作業車の表示装置
【課題】 作業状態においては点灯式表示手段にて表示される報知情報を適切に読み取ることができ、非作業状態においては点灯式表示手段が作業者にとって目障りであると感じるおそれが少ないものとなる作業車の表示装置を提供する。
【解決手段】 作業者に知らせるべき報知情報を表示する点灯式表示手段が、点灯状態と消灯状態とに切り換え自在な複数の点灯部13b,16a,17aと複数の点灯部13b,16a,17aを選択的に点灯させる点灯表示制御手段とを備えて構成され、点灯表示制御手段が、作業状態判別手段の判別結果に基づいて、点灯状態において点灯部を発光させるときの発光強度を、非作業状態であることが判別されたときは作業状態であることが判別されたときよりも低くなるように切り換える発光強度切換処理を実行する。
【解決手段】 作業者に知らせるべき報知情報を表示する点灯式表示手段が、点灯状態と消灯状態とに切り換え自在な複数の点灯部13b,16a,17aと複数の点灯部13b,16a,17aを選択的に点灯させる点灯表示制御手段とを備えて構成され、点灯表示制御手段が、作業状態判別手段の判別結果に基づいて、点灯状態において点灯部を発光させるときの発光強度を、非作業状態であることが判別されたときは作業状態であることが判別されたときよりも低くなるように切り換える発光強度切換処理を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転席の前部に設けられた表示パネルに、作業者に知らせるべき報知情報を表示する点灯式表示手段が設けられ、前記点灯式表示手段が、点灯状態と消灯状態とに切り換え自在な複数の点灯部と、前記報知情報を表示すべく前記複数の点灯部を選択的に点灯させる点灯表示制御手段とを備えて構成されている作業車の表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記作業車の表示装置の従来例として、作業車の一例であるコンバインにおいて、前記報知情報としてのエンジン負荷の大きさを表示する点灯式表示手段が、次のように構成されたものがあった。
【0003】
すなわち、エンジン負荷の大きさが複数段階例えば5段階に区分けした負荷レベルのうちのいずれの負荷レベルであるかを判別するようにして、点灯式表示手段は、各段階の負荷レベルを表す番号を付した表示体とその表示体を下方側から照明するランプとを備えた点灯部を複数並べる状態で設け、上記したようにして判別された負荷レベルに対応した点灯部を点灯状態に切り換え、他の点灯部を消灯状態に切り換えることで、エンジン負荷を表示するように構成され、点灯状態に切り換わるときの点灯部の発光強度は、作業を行うときに適切に読み取るのに適した発光強度が設定され、常に同じ発光強度に設定されるものであった(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2001−191872号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来構成においては、前記点灯式表示手段における点灯部の発光強度が、作業を行うときに報知情報を読み取るのに適した発光強度に設定されていることから、作業を行う場合においては、作業者は点灯部が点灯状態であることを識別して作業に必要な報知情報を適切に読み取ることができ、良好に作業を行えるものとなる。
【0006】
ところで、点灯式表示手段にて表示される報知情報は、刈取作業等の作業走行を行う場合には、作業者にとって作業を適正に行う上で必要性は高いが、作業走行が終了した後の非作業状態においては、上記報知情報は作業者にとって必要性が低い場合が多く、このような非作業状態において作業車を移動走行させるときは、車体を適正に走行させるために運転操作に専念する必要がある。
【0007】
しかしながら、上記従来構成では、このような非作業状態においても、前記点灯部の発光強度が作業を行うとき報知情報を読み取るのに適した値に設定されていることから、その複数の点灯部を選択的に点灯させるときの点灯部の発光強度が大き過ぎて、作業者がその点灯する点灯部に気を取られてしまい、車体を走行させるための運転操作の妨げになる等、作業者が目障りであると感じるおそれがあった。特に、夜間において車体を走行させるような場合においては、点灯している点灯部が明る過ぎて眩しく目障りであると感じるおそれが大となっていた。
【0008】
本発明の目的は、作業状態においては点灯式表示手段にて表示される報知情報を適切に読み取ることができ、非作業状態においては点灯式表示手段が作業者にとって目障りであると感じるおそれが少ないものとなる作業車の表示装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る作業車の表示装置は、運転席の前部に設けられた表示パネルに、作業者に知らせるべき報知情報を表示する点灯式表示手段が設けられ、前記点灯式表示手段が、点灯状態と消灯状態とに切り換え自在な複数の点灯部と、前記報知情報を表示すべく前記複数の点灯部を選択的に点灯させる点灯表示制御手段とを備えて構成されているものであって、その第1特徴構成は、作業状態であるか非作業状態であるかを判別する作業状態判別手段が備えられ、前記点灯表示制御手段が、前記作業状態判別手段の判別結果に基づいて、前記点灯状態において前記点灯部を発光させるときの発光強度を、非作業状態であることが判別されたときは作業状態であることが判別されたときよりも低くなるように切り換える発光強度切換処理を実行するように構成されている点にある。
【0010】
第1特徴構成によれば、作業状態判別手段により非作業状態であることが判別されたときは、点灯状態において点灯部を発光させるときの発光強度が、作業状態判別手段により作業状態であることが判別されたときよりも低くなるように切り換えられることになる。すなわち、作業状態であるときは前記発光強度が大きめの値になっており、作業者は点灯式表示手段にて表示される報知情報を適切に読み取ることができる。
【0011】
一方、非作業状態であるときは、前記発光強度が作業状態であることが判別されたときよりも低くなり、前記発光強度が小さめの値になるので、作業者は、複数の点灯部を選択的に点灯させるときの点灯状態になる点灯部が目障りであると感じるおそれが少ないものになる。
【0012】
従って、作業状態においては点灯式表示手段にて表示される報知情報を適切に読み取ることができ、非作業状態においては点灯式表示手段が作業者にとって目障りであると感じるおそれが少ないものとなる作業車の表示装置を提供できるに至った。
【0013】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成に加えて、昼間であること及び夜間であることのいずれかを指令する昼夜指令手段が備えられ、前記点灯表示制御手段が、前記発光強度切換処理として、前記昼夜指令手段にて昼間であることが指令されると、前記作業状態判別手段の判別結果にかかわらず、前記発光強度を昼間用設定強度に切り換え、且つ、前記昼夜判別手段にて夜間であることが指令されると、前記作業状態判別手段にて作業状態であることが判別されたときは前記発光強度を前記昼間用設定強度よりも低い夜間作業用設定強度に切り換え、及び、前記作業状態判別手段にて非作業状態であることが判別されたときは前記発光強度を前記夜間作業用設定強度よりも低い夜間非作業用設定強度に切り換えるように構成されている点にある。
【0014】
第2特徴構成によれば、前記昼夜指令手段にて昼間であることが指令されると、前記作業状態判別手段の判別結果にかかわらず、前記発光強度が昼間用設定強度に切り換えられるから、前記点灯部が点灯状態に切り換わると昼間用設定強度にて発光することになる。この昼間用設定強度は、車外が明るい場合であっても点灯状態であることを作業者が識別できる程度の大きめの値が設定されることになる。
【0015】
そして、昼夜判別手段にて夜間であることが指令され、作業状態判別手段にて作業状態であることが判別されたときは、前記発光強度が夜間作業用設定強度に切り換えるから、前記点灯部が点灯状態に切り換わると夜間作業用設定強度にて発光することになる。この夜間作業用設定強度は昼間用設定強度よりも低い発光強度であるから、昼間用設定強度にて点灯する場合のように作業者が点灯状態になっている点灯部を眩しいと感じるおそれは少なく、報知情報を適切に読み取ることが可能となる。
【0016】
説明を加えると、前記昼間用設定強度は、車外が明るい場合であっても点灯状態であることを作業者が識別できるように大きめの値に設定されるから、夜間において、そのような昼間用設定強度にて点灯部が点灯すると、点灯部が明る過ぎて作業者が眩しく感じて作業の邪魔になるおそれがある。しかし、前記夜間作業用設定強度は昼間用設定強度よりも低い発光強度であるから、昼間用設定強度にて点灯する場合のように作業者が点灯状態になっている点灯部を眩しいと感じるおそれは少ないのである。
【0017】
昼夜判別手段にて夜間であることが指令され、作業状態判別手段にて非作業状態であることが判別されたときは、前記発光強度を夜間非作業用設定強度に切り換えるから、前記点灯部が点灯状態に切り換わると夜間作業用設定強度にて発光することになる。この夜間非作業用設定強度は、夜間作業用設定強度よりも低い発光強度であるから、作業者は、複数の点灯部を選択的に点灯させるときの点灯状態になる点灯部が目障りであると感じるおそれが少ないものになる。
【0018】
すなわち、昼間に作業を行うときには、前記点灯部が昼間用設定強度にて点灯するから、作業者は車外が明るい場合であっても点灯状態であることを識別することができる。一方、夜間の作業状態においては、作業者が点灯状態になっている点灯部を眩しいと感じるおそれが少ない状態で報知情報を適切に読み取ることができ、夜間の非作業状態においては、点灯状態になる点灯部が目障りであると感じるおそれを少なくすることができ、作業車の使用状況に応じて適切な表示状態で点灯式表示手段にて報知情報を表示することが可能となる作業車の表示装置を提供できるに至った。
【0019】
本発明の第3特徴構成は、第2特徴構成に加えて、前記夜間作業用設定強度及び前記夜間非作業用設定強度を設定する手動式の発光強度設定手段が備えられ、前記点灯表示制御手段が、前記発光強度切換処理において、前記発光強度を前記発光強度設定手段にて設定された前記作業用設定強度及び前記非作業用設定強度に切り換えるように構成されている点にある。
【0020】
第3特徴構成によれば、作業者が手動式の発光強度設定手段を操作することによって、夜間であって且つ作業状態であるときの点灯部の発光強度である夜間作業用設定強度、及び、夜間であって且つ非作業状態であるときの点灯部の発光強度である夜間非作業用設定強度を変更設定することができる。例えば、作業者の好みに応じて変更したり、車外の明るさの違いに応じて変更することが可能である。従って、夜間において作業者にとって都合が良い状態になるように、点灯部の発光強度を変更設定することが可能となり、使い勝手が向上する。
【0021】
本発明の第4特徴構成は、第1特徴構成〜第3特徴構成のいずれかに加えて、前記点灯式表示手段における前記複数の点灯部が、前記報知情報としてエンジン負荷を表示すべく最低負荷表示位置から最高負荷表示位置にわたる負荷表示用設定経路に沿って並設され、 前記点灯式表示手段における前記点灯表示制御手段が、前記複数の点灯部のうちでエンジン負荷が増大するほど前記最高負荷表示位置に近い側の点灯部を消灯状態から点灯状態に切り換える形態で、複数の点灯部を選択的に点灯させることにより、前記エンジン負荷を表示するように構成されている点にある。
【0022】
第4特徴構成によれば、前記点灯式表示手段は、最低負荷表示位置から最高負荷表示位置にわたる負荷表示用設定経路に沿って並設された複数の点灯部のうちで、エンジン負荷が増大するほど最高負荷表示位置に近い側の点灯部を消灯状態から点灯状態に切り換える形態で、複数の点灯部を選択的に点灯させることによって、エンジン負荷を表示することになる。
【0023】
説明を加えると、エンジン負荷が最低負荷から順次増大すると、先ず、最低負荷表示位置にある点灯部が消灯状態から点灯状態に切り換わり、その後、最低負荷表示位置にある点灯部よりも最高負荷表示位置側に隣接する点灯部が消灯状態から点灯状態に切り換わり、次に、その点灯部よりも最高負荷表示位置側に隣接する点灯部が消灯状態から点灯状態に切り換わる。このようにエンジン負荷が増大するに連れて、消灯状態から点灯状態に切り換わる点灯部が最高負荷表示位置側に移動していく。そして、作業者は、その消灯状態から点灯状態に切り換わる点灯部の位置によりエンジン負荷を読み取ることができるのである。
【0024】
このような構成であれば、消灯状態から点灯状態に切り換わる点灯部の位置の変化は、エンジン負荷がある程度変動してから次の点灯部に移動することになる。つまり、エンジン負荷が少し変化しただけではエンジン負荷用表示部の表示状態が変化しないことになり、エンジン負荷の細かな変動に対してエンジン負荷用表示部の表示状態が頻繁に変動しないので、表示が見易いものになる。
【0025】
本発明の第5特徴構成は、第1特徴構成〜第3特徴構成のいずれかに加えて、複数の変速状態に切り換え自在な変速装置が備えられ、前記点灯式表示手段における前記複数の点灯部が、前記報知情報として前記変速装置の複数の変速状態を表示すべく前記複数の変速状態の夫々に対応させて並設され、前記点灯式表示手段における前記点灯表示制御手段が、前記複数の点灯部のうち、現在の変速状態に対応する点灯部を点灯状態とし他の点灯部を消灯状態とする形態で、複数の点灯部を選択的に点灯させることにより、前記変速装置の変速状態を表示するように構成されている点にある。
【0026】
第5特徴構成によれば、複数の変速状態に対応させて並設する状態で備えられた複数の点灯部のうちで、現在の変速状態に対応する点灯部を点灯状態とし、他の点灯部を消灯状態とする形態で複数の点灯部を選択的に点灯させることにより、変速装置の変速状態を表示するのである。つまり、現在の変速状態に対応する点灯部が点灯状態となり、他の点灯部が消灯状態となることにより、作業者は、現在の変速状態がどの変速状態であるかを容易に識別することができる。
【0027】
本発明の第6特徴構成は、第4特徴構成に加えて、前記表示パネルに、最低速度表示位置と最高速度表示位置とに亘る上向き突出の円弧状の作業速度表示用設定経路に沿って表示用指示体を移動させる形態で、報知情報としての作業速度を表示する作業速度表示手段が設けられ、前記点灯式表示手段における負荷表示用設定経路が、上向き突出の円弧状に形成されて前記作業速度表示手段における前記作業速度表示用設定経路の外方側に並ぶ状態で備えられている点にある。
【0028】
第6特徴構成によれば、前記作業速度用表示手段は、表示用指示体を作業速度に応じて最低速度表示位置から最高速度表示位置に亘る上向き突出の円弧状の作業速度表示用設定経路に沿って移動させることにより作業速度を表示するのであり、作業者は表示用指示体の位置から作業速度を読み取ることができる。
【0029】
このように構成することで、上向き突出の円弧状に形成された作業速度表示用設定経路に沿って表示用指示体を移動させて作業速度を表示するので、例えば直線状の経路等に比べて、限られた表示スペースを有効に利用して作業速度表示用設定経路の経路長を極力長くすることができ、作業速度が単位量変化するときの表示用指示体の単位移動量を極力大きくすることで分解能を高くした状態で作業速度を表示することができる。
【0030】
そして、前記点灯式表示手段が、前記負荷表示用設定経路を前記作業速度表示用設定経路の外方側に並ぶ上向き突出の円弧状とし、且つ、複数の点灯部を負荷表示用設定経路に沿って並設するものであるから、前記作業速度表示用設定経路の外方側のスペースを有効利用して配置することができる。
【0031】
従って、作業速度をできるだけ高い分解能で精度よく読み取ることが可能な状態で表示することができ、エンジン負荷及び作業速度が近い箇所で表示されるから、作業者はそれらの情報を読み取るときに、大きく視線を動かさなくてもよいので能率よく読み取ることが可能となる。
【0032】
本発明の第7特徴構成は、第2特徴構成又は第3特徴構成に加えて、車体の前部に車体前方側を照明する照明装置が、消灯状態、路上走行用の照明状態、及び、作業走行用の照明状態に切り換え自在に構成され、前記照明装置の動作状態の切り換えを指令する手動操作スイッチが、前記作業状態判別手段並びに前記昼夜指令手段を兼用する状態で備えられ、前記点灯表示制御手段が、前記手動操作スイッチにて前記消灯状態への切り換えが指令されると昼間であることが指令されたものと判別し、前記手動操作スイッチにて前記路上走行用の照明状態への切り換えが指令されると、夜間であることが指令され且つ非作業状態であると判別し、前記手動操作スイッチにて前記作業走行用の照明状態への切り換えが指令されると、夜間であることが指令され且つ作業状態であると判別するように構成されている点にある。
【0033】
第7特徴構成によれば、前記手動操作スイッチにて前記消灯状態への切り換えが指令されると、車体の前部に設けられた照明装置が消灯状態に切り換えられるが、そのとき、点灯表示制御手段が昼間であることが指令されたものと判別して、前記作業状態判別手段の判別結果にかかわらず、前記発光強度を昼間用設定強度に切り換える。又、前記手動操作スイッチにて前記作業走行用の照明状態への切り換えが指令されると、照明装置が作業走行用の照明状態に切り換えられるが、そのとき、点灯表示制御手段が夜間であることが指令され且つ作業状態であると判別して、前記発光強度を前記昼間用設定強度よりも低い夜間作業用設定強度に切り換える。そして、前記手動操作スイッチにて前記路上走行用の照明状態への切り換えが指令されると、照明装置が路上走行用の照明状態に切り換えられるが、そのとき、点灯表示制御手段が夜間であることが指令され且つ非作業状態であると判別して、前記発光強度を前記夜間作業用設定強度よりも低い夜間非作業用設定強度に切り換えるのである。
