説明

ホーム離れ計測方法およびその装置

【課題】駅のプラットホームの建築限界の計測を迅速に且つ高精度に実行すること。
【解決手段】駅のプラットホーム200に沿って進行する車両本体101の側端とホーム側端縁Pとの間の距離情報Aを検出する手段と、この検出動作とほぼ同一のタイミングで作動して車両101が進行する軌道300の中心位置Oを検出する手段と、この計測された軌道中心位置Oと当該軌道300上を進行する車両本体101の中心位置との間の位置ずれΔSを検出する手段とを備え、これら計測された所定の情報等に基づいて当該車両100が走行する軌道300の中心位置Oからプラットホームの側端縁Pまでの水平距離等をホーム建築限界情報として算定するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホーム離れ計測方法およびその装置に係り、特に、進行中の車両と駅のプラットホームの側端縁との離れ距離をプラットホーム全体にわたって計測するホーム離れ計測方法およびその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
駅のプラットホームは乗客が列車に乗り降りに必要不可欠なものである。一方、線路(軌道)上を通過する列車にとっては、線路周辺の構造物は、当然のことながらある空間(建築限界)より外にあることが列車の安全走行上、重要である。
駅のプラットホームの建築限界は、軌道中心からプラットホームの上側端縁までの空間距離(離れおよび高さ)のことであり、プラットホームの性質上、必要以上に大きく設定することはできない。一方、プラットホームの建築限界の設定および一度構築したプラットホームの保守管理は、地震や地盤沈下等によるホームの位置ずれ等も考慮して鉄道全体の管理体制上では重要課題の一つとなっている。
【0003】
駅のプラットホームの建築限界の測定は、通常は測定定規を用いて人力によって行われている。これに対し、駅のプラットホーム以外の周辺構造物の建築限界については、その測定技術として下記特許文献1がある。
【特許文献1】特開平4−295707
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記背景技術で示すように、プラットホームの建築限界の測定は、現状では測定定規を用いて行われていることから、多くの時間と手間がかかり、非能率的なものとなっていた。又、上記特許文献に開示した特開平4−295707のものは、主としてトンネルを意図したものであり、列車の安全走行を最優先課題として構成されているものであり、軌道に接近してその限界を模索しつつ構築するプラットホームの建築限界の測定には、そのまま導入することができない、という不都合があった。
【0005】
本発明は、かかる従来例が有する不都合を改善し、人の安全に関する駅のプラットホームの建築限界の計測を迅速に且つ高精度に実行し得るホーム離れ計測方法およびその装置を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明では、駅のプラットホームに沿って進行する車両本体の側端とホーム側端縁との間の距離情報を検出する第1の工程と、この第1の工程とほぼ同一のタイミングで作動して当該車両が進行する軌道の中心位置を検出し特定する第2の工程と、この第2の工程によって得られる軌道中心位置と当該軌道上を進行する車両本体の中心位置との間の位置ずれを検出する第3の工程と、前記第1乃至第3の各工程で得られる所定の情報等に基づいて当該車両が走行する軌道の中心位置から前記プラットホームの側端縁までの水平距離をホーム建築限界情報として算定する第4の工程とを備える、という手法を採っている(請求項1)。
【0007】
このため、第1の工程で車両の側端とホーム側端縁との間の距離情報を、第2,第3の工程で軌道中心位置に対する車両の幅方向の中心位置との車両幅の位置ずれ情報を検出するようにしたことから、駅のプラットホームの建築限界にかかる情報を車両の走行と共に同一条件で連続して迅速に計測し収集することができ、このため、第4工程ではプラットホームの建築限界を高精度に且つ効率よく演算し算定することが可能となった。
【0008】
ここで、前述した第1の工程の前工程として、車両の進行と共に近接するプラットホームのホーム端縁の始まり位置を検出するホーム始端検出工程を設ける。そして、このホーム始端検出工程で検出されるホーム側端の始まり位置の検出のタイミングに基づいて、前述した第1の工程におけるホーム側端縁の計測動作の開始時を適宜設定するようにしてもよい(請求項2)。
このようにすると、プラットホームの建築限界の測定開始のタイミングをホーム始端の近接状況に合わせて無駄なく設定することができ、かかる点においてプラットホームの建築限界にかかる情報を短時間に且つ連続的に測定することができ、作業能率を大幅に向上させることができる。
【0009】
又、前述した第1の工程の前工程として、車両の車軸部分に予め装備した車軸長伸縮機構を作動させて各車輪相互間の距離を軌道幅一杯に伸長し維持する車輪相互間伸長工程を設けてもよい(請求項3)。
更に、前述したホーム始端検出工程で検出されるホーム側端縁の始まり位置の検出タイミングに基づいて、前述した車輪相互間の伸長動作の工程における動作タイミングを設定するようにしてもよい(請求項4)。
このようにすると、ホーム側端縁の計測開始に向けて、その開始準備を迅速に実行することができ、第1の工程におけるホーム側端縁の計測に際して車両の左右への振動が抑制されることとなり、これがため、ホーム側端縁の計測作業を迅速に且つ能率良く実行することができ、測定値の信頼性も高められるという利点がある。
【0010】
又、軌道がカーブしている時に生じる軌道中心位置に対する走行車両の幅方向の位置ずれを高精度に検出することができ、これにも基づいてなされるプラットホームの建築限界の算定精度をより一層高めることができる。
【0011】
更に、本発明では、前述した第1の工程とほぼ同一のタイミングで作動して当該車両が進行する軌道の上面から前記プラットホームの上面までの距離を測定するホーム高さ測定工程を備え、前述した第4の工程では、第1乃至第3の各工程で得られる所定の情報等に基づいて当該車両が走行する軌道の中心位置から前記プラットホームの側端までの距離および軌道の上面から前記プラットホームの上側端縁までの高さ距離をホーム建築限界情報として特定するようにした(請求項5)。
【0012】
このようにすると、プラットホームの高さ距離の計測および演算処理を、軌道の中心位置からプラットホームの側端縁までの水平距離の計測および演算処理と共に同時に実行することができ、このため、ホーム建築限界情報の計測および演算処理にかかる作業を更に迅速に実行することができるという利点がある。
【0013】
又、本発明では、駅のプラットホームに沿って進行する車両に、当該走行する車両の側端とホーム側端との間の距離を検出するホーム端縁検出センサと、前記車両が進行する軌道の中心位置にかかる情報を検出する軌道中心検出センサとを予め装備する。この軌道中心検出センサによって得られる軌道中心位置と当該軌道上を進行する車両の幅方向の中心位置との位置ずれを算定すると共に、前記ホーム端縁検出センサで収集される距離情報に基づいて前記車両の側端とホーム側端との間の水平位置における相互間距離を演算し算定するデータ演算処理部を設ける。そして、前述した各センサに対し計測動作タイミングを設定すると共に、前述したデータ演算処理部で算定される距離情報等および予め特定された前記車両の幅情報等に基づいて当該走行車両の軌道中心から前記プラットホームの側端までの距離をホーム限界情報として算定する主演算制御部を備える、という構成と採っている(請求項6)。
