説明

ロボット制御装置、教示装置及びロボットシステム

【課題】
教示装置と通信が確立していないときに、障害が発生したロボット制御装置側から教示装置に対して通信確立を要求するため、複数のロボット制御装置の中から作業者が、障害が発生しているロボット制御装置との通信を迅速かつ正確に確立することができるロボット制御装置、教示装置及びロボットシステムを提供する。
【解決手段】
ロボット制御装置20の通信制御部22は障害が発生したときに、特定のティーチペンダント10と無線通信が確立していない場合、特定のティーチペンダント10に関する接続先情報を宛先にした通信確立要求を出力する。第3記憶部24cは返信された特定のティーチペンダント10に関する送信元の固有の送信元情報を記憶する。通信制御部22は通信確立要求応答があった後、送信元情報を宛先として、返信したティーチペンダント10に対して交信を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット制御装置、教示装置及びロボットシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ロボット制御装置と可搬式の教示装置(ティーチペンダント)との間の通信を無線で行うロボット制御システムにおいては、特許文献1の従来技術が提案されている。
特許文献1の自動機械システムでは、教示装置と、複数台の自動機械の制御装置の中から特定の制御装置と無線で接続する場合、複数台の自動機械及び複数台の制御装置の配置図を前記教示装置の表示部上に表示することで、作業者が直感的に特定の自動機械及び制御装置を選択することが可能となっている(従来技術1)。このようにして、従来技術1では、教示装置の表示部に表示された自動機械の制御装置の中から、作業者が選択した制御装置と教示装置との間に接続関係を確立するようにしている。
【0003】
また、特許文献2では、複数の自動機械の中から、所望の自動機械を間違いなく指定し、その自動機械の制御装置と教示装置との無線通信接続を確立するために、指向性のある指向性通信手段を制御装置に準備し、同通信手段と教示装置との間で授受される情報に基いて無線通信の通信確立する方法が提案されている(従来技術2)。
【0004】
従来技術1では、選択された制御装置に自動機械の制御に関して何らかの障害が発生した状況では、作業者は、どの制御装置で前記障害が発生しているかを把握した上で、当該障害が発生している制御装置を表示装置の中から選択し、教示装置と制御装置との間で無線通信による接続関係を確立する必要がある。しかし、従来技術1では、教示装置の表示部に出力された制御装置のうち、どの制御装置で前記障害が発生しているのかを示す具体的な手段については、説明されていない。
【0005】
また、従来技術2においても従来技術1と同様に、作業者がどの制御装置で障害が発生しているのかを把握した上で、当該制御装置の指向性通信手段と教示装置との間の通信を確立する必要があり、作業者が、迅速かつ正確に、障害が発生している制御装置との通信を確立するための、具体的な手段については、説明されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−197856号公報
【特許文献2】特開2007−42061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような教示装置と無線通信可能なロボット制御装置(自動機械)では、有線通信の場合とは異なり、教示装置とロボット制御装置との間には、物理的な接続が存在しない。このため、作業者が教示装置を使ってロボット制御装置を操作しない場合には、教示装置とロボット制御装置との間に通信を確立する必要が無い。
【0008】
ところで、予めロボット制御装置に記録された作業プログラムに従って、ロボットの再生動作が実行されている間は、教示装置とロボット制御装置との無線通信による接続関係を確立しない状態で使用されることが考えられる。しかし、再生動作中に、ロボット制御装置において何らかの障害が発生した場合、作業者は、その障害を復旧するために、前記障害が発生しているロボット制御装置と作業者が把持している教示装置との通信を確立し、前記障害の復旧をする必要がある。
【0009】
しかし、作業者が、教示装置と無線通信で接続したいロボット制御装置を複数のロボット制御装置の中から選択し、選択した当該ロボット制御装置と作業者が把持している教示装置との間に、無線通信を確立するためには、第一に、どのロボット制御装置で障害が発生しているのかを迅速かつ正確に把握する必要がある。ところが、作業者の思いこみや操作ミスによって、障害が発生していない(意図しない)ロボット制御装置との接続を試みる可能性がある。なお、ここで言う障害とは、ロボット制御装置によって検出された各種異常(アラーム、警告等)のことであり、教示装置を用いた復旧操作、確認操作等によってその要因が取り除かれれば、継続使用できる障害を指す。
【0010】
無線通信が可能な教示装置を具備するロボット制御装置が使用される生産現場において、作業者が前記障害を迅速かつ正確に復旧するためには、作業者が把持している教示装置と前記障害が発生しているロボット制御装置との間に、迅速かつ正確に通信を確立する必要がある。
【0011】
本発明の目的は、障害が発生しているロボット制御装置と教示装置間の通信が確立していないときに、複数のロボット制御装置の中から作業者が、障害が発生しているロボット制御装置との通信を迅速かつ正確に確立することができるロボット制御装置、教示装置及びロボットシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記問題点を解決するために、請求項1の発明は、教示装置との通信を無線を介して行なうロボット制御装置において、前記教示装置との間で無線通信が確立しているか否かを示す第1ステータス情報を記憶する第1記憶手段と、ロボットに障害が発生した際の接続要求先となる特定の教示装置に関する接続先情報を記憶する第2記憶手段と、前記障害が発生したときに、前記第1ステータス情報に基づいて無線通信が確立しているか否かを判定し、確立していない場合は、第2記憶手段に記憶した接続先情報に基づいて前記特定の教示装置に通信確立要求を出力する無線通信要求手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1において、前記通信確立要求に対して前記特定の教示装置から返信された通信確立要求応答に含まれる送信元情報を記憶する第3記憶手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項3の発明は、無線通信手段を有する可搬式の教示装置において、ロボット制御装置との間で前記無線通信手段を使用して無線通信が確立しているか否かを示す第2ステータス情報を記憶する第4記憶手段と、ロボットに障害が発生した際の接続要求先となる単数又は複数のロボット制御装置に関する固有の各接続先情報を記憶する第5記憶手段と、第2ステータス情報が無線通信が確立していないことを示す場合であって、前記無線通信手段を介していずれかの1つのロボット制御装置からの通信確立要求があったとき、前記通信確立要求に含まれる送信元情報と前記第5記憶手段が記憶している接続先情報とを照合する照合手段と、前記通信確立要求に含まれる送信元情報と前記第5記憶手段が記憶している接続先情報とが一致している場合、前記通信確立要求に含まれる送信元情報を宛先にするとともに、自身の固有の接続先情報を含む送信元にして、通信確立要求応答を生成し、前記通信確立要求したロボット制御装置に対し前記無線通信手段を介して応答する回答手段と、前記通信確立要求に含まれる送信元情報と前記第5記憶手段が記憶している接続先情報とが一致している場合、前記通信確立要求に含まれる送信元情報を記憶する第6記憶手段とを備え、前記通信確立要求応答後は、前記第6記憶手段が記憶した送信元情報を宛先として、通信確立要求した前記ロボット制御装置に対して交信を行うことを特徴とする教示装置を要旨としている。
