説明

乾燥モルタル配合物のための再分散可能な粉体組成物

【課題】標準乾燥モルタル配合物、例えば、セメント質結合タイル接着剤に添加されうる改変用組成物(すなわち、改変剤組成物)であって、標準乾燥モルタル配合物に少なくとも増大したオープンタイム、硬化した乾燥モルタル配合物の同じ時間での少なくとも許容可能な機械的強度を付与する改変剤組成物を提供する。
【解決手段】水に再分散可能なポリマー粉体と(メタ)アクリル酸ポリマーとを別の粒子状化合物として含む、乾燥モルタル配合物を改変するための組成物(すなわち、改変剤組成物)、および、a)標準乾燥モルタル配合物を提供する工程、b)改変剤組成物の化合物が個々にもしくは組み合わせて標準乾燥モルタル配合物に混合されうる、た改変剤組成物を標準乾燥モルタル配合物に混合する工程:を含む、改変された乾燥モルタル配合物を製造する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥モルタル配合物、特にセメント質結合タイル接着剤(CBTA)の製造に使用するための再分散可能な粉体組成物に関する。本発明は、さらに当該再分散可能な粉体組成物を含む乾燥モルタル配合物に関する。さらに、本発明は、硬化した乾燥モルタル配合物の機械的強度を悪化させることなく乾燥モルタル配合物のオープンタイムを増大させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
接着剤は、住居用および商業用建物の床もしくは壁上にタイルを設置するために使用される。局所的な建築技術、地域におけるニーズおよび建築における伝統に応じて、原料の選択および性能基準、並びに接着剤を試験するための基準およびガイドラインは国によって異なっている場合がある。
【0003】
言及された相違以外には、重要な性能基準は、あらゆる場合において、引張接着強さ、オープンタイムおよび耐スリップ性である。特に延長したオープンタイムは、タイル貼りのための、並びに他の乾燥モルタル用途のためのセメントベースのタイル接着剤についての鍵となる特徴である。モルタルについての延長したオープンタイムは、乾燥気候領域において、風の当たる条件が多くの場合主流である屋外用途でタイルを取り付ける際に、およびグラウトラインを調節するのにより多くの時間を必要とする非常に大きなサイズのタイルを取り付ける際に非常に望ましい。一方、基体がより多孔性になり、かつタイルがより吸収性になればなるほど、設置者がタイルを貼り付けなければならない時間はより短くなる。典型的なモルタルは結合の喪失をもたらしうるが、延長したオープンタイム特性を有するタイル接着剤は設置者に最適な接着を達成するのに必要な時間を与えるであろう。
【0004】
しかし、CBTAのみが関係しているわけではない。上述の事項は、原則として、スリップが問題となる、例えば、生成物が垂直な基体上に適用される全ての乾燥モルタル配合物に当てはまる。よって、手作業または機械的に適用される石膏プラスター、セメントレンダー(cement renders)、耐水膜、ETICS(=外断熱複合材料システム)のような断熱システム用鉱物コーティングも関係している。
【0005】
欧州特許出願公開第1498446A1号は、ビニルエステル、塩化ビニル、(メタ)アクリラートモノマー、スチレン、ブタジエンおよびエチレンをベースにした水に再分散可能なポリマー粉体組成物、並びに水硬性接着剤における、例えば、断熱複合材料系モルタルにおける、およびセメントベースのタイル接着剤におけるバインダーとしてのその使用に関し、そのような再分散可能な粉体の添加はモルタルの水保持容量を増大させ、膜形成による蒸発を低減させ、そして追加のバインダーとして、硬化したモルタルの機械的強度を増大させる。欧州特許出願公開第1498446A1号は改良された水に再分散可能なポリマー粉体組成物を開示し、これは硬化したモルタルの機械的強度をさらに増大させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1498446A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明によって取り組まれる課題は、少なくとも増大したオープンタイムを有し、硬化した乾燥モルタル配合物の少なくとも許容可能な機械的強度、例えば、引張接着強さを有する乾燥モルタル配合物、例えば、セメント質結合タイル接着剤を提供することであった。本発明により取り組まれるさらなる課題は、標準乾燥モルタル配合物、例えば、セメント質結合タイル接着剤に添加されうる改変用組成物(すなわち、改変剤組成物)であって、標準乾燥モルタル配合物に少なくとも増大したオープンタイム、硬化した乾燥モルタル配合物の同じ時間での少なくとも許容可能な機械的強度を付与する改変剤組成物を提供することであった。
