説明

出力回路及びそれを用いた検出スイッチ

【課題】無負荷及び有負荷での漏れ電流の検出感度を好適に設定することができる出力回路及びそれを用いた検出スイッチを提供する。
【解決手段】制御手段11は、電源投入時に、スイッチング素子21のオン状態において、出力電流検出手段25により検出された出力電流に基づいて、出力電圧検出手段24による漏れ電流の検出感度を変更して記憶手段12に記憶させる設定ステップと、設定ステップ終了後に、記憶手段12に記憶される検出感度に従って、出力電圧検出手段24による漏れ電流の検出を行う検出ステップとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出力回路及びそれを用いた検出スイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、検出スイッチなどに用いられる出力回路として種々のものが提案されている(例えば特許文献1など)。こうした出力回路を安全機器に使用する場合には、安全規格上、その破損検知(出力破損検知)を行う必要がある。
【0003】
図5は、こうした出力破損検知の一例として、漏れ電流の検出を行う出力回路を示す回路ブロック図である。同図に示されるように、直流電源91のプラス側端子及びマイナス側端子には、電源ラインL1及びグランドGNDがそれぞれ電気的に接続されている。そして、出力回路は、電源ラインL1及びグランドGNDの間で、負荷92に直列接続可能に構成されたスイッチング素子93を備える。このスイッチング素子93は、制御手段(図示略)からの制御信号に基づいてスイッチング動作を行うことで、前記負荷92に対する電力供給を実行又は停止する。
【0004】
また、出力回路は、スイッチング素子93及び負荷92の接続ラインL2と前記電源ラインL1との間に電気的に接続された双方向整流素子95を備える。この双方向整流素子95は、スイッチング素子93に過剰な電圧が加わって、該スイッチング素子93が破損することを防止するためのものである。ただし、双方向整流素子95は、その構造上、前記電源ラインL1及び前記接続ラインL2の間に漏れ電流を発生する。
【0005】
さらに、出力回路は、前記負荷92に並列接続されるように前記接続ラインL2とグランドGNDとの間に電気的に接続された、直列接続の検出抵抗96,97を備えるとともに、これら検出抵抗96,97の接続点に電気的に接続され、該検出抵抗96,97を流れる漏れ電流を検出(言い換えると、スイッチング素子93、双方向整流素子95に流れる漏れ電流を検出抵抗96,97を流れる漏れ電流として検出)する漏れ電流検出手段98を備える。漏れ電流検出手段98は、オペアンプを主体に構成されており、前記検出抵抗96,97に流れる漏れ電流に応じた出力電圧を生成してこれを制御手段に出力する。
【0006】
制御手段は、この出力電圧のレベル(電圧値)に基づいて、出力破損検知を行う。そして、出力破損が検知されると、制御手段は、ロックアウト(機能停止)するなど適宜の対処処理を行う。
【特許文献1】特開2005−51317号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述した漏れ電流の検出に際しては、前記検出抵抗96のインピーダンスに比べて負荷92のインピーダンスが十分に小さく、従って漏れ電流の大部分が負荷92に流れるものとしている。換言すれば、前記検出抵抗96,97を流れる漏れ電流に基づき前記漏れ電流検出手段98により生成される出力電圧のレベルは小さくなるため、制御手段は、この微少な出力電圧のレベルに基づく敏感な検出感度にて出力破損検知を行っている。
【0008】
一方、例えば顧客へのデモンストレーション時など、負荷92を割愛した無負荷で動作させた場合には、漏れ電流の全てが前記検出抵抗96,97に流れることになる。この場合、前記漏れ電流検出手段98により生成される出力電圧のレベルは大きくなるため、制御手段は、この出力電圧のレベルに基づいて徒に出力破損を検知して、対処処理を行うことになる。従って、このような徒な出力破損の検知を回避するためには、制御手段による出力破損検知の検出感度を鈍感にせざるを得なかった。
【0009】
本発明の目的は、無負荷及び有負荷での漏れ電流の検出感度を好適に設定することができる出力回路及びそれを用いた検出スイッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、電源ライン及びグランドラインの間に接続されるとともに、負荷に直列接続可能に構成され、制御手段からの制御信号に基づきスイッチング動作を行うことで、前記負荷に対して電力供給を行うスイッチング素子と、前記スイッチング素子と並列に接続される双方向整流素子と、一方が前記双方向整流素子に接続されるとともに、他方が前記電源ラインと前記グランドラインとの前記双方向整流素子が接続されたラインと反対のラインに接続されて、前記双方向整流素子と直列接続された検出抵抗に流れる漏れ電流を検出する漏れ電流検出手段を備え、前記スイッチング素子及び前記負荷が接続される前記電源ラインと前記グランドラインとの間の経路に検知抵抗を接続し、前記検知抵抗に流れる出力電流を検出する出力電流検出手段とを備えた出力回路において、電源投入時に、前記スイッチング素子のオン状態において、前記出力電流検出手段により検出された出力電流に基づいて、漏れ電流検知の検出感度を設定して記憶する記憶手段と、前記漏れ電流検出手段は、前記記憶手段への前記検出感度の記憶された後に、前記記憶手段に記憶される前記検出感度により漏れ電流の検出を行うことを要旨とする。
【0011】
同構成によれば、前記スイッチング素子に前記負荷が直列接続されている場合には、該スイッチング素子のオン状態において、前記電源ライン及び前記グランドラインの間に、前記検知抵抗及び前記検出抵抗又は前記負荷を介して電流が流れる。このとき、一般に前記検出抵抗に比べて前記負荷のインピーダンスが小さいことから、前記検知抵抗に流れる出力電流が大きくなる。一方、前記スイッチング素子に前記負荷が直列接続されていない場合には、該スイッチング素子のオン状態において、前記電源ライン及び前記グランドの間に、前記検知抵抗及び前記検出抵抗を介して電流が流れる。このとき、前記検出抵抗のインピーダンスが大きいことから、前記検知抵抗に流れる出力電流が小さくなる。従って、電源投入時に、前記出力電流検出手段により前記検知抵抗に流れる出力電流を検出することで、前記負荷の有無が確認される。そして、前記出力電流検出手段により検出された出力電流に基づいて、漏れ電流検知の検出感度が設定され記憶手段に記憶される。前記漏れ電流検出手段は、前記記憶手段への前記検出感度の記憶された後に、前記記憶手段に記憶される前記検出感度、即ち前記負荷の有無に応じて好適に設定された検出感度により漏れ電流の検出を行うことができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の出力回路において、前記スイッチング素子は、前記制御信号がハイのときにオンする第1スイッチング素子と、前記制御信号がローのときにオンする第2スイッチング素子とから構成され、前記負荷は、前記電源ラインと前記グランドラインとの間に一方のスイッチング素子と直列接続可能に構成されると共に、前記双方向整流素子は、前記第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子それぞれに並列に接続される第1双方向整流素子と第2双方向整流素子とを備え、前記漏れ電流検出手段は、前記第1双方向整流素子と直列に接続された第1検出抵抗に流れる漏れ電流を検出する第1漏れ電流検出手段と、前記第2双方向整流素子と直列に接続された第2検出抵抗に流れる漏れ電流を検出する第2漏れ電流検出手段と、を備え、前記出力電流検出手段は、前記第1スイッチング素子及び前記負荷が接続される前記電源ラインと前記グランドラインとの間の経路に第1検知抵抗を接続し、前記第1検知抵抗に流れる出力電流を検出する第1出力電流検出手段と、前記第2スイッチング素子及び前記負荷が接続される前記電源ラインと前記グランドラインとの間の経路に第2検知抵抗を接続し、前記第2検知抵抗に流れる出力電流を検出する第2出力電流検出手段とを備え、前記制御手段からの前記制御信号により出力制御を行う前記スイッチング素子を前記第1スイッチング素子と第2スイッチング素子とから一方を選択する選択手段とを備えたことを要旨とする。