【0014】
このため、車両本体の側端とホーム側端縁との間の距離情報と軌道中心位置に対する車両の幅方向の中心位置との車両幅の位置ずれ情報とを検出して、前述したプラットホームの建築限界の算定に際し算入するようにしたので、高精度に当該プラットホームの建築限界を算定することができ、各センサによって必要な情報を車両の走行中に連続して高速にて収集することができるので、プラットホームの建築限界の迅速な計測が可能となり、かかる点において、測定値への信頼性を著しく高めることができ、これがため、プラットホームの建築限界の計測に関して必要とする多くの需要に対応することができるという点で優れたものとなっている。
【0015】
ここで、前述した車両に、当該車両の進行と共に近接するプラットホームの始まり位置情報を検出するホーム始端検出センサを設ける。そして、前述した主演算制御部が、このホーム始端検出センサで検出されるプラットホームの始まり位置情報の検出のタイミングに基づいて前述したホーム端縁検出センサの作動開始時を適宜設定するように構成してもよい(請求項7)。
このようにすると、プラットホームのホーム建築限界の測定開始のタイミングを、ホーム始端の近接状況に合わせて無駄なく且つ自動的に設定することが可能となり、かかる点において短時間に且つ連続的に当該建築限界にかかる情報を計測することができ、測定値の信頼性および測定作業の能率を大幅に向上させることができる。
【0016】
更に、本発明では、駅のプラットホームに沿って進行する車両に、当該走行する車両の側端とホーム側端との間の距離情報を検出するホーム端縁検出センサと前記車両が進行する軌道の中心位置にかかる情報を検出する軌道中心位置検出センサとを予め装備する。この軌道中心検出センサによって得られる軌道中心位置と当該軌道上を進行する車両の幅方向の中心位置との位置ずれを算定すると共に前述したホーム端縁検出センサで収集された車両の側端とホーム側端との間の距離情報に基づいて前述した車両の側端とホーム側端縁との間の距離を算定するデータ演算処理部を設ける。又、前述した各センサの動作タイミングを設定すると共に前述したデータ演算処理部で算定される情報および予め特定されている車両の幅情報等に基づいて当該走行車両の軌道中心から前述したプラットホームの側端までの距離をホーム建築限界情報として演算し出力する主演算制御部を備えている。そして、前述した車両には、所定のタイミングで作動して車輪相互間の距離を軌道幅一杯に伸長し維持する車軸長伸縮手段を装備する、とした(請求項8)。
【0017】
このため、軌道中心(線路中心)位置と進行する車両の幅方向の中心位置との位置ずれを、高精度に連続して測定することができ、かかる高精度に測定した位置ずれ情報を算入するようにしたので、プラットホームの建築限界の算定精度をより一層高めることが可能となっている。
【0018】
ここで、前述した主演算制御部が、前述したホーム始点検出センサからの情報に基づいて所定のタイミングで前述した車軸長伸縮手段を作動させ若しくはその動作を解除する伸長駆動制御機能を備えた構成としてもよい(請求項9)。
このようにすると、プラットホームの建築限界にかかる情報の測定作業を高精度に且つ効率よく実行することができ、その結果、ホームの建築限界の計測作業の迅速化および測定精度を、更には装置全体の信頼性を高めることができるという利点がある。
【0019】
又、前述した車両に、軌道上を走行する当該車両の左右方向の傾きを測定する傾斜計を予め装備し、前述したデータ演算処理部が、この傾斜計によって得られる傾斜角情報に基づいて作動し前述した各センサで得られる距離情報を補正する傾斜演算補正機能を備えた構成としてもよい(請求項10)。
このようにすると、傾斜(カント)の大きい軌道であっても、ホームの建築限界の測定作業を傾斜が無い場合の軌道と同様に迅速に且つ高精度に実行することができ、汎用性の高い計測装置を得ることができる。
【0020】
更に、前述したデータ演算処理部又は主演算制御部の何れか一方に情報記憶手段を併設すると共に、この情報記憶手段に、前述した各種センサで検出した所定の距離情報およびデータ演算処理部および主演算制御部で演算した距離情報等を所定のタイミングで記憶するようにしてもよい(請求項11)。
又、前述した車両の台車部分に、当該台車の車軸の回転に対応して回転動作するタイミング信号出力機構を装備すると共に、前述したデータ演算処理部が、タイミング信号出力機構からの指令に基づいて各センサの計測動作のタイミングを特定すると共に前述した主演算制御部からの指令で各センサに当該計測動作のタイミングを指示する計測タイミング設定機能を備えた構成としてもよい。(請求項12)。
このため、計測動作のタイミングに合わせてプラットホームのホーム側端縁を所定間隔で空間を刻んだ状態で計測動作がすすめられる事となり、全体的には同一条件で迅速に且つ円滑に計測動作およびその計測された情報の前述した情報記憶手段に対する記憶動作が実行されることとなる。
【0021】
更に、前述した主演算制御部は、各種センサによる距離情報収集後に、前述した情報記憶手段に記憶された各種距離情報等に基づいて、当該走行車両の軌道中心から対応するプラットホームの側端までの水平距離をホーム限界情報として演算し出力するように構成してもよい(請求項13)。
【0022】
このようにすると、前述した各種センサによるデータ収集と同時にデータ処理およびホームの建築限界の演算等を実行し得るばかりでなく、各種センサによるデータ収集を先行させて、その後に一括してデータ処理およびホームの建築限界の演算等を実行することも可能となり、状況に応じて種々の計測作業条件に対応することができるという利点がある。
【0023】
又、前述したホーム端縁検出センサを、前述した車両の両側端部に装備すると共に、この各ホーム端縁検出センサをプラットホームの存在位置に合わせて選択するセンサ切換えスイッチを装備するように構成してもよい(請求項14)。
このようにすると、走行する(測定用の)車両のいずれの側に位置するプラットホームであっても、当該車両に装備されたセンサ切換えスイッチを作動させるだけで、これに対応することができ、ホーム建築限界の計測作業を、更により円滑に実行し得るという利点が生じる。
【0024】
更に、前述したホーム端縁検出センサを、レーザ光源による光切断法を応用したCCDカメラにより構成すると共に、前述したデータ演算処理部が前記CCDカメラにより捕捉されたホーム側端部の画像情報に基づいて当該ホーム側端と前記車両の側端との間の空間離れ距離を演算し算定する空間距離演算機能を備える、という構成としてもよい(請求項15)。
このようにすると、ホーム建築限界にかかる情報を画像情報として所定のタイミングで連続して捕捉し得るので、外部雑音の影響の少ない状態で正確なホーム建築限界にかかる情報を得ることができ、かかる点において、装置全体の信頼性をより高めることができるという利点がある。
【0025】
又、前述したホーム端縁検出センサを、レーザ光源による光切断法を応用したCCDカメラにより構成すると共に、前述したデータ演算処理部が、CCDカメラにより捕捉されたホーム側端縁部分の画像情報に基づいて当該ホーム側端縁と前述した車両本体の側端との間の空間離れ距離を演算し算定する空間距離演算機能と、当該測定した画像情報に基づいて当該車両本体からみたプラットホームのホーム側端縁の高さ情報を演算し算定するホーム高さ距離演算機能とを備えている、という構成としてもよい(請求項16)。
