説明

作業機械

【課題】作業環境に応じて安定した出力を得ることが可能な作業機械を提供する。
【解決手段】駆動制御回路500が駆動する作業機械は、操作棹の一端に配置された電源部15と、電源部15から入力される電圧を変換して出力する電圧変換回路101と、操作棹の他端に配置されたモータ34と、操作棹に挿通され電圧変換回路101の出力電圧をモータ34に印加する電源線5a,5bと、モータ34の動力を受けて作動する工具部と、から構成されており、操作棹と電源線5a,5bとは長手方向に分割及び連結可能なユニットから構成されている。接続状態検出回路102は、電源線5a,5bの接続状態及びモータ34の印加電圧を検出する。演算部303は、接続状態検出回路102が検出した電源線5a,5bの接続状態及びモータ34の印加電圧に基づいて、電圧変換回路101の出力電圧を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電動モータを駆動源とする作業機械に関する。
【背景技術】
【0002】
電動モータを駆動源とする作業機械には、例えばブレードにより草などを刈払う電動刈払い機がある。電動刈払い機は、ガソリンを利用するエンジン刈払い機と比較してランニングコストが低く、またモータ性能も向上していることから、普及台数を伸ばしている。
【0003】
電動刈払い機の多くは、操作用のハンドルから延びるパイプ状の操作棹を備え、その先端部にモータを保持している。電動モータを駆動する電力は、ハンドルに設けられた電源部から、操作棹に挿通された配線を介して、電動モータに供給される。
【0004】
また、上述の操作棹が伸縮可能な電動刈払い機が知られている。例えば、特許文献1には、操作棹が分割及び連結可能な複数のパイプから構成された電動刈払い機が開示されている。この電動刈払い機は、作業環境に合わせて操作棹の長さを変更できるため、操作性が良い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平7−36612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された電動刈払い機によると、操作棹を構成するパイプの数に応じて電源部と電動モータとを接続する配線の長さ、すなわち抵抗が変化するため、電動モータの印加電圧及び出力が変化する。従って、作業環境により電動モータの出力を十分に得ることができない場合がある。
【0007】
また、電動モータを駆動源とする作業機械では、作業環境によりモータ負荷が大きく変動し、安定した出力が得られない場合がある。
【0008】
上記課題に鑑み、本発明は、作業環境に応じて安定した出力を得ることが可能な作業機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点による作業機械は、
操作棹に配置された電源部と、
前記操作棹に配置され、前記電源部から入力される電圧を変換して出力する電圧変換手段と、
前記操作棹に前記電源部から離間して配置された電動モータと、
前記操作棹の内部に挿通され、前記電圧変換手段の出力電圧を前記電動モータに印加する電源線と、
前記電動モータの動力を受けて作動する工具部と、を備え、
前記操作棹と前記電源線とは、前記電圧変換手段と前記電動モータとの間において、長手方向に分割可能かつ連結可能に構成された操作棹ユニットから構成され、
前記電圧変換手段と前記電動モータとは、少なくとも一つの前記操作棹ユニットを取り外して相互に接続可能に構成されており、
前記電源線の接続状態を検出する接続状態検出手段を更に備え、
前記電圧変換手段は、前記接続状態検出手段が検出した前記電源線の接続状態に基づいて、出力電圧を制御する、
ことを特徴とする。
【0010】
前記電圧変換手段は、前記電動モータの印加電圧が所定の基準値と一致するように、出力電圧を制御する、
ことが望ましい。
【0011】
前記接続状態検出手段は、前記電動モータの印加電圧を検出し、
前記電圧変換手段は、前記接続状態検出手段が検出した印加電圧に基づいて、出力電圧を制御する、
ことが望ましい。
【0012】
前記接続状態検出手段は、前記電圧変換手段と前記電動モータとの間に接続された前記電源線の抵抗値を検出し、
前記電圧変換手段は、前記接続状態検出手段が検出した抵抗値に基づいて、出力電圧を制御する、
ことが望ましい。
【0013】
前記接続状態検出手段は、更に前記電動モータの負荷変動を検出し、
前記電圧変換手段は、更に前記接続状態検出手段が検出した負荷変動に基づいて、出力電圧を制御する、
ことが望ましい。
【0014】
また、本発明の第2の観点による作業機械は、
操作棹に配置された電源部と、
前記操作棹に配置され、前記電源部から入力される電圧を変換して出力する電圧変換手段と、
前記操作棹に前記電源部から離間して配置された電動モータと、
前記操作棹の内部に挿通され、前記電圧変換手段の出力電圧を前記電動モータに印加する電源線と、
前記電動モータの動力を受けて作動する工具部と、
前記電動モータの印加電圧を検出する電圧検出手段と、
を備え、
前記電圧変換手段は、前記電圧検出手段が検出した前記電動モータの印加電圧に基づいて、出力電圧を制御する、
ことを特徴とする。
【0015】
前記電圧変換手段は、前記電圧検出手段が検出した前記電動モータの印加電圧と所定の基準値との偏差を求め、前記偏差が0になるように、出力電圧を制御する、
ことが望ましい。
【0016】
前記電圧検出手段は、更に前記電動モータの負荷変動を検出し、
前記電圧変換手段は、更に前記電圧検出手段が検出した負荷変動に基づいて、出力電圧を制御する、
ことが望ましい。
【0017】
前記工具部は前記電動モータに着脱可能に構成されており、
作業内容に応じて相異なる形態を有する複数の前記工具部を前記電動モータに装着して運転可能である、
ことが望ましい。
【0018】