【0013】
同構成によれば、前記負荷の特性に応じてハイサイド出力又はローサイド出力を選択することができ、例えばハイサイド出力及びローサイド出力のそれぞれに個別の出力回路を製造する場合に比べて、機種統一によるコストの削減や、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の出力回路において、前記第1漏れ電流検出手段は、前記第2漏れ電流検出手段として兼用されてなることを要旨とする。
同構成によれば、前記第1漏れ電流検出手段は、前記第2漏れ電流検出手段として兼用されることで、部品点数を削減することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の出力回路において、前記制御手段は、前記漏れ電流検出手段による漏れ電流の検出を無効化することを要旨とする。
【0016】
同構成によれば、前記漏れ電流検出手段による漏れ電流の検出が無効化されることで、未だ漏れ電流の検出感度が決定しない状態で無駄に漏れ電流の検出を行うことを回避できる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の出力回路と、
検出領域の物体の有無を検出する検出手段とを備え、前記制御手段は、前記検出手段が物体を検出したか否かを判定し、この判定結果に基づいて前記スイッチング素子に前記制御信号を出力する検出スイッチであることを要旨とする。
【0018】
同構成によれば、無負荷及び有負荷での漏れ電流の検出感度を好適に設定することができる検出スイッチを提供することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明では、無負荷及び有負荷での漏れ電流の検出感度を好適に設定することができる出力回路及びそれを用いた検出スイッチを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態について図面に従って説明する。
図1は、本実施形態に係る検出スイッチとしての光電スイッチ(さらに具体的には、多光軸光電スイッチ)を示す回路ブロック図である。同図に示されるように、この光電スイッチは、コントローラ1と、該コントローラ1に電気的に接続された投光器2、受光器3及び出力部4とを備えて構成される。
【0021】
投光器2は、複数の投光素子6及びこれら投光素子6と電気的に接続された投光回路7を備えており、コントローラ1の制御手段11により投光回路7が駆動制御されることで、前記複数の投光素子6の発光タイミングを順次切り替えるように各投光素子6を発光駆動する。
【0022】
受光器3は、前記複数の投光素子6と一対一で対応するように対向配置された複数の受光素子8及びこれら受光素子8と電気的に接続された受光回路9を備えており、前記制御手段11により受光回路9が駆動制御されることで、前記各投光素子6の発光タイミングに合わせてこれに対向する受光素子8がその出力信号を制御手段11に出力するように前記複数の受光素子8の出力タイミングを順次切り替える。
【0023】
前記制御手段11は、全ての受光素子8の出力信号をその論理和として入力することで、各対向する投光素子6及び受光素子8の間に形成される少なくとも一つの光軸Lが遮光状態にあるか否かを判定する。そして、制御手段11は、この判定結果に基づいて、例えばこれら光軸Lによって区画された進入禁止区域への作業者の進入を検出する。
【0024】
直流電源20のプラス側端子及びマイナス側端子には、電源ラインL1及びグランドラインを構成するグランドGNDがそれぞれ電気的に接続されている。そして、前記出力部4は、電源ラインL1に一方の端子が電気的に接続された検知抵抗としての出力電流検知用抵抗R1を備えるとともに、該出力電流検知用抵抗R1の他方の端子にソースが電気的に接続された、例えばP−MOSトランジスタからなるスイッチング素子21を備える。なお、スイッチング素子21のドレインは抵抗R2を介してグランドGNDに電気的に接続されるとともに、該スイッチング素子21のゲートは前記制御手段11に電気的に接続されている。このスイッチング素子21は、前記制御手段11からの制御信号に基づきスイッチング動作を行う。具体的には、スイッチング素子21は、前記制御信号がハイのときにオンする。
【0025】
スイッチング素子21のドレイン及び抵抗R2の接続点C1には、接続ラインL2が電気的に接続されている。そして、出力部4は、この接続ラインL2及びグランドGNDの間に負荷22が電気的に接続可能に構成されている。つまり、スイッチング素子21及び負荷22は、電源ラインL1及びグランドGNDの間において直列接続可能に構成されている。前記スイッチング素子21は、制御手段11からの制御信号に基づいてスイッチング動作を行うことで、前記負荷22に対する電力供給を実行又は停止する。このように電力供給の制御される負荷22は、例えば進入禁止区域への作業者の進入が検出された際に警報を発するなど、安全上の適宜の処理を行うための負荷(安全機器用の負荷)である。なお、出力部4は、負荷22に対する電力供給時に、該負荷22に対する出力をL(ロー)レベルからH(ハイ)レベルに立ち上げるハイサイド出力を行うように構成されている。
【0026】
また、前記出力部4は、前記電源ラインL1及び前記接続ラインL2の間に電気的に接続された双方向整流素子としての双方向ツェナー23を備える。この双方向ツェナー23は、例えば外来ノイズの影響によって電源ラインL1及び接続ラインL2の間に所定電圧(例えば33V)を超えた電圧が加わったときに、これら電源ラインL1及び接続ラインL2の間で電流の流れを許容する。これは、前記スイッチング素子21に過剰な電圧が加わって、該スイッチング素子21が破損することを防止するためである。ただし、双方向ツェナー23は、その構造上、前記電源ラインL1及び前記接続ラインL2の間に漏れ電流を発生する場合がある。特に、不良品である場合には顕著に現れる。また、スイッチング素子21についても同様のことが言える。
【0027】
さらに、出力部4は、前記負荷22に並列接続されるように前記接続ラインL2とグランドGNDとの間に電気的に接続された、検出抵抗としての直列接続の出力電圧検知用抵抗R3,R4を備えるとともに、これら出力電圧検知用抵抗R3,R4の接続点C2に電気的に接続された漏れ電流検出手段としての出力電圧検出手段24を備える。この出力電圧検出手段24は、オペアンプ24aを主体に構成されており、そのプラス入力端子において前記接続点C2に接続されるとともに、そのマイナス入力端子が出力端子に接続され、更に該出力端子は前記制御手段11に電気的に接続されている。出力電圧検出手段24は、出力電圧検知用抵抗R3,R4を流れる漏れ電流に応じた前記接続点C2の電圧に基づき出力電圧Voを生成して前記制御手段11に出力する。
【0028】
前記制御手段11は、前記出力電圧検出手段24からの出力電圧Voに基づき、前記出力電圧検知用抵抗R3,R4を流れる漏れ電流を検出し、出力破損検知を行う。具体的には、前記制御手段11は、前記出力電圧検出手段24からの出力電圧Voと電源投入時に設定された所定閾値Vthとを大小比較することで、一定値以上の漏れ電流を検出する。この所定閾値Vthは、前記負荷22の有無に応じて選択的に設定される漏れ電流の検出(出力破損検知)に好適な値であって、前記コントローラ1の記憶手段12に記憶されている。つまり、出力電圧Voのチェックに係る所定閾値Vth、即ち前記出力電圧検出手段24による漏れ電流の検出感度は、電源投入時の前記負荷22の有無に応じて変更される。
【0029】
