説明

位相制御された昇華

ケイ素炭素化合物を形成する方法。ケイ素源が環境に導入される。ケイ素粒子がケイ素源から形成される。1つ又は複数の炭化水素がケイ素源とは別々に環境に導入され、それにより1つ又は複数のケイ素炭素化合物が形成される。ケイ素粒子が炭化水素源と一緒になる前にケイ素粒子のサイズを最小にするために、解離エンハンサーを環境に導入することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結晶成長、より詳しくは炭化ケイ素の結晶成長に関する。
【背景技術】
【0002】
炭化ケイ素(SiC)は、高電力、高周波、及び高温の用途に非常に好適な特性を有する半導体材料である。そのワイドバンドギャップにより、炭化ケイ素は、高温の用途に、さらには青色光及びUV光が望まれる光電子工学用途のための基材として適している。多くの用途は、デバイスの欠陥及び故障を最小限に抑えるために非常に高品質のSiC結晶を必要とする。このような高品質の炭化ケイ素は効率的に製造することが困難である。炭化ケイ素の広範囲にわたる使用を阻害する技術上の障害が残ってしまう。欠陥の低減は、エレクトロニクス産業における炭化ケイ素の可能性を最大限引き出すよう達成されなければならない。炭化ケイ素基材は、良好な材料に関して15〜30mp/cm2の密度で以ってマイクロパイプと呼ばれる小さな穴が典型的に貫通している。その直径も小さく、商業的に入手可能な材料に関して3インチしかない。実行可能な低ビジネスコストにするため、高品質の4インチ(最低)ウェハが製造されなければならない。
【0003】
SiCを成長させる標準的な方法は、種結晶を用いた昇華成長によるものである。黒鉛坩堝がSiCの粉末で満たされ、SiCの単結晶種が坩堝の蓋に取り付けられ、次いで坩堝がシールされる。系は、SiCが昇華する2000℃よりも高い温度に加熱される。温度は、SiC粉末が確実に目に見えて昇華するほどかなり高くなければならない。種結晶の温度が供給源材料よりも低くなるように熱勾配が適用される場合には、供給源から種結晶への移動が生じる。圧力が数torrまで下げられる場合には、材料の移動が高められる。残念ながら、この方法には幾つかの欠点がある。マイクロパイプの密度が重要である。純度もまた問題となる場合が多い。熱力学が昇華に関して作用する方法のために、成長は一般に初めケイ素(Si)リッチであり、成長の最後でSiの量が少なくなる。このことは、材料が成長の最初でn型であり最後でp型であるため、半絶縁型ウェハの収率に関して深刻な影響を有する。
【0004】
さらに、一般にブール(boule)と呼ばれる成長結晶の長さは、系の炭化ケイ素源材料の量に制限される。典型的なブール長さは20〜50mmである。
【0005】
炭化ケイ素結晶を製造するのに高温化学気相成長(HTCVD)を使用することもできる。成長のために必要とされるSiとCを運ぶガスが粉末源材料に取って代わる。入口領域において、シランとエチレンが反応して気相中で凝集し、Sixyの微小粒子を形成する。炭素は時に省かれ、その場合には坩堝の黒鉛壁から獲得される。SiCの微小粒子が形成され、温度が非常により高いメインチャンバーに移される。ここで粒子が昇華し、キャリヤーガス及び熱勾配の助けを借りてより温度の低い基材の方に移動する。
【0006】
種結晶を用いた昇華成長とは異なり、HTCVDは開放系であり、それゆえ、試料の昇華(蒸発)に関する問題を回避するため非常により高い圧力で行われる。
【0007】
HTCVD成長した炭化ケイ素の材料特性は、通常、昇華成長した結晶よりもはるかに優れているが、依然として欠陥密度は改善したほうがよく、成長速度は低く(<1mm/h)、温度は坩堝及び絶縁材に応力を加える高さであり、系をドリフトさせる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、最小の欠陥及びより高い成長速度(1mm/hよりも高い)で以って高品質の結晶を生成するより低温の炭化ケイ素成長法に関するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施態様は、ケイ素炭素化合物を形成する方法を含む。ケイ素源は、HTCVDチャンバーに対して入口などの環境に導入される。ケイ素の粒子又は液滴がケイ素源から形成される。塩化水素は、好ましくはケイ素粒子のサイズを小さくするため高温ゾーンに別々に導入され、その後、ケイ素粒子が同様に別々に入れられる炭化水素源と接触する。この目的は、Sixy微小粒子が反応器の昇華ゾーンに達する前にSixy微小粒子のサイズを最小にすることである。成長速度は、もっぱら微小粒子を昇華させる能力によって決定される。粒子のサイズが大きくなるほど、それらを昇華させることが困難になり、温度及び△Tが高くなって成長結晶の劣化をもたらす。サイズを小さくすることができれば、より多くの材料を単位時間当たり噴射することができ、それゆえ、同じ温度及び△Tを維持しながら成長速度が高くなる。シランは分解して熱的及び/又は化学的に解離するのがより容易な小液滴を形成するので、このようにシランと炭化水素成分は理想的には別々に保持される。
【0010】