このようにすると、ホーム建築限界にかかる計測情報を同時に連続して計測し且つ演算することができ、これがためホーム建築限界にかかる変化の大きい箇所の情報の演算処理と算定をより迅速に実行することができ、ホーム建築限界にかかるプラットホームの端縁の高さ距離と軌道中心位置からの水平離れ距離とを迅速に特定し得るという利点がある。
更に、前述した車両として、走行する軌道のレールを非破壊検査するレール探傷用の車両を利用するように構成してもよい(請求項17)。
このようにすると、レールの非破壊検査の作業と同時にプラットホームのホーム建築限界も測定可能となり、二つの複雑な作業を一回の車両走行で可能となるという従来にない優れた利点が生じる。
【発明の効果】
【0026】
本発明は以上のように構成され機能するので、これによると、プラットホームのホーム建築限界を迅速に且つ効率よく継続して測定することができるという従来にない優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の最良の形態を説明する。
図1に本発明の一実施形態を示す。この図1に示す実施形態は、左右に傾斜のない状態の軌道上を走行する車両100について本発明を実施した場合の例を示す。又、図3乃至図4には、図1にかかる車両100が走行する軌道300上の左右に傾斜が有る場合の車両100と軌道300およびプラットホーム200との相互位置関係を示す。
この図1,図3〜図4において、符号101は車両本体(車体)を示し、符号102は車両本体101を保持して且つ走行するための台車を示す。この台車102と前述した車両本体101とによって車両100が構成されている。図3〜図4において、θは軌道300の傾斜角を示す。この場合の軌道300は、プラットホーム200側に曲率半径の中心が設定された場合の曲線軌道を示している。
【0028】
〔全体概略構成〕
図1乃至図4において、車両本体101には、当該車両本体101の側端と前述したプラットホーム200のホーム端縁Pとの間の距離を測定するためのホーム端縁検出センサ1と、車両100が進行する軌道(線路)300の中心位置Oにかかる情報を前述した車両本体101との関係において検出する軌道中心検出センサ3とが装備されている。
【0029】
更に、この軌道中心検出センサ3によって検出される軌道300の中心位置と当該軌道300上を進行する車両本体101の幅方向の中心位置との位置ずれΔSを算定すると共に、前述したホーム端縁検出センサ1で収集される距離情報に基づいて車両本体101の側端とこれに対向するホーム端縁Pとの間の水平位置における相互間の距離Aを演算処理するデータ演算処理部5が、前述した車両本体101に装備されている。
【0030】
又、このデータ演算処理部5で算定される距離情報等および予め特定された車両100の幅情報等に基づいて、当該車両100が走行する軌道300の中心点Oから前述したプラットホーム200の端縁Pまでの水平離れ距離Dをホーム建築限界情報として演算し出力する主演算制御部7が設けられている。
ここで、図1に示すように線路に左右方向の傾斜が無い場合、前述した水平離れ距離Dは式D(0)で表す。又、線路に左右方向の傾斜が有る場合、水平離れ距離Dは式D(θ)で表すものとする(図3,図4参照)。
【0031】
前述したプラットホームのホーム建築限界は、実際には、軌道上面からプラットホーム200の上面までの高さ距離H、及びプラットホーム200の線路側の側端縁Pから水平離れ距離で前述した車両が走行する軌道(線路)の中心点Oの上方(鉛直方向)で直交する点までの離れ距離D(0)又はD(θ)、をもって特定されるようになっている。この式D(0),D(θ)については、その詳細を後述する。
【0032】
又、前述した台車102は、軌道上を回転移動する左右の車輪21,22と、この車輪21,22を連結する車軸23とを備えている。そして、車軸23には、後述するように計測時に所定のタイミングで作動して車輪21,22の相互間の距離を軌道幅一杯に伸長し維持する車軸長伸縮手段30が装備されている。
【0033】
(ホーム端縁検出センサ)
前述したホーム端縁検出センサ1として、本実施形態では、図1に示すようにレーザスリット光をホーム端縁P領域に照射して得られる反射スリット光のスリット画像Eを撮影するCCDカメラ1Eが使用されている(図2参照)。符号1Aはレーザスリット光をホーム端縁Pに向けて出力するレーザ光源を示す。このレーザ光源1Aは、図1に示すように前述したCCDカメラ1Eの上方部分に装備されている。
【0034】
そして、このCCDカメラ1Eで得られる画像情報から、前述したプラットホーム200のホーム端縁Pの位置が当該プラットホーム200の上面と側面の位置と共に、周知の光切断法による画像処理の演算手法によって、前述したデータ演算処理部5で演算処理され特定されるようになっている。同時に、特定されたホーム端縁Pの位置情報、および予め特定されている車両本体101上におけるレーザ光源1AとCCDカメラ1Eの位置情報等に基づいて、所定の演算が前述したデータ演算処理部5で実行され、これによって、前述した車両本体101の側面とプラットホーム200のホーム端縁Pとの間の水平位置における相互間の距離A、および車両本体101の底面(床面でもよい)との間における高さ位置H(図1参照)、が算定されるようになっている。尚、この画像処理にかかる演算は後述する主演算制御部7で実行するように構成してもよい。
【0035】
車両本体101の反対側(図の右側面)にも、前述したホーム端縁検出センサ1の場合と同様に構成され同様に機能するホーム端縁検出センサ2が、想定される反対側(図1の右側)のプラットホーム201に対応して装備されている。このホーム端縁検出センサ2は、前述したレーザ光源1Aと同様に、別に装備されたレーザ光源2Aによって形成される反射スリット光Eを検出するCCDカメラ2Eが使用されている。
そして、前述した車両本体101には、前述した各ホーム端縁検出センサ1,2をプラットホーム200の配置位置に合わせて切換えて作動させるための切換えスイッチ(図示せず)が装備されている。
これによって、車両の進行方向における左右いずれの側に位置するプラットホーム200,201に対しても自在に対応できるようになっている。
【0036】
ここで、ホーム端縁検出センサ1,2としては、適当な反射プレートをプラットホーム200側(又は201側)に設定することにより、レーザ光源1A(2A)およびCCDカメラ1E(2E)に代えて、それぞれレーザ変位計を用いるように構成してもよい。
【0037】
(軌道中心検出センサおよび車軸長伸縮手段)
前述した台車102の車軸23部分には、車両本体101と台車との位置ずれ分ΔSを検出する位置ずれ計測センサ31と、車軸長伸縮手段30が作動して生じる車軸23の伸長設定分ΔKを計測する車軸長計測センサ32とが装備されている。この二つのセンサ31,32は、左右方向のカント(傾斜)がゼロの軌道300についてホーム建築限界を測定する場合でも、又特に軌道300がカーブしている箇所で測定される各種計測値に対しても、それを補正する場合の情報捕捉センサとして後述するように重要視されている。
【0038】
この車軸長伸縮手段30は、計測時に所定のタイミングで作動して車輪21,22の相互間の距離を軌道幅一杯に伸長し維持する機能を備えている。この車軸長伸縮手段30は、その駆動機構として空圧機構(図示せず)が採用され、主演算制御部7によってその動作のタイミングが制御されるようになっている。これにより、後述するように測定値の補正に際して必要とする軌道300の軌道間隔Rが常に所定の値として検出され特定されるようになっている。
【0039】