詳述すると、前記負荷22が接続されている場合には、漏れ電流は、抵抗R2、出力電圧検知用抵抗R3,R4又は負荷22を介してグランドGNDに流れる。一方、前記負荷22が接続されていない場合には、漏れ電流は、抵抗R2又は出力電圧検知用抵抗R3,R4を介してグランドGNDに流れる。つまり、前記負荷22が接続されていない場合には、該負荷22が接続されている場合に比べて出力電圧検知用抵抗R3,R4を流れる漏れ電流が大きくなって前記接続点C2の電圧、即ち漏れ電流の検出に係る出力電圧Voが大きくなる。本実施形態において、前記制御手段11は、前記負荷22の有無に応じたこのような出力電圧Voの特性を考慮して、前記負荷22が接続されていない場合に、漏れ電流の検出感度(出力電圧Voの検知能力)を下げるべく、所定閾値Vthを大きい側の一定値に設定してこれを記憶手段12に記憶させ、前記負荷22が接続されている場合に、漏れ電流の検出感度を上げるべく、所定閾値Vthを小さい側の一定値に設定してこれを記憶手段12に記憶させる。
【0030】
なお、前記出力電圧検出手段24からの出力電圧Voと上述の態様で設定された所定閾値Vthとの大小比較により、漏れ電流が検出(出力破損が検知)されると、制御手段11は、ロックアウト(機能停止)するなど適宜の対処処理を行う。
【0031】
また、出力部4は、前記出力電流検知用抵抗R1及びスイッチング素子21のソースの接続点C3に電気的に接続された出力電流検出手段25を備える。この出力電流検出手段25は、コンパレータ25aを主体に構成されており、そのマイナス入力端子において前記接続点C3に接続されるとともに、プラス入力端子が所定電圧(例えば0.3V)Vsを有する電源25bを介して前記電源ラインL1に接続され、更に該出力端子は前記制御手段11に電気的に接続されている。出力電流検出手段25は、出力電流検知用抵抗R1を流れる出力電流に応じて生じるその両端子間の電圧V1と電源25bの所定電圧Vsとの比較結果に応じてレベル(H又はL)の切り替えられる出力信号Soを前記制御手段11に出力する。
【0032】
ここで、前記スイッチング素子21に負荷22が直列接続されている場合には、該スイッチング素子21のオン状態において、出力電流検知用抵抗R1を流れる出力電流は、抵抗R2、出力電圧検知用抵抗R3,R4又は負荷22を介してグランドGNDに流れる。本実施形態では、前記抵抗R2、出力電圧検知用抵抗R3に比べて前記負荷22のインピーダンスが小さく設定されており、これにより、前記出力電流検知用抵抗R1に流れる出力電流が所定の値以上に大きくなる。この結果、出力電流検知用抵抗R1の両端子間の電圧V1は、前記所定電圧Vsよりも大きくなり、コンパレータ25a(出力電流検出手段25)は、その出力端子からHレベルとなる出力信号Soを前記制御手段11に出力する。
【0033】
一方、前記スイッチング素子21に負荷22が直列接続されていない場合には、該スイッチング素子21のオン状態において、出力電流検知用抵抗R1を流れる出力電流は、前記抵抗R2又は出力電圧検知用抵抗R3,R4を介してグランドGNDに流れる。このとき、前記抵抗R2、出力電圧検知用抵抗R3のインピーダンスが大きいことから、前記出力電流検知用抵抗R1に流れる出力電流が所定の値よりも小さくなる。この結果、出力電流検知用抵抗R1の両端子間の電圧V1は、前記所定電圧Vsよりも小さくなり、コンパレータ25a(出力電流検出手段25)は、その出力端子からLレベルとなる出力信号Soを前記制御手段11に出力する。
【0034】
従って、前記制御手段11は、電源投入時(起動時)に、前記出力電流検出手段25からの出力信号Soのレベルに基づき、前記出力電流検知用抵抗R1に流れる出力電流の大小を判断することで、前記負荷22の有無を検出する。このように検出された負荷22の有無に応じて、制御手段11により前記所定閾値Vth、即ち前記出力電圧検出手段24による漏れ電流の検出感度が変更されることは既述のとおりである。
【0035】
ここで、光電スイッチの動作について概略的に説明する。まず、電源投入に伴い光電スイッチが起動されると、前記出力信号Soのレベルに基づき負荷22の有無が検出されるとともに、その検出結果に応じた所定閾値Vthが設定される。同時に、各対向する投光素子6及び受光素子8間に形成される少なくとも一つの光軸Lが遮光状態にあるか否かの判定が開始される。
【0036】
そして、各対向する投光素子6及び受光素子8間に形成される少なくとも一つの光軸Lが遮光状態にあると判定され、例えば前記進入禁止区域への作業者の進入が検出されると、前記負荷22に給電すべく、前記スイッチング素子21がオン状態になる制御信号が該スイッチング素子21に出力される。このとき、負荷22により、例えば警報を発するなど、安全上の適宜の処理が行われる。
【0037】
また、前記スイッチング素子21のオフ状態において、前記出力電圧検出手段24からの出力電圧Voと上述の態様で設定された所定閾値Vthとの大小比較により、漏れ電流が検出(出力破損が検知)されると、制御手段11により、ロックアウト(機能停止)するなど適宜の対処処理が行われる。
【0038】
この際、前記負荷22の存在する場合には、制御手段11は、これに対応して好適に設定された敏感な検出感度(所定閾値Vth)に従って前記出力電圧検出手段24による漏れ電流の検出を行うことができ、出力破損を迅速に検知して、対処処理を行うことができる。
【0039】
一方、例えば顧客へのデモンストレーション時など、負荷22を割愛した無負荷の場合には、制御手段11は、これに対応して好適に設定された鈍感な検出感度(所定閾値Vth)に従って前記出力電圧検出手段24による漏れ電流の検出を行うことができ、徒に出力破損を検知して、対処処理を行うことを回避できる。
【0040】
次に、前記制御手段11による漏れ電流の検出感度設定等の処理態様について、図2のフローチャートに従って説明する。同図に示されるように、電源が投入されると(ステップS1)、制御手段11は本来の処理を行う(ステップS2)。具体的には、制御手段11は、各対向する投光素子6及び受光素子8間に形成される少なくとも一つの光軸Lが遮光状態にあるか否かを判定する。そして、制御手段11は、この判定結果に対応して前記スイッチング素子21がオン状態になる制御信号を該スイッチング素子21に出力しているか否かを判断する(ステップS3)。
【0041】
ここで、前記スイッチング素子21がオン状態になる制御信号を該スイッチング素子21に出力している場合には、制御手段11は、出力電流検出入力を調査する(ステップS4)。具体的には、制御手段11は、前記出力電流検出手段25からの出力信号Soのレベルに基づいて、前記出力電流検知用抵抗R1を流れる出力電流の大小を判定する。
【0042】
そして、ステップS5において、負荷22の接続時に相当する所定の値以上の大きな出力電流があると判断されると、制御手段11は、出力電圧チェック強化モードに移行する(ステップS6)。具体的には、制御手段11は、漏れ電流の検出感度がより敏感になるように、該漏れ電流の検出(出力破損検知)に係る前記所定閾値Vthをより小さい値に設定する。
【0043】
一方、ステップS5において、負荷22の接続時に相当する所定の値以上の大きな出力電流がないと判断されると、制御手段11は、出力電圧チェック手加減モードに移行する(ステップS7)。具体的には、制御手段11は、漏れ電流の検出感度がより鈍感になるように、該漏れ電流の検出(出力破損検知)に係る前記所定閾値Vthをより大きい値に設定する。
【0044】
なお、ステップS6又はS7においていずれかの所定閾値Vthを設定して出力電圧チェックの厳密度を変化させた制御手段11は、その設定した所定閾値Vthをコントローラ1の記憶手段12に記憶する。そして、制御手段11は、ステップS2に戻って同様の処理を繰り返す。また、ステップS3において前記スイッチング素子21がオン状態になる制御信号を該スイッチング素子21に出力してない場合も、制御手段11は、ステップS2に戻って同様の処理を繰り返す。
【0045】
