説明

プローブの検査方法及び硬化性樹脂組成物

【課題】被検査体の電気的特性を検査するプローブの状態を確認するプローブ検査方法とそれに用いる硬化性樹脂組成物の提供。
【解決手段】被検査体の電気的特性を検査するプローブに硬化性樹脂組成物の硬化体を接触させ、硬化体にプローブの針跡を転写して、転写された針跡を基にプローブの状態を確認し、かつ、プローブの針跡を転写した後に、硬化体を硬化体のガラス転移温度以上に加熱してプローブの針跡を消去する工程を含み、繰り返し検査に供するプローブの検査方法であり、硬化性樹脂組成物が、特定の単官能(メタ)アクリレート、光重合開始剤、酸化防止剤を含有し、硬化性樹脂組成物の硬化体のガラス転移温度が40℃以上100℃未満であることを特徴とするプローブの検査方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プローブの状態を検査する検査方法、プローブ検査工程に用いる硬化性樹脂組成物、該硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化体、該硬化体からなるシートを備える検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体の製造工程でウエハ上に形成されたICチップの良否を判定する際、一般にプローブ装置を用いて電気的特性を検査している。プローブ装置を用いてICチップの電気的特性を検査する時には、ICチップ上の電極パッドとプローブカードに設けられたプローブとを接触させるために、プローブの位置合わせを行う必要がある。
【0003】
従来、プローブの位置合わせは、CCDカメラ等でプローブの針先を撮影し、この時のX、Yの座標位置に基づいてプローブ先端の位置を決定していた。しかし、この方法では、プローブの先端にカメラのフォーカスを合わせるのに時間がかかるため、プローブの位置合わせに長時間を有するという問題点があった。
【0004】
又、ICチップ上の電極パッドとプローブとが電気的に接触するには、ある所定の深さまでプローブの先端を押し込む必要がある。プローブによっては、押し込む際にプローブの先端の位置が一定方向にずれる場合がある。しかし、従来のプローブの位置合わせ方法は、非接触の状態でプローブの先端の位置を決定しており、接触時のずれを考慮していなかった。
【0005】
上記の問題を解決するため、針跡を転写する部材を設け、その部材にプローブの針跡を転写し、転写された針跡を基にプローブの位置合わせを行うプローブ検査方法及びプローブ検査装置が提案されている。
【0006】
例えば、特許文献1では、検査前にプローブカードの複数のプローブの先端跡を変形体に転写し、この針跡開口の大きさに基づいてプローブの電極への押し込み深さを算出し、プローブの位置合わせに要する時間を短縮している。
【0007】
又、特許文献2では、プローブ検査装置内に支持台を設けるとともに、その支持台上にプローブの針跡をつけるためのシートを設け、転写された針跡を基にプローブの位置合わせを行う検査方法及び検査装置が提案されている。
【0008】
又、特許文献3では、針跡評価用ウエハに転写した針跡を画像認識し、仮想の電極パッドと画像認識された前記針跡とを重ね合わせて前記針跡を評価するプローブの針跡評価方法が提案されている。
【0009】
又、特許文献4には、エラストマー組成物からなるプローブ位置調整用フィルムにプローブを接触させて傷跡を付け、この傷跡と集積回路の電極部との位置関係を確認し、その位置関係を基にプローブの位置を調整する方法が記載されている。
【0010】
又、特許文献5には、電極を形成した検出用基板の上に透明フィルムを貼付し、透明フィルム上に転写させた針跡の位置と基板上の電極の位置とを比較することで、ステージ移動の繰り返し精度に影響されることなく、高精度でプローブの位置合わせを行う方法が記載されている。
【0011】
又、特許文献6には、高温下で検査を行う際において、高温下でプローブを転写シートに押し当てて針跡を転写することで、プローブカードの熱膨張によるプローブの位置ずれを防止し、高温下においても高精度でプローブの位置合わせを行う方法が記載されている。更に、転写シートを加熱溶融させて針跡を消去することで、繰り返し使用する方法が提案されている。
【0012】
しかし、特許文献1においては、変形体を加熱して針跡を埋め戻して再利用することが記載されているものの、変形体の材料としては低融点の金属、合金又は有機絶縁物が挙げられているのみで、再利用を実施するための具体的な材料や加熱条件は示されていない。又、特許文献2においては、複数回針跡を転写する際には、その都度針跡の転写位置をずらさなければならないため、繰り返し数に制限があり、更にプローブが所定の位置からずれている場合には前回転写した針跡と重なってしまう可能性がある。又、針跡転写位置をずらすこと以外にシートを再利用する方法は示されていない。
【0013】
又、特許文献3、4では針跡転写用部材の再利用については触れられておらず、特に特許文献4においては、針跡が消えないように針跡の耐熱残存性を付与していることから、針跡を消失させて再利用することは困難である。
【0014】
又、特許文献5では、紫外線照射によって透明フィルムの接着性を低下させ、フィルムを剥離することで検出用基板の再利用を可能としているが、透明フィルムの再利用方法については示されていない。
【0015】
又、特許文献6では、シートを加熱溶融させて針跡を消去し、繰り返し使用を可能としているが、粘着剤を介してシートを貼付するため、加熱溶融の繰り返しによって粘着剤と樹脂シートとの間で各々の成分が移行したり、劣化反応が進行したりして、所望の性質が得られなくなる虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2001−189353号公報
【特許文献2】特開2004−327805号公報
【特許文献3】特開2007−200934号公報
【特許文献4】特開2005−308549号公報
【特許文献5】米国特許出願公開第2007/0229098号明細書
【特許文献6】特開2005−079253号公報
【0017】
一方、特許文献7には、シートや積層板等に用いるアクリル系樹脂組成物として、単官能(メタ)アクリレートと光重合開始剤とを含有し、ガラス転移温度が100℃以上である硬化性樹脂組成物が記載されている。
【0018】
又、特許文献8には、硬化性樹脂組成物に対して重合禁止剤を配合することで、保存安定性を向上させる技術が記載されている。
【0019】
【特許文献7】特開2004−176032号公報
【特許文献8】特開2007−273026号公報
【0020】
しかし、特許文献7、8では、硬化性樹脂組成物の硬化体の形状を加熱によって変化させるような記載はない。又、特許文献8では、重合禁止剤を配合することで硬化性樹脂組成物の保存安定性を向上させているが、この安定性の向上は硬化前の液体の状態についてであり、下記に示すような硬化性樹脂組成物の硬化体の耐久性向上についての記載はない。
【発明の概要】
【0021】
本発明は、被検査体の電気的特性を検査するプローブに硬化性樹脂組成物の硬化体を接触させ、
硬化体にプローブの針跡を転写して、転写された針跡を基にプローブの状態を確認し、
かつ、プローブの針跡を転写した後に、硬化体を硬化体のガラス転移温度以上に加熱してプローブの針跡を消去する工程を含み、繰り返し検査に供するプローブの検査方法であり、
硬化性樹脂組成物が、
(A)炭素数9〜12の飽和脂環式炭化水素基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート、
