説明

乗用田植機

【課題】 複数の装置形成体の着脱作業の手間を大幅に削減すること。
【解決手段】 走行部の後方に植付部を連結すると共に、同走行部の後部に施肥装置を載設し、施肥装置は、走行部に装置支持フレームを介して複数の装置形成体を左右方向に間隔を開けて配置すると共に、各装置形成体は、肥料を収容する施肥ホッパー部と、同施肥ホッパー部内の肥料を一定量ずつ繰り出す施肥繰り出し部と、同施肥繰り出し部より繰り出される一定量の肥料を植付部まで案内する施肥ホース部とを具備する乗用田植機において、各施肥繰り出し部は、装置支持フレームに固定した固定側半部と、同固定側半部に着脱自在に取り付けた着脱側半部とから形成すると共に、左右方向に隣接する複数の着脱側半部は、一ユニットとして一体的に着脱可能となした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗用田植機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乗用田植機の一形態として、走行部の後方に植付部を連結すると共に、同走行部の後部に施肥装置を載設したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そして、施肥装置は、走行部に装置支持フレームを介して複数の装置形成体を左右方向に間隔を開けて配置すると共に、各装置形成体は、肥料を収容する施肥ホッパー部と、同施肥ホッパー部内の肥料を一定量ずつ繰り出す施肥繰り出し部と、同施肥繰り出し部より繰り出される一定量の肥料を植付部まで案内する施肥ホース部とを具備している。
【0004】
また、各施肥繰り出し部は、装置支持フレームに着脱自在に取り付けて、残留肥料の排出作業やメンテナンス作業等を行う際には、適宜、取り外して作業が行えるようにしている。
【特許文献1】特開2001−169618号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、例えば、八条植用や六条植用の乗用田植機では、八個又は六個の施肥繰り出し部が設けられて数が多いことから、残留肥料の排出作業やメンテナンス作業等を行う際に、これらを逐一個別に取り外す作業に手間を要して、かかる作業が非常に煩雑になっている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明では、走行部の後方に植付部を連結すると共に、同走行部の後部に施肥装置を載設し、施肥装置は、走行部に装置支持フレームを介して複数の装置形成体を左右方向に間隔を開けて配置すると共に、各装置形成体は、肥料を収容する施肥ホッパー部と、同施肥ホッパー部内の肥料を一定量ずつ繰り出す施肥繰り出し部と、同施肥繰り出し部より繰り出される一定量の肥料を植付部まで案内する施肥ホース部とを具備する乗用田植機において、各施肥繰り出し部は、装置支持フレームに固定した固定側半部と、同固定側半部に着脱自在に取り付けた着脱側半部とから形成すると共に、左右方向に隣接する複数の着脱側半部は、一ユニットとして一体的に着脱可能となしたことを特徴とする乗用田植機を提供するものである。
【0007】
また、本発明は、以下の構成にも特徴を有する。
【0008】
(1)一ユニットを形成する複数の着脱側半部に、左右方向に伸延する繰り出し部駆動軸を横断貫通状態に設けると共に、左右に隣接する各ユニットの繰り出し部駆動軸の端部同士は、係脱手段を介して係脱自在に連動連結したこと。
【0009】
(2)係脱手段は、一方の繰り出し部駆動軸の端部に固定させて設けた固定側歯合体と、他方の繰り出し部駆動軸の端部において、軸線方向に進退自在に取り付けた可動側歯合体と、同可動側歯合体を進出方向に弾性付勢して固定側歯合体に歯合・保持させる弾性体とを具備すること。
【0010】
(3)可動側歯合体は、弾性体の弾性付勢力に抗して手動により後退させて、固定側歯合体との歯合を解除可能としたこと。
【0011】
(4)可動側歯合体と弾性体は、他方の繰り出し部駆動軸の端部に取り付けると共に、一方の繰り出し部駆動軸との連結を解除した状態においても、他方の繰り出し部駆動軸の端部に保持されるようにしたこと。
【発明の効果】
【0012】
(1)請求項1記載の本発明では、走行部の後方に植付部を連結すると共に、同走行部の後部に施肥装置を載設し、施肥装置は、走行部に装置支持フレームを介して複数の装置形成体を左右方向に間隔を開けて配置すると共に、各装置形成体は、肥料を収容する施肥ホッパー部と、同施肥ホッパー部内の肥料を一定量ずつ繰り出す施肥繰り出し部と、同施肥繰り出し部より繰り出される一定量の肥料を植付部まで案内する施肥ホース部とを具備する乗用田植機において、各施肥繰り出し部は、装置支持フレームに固定した固定側半部と、同固定側半部に着脱自在に取り付けた着脱側半部とから形成すると共に、左右方向に隣接する複数の着脱側半部は、一ユニットとして一体的に着脱可能となしている。
【0013】
このようにして、左右方向に隣接する複数の着脱側半部を、一ユニットとして一体的に着脱可能となしているため、例えば、二個の着脱側半部を一ユニットとすると、八条植用の場合は四ユニット毎に、また、六条植用の場合は三ユニット毎に着脱することができて、かかる着脱作業の手間を大幅に削減することができる。
【0014】
その結果、後続の作業である残留肥料の排出作業やメンテナンス作業等の効率を向上させることができる。