上記において、電源投入直後、ステップS6又はS7において最初にいずれかの所定閾値Vthを設定し、記憶手段12に記憶させる段階が設定ステップに相当する。そして、この設定ステップの終了後、設定済みの所定閾値Vthを保持する段階が検出ステップに相当する。前記制御手段11は、この検出ステップにおいて、図示しない漏れ電流の検出ルーチンを割り込み処理するようになっており、該検出ルーチンにおいて、前記記憶手段12から前記所定閾値Vth(漏れ電流の検出感度)を読み込み、前述の態様で前記出力電圧検出手段24による漏れ電流の検出を行う。一方、制御手段11は、設定ステップにおいては、前記出力電圧検出手段24からの出力電圧Voの入力に関わらず、漏れ電流の検出ルーチンを割り込み処理することはなく、該出力電圧検出手段24による漏れ電流の検出を無効化する。
【0046】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、電源投入時に、前記出力電流検出手段25により前記出力電流検知用抵抗R1に流れる出力電流を検出することで、前記負荷22の有無が確認される。前記制御手段11は、前記設定ステップにおいて、前記出力電流検出手段25により検出された出力電流に基づいて、即ち前記負荷22の有無に応じて、前記出力電圧検出手段24による漏れ電流の検出感度(所定閾値Vth)を変更して前記記憶手段12に記憶させる。そして、前記制御手段11は、前記検出ステップにおいて、前記記憶手段12に記憶される前記検出感度、即ち前記負荷22の有無に応じて好適に設定された検出感度に従って前記出力電圧検出手段24による漏れ電流の検出を行うことができる。
【0047】
そして、前記負荷22の存在する場合には、制御手段11は、これに対応して好適に設定された敏感な検出感度に従って前記出力電圧検出手段24による漏れ電流の検出を行うことができ、出力破損を迅速に検知して、対処処理を行うことができる。
【0048】
一方、例えば顧客へのデモンストレーション時など、負荷22を割愛した無負荷の場合には、制御手段11は、これに対応して好適に設定された鈍感な検出感度に従って前記出力電圧検出手段24による漏れ電流の検出を行うことができ、徒に出力破損を検知して、対処処理を行うことを回避できる。
【0049】
(2)本実施形態では、前記設定ステップにおいては、前記出力電圧検出手段24による漏れ電流の検出が無効化されることで、未だ漏れ電流の検出感度(所定閾値Vth)が決定しない状態で無駄に漏れ電流の検出を行うことを回避できる。
【0050】
(3)本実施形態では、前記出力電圧検出手段24による漏れ電流の検出感度を、前記出力電流検出手段25により検出された出力電流を表す電圧V1と所定電圧Vsとの大小比較に基づく極めて簡易な構成で変更することができる。
【0051】
(4)本実施形態では、安全機器用の負荷の存在に応じて好適に設定された検出感度に従って前記出力電圧検出手段24による漏れ電流の検出を行うことができるため、安全規格において要求される出力破損検知をより好適に行うことができる。
【0052】
(5)本実施形態では、無負荷及び有負荷での漏れ電流の検出感度を好適に設定することができる光電スイッチを提供することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施形態について図面に従って説明する。なお、第2の実施形態は、負荷に対する電力供給時に、該負荷に対する出力をLレベルからHレベルに立ち上げるハイサイド出力及び該負荷に対する出力をHレベルからLレベルに立ち下げるローサイド出力を選択的に行うことができるように主としてその出力部を変更した構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明は省略する。
【0053】
図3は、本実施形態に係る光電スイッチを示す回路ブロック図である。同図に示されるように、この光電スイッチは、コントローラ31と、該コントローラ31に電気的に接続された操作スイッチ32及び出力部33と、図1に示した投光器2及び受光器3とを備えて構成される。
【0054】
操作スイッチ32は、ユーザによるハイサイド出力又はローサイド出力の選択操作を行うためのスイッチであって、該選択操作に応じた操作信号をコントローラ31の制御手段41に出力する。従って、制御手段41は、この操作信号に基づいて出力部33に接続される負荷に対する出力をハイサイド出力及びローサイド出力のいずれか一方に設定する。そして、制御手段41は、設定されたハイサイド出力及びローサイド出力のいずれか一方を、前記コントローラ31の記憶手段42に記憶する。このように選択的に出力を設定するのは、負荷がLレベルからHレベルへの立ち上がりに合わせて電力供給可能なハイサイドタイプであっても、HレベルからLレベルへの立ち下がりに合わせて電力供給可能なローサイドタイプであっても、一つの機種で対応できるようにするためである。
【0055】
前記出力部33は、電源ラインL1に一方の端子が電気的に接続された検知抵抗としてのハイサイド出力電流検知用抵抗R11を備えるとともに、該ハイサイド出力電流検知用抵抗R11の他方の端子にソースが電気的に接続された、例えばP−MOSトランジスタからなるスイッチング素子51を備える。また、前記出力部33は、グランドGNDに一方の端子が電気的に接続された検知抵抗としてのローサイド出力電流検知用抵抗R12を備えるとともに、該ローサイド出力電流検知用抵抗R12の他方の端子にソースが電気的に接続された、例えばN−MOSトランジスタからなるスイッチング素子52を備える。なお、これらスイッチング素子51,52のゲートは、それぞれ前記制御手段41に電気的に接続されるとともに、該スイッチング素子51,52のドレイン同士は短絡されている。一方のスイッチング素子51は、ハイサイド出力が設定されているときに前記制御手段41からの制御信号に基づきスイッチング動作を行い、他方のスイッチング素子52は、ローサイド出力が設定されているときに前記制御手段41からの制御信号に基づきスイッチング動作を行う。具体的には、一方のスイッチング素子51は、ハイサイド出力が設定されているときに前記制御信号がハイのときにオンし、他方のスイッチング素子52は、ローサイド出力が設定されているときに前記制御信号がローのときにオンする。
【0056】
両スイッチング素子51,52のドレイン同士の接続点C11には、接続ラインL12が電気的に接続されている。そして、出力部33は、この接続ラインL12及びグランドGNDの間に、少なくともローサイドタイプではない負荷34が電気的に接続可能に構成されている。つまり、一方のスイッチング素子51及び負荷34は、電源ラインL1及びグランドGNDの間において直列接続可能に構成されている。前記スイッチング素子51は、ハイサイド出力が設定されているときに制御手段41からの制御信号に基づいてスイッチング動作を行うことで、前記負荷34に対する電力供給を実行又は停止する。
【0057】
また、出力部33は、電源ラインL1及び接続ラインL12の間に、少なくともハイサイドタイプではない負荷35が電気的に接続可能に構成されている。つまり、負荷35及び他方のスイッチング素子52は、電源ラインL1及びグランドGNDの間において直列接続可能に構成されている。前記スイッチング素子52は、ローサイド出力が設定されているときに制御手段41からの制御信号に基づいてスイッチング動作を行うことで、前記負荷35に対する電力供給を実行又は停止する。
【0058】
なお、負荷34,35は、設定されている出力(ハイサイド出力、ローサイド出力)に応じて対応する一方のみが接続可能であることはいうまでもない。
このように電力供給の制御される負荷34,35は、例えば前述した進入禁止区域への作業者の進入が検出された際に警報を発するなど、安全上の適宜の処理を行うための負荷(安全機器用の負荷)である。
【0059】
