説明

保持パッド

【課題】保持面の平坦性精度を高め被研磨物の面内均一性を向上させることができる保持パッドを提供する。
【解決手段】保持パッド10は、ウレタンシート2を備えている。ウレタンシート2は、湿式凝固法により形成されており、被研磨物を保持するための保持面Shを有している。ウレタンシート2は、微多孔構造のスキン層2aを有しており、スキン層2aより内側に厚みのほぼ全体にわたる多数の発泡3が形成されている。ウレタンシート2では、厚みtとしたときに、裏面Srから0.1tの厚み分内側までの範囲に発泡3の底部が形成されている。裏面Srから0.1tの厚み分内側で裏面Srと平行な断面と0.4tの厚み分内側で裏面Srと平行な断面とで挟まれた下層部Prで、発泡3による空隙率が75〜95%の範囲に調整されている。研磨加工時に下層部Prでの圧縮変形量が増大する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は保持パッドに係り、特に、湿式凝固法により縦型発泡が形成され被研磨物を保持するための保持面を有する樹脂シートを備えた保持パッドに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体用ウエハ(WF)、フラットパネルディスプレイ(FPD)用ガラス基板やハードディスク用基板等の各種材料(被研磨物)の表面(加工面)では、平坦性を向上させるために、対向配置された2つの定盤を備えた研磨機を用いた研磨加工が行われている。これら被研磨物の中でも、例えば、半導体用WFでは、用いられる携帯機器等の小型化に伴い効率よく基板を作製するために、研磨加工に供される被研磨物が大型化する傾向にある。また、FPD用ガラス基板では、FPD自体の大型化、薄肉化に対応するために、被研磨物であるガラス基板が大型化、薄肉化する傾向にある。このような大型化、薄肉化した被研磨物に対しても、平坦性に対する要求がますます高まっている。
【0003】
被研磨物を、例えば、片面を研磨加工するときは、研磨機の一方の定盤に研磨パッドが装着され、他方の定盤に被研磨物が研磨パッドと対向するように保持される。研磨加工時には、被研磨物と研磨パッドとの間に研磨粒子(砥粒)を含む研磨スラリが供給され、被研磨物に研磨圧(押圧力)がかけられる。被研磨物が定盤との接触で損傷を受けることを回避するために、通常、被研磨物を保持する定盤には保持パッドが装着されている。すなわち、保持パッドでは、研磨プロセスにおいて被研磨物を一時的に保持することができる。
【0004】
保持パッドとしては、湿式凝固法により形成された発泡構造を有する軟質のウレタンフィルム(樹脂シート)を備えた保持パッドが使用されている(例えば、特許文献1参照)。湿式凝固法により形成されるウレタンフィルムでは、表面層(スキン層)の表面(保持面)が平滑性を有するため、被研磨物の保持性に優れている。また、表面層より内側には、厚みのほぼ全体にわたる大きさの縦型発泡が形成されている。このため、研磨加工時の研磨圧で圧縮されたときにクッション性を発揮することができる。クッション性が低すぎると研磨圧により被研磨物が受ける応力にムラが生じるため、保持パッド側へ沈み込んだ被研磨物の凸部に応力が集中し、この応力集中部分が過剰研磨されて研磨ムラが生じる。反対に、クッション性が高くなると被研磨物が受ける応力にムラが生じ難くなり、被研磨物の表面平滑性が向上するものの、沈み込みが大きくなり保持パッド自体が削られる可能性がある。従って、通常、湿式凝固法では、樹脂の選定や各種の添加剤により発泡の大きさや形成状態が調整されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−62059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の湿式凝固法により得られるウレタンフィルムでは、縦型発泡が形成されることから、発泡が形成された部分と発泡間の樹脂の部分とで密度ムラが生じる、という問題がある。このため、発泡形成部分と樹脂部分とでは、研磨加工時に研磨圧がかけられたときの圧縮変形量が異なり、上述したような薄肉化、大型化する被研磨物に対する高度な平坦度の要求を満たすには十分とはいえない。すなわち、保持パッドに密度ムラがあると、被研磨物にかかる応力の大きさが局所的に異なるため、加工面を全域にわたって均一に研磨加工することが難しくなり、面内均一性が損なわれる。圧縮変形量のバラツキを低減して保持面の平坦性精度を高めることができれば、被研磨物に対する高度な面内均一性の要求を満たすことが可能となる。
【0007】