【0008】
本発明者は、標準乾燥モルタル配合物に添加される場合に、再分散可能なポリマー粉体と組み合わされた少なくとも特定の種類の超可塑剤、すなわち(メタ)アクリル酸ポリマーおよびその誘導体が、硬化した乾燥モルタル配合物の引張接着強さを悪化させることなくその乾燥モルタル配合物のオープンタイムを効果的に増大させることを見いだした。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の形態においては、水に再分散可能なポリマー粉体と(メタ)アクリル酸ポリマーとを別の粒子状化合物として含む、乾燥モルタル配合物を改変するための組成物(すなわち、改変剤組成物)が提供される。
本発明の第2の形態においては、水に再分散可能なポリマー粉体と(メタ)アクリル酸ポリマーとを別の粒子状化合物として含む組成物の、標準乾燥モルタル配合物のための改変剤組成物としての使用が提供される。
本発明の第3の形態においては、水に再分散可能なポリマー粉体と(メタ)アクリル酸ポリマーとを別の粒子状化合物として含む改変剤組成物と、標準乾燥モルタル配合物とを含む改変された乾燥モルタル配合物が提供される。
本発明の第4の形態においては、a)標準乾燥モルタル配合物を提供する工程;およびb)本発明に従った改変剤組成物の化合物が個々にもしくは組み合わせて標準乾燥モルタル配合物に混合されうる、本発明に従った改変剤組成物を標準乾燥モルタル配合物に混合する工程:を含む、改変された乾燥モルタル配合物を製造する方法が提供される。
本発明の第5の形態においては、a)標準乾燥モルタル配合物を提供する工程;b)本発明に従った改変剤組成物の化合物が個々にもしくは組み合わせて標準乾燥モルタル配合物に混合されうる、本発明に従った改変剤組成物を標準乾燥モルタル配合物に混合する工程;c)改変された乾燥モルタル配合物に水を混合する工程;並びに、d)水を含む改変された乾燥モルタル配合物を標準の方法で処理する工程:を含む、硬化したときに乾燥モルタル配合物の引張接着強さを悪化させることなく乾燥モルタル配合物のオープンタイムを増大させる方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
超可塑化効果を有すること、すなわち、例えば、バインダー組成物に添加される場合にバインダー組成物の流動性を増大させる効果を有することが知られており、よって超可塑剤として通常使用される物質の組み込みが、水に再分散可能なポリマー粉体および好ましくは潜在的な水硬性鉱物バインダーを含む乾燥モルタル配合物のオープンタイムを増大させるだけでなく、硬化後のCBTAの同じ時間での機械的強度に対して悪影響を及ぼさず、またはさらにはよい効果をもたらすことは驚くべきことである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
可塑剤、超可塑剤(superplasticizers)、液化剤(liquefiers)、減水剤(water reducers)または分散剤はバインダー粒子を分散させ、それらが添加されるバインダー材料(セメントもしくは石膏)の流動性を増大させる添加剤である。コンクリートのための配合物におけるそれらの使用は何年にもわたって周知であり;それらは水−セメント比を低減させ、作業性、レオロジー(ポンプ能力)およびそれが固化した後の最終生成物の圧縮強度を向上させるために使用される。超可塑剤は、その混合物の流動性を増大させ、水の使用を低減させ、よって壁板の乾燥のためのエネルギーを低減させるために壁板に対しても使用される。超可塑剤は乾燥モルタル混合物、例えば、自己平坦化下地、スクリードおよびコテ塗り化合物の成分でもあり、作業性、自由流動能力を可能にする表面の滑らかさ、並びに自己修復特性を向上させる。
【0012】
可塑剤および超可塑剤はリグノスルホナート、例えば、粉体(Na塩、Ca塩もしくはアンモニウム塩)もしくは液体、またはカゼインのような天然産物から選択されうる。それらは合成品からも選択されうる。合成的に製造された超可塑剤は、一般にスルホン化ナフタレン縮合体(スルホナートホルムアルデヒド、BNS)もしくはスルホン化メラミンホルムアルデヒド(ポリメラミン−ホルムアルデヒド−スルフィド、PMS)、またはポリカルボキシラートエーテルから製造された重縮合体の群に属する。
【0013】
本発明において改質剤組成物における化合物として使用される「超可塑剤」、すなわち(メタ)アクリル酸ポリマーは好ましくは水溶性もしくは水分散性ポリマー、コポリマーまたはターポリマーである。これらは好ましくはポリ(メタ)アクリル酸もしくはその誘導体、または少なくとも(メタ)アクリル酸モノマーと1種以上のさらなるエチレン性不飽和モノマーとのコポリマーもしくはターポリマー(または、その誘導体)である。対応する塩も用語「(メタ)アクリル酸ポリマー」の範囲に含まれる。用語「(メタ)アクリル」とはアクリルもしくはメタクリルまたはその両方の混合物を意味する。