(B)炭素数5〜18の飽和炭化水素基(但し飽和脂環式炭化水素基を省く)をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート及び/又は炭素数2〜8のアルコキシアルキル基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート、
(C)光重合開始剤、
(D)酸化防止剤
を含有し、硬化性樹脂組成物の硬化体のガラス転移温度が40℃以上100℃未満であることを特徴とするプローブの検査方法であり、
硬化性樹脂組成物の硬化体の厚さが20〜100μmである該プローブの検査方法であり、
(A)炭素数9〜12の飽和脂環式炭化水素基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート、
(B)炭素数5〜18の飽和炭化水素基(但し飽和脂環式炭化水素基を省く)をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート及び/又は炭素数2〜8のアルコキシアルキル基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート、
(C)光重合開始剤、
(D)酸化防止剤
を含有し、硬化性樹脂組成物の硬化体のガラス転移温度が40℃以上100℃未満であるプローブの針跡を転写するための硬化性樹脂組成物であり、
(A)炭素数9〜12の飽和脂環式炭化水素基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレートと(B)炭素数5〜18の飽和炭化水素基(但し飽和脂環式炭化水素基を省く)をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート及び/又は炭素数2〜8のアルコキシアルキル基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレートとの合計量100質量部中、
(A)炭素数9〜12の飽和脂環式炭化水素基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート10〜99重量部、(B)炭素数5〜18の飽和炭化水素基(但し飽和脂環式炭化水素基を省く)をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート及び/又は炭素数2〜8のアルコキシアルキル基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート1〜90質量部であり、
(A)炭素数9〜12の飽和脂環式炭化水素基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレートと(B)炭素数5〜18の飽和炭化水素基(但し飽和脂環式炭化水素基を省く)をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート及び/又は炭素数2〜8のアルコキシアルキル基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレートとの合計量100質量部に対して、
(C)光重合開始剤0.1〜20質量部、(D)酸化防止剤0.001〜3質量部を含有する該硬化性樹脂組成物であり、
該硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化体であり、
該硬化体からなるシートと、
シートを載置する支持台と、
シートを硬化体のガラス転移温度以上に加熱するための加熱装置と、
被検査体を載置する載置台と、
プローブを有するプローブカードと、
シートに転写されたプローブの針跡の状態を確認するための撮像装置とを備える、被検査体の電気的特性を検査するための検査装置
である。
【0022】
本発明の目的は、針跡を転写する部材を、検査毎若しくはウエハの種類毎に交換せずに、プローブの検査を繰り返し行うことができる検査方法を提供することである。又、プローブと接触させて針跡を容易に転写でき、簡単な方法で容易に針跡が消去できる硬化性樹脂組成物を提供することである。
【0023】
即ち、本発明によれば、被検査体の電気的特性を検査するプローブに硬化性樹脂組成物の硬化体を接触させ、硬化体にプローブの針跡を転写して、転写された針跡を基にプローブの状態を確認し、かつ、プローブの針跡を転写した後に、硬化体を硬化体のガラス転移温度以上に加熱してプローブの針跡を消去する工程を含み、繰り返し検査に供するプローブの検査方法が提供される。
【0024】
上記検査方法によれば、針跡を転写する部材を、検査毎若しくはウエハの種類毎に交換せずに、プローブの検査を繰り返し行うことができるという効果が得られる。
【0025】
又、本発明によれば、(A)炭素数9〜12の飽和脂環式炭化水素基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート、(B)炭素数5〜18の飽和炭化水素基(但し飽和脂環式炭化水素基を省く)をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート及び/又は炭素数2〜8のアルコキシアルキル基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート、(C)光重合開始剤、(D)酸化防止剤を含有し、硬化性樹脂組成物の硬化体のガラス転移温度が40℃以上100℃未満であることを特徴とするプローブの針跡を転写するための硬化性樹脂組成物が提供される。
【0026】
上記硬化性樹脂組成物によれば、針跡を転写する部材とプローブとを接触させて針跡を容易に転写でき、しかも針跡を転写する部材をガラス転移温度以上に加熱することで容易に針跡が消去でき、又加熱の際には硬化体からなるシートが溶融流動することがないという効果が得られる。
【0027】
又、本発明によれば、(A)炭素数9〜12の飽和脂環式炭化水素基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート、(B)炭素数5〜18の飽和炭化水素基(但し飽和脂環式炭化水素基を省く)をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート及び/又は炭素数2〜8のアルコキシアルキル基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート、(C)光重合開始剤、(D)酸化防止剤を含有し、硬化性樹脂組成物の硬化体のガラス転移温度が40℃以上100℃未満である樹脂組成物を硬化してなる硬化体からなるシートと、シートを載置する支持台と、シートを硬化体のガラス転移温度以上に加熱するための加熱装置と、被検査体を載置する載置台と、プローブを有するプローブカードと、シートに転写されたプローブの針跡の状態を確認するための撮像装置とを備える被検査体の電気的特性を検査するための検査装置が提供される。
【0028】
上記検査装置によれば、プローブと接触させて針跡を容易に転写でき、しかもガラス転移温度以上に加熱することで容易に針跡が消去できるため、針跡を転写する部材を、検査毎若しくはウエハの種類毎に交換せずに、プローブの検査を繰り返し行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本実施形態2の検査装置を説明する図面である。
【符号の説明】
【0030】
10 シート
11 針跡
12 支持台
13 載置台
14 プローブカード
15 プローブ
16 CCDカメラ(撮像装置)
W ウエハ
【発明を実施するための形態】
【0031】
[用語の説明]
