作業機
【課題】 エンジンとエアクリーナとを連通させる吸気管の取り外しを必要としないでエンジンボンネットを開放することができるようにする。
【解決手段】 揺動開閉自在なエンジンボンネット13と、エンジンボンネット13に支持されたエンジン用エアクリーナ50とを備えている。エンジンボンネット13を揺動自在に支持するよう機体に設けた筒形支柱43と、エンジンボンネット13を筒形支柱43に揺動自在に取り付けるよう筒形支柱43に相対回転自在に連結されるとともにエンジンボンネット13に連結された筒形取り付け体42とを、連通し合った状態で備えてある。エンジン用エアクリーナ50の出口を筒形取り付け体42に連通させるエアクリーナ側吸気管51と、筒形支柱43をエンジン11の吸気部に連通させるエンジン側吸気管52とを備えてある。
【解決手段】 揺動開閉自在なエンジンボンネット13と、エンジンボンネット13に支持されたエンジン用エアクリーナ50とを備えている。エンジンボンネット13を揺動自在に支持するよう機体に設けた筒形支柱43と、エンジンボンネット13を筒形支柱43に揺動自在に取り付けるよう筒形支柱43に相対回転自在に連結されるとともにエンジンボンネット13に連結された筒形取り付け体42とを、連通し合った状態で備えてある。エンジン用エアクリーナ50の出口を筒形取り付け体42に連通させるエアクリーナ側吸気管51と、筒形支柱43をエンジン11の吸気部に連通させるエンジン側吸気管52とを備えてある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揺動開閉自在なエンジンボンネットと、前記エンジンボンネットに支持されたエンジン用エアクリーナとを備えた作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
揺動開閉自在なエンジンボンネットを備えた作業機として、従来、例えば特許文献1に記載されたものがあった。
特許文献1には、コンバインが記載されている。このコンバインでは、エンジンボンネットが、運転部開放軸芯まわりに揺動自在に支持されており、自走機体の機体フレームの上側に位置した閉じ状態と、自走機体外に位置した開き状態とに切り換わる。
【0003】
【特許文献1】特開2007−37460号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エンジンボンネットの揺動開閉を可能にしたものにおいて、エンジン用エアクリーナ(以下、エアクリーナと略称する。)をエンジンボンネットの外部に配置するなどにより、エアクリーナをエンジンボンネットに支持させることがある。
この場合、エアクリーナとエンジンとを連通させる吸気管をエアクリーナ側やエンジン側で取り外すことによってエンジンボンネットの開放を可能にすると、エンジンボンネト内の点検や修理作業を行う際、吸気管を脱着する煩わしい手間が必要になる。
これに対し、吸気管をエンジンとエアクリーナとに接続したままでエンジンボンネットを開放することができるよう、蛇腹などの伸縮機構を備えた吸気管を採用すると、吸気管支持の面で構造が複雑になる。
すなわち、吸気管が伸縮機構を備えるがために屈曲や揺れ動きやすい性状を備える。このため、吸気管が振動に起因した屈曲や揺れ動きによってエンジンボンネット内のエンジンなどの装置に接触することを防止するよう、吸気管の支持を精度よく行わせるとともに数多くの箇所で行わせる必要がある。
【0005】
本発明の目的は、吸気管の取り外しを必要としないでエンジンボンネットを開放することができながら吸気管支持などの面から構造簡単に得ることができる作業機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本第1発明は、揺動開閉自在なエンジンボンネットと、前記エンジンボンネットに支持されたエンジン用エアクリーナとを備えた作業機において、
前記エンジンボンネットを揺動自在に支持するよう機体に設けた筒形支柱と、前記エンジンボンネットを前記筒形支柱に揺動自在に取り付けるよう前記筒形支柱に相対回転自在に連結されるとともに前記エンジンボンネットに連結された筒形取り付け体とを、連通し合った状態で備え、
前記エンジン用エアクリーナの出口を前記筒形取り付け体に連通させるエアクリーナ側吸気管と、前記筒形支柱をエンジンの吸気部に連通させるエンジン側吸気管とを備えてある。
【0007】
本第1発明の構成によると、エンジンによるエンジン用エアクリーナからの燃焼用空気の取り入れは、エアクリーナ側吸気管と筒形取り付け体と筒形支柱とエンジン側吸気管とを介して行われる。そして、エンジンボンネットを開閉すれば、エアクリーナ側吸気管と筒形取り付け体とがエンジンボンネットと共に筒形支柱に対して回転するから、エアクリーナ側吸気管やエンジン側吸気管の取り外しを行わずにエンジンボンネットを開放することができるとともに、筒形取り付け体と筒形支柱とを回転継ぎ手に利用してエアクリーナ側吸気管とエンジン側吸気管とを回転自在に接続することができる。また、エアクリーナ側吸気管及びエンジン側吸気管を容易に屈曲や揺れ動かないように比較的硬い管で構成しても、エアクリーナ側吸気管やエンジン側吸気管を取り付けたままでエンジンボンネットの開放が可能になる。
【0008】
これにより、エンジンボンネット内の点検や修理作業を行うのに、吸気管の脱着手間を掛けないで能率よくを行うことができる便利な作業機を得ることができる。しかも、エンジン側吸気管やエアクリーナ側吸気管に作用させる支持手段の省略や簡素化を図ることができるとともに筒形取り付け体と筒形支柱とを回転継ぎ手に利用して構造簡単に得ることができる。
