説明

光束平行度測定装置

【課題】インコヒーレント光源から放射された光束の平行度を少ない測定回数で測定できる光束平行度測定装置を提供すること。
【解決手段】光束9に含まれる光線成分のそれぞれを光軸Kに対する入射角度θに応じた距離Lだけ前記光軸Kから離れた位置に結像するレンズ部20と、前記光束9の結像位置Pを検出する二次元検出器22と、を有し、前記光軸Kから前記結像位置Pまでの距離Lを前記入射角度θに変換し、前記光束9に含まれる光線成分の入射角度分布を出力する解析装置12を備える光束平行度測定装置1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光束の平行度を測定する光束平行度測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、太陽光と同等のスペクトルを有する光を放射する太陽シミュレータ装置(疑似太陽光照射装置)が知られており、太陽電池の特性評価に広く用いられている。太陽電池の特性評価の際には、当該太陽電池のパネル面の全範囲に均等に光を照射する必要がある。このため、太陽電池特性評価用の太陽シミュレータ装置は、照射光の光束を空間的に分散し平行光化して太陽電池のパネル面の全域に照射する構成となっている。
【0003】
ところで、太陽シミュレータ装置の光源には、通常、レーザ光源のようなコヒーレント光源ではなく、キセノンランプ等のインコヒーレント光源が用いられる。光源がコヒーレント光源の場合には、周知の干渉計を使用して光束の平行度を測定することができるものの、インコヒーレント光源のように平行度が拡がりを有する場合には周知の干渉計で光束の平行度を測定することは困難である。
そこで近年では、疑似太陽光をバンドパスフィルタ及びアパーチャを通した後、光束の断面幅を光軸に沿った複数点で測定することで、比較的大きな光束の拡がり角を測定する技術が提案されている。
(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−89526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術では、光束の光軸に沿った複数箇所での測定が必要であるため測定に時間がかかる、という問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、インコヒーレント光源から放射された光束の平行度を少ない測定回数で測定できる光束平行度測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、光束に含まれる光線成分のそれぞれを光軸に対する入射角度に応じた距離だけ前記光軸から離れた位置に結像する結像光学系と、前記光束の結像位置を検出する検出器と、を有し、前記光軸から前記結像位置までの距離を前記入射角度に変換し、前記光束に含まれる光線成分の入射角度分布を出力する解析手段を備えることを特徴とする光束平行度測定装置を提供する。
【0007】
また本発明は、上記光束平行度測定装置において、前記検出器は、前記結像位置の光強度を検出し、前記解析手段は、入射角度ごとに光強度を対応付けて前記入射角度分布を出力することを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上記光束平行度測定装置において、前記結像光学系は、前記光線成分のそれぞれを入射角度に比例した距離だけ、所定平面上で前記光軸から離れた位置に結像することを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上記光束平行度測定装置において、前記結像光学系は、前記所定平面上に向かう主光線を前記光軸と平行にすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、光束に含まれる光線成分のそれぞれの光軸に対する入射角度の分布が出力されるため、当該光軸に対する光束の平行度を、1回の測定で、その分布とともに得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る光束平行度測定装置の構成を模式的に示す図である。
【図2】光束平行度の測定原理の説明図である。
【図3】表示装置に出力される測定結果出力画面を示す図である。
【図4】疑似太陽光の照射面内の光束平行度測定の説明図であり、(A)は照射面と測定箇所の関係を示し、(B)は各測定箇所での測定により得られた入射角度分布チャートの一例を示す。