シランと炭化水素は、これらのガスがSiC微小結晶を直接形成するHTCVDにおいて導入される場合には一緒に導入することができる。しかしながら、この場合には、SiとHClの反応速度がSiCとHClの反応速度よりもはるかに高いため、別々に導入されたHClは、粒子サイズの低減において有効ではないと考えられる。好ましい実施態様においては、ケイ素源、炭化水素及びHClは、炭化水素源と一緒になる前にHClがケイ素の液滴と反応できるよう別々に環境に導入される。ケイ素クラスターの化学的及び熱的な解離の十分な効果を得るために、炭化水素流とHCl/ケイ素混合物の間の付加的な分離、例えば、短い円筒状の壁が必要とされる場合がある。
【0011】
本発明は、本発明の方法によって成長した炭化ケイ素結晶、及びこのような炭化ケイ素結晶を含む半導体デバイスをさらに含む。
【0012】
本発明は、添付図面とともに参照した場合に以下の詳細な説明から最もよく理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施態様は、従来の方法によって形成された化合物よりも潜在的に高い品質の化合物を形成する方法を提供する。より高い品質は、結晶を通してより低いマイクロパイプ濃度及び/又はより均一な構造を反映することができる。本方法は、多くの化合物の形成に適用することができるが、炭化ケイ素の形成に特に好適である。したがって、本発明は炭化ケイ素に関する場合について説明される。
【0014】
HTCVDによる先行技術の炭化ケイ素の形成は、ケイ素含有化合物と炭化水素の混合ガスをチャンバーの入口部で反応させてSixy粒子を形成し、次いでこれらの粒子をそれらが昇華する非常により高温の坩堝に入れることによって達成される。前駆体ガスの圧力と濃度以外に粒子サイズをほとんど制御できない。しかしながら、本発明の例示的な実施態様においては、炭化ケイ素クラスターのサイズは、HClを添加すること及びSi源と炭化水素源を分離することによって制御される。Siのクラスターは、材料の移動を効率的にするために入口領域において形成することができるが、クラスターが成長チャンバーの高温ゾーンに達するとすぐに、これらのクラスター又は液滴は、Si流が炭化水素流と一緒になる前にHClの添加及び熱によってサイズが低減される。本発明の更なる実施態様においては、とりわけ、熱がHClの助けを借りずに熱自体で粒子を解離できるほど十分粒子サイズが小さい場合には、HClは省かれる。本発明の例示的な実施態様においては、ケイ素源はチャンバーに移動され、炭化水素がケイ素源とは別々に移動される。2つのガス流は、高温チャンバーにおいて、好ましくは成長チャンバーにおける黒鉛アセンブリの最も高温部分である昇華ゾーンにおいて接触する。先行技術の方法と比べて、ガス流が接触するときに温度が相当により高いため、容易に昇華できる非常に小さなSiC粒子が形成される。ケイ素源と炭化水素の予備反応を削除するか又は低減することによって及びチャンバーに別々に入れられるHClの添加によって、ケイ素及びケイ素/炭素クラスターのサイズを低減することができ、より低い温度及び/又はより高い圧力で成長させることができる。シランがケイ素の液滴を形成するため、供給源ガスの分離にとってかなり有利である。例えば、化学的及び熱的な手段によってこれらのケイ素の液滴を解離することは比較的容易であり、それによって小さな粒子サイズが作り出される。
【0015】
ケイ素は、炭化ケイ素が成長する表面からある距離で以って炭化水素流と接触すべきであり、その距離は、形成されたケイ素−炭素粒子を成長表面に達する前に昇華させるのに十分なものである。好ましい実施態様においては、成長表面とケイ素/炭化水素の接触領域との距離は約30mm〜200mmの範囲にある。より好ましい実施態様においては、この範囲は約70mm〜120mmである。
【0016】
本発明の好ましい実施態様においては、ケイ素源はすべての炭化水素とは別々にチャンバーに導入されるが、本発明は、ケイ素源が炭化水素の主流と相互作用する前に、一部の炭化水素が最初にケイ素源に添加される方法を含む。例示的な実施態様においては、最初にケイ素源と混合される1つ又は複数の炭化水素の量は、主炭化水素流の量よりも少ない。この第2のより少量の炭化水素の流量は、好ましくは5sccm未満である。
【0017】
図1は、本発明の例示的な実施態様に従った昇華チャンバー100を示す。種結晶102が試料ホルダー104上に導入される。種結晶及びその付近の領域はチャンバーキャビティよりも低い温度である。次いで、単結晶106が、昇華プロセスによって種結晶102の上に形成される。
【0018】
昇華プロセスは、ケイ素/炭素結晶の形成に関する場合について記載される。概括的には、ケイ素と炭化水素は、反応して微小結晶を形成した後、結晶が成長する基材において又は基材と相互作用する。
【0019】
例示的な実施態様においては、ケイ素源は、チャンバー100などの環境に導入されてケイ素粒子を形成する。図1は、開口108を介して導入されるケイ素源を示している。ケイ素源は、好ましくはヘリウム、アルゴン又は他の不活性ガスなどのキャリヤーガス中にある。
【0020】
1つ又は複数の炭化水素は、好ましくはケイ素源とは別々に環境に導入される。炭化水素は、水素、不活性ガス又はそれらの組み合わせなどのキャリヤーガスによって運ばれる。水素は、壁の上に炭素が堆積するのを減少させるか又は排除する。炭化水素流がケイ素流と一緒になると、小さな炭化ケイ素粒子が形成される。炭化水素は好ましくはエチレンであるが、他の任意の炭化水素又はそれらの混合物であることができる。