本明細書において、「硬化性樹脂組成物」とは、光の照射や加熱によって硬化して硬化体となるような混合物のことを意味する。そして、一般的に、硬化性樹脂組成物は、次に説明するガラス転移温度なる温度領域を有する。
【0032】
本明細書において、「ガラス転移温度」とは、液体状態(ゴム状態)から非晶質固体(ガラス状態)に可逆的に変化する温度又は非晶質固体(ガラス状態)から液体状態(ゴム状態)に可逆的に変化する温度を意味する。一般に、ガラス転移温度は、例えばJIS C 6481等によって定義されている。
【0033】
又、本明細書において、「〜」という記号は「以上」及び「以下」を意味し、例えば、「A〜B」というのは、A以上でありB以下であるという意味である。
【0034】
[発明の経緯]
本発明者は、硬化性樹脂組成物の硬化体にプローブを接触させることで針跡を転写させることが可能であり、続いて、該硬化体をガラス転移温度以上に加熱することによって上記針跡を消去できること、更に、上記硬化性樹脂組成物の硬化体を薄膜として得ることで、硬化体上に転写された針跡とウエハ上に形成された基準位置とを同じフォーカスで同時に観察できるとの知見を得て、本発明に至ったものである。
【0035】
[実施形態1:硬化性樹脂組成物]
本実施形態に係る硬化性樹脂組成物は、
(A)炭素数9〜12の飽和脂環式炭化水素基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート、
(B)炭素数5〜18の飽和炭化水素基(但し飽和脂環式炭化水素基を省く)をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート及び/又は炭素数2〜8のアルコキシアルキル基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート、
(C)光重合開始剤、
(D)酸化防止剤
を含有し、硬化性樹脂組成物の硬化体のガラス転移温度が40℃以上100℃未満であるプローブの針跡を転写するための硬化性樹脂組成物である。
【0036】
上記硬化性樹脂組成物によれば、針跡を転写する部材とプローブとを接触させて針跡を容易に転写でき、しかも針跡を転写する部材をガラス転移温度以上に加熱することで容易に針跡が消去できるという効果が得られる。
【0037】
まず、本実施形態に係る硬化性樹脂組成物の構成について説明する。
【0038】
(硬化性樹脂組成物)
【0039】
硬化性樹脂組成物としては、(A)炭素数9〜12の飽和脂環式炭化水素基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート、(B)炭素数5〜18の飽和炭化水素基(但し飽和脂環式炭化水素基を省く)をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート及び/又は炭素数2〜8のアルコキシアルキル基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート、(C)光重合開始剤、(D)酸化防止剤を含有し、硬化性樹脂組成物の硬化体のガラス転移温度が40℃以上100℃未満であることを特徴とする。
【0040】
以下、硬化性樹脂組成物の各成分について説明する。
【0041】
硬化性樹脂組成物は、(A)炭素数9〜12の飽和脂環式炭化水素基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート及び(B)炭素数5〜18の飽和炭化水素基(但し飽和脂環式炭化水素基を省く)をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート及び/又は炭素数2〜8のアルコキシアルキル基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレートを含有する。アクリル系の硬化性樹脂組成物の硬化体を使用することによって、プローブと接触させて針跡を容易に転写でき、しかもガラス転移温度以上に加熱することで容易に針跡が消去できる。
【0042】
((A)炭素数9〜12の飽和脂環式炭化水素基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート)
【0043】
炭素数9〜12の飽和脂環式炭化水素基としては、例えば、ジシクロペンタニル基、イソボルニル基、アダマンチル基等が挙げられ、特に好ましくは、ジシクロペンタニル基やイソボルニル基等が挙げられる。又、アクリレートとメタクリレートとに関してはアクリレートが好ましく選択される。
【0044】
炭素数9〜12の飽和脂環式炭化水素基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等が挙げられ、好ましくはイソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート等が、更に好ましくはイソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単官能(メタ)アクリレートは、針跡転写性を付与するという点において好ましい。
【0045】
又、本発明の硬化性樹脂組成物は、その硬化体のガラス転移温度が40℃以上100℃未満である。硬化体のガラス転移温度が40℃以上100℃未満であると、プローブの針跡を転写した後に硬化体を加熱してプローブの針跡を消去する工程において、得られる硬化性樹脂組成物の硬化体からなるシートが、加熱時に溶融して流動することを抑制できる。硬化体のガラス転移温度を40℃以上100℃未満とするためには、硬化性樹脂組成物において、炭素数9〜12の飽和脂環式炭化水素基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレートを用いればよい。尚、本発明の硬化性樹脂組成物は、その硬化体のガラス転移温度が40℃以上100℃未満であるが、硬化性樹脂組成物の硬化体からなるシートの加熱時の溶融流動を更に抑制するためには、好ましくは50℃以上、より好ましくは55℃以上、一層溶融流動を抑制するためには硬化体のガラス転移温度が70℃以上であると更に好ましい。ガラス転移温度は95℃以下が好ましく、90℃以下が好ましい。
【0046】
((B)炭素数5〜18の飽和炭化水素基(但し飽和脂環式炭化水素基を省く)をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート及び/又は炭素数2〜8のアルコキシアルキル基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート)
【0047】
炭素数5〜18の飽和炭化水素基(但し飽和脂環式炭化水素基を省く)としては、例えば、2−エチルヘキシル基、オクチル基、イソアミル基、デシル基、イソデシル基、ラウリル基、トリデシル基、テトラデシル基、イソテトラデシル基、ステアリル基等が挙げられ、特に好ましくは、イソデシル基やラウリル基等が挙げられる。又、アクリレートとメタクリレートとに関してはメタクリレートが好ましく選択される。
【0048】
炭素数5〜18の飽和炭化水素基(但し飽和脂環式炭化水素基を省く)をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、イソアミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、イソテトラデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられ、好ましくはイソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等が、更に好ましくはイソデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0049】