【図5】本発明に係る光束平行度測定装置の応用例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る光束平行度測定装置1の構成を模式的に示す図である。
本実施形態の光束平行度測定装置1は、太陽シミュレータ装置3から照射される光束9の平行度を測定する。太陽シミュレータ装置3は、波長帯域が太陽光と同程度に広い光を放射する例えばキセノンランプ等のインコヒーレントな光源4と、光源4の放射光を平行光化する平行光化光学系6と、放射光の空間的強度分布を均一にする例えばフライアイレンズ等のホモジナイザー8とを備え、比較的大きな断面積の光束9を疑似太陽光として出射する。なお、同図において、平行光化光学系6の後段にホモジナイザー8がレイアウトされているが、ホモジナイザー8は、通常、平行光化光学系6の配列の中に配置される。
【0013】
光束平行度測定装置1は、センシングヘッド10と、解析装置12と、表示装置14とを備えている。センシングヘッド10は、太陽シミュレータ装置3の疑似太陽光(波長300nm〜2000nm)の照射対象のセット位置に配置されて光を検出するものであり、フィルタ部16、開口絞りリング18、レンズ部20及び二次元検出器22を備えている。
フィルタ部16は、NDフィルタ及び色調補正フィルタを重ねて合わせて構成されている。NDフィルタは減光フィルタであり、二次元検出器22での検出強度の飽和を防止する。色調補正フィルタは、光束9のスペクトル分布を二次元検出器22の波長感度特性に応じて補正し、波長毎の検出のばらつきを防止する。
開口絞りリング18は、二次元検出器22への入射光量を調整するとともに、二次元検出器22に入射する光束9の断面内の範囲を規定する。すなわち、開口絞りリング18によって光束平行度測定装置1の空間分解能(測定可能な最小面積)が規定される。本実施形態では、センシングヘッド10の視野角は、後述するレンズ部20の光軸Kを中心に±5度の円形視野角となるように構成されている。
【0014】
レンズ部20は、入射光線24の入射角度θに応じた位置に結像する結像光学系である。より具体的には、レンズ部20は、図2に示すように、レンズ部20の光軸Kに対する入射光線24の入射角度θと、結像位置Pの光軸Kからの距離Lとの関係が所定関数f(θ)で規定された関係を満たすとともに、なおかつ、少なくとも上記円形視野角の範囲内で結像位置Pが入射光線24のレンズ部20への入射位置に依存せずに入射角度θのみにより決定されるようにレンズ部20の歪曲収差特性を考慮して光学設計されている。これにより、上記所定関数f(θ)の逆関数に基づいて、結像位置Pから入射角度θが演算により求められる。
本実施形態では、レンズ部20は、関数f(θ)=aθ(ただし、aは比例定数)の関係を満足するように光学設計されており、これにより、入射角度θが大きくなるほど、当該入射角度θに正比例して結像位置Pが光軸Kからの距離Lが大きくなるように構成されている。
当該レンズ部20は、等方性の光学系として構成され、入射光線24の入射方向に対応した方向に、光軸KからL=f(θ)だけ離れた結像位置Pに結像する。すなわち、検出面Qにおける原点O(K軸)に対する結像位置PのXY座標値に基づいて、入射光線24の進行方向を入射角度θとともに検出することができる。
【0015】
またレンズ部20は、結像側の主光線25を光軸Kと平行にする、いわゆる像側テレセントリック光学系として構成されている。これにより、被測定光束の照射による温度上昇によってレンズ部20のピントが変わったとしても、結像位置Pの面積(像)が大きくなるだけで当該結像位置Pの重心位置が変わることがない。すなわち、結像位置Pの重心位置(光量最大の点)を結像位置Pとして測定することで、レンズ部20の温度上昇に対し、常に一定の精度を維持して光束9の平行度を測定できる。
【0016】
二次元検出器22は、例えばCCDイメージセンサを内蔵し、CCDイメージセンサの矩形平面状の検出面Q(図2)内の各位置(画素)での光強度を解析装置12に出力する。また図1に示すように、二次元検出器22は、底面に平面26を有したケース体28を備え、この平面26に対してCCDイメージセンサの検出面Qが平行に設けられている。またレンズ部20は、光軸Kが検出面Qに対して垂直になるように設けられており、これらの構成により、ケース体28を疑似太陽光の照射対象の照射面(或いは、照射対象を載置する載置面)に載置することで、当該照射面に対してレンズ部20の光軸Kが垂直に位置決めされ、当該載置面に対する光束9の平行度が正確に測定される。