【0021】
図1は、開口110を介して導入される炭化水素を示している。炭化水素とケイ素を別々にチャンバーに導入することにより、大きな微小結晶又はクラスターの形成を低減又は排除することができる。任意選択で、ガス流をさらに分離するために壁122を提供することができる。当業者でよって理解されるように、十分に小さな微小結晶が形成できる限り、他のチャンバー構成も可能である。
【0022】
独立したケイ素源によって、比較的容易に解離される液体粒子が生成される。これらの液滴は高温に達すると容易に解離し、炭化水素とそれらを容易に反応させることができる。
【0023】
本発明の例示的な実施態様においては、解離エンハンサー、例えば、塩化水素は、ケイ素粒子の解離を助けるために開口112を介してチャンバーに導入される。HClはまた、ケイ素/炭素化合物結晶の解離を促進させることもでき、それによりこれらの結晶が小さいまま保持される。HClの導入は、形成される結晶と顕著には反応しないよう慎重に制御されなければならない。図1に示すように、HClは、炭化水素流と一緒になる前にケイ素源と相互作用するようチャンバーに放出される。
【0024】
シランと炭化水素を一緒に成長チャンバーに入れ、続いてHClと混合して粒子サイズを低減することもできるが、その効果は、ケイ素と炭化ケイ素を別々に入れる場合ほど有意ではない。しかしながら、入口の側壁に高いレベルの堆積が生じる問題がある場合に粒子をより安定に保持するため、有利には炭化水素の細流をケイ素流に添加することができる。この場合には、残りの炭化水素は先に記載したように別々に添加される。
【0025】
ケイ素源は、炭素との反応のためにケイ素を抽出できる任意のケイ素含有化合物であることができる。例としては、シラン、トリクロロシラン、四塩化ケイ素、Si2Cl6、Si3Cl8、又は上記化合物の2つ以上の組み合わせが挙げられる。シランを除くこれらの化合物は、水素と接触しない限り分解しない。昇華又は熱解離が起こる高温ゾーンにこれらの化合物が達するまでそれらを水素と別々にすることで、クラスターの形成を最小に維持することができる。上記の配置の結果は比較的小さなクラスターサイズであり、結果として、より低い成長温度又は温度勾配、より高い成長速度、及びより優れた品質の結晶にすることができる。成長温度は、好ましくは約2400℃未満、より好ましくは約2200℃未満である。
【0026】
炭化水素は、好ましくはキャリヤー流、例えば、水素を含有する流れの中にある。水素によって、炭化水素が熱分解黒鉛として堆積しないようにすることができる。更なる実施態様においては、キャリヤーガスはヘリウムを含有する。
【0027】
以下は、例示的な流量範囲である。
ケイ素源:300標準立方センチメートル/分〜1リットル/分
炭化水素:50sccm〜500sccm
塩化水素:100sccm〜300sccm
ヘリウム:1リットル/分〜3リットル/分
【0028】
流量は、反応器のサイズに少なくとも部分的に依存している。
【0029】
ケイ素源の濃度は、好ましくは1つ又は複数の炭化水素の濃度よりも高い。
【0030】
本発明は、本明細書に記載される方法によって形成された結晶、及びこのような結晶を有する半導体デバイスをさらに含む。半導体デバイスは、例えば、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)デバイス、微小電気機械(MEM)デバイス、電界効果トランジスタ(FET)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、ゲートターンオフサイリスタ(GTO)、又はショットキーダイオードであることができるか又はそれらを含むことができる。
【0031】
本発明は例示的な実施態様によって説明されたが、当業者であれば追加の利点及び改良を考えられるであろう。それゆえ、より広い態様の本発明は、本明細書で示されかつ説明された具体的な詳細には限定されない。例えば、ケイ素源及び炭化水素のタイプ、プロセスパラメータ、形成される結晶のタイプ、及び結晶成長設備に対する改良は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく行うことができる。したがって、本発明は、特定の例示的な実施態様には限定されないが、特許請求の範囲及びそれと同等なものの最大の趣旨及び範囲内で解釈されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の例示的な実施態様に従った昇華チャンバーを表す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケイ素源を環境に導入すること;
ケイ素粒子を形成すること;及び
1つ又は複数の炭化水素を当該ケイ素源とは別々に当該環境に導入してケイ素−炭素粒子を形成することを含み、
形成されたケイ素−炭素粒子を成長表面に達する前に昇華させるのに十分な当該成長表面からの距離で以って当該1つ又は複数の炭化水素が導入され、それにより1つ又は複数のケイ素炭素化合物を当該成長表面上に形成する、成長表面上にケイ素炭素化合物を形成する方法。