【0014】
超可塑剤は典型的には(メタ)アクリル酸コポリマー、好ましくは(メタ)アクリル酸(すなわち、アクリル酸、メタクリル酸、もしくはこれらの組み合わせ)とポリアルキレンオキシド単位を含むエチレン性不飽和モノマーの少なくとも1種とを含むコポリマーである。より好ましくは、(メタ)アクリル酸コポリマーは(メタ)アクリル酸と、ポリアルキレンオキシド単位を含むエチレン性不飽和モノマーの少なくとも1種と、任意のさらなる種類のエチレン性不飽和コモノマーとのコポリマーである。用語、(メタ)アクリル酸コポリマーとは、コポリマーの脱プロトン化および部分的脱プロトン化形態、すなわち、それらの塩、例えば、それらのナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩を含む。
【0015】
より具体的には、(メタ)アクリル酸コポリマーは重合形態の以下のものを含む:
(a)アクリル酸およびメタクリル酸から選択される1種以上の(メタ)アクリル酸モノマー;
(b)式(I):
−Y−(R−O)−R
(式中、Rはビニル、アリル、アクリロイルもしくはメタクリロイルであり、好ましくはRは(メタ)アクリロイルであり;
YはO、S、PHもしくはNHであり、好ましくはYはOであり;
は線状もしくは分岐でありうるC〜Cアルキレンであり、各RはR−Y−(R−O)−Rの1分子内で同じかまたは異なっていてよく、好ましくはRはエチレンであり;
Xは10〜500、好ましくは100〜300の整数であり;並びに
はH、脂肪族(環式脂肪族も含む)、芳香族、もしくは脂肪族芳香族炭化水素基であり、好ましくはRはC〜C30脂肪族基、またはC〜C30芳香族基であり、より好ましくはC〜C30芳香族基、例えば、フェニルである)
に従った1種以上のエチレン性不飽和ポリアルキレンオキシドモノマー;並びに
(c)場合によって、モノマー(a)および(b)とは異なる、1種以上のエチレン性不飽和コモノマー、好ましくはスルホン酸基のような硫黄含有部分を含むエチレン性不飽和コモノマー。好適な任意のコモノマー(c)の例は(メタ)アリルスルホン酸である。
【0016】
モノマー(a)および(b)の双方はそれぞれ互いに独立して1〜99重量%、例えば、5〜95重量%の量で存在しうる。好ましくはモノマー(a)は10〜93重量%の量で存在しうる。好ましくはモノマー(b)は1.5〜30重量%の量で存在しうる。任意のモノマー(c)は0〜60重量%、好ましくは0〜30重量%の量で存在しうる。これらの量は対象となっているプロトン化モノマーおよびプロトン化コポリマーに基づいて計算される。
【0017】
好ましい(メタ)アクリル酸ポリマーは典型的には、DIN51757に従い200〜600g/lの嵩密度、およびDGF H−III1に従う水中5%溶液中で測定して5.5〜8.5のpHを有する。このような(メタ)アクリル酸ポリマーの商業的に入手可能な例は、マイティー(Mighty登録商標)シリーズ(花王ケミカルズ)、特にメタクリル酸もしくはその塩とアリール末端ポリエチレングリコールメタクリラートとのコポリマーを含み、このポリエチレングリコール単位が約170単位を有するマイティー21PSN、並びにマイティー21PSDのポリマーである。
【0018】
本発明に従う改質剤組成物中に存在する(メタ)アクリル酸ポリマーの量は再分散可能なポリマー粉体の重量を基準にして0.5〜30%、好ましくは1.0〜20%、最も好ましくは2〜15%の範囲であるべきである。
【0019】
乾燥混合モルタルにおける水に再分散可能なポリマー粉体の使用は一般的であり、種類および添加割合に応じて、いくつかの特性のうちで二、三のみを挙げると、全ての種類の基体上への接着性、モルタルの変形性、曲げ強度および耐摩耗性を向上させることが知られている。
【0020】
本発明における化合物として使用される水に再分散可能なポリマー粉体は改変剤組成物もしくは改変された乾燥モルタル配合物に対してそれぞれ、おそらくは匹敵する硬化を有する。ポリマー粉体は、非分岐もしくは分岐のC〜C15アルキルカルボン酸のビニルエステル、C〜C15アルコールの(メタ)アクリルエステル、ビニル芳香族、オレフィン、ジエンおよびハロゲン化ビニルの群から選択される1種以上のモノマーのホモポリマーおよび/またはコポリマーおよび/またはターポリマーから選択される1種以上の化合物を含む。
【0021】
好適なホモポリマーおよびコポリマーの例は酢酸ビニルホモポリマー、酢酸ビニルとエチレンとのコポリマー、酢酸ビニルとエチレンと1種以上のさらなるビニルエステルとのコポリマー、酢酸ビニルとエチレンとアクリルエステルとのコポリマー、酢酸ビニルとエチレンと塩化ビニルとのコポリマーである。スチレンアクリルエステルコポリマーおよびスチレン−1,3−ブタジエンコポリマー。