前記電動モータは前記操作棹に着脱可能に構成されており、
作業内容に応じて相異なる形態を有する複数の前記電動モータを前記操作棹に装着して運転可能である、
ことが望ましい。
【0019】
前記電源部は前記操作棹に着脱可能に構成されており、
相異なる電源電圧を有する複数の前記電源部を前記操作棹に装着可能であって、
前記電圧変換手段は、前記電源部の電源電圧に対応して、該電源部の出力電圧を前記目標値に一致するように変換して出力する、
ことが望ましい。
【0020】
前記電源部と前記電動モータとはそれぞれ前記操作棹の一端部と他端部とに配置され、
前記操作棹には、前記電源部と前記電動モータとの間に、作業ハンドルが設けられている、
ことが望ましい。
【0021】
前記電圧変換手段は前記電源部に近接して設けられている、
ことが望ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、作業環境に応じて安定した出力を得ることが可能な作業機械を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係る電動刈払い機を示す側面図。
【図2】図1に示された電動刈払い機を分割して示す側面図。
【図3】図1に示された電動刈払い機をハンドル部とモータ部とを連結して示す側面図。
【図4】図1に示された電動刈払い機のハンドル部を示す断面図。
【図5】図1に示された電動刈払い機の操作棹ユニットを示す断面図。
【図6】図1に示された電動刈払い機のモータ部を示す断面図。
【図7】図1に示された電動刈払い機のジョイント部を(a)分割された状態、(b)接続された状態、(c)分割可能な状態で示す断面図。
【図8】図7に示された凸ジョイント部を示す右側面図。
【図9】図7に示された凹ジョイント部を示す左側面図。
【図10】図1に示された電動刈払い機の駆動制御回路を示す機能ブロック図。
【図11】図10に示された電圧変換回路の出力電圧制御処理を示す動作フロー図。
【図12】図1に示された電動刈払い機の駆動制御回路を示す機能ブロック図。
【図13】図12に示された電圧変換回路の出力電圧制御処理を示す動作フロー図。
【図14】本発明の実施形態に係るカルチベータを示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を用いて説明する。
【0025】
(実施形態1)
実施形態1に係る作業機械は、図1及び図2に示す電動刈払い機1である。電動刈払い機1は、ハンドル部10と、操作棹ユニット20と、モータ部30と、から構成されている。図2に示すように、ハンドル部10と操作棹ユニット20とモータ部30とは、凸ジョイント部40と凹ジョイント部50とから構成されるジョイント部3を介して、相互に連結及び分割可能に構成されている。そして、図3に示すように、ハンドル部10とモータ部30とを直接に連結することが可能である。
【0026】
ハンドル部10は、図4に示すように、把持部13と、把持部13の前端部に設けられたパイプ11と、パイプ11の前端部に設けられた凸ジョイント部40と、把持部13の後端部に設けられた電源部15と、把持部13の後端部に収容された電圧制御基板100と、パイプ1に挿通された配線12と、から構成されている。
【0027】
把持部13は、ユーザが電動刈払い機1を保持するために、ハンドル状に形成されている。また、把持部13には電動刈払い機1を駆動及び停止するためのトリガスイッチ14が設けられている。
【0028】
パイプ11は、鋼又はアルミニウム合金等から形成された中空管である。
【0029】
凸ジョイント部40は、操作棹ユニット20又はモータ部30の凹ジョイント部50を着脱可能に連結することができる。
【0030】
電源部15は、電動刈払い機1が消費する電力の供給源であり、把持部13に着脱可能な二次電池から構成されている。
【0031】
電圧制御基板100は、後述する駆動制御回路500(図10)を構成する電圧変換回路101等を備えており、主に電源部15の出力電圧を変換して出力する役割を果たす。
【0032】
配線12は、2本の電源線12a,12bと1本の信号線12cとから構成され、電圧制御基板100からパイプ11に挿通されて凸ジョイント部40へと延びている。
【0033】
操作棹ユニット20は、図5に示すように、パイプ21と、パイプ21の一端部及び他端部に設けられた凹ジョイント部50及び凸ジョイント部40と、パイプ21に挿通された配線22と、から構成されている。
【0034】
パイプ21は、鋼又はアルミニウム合金等から形成された中空管であり、ハンドル部10のパイプ11と略等しい外径及び内径を有する。
【0035】
凹ジョイント部50は、ハンドル部10又は他の操作棹ユニット20の凸ジョイント部40を着脱可能に連結することができる。また、凸ジョイント部40は、モータ部30又は他の操作棹ユニット20の凹ジョイント部50を着脱可能に連結することができる。
【0036】
配線22は、ハンドル部10の配線12(電源線12a,12b及び信号線12c)に対応して、2本の電源線22a,22bと1本の信号線22cとから構成されており、凹ジョイント部50から凸ジョイント部40へと延びている。
【0037】
なお、図1に示すように、操作棹ユニット20の一つには補助ハンドル29が設けられている。補助ハンドル29は、操作棹ユニット20の所望の位置に、着脱可能に構成されている。従って、作業者はハンドル部10と補助ハンドル29とを把持して作業をすることができる。
【0038】
モータ部30は、図6に示すように、パイプ31と、パイプ31の一端部に設けられた凹ジョイント部50と、パイプ31の他端部に設けられたモータハウジング33と、モータハウジング33に収容されたモータ34及びモータ制御基板300と、モータ制御基板300からパイプ31に挿通された配線32と、から構成されている。
【0039】