【0015】
請求項4の発明は、請求項3において、前記ロボット制御装置に対して、ロボットの各関節を手動動作させるジョグ送り信号を前記無線通信手段を介して出力する手動運転操作手段と、ロボットの非常停止制御を行うため非常停止信号を前記無線通信手段を介して出力する非常停止操作手段を備えた教示装置であって、通信確立要求したロボット制御装置との間で通信が確立した際には、前記ジョグ送り信号及び前記非常停止信号の出力を無効化する無効化手段と、前記無効化手段による無効化状態を解除する無効化解除手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項5の発明は、請求項1に記載のロボット制御装置が複数配置されるとともに、請求項3又は請求項4に記載の教示装置を含むロボットシステムを要旨としている。
請求項6の発明は、サーバと、前記サーバと有線でLAN接続された複数のロボット制御装置とを含むロボットシステムにおいて、前記各ロボット制御装置は、ロボットの制御に関する障害が発生したときに、自身に関する固有の接続先情報を送信元にして、前記サーバに教示装置との通信確立要求を送信する要求手段と、前記通信確立要求に応じて、前記教示装置から返信された通信確立要求応答に含まれる特定の教示装置に関する固有の送信元情報を記憶する応答送信元情報記憶手段を備えて、前記通信確立要求応答があった後には、前記送信元情報を宛先として、前記返信してきた特定の教示装置に対して交信を行い、前記サーバは、監視対象の複数の教示装置との間で無線通信が可能な通信手段と、前記監視対象の教示装置と前記LAN接続された前記ロボット制御装置間の通信が確立しているか否かの通信状況を監視する監視手段と、前記監視結果を記憶する監視結果記憶手段と、前記監視対象の複数の教示装置に関するそれぞれの固有の接続先情報を予め記憶する接続先情報記憶手段と、前記ロボット制御装置のいずれか1つから前記通信確立要求があったとき、監視結果記憶手段の監視結果に基づいていずれのロボット制御装置とも通信確立がされていない教示装置に関する固有の接続先情報を、前記接続先情報記憶手段から選択して宛先として、前記通信確立要求に含ませて、前記通信確立要求を前記通信手段を介して前記通信確立がされていない教示装置に転送する転送手段とを備え、前記通信確立要求に応じた教示装置から返信されてきた通信確立要求応答を、前記通信確立要求があったロボット制御装置に送信することを特徴とするロボットシステムを要旨としている。
【発明の効果】
【0017】
請求項1及び請求項2の発明によれば、障害が発生しているロボット制御装置と教示装置間の通信が確立していないときに、障害が発生したロボット制御装置側から、通信が確立していない状態の無線通信が可能な教示装置に対して通信確立を要求するようにした。こうすることによって、複数のロボット制御装置の中から作業者が、迅速かつ正確に、障害が発生しているロボット制御装置と教示装置間の通信を確立することができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、通信確立要求応答があった後には、前記送信元情報を宛先として、返信してきた前記特定の教示装置に対して交信を行うことができる。
請求項3の発明によれば、障害が発生しているロボット制御装置と教示装置間の通信が確立していないときに、障害が発生したロボット制御装置側から、通信が確立していない状態の無線通信が可能な教示装置に対して通信確立を要求してきたとき、複数のロボット制御装置の中から作業者が、迅速かつ正確に、障害が発生しているロボット制御装置との通信を確立することができる教示装置を提供できる。
【0019】
請求項4の発明によれば、請求項3の効果に加えて、障害が発生したロボット制御装置と通信が確立したとき、教示装置を持つ作業者は、自身の安全を確保した上で、迅速、かつ正確に、障害が発生しているロボット制御装置と作業者が把持している教示装置の間に、通信を確立させることができる。すなわち、ロボット制御装置からの通信確立要求に応じて、教示装置とロボット制御装置間に自動的に通信が確立されるため、作業者は、自身が把持している教示装置が、どのロボット制御装置との間に通信が確立されたかを正確に把握できていない場合が考えられる。この場合、作業者が、自身が把持している教示装置が、どのロボット制御装置との間に通信が確立されたのかを正確に把握できていない状態で、教示装置が有する非常停止操作手段、ならびに、手動運転操作手段の機能が有効であると、作業者の操作によって、作業者が意図しないロボットが動作することになる。請求項4の発明は、このような作業者が意図しないロボットが動作することを防止できる。
【0020】
請求項5の発明によれば、障害が発生したロボット制御装置側から、通信が確立していない状態の無線通信が可能な教示装置に対して通信確立を要求するため、複数のロボット制御装置の中から作業者が、迅速かつ正確に、障害が発生しているロボット制御装置との通信を確立することができるロボットシステムを提供できる。
【0021】
請求項6の発明によれば、無線通信が可能な教示装置の使用状況に応じて、最適な無線通信が可能な教示装置との通信が確立されるため、障害が発生したロボット制御装置と、教示装置との間に迅速に通信を確立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1実施形態のロボットシステムの全体概要を示す概略図。
【図2】ロボット制御装置とティーチペンダントの電気ブロック図。
【図3】無線通信のロボット制御装置とティーチペンダント間の通信確立要求のフローチャート。
【図4】第2実施形態のロボットシステムの概略図。
【図5】第2実施形態の基幹サーバの電気ブロック図。
【図6】(a)はティーチペンダント10のティーチペンダントの電気ブロック図、(b)は、ロボット制御装置の電気ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した産業用ロボットにおけるロボットシステムの一実施形態を図1〜図3を参照して説明する。本実施形態の産業用ロボットは、例えば溶接ロボット、塗装ロボット、搬送ロボット等である。
【0024】
<1.システムの全体概要>
図1に示すように、ロボットシステム100は、イーサネット(登録商標、以下、同じ)網110に接続された基幹サーバ120及び複数の無線LANアクセスポイント130A,130B,130Cと、各無線LANアクセスポイント130A,130B,130Cにそれぞれ接続された複数のロボット制御装置20とから構成されている。本実施形態のイーサネット網110は、局所的なネットワーク、すなわち、イントラネットであるが、限定されるものではない。
【0025】
イーサネット網110は、セグメントが異なる複数のネットワークを有する。セグメントが異なるネットワークとは、ネットワークで使用されるIPアドレスのネットワークアドレスが異なるネットワークのことである。セグメントが異なるネットワークは、無線LANアクセスポイント130A,130B,130Cが備えるルーター部132(図2参照)で分岐され、ルーター部132の処理によってネットワーク間の通信が可能となる。すなわち、ルーター部132は、異なるネットワーク間での通信を行う場合、定期的に行われるダイナミックルーティング方式で、ルーティングテーブルを作成し、作成されたルーティングテーブル(経路情報)を参照して、通信先との交信が可能となっている。なお、ルーティングテーブルの作成は、作業者が手動で行うスタティック方式で行うようにしてもよい。
