姿勢で支持できなかった場合には、トレイの載置に関する一連の作業をやり直さなければならず、プラズマ処理の作業効率を低下させる要因となっていた。
【0006】
また、近年のプラズマ処理装置では、より多くの処理対象物に対して一括してプラズマ処理(バッチ処理)を施して効率化を図ろうとする傾向が強い。より多くの処理対象物を収納するためにトレイサイズを200mmから340mmと大型化することで、θ方向(水平面内における回転方向)のずれによる位置ずれが大きくなり、また1つのトレイに収容される処理対象物の数が多くなるほど許容できるトレイの位置ずれは小さくなるため、上記の問題は早急に解決する必要がある。特にLED基板の処理対象物では、処理対象物の外周部付近までの歩留まり向上が求められており、処理対象物を支持部材の台状部上に載置して静電吸着保持させて冷却しながら処理対象物をプラズマ処理する際に、処理対象物の外周部付近まで支持部の台状部にて静電吸着保持させるため、台状部の外径とトレイの収容孔の隙間をより小さくする必要があり、許容できるトレイの位置ずれは更に小さくなる。
【0007】
そこで本発明は、処理対象物を支持部材上の正確な位置に載置して処理対象物を支持部材上に正しい姿勢で支持することができるようにしたプラズマ処理装置及びプラズマ処理装置におけるトレイの載置方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載のプラズマ処理装置は、厚さ方向に貫通して設けられた収容孔を有し、収容孔の内周部から収容孔の内方に張り出して設けられた張り出し部により処理対象物の外縁を下方から支持してその処理対象物を収容孔の内部に収容するトレイと、トレイが載置されるトレイ載置面及びトレイ載置面から上方に突出して設けられた台状部を有して成り、トレイ載置面にトレイが上方から載置される過程で台状部がトレイの収容孔を相対的に上方に突き抜けることによって、トレイの収容孔内に収容された処理対象物を台状部によって相対的に上方に押し上げ、処理対象物を張り出し部から上方に離間させた状態で台状部の上面に支持する支持部材と、支持部材に対してトレイを昇降させ、トレイのトレイ載置面上への載置及びトレイのトレイ載置面からの離間を行うトレイ昇降手段と、トレイの下面側から下方に突出して設けられた突起と、トレイ載置面に下方に窪んで設けられ、トレイ昇降手段によってトレイがトレイ載置面に載置される過程で前記突起が上方から嵌入する突起嵌入穴とを備えた。
【0009】
請求項2に記載のプラズマ処理装置は、請求項1に記載のプラズマ処理装置であって、トレイの張り出し部の処理対象物を支持する支持面と前記突起の下端部との間の上下方向距離は、トレイ載置面と台状部の上面との間の上下方向距離よりも大きい。
【0010】
請求項3に記載のプラズマ処理装置は、請求項1又は2に記載のプラズマ処理装置であって、前記突起嵌入穴の内壁面は上方に広がるテーパ形状に形成されている。
【0011】
請求項4に記載のプラズマ処理装置は、請求項1乃至3の何れかに記載のプラズマ処理装置であって、前記突起及び前記突起嵌入穴は少なくとも3組設けられている。
【0012】
請求項5に記載のプラズマ処理装置は、請求項1乃至4の何れかに記載のプラズマ処理装置であって、トレイ昇降手段はトレイ載置面から上方に延びた部分が同期して昇降する複数のピン状部材から成り、トレイの下面側には各ピン状部材の上端部が嵌入するピン状部材嵌入穴が設けられている。
【0013】
請求項6に記載のプラズマ処理装置は、厚さ方向に貫通して設けられた収容孔を有し、収容孔の内周部から収容孔の内方に張り出して設けられた張り出し部により処理対象物の外縁を下方から支持してその処理対象物を収容孔の内部に収容するトレイと、トレイが載置されるトレイ載置面及びトレイ載置面から上方に突出して設けられた台状部を有して成り、トレイ載置面にトレイが上方から載置される過程で台状部がトレイの収容孔を相対的に上方に突き抜けることによって、トレイの収容孔内に収容された処理対象物を台状部によって相対的に上方に押し上げ、処理対象物を張り出し部から上方に離間させた状態で台状部の上面に支持する支持部材と、支持部材に対してトレイを昇降させ、トレイのトレイ載置面上への載置及びトレイのトレイ載置面からの離間を行うトレイ昇降手段とを備え、トレイ昇降手段はトレイ載置面から上方に延びた部分が同期して昇降する複数のピン状部材から成り、トレイの下面側には各ピン状部材の上端部が嵌入するピン状部材嵌入穴が設けられている。
【0014】
