説明

プリント基板の製造方法及びその製造方法によって製造されたプリント基板

【課題】プリント基板の薄型化及び高密度実装化を実現できるようにすること。
【解決手段】
保護層で覆われた第1の配線20Aが形成された第1のコア基板11と、第2の配線20Bが形成された第2のコア基板13との間に接着剤16が挟み込まれた状態で、その接着材16を硬化させる。これにより、第1のコア基板11と第2のコア基板13とを接合し、一体化させたプリント基板17が構成される。次に、第2のコア基板13の外面から保護層の表面に至る段付き部22が形成される。次に、この段付き部22の底部に残存する保護層14を、一体化された第1及び第2のコア基板11,13から剥離して第1の配線20Aの少なくとも一部を露出させて構成される端子が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板の製造方法及びその製造方法によって製造されたプリント基板に関し、特に、多層化したプリント基板の製造方法に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、高密度実装のプリント基板においては、多層化し、全体の板厚を厚くすることで、高密度実装に対応している。しかしながら、電子部品やコネクタによっては、実装可能なプリント基板の板厚が制限されるものがあり、多層化により厚くなったプリント基板に実装することができない場合があった。このため、一部のプリント基板においては、プリント基板の板厚を薄くしたり高密度化して対応していたものの、薄型化と高密度実装化とを両立することは困難であった。そこで、このような薄型化及び高密度実装化を考慮して、必要に応じて特定の構造物を設けたプリント基板が用いられている。
【0003】
このような特定の構造物を有するプリント基板の製造方法としては、例えば、次のような第1の製造方法が存在している(例えば特許文献1参照)。この第1の製造方法においては、第1コア基板及び第2コア基板には、それぞれ、凹部の周縁に相当する位置に積層時に重なる堰堤パターンが形成されている。よって、第1コア基板と第2コア基板との間にプリプレグを介在させて加熱圧着した場合にも、プリプレグを構成する熱硬化性樹脂が凹部へ流出することを防止し、その結果として、凹部の形状不良を生じることなく、凹部を有するプリント基板を得ることができる。また、堰堤パターンは銅箔のエッチングによって内層パターンと共に形成することができるので、熱硬化性樹脂の堰き止め部材を別途製造するなど煩雑な作業をすることなく、容易な方法によって堰き止め効果を発現させることができる。
【0004】
一方、その他にも、次のような第2の製造方法が存在している(例えば、特許文献2参照)。この第2の製造方法では、プリント基板における第1コア基板の第1堰堤パターン及び第2コア基板の第2堰堤パターンは、凹部の周縁に相当する位置に、プリプレグを介在させた圧着の際に互いに重なるように形成されている。よって、圧着の際に、プリプレグを構成する熱硬化性樹脂が凹部内へ流出することを防止し、その結果として、凹部の形状不良を引き起こさないようにすることができる。さらに、第1堰堤パターン及び第2堰堤パターンが、電気絶縁性で構成されているので、例えば、凹部側への内層配線パターンの引き出しが可能になるなど、凹部の用途を拡大することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−95959号公報
【特許文献2】特開2009−170654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した第1又は第2の製造方法により製造されたプリント基板は、第1コア基板、及び、外形寸法の異なる第2コア基板から構成されている。このような構成のプリント基板では、接着材料であるプリプレグを凹部に合わせて切断し、第1コア基板及び第2コア基板の凹部周縁に相当する位置に電気絶縁性の堰堤パターンを設けている。このように堰堤パターンが重なり合うことで凹部へのプリプレグの流出を防止することができるものの、プリプレグを切断したり、又は、プリプレグの流出が少ないものを選択する必要があるため、プリプレグの流れが不安定になって絶縁不良が生じやすくなり、堰堤パターンの重ね合わせの精度によっては、凹部の形状不良や損傷が生じやすいなど、上述した特定の構造物の用途が制限されるという問題があった。
