内視鏡システム
【課題】内視鏡システムに複数の内視鏡が接続されている場合に、接続されている全ての内視鏡の各操作スイッチのそれぞれに対応づけて機能を割り当てて設定して、操作スイッチの操作性の向上を図る。
【解決手段】本発明の内視鏡システムは、操作スイッチSW1〜SW3を備えた少なくとも2つ以上の第1及び第2のカメラヘッド12、24をそれぞれ接続する第1及び第2のカメラ装置9、22と、各操作スイッチSW1〜SW3に割り当てる機能を設定する操作パネル15と、この操作パネル15により設定された機能を、第1及び第2のカメラヘッド12、24の各操作スイッチSW1〜SW3にそれぞれ対応づけて記録する記憶部33と、第1及び第2のカメラヘッド12、24の各操作スイッチSW1〜SW3のいずれかが操作された際に、記憶部33に記録された設定データに基づいて、割り付けられた機能を実行するように制御するシステムコントローラ17のCPU31とを有している。
【解決手段】本発明の内視鏡システムは、操作スイッチSW1〜SW3を備えた少なくとも2つ以上の第1及び第2のカメラヘッド12、24をそれぞれ接続する第1及び第2のカメラ装置9、22と、各操作スイッチSW1〜SW3に割り当てる機能を設定する操作パネル15と、この操作パネル15により設定された機能を、第1及び第2のカメラヘッド12、24の各操作スイッチSW1〜SW3にそれぞれ対応づけて記録する記憶部33と、第1及び第2のカメラヘッド12、24の各操作スイッチSW1〜SW3のいずれかが操作された際に、記憶部33に記録された設定データに基づいて、割り付けられた機能を実行するように制御するシステムコントローラ17のCPU31とを有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作スイッチを備えた少なくとも2つ以上の内視鏡を有する内視鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、操作スイッチを備えた内視鏡を有する内視鏡システムが用いられている。このような内視鏡システムは、手技によっては、例えば2つの内視鏡を用いて外科手術を行う場合がある。
【0003】
このような内視鏡システムは、内視鏡を用いた外科手術を行う場合には、腹腔内を膨張させるために用いる気腹装置や、手技を行うための処置装置である生体組織を切除或いは凝固する電気メス装置(高周波焼灼装置ともいう)等の手術機器を、内視鏡用カメラ装置(カメラコントロールユニット:CCUともいう)及び光源装置に追加することによって内視鏡を観察しながら各種処置が行えるようになっている。
【0004】
また、この種の内視鏡システムは、複数の装置を容易に操作・制御でき、且つシステムの操作性を向上させるため、各装置の設定状態を表示するための集中表示手段や各装置の機能又は設定値を変更するためのリモートコントローラ、さらには、内視鏡の操作部に設けられた操作スイッチ等の遠隔操作装置を設けた集中操作装置を備えている。
【0005】
集中表示装置や集中操作装置の制御は、システムコントローラによって行われる。システムコントローラと内視鏡システムに備えられた手術機器は、インターフェイスケーブルや無線LAN等の無線信号を介して接続されている。
【0006】
術者は、このような内視鏡システムを用いて外科手術を行う場合には、内視鏡の操作部を片手又は両手で把持した状態で、さらに把持した手の指で操作スイッチを押圧しながら観察及び処置等を施すようにしている。また、手技によって、例えば2つの内視鏡を用いる場合には、術者は、適宜、それぞれの内視鏡の操作スイッチを押圧しながら、必要な機能を実行するようにしている。
【0007】
しかしながら、内視鏡には、複数の操作スイッチがあり、術中、術者はどの操作スイッチにどのような機能が割り付けられたのか等認識することが難しく、操作スイッチの操作性の向上が望まれていた。
【0008】
そこで、このような要求に鑑み、例えば特許文献1には、電子内視鏡に設けられた、複数の操作スイッチに割り付けられた機能を一括管理できるようにした内視鏡システムに関する技術が開示されている。
【0009】
特許文献1の内視鏡システムは、複数のスコープスイッチ及び機能識別データを記憶したEEPROMを備えた操作部を有する電子内視鏡と、プロセッサユニットと、パソコンとを有し、パソコンによって使用者毎に複数のスコープボタンに割り当てるボタン機能データが設定される共に、使用者を識別する識別データ、機種識別データとと共に記憶装置に記憶され、またプロセッサユニットに送信され、プロセッサユニットによってそのスコープボタンに割り当てられたボタン機能に対応する動作が制御される。
【0010】
また、他の従来の関連技術として、例えば特許文献2には、スコープの操作部に設けられた複数の操作ボタンの操作によって動作制御される機能を記憶するEEPROMを有し、各操作ボタンによって動作制御される機能は、キーボード入力を受けてメインCPUが変更することにより、操作ボタンに所望の機能を割り当てることが可能で、割り当てた機能を記憶し、簡単に呼び出せるように構成した電子内視鏡に関する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2004−209151号公報
【特許文献2】特開2004−65832号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、前記特許文献1及び前記特許文献2に記載の従来技術は、電子内視鏡の各操作スイッチ(各操作ボタン)に機能を割り付けることができ、また割り付けられた機能を記憶することが可能であるが、内視鏡システムに複数の電子内視鏡が接続されている場合には、これら複数の電子内視鏡の各操作スイッチのそれぞれに対応づけて機能を割り付けることができない。このため、術中、術者はどの電子内視鏡が第1の電子内視鏡であるのか第2の電子内視鏡であるのかを迅速に識別することが困難であり、操作スイッチの操作性を向上させることが望まれていた。
【0012】
そこで、本発明は前記問題点に鑑みてなされたもので、内視鏡システムに複数の内視鏡が接続されている場合に、接続されている全ての内視鏡の各操作スイッチのそれぞれに対応づけて機能を割り当てて設定することを可能にして、操作スイッチの操作性の向上を図れる内視鏡システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の内視鏡システムは、操作スイッチを備えた少なくとも2つ以上の内視鏡をそれぞれ接続する接続手段と、前記少なくとも2つ以上の内視鏡の各操作スイッチに割り当てる機能を設定する機能設定手段と、前記機能設定手段により設定された機能を、前記少なくとも2つ以上の内視鏡の各操作スイッチにそれぞれ対応づけて記録する設定記録手段と、前記少なくとも2つ以上の前記内視鏡の各操作スイッチのいずれかの操作スイッチが操作された際に、前記設定記録手段に記録された設定データに基づいて、前記機能を実行するように制御する制御手段と、を有している。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、内視鏡システムに複数の内視鏡が接続されている場合に、接続されている全ての内視鏡の各操作スイッチのそれぞれに関連づけて機能を割り当てて設定することを可能にして、操作スイッチの操作性の向上を図れる内視鏡システムを提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0016】
(実施例1)
図1から図6は本発明の実施例1に係り、図1は実施例1の内視鏡システムの全体の構成を示す構成図、図2は内視鏡システムの主要部の電気的な構成を示すブロック図、図3はカメラスイッチ設定時における割り付け操作画面の表示例を示す画面表示図、図4は図3の割り付け操作画面の共通割り付けボタンを押下した場合の割り付け設定操作画面の表示例を示す画面表示図、図5及び図6はシステムコントローラの制御例を示し、図5はカメラスイッチ設定時における処理ルーチンを示すフローチャート、図6はカメラスイッチの押下時における処理ルーチンを示すフローチャートである。
【0017】
まず、内視鏡システムの全体構成について、図1を参照しながら説明する。
図1に示すように、内視鏡手術室1内には、患者30が横たわる患者ベッド2と、第1の内視鏡手術システム3が配置される。この内視鏡手術システム3は、第1カート4を有している。また、手技によっては第2の内視鏡手術システム5を有する場合がある。
【0018】
第1カート4には、被制御装置である手術機器として、例えば電気メス装置6、気腹装置7、光源装置8、第1の内視鏡用カメラ装置(以降、第1のカメラ装置と略記載(カメラコントロールユニット:CCUともいう))9及びビデオテープレコーダ(VTR)10等の装置類と、二酸化炭素等を充填したガスボンベ11が載置されている。
【0019】
光源装置8及び第1のカメラ装置9は、第1のカメラヘッド12に接続される。尚、第1の内視鏡手術システム3の前記第1のカメラ装置9及び前記第1のカメラヘッド12は、第1の内視鏡を構成している。
また、第1カート4には、内視鏡表示パネル13、第1の集中表示装置14、操作パネル15等が載置されている。
【0020】
内視鏡表示パネル13は、内視鏡画像等を表示するTVモニタである。また、第1の集中表示装置14は、手術中のあらゆるデータを選択的に表示させることが可能な表示手段である。
【0021】
操作パネル15は、例えば液晶ディスプレイ等の表示部と、この表示部上に一体的に設けられた例えばタッチセンサとを有し、非滅菌域にいる看護婦等が操作する集中操作装置として構成されている。
また、患者ベット2の近傍には、別置き表示パネル16が配されている。この別置き表示パネル16は、術中のデータに加えて、CTスキャンデータやバイタルサインや過去の症例情報等、手技に関するあらゆる情報を表示する表示手段である。この別置き表示パネル16は、キャスター付きの移動台を有する支持部材16Aに固定されており、移動が自在で且つ、術者の所望の位置に配備可能になっている。
【0022】
さらに、第1カート4には、内視鏡システム全体の制御装置であるシステムコントローラ17が載置されている。このシステムコントローラ17には、電気メス装置6、気腹装置7、光源装置8、第1のカメラ装置9及びVTR10が、図示しない通信線を介して接続されている。
【0023】
一方、手技によって配備される前記第2の内視鏡手術システム5は、第2カート20を有している。
第2カート20には、被制御装置である光源装置21、第2の内視鏡用カメラ装置(以降、第2のカメラ装置と略記)22、超音波凝固切開処置23、表示装置25及び第2の集中表示装置26とが載置されている。
【0024】
光源装置21及び第2のカメラ装置22は、第2のカメラヘッド24に接続される。尚、第2の内視鏡手術システム5の前記第2のカメラ装置22及び前記第2のカメラヘッド24は、第2の内視鏡を構成している。
【0025】
表示装置25は、第2のカメラ装置22からの出力される内視鏡画像等を表示する。第2の集中表示装置26は、手術中のあらゆるデータを選択的に表示させることが可能になっている。
【0026】
これら第2のカメラ装置22と光源装置21等の第2カート20に載置された各手術機器は、図示しないインターフェイスケーブルにより中継ユニット27に接続されている。 また、中継ユニット27は、中継ケーブル28によって、第1カート4に搭載されているシステムコントローラ17に接続されている。
【0027】
このような接続構成によってシステムコントローラ17は、これらの第2カート20に搭載されている第2のカメラ装置22、光源装置21及び超音波凝固切開処置23と、第1カート4に搭載されている電気メス装置6、気腹装置7、光源装置8、第2のカメラ装置9及びVTR10とを、集中制御するようになっている。
【0028】
例えば、システムコントローラ17と各手術機器との間で通信が行われている場合、システムコントローラ17は、操作パネル15の液晶ディスプレイ上に、接続されている各手術機器の設定状態や操作スイッチ等の設定画面を表示するように制御する。