パイプ31は、鋼又はアルミニウム合金等から形成された中空管であり、ハンドル部10のパイプ11及び操作棹ユニット20のパイプ21と略等しい外径及び内径を有する。
【0040】
凹ジョイント部50には、ハンドル部10又は操作棹ユニット20の凸ジョイント部40を着脱可能に連結することができる。
【0041】
モータハウジング33はモータ34とモータ制御基板300とを収容している。
【0042】
モータ34は3相ブラシレス直流モータである。モータ制御基板300は、後述する駆動制御回路500(図10)を構成するインバータ301、制御信号出力回路302、演算部303等を備え、主にモータ34を駆動制御する役割を果たす。
【0043】
配線32は、ハンドル部10の配線12(電源線12a,12b及び信号線12c)及び操作棹ユニット20の配線22(電源線22a,22b及び信号線22c)に対応して、2本の電源線32a,32bと1本の信号線32cとから構成されており、凹ジョイント部50からパイプ31に挿通されてモータ制御基板300へと延びている。
【0044】
なお、モータ34の回転軸には、草などを刈払うための円板状のブレード38が着脱可能に固定されている。そして、パイプ31には、ブレード38の一部を覆う保護カバー39が設けられている。
【0045】
次に、ハンドル部10、操作棹ユニット20、及びモータ部30を相互に接続するジョイント部3について、詳細に説明する。上述のように、ジョイント部3は凸ジョイント部40と凹ジョイント部50とから構成されている。
【0046】
凸ジョイント部40は、ハンドル部10及び操作棹ユニット20に設けられている。図7(a)に示すように、凸ジョイント部40は、パイプ41と、パイプ41の端部に突設された略円柱状のプラグ43と、から構成されている。パイプ41には、2本の電源線42a,42bと1本の信号線42cとから構成される配線42が挿通されている。プラグ43は、配線42(電源線42a,42b及び信号線42c)に対応して、端面に突設された3本のピン44a〜44cを備えている。3本のピン44a〜44cは、2本の電源線42a,42b及び1本の信号線42cと、それぞれ電気的に接続されている。
【0047】
なお、パイプ41は、ハンドル部10のパイプ11及び操作棹ユニット20のパイプ21に相当する。また、配線42(電源線42a,42b及び信号線42c)は、ハンドル部10の配線12(電源線12a,12b及び信号線12c)及び操作棹ユニット20の配線22(電源線22a,22b及び信号線22c)に相当する。
【0048】
凹ジョイント部50は、操作棹ユニット20及びモータ部30に設けられている。凹ジョイント部50は、パイプ51と、パイプ51の端部に没設された略円柱状のソケット53と、から構成されている。パイプ51には、2本の電源線52a,52bと1本の信号線52cとから構成される配線52が挿通されている。ソケット53は、配線52(電源線52a,52b及び信号線52c)に対応して、端面に埋設された3本のピン54a〜54cを備えている。3本のピン54a〜54cは、2本の電源線52a,52b及び1本の信号線42cと、それぞれ電気的に接続されている。
【0049】
なお、パイプ51は、操作棹ユニット20のパイプ21及びモータ部30のパイプ31に相当する。また、配線52(電源線52a,52b及び信号線52c)は、操作棹ユニット20の配線22(電源線22a,22b及び信号線22c)及びモータ部30の配線32(電源線32a,32b及び信号線32c)に相当する。
【0050】
凸ジョイント部40のプラグ43は、凹ジョイント部50のパイプ51と嵌合可能に形成されている。また、図7(a)及び図8に示すように、プラグ43の外周面には一対の凹ガイド46が形成されている。そして、図7(a)及び図9に示すように、パイプ51の内周面には、プラグ43の凹ガイド46に対応して、一対の凸ガイド56が形成されている。凹ガイド46と凸ガイド56とは、プラグ43とパイプ51とが嵌合する際に、プラグ43のピン44a〜44cとソケット53の溝部55a〜55cとの配置がそれぞれ一致するように位置決めする。そして、凸ジョイント部40のプラグ43が凹ジョイント部50のパイプ51に挿入されると、図7(b)に示すように、ピン44a〜44cとピン54a〜54cとがそれぞれ電気的に接続される。
【0051】
さらに、図7(a)〜(c)に示すように、ジョイント部3は凸ジョイント部40と凹ジョイント部50とを接続された状態で固定するロック機構60を備えている。ロック機構60は、凸ジョイント部40のプラグ43に形成された係止溝61と、凹ジョイント部50のパイプ51に設けられたアーム62と、から構成されている。
【0052】
凸ジョイント部40の係止溝61はプラグ43の外周面に形成されており、パイプ41の軸線に略垂直な面を有している。凹ジョイント部50のアーム62はパイプ51の外周部に設けられており、パイプ51の軸線に略垂直に設けられたピン63の回りに回動可能に軸支されている。ピン63は、パイプ51の外周部に設けられたアームカバー64に支持されている。アーム62の一端部と他端部とには、ピン63を挟んで、それぞれつめ部62aと分離ボタン62bが形成されている。つめ部62aは鉤爪状に形成されており、アーム62の回動に伴って、パイプ51に形成された孔部65からパイプ51内へと突出することができる。分離ボタン62bとパイプ51との間には圧縮ばね66が設けられており、分離ボタン62bはパイプ51から離れるように、つめ部62aはパイプ51内に突出するように、それぞれ付勢されている。
【0053】
図7(b)に示すように、凸ジョイント部40と凹ジョイント部50とが接続されると、プラグ41の係止溝61とアーム62のつめ部62aとが係合し、凸ジョイント部40と凹ジョイント部50との抜けが防止される。また、図7(c)に示すように、アーム62の分離ボタン62bが矢印67のように押さえられると、プラグ41の係止溝61とアーム62のつめ部62aとの係合が解除され、凸ジョイント部40と凹ジョイント部50とを分離することが可能となる。