請求項7に記載のプラズマ処理装置は、請求項5又は6に記載のプラズマ処理装置であって、前記ピン状部材嵌入穴の内壁面は下方に広がるテーパ形状に形成されている。
【0015】
請求項8に記載のプラズマ処理装置におけるトレイの載置方法は、厚さ方向に貫通して設けられた収容孔を有し、収容孔の内周部から収容孔の内方に張り出して設けられた張り出し部により処理対象物の外縁を下方から支持してその処理対象物を収容孔の内部に収容するトレイを、このトレイが載置されるトレイ載置面及びトレイ載置面から上方に突出して設けられた台状部を有して成り、トレイ載置面にトレイが上方から載置される過程で台状部がトレイの収容孔を相対的に上方に突き抜けることによって、トレイの収容孔内に収容された処理対象物を台状部によって相対的に上方に押し上げ、処理対象物を張り出し部から上方に離間させた状態で台状部の上面に支持する支持部材に載置するプラズマ処理装置におけるトレイの載置方法であって、トレイがトレイ載置面に載置される過程で、トレイの下面側から下方に突出して設けられた突起を、トレイ載置面に下方に窪んで設けられた突起嵌入穴に上方から嵌入させるようにした。
【0016】
請求項9に記載のプラズマ処理装置におけるトレイの載置方法は、厚さ方向に貫通して設けられた収容孔を有し、収容孔の内周部から収容孔の内方に張り出して設けられた張り出し部により処理対象物の外縁を下方から支持してその処理対象物を収容孔の内部に収容するトレイを、このトレイが載置されるトレイ載置面及びトレイ載置面から上方に突出して設けられた台状部を有して成り、トレイ載置面にトレイが上方から載置される過程で台状部がトレイの収容孔を相対的に上方に突き抜けることによって、トレイの収容孔内に収容された処理対象物を台状部によって相対的に上方に押し上げ、処理対象物を張り出し部から上方に離間させた状態で台状部の上面に支持する支持部材に載置するプラズマ処理装置におけるトレイの載置方法であって、支持部材に対してトレイを昇降させ、トレイのトレイ載置面上への載置及びトレイのトレイ載置面からの離間を行うトレイ昇降手段を、トレイ載置面から上方に延びた部分が同期して昇降する複数のピン状部材から構成し、これら複数のピン状部材の上端部を、トレイの下面側に設けられたピン状部材嵌入穴に嵌入させるようにした。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、トレイがトレイ載置面に載置される過程において、トレイの下面側から下方に突出して設けられた突起が、トレイ載置面上に下方に窪んで設けられた突起嵌入穴に上方から嵌入するようになっているので、トレイは支持部材上の正確な位置に載置される。このため台状部とトレイは干渉せず、処理対象物を支持部材上に正しい姿勢で支持することができるので、プラズマ処理における作業効率の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施の形態におけるプラズマ処理装置の構成図
【図2】本発明の一実施の形態におけるプラズマ処理装置が備えるトレイを基板とともに示す(a)斜視図(b)平面図
【図3】本発明の一実施の形態におけるプラズマ処理装置が備えるトレイを基板とともに示す側断面図
【図4】本発明の一実施の形態におけるプラズマ処理装置が備える基板サセプタの一部の(a)斜視図(b)側断面図
【図5】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態におけるプラズマ処理装置が備えるトレイを基板サセプタ上に載置する手順を説明する基板サセプタの側断面図
【図6】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態におけるプラズマ処理装置が備えるトレイの部分側断面図
【図7】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態におけるプラズマ処理装置が備えるトレイ及び基板支持部材の部分側断面図
【図8】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態におけるトレイを基板支持部材上に載置する手順の説明図
【図9】本発明の一実施の形態におけるプラズマ処理装置が備える基板支持部材、トレイ及び基板の部分側断面図
【図10】本発明の一実施の形態におけるプラズマ処理装置が備えるトレイを基板とともに示す斜視図
【図11】本発明の一実施の形態におけるプラズマ処理装置が備える基板サセプタの一部の斜視図
【図12】本発明の一実施の形態におけるプラズマ処理装置が備える基板サセプタ及びトレイの一部を示す平面図