本発明は上記事案に鑑み、保持面の平坦性精度を高め被研磨物の面内均一性を向上させることができる保持パッドを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、湿式凝固法により縦型発泡が形成され被研磨物を保持するための保持面を有する樹脂シートを備えた保持パッドにおいて、前記樹脂シートは、前記保持面の背面から厚み全体の10%分内側までの範囲に前記発泡の底部が形成されており、かつ、前記背面から前記厚み全体の10%分内側で前記背面と平行な断面と40%分内側で前記背面と平行な断面とで挟まれた下層部の空隙率が70%以上95%以下であることを特徴とする。
【0009】
本発明では、樹脂シートの保持面の背面側における一定厚み分の下層部の空隙率が70%以上95%以下のため、下層部によりクッション性が確保されることで被研磨物にかかる負荷が分散され、研磨加工に伴い圧縮されたときに下層部での発泡形状が変化することで被研磨物に対する負担が軽減されるので、保持面の平坦性精度を高め被研磨物の面内均一性を向上させることができる。
【0010】
この場合において、樹脂シートが、保持面から厚み全体の10%分内側で保持面と平行な断面に発泡で形成された孔の平均孔径をAとし、下層部における保持面と平行な断面に発泡で形成された孔の最大孔径をBとしたときに、比B/Aが20〜50の範囲であることが好ましい。また、樹脂シートの保持面から厚み全体の10%分内側で保持面と平行な断面と40%分内側で保持面と平行な断面とで挟まれた上層部の空隙率を35%以上55%以下とすることができる。樹脂シートをポリウレタン樹脂で形成してもよい。更に樹脂シートの背面側に研磨機に装着するための粘着材が塗着されていてもよい。このとき、樹脂シートと粘着材との間に更に樹脂シートを支持するための支持材を貼り合わせるようにすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、樹脂シートの保持面の背面側における一定厚み分の下層部の空隙率が70%以上95%以下のため、下層部によりクッション性が確保されることで被研磨物にかかる負荷が分散され、研磨加工に伴い圧縮されたときに下層部での発泡形状が変化することで被研磨物に対する負担が軽減されるので、保持面の平坦性精度を高め被研磨物の面内均一性を向上させることができる、という効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明を適用した実施形態の保持パッドを模式的に示す断面図である。
【図2】実施形態の保持パッドを構成するウレタンシートにおける発泡の形成状態を模式的に示し、(A)はウレタンシートの厚み方向の断面図であり、(B)は(A)のB−B線断面に発泡で形成された孔を模式的に示す説明図であり、(C)は(A)のC−C線断面に発泡で形成された孔を模式的に示す説明図である。
【図3】従来の保持パッドを模式的に示す断面図である。
【図4】従来の保持パッドを構成するウレタンシートにおける発泡の形成状態を模式的に示し、(A)はウレタンシートの厚み方向の断面図であり、(B)は(A)のB−B線断面に発泡で形成された孔を模式的に示す説明図であり、(C)は(A)のC−C線断面に発泡で形成された孔を模式的に示す説明図である。
【図5】保持パッドを構成するウレタンシートの保持面からの厚みに対するその厚み毎の断面に発泡で形成された孔の開口率を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明を適用した保持パッドの実施の形態について説明する。
【0014】
(構成)
図1に示すように、本実施形態の保持パッド10は、ポリウレタン樹脂製の樹脂シートとしてのウレタンシート2を備えている。ウレタンシート2は、湿式凝固法により形成されており、被研磨物を保持するための保持面Shを有している。
【0015】
ウレタンシート2は、保持面Shの直近で数μm程度の厚みにわたり緻密な微多孔が形成されたスキン層2aを有している。すなわち、スキン層2aは微多孔構造を有している。ウレタンシート2のスキン層2aより内側(内部)には、多数の発泡3が略均等に分散した状態で形成されている。発泡3は、ウレタンシート2の厚みのほぼ全体にわたる大きさを有しており、厚み方向に縦長状で丸みを帯びた円錐状に形成されている。ウレタンシート2がスキン層2aを有するため、保持面Shには、発泡3の開口は形成されていない。また、ウレタンシート2では、保持面Shの背面(以下、裏面Srという。)から厚み全体の10%分内側までの範囲に発泡3の底部が形成されている。発泡3同士の間のポリウレタン樹脂中には、発泡3より小さい小発泡が形成されている。ウレタンシート2では、スキン層2aの微多孔、発泡3および小発泡が網目状に連通しており、発泡が連続発泡状に形成された連続発泡構造を有している。
【0016】
