説明

内視鏡用撮像装置

【課題】内視鏡をその挿入部の軸周りに回転させてもカメラヘッド本体が自重によって常に一定の姿勢に保持され、またリモコン部の操作によって静止画像を撮る際の画像のぶれを防止できる内視鏡用撮像装置を提供する。
【解決手段】体腔内に挿入される挿入部としてのシース12と、このシース12の基端部に該シース12の軸周りと直交する方向に連結され、前記軸周りを回転軸心として回転自在で、この回転軸心より下位に重心を有するカメラヘッド本体23と、このカメラヘッド本体23から下方に延長した位置に設けられたリモコン部41とを具備したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体腔内に挿入する挿入部の基端部に接続され、体腔内を撮像するカメラヘッドを備えた内視鏡用撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療用の内視鏡において、体腔内に挿入する挿入部に基端部に設けられた把持部にはハンドスイッチを着脱自在に設け、体腔内を観察中に把持部に設けられたハンドスイッチの操作ボタンを操作することにより、コントロールユニットを遠隔操作して光源装置、カラーモニタ、VTR等を制御することができる内視鏡装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、内視鏡の接眼部にカメラアダプタを介してカメラヘッドを着脱可能に設け、カメラヘッドにプッシュスイッチを設け、特許文献1と同様に、プッシュスイッチを操作することにより、コントロールユニットを遠隔操作して光源装置、カラーモニタ、VTR等を制御することができる内視鏡装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
さらに、内視鏡の挿入部の軸方向と直交する方向で、しかも鉛直方向にカメラヘッドを設け、さらに内視鏡の接眼部に対して内視鏡接続部を介してカメラヘッドを内視鏡の挿入部の軸周りに回転自在に設けたものも知られている(例えば、特許文献3参照。)。この特許文献3は、内視鏡の接眼部に固定される内視鏡接続部とカメラヘッドとが挿入部の軸周りに回転自在に構成され、内視鏡の操作時に、挿入部をその軸周りに回転してもカメラヘッドとは回転自在に連結されているため、カメラヘッドは鉛直方向の姿勢に保持され、TVモニタに正立した内視鏡像が映し出されるように構成されている。
【0005】
さらに、特許文献3に示す、内視鏡用撮像装置において、カメラヘッドにビームスプリッタまたは三角プリズムからなる光軸変向手段を設け、内視鏡の光軸に対してカメラヘッドの光軸がずれてもTVモニタには正立した内視鏡像が映し出されるように構成したものも知られている(例えば、特許文献4参照。)。
【特許文献1】特開平8−15614号公報
【特許文献2】特開平7−116113号公報
【特許文献3】特開2001−17388号公報
【特許文献4】特開2000−227559号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1は、観察中に術者が把持部を把持しながら操作ボタンを操作してコントロールユニットを遠隔操作できるようになっているが、操作ボタンの操作時の操作力によって把持部が動き、特に撮影のための操作ボタンを押して静止画像を撮る際に画像がぶれる虞がある。
【0007】
特許文献2は、内視鏡の接眼部に内視鏡の挿入部の軸方向にカメラアダプタを介してカメラヘッドを接続した構成であり、内視鏡の操作部が大型化するとともに重くなり、内視鏡の操作性が悪いという問題がある。
【0008】
特許文献3,4は、内視鏡の挿入部の軸方向と直交する方向で、しかも内視鏡の接眼部にカメラヘッドが内視鏡の挿入部の軸周りに回転自在に接続された構造であるが、内視鏡接続部とカメラヘッドとの回転部に摩擦があるため、内視鏡をその挿入部の軸周りに回転させたとき、カメラヘッドとの回転部が円滑に滑動せず、カメラヘッドが内視鏡接続部と一緒に斜めに回動した後にカメラヘッドの自重によって鉛直方向に復帰する動作を繰り返し、回転部が断続的に回転する虞がある。したがって、カメラヘッドが衝撃によって振動し、観察中の動画がぶれたり、静止画像を撮る際に画像がぶれる虞がある。
【0009】
本発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、内視鏡をその挿入部の軸周りに回転させてもカメラヘッド本体が自重によって常に一定の姿勢に保持されるとともに、カメラコントロールユニットを遠隔制御するリモコン部の操作時に、操作力によって内視鏡が動くことはなく、静止画像を撮る際の画像のぶれを防止できる内視鏡用撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記目的を達成するために、請求項1は、体腔内に挿入される挿入部と、前記挿入部の基端部に該挿入部の軸周りと直交する方向に連結され、前記軸周りを回転軸心として回転自在で、この回転軸心より下位に重心を有するカメラヘッド本体と、前記カメラヘッド本体から下方に延長した位置に設けられたリモコン部とを具備したことを特徴とする内視鏡用撮像装置にある。