【図13】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態におけるプラズマ処理装置が備えるトレイの部分側断面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1において、本発明の一実施の形態におけるプラズマ処理装置1は処理対象物の一例としての基板Wに対してプラズマ処理(例えばドライエッチング)を施すものであり、内部に処理室2が形成されたチャンバ(真空容器)3と、処理室2内に設けられ、複数の基板Wを支持可能な基板サセプタ4と、複数の基板Wを収容した状態で処理室2内に搬入され、基板サセプタ4の(後述する基板支持部材33の)の上面のトレイ載置面5に載置されることによって複数の基板Wを基板サセプタ4の上面に支持させるトレイ6と、トレイ6を基板サセプタ4の上方で昇降させることによりトレイ6のトレイ載置面5への載置及びトレイ6のトレイ載置面5からの離間を行うトレイ昇降手段としての複数(ここでは4つ)の昇降ピン7等を備えて構成されている。
【0020】
図1において、プラズマ処理装置1にはプラズマ発生用のガスが充填されたガス供給源11、真空ポンプ等から成る真空排気装置12が設けられている。チャンバ3の上方には誘電コイル13が設けられており、誘電コイル13は高周波電源及びマッチング回路等を有して構成される高周波電圧印加装置14と繋がっている。
【0021】
ガス供給源11は、このプラズマ処理装置1が備えるコントローラ15(図1)により作動制御がなされてチャンバ3の処理室2内にプラズマ発生用のガスを供給し、真空排気装置12はコントローラ15により作動制御がなされて処理室2内のガスを真空排気する。高周波電圧印加装置14はコントローラ15により作動制御がなされて誘電コイル13に高周波電圧を印加する。
【0022】
図2(a),(b)及び図3において、トレイ6は薄板円盤状の部材から成り、セラミックス材料等の電気絶縁性材料から形成される。トレイ6には厚さ方向に貫通して設けられた複数(ここでは7つ)の円形の基板収容孔21が設けられており、各基板収容孔21の内周部の下縁部には、その基板収容孔21の内方に張り出して設けられたリング状の張り出し部22が設けられている。
【0023】
図3に示すように、トレイ6が有する各基板収容孔21の内径R1は基板Wの外径R0よりも大きく、張り出し部22の内径R2は基板Wの外径R0よりも小さくなっている。このため基板Wは、その外縁が張り出し部22によって下方から支持された状態で基板収容孔21の内部に収容される。基板収容孔21内に基板Wが収容された状態では、基板Wの下面は基板収容孔21から(張り出し部22から)下方に露出した状態となる。
【0024】
図1において、基板サセプタ4は、チャンバ3の上面に設置されたベース部31と、ベース部31の上面に設けられた下部電極32と、下部電極32の上面に設けられた基板支持部材33と、下部電極32及び基板支持部材33の外周を囲うように設けられた円筒状のガイド部材34と、ガイド部材34の外周を覆って設けられたアースシールド部材35
と、ガイド部材34及びアースシールド部材35の上方を覆うように設けられた円環状のガイドリング36を有して構成されている。ここで、ベース部31、基板支持部材33、ガイド部材34及びガイドリング36はセラミックス等の誘電体材料から成り、下部電極32及びアースシールド部材35は金属等の導電性材料から成っている。なお、ガイドリング36の内径はトレイ6の外径よりも大きい寸法となっている。
【0025】
下部電極32は、高周波電源及びマッチング回路を有して構成されるバイアス電圧印加装置37と繋がっており、バイアス電圧印加装置37はコントローラ15により作動制御がなされて下部電極32に高周波のバイアス電圧を印加する。
【0026】
図4及び図5において、基板支持部材33は、トレイ6が載置される前述のトレイ載置面5と、トレイ載置面5から上方に突出して設けられた複数の台状部41を有している。図4(a),(b)において、各台状部41には下方に窪んだ凹部41aが形成されており、各台状部41は基板Wの外径R0より1〜3mm程度小さい外径を有する円環状部分42と、円環状部分42の内部に位置する複数の円柱状部分43から成る。円環状部分42の上面42aと各円柱状部分43の上面43aは各台状部41の上面の基板Wを支持する基板支持面44となっている(図4(b)及び図5(a))。
【0027】