【0022】
酢酸ビニルホモポリマー;酢酸ビニルと1〜40重量%のエチレンとのコポリマー;酢酸ビニルと、エチレン1〜40重量%と、カルボン酸基に1〜12個の炭素原子を有するビニルエステル、例えば、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、9〜13個の炭素原子を有するa−分岐カルボン酸のビニルエステル、例えば、VeoVa9登録商標、VeoVa10登録商標、VeoVa11登録商標からなる群から選択される1種以上のさらなるコモノマー1〜50重量%とのコポリマー;酢酸ビニルと、エチレン1〜40重量%と、好ましくは1〜15個の炭素原子を有する非分岐もしくは分岐アルコールのアクリルエステル、特に、アクリル酸n−ブチル、もしくはアクリル酸2−エチルヘキシル1〜60重量%とのコポリマー;並びに、酢酸ビニル30〜75重量%と、ラウリン酸ビニルもしくは9〜11個の炭素原子を有するa−分岐カルボン酸のビニルエステル1〜30重量%と、および1〜15個の炭素原子を有する非分岐もしくは分岐アルコールの非環式エステル、特にアクリル酸n−ブチル、またはアクリル酸2−エチルヘキシル1〜30重量%と、および追加的にエチレン1〜40重量%とを含むコポリマー;酢酸ビニルと、エチレン1〜40重量%と、塩化ビニル1〜60重量%とを含むコポリマーが好まれ;言及される補助モノマーは、それぞれの場合において、合計で100重量%となる特定の量および重量パーセンテージでポリマー中に存在することもできる。
【0023】
(メタ)アクリルエステルポリマー、例えば、アクリル酸n−ブチルもしくはアクリル酸2−エチルヘキシルのコポリマー、またはメタクリル酸メチルとアクリル酸n−ブチルおよび/またはアクリル酸2−エチルヘキシルとのコポリマー;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルからなる群からの1種以上のモノマーを含むスチレン−アクリルエステルコポリマー;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルおよび所望の場合にはエチレンからなる群からの1種以上のモノマーを含む酢酸ビニル−アクリルエステルコポリマー;スチレン−1,3−ブタジエンコポリマー;も好ましく、言及される補助モノマーは、それぞれの場合において、合計で100重量%となる特定の量および重量パーセンテージでポリマー中に存在することもできる。
【0024】
モノマーおよびコモノマーの重量比は一般的に、−50℃〜+50℃、好ましくは−30℃〜+40℃のガラス転移温度がもたらされる様に選択される。ポリマーのガラス転移温度Tgは示差走査熱量測定(DSC)の手段による既知の方法で決定されうる。Tgはフォックス式の手段によって事前に概略的に計算されることもできる。T.G.Fox,BULL.AM:Physics SOC.1,3、ページ123(1956)に従うと;1/Tg=X1/Tg1+X2/Tg2+...+xn/TgN、式中、xnはモノマーnの重量分率(重量%/100)およびTgnはモノマーnのホモポリマーのケルビンでのガラス転移温度である。ホモポリマーについてのTg値はポリマーハンドブック第2版J.Wilev&Sons.ニューヨーク(1975)に記載されている。
【0025】
水に再分散可能なポリマー粉体は、例えば、上記ホモポリマーおよび/またはコポリマーに基づく水ベースの分散物の噴霧乾燥技術によって製造される。水に再分散可能なポリマー粉体は保護コロイドおよび抗ブロッキング(antiblocking)剤から選択される1種以上の化合物を含むことができる。欧州特許出願公開第1498446A1号はこのような水に再分散可能なポリマー粉体を製造する方法および例を開示する。
【0026】
上記用語「別の粒子状化合物として」とは、本発明に従う組成物の化合物、すなわち、水に再分散可能なポリマー粉体および(メタ)アクリル酸ポリマー、並びに任意のさらなる化合物が任意の順に乾燥ブレンドされて、必須の化合物を少なくとも含む乾燥粒子状ブレンドを生じさせることを意味する。好ましくは、化合物はブレンドの前に別々の形態で提供される。しかし、化合物は純粋な形態で提供されることは必須ではなく、各化合物は追加の任意成分を含む組成物として提供されてもよい。用語「別の粒子状化合物として」の理解のための決め手となるのは、複数の化合物がブレンド前に互いに反応しておらず、かつ水の非存在下で互いに反応しないであろうことである。いずれの化合物も他の化合物の1つのマトリックス(ポリマー)に埋め込まれていないことも意味する。
【0027】