【0034】
すなわち、前記照明装置を消灯状態、路上走行用の照明状態、及び、作業走行用の照明状態のいずれかに切り換えるための手動操作スイッチの構成を有効利用して、昼夜の判別と、作業状態であるか非作業状態であるかの判別を行うようにしているので、昼夜の判別を行うための専用の判別手段や作業状態であるか非作業状態であるかの判別を行うための専用の検出手段を各別に設ける構成に比べて構成の簡素化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明に係る作業車の表示装置の実施形態を作業車としてのコンバインに適用した場合について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、コンバインは、左右一対のクローラ走行装置30を備えた機体Vの前部に、刈取昇降シリンダ5によって横軸心X周りに上下揺動操作自在な状態で刈取部1が設けられ、機体Vには、運転部31、刈取穀稈の扱処理並びに穀粒選別処理を行う脱穀部2、脱穀部2から供給される穀粒を貯留する貯留部としてのグレンタンク3、及び、グレンタンク3から穀粒を排出するための排出用のアンローダ32等が装備されて構成されている。前記グレンタンク3にはその内部に貯留されている穀粒(もみ)の量を検出するモミセンサS6が設けられている。
【0036】
刈取部1は、先端部に付設された分草具33、穀稈の引き起こし装置34、引き起こした穀稈の株元を切断する刈り刃35、先端側で刈取穀稈を受け取って脱穀部2のフィードチェーン2aに受け渡す縦搬送装置36等を備えている。詳述はしないが、前記脱穀部2には、刈取部1から供給される穀稈をフィードチェーン2aにより搬送しながら扱室内で脱穀処理を行い、扱室から漏下した処理物を穀粒と藁屑とに選別する選別装置が備えられている。そして、選別回収された穀粒は、図示しないスクリュー式の搬送装置によってグレンタンク3に搬送されて貯留される。又、脱穀部2の後方側には、図1に示すように、脱穀部2から排出される排藁を切断する排ワラカッタ部64が設けられ、その排ワラカッタ部64の詰まりを検出するための排ワラ詰まり検出スイッチS15が設けられている。又、選別装置には扱室から漏下した処理物の量を検出するシーブセンサS8が備えられている(図13参照)。
【0037】
図1及び図3に示すように、刈取部1の前部の両横側における最も機体横外側に位置する引き起こし装置34の上端部の機体横外側に位置する部位に夫々、照明装置としての前照灯20、20が設けられている。左右の前照灯20、20は、夫々、上側照射ランプ21と下側照射ランプ22とを備えて構成され、下側照射ランプ22の照射方向を上側照射ランプ21の照射方向より下向きに設定している。
【0038】
運転部31には、左右の前照灯20、20を入り切り操作するための手動操作式の前照灯スイッチ23が設けられており、この前照灯スイッチ23は、図13に示すように、消灯位置(消灯)、夜間における路上走行を行うための非作業用操作位置(路上)、夜間における刈取作業を行うための作業用操作位置(作業)の3つの操作位置に切り換え操作可能に構成されている。
【0039】
この前照灯スイッチ23が消灯位置(消灯)に操作すると、左右の前照灯20、20を上側照射ランプ21も下側照射ランプ22も共に消灯した消灯状態に切り換わり、非作業用操作位置(路上)に操作すると、左右の前照灯20、20における上側照射ランプ21が消灯し、下側照射ランプ22が点灯した非作業用点灯状態に切り換わり、作業用操作位置(作業)に操作すると、左右の前照灯20、20が上側照射ランプ21も下側照射ランプ22も共に消灯した作業用点灯状態に切り換わるようになっている。
【0040】
つまり、夜間において刈取作業を行う際には、前照灯スイッチ23を作業用操作位置に操作しておくと、左右の前照灯20、20が上側照射ランプ21も下側照射ランプ22も共に点灯するので、機体前方側だけでなく刈取部1による刈取位置付近が明るいので、植立穀稈に対する位置合わせを容易に行いながら作業することができる。又、夜間に移動走行を行なうような非作業状態では、刈取部1が非作業位置に上昇操作されるが、前照灯スイッチ23を非作業用操作位置に操作すると、左右の前照灯20、20は、上側照射ランプ21が消灯し下側照射ランプ22が点灯した状態に切り換わり、上側照射ランプ21による対向車の照射を回避した状態で前方を照明しながら走行することができる。
【0041】
従って、前記前照灯スイッチ23は、昼間であるか夜間であるかによって操作状態が異なることになるから、その操作状態によって昼間であるか夜間であるかを判別することが可能となる。又、夜間において作業状態であるか非作業状態であるかを判別することが可能であり、前照灯スイッチ23が、昼間であること及び夜間であることのいずれかを指令する昼夜指令手段、並びに、作業状態であるか非作業状態であるかを判別する作業状態判別手段を兼用する手動操作スイッチとして備えられる構成となっている。
【0042】
次に、動力伝達系を図2に示す。機体Vに搭載されたエンジンEの出力は、脱穀クラッチ37を介して脱穀部2に伝達され、且つ、走行クラッチ38及び無段変速装置39を介してクローラ走行装置30のミッション部40に伝達される。ミッション部40に伝達された出力は、ミッション部40内に設けられた副変速装置42を介してクローラ走行装置30に伝達され、刈取変速装置43及び刈取クラッチ41を介して刈取部1に伝達される。そして、副変速装置42にて変速された後の動力にて駆動されるクローラ走行装置30の入力軸の回転速度に基づいて作業速度を検出する車速センサS4、エンジンEの回転速度を検出するエンジン回転速度センサS5、エンジンEの冷却水の水温を検出する水温センサS7等が設けられている。
【0043】
前記車速センサS4は、詳述はしないが、電磁ピックアップコイルの作用によりクローラ走行装置30の入力軸に備えられたギアの歯部と溝部との間での近接距離の変化に対応するパルス信号をギアの回転速度に対応した信号として出力するように構成されており、そのパルス信号のパルス周期の長さに基づいて作業速度を検出する構成となっている。
【0044】
前記エンジン回転速度センサS5についても、車速センサS4と同様に、電磁ピックアップコイルの作用によりエンジンEの出力軸と一体的に回転するように備えられたギアの歯部と溝部との間での近接距離の変化に対応するパルス信号を出力するように構成されており、そのパルス信号のパルス周期の長さに基づいて作業速度を検出する構成となっている。
【0045】
前記無段変速装置39は、変速モータM6により無段変速操作可能であり、しかも、変速モータM6の操作に優先して運転部31に設けられた手動操作式の主変速レバー7にて手動で変速操作可能に構成されている。又、前記副変速装置42は、副変速用油圧シリンダ65の操作により、路上走行用の高速状態、刈取作業用の低速状態、クローラ走行装置30への動力伝達を断つ中立状態の3つの変速状態に切り換え自在に構成されている。そして、副変速装置42がどの変速位置にあるかを検出する副変速センサS10が設けられている。
【0046】
前記刈取変速装置43は、図示しない刈取変速用油圧シリンダの操作により高速状態と低速状態とに切り換え自在に構成され、コンバインの作業速度に対する刈取部1の刈取作業速度の相対速度を作物の種類の違いや植立穀稈の倒伏状態の違い等に応じて高低2段階に切り換えることができる。そして、刈取変速装置43がどの変速状態にあるかを検出する刈取変速センサS11が設けられている。
【0047】
前記副変速装置42は、取り付け構成については図示しないが、主変速レバー7の握り部に指操作可能に設けられたトグル操作式の副変速切換スイッチ及び運転部31における主変速レバー7とは別の箇所に設けられた副変速中立スイッチによる指令に基づいて変速状態が切り換わる構成である。又、刈取変速装置43は、図示はしないが、副変速切換スイッチと同様に、主変速レバー7の握り部に指操作可能に設けられたトグル操作式の刈取変速切換スイッチを切り換え操作することで高速状態と低速状態とに切り換え自在に構成されている。
【0048】
後記するように無負荷時のエンジン回転速度(基準回転速度)からのエンジン回転速度低下量によってエンジン負荷が求められるが、そのエンジン負荷の情報に基づいて、エンジンEの能力を極力有効に利用できるようにするために、車速センサS4にて検出される作業速度が図示しない上限速度設定器にて設定される設定上限速度を超えない条件で、エンジン負荷が適正範囲に維持されるように、変速モータM6の作動を制御する車速制御が実行される。
【0049】
運転部31には、刈取部1を昇降操作する刈取昇降指令具と機体Vを左右に旋回操作する旋回操作指令具とに兼用構成された十字操作式の刈高操向レバー8が設けられている。つまり、この刈高操向レバー8を後方側に揺動操作すると刈取部1が上昇し、前方側に揺動操作すると刈取部1が下降する。又、刈高操向レバー8を左側に揺動操作すると機体が左旋回し、右側に揺動操作すると機体が右旋回するように構成されている。
【0050】
そして、このコンバインには、運転席の前部に設けられた表示パネルPに、作業者に知らせるべき報知情報を表示する点灯式表示手段THが設けられ、その点灯式表示手段THが、点灯状態と消灯状態とに切り換え自在な複数の点灯部と、前記報知情報を表示すべく前記複数の点灯部を選択的に点灯させる点灯表示制御手段100とを備えて構成されている。この点灯表示制御手段100は、作業状態判別手段の判別結果に基づいて、点灯状態において点灯部を発光させるときの発光強度を、非作業状態であることが判別されたときは作業状態であることが判別されたときよりも低くなるように切り換える発光強度切換処理を実行するように構成されている。
【0051】
さらに説明を加えると、前記点灯表示制御手段100が、前記発光強度切換処理として、昼夜指令手段にて昼間であることが指令されると、作業状態判別手段の判別結果にかかわらず、発光強度を昼間用設定強度に切り換え、且つ、昼夜判別手段にて夜間であることが指令されると、作業状態判別手段にて作業状態であることが判別されたときは発光強度を昼間用設定強度よりも低い夜間作業用設定強度に切り換え、及び、作業状態判別手段にて非作業状態であることが判別されたときは発光強度を夜間作業用設定強度よりも低い夜間非作業用設定強度に切り換えるように構成されている。
【0052】
前記表示パネルPには、表示用設定経路に沿って移動する表示用指示体の位置によって、作業者に知らせるべき報知情報を表示する移動式表示手段IHが設けられ、この移動式表示手段IHが、前記表示用指示体の位置を読み取るために背面板に設けられた読取用表示情報を照明する作動状態と照明を停止する非作動状態とに切り換え自在な照明手段と、前記照明手段の作動を制御する移動表示制御手段101とを備えて構成され、前記移動表示制御手段101が、前照灯スイッチ23にて昼間であることが指令されると照明手段を前記非作動状態に切り換え、前照灯スイッチ23にて夜間であることが指令されると照明手段を前記作動状態に切り換えるように構成されている。
【0053】
以下、点灯式表示手段TH及び移動式表示手段IHの具体的な構成について説明する。
すなわち、運転部31における運転席4の前方側の表示パネルPに、コンバインの運転において作業者に知らせるべき複数種の報知情報を表示する表示ユニットCが設けられている。
【0054】
図4に示すように、この表示ユニットCには、作業速度を表示する作業速度表示部12、エンジン負荷を表示するエンジン負荷表示部13、エンジン回転速度を表示するエンジン回転速度表示部14、燃料残量を表示する燃料表示部15,副変速装置42の変速状態を表示する副変速表示部16、刈取変速装置43の変速状態を表示する刈取変速表示部17の夫々が備えられ、さらに、その他の複数種の報知情報を並べて表示する画像表示式の補助表示部18も備えられている。
【0055】
次に、前記表示ユニットCの具体的な構成について説明する。
すなわち、表示ユニットCは、図5に示すように、後述するような複数のLEDランプが装着される硬質の配線基板50、その配線基板50の上方側に位置して、後述するような各種のLEDランプが発光した光を反射させて上方側に導く光反射用の案内部材51、その案内部材51の上方を覆うように設けられて光を透過しない遮光性板体にて構成され且つ後述する読取用表示情報52や変速状態等の各種の表示用情報53を表示するための背面板を構成する表示用板体54、外周を覆う外装ケース55の夫々が一体的に組み付けられて構成され、この表示ユニットCによって上記した各表示部が一体的に形成される構成となっている。
【0056】
以下、各表示部の構成について説明する。
先ず、前記作業速度表示部12について説明する。この作業速度表示部12は、図4に示すように、最低速度表示位置と最高速度表示位置とに亘る上向き突出の円弧状の作業速度表示用設定経路に沿って表示用指示体としての指示針12aを移動させる形態で、報知情報としての作業速度を表示するように構成されている。前記指示針12aがその長手方向一端側を回動支点として長手方向他端側が上向き突出の円弧状の軌跡を描くように回動する構成となっており、その回動支点となる箇所における内奥側には、車速センサS4にて検出される作業速度が大きいほど大きい回動角となるように指示針12aを回動駆動する回動駆動部12bが備えられている。
【0057】
そして、表示用板体54に設けられた読取用表示情報52としての目盛12c及び作業速度の大きさを数字で示す文字表示部12dと対応させて目視することにより、指示針12aの位置により作業速度を読み取ることができる構成となっている。又、この作業速度表示部12は、後述するように、読取用表示情報52を照明する作動状態と照明を停止する非作動状態とに切り換え自在な照明手段としての複数の照明用LEDランプ12eを備えて構成されている。
【0058】
図5及び図6に示すように、前記指示針12aは、前記表示用板体54よりも上方側箇所に位置する状態で備えられ、表示用板体54には目盛12cや文字表示部12dを表示する箇所には透光性部材56が備えられる。そして、前記配線基板50における指示針12aの回動支点部の外周側の近傍位置に適宜間隔をあけて複数の照明用LEDランプ12eが装着され、その回動支点部の近傍位置から径方向外方側ほど上方側に位置するように滑らかな凹曲面状の反射面57が前記光反射用の案内部材51に形成され、複数の照明用LEDランプ12eから発光する光が前記反射面57にて反射して上方側の表示用板体54に向けて照射されるように構成されている。
【0059】
このような構成は、夜間になって周囲が暗くなっても作業者が目盛12cや文字表示部12dを識別できるようにするものである。つまり、前記複数の照明用LEDランプ12eが発光すると、その照明用LEDランプ12eから発光して反射面57にて反射した光は透光性部材56を通して表示パネルPの上部外方に向けて透過して目盛12cや文字表示部12dが照明されて明るくなるので、周囲が暗くなっても作業者が読取用表示情報52としての目盛12cや文字表示部12dを識別できるのである。尚、昼間は外部が明るいので、照明していない状態であっても読取用表示情報52を識別することができる。
又、透光性部材56は、透明ではなく照明用LEDランプ12eからの光を拡散させる機能を有しており、目盛12cや文字表示部12dとして適切に識別することができるようになっている。
【0060】
説明を加えると、作業速度が零速のときは指示針12aは最も反時計方向に回動した零速位置にあり、作業速度が大きいほど回動角が大になる状態で指示針12aが時計方向に回動移動する構成であり、前記指示針12aは、零速位置においては水平方向よりも少し左下方側に傾いた姿勢となり、最大速度位置においては水平方向よりも少し右下方側に傾いた姿勢となるように回動位置が設定されており、180度を越える広い範囲にわたって回動可能な構成となっており、分解能を高めて精度よく表示することができる構成となっている。尚、この実施形態では最大速度位置にあるときの作業速度は4m/secに設定されている。
【0061】
次に、前記エンジン負荷表示部13について説明する。
このエンジン負荷表示部13は、図4に示すように、前記作業速度表示部12の円弧状の外周部に沿うように、報知情報としてエンジン負荷を表示すべく、点灯状態と消灯状態とに切り換え自在な複数のセグメント表示部13aを最低負荷表示位置から最高負荷表示位置にわたる負荷表示用設定経路Q2に沿って並設する状態で備えて構成され、且つ、前記負荷表示用設定経路Q2が上向き突出の円弧状に形成されて前記作業速度表示用設定経路Q1の外方側に並ぶ状態で備えられている。
【0062】
そして、図9に示すように、前記最低負荷表示位置から前記最高負荷表示位置に向けて並ぶ複数のセグメント表示部13aのうちで負荷が増大するほど前記最高負荷表示位置に近い側のセグメント表示部13aを消灯状態から点灯状態に切り換える形態で、点灯状態とするセグメント表示部13aの位置を前記負荷表示用設定経路Q2に沿って移動させるように後述する制御部によってその作動が制御される構成となっている。
【0063】
すなわち、図5、図6、及び、図10に示すように、エンジン負荷表示部13は、13個のセグメント表示部13aを一列に並べる状態で備えており、それら13個のセグメント表示部13aには夫々、点灯状態と消灯状態とに切り換え自在な点灯部としての負荷表示用LEDランプ13b(発光ダイオード)が各別に内装されており、各別に点灯状態と消灯状態とに切り換え自在な構成となっている。又、13個のセグメント表示部13aのうち反時計方向側端部に位置する1番目のものから時計方向に向けて8番目に位置するものまでは表示色が緑色(G)となり、9番目から11番目までのものは表示色が黄色(Y)となり、12番目と13番目のものは表示色が赤色(R)となるように夫々異なる色の負荷表示用LEDランプ13bを用いて構成されている。
【0064】