前記出力部33は、前記電源ラインL1及び前記接続ラインL12の間に電気的に接続された双方向整流素子としての双方向ツェナー53を備える。この双方向ツェナー53は、例えば外来ノイズの影響によって電源ラインL1及び接続ラインL12の間に所定電圧(例えば33V)を超えた電圧が加わったときに、これら電源ラインL1及び接続ラインL12の間で電流の流れを許容する。これは、前記スイッチング素子51に過剰な電圧が加わって、該スイッチング素子51が破損することを防止するためである。
【0060】
また、前記出力部33は、前記接続ラインL12及びグランドGNDの間に電気的に接続された双方向整流素子としての双方向ツェナー54を備える。この双方向ツェナー54は、例えば外来ノイズの影響によって接続ラインL12及びグランドGNDの間に所定電圧(例えば33V)を超えた電圧が加わったときに、これら接続ラインL12及びグランドGNDの間で電流の流れを許容する。これは、前記スイッチング素子52に過剰な電圧が加わって、該スイッチング素子52が破損することを防止するためである。
【0061】
ただし、双方向ツェナー53、54は、その構造上、前記電源ラインL1及び前記接続ラインL12の間、該接続ラインL12及びグランドGNDの間に漏れ電流を発生する場合がある。特に、不良品である場合には顕著に現れる。また、スイッチング素子51,52についても同様のことが言える。
【0062】
さらに、出力部33は、前記負荷34に並列接続されるように前記接続ラインL12とグランドGNDとの間に電気的に接続された、検出抵抗としての直列接続の出力電圧検知用抵抗R13,R14を備えるとともに、前記負荷35に並列接続されるように前記電源ラインL1と接続ラインL12との間に電気的に接続された検出抵抗としての出力電圧検知用抵抗R15を備え、更に前記出力電圧検知用抵抗R13,R14の接続点C12に電気的に接続された漏れ電流検出手段としての出力電圧検出手段55を備える。この出力電圧検出手段55は、オペアンプ55aを主体に構成されており、そのプラス入力端子において前記接続点C12に接続されるとともに、そのマイナス入力端子が出力端子に接続され、更に該出力端子は前記制御手段41に電気的に接続されている。出力電圧検出手段55は、出力電圧検知用抵抗R13〜R15を流れる漏れ電流に応じた前記接続点C12の電圧に基づき出力電圧Voを生成して前記制御手段41に出力する。なお、出力部33に負荷34が接続される状態では、出力電圧検知用抵抗R13が漏れ電流の検出に貢献し、出力部33に負荷35が接続される状態では、出力電圧検知用抵抗R15が漏れ電流の検出に貢献する。
【0063】
前記制御手段41は、前記出力電圧検出手段55からの出力電圧Voに基づき、前記出力電圧検知用抵抗R13〜R15を流れる漏れ電流を検出し、出力破損検知を行う。具体的には、前記制御手段41は、前記出力電圧検出手段55からの出力電圧Voと電源投入時に設定された所定閾値Vthとを大小比較することで、一定値以上の漏れ電流を検出する。この所定閾値Vthは、設定されているハイサイド出力、ローサイド出力において、対応する負荷34、35の有無に応じて選択的に設定される漏れ電流の検出(出力破損検知)に好適な値であって、前記記憶手段42に記憶されている。つまり、出力電圧Voのチェックに係る所定閾値Vth、即ち前記出力電圧検出手段55による漏れ電流の検出感度は、電源投入時の前記負荷34、35の有無に応じて変更される。
【0064】
詳述すると、ハイサイド出力において、前記負荷34が接続されている場合には、漏れ電流は、出力電圧検知用抵抗R13,R14又は負荷34を介してグランドGNDに流れる。一方、前記負荷34が接続されていない場合には、漏れ電流は、出力電圧検知用抵抗R13,R14を介してグランドGNDに流れる。つまり、前記負荷34が接続されていない場合には、該負荷34が接続されている場合に比べて出力電圧検知用抵抗R13,R14を流れる漏れ電流が大きくなって前記接続点C12の電圧、即ち漏れ電流の検出に係る出力電圧Voが大きくなる。
【0065】
同様に、ローサイド出力において、前記負荷35が接続されている場合には、漏れ電流は、出力電圧検知用抵抗R15又は負荷35を介して電源ラインL1から流れる。そして、この漏れ電流は、出力電圧検知用抵抗R13,R14を介してグランドGNDに流れる。一方、前記負荷35が接続されていない場合には、漏れ電流は、出力電圧検知用抵抗R15を介して電源ラインL1から流れる。そして、この漏れ電流は、出力電圧検知用抵抗R13,R14を介してグランドGNDに流れる。つまり、前記負荷35が接続されていない場合には、該負荷35が接続されている場合に比べて出力電圧検知用抵抗R13,R14を流れる漏れ電流が大きくなって前記接続点C12の電圧、即ち漏れ電流の検出に係る出力電圧Voが大きくなる。
【0066】
前記制御手段41は、設定されているハイサイド出力、ローサイド出力において、対応する負荷34、35の有無に応じたこのような出力電圧Voの特性を考慮して、該当する負荷34、35が接続されていない場合に、漏れ電流の検出感度(出力電圧Voの検知能力)を下げるべく、所定閾値Vthを大きい側の一定値に設定してこれを記憶手段42に記憶させ、前記負荷34、35が接続されている場合に、漏れ電流の検出感度を上げるべく、所定閾値Vthを小さい側の一定値に設定してこれを記憶手段42に記憶させる。
【0067】
なお、出力電圧検出手段55からの出力電圧Voと上述の態様で設定された所定閾値Vthとの大小比較により、漏れ電流が検出(出力破損が検知)されると、制御手段41は、ロックアウト(機能停止)するなど適宜の対処処理を行う。
【0068】
また、出力部33は、前記ハイサイド出力電流検知用抵抗R11及び一方のスイッチング素子51のソースの接続点C13に電気的に接続された出力電流検出手段としてのハイサイド出力電流検出手段57を備える。このハイサイド出力電流検出手段57は、コンパレータ57aを主体に構成されており、そのマイナス入力端子において前記接続点C13に接続されるとともに、プラス入力端子が所定電圧(例えば0.3V)Vs1を有する電源57bを介して前記電源ラインL1に接続され、更に該出力端子は前記制御手段41に電気的に接続されている。ハイサイド出力電流検出手段57は、ハイサイド出力電流検知用抵抗R11を流れる出力電流に応じて生じるその両端子間の電圧V11と電源57bの所定電圧Vs1との比較結果に応じてレベル(H又はL)の切り替えられる出力信号So1を前記制御手段41に出力する。
【0069】
さらに、出力部33は、前記ローサイド出力電流検知用抵抗R12及び他方のスイッチング素子52のソースの接続点C14に電気的に接続された出力電流検出手段としてのローサイド出力電流検出手段58を備える。このローサイド出力電流検出手段58は、コンパレータ58aを主体に構成されており、そのプラス入力端子において前記接続点C14に接続されるとともに、マイナス入力端子が所定電圧(例えば0.3V)Vs2を有する電源58bを介してグランドGNDに接続され、更に該出力端子は前記制御手段41に電気的に接続されている。ローサイド出力電流検出手段58は、ローサイド出力電流検知用抵抗R12を流れる出力電流に応じて生じるその両端子間の電圧V12と電源58bの所定電圧Vs2との比較結果に応じてレベル(H又はL)の切り替えられる出力信号So2を前記制御手段41に出力する。
【0070】
ここで、ハイサイド出力において、前記スイッチング素子51に負荷34が直列接続されている場合には、該スイッチング素子51のオン状態において、ハイサイド出力電流検知用抵抗R11を流れる出力電流は、出力電圧検知用抵抗R13,R14又は負荷34を介してグランドGNDに流れる。本実施形態では、出力電圧検知用抵抗R13に比べて前記負荷34のインピーダンスが小さく設定されており、これにより、前記ハイサイド出力電流検知用抵抗R11に流れる出力電流が所定の値以上に大きくなる。この結果、ハイサイド出力電流検知用抵抗R11の両端子間の電圧V11は、前記所定電圧Vs1よりも大きくなり、コンパレータ57a(ハイサイド出力電流検出手段57)は、その出力端子からHレベルとなる出力信号So1を前記制御手段41に出力する。
【0071】