【0029】
また、システムコントローラ17は、所望の操作スイッチ(後述する第1及び第2のカメラヘッド12、24の各操作スイッチSW1〜SW3)又は操作パネル33の所定領域のタッチセンサが操作されることにより、この操作信号に基づいて各種設定動作及び各種機能を実行するように制御する。
【0030】
尚、第1及び第2の内視鏡手術システム3、5には、システムコントローラ17に対して入力操作するための有線方式のリモートコントローラ(リモコン)18と無線方式の無線リモコン19とが設けられている。
【0031】
有線方式のリモコン18は、システムコントローラ17にケーブルを介して接続されている。このリモコン18は、滅菌域にいる術者等が操作するもので、通信が成立している他の手術機器を、システムコントローラ17を介して操作することができるようになっている。
【0032】
また、赤外線に代表される無線リモコン19は、システムコントローラ17を介して通信が成立している他の手術機器を操作することが可能である。また、無線リモコン19から発した赤外線を受光する受光部(図示せず)は、例えば別置き表示パネル16の近傍等の受信しやすい位置に設けられており、システムコントローラ17との間がケーブル(図示せず)で接続されるようになっている。
【0033】
さらに、システムコントローラ17には、術者の例えば頭部に装着して操作指示を音声によって供給可能な無線式マイク3Aと手術室1内全体を撮影可能なカメラ1Aが電気的な接続されている。
【0034】
尚、実施例1では、第1の内視鏡として第1のカメラ装置9及び第1のカメラヘッド12、第2の内視鏡として第2のカメラ装置22及び第2のカメラヘッド24として構成した場合について説明したが、これに限定されることはなく、第3、第4等の複数の内視鏡であるカメラ装置及びカメラヘッドを設けて構成しても良い。
【0035】
次に、このような構成される内視鏡システムの主要部の電気的な構成について、図2を参照しながら説明する。
図2に示すように、第1のカメラヘッド12には、操作部12Aが設けられている。この操作部12Aは、例えば3つの操作スイッチSW1〜SW3を有している。これら3つの操作スイッチSW1〜3は、第1のカメラ装置9内のCPU9Bに電気的に接続され、このCPU9Bによって各種手術機器の機能が割り付けられたり、操作信号がシステムコントローラ17側に伝送されるようになっている。
【0036】
第1のカメラ装置9は、前記3つの操作スイッチSW1〜SW3及び図示しない撮像手段と電気的に接続され、前記第1のカメラヘッド12全体を制御するCPU9Bと、このCPU9Bによる制御によってシステムコントローラ17の通信部32との間で通信を行うための通信部9Aとを有している。
【0037】
この第1のカメラ装置9のCPU9Bは、システムコントローラ17による制御によって、第1のカメラヘッド12からの撮像信号をシステムコントローラ17側に伝送したり、又は第1のカメラヘッド12の各種操作スイッチSW1〜SW3に対して機能の割り付けを行うように制御する。
【0038】
一方、第2のカメラヘッド24には、前記同様に操作部24Aが設けられている。この操作部24Aは、例えば3つの操作スイッチSW1〜SW3を有している。これら3つの操作スイッチSW1〜3は、前記同様に第2のカメラ装置22内のCPU22Bに電気的に接続され、このCPU22Bによって各種手術機器の機能が割り付けられたり、操作信号がシステムコントローラ17側に伝送されるようになっている。
【0039】
第2のカメラ装置22は、前記第1のカメラ装置9と同様に、前記3つの操作スイッチSW1〜SW3及び図示しない撮像手段と電気的に接続され、前記第2のカメラヘッド24全体を制御するCPU22Bと、このCPU22Bによる制御によってシステムコントローラ17の通信部32との間で通信を行うための通信部22Aとを有している。
【0040】
この第2のカメラ装置9のCPU9Bは、システムコントローラ17による制御によって、第2のカメラヘッド24からの撮像信号をシステムコントローラ17側に伝送したり、又は第2のカメラヘッド24の各種操作スイッチSW1〜SW3に対して機能の割り付けを行うように制御する。
【0041】
システムコントローラ17は、第1及び第2の内視鏡手術システム3、5全体を制御可能な制御手段を構成するCPU31と、第1の内視鏡手術システム3の電気メス装置6、気腹装置7、光源装置8、第1のカメラ装置9及びVTR10と、第2の内視鏡システム及び第2のカメラ装置22とに対して通信を行うための通信部32と、CPU31の制御により、機能を第1及び第2のカメラヘッド12、24の各操作スイッチSW1〜SW3にそれぞれ対応づけて割り付けられた設定データ等のデータを記録する記憶部33と、を有している。
【0042】
また、CPU31には、前記表示手段を構成する集中表示装置14、26と、機能設定手段を構成する操作パネル33とが電気的に接続されている。
CPU31は、カメラスイッチ設定時には、操作パネル33による入力操作に基づき、第1及び第2のカメラヘッド12、24の各種操作スイッチSW1〜SW3に割り当てる機能を設定するように制御する。
【0043】
尚、前記通信部32、9A、22Aは接続手段を構成し、前記操作パネル33、システムコントローラ17のCPU31、第1及び第2のカメラ装置9、22の各CPU9B、22Bは機能設定手段を構成している。また、前記記憶部33は設定記録手段を構成し、システムコントローラ17のCPU31は制御手段を構成している。
【0044】
次に、具体的なシステムコントローラ17によるカメラスイッチ設定動作及びスイッチ操作に基づく制御動作について、図2から図6を参照しながら説明する。
【0045】
本実施例の内視鏡システムは、内視鏡システムに複数の内視鏡であるカメラヘッド12、24が接続されている場合に、接続されている全てのカメラヘッド12、24の各操作スイッチSW1〜SW3に対して同一の機能を割り当てて設定することができ、且つ割り当てられた機能を操作パネル15又は集中表示装置14、26に表示することが可能である。
【0046】
具体的には、システムコントローラ17のCPU31は、電源が投入されると、図5に示すプログラムに基づき各処理を実行する。
例えば、術者が操作パネル33を用いて、カメラスイッチ設定モードを実行すると、CPU31は、図5に示すステップS1の処理により、第1及び第2のカメラヘッド12、24の各操作スイッチSW1〜SW3に対して全て同一の機能を割り付けるように設定処理を行う。
【0047】
この場合、CPU31は、例えば、カメラスイッチ設定モード実行時に、図3に示すカメラスイッチ割り付け操作画面(以下、割り付け操作画面と称す)15Aを、操作パネル15に表示させる。この割り付け操作画面15Aには、第1及び第2のカメラヘッド12、24の各操作スイッチSW1〜SW3に対して全て共通の機能が割り当てる指示を行うための共通割り付けボタン40が設けられている。
【0048】
そして、術者が図3に示す割り付け操作画面15Aの共通割り付けボタン40を押下操作すると、CPU31は、図4に示すような機能の割り付け設定操作画面15Bを、操作パネル15に表示させて、第1及び第2のカメラヘッド12、24の各操作スイッチSW1〜SW3に対して全て共通の機能を選択し設定させる。
【0049】
この割り付け設定操作画面15Bは、例えば、第1及び第2の内視鏡手術システム3、5内の各手術機器の各種機能の一覧を選択可能に表示された機能一覧部42と、この機能一覧部42から、例えばカーソル等を用いて所望する機能を選択し、カメラヘッド12(又は24)の各操作スイッチSW1〜SW3それぞれに選択した機能を割り付けるための割り付け設定表示部41とを有している。
【0050】
例えば、図2及び図4には、第1及び第2のカメラヘッド12、24共通の操作スイッチSW1に気腹装置7による送気開始を設定し、操作スイッチSW2にはホワイトバランス(WB)を設定し、操作スイッチSW3にはVTR10による記録開始(REC)を設定した場合が示されている。
【0051】
このようにして、術者は容易に図4に示す割り付け設定操作画面15Bを用いて全てのカメラヘッドの各操作スイッチSW1〜SW3に対して共通の機能を割り付けて設定することが可能となる。
【0052】
その後、システムコントローラ17のCPU31は、カメラヘッド共通割り付け設定を完了すると、続きステップS2の処理にて、図2及び図4に示すように、全てのカメラヘッド(第1及び第2のカメラヘッド12、24)に共通して割り付けられた、操作スイッチ:送気開始、操作スイッチSW2:WB、操作スイッチSW3:VTR RECを示す設定データを、記憶部33に記憶して、このカメラスイッチ設定処理ルーチンを終了させる。
【0053】
そして、CPU31は、図6に示すカメラスイッチ押下時に対応したプログラムを実行させて、術者による操作スイッチ操作に備える。
【0054】
次に、システムコントローラ17のCPU31によるスイッチ操作に基づく制御動作について、図6を参照しながら説明する。
【0055】
CPU31は、術中、図6に示すプログラムを実行させて、術者による各種操作スイッチSW1〜SW3の操作に備えている。この場合、CPU31は、記憶部33に記憶されて設定データを予め読み出している。
【0056】
そして、CPU31は、まず、ステップS10の判断処理により、供給されている操作信号に基づき、第1のカメラヘッド12の操作スイッチSW1が押下されたか否かを判断する。
【0057】
この場合、第1のカメラヘッド12の操作スイッチSW1が押下されてないものと判断した場合には、処理をステップS11の判断処理に移行し、逆に、操作スイッチSW1が押下されたと判断した場合には、処理をステップS12に移行する。
【0058】
ステップS11の判断処理では、CPU31は、供給されている操作信号に基づき、第2のカメラヘッド24の操作スイッチSW1が押下されたか否かを判断する。
【0059】
この場合、第2のカメラヘッド24の操作スイッチSW1が押下されてないものと判断した場合には、処理をステップS13の判断処理に移行し、逆に、操作スイッチSW1が押下されたと判断した場合には、処理をステップS12に移行する。
【0060】
ステップS12の処理では、第1及び第2のカメラヘッド12、24のそれぞれの操作スイッチSW1が押下された場合であり、CPU31は、読み出された設定データから、共通に割り付けられた操作スイッチSW1の機能が送気開始を示すものであると判断して、送気を開始するように気腹装置7を駆動制御して、処理を終了する。
【0061】
ステップS13の判断処理では、CPU31は、供給されている操作信号に基づき、第1のカメラヘッド12の操作スイッチSW2が押下されたか否かを判断する。
【0062】
この場合、第1のカメラヘッド12の操作スイッチSW2が押下されてないものと判断した場合には、処理をステップS14の判断処理に移行し、逆に、操作スイッチSW2が押下されたと判断した場合には、処理をステップS15に移行する。
【0063】
ステップS14の判断処理では、CPU31は、供給されている操作信号に基づき、第2のカメラヘッド24の操作スイッチSW2が押下されたか否かを判断する。
【0064】
この場合、第2のカメラヘッド24の操作スイッチSW2が押下されてないものと判断した場合には、処理をステップS16の判断処理に移行し、逆に、操作スイッチSW2が押下されたと判断した場合には、処理をステップS15に移行する。
【0065】
ステップS15の処理では、第1及び第2のカメラヘッド12、24のそれぞれの操作スイッチSW2が押下された場合であり、CPU31は、読み出された設定データから、共通に割り付けられた操作スイッチSW2の機能がWBを示すものであると判断して、WBを変更するように第1及び第2のカメラ装置9、22を制御して、処理を終了する。
【0066】