【0026】
各無線LANアクセスポイント130A,130B,130Cは、所定の電波範囲に無線エリアが形成されており、可搬式の教示装置であるティーチペンダント10と、無線による通信が可能である。無線LANアクセスポイント130A,130B,130Cは、前記ルーター部132、スイッチングハブ134、無線通信部136を有している。
【0027】
又、ルーター部132は、DHCPサーバ機能を有し、スイッチングハブ134に接続された各ロボット制御装置20のIPアドレスと、当該前記無線LANアクセスポイントを分岐しているセグメントを特定するためのサブネットマスクが前記配下の当該ロボット制御装置20に送信されている。
【0028】
又、ルーター部132がイーサネット網110と接続されることで、イーサネット網110に接続された基幹サーバ120と通信が可能となる。なお、図2では、代表的に無線LANアクセスポイント130Aにおいて、前記ルーター部132、スイッチングハブ134、及び無線通信部136を図示している。
【0029】
基幹サーバ120は、イーサネット網110に接続されている配下の各種装置、すなわち、無線LANアクセスポイント130A,130B,130C、及び各セグメント内のロボット制御装置20の固有のMACアドレス及び、当該MACアドレスと関連づけされたIPアドレスを記憶するとともに前記各種装置間の通信管理を行う。
【0030】
各セグメントには、複数のロボット制御装置20が前記スイッチングハブ134を介して接続されている。ロボット制御装置20については後述する。
次に、無線LANアクセスポイント130A,130B,130Cに対して無線通信が可能な可搬式の教示装置であるティーチペンダント10について説明する。
【0031】
<2.ティーチペンダント10>
図2に示すようにティーチペンダント10は、接点11aを持つ非常停止スイッチ11と、ロボット50をジョグ操作するための各種移動キー15a、教示データを入力する各種データ入力キー15b及び解除キー15c等を含む各種キー群15、並びに図1に示すように表示装置15dを備えている。ジョグ操作するための各種移動キー15aは、手動運転操作手段に相当する。解除キー15cは、無効化解除手段に相当する。
【0032】
又、ティーチペンダント10は、制御部12を備えている。制御部12は、中央演算処理装置(CPU)であり、図示しないROM及びRAMを備える。非常停止スイッチ11は非常停止操作手段に相当する。制御部12は、前記非常停止スイッチ11の接点11aの開閉状態をモニタするとともに、前記各種移動キーの操作、並びに前記各種データ入力キーの操作をモニタする。又、制御部12は、前記表示装置15dを表示制御する。
【0033】
又、制御部12は、接点11aのモニタ結果、並びに各種移動キーの操作、並びに前記各種データ入力キーのモニタ結果を、それぞれ各種移動指令、並びに教示データとし、後述する通信プロトコルに準じてパケット化する。ここで、各種移動キーの操作により、出力される各種移動指令はジョグ送り信号に相当する。又、制御部12は、ロボット制御装置20側で障害が発生し、後述する処理によってロボット制御装置20とティーチペンダント10との無線通信が自動的に確立した場合は、非常停止スイッチ11及び各種移動キー15aの操作が有効である操作有効モードから、これらの操作を無効とした操作無効モードに移行する。操作無効モードでは、非常停止スイッチ11が開操作されても、そのモニタ結果を無効化し、非常停止信号としての非常停止指令が通信部14に出力しない。又、各種移動キー15aがジョグ操作されても、そのモニタ結果を無効化し、移動指令を通信部14に出力しない。
【0034】
又、操作無効モードのときに解除キー15cが操作されると、制御部12は、操作無効モードから操作有効モードに切り換えられて、非常停止スイッチ11及び各種移動キー15aの操作を有効とするようにしている。制御部12は、無効化手段に相当する。
【0035】
<3.イントラネットでの通信>
ここで、イントラネットで行われる通信について説明する。
本実施形態のイントラネットではOSI参照モデルのうち、物理層/データリンク層をEthernet(登録商標)の通信プロトコルとし、トランスポート層/ネットワーク層をTCP/IPとした通信プロトコルで行う。そして、これらの通信プロトコルに基づいて送受信されるデータ単位、すなわちデータフレーム(またはデータパケット)は、各通信プロトコルに準じたデータがカプセル化(パケット化)されることにより生成されて、通信が行われる。ここで、ティーチペンダント10から送信された通信データを通信パケットという。
【0036】
通信パケットの前記データフレーム中において、最下層となるEthernetフレームは、MAC(Media Access Control)アドレス等を含んだEthernetヘッダ部とEthernetデータ部から構成される。そして、Ethernetデータ部は、IPアドレス等を含んだIPヘッダ部とIPデータ部とから構成される。また、IPデータ部は、ポート番号等を含んだTCPヘッダ部とTCPデータ部とから構成される。なお、前記ポート番号は、コンピュータ上で動いている複数のプログラムのうちの一つを通信相手として指定するためのものである。
【0037】
さらに、TCPデータ部には、アプリケーション層に位置するHTTP(Hypertext Transfer Protocol)やFTP(File Transfer Protocol)などのヘッダ部とデータ部から構成される。
【0038】
又、LAN接続を実現するためにイーサネット網110に接続された基幹サーバ120、無線LANアクセスポイント130A,130B,130C等のネットワーク機器は、そのレベルに応じて、通信回線上に伝送されているEthernetフレームから、上記した各通信プロトコルのヘッダ部の内容を読み出している。
【0039】
たとえば、無線LANアクセスポイントの前記スイッチングハブ134は、Ethernetヘッダ部からMACアドレスを抽出して経路制御を行う。又、ルーター部132は、IPヘッダ部からIPアドレスを抽出して経路制御を行う。
【0040】
<4.通信部14>
ティーチペンダント10の制御部12には、通信部14が通信可能に電気的に接続されている。図2に示すように、通信部14は、通信制御を行う通信制御部16及び無線LANアクセスポイント130A,130B,130Cとの交信を無線で行う無線通信部17を備える。通信制御部16はCPUからなり、メモリ18を備える。通信制御部16は、照合手段、及び回答手段に相当する。無線通信部17は、無線通信手段に相当する。
【0041】
前記メモリ18は、書き換え可能であって、第4記憶部18a,第5記憶部18b及び第6記憶部18cを有する。第4記憶部18aは、いずれかのロボット制御装置20との間で、前記無線通信部17を使用して無線通信が確立しているか否かを示す第2ステータス情報としての第2通信確立状態フラグを記憶する。無線通信が確立していない場合は、通信制御部16により、第2通信確立状態フラグは「0」にリセットされるとともに無線通信が確立している場合は前記第2通信確立状態フラグが「1」にセットされる。なお、無線通信が確立している場合と確立していない場合の第2通信確立状態フラグのセットの仕方は前記とは逆であってもよい。第4記憶部18aは第4記憶手段に相当する。
【0042】
第5記憶部18bは、接続要求先となる単数又は複数のロボット制御装置に関する固有の接続情報であるMACアドレスと、当該MACアドレスを有するロボット制御装置のIPアドレスが関連付けされたテーブルをセグメント毎に記憶している。第5記憶部18bが、記憶する単数又は複数のロボット制御装置に関する固有の接続先情報であるMACアドレスは、第3接続情報に相当する。これらは、ARP(Address Resolution Protocol)、又はRARP(Reverse Address Resolution Protocol)を、通信制御部16が行うことにより、取得される。なお、前記ロボット制御装置のMACアドレスと、当該MACアドレスと関連づけされたIPアドレスは、各種キー群15の操作により、第5記憶部18bに記憶(登録)してもよい。