【0015】
(2)請求項2記載の本発明では、一ユニットを形成する複数の着脱側半部に、左右方向に伸延する繰り出し部駆動軸を横断貫通状態に設けると共に、左右に隣接する各ユニットの繰り出し部駆動軸の端部同士は、係脱手段を介して係脱自在に連動連結している。
【0016】
このようにして、左右に隣接する各ユニットの繰り出し部駆動軸の端部同士は、係脱手段を介して係脱自在に連動連結しているため、ユニット毎に着脱側半部を取り外してメンテナンス作業等を行う際には、取り外すユニットの繰り出し部駆動軸の端部と、それに隣接するユニットの繰り出し部駆動軸の端部とを連動連結している係脱手段を、離脱させることにより、連結を簡単にかつ確実に解除することができる。
【0017】
その結果、後続の作業である残留肥料の排出作業やメンテナンス作業等の効率を向上させることができる。
【0018】
また、上記作業を終了した後は、再度、取り外したユニットの繰り出し部駆動軸の端部と、それに隣接するユニットの繰り出し部駆動軸の端部とを、係脱手段により係合させて、簡単にかつ確実に連動連結することができる。
【0019】
(3)請求項3記載の本発明では、係脱手段は、一方の繰り出し部駆動軸の端部に固定させて設けた固定側歯合体と、他方の繰り出し部駆動軸の端部において、軸線方向に進退自在に取り付けた可動側歯合体と、同可動側歯合体を進出方向に弾性付勢して固定側歯合体に歯合・保持させる弾性体とを具備している。
【0020】
このようにして、可動側歯合体を進出させて固定側歯合体に歯合させた状態にて、弾性体の弾性付勢力により歯合状態を保持させることができると共に、可動側歯合体を弾性体の弾性付勢力に抗して後退させることにより、固定側歯合体との歯合を解除することができる。
【0021】
従って、可動側歯合体を後退させる操作により、繰り出し部駆動軸の連結解除作業を簡単にかつ確実に行うことができる。
【0022】
(4)請求項4記載の本発明では、可動側歯合体は、弾性体の弾性付勢力に抗して手動により後退させて、固定側歯合体との歯合を解除可能としている。
【0023】
このようにして、可動側歯合体を、弾性体の弾性付勢力に抗して手動により後退させることにより、固定側歯合体との歯合を解除することができるようにしているため、繰り出し部駆動軸を連結解除するための専用工具を必要とせず、連結解除の作業性を向上させることができる。
【0024】
(5)請求項5記載の本発明では、可動側歯合体と弾性体は、他方の繰り出し部駆動軸の端部に取り付けると共に、一方の繰り出し部駆動軸との連結を解除した状態においても、他方の繰り出し部駆動軸の端部に保持されるようにしている。
【0025】
このようにして、可動側歯合体と弾性体は、連結を解除した際にも繰り出し部駆動軸の端部に保持されるようにしているため、紛失する虞がなく、再度連結作業を行う際に、速やかに連結作業を開始することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1に示すAは、本発明に係る乗用田植機であり、同乗用田植機Aは、走行部1の後方に昇降リンク機構3を介して植付部2を昇降自在に連結すると共に、同走行部1の後部に施肥装置Mを載設している。
【0027】
以下に、まず、〔走行部1〕について説明し、その次に、本発明の要旨をなす〔施肥装置M〕について説明し、その後に〔植付部2〕と〔昇降リンク機構3〕について簡単に説明する。
【0028】
〔走行部1の説明〕
走行部1は、図1に示すように、機体フレーム4上において、前部に原動機部5を設け、同原動機部5の後方位置に運転部6を設け、また、機体フレーム4の下方において、中途部にミッションケース7を設け、同ミッションケース7の左右側部に左右一対のフロントアクスルケース8,8を連動連設し、各フロントアクスルケース8,8の先端部に前車軸9a,9aを介して前車輪9,9を連動連結する一方、上記ミッションケース7の後部に前後伸延支持ケース10の前端部を連結し、同前後伸延支持ケース10の後端部にリヤアクスルケース12を連動連設し、同リヤアクスルケース12の左右側先端部に後車軸13a,13aを介して後車輪13,13を連動連結している。14は予備苗載台支持フレーム、15は予備苗載台である。
【0029】
原動機部5は、機体フレーム4の前部に搭載したエンジン(図示せず)等をボンネット30により被覆している。
【0030】
運転部6は、機体フレーム4上において、ボンネット30の後端縁部にステアリングコラム31を連設し、同ステアリングコラム31内に立設したステアリングポスト32にホイール支軸33を介してステアリングホイール34を取り付け、同ステアリングホイール34の後方位置に運転席35を配置している。
【0031】
そして、機体フレーム4上にはステップ部形成体36を張設している。
【0032】
〔施肥装置Mの説明〕
施肥装置Mは、図1に示すように、機体フレーム4の後部に、図2〜図4に示すように、左右方向に伸延する装置支持フレーム45を横架状に取り付け、同装置支持フレーム45に形成体支持フレーム46を介して複数(本実施の形態では八個)の装置形成体47を左右方向に一定の間隔を開けて配置すると共に一体的に取り付けて、複数条(八条)の施肥作業を同時に行うことができるようにしている。
【0033】