【0011】
請求項2は、請求項1の前記カメラヘッド本体は、前記回転軸心と略直角に下方へ延長するカメラヘッド筐体を有し、このカメラヘッド筐体の下端部から延長した位置に前記リモコン部が設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項3は、請求項1の前記カメラヘッド本体の下端部にはカメラコントロールユニットに接続されるカメラケーブルが接続され、このカメラケーブルの途中には前記リモコン部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項4は、請求項1の前記リモコン部は、前記カメラコントロールユニットに接続されるコントロールケーブルに設けられ、前記リモコン部は前記カメラケーブルの途中に着脱可能に設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項5は、請求項1の前記リモコン部は、前記カメラヘッド本体から導出されたコントロールケーブルに接続されていることを特徴とする。
【0015】
請求項6は、請求項1の前記カメラケーブルは、スイッチ手段を有するリモコン部を介して中継され、前記カメラケーブルに内装された映像信号線、スイッチ操作信号線のうち、前記映像信号線は前記リモコン部を貫通し、前記スイッチ操作信号線は前記スイッチ手段に接続されていることを特徴とする。
【0016】
請求項7は、請求項1の前記カメラケーブルに内装された前記映像信号線は、前記リモコン部の内部に設けたシールド部材で覆われていることを特徴とする。
【0017】
請求項8は、請求項6の前記カメラケーブルは、シールド線で被覆され、このシールド線は前記リモコン部の内部に設けられたシールド部材で接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、内視鏡をその挿入部の軸周りに回転させてもカメラヘッド本体が常に一定の姿勢に保持されるとともに、カメラコントロールユニットを遠隔制御するリモコン部の操作時に、操作力によって内視鏡が動くことはなく、動画のぶれや静止画像を撮る際の画像のぶれを防止できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1〜図3は第1の実施形態を示し、図1はレゼクトスコープに適用した内視鏡用撮像装置の構成図、図2はカメラヘッド本体の縦断側面図、図3はリモコン部の縦断側面図である。
【0021】
図1に示すように、硬性内視鏡としてのレゼクトスコープ11は体腔内に挿入される挿入部としてのシース12が設けられている。シース12内には光学視管13の先端側部分とレゼクト電極部材14の先端側部分が並列に挿入配置されている。シース12の手元側端部には把持用ハンドル15が設けられている。レゼクト電極部材14はシース12の手元側端部に設けられたスライド操作部材16に連結されている。
【0022】
スライド操作部材16には進退操作用の指掛け操作ハンドル17が設けられ、この指掛け操作ハンドル17に指を掛けてスライド操作部材16を進退する操作を行うことにより、レゼクト電極部材14を進退し、高周波電流によって生体組織を切開する処置を行うようになっている。スライド操作部材16の上端部には高周波電源(図示しない)に通じる高周波電源コード18を接続するための電源コネクタ19が設けられている。
【0023】
前記光学視管13の手元側端部から照明用光源装置(図示しない)からのライトガイドケーブル20を接続する光源コネクタ21が設けられている。また、光学視管13の手元側端部には接眼レンズ22aを備えた接眼部22が設けられ、この接眼部22は後方側が拡径されるテーパ状に形成されている。そして、この接眼部22には後述するカメラヘッド本体23が着脱可能に装着されている。
【0024】
カメラヘッド本体23は、カメラヘッド筐体24と、このカメラヘッド筐体24に収納された撮像光学系25とから構成されている。カメラヘッド筐体24は略円筒状に形成され、内部には光軸変向手段としてのプリズム26、複数枚のレンズからなる結像光学系27、フィルター28およびCCD等の撮像素子29が設けられている。
【0025】
カメラヘッド筐体24の上端部における側面には円筒状の突出部24aが設けられ、この突出部24aの外周面には環状溝30が設けられている。この環状溝30にはカメラヘッド本体23を接眼部22に装着するためのマウント部材31が回転自在に嵌合接続されている。すなわち、環状溝30にはマウント部材31が円滑に回転するように僅かな隙間が設けられ、マウント部材31に対してカメラヘッド本体23のフリーローテーションが可能である。マウント部材31には接眼部22に嵌合する装着穴32が設けられ、この装着穴32の内周面には接眼部22の外周部と係止する係止突起33が形成されている。
【0026】