【0009】
本第2発明は、前記筒形支柱が、前記エンジンボンネットの閉じ状態において、前記エンジンボンネットの機体横外側縁よりも機体横方向での内側に位置している。
【0010】
本第2発明の構成によると、エンジンボンネットを比較的小回転角度で揺動操作すれば、エンジン付近を広く開放することができる。
【0011】
これにより、エンジン付近を広く開放して点検や修理を能率よく行うことができる作業状態を、エンジンボンネットを比較的小回転角度で揺動操作するだけで楽に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に係る作業機の全体側面図である。図2は、本発明の実施例に係る作業機の全体平面図である。これらの図に示すように、本発明の実施例に係る作業機は、クローラ走行装置1によって自走するよう構成し、かつ、エンジン11が装備された原動部10と、運転キャビン21が装備された運転部20とを有した自走機体を備え、この自走機体の機体フレーム2の前部に連結された刈取り部30を備え、前記機体フレーム2の後部側に機体横方向に並べて設けた脱穀装置3と穀粒タンク4とを備えている。
【0013】
この作業機は、稲、麦などの収穫作業を行う。
つまり、前記自走機体は、前記運転部20の横側方に配置して前記機体フレーム2に支持させたミッションケース5を備え、前記エンジン11の出力を、前記ミッションケース5を介して前記クローラ走行装置1と前記刈取り部30とに伝達する。
【0014】
前記刈取り部30は、これの刈取り部フレーム31が油圧シリンダ(図示せず)によって機体フレーム2に対して上下に揺動操作されることにより、刈取り部30の前部に機体横方向に並べて設けてある分草具32が地面近くに下降した下降作業状態と、前記分草具32が地面から高く上昇した上昇非作業状態とに昇降操作される。刈取り部30を下降作業状態にして自走機体を走行させると、刈取り部30は、前記各分草具32によって刈取り対象の植立穀稈を対応する引起し装置33に導入して引起し処理し、各引起し装置33によって引起し処理される植立穀稈を一つのバリカン形の刈取り装置34によって刈取り処理し、刈取り穀稈を搬送装置35によって機体後方向きに搬送して脱穀装置3に供給する。脱穀装置3は、脱穀フィードチェーン(図示せず)によって刈取り穀稈の株元側を機体後方側に挟持搬送しながら、この刈取り穀稈の穂先側を扱室(図示せず)に供給して脱穀処理する。前記穀粒タンク4は、脱穀装置3から搬送された脱穀粒を回収して貯留し、貯留した脱穀粒をスクリューコンベヤで成る搬出装置6によって搬出する。
【0015】
図4は、前記原動部10の側面図である。図7は、前記原動部10の縦断側面図である。図9は、前記原動部10の後面図である。これらの図に示すように、前記原動部10は、前記エンジン11を備える他、このエンジン11の機体横外側での横側方に配置したエンジン冷却用のラジエータ12と、前記エンジン11および前記ラジエータ12を覆うエンジンボンネット13と、このエンジンボンネット13の機体後方側の上部に連設した吸気ケース14とを備えている。
【0016】
前記ラジエータ12は、前記機体フレーム2に固定された支持枠体40の機体横外側の端部にラジエータフレーム41を介して取り付けられている。このラジエータ12は、エンジン11によって回転駆動される冷却ファン15によって冷却風を供給される。
【0017】
すなわち、前記冷却ファン15は、ラジエータ12を介してラジェータ前方に吸引作用し、エンジンボンネット13のラジエータ前方に位置する横壁部13aに設けてある吸気口13bからエンジンボンネット外の空気をラジエータ前方のエンジンボンネット内空間に吸引して冷却風を発生させ、この冷却風をラジエータ12に供給する。前記冷却ファン15は、さらに、前記エンジンボンネット内空間を介して前記吸気ケース14の内部に吸引作用し、吸気ケース14の横壁部14aに設けてある吸気口14bから吸気ケース外の空気を吸気ケース内に吸引して冷却風を発生させ、この冷却風をラジエータ前方のエンジンボンネット内空間に導入して前記吸気口13bからの冷却風に合流させてラジエータ12に供給する。
【0018】
図5(a)は、前記エンジンボンネット13の通常状態での斜視図である。この図と図7,9に示すように、前記エンジンボンネット13は、前記横壁部13aを備える他、前記エンジン11および前記ラジエータ12の機体後方側に位置する後板部13cと、エンジン11およびラジエータ12の機体前方側に位置する前板部13dと、エンジン11およびラジエータ12の機体上方側に位置する天板部13eとを備えて構成してあり、機体横方向での内向きと機体下方向きとに開口したエンジンルームを形成している。
【0019】
図7,9,10に示すように、前記エンジンボンネット13は、前記吸気ケース14の機体後方側の機体内側端部に連結された筒形取り付け体42(以下、取り付け体42と略称する。)を備えている。この取り付け体42は、前記機体フレーム2に立設された筒形支柱43(以下、支柱43と略称する。)の上端側に回転自在に連結されている。前記支柱43は、前記支持枠体40の機体内側端部に位置する機体上下向きの構成体に兼用されている。前記支柱43は、これの上端部から機体上方向きに延出した支持アーム44を備えている。この支持アーム44の延出端部44aは、前記取り付け体42の上端側に回転自在に連結しており、前記支柱43は、前記支持アーム44を介して前記取り付け筒42の上端側を支持している。
【0020】
