説明

再生可能エネルギー発電システムおよび発電方法

【課題】再生可能エネルギー発電システムを提供する。
【解決手段】再生可能エネルギー発電システムであって、DC電源を発生する少なくとも1つの再生可能エネルギー発電機、前記再生可能エネルギー発電機に接続され、商用電源に基づいて前記DC電源をAC電源に変換する少なくとも1つのマイクロインバータ、および前記マイクロインバータに接続された無停電電源装置を含み、前記無停電電源装置は、前記商用電源が切断されたとき、参照電圧を前記マイクロインバータに提供するため、前記無停電電源装置によって発生された前記参照電圧に基づいて、前記マイクロインバータが前記AC電源を少なくとも1つの負荷に継続的に提供する再生可能エネルギー発電システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生可能エネルギー発電システムに関し、特に、グリッド接続のエネルギー発電システムおよび発電方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
再生可能エネルギーは、世界の電力の小さな部分しか占めないが、限られた化石燃料および化石燃料の環境に対する悪影響のため、再生可能エネルギー技術の発展の重要性を増大させている。よって、再生可能エネルギーは化石燃料に取って代わることが可能になる。
【0003】
一般的に、現在の再生可能エネルギー発電システムは、グリッド接続のエネルギー発電システムである。太陽光発電システムの種類は、2つのエネルギー発電システムに分けられることができる。エネルギー発電システムの1つは、集中型太陽光発電システムであり、もう1つは、分散型太陽光発電システムである。集中型太陽光発電システムに比べ、分散型太陽光発電システムは、信頼性、耐候性、および拡張性が優れている。しかしながら、集中型太陽光発電システムおよび分散型太陽光発電システムは、なんらかの外部要因により正常に電力供給をすることができないことがある。よって、現在の設計上の欠点を克服する新規なエネルギー発電システムが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2010−527570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は再生可能エネルギー発電システムおよび発電方法を提供する。
【0006】
グリッド接続のエネルギー発電システムの問題は、参照電圧の基礎となる商用電源が切断されたとき(例えば、停電の場合に)、太陽光発電システムが電力の提供を停止することである。この問題を解決するために、本発明は、商用電源が切断されたとき、無停電電源装置を用いて参照電圧をマイクロインバータに提供するため、太陽光発電システムが電力の提供を停止することを防ぐ。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の問題を考慮して、本発明は、少なくとも1つの再生可能エネルギー発電機と、少なくとも1つのマイクロインバータと、無停電電源装置とを含む再生可能エネルギー発電システムの実施形態を提供する。再生可能エネルギー発電機は、DC電源電圧を発生する。マイクロインバータは、再生可能エネルギー発電機に接続され、商用電源に基づいてDC電源電圧をAC電源電圧に変換する。無停電電源装置は、マイクロインバータに接続され、商用電源が切断されたとき、無停電電源装置が参照電圧をマイクロインバータに提供するため、無停電電源装置によって発生された参照電圧に基づいて、マイクロインバータがAC電源電圧を少なくとも1つの負荷に継続的に提供する。
【0008】
本発明は、少なくとも1つの再生可能エネルギー発電機と、少なくとも1つのマイクロインバータと、無停電電源装置とを有する再生可能エネルギー発電システムを用いた発電方法を更に提供する。この発電方法は、マイクロインバータに提供された商用電源を検出するステップと、商用電源が切断されたとき、参照電圧をマイクロインバータに提供するステップと、参照電圧に基づいて、マイクロインバータによって再生可能エネルギー発電機で発生されたDC電源電圧をAC電源電圧に継続的に変換するステップとを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の再生可能エネルギー発電システムおよび発電方法によれば、商用電源が切断されたとき、無停電電源装置を用いて参照電圧をマイクロインバータに提供するため、再生可能エネルギー発電システムが電力の供給を停止することを防ぐことができる。
【0010】
本発明は、添付の図面と併せて後に続く詳細な説明と実施例を解釈することによって、より完全に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の再生可能エネルギー発電システムの概略図である。
【図2】本発明の再生可能エネルギー発電システムの実施形態を示す図である。
【図3】再生可能エネルギー発電システム100を用いた本発明の発電方法のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明は、本発明を実施する好適な実施形態が開示されている。この説明は、本発明の一般原理を例示する目的のためのもので本発明を限定するものではない。本発明の範囲は、添付の請求の範囲を参考にして決定される。
【0013】
