説明

半導体処理の均一性を改善するための熱伝達システム

【課題】熱伝達システムを使用して基板を処理するプラズマ処理システムおよび方法を提供する。
【解決手段】熱伝達システム118は、基板110の表面にわたる高度な処理の均一性を生成することができ、熱伝達部材114の上に支持され、熱伝達部材114と良好に熱接触する均一性ペデスタル112を備える。均一性ペデスタル112は、処理中に基板110の裏面の輪郭と合致することのできる適合基板支持面(すなわち接触面)を与えるピン配列を含む。基板110を均一に冷却するために、基板110の処理中に、均一性ペデスタル112と熱伝達部材114との間で大きな温度勾配を確立することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体処理の均一性を改善するための熱伝達システムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェハまたはその他の基板を処理中に保持するのに様々なチャッキング装置が広く使用されている。例えば、機械式チャックは、アームまたはクランプを使用して支持面に対してワークピースを押しつけることによって、ワークピースを固定することができる。しかし、機械式チャックによる締付力は本質的に不均一であり、その結果ワークピース内の応力が不均等となり、それによって変形が引き起こされ、ワークピースと支持部との間の熱接触が不均等となる可能性がある。
【0003】
真空チャックは、ワークピース裏面の下の空洞を真空にし、それによって処理チャンバとワークピース裏面との間の圧力差による締付力を生成することによってワークピースを固定する。真空チャックは、機械式チャックよりも均一な締付力を与えることができる。しかし、半導体処理の応用例の多くで必要となる低圧環境では、その圧力差が不十分となり、十分な締付力を生み出すことができない。
【0004】
静電式チャックは、真空系において、均一性が改善された締付力を与える。静電式チャック(ESC)は、静電ポテンシャルを使用して、ワークピースを処理中に定位置に保持する。ワークピースをチャックに締め付けることにより、ワークピースとチャックとの間の熱伝導率を改善することができる。さらに、ワークピースとチャックとの間の熱伝達を改善するために、ヘリウムなどの高熱伝導率ガスをワークピースとチャックとの間に配置することができる。機械式クランプおよびESC基板ホルダの例が、本願の所有者が所有する米国特許第5262029号、第5880922号、および第5671116号で与えられている。米国特許第4579618号に開示されているように、電極の形の基板ホルダが、無線周波数(RF)電力をチャンバ内に供給することができる。
【0005】
ESCの使用で生ずる難点は、チャックからワークピースを取り外すためにワークピースとチャックとの間の残留静電力を除去しなければならないことである。この残留力は、ワークピースとESC支持面との間の界面に電荷が蓄積することによって生ずる。ワークピースを除去またはチャッキング解除するためにいくつかの技法が開発された。例えば、電極を放電するために、電極とワークピースを共に接地することができ、あるいは電極に印加されるチャッキング電圧の極性を反転させることができる。しかし、こうした技法は、電極およびワークピース上のすべての電荷を除去する際に完全に有効なわけではない。残留静電吸引力を克服するのにしばしば機械的力が必要であるので、ワークピースが損傷する可能性があり、意図しない位置からワークピースを取り出す際に困難が生じる可能性がある。ワークピースをチャッキング解除する手法が、米国特許第5117121号、第6125025号、第6236555号、および第6430022号に開示されている。
【0006】
弾力性のある締付部材を使用して基板を基板支持面と係合させる処理装置が、米国特許第4685999号、第5266527号、および第5925226号に開示されている。半導体基板を処理する極低温冷却システムが、米国特許第6431115号および第6695946号で開示されている。
【0007】
今日までの進歩にも関わらず、ウェハを処理中に支持するための、効率的で低コストの機器に関心が払われている。半導体ウェハなどの基板を支持する基板支持体を実現すると共に、チャッキング解除に伴う困難を生じさせることなく良好な処理の均一性を実現することは、1つの改善となるはずである。
【発明の概要】
【0008】
基板の上面を半導体処理する際に基板を支持するように構成された熱伝達システムであって、(i)熱伝達部材の上に重なり、熱伝達部材と熱接触するピンベースであって、上部壁と、下部壁と、上部壁と下部壁との間に延びて上部壁と下部壁との間に空洞を規定する側壁とを有し、前記上部壁が複数のボアの配列を有するピンベースと、(ii)前記複数のボアの1つに摺動可能にそれぞれ配置される基板支持ピンの配列であって、各基板支持ピンがピンベースと熱接触し、その上端にコンタクトチップを有する基板支持ピンの配列と、(iii)前記空洞と流体を介して連絡し、各支持ピンを上方向に移動させるのに十分な量だけ前記空洞に加圧ガスを供給するように構成された加圧ガス源とを備える熱伝達システムが提供される。
【0009】
基板の表面を処理するプラズマ処理システムであって、処理のためにプラズマを発生させてプラズマを維持するように構成された真空処理チャンバを備え、処理チャンバ内に配された上述の熱伝達システムをさらに備えるプラズマ処理システムも提供される。
【0010】
ピン配列は、支持ピンの密な配列を有することができる。例えば、支持ピンを約5mm以下の間隔で配置することができ(すなわち、最も近い隣接ピンの外面間の距離が約5mm以下とすることができる)、支持ピンの直径を約0.5mmと3mmとの間にすることができる。好ましくは、ピン配列は少なくとも1000個の支持ピンを含む。各支持ピンは、複数のボアの1つの中で摺動するように構成された円筒形ピン本体を有する。円筒形ピン本体は、ほぼ一定の外径を有し、各ボアは、ほぼ一定の内径を有する。円筒形ピン本体の外径は、円筒形ピン本体が配置されるボアの内径より約0.1から5%小さい。
【0011】
支持ピンおよびピンベースは、金属または半導体から作成することができ、あるいは金属または半導体で被覆することができる。好ましい実施形態では、支持ピンおよびピンベースは、プラズマ反応チャンバ内のプラズマエッチングに対して耐性のある導電性および/またはスパッタ耐性材料で被覆される。
【0012】
支持ピンおよびピンベースは、基板が支持ピン上に支持されたときに基板から熱伝達部材に熱エネルギーを伝達するように構成される。ピンベースと熱伝達部材との間の熱接触を改善するために、はんだ、ろう付け材料、または接着剤を介してピンベースを熱伝達部材にボンディングすることができる。
【0013】
一実施形態では、熱伝達システムは、基板の裏面の温度を測定するように構成された温度センサをさらに備える。支持ピンは、その上方向または下方向の動きを制限するように構成された少なくとも1つのストップを有することができる。
【0014】
好ましい実施形態では、コンタクトチップが、基板が支持ピンと物理的に接触しているときに基板と基板支持ピンとの間の熱接触を最大にするように構成される。各コンタクトチップは、ほぼ平坦またはほぼ半球形でよく、約0.3ミクロン未満の平均表面粗さを有する接触面を有することができる。
【0015】
基板の重量の下で、各支持ピンは、基板の裏面と接触することによって下方向に変位するように構成される。支持ピン上に基板がない場合、各支持ピンは、空洞内の正のガス圧によって上方向に変位するように構成される。
【0016】
熱伝達部材は、熱流体を流路内で循環させるように構成された熱流体源と流体を介して連絡する流路を有することができる。好ましい熱流体は、水(例えば、脱イオン水)、液体ヘリウム、液体窒素、エチレングリコール、プロピレングリコール、および/またはFluorinet(商標)を含む。
【0017】
熱流体に加えて、または熱流体の代わりに、熱伝達システムは、熱伝達部材の頂部に複数の熱電素子(例えば、熱電素子の同心構成)を備えることができる。したがって、熱伝達流体および/または熱電素子を使用して、支持ピン配列によって支持される基板に熱を与えることができ、またはそれから熱を除去することができる。底部RF電極が設けられる実施形態では、熱電素子は底部RF電極の下に配されることが好ましい。
【0018】
好ましくは、熱伝達システムはさらに、加圧ガスを空洞に流すためのガス供給入口をピンベース内に有し、さらに、空洞から圧力ガスを解放するためのガス出口を有してもよい。加圧ガスは、ヘリウム、窒素、またはアルゴンでよい。空洞へのガス供給は、空洞内のガス圧を調節するための流れ圧力コントローラを含むことができる。
【0019】
好ましい実施形態では、熱伝達システムは、RF電極をさらに備える。そのRF電極は、チャンバ内にプラズマを生成し、または基板にRFバイアスを印加するように構成されている。熱伝達システムがRF電極を備える場合、好ましくは、ピンベースの底面がRF電極の上面にボンディングされ、RF電極の底面が熱伝達部材の上面にボンディングされる。はんだ、ろう付け材料、または接着剤を使用して、RF電極をピンベースおよび/または熱伝達部材にボンディングすることができる。好ましくは、RF電極が設けられる場合、RF電極が、上にあるピンベースと下にある熱伝達部材の両方と熱接触する。なお、水晶、アルミナなどの誘電体材料の層によってRF電極を熱伝達部材と分離してもよい。適切なRF整合回路を設けることによってRF電極に単一周波数または多重周波数のRF電力を供給することができる。