つまり、前記エンジンボンネット13は、前記取り付け筒42を介して前記支柱43に枢支されており、支柱43が備える機体上下向きの開閉軸芯Pまわりに揺動開閉する。吸気ケース14は、エンジンボンネット13と共に揺動する。支柱43は、エンジンボンネット13の閉じ状態において、エンジンボンネット13の機体横外側縁よりも機体横方向での内側で、かつエンジンボンネット13の後側に位置している。
【0021】
図1,4に示すように、前記運転部20は、前記運転キャビン21を備える他、前記エンジンボンネット13の天板部13eの上面に取り付けられた運転座席22と、運転座席22の前方に位置する操縦塔23と、この操縦塔23と運転座席22との間に位置する運転部床24と、乗降口側とは反対側で操縦塔23とエンジンボンネット13との間を閉塞する横側壁25とを備えている。
【0022】
以下において、前記運転部床24と前記操縦塔23と前記横側壁25と前記運転キャビン21とを、運転部構造体26と称する。この運転部構造体26は、前記エンジンボンネット13に一体揺動自在に連結されている。
【0023】
図3は、コンバインのエンジンボンネット13と運転部構造体26との開き状態での平面図である。図6は、エンジンボンネット13と運転部構造体26との開き状態での平面図である。これらの図に示すように、エンジンボンネット13を開閉軸芯Pまわりに機体横外側に向けて揺動操作し、エンジンボンネット13が機体横外側向きになると、エンジンボンネット13が開き状態になり、エンジン11やラジエータ12を点検や修理しやすいように開放する。このとき、運転部構造体26がエンジンボンネット13と共に揺動して運転キャビン21の前窓21aが機体横外側向きになった開き状態になり、ミッションケース5やその付近を点検や修理しやすいように開放する。このとき、前記穀粒タンク4は、エンジンボンネット13と運転部構造体26とのタンクスペースへの入り込みが可能となるよう、前記搬出装置6の縦スクリューコンベヤ6aの軸芯まわりに機体横外側に揺動開放しておく。
【0024】
図5(a)は、エンジンボンネット13の開き操作時での斜視図である。この図に示すように、エンジンボンネット13を開き操作する場合、エンジンボンネット13の前板部13dと、運転部24の横側壁25の一部25aとを取り外し、かつ、運転部24の運転部床24の一部24aを起立させ、エンジンボンネット13と運転部床24と横側壁25とにエンジンルーム内の装置との干渉を回避する一つの開口27を形成する。
【0025】
図2は、コンバインのエンジンボンネット13と運転部構造体26との閉じ状態での平面図である。この図に示すように、エンジンボンネット13を開閉軸芯Pまわりに機体内側に向けて揺動操作し、エンジンボンネット13が機体前方向きになると、エンジンボンネット13が閉じ状態になってエンジン11やラジエータ12を覆う。このとき、運転部構造体26がエンジンボンネット13と共に揺動して運転キャビン21の前窓21aが機体前方向きになった閉じ状態になり、ミッションケース5やその付近を覆う。
【0026】
図9,10,11に示すように、前記エンジンボンネット13は、前記吸気ケース14の機体横方向での一端側の内部に配置して前記天板部13eに支持させたエンジン用エヤクリーナ50(以下、エヤクリーナ50と略称する。)を備えている。
【0027】
前記エヤクリーナ50は、前記吸気ケース14の内部に開口した入口50aを備えている。このエヤクリーナ50の出口50bは、エヤクリーナ側吸気管51によって前記取り付け体42に連通されている。エヤクリーナ側吸気管51は、エヤクリーナ50の出口50bと、取り付け体42に設けた接続口42aとに連結している。
【0028】
図12に示すように、前記取り付け体42の下端部は、支柱43の上端部に設けた連結筒部45に内嵌しており、前記取り付け体42と前記支柱43とは、前記連結筒部45の連通作用によって連通し合っている。
【0029】
前記支柱43とエンジン11の吸気部とは、エンジン側吸気管52によって連通されている。エンジン側吸気管52は、支柱43に設けた接続口43aに連結している。
【0030】
つまり、エヤクリーナ50は、エンジン11の吸気作用により、吸気ケース内の空気を前記入口50aから吸引し、吸引した空気を除塵処理した後に出口50bからエヤクリーナ側吸気管51と取り付け体42と支柱43とエンジン側吸気管52とを介してエンジン11に燃焼用空気として供給する。
【0031】
前記取り付け体42と前記支柱43とは、エンジン側吸気管52とエヤクリーナ側吸気管51とを回転自在に接続する回転継ぎ手を構成し、エンジンボンネット13を揺動開閉される際のエンジン側吸気管52およびエヤクリーナ側吸気管53の取り外しを省略している。
【0032】
図10,11に示すように、前記吸気ケース14は、前記エヤクリーナ50が位置するケース横端側とは反対のケース横端側に配置した複数の電装品55と、一つの仕切り板56とを収容している。
前記電装品55は、脱穀装置3における扱き深さを設定深さに維持する電子制御や、刈取り部30における刈高さを設定高さに維持する電子制御を司るよう構成されている。
前記仕切り板56は、前記電装品55が位置するケース内空間と前記エヤクリーナ50が位置するケース内空間とを仕切り、エヤクリーナ50を収容するケース内空間に塵埃が流入しても電装品55が位置するケース内空間に流入することを防止することにより、電装品55の塵埃付着を防止している。
【0033】
図9に示すように、前記原動部10は、前記支持枠体40とエンジンボンネット13とにわたって設けた支持機構60を備えている。図6,7,9,10に示すように、前記支持機構60は、前記エンジンボンネット13の天板部13eの下面側に固定されたガイドレール部61と、前記支持枠体40の後端側の上部に固定された支持部62とを備えて構成してある。