説明を加えると、作業速度表示部12の円弧状の外周部に沿うように、光反射用の案内部材51に一体形成される状態で、13個のセグメント表示部13aを形成するための13個の光透過用開口部60が円弧状に一列に並ぶ状態で区画形成されている。そして、13個の光透過用開口部60の夫々の内奥側箇所に位置させて負荷表示用LEDランプ13bが各別に設けられ、表面側箇所に位置させて負荷表示用LEDランプ13bが発光した光を拡散する拡散板13cが設けられる構成となっている。尚、表示用板体54には13個の光透過用開口部60に対応する箇所は透過孔が形成され、光をそのまま透過する構成となっている。そして、このエンジン負荷表示部13は、後述するように、反時計方向側端部に位置する1番目のものから点灯表示するセグメント表示部13aの個数を順次多くする形態でエンジン負荷を表示する構成となっている。
【0065】
次に、前記エンジン回転速度表示部14について説明する。
このエンジン回転速度表示部14は、図4に示すように、表示用指示体の一例である指示針14aがその長手方向一端側を回動支点として長手方向他端側が円弧状の軌跡を描くように回動する構成となっており、その回動支点となる箇所における内奥側には、エンジン回転速度センサS5にて検出されるエンジン回転速度が大きいほど大きい回動角となるように指示針14aを回動駆動する回動駆動部14bが備えられている。そして、表示用板体54に設けられた読取用表示情報52としての目盛14c及びエンジン回転速度の大きさを数字で示す文字表示部14dと対応させて目視することにより、指示針14aの位置によりエンジン回転速度を読み取ることができる構成となっている。
【0066】
そして、このエンジン回転速度表示部14も、作業速度表示部12と同様に、読取用表示情報52を照明する作動状態と照明を停止する非作動状態とに切り換え自在な照明手段としての複数の照明用LEDランプ14eを備えて構成されている。つまり、図5及び図7に示すように、指示針14aは、表示用板体54よりも上方側に位置し、表示用板体54には目盛14cや文字表示部14dなどの読取用表示情報52を表示する箇所には透光性部材56が備えられる。又、配線基板50における指示針14aの回動支点部の外周側の近傍位置に適宜間隔をあけて複数の照明用LEDランプ14eが装着され、その回動支点部の近傍位置から径方向外方側ほど上方側に位置するように滑らかな凹曲面状の反射面61が光反射用の案内部材51に形成され、複数のLEDランプ14eから発光する光が前記反射面61にて反射して上方側の表示用板体54に向けて照射されるように構成されている。このような構成は、作業速度表示部12と同じように、夜間になって周囲が暗くなっても作業者が読取用表示情報52としての目盛14cや文字表示部14dを識別できるようにするものである。
【0067】
エンジン回転速度が零速のときは指示針14aは最も反時計方向に回動した零速位置にあり、エンジン回転速度が大きいほど回動角が大になる状態で指示針14aが時計方向に回動する構成となっており、この実施形態では最大回転速度は3000rpmに設定されている。
【0068】
次に、前記燃料表示部15について説明する。
前記燃料表示部15は、図4に示すように、作業速度表示部12と同様に、指示部の一例である指示針15aがその長手方向一端側を回動支点として長手方向他端側が円弧状の軌跡を描くように回動する構成となっており、その回動支点となる箇所における内奥側には、燃料残量センサS9にて検出される燃料残量が残り少ないほど大きい回動角となるように指示針15aを回動駆動する回動駆動部15bが備えられている。
【0069】
そして、表示用板体54に設けられた読取用表示情報52としての目盛15c及び満量や空を表す文字表示部15dに対応させて目視することにより、指示針15aの位置により燃料残量を読み取ることができる構成となっている。尚、前記燃料タンクは図示は省略しているが、この燃料タンク内の燃料残量を検出する燃料残量センサS9が設けられている(図9参照)。
【0070】
この燃料表示部15も、作業速度表示部12と同様に、読取用表示情報を照明する作動状態と照明を停止する非作動状態とに切り換え自在な照明手段としての複数の照明用LEDランプ15eを備えて構成されている。つまり、図5及び図6に示すように、指示針15aは、表示用板体54よりも上方側に位置し、表示用板体54には目盛15cや文字表示部15dを表示する箇所には透光性部材56が備えられる。
【0071】
配線基板50における指示針15aの回動支点部の外周側の近傍位置に適宜間隔をあけて複数の照明用LEDランプ15eが装着され、その回動支点部の近傍位置から径方向外方側ほど上方側に位置するように滑らかな凹曲面状の反射面62が前記光反射用の案内部材51に形成され、複数の照明用LEDランプ15eから発光する光が前記反射面62にて反射して上方側の表示用板体54に向けて照射されるように構成されている。このような構成は、作業速度表示部12と同じように、夜間になって周囲が暗くなっても作業者が読取用表示情報52としての目盛15cや文字表示部15dを識別できるようにするものである。
【0072】
燃料残量が満量であるときは指示針15aは最も反時計方向に回動した位置にあり、燃料残量が減少するとその減少量に応じて指示針15aが時計方向に回動する構成となっており、指示針15aは最も時計方向に回動した位置になると、燃料残量が零又は略零であることを示すことになる。
【0073】
尚、構成について詳述はしないが、作業速度表示部12における指示針12a、エンジン回転速度表示部14における指示針14a、及び、燃料表示部15における指示針15aの夫々は、内部を光が通過する光透過性部材にて構成され、図示しないLEDランプの光を透過させながらそれ自身が光を発光して作業者が夜間でも位置を識別することができるようになっている。
【0074】
次に、前記副変速表示部16について説明する。
前記副変速表示部16は、報知情報として副変速装置42の複数の変速状態を表示すべく複数の変速状態の夫々に対応させて並設される構成となっている。すなわち、副変速表示部16は、高速状態を示す高速表示部分16A、低速状態を示す低速表示部分16B、中立状態を示す中立表示部分16Cの夫々を横方向に並べて備えており、それらの3つの各表示部分16A,16B,16Cには、後述するように点灯部としての変速表示用LEDランプ16aが内装されており、3つの各表示部分のうちの現在の変速状態に対応する表示部分の変速表示用LEDランプ16aを点灯させ、それ以外の表示部分の変速表示用LEDランプ16aを消灯することで、副変速装置42の現在の変速状態を表示するように後述する制御部28によってその作動が制御される構成となっている。
【0075】
すなわち、図5、図7、及び、図11に示すように、副変速表示部16の高速表示部分16Aは、表示用板体54の一部がH字状の透光性部材56にて構成され、表示用板体54の下方側に設けられた変速表示用LEDランプ16aが点灯すると、表示用情報53として「H」の文字が明るく表示される構成となっている。変速表示用LEDランプ16aを消灯すると透光性部材56は暗くなるが、「H」の文字が陰影表示となり、作業者はその存在を目視で判るようになっている。
【0076】
低速表示部分16Bも同様に、表示用板体54の一部がL字状の透光性部材56にて構成され、表示用板体54の内奥側に設けられた変速表示用LEDランプ16aが点灯すると、表示用情報53としての「L」の文字が明るく表示される構成となっている。変速表示用LEDランプ16aを消灯すると透光性部材56は暗くなるが、「L」の文字は陰影表示となるように構成されている。
【0077】
又、中立表示部分16Cも同様に、表示用板体54の一部がN字状の透光性部材56にて構成され、表示用板体54の内奥側に設けられた変速表示用LEDランプ16aが点灯すると、表示用情報としての「N」の文字が明るく表示され、変速表示用LEDランプ16aを消灯すると透光性部材56は暗くなるが、「N」の文字が陰影表示となるように構成されている。
【0078】
このように横方向に並べて備えられる高速表示部分16A、低速表示部分16B、中立表示部分16Cは、夫々、変速表示用LEDランプ16aが点灯すると文字情報が明るく表示される表示状態となり、変速表示用LEDランプ16aを消灯すると陰影表示となるように切り換わる構成となっており、しかも、それらのうちのいずれかのものが表示状態となり、それ以外のものは陰影表示となることで、作業者は、明るく表示される表示部分は勿論、陰影表示される表示部分もその存在は判るので、副変速装置42が変速操作される変速段数がいくつ存在し、現在はそのうちのどの変速状態にあるかが判り易い状態で表示できるものになる。
【0079】
次に、前記刈取変速表示部17について説明する。
前記刈取変速表示部17は、図4に示すように、副変速表示部16と同様に、高速状態を示す高速表示部分17A及び低速状態を示す低速表示部分17Bの夫々が点灯部としての変速表示用LEDランプ17aを内装する状態で備えられており、そのときの変速状態に対応する表示部分の変速表示用LEDランプ17aを点灯させ、それ以外の表示部分の変速表示用LEDランプ17aを消灯することで、刈取変速装置43の変速状態を表示するように後述する制御部によってその作動が制御される構成となっている。
【0080】
すなわち、図5、図8、及び、図11に示すように、高速表示部分17aは、表示用板体54の一部がH字状の透光性部材56にて構成され、表示用板体54の下方側に設けられた変速表示用LEDランプ17aが点灯すると、表示用情報53としての「H」の文字が明るく表示される構成となっている。変速表示用LEDランプ17aを消灯すると透光性部材56は暗くなるが、「H」の文字は陰影表示となるように構成されている。
【0081】
低速表示部分17Bも同様に、表示用板体54の一部がL字状の透光性部材56にて構成され、表示用板体54の下方側に設けられた変速表示用LEDランプ17aが点灯すると、表示用情報53としての「L」の文字が明るく表示される構成となっている。変速表示用LEDランプ73を消灯すると透光性部材56は暗くなるが、「L」の文字は陰影表示となるように構成されている。
【0082】
従って、作業者は、明るく表示される表示部分は勿論、陰影表示される表示部分もその存在は判るので、刈取変速装置43が変速操作される変速段数がいくつ存在し、現在はそのうちのどの変速状態にあるかが判り易い状態で表示することができる。
【0083】
前記補助表示部18は、作業速度表示部12に対してその下方側に並ぶ状態で設けられ、この補助表示部18は、画像情報を表示可能なドットマトリクス形式の液晶表示器にて構成され、画像表示により報知情報を表示するように構成されている。
【0084】
補助表示部18の表示形態について説明すると、図15(イ)に示すように、前記グレンタンク3内に貯留される穀粒(図では「もみ」と表記している)の貯留量、シーブセンサS8にて検出される選別処理物量(図では「シーブ」と表記している)、及び、水温センサS7にて検出されるエンジンEにおける冷却水の温度(図では「水温」と表記している)の各情報を表示する。又、補助表示部18には、それらの情報に加えて、左右のウインカー表示74、コンバインの累計稼動時間を示すアワーメータ75、バッテリーの充電量が残り少ないことを表す充電警報表示76、オイルの異常を表示するオイル警報表示77も並べて表示する構成となっている。
【0085】
又、表示ユニットCの横側方には、補助表示部18における表示状態の切り換えを指令するモード切換スイッチ80と、表示内容の切り換えを指令する表示切換スイッチ81とが設けられ、この両スイッチ80,81は、押し操作されているときだけオン状態になり、押し操作されないときはオフ状態となる押ボタン式のスイッチに構成されている。
【0086】
さらに、手動式の発光強度設定手段として、路上走行用の発光強度調整器63と、作業用の発光強度調整器64とが備えられている。説明を加えると、路上走行用の発光強度調整器63は、夜間の路上走行時において、エンジン負荷表示部13、副変速表示部16、刈取変速表示部17の点灯時の発光強度を変更設定するものである。一方、作業用の発光強度調整器64は、夜間の作業走行時において、エンジン負荷表示部13、副変速表示部16、刈取変速表示部17の点灯時の発光強度を変更設定するものである。
【0087】
図13に示すように、マイクロコンピュータを利用して構成された制御部28が設けられ、この制御部28に、車速センサS4、エンジン回転速度センサS5、シーブセンサS8、モミセンサS6、水温センサS7、燃料残量センサS9、副変速センサS10、刈取変速センサS11、排ワラ詰まり検出スイッチS15の各検出情報が入力される。前照灯スイッチ23、路上走行用の発光強度調整器63、作業用の発光強度調整器64の情報も制御部28に入力されている。一方、制御部28からは、前照灯20及び表示ユニットCに対する制御用信号が出力される構成であり、前照灯20の点灯動作並びに表示ユニットCにおける表示状態を制御する構成となっている。
【0088】
又、前照灯スイッチ23の操作位置に基づいて、昼間であるか夜間であるかを判別し、更に、夜間であるときに、刈り取り作業を行う作業状態であるか、刈り取り作業を行わない非作業状態で走行する状態であるかを判別し、その判別結果に基いて、表示ユニットCにおける各LEDランプの点灯状態を制御するように構成されている。
【0089】
以下、制御部28による制御の具体内容について、図14のフローチャートを参照しながら説明する。
前記制御部28は、前照灯スイッチ23の操作状態が消灯位置であれば、昼間であると判別し、負荷表示用LEDランプ13b、変速表示用LEDランプ16a,17aを点灯するときの発光用強度を、昼間であって車外が明るい場合であっても点灯状態であることを作業者が識別できるように大きめの値である昼間用設定強度に切り換える(ステップ1、2、3)。
【0090】
前照灯スイッチ23の操作状態が非作業用操作位置であれば、夜間であって且つ路上走行を行う状態であると判別し、負荷表示用LEDランプ13b、変速表示用LEDランプ16a,17aを点灯するときの発光用強度を、昼間用発光強度よりも小さい値であって、夜間の路上走行に眩しく感じることなく、操縦の邪魔にならない程度の夜間非作業用設定強度に切り換える(ステップ4,5,6)。尚、この夜間非作業用設定強度は、非作業用の発光強度調整器63を標準位置に設定しておけば予め設定された標準的な値が設定されるが、非作業用の発光強度調整器63によって作業者の好みに応じて設定範囲内で変更設定することができる(図16参照)。
【0091】
前照灯スイッチ23の操作状態が夜間の作業用操作位置であれば、夜間であって且つ刈り取り作業走行を行う状態であると判別し、負荷表示用LEDランプ13b、変速表示用LEDランプ16a,17aを点灯するときの発光強度を、昼間用発光強度よりも小さい値であって、且つ、夜間での作業において、眩しく感じないで報知情報を読み取るに適した夜間作業用設定強度に切り換える(ステップ6,7,8)。尚、この夜間作業用設定強度も同様に、作業用の発光強度調整器64を標準位置に設定しておけば予め設定された標準的な値が設定されるが、作業用の発光強度調整器64によって作業者の好みに応じて設定範囲内で変更設定することができる(図16参照)。
【0092】
そして、前照灯スイッチ23の操作状態が、消灯位置でなく、非作業用操作位置及び作業用操作位置のうちのいずれかであれば、前記各照明用LEDランプ12e,14e,15eを点灯状態に切り換えて読取用表示情報52を照明する(ステップ9)。又、このとき、前記各表示部に備えられる指示針12a,14a,15aを照明する照明用のLEDランプを点灯状態に切り換えて、各指示針12a,14a,15aを発光させる。
【0093】
その後は、車速センサS4の検出情報に基づいて現在の作業速度に対応するように作業速度表示部12を作動させ、エンジン回転速度センサS5の検出情報に基づいてエンジンEの回転速度に対応するようにエンジン回転速度表示部14を作動させ、燃料残量センサS9の検出情報に基づいて燃料タンクの燃料残量に対応するように燃料表示部15を作動させる(ステップ10)。
【0094】
作業速度の表示について説明を加えると、制御部28は、作業速度表示部12の指示針12aの回動角が車速センサS4にて検出される現在の作業速度に対応する回動角になるように、作業速度表示部12の回動駆動部12bの作動を制御するのである。
【0095】
エンジン回転速度表示部14についても同様にして、エンジン回転速度表示部14の指示針14aの回動角が、エンジン回転速度センサS5にて検出される現在のエンジン回転速度に対応する回動角になるようにエンジン回転速度表示部14の回動駆動部14bの作動を制御する。又、燃料表示部15についても同様に、燃料表示部15の指示針15aの回動角が、燃料残量センサS9にて検出される現在の燃料残量に対応する回動角になるように燃料表示部15の回動駆動部15bの作動を制御する。
【0096】
次に、副変速切換スイッチ9及び副変速中立スイッチ10の指令情報に基づいて対応する変速状態になるように副変速用油圧シリンダ65の作動を制御して副変速装置42を変速操作することになるが、そのとき副変速センサS10の検出情報に基づいて現在の副変速装置42がどの変速状態であるかを判別することができるから、その判別結果に基づいて副変速表示部C4にて現在の副変速装置42がどの変速状態であるかを表示する(ステップ11)。つまり、副変速表示部16の高速表示部分16A、低速表示部分16B、中立表示部分16Cのいずれか対応するものについて変速表示用LEDランプ16aを点灯して明るく表示し、それ以外のものは消灯して暗くする。そのとき、変速表示用LEDランプ16aを点灯するときの発光強度として、昼間用発光強度、夜間非作業用設定強度、夜間作業用設定強度のうちのいずれか設定されている発光強度にて点灯させる。
【0097】