【0020】
別の実施形態では、熱伝達システムは、RF電極の上に配されたエッジリングを備えることができる。エッジリングは、基板を処理するのに使用されるプラズマからRF電極およびピンベースを遮蔽するように構成される。好ましいエッジリングは、基板が熱伝達システムによって支持されるときにRF電極と基板との間に配されるように構成された第1部分を有する。さらに、熱伝達システムは、RF電極とエッジリングとの間に配されたインピーダンス整合層を備えることができる。インピーダンス整合層は、RF電極および/またはエッジリングにボンディングされる。好ましくは、インピーダンス整合層は、基板の上面にわたる処理の均一性を改善するために、RF電極と処理プラズマとの間のインピーダンスを制御するように構成される。
【0021】
基板は半導体ウェハでよい。RF電極が設けられる場合、RF電極の直径は、ウェハの直径より小さい、または、ウェハの直径より大きい、又は、ウェハの直径に等しい。好ましくは、RF電極の直径は、ウェハの直径から約2mmを引いたものよりも大きく、またはウェハの直径に約2mmを加えたものよりも小さい。
【0022】
熱伝達システムを備える処理チャンバ内で基板を処理する方法において、基板が支持ピン配列上に支持されることにより、1以上の支持ピンは、基板の重量の力によって1以上下方向に移動する(例えば、ピンのすべてが基板の重量の下で沈み基板の裏面に接触するように、ピンを上方向に移動させるためのガス圧を設定することができる)。空洞内のガス圧は、大多数またはすべての支持ピンのコンタクトチップが基板の処理(例えばプラズマ処理)中に基板の裏面と接触するように支持ピンを上方向の力を及ぼすのに十分な値になるように、基板の重量に従って制御される。
【0023】
好ましい方法では、処理チャンバはプラズマエッチングチャンバである。その処理は、基板の上面に隣接してプラズマを生成することと、基板の上面に露出された層をプラズマでエッチングすることとを含む。あるいは、その処理は、(例えば化学的気相成長、熱酸化、スパッタリング、またはその他の成膜処理によって)基板の上面に層を形成することを含むこともできる。さらに、その処理は、基板からフォトレジストまたはその他の材料を剥離することを含むことができる。
【0024】
基板の処理中に、好ましくは、空洞内のガス圧は、コンタクトチップの少なくとも95%が基板の裏面と熱接触した状態に維持されるようなレベルに維持される。
【0025】
熱流体を熱伝達部材内で循環させることにより、処理中に熱伝達部材を約100K未満の温度まで冷却することができる。熱流体を熱伝達部材内で循環させることにより、及び/または、基板支持ピンと熱伝達可能に接触する複数の熱電モジュールに電流を供給することにより、処理中に基板を約450K未満の温度まで冷却することができる。好ましくは、処理中に基板を均一に冷却するために、熱伝達部材と基板との間で大きな温度勾配(例えば少なくとも約200K、より好ましくは少なくとも約300K)が維持される。
【0026】
基板の処理は、化学的気相成長、プラズマ気相成長、物理的気相成長、スパッタリング、イオン注入、プラズマエッチング、またはレジスト剥離を含むことができる。ピンベースを使用する場合、基板を機械的または静電的に締め付けることなく基板を支持しながら処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】一実施形態によるプラズマリアクタの側方断面図である。
【図2】一実施形態による熱伝達システムの側方断面図である。
【図3】例示的な支持ピンの幾何形状を示す図である。
【図4】基板を支持する前における熱伝達システムの一部の分解図である。
【図5】非平面の裏面を有する基板を支持した後における熱伝達システムの一部の分解図である。
【図6】一実施形態による熱伝達システムの側方断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
基板を処理するとともにその処理の均一性を改善するように改良された半導体処理装置および方法が提供される。好ましくは、その処理は、半導体デバイスの製造に利用されるプラズマエッチング処理である。より具体的には、基板の表面にわたって高度に均一な処理を行うことができる熱伝達システムが提供される。基板は、集積回路を製造するのに使用される半導体基板、またはフラットパネルディスプレイを製造するのに使用されるガラス基板を含むことができる。熱伝達システムは、熱伝達部材上に支持され、熱伝達部材と良好に熱接触する基板ペデスタル(均一性ペデスタル)を備える。均一性ペデスタルは、処理中に基板の裏面のプロファイルに適合する適合基板支持面(すなわち接触面)を提供し、それによって基板と熱伝達部材との間で良好な熱伝達特性を与えるように構成される。
【0029】
適合支持面は、均一性ペデスタル内で摺動可能に装着される可動支持ピンの配列によって形成される。動作の際に、各ピンを正の裏面ガス圧によって完全に延びた位置に押しやることができるが、各ピンは、基板の重量の下で、基板の裏面と接触することによって延びた位置から変位することができる。好ましい実施形態では、基板の処理中に、基板を冷却するための大きな駆動力を生成するために均一性ペデスタルと熱伝達部材との間で大きな温度勾配が確立される。
【0030】
熱伝達システムは、静電的に締め付ける素子を使用することなく、かつ裏面冷却(例えばヘリウムガスを介した裏面冷却)を使用することなく基板の表面にわたる熱的不連続性および電気的不連続性を低減するように構成される。こうした不連続を低減することにより、基板の中心と縁部との間で見つかる処理変動が大幅に低減される。その結果、基板のより多くの部分を集積回路(IC)の作成に使用することができ、したがってデバイス歩留りを向上させることができる。本明細書では、「処理の均一性」とは、基板の表面にわたる処理全体の均一性を指す。例えば処理が非常に均一である場合、基板上の異なる部分での処理レートがほぼ等しくなる傾向があることが予想される。
【0031】
一般的に、半導体処理(例えば、プラズマエッチング、プラズマアシスト成長、レジスト剥離などのプラズマ処理)の間に、基板が処理チャンバ内の基板支持体上に設けられる。イオン衝撃によって熱エネルギーを基板に伝達することができ、好ましくは、基板支持体は、チャンバ内の安定かつ均一なプラズマと基板表面の安定かつ均一な温度とを共に維持しながら、基板から熱を除去する。特に、多くのタイプのプラズマ処理では、基板(例えばウェハ)の温度が基板支持体の温度よりも著しく高くなる可能性があるので、基板の温度の均一性を制御するために基板/基板支持体の界面にわたって熱伝導を制御することが好ましい。
【0032】
基板の露出表面の全領域にわたって均一な処理を確保するために、基板表面でウェハ温度がほぼ均一であることが好ましい。例えばプラズマエッチングの場合、エッチングレート、エッチングレート選択比、およびエッチングの異方性はすべて、プラズマエッチング中の基板の温度に影響を受ける可能性がある。同様に、基板の温度は、薄膜成長の速度、ならびに薄膜成長処理中の成膜材料の物理的、電気的、および光学的特性に影響を及ぼす可能性がある。
【0033】
好ましい実施形態は、容量結合プラズマリアクタなどのプラズマリアクタ、例えばカリフォルニア州フリーモントのラム リサーチ コーポレーションから入手可能なExelan(商標)プラズマエッチャと共に実施される。容量結合プラズマリアクタを図示し、説明するが、熱伝達システムは、任意の半導体処理装置、例えば、プラズマを形成するのに適した装置と共に利用されてもよい。プラズマを形成するのに適した装置は、例えば、誘導結合型リアクタまたは電子サイクロトロン共振(ECR)リアクタなどの高密度プラズマリアクタを含む。熱伝達システムは、均一な基板温度を生成するために、プラズマを形成するのに適した装置以外の装置で利用されても良い。プラズマを形成するのに適した装置以外の装置は、例えば、化学的気相成長装置またはイオン注入装置である。
【0034】
プラズマリアクタは、上部シャワーヘッド電極および底部電極を含む2重周波数容量結合プラズマリアクタを含んでもよい。そのRFエネルギーは、2つの異なる周波数(例えば27MHzおよび2MHz)で底部電極に供給され、あるいは異なる第1周波数および第2周波数でシャワーヘッド電極および/または底部電極に供給される。例えば、参照によりその開示全体が本明細書に組み込まれる、本願の所有者が所有する米国特許第6391787号を参照されたい。プラズマリアクタが容量結合プラズマエッチングリアクタである場合、そのリアクタは、給電されたシャワーヘッド電極および給電された底部電極を有してもよい。そのシャワーヘッド電極には、約500から3000ワットのRFエネルギーが供給されることが好ましく、底部電極には、約500から3000ワットのRFエネルギーが供給されることが好ましい。
【0035】
図1に、一実施形態によるプラズマリアクタ100を示す。プラズマリアクタ100は一般に、処理のためにその中でプラズマ103を発生させてプラズマ103を維持させることのできる処理チャンバ102を含む。チャンバ102内部には、一般に上部電極104が配される。その上部電極104は、整合ネットワーク(図示せず)を介して第1RF電源106に結合される。第1RF電源106は一般に、上部電極104にRFエネルギーを供給するように構成される。ガス入口108は、処理ガス、例えばエッチングガスを上部電極104と基板110との間の活性領域に導入するために、上部電極104内に設けられる。処理ガスは、ガス注入装置、ガス構成プレート(例えばシャワーヘッド)、1以上のガスリング、および/または他の適切な構成などの様々なタイプのガス供給構成によってチャンバ102に導入される。図示する実施形態では、処理チャンバ102がほぼ円筒形に構成され、チャンバ壁がほぼ鉛直に配されるように構成される。しかし、処理チャンバと、チャンバ壁を含む内部構成要素とは、図示されたものと異なる様々な構成の変形が可能であることを理解されたい。