【請求項2】
塩化水素を前記環境に導入することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記HClが、前記ケイ素源及び前記炭化水素源とは別々に前記環境に導入される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
形成されたケイ素粒子が、炭化水素流と接触する前に塩化水素と接触する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ケイ素源が、シラン、トリクロロシラン、四塩化ケイ素、Si2Cl6、Si3Cl8、及び上記化合物の2つ以上の組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ケイ素源がシランである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ケイ素源がクロロシランであり、前記方法が水素を前記環境に導入することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記1つ又は複数の炭化水素が、水素を含有するキャリヤー流中にある、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ケイ素の濃度が前記1つ又は複数の炭化水素の濃度よりも高い、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記1つ又は複数の炭化水素がエチレンを含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ケイ素源がキャリヤーガスにおいて移動される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記キャリヤーガスが不活性ガスである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記不活性ガスがヘリウムである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ケイ素源と前記1つ又は複数の炭化水素が、昇華ゾーンに達するまで実質的に別々に保持される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
第2の1つ又は複数の炭化水素の量が、前記ケイ素源とは別々に前記環境に導入される1つ又は複数の炭化水素に加えて当該ケイ素源とともに当該環境に導入される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の炭化水素の流量が5sccm未満である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
約2400℃未満の温度で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
約2100℃未満の温度で実施される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
ケイ素源の流量が、約300標準立方センチメートル/分〜1リットル/分の範囲にある、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
炭化水素の流量が、約50sccm〜500sccmの範囲にある、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
塩化水素の流量が、約100sccm〜300sccmの範囲にある、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
ヘリウムの流量が、約1リットル/分〜3リットル/分の範囲にある、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記ケイ素源と前記炭化水素源が、所定の温度領域に達するまで成長チャンバー内で物理的に別々にされる、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記ケイ素と前記塩化水素が、所定の温度領域に達するまで成長チャンバー内で炭化水素流と物理的に別々にされる、請求項2に記載の方法。
【請求項25】
前記ケイ素と前記塩化水素が、粒子サイズが所定のサイズに減少するまで成長チャンバー内で炭化水素流と物理的に別々にされる、請求項2に記載の方法。
【請求項26】
前記炭化水素が、前記成長表面から約30mm〜200mmの距離で以って前記環境に導入される、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記炭化水素が、前記成長表面から約70mm〜120mmの距離で以って前記環境に導入される、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
請求項1に記載の方法によって成長された、炭化ケイ素結晶。
【請求項29】
請求項1に記載の方法によって形成された炭化ケイ素結晶を含む、半導体デバイス。
【請求項30】
ケイ素源と1つ又は複数の炭化水素を環境に導入すること;及び