又、制御部28は、刈取変速センサS11の検出情報に基づいて現在の刈取変速装置43がどの変速状態であるかを判別することができるから、その判別結果に基づいて刈取変速表示部17にて現在の刈取変速装置43がどの変速状態であるかを表示する(ステップ11)。具体的には、刈取変速表示部17の高速表示部分17A及び低速表示部分17Bのいずれか対応するものの変速表示用LEDランプ17aを点灯し、それ以外の変速表示用LEDランプ17aを消灯する。そのとき、変速表示用LEDランプ17aを点灯するときの発光用強度として、昼間用発光強度、夜間非作業用設定強度、夜間作業用設定強度のうちのいずれか設定されている発光強度にて点灯させる。
【0098】
コンバインが正常に作動している通常状態においては、例えば図9に示すように、エンジン負荷表示部13における複数のセグメント表示部13aをその並び方向の一端側から点灯表示するセグメント表示部13aの個数を順次多くすることによりエンジン負荷を表示する(ステップ12、13)。時間の経過に伴ってエンジン負荷が変化すると、そのエンジン負荷の大きさに応じて点灯表示するセグメント表示部13aの個数は逐次変化することになるが、このエンジン負荷表示部13は、いわゆるピークホールド機能を備える構成となっている。つまり、エンジン負荷が短時間で変化することがあっても、エンジン負荷のピーク値に相当するセグメント表示部13aを設定時間(数秒間)が経過する間、点灯状態を継続させる構成となっている。このように構成すると、そのときの作業行程ではエンジン負荷がどの程度の大きさであるかを容易に読み取ることができ、次の作業行程にて作業するときにそのエンジン負荷の大きさを考慮して作業速度を調整したりすることを適正に行い易いものになる。
【0099】
エンジン負荷を検出する構成について説明を加えると、このコンバインにおいては、エンジンEに負荷が掛かっていない無負荷状態になっているときに、作業者がアクセル操作を行うことによって、エンジン回転速度が予め設定されている基準回転速度になるようにエンジンEのアクセル操作位置が調整され、エンジン回転速度が基準回転速度になると、そのアクセル操作位置にて位置固定して、その後の作業を行う構成となっている。
【0100】
そして、エンジンEに負荷が掛かると、エンジン負荷の大きさに応じてエンジン回転速度がこの基準回転速度から低下することになるので、予め実験データ等により基準回転速度からのエンジン回転速度低下量とエンジン負荷の大きさとが対応付けた状態でマップデータとして設定されている。そこで、制御部28は、エンジン回転速度センサS5により検出されるエンジン回転速度と前記基準回転速度との差、つまり、エンジン回転速度低下量を演算にて求めて、そのエンジン回転速度低下量と前記マップデータとに基づいてエンジン負荷を求める構成となっている。
【0101】
このようにして求めたエンジン負荷を表示するときは、制御部28は、13個のセグメント表示部13aをその並び方向の一端側、すなわち、反時計方向側端部に位置する1番目のものから点灯表示するセグメント表示部13aの個数を順次多くする形態でエンジン負荷を表示するのである。エンジン負荷が適正負荷であるときには緑色のセグメント表示部13aが点灯することになり、エンジン負荷が大きくなり設定値を越えて注意負荷状態になると、8個の緑色のセグメント表示部13aに加えて黄色のセグメント表示部13aが点灯する。さらに、エンジン負荷が大きくなり上限値を超えて過大負荷になると、8個の緑色のセグメント表示部13a、3個の黄色のセグメント表示部13aに加えて赤色のセグメント表示部13aが点灯することになる。そのとき、負荷表示用LEDランプ13bを点灯するときの発光用強度として、昼間用発光強度、夜間非作業用設定強度、夜間作業用設定強度のうちのいずれか設定されている発光強度にて点灯させる。
【0102】
さらに、制御部28は、コンバインが正常に作動している通常状態においては、補助表示部18にて、上記したような各種の報知情報を表示する表示処理を実行する(ステップ14)。つまり、複数種の報知情報として、図15(イ)に示すように、前記グレンタンク3内に貯留される穀粒(図では「もみ」と表記している)の量、シーブセンサS8にて検出される揺動選別板54上の選別処理物量(図では「シーブ」と表記している)、及び、水温センサS7にて検出されるエンジンEにおける冷却水の水温の各情報が表示される。又、それらの情報に加えて、左右のウインカー表示74、コンバインの累計稼動時間を示すアワーメータ75、バッテリーの充電量が残り少ないことを表す充電警報表示76、オイルの異常を表示するオイル警報表示77も並べて表示される。
【0103】
そして、制御部28は、コンバインに異常が発生している異常状態においては、エンジン負荷表示部13における13個のセグメント表示部13aの全てのものを点滅表示する(ステップ15)。このような異常状態であるときは、作業者に異常であることを知らせるために、エンジン負荷表示部13aにおける負荷表示用LEDランプ13bの発光強度としては、夜間であっても昼間用発光強度で点滅表示させる構成となっている。
【0104】
尚、ここでいう異常状態とは、コンバインのいずれかの箇所において、刈取作業を継続して実行することが困難となるような異常が発生しているような場合であり、例えば、排ワラ詰り検出スイッチS15がオンして排ワラカッタ部64において排ワラが詰まっている排ワラ詰り異常等がある。前記異常には、この排ワラ詰り以外にも、刈取部1における刈取穀稈の詰まり異常やエンジンがオーバーヒートしている異常等がある。
【0105】
又、制御部28は、コンバインに異常が発生している異常状態においては、上記したような貯留穀粒量、選別処理物量、水温等の複数種の報知情報に代えて、前記異常に対応するためのメッセージ情報を補助表示部18に表示する(ステップ16)。上記したような排ワラが詰まっている異常が発生したときには、図15(ロ)に示すように、そのときに発生した異常に対応するためのメッセージ情報、例えば、「排ワラカッタにワラが詰まっています。ワラを取り除いて下さい。」というようなメッセージ情報を表示する。
【0106】
つまり、コンバインが正常に作動している通常状態において、表示ユニットCは、刈取作業を継続して実行するときに作業者が必要となる報知情報を全て同時に表示することができ、作業の途中で表示内容を切り換えるといった煩わしい手間が不要となる。しかも、異常が発生したときには、エンジン負荷表示部13における13個のセグメント表示部13aの全てのものを点滅表示するようにしたので、作業者は、刈取作業状況を確認するために機体前方側を見ながら刈取作業を行っている場合であっても、異常が発生したことを認識し易いものとなるのである。しかも、その発生した異常に対応するメッセージ情報を表示するようにしたので、迅速に且つ的確にその後の対応を取ることができる。
【0107】
前記制御部28によるステップ1〜ステップ8の処理が前記発光強度切換処理に対応することになり、この実施形態では、前記制御部29を利用して前記点灯表示制御手段100が構成され、前記エンジン負荷表示部13と点灯表示制御手段100とにより報知情報としてのエンジン負荷を表示する点灯式表示手段THが構成され、前記副変速荷表示部16と点灯表示制御手段100とにより報知情報としての副変速装置42の複数の変速状態を表示する点灯式表示手段THが構成され、前記刈取変速荷表示部17と点灯表示制御手段100とにより報知情報としての刈取変速装置43の複数の変速状態を表示する点灯式表示手段THが構成される。
【0108】
又、制御部28を利用して前記移動表示制御手段101が構成され、作業速度表示部12と移動表示制御手段101とにより報知情報としての作業速度を表示する移動式表示手段IHが構成され、エンジン回転速度表示部14と移動表示制御手段101とにより報知情報としてのエンジン回転速度を表示する移動式表示手段IHが構成され、燃料表示部15と移動表示制御手段101とにより報知情報としての燃料残量を表示する移動式表示手段IHが構成される。
【0109】
〔別実施形態〕
次に、別実施形態について説明する。
【0110】
(1)上記実施形態では、前記点灯表示制御手段100が、前記発光強度切換処理として、昼夜指令手段にて昼間であることが指令されると、作業状態判別手段の判別結果にかかわらず、前記発光強度を昼間用設定強度に切り換える構成としたが、このような構成に代えて、昼間であることが指令されていても、前記発光強度を非作業状態であることが判別されたときは作業状態であることが判別されたときよりも低くなるように切り換える構成としてもよい。
【0111】
(2)上記実施形態では、前記手動操作スイッチが、作業状態検出手段並びに昼夜指令手段を兼用する状態で備えられる構成としたが、作業状態検出手段としては、このような構成に代えて、作業状態であるか非作業状態であるかを検出するための専用の検出手段として備えるものでもよく、例えば、脱穀クラッチの入切状態から作業状態であるか非作業状態であるかを検出するようにしたり、刈取部内を刈取穀稈が通過しているか否かにより作業状態であるか非作業状態であるかを検出する等、各種の形態で検出することができる。又、作業状態であるか非作業状態であるかを手動で指令する専用の指令手段でもよい。
【0112】
又、昼夜指令手段としては、例えば、昼夜の別を指令するための専用の昼夜指令手段として構成してもよい。例えば、手動操作式の専用の指令スイッチでもよく、又、前記モード切換スイッチにて例えば昼夜判別用のモードに切り換えて前記表示切換スイッチの操作により昼夜のいずれであるかを指令する構成にする等、各種の形態で実施してもよい。又、このような手動操作にて指令する構成に限らず、光量検出センサを備えて、この光量検出センサの検出結果に基づいて自動的に昼間であるか夜間であるかを判別する構成としてもよい。
【0113】
(3)上記実施形態では、前記夜間作業用設定強度及び前記夜間非作業用設定強度を設定する手動式の発光強度設定手段が備えられ、前記点灯部を発光させるときの前記発光強度を前記発光強度設定手段にて設定された前記作業用設定強度及び前記非作業用設定強度に切り換える構成を例示したが、このような構成に代えて、前記作業用設定強度及び前記非作業用設定強度を予め設定した一定の強度に維持する構成としてもよい。
【0114】
(4)上記実施形態では、前記エンジン負荷表示部が、複数の点灯部のうちで反時計方向側端部に位置する1番目のものから点灯表示する点灯部(負荷表示用LEDランプ)の個数を順次多くする形態、言い換えると、負荷が増大するほど前記最高負荷表示位置に近い側の点灯部を消灯状態から点灯状態に切り換える形態で、点灯状態とする点灯部の位置を前記負荷表示用設定経路に沿って移動させる場合に、この点灯状態とする点灯部よりも前記最低負荷表示位置側に位置する点灯部を全て点灯状態に維持する構成を示したが、この構成に代えて、前記点灯状態とする点灯部よりも前記最低負荷表示位置側に位置する点灯部を全て消灯状態に切り換える構成としてもよい。すなわち、複数の点灯部のうちの1つの点灯部だけが点灯状態となる形態でエンジン負荷を表示するものでもよい。
【0115】
又、上記実施形態では、前記エンジン負荷表示部が、点灯部としての負荷表示用LEDランプを点灯させる場合、その点灯させるときの発光強度として、点灯させる全ての負荷表示用LEDランプについて、前記発光強度設定手段にて設定された前記作業用設定強度及び前記非作業用設定強度に切り換えるようにしたが、このような構成に代えて、エンジン負荷が小さいときは小さい発光強度にて発光させ、エンジン負荷が大きくなるほど発光強度を大きくさせるように、エンジン負荷の大きさに応じて発光強度を変更させる形態としてもよい。
【0116】
(5)上記実施形態では、エンジン負荷を検出する構成として、無負荷時のエンジン回転速度(基準回転速度)からのエンジン回転速度低下量によって、エンジンの負荷を検出する構成を例示したが、このような構成に限らず、エンジン負荷を検出する構成としては種々の構成が適用可能である。例えば、エンジンの回転速度を予め定めた目標値になるように燃料供給量を自動調整するように制御する構成として、そのときの燃料供給量からエンジン負荷を求める構成としたり、エンジンの出力軸に掛かる軸トルクを検出してその軸トルクから負荷を求める等、種々の構成を用いることができる。
【0117】
(6)上記実施形態では、点灯式表示手段として、エンジン負荷表示部、副変速表示部、刈取変速表示部が設けられる構成としたが、点灯式表示手段としては、これらに限定されるものではなく、例えば、作業速度やエンジン回転速度の他の報知情報を表示する構成としてもよい。
【0118】
(7)上記実施形態では、本発明を作業車としての刈取収穫用のコンバインに適用したが、本発明はコンバイン以外のトラクタや建設機械などの作業車に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】全体側面図
【図2】動力伝達系を示す図
【図3】刈取部の正面図
【図4】表示ユニットの正面図
【図5】表示ユニットの分解斜視図
【図6】表示ユニットのイ―イ線切欠断面図
【図7】表示ユニットのロ−ロ線切欠縦断図
【図8】表示ユニットのハ−ハ線切欠縦断図
【図9】エンジン負荷表示部の構成を示す図
【図10】エンジン負荷表示部の構成を示す図
【図11】副変速表示部の構成を示す図
【図12】刈取変速表示部の構成を示す図
【図13】制御ブロック図
【図14】制御動作のフローチャート
【図15】補助表示部の表示状態を示す図
【図16】発光強度の変化を示す図
【符号の説明】
【0120】
4 運転席
13b,16a,17a 点灯部
20 照明装置
23 手動操作スイッチ(作業状態判別手段、昼夜指令手段)
42、43 変速装置
100 点灯表示制御手段
E エンジン
TH 点灯式表示手段
P 表示パネル
Q1 作業速度表示用設定経路
Q2 負荷表示用設定経路
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転席の前部に設けられた表示パネルに、作業者に知らせるべき報知情報を表示する点灯式表示手段が設けられ、前記点灯式表示手段が、点灯状態と消灯状態とに切り換え自在な複数の点灯部と、前記報知情報を表示すべく前記複数の点灯部を選択的に点灯させる点灯表示制御手段とを備えて構成されている作業車の表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記作業車の表示装置の従来例として、作業車の一例であるコンバインにおいて、前記報知情報としてのエンジン負荷の大きさを表示する点灯式表示手段が、次のように構成されたものがあった。
【0003】
すなわち、エンジン負荷の大きさが複数段階例えば5段階に区分けした負荷レベルのうちのいずれの負荷レベルであるかを判別するようにして、点灯式表示手段は、各段階の負荷レベルを表す番号を付した表示体とその表示体を下方側から照明するランプとを備えた点灯部を複数並べる状態で設け、上記したようにして判別された負荷レベルに対応した点灯部を点灯状態に切り換え、他の点灯部を消灯状態に切り換えることで、エンジン負荷を表示するように構成され、点灯状態に切り換わるときの点灯部の発光強度は、作業を行うときに適切に読み取るのに適した発光強度が設定され、常に同じ発光強度に設定されるものであった(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2001−191872号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来構成においては、前記点灯式表示手段における点灯部の発光強度が、作業を行うときに報知情報を読み取るのに適した発光強度に設定されていることから、作業を行う場合においては、作業者は点灯部が点灯状態であることを識別して作業に必要な報知情報を適切に読み取ることができ、良好に作業を行えるものとなる。
【0006】
ところで、点灯式表示手段にて表示される報知情報は、刈取作業等の作業走行を行う場合には、作業者にとって作業を適正に行う上で必要性は高いが、作業走行が終了した後の非作業状態においては、上記報知情報は作業者にとって必要性が低い場合が多く、このような非作業状態において作業車を移動走行させるときは、車体を適正に走行させるために運転操作に専念する必要がある。
【0007】
しかしながら、上記従来構成では、このような非作業状態においても、前記点灯部の発光強度が作業を行うとき報知情報を読み取るのに適した値に設定されていることから、その複数の点灯部を選択的に点灯させるときの点灯部の発光強度が大き過ぎて、作業者がその点灯する点灯部に気を取られてしまい、車体を走行させるための運転操作の妨げになる等、作業者が目障りであると感じるおそれがあった。特に、夜間において車体を走行させるような場合においては、点灯している点灯部が明る過ぎて眩しく目障りであると感じるおそれが大となっていた。
【0008】
本発明の目的は、作業状態においては点灯式表示手段にて表示される報知情報を適切に読み取ることができ、非作業状態においては点灯式表示手段が作業者にとって目障りであると感じるおそれが少ないものとなる作業車の表示装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る作業車の表示装置は、運転席の前部に設けられた表示パネルに、作業者に知らせるべき報知情報を表示する点灯式表示手段が設けられ、前記点灯式表示手段が、点灯状態と消灯状態とに切り換え自在な複数の点灯部と、前記報知情報を表示すべく前記複数の点灯部を選択的に点灯させる点灯表示制御手段とを備えて構成されているものであって、その第1特徴構成は、作業状態であるか非作業状態であるかを判別する作業状態判別手段が備えられ、前記点灯表示制御手段が、前記作業状態判別手段の判別結果に基づいて、前記点灯状態において前記点灯部を発光させるときの発光強度を、非作業状態であることが判別されたときは作業状態であることが判別されたときよりも低くなるように切り換える発光強度切換処理を実行するように構成されている点にある。
【0010】