一方、前記スイッチング素子51に負荷34が直列接続されていない場合には、該スイッチング素子51のオン状態において、ハイサイド出力電流検知用抵抗R11を流れる出力電流は、出力電圧検知用抵抗R13,R14を介してグランドGNDに流れる。このとき、出力電圧検知用抵抗R13のインピーダンスが大きいことから、前記ハイサイド出力電流検知用抵抗R11に流れる出力電流が所定の値よりも小さくなる。この結果、ハイサイド出力電流検知用抵抗R11の両端子間の電圧V11は、前記所定電圧Vs1よりも小さくなり、コンパレータ57a(ハイサイド出力電流検出手段57)は、その出力端子からLレベルとなる出力信号So1を前記制御手段41に出力する。
【0072】
あるいは、ローサイド出力において、前記スイッチング素子52に負荷35が直列接続されている場合には、該スイッチング素子52のオン状態において、ローサイド出力電流検知用抵抗R12を流れる出力電流は、出力電圧検知用抵抗R15又は負荷35を介して電源ラインL1から流れる。本実施形態では、出力電圧検知用抵抗R15に比べて前記負荷35のインピーダンスが小さく設定されており、これにより、前記ローサイド出力電流検知用抵抗R12に流れる出力電流が所定の値以上に大きくなる。この結果、ローサイド出力電流検知用抵抗R12の両端子間の電圧V12は、前記所定電圧Vs2よりも大きくなり、コンパレータ58a(ローサイド出力電流検出手段58)は、その出力端子からHレベルとなる出力信号So2を前記制御手段41に出力する。
【0073】
一方、前記スイッチング素子52に負荷35が直列接続されていない場合には、該スイッチング素子52のオン状態において、ローサイド出力電流検知用抵抗R12を流れる出力電流は、出力電圧検知用抵抗R15を介して電源ラインL1から流れる。このとき、出力電圧検知用抵抗R15のインピーダンスが大きいことから、前記ローサイド出力電流検知用抵抗R12に流れる出力電流が所定の値よりも小さくなる。この結果、ローサイド出力電流検知用抵抗R12の両端子間の電圧V12は、前記所定電圧Vs2よりも小さくなり、コンパレータ58a(ローサイド出力電流検出手段58)は、その出力端子からLレベルとなる出力信号So2を前記制御手段41に出力する。
【0074】
従って、前記制御手段41は、電源投入時(起動時)に、設定されているハイサイド出力又はローサイド出力において、対応するハイサイド出力電流検出手段57又はローサイド出力電流検出手段58からの出力信号So1,So2のレベルに基づき、前記ハイサイド出力電流検知用抵抗R11又はローサイド出力電流検知用抵抗R12に流れる出力電流の大小を判断することで、前記負荷34又は35の有無を検出する。このように検出された負荷34又は35の有無に応じて、制御手段41により前記所定閾値Vth、即ち前記出力電圧検出手段55による漏れ電流の検出感度が変更されることは既述のとおりである。
【0075】
なお、出力電圧検知用抵抗R13,R15のインピーダンスを前記負荷34,35のインピーダンスよりも大きく設定しているのは、一つの機種でハイサイド出力及びローサイド出力にそれぞれ対応できる構成したことによる、これら出力電圧検知用抵抗R13,R15自身を発生原因とする漏れ電流を抑制するためである。本実施形態では、出力電圧検知用抵抗R13,R15の各インピーダンスは、例えば470kΩに設定されており、負荷34,35の各インピーダンスは、例えば2.2kΩに設定されている。
【0076】
ここで、電源ラインL1及び接続ラインL12の間並びに接続ラインL12及びグランドGNDの間には、例えば0.01μF程度の浮遊容量Cp1,Cp2が存在する。従って、スイッチング素子51,52をオフにしても、出力電圧Voが零付近に下がるまでには、前記負荷34,35のインピーダンス及び浮遊容量Cp1,Cp2の容量で決まる時定数分の遅れが生じる。そして、出力電圧Voが零付近に下がるまでは、出力破損検知(漏れ電流の検出)が阻害されることになる。しかしながら、時定数は22μs(=0.01μF×2.2kΩ)であることから、実質的に出力破損検知に影響しない十分に短い時間となる。
【0077】
また、出力部33は、ダイオードD1及び過電流検知用抵抗R17を介して前記電源ラインL1に電気的に接続された周知のハイサイド過電流検出手段59を備える。このハイサイド過電流検出手段59は、コンパレータ59aを主体に構成されており、そのマイナス入力端子において前記ダイオードD1及び前記接続点C13に接続されるとともに、プラス入力端子が所定電圧(例えば1.2V)Vs3を有する電源59bを介して前記電源ラインL1に接続され、更に該出力端子は前記制御手段41に電気的に接続されている。ハイサイド過電流検出手段59は、ダイオードD1及び過電流検知用抵抗R17の両端子間の電圧と電源59bの所定電圧Vs3との比較結果に応じてレベル(H又はL)の切り替えられる出力信号So3を前記制御手段41に出力する。制御手段41は、この出力信号So3のレベルに基づき、スイッチング素子51に流れる過剰な電流の有無を判断する。これは、スイッチング素子51に過剰な電流が流れた場合に、ロックアウト(機能停止)するなど制御手段41により適宜の対処処理を行って、該スイッチング素子51の破損を防止するためである。
【0078】
さらに、出力部33は、過電流検知用抵抗R18及びダイオードD2を介してグランドGNDに電気的に接続された周知のローサイド過電流検出手段60を備える。このローサイド過電流検出手段60は、コンパレータ60aを主体に構成されており、そのプラス入力端子において前記過電流検知用抵抗R18及び前記接続点C14に接続されるとともに、マイナス入力端子が所定電圧(例えば1.2V)Vs4を有する電源60bを介してグランドGNDに接続され、更に該出力端子は前記制御手段41に電気的に接続されている。ローサイド過電流検出手段60は、過電流検知用抵抗R18及びダイオードD2の両端子間の電圧と電源60bの所定電圧Vs4との比較結果に応じてレベル(H又はL)の切り替えられる出力信号So4を前記制御手段41に出力する。制御手段41は、この出力信号So4のレベルに基づき、スイッチング素子52に流れる過剰な電流の有無を判断する。これは、スイッチング素子52に過剰な電流が流れた場合に、ロックアウト(機能停止)するなど制御手段41により適宜の対処処理を行って、該スイッチング素子52の破損を防止するためである。
【0079】
なお、光電スイッチの動作については、ハイサイド出力及びローサイド出力に選択的に対応したことを除けば前記第1の実施形態と同様である。加えて、本実施形態では、ハイサイド出力、ローサイド出力において、スイッチング素子51、52に流れる過剰な電流が検出されると、制御手段41により、ロックアウト(機能停止)するなど適宜の対処処理が行われる。
【0080】
次に、前記制御手段41による漏れ電流の検出感度設定等の処理態様について、図4のフローチャートに従って説明する。同図に示されるように、電源が投入されると(ステップS11)、制御手段41は出力極性を調査する(ステップS12)。すなわち、制御手段41は、前記操作スイッチ32からの操作信号に基づいて、ハイサイド出力及びローサイド出力のいずれが設定されているかを確認する。そして、制御手段41は、ハイサイド出力に設定されているか否かを判断する(ステップS13)。
【0081】
ここで、ハイサイド出力に設定されている場合には、制御手段41は、ステップS14において、前記第1の実施形態と同様に本来の処理を行う。そして、制御手段41は、この判定結果に対応して一方のスイッチング素子51がオン状態になる制御信号を該スイッチング素子51に出力しているか否かを判断する(ステップS15)。
【0082】
ステップS15において、前記スイッチング素子51がオン状態になる制御信号を該スイッチング素子51に出力している場合には、制御手段41は、ハイサイド出力電流検出入力を調査する(ステップS16)。具体的には、制御手段41は、前記ハイサイド出力電流検出手段57からの出力信号So1のレベルに基づいて、前記ハイサイド出力電流検知用抵抗R11を流れる出力電流の大小を判定する。