図1において、各台状部41内には静電吸着用電極46が内蔵されており、各静電吸着用電極46は直流電源及び可変抵抗等を有して構成される直流電圧印加装置47に接続されている。直流電圧印加装置47はコントローラ15より作動制御がなされて各静電吸着用電極46に直流電圧を印加し、台状部41に載置された基板Wを台状部41の上面(基板支持面44)に静電吸着する。
【0028】
図1及び図5において、昇降ピン7は基板サセプタ4を上下に貫通するように上下方向に延びて設けられており、コントローラ15によって作動制御がなされる昇降ピン駆動装置50により駆動されて同期して昇降し、その上端部を基板支持部材33のトレイ載置面5の上方領域で突没させる。
【0029】
図3及び図5(a)の拡大図において、トレイ6の下面側には上方に窪んだ複数(ここでは4つ)の昇降ピン嵌入穴51が設けられている(図2(a),(b)も参照)。これら昇降ピン嵌入穴51は、基板サセプタ4に設けられた4つの昇降ピン7と同じ配置で設けられており、基板支持部材33の上方に位置したトレイ6の4つの昇降ピン嵌入穴51それぞれに各昇降ピン7の上端部を下方から嵌入させることにより、これら昇降ピン7に対して位置合わせした状態でトレイ6を支持することができる(図5(a))。
【0030】
ここで、図6(a)に示すように、昇降ピン嵌入穴51の内壁面51aは下方に広がるテーパ形状に形成されている。このため、昇降ピン7の中心軸J1が昇降ピン嵌入穴51の中心軸J2からずれた状態で昇降ピン7の上端部が昇降ピン嵌入穴51内に入り込んだとしても、昇降ピン7の上端部は昇降ピン嵌入穴51の内壁面51aに下方から当接した後(図6(b))、昇降ピン嵌入穴51の内壁面51aのテーパ形状に案内されて昇降ピン嵌入穴51内への進入を続けるため、最終的には昇降ピン7の中心軸J1と昇降ピン嵌入穴51の中心軸J2とが一致する状態で昇降ピン7の上端部は昇降ピン嵌入穴51内に嵌入する(図6(c))。
【0031】
また、図3及び図5(a)の拡大図に示すように、トレイ6はトレイ6の下面側から下方に突出して設けられた複数(ここでは3つ)の突起52を有しており(図2(a),(b)も参照)、図4において、基板支持部材33は、トレイ載置面5に下方に窪んで設けられた複数(ここでは3つ)の突起嵌入穴53を有している。
【0032】
ここで、3つの突起嵌入穴53は、3つの突起52に対応する位置に設けられている。また、この3つの突起嵌入穴53及び3つの突起52は、等間隔(例えば120°)に配置された3点支持構造となっており、この3点支持によりトレイ6が傾きにくく、トレイ6の基板収容孔21に収容された基板Wに位置ずれが生じにくい。このため、昇降ピン駆動装置50によって昇降される昇降ピン7によってトレイ6がトレイ載置面5に載置される過程において、トレイ6の下面側に設けられた3つの突起52のそれぞれは、対応する突起嵌入穴53に上方から嵌入し、トレイ6にθ方向(水平面内における回転方向)のずれが生じている場合でも3つの突起52がそれぞれ対応する突起嵌入穴53に案内補正され、これによりトレイ6は基板支持部材33上(トレイ載置面5)の正確な位置に載置される。このため基板収容孔21は基板支持部材33の台状部41を確実に突き抜けることができる。
【0033】
すなわち基板支持部材33は、トレイ載置面5にトレイ6が上方から載置される過程において台状部41がトレイ6の基板収容孔21を相対的に上方に突き抜けることによって、トレイ6の基板収容孔21内に収容された基板Wを台状部41によって相対的に上方に押し上げ、基板Wを張り出し部22から上方に離間させた状態で台状部41の上面(基板支持面44)に支持するものとなっている。
【0034】
ここで、図7(a)に示すように、突起嵌入穴53の内壁面53aは上方に広がるテーパ形状に形成されているため、突起52の中心軸J3が突起嵌入穴53の中心軸J4からずれた状態で突起52が突起嵌入穴53内に入り込んだとしても、突起52は突起嵌入穴53の内壁面53aに上方から当接した後(図7(b))、突起嵌入穴53の内壁面53aのテーパ形状に案内されて突起嵌入穴53内への進入を続けるため、最終的には突起52の中心軸J3と突起嵌入穴53の中心軸J4とが一致する状態で突起52は突起嵌入穴53内に嵌入する(図7(c))。
【0035】
また、このプラズマ処理装置1では、トレイ6の張り出し部22の基板Wを支持する支持面22aとトレイ6の下面側に設けられた突起52の下端部との間の上下方向距離t(図5(a)中の拡大図及び図6(a))は、トレイ載置面5と台状部41の上面(基板支持面44)との間の上下方向距離H(図5(a)の拡大図及び図7(c))よりも大きくなるように寸法設定がなされている。また、トレイ載置面5と台状部41の上面(基板支持面44)との間の上下方向距離Hは、トレイ6の張り出し部22の基板Wを支持する支持面22aとトレイ6の下面側の支持面22aの裏面との間の上下方向距離h(図5(a)中の拡大図、図6(a)及び図7(c))よりも大きくなるように寸法設定がなされている。