この上記位置ずれ計測センサ31および車軸長計測センサ32は、本実施形態ではそれぞれレーザ変位計によって構成されている。符号33は車両本体101の下面で左右の中心点に装備された光反射板を示す。又符号34は前述した車軸23の被伸長側部分に装備された光反射板を示す。そして、上述した位置ずれ計測センサ31と車軸長計測センサ32とによって軌道中心検出センサ3が構成されている。
【0040】
この軌道中心検出センサ3を構成する二つのセンサ31,32は、線路に沿って配置された同一の保持プレート30上に装備されている。記号Sは、位置ずれのない場合の位置ずれ計測センサ31と光反射板101aとの離間距離を示す。又記号Kは、同じく位置ずれのない場合(軸伸長動作前)の車軸長計測センサ32と光反射板34との離間距離を示す。
【0041】
この軌道中心検出センサ3については、例えば本実施形態では、下記のように取り扱っている。
即ち、まず、車両100が軌道300の直線区間で停車した状態を基準とし、この状態で台車201と車両本体101とが軌道300上で中心に位置するものと想定して、その時の各センサ(レーザ変位計)31,32の測定変位値を0(ゼロ)とし、そこからの変位で、軌道300の中心を車体中心との位置ずれΔSを次式(1)に基づいて算定しようとするものである。この算定式の演算は、前述したデータ演算処理部5で行われが、主演算制御部7で演算するように構成してもよい。この演算結果は後述するように情報記憶手段71で記憶される。
【0042】
ΔS=ΔS−(ΔK/2) ………………………………(1)
ここで、ΔS:台車201と車両本体101との左右方向への位置ずれ変位分
ΔK:車軸23の伸長変位分
このように、上記ΔS,ΔKは、例えば直線区間で走行する場合には変位分がゼロであり、従って、この場合の位置ずれΔSもゼロとなる。
【0043】
(車高計測センサ)
車両本体101の前述した軌道300の上面からの高さ変位の測定用として、前述した車両本体101には、二つの車高計測センサ41,42が当該車両本体101の左右方向に分かれて相互に所定間隔を隔てて配設されている。この各車高計測センサ41,42としては、本実施形態ではレーザ変位計が使用されているが、他の方式のものであってもよい。
この各車高計測センサ41,42は、本実施形態では車両本体101の床面領域から下方に向けて装備されている。符号41a,42aは、それぞれ対応するレーザ変位計41,42に対する反射板部材を示す。この反射板部材41a,42aは、それぞれ前述した台車201の車軸23部分に装備されている。
【0044】
これにより、まず車両本体101と台車102の所定位置(反射板部材41a,42aの反射上面)までの高さ距離Hが測定され、これに軌道300の上端から前述した台車102上の所定位置(反射板部材41a,42aの反射上面)までの固有高さ距離Hが加算されて、車両本体101の床面から軌道300の上端までの高さ距離Hが特定されるようになっている。
この高さ距離(H=H+H)の算定は、本実施形態では前述したデータ演算処理部5で行われ記憶されるようになっているが、主演算制御部7で演算し記憶するように構成してもよい。又、上述した高さ距離Hの測定値としては、本実施形態では、各車高計測センサ41,42の平均値が採用されるが、何れか一方の車高計測センサ41又は42の計測値を採用するように構成してもよい。
【0045】
(軌道面の傾斜測定用センサ)
前述した台車102には、軌道面の左右方向の傾斜を測定するセンサとして傾斜計46が装備されている。この傾斜計46は、軌道面の左右方向の傾斜角を測定する機能を備えている。この傾斜計46は、本実施形態では台車102の車軸23部分に装備されている。そして、この傾斜計46で計測される軌道面の傾斜情報は、常時、前述したデータ演算処理部5に送られるようになっている。そして、このデータ演算処理部5で演算処理された傾斜角θにかかる情報は主演算制御部7に送られ、この主演算制御部7で、前述したホーム建築限界に関する演算に際して、その離れ距離D(0)及び高さ距離H等の補正情報として算入するようになっている。尚、前述したホーム建築限界に関する計測情報の演算処理がデータ演算処理部5で実行される場合には、傾斜角θにかかる情報はデータ演算処理部5に送られる。
【0046】
(ホーム始端検出センサ)
更に、前述した台車102には、車両100の進行と共に近接するプラットホーム200の始まり位置情報を検出するホーム始端検出センサ51が装備されている。
そして、前述した主演算制御部7は、このホーム始端検出センサ51によって検出されるプラットホーム200の始まり位置情報に基づいて、前述したホーム端縁検出センサ1,タイミング信号検出センサ57および他のセンサ3(31,32),41,42,46、更には車軸長伸縮手段30等の各構成部分の作動開始時を、前述したデータ演算処理部5と協同して適宜設定し指令する機能を備えている。
【0047】
上記ホーム始端検出センサ51は、本実施形態では、コイルを筐体に巻回するという簡単な磁気方式の検出センサが使用され、前述した台車102の車軸領域に配設され常時下方を向けて装備されている。一方、このホーム始端検出センサ51によって検出される位置情報は、例えば駅に近接する100〜200m前の軌道内に予め配設された磁気を出力媒体とする所定の位置情報出力手段(図示せず)から収集し得るようになっている。
【0048】
この軌道300側に配置された位置情報出力手段としては、例えば予め軌道300内に設置されたデータ記憶体からの出力情報を利用するように構成してもよい。ここで、このデータ記憶体は、走行する車両と所定の情報を非接触で送受信して安全確認等を実行するための情報記憶手段で、駅との位置関係を示す情報や開始キロ程等も同時に記憶するように構成されている。
尚、前述したホーム始端検出センサ51としては、他に、レーザ変位計等を用いて駅のプラットホーム等からの反射光を受信して当該プラットホームの始端までの距離を検知するように構成したものであってもよい。
【0049】
(計測タイミング設定手段)
台車102には、装置全体の動作のタイミングを規制するタイミング信号出力機構55が装備されている。このタイミング信号出力機構55は、台車102の車軸23の回転(車両200の走行速度)に対応して所定の動作タイミング(パルス信号)Tを出力するように構成されており、車軸23の回転に対応して回転するエンコーダ56と、このエンコーダ56によって形成されるタイミング信号を捕捉し前述したデータ演算処理部5へ送り込むタイミング信号検出センサ57とによって構成されている。
【0050】
そして、このデータ演算処理部5で処理された動作タイミング信号Tは、前述した主演算制御部7に送り込まれ、当該主演算制御部7からの指令で前述した各センサおよびデータ演算処理部5等の動作および演算/記憶等のタイミングが設定されるようになっている。このため、前述した車両200の走行速度に合わせて、この装置全体の動作速度が設定されることとなり、これによって被測定物たるプラットホーム200の側端縁の測定位置を軌道に沿って等間隔に設定することができ、ホーム建築限界にかかる情報を的確に且つ高精度に計測することができる。
【0051】
(信号処理系)
前述したように各種センサ1(又は2),3(31,32),41,42,46,51,57で捕捉収集された各種の情報は、図5に示すようにデータ演算処理部5に送り込まれ、ここで、記憶され且つ必要とする目的に応じて種々加工され演算処理されるようになっている。そして、このデータ演算処理部5には、前述した測定データや演算処理されたデータ,更には演算式や必要とする各種情報等を記憶する情報記憶手段71が併設されている。