【0034】
前記ガイドレール部61は、平面視で前記開閉軸芯Pを中心とした円弧形のレール材によって構成してある。前記支持部62は、前記支持枠体40にホルダー63を介して遊転自在に支持させたローラによって構成してあり、エンジンボンネット13が閉じ状態になった場合と開き状態になった場合とにおいて、前記ガイドレール部61のエンジンボンネット13の閉じ状態あるいは開き状態に対応した側の端部に当接してエンジンボンネット13と運転部構造体26との荷重を支持する。これにより、支持部62は、エンジンボンネット13が閉じ状態と開き状態との一方から他方に揺動する際、前記ガイドレール部61に転動しながら摺動自在に当接してエンジンボンネット13と運転部構造体26との荷重を支持する。
【0035】
つまり、前記支持機構60は、エンジンボンネット13と運転部構造体26とが閉じ状態と開き状態との一方から他方に移動される際、ガイドレール部61と支持部62とによってエンジンボンネット13を開閉軸芯Pよりも遊端側に離れた箇所で支持し、エンジンボンネット13の遊端側の垂れ下がりを防止して取り付け体42と支柱43との間のこじれを発生しにくくする。
【0036】
図6,8,13に示すように、前記自走機体は、機体フレーム2の前端部に支柱66を介して板体を固設して設けた初期用の支持部67と、機体フレーム2の前端部に前記支持部67よりも機体横外側に配置した枠体を固設して設けた2期用の支持部68と、前記機体フレーム2の原動部10の後側近くに板体を付設して設けた受け止め支持部65とを備えている。
【0037】
図13(a)は、エンジンボンネット13と運転部構造体26との閉じ状態での平面図である。図13(b)は、エンジンボンネット13と運転部構造体26との開き途中での平面図である。図13(c)は、エンジンボンネット13と運転部構造体26との開き状態での平面図である。これらの図に示すように、前記自走機体は、運転部構造体26が閉じ状態と開き状態との間に位置する状態での運転部構造体26の支持操作に必要な操作力を前記支持部67,68によって軽減する。
【0038】
つまり、運転部構造体26が閉じ状態から開き状態に向かって揺動し始めた初期において、運転部フレームの前記横壁部13aの下部に位置する初期用部位70が前記初期用の支持部67に載って摺接し、この支持部67が前記初期用部位70に支持作用して運転部構造体26の荷重を支持する。運転部構造体26が開き状態に向かってさらに揺動し、運転部フレームの前記初期用部位70が前記初期用の支持部67から外れる少し手前に位置すると、運転部フレームの前記運転部床24の下面側に位置する2期用部位71が前記2期用の支持部68に載り、前記初期用部位70が前記初期用の支持部67から外れた後も前記2期用部位71が前記2期用の支持部68に載っていて摺接する。これにより、運転部構造体26が、前記初期用部位70が初期用の支持部67の終端部に位置した揺動位置に到達してから、前記初期用部位70が初期用の支持部67から外れてさらに開き状態に向かって移動した揺動位置に到達するまでの間、2期用の支持部68が2期用部位71に支持作用して運転部構造体26の荷重を支持する。
【0039】
自走機体は、開き状態に切り換えられたエンジンボンネット13を前記受け止め支持部65によって安定的に支持する。
【0040】
つまり、エンジンボンネット13の開き状態において、エンジンボンネット13の前記横壁部13aの下端部13fが受け止め支持部65に乗り上がる。これにより、受け止め支持部65は、前記下端部13fに受け止め作用してエンジンボンネット13を前記支持機構60よりも遊端側で支持する。
【0041】
〔別実施例〕
上記したエンジンボンネット13に替え、運転部20の運転部床24や運転キャビン21を連結されない構成を備えたエンジンボンネットの場合でも、本発明を適用することができる。すなわち、このエンジンボンネットが単独で開閉するものの場合でも、本発明の目的を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】作業機の全体側面図
【図2】作業機の全体平面図
【図3】作業機のエンジンボンネット開放状態での平面図
【図4】原動部の側面図
【図5】(a)は、エンジンボンネットの通常状態での斜視図、(b)は、エンジンボンネットの開き操作時での斜視図
【図6】エンジンボンネットと運転部構造体の開き状態での平面図
【図7】原動部の縦断側面図
【図8】自走機体の支持部設置部位での正面図
【図9】原動部の後面図
【図10】吸気ケースの縦断後面図
【図11】吸気ケースの横断平面図
【図12】エンジンボンネット支持構造の縦断面図
【図13】(a)は、エンジンボンネットと運転部構造体の閉じ状態での平面図、 (b)は、エンジンボンネットと運転部構造体の開き途中での平面図、(c)は、エンジンボンネットと運転部構造体の開き状態での平面図
【符号の説明】
【0043】
13 エンジンボンネット
42 筒形取り付け体
43 筒形支柱
50 エアクリーナ
50b エアクリーナの出口
51 エアクリーナ側吸気管
53 エンジン側吸気管
【技術分野】
【0001】
本発明は、揺動開閉自在なエンジンボンネットと、前記エンジンボンネットに支持されたエンジン用エアクリーナとを備えた作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
揺動開閉自在なエンジンボンネットを備えた作業機として、従来、例えば特許文献1に記載されたものがあった。