ウレタンシート2では、裏面Srから厚み全体の10%分内側で裏面Srと平行な断面と、40%分内側で裏面Srと平行な断面とで挟まれた下層部Prの空隙率が70%以上95%以下に調整されている。すなわち、ウレタンシート2の厚みtとしたときに、裏面Srから0.1tの厚み分内側の断面と0.4tの厚み分内側の断面とで挟まれた下層部Prでは、発泡3による空隙率が75〜95%の範囲である。これに対して、保持面Shから厚み全体の10%分内側で保持面Shと平行な断面と、40%分内側で保持面Shと平行な断面とで挟まれた上層部Phの空隙率が35%以上55%以下に調整されている。すなわち、保持面Shから0.1tの厚み分内側の断面と0.4tの厚み分内側の断面とで挟まれた上層部Phでは、発泡3による空隙率が35〜55%の範囲である。このような上層部Ph、下層部Prの空隙率は、用いるポリウレタン樹脂の選定や湿式凝固法の条件設定により調整することができる(詳細後述)。
【0017】
また、ウレタンシート2では、保持面Shから厚み全体の10%分内側で保持面Shと平行な断面に発泡3により形成される孔の平均孔径をAとし、下層部Prにおける裏面Srと平行な断面のうち単位面積あたりに発泡3により形成される孔の総面積の比率(以下、開口率という。)が最大値を示す断面に形成された孔の最大孔径をBとしたときに、平均孔径Aに対する最大孔径Bの比B/Aが、20〜50の範囲に調整されている。すなわち、保持面Sh近傍に形成された発泡の平均孔径に対して20〜50倍の大きさの発泡径を有する発泡が下層部Prにおける開口率が最大値を示す断面に形成されている。また、開口率の最大値は80%以上95%以下に調整されている。
【0018】
このようなウレタンシート2では、保持面Sh近傍で保持面Shと平行な断面に形成された孔と比べて、裏面Sr近傍で裏面Srと平行な断面に形成された孔が近接するように形成されている。図2(A)に示すように、保持面Sh近傍を保持面Shからウレタンシート2の厚みtの10%分、つまり、0.1t分内側の位置(矢印Bの位置)、裏面Sr近傍を裏面Srから0.1t分内側の位置(矢印Cの位置)とする。この場合、図2(B)に示すように、保持面Sh近傍のB−B線断面では、発泡3により形成される孔が互いに離間するように形成されている。これに対して、図2(C)に示すように、裏面Sr近傍のC−C線断面では発泡3により形成される孔が近接するように形成されている。
【0019】
また、保持パッド10は、ウレタンシート2の裏面Sr側に、研磨機に保持パッド10を装着するための粘着材としての両面テープ7が貼り合わされている。両面テープ7は、図示しない基材を有しており、基材の両面にアクリル系粘着剤等の感圧型粘着剤層(不図示)がそれぞれ形成されている。基材には、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する。)製フィルム等の可撓性フィルムが用いられている。両面テープ7は、基材の一面側の粘着剤層でウレタンシート2と貼り合わされており、他面側(ウレタンシート2と反対側)の粘着剤層が表面を剥離紙8で覆われている。なお、本例では、この両面テープ7の基材がウレタンシート2を支持するための支持材も兼ねている。
【0020】
(製造)
保持パッド10は、湿式凝固法により形成されたウレタンシート2と両面テープ7とを貼り合わせることで製造される。すなわち、ポリウレタン樹脂溶液を準備する準備工程、成膜基材にポリウレタン樹脂溶液を塗布し、凝固液中でポリウレタン樹脂溶液を凝固させポリウレタン樹脂を再生させる凝固再生工程、シート状のポリウレタン樹脂を洗浄し乾燥させる洗浄・乾燥工程、得られたウレタンシート2と両面テープ7とを貼り合わせるラミネート工程を経て保持パッド10が製造される。以下、工程順に説明する。
【0021】
準備工程では、ポリウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂を溶解可能な水混和性の有機溶媒および添加剤を混合してポリウレタン樹脂を溶解させる。有機溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記する。)やN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)等を挙げることができるが、本例では、DMFを用いる。ポリウレタン樹脂は、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系等の樹脂から選択して用いることができるが、上述した発泡構造を形成するために、DMFにポリウレタン樹脂を20重量%で溶解させた樹脂溶液について、B型回転粘度計を使用し25℃で測定した粘度が5〜10Pa・sの範囲の樹脂を選定し用いる。また、用いるポリウレタン樹脂が20MPaより小さい100%モジュラスを有することが好ましい。このポリウレタン樹脂を10〜30重量%の範囲となるようにDMFに溶解させる。また、添加剤としては、発泡3の大きさや量(個数)を制御するため、カーボンブラック等の顔料、発泡を促進させる親水性添加剤、ポリウレタン樹脂の再生を安定化させる疎水性添加剤等を用いることができる。得られた溶液を減圧下で脱泡してポリウレタン樹脂溶液を得る。