又、炭素数2〜8のアルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、ブトキシエチル基、プロポキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基等が挙げられ、特に好ましくは、ブトキシエチル基やエトキシエチル基等が挙げられる。又、アクリレートとメタクリレートとに関してはメタクリレートが好ましく選択される。
【0050】
炭素数2〜8のアルコキシアルキル基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、メトキシメチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシメチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、プロポキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、好ましくはブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート等が、更に好ましくはブトキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0051】
(A)炭素数9〜12の飽和脂環式炭化水素基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレートと(B)炭素数5〜18の飽和炭化水素基(但し飽和脂環式炭化水素基を省く)をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート及び/又は炭素数2〜8のアルコキシアルキル基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレートの割合は、(A)と(B)との合計量100質量部中、(A)炭素数9〜12の飽和脂環式炭化水素基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート:(B)炭素数5〜18の飽和炭化水素基(但し飽和脂環式炭化水素基を省く)をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート及び/又は炭素数2〜8のアルコキシアルキル基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート=10〜99:1〜90質量部が好ましく、40〜95質量部:5〜60質量部がより好ましく、50〜90質量部:10〜50質量部が最も好ましい。
【0052】
これにより、室温から高温の温度領域において、針跡転写性を付与することができるという効果を得ることができる。
【0053】
尚、上記硬化性樹脂組成物は、2官能以上の多官能(メタ)アクリレートを含有することは好ましくない。硬化性樹脂組成物に多官能(メタ)アクリレートが含有されると、針跡を形成する際に、硬化体にクラックが発生する虞がある。
【0054】
又、上記(A)及び(B)成分の配合組成に、リンを含有する(メタ)アクリレートを併用してもよい。
【0055】
((C)光重合開始剤)
【0056】
上記硬化性樹脂組成物は、上記(A)及び(B)に加えて、更に光重合開始剤を含む。(C)光重合開始剤は、可視光線や紫外線の活性光線により増感させて樹脂組成物の光硬化を促進するために配合するものであり、公知の各種光重合開始剤が好ましく用いられる。
【0057】
ここで、(C)光重合開始剤としては、特に限定されないが、ベンゾフェノン及びその誘導体、ベンジル及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン誘導体、ジエトキシアセトフェノン、4−t−ブチルトリクロロアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体、2−ジメチルアミノエチルベンゾエート、p−ジメチルアミノエチルベンゾエート、ジフェニルジスルフィド、チオキサントン及びその誘導体、カンファーキノン、7,7−ジメチル−2,3−ジオキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボン酸、7,7−ジメチル−2,3−ジオキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボキシ−2−ブロモエチルエステル、7,7−ジメチル−2,3−ジオキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボキシ−2−メチルエステル、7,7−ジメチル−2,3−ジオキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボン酸クロライド等のカンファーキノン誘導体、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等のα−アミノアルキルフェノン誘導体、ベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジメトキシフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジエトキシフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド誘導体等が挙げられる。
【0058】
これらの中では、効果が大きい点で、ベンゾイン誘導体及び/又はα−アミノアルキルフェノン誘導体が好ましい。ベンゾイン誘導体の中では、効果が大きい点で、ベンジルジメチルケタールが好ましい。α−アミノアルキルフェノン誘導体の中では、効果が大きい点で、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンが好ましい。
【0059】
光重合開始剤としては、上記の物質を1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0060】
(C)光重合開始剤の使用量は、上記(A)及び(B)の合計量100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましい。光重合開始剤の使用量がこの範囲にあると、得られる硬化性樹脂組成物は、加熱時に溶融して流動することを一層防ぐことができる。又、(C)光重合開始剤の使用量が0.1質量部以上であれば、硬化促進の効果が確実に得られるし、20質量部以下であれば充分な硬化速度が達成できる。
【0061】
(C)光重合開始剤の使用量は、更には、0.5〜15質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。このような使用量にすることによって、得られる硬化性樹脂組成物の加熱時の溶融・流動を特に防止することができるし、又、充分な接着強さを有する硬化体を得ることができる。
【0062】
((D)酸化防止剤)
【0063】
上記硬化性樹脂組成物は、その耐久性向上及び貯蔵安定性向上のため、酸化防止剤を含む。
【0064】