特許文献1には、コンバインが記載されている。このコンバインでは、エンジンボンネットが、運転部開放軸芯まわりに揺動自在に支持されており、自走機体の機体フレームの上側に位置した閉じ状態と、自走機体外に位置した開き状態とに切り換わる。
【0003】
【特許文献1】特開2007−37460号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エンジンボンネットの揺動開閉を可能にしたものにおいて、エンジン用エアクリーナ(以下、エアクリーナと略称する。)をエンジンボンネットの外部に配置するなどにより、エアクリーナをエンジンボンネットに支持させることがある。
この場合、エアクリーナとエンジンとを連通させる吸気管をエアクリーナ側やエンジン側で取り外すことによってエンジンボンネットの開放を可能にすると、エンジンボンネト内の点検や修理作業を行う際、吸気管を脱着する煩わしい手間が必要になる。
これに対し、吸気管をエンジンとエアクリーナとに接続したままでエンジンボンネットを開放することができるよう、蛇腹などの伸縮機構を備えた吸気管を採用すると、吸気管支持の面で構造が複雑になる。
すなわち、吸気管が伸縮機構を備えるがために屈曲や揺れ動きやすい性状を備える。このため、吸気管が振動に起因した屈曲や揺れ動きによってエンジンボンネット内のエンジンなどの装置に接触することを防止するよう、吸気管の支持を精度よく行わせるとともに数多くの箇所で行わせる必要がある。
【0005】
本発明の目的は、吸気管の取り外しを必要としないでエンジンボンネットを開放することができながら吸気管支持などの面から構造簡単に得ることができる作業機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本第1発明は、揺動開閉自在なエンジンボンネットと、前記エンジンボンネットに支持されたエンジン用エアクリーナとを備えた作業機において、
前記エンジンボンネットを揺動自在に支持するよう機体に設けた筒形支柱と、前記エンジンボンネットを前記筒形支柱に揺動自在に取り付けるよう前記筒形支柱に相対回転自在に連結されるとともに前記エンジンボンネットに連結された筒形取り付け体とを、連通し合った状態で備え、
前記エンジン用エアクリーナの出口を前記筒形取り付け体に連通させるエアクリーナ側吸気管と、前記筒形支柱をエンジンの吸気部に連通させるエンジン側吸気管とを備えてある。
【0007】
本第1発明の構成によると、エンジンによるエンジン用エアクリーナからの燃焼用空気の取り入れは、エアクリーナ側吸気管と筒形取り付け体と筒形支柱とエンジン側吸気管とを介して行われる。そして、エンジンボンネットを開閉すれば、エアクリーナ側吸気管と筒形取り付け体とがエンジンボンネットと共に筒形支柱に対して回転するから、エアクリーナ側吸気管やエンジン側吸気管の取り外しを行わずにエンジンボンネットを開放することができるとともに、筒形取り付け体と筒形支柱とを回転継ぎ手に利用してエアクリーナ側吸気管とエンジン側吸気管とを回転自在に接続することができる。また、エアクリーナ側吸気管及びエンジン側吸気管を容易に屈曲や揺れ動かないように比較的硬い管で構成しても、エアクリーナ側吸気管やエンジン側吸気管を取り付けたままでエンジンボンネットの開放が可能になる。
【0008】
これにより、エンジンボンネット内の点検や修理作業を行うのに、吸気管の脱着手間を掛けないで能率よくを行うことができる便利な作業機を得ることができる。しかも、エンジン側吸気管やエアクリーナ側吸気管に作用させる支持手段の省略や簡素化を図ることができるとともに筒形取り付け体と筒形支柱とを回転継ぎ手に利用して構造簡単に得ることができる。
【0009】
本第2発明は、前記筒形支柱が、前記エンジンボンネットの閉じ状態において、前記エンジンボンネットの機体横外側縁よりも機体横方向での内側に位置している。
【0010】
本第2発明の構成によると、エンジンボンネットを比較的小回転角度で揺動操作すれば、エンジン付近を広く開放することができる。
【0011】
これにより、エンジン付近を広く開放して点検や修理を能率よく行うことができる作業状態を、エンジンボンネットを比較的小回転角度で揺動操作するだけで楽に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に係る作業機の全体側面図である。図2は、本発明の実施例に係る作業機の全体平面図である。これらの図に示すように、本発明の実施例に係る作業機は、クローラ走行装置1によって自走するよう構成し、かつ、エンジン11が装備された原動部10と、運転キャビン21が装備された運転部20とを有した自走機体を備え、この自走機体の機体フレーム2の前部に連結された刈取り部30を備え、前記機体フレーム2の後部側に機体横方向に並べて設けた脱穀装置3と穀粒タンク4とを備えている。
【0013】
この作業機は、稲、麦などの収穫作業を行う。
つまり、前記自走機体は、前記運転部20の横側方に配置して前記機体フレーム2に支持させたミッションケース5を備え、前記エンジン11の出力を、前記ミッションケース5を介して前記クローラ走行装置1と前記刈取り部30とに伝達する。
【0014】