【0054】
以上の説明から解るように、ジョイント部3は、ハンドル部10、操作棹ユニット20、及びモータ部30を機械的に接続すると同時に、配線12,配線22,及び配線32を電気的に接続し、ハンドル部10の電圧制御基板100とモータ部30のモータ制御基板300とを電気的に接続する役割を果たしている。
【0055】
なお、電圧制御基板100とモータ制御基板300とを接続する配線12/22/32の構成は、2本の電源線12a,12b/22a,22b/32a,32bと1本の信号線12c/22c/32cとに限定されず、後述する駆動制御回路500の構成に応じて適宜変更され得る。同様に、凸ジョイント部40及び凹ジョイント部50のピン配列についても、配線12,配線22,及び配線32に対応して適宜変更され得る。
【0056】
次に、上記構成の電動刈払い機1を駆動する駆動制御回路500について説明する。
【0057】
図10に示すように、駆動制御回路500は、電源部15と、電圧変換回路101と、接続状態検出回路102と、モータ34と、インバータ301と、制御信号出力回路302、演算部303と、回転位置検出素子304と、回転位置検出回路305と、回転数検出回路306と、から構成されている。
【0058】
電圧変換回路101は、上記ハンドル部10の電圧制御基板100に配置されている。また、接続状態検出回路102、インバータ301、制御信号出力回路302、演算部303、回転位置検出回路305、及び回転数検出回路306は、上記モータ部30のモータ制御基板300に配置されている。
【0059】
電源部15は、二次電池から構成された直流電源であり、電圧変換回路101に接続されている。
【0060】
電圧変換回路101は、レギュレータ等から構成されており、電源部15から入力される電圧を所定の電圧に変換してインバータ301に出力する。電圧変換回路101とインバータ301とは、配線5を構成する電源線5a,5bにより接続されている。また、電圧変換回路101と演算部303とは、配線5を構成する信号線5cにより接続されている。
【0061】
モータ34は、回転子35と固定子巻線36とから構成される3相ブラシレス直流モータから構成されている。回転子35は2極のマグネットから構成され、固定子巻線36はスター結線された3相(U,V,W相)の巻線から構成されている。
【0062】
インバータ301は、3相ブリッジ形式に接続された6つの絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ(IGBT、以下トランジスタ)Q1〜Q6と、各トランジスタQ1〜Q6のコレクタ−エミッタ間に接続された図示しない6つのフライホイールダイオードと、から構成されている。3つのトランジスタQ1〜Q3のコレクタは電圧変換回路101から延びる正極側の電源線5aに接続され、エミッタはモータ34の固定子巻線36のU,V,W相にそれぞれ接続されている。また、3つのトランジスタQ4〜Q6のコレクタはモータ34の固定子巻線36のU,V,W相にそれぞれ接続され、エミッタは電圧変換回路101から延びる負極側の電源線5bに接続されている。6つのトランジスタQ1〜Q6のゲートは、制御信号出力回路302に接続されている。
【0063】
制御信号出力回路302は、演算部303から入力されるスイッチング素子駆動信号に従って、インバータ301のトランジスタQ1〜Q6のゲートに制御信号を出力し、トランジスタQ1〜Q6をスイッチング動作させる。これにより、電圧変換回路101からインバータ301に印加される直流電圧は、モータ34を駆動する3相(U,V,W相)の駆動電圧に変換される。
【0064】
3つの回転位置検出素子304は、モータ34の回転子35に近接して、相互に120°(電気角)の位相差を持って配置されている。回転位置検出素子304は、所謂ホールICから構成されており、回転子35の磁極を検出し、検出信号を回転位置検出回路305に出力する。
【0065】
回転位置検出回路305は、3つの回転位置検出素子304から入力される検出信号に基づいて回転子35の回転位置を検出し、検出した回転位置を示す回転位置検出信号を演算部303及び回転数検出回路306に出力する。
【0066】
回転数検出回路306は、回転位置検出回路305から入力される回転位置検出信号に基づいて回転子35の回転数を検出し、検出した回転数を示す回転数検出信号を演算部303に出力する。
【0067】
演算部303は、回転位置検出回路305から入力される回転位置検出信号及び回転数検出回路306から入力される回転数検出信号に基づいて、モータ34が所定の回転数で回転するように、インバータ301のトランジスタQ1〜Q6を制御するスイッチング素子駆動信号を制御信号出力回路302に出力する。
【0068】
なお、配線5(電源線5a,5b、信号線5c)は、上述したハンドル部10の配線12(電源線12a,12b、信号線12c)と、操作棹ユニット20の配線22(電源線22a,22b、信号線22c)と、モータ部30の配線32(電源線32a,32b、信号線32c)と、から構成されている。そのため、ハンドル部10とモータ部30との間に連結される操作棹ユニット20の個数に応じて、配線5を構成する電源線5a,5bの接続状態(長さ;抵抗)が変化する。このとき、電圧変換回路101の出力電圧が一定であると想定すると、電源線5a,5bの電圧降下量が変化するため、モータ34の印加電圧及び出力が変化する。具体的には、電源線5a,5bが長くなる程、電源線5a,5bの電圧降下量が大きくなるため、モータ34の印加電圧と出力とは小さくなる。また、電源線5a,5bが短くなる程、電源線5a,5bの電圧降下量が大きくなるため、モータ34の印加電圧と出力とは大きくなる。