第1特徴構成によれば、作業状態判別手段により非作業状態であることが判別されたときは、点灯状態において点灯部を発光させるときの発光強度が、作業状態判別手段により作業状態であることが判別されたときよりも低くなるように切り換えられることになる。すなわち、作業状態であるときは前記発光強度が大きめの値になっており、作業者は点灯式表示手段にて表示される報知情報を適切に読み取ることができる。
【0011】
一方、非作業状態であるときは、前記発光強度が作業状態であることが判別されたときよりも低くなり、前記発光強度が小さめの値になるので、作業者は、複数の点灯部を選択的に点灯させるときの点灯状態になる点灯部が目障りであると感じるおそれが少ないものになる。
【0012】
従って、作業状態においては点灯式表示手段にて表示される報知情報を適切に読み取ることができ、非作業状態においては点灯式表示手段が作業者にとって目障りであると感じるおそれが少ないものとなる作業車の表示装置を提供できるに至った。
【0013】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成に加えて、昼間であること及び夜間であることのいずれかを指令する昼夜指令手段が備えられ、前記点灯表示制御手段が、前記発光強度切換処理として、前記昼夜指令手段にて昼間であることが指令されると、前記作業状態判別手段の判別結果にかかわらず、前記発光強度を昼間用設定強度に切り換え、且つ、前記昼夜判別手段にて夜間であることが指令されると、前記作業状態判別手段にて作業状態であることが判別されたときは前記発光強度を前記昼間用設定強度よりも低い夜間作業用設定強度に切り換え、及び、前記作業状態判別手段にて非作業状態であることが判別されたときは前記発光強度を前記夜間作業用設定強度よりも低い夜間非作業用設定強度に切り換えるように構成されている点にある。
【0014】
第2特徴構成によれば、前記昼夜指令手段にて昼間であることが指令されると、前記作業状態判別手段の判別結果にかかわらず、前記発光強度が昼間用設定強度に切り換えられるから、前記点灯部が点灯状態に切り換わると昼間用設定強度にて発光することになる。この昼間用設定強度は、車外が明るい場合であっても点灯状態であることを作業者が識別できる程度の大きめの値が設定されることになる。
【0015】
そして、昼夜判別手段にて夜間であることが指令され、作業状態判別手段にて作業状態であることが判別されたときは、前記発光強度が夜間作業用設定強度に切り換えるから、前記点灯部が点灯状態に切り換わると夜間作業用設定強度にて発光することになる。この夜間作業用設定強度は昼間用設定強度よりも低い発光強度であるから、昼間用設定強度にて点灯する場合のように作業者が点灯状態になっている点灯部を眩しいと感じるおそれは少なく、報知情報を適切に読み取ることが可能となる。
【0016】
説明を加えると、前記昼間用設定強度は、車外が明るい場合であっても点灯状態であることを作業者が識別できるように大きめの値に設定されるから、夜間において、そのような昼間用設定強度にて点灯部が点灯すると、点灯部が明る過ぎて作業者が眩しく感じて作業の邪魔になるおそれがある。しかし、前記夜間作業用設定強度は昼間用設定強度よりも低い発光強度であるから、昼間用設定強度にて点灯する場合のように作業者が点灯状態になっている点灯部を眩しいと感じるおそれは少ないのである。
【0017】
昼夜判別手段にて夜間であることが指令され、作業状態判別手段にて非作業状態であることが判別されたときは、前記発光強度を夜間非作業用設定強度に切り換えるから、前記点灯部が点灯状態に切り換わると夜間作業用設定強度にて発光することになる。この夜間非作業用設定強度は、夜間作業用設定強度よりも低い発光強度であるから、作業者は、複数の点灯部を選択的に点灯させるときの点灯状態になる点灯部が目障りであると感じるおそれが少ないものになる。
【0018】
すなわち、昼間に作業を行うときには、前記点灯部が昼間用設定強度にて点灯するから、作業者は車外が明るい場合であっても点灯状態であることを識別することができる。一方、夜間の作業状態においては、作業者が点灯状態になっている点灯部を眩しいと感じるおそれが少ない状態で報知情報を適切に読み取ることができ、夜間の非作業状態においては、点灯状態になる点灯部が目障りであると感じるおそれを少なくすることができ、作業車の使用状況に応じて適切な表示状態で点灯式表示手段にて報知情報を表示することが可能となる作業車の表示装置を提供できるに至った。
【0019】
本発明の第3特徴構成は、第2特徴構成に加えて、前記夜間作業用設定強度及び前記夜間非作業用設定強度を設定する手動式の発光強度設定手段が備えられ、前記点灯表示制御手段が、前記発光強度切換処理において、前記発光強度を前記発光強度設定手段にて設定された前記作業用設定強度及び前記非作業用設定強度に切り換えるように構成されている点にある。
【0020】
第3特徴構成によれば、作業者が手動式の発光強度設定手段を操作することによって、夜間であって且つ作業状態であるときの点灯部の発光強度である夜間作業用設定強度、及び、夜間であって且つ非作業状態であるときの点灯部の発光強度である夜間非作業用設定強度を変更設定することができる。例えば、作業者の好みに応じて変更したり、車外の明るさの違いに応じて変更することが可能である。従って、夜間において作業者にとって都合が良い状態になるように、点灯部の発光強度を変更設定することが可能となり、使い勝手が向上する。
【0021】
本発明の第4特徴構成は、第1特徴構成〜第3特徴構成のいずれかに加えて、前記点灯式表示手段における前記複数の点灯部が、前記報知情報としてエンジン負荷を表示すべく最低負荷表示位置から最高負荷表示位置にわたる負荷表示用設定経路に沿って並設され、 前記点灯式表示手段における前記点灯表示制御手段が、前記複数の点灯部のうちでエンジン負荷が増大するほど前記最高負荷表示位置に近い側の点灯部を消灯状態から点灯状態に切り換える形態で、複数の点灯部を選択的に点灯させることにより、前記エンジン負荷を表示するように構成されている点にある。
【0022】
第4特徴構成によれば、前記点灯式表示手段は、最低負荷表示位置から最高負荷表示位置にわたる負荷表示用設定経路に沿って並設された複数の点灯部のうちで、エンジン負荷が増大するほど最高負荷表示位置に近い側の点灯部を消灯状態から点灯状態に切り換える形態で、複数の点灯部を選択的に点灯させることによって、エンジン負荷を表示することになる。
【0023】
説明を加えると、エンジン負荷が最低負荷から順次増大すると、先ず、最低負荷表示位置にある点灯部が消灯状態から点灯状態に切り換わり、その後、最低負荷表示位置にある点灯部よりも最高負荷表示位置側に隣接する点灯部が消灯状態から点灯状態に切り換わり、次に、その点灯部よりも最高負荷表示位置側に隣接する点灯部が消灯状態から点灯状態に切り換わる。このようにエンジン負荷が増大するに連れて、消灯状態から点灯状態に切り換わる点灯部が最高負荷表示位置側に移動していく。そして、作業者は、その消灯状態から点灯状態に切り換わる点灯部の位置によりエンジン負荷を読み取ることができるのである。
【0024】
このような構成であれば、消灯状態から点灯状態に切り換わる点灯部の位置の変化は、エンジン負荷がある程度変動してから次の点灯部に移動することになる。つまり、エンジン負荷が少し変化しただけではエンジン負荷用表示部の表示状態が変化しないことになり、エンジン負荷の細かな変動に対してエンジン負荷用表示部の表示状態が頻繁に変動しないので、表示が見易いものになる。
【0025】
本発明の第5特徴構成は、第1特徴構成〜第3特徴構成のいずれかに加えて、複数の変速状態に切り換え自在な変速装置が備えられ、前記点灯式表示手段における前記複数の点灯部が、前記報知情報として前記変速装置の複数の変速状態を表示すべく前記複数の変速状態の夫々に対応させて並設され、前記点灯式表示手段における前記点灯表示制御手段が、前記複数の点灯部のうち、現在の変速状態に対応する点灯部を点灯状態とし他の点灯部を消灯状態とする形態で、複数の点灯部を選択的に点灯させることにより、前記変速装置の変速状態を表示するように構成されている点にある。
【0026】
第5特徴構成によれば、複数の変速状態に対応させて並設する状態で備えられた複数の点灯部のうちで、現在の変速状態に対応する点灯部を点灯状態とし、他の点灯部を消灯状態とする形態で複数の点灯部を選択的に点灯させることにより、変速装置の変速状態を表示するのである。つまり、現在の変速状態に対応する点灯部が点灯状態となり、他の点灯部が消灯状態となることにより、作業者は、現在の変速状態がどの変速状態であるかを容易に識別することができる。
【0027】
本発明の第6特徴構成は、第4特徴構成に加えて、前記表示パネルに、最低速度表示位置と最高速度表示位置とに亘る上向き突出の円弧状の作業速度表示用設定経路に沿って表示用指示体を移動させる形態で、報知情報としての作業速度を表示する作業速度表示手段が設けられ、前記点灯式表示手段における負荷表示用設定経路が、上向き突出の円弧状に形成されて前記作業速度表示手段における前記作業速度表示用設定経路の外方側に並ぶ状態で備えられている点にある。
【0028】
第6特徴構成によれば、前記作業速度用表示手段は、表示用指示体を作業速度に応じて最低速度表示位置から最高速度表示位置に亘る上向き突出の円弧状の作業速度表示用設定経路に沿って移動させることにより作業速度を表示するのであり、作業者は表示用指示体の位置から作業速度を読み取ることができる。
【0029】
このように構成することで、上向き突出の円弧状に形成された作業速度表示用設定経路に沿って表示用指示体を移動させて作業速度を表示するので、例えば直線状の経路等に比べて、限られた表示スペースを有効に利用して作業速度表示用設定経路の経路長を極力長くすることができ、作業速度が単位量変化するときの表示用指示体の単位移動量を極力大きくすることで分解能を高くした状態で作業速度を表示することができる。
【0030】
そして、前記点灯式表示手段が、前記負荷表示用設定経路を前記作業速度表示用設定経路の外方側に並ぶ上向き突出の円弧状とし、且つ、複数の点灯部を負荷表示用設定経路に沿って並設するものであるから、前記作業速度表示用設定経路の外方側のスペースを有効利用して配置することができる。
【0031】
従って、作業速度をできるだけ高い分解能で精度よく読み取ることが可能な状態で表示することができ、エンジン負荷及び作業速度が近い箇所で表示されるから、作業者はそれらの情報を読み取るときに、大きく視線を動かさなくてもよいので能率よく読み取ることが可能となる。
【0032】
本発明の第7特徴構成は、第2特徴構成又は第3特徴構成に加えて、車体の前部に車体前方側を照明する照明装置が、消灯状態、路上走行用の照明状態、及び、作業走行用の照明状態に切り換え自在に構成され、前記照明装置の動作状態の切り換えを指令する手動操作スイッチが、前記作業状態判別手段並びに前記昼夜指令手段を兼用する状態で備えられ、前記点灯表示制御手段が、前記手動操作スイッチにて前記消灯状態への切り換えが指令されると昼間であることが指令されたものと判別し、前記手動操作スイッチにて前記路上走行用の照明状態への切り換えが指令されると、夜間であることが指令され且つ非作業状態であると判別し、前記手動操作スイッチにて前記作業走行用の照明状態への切り換えが指令されると、夜間であることが指令され且つ作業状態であると判別するように構成されている点にある。
【0033】
第7特徴構成によれば、前記手動操作スイッチにて前記消灯状態への切り換えが指令されると、車体の前部に設けられた照明装置が消灯状態に切り換えられるが、そのとき、点灯表示制御手段が昼間であることが指令されたものと判別して、前記作業状態判別手段の判別結果にかかわらず、前記発光強度を昼間用設定強度に切り換える。又、前記手動操作スイッチにて前記作業走行用の照明状態への切り換えが指令されると、照明装置が作業走行用の照明状態に切り換えられるが、そのとき、点灯表示制御手段が夜間であることが指令され且つ作業状態であると判別して、前記発光強度を前記昼間用設定強度よりも低い夜間作業用設定強度に切り換える。そして、前記手動操作スイッチにて前記路上走行用の照明状態への切り換えが指令されると、照明装置が路上走行用の照明状態に切り換えられるが、そのとき、点灯表示制御手段が夜間であることが指令され且つ非作業状態であると判別して、前記発光強度を前記夜間作業用設定強度よりも低い夜間非作業用設定強度に切り換えるのである。
【0034】
すなわち、前記照明装置を消灯状態、路上走行用の照明状態、及び、作業走行用の照明状態のいずれかに切り換えるための手動操作スイッチの構成を有効利用して、昼夜の判別と、作業状態であるか非作業状態であるかの判別を行うようにしているので、昼夜の判別を行うための専用の判別手段や作業状態であるか非作業状態であるかの判別を行うための専用の検出手段を各別に設ける構成に比べて構成の簡素化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明に係る作業車の表示装置の実施形態を作業車としてのコンバインに適用した場合について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、コンバインは、左右一対のクローラ走行装置30を備えた機体Vの前部に、刈取昇降シリンダ5によって横軸心X周りに上下揺動操作自在な状態で刈取部1が設けられ、機体Vには、運転部31、刈取穀稈の扱処理並びに穀粒選別処理を行う脱穀部2、脱穀部2から供給される穀粒を貯留する貯留部としてのグレンタンク3、及び、グレンタンク3から穀粒を排出するための排出用のアンローダ32等が装備されて構成されている。前記グレンタンク3にはその内部に貯留されている穀粒(もみ)の量を検出するモミセンサS6が設けられている。
【0036】
刈取部1は、先端部に付設された分草具33、穀稈の引き起こし装置34、引き起こした穀稈の株元を切断する刈り刃35、先端側で刈取穀稈を受け取って脱穀部2のフィードチェーン2aに受け渡す縦搬送装置36等を備えている。詳述はしないが、前記脱穀部2には、刈取部1から供給される穀稈をフィードチェーン2aにより搬送しながら扱室内で脱穀処理を行い、扱室から漏下した処理物を穀粒と藁屑とに選別する選別装置が備えられている。そして、選別回収された穀粒は、図示しないスクリュー式の搬送装置によってグレンタンク3に搬送されて貯留される。又、脱穀部2の後方側には、図1に示すように、脱穀部2から排出される排藁を切断する排ワラカッタ部64が設けられ、その排ワラカッタ部64の詰まりを検出するための排ワラ詰まり検出スイッチS15が設けられている。又、選別装置には扱室から漏下した処理物の量を検出するシーブセンサS8が備えられている(図13参照)。
【0037】
図1及び図3に示すように、刈取部1の前部の両横側における最も機体横外側に位置する引き起こし装置34の上端部の機体横外側に位置する部位に夫々、照明装置としての前照灯20、20が設けられている。左右の前照灯20、20は、夫々、上側照射ランプ21と下側照射ランプ22とを備えて構成され、下側照射ランプ22の照射方向を上側照射ランプ21の照射方向より下向きに設定している。
【0038】
運転部31には、左右の前照灯20、20を入り切り操作するための手動操作式の前照灯スイッチ23が設けられており、この前照灯スイッチ23は、図13に示すように、消灯位置(消灯)、夜間における路上走行を行うための非作業用操作位置(路上)、夜間における刈取作業を行うための作業用操作位置(作業)の3つの操作位置に切り換え操作可能に構成されている。
【0039】
この前照灯スイッチ23が消灯位置(消灯)に操作すると、左右の前照灯20、20を上側照射ランプ21も下側照射ランプ22も共に消灯した消灯状態に切り換わり、非作業用操作位置(路上)に操作すると、左右の前照灯20、20における上側照射ランプ21が消灯し、下側照射ランプ22が点灯した非作業用点灯状態に切り換わり、作業用操作位置(作業)に操作すると、左右の前照灯20、20が上側照射ランプ21も下側照射ランプ22も共に消灯した作業用点灯状態に切り換わるようになっている。
【0040】
つまり、夜間において刈取作業を行う際には、前照灯スイッチ23を作業用操作位置に操作しておくと、左右の前照灯20、20が上側照射ランプ21も下側照射ランプ22も共に点灯するので、機体前方側だけでなく刈取部1による刈取位置付近が明るいので、植立穀稈に対する位置合わせを容易に行いながら作業することができる。又、夜間に移動走行を行なうような非作業状態では、刈取部1が非作業位置に上昇操作されるが、前照灯スイッチ23を非作業用操作位置に操作すると、左右の前照灯20、20は、上側照射ランプ21が消灯し下側照射ランプ22が点灯した状態に切り換わり、上側照射ランプ21による対向車の照射を回避した状態で前方を照明しながら走行することができる。
【0041】
従って、前記前照灯スイッチ23は、昼間であるか夜間であるかによって操作状態が異なることになるから、その操作状態によって昼間であるか夜間であるかを判別することが可能となる。又、夜間において作業状態であるか非作業状態であるかを判別することが可能であり、前照灯スイッチ23が、昼間であること及び夜間であることのいずれかを指令する昼夜指令手段、並びに、作業状態であるか非作業状態であるかを判別する作業状態判別手段を兼用する手動操作スイッチとして備えられる構成となっている。
【0042】
次に、動力伝達系を図2に示す。機体Vに搭載されたエンジンEの出力は、脱穀クラッチ37を介して脱穀部2に伝達され、且つ、走行クラッチ38及び無段変速装置39を介してクローラ走行装置30のミッション部40に伝達される。ミッション部40に伝達された出力は、ミッション部40内に設けられた副変速装置42を介してクローラ走行装置30に伝達され、刈取変速装置43及び刈取クラッチ41を介して刈取部1に伝達される。そして、副変速装置42にて変速された後の動力にて駆動されるクローラ走行装置30の入力軸の回転速度に基づいて作業速度を検出する車速センサS4、エンジンEの回転速度を検出するエンジン回転速度センサS5、エンジンEの冷却水の水温を検出する水温センサS7等が設けられている。