ステップS16の判断処理では、CPU31は、供給されている操作信号に基づき、第1のカメラヘッド12の操作スイッチSW3が押下されたか否かを判断する。
【0067】
この場合、第1のカメラヘッド12の操作スイッチSW3が押下されてないものと判断した場合には、処理をステップS17の判断処理に移行し、逆に、操作スイッチSW3が押下されたと判断した場合には、処理をステップS18に移行する。
【0068】
ステップS17の判断処理では、CPU31は、供給されている操作信号に基づき、第2のカメラヘッド24の操作スイッチSW3が押下されたか否かを判断する。
【0069】
この場合、第2のカメラヘッド24の操作スイッチSW3が押下されてないものと判断した場合には、処理を終了し、逆に、操作スイッチSW3が押下されたと判断した場合には、処理をステップS18に移行する。
【0070】
ステップS18の処理では、第1及び第2のカメラヘッド12、24のそれぞれの操作スイッチSW3が押下された場合であり、CPU31は、読み出された設定データから、共通に割り付けられた操作スイッチSW3の機能がVTR RECを示すものであると判断して、内視鏡画像を録画するようにVTR10を制御して、処理を終了する。
【0071】
したがって、実施例1によれば、内視鏡システムに複数の内視鏡である第1及び第2のカメラヘッド12、24が接続されている場合に、接続されている全ての第1及び第2のカメラヘッド12、24の各操作スイッチSW1〜SW3に対して同一の機能を割り当てて設定することができ、且つ割り当てられた機能を操作パネル15又は集中表示装置14、26に表示することが可能となる。
【0072】
このことにより、術者は、送気開始を行いたいときに、どのカメラヘッドが第1のカメラヘッド12か第2のカメラヘッド24かが認識できなくても、各カメラヘッド12、24の操作スイッチSW1を押下すれば、送気開始動作が実行されるので、誤動作を防止することが可能となる。
また、簡単にスイッチ操作により、割り付けられた機能を実行することができるので、操作スイッチの操作性及び安全性をを向上させることが可能となる。
尚、実施例1において、システムコントローラ17のCPU31は、全てのカメラヘッドの各操作スイッチSW1〜SW3に対して共通の機能を割り付けて設定が確定された設定データに基づく表示については、例えば図4に示すような割り付け設定操作画面15Bを用いて術者に報知するように制御しても良い。また、この表示については、操作パネル15のみではなく、例えば集中表示装置14、26等に表示させても良い。
【0073】
(実施例2)
図7から図17は本発明の実施例2の内視鏡システムに係り、図7は実施例2の内視鏡システムの主要部の電気的な構成を示すブロック図、図8は実施例2の特徴となる制御動作を説明するための説明図、図9はカメラスイッチ設定時における割り付け操作画面の表示例を示す画面表示図、図10は図9の割り付け操作画面の第1のカメラヘッドスイッチ割り付けボタンを押下した場合の割り付け設定操作画面の表示例を示す画面表示図、図11は図9の割り付け操作画面の第2のカメラヘッドスイッチ割り付けボタンを押下した場合の割り付け設定操作画面の表示例を示す画面表示図、図12は集中表示装置に表示される各手術機器の設定情報画面の一例を示す画面表示図、図13は操作スイッチに割り当てられた機能を実行した場合の実行画面の一例を示す画面表示図、図14から図16はシステムコントローラの制御例を示し、図14はカメラスイッチ設定時における処理ルーチンを示すフローチャート、図15は第1のカメラヘッドのスイッチの押下時における処理ルーチンを示すフローチャート、図16は第2のカメラヘッドのスイッチの押下時における処理ルーチンを示すフローチャート、図17はカメラヘッドのスイッチ割り付け画面表示のタイマー処理ルーチンを示すフローチャートである。
【0074】
実施例2の内視鏡システムは、内視鏡システムに複数の内視鏡であるカメラヘッド12、24が接続されている場合に、接続されている第1及び第2のカメラヘッド12、24の各操作スイッチSW1〜SW3に対してそれぞれ異なる機能を割り当てて設定することができ、且つ割り当てられた機能をそれぞれ操作パネル15又は集中表示装置14、26に表示することが可能である。
尚、操作パネル15及び集中表示装置14、26は、報知手段を構成している。
【0075】
具体的には、内視鏡システムの全体構成は、図7に示すように、実施例1と略同様であり、システムコントローラ17のCPU31による制御が異なっている。
【0076】
このような特徴となるシステムコントローラ17によるカメラスイッチ設定動作、スイッチ操作に基づく制御動作及び表示制御動作について、図7から図16を参照しながら説明する。
【0077】
システムコントローラ17のCPU31は、電源が投入されると、図14に示すプログラムに基づき各処理を実行する。
例えば、術者が操作パネル15を用いて、カメラスイッチ設定モードを実行すると、CPU31は、図14に示すステップS20の処理により、まず、第1のカメラヘッド12、の各操作スイッチSW1〜SW3に対して所望の機能を割り付けるように設定処理を行う。
【0078】
この場合、CPU31は、例えば、カメラスイッチ設定モード実行時に、図9に示す割り付け操作画面15Cを、操作パネル15又は集中表示装置14、26に表示させる。この割り付け操作画面15Cには、第1又は第2のカメラヘッド12、24の各操作スイッチSW1〜SW3に対してそれぞれ異なる機能を割り当てる指示を行うためのスイッチ割り付けボタン40a、40bが設けられている。
【0079】
そして、術者が図9に示す割り付け画面15Cの、第1のカメラヘッド12用のスイッチ割り付けボタン40aを押下操作すると、CPU31は、図10に示すような機能の割り付け設定操作画面15Dを、操作パネル15又は集中表示装置14、26に表示させて、第1のカメラヘッド12の各操作スイッチSW1〜SW3に対して所望の機能を選択し設定させる。
【0080】
この場合、第1のカメラヘッド12の各操作スイッチSW1〜SW3に対する機能の選択は、実施例1と同様に、この割り付け設定操作画面15Bの機能一覧部42から、例えばカーソル等を用いて所望する機能を選択し、割り付け設定表示部41に表示されている第1のカメラヘッド12の各操作スイッチSW1〜SW3それぞれに選択した機能を割り付けて設定する。
【0081】
例えば、図7及び図10には、第1のカメラヘッド12の操作スイッチSW1に気腹装置7による送気開始を設定し、操作スイッチSW2にはホワイトバランス(WB)を設定し、操作スイッチSW3にはVTR10による記録開始(REC)を設定した場合が示されている。
【0082】
尚、図10に示すように、割り付け設定操作画面15D内に、他のカメラヘッド同期ボタン43を設け、この他のカメラヘッド同期ボタン43を押下することによって、他のカメラヘッドの各操作スイッチSW1〜SW3に割り付けられている機能を、第1のカメラヘッド12の各操作スイッチSW1〜SW3にそれぞれ割り付けるようにして同期させても良い。このことにより、実施例1と同様に、全てのカメラヘッドの各操作スイッチSW1〜SW3に対して共通した機能が割り付けられることになる。
【0083】
その後、システムコントローラ17のCPU31は、第1のカメラヘッドの割り付け設定を完了すると、続きステップS21の処理にて、図7及び図10に示すように、第1のカメラヘッド12に割り付けられた、操作スイッチ:送気開始、操作スイッチSW2:WB、操作スイッチSW3:VTR RECを示す設定データを、記憶部33に記憶して、続くステップS22の処理に移行する。
【0084】
ステップS22の処理では、第2のカメラヘッド24の各操作スイッチSW1〜SW3に対して機能を割り付け設定を行う。
【0085】
例えば、術者が図9に示す割り付け画面15Cの、第2のカメラヘッド24用のスイッチ割り付けボタン40bを押下操作すると、CPU31は、前記同様に図11に示すような機能の割り付け設定操作画面15Eを、操作パネル15又は集中表示装置14、26に表示させて、第2のカメラヘッド24の各操作スイッチSW1〜SW3に対して所望の機能を選択し設定させる。尚、術者がスイッチ割り付けボタン40bを押下せずとも、自動的に第2のカメラヘッド24の割り付け設定操作画面15Eを表示させて機能の割り付け設定を行っても良い。
この場合、第2のカメラヘッド24の各操作スイッチSW1〜SW3に対する機能の選択は、前記第1のカメラヘッド12と同様に行えば良い。
【0086】
例えば、図7及び図11には、第2のカメラヘッド24の操作スイッチSW1に光源装置8によるライトオンを設定し、操作スイッチSW2には電気メス装置6による切開モードを設定し、操作スイッチSW3には電気メス装置6による凝固モードを設定した場合が示されている。
【0087】
このようにして、術者は容易に図10及び図11に示す割り付け設定操作画面15D、15Eを用いて第1及び第2のカメラヘッド12、24の各操作スイッチSW1〜SW3に対してそれぞれ異なる機能を割り付けて設定することが可能となる。
【0088】
その後、システムコントローラ17のCPU31は、第1及び第2のカメラヘッド12、24のそれぞれ異なる機能の割り付け設定を完了すると、続くステップS23の処理にて、図7及び図11に示すように、第2のカメラヘッド24に割り付けられた、操作スイッチSW1:ライトオン、操作スイッチSW2:電気メス装置切開モード、操作スイッチSW3:電気メス装置凝固モードを示す設定データを、記憶部33に記憶して、このカメラスイッチ設定処理ルーチンを終了させる。
【0089】
そして、CPU31は、図15又は図16に示すカメラスイッチ押下時に対応したプログラムを実行させて、術者による操作スイッチ操作に備える。
【0090】
次に、システムコントローラ17のCPU31によるスイッチ操作に基づく制御動作及び表示制御について、図15から図17を参照しながら説明する。
まず、図15に示す第1のカメラヘッド12に対応する制御動作について説明する。
【0091】
CPU31は、術中、図15に示すプログラムを実行させて、術者による第1のカメラヘッド12の各種操作スイッチSW1〜SW3に対する操作に備えている。この場合、CPU31は、記憶部33に記憶されて設定データを予め読み出している。
【0092】
そして、CPU31は、まず、ステップS30の処理にて第1のカメラヘッド12の操作スイッチSW1が押下されたことを判断すると、ステップS31の判断処理により、操作パネル15又は又は集中表示装置14、26に、図10に示す割り付け設定操作画面15Dのような機能割り付け表示画面が表示されているか否かを判断する。
【0093】
尚、前記機能割り付け表示画面は、割り付け設定操作画面15Dと同様なものでも良く、各操作スイッチSW1〜SW3に割り付けられた機能が認識できれば良い。例えば、図7の第1カメラヘッド12に示すような表示形態で表示しても良い。
【0094】
この場合、第1のカメラヘッド12の機能割り付け表示画面が表示されてないと判断した場合には、処理をステップS33に移行し、逆に、機能割り付け表示画面が表示されていると判断した場合には、処理をステップS12に移行する。
【0095】
ステップS32の処理では、第1のカメラヘッド12の操作スイッチSW1が押下された場合であり、CPU31は、読み出された設定データから、割り付けられた操作スイッチSW1の機能が送気開始を示すものであると判断して、送気を開始するように気腹装置7を駆動制御して、処理を終了する。
【0096】
ステップS33の処理では、CPU31は、操作パネル15又は又は集中表示装置14、26に、機能割り付け表示画面(図7又は図10参照)を表示させて、続くステップS34の処理にて第1のカメラヘッド12の機能割り付け表示画面用の表示タイマをセットする。つまり、表示タイマのカウントを開始させて、処理を終了する。
【0097】