【0069】
さらに、モータ34の印加電圧及び出力は、モータ34の負荷に応じて変動する。具体的には、モータ34の負荷が大きくなる程、電源線5a,5bを流れる電流が大きくなり、電源線5a,5bの電圧降下量が大きくなるため、モータ34の印加電圧と出力とは小さくなる。また、モータ34の負荷が小さくなる程、電源線5a,5bを流れる電流が小さくなり、電源線の電圧降下量が小さくなるため、モータ34の印加電圧と出力とは大きくなる。
【0070】
そこで、本実施形態の駆動制御回路500は、以下説明するように、電源線5a,5bの接続状態及びモータ34の負荷変動に応じて電圧変換回路101の出力電圧を制御し、モータ34の印加電圧及び出力を安定させる機能を有する。なお、モータ34がブラシレス直流モータから構成されているため、モータ34の印加電圧はインバータ301の入力電圧を意味する。
【0071】
接続状態検出回路102は、モータ34の印加電圧を検出することにより電源線5a,5bの接続状態及びモータ34の負荷変動を検出し、検出した電圧を示す電圧検出信号を演算部303に出力する。
【0072】
演算部303は、接続状態検出回路102から入力される電圧検出信号に基づいて、モータ34の印加電圧と所定の基準値との偏差を求め、この偏差が0になるように、電圧変換回路101に昇圧/降圧信号を出力する。
【0073】
電圧変換回路101は、演算部303から入力される昇圧/降圧信号に基づいて、出力電圧を昇圧/降圧する。従って、電源線5a,5bの接続状態及びモータ34の負荷変動に応じて、モータ34の印加電圧が所定の基準値に一致するように制御され、モータ34の出力が安定する。
【0074】
次に、図11に示す動作フロー図を参照して、上述の駆動制御回路500における電圧変換回路101の出力電圧制御処理を詳細に説明する。なお、理解を容易とするため、駆動制御回路500は、図示しない主電源の投入により出力電圧制御処理を開始し、主電源の切断により出力電圧制御処理を終了するものとする。
【0075】
主電源(図示せず)が投入されると、電圧変換回路101は所定の電圧Vを出力する(ステップS1)。その状態で、駆動制御回路500はトリガスイッチ14がONに切り替わるまで待機する(ステップS2,NO)。
【0076】
トリガスイッチ14AがONに切り替わると(ステップS2,YES)、電圧変換回路101の出力電圧がインバータ301に印加される。そして、モータ34が演算部303により駆動される(ステップS3)。
【0077】
続いて、接続状態検出回路102はモータ34の印加電圧Vを検出し(ステップS4)、検出した電圧Vを示す電圧検出信号を演算部303に出力する。そして、演算部303は、接続状態検出回路102から入力された電圧検出信号に基づいて、モータ34の印加電圧Vと所定の基準値との偏差を求め、この偏差が0になるように、電圧変換回路101に昇圧/降圧信号を出力する。
【0078】
次に、電圧変換回路101は、演算部303から入力された昇圧/降圧信号に基づいて、出力電圧Vを昇圧/降圧する。(ステップS5)。
【0079】
駆動制御回路500は、トリガスイッチ14がOFFに切り替わるまでステップS4〜S5の処理を繰り返す(ステップS6,NO)。
【0080】
そして、トリガスイッチ14がOFFに切り替わると(ステップS6,YES)、電圧変換回路101の出力電圧が絶たれ、モータ34は停止する(ステップS7)。
【0081】
駆動制御回路500は、上述のステップS2〜S7の処理を繰り返し、主電源(図示せず)の切断により出力電圧制御処理を終了する。
【0082】
なお、演算部303が出力する昇圧/降圧信号は、電圧変換回路101に出力電圧の昇圧/降圧を指示するものに限られず、例えば電圧変換回路101に昇圧/降圧量を指示するか、あるいは出力電圧の目標値を指示するものであっても良い。
【0083】
本実施形態の電圧変換回路101と演算部303とは、請求項1及び6記載の電圧変換手段を構成する。また、本実施形態の接続状態検出回路102は、請求項1記載の接続状態検出手段及び請求項6記載の電圧検出手段を構成する。
【0084】
(実施形態2)
実施形態2に係る駆動制御回路500Aは、実施形態1の駆動制御回路500に代替し、上述の電動刈払い機1を駆動する回路である。
【0085】
図12に示すように、駆動制御回路500Aは、電源部15Aと、電圧変換回路101Aと、接続状態検出回路102Aと、モータ34Aと、インバータ301Aと、制御信号出力回路302Aと、演算部303Aと、回転位置検出素子304Aと、回転位置検出回路305Aと、回転数検出回路306Aと、から構成されている。
【0086】
電圧変換回路101A及び接続状態検出回路102Aは、上記ハンドル部10の電圧制御基板100Aに設けられている。また、インバータ301A、制御信号出力回路302A、演算部303A、回転位置検出回路305A、及び回転数検出回路306Aは、上記モータ部30のモータ制御基板300Aに設けられている。
【0087】
電源部15Aは、電圧変換回路101Aに接続されている。
【0088】
電圧変換回路101Aは、電源部15Aから入力される電圧を所定の電圧に変換してインバータ301Aに出力する。電圧変換回路101Aとインバータ301Aとは、配線5Aを構成する2本の電源線5a,5bにより接続されている。
【0089】
モータ34Aは、実施形態1のモータ34と同様に、インバータ301A、制御信号出力回路302A、演算部303A、回転位置検出素子304A、回転位置検出回路305A、及び回転数検出回路306Aにより、所定の回転数で駆動するように制御される。
【0090】