【0043】
前記車速センサS4は、詳述はしないが、電磁ピックアップコイルの作用によりクローラ走行装置30の入力軸に備えられたギアの歯部と溝部との間での近接距離の変化に対応するパルス信号をギアの回転速度に対応した信号として出力するように構成されており、そのパルス信号のパルス周期の長さに基づいて作業速度を検出する構成となっている。
【0044】
前記エンジン回転速度センサS5についても、車速センサS4と同様に、電磁ピックアップコイルの作用によりエンジンEの出力軸と一体的に回転するように備えられたギアの歯部と溝部との間での近接距離の変化に対応するパルス信号を出力するように構成されており、そのパルス信号のパルス周期の長さに基づいて作業速度を検出する構成となっている。
【0045】
前記無段変速装置39は、変速モータM6により無段変速操作可能であり、しかも、変速モータM6の操作に優先して運転部31に設けられた手動操作式の主変速レバー7にて手動で変速操作可能に構成されている。又、前記副変速装置42は、副変速用油圧シリンダ65の操作により、路上走行用の高速状態、刈取作業用の低速状態、クローラ走行装置30への動力伝達を断つ中立状態の3つの変速状態に切り換え自在に構成されている。そして、副変速装置42がどの変速位置にあるかを検出する副変速センサS10が設けられている。
【0046】
前記刈取変速装置43は、図示しない刈取変速用油圧シリンダの操作により高速状態と低速状態とに切り換え自在に構成され、コンバインの作業速度に対する刈取部1の刈取作業速度の相対速度を作物の種類の違いや植立穀稈の倒伏状態の違い等に応じて高低2段階に切り換えることができる。そして、刈取変速装置43がどの変速状態にあるかを検出する刈取変速センサS11が設けられている。
【0047】
前記副変速装置42は、取り付け構成については図示しないが、主変速レバー7の握り部に指操作可能に設けられたトグル操作式の副変速切換スイッチ及び運転部31における主変速レバー7とは別の箇所に設けられた副変速中立スイッチによる指令に基づいて変速状態が切り換わる構成である。又、刈取変速装置43は、図示はしないが、副変速切換スイッチと同様に、主変速レバー7の握り部に指操作可能に設けられたトグル操作式の刈取変速切換スイッチを切り換え操作することで高速状態と低速状態とに切り換え自在に構成されている。
【0048】
後記するように無負荷時のエンジン回転速度(基準回転速度)からのエンジン回転速度低下量によってエンジン負荷が求められるが、そのエンジン負荷の情報に基づいて、エンジンEの能力を極力有効に利用できるようにするために、車速センサS4にて検出される作業速度が図示しない上限速度設定器にて設定される設定上限速度を超えない条件で、エンジン負荷が適正範囲に維持されるように、変速モータM6の作動を制御する車速制御が実行される。
【0049】
運転部31には、刈取部1を昇降操作する刈取昇降指令具と機体Vを左右に旋回操作する旋回操作指令具とに兼用構成された十字操作式の刈高操向レバー8が設けられている。つまり、この刈高操向レバー8を後方側に揺動操作すると刈取部1が上昇し、前方側に揺動操作すると刈取部1が下降する。又、刈高操向レバー8を左側に揺動操作すると機体が左旋回し、右側に揺動操作すると機体が右旋回するように構成されている。
【0050】
そして、このコンバインには、運転席の前部に設けられた表示パネルPに、作業者に知らせるべき報知情報を表示する点灯式表示手段THが設けられ、その点灯式表示手段THが、点灯状態と消灯状態とに切り換え自在な複数の点灯部と、前記報知情報を表示すべく前記複数の点灯部を選択的に点灯させる点灯表示制御手段100とを備えて構成されている。この点灯表示制御手段100は、作業状態判別手段の判別結果に基づいて、点灯状態において点灯部を発光させるときの発光強度を、非作業状態であることが判別されたときは作業状態であることが判別されたときよりも低くなるように切り換える発光強度切換処理を実行するように構成されている。
【0051】
さらに説明を加えると、前記点灯表示制御手段100が、前記発光強度切換処理として、昼夜指令手段にて昼間であることが指令されると、作業状態判別手段の判別結果にかかわらず、発光強度を昼間用設定強度に切り換え、且つ、昼夜判別手段にて夜間であることが指令されると、作業状態判別手段にて作業状態であることが判別されたときは発光強度を昼間用設定強度よりも低い夜間作業用設定強度に切り換え、及び、作業状態判別手段にて非作業状態であることが判別されたときは発光強度を夜間作業用設定強度よりも低い夜間非作業用設定強度に切り換えるように構成されている。
【0052】
前記表示パネルPには、表示用設定経路に沿って移動する表示用指示体の位置によって、作業者に知らせるべき報知情報を表示する移動式表示手段IHが設けられ、この移動式表示手段IHが、前記表示用指示体の位置を読み取るために背面板に設けられた読取用表示情報を照明する作動状態と照明を停止する非作動状態とに切り換え自在な照明手段と、前記照明手段の作動を制御する移動表示制御手段101とを備えて構成され、前記移動表示制御手段101が、前照灯スイッチ23にて昼間であることが指令されると照明手段を前記非作動状態に切り換え、前照灯スイッチ23にて夜間であることが指令されると照明手段を前記作動状態に切り換えるように構成されている。
【0053】
以下、点灯式表示手段TH及び移動式表示手段IHの具体的な構成について説明する。
すなわち、運転部31における運転席4の前方側の表示パネルPに、コンバインの運転において作業者に知らせるべき複数種の報知情報を表示する表示ユニットCが設けられている。
【0054】
図4に示すように、この表示ユニットCには、作業速度を表示する作業速度表示部12、エンジン負荷を表示するエンジン負荷表示部13、エンジン回転速度を表示するエンジン回転速度表示部14、燃料残量を表示する燃料表示部15,副変速装置42の変速状態を表示する副変速表示部16、刈取変速装置43の変速状態を表示する刈取変速表示部17の夫々が備えられ、さらに、その他の複数種の報知情報を並べて表示する画像表示式の補助表示部18も備えられている。
【0055】
次に、前記表示ユニットCの具体的な構成について説明する。
すなわち、表示ユニットCは、図5に示すように、後述するような複数のLEDランプが装着される硬質の配線基板50、その配線基板50の上方側に位置して、後述するような各種のLEDランプが発光した光を反射させて上方側に導く光反射用の案内部材51、その案内部材51の上方を覆うように設けられて光を透過しない遮光性板体にて構成され且つ後述する読取用表示情報52や変速状態等の各種の表示用情報53を表示するための背面板を構成する表示用板体54、外周を覆う外装ケース55の夫々が一体的に組み付けられて構成され、この表示ユニットCによって上記した各表示部が一体的に形成される構成となっている。
【0056】
以下、各表示部の構成について説明する。
先ず、前記作業速度表示部12について説明する。この作業速度表示部12は、図4に示すように、最低速度表示位置と最高速度表示位置とに亘る上向き突出の円弧状の作業速度表示用設定経路に沿って表示用指示体としての指示針12aを移動させる形態で、報知情報としての作業速度を表示するように構成されている。前記指示針12aがその長手方向一端側を回動支点として長手方向他端側が上向き突出の円弧状の軌跡を描くように回動する構成となっており、その回動支点となる箇所における内奥側には、車速センサS4にて検出される作業速度が大きいほど大きい回動角となるように指示針12aを回動駆動する回動駆動部12bが備えられている。
【0057】
そして、表示用板体54に設けられた読取用表示情報52としての目盛12c及び作業速度の大きさを数字で示す文字表示部12dと対応させて目視することにより、指示針12aの位置により作業速度を読み取ることができる構成となっている。又、この作業速度表示部12は、後述するように、読取用表示情報52を照明する作動状態と照明を停止する非作動状態とに切り換え自在な照明手段としての複数の照明用LEDランプ12eを備えて構成されている。
【0058】
図5及び図6に示すように、前記指示針12aは、前記表示用板体54よりも上方側箇所に位置する状態で備えられ、表示用板体54には目盛12cや文字表示部12dを表示する箇所には透光性部材56が備えられる。そして、前記配線基板50における指示針12aの回動支点部の外周側の近傍位置に適宜間隔をあけて複数の照明用LEDランプ12eが装着され、その回動支点部の近傍位置から径方向外方側ほど上方側に位置するように滑らかな凹曲面状の反射面57が前記光反射用の案内部材51に形成され、複数の照明用LEDランプ12eから発光する光が前記反射面57にて反射して上方側の表示用板体54に向けて照射されるように構成されている。
【0059】
このような構成は、夜間になって周囲が暗くなっても作業者が目盛12cや文字表示部12dを識別できるようにするものである。つまり、前記複数の照明用LEDランプ12eが発光すると、その照明用LEDランプ12eから発光して反射面57にて反射した光は透光性部材56を通して表示パネルPの上部外方に向けて透過して目盛12cや文字表示部12dが照明されて明るくなるので、周囲が暗くなっても作業者が読取用表示情報52としての目盛12cや文字表示部12dを識別できるのである。尚、昼間は外部が明るいので、照明していない状態であっても読取用表示情報52を識別することができる。
又、透光性部材56は、透明ではなく照明用LEDランプ12eからの光を拡散させる機能を有しており、目盛12cや文字表示部12dとして適切に識別することができるようになっている。
【0060】
説明を加えると、作業速度が零速のときは指示針12aは最も反時計方向に回動した零速位置にあり、作業速度が大きいほど回動角が大になる状態で指示針12aが時計方向に回動移動する構成であり、前記指示針12aは、零速位置においては水平方向よりも少し左下方側に傾いた姿勢となり、最大速度位置においては水平方向よりも少し右下方側に傾いた姿勢となるように回動位置が設定されており、180度を越える広い範囲にわたって回動可能な構成となっており、分解能を高めて精度よく表示することができる構成となっている。尚、この実施形態では最大速度位置にあるときの作業速度は4m/secに設定されている。
【0061】
次に、前記エンジン負荷表示部13について説明する。
このエンジン負荷表示部13は、図4に示すように、前記作業速度表示部12の円弧状の外周部に沿うように、報知情報としてエンジン負荷を表示すべく、点灯状態と消灯状態とに切り換え自在な複数のセグメント表示部13aを最低負荷表示位置から最高負荷表示位置にわたる負荷表示用設定経路Q2に沿って並設する状態で備えて構成され、且つ、前記負荷表示用設定経路Q2が上向き突出の円弧状に形成されて前記作業速度表示用設定経路Q1の外方側に並ぶ状態で備えられている。
【0062】
そして、図9に示すように、前記最低負荷表示位置から前記最高負荷表示位置に向けて並ぶ複数のセグメント表示部13aのうちで負荷が増大するほど前記最高負荷表示位置に近い側のセグメント表示部13aを消灯状態から点灯状態に切り換える形態で、点灯状態とするセグメント表示部13aの位置を前記負荷表示用設定経路Q2に沿って移動させるように後述する制御部によってその作動が制御される構成となっている。
【0063】
すなわち、図5、図6、及び、図10に示すように、エンジン負荷表示部13は、13個のセグメント表示部13aを一列に並べる状態で備えており、それら13個のセグメント表示部13aには夫々、点灯状態と消灯状態とに切り換え自在な点灯部としての負荷表示用LEDランプ13b(発光ダイオード)が各別に内装されており、各別に点灯状態と消灯状態とに切り換え自在な構成となっている。又、13個のセグメント表示部13aのうち反時計方向側端部に位置する1番目のものから時計方向に向けて8番目に位置するものまでは表示色が緑色(G)となり、9番目から11番目までのものは表示色が黄色(Y)となり、12番目と13番目のものは表示色が赤色(R)となるように夫々異なる色の負荷表示用LEDランプ13bを用いて構成されている。
【0064】
説明を加えると、作業速度表示部12の円弧状の外周部に沿うように、光反射用の案内部材51に一体形成される状態で、13個のセグメント表示部13aを形成するための13個の光透過用開口部60が円弧状に一列に並ぶ状態で区画形成されている。そして、13個の光透過用開口部60の夫々の内奥側箇所に位置させて負荷表示用LEDランプ13bが各別に設けられ、表面側箇所に位置させて負荷表示用LEDランプ13bが発光した光を拡散する拡散板13cが設けられる構成となっている。尚、表示用板体54には13個の光透過用開口部60に対応する箇所は透過孔が形成され、光をそのまま透過する構成となっている。そして、このエンジン負荷表示部13は、後述するように、反時計方向側端部に位置する1番目のものから点灯表示するセグメント表示部13aの個数を順次多くする形態でエンジン負荷を表示する構成となっている。
【0065】
次に、前記エンジン回転速度表示部14について説明する。
このエンジン回転速度表示部14は、図4に示すように、表示用指示体の一例である指示針14aがその長手方向一端側を回動支点として長手方向他端側が円弧状の軌跡を描くように回動する構成となっており、その回動支点となる箇所における内奥側には、エンジン回転速度センサS5にて検出されるエンジン回転速度が大きいほど大きい回動角となるように指示針14aを回動駆動する回動駆動部14bが備えられている。そして、表示用板体54に設けられた読取用表示情報52としての目盛14c及びエンジン回転速度の大きさを数字で示す文字表示部14dと対応させて目視することにより、指示針14aの位置によりエンジン回転速度を読み取ることができる構成となっている。
【0066】
そして、このエンジン回転速度表示部14も、作業速度表示部12と同様に、読取用表示情報52を照明する作動状態と照明を停止する非作動状態とに切り換え自在な照明手段としての複数の照明用LEDランプ14eを備えて構成されている。つまり、図5及び図7に示すように、指示針14aは、表示用板体54よりも上方側に位置し、表示用板体54には目盛14cや文字表示部14dなどの読取用表示情報52を表示する箇所には透光性部材56が備えられる。又、配線基板50における指示針14aの回動支点部の外周側の近傍位置に適宜間隔をあけて複数の照明用LEDランプ14eが装着され、その回動支点部の近傍位置から径方向外方側ほど上方側に位置するように滑らかな凹曲面状の反射面61が光反射用の案内部材51に形成され、複数のLEDランプ14eから発光する光が前記反射面61にて反射して上方側の表示用板体54に向けて照射されるように構成されている。このような構成は、作業速度表示部12と同じように、夜間になって周囲が暗くなっても作業者が読取用表示情報52としての目盛14cや文字表示部14dを識別できるようにするものである。
【0067】
エンジン回転速度が零速のときは指示針14aは最も反時計方向に回動した零速位置にあり、エンジン回転速度が大きいほど回動角が大になる状態で指示針14aが時計方向に回動する構成となっており、この実施形態では最大回転速度は3000rpmに設定されている。
【0068】
次に、前記燃料表示部15について説明する。
前記燃料表示部15は、図4に示すように、作業速度表示部12と同様に、指示部の一例である指示針15aがその長手方向一端側を回動支点として長手方向他端側が円弧状の軌跡を描くように回動する構成となっており、その回動支点となる箇所における内奥側には、燃料残量センサS9にて検出される燃料残量が残り少ないほど大きい回動角となるように指示針15aを回動駆動する回動駆動部15bが備えられている。
【0069】
そして、表示用板体54に設けられた読取用表示情報52としての目盛15c及び満量や空を表す文字表示部15dに対応させて目視することにより、指示針15aの位置により燃料残量を読み取ることができる構成となっている。尚、前記燃料タンクは図示は省略しているが、この燃料タンク内の燃料残量を検出する燃料残量センサS9が設けられている(図9参照)。
【0070】
この燃料表示部15も、作業速度表示部12と同様に、読取用表示情報を照明する作動状態と照明を停止する非作動状態とに切り換え自在な照明手段としての複数の照明用LEDランプ15eを備えて構成されている。つまり、図5及び図6に示すように、指示針15aは、表示用板体54よりも上方側に位置し、表示用板体54には目盛15cや文字表示部15dを表示する箇所には透光性部材56が備えられる。
【0071】
配線基板50における指示針15aの回動支点部の外周側の近傍位置に適宜間隔をあけて複数の照明用LEDランプ15eが装着され、その回動支点部の近傍位置から径方向外方側ほど上方側に位置するように滑らかな凹曲面状の反射面62が前記光反射用の案内部材51に形成され、複数の照明用LEDランプ15eから発光する光が前記反射面62にて反射して上方側の表示用板体54に向けて照射されるように構成されている。このような構成は、作業速度表示部12と同じように、夜間になって周囲が暗くなっても作業者が読取用表示情報52としての目盛15cや文字表示部15dを識別できるようにするものである。
【0072】
燃料残量が満量であるときは指示針15aは最も反時計方向に回動した位置にあり、燃料残量が減少するとその減少量に応じて指示針15aが時計方向に回動する構成となっており、指示針15aは最も時計方向に回動した位置になると、燃料残量が零又は略零であることを示すことになる。
【0073】
尚、構成について詳述はしないが、作業速度表示部12における指示針12a、エンジン回転速度表示部14における指示針14a、及び、燃料表示部15における指示針15aの夫々は、内部を光が通過する光透過性部材にて構成され、図示しないLEDランプの光を透過させながらそれ自身が光を発光して作業者が夜間でも位置を識別することができるようになっている。