【0022】
凝固再生工程では、準備工程で得られたポリウレタン樹脂溶液を常温下でナイフコータ等の塗布装置により帯状の成膜基材にシート状に略均一に塗布する。このとき、ナイフコータ等と成膜基材との間隙(クリアランス)を調整することで、ポリウレタン樹脂溶液の塗布厚み(塗布量)を調整する。成膜基材としては、樹脂製フィルム、布帛、不織布等を用いることができるが、本例では、PET製フィルムを用いる。
【0023】
成膜基材に塗布されたポリウレタン樹脂溶液を、ポリウレタン樹脂に対して貧溶媒である水を主成分とする凝固液(水系凝固液)中に連続的に案内する。凝固液には、ポリウレタン樹脂の再生速度を調整するために、DMFやDMF以外の極性溶媒等の有機溶媒を添加してもよいが、本例では、水を使用する。凝固液中では、まず、ポリウレタン樹脂溶液と凝固液との界面に皮膜が形成され、皮膜の直近のポリウレタン樹脂中にスキン層2aを構成する無数の微多孔が形成される。その後、ポリウレタン樹脂溶液中のDMFの凝固液中への拡散と、ポリウレタン樹脂中への水の浸入との協調現象により連続発泡構造を有するポリウレタン樹脂の再生が進行する。このとき、成膜基材のPET製フィルムが水(凝固液)を浸透させないため、DMFと水との置換がスキン層2a側で生じ、成膜基材側がスキン層2a側より大きな発泡3が形成される。
【0024】
ここで、ポリウレタン樹脂の再生に伴う発泡形成について説明する。ポリウレタン樹脂では凝集力が大きくなるために皮膜の直近のポリウレタン樹脂中で急速に再生が進行し、スキン層2aが形成される。本例では、100%モジュラスが20MPaより小さいポリウレタン樹脂が用いられている。また、ポリウレタン樹脂溶液の粘度が5〜10Pa・sの範囲を示す。つまり、低モジュラスのポリウレタン樹脂を低粘度となるように溶解させたポリウレタン樹脂溶液が用いられている。このため、スキン層2aが形成された後では、凝固前のポリウレタン樹脂溶液中のポリウレタン樹脂がスキン層2a側に移動し凝集することとなる。これに伴い成膜基材側では、ポリウレタン樹脂量が減少するため、スキン層2a側と比べて肥大化した発泡3が形成される。換言すれば、上層部Phと比べて下層部Prでは、発泡3が肥大化することで空隙率が大きくなる。また、DMFのポリウレタン樹脂溶液からの脱溶媒、すなわち、DMFと水との置換により、スキン層2a、発泡3および小発泡が形成され、スキン層2aの微多孔、発泡3および小発泡が網目状に連通する。なお、ポリウレタン樹脂が成膜基材上で再生されることから、成膜基材の表面に接触して形成された裏面Srでは、発泡4の開口は形成されていない。
【0025】
洗浄・乾燥工程では、再生工程で再生したポリウレタン樹脂を水等の洗浄液中で洗浄してポリウレタン樹脂中に残留するDMFを除去した後、乾燥させる。ポリウレタン樹脂の乾燥には、本例では、内部に熱源を有するシリンダを備えたシリンダ乾燥機を用いる。ポリウレタン樹脂がシリンダの周面に沿って通過することで乾燥する。得られたウレタンシート2をロール状に巻き取る。
【0026】
ラミネート工程では、湿式凝固法で作製されたウレタンシート2と、両面テープ7とを貼り合わせる。このとき、ウレタンシート2の裏面Srと両面テープ7とを貼り合わせる。そして、円形や角形等の所望の形状、サイズに裁断した後、キズや汚れ、異物等の付着がないことを確認する等の検査を行い、保持パッド10を完成させる。
【0027】
(作用等)
次に、本実施形態の保持パッド10の作用等について説明する。
【0028】
説明をわかりやすくするために、従来湿式凝固法により形成されるウレタンシートの発泡構造について説明する。従来湿式凝固法では、PET製フィルム等の成膜基材上に塗布されたポリウレタン樹脂溶液が水等の凝固液中で凝固する。このため、図3に示すように、従来の保持パッド20を構成するウレタンシート12では、湿式凝固時の初期に形成されたスキン層12aより内側に、ウレタンシート12の厚みのほぼ全体にわたる多数の発泡13が形成される。この発泡13は、保持面Sh側が裏面Sr側より縮径されており、厚み方向に沿うように垂直方向に形成されている。
【0029】