又、このデータ演算処理部5,情報記憶手段71をはじめ、上述した各種センサ1(又は2),3(31,32),41,42,46,51,57は、その始動,終了若しくは一時休止等の動作をコントロールする主演算制御部7が、前述したようにデータ演算処理部5に併設されている。
【0052】
(データ演算処理部)
この内、データ演算処理部5は、まず、前述したホーム端縁検出センサ1(又は2)で収集されるプラットホーム200にかかる画像情報から所定の画像処理を行ってホーム端縁Pにかかる位置情報(車両本体101の底面からの高さ距離H及び車両本体101の側面からの空間離れ距離A)を算定するホーム位置算定機能を備えている。
このホーム位置算定機能は、具体的には、車両本体101の底面(床面でもよい)からの高さ距離Hとプラットホーム200のホーム側端縁Pまでの空間離れ距離Aを演算する空間距離演算機能と、車両本体101の底面からホーム側端縁Pまでの高さ距離Hを演算するホーム高さ距離演算機能とから成る。ここで、このホーム位置算定機能は後述する主演算制御部7で実行するように構成してもよい。
【0053】
又、このデータ演算処理部5は、前述した車高計測センサ41,42からの情報Hおよび予め特定されている台車の高さ情報Hに基づいて軌道300の上面から車両本体101の床面迄の台車高さ距離Hを後述する演算式に基づいて算定する台車高さ距離算定機能を備えている。この場合、車高計測センサ41,42から情報Hを特定するに際しては、必要に応じてその平均値を演算して採用し又はいずれか一方の測定情報Hを採用するようになっている。かかる判断は、前述した主演算制御部7からの指令に基づいて実行される構成となっている。
【0054】
更に、このデータ演算処理部5は、車両本体101の左右方向の中心位置と軌道中心との間の位置ずれΔSを演算し算定する位置ずれ算定機能を備えている。この位置ずれ算定機能は、前述したように位置ずれ計測センサ31および車軸長計測センサ32により構成された軌道中心検出センサ3からの情報に基づいて実行されるようになっている。
又、このデータ演算処理部5は、前述した傾斜計46からの情報に基づいて車両100が走行する軌道300の左右方向の傾斜角θを算定すると共に、後述する演算式に基づいて前述した位置ずれΔS分を補正すると共に当該傾斜によって生じるホーム建築限界の値D(0),H(0)の全体を補正する傾斜演算補正機能を備えている。
【0055】
この場合、本実施形態では、傾斜が無い場合のホーム建築限界の式D(0),H(0)に代えて予めこれを補正するための演算補正式D(θ),H(θ)を特定し、これに基づいて軌道が傾斜している場合のホーム建築限界を演算し算定するようにした。このため、本実施形態によると、各種センサからの計測値を補正式D(θ),H(θ)に入力することにより、傾斜が無い場合とほぼ同様の演算時間で補正された状態のホーム建築限界を演算し算定することができ、これがため、別に補正時間を設定する必要がないことから、当該補正作業を円滑に且つ高能率に実行し得るという利点がある。
【0056】
又、このデータ演算処理部5は、走行車両に装備されているホーム始端検出センサ51から送られて来るプラットホーム200への接近距離情報に基づいて所定の演算を行い、走行車両の速度によって異なる装置全体の作動開始のタイミングを設定すると共に主演算制御部7からの指令に基づいて、例えばタイミング信号出力機構55(タイミング信号検出センサ57)に対して計測開始の指令を発信し、これと同時に又はその後に適当なタイミングで各センサに対して作動開始を指令する計測開始時設定機能を備えている。
このため、本実施形態では、プラットホーム200に近づくと適当なタイミングでホーム建築限界の計測を自動的に開始することが可能となるという利点がある。
【0057】
更に、このデータ演算処理部5は、タイミング信号出力機構55からの情報に基づいて作動し、装置全体の計測動作のタイミングを車両200の走行速度に合わせて設定する計測タイミング設定機能を備えている。
ここで、上記計測タイミング設定機能は、具体的には前述したタイミング信号出力機構55(タイミング信号検出センサ57)から出力される所定の動作タイミング(パルス信号)Tに基づいて特定されるようになっている。
【0058】
この場合、本実施形態では、前述したホーム端縁検出センサ1(又は2)として光切断方式による画像情報を捕捉し画像処理によってホーム側端縁Pの位置を特定するようにしたので、プラットホーム200を車両100の進行方向に沿って例えば25〔cm〕毎に刻んで当該センサ1(又は2)を作動させるようにその動作タイミングを設定した。そして、この動作タイミングに合わせて、前述したホーム建築限界の計測にかかる各センサ31,32,41,42,46にも、その計測動作が実行されるように、そのタイミングがデータ演算処理部5から発せられるようになっている。
ここで、計測動作のタイミングについては、本実施例形態では、プラットホーム200を車両100の進行方向に沿って25〔cm〕以外の寸法の刻みに設定するように構成したが、これ以外の数値に設定してもよい。
尚、ホーム端縁検出センサ1(又は2)としてレーザ変位計を使用して5〜10〔cm〕刻みに設定するようにしてもよい。
【0059】
(情報記憶手段)
前述した情報記憶手段71は、例えば、測定データを全て所定のタイミングで記憶する測定データ記憶部72と、ホーム建築限界にかかる各種演算式(演算プログラム)およびその演算結果を記憶する演算情報記憶部73と、軌道や沿線の駅およびそのプラットホームにかかる各種情報を予め記憶した駅情報データベース74等を備えている。
この内、演算情報記憶部73には、ホーム建築限界にかかる下記の演算式が予め記憶されている。
ΔS =ΔS−(ΔK/2)……………………………………………(1)
D(0)=A+(L/2)−ΔS ……………………………………(2)
D(θ)=〔D(0)/cosθ〕+H(θ) ………………………(3)
H(0)= H+H+H ………………………………………(4)
H(θ)=〔H(0)−D(0)×tanθ〕・sinθ …………(5)
ここで、
D(0):線路の左右方向に傾斜が無い場合の水平離れ距離(図1参照)
D(θ):線路の左右方向に傾斜がある場合の水平離れ距離(図3参照)
H(0):線路の左右方向に傾斜が無い場合のホーム端縁の軌道上の鉛直高さ距離
H(θ):線路の左右方向に傾斜がある場合のホーム端縁の軌道上の鉛直高さ距離
A:ホーム端縁Pと車両本体101との間の距離(ホーム端縁検出センサ1で検出)
:ホーム端縁Pと車両本体101の底面Fとの間の距離(車両側からみた高さ距離/ホーム端縁検出センサ1で検出)
:車両本体101の底面Fと台車102の車軸部分との間の高さ距離:車高計測センサ41,42で検出)
:軌道の上面と台車102の車軸部分との間の高さ距離
L:車両本体101の幅寸法
ΔS:車両本体101の左右方向の中心位置と軌道中心との間の位置ずれ
ΔS:車両本体101と台車201との左右方向への位置ずれ変位分
ΔK:車軸23の伸長変位分
【0060】
ここで、ΔSについては、実際の現場では下記のようになる。
[1]車両100が外側にずれた場合:ΔS=ΔS−(ΔK/2)>0………(6)
この場合は、車両100が外側にずれてAが増加した分をΔSで式(2)を減少補正するようになっている。
[2]車両100が内側にずれた場合:ΔS=ΔS−(ΔK/2)<0………(7)
この場合は、図4に示すように、車両100が内側にずれてAが減少した場合であり、その減少分をΔSで式(2)を増加補正するようになっている。
【0061】
尚、上記ΔS,ΔKは、前述したように直線区間の軌道上を車両100が走行する場合には変位分がゼロであり、従って、この場合の位置ずれΔSもゼロとなる。