図1は、本発明の再生可能エネルギー発電システムの概略図を表している。図1に示されるように、再生可能エネルギー発電システム100は、商用電源UPに基づいてAC電源電圧を発生する。再生可能エネルギー発電システム100は、少なくとも1つのマイクロインバータM1またはM2と、少なくとも1つの再生可能エネルギー発電機G1またはG2と、無停電電源装置UPSと、スイッチングユニットSW1およびSW2とを含み、マイクロインバータおよび再生可能エネルギー発電機の数は、説明用に提供されるが、限定されるものではない。また、再生可能エネルギー発電機G1またはG2は、マイクロインバータM1またはM2にそれぞれ接続され、マイクロインバータM1またはM2が再生可能エネルギー発電機G1またはG2によって発生されたDC電源電圧をAC電源電圧に変換するため、AC電源電圧を少なくとも1つの負荷(例えば負荷L1〜L3)に提供する。負荷L1〜L3は、例えば、ランプ、テレビ、またはコンピュータの任意の電子装置であり得る。本発明の実施形態では、再生可能エネルギー発電機G1またはG2は、風力タービン、または太陽光発電機であるが、これに限定されるものではない。どの再生可能エネルギーの装置も本発明の再生可能エネルギー発電機であることができる。一般的に、マイクロインバータM1〜M2は、商用電源UPに基づいてDC電源電圧をAC電源電圧に変換する。よって、従来技術では、マイクロインバータM1〜M2は、商用電源UPが切断されたとき、DC電源電圧をAC電源電圧に変換することができなかった。
【0014】
スイッチングユニットSW1は、無停電電源装置UPSの入力端子とマイクロインバータM1およびM2との間に接続され、スイッチングユニットSW2は、無停電電源装置UPSの出力端子とマイクロインバータM1およびM2との間に接続されるため、商用電源UPが切断されたとき、参照電圧RVがマイクロインバータM1〜M2に提供され、よって、マイクロインバータM1〜M2は、無停電電源装置UPSによって発生された参照電圧RVに基づいて、AC電源を負荷L1〜L3に提供する。この参照電圧RVは、正弦波電圧である。
【0015】
具体的に言えば、商用電源UPが正常に提供されたとき、スイッチングユニットSW1は、閉回路状態で動作し、スイッチングユニットSW2は、開回路状態で動作するため、マイクロインバータM1およびM2によって発生されたAC電源および/または商用電源UPが無停電電源装置UPSに充電をする。商用電源UPが切断されたとき、スイッチングユニットSW1は、開回路状態で動作し、スイッチングユニットSW2は、閉回路状態で動作するため、無停電電源装置UPSがスイッチングユニットSW2によって参照電圧RVをマイクロインバータM1およびM2に提供する。よって、マイクロインバータM1およびM2は、参照電圧RVに基づいてDC電源電圧をAC電源電圧に継続的に変換し、AC電源電圧を負荷L1〜L3に提供する。
【0016】
図2は、本発明の再生可能エネルギー発電システムの実施形態を表している。図2に表されているように、再生可能エネルギー発電機G1およびG2は、それぞれ風力タービンおよび太陽光発電機である。負荷L1〜L3は、それぞれランプ、テレビ、およびコンピュータである。スイッチングユニットSW1とSW2および無停電電源装置UPSの動作手順は、図1と共に上述されているため、動作手順は簡潔にするためにここでは省略される。再生可能エネルギー発電システム100は、無停電電源装置UPSを有するため、商用電源UPが切断されたとき、再生可能エネルギー発電システム100は、AC電源電圧を負荷L1〜L3に継続的に提供することができる。
【0017】
図3は、再生可能エネルギー発電システム100を用いた本発明の発電方法の流れ図を表している。図3に示されるように、発電方法は、以下のステップを含む。
【0018】
ステップS31では、商用電源UPがマイクロインバータM1および/またはM2に提供されているかどうかが検出される。例えば、無停電電源装置UPSまたは外部ホストは、商用電源が切断されたかどうかを検出する処理ユニットを有するがこれを限定するものではない。商用電源UPが正常に提供されたとき、手順はステップS32に進み、無停電電源装置UPSは、充電される。商用電源UPが切断されたとき、手順はステップS33に進み、参照電圧RVは、マイクロインバータM1および/またはM2に提供される。ステップS34では、再生可能エネルギー発電機G1および/またはG2によって発生されたDC電源電圧は、参照電圧RVに基づいてマイクロインバータM1および/またはM2によってAC電源電圧に継続的に変換される。一部の実施様態において、無停電電源装置UPSから発生した電力は負荷(電力)の和を超え、また、負荷(電力)の和が全ての再生可能エネルギー発電システムから発生した電力の和を超える。
【0019】
具体的に言えば、ステップS32では、商用電源UPが正常に提供されたとき、スイッチングユニットSW1は、オンにされるため、マイクロインバータM1とM2および/または商用電源UPによって発生されたAC電源が無停電電源装置UPSを充電する。ステップS33では、商用電源UPが切断されたとき、スイッチングユニットSW1は、オフにされ、スイッチングユニットSW1は、オンにされるため、参照電圧RVをマイクロインバータM1およびM2に提供する。その中のスイッチングユニットSW1は、無停電電源装置UPSの入力端子とマイクロインバータM1およびM2との間に接続され、スイッチングユニットSW2は、無停電電源装置UPSの出力端子とマイクロインバータM1およびM2との間に接続される。
【0020】