乾燥モルタル配合物を改変するための組成物は、潜在的水硬性鉱物バインダー(例えば、ポゾラン)の群から選択される1種以上の化合物を追加的に含むことができる。潜在的水硬性鉱物バインダー(例えば、ポゾラン)の存在は特定の貯蔵条件下での引張接着強さに対する良い影響を有しうる。「潜在的水硬性鉱物バインダー」は、活性化剤、例えば、アルカリ物質の存在下でのみ硬化する水硬性鉱物バインダーである。
【0028】
好ましい潜在的水硬性鉱物バインダーとしてポゾランが使用される。本明細書において使用される場合、「ポゾラン」とは、それ自体がバインダーとして機能できないが、水およびライムと一緒になって、セメント様特性を有する水不溶性化合物を形成する、シリカ含有、またはシリカおよびアルミナ含有天然もしくは合成材料をいう。天然ポゾランと合成ポゾランとの間での区別がなされる。天然ポゾランには、火山由来のガラス富化灰および岩石、例えば、軽石、トラス(微粉砕凝灰岩)、サントリンアース(Santorin earth)、珪藻土、角岩(ケイ石)、チャートおよびモラーアース(moler earth)が挙げられる。合成ポゾランには、焼成、粉砕クレイ(粉砕レンガ)、石炭火力発電所からの灰のようなフライアッシュ、シリカダスト、オイル頁岩アッシュ(オイル頁岩=瀝青石灰含有頁岩)および焼成カオリン(メタカオリン)が挙げられる。
【0029】
本発明の組成物において化合物として使用される好ましいポゾランは、軽石、トラス、サントリンアース、珪藻土、角岩、チャート、モラーアース粉砕物、レンガ、フライアッシュ、シリカダスト、オイル頁岩アッシュ、およびメタカオリンからなる群から選択される。
【0030】
本発明に従った組成物中のポゾランの量は、再分散可能なポリマー粉体の重量を基準にして典型的には5〜50%、好ましくは10〜40%、より好ましくは12〜30%である。再分散可能なポリマー粉体の量を決定する目的のためには、RDPのあらゆる最終的に存在する添加剤は除かれる。
【0031】
本発明に従った組成物は追加的に、1種以上の水溶性もしくは少なくとも水膨潤性の多糖、例えば、ペクチン、グアーガム、グアーエーテルのようなグアー誘導体、アラビアガム、キサンタンガム、冷水可溶性デンプン、デンプンエーテルのようなデンプン誘導体、キチン、セルロース、およびセルロース誘導体を含むことができる。これらの化合物は水保持助剤としておよびレオロジー改変剤(増粘剤)として機能する。本発明に従って、イオン性多糖および非イオン性多糖またはこれらの誘導体、特に熱凝集点を有するセルロースエーテルおよび熱凝集点を有しないセルロースエーテルが使用されうる。
【0032】
増粘剤の任意の添加は、特に、RDP−MCブレンドの増大した添加割合が使用される場合に、本発明の意図した効果に害を及ぼしうる増粘性および/またはレオロジー性能をもたらしうる。よって、本発明の組成物に多糖を任意的に添加する場合には注意が払われなければならない本発明の核となる概念はRDPおよび超可塑剤のブレンド、またはRDP、超可塑剤およびポゾランのような潜在的水硬性バインダーのブレンドの使用である。これらの生成物はさらに高い用量でさえ、過剰に増大した増粘を導かないことが重要である。
【0033】
本発明に従った改変剤組成物は乾燥モルタル配合物に使用されることが特に意図される。組成物は乾燥モルタル配合物を製造する際に乾燥モルタル配合物の成分に混合されうる。あるいは、本発明に従った組成物は、本発明に従った改変剤組成物を最初に含まない標準乾燥モルタル配合物に後で添加されうる。よって、本発明の内容は、単一包装ユニットで包装される場合における、乾燥モルタル配合物を改変するための組成物でもある。このような単一包装ユニットは標準乾燥モルタル配合物とは別に販売されることができる。
【0034】
本発明の別の実施形態においては、組成物からの少なくとも1種の化合物は第1の包装ユニットに別個に包装され、一方、この組成物からの残りの化合物は第2の包装ユニットに包装される。これは、少なくとも2種の異なる化合物もしくは組成物がそれぞれ少なくとも1つの包装ユニットに包装され、複数の包装ユニットに包装される化合物もしくは組成物をあわせたものが上述のような本発明の改変剤組成物に対応する、少なくとも2種の異なる化合物もしくは組成物を含むキットである。この2以上の包装ユニットは標準乾燥モルタル配合物とは別個に販売されることができる。例えば、このキットの1実施形態は以下のものであり得る:包装ユニットの少なくとも1つに潜在的水硬性鉱物バインダー(例えば、ポゾラン)が包装され、並びにこのポゾランを含まない包装ユニットの少なくとも1つに水に再分散可能なポリマー粉体および/または超可塑剤(例えば、(メタ)アクリル酸ポリマー)が包装される。
【0035】