【0036】
基板110をチャンバ102内に導入し、均一性ペデスタル112上に配することができる。均一性ペデスタル112は基板支持部として機能し、さらに、好ましい実施形態では下部電極を備えてもよい。均一性ペデスタル112は、熱伝達システム118の上側部分を含む。熱伝達部材114は、熱伝達システム118の下側部分を含む。好ましくは、均一性ペデスタルは熱伝達部材と良好に熱接触する。接着剤などの接着剤の層を使用して、均一性ペデスタル112を熱伝達部材114にボンディングすることができる。はんだ付けやろう付けなどの他の接合技法を使用して均一性ペデスタルを熱伝達部材に取り付けることもできる。熱伝達部材114および均一性ペデスタル112を含む熱伝達システム118を以下でより詳細に説明する。
【0037】
基板110は、処理すべきワークピースを表し、例えば半導体ウェハである。半導体ウェハに加えて、基板は、フラットパネルディスプレイとして処理されるガラスパネルを含むことができる。基板110は、処理中に除去(エッチング)すべき1以上の層を含むことができる。あるいは、処理は、基板上に1以上の層を形成することを含むことができる。
【0038】
排出口130は、チャンバ102の壁と熱伝達システム118の壁との間に配されることが好ましい。排出口130は、処理中に形成されるガスを排出するように構成され、一般に、処理チャンバ102の外側に位置するターボ分子ポンプ(図示せず)に結合される。ほとんどの実施形態では、ターボ分子ポンプは、処理チャンバ102内部の適切な圧力を維持するように構成される。排出口がチャンバ壁と均一性ペデスタルとの間に配されるように図示したが、排出口の実際の配置はプラズマ処理システムの特定の設計に従って変更される可能性がある。例えば、処理チャンバの壁に形成されたポートからガスを排出することもできる。さらに、プラズマ閉込めリングアセンブリ120を処理チャンバ102内部において上部電極104と均一性ペデスタル112との間に配し、プラズマ103を基板110の上に閉じ込めることができる。例えば、参照によりその開示全体が本明細書に組み込まれる、本願の所有者が所有する米国特許第5534751号、第5569356号、第5998932号を参照されたい。
【0039】
任意の下部電極を均一性ペデスタル112に組み込むことができ、その場合、上部電極は、給電されない電極(例えば接地電極)でよく、または下部電極と同一または異なるRF周波数を使用して給電される電極でも良い。上部電極および下部電極が給電される場合、適切なフィルタ構成を使用して、給電される下部電極に供給される電流周波数に対するリターンパスを設けることができる。好ましくは、下部電極は、下部電極にRFエネルギーを供給するように一般に構成される第2RF電源116によって(さらに、一般には整合ネットワークを介して)給電される。様々なプラズマ処理では、下部電極を使用して、RF電力を供給し、基板の上のオープンスペースでプラズマを生成し、及び/または、基板にRFバイアスを印加することができる。上部電極および/または下部電極とプラズマとの間で結合されるエネルギー量は一般に、基板を処理するのに使用されるプラズマの密度およびエネルギーに影響を及ぼす。例えば、結合エネルギーが高い場合、イオンエネルギーが高くなる傾向がある。結合エネルギーが低い場合、イオンエネルギーは低くなる傾向がある。それに対応して、高イオンエネルギーは、基板の処理中により活性化される傾向にあり、低イオンエネルギーは、基板の処理中により非活性化される傾向にある。底部電極で生成されるエネルギーは、基板表面122付近にシース電圧121を形成するように配されても良い。シース電圧121は、プラズマ103中のイオンを基板110に向けて加速するのに使用される。加速されたイオンは、基板で処理反応を活性化することができる。
【0040】
好ましくは、下部電極の外周が、基板の少なくとも外縁を超えて延びるように構成される。基板の縁部を超えて電極を延ばす1つの特定の利点は、基板の縁部の電気的特性がより均一となる傾向があることである。すなわち、RFエネルギーの結合は、基板の縁部付近でより均一となる傾向があり、その結果、処理は基板の表面にわたってより均一となる傾向がある。例えば、基板の縁部を約2mm超えてエネルギーを結合するように下部電極を構成することができる。単一接続を使用して無線周波数(RF)電力を下部RF電極の中心領域に印加し、電極表面にわたるRFエネルギーの分布を改善することができる。
【0041】
好ましくは、上部電極と、下部電極が設けられる場合の下部電極とは、ほぼ均一で良好なRF導伝体であり、実質的に基板110に対応した平面である。上部電極は、平面電極でもよいし、または、本願の所有者が所有する米国特許第6391787号に開示されている非平面的で階段状の電極でもよい。上部電極は、ドーム形の電極でもよい。好ましい実施形態では、各RF電極は、高導電性材料で形成された連続的で破壊されない層である。RF電極は、任意の適切な導電性材料で形成することができる。例えば、RF電極は、シリコン(例えばドーピングされたシリコン)、カーボン(例えばグラファイト)、炭化ケイ素、アルミニウムなどを含むことができる。上部電極は、給電されたシャワーヘッド電極または接地されたシャワーヘッド電極を含むことができる。好ましくは、RF電極は、RF電極に印加される無線周波数(RF)電力に耐えるのに十分な厚さを有する。RF電極の好ましい厚さは、約0.1cmから約2cmの範囲であるが、それより厚い電極を設けることもできる。さらに、上部電極はバッキングプレートまたはリテーナリングを備えることができる。例えば、シリコン上部電極はグラファイトのバッキングプレートを備えることができる。
【0042】
均一性ペデスタルがRF電源116に結合されるものとして図示し、説明したが、処理チャンバの構成が異なることに対応するように、他の構成が用いられてもよい。または、エネルギーの結合を可能にするのに必要な他の外部因子を構成するように、他の構成が用いられてもよい。例えば、ある単一周波数プラズマリアクタでは、電力が上部電極に供給され、均一性ペデスタルがグランドに結合される。
【0043】
プラズマ103を生成するために、処理ガスは、通常、ガス入口108を介して処理チャンバ102に供給される。その後、RF電源の一方または両方が作動したとき、RF電極の一方または両方を介して処理チャンバ内部において電場が容量結合する。
【0044】
プラズマリアクタ100を詳細に説明するが、熱伝達システム自体は、何らかの特定のタイプの基板処理装置に限定されるわけではなく、任意の周知の基板処理システムで使用されるように構成されてもよい。周知の基板処理システムは、エッチング処理に適用されるものを含むがそれに限定されない。エッチング処理に適用されるものは、ドライエッチング、プラズマエッチング、リアクティブイオンエッチング(RIE)、磁気強化リアクティブイオンエッチング(MERIE)、電子サイクロトロン共鳴(ECR)などに適用されるものを含む。プラズマ処理リアクタは、参照によりその開示が本明細書に組み込まれる、本願の所有者が所有する米国特許第6090304号に記載されている2重周波数プラズマエッチングリアクタなどの平行平板エッチングリアクタを含むことができる。さらに、熱伝達システムは、化学的気相成長(CVD)、プラズマ化学的気相成長(PECVD)、およびスパッタリングなどの物理的気相成長(PVD)のために構成されたものを含むいくつかの成膜工程のいずれに使用されてもよい。熱伝達システムは、イオン注入装置で使用されても良い。
【0045】
さらに、熱伝達システムは、任意の上記のリアクタ、ならびにその他の適切なプラズマ処理リアクタで実施されても良い。このことは、直流プラズマ源、容量結合平行電極板、ECRマイクロ波プラズマ源またはヘリコン共振器やヘリカル共振器などの誘導結合RF源、並びにRFアンテナ(平面または非平面)を介してプラズマに対するエネルギーが送達されるか否かに関わらず言えることである。適切なプラズマ生成装置は、参照によりその内容全体が本明細書に組み込まれる、本願の所有者が所有する米国特許第4340462号(平行板)、第5200232号(ECR)、および第4948458号(誘導結合)に開示されている。
【0046】
プラズマ処理中に、プラズマの衝撃イオンは、基板と、フォーカスリングおよび/または基板の周囲の他の部分などの隣接する面の温度を上昇させる傾向がある。十分に冷却されない場合、基板の温度は、装置および/またはその中に組み込まれた材料に対する熱損傷を引き起こすのに十分な温度まで上昇する可能性がある。一般に、締付力が及ぼされていない基板では、ウェハとウェハ支持面との間の熱接触は、プラズマ処理中に基板で生成される熱を放散するのには不十分である。
【0047】
熱伝達システムで支持される基板では、プラズマ処理中の基板の温度は、主に、1)基板の表面に入射するイオンフラックスおよびイオンエネルギー、2)熱伝達部材と基板との間の温度勾配、および3)基板の底面から熱伝達部材への熱の熱伝達係数、の関数である。
【0048】