結論を言えば、本発明の再生可能エネルギー発電システムおよび発電方法では、商用電源UPが正常に動作したとき、マイクロインバータM1およびM2は、商用電源UPに基づいて、AC電源を発生することができる(即ち、グリッド接続のエネルギー発電システム)。マイクロインバータM1およびM2は、商用電源UPが消失したとき、参照電圧RVに基づいてAC電源を発生することができるため、再生可能エネルギー発電システム100がAC電源電圧を継続的に提供する。また、太陽光発電機および/または風力タービンが十分なエネルギーを発生したとき、無停電電源装置UPSは、余剰のエネルギーを貯蓄し、無駄なエネルギー消費を避ける。
【0021】
この発明は、実施例の方法および望ましい実施の形態によって記述されているが、本発明は、これらに限定されるものではない。逆に、種々の変更および同様の配置をカバーするものである(当業者には自明であるとして)。よって、添付の請求の範囲は、最も広義に解釈され、このような変更および同様の配置をすべて含むものである。
【符号の説明】
【0022】
100 再生可能エネルギー発電システム
UP 商用電源
RV 参照電圧
M1、M2 マイクロインバータ
G1、G2 再生可能エネルギー発電機
UPS 無停電電源装置
L1〜L3 負荷
SW1、SW2 スイッチングユニット
S31〜S34 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生可能エネルギー発電システムであって、
DC電源電圧を発生する少なくとも1つの再生可能エネルギー発電機と、
前記再生可能エネルギー発電機に接続され、商用電源に基づいて前記DC電源をAC電源電圧に変換する少なくとも1つのマイクロインバータと、
前記マイクロインバータに接続された無停電電源装置と、
を備え、
前記無停電電源装置は、前記商用電源が切断されたとき、参照電圧を前記マイクロインバータに提供するため、前記無停電電源装置によって発生された前記参照電圧に基づいて、前記マイクロインバータが前記AC電源電圧を少なくとも1つの負荷に継続的に提供することを特徴とする再生可能エネルギー発電システム。
【請求項2】
前記無停電電源装置の入力端子とマイクロインバータとの間に接続された第1スイッチングユニットと、
前記無停電電源装置の出力端子と前記マイクロインバータとの間に接続された第2スイッチングユニットと、
をさらに備え、
前記商用電源が切断されたとき、前記第1スイッチングユニットが開回路状態で動作し、前記第2スイッチングユニットが開回路状態で動作することにより、前記無停電電源装置が前記第2スイッチングユニットによって前記参照電圧を前記マイクロインバータに提供することを特徴とする請求項1記載の再生可能エネルギー発電システム。
【請求項3】
前記商用電源が正常に提供されたとき、前記第1スイッチングユニットが閉回路状態で動作することにより、前記無停電電源装置が前記マイクロインバータによって発生された前記商用電源および/またはAC電源によって充電されることを特徴とする請求項2記載の再生可能エネルギー発電システム。
【請求項4】
前記再生可能エネルギー発電機が太陽光発電機および/または風力タービンであることを特徴とする請求項1記載の再生可能エネルギー発電システム。
【請求項5】
前記参照電圧が正弦波電圧であることを特徴とする請求項1記載の再生可能エネルギー発電システム。
【請求項6】
少なくとも1つの再生可能エネルギー発電機と、
少なくとも1つのマイクロインバータと、
無停電電源装置と、
を備えた再生可能エネルギー発電システムを用いた発電方法であって、
前記マイクロインバータに提供された商用電源を検出するステップと、
前記商用電源が切断されたとき、参照電圧を前記マイクロインバータに提供するステップと、
前記参照電圧に基づいて、前記マイクロインバータによって前記再生可能エネルギー発電機で発生されたDC電源をAC電源に継続的に変換するステップと、
を含むことを特徴とする発電方法。
【請求項7】
前記商用電源が切断されたとき、第1スイッチングユニットをオフにし、第2スイッチングユニットをオンにするステップを含むため、前記参照電圧を前記マイクロインバータに提供し、その中の前記第1スイッチングユニットは、前記無停電電源装置の入力端子と前記マイクロインバータとの間に接続され、前記第2スイッチングユニットは、前記無停電電源装置の出力端子と前記マイクロインバータとの間に接続される請求項6に記載の発電方法。
【請求項8】
前記商用電源が正常に提供されたとき、第1スイッチングユニットをオンにするステップを更に含むため、前記無停電電源装置が前記マイクロインバータによって発生された前記商用電源および/またはAC電源によって充電される請求項7に記載の発電方法。
【請求項9】
前記再生可能エネルギー発電機が太陽光発電機および/または風力タービンであることを特徴とする請求項6記載の発電方法。
【請求項10】
前記参照電圧が正弦波電圧であることを特徴とする請求項6記載の発電方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−78256(P2013−78256A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−200430(P2012−200430)
【出願日】平成24年9月12日(2012.9.12)
【出願人】(596039187)台達電子工業股▲ふん▼有限公司 (192)
【Fターム(参考)】