前記刈取り部30は、これの刈取り部フレーム31が油圧シリンダ(図示せず)によって機体フレーム2に対して上下に揺動操作されることにより、刈取り部30の前部に機体横方向に並べて設けてある分草具32が地面近くに下降した下降作業状態と、前記分草具32が地面から高く上昇した上昇非作業状態とに昇降操作される。刈取り部30を下降作業状態にして自走機体を走行させると、刈取り部30は、前記各分草具32によって刈取り対象の植立穀稈を対応する引起し装置33に導入して引起し処理し、各引起し装置33によって引起し処理される植立穀稈を一つのバリカン形の刈取り装置34によって刈取り処理し、刈取り穀稈を搬送装置35によって機体後方向きに搬送して脱穀装置3に供給する。脱穀装置3は、脱穀フィードチェーン(図示せず)によって刈取り穀稈の株元側を機体後方側に挟持搬送しながら、この刈取り穀稈の穂先側を扱室(図示せず)に供給して脱穀処理する。前記穀粒タンク4は、脱穀装置3から搬送された脱穀粒を回収して貯留し、貯留した脱穀粒をスクリューコンベヤで成る搬出装置6によって搬出する。
【0015】
図4は、前記原動部10の側面図である。図7は、前記原動部10の縦断側面図である。図9は、前記原動部10の後面図である。これらの図に示すように、前記原動部10は、前記エンジン11を備える他、このエンジン11の機体横外側での横側方に配置したエンジン冷却用のラジエータ12と、前記エンジン11および前記ラジエータ12を覆うエンジンボンネット13と、このエンジンボンネット13の機体後方側の上部に連設した吸気ケース14とを備えている。
【0016】
前記ラジエータ12は、前記機体フレーム2に固定された支持枠体40の機体横外側の端部にラジエータフレーム41を介して取り付けられている。このラジエータ12は、エンジン11によって回転駆動される冷却ファン15によって冷却風を供給される。
【0017】
すなわち、前記冷却ファン15は、ラジエータ12を介してラジェータ前方に吸引作用し、エンジンボンネット13のラジエータ前方に位置する横壁部13aに設けてある吸気口13bからエンジンボンネット外の空気をラジエータ前方のエンジンボンネット内空間に吸引して冷却風を発生させ、この冷却風をラジエータ12に供給する。前記冷却ファン15は、さらに、前記エンジンボンネット内空間を介して前記吸気ケース14の内部に吸引作用し、吸気ケース14の横壁部14aに設けてある吸気口14bから吸気ケース外の空気を吸気ケース内に吸引して冷却風を発生させ、この冷却風をラジエータ前方のエンジンボンネット内空間に導入して前記吸気口13bからの冷却風に合流させてラジエータ12に供給する。
【0018】
図5(a)は、前記エンジンボンネット13の通常状態での斜視図である。この図と図7,9に示すように、前記エンジンボンネット13は、前記横壁部13aを備える他、前記エンジン11および前記ラジエータ12の機体後方側に位置する後板部13cと、エンジン11およびラジエータ12の機体前方側に位置する前板部13dと、エンジン11およびラジエータ12の機体上方側に位置する天板部13eとを備えて構成してあり、機体横方向での内向きと機体下方向きとに開口したエンジンルームを形成している。
【0019】
図7,9,10に示すように、前記エンジンボンネット13は、前記吸気ケース14の機体後方側の機体内側端部に連結された筒形取り付け体42(以下、取り付け体42と略称する。)を備えている。この取り付け体42は、前記機体フレーム2に立設された筒形支柱43(以下、支柱43と略称する。)の上端側に回転自在に連結されている。前記支柱43は、前記支持枠体40の機体内側端部に位置する機体上下向きの構成体に兼用されている。前記支柱43は、これの上端部から機体上方向きに延出した支持アーム44を備えている。この支持アーム44の延出端部44aは、前記取り付け体42の上端側に回転自在に連結しており、前記支柱43は、前記支持アーム44を介して前記取り付け筒42の上端側を支持している。
【0020】
つまり、前記エンジンボンネット13は、前記取り付け筒42を介して前記支柱43に枢支されており、支柱43が備える機体上下向きの開閉軸芯Pまわりに揺動開閉する。吸気ケース14は、エンジンボンネット13と共に揺動する。支柱43は、エンジンボンネット13の閉じ状態において、エンジンボンネット13の機体横外側縁よりも機体横方向での内側で、かつエンジンボンネット13の後側に位置している。
【0021】
図1,4に示すように、前記運転部20は、前記運転キャビン21を備える他、前記エンジンボンネット13の天板部13eの上面に取り付けられた運転座席22と、運転座席22の前方に位置する操縦塔23と、この操縦塔23と運転座席22との間に位置する運転部床24と、乗降口側とは反対側で操縦塔23とエンジンボンネット13との間を閉塞する横側壁25とを備えている。
【0022】
以下において、前記運転部床24と前記操縦塔23と前記横側壁25と前記運転キャビン21とを、運転部構造体26と称する。この運転部構造体26は、前記エンジンボンネット13に一体揺動自在に連結されている。
【0023】
図3は、コンバインのエンジンボンネット13と運転部構造体26との開き状態での平面図である。図6は、エンジンボンネット13と運転部構造体26との開き状態での平面図である。これらの図に示すように、エンジンボンネット13を開閉軸芯Pまわりに機体横外側に向けて揺動操作し、エンジンボンネット13が機体横外側向きになると、エンジンボンネット13が開き状態になり、エンジン11やラジエータ12を点検や修理しやすいように開放する。このとき、運転部構造体26がエンジンボンネット13と共に揺動して運転キャビン21の前窓21aが機体横外側向きになった開き状態になり、ミッションケース5やその付近を点検や修理しやすいように開放する。このとき、前記穀粒タンク4は、エンジンボンネット13と運転部構造体26とのタンクスペースへの入り込みが可能となるよう、前記搬出装置6の縦スクリューコンベヤ6aの軸芯まわりに機体横外側に揺動開放しておく。