尚、このような図15に示すプログラムは、第1のカメラヘッド12の操作スイッチSW1に対応したものであるが、第1のカメラヘッド12の他の操作スイッチSW2、SW3についても略同様に処理が行われるようになっている。
【0098】
次に、図16に示す第2のカメラヘッド24に対応する制御動作について説明する。
CPU31は、術中、図16に示すプログラムを実行させて、術者による第2のカメラヘッド12の各種操作スイッチSW1〜SW3に対する操作に備えている。この場合、CPU31は、記憶部33に記憶されて設定データを予め読み出している。
【0099】
そして、CPU31は、まず、ステップS40の処理にて第2のカメラヘッド12の操作スイッチSW1が押下されたことを判断すると、ステップS41の判断処理により、操作パネル15又は又は集中表示装置14、26に、図11に示す割り付け設定操作画面15Eのような機能割り付け表示画面が表示されているか否かを判断する。
【0100】
尚、前記機能割り付け表示画面は、前記同様に、割り付け設定操作画面15Eと同様なものでも良く、各操作スイッチSW1〜SW3に割り付けられた機能が認識できれば良い。例えば、図7の第2カメラヘッド24に示すような表示形態で表示しても良い。
【0101】
この場合、第2のカメラヘッド24の機能割り付け表示画面が表示されてないと判断した場合には、処理をステップS43に移行し、逆に、機能割り付け表示画面が表示されていると判断した場合には、処理をステップS42に移行する。
【0102】
ステップS42の処理では、第2のカメラヘッド24の操作スイッチSW1が押下された場合であり、CPU31は、読み出された設定データから、割り付けられた操作スイッチSW1の機能がライトオンを示すものであると判断して、ライトをオンするように光源装置8を駆動制御して、処理を終了する。
【0103】
ステップS43の処理では、CPU31は、操作パネル15又は集中表示装置14、26に、機能割り付け表示画面(図7又は図11参照)を表示させて、続くステップS44の処理にて第2のカメラヘッド24の機能割り付け表示画面用の表示タイマをセットする。つまり、表示タイマのカウントを開始させて、処理を終了する。
【0104】
尚、このような図16に示すプログラムは、第2のカメラヘッド24の操作スイッチSW1に対応したものであるが、第2のカメラヘッド24の他の操作スイッチSW2、SW3についても略同様に処理が行われるようになっている。
【0105】
次に、システムコントローラ17による表示タイマを用いた表示制御動作について、図17を参照しながら説明する。
システムコントローラ17のCPU31は、図15のステップS34又は図16のステップS44の処理を実行すると、図17に示すプログラムを起動する。
【0106】
すなわち、CPU31は、ステップS50の処理にて第1のカメラヘッド12の機能割り付け表示画面用の表示タイマのカウントを開始し、続くステップS51の判断処理にて、この表示タイマのカウント値と予め設定された閾値とで比較を行う。
【0107】
この場合、表示用タイマのカウント値が閾値よりも大きいと判断した場合には、CPU31は、処理をステップS52に移行し、逆に小さいと判断した場合には、処理をステップS53に移行する。
【0108】
ステップS52の処理では、CPU31は、操作パネル15又は集中表示装置14、26に表示されている、第1のカメラヘッド12に基づく機能割り付け表示画面(図7又は図10参照)を消すように機能割り付け表示画面表示を解除し、処理をステップS53に移行する。
【0109】
ステップS53の処理では、CPU31は、第2のカメラヘッド24の機能割り付け表示画面用の表示タイマのカウントを開始し、続くステップS54の判断処理にて、この表示タイマのカウント値と予め設定された閾値とで比較を行う。
【0110】
この場合、表示用タイマのカウント値が閾値よりも大きいと判断した場合には、CPU31は、処理をステップS55に移行し、逆に小さいと判断した場合には、処理を終了する。
【0111】
ステップS55の処理では、CPU31は、操作パネル15又は集中表示装置14、26に表示されている、第2のカメラヘッド24に基づく機能割り付け表示画面(図7又は図11参照)を消すように機能割り付け表示画面表示を解除し、処理を終了する。
【0112】
尚、カメラスイッチ設定時以外の通常時には、例えば、図12に示すような、各手術機器の各種設定情報を表示する設定表示部44を備えた設定情報画面14Aが、操作パネル15又は集中表示装置14、26に表示されるようになっている。このことにより、術者は、各手術機器の設定情報を、予め認識することができる。
【0113】
以上述べたように、このような制御を行うことにより、例えば、図8に示すように、術者が第1のカメラヘッド12の操作スイッチSW1を一回押下することで、図12に示す手術機器の設定情報画面14Aに替えて、第1のカメラヘッド12の機能割り付け表示画面(図8又は図10参照)が表示され、そして、表示中に、その第1のカメラヘッド12の操作スイッチSW1を押下すると、この操作SW1に割り付けられている、送気開始を実行し、つまり、送気を開始するように気腹装置7を駆動制御することが可能となる。
【0114】
その後、操作パネル15又は集中表示装置14、26には、図13に示すような術者に機能実行内容を報知する報知表示部45を備えた機能実行画面15Fが表示される。このことにより、術者は、確実に操作スイッチSW1に割り付けられた機能が実行されたことを認識することができる。
【0115】
また、機能割り付け表示画面の表示後、所定時間後(表示タイマの閾値に応じた設定時間)経過した場合には、操作スイッチSW1の押下がないものと判断して、前記機能割り付け表示画面の表示が解除されて、再び、図12に示すような設定情報画面14Aが表示される。
【0116】
したがって、実施例2によれば、内視鏡システムに複数の内視鏡である第1及び第2のカメラヘッド12、24が接続されている場合に、接続されている第1及び第2のカメラヘッド12、24の各操作スイッチSW1〜SW3に対してそれぞれ異なる機能を割り当てて設定することができ、且つ割り当てられた機能を操作パネル15又は集中表示装置14、26に所定期間表示することが可能となる。また、この割り当てられた機能の表示中のみに、割り付けられている機能を実行することが可能となる。
【0117】
このことにより、術者は、どのカメラヘッドが第1のカメラヘッド12か第2のカメラヘッド24かが認識できなくても、そのカメラヘッドの操作スイッチSWを押下すれば、そのカメラヘッドの操作スイッチSWに割り付けた機能が表示されて識別することができるので、誤動作を防止することが可能となる。
また、簡単にスイッチ操作により、割り付けられた機能を実行することができるので、操作スイッチの操作性及び安全性をを向上させることが可能となる。
【0118】
その他の効果は、前記実施例1と同様である。
【0119】
尚、本発明は、上述した実施例1及び実施例2に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本発明の実施例1の内視鏡システムの全体の構成を示す構成図。
【図2】内視鏡システムの主要部の電気的な構成を示すブロック図。
【図3】カメラスイッチ設定時における割り付け操作画面の表示例を示す画面表示図。
【図4】図3の割り付け画面の共通割り付けボタンを押下した場合の割り付け設定操作画面の表示例を示す画面表示図。
【図5】システムコントローラの制御例を示し、カメラスイッチ設定時における処理ルーチンを示すフローチャート。
【図6】カメラスイッチの押下時における処理ルーチンを示すフローチャート。
【図7】本発明の実施例2に係る内視鏡システムの主要部の電気的な構成を示すブロック図。
【図8】実施例2の特徴となる制御動作を説明するための説明図。
【図9】カメラスイッチ設定時における割り付け操作画面の表示例を示す画面表示図。
【図10】図9の割り付け画面の第1のカメラヘッドスイッチ割り付けボタンを押下した場合の割り付け設定操作画面の表示例を示す画面表示図。
【図11】図9の割り付け画面の第2のカメラヘッドスイッチ割り付けボタンを押下した場合の割り付け設定操作画面の表示例を示す画面表示図。
【図12】集中表示装置に表示される各手術機器の設定情報画面の一例を示す画面表示図。
【図13】操作スイッチに割り当てられた機能を実行した場合の実行画面の一例を示す画面表示図。
【図14】システムコントローラの制御例を示し、カメラスイッチ設定時における処理ルーチンを示すフローチャート。
【図15】第1のカメラヘッドのスイッチの押下時における処理ルーチンを示すフローチャート。
【図16】第2のカメラヘッドのスイッチの押下時における処理ルーチンを示すフローチャート。
【図17】スイッチ割り付け画面表示のタイマー処理ルーチンを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0121】
1…内視鏡手術室、
3…第1の内視鏡手術システム、
5…第2の内視鏡手術システム、
6…電気メス装置、
7…気腹装置、
8…光源装置、
9…第1のカメラ装置、
9A…通信部、
12…第1のカメラヘッド、
12A…操作部、
13…内視鏡表示パネル、
14…集中表示装置、
14A…設定情報画面、
15A、15C…割り付け操作画面、
15B…設定操作画面、
15D、15E…設定操作画面、
15F…機能実行画面、
15…操作パネル、
16…表示パネル、
17…システムコントローラ、
21…光源装置、
22…第2のカメラ装置、
22A…通信部、
23…超音波凝固切開処置、
24…第2のカメラヘッド、
24A…操作部、
25…表示装置、
26…集中表示装置、
27…中継ユニット、
32…通信部、
33…記憶部、
33…操作パネル、
40a、40b…スイッチ割り付けボタン、
41…設定表示部、
42…機能一覧部、
43…カメラヘッド同期ボタン、
44…設定表示部、
45…報知表示部、
SW1〜SW3…操作スイッチ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作スイッチを備えた少なくとも2つ以上の内視鏡を有する内視鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、操作スイッチを備えた内視鏡を有する内視鏡システムが用いられている。このような内視鏡システムは、手技によっては、例えば2つの内視鏡を用いて外科手術を行う場合がある。
【0003】
このような内視鏡システムは、内視鏡を用いた外科手術を行う場合には、腹腔内を膨張させるために用いる気腹装置や、手技を行うための処置装置である生体組織を切除或いは凝固する電気メス装置(高周波焼灼装置ともいう)等の手術機器を、内視鏡用カメラ装置(カメラコントロールユニット:CCUともいう)及び光源装置に追加することによって内視鏡を観察しながら各種処置が行えるようになっている。
【0004】
また、この種の内視鏡システムは、複数の装置を容易に操作・制御でき、且つシステムの操作性を向上させるため、各装置の設定状態を表示するための集中表示手段や各装置の機能又は設定値を変更するためのリモートコントローラ、さらには、内視鏡の操作部に設けられた操作スイッチ等の遠隔操作装置を設けた集中操作装置を備えている。
【0005】
集中表示装置や集中操作装置の制御は、システムコントローラによって行われる。システムコントローラと内視鏡システムに備えられた手術機器は、インターフェイスケーブルや無線LAN等の無線信号を介して接続されている。
【0006】
術者は、このような内視鏡システムを用いて外科手術を行う場合には、内視鏡の操作部を片手又は両手で把持した状態で、さらに把持した手の指で操作スイッチを押圧しながら観察及び処置等を施すようにしている。また、手技によって、例えば2つの内視鏡を用いる場合には、術者は、適宜、それぞれの内視鏡の操作スイッチを押圧しながら、必要な機能を実行するようにしている。
【0007】