【0007】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、プリント基板の薄型化及び高密度実装化を実現したプリント基板の製造方法及びその製造方法によって製造されたプリント基板を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するため、本発明によるプリント基板の製造方法においては、平板状の第1の基材に第1の配線を形成して第1のコア基板を形成する第1のコア基板形成ステップと、前記第1の配線の少なくとも一部を覆うように前記第1のコア基板の表面に保護層を形成する保護層形成ステップと、平板状の第2の基材に第2の配線を形成して第2のコア基板を形成する第2のコア基板形成ステップと、前記第1のコア基板と前記第2のコア基板との間に接着剤を挟み込み、前記接着材を硬化させることによって前記第1のコア基板と前記第2のコア基板とを接合して一体化させたプリント基板を構成する一体化ステップと、前記プリント基板において前記第2のコア基板の外面から前記保護層の表面に至る段付き部を形成する段付き部形成ステップと、前記段付き部の底部に残存する前記保護層を前記一体化された第1及び第2のコア基板から剥離して前記第1の配線の少なくとも一部を露出させて端子を形成する保護層除去ステップとを備えることを特徴とする。
【0009】
このようにすると、段付き部の底面に配置している配線パターン部に熱剥離シートを有する構造であれば、熱剥離シートによって、段付き部の底面となる配線パターン部が保護されることになる。これにより、プリプレグの流出による段付き部の底面の配線パターンへの付着、形状不良又は損傷等を防止することができる。その結果、その後プリプレグを切断したり、プリプレグの流出が少ない材質を選択しなければならないなどの必要性がなくなる。このため、プリプレグの種類の選択範囲が拡大し、かつ、熱剥離シートの貼り付け位置又は数等を変更することにより、段付き部の位置、数、深さ又は深さの種類を容易に変更することができる。
【0010】
また、本発明においては、平板状の第1の基材に第1の配線を形成して第1のコア基板を形成する第1のコア基板形成ステップと、前記第1の配線の少なくとも一部を覆うように前記第1のコア基板の表面に保護層を形成する保護層形成ステップと、平板状の第2の基材に第2の配線を形成して第2のコア基板を形成する第2のコア基板形成ステップと、前記第1のコア基板と前記第2のコア基板との間に接着剤を挟み込み、前記接着材を硬化させることによって前記第1のコア基板と前記第2のコア基板とを接合して一体化させる一体化ステップと、前記一体化された第1及び第2のコア基板において前記第2のコア基板の外面から前記保護層の表面に至る段付き部を形成する段付き部形成ステップと、前記段付き部の底部に残存する前記保護層を前記一体化された第1及び第2のコア基板から剥離して前記第1の配線の少なくとも一部を露出させて端子を形成する保護層除去ステップとを備えるプリント基板の製造方法によって製造されたプリント基板であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、プリント基板の薄型化及び高密度実装化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施の形態によるプリント基板を側面から見た場合の構成例を示す断面図である。
【図2】第1の実施の形態によるプリント基板の製造方法の一例を示す端面図である。
【図3】第1の実施の形態によるプリント基板の製造方法の一例を示す端面図である。
【図4】第1の実施の形態によるプリント基板の製造方法の一例を示す端面図である。
【図5】第1の実施の形態によるプリント基板の製造方法の一例を示す端面図である。
【図6】第1の実施の形態によるプリント基板の製造方法の一例を示す端面図である。
【図7】第1の実施の形態によるプリント基板の製造方法の一例を示す端面図である。
【図8】第1の実施の形態によるプリント基板の製造方法の一例を示す上面図である。
【図9】第1の実施の形態によるプリント基板の製造方法の一例を示す端面図である。
【図10】プリプレグの溶融温度及び硬化温度と熱剥離シートの粘着力との関係の一例を示す図である。
【図11】第2の実施の形態によるプリント基板の製造方法の一例を示す上面図である。
【図12】第2の実施の形態によるプリント基板の製造方法の一例を示す端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面について、本発明の一実施の形態について詳述する。
【0014】
(1)第1の実施の形態
(1−1)第1の実施の形態によるプリント基板の構成例
図1は、第1の実施の形態によるプリント基板17の一部を切断した場合における部分断面の構成例を示す。第1の実施の形態では、後述する段付き部22を形成する位置を端部17Bにした場合の一例について説明する。
【0015】
プリント基板17では、第1のコア基板11及び第2のコア基板13が接着剤としてのプリプレグ16を介して対面するように挟み込まれており、第1のコア基板11から第2のコア基板13まで貫通しているスルーホール18が形成されている。このスルーホール18の内周面には、スルーホールめっき19が施されている。
【0016】
第1のコア基板11は、平板状の第1の基材11Aにおける第2のコア基板13に対面する一方の面(内面)に配線パターン10が形成されているとともに、その他方の面(外面)にプリント配線20Aが形成されている。
【0017】