配線5A(電源線5a,5b)は、上述したハンドル部10の配線12(電源線12a,12b)、操作棹ユニット20の配線22(電源線22a,22b)、及びモータ部30の配線32(電源線32a,32b)から構成されている。そのため、ハンドル部10とモータ30との間に連結される操作棹ユニット20の個数に応じて、配線5Aを構成する電源線5a,5bの接続状態(長さ;抵抗)が変化する。このとき、電圧変換回路101Aの出力電圧が一定であると想定すると、電源線5a,5bの接続状態が変化するため、モータ34Aの印加電圧及び出力が変化する。
【0091】
また、電圧変換回路101Aの出力電圧が一定であると想定すると、電源線5a,5bの接続状態に応じて、電源線5a,5b及びモータ34Aを流れる電流が変化する。具体的には、電源線5a,5bが長くなる程、電源線5a,5b及びモータ34Aを流れる電流は小さくなる。また、電源線5a,5bが短くなる程、電源線5a,5b及びモータ34Aを流れる電流は大きくなる。
【0092】
そこで、接続状態検出回路102Aは、電源線5a,5b及びモータ34Aを流れる電流を検出することにより電源線5a,5bの接続状態を検出する。そして、接続状態検出回路102Aは、接続状態検出回路102Aが検出した電源線5a,5bの接続状態に基づいて、モータ34Aの印加電圧が所定の基準値に一致するように、出力電圧の目標値を設定する。これにより、駆動制御回路500Aはモータ34Aの出力を安定させる機能を有する。なお、モータ34Aがブラシレス直流モータから構成されているため、モータ34Aの印加電圧はインバータ301Aの入力電圧を意味する。
【0093】
接続状態検出回路102Aは、電源線5bに直列接続された電流検出抵抗103Aに並列接続されており、電流検出抵抗103Aを流れる電流(電源線5a,5b及びモータ34Aを流れる電流)を検出し、検出した電流を示す電流検出信号を接続状態検出回路101Aに出力する。
【0094】
なお、モータ34Aが回転している状態では、モータ34Aの負荷に応じて電源線5a,5b、モータ34A、及び電圧検出抵抗103Aを流れる電流が変動するため、接続状態検出回路102Aは電源線5a,5bの接続状態を正確に検出することができない。そこで、以下説明するように、接続状態検出回路102Aはモータ34Aが停止している状態で電源線5a,5bの接続状態を検出する。
【0095】
電圧変換回路101Aは、モータ34Aが回転しないように、定格電圧より十分に小さい所定電圧を出力する。このとき、モータ34Aが回転しないため、インバータ301AのトランジスタQ1〜Q3の何れか1つとトランジスタQ4〜Q6の何れか一つがON状態を維持する。これにより、電源線5aと、インバータ301Aと、モータ34AのU,V,W相のうち何れか2相と、電源線5bと、電流検出抵抗103Aとに、定常電流が流れる。接続状態検出回路102Aは、電流検出抵抗103Aを流れる電流を監視し、電流の立ち上がりから所定時間経過後の定常電流を検出する。ここで、電圧変換回路101Aの出力電圧、インバータ301AのON抵抗、モータ34Aのコイル抵抗、及び電流検出抵抗103Aの抵抗が既定値であるため、接続状態検出回路102Aが検出する電流は、電源線5a,5bの接続状態に対応した値を有する。
【0096】
電圧変換回路101Aは、接続状態検出回路102Aから入力される電流検出信号に基づいて、予め記憶されたテーブルを参照して出力電圧の目標値を設定する。このテーブルは、電源線5a,5bの接続状態に応じて、モータ34Aの印加電圧が所定の基準値に一致するように設定されている。具体的には、電源線5a,5bが長い(短い)程、出力電圧の目標値は高く(低く)設定される。そして、電圧変換回路101Aは、設定した目標値に一致するように、出力電圧を制御する。従って、電源線5a,5bの接続状態に応じて、モータ34Aの印加電圧が所定の基準値に一致するように制御され、モータ34Aの出力が安定する。
【0097】
次に、図13に示す動作フロー図を参照して、上述の駆動制御回路500Aにおける電圧変換回路101Aの出力電圧制御処理Aを詳細に説明する。なお理解を容易にするため、駆動制御回路500Aは、図示しない主電源の投入により出力電圧制御処理Aを開始し、主電源の切断により出力電圧制御処理Aを終了するものとする。
【0098】
主電源(図示せず)が投入されると、電圧変換回路101Aは所定の電圧Vを出力する(ステップS1)。その状態で、駆動制御回路500Aはトリガスイッチ14AがONに切り替わるまで待機する(ステップS2,NO)。
【0099】
トリガスイッチ14AがONに切り替わると(ステップS2,YES)、電圧変換回路101Aの出力電圧がインバータ301Aに印加される。なお、電圧Vはモータ34Aの定格電圧より十分に小さく設定されているため、モータ34Aは回転しない。そして、電流検出回路102Aは電流検出抵抗103Aを流れる定常電流Iを検出し(ステップS3)、検出した電流Iを示す電流検出信号を電圧変換回路101Aに出力する。
【0100】
次に、電圧変換回路101Aは、接続状態検出回路102Aから入力された電流検出信号に基づいて、モータ34Aの印加電圧が所定の基準値に一致するように、出力電圧の目標値(V)を設定する(ステップS4)。続いて、電圧変換回路101Aは、設定した目標値(V)に一致する電圧Vを出力する(ステップS5)。そして、演算部303Aによりモータ34Aが駆動される(ステップS6)。
【0101】
駆動制御回路500Aはトリガスイッチ14AがOFFに切り替わるまで、モータ34Aの駆動を継続する(ステップS7,NO)。そして、トリガスイッチ14AがOFFに切り替わると(ステップS7,YES)、電圧変換回路101Aの出力電圧が絶たれ、モータ34Aは停止する(ステップ8)。
【0102】
続いて、駆動制御回路500Aはトリガスイッチ14AがONに切り替わるまで待機する(ステップS8,NO)。そして、トリガスイッチ14AがONに切り替わると(ステップS8,YES)、電圧変換回路101Aの出力電圧がインバータ301Aに印加され、モータ34Aは再び駆動される(ステップ6)。