また、ウレタンシート12では、保持面Sh近傍で保持面Shと平行な断面に形成された孔と、裏面Sr近傍で裏面Srと平行な断面に形成された孔とがいずれも離間するように形成されている。発泡13の孔径が保持面Sh側より裏面Sr側で大きくなるため、離間する程度としては保持面Sh側が大きくなる。すなわち、図4(A)に示すように、保持面Sh近傍を保持面Shからウレタンシート12の厚みの10%分内側の位置(矢印Bの位置)、裏面Sr近傍を裏面Srからウレタンシート12の厚みの10%分内側の位置(矢印Cの位置)とする。この場合、図4(B)に示すように、保持面Sh近傍のB−B線断面で発泡13により形成される孔が離間して形成されている。図4(C)に示すように、裏面Sr近傍のC−C線断面で発泡13により形成された孔でも離間して形成されている。C−C線断面に形成された孔では、B−B線断面に形成された孔より近接するものの、上述した保持パッド10を構成するウレタンシート2の裏面Sr近傍の断面に形成された孔と比べて離間して形成されている(図2(C)参照)。このようなウレタンシート12では、上述したウレタンシート2における上層部Ph、下層部Prと同様の領域を考えると、上層部の空隙率が30〜45%程度、下層部の空隙率が70%以下程度である。
【0030】
ウレタンシート12を用いた従来の保持パッド20では、発泡13が形成された部分と発泡13間の樹脂部分とで密度ムラが生じることとなる。このため、発泡形成部分と樹脂部分とでは、研磨加工時に研磨圧がかけられたときの圧縮変形量が異なり、被研磨物に対する高度な平坦度の要求を満たすことが難しくなる。すなわち、保持パッド20では、密度ムラが生じることで、被研磨物にかかる応力の大きさが局所的に異なるため、被研磨物の加工面を全域にわたって均一に研磨加工することが難しくなる。従って、保持パッド20では、大型化、薄肉化する傾向にある半導体用WFやFPD用ガラス基板に要求される高精度な平坦性を満たすには十分とはいえない。
【0031】
これに対して、本実施形態では、保持パッド10を構成するウレタンシート2の裏面Srから厚みtの10%分(0.1t分)内側で裏面Srと平行な断面と40%分(0.4t分)内側で裏面Srと平行な断面とで挟まれた下層部Prの空隙率が70%以上95%以下に調整されている。また、保持面Shから厚み全体の10%分内側で保持面Shと平行な断面に発泡3により形成される孔の平均孔径Aに対する、下層部Prにおける裏面Srと平行な断面のうち開口率が最大値を示す断面に形成された孔の最大孔径Bの比B/Aが、20〜50の範囲に調整されている。すなわち、保持面Sh近傍に形成された発泡の平均孔径に対して20〜50倍の大きさの発泡径を有する発泡が下層部Prにおける開口率が最大値を示す断面に形成されている。このため、柔軟で発泡3が豊富に形成された下層部Prがエアークッション的な役割を果たし、被研磨物にかかる圧力(研磨圧)を分散させやすくすることができる。また、研磨加工に伴い圧縮されたときに、被研磨物にかかる圧力に応じて下層部Prでの発泡形状が圧縮変形することで、被研磨物のそりやうねりにフィットし、被研磨物に対する負担(反発応力)を低減することができるので、被研磨物の平坦性を高度に向上させることができる。下層部Prでの圧縮変形量の確保を考慮すれば、下層部Prの空隙率を75〜90%の範囲に調整することが好ましい。
【0032】
また、本実施形態では、下層部Prにおける裏面Srと平行な断面のうち、単位面積あたりに発泡3により形成される孔の総面積の比率を示す開口率の最大値が80%以上95%以下に調整されている。このため、下層部Pr、とりわけ裏面Sr近傍で発泡3の径が肥大化し十分なクッション性を確保することができる。これにより、研磨加工時に被研磨物に対する応力が均等化されるので、平坦性向上を図ることができる。下層部Prの空隙率と同様に、圧縮変形量の確保を考慮すれば、開口率を82〜90%の範囲に調整することが好ましい。
【0033】
更に、本実施形態では、ウレタンシート2の保持面Shから厚みtの10%分(0.1t分)内側で保持面Shと平行な断面と40%分(0.4t分)内側で保持面Shと平行な断面とで挟まれた上層部Phの空隙率が35%以上55%以下に調整されている。このため、下層部Prと比べてポリウレタン樹脂の隔壁が肉厚となり剛性が確保されるので、研磨加工時に被研磨物の保持パッド側への沈み込みを抑制することができる。保持パッドの剛性が不十分で被研磨物の沈み込みが大きくなると、研磨加工時に保持パッド(ウレタンシート)自体が研削されてしまうことがある。これに対して、保持パッド10では、被研磨物の沈み込みが抑制されるので、ウレタンシート2が研削されることなく研磨加工を継続することができる。上層部Phの空隙率が35%未満では、剛性が高まるものの硬度が高くなるため、却って、平坦性を向上させることが難しくなる。平坦性向上の観点で剛性を確保することを考慮すれば、上層部Phの空隙率を40〜50%の範囲に調整することが好ましい。
【0034】