しかしながら、内視鏡には、複数の操作スイッチがあり、術中、術者はどの操作スイッチにどのような機能が割り付けられたのか等認識することが難しく、操作スイッチの操作性の向上が望まれていた。
【0008】
そこで、このような要求に鑑み、例えば特許文献1には、電子内視鏡に設けられた、複数の操作スイッチに割り付けられた機能を一括管理できるようにした内視鏡システムに関する技術が開示されている。
【0009】
特許文献1の内視鏡システムは、複数のスコープスイッチ及び機能識別データを記憶したEEPROMを備えた操作部を有する電子内視鏡と、プロセッサユニットと、パソコンとを有し、パソコンによって使用者毎に複数のスコープボタンに割り当てるボタン機能データが設定される共に、使用者を識別する識別データ、機種識別データとと共に記憶装置に記憶され、またプロセッサユニットに送信され、プロセッサユニットによってそのスコープボタンに割り当てられたボタン機能に対応する動作が制御される。
【0010】
また、他の従来の関連技術として、例えば特許文献2には、スコープの操作部に設けられた複数の操作ボタンの操作によって動作制御される機能を記憶するEEPROMを有し、各操作ボタンによって動作制御される機能は、キーボード入力を受けてメインCPUが変更することにより、操作ボタンに所望の機能を割り当てることが可能で、割り当てた機能を記憶し、簡単に呼び出せるように構成した電子内視鏡に関する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2004−209151号公報
【特許文献2】特開2004−65832号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、前記特許文献1及び前記特許文献2に記載の従来技術は、電子内視鏡の各操作スイッチ(各操作ボタン)に機能を割り付けることができ、また割り付けられた機能を記憶することが可能であるが、内視鏡システムに複数の電子内視鏡が接続されている場合には、これら複数の電子内視鏡の各操作スイッチのそれぞれに対応づけて機能を割り付けることができない。このため、術中、術者はどの電子内視鏡が第1の電子内視鏡であるのか第2の電子内視鏡であるのかを迅速に識別することが困難であり、操作スイッチの操作性を向上させることが望まれていた。
【0012】
そこで、本発明は前記問題点に鑑みてなされたもので、内視鏡システムに複数の内視鏡が接続されている場合に、接続されている全ての内視鏡の各操作スイッチのそれぞれに対応づけて機能を割り当てて設定することを可能にして、操作スイッチの操作性の向上を図れる内視鏡システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の内視鏡システムは、操作スイッチを備えた少なくとも2つ以上の内視鏡をそれぞれ接続する接続手段と、前記少なくとも2つ以上の内視鏡の各操作スイッチに割り当てる機能を設定する機能設定手段と、前記機能設定手段により設定された機能を、前記少なくとも2つ以上の内視鏡の各操作スイッチにそれぞれ対応づけて記録する設定記録手段と、前記少なくとも2つ以上の前記内視鏡の各操作スイッチのいずれかの操作スイッチが操作された際に、前記設定記録手段に記録された設定データに基づいて、前記機能を実行するように制御する制御手段と、を有している。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、内視鏡システムに複数の内視鏡が接続されている場合に、接続されている全ての内視鏡の各操作スイッチのそれぞれに関連づけて機能を割り当てて設定することを可能にして、操作スイッチの操作性の向上を図れる内視鏡システムを提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0016】
(実施例1)
図1から図6は本発明の実施例1に係り、図1は実施例1の内視鏡システムの全体の構成を示す構成図、図2は内視鏡システムの主要部の電気的な構成を示すブロック図、図3はカメラスイッチ設定時における割り付け操作画面の表示例を示す画面表示図、図4は図3の割り付け操作画面の共通割り付けボタンを押下した場合の割り付け設定操作画面の表示例を示す画面表示図、図5及び図6はシステムコントローラの制御例を示し、図5はカメラスイッチ設定時における処理ルーチンを示すフローチャート、図6はカメラスイッチの押下時における処理ルーチンを示すフローチャートである。
【0017】
まず、内視鏡システムの全体構成について、図1を参照しながら説明する。
図1に示すように、内視鏡手術室1内には、患者30が横たわる患者ベッド2と、第1の内視鏡手術システム3が配置される。この内視鏡手術システム3は、第1カート4を有している。また、手技によっては第2の内視鏡手術システム5を有する場合がある。
【0018】
第1カート4には、被制御装置である手術機器として、例えば電気メス装置6、気腹装置7、光源装置8、第1の内視鏡用カメラ装置(以降、第1のカメラ装置と略記載(カメラコントロールユニット:CCUともいう))9及びビデオテープレコーダ(VTR)10等の装置類と、二酸化炭素等を充填したガスボンベ11が載置されている。
【0019】
光源装置8及び第1のカメラ装置9は、第1のカメラヘッド12に接続される。尚、第1の内視鏡手術システム3の前記第1のカメラ装置9及び前記第1のカメラヘッド12は、第1の内視鏡を構成している。
また、第1カート4には、内視鏡表示パネル13、第1の集中表示装置14、操作パネル15等が載置されている。
【0020】
内視鏡表示パネル13は、内視鏡画像等を表示するTVモニタである。また、第1の集中表示装置14は、手術中のあらゆるデータを選択的に表示させることが可能な表示手段である。
【0021】
操作パネル15は、例えば液晶ディスプレイ等の表示部と、この表示部上に一体的に設けられた例えばタッチセンサとを有し、非滅菌域にいる看護婦等が操作する集中操作装置として構成されている。
また、患者ベット2の近傍には、別置き表示パネル16が配されている。この別置き表示パネル16は、術中のデータに加えて、CTスキャンデータやバイタルサインや過去の症例情報等、手技に関するあらゆる情報を表示する表示手段である。この別置き表示パネル16は、キャスター付きの移動台を有する支持部材16Aに固定されており、移動が自在で且つ、術者の所望の位置に配備可能になっている。
【0022】
さらに、第1カート4には、内視鏡システム全体の制御装置であるシステムコントローラ17が載置されている。このシステムコントローラ17には、電気メス装置6、気腹装置7、光源装置8、第1のカメラ装置9及びVTR10が、図示しない通信線を介して接続されている。
【0023】
一方、手技によって配備される前記第2の内視鏡手術システム5は、第2カート20を有している。
第2カート20には、被制御装置である光源装置21、第2の内視鏡用カメラ装置(以降、第2のカメラ装置と略記)22、超音波凝固切開処置23、表示装置25及び第2の集中表示装置26とが載置されている。
【0024】
光源装置21及び第2のカメラ装置22は、第2のカメラヘッド24に接続される。尚、第2の内視鏡手術システム5の前記第2のカメラ装置22及び前記第2のカメラヘッド24は、第2の内視鏡を構成している。
【0025】
表示装置25は、第2のカメラ装置22からの出力される内視鏡画像等を表示する。第2の集中表示装置26は、手術中のあらゆるデータを選択的に表示させることが可能になっている。
【0026】
これら第2のカメラ装置22と光源装置21等の第2カート20に載置された各手術機器は、図示しないインターフェイスケーブルにより中継ユニット27に接続されている。 また、中継ユニット27は、中継ケーブル28によって、第1カート4に搭載されているシステムコントローラ17に接続されている。
【0027】
このような接続構成によってシステムコントローラ17は、これらの第2カート20に搭載されている第2のカメラ装置22、光源装置21及び超音波凝固切開処置23と、第1カート4に搭載されている電気メス装置6、気腹装置7、光源装置8、第2のカメラ装置9及びVTR10とを、集中制御するようになっている。
【0028】
例えば、システムコントローラ17と各手術機器との間で通信が行われている場合、システムコントローラ17は、操作パネル15の液晶ディスプレイ上に、接続されている各手術機器の設定状態や操作スイッチ等の設定画面を表示するように制御する。
【0029】
また、システムコントローラ17は、所望の操作スイッチ(後述する第1及び第2のカメラヘッド12、24の各操作スイッチSW1〜SW3)又は操作パネル33の所定領域のタッチセンサが操作されることにより、この操作信号に基づいて各種設定動作及び各種機能を実行するように制御する。
【0030】
尚、第1及び第2の内視鏡手術システム3、5には、システムコントローラ17に対して入力操作するための有線方式のリモートコントローラ(リモコン)18と無線方式の無線リモコン19とが設けられている。
【0031】
有線方式のリモコン18は、システムコントローラ17にケーブルを介して接続されている。このリモコン18は、滅菌域にいる術者等が操作するもので、通信が成立している他の手術機器を、システムコントローラ17を介して操作することができるようになっている。
【0032】
また、赤外線に代表される無線リモコン19は、システムコントローラ17を介して通信が成立している他の手術機器を操作することが可能である。また、無線リモコン19から発した赤外線を受光する受光部(図示せず)は、例えば別置き表示パネル16の近傍等の受信しやすい位置に設けられており、システムコントローラ17との間がケーブル(図示せず)で接続されるようになっている。
【0033】
さらに、システムコントローラ17には、術者の例えば頭部に装着して操作指示を音声によって供給可能な無線式マイク3Aと手術室1内全体を撮影可能なカメラ1Aが電気的な接続されている。
【0034】
尚、実施例1では、第1の内視鏡として第1のカメラ装置9及び第1のカメラヘッド12、第2の内視鏡として第2のカメラ装置22及び第2のカメラヘッド24として構成した場合について説明したが、これに限定されることはなく、第3、第4等の複数の内視鏡であるカメラ装置及びカメラヘッドを設けて構成しても良い。
【0035】
次に、このような構成される内視鏡システムの主要部の電気的な構成について、図2を参照しながら説明する。
図2に示すように、第1のカメラヘッド12には、操作部12Aが設けられている。この操作部12Aは、例えば3つの操作スイッチSW1〜SW3を有している。これら3つの操作スイッチSW1〜3は、第1のカメラ装置9内のCPU9Bに電気的に接続され、このCPU9Bによって各種手術機器の機能が割り付けられたり、操作信号がシステムコントローラ17側に伝送されるようになっている。
【0036】
第1のカメラ装置9は、前記3つの操作スイッチSW1〜SW3及び図示しない撮像手段と電気的に接続され、前記第1のカメラヘッド12全体を制御するCPU9Bと、このCPU9Bによる制御によってシステムコントローラ17の通信部32との間で通信を行うための通信部9Aとを有している。
【0037】
この第1のカメラ装置9のCPU9Bは、システムコントローラ17による制御によって、第1のカメラヘッド12からの撮像信号をシステムコントローラ17側に伝送したり、又は第1のカメラヘッド12の各種操作スイッチSW1〜SW3に対して機能の割り付けを行うように制御する。
【0038】
一方、第2のカメラヘッド24には、前記同様に操作部24Aが設けられている。この操作部24Aは、例えば3つの操作スイッチSW1〜SW3を有している。これら3つの操作スイッチSW1〜3は、前記同様に第2のカメラ装置22内のCPU22Bに電気的に接続され、このCPU22Bによって各種手術機器の機能が割り付けられたり、操作信号がシステムコントローラ17側に伝送されるようになっている。
【0039】