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤等、一般的に知られる酸化防止剤であればよく、特に限定されない。ヒンダードフェノールとしては、2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、イソオクチル−3−(3,5−ジ−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等が挙げられ、リン系酸化防止剤としては、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス[2−[[2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェフィン−6−イル]オキシ]エチル]アミン、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェフィン等が挙げられ、硫黄系酸化防止剤としては、ジドデシル3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジオクタデシル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、2−メルカプトベンゾイミダゾール等が挙げられる。又、他に酸化防止剤として用いることができる化合物として、ハイドロキノン、カテコール、ハイドロキノンモノメチルエーテル、モノターシャリーブチルハイドロキノン、2,5−ジターシャリーブチルハイドロキノン、p−ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2,5−ジターシャリーブチル−p−ベンゾキノン、ピクリン酸、クエン酸、フェノチアジン、ターシャリーブチルカテコール、2−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2,6−ジターシャリーブチル−p−クレゾール及び4−メトキシ−1−ナフトール等が挙げられる。
【0065】
これらの中では、効果が大きい点で、ヒンダードフェノールが好ましい。ヒンダードフェノールの中では、効果が大きい点で、2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)が好ましい。
【0066】
これらの酸化防止剤の使用量は、上記(A)及び(B)の合計量100質量部に対して、0.001〜3質量部が好ましい。酸化防止剤の使用量が0.001質量部以上であれば耐久性及び貯蔵安定性が充分であるし、3質量部以下であれば確実な接着性が得られ、未硬化になるおそれもない。
【0067】
更には、酸化防止剤の使用量は0.01〜2質量部がより好ましい。これにより、貯蔵安定性及び耐久性が更に向上するという効果を得ることができる。尚、ここでいう耐久性とは、上記硬化性樹脂組成物の硬化体に対して、針跡転写と加熱消去との繰り返しによる熱履歴を与えても、硬化性樹脂組成物の硬化体が劣化せずに、熱履歴を与える前と同等の針跡転写性及び針跡消去性を有することを示す。酸化防止剤の使用量が少ないと、針跡転写と加熱消去との繰り返しによって前記硬化体が劣化し、針跡の深さが一定せずに浅くなってくる等、針跡の付き方が変わってしまう虞がある。
【0068】
又、上記硬化性樹脂組成物は、一般に使用されているアクリルゴム、ウレタンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム等の各種エラストマー、溶剤、補強材、可塑剤、増粘剤、染料、顔料、難燃剤、シランカップリング剤及び界面活性剤等の添加剤を含んでいてもよい。尚、無機フィラーや無機系増量材が、本発明の硬化性樹脂組成物に含有されることは好ましくない。無機フィラーや無機系増量材が含有されていると、硬化性樹脂組成物の硬化体に針跡を転写する際にプローブと無機フィラー或いはプローブと無機系増量材とが接触し、プローブが傷ついたり曲がったりする虞があるからである。
【0069】
(硬化体の厚み)
【0070】
上記硬化性樹脂組成物の硬化体は薄膜として得ることが可能である。硬化性樹脂組成物の硬化体を薄膜として得ることにより、上記硬化性樹脂組成物の硬化体に転写した針跡とウエハ上の基準位置とを同じフォーカスで同時に観察することができるため、作業時間の短縮につながる。
【0071】
ここで、上記硬化体の厚みは、20〜100μmであることが好ましく、40〜60μmであることがより好ましい。硬化体の厚みが20μm以上であれば、連続した硬化体を確実に得るのに十分である。又、硬化体の厚みが100μm以下であれば一般的な半導体ウエハの厚さに対応でき、硬化体に転写した針跡とウエハ上の基準位置とを同じフォーカスで同時に観察することができる。
【0072】
[実施形態2:プローブの検査方法]
本実施形態に係るプローブの検査方法は、被検査体の電気的特性を検査するプローブに硬化性樹脂組成物の硬化体を接触させ、硬化体にプローブの針跡を転写して、転写された針跡を基にプローブの状態を確認し、かつ、プローブの針跡を転写した後に、硬化体を硬化体のガラス転移温度以上に加熱してプローブの針跡を消去する工程を含み、繰り返し検査に供するプローブの検査方法である。
【0073】
上記検査方法によれば、針跡を転写する部材を、検査毎若しくはウエハの種類毎に交換せずに、プローブの検査を繰り返し行うことができるという効果が得られる。但し、「交換せずに」といえども、針跡を転写する部材を永久に交換しないわけではない。つまり、劣化や摩耗等により、交換が必要な場合には適宜交換するが、少なくとも2回以上は繰り返し使用することができればよい。
【0074】
次に、上記プローブの検査方法を説明する。
【0075】
先ず、検査に用いるプローブに硬化性樹脂組成物の硬化体を接触させ、該硬化体に該プローブの針跡を転写する。そして、転写されたプローブの針跡の確認を行った後、該プローブを用いたウエハの検査が行われる。このとき、上記確認操作によって、プローブの位置が適切でないことや、押し込み深さが充分でないことが判明した場合には、適宜プローブの調整を行うことができる。
【0076】
ここで、接触とは、硬化体表面にプローブの針跡が形成されるように、プローブを硬化体表面に押しつけることを意味する。この操作によって、硬化体表面にプローブの針跡が形成される。又、転写とは、上記の接触操作によって硬化体表面にプローブの針跡が形成されることである。このように、硬化体表面にプローブの針跡が転写されることによって、プローブの位置や押し込み深さ、プローブ先端の状態等を知ることができる。
【0077】
そして、確認とは、転写されたプローブの針跡をCCDカメラ等の撮像装置によって目視することである。針跡の確認は、目視によって行うことが確実であるので好ましいが、例えば、上記撮像装置によって取り込んだ画像を、ソフトウエアによって解析し、自動的にプローブの配列を修正するようにしてもよい。
【0078】
尚、接触及び転写時の温度は、ICチップの電気的特性を検査する温度と同じ温度であり、例えば、室温や高温が挙げられる。室温としては、20〜30℃が好ましい。高温としては、70〜100℃が好ましく、80〜90℃がより好ましい。又、確認時の温度は、上記温度と同じかそれ以下の温度である。
【0079】
そして、所定枚数のウエハの検査が終了した後、上記硬化体を硬化体のガラス転移温度以上に加熱して上記プローブの針跡を消去する。又、針跡の消去は、異なる種類のウエハの検査毎におこなってもよい。
【0080】
ここで、針跡の消去とは、硬化体を加熱することによって硬化体の温度をガラス転移温度以上に上昇させ、硬化体表面に形成されたプローブの針跡を消すことである。針跡の消去は、針跡が完全に消えた状態にならなくてもよい。
【0081】
例えば、針跡の最下部と硬化体表面との高さのギャップが100nm以下になれば、消去されたものとする。更に好ましくは、50nm以下になれば、消去されたものとする。
【0082】