【0074】
次に、前記副変速表示部16について説明する。
前記副変速表示部16は、報知情報として副変速装置42の複数の変速状態を表示すべく複数の変速状態の夫々に対応させて並設される構成となっている。すなわち、副変速表示部16は、高速状態を示す高速表示部分16A、低速状態を示す低速表示部分16B、中立状態を示す中立表示部分16Cの夫々を横方向に並べて備えており、それらの3つの各表示部分16A,16B,16Cには、後述するように点灯部としての変速表示用LEDランプ16aが内装されており、3つの各表示部分のうちの現在の変速状態に対応する表示部分の変速表示用LEDランプ16aを点灯させ、それ以外の表示部分の変速表示用LEDランプ16aを消灯することで、副変速装置42の現在の変速状態を表示するように後述する制御部28によってその作動が制御される構成となっている。
【0075】
すなわち、図5、図7、及び、図11に示すように、副変速表示部16の高速表示部分16Aは、表示用板体54の一部がH字状の透光性部材56にて構成され、表示用板体54の下方側に設けられた変速表示用LEDランプ16aが点灯すると、表示用情報53として「H」の文字が明るく表示される構成となっている。変速表示用LEDランプ16aを消灯すると透光性部材56は暗くなるが、「H」の文字が陰影表示となり、作業者はその存在を目視で判るようになっている。
【0076】
低速表示部分16Bも同様に、表示用板体54の一部がL字状の透光性部材56にて構成され、表示用板体54の内奥側に設けられた変速表示用LEDランプ16aが点灯すると、表示用情報53としての「L」の文字が明るく表示される構成となっている。変速表示用LEDランプ16aを消灯すると透光性部材56は暗くなるが、「L」の文字は陰影表示となるように構成されている。
【0077】
又、中立表示部分16Cも同様に、表示用板体54の一部がN字状の透光性部材56にて構成され、表示用板体54の内奥側に設けられた変速表示用LEDランプ16aが点灯すると、表示用情報としての「N」の文字が明るく表示され、変速表示用LEDランプ16aを消灯すると透光性部材56は暗くなるが、「N」の文字が陰影表示となるように構成されている。
【0078】
このように横方向に並べて備えられる高速表示部分16A、低速表示部分16B、中立表示部分16Cは、夫々、変速表示用LEDランプ16aが点灯すると文字情報が明るく表示される表示状態となり、変速表示用LEDランプ16aを消灯すると陰影表示となるように切り換わる構成となっており、しかも、それらのうちのいずれかのものが表示状態となり、それ以外のものは陰影表示となることで、作業者は、明るく表示される表示部分は勿論、陰影表示される表示部分もその存在は判るので、副変速装置42が変速操作される変速段数がいくつ存在し、現在はそのうちのどの変速状態にあるかが判り易い状態で表示できるものになる。
【0079】
次に、前記刈取変速表示部17について説明する。
前記刈取変速表示部17は、図4に示すように、副変速表示部16と同様に、高速状態を示す高速表示部分17A及び低速状態を示す低速表示部分17Bの夫々が点灯部としての変速表示用LEDランプ17aを内装する状態で備えられており、そのときの変速状態に対応する表示部分の変速表示用LEDランプ17aを点灯させ、それ以外の表示部分の変速表示用LEDランプ17aを消灯することで、刈取変速装置43の変速状態を表示するように後述する制御部によってその作動が制御される構成となっている。
【0080】
すなわち、図5、図8、及び、図11に示すように、高速表示部分17aは、表示用板体54の一部がH字状の透光性部材56にて構成され、表示用板体54の下方側に設けられた変速表示用LEDランプ17aが点灯すると、表示用情報53としての「H」の文字が明るく表示される構成となっている。変速表示用LEDランプ17aを消灯すると透光性部材56は暗くなるが、「H」の文字は陰影表示となるように構成されている。
【0081】
低速表示部分17Bも同様に、表示用板体54の一部がL字状の透光性部材56にて構成され、表示用板体54の下方側に設けられた変速表示用LEDランプ17aが点灯すると、表示用情報53としての「L」の文字が明るく表示される構成となっている。変速表示用LEDランプ73を消灯すると透光性部材56は暗くなるが、「L」の文字は陰影表示となるように構成されている。
【0082】
従って、作業者は、明るく表示される表示部分は勿論、陰影表示される表示部分もその存在は判るので、刈取変速装置43が変速操作される変速段数がいくつ存在し、現在はそのうちのどの変速状態にあるかが判り易い状態で表示することができる。
【0083】
前記補助表示部18は、作業速度表示部12に対してその下方側に並ぶ状態で設けられ、この補助表示部18は、画像情報を表示可能なドットマトリクス形式の液晶表示器にて構成され、画像表示により報知情報を表示するように構成されている。
【0084】
補助表示部18の表示形態について説明すると、図15(イ)に示すように、前記グレンタンク3内に貯留される穀粒(図では「もみ」と表記している)の貯留量、シーブセンサS8にて検出される選別処理物量(図では「シーブ」と表記している)、及び、水温センサS7にて検出されるエンジンEにおける冷却水の温度(図では「水温」と表記している)の各情報を表示する。又、補助表示部18には、それらの情報に加えて、左右のウインカー表示74、コンバインの累計稼動時間を示すアワーメータ75、バッテリーの充電量が残り少ないことを表す充電警報表示76、オイルの異常を表示するオイル警報表示77も並べて表示する構成となっている。
【0085】
又、表示ユニットCの横側方には、補助表示部18における表示状態の切り換えを指令するモード切換スイッチ80と、表示内容の切り換えを指令する表示切換スイッチ81とが設けられ、この両スイッチ80,81は、押し操作されているときだけオン状態になり、押し操作されないときはオフ状態となる押ボタン式のスイッチに構成されている。
【0086】
さらに、手動式の発光強度設定手段として、路上走行用の発光強度調整器63と、作業用の発光強度調整器64とが備えられている。説明を加えると、路上走行用の発光強度調整器63は、夜間の路上走行時において、エンジン負荷表示部13、副変速表示部16、刈取変速表示部17の点灯時の発光強度を変更設定するものである。一方、作業用の発光強度調整器64は、夜間の作業走行時において、エンジン負荷表示部13、副変速表示部16、刈取変速表示部17の点灯時の発光強度を変更設定するものである。
【0087】
図13に示すように、マイクロコンピュータを利用して構成された制御部28が設けられ、この制御部28に、車速センサS4、エンジン回転速度センサS5、シーブセンサS8、モミセンサS6、水温センサS7、燃料残量センサS9、副変速センサS10、刈取変速センサS11、排ワラ詰まり検出スイッチS15の各検出情報が入力される。前照灯スイッチ23、路上走行用の発光強度調整器63、作業用の発光強度調整器64の情報も制御部28に入力されている。一方、制御部28からは、前照灯20及び表示ユニットCに対する制御用信号が出力される構成であり、前照灯20の点灯動作並びに表示ユニットCにおける表示状態を制御する構成となっている。
【0088】
又、前照灯スイッチ23の操作位置に基づいて、昼間であるか夜間であるかを判別し、更に、夜間であるときに、刈り取り作業を行う作業状態であるか、刈り取り作業を行わない非作業状態で走行する状態であるかを判別し、その判別結果に基いて、表示ユニットCにおける各LEDランプの点灯状態を制御するように構成されている。
【0089】
以下、制御部28による制御の具体内容について、図14のフローチャートを参照しながら説明する。
前記制御部28は、前照灯スイッチ23の操作状態が消灯位置であれば、昼間であると判別し、負荷表示用LEDランプ13b、変速表示用LEDランプ16a,17aを点灯するときの発光用強度を、昼間であって車外が明るい場合であっても点灯状態であることを作業者が識別できるように大きめの値である昼間用設定強度に切り換える(ステップ1、2、3)。
【0090】
前照灯スイッチ23の操作状態が非作業用操作位置であれば、夜間であって且つ路上走行を行う状態であると判別し、負荷表示用LEDランプ13b、変速表示用LEDランプ16a,17aを点灯するときの発光用強度を、昼間用発光強度よりも小さい値であって、夜間の路上走行に眩しく感じることなく、操縦の邪魔にならない程度の夜間非作業用設定強度に切り換える(ステップ4,5,6)。尚、この夜間非作業用設定強度は、非作業用の発光強度調整器63を標準位置に設定しておけば予め設定された標準的な値が設定されるが、非作業用の発光強度調整器63によって作業者の好みに応じて設定範囲内で変更設定することができる(図16参照)。
【0091】
前照灯スイッチ23の操作状態が夜間の作業用操作位置であれば、夜間であって且つ刈り取り作業走行を行う状態であると判別し、負荷表示用LEDランプ13b、変速表示用LEDランプ16a,17aを点灯するときの発光強度を、昼間用発光強度よりも小さい値であって、且つ、夜間での作業において、眩しく感じないで報知情報を読み取るに適した夜間作業用設定強度に切り換える(ステップ6,7,8)。尚、この夜間作業用設定強度も同様に、作業用の発光強度調整器64を標準位置に設定しておけば予め設定された標準的な値が設定されるが、作業用の発光強度調整器64によって作業者の好みに応じて設定範囲内で変更設定することができる(図16参照)。
【0092】
そして、前照灯スイッチ23の操作状態が、消灯位置でなく、非作業用操作位置及び作業用操作位置のうちのいずれかであれば、前記各照明用LEDランプ12e,14e,15eを点灯状態に切り換えて読取用表示情報52を照明する(ステップ9)。又、このとき、前記各表示部に備えられる指示針12a,14a,15aを照明する照明用のLEDランプを点灯状態に切り換えて、各指示針12a,14a,15aを発光させる。
【0093】
その後は、車速センサS4の検出情報に基づいて現在の作業速度に対応するように作業速度表示部12を作動させ、エンジン回転速度センサS5の検出情報に基づいてエンジンEの回転速度に対応するようにエンジン回転速度表示部14を作動させ、燃料残量センサS9の検出情報に基づいて燃料タンクの燃料残量に対応するように燃料表示部15を作動させる(ステップ10)。
【0094】
作業速度の表示について説明を加えると、制御部28は、作業速度表示部12の指示針12aの回動角が車速センサS4にて検出される現在の作業速度に対応する回動角になるように、作業速度表示部12の回動駆動部12bの作動を制御するのである。
【0095】
エンジン回転速度表示部14についても同様にして、エンジン回転速度表示部14の指示針14aの回動角が、エンジン回転速度センサS5にて検出される現在のエンジン回転速度に対応する回動角になるようにエンジン回転速度表示部14の回動駆動部14bの作動を制御する。又、燃料表示部15についても同様に、燃料表示部15の指示針15aの回動角が、燃料残量センサS9にて検出される現在の燃料残量に対応する回動角になるように燃料表示部15の回動駆動部15bの作動を制御する。
【0096】
次に、副変速切換スイッチ9及び副変速中立スイッチ10の指令情報に基づいて対応する変速状態になるように副変速用油圧シリンダ65の作動を制御して副変速装置42を変速操作することになるが、そのとき副変速センサS10の検出情報に基づいて現在の副変速装置42がどの変速状態であるかを判別することができるから、その判別結果に基づいて副変速表示部C4にて現在の副変速装置42がどの変速状態であるかを表示する(ステップ11)。つまり、副変速表示部16の高速表示部分16A、低速表示部分16B、中立表示部分16Cのいずれか対応するものについて変速表示用LEDランプ16aを点灯して明るく表示し、それ以外のものは消灯して暗くする。そのとき、変速表示用LEDランプ16aを点灯するときの発光強度として、昼間用発光強度、夜間非作業用設定強度、夜間作業用設定強度のうちのいずれか設定されている発光強度にて点灯させる。
【0097】
又、制御部28は、刈取変速センサS11の検出情報に基づいて現在の刈取変速装置43がどの変速状態であるかを判別することができるから、その判別結果に基づいて刈取変速表示部17にて現在の刈取変速装置43がどの変速状態であるかを表示する(ステップ11)。具体的には、刈取変速表示部17の高速表示部分17A及び低速表示部分17Bのいずれか対応するものの変速表示用LEDランプ17aを点灯し、それ以外の変速表示用LEDランプ17aを消灯する。そのとき、変速表示用LEDランプ17aを点灯するときの発光用強度として、昼間用発光強度、夜間非作業用設定強度、夜間作業用設定強度のうちのいずれか設定されている発光強度にて点灯させる。
【0098】
コンバインが正常に作動している通常状態においては、例えば図9に示すように、エンジン負荷表示部13における複数のセグメント表示部13aをその並び方向の一端側から点灯表示するセグメント表示部13aの個数を順次多くすることによりエンジン負荷を表示する(ステップ12、13)。時間の経過に伴ってエンジン負荷が変化すると、そのエンジン負荷の大きさに応じて点灯表示するセグメント表示部13aの個数は逐次変化することになるが、このエンジン負荷表示部13は、いわゆるピークホールド機能を備える構成となっている。つまり、エンジン負荷が短時間で変化することがあっても、エンジン負荷のピーク値に相当するセグメント表示部13aを設定時間(数秒間)が経過する間、点灯状態を継続させる構成となっている。このように構成すると、そのときの作業行程ではエンジン負荷がどの程度の大きさであるかを容易に読み取ることができ、次の作業行程にて作業するときにそのエンジン負荷の大きさを考慮して作業速度を調整したりすることを適正に行い易いものになる。
【0099】
エンジン負荷を検出する構成について説明を加えると、このコンバインにおいては、エンジンEに負荷が掛かっていない無負荷状態になっているときに、作業者がアクセル操作を行うことによって、エンジン回転速度が予め設定されている基準回転速度になるようにエンジンEのアクセル操作位置が調整され、エンジン回転速度が基準回転速度になると、そのアクセル操作位置にて位置固定して、その後の作業を行う構成となっている。
【0100】
そして、エンジンEに負荷が掛かると、エンジン負荷の大きさに応じてエンジン回転速度がこの基準回転速度から低下することになるので、予め実験データ等により基準回転速度からのエンジン回転速度低下量とエンジン負荷の大きさとが対応付けた状態でマップデータとして設定されている。そこで、制御部28は、エンジン回転速度センサS5により検出されるエンジン回転速度と前記基準回転速度との差、つまり、エンジン回転速度低下量を演算にて求めて、そのエンジン回転速度低下量と前記マップデータとに基づいてエンジン負荷を求める構成となっている。
【0101】
このようにして求めたエンジン負荷を表示するときは、制御部28は、13個のセグメント表示部13aをその並び方向の一端側、すなわち、反時計方向側端部に位置する1番目のものから点灯表示するセグメント表示部13aの個数を順次多くする形態でエンジン負荷を表示するのである。エンジン負荷が適正負荷であるときには緑色のセグメント表示部13aが点灯することになり、エンジン負荷が大きくなり設定値を越えて注意負荷状態になると、8個の緑色のセグメント表示部13aに加えて黄色のセグメント表示部13aが点灯する。さらに、エンジン負荷が大きくなり上限値を超えて過大負荷になると、8個の緑色のセグメント表示部13a、3個の黄色のセグメント表示部13aに加えて赤色のセグメント表示部13aが点灯することになる。そのとき、負荷表示用LEDランプ13bを点灯するときの発光用強度として、昼間用発光強度、夜間非作業用設定強度、夜間作業用設定強度のうちのいずれか設定されている発光強度にて点灯させる。
【0102】
さらに、制御部28は、コンバインが正常に作動している通常状態においては、補助表示部18にて、上記したような各種の報知情報を表示する表示処理を実行する(ステップ14)。つまり、複数種の報知情報として、図15(イ)に示すように、前記グレンタンク3内に貯留される穀粒(図では「もみ」と表記している)の量、シーブセンサS8にて検出される揺動選別板54上の選別処理物量(図では「シーブ」と表記している)、及び、水温センサS7にて検出されるエンジンEにおける冷却水の水温の各情報が表示される。又、それらの情報に加えて、左右のウインカー表示74、コンバインの累計稼動時間を示すアワーメータ75、バッテリーの充電量が残り少ないことを表す充電警報表示76、オイルの異常を表示するオイル警報表示77も並べて表示される。
【0103】
そして、制御部28は、コンバインに異常が発生している異常状態においては、エンジン負荷表示部13における13個のセグメント表示部13aの全てのものを点滅表示する(ステップ15)。このような異常状態であるときは、作業者に異常であることを知らせるために、エンジン負荷表示部13aにおける負荷表示用LEDランプ13bの発光強度としては、夜間であっても昼間用発光強度で点滅表示させる構成となっている。
【0104】
尚、ここでいう異常状態とは、コンバインのいずれかの箇所において、刈取作業を継続して実行することが困難となるような異常が発生しているような場合であり、例えば、排ワラ詰り検出スイッチS15がオンして排ワラカッタ部64において排ワラが詰まっている排ワラ詰り異常等がある。前記異常には、この排ワラ詰り以外にも、刈取部1における刈取穀稈の詰まり異常やエンジンがオーバーヒートしている異常等がある。
【0105】