【0036】
図1及び図5において、下部電極32内には冷媒流路61が設けられており、この冷媒流路61内には、コントローラ15より作動制御がなされる冷媒循環装置62より温度調節がなされた冷媒が供給される。
【0037】
図1において、基板サセプタ4を構成するベース部31、下部電極32及び基板支持部材33には、基板支持部材33の上面(台状部41に設けられた凹部41a内)に開口する冷却ガス供給管路63が設けられており(図4(b)も参照)、コントローラ15により作動制御がなされる冷却ガス供給装置64より、基板冷却用のガス(例えばヘリウムガス)が、冷却ガス供給管路63を通じて各台状部41の凹部41a内に供給される。
【0038】
次に、このプラズマ処理装置1により複数の基板Wをバッチ処理により一括してプラズマ処理を施す手順について説明する。コントローラ15は先ず、各基板収容孔21に基板Wが収容されたトレイ6の外縁部をトレイ把持手段70(図8(a))によって把持する。これは、コントローラ15が、トレイ把持手段70の駆動機構(図示せず)の作動制御
を行うことによって行う。
【0039】
コントローラ15は、トレイ把持手段70によってトレイ6を把持したら、そのトレイ把持手段70をチャンバ3の処理室2内に進入させてトレイ6を基板サセプタ4の上方に位置させる(図8(a))。そして、トレイ6の下面側に設けられた4つの昇降ピン嵌入穴51が、基板サセプタ4に設けられた4つの昇降ピン7の上端部と上下に対向するようにトレイ6を基板支持部材33に対して位置合わせする。
【0040】
コントローラ15は、トレイ6を基板支持部材33に対して位置合わせしたら、コントローラ15から昇降ピン駆動装置50を作動させて4つの昇降ピン7を上昇させ、各昇降ピン7の上端部をトレイ6の下面側の4つの昇降ピン嵌入穴51に嵌入させる(図5(a)及び図8(b))。これによりトレイ6は4つの昇降ピン7によって位置ずれなく支持される。また、これによりトレイ6の下面側に設けられた3つの突起52は、基板支持部材33の上面に設けられた3つの突起嵌入穴53と上下に対向した状態となる。
【0041】
コントローラ15は、トレイ6を4つの昇降ピン7によって支持したら、トレイ把持手段70によるトレイ6の把持を解除してトレイ把持手段70を処理室2から退去させ、チャンバ3に設けられた図示しない扉を閉止してチャンバ3(処理室2)を密閉状態にする。
【0042】
コントローラ15は、チャンバ3を密閉状態にしたら、昇降ピン駆動装置50を作動させて昇降ピン7を下降させ、トレイ6を基板支持部材33のトレイ載置面5に載置させる。このトレイ6をトレイ載置面5に載置させる過程において、台状部41はトレイ6の基板収容孔21を相対的に上方に突き抜けることになるが、前述のように、トレイ載置面5と台状部41の上面(基板支持面44)との間の上下方向距離Hは、トレイ6の張り出し部22の基板Wを支持する支持面22aとトレイ6の下面側の支持面22aの裏面との間の上下方向距離hよりも大きくなっているので、トレイ6の下面側の支持面22aの裏面がトレイ載置面5に接触する前に、基板Wの下面が台状部41の上面(基板支持面44)に接触する(図5(b))。そして、トレイ6がその後も下降を続けることによって、トレイ6の下面側の支持面22aの裏面がトレイ載置面5に接触するが、基板Wは台状部41によって相対的に上方に押し上げられるのでトレイ6とともには下降せず、外縁が張り出し部22の上面から離間して台状部41の上面(基板支持面44)に支持された状態となる(図5(c)及び図8(c))。
【0043】
ここで、前述のように、トレイ6の張り出し部22の基板Wを支持する支持面22aとトレイ6の下面側に設けられた突起52の下端部との間の上下方向距離tは、トレイ載置面5と台状部41の上面(基板支持面44)との間の上下方向距離Hよりも大きくなっているので、トレイ6に収容された基板Wの下面が台状部41の上面(基板支持面44)と接触したときには(図5(b))、突起52は既に突起嵌入穴53に嵌入を始めており(図9)、その後、トレイ6が降下してトレイ載置面5に接触するまでの過程において、突起52は必ず突起嵌入穴53内に入り込むことになる。このためトレイ6は基板支持部材33上(トレイ載置面5)の正確な位置に載置される。