針跡が消去されたか否かは、撮像装置を用いた目視等により確認することができる。硬化体表面に形成された針跡を消すことによって、一つの硬化体で複数回の検査を繰り返し行える。
【0083】
上記検査において、硬化体とは、本発明においては光の照射によって硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化体であり、上記実施形態1に記載の硬化性樹脂組成物を用いる。
【0084】
照射時の波長は、355〜375nmが好ましく、360〜370nmがより好ましい。350nm以上であれば他の成分の光吸収を抑えることができ、375nm以下であれば光開始剤の分解反応が進行する。照射時の積算光量は、1500〜6000mJ/cmが好ましく、3000〜5000mJ/cmがより好ましく、3500〜4500mJ/cmが最も好ましい。1500mJ/cm以上であれば充分に硬化反応が進行し、6000mJ/cm以下であれば光劣化することもない。
【0085】
これにより、プローブと接触させて針跡を容易に転写でき、しかもガラス転移温度以上に加熱することで容易に針跡を消去できるので、上記プローブの検査に好ましく用いられる。そして、針跡を消去した後、接触、転写及び確認時の温度まで冷却することで、再利用することができる。
【0086】
上記検査方法によれば、針跡を転写する部材を、検査毎若しくはウエハの種類毎に交換せずに、プローブの検査を繰り返し行うことができるという効果が得られる。
【0087】
又、被検査体の検査を高温で行う場合には、ガラス転移温度以下或いはガラス転移温度以上であっても硬化体に針跡を転写することが可能であれば、硬化体の温度も被検査体の検査時の温度と同じにすることができる。即ち、高温時におけるプローブの針先の位置を検出することができる。これにより、被検査体の検査を高温で行う場合にも、プローブの針先位置が検出時の位置からずれることなく、プローブを電極パッドに的確に接触させることができる。
【0088】
(検査装置)
上記プローブの検査には、図1に示すような、硬化体からなるシート10と、該シート10を載置する支持台12と、該シート10を該硬化体のガラス転移温度以上に加熱するための加熱装置(図示せず)と、該被検査体を載置する載置台13と、プローブ15を有するプローブカード14と、該シート10に転写された上記プローブ15の針跡11の状態を確認するための撮像装置16とを備える検査装置が好ましく用いられる。
【0089】
ここで、検査装置の構成部材は上記のものに限られるわけではなく、他に真空ポンプやガス供給源、載置台の動きを制御する制御機構等を備えていてもよい。又、上記検査装置は、真空チャンバー等の装置内に組み込まれていても良い。
【0090】
(硬化性樹脂組成物の加熱方法)
実施形態1及び2に係る硬化性樹脂組成物は、硬化後にプローブを接触させて針跡を転写した後、ガラス転移温度以上に加熱することで針跡を消去することが可能である。
【0091】
実施形態1及び2において、硬化性樹脂組成物のガラス転移温度は、簡便な加熱方法で得られる。加熱方法としては、特に限定されないが、容易に使用できるため、電気ヒーター、乾燥機等を用いるのが好ましい。
【0092】
加熱温度としては、180℃以下が好ましく、50〜150℃がより好ましい。加熱温度が180℃以下であれば、硬化性樹脂組成物が複数回の使用に耐えうるため好ましい。
【0093】
又、実施形態2において、加熱装置とは、例えば、電気ヒーター、乾燥機等を意味する。加熱装置は、シート10の温度をガラス転移温度以上に加熱できることが必要であるが、他の部材や被検査体に影響を及ぼさないように取り付けることが好ましい。
【0094】
針跡の消去方法は、加熱だけではなく、加熱と加圧とを組み合わせることも可能である。加圧することによって、硬化体の表面を更に平坦に保つことができる。ここで、硬化性樹脂組成物の加圧方法としては、プレス機等の従来公知の装置を用いることが好ましい。
【0095】
(ガラス転移温度)
上記実施形態1及び2において、ガラス転移温度は、40℃以上100℃未満であることが好ましい。この範囲であれば、ICチップの電気的特性を検査する温度、例えば、室温や高温において良好な針跡転写性、針跡消去性を得ることができる。室温としては、20℃以上30℃以下が好ましい。高温としては、70℃以上100℃以下が好ましく、80℃以上90℃以下がより好ましい。更に、ガラス転移温度は、45℃以上95℃以下であることが好ましく、50℃以上90℃以下であることがより好ましい。この範囲であれば、電気ヒーター、乾燥機等で容易に加熱・冷却が行える。
【0096】
又、実施形態1及び2の硬化性樹脂組成物は繰り返し使用することができるが、繰り返しの回数は、2回以上が好ましく、コストの面からいって、30回以上繰り返し使用できることが好ましい。
【0097】
本発明の実施形態に係るプローブの検査方法は、被検査体の電気的特性を検査するプローブに硬化性樹脂組成物の硬化体を接触させ、硬化体にプローブの針跡を転写して、転写された針跡を基にプローブの状態を確認し、かつ、プローブの針跡を転写した後に、硬化体を硬化体のガラス転移温度以上に加熱してプローブの針跡を消去する工程を含み、繰り返し検査に供するプローブの検査方法である。
【0098】
上記検査方法によれば、針跡を転写する部材を検査毎若しくはウエハの種類毎に交換せずに、プローブの検査を繰り返し行うことができるという効果が得られる。
【0099】
上記硬化性樹脂組成物の硬化体の厚さは20〜100μmであってもよい。40〜60μmであることがより好ましい。これにより、硬化体に転写されたプローブの針跡とウエハ上に形成されている基準位置とを同じフォーカスで同時に観察することができ、作業時間の短縮ができるという効果が得られる。
【0100】
又、基準位置として、上記硬化性樹脂組成物の硬化体上にマークを作製してもよい。マークの作製方法はインクジェットによるインク塗布やスクリーン印刷、金属蒸着、レーザーアブレーション等が挙げられるが、作業性及び繰り返しの使用に耐えるという観点から、インクジェットによるインク塗布が好ましい。
【0101】
本発明の実施形態に係る硬化性樹脂組成物は、(A)炭素数9〜12の飽和脂環式炭化水素基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート、(B)炭素数5〜18の飽和炭化水素基(但し飽和脂環式炭化水素基を省く)をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート及び/又は炭素数2〜8のアルコキシアルキル基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート、(C)光重合開始剤、(D)酸化防止剤とを含有し、硬化性樹脂組成物の硬化体のガラス転移温度が40℃以上100℃未満であることを特徴とするプローブの針跡を転写するための硬化性樹脂組成物である。
【0102】
上記硬化性樹脂組成物によれば、プローブと接触させて針跡を容易に転写でき、しかもガラス転移温度以上に加熱することで容易に針跡が消去できるという効果が得られる。特に酸化防止剤を含有することで、貯蔵安定性及び耐久性が向上し、とくにガラス転移温度以上に繰り返し加熱しても硬化体が劣化せず、耐久性が高いという効果を得ることができる。
【0103】
又、上記硬化性樹脂組成物が、(A)と(B)との合計量100質量部に対して、(A)を10〜99重量部、(B)を1〜90質量部、(C)を0.1〜20質量部、(D)を0.001〜3質量部含有していてもよい。これにより、加熱しても溶融流動することなく、ガラス転移温度以上に繰り返し加熱しても劣化せず、耐久性の高い硬化体を得ることができる。