【0017】
センシングヘッド10のうち、フィルタ部16、開口絞りリング18及びレンズ部20は、互いの光軸が同一となるように筒状のケース体に一体に設けられて光学部品から成る光学ユニット29として構成されており、レンズ部20側の端部を上記二次元検出器22のケース体28に螺合して着脱自在に設けられている。この光学ユニット29から二次元検出器22を取り外し、パワーメータを代わりに取り付けることで、トータルフラックス(W、lm)が簡単に測定できる。また例えばNIST(National Institute of Standards and Technology)に準拠した校正が行われたパワーメータをセンシングヘッド10に取り付けて光束平行度測定装置1により測定を行い、二次元検出器22の出力値とパワーメータの検出値との対応付けを行うことで、それ以降、二次元検出器22の出力値のみでトータルフラックスを求め、後述の測定結果出力画面40(図3)に光強度として出力することもできる。
【0018】
解析装置12は、センシングヘッド10と信号ケーブルを介して接続され、センシングヘッド10の二次元検出器22から出力される出力信号に基づいて光束9の入射角度分布チャートC(図3参照)を生成し、例えば出力装置の一例たる表示装置14に出力する。この解析装置12は、一般的な構成のコンピュータ装置に、上記入射角度分布チャートCを生成させるためのプログラムを実行させることで構成されている。
【0019】
図3は、表示装置14の測定結果出力画面40を示す図である。
この図に示すように、測定結果出力画面40には、上記入射角度分布チャートCと、カラースケールバー41とが表示される。
入射角度分布チャートCは、測定した光束9に含まれる、入射角度θが異なる各光線成分の入射角度分布をマッピングしたものである。また、この入射角度分布チャートCでは、入射角度θごとの相対的な光強度が色調変化によって表示されており、色調と光強度とが上記カラースケールバー41によって示されている。
【0020】
入射角度分布チャートCについて詳細には、図2を参照して説明したように、センシングヘッド10のレンズ部20に光束9が入射角度θで入射すると、当該光束9に含まれるそれぞれの光線成分は、検出面Qにおいて、入射角度θに比例した距離Lだけ光軸Kから入射方向に対応する方向に離れた結像位置Pで結像することから、結像位置Pに基づいて入射角度θが一義的に求まり、また、結像位置Pでの光強度に基づいて、入射角度θごとに光強度が求まる。かかる演算は上記解析装置12により行われる。
入射角度分布チャートCは、このようにして求められた入射角度θの分布を、その入射角度θの光線成分の進行方向とともに示すべく、原点を入射角度θ=0(光軸K)とした2次元直交座標として表示し、なおかつ、入射角度の分布を光強度ごとに色調分けして表示する。
これにより、入射角度分布チャートCには、光束9に含まれる光線成分の入射角度θの大きさ(すなわち光軸Kに対する平行度)のみならず、光線成分の進行方向(光軸Kからのずれ方向)が、その光線成分の強度とともに示されることとなる。
【0021】
なお、センシングヘッド10の検出面Qの画素の配列方向と、入射角度分布チャートCにおける座標軸方向とは固定されており、検出面Qを上下逆さにして照射面に載置した場合には、入射角度分布チャートCも同じく上下逆転したチャートとなってしまう。すなわち、センシングヘッド10の置き方によって、入射角度分布チャートCに現れた光線成分の進行方向が実際と異なってしまう。そこで、検出面Qを照射面に対して常に同じ向きで載置すべく、センシングヘッド10に上方向(例えばY軸正方向)を示す印を設け、照射面の複数箇所を測定する場合に、この印を常に同一方向に向けるようにセンシングヘッド10を照射面に載置することで、各測定箇所の測定結果における光線成分の進行方向を揃え、互いに比較することができる。
なお、光線成分の進行方向に対する、検出面Qでの結像位置Pのずれ方向は、互いに1対1に対応するものの、結像位置Pのずれ方向が光線成分の進行方向を示す訳ではない。すなわち、レンズ部20の向き等によっては、光線成分の進行方向と、検出面Qでの結像位置Pのずれ方向と、例えば光軸Kに対して反対方向を示す場合もあり、この場合には、それぞれが同一方向に揃うように補正して入射角度分布チャートCを生成しても良い。
【0022】