一方、第2のコア基板13は、平板状の第2の基材13Aにおける第1のコア基板11に対面する一方の面(内面)に内層配線パターン12が形成されているとともに、その他の面(外面)にプリント配線パターン20Bが形成されている。
【0018】
上述のようにプリント基板17では、第1のコア基板11から第2のコア基板13に貫通するスルーホール18が形成されており、このスルーホール18に施されたスルーホールめっき19が第1のコア基板11の表面に形成されたプリント配線パターン20Aと、第2のコア基板13の表面に形成されたプリント配線パターン20Bを電気的に接続している。これにより、プリント基板17は、例えば2層のプリント基板を構成している。
【0019】
第1の実施の形態におけるプリント基板17においては、その端部17Bにおいて、内面側に配線パターン部10が形成されているとともに外面側にプリント配線パターン20が形成された、第1のコア基板11の一部が露出している。当該端部17bは、例えば他のコネクタが接続された場合に嵌合される部分である。なお、このような段付き部22は、上述のような凹形状のみならず、その代わりに凸形状であっても良い。
【0020】
(1−2)第1の実施の形態によるプリント基板の製造方法
プリント基板17は、以上のような構成であり、次に、そのような構造のプリント基板17の製造方法の一例について説明する。図2〜図9は、それぞれ、プリント基板17の製造方法の一例を示す。なお、図8に示す上面図おいては、端部17Bを除いて簡素化して図示されている。この製造方法では、次のような第1のコア基板形成ステップ、保護層形成ステップ、第2のコア基板形成ステップ、一体化ステップ、段付き形成ステップ及び保護層除去ステップが実行される。
【0021】
(1−2−1)製造方法の各ステップについて
まず、図2に示すように、平板状の第1の基材に内蔵配線パターン10(第1の配線)を形成することにより、第1のコア基板11を形成する。次に段付き部22を構成する第1のコア基板11に内層配線パターン10が形成される(第1のコア基板形成ステップ)。一方、段付き部22の対向面を構成する第2プリント基板13には内層配線パターン12が形成される(第1のコア基板形成ステップ)。なお、本実施の形態では、第1プリント基板11において内層配線パターン12が段付き部22の底面部に形成されているが、段付き部22の底面部に配線パターンが存在しない場合でも、段付き部22の形成が可能である。
【0022】
次に熱剥離シート14が、形成すべき段付き部22の寸法に合わせて切断される。この切断された熱剥離シート14は、段付き部22の底面の配線パターン部10が形成された第1プリント基板11の段付き部22の底面における少なくとも1箇所に貼り付けされることにより、段付き部22の底面の配線パターン部10に密着される。なお、本実施の形態では、熱剥離シート14の貼り付け位置として、段付き部22が端部17Aの1箇所に形成されていることを例示しているが、この段付き部22の数、深さ、深さの種類などに応じて、熱剥離シート14の貼り付け位置などの変更が可能である。以上のように第1のコア基板11には、配線パターン部10の少なくとも一部を覆うように、保護層としての熱剥離シート14が形成される(保護層形成ステップ)。
【0023】
次に、一体化ステップでは、第1のコア基板11と第2のコア基板13との間にプリプレグ16を挟み込み、プリプレグ16を硬化させることによって第1のコア基板11と第2のコア基板13とを一体化させたプリント基板17を構成する(一体化ステップ)。具体的には、図5に示すように、第1プリント基板15における熱剥離シート14を貼り付けた面と、第2プリント基板13の段付き部22の対向する内層配線パターン12の形成面との間に、電気絶縁性材料のプリプレグ16を挟み込ませ、接着層間内にプリプレグ16と熱剥離シート14を介在させて重ね合わせることにより積層されている。
【0024】
ここで、このような積層時のプリプレグ16と熱剥離シート14が介在する接着層間での、プリプレグ16の粘度及び温度と、熱剥離シート14の粘着力との関係については、プリプレグ16aが溶融している温度領域のときには、熱剥離シート14aは、段付き部22の底面の配線パターン部10に密着している。このため、プリプレグ16aは、溶融して流出しても、段付き部22の底面の配線パターン部10に付着することがないため、段付き部22の形状不良を阻止することができる。
【0025】
また、プリプレグ16aが硬化する温度領域(硬化温度領域)のときには、熱剥離シート14aは、段付き部22の底面の配線パターン部10との密着力がなくなるため、剥れ易い状態となって、図6に示すプリント基板17のように一体化される。上述した粘度及び温度と粘着力との具体的な関係については、後述する。
【0026】
次に、図6に示すように積層され一体化されたプリント基板17に、図7に示すようにスルーホール18及びスルーホールめっき19が形成された後、プリント基板17の外面にはプリント配線パターン20が形成される。
【0027】