そして、各装置形成体47は、図1に示すように、肥料を収容する施肥ホッパー部48と、同施肥ホッパー部48内の肥料を一定量ずつ繰り出す施肥繰り出し部49と、同施肥繰り出し部49より繰り出される一定量の肥料を植付部2に設けた後述の作溝器155により作溝された施肥溝(図示せず)まで案内する施肥ホース部50と、同施肥ホース部50内の肥料を施肥溝側へ圧送する施肥圧送部51とを具備している。
【0034】
以下に、施肥ホッパー部48と施肥繰り出し部49と施肥ホース部50と施肥圧送部51の構成を順次説明する。
【0035】
(施肥ホッパー部48の説明)
施肥ホッパー部48は、図1、図6及び図7に示すように、ホッパー部本体52の上面に肥料投入口部52aを形成して、同肥料投入口部52aに開閉蓋体53を開閉自在に取り付ける一方、ホッパー部本体52の下面に肥料供給口部52bを形成して、同肥料供給口部52bを後述する施肥繰り出し部49の肥料受入口部62aに着脱自在に連通連結している。
【0036】
ここで、施肥ホッパー部48は、図2及び図4に示すように、左側半部(本実施の形態では四個分)を一体的に連結して左側ホッパー部ユニット54となすと共に、右側半部(本実施の形態では四個分)を一体的に連結して右側ホッパー部ユニット55となしており、左側ホッパー部ユニット54を形成する各施肥ホッパー部48の肥料投入口部52aを一つの開閉蓋体53により一体的に開閉可能となすと共に、右側ホッパー部ユニット55を形成する各施肥ホッパー部48の肥料投入口部52aをもう一つの開閉蓋体53により一体的に開閉可能となしている。
【0037】
しかも、図2,図4及び図6に示すように、左側ホッパー部ユニット54は、形成体支持フレーム46に左右一対の回動支持アーム56,56を介して取り付けており、両回動支持アーム56,56の基端部(下端部)は、形成体支持フレーム46に枢支ブラケット57,57を介して左右方向に軸線を向けた枢軸58,58により枢支している。
【0038】
このようにして、両枢軸58,58を中心にして、左側ホッパー部ユニット54の各肥料供給口部52bを、各施肥繰り出し部49の肥料受入口部62aに連通状態に接続した使用位置(イ)と、左側ホッパー部ユニット54の各肥料供給口部52bを、各施肥繰り出し部49の肥料受入口部62aから接続解除して後方へ離隔させた不使用位置(ロ)との間で回動させて、位置変更させることができるようにしている。
【0039】
また、右側ホッパー部ユニット55も、左側ホッパー部ユニット54と同様に、使用位置(イ)と不使用位置(ロ)との間で回動させて、位置変更させることができるようにしている。
【0040】
(施肥繰り出し部49の説明)
施肥繰り出し部49は、図6〜図10に示すように、上半部を形成する上半部形成体60と,下半部を形成する下半部形成体61とから形成している。
【0041】
すなわち、上半部形成体60は、図6及び図7に示すように、上面に肥料受入口部62aを有する肥料受入ケース62と、同肥料受入ケース62の前面下部より前下方へ向けて傾斜状に延設して形成した残留肥料排出ケース63と、肥料受入ケース62の後面下部より後方へ張り出し状に形成したキャップ状の繰り出し部駆動機能ケース64とを一体的に形成してなるものである。
【0042】
そして、肥料受入ケース62は、施肥ホッパー部48から供給された肥料を受け入れて、後述する下半部形成体61に肥料を流下させるようにしている。
【0043】
また、残留肥料排出ケース63は、上記施肥ホッパー部48の底部に残留している肥料を、肥料受入ケース62を通して排出することができるようにしている。
【0044】
ここで、各残留肥料排出ケース63の右側壁には、図8及び図9に示すように、前後方向に伸延する肥料排出レバー103の基端部を枢支しており、同肥料排出レバー103は、上方に回動させて配置した排出口閉塞位置と、下方に回動させて配置した排出口開放位置との間で回動自在となして、残留肥料排出ケース63内に設けた排出口(図示せず)を開閉させることができるようにしている。
【0045】
しかも、左右方向に隣接する肥料排出レバー103,103の先端部間には、左右方向に伸延する一体操作用連結体104を架設している。
【0046】
このようにして、一体操作用連結体104を操作することにより、左右方向に隣接する(後述する上半部ユニット100を形成する)残留肥料排出ケース63,63の肥料排出レバー103,103を、一体的にかつ同時に操作することができるようにしている。
【0047】
繰り出し部駆動機構ケース64内には、図11及び図12に示すように、左右方向に軸線を向けた繰り出し部駆動軸65を貫通させて横架し、同繰り出し部駆動軸65の中途部に取り付けた出力ギヤ66に、上下方向に軸線を向けた繰り出し部入力軸67の上端部に取り付けた入力ギヤ68を歯合させて連動連結して、同繰り出し部入力軸67を介して後述の繰り出し機能部を駆動することができるようにしている。
【0048】
ここで、繰り出し部駆動機構ケース64内において、繰り出し部駆動軸65には条止めクラッチ機構69を設けて、同条止めクラッチ機構69により各施肥繰り出し部49の駆動を停止させることができるようにしている。
【0049】
すなわち、条止めクラッチ機構69は、図11に示すように、繰り出し部駆動軸65の中途部に取り付けた出力ギヤ66の背面側において、繰り出し部駆動軸65にスライド体70を軸線方向にスライド自在に取り付け、同スライド体70の出力ギヤ66と対面する端面に可動側歯合片71を突設する一方、出力ギヤ66のスライド体70と対面する背面に固定側歯合片72を突設して、同スライド体70をスライドさせることにより、固定側歯合片72に可動側歯号片71を歯合させたクラッチ接続状態(図11(b)参照)と、固定側歯合片72から可動側歯合片71を歯合解除したクラッチ切断状態(図11(a))とに、クラッチ断続操作を行うことができるようにしている。