【0024】
図5(a)は、エンジンボンネット13の開き操作時での斜視図である。この図に示すように、エンジンボンネット13を開き操作する場合、エンジンボンネット13の前板部13dと、運転部24の横側壁25の一部25aとを取り外し、かつ、運転部24の運転部床24の一部24aを起立させ、エンジンボンネット13と運転部床24と横側壁25とにエンジンルーム内の装置との干渉を回避する一つの開口27を形成する。
【0025】
図2は、コンバインのエンジンボンネット13と運転部構造体26との閉じ状態での平面図である。この図に示すように、エンジンボンネット13を開閉軸芯Pまわりに機体内側に向けて揺動操作し、エンジンボンネット13が機体前方向きになると、エンジンボンネット13が閉じ状態になってエンジン11やラジエータ12を覆う。このとき、運転部構造体26がエンジンボンネット13と共に揺動して運転キャビン21の前窓21aが機体前方向きになった閉じ状態になり、ミッションケース5やその付近を覆う。
【0026】
図9,10,11に示すように、前記エンジンボンネット13は、前記吸気ケース14の機体横方向での一端側の内部に配置して前記天板部13eに支持させたエンジン用エヤクリーナ50(以下、エヤクリーナ50と略称する。)を備えている。
【0027】
前記エヤクリーナ50は、前記吸気ケース14の内部に開口した入口50aを備えている。このエヤクリーナ50の出口50bは、エヤクリーナ側吸気管51によって前記取り付け体42に連通されている。エヤクリーナ側吸気管51は、エヤクリーナ50の出口50bと、取り付け体42に設けた接続口42aとに連結している。
【0028】
図12に示すように、前記取り付け体42の下端部は、支柱43の上端部に設けた連結筒部45に内嵌しており、前記取り付け体42と前記支柱43とは、前記連結筒部45の連通作用によって連通し合っている。
【0029】
前記支柱43とエンジン11の吸気部とは、エンジン側吸気管52によって連通されている。エンジン側吸気管52は、支柱43に設けた接続口43aに連結している。
【0030】
つまり、エヤクリーナ50は、エンジン11の吸気作用により、吸気ケース内の空気を前記入口50aから吸引し、吸引した空気を除塵処理した後に出口50bからエヤクリーナ側吸気管51と取り付け体42と支柱43とエンジン側吸気管52とを介してエンジン11に燃焼用空気として供給する。
【0031】
前記取り付け体42と前記支柱43とは、エンジン側吸気管52とエヤクリーナ側吸気管51とを回転自在に接続する回転継ぎ手を構成し、エンジンボンネット13を揺動開閉される際のエンジン側吸気管52およびエヤクリーナ側吸気管53の取り外しを省略している。
【0032】
図10,11に示すように、前記吸気ケース14は、前記エヤクリーナ50が位置するケース横端側とは反対のケース横端側に配置した複数の電装品55と、一つの仕切り板56とを収容している。
前記電装品55は、脱穀装置3における扱き深さを設定深さに維持する電子制御や、刈取り部30における刈高さを設定高さに維持する電子制御を司るよう構成されている。
前記仕切り板56は、前記電装品55が位置するケース内空間と前記エヤクリーナ50が位置するケース内空間とを仕切り、エヤクリーナ50を収容するケース内空間に塵埃が流入しても電装品55が位置するケース内空間に流入することを防止することにより、電装品55の塵埃付着を防止している。
【0033】
図9に示すように、前記原動部10は、前記支持枠体40とエンジンボンネット13とにわたって設けた支持機構60を備えている。図6,7,9,10に示すように、前記支持機構60は、前記エンジンボンネット13の天板部13eの下面側に固定されたガイドレール部61と、前記支持枠体40の後端側の上部に固定された支持部62とを備えて構成してある。
【0034】
前記ガイドレール部61は、平面視で前記開閉軸芯Pを中心とした円弧形のレール材によって構成してある。前記支持部62は、前記支持枠体40にホルダー63を介して遊転自在に支持させたローラによって構成してあり、エンジンボンネット13が閉じ状態になった場合と開き状態になった場合とにおいて、前記ガイドレール部61のエンジンボンネット13の閉じ状態あるいは開き状態に対応した側の端部に当接してエンジンボンネット13と運転部構造体26との荷重を支持する。これにより、支持部62は、エンジンボンネット13が閉じ状態と開き状態との一方から他方に揺動する際、前記ガイドレール部61に転動しながら摺動自在に当接してエンジンボンネット13と運転部構造体26との荷重を支持する。
【0035】
つまり、前記支持機構60は、エンジンボンネット13と運転部構造体26とが閉じ状態と開き状態との一方から他方に移動される際、ガイドレール部61と支持部62とによってエンジンボンネット13を開閉軸芯Pよりも遊端側に離れた箇所で支持し、エンジンボンネット13の遊端側の垂れ下がりを防止して取り付け体42と支柱43との間のこじれを発生しにくくする。
【0036】
図6,8,13に示すように、前記自走機体は、機体フレーム2の前端部に支柱66を介して板体を固設して設けた初期用の支持部67と、機体フレーム2の前端部に前記支持部67よりも機体横外側に配置した枠体を固設して設けた2期用の支持部68と、前記機体フレーム2の原動部10の後側近くに板体を付設して設けた受け止め支持部65とを備えている。
【0037】