続いて解離エンハンサーを当該環境に導入すること
を含む、ケイ素炭素化合物を形成する方法。
【請求項31】
前記解離エンハンサーがHClである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記ケイ素源が、シラン、トリクロロシラン、四塩化ケイ素、Si2Cl6、Si3Cl8、及び上記化合物の2つ以上の組み合わせからなる群より選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記ケイ素源がシランである、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
請求項30に記載の方法によって形成された、炭化ケイ素結晶。
【請求項35】
請求項30に記載の方法によって形成された炭化ケイ素結晶を含む、半導体デバイス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケイ素源を環境に導入すること;
ケイ素粒子を形成すること
1つ又は複数の炭化水素を当該ケイ素源とは別々に当該環境に導入してケイ素−炭素粒子を形成すること:及び
塩化水素を当該環境に導入することを含み、
形成されたケイ素−炭素粒子を成長表面に達する前に昇華させるのに十分な当該成長表面からの距離で以って当該1つ又は複数の炭化水素が導入され、それにより1つ又は複数のケイ素炭素化合物を当該成長表面上に形成する、成長表面上にケイ素炭素化合物を形成する方法。
【請求項2】
前記HClが、前記ケイ素源及び前記炭化水素源とは別々に前記環境に導入される、請求項に記載の方法。
【請求項3】
形成されたケイ素粒子が、炭化水素流と接触する前に塩化水素と接触する、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記ケイ素源が、シラン、トリクロロシラン、四塩化ケイ素、Si2Cl6、Si3Cl8、及び上記化合物の2つ以上の組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ケイ素源がシランである、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記ケイ素源がクロロシランであり、前記方法が水素を前記環境に導入することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ又は複数の炭化水素が、水素を含有するキャリヤー流中にある、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ケイ素の濃度が前記1つ又は複数の炭化水素の濃度よりも高い、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ又は複数の炭化水素がエチレンを含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ケイ素源がキャリヤーガスにおいて移動される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記キャリヤーガスが不活性ガスである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記不活性ガスがヘリウムである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ケイ素源と前記1つ又は複数の炭化水素が、昇華ゾーンに達するまで実質的に別々に保持される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
第2の1つ又は複数の炭化水素の量が、前記ケイ素源とは別々に前記環境に導入される1つ又は複数の炭化水素に加えて当該ケイ素源とともに当該環境に導入される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の炭化水素の流量が5sccm未満である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
約2400℃未満の温度で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
約2100℃未満の温度で実施される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
ケイ素源の流量が、約300標準立方センチメートル/分〜1リットル/分の範囲にある、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
炭化水素の流量が、約50sccm〜500sccmの範囲にある、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
塩化水素の流量が、約100sccm〜300sccmの範囲にある、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