第2のカメラ装置22は、前記第1のカメラ装置9と同様に、前記3つの操作スイッチSW1〜SW3及び図示しない撮像手段と電気的に接続され、前記第2のカメラヘッド24全体を制御するCPU22Bと、このCPU22Bによる制御によってシステムコントローラ17の通信部32との間で通信を行うための通信部22Aとを有している。
【0040】
この第2のカメラ装置9のCPU9Bは、システムコントローラ17による制御によって、第2のカメラヘッド24からの撮像信号をシステムコントローラ17側に伝送したり、又は第2のカメラヘッド24の各種操作スイッチSW1〜SW3に対して機能の割り付けを行うように制御する。
【0041】
システムコントローラ17は、第1及び第2の内視鏡手術システム3、5全体を制御可能な制御手段を構成するCPU31と、第1の内視鏡手術システム3の電気メス装置6、気腹装置7、光源装置8、第1のカメラ装置9及びVTR10と、第2の内視鏡システム及び第2のカメラ装置22とに対して通信を行うための通信部32と、CPU31の制御により、機能を第1及び第2のカメラヘッド12、24の各操作スイッチSW1〜SW3にそれぞれ対応づけて割り付けられた設定データ等のデータを記録する記憶部33と、を有している。
【0042】
また、CPU31には、前記表示手段を構成する集中表示装置14、26と、機能設定手段を構成する操作パネル33とが電気的に接続されている。
CPU31は、カメラスイッチ設定時には、操作パネル33による入力操作に基づき、第1及び第2のカメラヘッド12、24の各種操作スイッチSW1〜SW3に割り当てる機能を設定するように制御する。
【0043】
尚、前記通信部32、9A、22Aは接続手段を構成し、前記操作パネル33、システムコントローラ17のCPU31、第1及び第2のカメラ装置9、22の各CPU9B、22Bは機能設定手段を構成している。また、前記記憶部33は設定記録手段を構成し、システムコントローラ17のCPU31は制御手段を構成している。
【0044】
次に、具体的なシステムコントローラ17によるカメラスイッチ設定動作及びスイッチ操作に基づく制御動作について、図2から図6を参照しながら説明する。
【0045】
本実施例の内視鏡システムは、内視鏡システムに複数の内視鏡であるカメラヘッド12、24が接続されている場合に、接続されている全てのカメラヘッド12、24の各操作スイッチSW1〜SW3に対して同一の機能を割り当てて設定することができ、且つ割り当てられた機能を操作パネル15又は集中表示装置14、26に表示することが可能である。
【0046】
具体的には、システムコントローラ17のCPU31は、電源が投入されると、図5に示すプログラムに基づき各処理を実行する。
例えば、術者が操作パネル33を用いて、カメラスイッチ設定モードを実行すると、CPU31は、図5に示すステップS1の処理により、第1及び第2のカメラヘッド12、24の各操作スイッチSW1〜SW3に対して全て同一の機能を割り付けるように設定処理を行う。
【0047】
この場合、CPU31は、例えば、カメラスイッチ設定モード実行時に、図3に示すカメラスイッチ割り付け操作画面(以下、割り付け操作画面と称す)15Aを、操作パネル15に表示させる。この割り付け操作画面15Aには、第1及び第2のカメラヘッド12、24の各操作スイッチSW1〜SW3に対して全て共通の機能が割り当てる指示を行うための共通割り付けボタン40が設けられている。
【0048】
そして、術者が図3に示す割り付け操作画面15Aの共通割り付けボタン40を押下操作すると、CPU31は、図4に示すような機能の割り付け設定操作画面15Bを、操作パネル15に表示させて、第1及び第2のカメラヘッド12、24の各操作スイッチSW1〜SW3に対して全て共通の機能を選択し設定させる。
【0049】
この割り付け設定操作画面15Bは、例えば、第1及び第2の内視鏡手術システム3、5内の各手術機器の各種機能の一覧を選択可能に表示された機能一覧部42と、この機能一覧部42から、例えばカーソル等を用いて所望する機能を選択し、カメラヘッド12(又は24)の各操作スイッチSW1〜SW3それぞれに選択した機能を割り付けるための割り付け設定表示部41とを有している。
【0050】
例えば、図2及び図4には、第1及び第2のカメラヘッド12、24共通の操作スイッチSW1に気腹装置7による送気開始を設定し、操作スイッチSW2にはホワイトバランス(WB)を設定し、操作スイッチSW3にはVTR10による記録開始(REC)を設定した場合が示されている。
【0051】
このようにして、術者は容易に図4に示す割り付け設定操作画面15Bを用いて全てのカメラヘッドの各操作スイッチSW1〜SW3に対して共通の機能を割り付けて設定することが可能となる。
【0052】
その後、システムコントローラ17のCPU31は、カメラヘッド共通割り付け設定を完了すると、続きステップS2の処理にて、図2及び図4に示すように、全てのカメラヘッド(第1及び第2のカメラヘッド12、24)に共通して割り付けられた、操作スイッチ:送気開始、操作スイッチSW2:WB、操作スイッチSW3:VTR RECを示す設定データを、記憶部33に記憶して、このカメラスイッチ設定処理ルーチンを終了させる。
【0053】
そして、CPU31は、図6に示すカメラスイッチ押下時に対応したプログラムを実行させて、術者による操作スイッチ操作に備える。
【0054】
次に、システムコントローラ17のCPU31によるスイッチ操作に基づく制御動作について、図6を参照しながら説明する。
【0055】
CPU31は、術中、図6に示すプログラムを実行させて、術者による各種操作スイッチSW1〜SW3の操作に備えている。この場合、CPU31は、記憶部33に記憶されて設定データを予め読み出している。
【0056】
そして、CPU31は、まず、ステップS10の判断処理により、供給されている操作信号に基づき、第1のカメラヘッド12の操作スイッチSW1が押下されたか否かを判断する。
【0057】
この場合、第1のカメラヘッド12の操作スイッチSW1が押下されてないものと判断した場合には、処理をステップS11の判断処理に移行し、逆に、操作スイッチSW1が押下されたと判断した場合には、処理をステップS12に移行する。
【0058】
ステップS11の判断処理では、CPU31は、供給されている操作信号に基づき、第2のカメラヘッド24の操作スイッチSW1が押下されたか否かを判断する。
【0059】
この場合、第2のカメラヘッド24の操作スイッチSW1が押下されてないものと判断した場合には、処理をステップS13の判断処理に移行し、逆に、操作スイッチSW1が押下されたと判断した場合には、処理をステップS12に移行する。
【0060】
ステップS12の処理では、第1及び第2のカメラヘッド12、24のそれぞれの操作スイッチSW1が押下された場合であり、CPU31は、読み出された設定データから、共通に割り付けられた操作スイッチSW1の機能が送気開始を示すものであると判断して、送気を開始するように気腹装置7を駆動制御して、処理を終了する。
【0061】
ステップS13の判断処理では、CPU31は、供給されている操作信号に基づき、第1のカメラヘッド12の操作スイッチSW2が押下されたか否かを判断する。
【0062】
この場合、第1のカメラヘッド12の操作スイッチSW2が押下されてないものと判断した場合には、処理をステップS14の判断処理に移行し、逆に、操作スイッチSW2が押下されたと判断した場合には、処理をステップS15に移行する。
【0063】
ステップS14の判断処理では、CPU31は、供給されている操作信号に基づき、第2のカメラヘッド24の操作スイッチSW2が押下されたか否かを判断する。
【0064】
この場合、第2のカメラヘッド24の操作スイッチSW2が押下されてないものと判断した場合には、処理をステップS16の判断処理に移行し、逆に、操作スイッチSW2が押下されたと判断した場合には、処理をステップS15に移行する。
【0065】
ステップS15の処理では、第1及び第2のカメラヘッド12、24のそれぞれの操作スイッチSW2が押下された場合であり、CPU31は、読み出された設定データから、共通に割り付けられた操作スイッチSW2の機能がWBを示すものであると判断して、WBを変更するように第1及び第2のカメラ装置9、22を制御して、処理を終了する。
【0066】
ステップS16の判断処理では、CPU31は、供給されている操作信号に基づき、第1のカメラヘッド12の操作スイッチSW3が押下されたか否かを判断する。
【0067】
この場合、第1のカメラヘッド12の操作スイッチSW3が押下されてないものと判断した場合には、処理をステップS17の判断処理に移行し、逆に、操作スイッチSW3が押下されたと判断した場合には、処理をステップS18に移行する。
【0068】
ステップS17の判断処理では、CPU31は、供給されている操作信号に基づき、第2のカメラヘッド24の操作スイッチSW3が押下されたか否かを判断する。
【0069】
この場合、第2のカメラヘッド24の操作スイッチSW3が押下されてないものと判断した場合には、処理を終了し、逆に、操作スイッチSW3が押下されたと判断した場合には、処理をステップS18に移行する。
【0070】
ステップS18の処理では、第1及び第2のカメラヘッド12、24のそれぞれの操作スイッチSW3が押下された場合であり、CPU31は、読み出された設定データから、共通に割り付けられた操作スイッチSW3の機能がVTR RECを示すものであると判断して、内視鏡画像を録画するようにVTR10を制御して、処理を終了する。
【0071】
したがって、実施例1によれば、内視鏡システムに複数の内視鏡である第1及び第2のカメラヘッド12、24が接続されている場合に、接続されている全ての第1及び第2のカメラヘッド12、24の各操作スイッチSW1〜SW3に対して同一の機能を割り当てて設定することができ、且つ割り当てられた機能を操作パネル15又は集中表示装置14、26に表示することが可能となる。
【0072】
このことにより、術者は、送気開始を行いたいときに、どのカメラヘッドが第1のカメラヘッド12か第2のカメラヘッド24かが認識できなくても、各カメラヘッド12、24の操作スイッチSW1を押下すれば、送気開始動作が実行されるので、誤動作を防止することが可能となる。
また、簡単にスイッチ操作により、割り付けられた機能を実行することができるので、操作スイッチの操作性及び安全性をを向上させることが可能となる。
尚、実施例1において、システムコントローラ17のCPU31は、全てのカメラヘッドの各操作スイッチSW1〜SW3に対して共通の機能を割り付けて設定が確定された設定データに基づく表示については、例えば図4に示すような割り付け設定操作画面15Bを用いて術者に報知するように制御しても良い。また、この表示については、操作パネル15のみではなく、例えば集中表示装置14、26等に表示させても良い。
【0073】
(実施例2)
図7から図17は本発明の実施例2の内視鏡システムに係り、図7は実施例2の内視鏡システムの主要部の電気的な構成を示すブロック図、図8は実施例2の特徴となる制御動作を説明するための説明図、図9はカメラスイッチ設定時における割り付け操作画面の表示例を示す画面表示図、図10は図9の割り付け操作画面の第1のカメラヘッドスイッチ割り付けボタンを押下した場合の割り付け設定操作画面の表示例を示す画面表示図、図11は図9の割り付け操作画面の第2のカメラヘッドスイッチ割り付けボタンを押下した場合の割り付け設定操作画面の表示例を示す画面表示図、図12は集中表示装置に表示される各手術機器の設定情報画面の一例を示す画面表示図、図13は操作スイッチに割り当てられた機能を実行した場合の実行画面の一例を示す画面表示図、図14から図16はシステムコントローラの制御例を示し、図14はカメラスイッチ設定時における処理ルーチンを示すフローチャート、図15は第1のカメラヘッドのスイッチの押下時における処理ルーチンを示すフローチャート、図16は第2のカメラヘッドのスイッチの押下時における処理ルーチンを示すフローチャート、図17はカメラヘッドのスイッチ割り付け画面表示のタイマー処理ルーチンを示すフローチャートである。