【0050】
そして、スライド体70の背面と繰り出し部駆動機構ケース64の側壁64aとの間において、繰り出し部駆動軸65の外周に押圧スプリング73を券回して、同押圧スプリング73によりスライド体70の可動側歯号片71が固定側歯合片72に歯合する方向に、常時押圧弾性付勢している。
【0051】
また、上記した条止めクラッチ機構69のクラッチ断続操作は、後述する条止めクラッチ操作機構74により行うようにしている。
【0052】
下半部形成体61は、上下方向に伸延する筒状の繰り出し部本体ケース75と、同繰り出し部本体ケース75の下端部より後方へ向けて延設した筒状のホース部接続ケース76とを一体的に形成してなるものである。
【0053】
そして、繰り出し部本体ケース75内には、一定量の肥料を繰り出しながら供給する目皿体を具備する繰り出し機能部(図示せず)を設けている。
【0054】
また、ホース部接続ケース76は、図1に示すように、先端部(後端部)に施肥ホース部50の基端部(前端部)を接続して、繰り出し部本体ケース75内に設けた繰り出し機能部により一定量ずつ繰り出される肥料を、ホース部接続ケース76→施肥ホース部50を通して圃場に作溝した施肥溝(図示せず)中に施肥することができるようにしている。
【0055】
次に、上記のように構成した施肥繰り出し部49は、前記したように形成体支持フレーム46を介して装置支持フレーム45に取り付けているものであり、以下に施肥繰り出し部49の取付構造について説明する。
【0056】
まず、前記した装置支持フレーム45の構成について説明すると、装置支持フレーム45は、図2〜図4及び図6〜図10に示すように、左右方向に伸延する前後一対の下部フレーム形成片80,81と、前側の下部フレーム形成片80の左右側端部より前方へ伸延させかつ上方へ伸延させかつ後方へ伸延させて側面視コ字状に形成した前側立ち上がりフレーム形成片82,82と、両前側立ち上がりフレーム形成片82,82の上端部間に左右方向に伸延させて横架した前上部フレーム形成片83と、後側の下部フレーム形成片81の左右側端部より後方へ伸延させかつ上方を伸延させて側面視L字状に形成した後側立ち上がりフレーム形成片84,84と、両後側立ち上がりフレーム形成片84,84の上端部間に左右方向に伸延させて横架した後上部フレーム形成片85とから枠組み形成している。
【0057】
そして、前上部フレーム形成片83と後上部フレーム形成片85は、前後方向に平行状態に配置すると共に、後上部フレーム形成片85を前上部フレーム形成片83よりも上方位置に配置している。
【0058】
また、形成体支持フレーム46は、図2〜図4及び図6〜図10に示すように、前・後上部フレーム形成片83,85間に左右方向に一定の間隔を開けて複数(本実施の形態では八個)配置して、各施肥繰り出し部49を個別に支持しており、各形成体支持フレーム46は、前後方向に伸延する左右一対の左・右側フレーム形成片86,86と、両左・右側フレーム形成片86,86の後端部間に左右方向に伸延させて横架した後部フレーム形成片87とから平面視U字状に形成している。
【0059】
そして、前上部フレーム形成片83に左・右側フレーム形成片86,86の前端部を取り付けると共に、後上部フレーム形成片85に後部フレーム形成片87を取り付けている。
【0060】
また、左・右側フレーム形成片86,86の外側面中途部には、左右方向に軸線を向けたアーム支軸88,88を外側方へ突設し、各アーム支軸88に上半部形成体60を係脱自在に係止する上半部側係止アーム89の基端部と、下半部形成体61を係脱自在に係止する下半部側係止アーム90の基端部を、同軸的に枢支している。
【0061】
施肥繰り出し部49は、図6〜図12に示すように、形成体支持フレーム46の左・右側フレーム形成片86,86間に着脱自在に取り付けている。
【0062】
すなわち、上半部形成体60の左右側壁よりそれぞれ外側方へ向けて突出する上部被係止片91,91を設けると共に、下半部形成体61の左右側壁よりそれぞれ外側方へ向けて突出する下部被係止片92,92を設けている。
【0063】
このようにして、左・右側フレーム形成片86,86間に施肥繰り出し部49を配置した状態にて、上半部側係止アーム89,89を、アーム支軸88,88を中心に上方へ回動させることにより、各上半部側係止アーム89,89に設けた上半部側係止片93,93を上部被係止片91,91に前上方から係止させることができる一方、下半部側係止アーム90,90を、アーム支軸88,88を中心に後方へ回動させることにより、各下半部側係止アーム90,90に設けた下半部側係止片94,94を下部被係止片92,92に前下方から係止させることができるようにしている。
【0064】
そして、上半部側係止アーム89,89を、アーム支軸88,88を中心に下方へ回動させることにより、上部被係止片91,91から上半部側係止片93,93を係止解除させることができて、形成体支持フレーム46から上半部形成体60を取り外すことができる一方、下半部側係止アーム90,90を、アーム支軸88,88を中心に前方へ回動させることにより、前上方から係止する一方、下部被係止片92,92から下半部側係止片94,94を係止解除させることができて、形成体支持フレーム46から下半部形成体61を取り外すことができるようにしている。