したがって、カメラヘッド本体23はマウント部材31を介して光学視管13の接眼部22に対し、光学視管13の軸周り、つまり光軸L1を軸心として回転自在である。さらに、光軸L1上にはカメラヘッド本体23の内部のプリズム26が位置し、撮像光学系25の光軸L2は、光学視管13の光軸L1と直交している。すなわち、撮像光学系25の光軸L2はカメラヘッド本体23における中心部に鉛直方向に延び、最上部のプリズム26から下方に向かって結像光学系27、フィルター28および撮像素子29が順次配置されている。したがって、カメラヘッド本体23の重心Oは、光軸L1(カメラヘッド本体23の回転軸心)より下方に位置し、光学視管13の軸心周りの回転に関係なく、カメラヘッド本体23が光軸L1を中心として回転して常に鉛直方向(光軸L2が垂直方向)の姿勢になるように構成されている。
【0027】
さらに、撮像素子29には映像信号線34の一端部が接続され、この映像信号線34はカメラケーブル35を介してカメラコントロールユニット36に接続されている。カメラコントロールユニット36にはTVモニタ37が接続され、撮像素子29から送信された内視鏡像が映し出されるようになっている。
【0028】
カメラケーブル35は、図3に示すように、その外周がネット状の総合シールド線38で覆われ、さらに総合シールド線38の外周は絶縁被膜39によって被覆されている。したがって、映像信号線34は総合シールド線38によってシールドされている。さらに、カメラケーブル35はカメラヘッド筐体24の下端部から導出され、この導出部には折れ止め管40が嵌合されている。
【0029】
また、カメラケーブル35の途中で、しかもカメラヘッド本体23の近傍にはリモコン部41が設けられている。すなわち、術者が光学視管13の把持用ハンドル15を一方の手で把持し、他方の手でリモコン部41を操作しやすいように、リモコン部41はカメラケーブル35の近傍に設けられており、しかもリモコン部41の操作時に加わる操作力によってリモコン部41が動いてもその動きがカメラケーブル35によって吸収され、カメラヘッド本体23に伝わらないようになっている。
【0030】
次に、リモコン部41について説明すると、図3に示すように構成されている。リモコンケーシング41aは例えばアルミニウム等の軽量金属によって円筒状に形成され、両端部には開口部41b,41cが設けられている。リモコンケーシング41aの内部にはその軸方向に例えばアルミニウム等の軽量金属によって円筒状に形成されたシールド部材としてのシールド筒体42が挿入されている。
【0031】
シールド筒体42の外周部にはプリント基板42aが固定され、このプリント基板42aには複数個のタクトスイッチ43aが間隔を存して配置されている。これらタクトスイッチ43aに対向するリモコンケーシング41aには術者の手指で操作されるスイッチ手段としての複数個のプッシュスイッチ44が設けられている。さらに、シールド筒体42の一端部における外周部にはフランジ部45および位置決めビス46が設けられ、内周部には雌ねじ部47が設けられている。
【0032】
シールド筒体42にはカメラケーブル35が挿通されており、このカメラケーブル35のシールド筒体42に覆われた部分は、総合シールド線38および絶縁被膜39が剥離され、映像信号線34および映像信号線34とともに総合シールド線38に覆われた操作信号線48が露出されている。すなわち、カメラケーブル35の途中には総合シールド線38および絶縁被膜39を破断した部分が設けられ、映像信号線34はシールド筒体42を軸方向に貫通(スルー)しているが、操作信号線48は破断端部35aからシールド筒体42から導出され、シールド筒体42の一部に設けられた透孔44aを挿通してプリント基板42aに半田付け接続されている。
【0033】
さらに、シールド筒体42の一端部にはカメラケーブル35に嵌合するケーブル固定管49が設けられ、このケーブル固定管49の一端部には雄ねじ部50が、他端部にはカメラケーブル35に密着するOリング51が設けられている。さらに、ケーブル固定管49の中間部には環状溝52が設けられているとともに、径方向に固定ビス53が螺合され、ケーブル固定管49の内部に挿入されたフェルール等のかしめ管54を固定するようになっている。
【0034】
かしめ管54は円筒状で、カメラケーブル35の破断端部35aに嵌合されている。カメラケーブル35の破断端部35aは絶縁被膜39が剥離されて総合シールド線38が露出され、露出された総合シールド線38にかしめ管54が接触している。かしめ管54は固定ビス53によって総合シールド線38に押付けられており、電気的に導通状態に接続され、固定ビス53はケーブル固定管49に螺合された抜け止めリング55で抜け止めされている。さらに、ケーブル固定管49とカメラケーブル35に亘って折れ止め管56が嵌合され、この折れ止め管56の基端部は環状溝52に係合されている。
【0035】
また、前記シールド筒体42の一端部における外周部には押え管体57が嵌合され、この押え管体57の基端部にはシールド筒体42のフランジ部45と係合する係合段部58およびリモコンケーシング41aの内周面に密接するOリング59が設けられている。押え管体57の先端部における内周面には雌ねじ部60が形成され、この雌ねじ部60には折れ止め管56を締め付けるテーパ部61を有する締付けリング62がねじ込み固定されている。