又、制御部28は、コンバインに異常が発生している異常状態においては、上記したような貯留穀粒量、選別処理物量、水温等の複数種の報知情報に代えて、前記異常に対応するためのメッセージ情報を補助表示部18に表示する(ステップ16)。上記したような排ワラが詰まっている異常が発生したときには、図15(ロ)に示すように、そのときに発生した異常に対応するためのメッセージ情報、例えば、「排ワラカッタにワラが詰まっています。ワラを取り除いて下さい。」というようなメッセージ情報を表示する。
【0106】
つまり、コンバインが正常に作動している通常状態において、表示ユニットCは、刈取作業を継続して実行するときに作業者が必要となる報知情報を全て同時に表示することができ、作業の途中で表示内容を切り換えるといった煩わしい手間が不要となる。しかも、異常が発生したときには、エンジン負荷表示部13における13個のセグメント表示部13aの全てのものを点滅表示するようにしたので、作業者は、刈取作業状況を確認するために機体前方側を見ながら刈取作業を行っている場合であっても、異常が発生したことを認識し易いものとなるのである。しかも、その発生した異常に対応するメッセージ情報を表示するようにしたので、迅速に且つ的確にその後の対応を取ることができる。
【0107】
前記制御部28によるステップ1〜ステップ8の処理が前記発光強度切換処理に対応することになり、この実施形態では、前記制御部29を利用して前記点灯表示制御手段100が構成され、前記エンジン負荷表示部13と点灯表示制御手段100とにより報知情報としてのエンジン負荷を表示する点灯式表示手段THが構成され、前記副変速荷表示部16と点灯表示制御手段100とにより報知情報としての副変速装置42の複数の変速状態を表示する点灯式表示手段THが構成され、前記刈取変速荷表示部17と点灯表示制御手段100とにより報知情報としての刈取変速装置43の複数の変速状態を表示する点灯式表示手段THが構成される。
【0108】
又、制御部28を利用して前記移動表示制御手段101が構成され、作業速度表示部12と移動表示制御手段101とにより報知情報としての作業速度を表示する移動式表示手段IHが構成され、エンジン回転速度表示部14と移動表示制御手段101とにより報知情報としてのエンジン回転速度を表示する移動式表示手段IHが構成され、燃料表示部15と移動表示制御手段101とにより報知情報としての燃料残量を表示する移動式表示手段IHが構成される。
【0109】
〔別実施形態〕
次に、別実施形態について説明する。
【0110】
(1)上記実施形態では、前記点灯表示制御手段100が、前記発光強度切換処理として、昼夜指令手段にて昼間であることが指令されると、作業状態判別手段の判別結果にかかわらず、前記発光強度を昼間用設定強度に切り換える構成としたが、このような構成に代えて、昼間であることが指令されていても、前記発光強度を非作業状態であることが判別されたときは作業状態であることが判別されたときよりも低くなるように切り換える構成としてもよい。
【0111】
(2)上記実施形態では、前記手動操作スイッチが、作業状態検出手段並びに昼夜指令手段を兼用する状態で備えられる構成としたが、作業状態検出手段としては、このような構成に代えて、作業状態であるか非作業状態であるかを検出するための専用の検出手段として備えるものでもよく、例えば、脱穀クラッチの入切状態から作業状態であるか非作業状態であるかを検出するようにしたり、刈取部内を刈取穀稈が通過しているか否かにより作業状態であるか非作業状態であるかを検出する等、各種の形態で検出することができる。又、作業状態であるか非作業状態であるかを手動で指令する専用の指令手段でもよい。
【0112】
又、昼夜指令手段としては、例えば、昼夜の別を指令するための専用の昼夜指令手段として構成してもよい。例えば、手動操作式の専用の指令スイッチでもよく、又、前記モード切換スイッチにて例えば昼夜判別用のモードに切り換えて前記表示切換スイッチの操作により昼夜のいずれであるかを指令する構成にする等、各種の形態で実施してもよい。又、このような手動操作にて指令する構成に限らず、光量検出センサを備えて、この光量検出センサの検出結果に基づいて自動的に昼間であるか夜間であるかを判別する構成としてもよい。
【0113】
(3)上記実施形態では、前記夜間作業用設定強度及び前記夜間非作業用設定強度を設定する手動式の発光強度設定手段が備えられ、前記点灯部を発光させるときの前記発光強度を前記発光強度設定手段にて設定された前記作業用設定強度及び前記非作業用設定強度に切り換える構成を例示したが、このような構成に代えて、前記作業用設定強度及び前記非作業用設定強度を予め設定した一定の強度に維持する構成としてもよい。
【0114】
(4)上記実施形態では、前記エンジン負荷表示部が、複数の点灯部のうちで反時計方向側端部に位置する1番目のものから点灯表示する点灯部(負荷表示用LEDランプ)の個数を順次多くする形態、言い換えると、負荷が増大するほど前記最高負荷表示位置に近い側の点灯部を消灯状態から点灯状態に切り換える形態で、点灯状態とする点灯部の位置を前記負荷表示用設定経路に沿って移動させる場合に、この点灯状態とする点灯部よりも前記最低負荷表示位置側に位置する点灯部を全て点灯状態に維持する構成を示したが、この構成に代えて、前記点灯状態とする点灯部よりも前記最低負荷表示位置側に位置する点灯部を全て消灯状態に切り換える構成としてもよい。すなわち、複数の点灯部のうちの1つの点灯部だけが点灯状態となる形態でエンジン負荷を表示するものでもよい。
【0115】
又、上記実施形態では、前記エンジン負荷表示部が、点灯部としての負荷表示用LEDランプを点灯させる場合、その点灯させるときの発光強度として、点灯させる全ての負荷表示用LEDランプについて、前記発光強度設定手段にて設定された前記作業用設定強度及び前記非作業用設定強度に切り換えるようにしたが、このような構成に代えて、エンジン負荷が小さいときは小さい発光強度にて発光させ、エンジン負荷が大きくなるほど発光強度を大きくさせるように、エンジン負荷の大きさに応じて発光強度を変更させる形態としてもよい。
【0116】
(5)上記実施形態では、エンジン負荷を検出する構成として、無負荷時のエンジン回転速度(基準回転速度)からのエンジン回転速度低下量によって、エンジンの負荷を検出する構成を例示したが、このような構成に限らず、エンジン負荷を検出する構成としては種々の構成が適用可能である。例えば、エンジンの回転速度を予め定めた目標値になるように燃料供給量を自動調整するように制御する構成として、そのときの燃料供給量からエンジン負荷を求める構成としたり、エンジンの出力軸に掛かる軸トルクを検出してその軸トルクから負荷を求める等、種々の構成を用いることができる。
【0117】
(6)上記実施形態では、点灯式表示手段として、エンジン負荷表示部、副変速表示部、刈取変速表示部が設けられる構成としたが、点灯式表示手段としては、これらに限定されるものではなく、例えば、作業速度やエンジン回転速度の他の報知情報を表示する構成としてもよい。
【0118】
(7)上記実施形態では、本発明を作業車としての刈取収穫用のコンバインに適用したが、本発明はコンバイン以外のトラクタや建設機械などの作業車に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】全体側面図
【図2】動力伝達系を示す図
【図3】刈取部の正面図
【図4】表示ユニットの正面図
【図5】表示ユニットの分解斜視図
【図6】表示ユニットのイ―イ線切欠断面図
【図7】表示ユニットのロ−ロ線切欠縦断図
【図8】表示ユニットのハ−ハ線切欠縦断図
【図9】エンジン負荷表示部の構成を示す図
【図10】エンジン負荷表示部の構成を示す図
【図11】副変速表示部の構成を示す図
【図12】刈取変速表示部の構成を示す図
【図13】制御ブロック図
【図14】制御動作のフローチャート
【図15】補助表示部の表示状態を示す図
【図16】発光強度の変化を示す図
【符号の説明】
【0120】
4 運転席
13b,16a,17a 点灯部
20 照明装置
23 手動操作スイッチ(作業状態判別手段、昼夜指令手段)
42、43 変速装置
100 点灯表示制御手段
E エンジン
TH 点灯式表示手段
P 表示パネル
Q1 作業速度表示用設定経路
Q2 負荷表示用設定経路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転席の前部に設けられた表示パネルに、作業者に知らせるべき報知情報を表示する点灯式表示手段が設けられ、
前記点灯式表示手段が、点灯状態と消灯状態とに切り換え自在な複数の点灯部と、前記報知情報を表示すべく前記複数の点灯部を選択的に点灯させる点灯表示制御手段とを備えて構成されている作業車の表示装置であって、
作業状態であるか非作業状態であるかを判別する作業状態判別手段が備えられ、
前記点灯表示制御手段が、
前記作業状態判別手段の判別結果に基づいて、前記点灯状態において前記点灯部を発光させるときの発光強度を、非作業状態であることが判別されたときは作業状態であることが判別されたときよりも低くなるように切り換える発光強度切換処理を実行するように構成されている作業車の表示装置。
【請求項2】
昼間であること及び夜間であることのいずれかを指令する昼夜指令手段が備えられ、
前記点灯表示制御手段が、前記発光強度切換処理として、
前記昼夜指令手段にて昼間であることが指令されると、前記作業状態判別手段の判別結果にかかわらず、前記発光強度を昼間用設定強度に切り換え、且つ、
前記昼夜判別手段にて夜間であることが指令されると、前記作業状態判別手段にて作業状態であることが判別されたときは前記発光強度を前記昼間用設定強度よりも低い夜間作業用設定強度に切り換え、及び、前記作業状態判別手段にて非作業状態であることが判別されたときは前記発光強度を前記夜間作業用設定強度よりも低い夜間非作業用設定強度に切り換えるように構成されている請求項1記載の作業車の表示装置。
【請求項3】
前記夜間作業用設定強度及び前記夜間非作業用設定強度を設定する手動式の発光強度設定手段が備えられ、
前記点灯表示制御手段が、前記発光強度切換処理において、前記発光強度を前記発光強度設定手段にて設定された前記作業用設定強度及び前記非作業用設定強度に切り換えるように構成されている請求項2記載の作業車の表示装置。
【請求項4】
前記点灯式表示手段における前記複数の点灯部が、前記報知情報としてエンジン負荷を表示すべく最低負荷表示位置から最高負荷表示位置にわたる負荷表示用設定経路に沿って並設され、
前記点灯式表示手段における前記点灯表示制御手段が、前記複数の点灯部のうちでエンジン負荷が増大するほど前記最高負荷表示位置に近い側の点灯部を消灯状態から点灯状態に切り換える形態で、複数の点灯部を選択的に点灯させることにより、前記エンジン負荷を表示するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の作業車の表示装置。
【請求項5】
複数の変速状態に切り換え自在な変速装置が備えられ、
前記点灯式表示手段における前記複数の点灯部が、前記報知情報として前記変速装置の複数の変速状態を表示すべく前記複数の変速状態の夫々に対応させて並設され、
前記点灯式表示手段における前記点灯表示制御手段が、前記複数の点灯部のうち、現在の変速状態に対応する点灯部を点灯状態とし他の点灯部を消灯状態とする形態で、複数の点灯部を選択的に点灯させることにより、前記変速装置の変速状態を表示するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の作業車の表示装置。
【請求項6】
前記表示パネルに、最低速度表示位置と最高速度表示位置とに亘る上向き突出の円弧状の作業速度表示用設定経路に沿って表示用指示体を移動させる形態で、報知情報としての作業速度を表示する作業速度表示手段が設けられ、
前記点灯式表示手段における負荷表示用設定経路が、上向き突出の円弧状に形成されて前記作業速度表示手段における前記作業速度表示用設定経路の外方側に並ぶ状態で備えられている請求項4記載の作業車の表示装置。
【請求項7】
車体の前部に車体前方側を照明する照明装置が、消灯状態、路上走行用の照明状態、及び、作業走行用の照明状態に切り換え自在に構成され、
前記照明装置の動作状態の切り換えを指令する手動操作スイッチが、前記作業状態判別手段並びに前記昼夜指令手段を兼用する状態で備えられ、
前記点灯表示制御手段が、前記手動操作スイッチにて前記消灯状態への切り換えが指令されると昼間であることが指令されたものと判別し、前記手動操作スイッチにて前記路上走行用の照明状態への切り換えが指令されると、夜間であることが指令され且つ非作業状態であると判別し、前記手動操作スイッチにて前記作業走行用の照明状態への切り換えが指令されると、夜間であることが指令され且つ作業状態であると判別するように構成されている請求項2又は3記載の作業車の表示装置。
【請求項1】
運転席の前部に設けられた表示パネルに、作業者に知らせるべき報知情報を表示する点灯式表示手段が設けられ、
前記点灯式表示手段が、点灯状態と消灯状態とに切り換え自在な複数の点灯部と、前記報知情報を表示すべく前記複数の点灯部を選択的に点灯させる点灯表示制御手段とを備えて構成されている作業車の表示装置であって、
作業状態であるか非作業状態であるかを判別する作業状態判別手段が備えられ、
前記点灯表示制御手段が、
前記作業状態判別手段の判別結果に基づいて、前記点灯状態において前記点灯部を発光させるときの発光強度を、非作業状態であることが判別されたときは作業状態であることが判別されたときよりも低くなるように切り換える発光強度切換処理を実行するように構成されている作業車の表示装置。
【請求項2】
昼間であること及び夜間であることのいずれかを指令する昼夜指令手段が備えられ、
前記点灯表示制御手段が、前記発光強度切換処理として、
前記昼夜指令手段にて昼間であることが指令されると、前記作業状態判別手段の判別結果にかかわらず、前記発光強度を昼間用設定強度に切り換え、且つ、
前記昼夜判別手段にて夜間であることが指令されると、前記作業状態判別手段にて作業状態であることが判別されたときは前記発光強度を前記昼間用設定強度よりも低い夜間作業用設定強度に切り換え、及び、前記作業状態判別手段にて非作業状態であることが判別されたときは前記発光強度を前記夜間作業用設定強度よりも低い夜間非作業用設定強度に切り換えるように構成されている請求項1記載の作業車の表示装置。
【請求項3】
前記夜間作業用設定強度及び前記夜間非作業用設定強度を設定する手動式の発光強度設定手段が備えられ、
前記点灯表示制御手段が、前記発光強度切換処理において、前記発光強度を前記発光強度設定手段にて設定された前記作業用設定強度及び前記非作業用設定強度に切り換えるように構成されている請求項2記載の作業車の表示装置。
【請求項4】
前記点灯式表示手段における前記複数の点灯部が、前記報知情報としてエンジン負荷を表示すべく最低負荷表示位置から最高負荷表示位置にわたる負荷表示用設定経路に沿って並設され、
前記点灯式表示手段における前記点灯表示制御手段が、前記複数の点灯部のうちでエンジン負荷が増大するほど前記最高負荷表示位置に近い側の点灯部を消灯状態から点灯状態に切り換える形態で、複数の点灯部を選択的に点灯させることにより、前記エンジン負荷を表示するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の作業車の表示装置。
【請求項5】
複数の変速状態に切り換え自在な変速装置が備えられ、
前記点灯式表示手段における前記複数の点灯部が、前記報知情報として前記変速装置の複数の変速状態を表示すべく前記複数の変速状態の夫々に対応させて並設され、
前記点灯式表示手段における前記点灯表示制御手段が、前記複数の点灯部のうち、現在の変速状態に対応する点灯部を点灯状態とし他の点灯部を消灯状態とする形態で、複数の点灯部を選択的に点灯させることにより、前記変速装置の変速状態を表示するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の作業車の表示装置。
【請求項6】
前記表示パネルに、最低速度表示位置と最高速度表示位置とに亘る上向き突出の円弧状の作業速度表示用設定経路に沿って表示用指示体を移動させる形態で、報知情報としての作業速度を表示する作業速度表示手段が設けられ、
前記点灯式表示手段における負荷表示用設定経路が、上向き突出の円弧状に形成されて前記作業速度表示手段における前記作業速度表示用設定経路の外方側に並ぶ状態で備えられている請求項4記載の作業車の表示装置。
【請求項7】
車体の前部に車体前方側を照明する照明装置が、消灯状態、路上走行用の照明状態、及び、作業走行用の照明状態に切り換え自在に構成され、
前記照明装置の動作状態の切り換えを指令する手動操作スイッチが、前記作業状態判別手段並びに前記昼夜指令手段を兼用する状態で備えられ、
前記点灯表示制御手段が、前記手動操作スイッチにて前記消灯状態への切り換えが指令されると昼間であることが指令されたものと判別し、前記手動操作スイッチにて前記路上走行用の照明状態への切り換えが指令されると、夜間であることが指令され且つ非作業状態であると判別し、前記手動操作スイッチにて前記作業走行用の照明状態への切り換えが指令されると、夜間であることが指令され且つ作業状態であると判別するように構成されている請求項2又は3記載の作業車の表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−222024(P2007−222024A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−43921(P2006−43921)
【出願日】平成18年2月21日(2006.2.21)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月21日(2006.2.21)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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