【0044】
トレイ6を基板支持部材33上(トレイ載置面5)に載置したら、コントローラ15は直流電圧印加装置47を作動させて各静電吸着用電極46に直流電圧を印加し、各基板Wを台状部41の上面(基板支持面44)に静電吸着させる。これにより各基板Wは台状部41上に固定される。
【0045】
各基板Wを台状部41の上面に静電吸着させたら、コントローラ15は冷却ガス供給装置64を作動させて冷却ガス供給管路63から各台状部41に設けられた凹部41a内に
基板冷却用のガスを充填させる。コントローラ15は、各台状部41に設けられた凹部41a内に基板冷却用のガスを充填させたら、ガス供給源11の作動制御を行って処理室2内にプラズマ発生用のガスを供給し、高周波電圧印加装置14の作動制御を行って誘電コイル13に高周波電圧を印加するとともに、バイアス電圧印加装置37の作動制御を行って下部電極32にバイアス電圧を印加する。これにより処理室2内にプラズマが発生し、基板Wの表面がプラズマ処理される。
【0046】
上記のプラズマ処理中、コントローラ15は、冷媒循環装置62の作動制御を行って冷媒流路61内に冷媒を循環させて下部電極32を冷却する。これにより下部電極32を通じて基板Wが冷却され、基板冷却用のガスを通じた基板Wの冷却と相俟って、プラズマ処理効率が向上する。
【0047】
プラズマ処理が終了したら、コントローラ15は高周波電圧印加装置14による誘電コイル13への高周波電圧の印加及びバイアス電圧印加装置37による下部電極32への高周波電圧の印加を停止したうえで、ガス供給源11からの処理室2内へのガスの供給を停止するとともに、真空排気装置12により処理室2内のガスをチャンバ3の外部に排気する。また、コントローラ15は、冷却ガス供給装置64による基板冷却用のガスの供給を停止し、直流電圧印加装置47による静電吸着用電極46への直流電圧の印加を停止して、基板Wの静電吸着を解除する。
【0048】
基板Wの静電吸着を解除したら、コントローラ15は昇降ピン駆動装置50を作動させて4つの昇降ピン7を上昇させ、これら昇降ピン7によりトレイ6を基板支持部材33の上方に持ち上げ支持する。4つの昇降ピン7はその上昇過程で上端部がトレイ6の下面側の昇降ピン嵌入穴51内に下方から嵌入し、トレイ6の下面側に設けられた3つの突起52はそれまで嵌入していた突起嵌入穴53から上方に離脱する。
【0049】
昇降ピン7の上昇作動によりトレイ6を基板支持部材33の上方に持ち上げ支持したら、コントローラ15はチャンバ3の扉を開いてトレイ把持手段70を処理室2内に進入させ、昇降ピン7によって持ち上げ支持されたトレイ6の外縁部をトレイ把持手段70によって把持して処理室2から退去させる。これにより複数の基板Wの1回当たりのバッチ処理が終了する。
【0050】
以上説明したように、本実施の形態におけるプラズマ処理装置1では、トレイ6がトレイ載置面5に載置される過程において、トレイ6の下面側から下方に突出して設けられた突起52が、トレイ載置面5上に下方に窪んで設けられた突起嵌入穴53に上方から嵌入するようにしており、本実施の形態のプラズマ処理装置1におけるトレイ6の載置方法では、トレイ6がトレイ載置面5に載置される過程で、トレイの下面側から下方に突出して設けられた突起52を、トレイ載置面5に下方に窪んで設けられた突起嵌入穴53に上方から嵌入させるようにしているので、トレイ6は基板支持部材33上(トレイ載置面5上)の正確な位置に載置される。このため台状部41とトレイ6は干渉せず、基板Wを基板支持部材33上に正しい姿勢で支持することができるので、プラズマ処理における作業効率の低下を防止することができる。
【0051】
なお、本実施の形態では、突起52及び突起嵌入穴53は3組設けられていたが、少なくとも3組設けられていればよく、これによりトレイ6の基板支持部材33の上面(トレイ載置面5)に対する安定した位置決めを行うことができる。また、本実施の形態では、昇降ピン7(ピン状部材)及び昇降ピン嵌入穴51は4組設けられていたが、少なくとも3組設けられていればよく、これにより昇降ピン7によってトレイ6を安定的に支持することができる。
【0052】
また、本実施の形態では、突起52及び突起嵌入穴53から成る手段と、ピン状部材(昇降ピン7)及びピン状部材嵌入穴(昇降ピン嵌入穴51)から成るトレイ6の位置決め手段が並存しており、両手段ともトレイ6を基板支持部材33上の正確な位置に載置する効果を発揮していたが、どちらか一方のみの手段を用いるようにしても構わない。