【0036】
さらに、シールド筒体42の他端部にはケーブル固定管63が一体に設けられている。ケーブル固定管63にはシールド筒体42の一端部のケーブル固定管49と同様に、一端側には雄ねじ部64が、他端側にはカメラケーブル35に密着するOリング65が設けられている。さらに、ケーブル固定管63の中間部には環状溝66が設けられているとともに、径方向に固定ビス67が螺合され、ケーブル固定管63の内部に挿入されたフェルール等のかしめ管68を固定するようになっている。
【0037】
かしめ管68は円筒状で、カメラケーブル35の破断端部35aに嵌合されている。カメラケーブル35の破断端部35aは絶縁被膜39が剥離されて総合シールド線38が露出され、露出された総合シールド線38にかしめ管68が接触している。かしめ管68は固定ビス67によって総合シールド線38に押付けられており、固定ビス67はケーブル固定管63に螺合された抜け止めリング69で抜け止めされている。さらに、ケーブル固定管63とカメラケーブル35に亘って折れ止め管70が嵌合され、この折れ止め管70の基端部は環状溝66に係合されている。
【0038】
また、前記リモコンケーシング41aの開口部41cの内周面には雌ねじ部71が形成され、この雌ねじ部71には折れ止め管70を締め付けるテーパ部72を有する締付けリング73がねじ込み固定されている。さらに、締付けリング73にはリモコンケーシング41aの内周面に密接するOリング74およびリモコンケーシング41aの端面に当接する鍔部75が設けられている。
【0039】
このように構成されたリモコン部41は、カメラヘッド本体23に接続されたカメラケーブル35の途中に設けられているため、リモコン部41が錘(バランサー)の役目を果す。したがって、光学視管13をその軸周りに回転しても、マウント部材31に対して環状溝30で円滑に回転し、カメラヘッド本体23が一緒に回転することはなく、カメラヘッド本体23の鉛直方向の姿勢を維持できる。
【0040】
さらに、リモコン部41のプッシュスイッチ44を術者が手指によって操作した際にリモコン部41が動いても、その動きはカメラケーブル35によって吸収される。したがって、光学視管13およびカメラヘッド本体23に動きが伝達されることはなく、静止画像を撮る際の画像のぶれを防止できる。
【0041】
また、リモコン部41がカメラケーブル35の途中に設けられているが、映像信号線34はシールド筒体42で周囲が覆われているため、EMC(電磁環境適合性)が有利である。さらに、映像信号線34は基板等の中継機器を介することなく、シールド筒体42を貫通しているため、映像信号の劣化がなく、またインピーダンスに影響を及ぼすことはなく、リード線を接続する半田付け箇所も少なくなり、組立て工数を削減できる。
【0042】
さらに、カメラヘッド本体23とリモコン部41を分離することにより、カメラヘッド本体23が小型化、軽量化され、取り扱いが容易となる。
【0043】
図4は第2の実施形態を示し、第1の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。本実施形態のカメラヘッド本体23のカメラヘッド筐体24から導出され、映像信号線34が内装されたカメラケーブル35はカメラコントロールユニット36に接続されている。
カメラコントロールユニット36にはリモコンケーブル81の基端部が接続され、このリモコンケーブル81の先端部には基本的には第1の実施形態と同一構造のリモコン部41が接続されている。リモコン部41のプッシュスイッチ44と反対側の基部にはクランプ部材82が設けられている。このクランプ部材82は合成樹脂またはゴム材料からなる管状体で、一部に切り込みを有する形状であり、カメラケーブル35の任意の途中に嵌着して支持できるようになっている。
【0044】
本実施形態によれば、リモコン部41は、カメラヘッド本体23に接続されたカメラケーブル35の途中で、術者の好みで任意に位置に支持できる。しかも、リモコン部41が錘(バランサー)の役目を果し、光学視管13をその軸周りに回転しても、マウント部材31に対して環状溝30で円滑に回転し、カメラヘッド本体23が一緒に回転することはなく、カメラヘッド本体23の鉛直方向の姿勢を維持できる。
【0045】
さらに、リモコン部41のプッシュスイッチ43bを術者が手指によって操作した際にリモコン部41が動いても、その動きはカメラケーブル35によって吸収される。したがって、光学視管13およびカメラヘッド本体23に動きが伝達されることはなく、静止画像を撮る際の画像のぶれを防止できる。
【0046】