【0104】
上記硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化体は、プローブと接触させて針跡を容易に転写でき、しかもガラス転移温度以上に加熱することで容易に針跡が消去できるので、プローブの検査に繰り返し用いることができる。
【0105】
又、本発明によれば、上記硬化体からなるシートと、上記シートを載置する支持台と、上記シートを上記硬化体のガラス転移温度以上に加熱するための加熱装置と、上記被検査体を載置する載置台と、プローブを有するプローブカードと、上記シートに転写された上記プローブの針跡の状態を確認するための撮像装置とを備える、被検査体の電気的特性を検査するための検査装置が提供される。
【0106】
この検査装置では、針跡を転写する部材を検査毎若しくはウエハの種類毎に交換せずに、プローブの検査を繰り返し行うことができるため、検査工程の時間を短縮することが可能である。
【0107】
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。
【実施例】
【0108】
以下に、実施例及び比較例をあげて本発明を更に詳細に説明する。特記しない限り、25℃で評価した。
【0109】
[実施例1]
以下の組成で各材料を配合し、硬化性樹脂組成物を作製した。
・(A)炭素数9〜12の飽和脂環式炭化水素基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート
イソボルニルアクリレート(共栄社化学社製、「ライトアクリレート IB−XA」、以下「IB−XA」と略す。)90質量部。
・(B)炭素数5〜18の飽和炭化水素基(但し飽和脂環式炭化水素基を省く)をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート及び/又は炭素数2〜8のアルコキシアルキル基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート
イソアミルアクリレート(共栄社化学社製、「ライトアクリレート IAA」、以下「IAA」と略す。)10質量部。
・(C)光重合開始剤
上記(A)及び(B)からなる組成物100質量部に対して、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、「IRGACURE907」、以下「I−907」と略す。)1質量部。
・(D)酸化防止剤
上記(A)及び(B)からなる組成物100質量部に対して、2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)(以下、「MDP」と略す。)0.1質量部。
【0110】
得られた硬化性樹脂組成物を使用して、以下に示す評価方法にて引張せん断接着強さの測定、針跡転写性、針跡消去性及び溶融挙動の評価を行った。
【0111】
(ガラス転移温度の測定)
シリコンウェハ上に硬化性樹脂組成物を200μm厚で塗布して離型フィルムで覆ったのち、無電極放電ランプを使用したフュージョン社製硬化装置により、365nmの波長の積算光量4000mJ/cmの条件にて硬化させた。その後離型フィルムを剥がして得られた硬化体を削り取り、示差走査熱量計「SII EXSTAR DSC6220」(セイコーインスツル社製)によりガラス転移温度を測定した(昇温速度10℃/min)。
【0112】
(引張せん断接着強さの測定(接着強さ))
引張せん断接着強さは、JIS K 6850に従い測定した。具体的には、被着材として耐熱パイレックス(登録商標)ガラス(25mm×25mm×2.0mm)を用いて、作製した硬化性樹脂組成物を直径8mmの円状に塗布し、接着面の形状が直径8mmの円形の状態になるようにして2枚の耐熱パイレックス(登録商標)ガラスを貼り合わせた。その後、無電極放電ランプを使用したフュージョン社製硬化装置により、365nmの波長の積算光量2000mJ/cmの条件にて硬化させ、引張せん断接着強さ測定用の試験片を作製した。そして、引っ張り試験機を使用して、温度23℃、湿度50%の環境下、引張速度10mm/minで、作製した試験片の引張せん断接着強さを測定した。
【0113】
(針跡転写性の評価(針跡転写性 針跡深さ))
シリコンウェハ上に硬化性樹脂組成物を50μmの厚さに塗布して離型フィルムで覆ったのち、無電極放電ランプを使用したフュージョン社製硬化装置により、365nmの波長の積算光量4000mJ/cmの条件にて硬化させた。その後離型フィルムを剥がして試験片を得た。マニュアルプローバを用いて、プローブを速度約15μm/sの条件で40μm下降させ、シリコンウェハ上の硬化性樹脂組成物の硬化体に接触させた。その後、共焦点レーザー顕微鏡にて硬化性樹脂組成物の硬化体表面への針跡転写の有無を観察し、針跡が転写されていた場合、針跡の深さを測定した。針跡の深さは共焦点レーザー顕微鏡(オリンパス社製、「OLS1100」)により測定した。
【0114】
(140℃加熱後の針跡深さ(針跡消去性))
上記試験において針跡が転写されていた試験片を用いて、オーブンにて140℃で10分間加熱した後、針跡が消去されているか確認した。針跡が消去されていなかった場合、針跡深さを測定した。針跡の有無及び針跡深さは共焦点レーザー顕微鏡にて確認した。
【0115】
(加熱後の硬化体の溶融挙動(溶融挙動))
針跡転写性及び針跡消去性の評価用に作製した試験片(硬化性樹脂組成物の硬化体の大きさ:幅30mm×幅30mm×厚さ50μm)を140℃に加熱したホットプレートの上に5分間置いて、硬化体に溶融の挙動が見られるか観察した(加熱後の試験片の幅を測定した)。
【0116】
上記の実験結果を表1に示す。
【0117】
【表1】



【0118】
[実施例2〜7]
表1に示す種類の原材料を表1に示す組成で使用したこと以外は実施例1と同様にして硬化性樹脂組成物を作製した。得られた硬化性樹脂組成物について、実施例1と同様に上記評価を行った。それらの実験結果を表1に示す。
尚、実施例3の針跡転写性は85℃にて評価した。
【0119】
(使用材料)
以下に、実施例2〜7で使用した各材料とその略称を明記する。尚、この略称は表1と対応している。
FA−512AS:ジシクロペンタニルアクリレート(日立化成工業社製、「FANCRYL FA−512AS」)
ID:イソデシルメタクリレート(共栄社化学社製、「ライトエステル ID」)
L:ラウリルメタクリレート(共栄社化学社製、「ライトエステル L」)
BO:ブトキシエチルメタクリレート(共栄社化学社製、「ライトエステル BO」)
BDK:ベンジルジメチルケタール
【0120】
[比較例1及び2]
表1に示す種類の原材料を表1に示す組成で使用したこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を作製した。得られた樹脂組成物に関して、実施例1と同様に評価を行った。それらの結果を表1に示す。
【0121】
(使用材料)
以下に、比較例2で使用した各材料とその略称を明記する。尚、この略称は表1と対応している。
ACMO:アクリロイルモルフォリン(興人社製、「ACMO」)
【0122】
[考察]
表1からわかるように、実施例1〜7では、針跡を転写することができ、かつ加熱によって針跡を消去することができた。即ち、本発明に係る硬化性樹脂組成物を使用することによって、針跡を転写する部材を検査毎若しくはウエハの種類毎に交換せずに、プローブの検査を繰り返し行うことができる。
【0123】
しかし、実施例1〜7に対して、比較例1はガラス転移温度が40℃以下であったため、針跡転写できず、更に加熱後は硬化体が溶融してしまった。又、比較例2では、ガラス転移温度以上に加熱しなかったため、加熱によって針跡を消去することはできなかった。