本発明のさらなる内容は標準乾燥モルタル配合物のための改変剤組成物としての組成物の使用である。本発明の改変剤組成物が添加されうる標準乾燥モルタル配合物は少なくともセメントを含む。意図される用途に応じかつ当業者に知られている様に、さらなる成分が添加されうる。
【0036】
すでに上述したように、本発明に従った改変された乾燥モルタル配合物は標準乾燥モルタル配合物および上で詳細に特定された改変剤組成物を含む。好ましくは、改変剤組成物は、改変された乾燥モルタル配合物の重量を基準にして0.3〜40%、好ましくは0.4〜30%、より好ましくは0.5〜15%の量で存在する。
【0037】
本発明は、改変された乾燥モルタル配合物を製造する方法も提供する。この製造方法はa)標準乾燥モルタル配合物を提供する工程;およびb)上記詳細に特定された改変剤組成物の化合物が個々にもしくは組み合わせて標準乾燥モルタル配合物に混合されうる、上記詳細に特定された改変剤組成物を標準乾燥モルタル配合物に混合する工程:を含む。好ましくは、改変剤組成物は、改変された乾燥モルタル配合物の重量を基準にして0.3〜40%、好ましくは0.4〜30%、より好ましくは0.5〜15%の量で存在する。
【0038】
本発明に従って改変された乾燥モルタル配合物を製造する際に、改変剤組成物中の必須のおよび任意の化合物の相対量は、最終的な改変された乾燥モルタル配合物に必要とされる全量に合わせられるべきである。標準乾燥モルタル配合物中にすでに存在する化合物の量を踏まえると、好適な量の必須のおよび任意の化合物を含む改変剤組成物を調製することは当業者の知識の範囲内のことである。例えば、標準乾燥モルタル配合物がセルロースエーテル添加剤をすでに含む場合には、追加の量のセルロースエーテルが本発明に従った改変剤組成物に必ず添加される必要があるわけではない。最終的な改変された乾燥モルタル配合物中の様々な化合物の合計量は、当業者の知識およびルーチン試験に基づいて当業者によって特定されうる好適な範囲内であるべきである。
【0039】
最終的には、上述のように、本発明は、硬化の際の乾燥モルタル配合物の引張接着強さを悪化させることなく、乾燥モルタル配合物のオープンタイムを増大させる方法を提供する。オープンタイムを増大させる方法は、a)標準乾燥モルタル配合物を提供する工程;b)上で詳細に特定された改変剤組成物の化合物が個々にもしくは組み合わせて標準乾燥モルタル配合物に混合されうる、上で詳細に特定された改変剤組成物を標準乾燥モルタル配合物に混合する工程;c)改変された乾燥モルタル配合物に水を混合する工程;並びに、d)水を含む改変された乾燥モルタル配合物を標準の方法で処理する工程:を含む。好ましくは、改変剤組成物は、改変された乾燥モルタル配合物の重量を基準にして0.3〜40%、好ましくは0.4〜30%、より好ましくは0.5〜15%の量で存在する。
【0040】
好ましくは、上で言及された方法の双方の工程b)において、改変剤組成物の化合物はあらかじめ準備された組成物の形態で組み合わせて混合され、このあらかじめの準備は任意の順に乾燥粒子状化合物をブレンドする工程を含む。
【0041】
以下の実施例においては、ある標準のおよび本発明に従って改変された乾燥モルタル配合物が、その特性のいくつかについて、すなわち、その耐スリップ性、引張接着強さおよびオープンタイムに関して試験された。この文脈中で、以下の背景情報が与えられる:
【0042】
欧州標準DIN EN12004およびDIN EN12002(国際標準ISO13007)は、タイルのための接着剤についての様々な性能基準を定義する。標準EN12004は全てのセラミックタイル接着剤、すなわち、セメント質(C)、分散物(D)および反応樹脂(R)接着剤についての性能要求の値を特定する。それぞれの種類は標準(タイプ1)もしくは改良(タイプ2)特性を有する2つのクラスに分けられうる。標準DIN EN12002はセメント質モルタルおよびグラウトの変形性を特定する。
【0043】
セメント質タイル接着剤(C)は引張接着強さ(DIN EN12004)および変形性(DIN EN12002)の観点から評定され分類される。引張接着強さは4つの異なる貯蔵条件について試験される。要件に応じて、セメント質タイル接着剤は、それぞれ、0.5N/mmの最小値を達成するC1として、または少なくとも1.0N/mmの接着強さのC2として分類される。この分類は以下の追加の特性を伴う:F=促進した硬化を伴うモルタル、T=低減したスリップを伴うモルタル、E=延長したオープンタイムを伴うモルタル、およびS=変形性(S1)または高度に変形性(S2)の接着剤。
【0044】
欧州標準EN12004およびEN12002の導入は、耐スリップ性、接着強さ、オープンタイムおよび横断変形(クラスS1およびS2)についてのクラスC1およびC2のセメントベースのタイル接着剤についての品質カテゴリーをもたらした。EN12004およびEN12002に従って特定されるセメント質タイル接着剤についての技術的要求は表1に概略的に示される。