【0065】
ここで、本発明では、左右方向に隣接する複数(本実施の形態では二個)の上半部形成体60,60を、上半部ユニット100として一体的に下半部形成体61,61から分離して取り外すことができるようにしている。
なお、本実施の形態では、上半部ユニット100として一体的に取り外される上半部形成体60を着脱側半部とする一方、形成体支持フレーム46に残される下半部形成体61を固定側半部としている。
【0066】
すなわち、本発明に係る本実施の形態では、左側ホッパー部ユニット54の直下方において、左右方向に隣接する二個の上半部形成体60,60を繰り出し部駆動軸65を介して一体的に連結して、二組の上半部ユニット100,100を形成すると共に、右側ホッパー部ユニット55の直下方において、左右方向に隣接する二個の上半部形成体60,60を繰り出し部駆動軸65を介して一体的に連結して、二組の上半部ユニット100,100を形成している。
【0067】
ここで、繰り出し部駆動軸65は、各上半部ユニット100を形成する上半部形成体60,60の各繰り出し部駆動機構ケース64内に、横断貫通状態に横架して、左半部側の上半部ユニット100,100同士の繰り出し部駆動軸65,65を係脱手段としての伝動クラッチ機構102を介して着脱自在に連結すると共に、右半部側の上半部ユニット100,100同士の繰り出し部駆動軸65,65をもう一つ(別個)の伝動クラッチ機構102を介して着脱自在に連結している。
【0068】
さらには、各条止めクラッチ機構69のクラッチ断続操作を行うための条止めクラッチ操作機構74を、上半部ユニット100側と装置支持フレーム45側とに分離可能に構成している。
【0069】
以下に、上記した上半部ユニット100毎に分離可能とした構成を具体的に説明する。
【0070】
すなわち、上半部ユニット100,100同士の繰り出し部駆動軸65,65を着脱自在に連動連結する伝動クラッチ機構102は、図14に示すように、一方の繰り出し部駆動軸65の一側端部に取り付けた固定側歯合体105と、他方の繰り出し部駆動軸65の一側端部に軸線方向にスライド自在に取り付けた可動側歯合体106とを、同一軸線上にて係脱自在に歯合させるように構成している。
【0071】
すなわち、固定側歯合体105は、円板状の本体107の外周縁部に、複数の歯合片108を円周方向に間隔を開けて形成している。
【0072】
そして、可動側歯合体106は、ドーナッツ板状の嵌合片109と、同嵌合片109の中央孔部に連通連設した筒状のスライド支持片110とから形成しており、嵌合片109には固定側歯合体105が対面状態にて嵌合する嵌合凹部111を形成すると共に、同嵌合凹部111の内周縁部に歯合片108と歯合する被歯合片112を形成している。
【0073】
また、可動側歯合体106は、繰り出し部駆動軸65の一側端部にスライド自在に嵌合すると共に、繰り出し部駆動軸65の一側端部に嵌合片109の外側方へのスライドを規制する規制片113と、嵌合片109を外側方へスライドさせるべく押圧弾性付勢する弾性体としての押圧スプリング114を支持するスプリング支持片115とを取り付けている。116はスプリング支持片115を係止する係止用段部である。
【0074】
このようにして、図14(a)に示すように、押圧スプリング114の押圧弾性付勢力により、固定側歯合体105に可動側歯合体106の嵌合凹部111を対面状態にて嵌合すると共に、同嵌合凹部111の被歯合片112に歯合片108を歯合させた連動連結状態を保持させることができるようにしている。
【0075】
そして、図14(b)に示すように、手動により、可動側歯合体106を、押圧スプリング114の押圧弾性付勢力に抗して、固定側歯合体105から離隔させる方向a(図14(a)参照)にスライド(後退)させると、嵌合凹部111の被歯合片112と歯合片108とが歯合された連動連結状態が解除される。
【0076】
続いて、図14(c)に示すように、連動連結状態が解除された状態にて、いずれか一方の上半部ユニット100を上方へ引き上げれば、同上半部ユニット100側の繰り出し部駆動軸65に可動側歯合体106が保持されたまま取り外すことができる。
【0077】
ここで、内側の上半部ユニット100,100に設けた繰り出し部駆動軸65,65は、図5に示す繰り出し部伝動機構117を介して走行部1のリヤアクスルケース12に連動連結しており、同繰り出し部伝動機構117の終端部には、左右方向に伸延する伝動軸118を設け、同伝動軸118の左側端部と左内側の上半部ユニット100に設けた繰り出し部駆動軸65の右側端部とを伝動クラッチ機構102を介して連動連結する一方、伝動軸118の右側端部と右内側の上半部ユニット100に設けた繰り出し部駆動軸65の左側端部とを上記とは別個の伝動クラッチ機構102を介して連動連結している。
【0078】
このようにして、繰り出し部駆動軸65,65同士、ないしは、繰り出し部駆動軸65と伝動軸118とを、それぞれ伝動クラッチ機構102を介して連動連結しているため、各伝動クラッチ機構102を介して上半部ユニット100毎に繰り出し部駆動軸65を連結解除状態となすことができる。
【0079】