【0083】
そして、ステップS17において、負荷34の接続時に相当する所定の値以上の大きな出力電流があると判断されると、制御手段41は、出力電圧チェック強化モードに移行する(ステップS18)。具体的には、制御手段41は、漏れ電流の検出感度がより敏感になるように、該漏れ電流の検出(出力破損検知)に係る前記所定閾値Vthをより小さい値に設定する。
【0084】
一方、ステップS17において、負荷34の接続時に相当する所定の値以上の大きな出力電流がないと判断されると、制御手段41は、出力電圧チェック手加減モードに移行する(ステップS19)。具体的には、制御手段41は、漏れ電流の検出感度がより鈍感になるように、該漏れ電流の検出(出力破損検知)に係る前記所定閾値Vthをより大きい値に設定する。
【0085】
なお、ステップS18又はS19においていずれかの所定閾値Vthを設定して出力電圧チェックの厳密度を変化させた制御手段41は、その設定した所定閾値Vthを前記記憶手段42に記憶する。そして、制御手段41は、ステップS14に戻って同様の処理を繰り返す。また、ステップS15において前記スイッチング素子51がオン状態になる制御信号を該スイッチング素子51に出力してない場合も、制御手段41は、ステップS14に戻って同様の処理を繰り返す。
【0086】
また、ステップS13において、ハイサイド出力に設定されていない(ローサイド出力に設定されている)場合には、制御手段41は、ステップS24において、前記第1の実施形態と同様に本来の処理を行う。そして、制御手段41は、この判定結果に対応して他方のスイッチング素子52がオン状態になる制御信号を該スイッチング素子52に出力しているか否かを判断する(ステップS25)。
【0087】
ステップS25において、前記スイッチング素子52がオン状態になる制御信号を該スイッチング素子52に出力している場合には、制御手段41は、ローサイド出力電流検出入力を調査する(ステップS26)。具体的には、制御手段41は、前記ローサイド出力電流検出手段58からの出力信号So2のレベルに基づいて、前記ローサイド出力電流検知用抵抗R12を流れる出力電流の大小を判定する。
【0088】
そして、ステップS27において、負荷35の接続時に相当する所定の値以上の大きな出力電流があると判断されると、制御手段41は、出力電圧チェック強化モードに移行する(ステップS28)。具体的には、制御手段41は、漏れ電流の検出感度がより敏感になるように、該漏れ電流の検出(出力破損検知)に係る前記所定閾値Vthをより小さい値に設定する。
【0089】
一方、ステップS27において、負荷35の接続時に相当する所定の値以上の大きな出力電流がないと判断されると、制御手段41は、出力電圧チェック手加減モードに移行する(ステップS29)。具体的には、制御手段41は、漏れ電流の検出感度がより鈍感になるように、該漏れ電流の検出(出力破損検知)に係る前記所定閾値Vthをより大きい値に設定する。
【0090】
なお、ステップS28又はS29においていずれかの所定閾値Vthを設定して出力電圧チェックの厳密度を変化させた制御手段41は、その設定した所定閾値Vthを前記記憶手段42に記憶する。そして、制御手段41は、ステップS24に戻って同様の処理を繰り返す。また、ステップS25において前記スイッチング素子52がオン状態になる制御信号を該スイッチング素子52に出力してない場合も、制御手段41は、ステップS24に戻って同様の処理を繰り返す。
【0091】
上記において、電源投入直後、ステップS18又はS19、ステップS28又はS29において最初にいずれかの所定閾値Vthを設定し、記憶手段42に記憶させる段階が設定ステップに相当する。そして、この設定ステップの終了後、設定済みの所定閾値Vthを保持する段階が検出ステップに相当する。前記制御手段41は、この検出ステップにおいて、図示しない漏れ電流の検出ルーチンを割り込み処理するようになっており、該検出ルーチンにおいて、前記記憶手段42から前記所定閾値Vth(漏れ電流の検出感度)を読み込み、前述の態様で前記出力電圧検出手段55による漏れ電流の検出を行う。一方、制御手段41は、設定ステップにおいては、前記出力電圧検出手段55からの出力電圧Voの入力に関わらず、漏れ電流の検出ルーチンを割り込み処理することはなく、該出力電圧検出手段55による漏れ電流の検出を無効化する。
【0092】
以上詳述したように、本実施形態によれば、前記第1の実施形態の効果に加えて以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、前記負荷の特性に応じてハイサイド出力又はローサイド出力を選択することができ、例えばハイサイド出力及びローサイド出力のそれぞれに個別の出力回路を製造する場合に比べて、機種統一によるコストの削減や、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0093】
(2)本実施形態では、出力電圧検出手段55は、第1及び第2漏れ電流検出手段として兼用されることで、部品点数を削減することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
【0094】
・前記第1の実施形態において、出力電流検出手段25は、トランジスタを主体に構成してもよい。また、出力電流検出手段25は、オペアンプを主体に構成し、その出力信号Soをアナログ値(電圧値)として制御手段11で読み込むようにしてもよい。
【0095】
・前記第1の実施形態において、スイッチング素子21をNPNトランジスタにしてもよい。
・前記第1の実施形態において、出力部4を、ローサイド出力を行うように構成してもよい。この場合、スイッチング素子21をN−MOSトランジスタ又はPNPトランジスタにするとともに、基本的に極性が反転するように回路を構成すればよい。
【0096】
・前記第2の実施形態において、ハイサイド出力電流検出手段57は、トランジスタを主体に構成してもよい。また、ハイサイド出力電流検出手段57は、オペアンプを主体に構成し、その出力信号So1をアナログ値(電圧値)として制御手段41で読み込むようにしてもよい。この場合、ハイサイド過電流検出手段59についても同様にオペアンプを主体に構成するのであれば、既存のハイサイド過電流検出手段59をハイサイド出力電流検出手段57として共用することが可能である。ローサイド出力電流検出手段58についても、同様にトランジスタやオペアンプを主体に構成してもよい。
【0097】
・前記第2の実施形態においては、ハイサイド出力電流検知用抵抗R11を過電流検知用抵抗R17とは別に設けたが、オフセットの小さいコンパレータを採用するので有れば、これらを共用するようにしてもよい。ローサイド出力電流検知用抵抗R12及び過電流検知用抵抗R18についても、同様に共用するようにしてもよい。
【0098】
・前記第2の実施形態において、スイッチング素子51をNPNトランジスタにしてもよい。また、スイッチング素子52をPNPトランジスタにしてもよい。
・前記各実施形態においては、漏れ電流の検出に係る所定閾値Vthを変更してその検出感度を変更した。これに対し、所定閾値Vthを固定し、スイッチング素子21,51,52をオフにしてから出力電圧Voのチェックを開始するまでの時間を変更して検出感度を変更するようにしてもよい。例えば、スイッチング素子21,51,52をオフにしてから出力電圧Voのチェックを開始するまでの時間を短くすれば、漏れ電流による出力電圧Voの立ち上がりが不十分となって、漏れ電流が検出されにくくなる。これにより、漏れ電流の検出感度が下げられる。
【0099】