【0045】
様々な貯蔵条件の後での高い接着強度は別にして、オープンタイムは重要な要因であり、適用された接着剤にタイルが埋め込まれることができ、特定の引張接着強さ要求を満たすことができる適用後の最大時間間隔として、試験標準EN1346において定義される。モルタルの最大オープンタイムは、最終的な接着強さにおける主たる損失なしにタイルが貼られうる最も遅い時点をいう。28日後に、標準接着剤について20分以上の埋め込み時間の後での0.5N/mm;速硬化性モルタルについて10分以上の埋め込み時間の後での少なくとも0.5N/mm;および高品質タイル接着剤についての30分以上の埋め込み時間の後での少なくとも0.5N/mmの最小要求で、引き剥がし(pull off)強さが決定される。EN−標準に従って、延長したオープンタイムについての最小要求は標準オープンタイムについて20分後に0.5N/mmから延長オープンタイムを有する接着剤について30分まで上昇させられる。
【0046】
【表1】

【0047】
1)EN12004に従う貯蔵条件は以下の通りである:標準=28日間、23℃;水=7日間23℃+21日間水浸漬;加熱=14日間23℃+14日間70℃+1日間23℃;霜=7日間23℃+21日間水浸漬+25回の霜−霜融解サイクル、EN1348に従う;4種の貯蔵条件(場合によって、加熱および霜−霜融解コンディショニング;「NPD=性能決定されなかった」として表示)。
2)EN12002に従う。
【実施例】
【0048】
本発明に従うセメント質タイル接着剤の性能は、水−固形分比を変えることなく、超可塑剤を乾燥モルタルに添加する、および添加しない様々な配合物を比較することによって検討された。
表2および3において、参照としておよび本発明に従って試験された配合物がまとめられる。番号7〜12(表3)は本発明に従う。
【0049】
配合物はベース組成物として、30重量%の通常のポルトランドセメントCEMI42.5R(Holcim、ドイツ)、33.275重量%のシリカ砂F32(Quarzwerke Frechen、ドイツ)、33.275重量%のシリカ砂F36(Quarzwerke Frechen、ドイツ)、および0.4重量%のWalocel MKX15000PF01(ヒドロキシエチルメチルセルロース、ダウヴォルフセルロジクス(Dow Wolff Cellulosics)、ドイツ)を含む。さらに、全ての配合物は表2および3に示される3重量%の再分散可能な粉体組成物を含む。DLP212はダウからの再分散可能な酢酸ビニル−エチレンコポリマー粉体であり、DLP401Bはダウからのスチレン/ブタジエンベースの再分散可能な粉体である。Metaver(メタバー)RおよびMetaverSはポゾランであり、スイス、プファフィコン、フェルセンストラッセ12CH−8808のNEWCHEMからの潜在的水硬性補助バインダーの商標である。
【0050】
配合物番号1〜6の再分散可能な粉体組成物は水溶性(メタ)アクリル酸ポリマーを含まないが、配合物番号7〜12はメタクリル酸もしくはその塩とアリール末端ポリエチレングリコールメタクリラートとのコポリマー(ポリエチレングリコール単位が約170単位を有する;マイティー(Mighty)21PSN、花王、日本国)を含む。
【0051】
配合物1〜12についての水/固形分割合は一貫性があるように固定されている。水/固形分割合および湿潤モルタルの粘度(Brookfield RVT、スピンドル96、5rpm、23℃)、並びに密度の詳細については表2および3を参照。
【0052】
この試験は標準EN12004に従って、オープンタイムについてのサブ標準としてEN1346、および接着強さについてのサブ標準としてEN1348を用いて行われた。標準EN1308は耐スリップ性を測定するために使用された。乾燥モルタルの初期硬化および最終硬化時間はDIN EN196に従うビカーニードルテストを用いて決定された。
【0053】
結果は、水溶性(メタ)アクリル酸ポリマーの使用は、硬化または接着強さのような他の鍵となる特性に悪影響を及ぼすことなく、改良されたオープンタイムおよび調節可能な時間の観点から必要とされる性能を達成するために、再分散可能な粉体に基づいて0.1〜30重量%の範囲で有利に使用されうることを明らかに示す。また、再分散可能な粉体およびポゾランとブレンドされた水溶性(メタ)アクリル酸ポリマーの使用はオープンタイムおよび接着強さを更に向上させうる。
【0054】
【表2】

【0055】
1.「再分散可能な組成物」は表に特定される1種以上の以下の化合物からなる:DLP212は再分散可能な酢酸ビニル−エチレンコポリマー粉体である;DLP401Bはスチレン/ブタジエンベースの再分散可能な粉体である;Metaver RおよびMetaver Sはポゾランである。