次に、図9に示すように切削除去対象部21にスリットを形成する加工を施して、切削除去対象部21を除去することにより段付き部22が形成される(段付き部形成ステップ)。なお、図9に示す例では、切削除去対象部21が薄く図示されている。このように切削除去対象部21にスリット加工を施す際、段付き部22の底面の配線パターン部10が熱剥離シート14によって保護されているため、スリット加工部23による損傷を受けることがなくなる。
【0028】
また、段付き部22の底面の配線パターン部10は、熱剥離シート14によって剥れ易くなっているため、切削除去対象部21を容易に除去することができる(保護層除去ステップ)。
【0029】
(1−2−2)溶融硬化温度と粘着力の関係について
図10は、プリプレグ16の溶融温度及び硬化温度と熱剥離シート14の粘着力との関係の一例を示す図である。図示の例では、横軸は時間軸を示すとともに、左側の縦軸は、プリプレグ16の粘度[Pa・s]を示している一方、右側の縦軸は、熱剥離シート14の粘着力[N/20mm]を示している。
【0030】
まず、プリプレグ16に関しては、粘度が、溶融温度が135℃程度に至るまで急激に低下してほぼ一定となった後、溶融温度が155℃程度から急激に上昇する傾向を示している。一方、熱剥離シート14に関しては、粘着力が、溶融温度150℃程度から急激に低下する傾向を示している。即ち、両者の特性を比べた場合、プリプレグ16の粘度が高くなるに連れて熱剥離シート14の粘着力が低下するという傾向がある。これによって、プリプレグ16によって第1のコア基板11と第2のコア基板13とが確実に接合されるに連れて、熱剥離シート14が剥がし易くなっているのである。上記のような特性を示す熱剥離シート14及びプリプレグ16としては、具体的には、例えば、日東電工製の熱剥離シート及び、パナソニック電工製のプリプレグ(R−5670K)を例示することができる。
【0031】
(1−3)第1の実施の形態による効果等
以上説明したように、本実施の形態では、第1のコア基板11に形成された配線パターン部10の少なくとも一部を覆う熱剥離シート14の存在によって、段付き部22を形成する際に、例えば段付き部22の底面に配置している配線パターン部10を保護している。
【0032】
このようにすると、プリプレグ16の流出による段付き部22の底面の配線パターン部10への付着、形状不良又は損傷等を防止することができる。その結果、その後プリプレグ16を切断したり、プリプレグ16の流出が少ない材質を選択しなければならないなどの必要性がなくなる。このため、プリプレグ16の種類の選択範囲が拡大し、かつ、熱剥離シート14の貼り付け位置又は数等を変更することにより、段付き部22の位置、数若しくは深さ又は深さの種類を容易に変更することができる。従って、薄型化及び高密度実装を実現することができる。なお、上述した実施形態は、複数のプリント基板を積層させた場合に段付き部22を形成する場合に適用した場合を例示したが、これに限られず、1枚のプリント基板に段付き部22を形成する場合に適用しても良い。
【0033】
(2)第2の実施の形態
第2の実施の形態では、第1の実施の形態とほぼ同様の構成及び製造方法であるため、同様の構成及び製造方法については同様の符号を用いて説明を省略し、以下、異なる点を中心として説明する。
【0034】
(2−1)プリント基板の構成及び製造方法
図11は、第2の実施の形態によるプリント基板117の製造方法の一例を示す。なお、図11においては、中央部117Bを除いて簡素化して図示されている。図12は、第2の実施の形態によるプリント基板117の製造方法の一例を示す端面図である。なお、これら図11及び図12は、それぞれ、第1の実施の形態における図8及び図9に対応している。
【0035】
第2の実施の形態では、段付き部22が、第1の実施の形態のように端部17Bに形成されている代わりに、図11に示すようにプリント基板117の中央部117Bに形成されている。第2の実施の形態では、第1の実施の形態とは、次のような保護形成ステップが異なっており、その他のステップはほぼ同様である。
【0036】
まず、図12に示すように熱剥離シート14が段付き部22の中央部117Bの寸法に合わせて切断される。次に、段付き部22Aの底面の配線パターン部10を中央部117Bに形成した第1プリント基板11においては、その段付き部22Aの底面部における少なくとも1箇所に、上述した切断した熱剥離シート14が貼り付けされる(保護層形成ステップ)。これにより、段付き部22Aの底面の配線パターン部10が熱剥離シート14に密着される。なお、熱剥離シート14の貼り付け位置としては、段付き部22を中央部117Bの1箇所としているが、例えば段付き部22の数、深さ又は深さの種類などに応じて変更することができる。
【0037】
(3)その他の実施形態