【0103】
駆動制御回路500Aは、上述のステップS6〜S9の処理を繰り返し、主電源(図示せず)の切断により出力電圧制御処理Aを終了する。
【0104】
以上説明したように、上記構成の電動刈払い機1は、操作棹ユニット20を分割又は連結することにより、ハンドル部10とモータ部30との距離を変更することができる。従って、作業環境に応じて効率的に作業を実施することができる。また、ハンドル部10、操作棹ユニット20,及びモータ部30を分割することで、収納及び運搬が容易となる。
【0105】
また、操作棹ユニット20の一端と他端とに電源部15とモータ34とが配設され、操作棹ユニット20に補助ハンドル29が設けられているため、重量バランスが良く、操作性が良い。
【0106】
そして、電圧変換回路101(101A)を電源部15(15A)に近接して設けることで、ハンドル部10の余剰空間を有効に利用し、電動刈払い機1を小型化することができる。
【0107】
また、上述の電動刈払い機1を駆動する駆動制御回路500(500A)は、電源部15(15A)の出力電圧を変換する電圧変換回路101(101A)を備えるため、例えば二次電池の放電により電源部15(15A)の電圧が低下した場合等、電源部15(15A)の電圧変動に応じて、モータ34(34A)の印加電圧及び出力を安定させることができる。さらに、所定の電池電圧を有する専用の二次電池に限らず、相異なる電池電圧を有する幾つかの二次電池を流用することもできる。
【0108】
また、接続状態検出回路102(102A)が操作棹ユニット20に挿通された電源線5a,5bの接続状態を検出し、電圧変換回路101(101A)が電源線5a,5bの接続状態に基づいて出力電圧を制御するため、装着される操作棹ユニット20の個数に応じて安定した出力を得ることができる。
【0109】
さらに、実施形態1の駆動制御回路500によれば、接続状態検出回路102がモータ34の負荷変動を検出し、電圧変換回路101がモータ34の負荷変動に基づいて出力電圧を制御するため、作業環境に応じて安定した出力を得ることができる。
【0110】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形をしたものも、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0111】
例えば、本発明は、上述の実施形態に例示された電動刈払い機に限定されず、電動モータを動力源とする作業機械であれば、例えばカルチベータ、芝刈り機、トリマ等の作業機械に、広く適用することができる。さらに、本発明は二次電池を使用する作業機械に限定されず、例えばAC電源を利用する作業機械にも適用することができる。
【0112】
また、例えばカルチベータ、芝刈り機、トリマ等に対応し、相異なる形態を有する複数の電動モータを操作棹に装着可能に構成してもよい。例えば、図11に示すカルチベータ2は、実施形態に示された電動刈払い機1のハンドル部10及び操作棹ユニット20と、電動刈払い機1のモータ部30に代替するカルチベータ用モータ部90と、から構成されている。例示したカルチベータは土を掘り起こす作業機械であり、電動刈払い機等の作業機械と比較してモータ負荷が大きい。このような重負荷作業を行う作業機械は、消費電流が大きく、電源線の電圧降下が大きくなるため、電動モータの印加電圧及び出力が問題となるが、本発明によれば、電動モータの印加電圧が所定の基準値に一致するように制御されるため、安定した出力を得ることができる。また、相異なる形態を有する複数の工具部を、電動モータに装着可能に構成してもよい。
【0113】
また、例えば電圧や容量の相異する複数の二次電池、及びAC電源の電圧を変換して供給するアダプタ等、相異なる形態を有する複数の電源部を操作棹に装着可能に構成してもよい。
【0114】
さらに、本発明は、電動モータの負荷変動に対して安定した出力を得ることが可能な作業機械を提供することを目的とするならば、必ずしも操作棹及び電源線が分割及び連結可能に構成された作業機械に限定されず、種々の形態を有する作業機械に応用することができる。
【0115】
その他、各構成要素の材質、形状、数量、配置、機能等についても、本発明の目的を達成することが可能な範囲において、適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0116】
1 電動刈払い機
2 カルチベータ
3 ジョイント部
5 配線
5a,b 電源線
5c 信号線
10 ハンドル部
11 パイプ
12 配線
12a,b 電源線
12c 信号線
13 把持部
14 トリガスイッチ
15 電源部
20 操作棹ユニット
21 パイプ
22 配線
22a,b 電源線
22c 信号線
29 補助ハンドル
30 モータ部
31 パイプ
32 配線
32a,b 電源線
32c 信号線
33 モータハウジング
34,34A モータ
35,35A 回転子
36,36A 固定子巻線
38 ブレード
39 保護カバー
40 凸ジョイント部
41 パイプ
42 配線
42a,b 電源線
42c 信号線
43 プラグ
44a〜44c ピン
46 凹ガイド
50 凹ジョイント部
51 パイプ
52 配線
52a,b 電源線
52c 信号線
53 ソケット
54a〜54c ピン
56 凸ガイド
60 ロック機構
61 係止溝
62 アーム
62a つめ部
62b 分離ボタン
63 ピン
64 アームカバー
65 孔部
66 圧縮ばね
90 カルチベータ用モータ部
100,100A 電圧制御基板
101,101A 電圧変換回路
102,102A 接続状態検出回路
103A 電流検出抵抗
300,300A モータ制御基板
301,301A インバータ