【0074】
実施例2の内視鏡システムは、内視鏡システムに複数の内視鏡であるカメラヘッド12、24が接続されている場合に、接続されている第1及び第2のカメラヘッド12、24の各操作スイッチSW1〜SW3に対してそれぞれ異なる機能を割り当てて設定することができ、且つ割り当てられた機能をそれぞれ操作パネル15又は集中表示装置14、26に表示することが可能である。
尚、操作パネル15及び集中表示装置14、26は、報知手段を構成している。
【0075】
具体的には、内視鏡システムの全体構成は、図7に示すように、実施例1と略同様であり、システムコントローラ17のCPU31による制御が異なっている。
【0076】
このような特徴となるシステムコントローラ17によるカメラスイッチ設定動作、スイッチ操作に基づく制御動作及び表示制御動作について、図7から図16を参照しながら説明する。
【0077】
システムコントローラ17のCPU31は、電源が投入されると、図14に示すプログラムに基づき各処理を実行する。
例えば、術者が操作パネル15を用いて、カメラスイッチ設定モードを実行すると、CPU31は、図14に示すステップS20の処理により、まず、第1のカメラヘッド12、の各操作スイッチSW1〜SW3に対して所望の機能を割り付けるように設定処理を行う。
【0078】
この場合、CPU31は、例えば、カメラスイッチ設定モード実行時に、図9に示す割り付け操作画面15Cを、操作パネル15又は集中表示装置14、26に表示させる。この割り付け操作画面15Cには、第1又は第2のカメラヘッド12、24の各操作スイッチSW1〜SW3に対してそれぞれ異なる機能を割り当てる指示を行うためのスイッチ割り付けボタン40a、40bが設けられている。
【0079】
そして、術者が図9に示す割り付け画面15Cの、第1のカメラヘッド12用のスイッチ割り付けボタン40aを押下操作すると、CPU31は、図10に示すような機能の割り付け設定操作画面15Dを、操作パネル15又は集中表示装置14、26に表示させて、第1のカメラヘッド12の各操作スイッチSW1〜SW3に対して所望の機能を選択し設定させる。
【0080】
この場合、第1のカメラヘッド12の各操作スイッチSW1〜SW3に対する機能の選択は、実施例1と同様に、この割り付け設定操作画面15Bの機能一覧部42から、例えばカーソル等を用いて所望する機能を選択し、割り付け設定表示部41に表示されている第1のカメラヘッド12の各操作スイッチSW1〜SW3それぞれに選択した機能を割り付けて設定する。
【0081】
例えば、図7及び図10には、第1のカメラヘッド12の操作スイッチSW1に気腹装置7による送気開始を設定し、操作スイッチSW2にはホワイトバランス(WB)を設定し、操作スイッチSW3にはVTR10による記録開始(REC)を設定した場合が示されている。
【0082】
尚、図10に示すように、割り付け設定操作画面15D内に、他のカメラヘッド同期ボタン43を設け、この他のカメラヘッド同期ボタン43を押下することによって、他のカメラヘッドの各操作スイッチSW1〜SW3に割り付けられている機能を、第1のカメラヘッド12の各操作スイッチSW1〜SW3にそれぞれ割り付けるようにして同期させても良い。このことにより、実施例1と同様に、全てのカメラヘッドの各操作スイッチSW1〜SW3に対して共通した機能が割り付けられることになる。
【0083】
その後、システムコントローラ17のCPU31は、第1のカメラヘッドの割り付け設定を完了すると、続きステップS21の処理にて、図7及び図10に示すように、第1のカメラヘッド12に割り付けられた、操作スイッチ:送気開始、操作スイッチSW2:WB、操作スイッチSW3:VTR RECを示す設定データを、記憶部33に記憶して、続くステップS22の処理に移行する。
【0084】
ステップS22の処理では、第2のカメラヘッド24の各操作スイッチSW1〜SW3に対して機能を割り付け設定を行う。
【0085】
例えば、術者が図9に示す割り付け画面15Cの、第2のカメラヘッド24用のスイッチ割り付けボタン40bを押下操作すると、CPU31は、前記同様に図11に示すような機能の割り付け設定操作画面15Eを、操作パネル15又は集中表示装置14、26に表示させて、第2のカメラヘッド24の各操作スイッチSW1〜SW3に対して所望の機能を選択し設定させる。尚、術者がスイッチ割り付けボタン40bを押下せずとも、自動的に第2のカメラヘッド24の割り付け設定操作画面15Eを表示させて機能の割り付け設定を行っても良い。
この場合、第2のカメラヘッド24の各操作スイッチSW1〜SW3に対する機能の選択は、前記第1のカメラヘッド12と同様に行えば良い。
【0086】
例えば、図7及び図11には、第2のカメラヘッド24の操作スイッチSW1に光源装置8によるライトオンを設定し、操作スイッチSW2には電気メス装置6による切開モードを設定し、操作スイッチSW3には電気メス装置6による凝固モードを設定した場合が示されている。
【0087】
このようにして、術者は容易に図10及び図11に示す割り付け設定操作画面15D、15Eを用いて第1及び第2のカメラヘッド12、24の各操作スイッチSW1〜SW3に対してそれぞれ異なる機能を割り付けて設定することが可能となる。
【0088】
その後、システムコントローラ17のCPU31は、第1及び第2のカメラヘッド12、24のそれぞれ異なる機能の割り付け設定を完了すると、続くステップS23の処理にて、図7及び図11に示すように、第2のカメラヘッド24に割り付けられた、操作スイッチSW1:ライトオン、操作スイッチSW2:電気メス装置切開モード、操作スイッチSW3:電気メス装置凝固モードを示す設定データを、記憶部33に記憶して、このカメラスイッチ設定処理ルーチンを終了させる。
【0089】
そして、CPU31は、図15又は図16に示すカメラスイッチ押下時に対応したプログラムを実行させて、術者による操作スイッチ操作に備える。
【0090】
次に、システムコントローラ17のCPU31によるスイッチ操作に基づく制御動作及び表示制御について、図15から図17を参照しながら説明する。
まず、図15に示す第1のカメラヘッド12に対応する制御動作について説明する。
【0091】
CPU31は、術中、図15に示すプログラムを実行させて、術者による第1のカメラヘッド12の各種操作スイッチSW1〜SW3に対する操作に備えている。この場合、CPU31は、記憶部33に記憶されて設定データを予め読み出している。
【0092】
そして、CPU31は、まず、ステップS30の処理にて第1のカメラヘッド12の操作スイッチSW1が押下されたことを判断すると、ステップS31の判断処理により、操作パネル15又は又は集中表示装置14、26に、図10に示す割り付け設定操作画面15Dのような機能割り付け表示画面が表示されているか否かを判断する。
【0093】
尚、前記機能割り付け表示画面は、割り付け設定操作画面15Dと同様なものでも良く、各操作スイッチSW1〜SW3に割り付けられた機能が認識できれば良い。例えば、図7の第1カメラヘッド12に示すような表示形態で表示しても良い。
【0094】
この場合、第1のカメラヘッド12の機能割り付け表示画面が表示されてないと判断した場合には、処理をステップS33に移行し、逆に、機能割り付け表示画面が表示されていると判断した場合には、処理をステップS12に移行する。
【0095】
ステップS32の処理では、第1のカメラヘッド12の操作スイッチSW1が押下された場合であり、CPU31は、読み出された設定データから、割り付けられた操作スイッチSW1の機能が送気開始を示すものであると判断して、送気を開始するように気腹装置7を駆動制御して、処理を終了する。
【0096】
ステップS33の処理では、CPU31は、操作パネル15又は又は集中表示装置14、26に、機能割り付け表示画面(図7又は図10参照)を表示させて、続くステップS34の処理にて第1のカメラヘッド12の機能割り付け表示画面用の表示タイマをセットする。つまり、表示タイマのカウントを開始させて、処理を終了する。
【0097】
尚、このような図15に示すプログラムは、第1のカメラヘッド12の操作スイッチSW1に対応したものであるが、第1のカメラヘッド12の他の操作スイッチSW2、SW3についても略同様に処理が行われるようになっている。
【0098】
次に、図16に示す第2のカメラヘッド24に対応する制御動作について説明する。
CPU31は、術中、図16に示すプログラムを実行させて、術者による第2のカメラヘッド12の各種操作スイッチSW1〜SW3に対する操作に備えている。この場合、CPU31は、記憶部33に記憶されて設定データを予め読み出している。
【0099】
そして、CPU31は、まず、ステップS40の処理にて第2のカメラヘッド12の操作スイッチSW1が押下されたことを判断すると、ステップS41の判断処理により、操作パネル15又は又は集中表示装置14、26に、図11に示す割り付け設定操作画面15Eのような機能割り付け表示画面が表示されているか否かを判断する。
【0100】
尚、前記機能割り付け表示画面は、前記同様に、割り付け設定操作画面15Eと同様なものでも良く、各操作スイッチSW1〜SW3に割り付けられた機能が認識できれば良い。例えば、図7の第2カメラヘッド24に示すような表示形態で表示しても良い。
【0101】
この場合、第2のカメラヘッド24の機能割り付け表示画面が表示されてないと判断した場合には、処理をステップS43に移行し、逆に、機能割り付け表示画面が表示されていると判断した場合には、処理をステップS42に移行する。
【0102】
ステップS42の処理では、第2のカメラヘッド24の操作スイッチSW1が押下された場合であり、CPU31は、読み出された設定データから、割り付けられた操作スイッチSW1の機能がライトオンを示すものであると判断して、ライトをオンするように光源装置8を駆動制御して、処理を終了する。
【0103】
ステップS43の処理では、CPU31は、操作パネル15又は集中表示装置14、26に、機能割り付け表示画面(図7又は図11参照)を表示させて、続くステップS44の処理にて第2のカメラヘッド24の機能割り付け表示画面用の表示タイマをセットする。つまり、表示タイマのカウントを開始させて、処理を終了する。
【0104】
尚、このような図16に示すプログラムは、第2のカメラヘッド24の操作スイッチSW1に対応したものであるが、第2のカメラヘッド24の他の操作スイッチSW2、SW3についても略同様に処理が行われるようになっている。
【0105】
次に、システムコントローラ17による表示タイマを用いた表示制御動作について、図17を参照しながら説明する。
システムコントローラ17のCPU31は、図15のステップS34又は図16のステップS44の処理を実行すると、図17に示すプログラムを起動する。
【0106】
すなわち、CPU31は、ステップS50の処理にて第1のカメラヘッド12の機能割り付け表示画面用の表示タイマのカウントを開始し、続くステップS51の判断処理にて、この表示タイマのカウント値と予め設定された閾値とで比較を行う。
【0107】
この場合、表示用タイマのカウント値が閾値よりも大きいと判断した場合には、CPU31は、処理をステップS52に移行し、逆に小さいと判断した場合には、処理をステップS53に移行する。
【0108】
ステップS52の処理では、CPU31は、操作パネル15又は集中表示装置14、26に表示されている、第1のカメラヘッド12に基づく機能割り付け表示画面(図7又は図10参照)を消すように機能割り付け表示画面表示を解除し、処理をステップS53に移行する。
【0109】
ステップS53の処理では、CPU31は、第2のカメラヘッド24の機能割り付け表示画面用の表示タイマのカウントを開始し、続くステップS54の判断処理にて、この表示タイマのカウント値と予め設定された閾値とで比較を行う。