しかも、前記のように構成した伝動クラッチ機構102では、専用工具を用いることなく簡単に繰り出し部駆動軸65,65同士を連結することも、又、連結を解除することもできる上に、連結解除した状態では、伝動クラッチ機構102を構成する固定側歯合体105と可動側歯合体106とが、それぞれ各繰り出し部駆動軸65,65の一側端部に保持されているため、紛失することなく、再度、連結する作業も、迅速にかつ簡単に行うことができる。
【0080】
次に、条止めクラッチ操作機構74について説明すると、同条止めクラッチ操作機構74は、図9に示すように、各装置形成体47の左側近傍位置に配設すると共に、図7に示すように、上半部形成体60に取り付けて、同上半部形成体60と一体的に分離・移動される分離・移動側操作機構形成体(着脱側半部に支持される着脱側機構形成体)120と、装置支持フレーム45に取り付けて分離・固定される分離・固定側操作機構形成体(装置支持フレーム45に支持されるフレーム側機構形成体)121とから形成している。
【0081】
すなわち、分離・移動側操作機構形成体120は、図11〜図13に示すように、繰り出し部駆動機構ケース64の左側後部に軸支部122を設け、同軸支部122に前後方向に軸線を向けたシフト片支軸123をその軸線廻りに回動自在に支持させ、同シフト片支軸123の先端部(前端部)にシフト片124を延設して、同シフト片124を条止めクラッチ機構69のスライド体70に形成した係合溝部70aに係合させる一方、シフト片支軸123の基端部(後端部)に、左右方向に伸延する被作用体としてのシフト作動アーム125の基端部(右側端部)126を取り付けている。
【0082】
そして、シフト作動アーム125は、基端部126側から先端部(左側端部)127に向けて漸次幅広に形成している。
【0083】
このようにして、図13(a)に示すように、シフト作動アーム125の先端部(左側端部)127側を下方へ回動させた下方回動姿勢(ハ)にすると、シフト片支軸123が反時計回りに回動されて、シフト片124を介してスライド体70を右側方へスライドさせ、固定側歯合片72に可動側歯号片71を歯合させて、条止めクラッチ機構69がクラッチ接続状態にシフトされるようにしている。この際、クラッチ接続状態は、押圧スプリング73の弾性付勢力により保持される。
【0084】
また、図13(b)に示すように、シフト作動アーム125の先端部(左側端部)127側を上方へ回動させた上方回動姿勢(ニ)にすると、シフト片支軸123が時計回りに回動されて、シフト片124を介してスライド体70を押圧スプリング73の弾性付勢力に抗して左側方へスライドさせ、固定側歯合片72から可動側歯号片71を歯合解除させて、条止めクラッチ機構69がクラッチ切断状態にシフトされるようにしている。
【0085】
分離・固定側操作機構形成体121は、図11〜図13に示すように、前上部フレーム形成片83より上方へ立ち上がる立ち上がり支持片128を立設し、同立ち上がり支持片128の上端部と後上部フレーム形成片85との間に、前後方向に伸延する操作支軸129をその軸線廻りに回動自在に架設し、同操作支軸129の前端部より略90度屈曲する方向に伸延させて操作体130を形成する一方、操作支軸129の後部に左右方向に伸延する連結体131を介して作用体132を連結している。
【0086】
そして、作用体132は、連結体131に沿わせて形成した基端部側形成片133と、同基端部側形成片133の先端部を前記シフト作動アーム125側に向けて伸延させて形成した先端部側形成片134とから背面視略「へ」の字状に形成しており、作用体132の先端部側形成片134の先端部は、半円弧面に形成して、シフト作動アーム125の下端面135に下方から当接すると共に、同シフト作動アーム125の下端面135に沿って円滑に摺動するようにしている。
【0087】
このようにして、図13(a)に示すように、作用体132の先端部側形成片134の先端部を、シフト作動アーム125の下端面135の中途部に下方から当接させた状態では、同シフト作動アーム125が下方に回動されて、条止めクラッチ機構69をクラッチ接続状態にシフトさせた姿勢(ハ)(非作用位置)を採るようにしている。この際、操作体130は下方へ向けて伸延した下向き姿勢(ホ)を採っている。
【0088】
また、図13(b)に示すように、操作体130を、下向き姿勢(ホ)から反時計回りに回動させて、左右方向に伸延する横向き姿勢(ヘ)を採る状態に操作すると、操作支軸129を中心にして作用体132が反時計回りに回動される。
【0089】
この際、作用体132は、先端部側形成片134の先端部が、シフト作動アーム125の下端面135の中途部に下方から当接した位置から、同シフトアーム125の下端面135の先端部に下方から当接した位置まで摺動しながら、シフト作動アーム125を下方回動姿勢(ハ)から上方回動姿勢(ニ)(作用位置)に姿勢変更させる。
【0090】
その結果、条止めクラッチ機構69は、クラッチ接続状態からクラッチ切断状態にシフトされる。
【0091】
ここで、シフト作動アーム125には、押圧スプリング73の弾性付勢力により、スライド体70→シフト片124→シフト片支軸123を介して、反時計回りの回動力が作用しており、この反時計回りの回動力は、作用体132の先端部側形成片134の先端部との当接点Pに、上方から押圧力として作用する。
【0092】