【0043】
ARPは、発信元ホストの通信制御部16が、宛先となるIPアドレスをセットしたブロードキャストフレームをLAN上に問い合わせ(送出)し、受信した宛先のホスト(ロボット制御装置、無線LANアクセスポイント)が自身のMACアドレスを返答(ARP応答)するプロトコルである。
【0044】
又、RARPは、MACアドレスからIPアドレスを知るためのプロトコルである。具体的には、発信元ホストの通信制御部16が、宛先となるMACアドレスをセットしたブロードキャストフレームをLAN上に問い合わせ(送出)し、受信した宛先のホスト(ロボット制御装置、無線LANアクセスポイント)が自身のIPアドレスを返答(ARP応答)するプロトコルである。
【0045】
なお、ARP及びRARPによる問い合わせは、無線LANアクセスポイントのルーター部132により、他のセグメントへの送出はされない。このため、ティーチペンダント10の通信制御部16は、セグメント毎にその無線エリア内でARP又はRARPのブロードキャストフレームを送信し、得られた返答に基づいて、当該セグメントのMACアドレスとIPアドレスが関連づけされたテーブルを構築する。第5記憶部18bは、第5記憶手段に相当する。
【0046】
第6記憶部18cは、通信制御部16がロボット制御装置と無線通信が確立したときに、当該無線通信が確立したロボット制御装置から送信された接続情報であるMACアドレスとIPアドレスを記憶する。第6記憶部18cは第6記憶手段に相当する。
【0047】
又、メモリ18には、自身のIPアドレス及び自身のMACアドレスが記憶されている。
<5.ロボット制御装置20>
次に、各無線LANアクセスポイントに接続されたロボット制御装置20を、図2を参照して説明する。
【0048】
ロボット制御装置20は、無線LANアクセスポイントから送信された通信パケット(通信データ)を受信する通信部21と、受信した通信パケット(通信データ)を解析処理するとともに、ロボット50を制御する制御部25を備えている。
【0049】
通信部21は、通信制御を行う通信制御部22及び無線LANアクセスポイントと有線で接続されるLANボード等からなるI/F(インターフェイス)部23を備える。通信制御部22はCPUからなり、メモリ24を備える。ここで、通信制御部22は、無線通信要求手段に相当する。
【0050】
前記メモリ24は、書き換え可能であって、第1記憶部24a,第2記憶部24b及び第3記憶部24cを有する。
第1記憶部24aは、いずれかのティーチペンダント10との間で、I/F部23を使用して無線通信が確立している否かを示す第1ステータス情報としての第1通信確立状態フラグを記憶する。無線通信が確立していない場合は、通信制御部22により、第1通信確立状態フラグは「0」にリセットされるとともに無線通信が確立している場合は前記第1通信確立状態フラグが「1」にセットされる。なお、無線通信が確立している場合と確立していない場合の第1通信確立状態フラグのセットの仕方は前記とは逆であってもよい。第1記憶部24aは第1記憶手段に相当する。
【0051】
第2記憶部24bは、接続要求先となる特定のティーチペンダント10に関する固有の接続情報であるMACアドレスと、当該MACアドレスを有するティーチペンダント10のIPアドレスが関連付けされたテーブルをセグメント毎に記憶(登録)している。これらは、前述したARP又はRARPを、通信制御部22が行うことにより、取得される。なお、ティーチペンダント10のMACアドレスと、当該MACアドレスと関連づけされたIPアドレスは、図示しないキーボード等の入力により、第2記憶部24bに記憶(登録)してもよい。
【0052】
なお、ARP及びRARPによる問い合わせは、無線LANアクセスポイントのルーター部132により、他のセグメントへの送出はされない。このため、セグメント内の各ロボット制御装置の通信制御部22は、当該セグメントを分岐している無線LANアクセスポイントの無線エリア内に各ティーチペンダント10を配置した状態でARP及びRARPによる問い合わせが行われる。
【0053】
第2記憶部24bは、第2記憶手段に相当する。又、第2記憶部24bに記憶される特定のティーチペンダント10に関する固有の接続情報であるMACアドレス及びIPアドレスは第2記憶手段が記憶する接続先情報に相当する。
【0054】
第3記憶部24cは、通信制御部22がティーチペンダント10と無線通信が確立したときに、当該無線通信が確立したティーチペンダント10から送信された後述する通信確立要求応答に含まれる送信元の情報、すなわち、送信元情報としてのMACアドレスとIPアドレスを記憶する。第3記憶部24cは第3記憶手段に相当する。
【0055】
又、メモリ24には、ルーター部132から送信された当該ロボット制御装置20のIPアドレス及びサブネットマスクを記憶するとともに、自身のMACアドレスが記憶されている。
【0056】
制御部25は、中央演算処理装置(CPU)であり、図示はしないROM及びRAMを備える。制御部25は、無線LANアクセスポイントから通信部21を介して受信した通信パケット(通信データ)を解析する。
【0057】
又、ロボット制御装置20は、三相電源40からサーボアンプ28ヘの電力を遮断するために接点が直列回路に接続された電磁接触器26、及び電磁接触器26を開閉制御する電磁接触器制御回路27を備える。そして、電磁接触器26の接点26aが閉のときに、制御部25は、サーボアンプ28を介してロボット50の関節、すなわち、関節軸(図示しない)を制御する。なお、図2のサーボアンプ28は、説明の便宜上、代表的に1つのみ図示している。
【0058】
すなわち、サーボアンプ28からロボット50の駆動源としてのモータM41に電流が供給されることにより、該モータM41が駆動されて、ロボット50が作動する。
又、制御部25は、受信した通信データの解析結果に応じて、ON/OFFの制御信号を電磁接触器制御回路27に対して出力可能にされている。例えば、非常停止スイッチ11が開操作されて、ティーチペンダント10から無線通信により非常停止指令が入力されると、非常停止制御を行う。すなわち、電磁接触器制御回路27を作動させて接点26aを開作動する。
【0059】
又、各種移動キーが操作されて、ティーチペンダント10から無線通信により動作指令が入力されると、電磁接触器制御回路27を作動させて接点26aを閉作動させた状態でサーボアンプ28を介してロボット50を作動する。
【0060】
又、制御部25からティーチペンダント10に対して送信する各種のデータは、前述した通信プロトコルに準じてパケット化されて、通信部21の通信制御部22にシリアル通信で送信される。通信制御部22は、I/F部23を介して有線接続された無線LANアクセスポイントに送信する。
【0061】
(第1実施形態の作用)
次に、第1実施形態のロボットシステム100の作用を図3のフローチャートを参照して説明する。なお、説明の便宜上、無線LANアクセスポイント130Aのスイッチングハブ134に接続された1つのロボット制御装置20において、後述する障害が発生した場合について説明するものとする。
【0062】
図3において、「RC」の側のフローチャートは、ロボット制御装置20の通信制御部22が実行する通信管理プログラムのフローチャートであって、制御部25が作業プログラムに従ってロボット50の制御を実行している際に行われる。又、図3において、「無線式TP」側のフローチャートは、ティーチペンダント10の通信制御部16が実行する通信管理プログラムのフローチャートである。