ヘリウムの流量が、約1リットル/分〜3リットル/分の範囲にある、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記ケイ素源と前記炭化水素源が、所定の温度領域に達するまで成長チャンバー内で物理的に別々にされる、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記ケイ素と前記塩化水素が、所定の温度領域に達するまで成長チャンバー内で炭化水素流と物理的に別々にされる、請求項に記載の方法。
【請求項24】
前記ケイ素と前記塩化水素が、粒子サイズが所定のサイズに減少するまで成長チャンバー内で炭化水素流と物理的に別々にされる、請求項に記載の方法。
【請求項25】
前記炭化水素が、前記成長表面から約30mm〜200mmの距離で以って前記環境に導入される、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記炭化水素が、前記成長表面から約70mm〜120mmの距離で以って前記環境に導入される、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
請求項1に記載の方法によって成長された、炭化ケイ素結晶。
【請求項28】
請求項1に記載の方法によって形成された炭化ケイ素結晶を含む、半導体デバイス。
【請求項29】
ケイ素源と1つ又は複数の炭化水素を環境に導入すること;及び
続いて解離エンハンサーを当該環境に導入すること
を含む、ケイ素炭素化合物を形成する方法。
【請求項30】
前記解離エンハンサーがHClである、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記ケイ素源が、シラン、トリクロロシラン、四塩化ケイ素、Si2Cl6、Si3Cl8、及び上記化合物の2つ以上の組み合わせからなる群より選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記ケイ素源がシランである、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
請求項29に記載の方法によって形成された、炭化ケイ素結晶。
【請求項34】
請求項29に記載の方法によって形成された炭化ケイ素結晶を含む、半導体デバイス。
【請求項35】
昇華チャンバーであって、
基材を保持するための試料ホルダーと;
当該チャンバーへの1つ又は複数の第1の入口と;
当該チャンバーへの1つ又は複数の第2の入口と;
第3の入口を介して入る解離エンハンサー流が、当該第1及び第2の入口からの材料流によって早まって形成される粒子を解離するのを助けるよう配置された1つ又は複数の第3の入口とを含み、
当該第1及び第2の入口を介して当該チャンバーに入る材料流が、当該材料流から形成された粒子を基材に達する前に昇華させるのに十分な基材からの距離で以って一緒になるように当該第1及び第2の入口が配置された、昇華チャンバー。
【請求項36】
前記第2の入口の流れが前記第1の入口の流れと相互作用する前に、前記第3の入口の流れが当該第2の入口の流れと相互作用するよう当該第3の入口が配置された、請求項35に記載の昇華チャンバー。
【請求項37】
前記第1及び第2の入口を通る材料流をさらに分離するために当該第1と第2の入口の間に配置された1つ又は複数の壁をさらに含む、請求項35に記載の昇華チャンバー。
【請求項38】
前記第1及び第2の入口を通る材料流をさらに分離するために当該第1と第2の入口の間に配置された1つ又は複数の壁をさらに含み、
当該第3の入口が当該第2の入口と同じ壁の側にある、請求項35に記載の昇華チャンバー。
【請求項39】
請求項35に記載の昇華チャンバーにおいて少なくとも部分的に形成された、半導体デバイス。
【請求項40】
請求項35に記載の昇華チャンバーにおいて少なくとも部分的に形成された、炭化ケイ素結晶。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケイ素源を環境の第1の領域に導入すること;
当該第1の領域においてケイ素粒子を形成すること;
当該ケイ素源とは別々に導入される1つ又は複数の炭化水素を当該環境の第2の領域に導入してケイ素−炭素粒子を形成すること;及び
当該ケイ素粒子が、当該1つ又は複数の炭化水素と接触する前に塩化水素と接触するように、塩化水素を当該環境に導入することを含み、
形成されたケイ素−炭素粒子をケイ素炭素成長表面に達する前に昇華させるのに十分な当該成長表面からの距離で以って当該1つ又は複数の炭化水素が導入され、それにより1つ又は複数のケイ素炭素化合物を当該ケイ素炭素成長表面上に形成する、ケイ素炭素成長表面上にケイ素炭素化合物を形成する方法。
【請求項2】
前記塩化水素が、前記ケイ素源及び前記炭化水素源とは別々に前記環境に導入される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ケイ素源が、シラン、トリクロロシラン、四塩化ケイ素、Si2Cl6、Si3Cl8、及び上記化合物の2つ以上の組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ又は複数の炭化水素が、水素を含有するキャリヤー流中にある、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ケイ素の濃度が前記1つ又は複数の炭化水素の濃度よりも高い、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ又は複数の炭化水素がエチレンを含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ケイ素源が不活性なキャリヤーガスにおいて移動される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ケイ素源と前記1つ又は複数の炭化水素が、昇華ゾーンに達するまで実質的に別々に保持される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