また、シフト作動アーム125の下端面135の先端部における接線S1と、作用体132の回動中心である操作支軸129の軸芯からシフト作動アーム125の下端面135に向けて伸延させた仮想線S2とが直交する点が回動分岐点Qとなる。
【0093】
すなわち、図13(b)において、回動分岐点Qよりも当接点Pが右側に位置した状態では、シフト作動アーム125が作用体132を操作支軸129を中心とする時計回りに回動させるべく押圧する一方、同回動分岐点Qよりも当接点Pが左側に位置した状態では、シフト作動アーム125が作用体132を操作支軸129を中心とする反時計回りに回動させるべく押圧する。
【0094】
そして、回動分岐点Q上に当接点Pが位置すると、シフト作動アーム125が作用体132を回動停止させるべく押圧する。
【0095】
かかる構成において、シフト作動アーム125の上方回動姿勢(ニ)では、回動分岐点Qよりも当接点Pが左側に位置して、シフト作動アーム125が作用体132を操作支軸129を中心とする反時計回りに回動させるべく押圧している。
【0096】
しかも、作用体132は、反時計回りへの回動を後述する回動規制片150により回動規制されるようにして、上記したシフト作動アーム125の押圧力とのバランスにより静止状態に保持されるようにしている。
【0097】
このように、作用体132は、被作用体としてのシフト作動アーム125に作用しない非作用位置(上方回動姿勢(ニ)以外の姿勢を採る位置)と、シフト作動アーム125に作用している作用位置(上方回動姿勢(ニ)を採る位置)との間で操作位置を変更自在となし、かつ、作用位置ではシフト作動アーム125と作用体132とがバランスして静止状態に保持されるようにしている。
【0098】
また、本発明では、複数(本実施の形態では左右方向に隣接する二個)の条止めクラッチ機構69,69を同時に操作するための複数クラッチ操作機構としてのユニットクラッチ操作機構140を合計四個設けている。
【0099】
すなわち、ユニットクラッチ操作機構140は、図10、図12及び図13に示すように、前記した分離・固定側操作機構形成体121の一部を構成する操作支軸129の後端部に、左右方向に伸延する作動体141の基端部(左側端部)148を取り付け、同作動体141の先端部(右側端部)149に操作ワイヤ142の先端部を連動連結すると共に、左右方向に隣接する二本の操作ワイヤ142,142を、ユニットクラッチ操作手段(図示せず)により同時に操作して、上半部ユニット100の条止めクラッチ機構69,69を同時にクラッチ切断・接続操作することができるようにしている。
【0100】
ここで、操作ワイヤ142は、アウタワイヤ143と、同アウタワイヤ143中に挿通したインナワイヤ144とからなるプッシュプルワイヤを使用しており、後上部フレーム形成片85に立設したアウタ受け体145にアウタワイヤ143の先端部146を固定し、同アウタワイヤ143の先端部より突出させたインナワイヤ144の先端部147を作動体141の先端部に係止して連結している。
【0101】
そして、作動体141の下端面の基端部には、下方へ伸延しかつ後方へ伸延して側面視L字状に形成した回動規制片150を設けており、同回動規制片150は、作動体141が反時計回りに回動されると、同作動体141と一体的に反時計回りに回動されて、後上部フレーム形成片85に下方から当接し、同作動体141の反時計回りへの回動を規制するようにしている。
【0102】
このようにして、図13(a)に示すように、クラッチ接続状態において、作動体141は、先端部149が基端部148よりも下方に位置する傾斜姿勢を採っており、ユニットクラッチ操作手段によりクラッチ切断操作がなされると、インナワイヤ144が引張されて、作動体141の先端部149が、図13(b)に示すように、基端部148よりも上方に位置する傾斜姿勢に変更されると共に、回動規制片150が後上部フレーム形成片85に下方から当接して、同作動体141の反時計回りへの回動を規制する。
【0103】
この際、作動体141には、操作支軸129を介して作用体132が連動連結されており、同作用体132が前記したようにシフト作動アーム125を上方回動姿勢(ニ)に姿勢変更させて、条止めクラッチ機構69をクラッチ切断状態となすようにしている。
【0104】
この時、作動体141に連動して作動する作用体132は、非作用位置と、シフト作動アーム125とバランスして静止状態に保持される前の作用位置との間で作動するようにしており、条止めクラッチ機構69をクラッチ切断状態となす作動位置にはあるものの、シフト作動アーム125とはバランスせずに静止状態に保持されない作動位置にて回動停止されるようにしている。
【0105】
また、ユニットクラッチ操作手段によりクラッチ接続操作がなされると、インナワイヤ144が下方へ押し出されて、作動体141の先端部149が、前記したクラッチ切断操作時とは反対に動作して、条止めクラッチ機構69をクラッチ接続状態となすようにしている。
【0106】
この際、作動体141は、シフト作動アーム125とはバランスせずに静止状態に保持されない作動位置から復帰動作されるため、スムーズに復帰動作がなされて、条止めクラッチ機構69を確実にクラッチ接続状態となすことができる。
【0107】
(施肥ホース部50の説明)