【0056】
【表3】

【0057】
1.「再分散可能な組成物」は表に特定される1種以上の以下の化合物からなる:DLP212は再分散可能な酢酸ビニル−エチレンコポリマー粉体である;DLP401Bはスチレン/ブタジエンベースの再分散可能な粉体である;Metaver RおよびMetaver Sはポゾランである;Mighty21PSNはメタクリル酸もしくはその塩とアリール末端ポリエチレングリコールメタクリラートとのコポリマー(ポリエチレングリコール単位は約170単位を有する)を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥モルタル配合物を改変するための組成物であって、水に再分散可能なポリマー粉体と(メタ)アクリル酸ポリマーとを別の粒子状化合物として含む組成物。
【請求項2】
(メタ)アクリル酸ポリマーが、ポリアルキレンオキシド単位を含む少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマーと(メタ)アクリル酸とを含むコポリマーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
(メタ)アクリル酸コポリマーが、
(a)アクリル酸およびメタクリル酸から選択される1種以上の(メタ)アクリル酸モノマー;
(b)式(I):
−Y−(R−O)−R
(式中、Rはビニル、アリル、アクリロイルもしくはメタクリロイルであり;
YはO、S、PHもしくはNHであり;
は線状もしくは分岐でありうるC〜Cアルキレンであり、各RはR−Y−(R−O)−Rの1分子内で同じかまたは異なっていてよく;
Xは10〜500の整数であり;並びに
はH、脂肪族、芳香族、もしくは脂肪族芳香族炭化水素基である)
に従った1種以上のエチレン性不飽和ポリアルキレンオキシドモノマー;並びに
(c)場合によって、モノマー(a)および(b)とは異なる、1種以上のエチレン性不飽和コモノマー;
を重合した形態で含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
(メタ)アクリル酸ポリマーの量が、前記再分散可能なポリマー粉体の重量を基準にして0.5〜30%、好ましくは1.0〜20%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
水に再分散可能なポリマー粉体が、非分岐もしくは分岐のC〜C15アルキルカルボン酸のビニルエステル、C〜C15アルコールの(メタ)アクリルエステル、ビニル芳香族、オレフィン、ジエンおよびハロゲン化ビニルの群から選択される1種以上のモノマーのホモポリマーおよび/またはコポリマーおよび/またはターポリマーから選択される1種以上の化合物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
潜在的水硬性鉱物バインダーの群から選択される1種以上の化合物を組成物がさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
潜在的水硬性鉱物バインダーが、軽石、トラス、サントリンアース、珪藻土、角岩、チャート、モラーアース粉砕物、レンガ、フライアッシュ、シリカダスト、オイル頁岩アッシュ、およびメタカオリンからなる群から選択されるポゾランである、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
潜在的水硬性鉱物バインダーの量が、前記再分散可能なポリマー粉体の重量を基準にして5〜50%である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
標準乾燥モルタル配合物のための改変剤組成物としての、請求項1に記載の組成物の使用。
【請求項10】
a)標準乾燥モルタル配合物を提供する工程;および
b)請求項1に記載の改変剤組成物の化合物が個々にもしくは組み合わせて標準乾燥モルタル配合物に混合されうる、改変された乾燥モルタル配合物の重量を基準にして0.3〜40%の量の請求項1に記載の改変剤組成物を標準乾燥モルタル配合物に混合する工程:
を含む、改変された乾燥モルタル配合物を製造する方法。

【公開番号】特開2011−241394(P2011−241394A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−98846(P2011−98846)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(590000020)ザ ダウ ケミカル カンパニー (24)
【氏名又は名称原語表記】THE DOW CHEMICAL COMPANY
【Fターム(参考)】