【0063】
ロボット制御装置20の通信制御部22は、このプログラムが開始されると、S10での初期化処理を行い、S20において、制御部25から障害が発生している旨の信号の入力を待つ。ここで、制御部25は、作業プログラムに従ったロボット50の制御中において、何らかの障害が発生した場合、通信制御部22に対して障害が発生した旨の信号、すなわち、各種異常(アラーム、警告)信号を出力する。
【0064】
なお、障害とは、ロボット50がアーク溶接ロボットの場合、溶接中の給電チップの消耗による溶接異常(アーク切れ、アークスタート不良、チップ溶着等)等がある。又、ロボット50がスポット溶接ロボットの場合、電極チップの消耗による溶接異常(加圧力不足、チップ溶着等)等がある。又、ロボット50の駆動系の異常(例えば、モータ異常)、駆動制御系の異常(例えば、サーボアンプ異常)等がある。これらの障害の発生の検出は、公知であるため、説明を省略する。
【0065】
通信制御部22は、上記障害が発生した旨の信号が入力されると、S30において、いずれかのティーチペンダント10と通信が確立しているか否かを第1記憶部24aに記憶している第1ステータス情報である第1通信確立状態フラグを確認する。第1通信確立状態フラグが「1」であれば、いずれかのティーチペンダント10と無線通信が確立しているとしてS35に移行し、通信確立状態での処理を行う。
【0066】
S35では、いずれかのティーチペンダント10と無線通信がすでに確立しているため、第3記憶部24cには、無線通信確立時に当該ティーチペンダント10から送信されたMACアドレスとIPアドレスが記憶(登録)されている。
【0067】
このため、通信制御部22は、第3記憶部24cに登録しているティーチペンダント10のMACアドレスとIPアドレスを宛先とするとともに、自身のIPアドレスとMACアドレスを送信元にした通信データ中に、ロボット制御装置側の前記障害を知らせる旨のデータを含ませて、I/F部23及び無線LANアクセスポイント130Aを介して、ティーチペンダント10に対して無線通信を行う。
【0068】
又、S30において第1通信確立状態フラグが「0」であれば、いずれのティーチペンダント10とも無線通信が確立していないとして、S40に移行する。S40では、特定のティーチペンダント10に関するMACアドレス及びIPアドレスの登録が、第2記憶部24bにされているか否かを判定する。
【0069】
特定のティーチペンダント10に関するMACアドレス及びIPアドレスが第2記憶部24bに登録されていれば、S50に移行する。特定のティーチペンダント10に関するMACアドレス及びIPアドレスが第2記憶部24bに登録されていなければ、S45に移行する。
【0070】
S45では、ティーチペンダント10からの通信確立要求があるまで待つ。ここでの処理は、特に、通信制御部16がARP、RARPを行う前においては、無線LANアクセスポイントの配下のロボット制御装置20のIPアドレス、MACアドレスが第5記憶部18bに登録されていなかったり、或いは、特定のティーチペンダント10が、当該無線LANアクセスポイントの無線エリア内にいない場合があるための処理である。
【0071】
通信制御部22は、S50に移行すると、第2記憶部24bに登録されたMACアドレス及びIPアドレスを接続先のティーチペンダント10の宛先として、前記MACアドレスをEthernetヘッダ部に含ませ、又、前記IPアドレスをIPヘッダ部に含ませる。さらに、通信制御部22は、送信元を示す自身の固有の接続先情報としてIPアドレスと、固有のMACアドレスを含ませて、通信パケット(通信データ)を作成し、I/F部23及び無線LANアクセスポイント130Aを介して、ティーチペンダント10に対して通信確立要求の無線通信を行う。
【0072】
そして、次のS60において、特定のティーチペンダント10からの受信データを待つ。
一方、ティーチペンダント10側では、次の処理を行う。
【0073】
ティーチペンダント10の通信制御部16は、S110において初期化を行った後、S120においてロボット制御装置20からの通信確立要求を待つ。ロボット制御装置20から通信確立要求がされた場合、判定を「イエス」として、S130に移行する。
【0074】
S130において、通信確立しているか否かを、第4記憶部18aに記憶した第2ステータス情報としての第2通信確立状態フラグに基づいて判定する。第2通信確立状態フラグが「1」であれば、ロボット制御装置20と無線通信が確立しているとして、S135に移行し、通信確立状態での処理を行う。
【0075】
S135では、すでにロボット制御装置20と無線通信が確立しているため、第6記憶部18cには、無線通信確立時に当該ロボット制御装置20から送信された接続先情報であるMACアドレスとIPアドレスが記憶(登録)されている。このため、通信制御部16は、第6記憶部18cに登録しているロボット制御装置20のMACアドレスとIPアドレスを宛先とするとともに、自身のIPアドレスとMACアドレスを送信元にした通信データ中を作成して、作成した通信データを、無線通信部17及び無線LANアクセスポイント130Aを介して、ロボット制御装置20と無線通信を行う。
【0076】
又、S130において第2通信確立状態フラグが「0」であれば、ロボット制御装置20と無線通信が確立していないとして、S140に移行する。S140では、ロボット制御装置20から送信された通信パケットの受信処理を行う。この受信処理において、通信制御部16は、送信された通信確立要求の通信パケットに含まれる送信元のIPアドレスと前記MACアドレスを読み込む。
【0077】
S150において、受信した通信確立要求の通信パケットに含まれる送信元のIPアドレスと前記MACアドレスが、第5記憶部18bに登録されているIPアドレスとMACアドレスと照合し、それらが一致している場合には、判定を「イエス」として、S160に移行する。なお、図6において、S150,S160の「RC」はロボット制御装置を示している。又、受信した通信確立要求の通信パケットに含まれる送信元のIPアドレスと前記MACアドレスが、第5記憶部に登録されているIPアドレスとMACアドレスに一致していない場合は、S120に戻る。
【0078】
S160では、通信確立要求してきたロボット制御装置20の送信元情報としてのMACアドレスとIPアドレスを第6記憶部18cに記録(登録)する。
次に、S170において、通信確立要求応答の送信処理を行う。すなわち、通信制御部16は、前記第6記憶部18cに登録したロボット制御装置20のMACアドレスとIPアドレスを宛先とするとともに、自身のIPアドレスとMACアドレスを送信元にした通信確立要求応答の通信データを作成して、作成した通信確立要求応答(通信データ)を、無線通信部17及び無線LANアクセスポイント130Aを介して、ロボット制御装置20に送信する。
【0079】
この後、通信制御部16は、通信確立状態での通信処理を行うことになり、この通信処理において、通信確立状態のロボット制御装置20の宛先には、第6記憶部18cのMACアドレスとIPアドレスが使用される。
【0080】
一方、S170での通信確立要求応答は、無線LANアクセスポイント130Aを介して、障害が発生したロボット制御装置20に送信される。このため、障害が発生したロボット制御装置20の通信部21では、通信制御部22がS60での判定を「イエス」とし、S70の受信処理を行う。
【0081】