かかる演算は、測定データに基づいて前述したようにデータ演算処理部5で実行され、その結果は演算情報記憶部73で記憶されるようになっている。
【0062】
ここで、前述した各種センサ1(又は2)31,32,41,42,46で捕捉され収集されるデータ(本実施形態におけるホーム建築限界に関する情報)の上記各演算式(1)〜(5)に基づく演算処理、および前述したホーム端縁検出センサ1(又は2)で収集されるプラットホーム200にかかる画像情報の画像処理(ホーム端縁Pにかかる位置情報HAの距離の特定)は、これを前述した主演算処理部7又は同等に機能する他の演算処理手段で演算処理するように構成してもよい。
【0063】
(主演算処理部)
主演算処理部7は、前述したようにデータ演算処理部5と協同して作動し、プラットホーム200のホーム建築限界を効率良く算定する機能を備えている。又主演算処理部7は、前述したデータ演算処理部5から送られてくる各種情報に基づいて装置全体の動作を制御する全体動作制御機能を有している。
【0064】
具体的には、ホーム始端検出センサ51からの情報検出が入力されると、主演算処理部7は所定のタイミングで装置全体のセンサ等に動作指令を発信する機能を備えている。又、タイミング信号検出センサ57からの情報に基づいて設定される計測動作開始のタイミングおよび計測間隔等についてもこれを設定し各センサに所定の動作指令を発信する。
更に、前述したプラットホーム200のホーム建築限界にかかる情報が算定された場合には、その結果について、およびその演算経過について、主演算処理部7はこれを収集し整理して当該主演算処理部7に併設したモニタ(表示手段)81に表示出力するように機能する。符号82は演算結果等をプリント出力するプリンタを示す。
【0065】
又、この主演算処理部7には、各種情報又は指令を入力するための情報入力部83が併設されている。この情報入力部83からは、プラットホーム200のホーム建築限界の計測およびそのデータ処理に必要な各種情報が、又必要に応じてなされる前述した各センサや各構成手段に対する所定の動作指令が、且つ入力がされ前述した情報記憶手段71に記憶されるようになっている。
【0066】
ここで、前述した車両100については、例えば軌道300のレール部分を走行しながら非破壊検査するレール探傷車を利用するように構成してもよい。図6にこれを例示する。この図6において、符号1Zは前述したホーム端縁検出センサ1(又は2)の装備箇所を示し、記号BZは傾斜計46等の各種センサの集中装備箇所を示す。又、符号91,92はレール探傷車の通常の走行車輪部をそれぞれ示す。
このようにすると、レールの非破壊検査の作業と同時にプラットホーム200のホーム建築限界も計測可能となり、二つの複雑な作業を一回の車両走行で可能となるという従来にない優れた利点が生じる。
【0067】
(全体の動作/効能等)
本実施形態にかかる(ホーム建築限界を計測する)装置を搭載した車両100が被測定物たるプラットホーム200に接近すると、まず、ホーム始端検出センサ51が作動し、軌道300上の所定箇所からの情報を捕捉し、当該通過位置とプラットホーム200との距離情報が入力される。このセンサ51からの情報に基づいてデータ演算処理部5が直ちに作動して近接するプラットホームのホーム側端の始まり位置(ホーム始端位置)までの距離を算定する(ホーム始端検出工程)。
【0068】
ここで、被測定物たるプラットホーム200のホーム始端位置が特定されると、主演算制御部7が直ちに作動し、先ずタイミング信号検出センサ57及び車軸長伸縮手段30を作動させ、続いて所定のタイミングで、(車両100がホーム始端位置を通過する前に計測状態に入るように)データ演算処理部5を介して各センサ3,31,32,41,42,55(57)に動作指令を発信する。
【0069】
この場合、データ演算処理部5では、まずタイミング信号検出センサ57からのタイミング情報Tを入力し、これを演算処理して各センサ1,31,32,41,42の計測動作のタイミングTt が例えばプラットホーム上で25〔cm〕間隔の計測タイミングに設定される。そして、これに基づいて当該各センサ1,31,32,41,42の計測動作が規制され、当該各センサ1,31,32,41,42に所定の計測動作を開始するように指令する。これにより、プラットホーム100のホーム側端縁Pに対する位置情報の検出動作が開始される(第1の工程)
【0070】
一方、前述した主演算制御部7からの指令によって、車軸長伸縮手段30が直ちに作動し、車輪21,22を軌道300側に押しつける。同時に、軌道中心検出センサとしての位置ずれ計測センサ31,車軸長計測センサ32が前述したホーム端縁検出センサ1とほぼ同一のタイミングTt で作動して所定の距離情報を検出する。前述したデータ演算処理部5は、この各センサ31,32から出力される所定の距離情報に基づいて所定の演算(変位ゼロとなる予め特定された距離情報と比較演算)する。これにより、軌道の中心位置が特定する(第2の工程)。
【0071】
続いて、この特定された軌道の中心位置にかかる情報を基準とし、前述したデータ演算処理部5では、当該各センサ31,32から出力される情報に基づいて軌道中心位置Oと当該軌道300上を進行する車両本体101の幅方向の中心位置との位置ずれΔSを前述した式(1)に基づいて演算し算定する(第3の工程)。
これらの計測情報および演算情報は前述したタイミングTt は情報記憶手段71に記憶される。同時に、これら上記各計測演算工程で得られる所定の情報等に基づいて、データ演算処理部5では、当該車両100が走行する軌道300の中心位置Oを基準として、被測定物たるプラットホーム200の側端縁Pに対するホーム建築限界にかかる情報を前述した式(2)〜(3)に基づいて演算され、ホーム建築限界情報として算定される(第4の工程)
【0072】
ここで、前述した第1の工程とほぼ同一のタイミングTt で、前述した車高計測センサ41,42が作動する。そして、この各センサ41,42からの情報に基づいて前述したデータ演算処理部5で所定の演算が行われ、これによって、前述したプラットホーム200の側端縁Pの高さ距離Hが前述した式(4)〜(5)に基づいて演算され、ホーム建築限界情報として特定され、情報記憶手段71に前述したタイミングTt で順次記憶される(ホーム高さ位置測定工程)。
【0073】
このため、プラットホーム200の高さ距離H(0),H(θ)を、軌道の中心位置からプラットホームの側端までの距離と共に、同時にホーム建築限界情報として特定し得ることから、計測作業の迅速化を図ることができる。
これらのホーム建築限界にかかる情報は、主演算処理部7によって外部出力されるようになっている。
【0074】
このように、上述した実施形態によると、車両本体101の側端とホーム側端縁Pとの間の距離情報と,軌道300の中心位置Oに対する車両本体101の車両幅の中心位置との位置ずれ情報ΔSとを、軌道300が傾斜している場合の補正情報として検出し利用するようにしたことから、駅のプラットホーム200の建築限界にかかる情報を車両100の走行中に連続して高精度に且つ高速に収集し算定することができ、このため、当該プラットホームの建築限界にかかる計測作業を迅速に実行し得ると共にそれによって収集された計測情報を迅速に且つ高精度にそして効率よく演算処理することができる。
【0075】