施肥ホース部50は、図1に示すように、前記したホース部接続ケース76の先端部(後端部)に、可撓性のホース部本体154の基端を接続すると共に、同ホース部本体154の先端を植付部2に設けた作溝器155に接続して、同作溝器155により作溝された施肥溝(図示せず)まで施肥繰り出し部49より繰り出される一定量の肥料を案内するようにしている。
【0108】
(施肥圧送部51の説明)
施肥圧送部51は、図2〜図4及び図6に示すように、左右方向に伸延する管状の圧送流路形成体156と、同圧送流路形成体156の左側端部に連通連設したファンケーシング体157と、同ファンケーシング体157内に設けた圧送ファン(図示せず)を駆動する電動式のファン駆動用モータ158とを具備している。
【0109】
そして、圧送流路形成体156は、前後一対の下部フレーム形成片80,81間に連結板体159,159を介して取り付けると共に、各ホース部接続ケース76の基端部(前端部)に連通連結している。
【0110】
このようにして、ファン駆動用モータ158により圧送ファンを駆動して、同圧送ファンより生起される圧送風を、ファンケーシング体157→圧送流路形成体156→ホース部接続ケース76→施肥ホース部50に圧送して、同施肥ホース部50を通して施肥が行えるようにしている。
【0111】
〔植付部2の説明〕
植付部2は、図1に示すように、植付ケース160の下方にセンタフロート161とサイドフロート162,162を配設すると共に、植付ケース160の上方に苗載台163を配設しており、サイドフロート162,162には、前記した作溝器155,155を設けて、同作溝器155,155により施肥溝を作溝するようにしている。164は植付爪である。
【0112】
〔昇降リンク機構3の説明〕
昇降リンク機構3は、図1に示すように、トップリンク170と、左右一対のロワリンク171,171と、これらリンク170,171,171を昇降作動させる昇降用油圧シリンダ(図示せず)とを具備して、走行部1の後方に植付部2を昇降可能に連結している。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明に係る乗用田植機の側面図。
【図2】施肥装置の正面説明図。
【図3】同施肥装置の平面説明図。
【図4】同施肥装置の背面説明図。
【図5】同施肥装置の繰り出し部駆動軸の平面説明図。
【図6】同施肥装置の側面説明図。
【図7】同施肥装置の上半部形成体の分離説明図。
【図8】装置形成体の正面説明図。
【図9】同装置形成体の平面説明図。
【図10】同装置形成体の背面説明図。
【図11】条止めクラッチ機構のクラッチ切断状態の説明図(a)とクラッチ接続状態の説明図(b)。
【図12】条止めクラッチ操作機構の平面説明図(a)と側面説明図(b)。
【図13】同条止めクラッチ操作機構の動作説明図。
【図14】伝動クラッチ機構の動作説明図。
【符号の説明】
【0114】
A 乗用田植機
M 施肥装置
1 走行部
2 植付部
3 昇降リンク機構
4 機体フレーム
5 原動機部
6 運転部
7 ミッションケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行部の後方に植付部を連結すると共に、同走行部の後部に施肥装置を載設し、
施肥装置は、走行部に装置支持フレームを介して複数の装置形成体を左右方向に間隔を開けて配置すると共に、
各装置形成体は、肥料を収容する施肥ホッパー部と、同施肥ホッパー部内の肥料を一定量ずつ繰り出す施肥繰り出し部と、同施肥繰り出し部より繰り出される一定量の肥料を植付部まで案内する施肥ホース部とを具備する乗用田植機において、
各施肥繰り出し部は、装置支持フレームに固定した固定側半部と、同固定側半部に着脱自在に取り付けた着脱側半部とから形成すると共に、左右方向に隣接する複数の着脱側半部は、一ユニットとして一体的に着脱可能となしたことを特徴とする乗用田植機。
【請求項2】
一ユニットを形成する複数の着脱側半部に、左右方向に伸延する繰り出し部駆動軸を横断貫通状態に設けると共に、左右に隣接する各ユニットの繰り出し部駆動軸の端部同士は、係脱手段を介して係脱自在に連動連結したことを特徴とする請求項1記載の乗用田植機。
【請求項3】
係脱手段は、一方の繰り出し部駆動軸の端部に固定させて設けた固定側歯合体と、他方の繰り出し部駆動軸の端部において、軸線方向に進退自在に取り付けた可動側歯合体と、同可動側歯合体を進出方向に弾性付勢して固定側歯合体に歯合・保持させる弾性体とを具備することを特徴とする請求項2記載の乗用田植機。
【請求項4】
可動側歯合体は、弾性体の弾性付勢力に抗して手動により後退させて、固定側歯合体との歯合を解除可能としたことを特徴とする請求項3記載の乗用田植機。
【請求項5】
可動側歯合体と弾性体は、他方の繰り出し部駆動軸の端部に取り付けると共に、一方の繰り出し部駆動軸との連結を解除した状態においても、他方の繰り出し部駆動軸の端部に保持されるようにしたことを特徴とする請求項3又は4記載の乗用田植機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−68471(P2007−68471A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−259784(P2005−259784)
【出願日】平成17年9月7日(2005.9.7)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】