【0124】
又、表1からわかるように、本発明に係る硬化性樹脂組成物の硬化体は、概ね20〜100μmの厚さに形成することができる。硬化体をこのような厚さに形成することによって、一般的な半導体ウエハの厚さに対応できる。つまり、硬化体に転写されたプローブの針跡とウエハ上に形成されている基準位置とを同じフォーカスで同時に観察することができ、作業時間の短縮ができるという効果が得られる。
【0125】
又、実施例3に示すように、ガラス転移温度が高ければ高温での利用も可能であり、更に、針跡転写時の温度を上げることで深い針跡を転写させることが可能である。
【0126】
以上のように、本発明によれば、被検査体の電気的特性を検査するプローブに硬化性樹脂組成物の硬化体を接触させ、上記硬化体に上記プローブの針跡を転写して、上記プローブの状態を確認するプローブの検査方法であって、上記プローブの針跡を転写した後に、上記硬化体を上記硬化体のガラス転移温度以上に加熱して上記プローブの針跡を消去して、繰り返し検査に供することを特徴とするプローブの検査方法が提供される。
【0127】
上記検査方法によれば、針跡を転写する部材を検査毎若しくはウエハの種類毎に交換せずに、プローブの検査を繰り返し行うことができるという効果が得られる。
【0128】
又、本発明によれば、(A)炭素数9〜12の飽和脂環式炭化水素基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート、(B)炭素数5〜18の飽和炭化水素基(但し飽和脂環式炭化水素基を省く)をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート及び/又は炭素数2〜8のアルコキシアルキル基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート、(C)光重合開始剤、(D)酸化防止剤とを含有し、硬化性樹脂組成物の硬化体のガラス転移温度が40℃以上100℃未満であることを特徴とするプローブの検査に用いるための硬化性樹脂組成物が提供される。
【0129】
上記硬化性樹脂組成物によれば、プローブと接触させて針跡を容易に転写でき、しかもガラス転移温度以上に加熱することで容易に針跡が消去できるという効果が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査体の電気的特性を検査するプローブに硬化性樹脂組成物の硬化体を接触させ、
硬化体にプローブの針跡を転写して、転写された針跡を基にプローブの状態を確認し、
かつ、プローブの針跡を転写した後に、硬化体を硬化体のガラス転移温度以上に加熱してプローブの針跡を消去する工程を含み、繰り返し検査に供するプローブの検査方法であり、
硬化性樹脂組成物が、
(A)炭素数9〜12の飽和脂環式炭化水素基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート、
(B)炭素数5〜18の飽和炭化水素基(但し飽和脂環式炭化水素基を省く)をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート及び/又は炭素数2〜8のアルコキシアルキル基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート、
(C)光重合開始剤、
(D)酸化防止剤
を含有し、硬化性樹脂組成物の硬化体のガラス転移温度が40℃以上100℃未満であることを特徴とするプローブの検査方法。
【請求項2】
硬化性樹脂組成物の硬化体の厚さが20〜100μmである請求項1に記載のプローブの検査方法。
【請求項3】
(A)炭素数9〜12の飽和脂環式炭化水素基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート、
(B)炭素数5〜18の飽和炭化水素基(但し飽和脂環式炭化水素基を省く)をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート及び/又は炭素数2〜8のアルコキシアルキル基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート、
(C)光重合開始剤、
(D)酸化防止剤
を含有し、硬化性樹脂組成物の硬化体のガラス転移温度が40℃以上100℃未満であるプローブの針跡を転写するための硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
(A)炭素数9〜12の飽和脂環式炭化水素基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレートと(B)炭素数5〜18の飽和炭化水素基(但し飽和脂環式炭化水素基を省く)をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート及び/又は炭素数2〜8のアルコキシアルキル基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレートとの合計量100質量部中、
(A)炭素数9〜12の飽和脂環式炭化水素基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート10〜99重量部、(B)炭素数5〜18の飽和炭化水素基(但し飽和脂環式炭化水素基を省く)をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート及び/又は炭素数2〜8のアルコキシアルキル基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート1〜90質量部であり、
(A)炭素数9〜12の飽和脂環式炭化水素基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレートと(B)炭素数5〜18の飽和炭化水素基(但し飽和脂環式炭化水素基を省く)をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレート及び/又は炭素数2〜8のアルコキシアルキル基をエステル結合を介して有する単官能(メタ)アクリレートとの合計量100質量部に対して、
(C)光重合開始剤0.1〜20質量部、(D)酸化防止剤0.001〜3質量部を含有する請求項3に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
請求項3〜4に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化体。
【請求項6】
請求項5に記載の硬化体からなるシートと、
シートを載置する支持台と、
シートを硬化体のガラス転移温度以上に加熱するための加熱装置と、
被検査体を載置する載置台と、
プローブを有するプローブカードと、
シートに転写されたプローブの針跡の状態を確認するための撮像装置とを備える、被検査体の電気的特性を検査するための検査装置。

【図1】
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【公開番号】特開2011−49261(P2011−49261A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−194880(P2009−194880)
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【出願人】(000003296)電気化学工業株式会社 (1,539)
【Fターム(参考)】