また更に、本実施形態では、ウレタンシート2が上述した発泡構造を有することから、上層部Phで被研磨物の沈みこみ抑制に必要な剛性が確保され、下層部Prで被研磨物に対する応力の均等化に必要なクッション性が確保されるので、1枚のウレタンシート2により剛性とクッション性とを両立させることができる。剛性を有する樹脂シートとクッション性を有する樹脂シートとを貼り合わせて構成することも可能であるが、この場合には研磨加工時に2枚の樹脂シートが剥離することがある。従って、保持パッド10では、ウレタンシート2が剛性、クッション性を兼ね備えることで、被研磨物の平坦性向上を図ることができる。
【0035】
なお、本実施形態では、ポリウレタン樹脂製のウレタンシート2を備えた保持パッド10を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。ポリウレタン樹脂に代えて、例えば、ポリエチレン等の樹脂を用いてもよく、湿式凝固法により上述した発泡構造を形成可能な樹脂であれば特に制限はない。
【0036】
また、本実施形態では、ウレタンシート2と基材を有する両面テープ7とを貼り合わせて構成した保持パッド10を例示したが、本発明はこれに制限されるものではない。保持パッドとしては、ウレタンシート2と、研磨機に装着するための粘着材とを備えていればよく、例えば、両面テープ7に代えて、種々の粘着剤のみをウレタンシート2(の裏面Sr)に塗着するようにしてもよい。また、本実施形態では、両面テープ7の基材が保持パッド10の支持材を兼ねる例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ウレタンシート2と両面テープ7との間に別の支持材を貼り合わせるようにしてもよい。このような支持材としては、特に制限されるものではなく、PET製等のフィルムや不織布等を挙げることができる。
【0037】
更に、本実施形態では、特に言及していないが、湿式凝固法により形成されたウレタンシート2の厚みバラツキが大きくなったときは、保持面Shと裏面Srとが平行となるように、裏面Sr側をバフやスライス等の方法により平滑にしておくことが好ましい。このようにすれば、保持面Shの平坦性を一層向上させることができる。
【実施例】
【0038】
次に、本実施形態に従い製造した保持パッド10の実施例について説明する。なお、比較のために製造した比較例についても併記する。
【0039】
(実施例1)
実施例1では、ウレタンシート2の作製に、100%樹脂モジュラスが10MPaのポリエステルMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)ポリウレタン樹脂を用い、DMFに18重量%の割合で溶解させたのち、ポリウレタン樹脂に対し1重量%の親水性添加剤、および、ポリウレタン樹脂に対し5重量%のカーボンブラックを加え、B型回転粘度計で3.3Pa・sの粘度を有するポリウレタン樹脂溶液を調製した。ポリウレタン樹脂溶液を塗布する際に塗布装置のクリアランスを0.7mmに設定した。PET製フィルムの成膜基材にポリウレタン樹脂溶液を塗布した後、温度25℃の水(凝固液)に浸漬してポリウレタン樹脂を完全に再生させた。洗浄、乾燥後、得られたウレタンシート2の裏面Sr側をバフィングし、バフ面に両面テープ7を貼り合わせ保持パッド10を製造した。
【0040】
(実施例2)
実施例2では、実施例1と同じポリウレタン樹脂をDMFに20重量%の割合で溶解させたのち、ポリウレタン樹脂に対し1重量%の親水性添加剤、および、ポリウレタン樹脂に対し5重量%のカーボンブラックを加え、B型回転粘度計で5.3Pa・sの粘度を有するポリウレタン樹脂溶液を調製した。塗布装置のクリアランスを1.0mmに設定し、成膜基材にポリウレタン樹脂溶液を塗布した後、温度10℃の水に浸漬してポリウレタン樹脂を完全に再生させた。洗浄、乾燥後、得られたウレタンシート2の裏面Sr側をバフィングし、バフ面に両面テープ7を貼り合わせ保持パッド10を製造した。
【0041】
(実施例3)
実施例3では、実施例1と同じポリウレタン樹脂をDMFに21重量%の割合で溶解させたのち、ポリウレタン樹脂に対し3重量%の親水性添加剤、および、ポリウレタン樹脂に対し5重量%のカーボンブラックを加え、B型回転粘度計で8.2Pa・sの粘度を有するポリウレタン樹脂溶液を調製した。塗布装置のクリアランスを1.0mmに設定し、成膜基材にポリウレタン樹脂溶液を塗布した後、温度10℃の水に浸漬してポリウレタン樹脂を完全に再生させた。洗浄、乾燥後、得られたウレタンシート2の裏面Sr側をバフィングし、バフ面に両面テープ7を貼り合わせ保持パッド10を製造した。
【0042】
(実施例4)
実施例4では、実施例1と同じポリウレタン樹脂をDMFに21重量%の割合で溶解させたのち、ポリウレタン樹脂に対し5重量%の親水性添加剤、および、ポリウレタン樹脂に対し5重量%のカーボンブラックを加え、B型回転粘度計で7.9Pa・sの粘度を有するポリウレタン樹脂溶液を調製した。塗布装置のクリアランスを1.0mmに設定し、成膜基材にポリウレタン樹脂溶液を塗布した後、温度25℃の水に浸漬してポリウレタン樹脂を完全に再生させた。洗浄、乾燥後、得られたウレタンシート2の裏面Sr側をバフィングし、バフ面に両面テープ7を貼り合わせ保持パッド10を製造した。