【0110】
この場合、表示用タイマのカウント値が閾値よりも大きいと判断した場合には、CPU31は、処理をステップS55に移行し、逆に小さいと判断した場合には、処理を終了する。
【0111】
ステップS55の処理では、CPU31は、操作パネル15又は集中表示装置14、26に表示されている、第2のカメラヘッド24に基づく機能割り付け表示画面(図7又は図11参照)を消すように機能割り付け表示画面表示を解除し、処理を終了する。
【0112】
尚、カメラスイッチ設定時以外の通常時には、例えば、図12に示すような、各手術機器の各種設定情報を表示する設定表示部44を備えた設定情報画面14Aが、操作パネル15又は集中表示装置14、26に表示されるようになっている。このことにより、術者は、各手術機器の設定情報を、予め認識することができる。
【0113】
以上述べたように、このような制御を行うことにより、例えば、図8に示すように、術者が第1のカメラヘッド12の操作スイッチSW1を一回押下することで、図12に示す手術機器の設定情報画面14Aに替えて、第1のカメラヘッド12の機能割り付け表示画面(図8又は図10参照)が表示され、そして、表示中に、その第1のカメラヘッド12の操作スイッチSW1を押下すると、この操作SW1に割り付けられている、送気開始を実行し、つまり、送気を開始するように気腹装置7を駆動制御することが可能となる。
【0114】
その後、操作パネル15又は集中表示装置14、26には、図13に示すような術者に機能実行内容を報知する報知表示部45を備えた機能実行画面15Fが表示される。このことにより、術者は、確実に操作スイッチSW1に割り付けられた機能が実行されたことを認識することができる。
【0115】
また、機能割り付け表示画面の表示後、所定時間後(表示タイマの閾値に応じた設定時間)経過した場合には、操作スイッチSW1の押下がないものと判断して、前記機能割り付け表示画面の表示が解除されて、再び、図12に示すような設定情報画面14Aが表示される。
【0116】
したがって、実施例2によれば、内視鏡システムに複数の内視鏡である第1及び第2のカメラヘッド12、24が接続されている場合に、接続されている第1及び第2のカメラヘッド12、24の各操作スイッチSW1〜SW3に対してそれぞれ異なる機能を割り当てて設定することができ、且つ割り当てられた機能を操作パネル15又は集中表示装置14、26に所定期間表示することが可能となる。また、この割り当てられた機能の表示中のみに、割り付けられている機能を実行することが可能となる。
【0117】
このことにより、術者は、どのカメラヘッドが第1のカメラヘッド12か第2のカメラヘッド24かが認識できなくても、そのカメラヘッドの操作スイッチSWを押下すれば、そのカメラヘッドの操作スイッチSWに割り付けた機能が表示されて識別することができるので、誤動作を防止することが可能となる。
また、簡単にスイッチ操作により、割り付けられた機能を実行することができるので、操作スイッチの操作性及び安全性をを向上させることが可能となる。
【0118】
その他の効果は、前記実施例1と同様である。
【0119】
尚、本発明は、上述した実施例1及び実施例2に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本発明の実施例1の内視鏡システムの全体の構成を示す構成図。
【図2】内視鏡システムの主要部の電気的な構成を示すブロック図。
【図3】カメラスイッチ設定時における割り付け操作画面の表示例を示す画面表示図。
【図4】図3の割り付け画面の共通割り付けボタンを押下した場合の割り付け設定操作画面の表示例を示す画面表示図。
【図5】システムコントローラの制御例を示し、カメラスイッチ設定時における処理ルーチンを示すフローチャート。
【図6】カメラスイッチの押下時における処理ルーチンを示すフローチャート。
【図7】本発明の実施例2に係る内視鏡システムの主要部の電気的な構成を示すブロック図。
【図8】実施例2の特徴となる制御動作を説明するための説明図。
【図9】カメラスイッチ設定時における割り付け操作画面の表示例を示す画面表示図。
【図10】図9の割り付け画面の第1のカメラヘッドスイッチ割り付けボタンを押下した場合の割り付け設定操作画面の表示例を示す画面表示図。
【図11】図9の割り付け画面の第2のカメラヘッドスイッチ割り付けボタンを押下した場合の割り付け設定操作画面の表示例を示す画面表示図。
【図12】集中表示装置に表示される各手術機器の設定情報画面の一例を示す画面表示図。
【図13】操作スイッチに割り当てられた機能を実行した場合の実行画面の一例を示す画面表示図。
【図14】システムコントローラの制御例を示し、カメラスイッチ設定時における処理ルーチンを示すフローチャート。
【図15】第1のカメラヘッドのスイッチの押下時における処理ルーチンを示すフローチャート。
【図16】第2のカメラヘッドのスイッチの押下時における処理ルーチンを示すフローチャート。
【図17】スイッチ割り付け画面表示のタイマー処理ルーチンを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0121】
1…内視鏡手術室、
3…第1の内視鏡手術システム、
5…第2の内視鏡手術システム、
6…電気メス装置、
7…気腹装置、
8…光源装置、
9…第1のカメラ装置、
9A…通信部、
12…第1のカメラヘッド、
12A…操作部、
13…内視鏡表示パネル、
14…集中表示装置、
14A…設定情報画面、
15A、15C…割り付け操作画面、
15B…設定操作画面、
15D、15E…設定操作画面、
15F…機能実行画面、
15…操作パネル、
16…表示パネル、
17…システムコントローラ、
21…光源装置、
22…第2のカメラ装置、
22A…通信部、
23…超音波凝固切開処置、
24…第2のカメラヘッド、
24A…操作部、
25…表示装置、
26…集中表示装置、
27…中継ユニット、
32…通信部、
33…記憶部、
33…操作パネル、
40a、40b…スイッチ割り付けボタン、
41…設定表示部、
42…機能一覧部、
43…カメラヘッド同期ボタン、
44…設定表示部、
45…報知表示部、
SW1〜SW3…操作スイッチ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作スイッチを備えた少なくとも2つ以上の内視鏡をそれぞれ接続する接続手段と、
前記少なくとも2つ以上の内視鏡の各操作スイッチに割り当てる機能を設定する機能設定手段と、
前記機能設定手段により設定された機能を、前記少なくとも2つ以上の内視鏡の各操作スイッチにそれぞれ対応づけて記録する設定記録手段と、
前記少なくとも2つ以上の前記内視鏡の各操作スイッチのいずれかの操作スイッチが操作された際に、前記設定記録手段に記録された設定データに基づいて、前記機能を実行するように制御する制御手段と、
を具備したことを特徴とする内視鏡システム。
【請求項2】
第1の操作スイッチを備えた第1の内視鏡を接続する第1の接続手段と、
第2の操作スイッチを備えた第2の内視鏡を接続する第2の接続手段と、
前記第1の操作スイッチ及び第2の操作スイッチに割り当てる機能を設定する機能設定手段と、
前記機能設定手段により設定された機能を、前記第1の操作スイッチ及び前記第2の操作スイッチにそれぞれ対応づけて記録する設定記録手段と、
前記第1の操作スイッチ又は前記第2の操作スイッチが操作された際に、前記設定記録手段に記録された設定データに基づいて、前記機能を実行するように制御する制御手段と、
を具備したことを特徴とする内視鏡システム。
【請求項3】
前記第1の内視鏡に設けられる第3の操作スイッチと、
前記第2の内視鏡に設けられる第4の操作スイッチと、
を有し、
前記機能設定手段は、前記第1の操作スイッチ及び前記第2の操作スイッチに割り付ける第1の機能と、前記第3の操作スイッチ及び前記第4の操作スイッチに割り付ける第2の機能とをそれぞれ設定可能であり、
前記制御手段は、前記第1の操作スイッチ又は前記第2の操作スイッチが操作された際には前記第1の機能を実行し、前記第3の操作スイッチ又は前記第4の操作スイッチが操作された際には前記第2の機能を実行するように制御することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡システム。
【請求項4】
前記操作スイッチに割り当てられた機能を報知する報知手段を有し、
前記制御手段は、前記操作スイッチが操作された際に、前記設定記録手段により記録された前記設定データより、前記操作スイッチに割り付けられた機能を抽出し、前記報知手段により通知すると共に、さらに、前記操作スイッチが操作された後に、前記割り付けられた機能を実行することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の内視鏡システム。
【請求項1】
操作スイッチを備えた少なくとも2つ以上の内視鏡をそれぞれ接続する接続手段と、
前記少なくとも2つ以上の内視鏡の各操作スイッチに割り当てる機能を設定する機能設定手段と、
前記機能設定手段により設定された機能を、前記少なくとも2つ以上の内視鏡の各操作スイッチにそれぞれ対応づけて記録する設定記録手段と、
前記少なくとも2つ以上の前記内視鏡の各操作スイッチのいずれかの操作スイッチが操作された際に、前記設定記録手段に記録された設定データに基づいて、前記機能を実行するように制御する制御手段と、
を具備したことを特徴とする内視鏡システム。
【請求項2】
第1の操作スイッチを備えた第1の内視鏡を接続する第1の接続手段と、
第2の操作スイッチを備えた第2の内視鏡を接続する第2の接続手段と、
前記第1の操作スイッチ及び第2の操作スイッチに割り当てる機能を設定する機能設定手段と、
前記機能設定手段により設定された機能を、前記第1の操作スイッチ及び前記第2の操作スイッチにそれぞれ対応づけて記録する設定記録手段と、
前記第1の操作スイッチ又は前記第2の操作スイッチが操作された際に、前記設定記録手段に記録された設定データに基づいて、前記機能を実行するように制御する制御手段と、
を具備したことを特徴とする内視鏡システム。
【請求項3】
前記第1の内視鏡に設けられる第3の操作スイッチと、
前記第2の内視鏡に設けられる第4の操作スイッチと、
を有し、
前記機能設定手段は、前記第1の操作スイッチ及び前記第2の操作スイッチに割り付ける第1の機能と、前記第3の操作スイッチ及び前記第4の操作スイッチに割り付ける第2の機能とをそれぞれ設定可能であり、
前記制御手段は、前記第1の操作スイッチ又は前記第2の操作スイッチが操作された際には前記第1の機能を実行し、前記第3の操作スイッチ又は前記第4の操作スイッチが操作された際には前記第2の機能を実行するように制御することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡システム。
【請求項4】
前記操作スイッチに割り当てられた機能を報知する報知手段を有し、
前記制御手段は、前記操作スイッチが操作された際に、前記設定記録手段により記録された前記設定データより、前記操作スイッチに割り付けられた機能を抽出し、前記報知手段により通知すると共に、さらに、前記操作スイッチが操作された後に、前記割り付けられた機能を実行することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の内視鏡システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2008−161569(P2008−161569A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−356335(P2006−356335)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】
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