【0053】
すなわち、プラズマ処理装置1は、基板支持部材33に対してトレイ6を昇降させ、トレイ6のトレイ載置面5上への載置及びトレイ6のトレイ載置面5からの離間を行うトレイ昇降手段を備えており、このトレイ昇降手段が、トレイ載置面5から上方に延びた部分が同期して昇降する複数のピン状部材(昇降ピン7)から成り、トレイ6の下面側には各ピン状部材の上端部が嵌入するピン状部材嵌入穴51が設けられていればよい。また、プラズマ処理装置1におけるトレイ6の載置方法では、基板支持部材33に対してトレイ6を昇降させ、トレイ6のトレイ載置面5上への載置及びトレイ6のトレイ載置面5からの離間を行うトレイ昇降手段を、トレイ載置面5から上方に延びた部分が同期して昇降する複数のピン状部材(昇降ピン7)から構成し、これら複数のピン状部材の上端部を、トレイ6の下面側に設けられたピン状部材嵌入穴51に嵌入させるようにしていればよい。
【0054】
上述の説明では、台状部41は基板Wの外径R0よりも1〜3mm程度小さい外径を有するとしていたが、図10、図11及び図12に示すように、トレイ6の基板収容孔21の内壁に、内方に張り出した突起状の張り出し部22tを周方向に所定間隔あけて複数(少なくとも3つ)設けるとともに、台状部41の外周部には上記突起状の張り出し部22tを収容する収容溝42mを設けることにより、台状部41の外径と基板Wの外径R0を実質的に揃えるようにすることができる。このような構成では、基板Wを外周部の端まで台状部41で支持することができるので、基板Wの冷却を効率よく行うことができる。
【0055】
なお、このような構成を採用した場合、トレイ6の基板収容孔21の内壁に設けた複数の張り出し部22tは台状部41の外周部に設けた複数の収容溝42mに上方から嵌入する構造となるため、θ方向のトレイ6の高い位置決め精度が必要となるが、本実施の形態におけるプラズマ処理装置1では前述のように、トレイ6の位置決めを高精度に行うことができるのでその点問題はなく、各突起状の張り出し部22tを対応する台状部41の収容溝42mに確実に嵌入させて、基板Wを台状部41支持させることができる(図13参照)。
【産業上の利用可能性】
【0056】
処理対象物を支持部材上の正確な位置に載置して処理対象物を支持部材上に正しい姿勢で支持することができるようにしたプラズマ処理装置及びプラズマ処理装置におけるトレイの載置方法を提供する。
【符号の説明】
【0057】
1 プラズマ処理装置
5 トレイ載置面
6 トレイ
7 昇降ピン(トレイ昇降手段、ピン状部材)
21 基板収容孔(収容孔)
22 張り出し部
22a 支持面
33 基板支持部材(支持部材)
41 台状部
44 基板支持面(台状部の上面)
51 昇降ピン嵌入穴(ピン状部材嵌入穴)
51a 昇降ピン嵌入穴の内壁面(ピン状部材嵌入穴の内壁面)
52 突起
53 突起嵌入穴
53a 突起嵌入穴の内壁面
W 基板(処理対象物)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さ方向に貫通して設けられた収容孔を有し、収容孔の内周部から収容孔の内方に張り出して設けられた張り出し部により処理対象物の外縁を下方から支持してその処理対象物を収容孔の内部に収容するトレイと、
トレイが載置されるトレイ載置面及びトレイ載置面から上方に突出して設けられた台状部を有して成り、トレイ載置面にトレイが上方から載置される過程で台状部がトレイの収容孔を相対的に上方に突き抜けることによって、トレイの収容孔内に収容された処理対象物を台状部によって相対的に上方に押し上げ、処理対象物を張り出し部から上方に離間させた状態で台状部の上面に支持する支持部材と、
支持部材に対してトレイを昇降させ、トレイのトレイ載置面上への載置及びトレイのトレイ載置面からの離間を行うトレイ昇降手段と、
トレイの下面 側から下方に突出して設けられた突起と、
トレイ載置面に下方に窪んで設けられ、トレイ昇降手段によってトレイがトレイ載置面に載置される過程で前記突起が上方から嵌入する突起嵌入穴とを備えたことを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項2】
トレイの張り出し部の処理対象物を支持する支持面と前記突起の下端部との間の上下方向距離は、トレイ載置面と台状部の上面との間の上下方向距離よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項3】
前記突起嵌入穴の内壁面は上方に広がるテーパ形状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマ処理装置。