この受信処理において、通信制御部22は、送信された通信確立要求応答の通信パケットに含まれる送信元のIPアドレスと前記MACアドレスを読み込む。そして、S80において、通信制御部22は、受信した通信パケット(通信確立要求応答)の送信元であるティーチペンダント10のMACアドレスとIPアドレスを第3記憶部24cに記録(登録)する。なお、図3におけるS80の「TP」はティーチペンダントを示す。
【0082】
送信された通信確立要求応答の通信パケットに含まれる送信元のIPアドレスと前記MACアドレスは、送信元情報に相当する。
この後、通信制御部22は、通信確立状態での通信処理を行うことになり、この通信処理において、通信確立状態のティーチペンダント10の宛先として、第3記憶部24cに登録されたMACアドレスとIPアドレスが使用される。又、通信確立した状態で、障害が生じたロボット制御装置20から、ティーチペンダント10に対して、障害による異常があったことを知らせる旨の通信パケットが送信される。
【0083】
すると、制御部12は、非常停止スイッチ11及び各種移動キー15aの操作が有効である操作有効モードから、操作が無効である操作無効モードに自動的に移行する。この結果、当該ティーチペンダント10を持った作業者は、障害が発生したロボット制御装置20を確認していない状態で、非常停止スイッチ11或いは各種移動キー15aを操作したとしても、操作無効モードになっているため、障害が発生したロボット制御装置20に接続されたロボット50を停止制御、或いは作動制御させることがない。
【0084】
作業者は、障害があったロボット制御装置20を確認した後、解除キー15cを操作することにより、操作無効モードを解除して操作有効モードに切り換えることができる。この後、異常が発生したロボット制御装置20に対して、障害回避のための適切な操作を行うことができる。
【0085】
さて、本実施形態によれば、以下のような特徴がある。
(1) 本実施形態のロボット制御装置20は、特定のティーチペンダント10(教示装置)との間で無線通信が確立している否かを示す第1通信確立状態フラグ(第1ステータス情報)を記憶する第1記憶部24a(第1記憶手段)を備える。ロボット制御装置20は、ロボットの制御に関する障害が発生した際の接続要求先となる前記特定のティーチペンダント10に関する固有のMACアドレスとIPアドレス(接続先情報)を予め記憶する第2記憶部24b(第2記憶手段)を備える。又、ロボット制御装置20は、障害が発生したときに、前記第1通信確立状態フラグに基づいて無線通信が確立しているか否かを判定し、第1通信確立状態フラグが前記特定のティーチペンダント10と無線通信が確立していないことを示す場合、第2記憶部24bに記憶した特定のティーチペンダント10に関する固有のMACアドレスとIPアドレスを宛先にするとともに、自身に関する固有の接続先情報を送信元にして通信確立要求を生成し、前記通信確立要求を出力する通信制御部22(無線通信要求手段)を備える。
【0086】
この結果、本実施形態のロボット制御装置20によれば、障害が発生したロボット制御装置側から、通信が確立していない状態の無線通信が可能な教示装置に対して通信確立を要求するため、複数のロボット制御装置の中から作業者が、迅速かつ正確に、障害が発生しているロボット制御装置と教示装置間の通信を確立することができる。
【0087】
(2) 本実施形態のティーチペンダント10は、さらに、ロボット制御装置20は、通信確立要求に応じて、特定のティーチペンダント10から返信されてきた通信確立要求応答に含まれる接続先の特定のティーチペンダント10(送信元)に関する送信元の固有のIPアドレスと前記MACアドレス(送信元情報)を記憶する第3記憶部24c(第3記憶手段)を備える。
【0088】
この結果、本実施形態のロボット制御装置20は、前記通信確立要求応答があった後には、前記送信元情報を宛先として、返信してきた前記特定のティーチペンダント10に対して交信を行うことができる。
【0089】
(3) 本実施形態のティーチペンダント10は、ロボット制御装置20との間で、無線通信部17を使用して無線通信が確立している否かを示す第2通信確立状態フラグを記憶する第4記憶部18aを備える。又、ティーチペンダント10は、ロボット50の制御に関する障害接続要求先となる単数又は複数のロボット制御装置20に関する固有の接続情報であるMACアドレスと、IPアドレスを記憶する第5記憶部18bを備える。又、通信制御部16は、第2通信確立状態フラグがロボット制御装置20との間で無線通信が確立していない場合であって、無線通信部17を介して任意の1つのロボット制御装置からの通信確立要求があったとき、通信確立要求に含まれる送信元情報と、第5記憶部18bが記憶しているロボット制御装置20に関する固有の接続情報であるMACアドレスと、IPアドレス(接続先情報)を照合する照合手段として機能する。
【0090】
又、通信制御部16は、通信確立要求に含まれる送信元情報と第5記憶部18bが記憶している接続先情報とが一致している場合、通信確立要求に含まれる送信元情報を宛先にするとともに、自身の固有の接続先情報を含む送信元にして、通信確立要求応答を生成し、通信確立要求したロボット制御装置20に対し無線通信部17を介して応答する通信制御部16(回答手段)を備える。そして、ティーチペンダント10は、通信確立要求に含まれる送信元情報と第5記憶部18bが記憶している接続先情報とが一致している場合、通信確立要求に含まれる送信元情報を記憶する第6記憶部18c(第6記憶手段)を備える。
【0091】
そして、ティーチペンダント10は、通信確立要求応答後は、第6記憶部18cが記憶した送信元情報を宛先として、通信確立要求したロボット制御装置に対して交信を行う。この結果、障害が発生しているロボット制御装置20とティーチペンダント10間の通信が確立していないときに、障害が発生したロボット制御装置側から、ティーチペンダント10に対して通信確立を要求してきたとき、複数のロボット制御装置の中から作業者が、迅速かつ正確に、障害が発生しているロボット制御装置との通信を確立することができる。
【0092】
(4) 本実施形態のティーチペンダント10は、通信確立要求したロボット制御装置20との間で通信確立が行われた際には、各種移動キー15a及び非常停止スイッチ11の操作による指令の出力、すなわち、ジョグ送り信号及びロボットの非常停止制御を行うため非常停止信号の出力を自動的に無効化する制御部12(無効化手段)を備えている。又、ティーチペンダント10は、各種移動キー15a及び非常停止スイッチ11の操作による指令の付与が無効化されている状態を、手動操作で解除する解除キー15c(無効化解除手段)を備える。
【0093】
この結果、本実施形態のティーチペンダント10は、通信確立がされた際に、作業者が意図しないロボットが動作することを防止できる。
(5) 本実施形態のロボットシステム100は、上記(1)に記載のロボット制御装置20が複数配置されるとともに、上記(3)に記載のティーチペンダント10を含むロボットシステムとなっている。
【0094】
本実施形態のロボットシステム100の発明によれば、障害が発生したロボット制御装置20側から、通信が確立していない状態の無線通信が可能なティーチペンダント10に対して通信確立を要求するため、複数のロボット制御装置20の中から作業者が、迅速かつ正確に、障害が発生しているロボット制御装置20との通信を確立することができるロボットシステムを提供できる。
【0095】
(6) 本実施形態のロボットシステム100は、複数のロボット制御装置20が、共通の無線LANアクセスポイント等に接続されたロボットシステムであって、無線LANアクセスポイントが通信確立要求をティーチペンダント10に無線で送信する。この結果、本実施形態のロボットシステム100によれば、複数のロボット制御装置20が、共通の無線LANアクセスポイントに接続されたロボットシステムにおいて、複数のロボット制御装置20の中から作業者が、迅速かつ正確に、障害が発生しているロボット制御装置20との通信を確立することができる。