【0043】
(実施例5)
実施例5では、実施例1と同じポリウレタン樹脂をDMFに21.5重量%の割合で溶解させたのち、ポリウレタン樹脂に対し1重量%の親水性添加剤、および、ポリウレタン樹脂に対し5重量%のカーボンブラックを加え、B型回転粘度計で9・5Pa・sの粘度を有するポリウレタン樹脂溶液を調製した。塗布装置のクリアランスを1.2mmに設定し、成膜基材にポリウレタン樹脂溶液を塗布した後、温度10℃の水に浸漬してポリウレタン樹脂を完全に再生させた。洗浄、乾燥後、得られたウレタンシート2の裏面Sr側をバフィングし、バフ面に両面テープ7を貼り合わせ保持パッド10を製造した。
【0044】
(比較例1)
比較例1では、実施例1と同じポリウレタン樹脂をDMFに21重量%の割合で溶解させたのち、ポリウレタン樹脂に対し1重量%の親水性添加剤、および、ポリウレタン樹脂に対し5重量%のカーボンブラックを加え、B型回転粘度計で8.2Pa・sの粘度を有するポリウレタン樹脂溶液を調整した。塗布装置のクリアランスを0.7mmに設定し、成膜基材にポリウレタン樹脂溶液を塗布した後、温度25℃の水に浸漬してポリウレタン樹脂を完全に再生させた。洗浄、乾燥後、得られたウレタンシート12の裏面Sr側をバフィングし、バフ面に両面テープ7を貼り合わせ保持パッド20を製造した。すなわち、比較例1の保持パッド20は、従来の保持パッドである(図3も参照)。
【0045】
(評価1)
得られた各実施例および比較例のウレタンシートについて、上層部Phおよび下層部Prの空隙率、開口率の最大値、最小発泡径に対する最大発泡径の比を示す発泡径比(Max/Min)を測定した。空隙率の測定は次のようにして行った。すなわち、三次元計測X線CT装置(ヤマト科学製、TDM1000−IS/SP)を用いて断面をスキャンし、保持面Shから10μm間隔の連続断層画像を得た。得られた各断層画像をSEM用画像解析ソフトウエア『Scandium』(Olympus Soft−Imaging Solutions社製)により画像処理することでそれぞれ濃淡のある画像を得た。濃淡のある画像のそれぞれについて、濃部を開口部として濃度範囲(閾値)を画像と一致するように目視で設定し、開口部として積算することにより、観測面積あたりに占める総開口面積の割合を開口率として求めた。続いて、上層部Ph、下層部Prの領域における断層画像から求めた開口率の和をそれぞれ求め、上層部Ph、下層部Prの観測面積の和で除した百分率を空隙率とした。このような空隙率は、簡便法として、ウレタンシートの表面からバフィングやスライスにより一定厚み分ずつ研削し、研削加工表面をSEMやマイクロスコープ等で観察することにより空隙率を求めることもできる。開口率の最大値は、空隙率の測定において求めた開口率から求めた。発泡径比は、次のようにして求めた。すなわち、保持面Shから厚み全体の10%分内側で保持面Shと平行な断面における3.3mmの範囲に形成された開口の平均開口径を『Scandium』を用いて算出し最小発泡径とした。下層部Prの領域で開口率の最大値を示す断面における3.3mmの範囲に形成され観測領域の境界に接していない開口のうち最大の開口径を『Scandium』を用いて算出し最大発泡径とした。最小発泡径に対する最大発泡径の比を発泡径比として求めた。最小発泡径、最大発泡径がそれぞれ上述した平均孔径A、最大孔径Bに対応することから、発泡径比は、上述した比B/Aを示している。空隙率、開口率の最大値、発泡径比の測定結果を下表1に示す。
【0046】
【表1】

【0047】
表1に示すように、比較例1のウレタンシートでは、上層部Phの空隙率が41.4%、下層部Prの空隙率が68.6%であった。また、図5から明らかなように、表面からの厚みが大きくなるほど、すなわち、裏面Srに近づくほど開口率が大きくなるものの、その開口率は最大でも75%程度である。これに対して、実施例1〜実施例5の各ウレタンシート2では、上層部Phの空隙率が38.3%〜50.2%の範囲、下層部Prの空隙率が77.2〜88.3%の範囲であった。また、実施例1のウレタンシート2では、図5から明らかなように、下層部Prの厚み領域内の100μm以上の厚みにわたる断面で連続して80%を超える開口率を示している。このことから、各実施例のウレタンシート2では、上層部Phの空隙率は比較例1と同程度でありながら、下層部Prの空隙率が大きいことが判明した。さらに、発泡径比の測定結果から、比較例1では下層部Prにおける最大発泡径が保持面Sh近傍の平均開口径に対して18.7倍であったのに対して、各実施例では34.0〜38.2倍の大きさを示すことが明らかとなった。