ここで、図3に示す入射角度分布チャートCは、太陽シミュレータ装置3が備えるホモジナイザー8にフライアイレンズを用いた場合を示すものである。このため、光源4の光がフライアイレンズの通過することにより空間的に離散化され、これら離散化された光線成分のそれぞれの光軸Kからのずれ(すなわち平行度)が入射角度分布チャートCに現れる。
すなわち、太陽シミュレータ装置3の照射光は平行光であることが望ましいものの、通常、光束がホモジナイザー8を通過した際に空間的な離散化が行われるため、光束9に含まれる全ての光線成分が平行光束になることはなく、平行光に対して角度を持った光線成分が含まれる。このため、太陽シミュレータ装置3にあっては、照射光の平行度が平行光の光束に対する、それ以外の角度を有する光線成分の光束の量や角度によって評価すべきである。そして、本実施形態の光束平行度測定装置1によれば、図3の入射角度分布チャートCに示すように、光束9に含まれる角度の異なる光線成分のそれぞれの角度及び相対強度が分布図として示される構成であるため、太陽シミュレータ装置3の照射光の平行度を簡単かつ正確に評価することができる。
また、本実施形態の測定結果出力画面40では、入射角度分布チャートCの中に、太陽シミュレータ装置3の光束9として略平行光束と見なせる許容範囲が線42で示されており、光束9の平行度の良否を一目で評価できるようになっている。
【0023】
また、入射角度分布チャートCでは、入射角度分布がリニアスケールの二次元座標で示されているため、各光線成分の入射角度θの大きさが直感的に把握できる。このとき、上述の通り、レンズ部20は、光束9に含まれる光線成分のそれぞれを入射角度θに比例した距離Lだけ、検出面Q上で光軸Kから離れた結像位置Pに結像するため、入射角度分布をリニアスケールの二次元座標に表すために解析装置12が行う演算量を削減できる。
【0024】
図4は疑似太陽光の照射面内の光束平行度測定の説明図であり、図4(A)は照射面50と測定箇所の関係を示し、図4(B)は各測定箇所での測定により得られた入射角度分布チャートCの一例を示す図である。なお、同図においては、図面の煩雑化を防ぐため、光強度のスケール表示について図示を省略している。
太陽シミュレータ装置3の疑似太陽光の照射面50が比較的広い場合、光束平行度測定は、その照射面50の複数の箇所を離散的に測定することで行われる。図4(A)に示すように、測定箇所は、太陽シミュレータ装置3の出射光の光軸中心Rと交差する点T1と、当該点T1を中心した周囲の4点T2〜T5のそれぞれを含むように決定される。
【0025】
ここで、センシングヘッド10の光軸Kと、測定点T1〜T5においてセンシングヘッド10に入射する主光線52の進行方向とが略一致している場合、図4(B)の測定点T1の入射角度分布チャートCに示されるように、入射角度θが異なる光線成分の分布の中心が、入射角度分布チャートCの原点に位置する。これに対して、センシングヘッド10に入射する主光線52の進行方向が光軸Kからずれている場合、主光線52の光線成分のそれぞれの入射角度θに、主光線52の進行方向の光軸Kからのずれ角βが加わるため、例えば図4(B)の測定点T2〜T5の各入射角度分布チャートCに示されるように、光線成分の分布の中心Sが全体的に原点(光軸K)から当該光線成分の進行方向に応じた方向にずれることとなる。
【0026】
このように、センシングヘッド10に入射する主光線52の進行方向の光軸Kからのずれ角βが、入射角度分布チャートCにおいて当該分布全体の原点からのずれとして検出されるため、照射面50の各測定点T1〜T5で平行度測定を行うことにより、それぞれにおいて、光束9に含まれる光線成分の入射角度θの分布に加え、当該光束9(主光線52)の進行方向のずれ角βを把握することができる。
主光線52にずれ角βが生じる要素には、照射面50(載置面)の平面度のばらつきや、太陽シミュレータ装置3が備える光源4、平行光化光学系6及びホモジナイザー8のそれぞれの位置ずれ等が挙げられる。これらの要素を入射角度分布チャートCから得られるずれ角βに基づいて調整することで、照射面50の全域に亘って平行度の高い疑似太陽光が得られる。
【0027】
以上説明したように、本実施形態によれば、光束9に含まれる光線成分のそれぞれの光軸Kに対する入射角度θの分布が出力されるため、当該光軸Kに対する光束9の平行度を、1回の測定で、その分布とともに得ることができる。
【0028】