上記実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その趣旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。例えば、上記実施形態では、各種プログラムの処理をシーケンシャルに説明したが、特にこれにこだわるものではない。従って、処理結果に矛盾が生じない限り、処理の順序を入れ替え又は並行動作するように構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、多層化したプリント基板の製造方法及びその製造方法によって製造されたプリント基板に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0039】
10……第1プリント基板の内層配線パターン(段付き部の底面部の配線パターン)、11……第1プリント基板(段付き部を構成するコア基板又は、段付き部を構成する多層化したプリント基板)、12……第2プリント基板の内層配線パターン(段付き部の対向面の配線パターン)、13……第2プリント基板(段付き部の対向面を構成するコア基板又は、段付き部の対向面を構成する多層化したプリント基板)、14……熱剥離シート、14a……熱剥離シートの粘着力、15……熱剥離シートを有する第1コア基板、16……プリプレグ(電気絶縁性材料)、16a……プリプレグの溶融温度と硬化温度、17……積層後のプリント基板、18……スルーホール、19……スルーホールめっき、20……外層配線パターン、21……切削除去対象部、22……段付き部の位置(端部)、23……スリット加工位置、24……段付き部の位置(中央部)、117……第2実施の形態によるプリント基板。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の第1の基材に第1の配線を形成して第1のコア基板を形成する第1のコア基板形成ステップと、
前記第1の配線の少なくとも一部を覆うように前記第1のコア基板の表面に保護層を形成する保護層形成ステップと、
平板状の第2の基材に第2の配線を形成して第2のコア基板を形成する第2のコア基板形成ステップと、
前記第1のコア基板と前記第2のコア基板との間に接着剤を挟み込み、前記接着材を硬化させることによって前記第1のコア基板と前記第2のコア基板とを接合して一体化させたプリント基板を構成する一体化ステップと、
前記プリント基板において前記第2のコア基板の外面から前記保護層の表面に至る段付き部を形成する段付き部形成ステップと、
前記段付き部の底部に残存する前記保護層を前記一体化された第1及び第2のコア基板から剥離して前記第1の配線の少なくとも一部を露出させて端子を形成する保護層除去ステップと
を備えることを特徴とするプリント基板の製造方法。
【請求項2】
前記保護層形成ステップでは、
前記保護層として熱硬化性の樹脂が用いられる
ことを特徴とする請求項1に記載のプリント基板の製造方法。
【請求項3】
前記一体化ステップでは、
前記一体化された第1及び第2のコア基板の間に挟み込まれた前記接着剤が溶融する際には、前記保護層による前記第1の配線との密着性が維持される一方、前記接着剤が硬化する際には、前記保護層による前記第1の配線との密着性が低減される
ことを特徴とする請求項2に記載のプリント基板の製造方法。
【請求項4】
前記段付き部形成ステップでは、
前記段付き部が前記一体化された第1及び第2のコア基板の端部に形成される
ことを特徴とする請求項1に記載のプリント基板の製造方法。
【請求項5】
前記段付き部形成ステップでは、
前記段付き部が前記一体化された第1及び第2のコア基板の端部を除く中央部に形成される
ことを特徴とする請求項1に記載のプリント基板の製造方法。
【請求項6】
平板状の第1の基材に第1の配線を形成して第1のコア基板を形成する第1のコア基板形成ステップと、
前記第1の配線の少なくとも一部を覆うように前記第1のコア基板の表面に保護層を形成する保護層形成ステップと、
平板状の第2の基材に第2の配線を形成して第2のコア基板を形成する第2のコア基板形成ステップと、
前記第1のコア基板と前記第2のコア基板との間に接着剤を挟み込み、前記接着材を硬化させることによって前記第1のコア基板と前記第2のコア基板とを接合して一体化させたプリント基板を構成する一体化ステップと、
前記プリント基板において前記第2のコア基板の外面から前記保護層の表面に至る段付き部を形成する段付き部形成ステップと、
前記段付き部の底部に残存する前記保護層を前記一体化された第1及び第2のコア基板から剥離して前記第1の配線の少なくとも一部を露出させて端子を形成する保護層除去ステップと
を備えるプリント基板の製造方法によって製造されたことを特徴とするプリント基板。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−98433(P2013−98433A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241645(P2011−241645)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】