302,302A 制御信号出力回路
303,303A 演算部
304,304A 回転位置検出素子
305,305A 回転位置検出回路
306,306A 回転数検出回路
500,500A 駆動制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作棹に配置された電源部と、
前記操作棹に配置され、前記電源部から入力される電圧を変換して出力する電圧変換手段と、
前記操作棹に前記電源部から離間して配置された電動モータと、
前記操作棹の内部に挿通され、前記電圧変換手段の出力電圧を前記電動モータに印加する電源線と、
前記電動モータの動力を受けて作動する工具部と、を備え、
前記操作棹と前記電源線とは、前記電圧変換手段と前記電動モータとの間において、長手方向に分割可能かつ連結可能に構成された操作棹ユニットから構成され、
前記電圧変換手段と前記電動モータとは、少なくとも一つの前記操作棹ユニットを取り外して相互に接続可能に構成されており、
前記電源線の接続状態を検出する接続状態検出手段を更に備え、
前記電圧変換手段は、前記接続状態検出手段が検出した前記電源線の接続状態に基づいて、出力電圧を制御する、
ことを特徴とする作業機械。
【請求項2】
前記電圧変換手段は、前記電動モータの印加電圧が所定の基準値と一致するように、出力電圧を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の作業機械。
【請求項3】
前記接続状態検出手段は、前記電動モータの印加電圧を検出し、
前記電圧変換手段は、前記接続状態検出手段が検出した印加電圧に基づいて、出力電圧を制御する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の作業機械。
【請求項4】
前記接続状態検出手段は、前記電圧変換手段と前記電動モータとの間に接続された前記電源線の抵抗値を検出し、
前記電圧変換手段は、前記接続状態検出手段が検出した抵抗値に基づいて、出力電圧を制御する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の作業機械。
【請求項5】
前記接続状態検出手段は、更に前記電動モータの負荷変動を検出し、
前記電圧変換手段は、更に前記接続状態検出手段が検出した負荷変動に基づいて、出力電圧を制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の作業機械。
【請求項6】
操作棹に配置された電源部と、
前記操作棹に配置され、前記電源部から入力される電圧を変換して出力する電圧変換手段と、
前記操作棹に前記電源部から離間して配置された電動モータと、
前記操作棹の内部に挿通され、前記電圧変換手段の出力電圧を前記電動モータに印加する電源線と、
前記電動モータの動力を受けて作動する工具部と、
前記電動モータの印加電圧を検出する電圧検出手段と、
を備え、
前記電圧変換手段は、前記電圧検出手段が検出した前記電動モータの印加電圧に基づいて、出力電圧を制御する、
ことを特徴とする作業機械。
【請求項7】
前記電圧変換手段は、前記電圧検出手段が検出した前記電動モータの印加電圧と所定の基準値との偏差を求め、前記偏差が0になるように、出力電圧を制御する、
ことを特徴とする請求項6に記載の作業機械。
【請求項8】
前記電圧検出手段は、更に前記電動モータの負荷変動を検出し、
前記電圧変換手段は、更に前記電圧検出手段が検出した負荷変動に基づいて、出力電圧を制御する、
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の作業機械。
【請求項9】
前記工具部は前記電動モータに着脱可能に構成されており、
作業内容に応じて相異なる形態を有する複数の前記工具部を前記電動モータに装着して運転可能である、
ことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の作業機械。
【請求項10】
前記電動モータは前記操作棹に着脱可能に構成されており、
作業内容に応じて相異なる形態を有する複数の前記電動モータを前記操作棹に装着して運転可能である、
ことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の作業機械。
【請求項11】
前記電源部は前記操作棹に着脱可能に構成されており、
相異なる電源電圧を有する複数の前記電源部を前記操作棹に装着可能であって、
前記電圧変換手段は、前記電源部の電源電圧に対応して、該電源部の出力電圧を前記目標値に一致するように変換して出力する、
ことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の作業機械。
【請求項12】
前記電源部と前記電動モータとはそれぞれ前記操作棹の一端部と他端部とに配置され、
前記操作棹には、前記電源部と前記電動モータとの間に、作業ハンドルが設けられている、
ことを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の作業機械。
【請求項13】
前記電圧変換手段は前記電源部に近接して設けられている、
ことを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載の作業機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−45345(P2011−45345A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−199065(P2009−199065)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(000005094)日立工機株式会社 (1,861)
【Fターム(参考)】