又、本実施形態では、車両100の進行と共に近接するプラットホーム200のホーム側端縁Pの始まり位置を検出するホーム始端検出センサ51を装備し、このセンサ51によって検出されるホーム側端の始まり位置の検出のタイミングに基づいて、前述した各センサ1,31,32,41,42,57等に、ホーム側端縁Pの検出開始時を適宜設定されるようにしたので(ホーム始端検出工程)、プラットホームの建築限界の測定開始のタイミングをホーム始端の近接状況に合わせて無駄なく設定することができ、かかる点においてプラットホームの建築限界にかかる情報を短時間に且つ連続的に測定することができ、作業能率を大幅に向上させることができる。
【0076】
更に、本実施形態では、前述したように車両100の台車102部分における車軸23部分に、車軸長伸縮機構30装備したので、これによって軌道中心位置が車両本体101との関係において特定され、これにより、僅かに変動する軌道300の幅寸法の変化に対しても、進行する車両100の幅方向の中心位置との位置ずれを高精度に検出することができ、これにも基づいてなされるプラットホームの建築限界の算定精度をより一層高めることができる。
【0077】
即ち、前述したように計測動作に先立って車両の車軸部分に予め装備した車軸長伸縮機構を作動させて各車輪相互間の距離を軌道幅一杯に伸長し維持するようにした(車輪相互間伸長工程)ので、ホーム始端検出センサ51で検出されるホーム側端縁の始まり位置の検出タイミングに基づいて、車輪相互間の伸長動作が実行され、ホーム側端縁の計測開始に向けて、その開始準備を迅速に実行することができ、ホーム側端縁Pの計測に際しては、軌道中心位置が特定されることにより位置ずれを高精度に検出することができるばかりでなく車両の左右への振動動作が抑制され、これがため、ホーム側端縁の計測作業を迅速に且つ能率良く実行することができ、同時に測定値の信頼性も高められるという利点がある。
【0078】
又、線路がプラットホーム200に沿ってカーブしている場合、車体本体101と台車102側との間には当該車両の走行速度によってカーブの内側又は外側に向かう水平方向の位置ずれが生じる。又、軌道のカーブに伴って線路幅方向には車両の安全走行を意図して軌道面に所定の傾斜が設定される。このため、かかる状態でプラットホーム200のホーム建築限界を測定した場合には、この位置ずれおよび軌道面の傾斜によって計測値に誤差が生じる。
【0079】
かかる問題点を解決するため、前述したように、車両本体101には、車両100が進行する軌道(線路)300の中心位置Oにかかる情報を前述した車両本体101との関係において検出する軌道中心検出センサ3が装備されている。この軌道中心検出センサ3は前述したように位置ずれ計測センサ31と車軸長計測センサ32とによって構成されていることから、軌道300がカーブしている場合に車体本体101と台車102側との相互に生じる内側方向又は外側方向への位置ずれに際しては、かかるセンサ31,32が機能して当該位置ずれ情報を捕捉し得るようになっている。
そして、これらのセンサ前述したデータ演算処理部5で前述したように式(1)〜(5)に示す演算が成され、補正されたホーム建築限界にかかる計測データが迅速に且つ高精度に算定されるようになっている。
【0080】
このため、本実施形態では、車両100に走行時に生じる軌道300のカーブや車両本体101又はホーム側端縁Pの高さ位置に変動に際しても、高精度に且つ迅速にプラットホーム200のホーム建築限界を計測することができる。
【0081】
更に、前述したように、上記実施における車両として、軌道を構成するレールを走行しながら非破壊検査するレール探傷用の車両を利用するように構成してもよい。このようにすると、二つの複雑な作業を一回の車両走行で可能となるという従来にない優れた利点が生じる。
【0082】
尚、上記実施形態にあっては、前述した軌道中心検出センサ3をレーザ変位計で構成した場合を例示したが、レーザ光源による光切断法を応用したCCDカメラにより構成すると共に、前述した主演算制御部7が、このCCDカメラにより捕捉された二本の軌道にかかる位置情報に基づいて当該二本の軌道相互間の間隔を演算し算定するように構成するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0083】
軌道の両側に存在する建築物に対しては、その種類、場所を問わず、これに対応して建築限界の計測に有効に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の一実施形態を示すが概略構成図である。
【図2】図1内に開示したホーム端縁検出センサの一例を示す説明図である。
【図3】図1の使用状態の一例を示す説明図である。
【図4】図3に開示した状態で車両本体に位置ずれが発生した場合の状態を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施形態における信号処理系および各部の動作制御系を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態にかかる装置を装備した特殊車両の例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0085】
1,2 ホーム端縁検出センサ
1A レーザ光源
1E CCDカメラ
3 軌道中心検出センサ
5 データ演算処理部
7 主演算処理部
30 車軸長伸縮手段
31 位置ずれ計測センサ
32 車軸長計測センサ
41,42 車高計測センサ
46 傾斜計
51 ホーム始端検出センサ
55 タイミング信号出力機構
57 タイミング信号検出センサ
71 情報記憶手段
100 車両
101 車両本体
102 台車
200 プラットホーム
300 軌道
ΔS 車両本体の中心位置と軌道中心との間の左右方向の位置ずれ
A 空間離れ距離(ホーム端縁と車両本体との間の空間距離)
D(0),D(θ) 水平離れ距離
車両側からみた高さ距離(ホーム端縁と車両本体101の底面との間の距離)
H(0),H(θ) ホーム端縁の軌道上の鉛直高さ距離
L 車両本体の幅寸法
O 軌道中心位置
θ 軌道の傾斜角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駅のプラットホームに沿って進行する車両本体の側端とホーム側端縁との間の距離情報を検出する第1の工程と、この第1の工程とほぼ同一のタイミングで作動して当該車両が進行する軌道の中心位置を検出し特定する第2の工程と、この第2の工程によって得られる軌道中心位置と当該軌道上を進行する車両本体の中心位置との間の位置ずれを検出する第3の工程と、前記第1乃至第3の各工程で得られる所定の情報等に基づいて当該車両が走行する軌道の中心位置から前記プラットホームの側端縁までの水平距離をホーム建築限界情報として算定する第4の工程とを備えたことを特徴とするホーム離れ計測方法。
【請求項2】
前記請求項1記載のホーム離れ計測方法において、
前記第1の工程の前工程として、車両の進行と共に近接するプラットホームのホーム側端の始まり位置を検出するホーム始端検出工程を設け、
このホーム始端検出工程で検出されるホーム側端縁の始まり位置の検出のタイミングに基づいて前記第1の工程におけるホーム端縁検出動作の開始時を適宜設定するようにしたことを特徴とするホーム離れ計測方法。
【請求項3】
前記請求項1記載のホーム離れ計測方法において、
前記第1の工程の前工程として、前記車両の車軸部分に予め装備した車軸長伸縮機構を作動させて各車輪相互間の距離を軌道幅一杯に伸長し維持する車輪相互間伸長工程を設けたことを特徴とするホーム離れ計測方法。
【請求項4】
前記請求項3記載のホーム離れ計測方法において、
車両の進行と共に近接する駅のプラットホームのホーム側端の始まり位置を検出するホーム始端検出工程を設け、