【0048】
(評価2)
各実施例および比較例の保持パッドを用いて、以下の研磨条件で液晶ディスプレイ用ガラス基板(470mm×370mm×0.7mm)の研磨加工を行い、日本工業規格(JIS B 0601:’82)に準じた方法で、ろ波中心うねりから平坦度aを求めた。平坦度aの測定では、表面粗さ形状測定機(株式会社東京精密製、サーフコム480A)を使用し、以下の測定条件で測定した。基板表面の凹凸に起因して得られる測定曲線から、隣り合う凸部(山部)と凸部との間の幅W、および、凸部と凹部(谷部)との高さSを算出し、幅Wを横軸、高さSを縦軸とした散布図を作成した。散布図から、一次式S=aWの近似直線を求め、傾きaを研磨加工後の最終の平坦度aとした。平坦性が高くなるほど幅Wが大きくなり、高さSが小さくなるため、傾きaが小さいほど平坦性に優れることを示すこととなる。平坦度aの測定結果を表1にあわせて示した。
(研磨条件)
使用研磨機:オスカー研磨機(スピードファム社製、SP−1200)
研磨速度(回転数):61rpm
加工圧力:76gf/cm
スラリ:セリウムスラリ
研磨時間:30min
(ろ波中心うねり測定条件)
評価長さ:90mm
測定速度:3.0mm/s
カットオフ値:0.8〜8.0mm
フィルタ種別:2RC
測定レンジ:±40.0μm
傾斜補正:スプライン
【0049】
表1に示すように、比較例1の保持パッド20を用いた研磨加工では、加工後のガラス基板の平坦度aが0.0007を示した。これに対して、実施例1〜実施例5の各保持パッド10を用いた研磨加工では、平坦度aが0.0003〜0.0005を示し、いずれも比較例1より優れた結果を示した。従って、湿式凝固法により形成された発泡3が、上部層Phでの空隙率が35〜55%の範囲で形成され、下部層Prでの空隙率が70〜95%の範囲で形成されたウレタンシート2を備えた保持パッド10を用いることで、保持面Shの平坦性精度を高めるとともに、被研磨物の面内均一性を向上させることができることが明らかとなった。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は保持面の平坦性精度を高め被研磨物の面内均一性を向上させることができる保持パッドを提供するものであるため、保持パッドの製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0051】
Sh 保持面
Sr 裏面(背面)
2 ウレタンシート(樹脂シート)
2a スキン層
4 発泡
10 保持パッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湿式凝固法により縦型発泡が形成され被研磨物を保持するための保持面を有する樹脂シートを備えた保持パッドにおいて、前記樹脂シートは、前記保持面の背面から厚み全体の10%分内側までの範囲に前記発泡の底部が形成されており、かつ、前記背面から前記厚み全体の10%分内側で前記背面と平行な断面と40%分内側で前記背面と平行な断面とで挟まれた下層部の空隙率が70%以上95%以下であることを特徴とする保持パッド。
【請求項2】
前記樹脂シートは、前記保持面から前記厚み全体の10%分内側で前記保持面と平行な断面に前記発泡で形成された孔の平均孔径をAとし、前記下層部における前記保持面と平行な断面に前記発泡で形成された孔の最大孔径をBとしたときに、比B/Aが20〜50の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の保持パッド。
【請求項3】
前記樹脂シートは、前記保持面から厚み全体の10%分内側で前記保持面と平行な断面と40%分内側で前記保持面と平行な断面とで挟まれた上層部の空隙率が35%以上55%以下であることを特徴とする請求項2に記載の保持パッド。
【請求項4】
前記樹脂シートは、ポリウレタン樹脂で形成されたことを特徴とする請求項3に記載の保持パッド。
【請求項5】
更に前記樹脂シートの前記背面側に研磨機に装着するための粘着材が塗着されたことを特徴とする請求項1に記載の保持パッド。
【請求項6】
前記樹脂シートと前記粘着材との間に更に前記樹脂シートを支持するための支持材が貼り合わされたことを特徴とする請求項5に記載の保持パッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−51075(P2011−51075A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−204004(P2009−204004)
【出願日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【出願人】(000005359)富士紡ホールディングス株式会社 (180)
【Fターム(参考)】