第2の1つ又は複数の炭化水素の量が、前記ケイ素源とは別々に前記環境に導入される1つ又は複数の炭化水素に加えて当該ケイ素源とともに当該環境に導入される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の炭化水素の流量が5sccm未満である、請求項に記載の方法。
【請求項11】
約2400℃未満の温度で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
ケイ素源の流量が、約300標準立方センチメートル/分〜1リットル/分の範囲にある、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
炭化水素の流量が、約50sccm〜500sccmの範囲にある、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記ケイ素源と前記炭化水素源が、所定の温度領域に達するまで成長チャンバー内で物理的に別々にされる、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記ケイ素と前記塩化水素が、所定の温度領域に達するまで成長チャンバー内で炭化水素流と物理的に別々にされる、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記ケイ素と前記塩化水素が、粒子サイズが所定のサイズに減少するまで成長チャンバー内で炭化水素流と物理的に別々にされる、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記炭化水素が、前記ケイ素炭素成長表面から約30mm〜200mmの距離で以って前記環境に導入される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記炭化水素が、前記ケイ素炭素成長表面から約70mm〜120mmの距離で以って前記環境に導入される、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記ケイ素源が塩素を含み、当該ケイ素源が、昇華又は熱解離が起こる環境の高温ゾーンに達するまで水素と別々に保持される、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
ケイ素源を環境に導入すること;
ケイ素粒子を形成すること;
1つ又は複数の炭化水素を当該環境に導入すること;
少なくとも幾つかのケイ素粒子を解離し、塩素含有ガスにさらすことで当該解離を促進すること;
当該ケイ素粒子から解離されたケイ素と、当該1つ又は複数の炭化水素からの炭素とからケイ素炭素粒子を形成すること;
当該ケイ素炭素粒子を昇華すること;及び
昇華されたケイ素炭素粒子からケイ素炭素化合物を成長表面上に形成すること
を含む、ケイ素炭素化合物を形成する方法。
【請求項21】
前記塩素含有ガスが塩化水素である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ケイ素源が、シラン、トリクロロシラン、四塩化ケイ素、Si2Cl6、Si3Cl8、及び上記化合物の2つ以上の組み合わせからなる群より選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
昇華チャンバーであって、
基材を保持するための試料ホルダーと;
当該チャンバーへの1つ又は複数の第1の入口と;
当該チャンバーへの1つ又は複数の第2の入口と;
該第1及び第2の入口を介して当該チャンバーに入る材料流が、当該材料流から形成された粒子を基材に達する前に昇華させるのに十分な基材からの距離で以って一緒になるように当該第1及び第2の入口が配置された、昇華チャンバー。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2006−525221(P2006−525221A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−513385(P2006−513385)
【出願日】平成16年4月27日(2004.4.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/013057
【国際公開番号】WO2004/100221
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(505406545)カラカル,インコーポレイティド (2)
【Fターム(参考)】