【0096】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を図4〜図6を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一構成又は相当する構成については、同一符号を付して、その詳細な説明を省略し、第1実施形態と異なる構成を中心にして説明する。
【0097】
第1実施形態では、ロボット制御装置20とティーチペンダント10とは、無線LANアクセスポイントを介して無線通信を行うようにした。これに対して、本実施形態では、図4に示すようにロボット制御装置20が中継装置60を介してサーバ70にネットワーク通信可能に接続されて、ロボット制御装置20とティーチペンダント10とは、前記中継装置60を介して接続されたサーバ70を介して無線通信を行うようにしているところが異なっている。
【0098】
前記中継装置60は、第1実施形態の無線LANアクセスポイントとは、無線通信部17が省略されているところが異なっており、第1実施形態の無線LANアクセスポイントのルーター部132及びスイッチングハブ134に相当する構成を有する。なお、中継装置60をルーターの機能を省略してハプの機能を有するように構成して、サーバ70と接続するようにしてもよい。なお、中継装置60は、前記ルーターやハブに限定されるものではない。
【0099】
サーバ70は、図5に示すように、監視手段及び転送手段としての制御部72を備える。前記制御部72は、中央演算処理装置(CPU)であり、図示はしないROM、RAM及びメモリ73を備える。制御部72は、I/F(インターフェイス)部71を介して、イーサネット網110に接続されている。又、制御部72は、通信手段としての無線通信部74と接続されて、ティーチペンダント10と無線通信が可能である。
【0100】
制御部72は、イーサネット網110に接続された配下のクライアントであるロボット制御装置20からの各種の要求に応じた処理を行い、その処理結果を提供する。又、制御部72は、管理下のティーチペンダント10、並びに、ロボット制御装置20が通信確立状態か否かの常時監視を行い、その監視結果をメモリ73の監視結果記憶部73aに記憶(登録)する。すなわち、監視結果記憶部73aには、管理下の全てのティーチペンダント10並びに管理下の全てのロボット制御装置20について通信確立されている状態か、通信確立されていない状態かの通信状況を、通信確立される毎、並びに通信確立が解除される毎に更新記憶されている。
【0101】
なお、監視結果記憶部73aには、ティーチペンダント10、並びにロボット制御装置20は、そのID(識別)データで登録される。すなわち、ティーチペンダント10とロボット制御装置20間で交信される通信パケットには、それぞれを識別するためのID(識別)データもパケット化されており、両者間でやりとりされた通信パケットの解析結果に基づいて、通信が確立した場合、通信が確立しているティーチペンダント10とロボット制御装置20とが関連づけされて監視結果記憶部73aに記録される。監視結果記憶部73aは監視結果記憶手段に相当する。
【0102】
又、メモリ73の接続先情報記憶部73bには、管理下の複数のティーチペンダント10に関する固有のIPアドレスとMACアドレスとが記憶されている。接続先情報記憶部73bに記憶されているティーチペンダント10に関する固有のIPアドレスとMACアドレスは、教示装置に関する固有の接続先情報に相当する。接続先情報記憶部73bは、接続先情報記憶手段に相当する。
【0103】
図6(b)に示すように、本実施形態のロボット制御装置20は、メモリ24において、第1記憶部24aと第2記憶部24bが省略されて、第3記憶部24cを有するところが第1実施形態のロボット制御装置20と異なっており、他の構成は同じである。第3記憶部24cは、応答送信元情報記憶手段に相当する。
【0104】
又、本実施形態では、ロボット制御装置20の通信制御部22は、障害が発生した旨の信号を入力すると、サーバ70に対して、通信確立要求を行う通信パケットを生成して、サーバ70に対して送信するところが第1実施形態と異なっている。この場合の無線接続要求の通信パケットの宛先は、サーバの固有のIPアドレスとMACアドレスとし、送信元は当該ロボット制御装置20の固有のIPアドレスとMACアドレスである。通信制御部22は、要求手段に相当する。
【0105】
又、本実施形態では、図6(a)に示すようにティーチペンダント10は、メモリ18において、第4記憶部18aと第5記憶部18bが省略されて、第6記憶部18cを有するところが第1実施形態のティーチペンダント10と異なっており、他の構成は同じである。
【0106】
(第2実施形態の作用)
本実施形態では、任意のロボット制御装置20で障害が発生した場合、当該ロボット制御装置20から、サーバ70に対して通信確立要求が送信される。サーバ70の制御部72は、通信確立要求を受信すると、監視結果記憶部73aを参照して、通信確立していないティーチペンダント10を探索する。そして、制御部72は、通信確立していないティーチペンダント10があると、そのティーチペンダント10の固有のIPアドレス、MACアドレスを、接続先情報記憶部73bから取得して前記受信した通信確立要求の宛先として書き換えた後、当該通信確立要求を、無線通信部74を介して前記探索結果のティーチペンダント10へ転送する。ティーチペンダント10は、前記通信確立要求を受信すると、通信確立要求応答を、ロボット制御装置20に対して返信する。サーバ70は、返信された通信確立要求応答を通信確立要求があったロボット制御装置20に送信する。
【0107】
ロボット制御装置20は、通信確立要求応答を受信すると、通信確立要求応答に含まれるティーチペンダント10の送信元情報であるIPアドレスとMACアドレスを第3記憶部24cに記憶する。
【0108】
通信確立した後に通信確立要求応答を行ったティーチペンダント10に対して通信を行う場合、前記ティーチペンダント10は、第3記憶部24cに記憶したIPアドレスとMACアドレスを宛先にした通信パケットを生成して、当該ティーチペンダント10と交信を行う。
【0109】
第2実施形態のロボットシステム100では、下記の特徴がある。
(1) 本実施形態のロボットシステム100のロボット制御装置20は、ロボット50の制御に関する障害が発生したときに、自身に関する固有の接続先情報を送信元にして、サーバ70にティーチペンダントとの通信確立要求を送信する通信制御部22(要求手段)を備える。又、ロボット制御装置20は、前記通信確立要求に応じて、ティーチペンダント10から返信された通信確立要求応答に含まれるティーチペンダント10に関する固有の送信元情報であるIPアドレスとMACアドレス(送信元情報)を記憶する第3記憶部24c(応答送信元情報記憶手段)を備える。そして、ロボット制御装置20は、通信確立要求応答があった後には、前記送信元情報を宛先として、前記返信してきたティーチペンダント10に対して交信を行う。
【0110】
又、サーバ70は、監視対象の複数のティーチペンダントとの間で無線通信が可能な無線通信部74(通信手段)と、監視対象のティーチペンダント10とLAN接続された配下のロボット制御装置20間の通信が確立しているか否かの通信状況を監視する制御部72(監視手段)を備える。又、サーバ70は、監視結果を記憶する監視結果記憶部73a(監視結果記憶手段)と、監視対象の複数のティーチペンダントに関するそれぞれの固有の接続先情報を予め記憶する接続先情報記憶部73b(接続先情報記憶手段)を備える。又、制御部72は、転送手段として、いずれか1つのロボット制御装置20から通信確立要求があったとき、監視結果記憶部73aの監視結果に基づいていずれのロボット制御装置とも通信確立がされていないティーチペンダント10に関する固有の接続先情報を、接続先情報記憶部73bから選択して宛先として、前記通信確立要求に含ませて、通信確立要求を無線通信部74介して通信確立がされていないティーチペンダントに転送する。そして、サーバ70は、通信確立要求に応じたティーチペンダント10から返信されてきた通信確立要求応答を、通信確立要求があったロボット制御装置20に送信する。