・前記各実施形態においては、検出ステップでの動作中であっても、ステップS5、S17、S27における判断が切り替わるように出力電流が変化した場合、ステップS6又はS8、ステップS18又はS19、ステップS28又はS29において、その都度、出力電圧チェックの厳密度(出力電圧チェック強化モード又は出力電圧チェック手加減モード)が変更されるようにした。これに対し、電源投入直後に最初に設定された出力電圧チェックの厳密度が、電源が切られるまで保持されるようにしてもよい。この場合、検出ステップでの動作中において、ステップS5、S17、S27における判断が切り替わるように出力電流が変化した場合、負荷が外れるなど不測の事態が発生したと推定されることから、制御手段11,41により、ロックアウト(機能停止)するなど適宜の対処処理を行うようにしてもよい。
【0100】
・前記各実施形態においては、電源投入時に、前記出力電圧検出手段24,55による漏れ電流の検出を無効化したが、例えば漏れ電流の検出感度(所定閾値Vth)を鈍感にして、実質的に漏れ電流が検出されないようしてもよい。
【0101】
・前記各実施形態において、負荷22、34(又は35)の接続された出力部4、33を一対で設けて制御手段11、41に接続するとともに、各負荷22、34(又は35)を次段の安全機器用の負荷に給電するためのスイッチング素子とし、これら両負荷22、34(又は35)のスイッチング動作の論理積によって当該安全機器用の負荷に対し電力供給を行うようにしてもよい。これにより、安全機器用の負荷に対する電力供給の冗長化を図ることができる。
【0102】
・前記各実施形態において、出力電流検知用抵抗R1、ハイサイド出力電流検知用抵抗R11又はローサイド出力電流検知用抵抗R12は、スイッチング素子21、51又は52に対し接続点C1、C11側に接続してもよい。
【0103】
・前記各実施形態において、負荷22、34又は35は、例えばリレーなどであってもよい。
・前記各実施形態において、設定されている現在の検出感度(出力電圧チェック強化モード、出力電圧チェック手加減モード)を表示する報知手段(LEDなど)を付けてもよい。
【0104】
・コントローラ1、出力部4が受光器3と別で構成されてなくてもよく、コントローラ1、出力部4が受光器3の内部にあっても良い。
・本発明は、光電スイッチ以外に、検出領域の物体の有無を検出する適宜の検出手段を備えた磁気(近接)スイッチ、超音波スイッチ、圧力スイッチ等の検出スイッチに適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す回路ブロック図。
【図2】同実施形態の処理態様を示すフローチャート。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す回路ブロック図。
【図4】同実施形態の処理態様を示すフローチャート。
【図5】従来形態を示す回路ブロック図。
【符号の説明】
【0106】
GND…グランド(グランドライン)、L…光軸、L1…電源ライン、L2,L12…接続ライン、R1…出力電流検知用抵抗(検知抵抗)、R3,R4…出力電圧検知用抵抗(検出抵抗)、R11…ハイサイド出力電流検知用抵抗(第1検知抵抗)、R12…ローサイド出力電流検知用抵抗(第2検知抵抗)、R13…出力電圧検知用抵抗(第1検出抵抗)、R15…出力電圧検知用抵抗(第2検出抵抗)、1…コントローラ、2…投光器、3…受光器、4,33…出力部、6…投光素子(投光手段)、8…受光素子(受光手段)、11,41…制御手段、12,42…記憶手段、21…スイッチング素子、22,34,35…負荷、23,53,54…双方向ツェナー(双方向整流素子)、24…出力電圧検出手段(漏れ電流検出手段)、25…出力電流検出手段、32…操作スイッチ(選択手段)、51…スイッチング素子(第1スイッチング素子)、52…スイッチング素子(第2スイッチング素子)、53…双方向ツェナー(第1双方向整流素子)、54…双方向ツェナー(第2双方向整流素子)、55…出力電圧検出手段(第1漏れ電流検出手段、第2漏れ電流検出手段)、57…ハイサイド出力電流検出手段(第1出力電流検出手段)、58…ローサイド出力電流検出手段(第2出力電流検出手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源ライン及びグランドラインの間に接続されるとともに、負荷に直列接続可能に構成され、制御手段からの制御信号に基づきスイッチング動作を行うことで、前記負荷に対して電力供給を行うスイッチング素子と、
前記スイッチング素子と並列に接続される双方向整流素子と、
一方が前記双方向整流素子に接続されるとともに、他方が前記電源ラインと前記グランドラインとの前記双方向整流素子が接続されたラインと反対のラインに接続されて、前記双方向整流素子と直列接続された検出抵抗に流れる漏れ電流を検出する漏れ電流検出手段を備え、
前記スイッチング素子及び前記負荷が接続される前記電源ラインと前記グランドラインとの間の経路に検知抵抗を接続し、前記検知抵抗に流れる出力電流を検出する出力電流検出手段とを備えた出力回路において、
電源投入時に、前記スイッチング素子のオン状態において、前記出力電流検出手段により検出された出力電流に基づいて、漏れ電流検知の検出感度を設定して記憶する記憶手段と、
前記漏れ電流検出手段は、前記記憶手段への前記検出感度の記憶された後に、前記記憶手段に記憶される前記検出感度により漏れ電流の検出を行う
ことを特徴とする出力回路。
【請求項2】
請求項1に記載の出力回路において、
前記スイッチング素子は、前記制御信号がハイのときにオンする第1スイッチング素子と、前記制御信号がローのときにオンする第2スイッチング素子とから構成され、
前記負荷は、前記電源ラインと前記グランドラインとの間に一方のスイッチング素子と直列接続可能に構成されると共に、
前記双方向整流素子は、前記第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子それぞれに並列に接続される第1双方向整流素子と第2双方向整流素子とを備え、
前記漏れ電流検出手段は、前記第1双方向整流素子と直列に接続された第1検出抵抗に流れる漏れ電流を検出する第1漏れ電流検出手段と、前記第2双方向整流素子と直列に接続された第2検出抵抗に流れる漏れ電流を検出する第2漏れ電流検出手段と、を備え、
前記出力電流検出手段は、前記第1スイッチング素子及び前記負荷が接続される前記電源ラインと前記グランドラインとの間の経路に第1検知抵抗を接続し、前記第1検知抵抗に流れる出力電流を検出する第1出力電流検出手段と、前記第2スイッチング素子及び前記負荷が接続される前記電源ラインと前記グランドラインとの間の経路に第2検知抵抗を接続し、前記第2検知抵抗に流れる出力電流を検出する第2出力電流検出手段とを備え、
前記制御手段からの前記制御信号により出力制御を行う前記スイッチング素子を前記第1スイッチング素子と第2スイッチング素子とから一方を選択する選択手段とを備えた
ことを特徴とする出力回路。
【請求項3】
請求項2に記載の出力回路において、
前記第1漏れ電流検出手段は、前記第2漏れ電流検出手段として兼用されてなる
ことを特徴とする出力回路。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の出力回路において、
前記制御手段は、前記漏れ電流検出手段による漏れ電流の検出を無効化する
ことを特徴とする出力回路。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の出力回路と、
検出領域の物体の有無を検出する検出手段とを備え、
前記制御手段は、前記検出手段が物体を検出したか否かを判定し、この判定結果に基づいて前記スイッチング素子に前記制御信号を出力する
ことを特徴とする検出スイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−193139(P2008−193139A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−22143(P2007−22143)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【出願人】(000106221)サンクス株式会社 (578)
【Fターム(参考)】