熱伝達システムは、処理中の基板の温度と基板の温度の均一性とを制御するために設けられる。熱伝達システムは、熱伝達部材と熱接触する適合基板支持面を有する均一性ペデスタルを備える。適合支持面は、静電的に締め付ける素子を使用することなく、基板と熱伝達部材との間の良好な熱接触を与えることができる。適合接触面は、ウェハの裏面のトポグラフィに適合している。
【0049】
好ましい実施形態では、熱伝達システムは、均一性ペデスタルの支持面と熱伝達部材との間の大きな温度差□Tを与える。好ましくは、□Tは、少なくとも約200Kまたは少なくとも約300Kである。一般に、基板と基板支持面との間の熱伝達HをH〜k□Tと表すことができる。ただしkは熱伝達係数である。したがって、熱伝達係数を増大させることによって、及び/または、基板とその下にある基板支持体との間の温度勾配を増大させることによって、熱伝達を増大させることができる。
【0050】
一実施形態では、熱伝達システムは、基板の温度を均一にするように構成される。好ましい熱伝達システムの形態を図2〜6により詳細に示す。図2〜6に示される描写は原寸に比例せず、熱伝達システムの動作の議論をより明確にするために与えたものであることを理解されたい。図2は、均一性ペデスタル230および熱伝達部材500を備える熱伝達システム190の断面図を示す。
【0051】
熱伝達部材500は、一般に、水、液体ヘリウム、液体窒素、エチレングリコール、プロピレングリコール、またはそれらの混合物などの熱流体を複数の内部流路520に分配するための主入出力チャネル510を含む。例えば、閉ループヘリウム冷却機を使用することができる。他の冷却液には、3Mから入手可能なFluorinet(商標)が含まれる。内部流路520は、単一ゾーン(例えば渦巻)流路を含んでもよい。または、内部流路520は、入力チャネルおよび出力チャネル(図示せず)をそれぞれ有する2つ以上の別々に供給されるチャネルを含んでもよい。
【0052】
熱流体は、熱流体源(図示せず)から熱伝達部材に流れ、次いで熱伝達部材を出て熱流体源に戻る。一般に、熱流体源は、熱伝達部材に循環される前に熱流体を冷却または加熱する熱交換器を含む。基板および/または均一性ペデスタルを冷却するために、処理によって基板および均一性ペデスタルで生成された熱を熱流体に伝達することができ、熱流体が熱伝達部材内を循環し、処理チャンバの外に移送される。あるいは、基板および/または均一性ペデスタルを加熱するために熱流体が、加熱されて、熱を均一性ペデスタルおよび基板に伝達してもよい。
【0053】
別の実施形態では、熱電ペルチェデバイスの配列を使用して、均一性ペデスタルの温度、したがって基板支持ピンの温度を制御することができる。。熱伝達部材内の流体の閉ループと熱接触する少なくとも1つのペルチェデバイスを使用して加熱および冷却をどちらも実現されるが、好ましくは、均一性ペデスタルは冷却される。例えば、熱電ペルチェデバイスの配列は、均一性ペデスタルから熱流体への熱の伝達を向上させるように、又は、熱流体から均一性ペデスタルへの熱の伝達を向上させるように、熱伝達部材500の上に配されてもよい。複数の熱電モジュールを有しており温度が制御される基板が、参照によりその開示全体が本明細書に組み込まれる、本願の所有者が所有する米国特許第5740016号に記載されている。
【0054】
熱電デバイスが均一性ペデスタルを冷却するのに使用されるとき、電流が熱電デバイスに供給され、熱電デバイスでは、均一性ペデスタルの側に冷たい部分が生成され、熱伝達部材500の側に熱い部分が生成される。さらに、冷却された熱流体は、熱流体源から熱伝達部材500に流れ、熱電デバイスの熱い部分を冷却することができる。熱流体が熱電デバイスの熱い部分を冷却するとき、熱電デバイスの冷たい部分が均一性ペデスタルを冷却する。このようにして、熱電デバイスは、均一性ペデスタルからの熱の伝達を向上させることができる。
【0055】
熱電デバイスが均一性ペデスタルを加熱するのに使用されるとき、電流が熱電デバイスに供給され、熱電デバイスでは、均一性ペデスタルの側に熱い部分が生成され、熱伝達部材500の側に冷たい部分が生成される。さらに、加熱された熱流体は、熱流体源から熱伝達部材500に流れ、熱電デバイスの冷たい部分を加熱することができる。熱流体が熱電デバイスの冷たい部分を加熱するとき、熱電デバイスの熱い部分が均一性ペデスタルを加熱する。基板から熱伝達部材への(または熱伝達部材からの)熱流束は、熱電デバイスに供給される電流を制御することによって制御することができる。
【0056】
好ましい実施形態によれば、熱伝達部材500は、基板と熱伝達部材との間で大きな温度差が与えられるようにペデスタル230を冷却するのに使用される。1以上のペルチェ素子と組み合わされた液体窒素またはヘリウムの閉ループ槽使用する熱伝達部材は、それぞれ、最大約194Kまたは約298Kの温度勾配を生成することができる。
【0057】
任意の底部電極400を備える均一性ペデスタル230は、図1に示す均一性ペデスタル112に対応する。均一性ペデスタル230は中空ピンベース250を含む。ピンベース250は、上部壁260、側壁264、および下部壁270を有する。上部壁および下部壁は、それぞれ上面261、271および下面262、272を有する。上部壁260、側壁264、および下部壁270は空洞280を規定する。動作の際に、フィードスルー(例えば、基板を均一性ペデスタル上に上昇させたり均一性ペデスタルから下降させたりるするためのリフトピンの構成)を空洞ボリューム内に配することができる。
【0058】
ピンベース250は、基板支持ピン320の配列を支持するように構成される。ボア280の配列は、上部壁にわたって横方向に延在し、上部壁を上面261から下面262まで通過する。各ボアは、基板支持ピン320を収容するような寸法に作られる。各基板支持ピン320は、ボア内で摺動可能にはめ込まれるように構成される。好ましくは、ボアは、密な配列(例えば細密パターン、同心円のパターン、正方形配列など)に配列される。例えば、ボアは、隣接する(すなわち最も近い)ボア間の距離が5mm未満、好ましくは約3mm未満となるように、密な配列で配される。このように、基板支持ピン320は、ボアのパターンと同じパターンで配列される。集合的に、支持ピン320は、基板の下面の表面積より大きい、基板の下面の表面積と等しい、又は、基板の下面の表面積より小さい表面積を有するピン配列300を形成する。
【0059】
基板を処理するために、プラズマリアクタなどの処理チャンバは、その中に熱伝達システム190を備える。基板は、チャンバ内にロードされ、チャンバ内部の支持ピン配列上に置かれる。例えば、ロボットアーム(図示せず)は、ロードロック移送チャンバから処理チャンバ内に基板を移送することができる。リフトピンアセンブリ(図示せず)は、リフト機構によってピンベースを介して上昇および下降させることのできるリフトピンを有する。好ましくは、ピンベース250、下部電極400、および熱伝達部材500を通るリフトピンは、空洞280と流体を介して連絡せず、下部電極および熱伝達部材から電気的かつ熱的に絶縁される。ロボットアームは、リフトピンの先端に基板を配することができ、そのリフト機構は、基板をピン配列上に下降させることができる。以下でより詳細に説明するように、基板がピン配列上に配された後、空洞280内のガス圧は、支持ピンの大部分またはすべてが基板の裏面と接触するように構成される。例えば、基板は、完全に延びた支持ピン上に配され、ガス圧は、支持ピンが基板の重量下で下降することが可能となるように事前設定される。または、基板は、完全に収縮した支持ピン上に配され、ガス圧は、支持ピンを上昇させるように増大する。基板の処理後、リフト機構は、リフトピンを上昇させて基板を均一性ペデスタルから離れるように持ち上げる。これにより、ロボットのアームを介して処理チャンバから基板を取り除くことが可能となる
処理の間、基板は、支持ピンの大部分が基板の裏面と物理的に接触するようにピン配列上に配される。これにより、処理の間、配列300を介して熱を基板から熱伝達部材に伝達することができる。基板表面にわたる温度分布は、支持ピンの幾何学的配置(例えば、パターン、パターン密度)ならびに支持ピン自体の材料特性(例えば、熱伝導率)により、求めることができる。ピン配列は、支持ピンの均一または非均一なパターンを含むことができる。
【0060】
熱伝達システムは、支持される基板の異なる領域に同一の熱流束または異なる熱流束を供給することのできる2以上のゾーン(マルチゾーン)を含むように構成されてもよい。例えば、熱伝達部材は、均一性ペデスタルの内部を冷却(または加熱)する第1ゾーンと、均一性ペデスタルの外部を冷却(または加熱)する第2ゾーンとを有することができる。基板の処理中に、2以上のゾーン(マルチゾーン)の各ゾーンには、同一の温度または異なる温度が設定される。好ましくは、マルチゾーン熱伝達部材の各ゾーンは、各ゾーンの温度を個々に制御することができるように、他のゾーンから熱的に絶縁される。このように、マルチゾーン熱伝達部材は、処理中に均一性ペデスタルを所望の温度まで均一に冷却(または加熱)し、及び/または、均一性ペデスタルにわたる非均一な熱分布を補償するために、使用される。マルチゾーン熱伝達部材が設けられる実施形態では、好ましくは、マルチゾーンピンベースが設けられる。
【0061】
マルチゾーン熱伝達部材の各ゾーン上には、別々のピンベースを取り付けることができる。これにより、熱伝達システムは、各ピンベースが別々の熱伝達部材上に支持されるマルチゾーンピンベースを備えることができる。好ましくは、マルチゾーンピンベースの各ゾーンは、各ゾーンの温度がその下にある熱伝達部材の温度を制御することによって個々に制御できるように、他のピンベースのゾーンから熱的に絶縁される。