【請求項4】
前記突起及び前記突起嵌入穴は少なくとも3組設けられていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のプラズマ処理装置。
【請求項5】
トレイ昇降手段はトレイ載置面から上方に延びた部分が同期して昇降する複数のピン状部材から成り、トレイの下面側には各ピン状部材の上端部が嵌入するピン状部材嵌入穴が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のプラズマ処理装置。
【請求項6】
厚さ方向に貫通して設けられた収容孔を有し、収容孔の内周部から収容孔の内方に張り出して設けられた張り出し部により処理対象物の外縁を下方から支持してその処理対象物を収容孔の内部に収容するトレイと、
トレイが載置されるトレイ載置面及びトレイ載置面から上方に突出して設けられた台状部を有して成り、トレイ載置面にトレイが上方から載置される過程で台状部がトレイの収容孔を相対的に上方に突き抜けることによって、トレイの収容孔内に収容された処理対象物を台状部によって相対的に上方に押し上げ、処理対象物を張り出し部から上方に離間させた状態で台状部の上面に支持する支持部材と、
支持部材に対してトレイを昇降させ、トレイのトレイ載置面上への載置及びトレイのトレイ載置面からの離間を行うトレイ昇降手段とを備え、
トレイ昇降手段はトレイ載置面から上方に延びた部分が同期して昇降する複数のピン状部材から成り、トレイの下面側には各ピン状部材の上端部が嵌入するピン状部材嵌入穴が設けられていることを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項7】
前記ピン状部材嵌入穴の内壁面は下方に広がるテーパ形状に形成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載のプラズマ処理装置。
【請求項8】
厚さ方向に貫通して設けられた収容孔を有し、収容孔の内周部から収容孔の内方に張り出して設けられた張り出し部により処理対象物の外縁を下方から支持してその処理対象物
を収容孔の内部に収容するトレイを、このトレイが載置されるトレイ載置面及びトレイ載置面から上方に突出して設けられた台状部を有して成り、トレイ載置面にトレイが上方から載置される過程で台状部がトレイの収容孔を相対的に上方に突き抜けることによって、トレイの収容孔内に収容された処理対象物を台状部によって相対的に上方に押し上げ、処理対象物を張り出し部から上方に離間させた状態で台状部の上面に支持する支持部材に載置するプラズマ処理装置におけるトレイの載置方法であって、
トレイがトレイ載置面に載置される過程で、トレイの下面側から下方に突出して設けられた突起を、トレイ載置面に下方に窪んで設けられた突起嵌入穴に上方から嵌入させるようにしたことを特徴とするプラズマ処理装置におけるトレイの載置方法。
【請求項9】
厚さ方向に貫通して設けられた収容孔を有し、収容孔の内周部から収容孔の内方に張り出して設けられた張り出し部により処理対象物の外縁を下方から支持してその処理対象物を収容孔の内部に収容するトレイを、このトレイが載置されるトレイ載置面及びトレイ載置面から上方に突出して設けられた台状部を有して成り、トレイ載置面にトレイが上方から載置される過程で台状部がトレイの収容孔を相対的に上方に突き抜けることによって、トレイの収容孔内に収容された処理対象物を台状部によって相対的に上方に押し上げ、処理対象物を張り出し部から上方に離間させた状態で台状部の上面に支持する支持部材に載置するプラズマ処理装置におけるトレイの載置方法であって、
支持部材に対してトレイを昇降させ、トレイのトレイ載置面上への載置及びトレイのトレイ載置面からの離間を行うトレイ昇降手段を、トレイ載置面から上方に延びた部分が同期して昇降する複数のピン状部材から構成し、これら複数のピン状部材の上端部を、トレイの下面側に設けられたピン状部材嵌入穴に嵌入させるようにしたことを特徴とするプラズマ処理装置におけるトレイの載置方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−267894(P2010−267894A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−119506(P2009−119506)
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】