このホーム始端検出工程で検出されるホーム側端の始まり位置の検出タイミングに基づいて前記車輪相互間伸長工程の実行タイミングを設定するようにしたことを特徴とするホーム離れ計測方法。
【請求項5】
前記請求項1乃至4のいずれかひとつに記載のホーム離れ計測方法において、
前記第1の工程とほぼ同一のタイミングで作動して当該車両上から前記プラットホームの側端縁までの距離を計測するホーム高さ位置計測工程を備え、前記第4の工程では、前記第1乃至第3の各工程で得られる所定の情報等に基づいて当該車両が走行する軌道の中心位置から前記プラットホームの側端縁までの水平距離および軌道の上面から前記プラットホームの上面までの高さ距離をホーム建築限界情報として特定するようにしたことを特徴とするホーム離れ計測方法。
【請求項6】
駅のプラットホームに沿って進行する車両本体に、当該車両本体の側端と前記プラットホームのホーム側端縁との間の距離を検出するホーム端縁検出センサと、前記車両が進行する軌道の中心位置にかかる情報を検出する軌道中心検出センサとを装備し、
この軌道中心検出センサによって得られる軌道中心位置と当該軌道上を進行する車両本体の幅方向の中心位置との位置ずれを算定すると共に、前記ホーム端縁検出センサで収集される距離情報に基づいて前記車両本体の側端とホーム側端縁との間の水平位置における相互間の距離を演算するデータ演算処理部を設け、
前記各センサの計測動作タイミングを設定すると共に、前記データ演算処理部で算定される距離情報等および予め特定された前記車両本体の幅情報等に基づいて当該走行車両の軌道中心から前記プラットホームの側端縁までの水平距離をホーム建築限界情報として演算し出力する主演算制御部を備えたことを特徴とするホーム離れ計測装置。
【請求項7】
前記請求項6記載のホーム離れ計測装置において、
前記車両本体に、当該車両の進行と共に近接するプラットホームの始まり位置を検出するホーム始端検出センサを設け、
前記主演算制御部を、前記ホーム始端検出センサによるプラットホームの始まり位置の検出のタイミングに基づいて前記ホーム端縁検出センサの作動開始時を適宜設定する機能を備えた構成としたことを特徴とするホーム離れ計測装置。
【請求項8】
駅のプラットホームに沿って進行する車両本体に、当該車両本体の側端と前記プラットホームのホーム側端縁との間の距離情報を検出するホーム端縁検出センサと、前記車両が進行する軌道の中心位置にかかる情報を検出する軌道中心検出センサとを装備し、
この軌道中心検出センサによって特定される軌道中心位置と当該軌道上を進行する車両本体の幅方向の中心位置との位置ずれを算定すると共に、前記ホーム端縁検出センサで収集された距離情報に基づいて前記車両本体の側端とホーム側端縁との間の距離を演算し算定するデータ演算処理部を設け、
前記各センサの動作タイミングを設定すると共に、前記データ演算処理部で算定される情報および予め特定された前記車両の幅情報等に基づいて当該走行車両の軌道中心から前記プラットホームの端縁までの水平距離をホーム建築限界情報として演算し出力する主演算制御部を備え、
前記車両には、所定のタイミングで作動して車輪相互間の距離を軌道幅一杯に伸長し維持する車軸長伸縮機構を装備したことを特徴とするホーム離れ計測装置。
【請求項9】
前記請求項8記載のホーム離れ計測装置において、
前記車両に当該車両の進行と共に近接する駅のプラットホームのホーム側端縁の始まり位置を検出するホーム始端検出センサを装備すると共に、
前記主演算制御部が、前記ホーム始端検出センサからの情報に基づいて所定のタイミングで前記車軸長伸縮手段を作動させ若しくはその動作を解除する伸長駆動制御機能を備えていることを特徴とするホーム離れ計測装置。
【請求項10】
前記請求項6,7,8又は9に記載のホーム離れ計測装置において、
前記車両に、前記軌道上を走行する車両の左右方向の傾きを測定する傾斜計を装備すると共に、
前記データ演算処理部が、この傾斜計によって得られる傾斜角情報に基づいて作動し前記ホーム建築限界情報として演算される前記車両の軌道中心から前記プラットホームの側端縁までの水平距離を補正する傾斜演算補正機能を備えていることを特徴としたホーム離れ計測装置。
【請求項11】
少なくとも前記データ演算処理部又は主演算制御部の何れか一方に情報記憶手段を併設すると共に、この情報記憶手段に、前記各種センサで検出される所定の距離情報および前記データ演算処理部又は主演算制御部で演算される各種距離情報等を所定のタイミングで記憶するように構成したことを特徴とする請求項5乃至10の何れか一つに記載のホーム離れ計測装置。
【請求項12】
前記請求項11に記載のホーム離れ計測装置において、
前記車両の台車部分に、当該台車の車軸の回転に対応して回転動作するタイミング信号出力機構を装備すると共に、前記データ演算処理部が、前記タイミング信号出力機構からのタイミング情報に基づいて前記各センサの計測動作のタイミングを特定し前記主演算制御部からの指令に基づいて各センサに指示する計測タイミング設定機能を備えていることを特徴とした請求項6乃至11の何れか一つに記載のホーム離れ計測装置。
【請求項13】
前記請求項11又は12に記載のホーム離れ計測装置において、
前記主演算制御部が、前記各種センサによる情報検出終了後に、前記情報記憶手段に記憶された各種距離情報等に基づいて前記走行車両の軌道中心から前記プラットホームの側端縁までの距離をホーム建築限界情報として演算し出力するように構成されていることを特徴とするホーム離れ計測装置。
【請求項14】
前記ホーム端縁検出センサを前記車両本体の両側に装備すると共に、この車両本体に、前記各ホーム端縁検出センサをプラットホームの配置位置に合わせて切換える切換えスイッチを装備したことを特徴とする請求項6乃至13のいずれか一つに記載のホーム離れ計測装置。
【請求項15】
前記ホーム端縁検出センサを、レーザ光源による光切断法を応用したCCDカメラにより構成すると共に、前記データ演算処理部が、前記CCDカメラにより捕捉されたホーム側端部の画像情報に基づいて少なくとも当該ホーム側端縁と前記車両本体の側端との間の空間離れ距離を演算し算定する空間距離演算機能を備えていることを特徴とした請求項6乃至14のいずれか一つに記載のホーム離れ計測装置。
【請求項16】
前記ホーム端縁検出センサを、レーザ光源による光切断法を応用したCCDカメラにより構成すると共に、
前記データ演算処理部が、前記CCDカメラにより捕捉されたホーム側端縁部分の画像情報に基づいて当該ホーム側端縁と前記車両本体の側端との間の空間離れ距離を演算し算定する空間距離演算機能と、当該画像情報に基づいて前記車両本体からみた前記ホーム側端縁の高さ情報を演算し算定するホーム高さ距離演算機能とを備えていることを特徴とした請求項6乃至14のいずれか一つに記載のホーム離れ計測装置。
【請求項17】
前記車両が、走行する軌道のレールを非破壊探傷するレール探傷用の車両であることを特徴とした請求項6乃至16のいずれか一つに記載のホーム離れ計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−64890(P2007−64890A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−254004(P2005−254004)
【出願日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(000003388)株式会社トキメック (103)
【出願人】(594002439)小田急電鉄株式会社 (7)
【出願人】(594183831)伊岳商事株式会社 (15)
【出願人】(504412451)株式会社トキメックレールテクノ (14)
【Fターム(参考)】