【0062】
マルチゾーン熱伝達システムの各ゾーンは、他のゾーンから熱的に絶縁されることが好ましい。ガラス、水晶、アルミナなどの誘電体材料を使用して各ゾーンを熱的に絶縁することができる。
【0063】
好ましくは、エッチングを受ける基板を支持する熱伝達システムは、基板上のフォトレジストのバーニングを防止するのに十分な温度に基板を冷却する。好ましくは、プラズマエッチング中の平均基板温度は、140℃未満に維持される。高密度プラズマリアクタでは、一般に、基板を約−20から40℃の間の温度まで冷却することで十分である。基板を所望の温度に維持するために、約100K未満の温度(例えば、77K以下)まで熱伝達部材を冷却することができる。
【0064】
ピンベースは、加圧ガスを空洞280内に流すためのガス供給入口282をさらに有する。さらに、ピンベースは、空洞から加圧ガスを解放するためのガス出口284を有することができる。入口282および出口284を通るガス流量は、空洞280への正味のガスフローが空洞内部ガスの圧力を決定するように、圧力制御弁283、285によって制御される。マノメータは、ガス供給入口282に接続され、空洞280内のガス圧を測定する。マノメータは、測定圧力に対応する信号を流れ圧力コントローラおよびリードアウト(図示せず)に出力することができる。圧力コントローラは、圧力制御弁283、285に電気的に接続され、測定された圧力に応答して圧力制御弁283、285を制御する。圧力制御弁283、285は、ヘリウム、窒素、アルゴン、またはそれらの混合物などのガス源と流体を介して連絡する。
【0065】
好ましい実施形態では、基板が均一性ペデスタル230上に配置されるとき、基板の重量が、支持ピン320の配列に対して下方向の力を加える。各ピンは、基板の裏面と接触することによって下方向に変位することができる。空洞280内のガスの圧力は、支持ピン320に対して上方向の力を加える。処理の間、空洞280内のガス圧は、各支持ピンに対して継続的に上方向の力を加える。空洞280内に効果的な量のガス圧を供給することにより、加圧ガスによって支持ピンに対して加えられる上方向の力により、少なくとも大部分の支持ピンが基板の裏面と係合する。好ましくは、支持ピンの95%超(例えば100%)が、処理中に基板の裏面と熱接触する。
【0066】
したがって、個々に移動可能な支持ピン320の配列300は、平面または非平面基板と熱接触することのできる適合支持面を与えることができる。適合支持面は、基板を支持面に静電的に締め付けることなく、基板の裏面と熱伝達部材との間の熱接触を実現する。
【0067】
好ましくは、1以上の温度センサ(例えば、熱電対、光ファイバセンサなど)が均一性ペデスタル230の頂面の上にまたは隣接した位置に配され、処理中の基板の温度のリアルタイム表示が提供される。例えば、1以上の支持ピンを省略することができ、熱電対または黒体プローブなどの温度センサを支持ピンの代わりに設けることができる。支持されるウェハの温度を感知するのに適した黒体プローブの詳細は、参照によりその開示全体が本明細書に組み込まれる、本願の譲受人に譲渡された米国特許第6140612号で得られる。その代わりに、またはそれに加えて、1以上の温度センサを熱伝達部材内に配して、熱伝達部材および/または熱流体の温度を感知することができる。
【0068】
基板の裏面と支持ピン320との間の直接接触の面積と、基板/支持ピン界面にわたる熱伝導率との両者は、伝達される熱量に影響を及ぼす。支持ピンと基板との間の直接接触の面積は、処理中の基板温度および/または基板温度の均一性に影響を及ぼす可能性がある。支持ピンと基板との間の直接接触の面積は、支持ピンの数および数密度、ならびに支持ピン接触面の粗さ、平面度、および硬さの関数である。一般に、接触面積が大きくなると、伝達される熱量が多くなる。さらに、支持ピン320の幾何形状(例えば直径)および材料特性(例えば熱伝導率)が、基板の温度および/または温度の均一性に影響を及ぼす可能性がある。
【0069】
支持ピンと基板との合計接触領域を最大にするために、ボア間の間隔を最小限に抑える(すなわち、支持ピン間の間隔を最小限に抑える)ことが望ましい。支持ピン320の合計数は、一般に熱伝達システム設計に依存する。例えば300mmのウェハを処理するために、ピン配列は、好ましくは、少なくとも1000個の支持ピンを備え、より好ましくは、少なくとも1500個の支持ピンを備える。好ましい実施形態では、支持ピンは、密な配列で配される。支持ピン間の間隔は、好ましくは、約5mm未満であり、より好ましくは、約3mm(例えば約2または1mm)未満である。
【0070】
好ましくは、各支持ピン320の直径(dP)と各ボアの直径(dB)とは、空洞280からボアを通じての加圧ガスの漏れを最小限に抑えると共に、各ピンがボア内を矢印Aで示されるように(すなわちdP<dB)自由に移動することが可能となるようなサイズに作られる。好ましくは、各支持ピンの直径は約3mm未満、好ましくは約2mmである。したがって、空洞280からボアを介する加圧ガスの漏れを最小限に抑えるために、各支持ピンとそのボアとの間のギャップを最小限に抑えることが望ましい。好ましい実施形態では、支持ピン直径は、その対応するボアの内径よりも約0.1%から5%小さい。支持ピンの外径とボアの内径とは、事前選択された値の公差+/−5%以内に製造されることが好ましい。さらに、ボア265を通る圧力ガスの流れを最小限に抑えるために、支持ピン320とボア265との間にOリングシール(図示せず)を設けてもよい。さらに、ボア265の内面および/または支持ピン320の外面は、摩擦係数が低い熱伝導性被覆で被覆されて、空洞からのガスの漏れを最小限に抑えると共にピンの運動を容易にすることができる。
【0071】
次に、各支持ピン320の好ましい構成を、図3を具体的に参照しながら説明する。各支持ピン320は、その上端に、基板の裏面と接触するように構成されたコンタクトチップ330を備える。各支持ピンは、様々な幾何形状のコンタクトチップを備えることができる。例えば、支持ピン320は、ほぼ平坦なコンタクトチップ330aまたは半球形コンタクトチップ330bを備えることができる。さらに、支持ピン320は、基板の裏面との接触を最大にするような形状のコンタクトチップを備えることができる。各支持ピンの本体は、円筒形であることが好ましい。したがって、各支持ピンの断面は、円形ボア265に対応して円形であることが好ましい。しかし、1以上の支持ピンの上端は、非円形断面を有するコンタクトチップを備えることができる。例えば、基板とのより広い接触を実現するようにチップを拡大することができる。図3は、ボア265内に摺動可能にはめ込まれるように構成された円形本体328と、6角形コンタクトチップ330cとを有する支持ピン320を示す。コンタクトチップ330は、実質的に平面又は曲面である接触面332を有する。以下で説明するように、接触面の粗さを変更することができる。
【0072】
好ましい実施形態では、各支持ピンがそれぞれのボアと共に摺動可能に保持される。例えば、図2に示すように、1対のストップ322、324によって、各支持ピンは、その動ける範囲が制限されている。上部ストップ322は、上面261と当接することによって各ピン320の下方向の運動を制限し、下部ストップ324は、下面262と当接することによって各ピン320の上方向の運動を制限する。上部ストップ322と下部ストップ324との間の各ピンに沿った距離はDである。好ましくは、各ピン320の運動の全範囲は約5mm未満である(上部壁260の厚さをtとして、Dとtとの差に対応する)。さらに図2を参照すると、別の実施形態では、上部ストップ322を省略することができ、下部ストップ324が、上面262と当接することによって各ピン320の上方向の運動を制限し、各ピン320の下端面326が、上面271と当接することによって各ピンの下方向の運動を制限する。さらに、上部ストップ322は、ボア265の直径よりも広い断面を有するコンタクトチップ330に対応することができる。上部ストップおよび下部ストップは、支持ピンの下方向または上方向の垂直運動を制限するのに十分な量だけ支持ピンの本体から延びる連続的突起または不連続突起を有することができる。
【0073】
各ピンは、基板の裏面にほぼ垂直な方向に個々に移動するように構成される。好ましい実施形態では、空洞内の事前設定ガス圧を使用して、基板が均一性ペデスタル上に配置されたときに、ピンの垂直下方向の運動が基板の重量によって引き起こされる。基板と接触する各ピンは、接触点の基板表面の相対的高さに従う量だけ下方向に変位する。言い換えれば、それぞれのボア内のピンの深さ、すなわち完全に延びた位置からの変位は、基板の表面輪郭に依存する。しかし、空洞280内の圧力ガスによってピンに加えられる上方向の力が、基板の重量による下方向の力に対抗することができる。好ましくは、基板の処理中に、十分なガス圧が空洞280に加えられ、配列内の各ピンが基板の裏面と接触した状態(例えば熱接触)に維持される。
【0074】