【0111】
この結果、本実施形態のロボットシステムによれば、無線通信が可能なティーチペンダントの使用状況(通信状況)に応じて、最適な無線通信が可能なティーチペンダントとの通信が確立されるため、障害が発生したロボット制御装置20と、ティーチペンダントとの間に迅速に通信を確立することができる。
【0112】
又、本実施形態では、第1実施形態と異なり、ロボット制御装置20側では、第1記憶部24a、第2記憶部24bを省略できるとともに、ティーチペンダント10側では、第4記憶部18a、第5記憶部18bを省略できる。このため、個々のロボット制御装置20並びにティーチペンダント10に、それぞれ無線通信が確立しているか否かを知るためのステータ情報及び接続先の接続先情報を保持する必要がなくなるため、個々の機器の運用を簡素化できる。
【0113】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 前記各実施形態では、接続情報、送信元情報として、IPアドレス、MACアドレスを使用したが、これらのアドレスに限定されるものではない。ロボットシステムに採用される通信プロトコルに応じた、ロボット制御装置の固有のID情報(識別情報)、ティーチペンダント10(教示装置)の固有のID情報(識別情報)にすることも勿論可能である。
【0114】
・ 前記各実施形態では、制御部12を無効化手段とするとともに、解除キー15cを無効化解除手段としたが、解除キー15cを省略するとともに、制御部12の無効化手段としての機能を省略してもよい。
【0115】
・ 第1実施形態において、ロボット制御装置20のI/F部23の代わりに、無線通信部を設けて、無線LANアクセスポイントを介して、ティーチペンダント10と無線通信する代わりに、前記無線通信部によりティーチペンダント10と無線通信を行うようにいる。この場合、他の構成は、第1実施形態と同様に構成する。このように構成しても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0116】
17,74,136…無線通信部、
20…ロボット制御装置、
50…ロボット、70…サーバ、100…ロボットシステム、
130A,130B,130C…無線LANアクセスポイント。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
教示装置との通信を無線を介して行なうロボット制御装置において、
前記教示装置との間で無線通信が確立しているか否かを示す第1ステータス情報を記憶する第1記憶手段と、
ロボットに障害が発生した際の接続要求先となる特定の教示装置に関する接続先情報を記憶する第2記憶手段と、
前記障害が発生したときに、前記第1ステータス情報に基づいて無線通信が確立しているか否かを判定し、確立していない場合は、第2記憶手段に記憶した接続先情報に基づいて前記特定の教示装置に通信確立要求を出力する無線通信要求手段と、を備えたことを特徴とするロボット制御装置。
【請求項2】
前記通信確立要求に対して前記特定の教示装置から返信された通信確立要求応答に含まれる送信元情報を記憶する第3記憶手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のロボット制御装置。
【請求項3】
無線通信手段を有する可搬式の教示装置において、
ロボット制御装置との間で前記無線通信手段を使用して無線通信が確立しているか否かを示す第2ステータス情報を記憶する第4記憶手段と、
ロボットに障害が発生した際の接続要求先となる単数又は複数のロボット制御装置に関する固有の各接続先情報を記憶する第5記憶手段と、
第2ステータス情報が無線通信が確立していないことを示す場合であって、前記無線通信手段を介していずれかの1つのロボット制御装置からの通信確立要求があったとき、前記通信確立要求に含まれる送信元情報と前記第5記憶手段が記憶している接続先情報とを照合する照合手段と、
前記通信確立要求に含まれる送信元情報と前記第5記憶手段が記憶している接続先情報とが一致している場合、前記通信確立要求に含まれる送信元情報を宛先にするとともに、自身の固有の接続先情報を含む送信元にして、通信確立要求応答を生成し、前記通信確立要求したロボット制御装置に対し前記無線通信手段を介して応答する回答手段と、
前記通信確立要求に含まれる送信元情報と前記第5記憶手段が記憶している接続先情報とが一致している場合、前記通信確立要求に含まれる送信元情報を記憶する第6記憶手段とを備え、
前記通信確立要求応答後は、前記第6記憶手段が記憶した送信元情報を宛先として、通信確立要求した前記ロボット制御装置に対して交信を行うことを特徴とする教示装置。
【請求項4】
前記ロボット制御装置に対して、ロボットの各関節を手動動作させるジョグ送り信号を前記無線通信手段を介して出力する手動運転操作手段と、ロボットの非常停止制御を行うため非常停止信号を前記無線通信手段を介して出力する非常停止操作手段を備えた教示装置であって、
通信確立要求したロボット制御装置との間で通信が確立した際には、前記ジョグ送り信号及び前記非常停止信号の出力を無効化する無効化手段と、
前記無効化手段による無効化状態を解除する無効化解除手段と、を備えることを特徴とする請求項3に記載の教示装置。
【請求項5】
請求項1に記載のロボット制御装置が複数配置されるとともに、請求項3又は請求項4に記載の教示装置を含むロボットシステム。
【請求項6】
サーバと、前記サーバと有線でLAN接続された複数のロボット制御装置とを含むロボットシステムにおいて、
前記各ロボット制御装置は、ロボットに障害が発生したときに、自身に関する固有の接続先情報を送信元にして、前記サーバに教示装置との通信確立要求を送信する要求手段と、前記通信確立要求に応じて、前記教示装置から返信された通信確立要求応答に含まれる特定の教示装置に関する固有の送信元情報を記憶する応答送信元情報記憶手段を備えて、前記通信確立要求応答があった後には、前記送信元情報を宛先として、前記返信してきた特定の教示装置に対して交信を行い、
前記サーバは、監視対象の複数の教示装置との間で無線通信が可能な通信手段と、前記監視対象の教示装置と前記LAN接続された前記ロボット制御装置間の通信が確立しているか否かの通信状況を監視する監視手段と、前記監視結果を記憶する監視結果記憶手段と、前記監視対象の複数の教示装置に関するそれぞれの固有の接続先情報を予め記憶する接続先情報記憶手段と、前記ロボット制御装置のいずれか1つから前記通信確立要求があったとき、監視結果記憶手段の監視結果に基づいていずれのロボット制御装置とも通信確立がされていない教示装置に関する固有の接続先情報を、前記接続先情報記憶手段から選択して宛先として、前記通信確立要求に含ませて、前記通信確立要求を前記通信手段を介して前記通信確立がされていない教示装置に転送する転送手段とを備え、前記通信確立要求に応じた教示装置から返信されてきた通信確立要求応答を、前記通信確立要求があったロボット制御装置に送信することを特徴とするロボットシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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