図5は第3の実施形態を示し、第1の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。本実施形態のカメラヘッド本体23のカメラヘッド筐体24から導出され、映像信号線34が内装されたカメラケーブル35はカメラコントロールユニット36に接続されている。さらに、カメラヘッド筐体24の側部にはリモコンケーブル83の基端部が接続され、このリモコンケーブル83の先端部には基本的には第1および第2の実施形態と同一構造のリモコン部41が接続されている。
【0047】
本実施形態によれば、リモコン部41は、カメラヘッド筐体24に接続されたリモコンケーブル83の長さを術者の好みで任意に設定できる。しかも、リモコン部41が錘(バランサー)の役目を果し、光学視管13をその軸周りに回転しても、マウント部材31に対して環状溝30で円滑に回転し、カメラヘッド本体23が一緒に回転することはなく、カメラヘッド本体23の姿勢を維持できる。
【0048】
さらに、リモコン部41のプッシュスイッチ44を術者が手指によって操作した際にリモコン部41が動いても、その動きはリモコンケーブル83によって吸収される。したがって、光学視管13およびカメラヘッド本体23に動きが伝達されることはなく、静止画像を撮る際の画像のぶれを防止できる。
【0049】
なお、前記各実施形態においては、内視鏡として光学視管について説明したが、各種硬性内視鏡および軟性内視鏡にも適用できることは勿論である。また、リモコン部に設けられるスイッチは、プッシュスイッチに限らず、切換え式、ジョイステック式、ダイヤル式でもよく、タクトスイッチに限らず、磁気センサ式、フォトセンサ式でもよい。
【0050】
なお、本発明は、前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第1の実施形態を示し、内視鏡用撮像装置の構成図。
【図2】同実施形態を示し、カメラヘッド本体の縦断側面図。
【図3】同実施形態を示し、リモコン部の縦断側面図。
【図4】本発明の第2の実施形態を示し、内視鏡用撮像装置の構成図。
【図5】本発明の第3の実施形態を示し、内視鏡用撮像装置の構成図。
【符号の説明】
【0052】
11…レゼクトスコープ(挿入部)、23…カメラヘッド本体、35…カメラケーブル、41…リモコン部、44…プッシュスイッチ(スイッチ手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体腔内に挿入される挿入部と、
前記挿入部の基端部に該挿入部の軸周りと直交する方向に連結され、前記軸周りを回転軸心として回転自在で、この回転軸心より下位に重心を有するカメラヘッド本体と、
前記カメラヘッド本体から下方に延長した位置に設けられたリモコン部と、
を具備したことを特徴とする内視鏡用撮像装置。
【請求項2】
前記カメラヘッド本体は、前記回転軸心と略直角に下方へ延長するカメラヘッド筐体を有し、このカメラヘッド筐体の下端部から延長した位置に前記リモコン部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用撮像装置。
【請求項3】
前記カメラヘッド本体の下端部にはカメラコントロールユニットに接続されるカメラケーブルが接続され、このカメラケーブルの途中には前記リモコン部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用撮像装置。
【請求項4】
前記リモコン部は、前記カメラコントロールユニットに接続されるコントロールケーブルに設けられ、前記リモコン部は前記カメラケーブルの途中に着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用撮像装置。
【請求項5】
前記リモコン部は、前記カメラヘッド本体から導出されたコントロールケーブルに接続されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用撮像装置。
【請求項6】
前記カメラケーブルは、スイッチ手段を有するリモコン部を介して中継され、前記カメラケーブルに内装された映像信号線、スイッチ操作信号線のうち、前記映像信号線は前記リモコン部を貫通し、前記スイッチ操作信号線は前記スイッチ手段に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用撮像装置。
【請求項7】
前記カメラケーブルに内装された前記映像信号線は、前記リモコン部の内部に設けたシールド部材で覆われていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用撮像装置。
【請求項8】
前記カメラケーブルは、シールド線で被覆され、このシールド線は前記リモコン部の内部に設けられたシールド部材で接続されていることを特徴とする請求項6に記載の内視鏡用撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−233173(P2009−233173A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−84535(P2008−84535)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】