支持ピンの運動は、空洞280内のガスの圧力を増大または低減させることによって影響を受ける。空洞内のガスの圧力を増大させることにより、ピンの運動の上方範囲が制限される(例えば下部ストップ324が下面262と係合する)まで、ピンを上方向に押しやることができる。下部ストップ324が下面262と係合するとき、ピンはその延びた位置にある。空洞内のガスの圧力を減少させることにより、ピンの運動の下方範囲が制限される(例えば、上部ストップ322が上面261と係合する、または下端面が上面271と係合する)まで、(ピン自体に作用する重力の下で、及び/または、ピン上に配置された基板の質量によって引き起こされる下方向の力により)ピンは下方向に移動することができる。ピンの運動の下方範囲が制限されるとき、ピンはその収縮位置にある。好ましくは、ウェハを均一性ペデスタル上にロードする前に、配列300内の各ピン320をその延びた位置まで上昇させるのに効果的な量だけ空洞280内のガス圧が増大される。しかし、ウェハが均一性ペデスタル上にロードされたとき、配列内の支持ピンは引っ込んだ位置にあってもよい。ウェハが均一性ペデスタル上にロードされた後、空洞280内のガス圧は、支持ピン接触面の少なくとも大部分がウェハと係合するのに十分な量だけ、設定したままにすることができ、増大することができ、または減少させることができる。
【0075】
1以上のセンサを使用して、処理中に支持ピンの位置を監視することができる。位置センサから読み出された出力値を使用して空洞内のガス圧を制御することができる。例えば、基板を支持ピン上に配置した後に支持ピンが延びた位置にあることを位置センサが示す場合、空洞内のガス圧を減少させることができる。同様に、基板を支持ピン上に配置した後に支持ピンが収縮位置にあることを位置センサが示す場合、空洞内のガス圧を増大させることができる。
【0076】
流れ圧力コントローラが、空洞280内の加圧ガスに対する所望の圧力値(設定圧力)で設定される。設定圧力は、主に基板の質量に基づいて決定される。好ましい実施形態では、処理すべき基板がピン配列300上で支持され、支持ピン320をその延びた位置と収縮位置との間に維持するために、流れ圧力コントローラが空洞280への加圧ガスの流れを増大または減少させる。処理の間、流れ圧力コントローラは、空洞内のガス圧を事前設定値に維持することができ、または位置センサが設けられる場合、位置センサからの入力に基づいて空洞内のガス圧の値を調節することができる。基板の処理中に、好ましくは、空洞280内のガス圧が、接触面332が基板の裏面と係合するようにピン配列300内のピン320の大部分を上方向に押しやるのに十分なレベルに維持される。好ましくは、ピン配列300内の各ピン320は接触位置まで垂直方向に移動し、それによって支持ピンの接触面が基板と接触(例えば熱接触)する。したがって、均一性ペデスタルは、支持ピン接触面の配列を含む適合支持面を与える。基板の処理中に、各接触面は、基板の裏面と個々に熱接触することができる。
【0077】
基板の処理中に、基板は加熱される。その熱は、例えば基板のプラズマエッチングに起因する。好ましくは、化学反応、材料のスパッタリング、イオン衝突などによる熱が、基板を通り、基板/支持ピンの界面を横切り、支持ピンの配列を通り、ピンベースを通り、最終的に熱伝達部材に伝達される。熱伝達部材は、均一性ペデスタルを通じた熱伝導を介して基板から熱を除去するように構成される。別の実施形態では、熱伝達部材は、均一性ペデスタルを通じた熱伝導を介して基板に熱を供給することができる。
【0078】
基板/ピン配列の界面にわたる熱伝導率は、基板とピン配列との間の合計接触面積を増大させることにより、及び/または、接触面の粗さを最小限に抑えることにより、増加させることができる。一実施形態では、支持ピンの密な配列を設けることにより、基板とピン配列との間の合計接触面積を増大させることができる。
【0079】
様々な支持ピン配列パターンが説明される。しかし、説明される配列パターンは、適合支持面を構築するのに使用することのできるパターンの代表例に過ぎない。好ましい実施形態では、支持ピン配列は、同一のピンの密な配列を含む。別の実施形態では、1以上の支持ピンのコンタクトチップは、基板と基板支持ピンとの間の熱接触を最大にするように構成することができる。例えば、コンタクトチップの形状および/または粗さを制御することによって熱接触を最大にすることができる。ピン配列は、複数の離散的ゾーンを含むことができる。複数の離散的ゾーンのそれぞれの支持ピンの配列は、一定でもよいしまたは可変でもよい(すなわち、支持ピン材料、ピン寸法、ピン間の間隔、および/または接触面の粗さなどは、支持ピン配列全体にわたって、または配列内のゾーンにわたって、一定でもよいしまたは可変でもよい)。
【0080】
支持ピン接触面の表面粗さを低減することによって基板と基板支持ピンとの間の熱接触の効率を向上させることができる。好ましくは、各支持ピンの接触面の表面粗さは、それが接触する基板の裏面の表面粗さ未満である。しかし、基板と支持ピンとの間の所望の熱接触を得るように表面粗さを提供できることを理解されよう。研磨していないシリコンウェハ(裏面に対応する)の表面粗さは、一般に約0.3ミクロンである。
【0081】
ピン配置の幾何形状ならびに接触面の粗さは、一定でよく、またはピン配列にわたって意図的に変化させることができる。例えば、配列の外側の環状部分の支持ピンと比較して、低減されたおよび/または傾斜された接触面粗さを有する支持ピンを配列の中心部分に設けることが望ましいことがある。そのような場合、低減された粗さにより、基板の中心部分でより効率的な熱伝達を提供することができる。
【0082】
ピン配列の外周が基板の外周とほぼ同じ広がりを有するようにピン配列300を構成することができる。あるいは、ピン配列の外周が基板の外周よりも小さくなるようにピン配列300を構成することができる。したがって、基板は、その外縁でオーバハング領域を有することができる。好ましくは、基板が処理のために均一性ペデスタル上に配されたときに、ピン配列が基板によって完全に覆われる。例えば、ピン配列の外縁は、基板の外縁の約2mm内部の部分で終了することができる。あるいは、基板の外周まで延びるように、または基板の外周を超えて延びるようにピン配列の外周を構成することができる。
【0083】
好ましくは、ピンベースが底部RF電極400上に取り付けられ、底部RF電極400が熱伝達部材500上に取り付けられる。好ましくは、底部RF電極は第2プレートである。シリコン接着剤などのポリマー接着剤の層を使用して、ピンベースを下にある電極とボンディングすることができ、及び/または、電極を下にある熱伝達部材とボンディングすることができる。はんだ付けまたはろう付けなどの他の接合技法を使用して、ピンベースを底部電極に取り付けることもできる(及び/または、底部電極を熱伝達部材に取り付けることができる)。好ましくは、底部RF電極が設けられるとき、ピンベース−電極および電極−熱伝達部材の界面のそれぞれにわたって良好な熱接触がなされる。底部RF電極が設けられないとき、好ましくは、ピンベース−熱伝達部材の界面にわたって良好な熱接触がなされる。したがって、どちらの実施形態でも、熱伝達システムは、基板と熱伝達部材との間で効率的かつ均一な熱伝達を実現する。
【0084】
図4に、均一性ペデスタル230の部分断面の分解図を示す。下部ストップ324が下面262と係合する支持ピン320(320a、320b、320c)が示されている。均一性ペデスタルによってまだ支持されていない非平面裏面601を有する基板600が示されている。
【0085】
図5に、図4の均一性ペデスタルの部分断面の分解図を示す。支持ピン320上に支持される基板600の一部が示されている。動作の際に、空洞280内のガス圧が、各支持ピン320a〜320cの接触面332をウェハ裏面601に接触(例えば熱接触)させるのに十分な上方向の力を各支持ピン320に供給する。具体的には図5を参照すると、第1支持ピン320aは、基板の裏面上のほぼくぼんだ部分と接触し、したがってその完全に延びた位置からわずかに変位する。第2および第3支持ピン320b、320cがそれぞれ、様々な高度を有する部分で基板と接触し、したがって、それに基づく様々な位置へ変位する。したがって、基板と熱伝達部材との間で熱エネルギーを効率的に結合する適合基板支持面が提供される。
【0086】
基板をロードし、または均一性ペデスタルから基板を下ろすのに使用することのできる空気圧またはケーブル作動式リフトピンなどのリフトピンを提供するように熱伝達システムを構成することもできる。一般に、リフトピンホールが頂面261から上部壁260、空洞280、下部壁270、電極400、および熱伝達部材500を通じて延びる。電極400は、リフトピンホールと位置合せされており好ましくは直径がより大きい開口を有することができる。それによってリフトピンが電極に接触することが防止される。好ましくは、空洞内の加圧ガスがリフトピンホールを通じて漏れることを防止するために、リフトピンが、空洞280と流体を介して連絡しない分離された通路内に配される。図2では、単一リフトピン290が、通路292内に移動可能に配されるように示されている。
【0087】
熱伝達部材は、その上に取り付けられたケーブル作動式リフトピンなどのリフトピンを含むことができる。そのリフトピンは、均一性ペデスタルに向かう方向、均一性ペデスタルから離れる方向に移動可能である。それによって、リフトピンは、電極およびピンベース内のホールを通じて移動し、基板を均一性ペデスタル上に下降させ、均一性ペデスタルから上昇させる。真空室内で基板を移動させるケーブル作動式駆動装置が、参照によりその開示全体が本明細書に組み込まれる、本願の所有者が所有する米国特許第5796066号で開示されている。リフトピンホールの数は一般に、熱伝達システム設計および/または基板のサイズに依存する。
【0088】