図13(a)は、エンジンボンネット13と運転部構造体26との閉じ状態での平面図である。図13(b)は、エンジンボンネット13と運転部構造体26との開き途中での平面図である。図13(c)は、エンジンボンネット13と運転部構造体26との開き状態での平面図である。これらの図に示すように、前記自走機体は、運転部構造体26が閉じ状態と開き状態との間に位置する状態での運転部構造体26の支持操作に必要な操作力を前記支持部67,68によって軽減する。
【0038】
つまり、運転部構造体26が閉じ状態から開き状態に向かって揺動し始めた初期において、運転部フレームの前記横壁部13aの下部に位置する初期用部位70が前記初期用の支持部67に載って摺接し、この支持部67が前記初期用部位70に支持作用して運転部構造体26の荷重を支持する。運転部構造体26が開き状態に向かってさらに揺動し、運転部フレームの前記初期用部位70が前記初期用の支持部67から外れる少し手前に位置すると、運転部フレームの前記運転部床24の下面側に位置する2期用部位71が前記2期用の支持部68に載り、前記初期用部位70が前記初期用の支持部67から外れた後も前記2期用部位71が前記2期用の支持部68に載っていて摺接する。これにより、運転部構造体26が、前記初期用部位70が初期用の支持部67の終端部に位置した揺動位置に到達してから、前記初期用部位70が初期用の支持部67から外れてさらに開き状態に向かって移動した揺動位置に到達するまでの間、2期用の支持部68が2期用部位71に支持作用して運転部構造体26の荷重を支持する。
【0039】
自走機体は、開き状態に切り換えられたエンジンボンネット13を前記受け止め支持部65によって安定的に支持する。
【0040】
つまり、エンジンボンネット13の開き状態において、エンジンボンネット13の前記横壁部13aの下端部13fが受け止め支持部65に乗り上がる。これにより、受け止め支持部65は、前記下端部13fに受け止め作用してエンジンボンネット13を前記支持機構60よりも遊端側で支持する。
【0041】
〔別実施例〕
上記したエンジンボンネット13に替え、運転部20の運転部床24や運転キャビン21を連結されない構成を備えたエンジンボンネットの場合でも、本発明を適用することができる。すなわち、このエンジンボンネットが単独で開閉するものの場合でも、本発明の目的を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】作業機の全体側面図
【図2】作業機の全体平面図
【図3】作業機のエンジンボンネット開放状態での平面図
【図4】原動部の側面図
【図5】(a)は、エンジンボンネットの通常状態での斜視図、(b)は、エンジンボンネットの開き操作時での斜視図
【図6】エンジンボンネットと運転部構造体の開き状態での平面図
【図7】原動部の縦断側面図
【図8】自走機体の支持部設置部位での正面図
【図9】原動部の後面図
【図10】吸気ケースの縦断後面図
【図11】吸気ケースの横断平面図
【図12】エンジンボンネット支持構造の縦断面図
【図13】(a)は、エンジンボンネットと運転部構造体の閉じ状態での平面図、 (b)は、エンジンボンネットと運転部構造体の開き途中での平面図、(c)は、エンジンボンネットと運転部構造体の開き状態での平面図
【符号の説明】
【0043】
13 エンジンボンネット
42 筒形取り付け体
43 筒形支柱
50 エアクリーナ
50b エアクリーナの出口
51 エアクリーナ側吸気管
53 エンジン側吸気管
【特許請求の範囲】
【請求項1】
揺動開閉自在なエンジンボンネットと、前記エンジンボンネットに支持されたエンジン用エアクリーナとを備えた作業機であって、
前記エンジンボンネットを揺動自在に支持するよう機体に設けた筒形支柱と、前記エンジンボンネットを前記筒形支柱に揺動自在に取り付けるよう前記筒形支柱に相対回転自在に連結されるとともに前記エンジンボンネットに連結された筒形取り付け体とを、連通し合った状態で備え、
前記エンジン用エアクリーナの出口を前記筒形取り付け体に連通させるエアクリーナ側吸気管と、前記筒形支柱をエンジンの吸気部に連通させるエンジン側吸気管とを備えてある作業機。
【請求項2】
前記筒形支柱が、前記エンジンボンネットの閉じ状態において、前記エンジンボンネットの機体横外側縁よりも機体横方向での内側に位置している請求項1記載の作業機。
【請求項1】
揺動開閉自在なエンジンボンネットと、前記エンジンボンネットに支持されたエンジン用エアクリーナとを備えた作業機であって、
前記エンジンボンネットを揺動自在に支持するよう機体に設けた筒形支柱と、前記エンジンボンネットを前記筒形支柱に揺動自在に取り付けるよう前記筒形支柱に相対回転自在に連結されるとともに前記エンジンボンネットに連結された筒形取り付け体とを、連通し合った状態で備え、
前記エンジン用エアクリーナの出口を前記筒形取り付け体に連通させるエアクリーナ側吸気管と、前記筒形支柱をエンジンの吸気部に連通させるエンジン側吸気管とを備えてある作業機。
【請求項2】
前記筒形支柱が、前記エンジンボンネットの閉じ状態において、前記エンジンボンネットの機体横外側縁よりも機体横方向での内側に位置している請求項1記載の作業機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−207414(P2009−207414A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−53521(P2008−53521)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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