これに加え、本実施形態によれば、入射角度θごとに光強度を対応付けて入射角度θの分布を出力する構成としたため、入射角度θが大きな光線成分の光強度の強弱等に用いて光束9の平行度を評価することができる。さらに、入射角度分布チャートCにおいて、入射角度θが光軸Kからずれた位置に強い光強度の光線成分が含まれているか否かを判断することで、迷光の存在を把握することもできる。
【0029】
また、本実施形態によれば、光線成分のそれぞれを入射角度θに比例した距離Lだけ、検出面Q上で光軸Kから離れた結像位置Pに結像する構成としたため、各光線成分の入射角度θの大きさを直感的に把握できるリニアスケールの分布図が簡単な演算で求められる。
【0030】
また、本実施形態によれば、レンズ部20を、検出面Qに向かう主光線25を光軸Kと平行にする、いわゆる像側テレセントリック光学系として構成した。この構成により、レンズ部20が温度上昇によって結像位置Pにピンぼけが生じたとしても、当該結像位置Pの面積が増えるだけで重心位置が変わることがない。これにより、レンズ部20の温度上昇に対し、常に一定の精度を維持して光束9の平行度を測定できる。
【0031】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示するものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
例えば、太陽シミュレータ装置3が備える平行光化光学系6やホモジナイザー8等によって、光束9の平行度に大きな波長依存性が生じている場合には、光束9を単色化するバンドパスフィルタをセンシングヘッド10のフィルタ部16に設け、単色光ごとに平行度を測定してもよい。
【0032】
また例えば、本実施形態に係る光束平行度測定装置1によれば、センシングヘッド10に入射した光束9に含まれる各光線成分の光軸Kに対する入射角度θの強度分布が得られるため、例えば光拡散板の拡散度の評価に応用することができる。
すなわち、評価対象の拡散板をセンシングヘッド10の入射側に配置し、この拡散板を介して平行度の高い光束をセンシングヘッド10に入射して測定し、入射角度分布チャートCを生成する。図5に示すように、入射角度分布チャートCにおいては、拡散度が高いほど、入射角度θが広範囲に分布することとなり、この分布の範囲から拡散板の評価をすることができる。
【符号の説明】
【0033】
1 光束平行度測定装置
3 太陽シミュレータ装置
9 光束
10 センシングヘッド
12 解析装置(解析手段)
14 表示装置
16 フィルタ部
18 開口絞りリング
20 レンズ部(結像光学系)
22 二次元検出器
24 入射光線
29 光学ユニット
40 測定結果出力画面
41 カラースケールバー
50 照射面
52 主光線
C 入射角度分布チャート
K 光軸
L 距離
P 結像位置
Q 検出面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光束に含まれる光線成分のそれぞれを光軸に対する入射角度に応じた距離だけ前記光軸から離れた位置に結像する結像光学系と、
前記光束の結像位置を検出する検出器と、を有し、
前記光軸から前記結像位置までの距離を前記入射角度に変換し、前記光束に含まれる光線成分の入射角度分布を出力する解析手段を備えることを特徴とする光束平行度測定装置。
【請求項2】
前記検出器は、前記結像位置の光強度を検出し、
前記解析手段は、入射角度ごとに光強度を対応付けて前記入射角度分布を出力することを特徴とする請求項1に記載の光束平行度測定装置。
【請求項3】
前記結像光学系は、前記光線成分のそれぞれを入射角度に比例した距離だけ、所定平面上で前記光軸から離れた位置に結像することを特徴とする請求項1又は2に記載の光束平行度測定装置。
【請求項4】
前記結像光学系は、前記所定平面上に向かう主光線を前記光軸と平行にすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光束平行度測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−180044(P2011−180044A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45964(P2010−45964)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000000192)岩崎電気株式会社 (533)
【出願人】(598071002)株式会社ジェネシア (3)
【Fターム(参考)】