あるプラズマリアクタ(例えば高出力リアクタ)では、基板の隣の表面(例えば、ピンベース250および/または支持ピン320の上面261)は、プラズマ処理チャンバ内のプラズマ領域に対して露出されるので、プラズマすなわちイオン衝撃により摩耗して消費される。好ましくは、ピンベース250および/または支持ピン320が、プラズマ環境に対して耐性のある材料から作成される。あるいは、ピンベース250および/または支持ピン320が、プラズマ環境に対して耐性のある材料で被覆される。好ましくは、ピンベース250および/または支持ピン320は、任意の下部RF電極によって供給されるRFエネルギーが基板の上で生成されるプラズマと結合することを可能とする材料から作成される。
【0089】
好ましくは、ピンベース250は、導電性、熱伝導性、RF透過性、耐プラズマ性の材料から作成される。ピンベース用の適切な材料の例には、導電性材料(例えば金属)および半導体材料(例えばシリコン、炭化ケイ素、ダイヤモンド、ダイヤモンド状カーボン、グラファイトなど)が含まれる。好ましくは、支持ピン320は、導電性、熱伝導性、耐エッチング性の材料から作成される。支持ピン用の適切な材料の例には、導電性材料(例えば金属)および半導体材料(例えば、シリコン、炭化ケイ素、ダイヤモンド、ダイヤモンド状カーボン、グラファイトなど)が含まれる。
【0090】
基板を冷却するように熱伝達部材が構成される実施形態では、チャンバ環境および/または周囲の材料および表面から電極400を絶縁することができる。基板を冷却するように構成された基板支持体内の1以上の電極絶縁層の使用が、参照によりその開示全体が本明細書に組み込まれる、本願の所有者が所有する米国特許第6337277号に開示されている。
【0091】
好ましくは、均一性ペデスタルは、ほぼ円筒形に構成され、処理チャンバと軸合せされる。それによって、処理チャンバおよび均一性ペデスタルが円筒対称となる。しかし、これに制限されるものではなく、ペデスタルの配置は、各プラズマ処理システムの特定の設計に従って変化する可能性があることに留意されたい。
【0092】
均一性ペデスタルが均一な基板温度を生成するように図示および説明したが、(例えば、非均一なプラズマ密度などの他の処理の非均一性を補償するために)非均一な基板温度を生成するように均一性ペデスタルを構成することもできることを理解されよう。
【0093】
熱結合に加えて、均一な電場を生成するように均一性ペデスタルを構成することができる。図6を参照すると、エッジリング156は、基板の縁部付近の処理の電気的および機械的特性を改善することができ、ピンベースおよび支持ピンを反応物(すなわちイオン衝撃)から遮蔽することができる。したがって、エッジリング156は、基板600の縁部を囲むように配され、電極400の上方においてピンベース250の周りに配される。ほとんどの場合、エッジリング156は、過度な摩耗の後に交換される消費可能部分となるように構成される。エッジリング156は、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化ケイ素、水晶などの適切な誘電体材料から形成することができる。例えば、シリコン、より具体的には単結晶シリコン(例えばドープド炭化ケイ素)から形成されたエッジリングを設けることができる。
【0094】
ピン320を効果的に遮蔽するために、エッジリング156は、通常、基板600の外縁を取り囲む第1部分162と、ピンベース250の外縁を取り囲む第2部分164とを有する。第2部分164は、通常、ピンベース250の外縁に隣接し、電極400(設けられる場合)と基板600との間に配される。図示するように、基板160が処理のために均一性ペデスタル230上に配されるとき、第2部分164が基板160によって覆われる。一実施形態では、エッジリングの第2部分が基板の下に約2mm延びる。
【0095】
さらに、エッジリング156の外縁を、少なくとも電極400の外縁まで延びるように構成することができる。しかし一般には、基板600を処理するのに必要な電力を削減するために、エッジリング156の(底面にわたって測定された)幅を小さく保つことが好ましい。例えば、約2から15mmの間の幅を設けることができる。好ましくは、エッジリングは、基板の縁部を超えて延びる結合領域を提供し、したがって基板にわたる電気的特性がより均一となる傾向がある。さらに、エッジリング156の頂面(例えば第1部分162)が基板の頂面よりわずかに下のレベル、または基板の頂面とほぼ同じレベルに配置され、それによってピンベースおよびエッジリングが、処理のために基板を受け入れるためのくぼんだ部分を形成するように協働する。しかし、エッジリングの頂面のレベルは、各プラズマ処理システムの特定の設計に従って変化する可能性がある(例えば、基板の上に延びる可能性があり、または傾斜する可能性がある)ことに留意されたい。
【0096】
エッジリング156は、電気的に浮遊状態であってもよいし、またはDCグランドに電気的に結合していてもよい(すなわち、RFグランドである必要はない)。エッチングレートの均一性を改善するために均一性ペデスタルと共に使用するのに適したエッジリングの詳細が、参照によりその開示全体が本明細書に組み込まれる、本願の所有者が所有する米国特許第6039836号および第6344105号に開示されている。
【0097】
処理の間、エッジリング156は、熱伝達システムと適切に位置合せされた基板を保持するリテーナリングとしても働くことができる。例えば、エッジリングの上面157が基板600の下面601よりも高くなるようにエッジリング156を設けることができる。したがって、基板600がピン配列上に配されたとき、基板の外周は、エッジリングの内部周辺部と係合することができる。好ましくは、エッジリングは、基板支持ピンの配列と協働し、エッジリングの上面157に対してくぼんだ基板支持面を提供する。好ましい実施形態では、基板が処理のために熱伝達システムによって支持されるとき、エッジリングの上面157と基板の上面601がほぼ同一平面にある。
【0098】
均一性ペデスタル230は、エッジリング156と電極400との間に配されるインピーダンス整合層158も含むことができる。好ましくは、インピーダンス整合層158は、基板の表面にわたって電極400で生成される電場のインピーダンスを制御するように構成される。より具体的には、インピーダンス整合層158は、基板600の縁部付近に生成される電場のインピーダンスを変更するように構成される。インピーダンスを変更することにより、エネルギーのより均一な結合が基板の表面にわたって生成される。その結果、基板の中心での処理レートが基板の縁部での処理レートにほぼ等しくなるように処理の均一性が得られる。したがって、ICを形成するのに基板の縁部を使用できることにより、歩留りが向上する。
【0099】
図6に示すように、インピーダンス整合層158は、エッジリング156と電極400との間にはさまれる。インピーダンス整合層158は、電極400の上面に結合することができ、またはエッジリング156の下面に結合することができる。好ましくは、インピーダンス整合層は、より良好な熱的および電気的結合が生成されるように、対応する表面(例えばエッジリングまたは電極)上にボンディングされる。例えば、シリコーンエラストマー、はんだ付け、またはろう付けなどのボンディング処理を提供することができる。
【0100】
さらに、電極とプラズマとの間のインピーダンスを効果的に制御するために、インピーダンス整合層の厚さは、約0.10から約10mmの間でよく、インピーダンス整合層を誘電体材料、半導体材料、または導電性材料などの適切な材料から形成することができる。例えば、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化ケイ素、水晶、アルミニウム、陽極処理アルミニウム、酸化アルミニウムなどのアルミニウムセラミックなどの材料を使用してインピーダンス整合層を形成することができる。
【0101】
インピーダンス整合層の幅(例えば表面被覆率)も、電極とプラズマとの間のインピーダンスを制御するのに使用することのできる因子である。例えば、インピーダンス整合層の幅は、(例えばエッジリングの底面にわたって)エッジリングの幅と等しくすることができる。あるいは、インピーダンス整合層の幅は、エッジリングの幅未満とすることもできる。インピーダンス整合層の幅がエッジリングの幅未満である場合、より小さいインピーダンス整合層は、エッジリングの内周側に配されても良いし、エッジリングの外周側に配されても良いし、またはエッジリングの中央に配されてもよい。例えば、基板の領域内のみでインピーダンス整合層がエッジリングと電極との間に配されるようにインピーダンス整合層を配することができる。エッチングレートの均一性を改善するために均一性ペデスタルと共に使用するのに適したインピーダンス整合層の詳細が、参照によりその開示全体が本明細書に組み込まれる、本願の所有者が所有する米国特許第6363882号に開示されている。
【0102】
達成することのできるエネルギーの結合の程度は、一般に、プラズマと電極との間の単位面積当たりの全インピーダンスに対する1つの因子である。インピーダンスは、一般に、回路を通る電荷の流れまたは電流に対する抵抗の尺度と定義される。基板にわたって高いインピーダンスエリアおよび低いインピーダンスエリアを有する基板上で、基板にわたる所与の電力に対して、基板の低インピーダンス領域では、結合エネルギーが高くなる傾向があり、基板の高インピーダンス領域では、結合エネルギーが低くなる傾向があると一般には考えられる。したがって、エネルギーの均一な結合は均一性ペデスタルのインピーダンスに大きく依存する。
【0103】
単位面積当たりの全インピーダンスは、基板の単位面積当たりのインピーダンス、ピン配列の単位面積当たりのインピーダンス、エッジリングの単位面積当たりのインピーダンス、インピーダンス整合層の単位面積当たりのインピーダンス、およびそれらの間に見られる任意のギャップまたは界面の単位面積当たりのインピーダンスの関数である。通常、ピンとエッジリングとの材料特性の差のために、基板の中心で均一性ペデスタルおよび基板を通じて生成されるインピーダンスは、基板の縁部で均一性ペデスタル、エッジリング、および基板を通じて生成されるインピーダンスと異なる。その結果、基板の縁部でのエネルギーの結合は、基板の中心でのエネルギーの結合と異なる(例えば非均一)。
【0104】
基板の縁部のインピーダンスが基板の中心のインピーダンスと等しくなるように基板の縁部のインピーダンス(例えばシース電圧)を調節するようにインピーダンス整合層を配することができる。このようにして、基板の表面にわたるエネルギーの結合がより均一となり、したがって処理の均一性を達成することができる。
【0105】
所望の結合の効果を達成するようにエッジリングの厚さおよびインピーダンス整合層の厚さを最適化することができる。例えば、エッジリングの厚さの減少/増加およびインピーダンス整合層の厚さの増加/減少は、基板の縁部のインピーダンスを減少/増加させることができる。さらに、基板の縁部のインピーダンスを基板の中心のインピーダンスと整合させるようにインピーダンス整合層の材料特性(例えば誘電率)を調節することができる。例えば、誘電率の値の減少/増加は、基板の縁部のインピーダンスの減少/増加させることができる。所望の結合の効果を達成するようにインピーダンス整合層の長さおよび位置を最適化することができる。例えば、インピーダンス整合層の長さを短縮/延長することにより、基板の縁部のインピーダンスを減少/増加させることができる。さらに、エッジリングの縁部に対するインピーダンス整合層の位置も基板の縁部のインピーダンスを減少/増加させることができる。
【0106】
したがって、インピーダンス整合層の厚さならびにエッジリングの厚さ、インピーダンス整合層の材料特性、ならびにインピーダンス整合層の長さおよび位置は、基板の縁部のインピーダンスを基板の中心のインピーダンスと整合させるために用いることができる。
【0107】
均一な電場を生成するものとして均一性ペデスタルを図示および説明したが、非均一なプラズマ密度などの他の処理の非均一性を補償するために、非均一な電場を生成するように均一性ペデスタルを構成することもできることを理解されよう。上述のように、インピーダンスの量は、一般に、結合エネルギーの量に影響を及ぼす。その結合エネルギーの量は、一般に、基板を処理するのに使用されるプラズマの密度およびエネルギーに影響を及ぼす。したがって、電極によって生成される電場の変動を生み出すことのできる均一性ペデスタルを意図的に設計することによってシステム全体の処理の均一性を改善することができる。1つの特定の実施形態では、インピーダンス整合層は、基板の表面にわたって電場を変えるように、均一性ペデスタルのインピーダンスを変更するように配される。
【0108】
プラズマからの一定のエネルギー束を仮定したこと、および熱伝達部材と共に均一性ペデスタルを備える熱伝達システムを使用してほぼ均一なウェハ表面温度を得ることができることを、上述の説明から理解されたい。支持面を適合させる動作の原理を、基板の表面にわたる非均一な、及び/または、非対称的なプラズマ密度の場合に拡張することができる。そのような場合、予期されるプラズマ密度プロファイルを基板上の様々な位置で整合させるように、支持ピンの分布(例えば公称接触領域比)および/または接触面の表面粗さを調節することができる。
【0109】
好ましい実施形態によれば、上述の熱伝達システムを使用して基板を処理する方法が提供される。この方法は、熱伝達システムがその中に組み込まれた処理チャンバに基板を供給すること、熱伝達システムの均一性ペデスタル上に基板を支持すること、および基板を処理することを含むことができる。その処理は、チャンバに処理ガスを供給すること、処理ガスにエネルギーを与えてプラズマにすること、および処理ステップ中に基板の露出面をプラズマでエッチングすることを含むことができる。しかし、基板の露出面を処理ステップ中に被覆することができる。無線周波数エネルギーをチャンバに誘導的に結合するアンテナに無線周波数エネルギーを供給するなどの任意の適切な技法により、処理ガスにエネルギーを与えてプラズマにすることができる。処理ステップの間、適合支持面と良好に熱接触する熱伝達部材内で液体冷却液を循環させることによって基板を冷却することができる。あるいは、加熱した熱流体を熱伝達部材に供給することによって基板を加熱することもできる。ピンベースで支持される温度センサによって基板の温度変化を監視することができる。
【0110】
処理は、フッ化酸化シリコン(FSG)などのドーピングされた酸化シリコン、二酸化シリコンなどのドーピングされていない酸化シリコン、スピンオングラス(SOG)、ホウ素燐ケイ酸ガラス(BPSG)、燐ケイ酸ガラス(PSG)などのケイ酸ガラス、ドーピングされたまたはドーピングされていない熱成長した酸化シリコン、ドーピングされたまたはドーピングされていないTEOS成長した酸化シリコンなどの様々な誘電体層のエッチングに適用可能である。誘電体ドーパントは、ホウ素、リン、および/または砒素を含む。誘電体は、多結晶シリコン、アルミニウム、銅、チタン、タングステン、モリブデン、またはそれらの合金などの金属、窒化チタンなどの窒化物、ケイ化チタン、ケイ化コバルト、ケイ化タングステン、ケイ化モリブデンなどのケイ化金属などの導電層または半導体層の上に重なることができる。
【0111】
熱伝達システムは、基板の表面にわたって高度な処理の均一性で基板を処理することができる。具体的には、均一性ペデスタルは、基板の裏面温度、したがってその上に支持される基板の表面温度を制御することのできる適合基板支持面を提供する。さらに、均一性ペデスタルのインピーダンスを制御することができ、したがってそれを通じて結合される電場を均一または非均一にすることができる。
【0112】
一構成では、支持ピンおよびインピーダンス整合層は、均一性ペデスタルが、基板表面で均一な温度を生成し、処理チャンバ内部で均一な電場を生成するように配置される。その結果、基板を処理するのに使用されるイオン密度およびイオンエネルギーがより均一となり、したがって均一な処理を達成することができる。
【0113】
別の構成では、均一性ペデスタルとインピーダンス整合層との一方または両方は、均一性ペデスタルが、基板の表面にわたって温度を変えるように、及び/または、他の非均一性(例えば、非均一なプラズマ密度)を補償するために電場を変えるように、配置される。その結果、処理の均一性を改善することができる。さらに、熱伝達システムは、処理中に基板とエッジリングとの両方を冷却(または加熱)するように構成される。その結果、処理における非均一性を生み出す傾向がある温度、圧力、コンダクタンスの変動を低減することができる。したがって、熱伝達システムは、縁部が排除されることを低減し、基板の歩留りを向上させる。熱伝達システムは、基板サイズ(例えば150から300mm以上)の範囲を処理するように構成される。
【0114】
上記に鑑みて、熱伝達システムが、静電的に締め付ける素子を使用することなく均一性ペデスタルによって支持されるウェハの表面にわたる温度および/または電場の均一性を大幅に改善することがわかる。
【0115】
好ましい実施形態を参照しながら本発明を説明したが、当業者には明らかであろうが、様々な変形形態および改良形態を用いることができることを理解されたい。そのような変形形態および改良形態は、本明細書に添付された特許請求の範囲で定義される本発明の範囲内に含まれると解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上面を半導体処理するために前記基板を支持するように構成された熱伝達システムであって、
熱伝達部材の上に重なり、前記熱伝達部材と熱接触するピンベースであって、上部壁と、下部壁と、前記上部壁と前記下部壁との間に延びて前記上部壁と前記下部壁との間の空洞を規定する側壁とを有し、前記上部壁が複数のボアの配列を含むピンベースと、
前記複数のボアの1つに摺動可能にそれぞれ配置される基板支持ピンの配列であって、各基板支持ピンが前記ピンベースと熱接触し上端にコンタクトチップを含む基板支持ピンの配列と、
前記空洞と流体を介して連絡し、各支持ピンを上方向に移動させるのに十分な量だけ前記空洞に加圧ガスを供給するように構成された加圧ガス源と
を備えることを特徴とする熱伝達システム。
【請求項2】
前記ピン配列は、支持ピンの密な配列を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の熱伝達システム。
【請求項3】
前記支持ピンが約5mm以下の間隔で配置されること、及び、前記支持ピンの直径が約0.5mmと3mmの間であること、の少なくとも一方を
特徴とする請求項1に記載の熱伝達システム。
【請求項4】
前記支持ピンのそれぞれは、前記複数のボアの1つの中で摺動するように構成された円筒形ピン本体を含み、
前記円筒形ピン本体は、実質的に一定の外径を有し、
前記複数のボアのそれぞれは、実質的に一定の内径を有し、
前記円筒形ピン本体の前記外径は、前記円筒形ピン本体が配置される前記ボアの前記内径より約0.1から5%小さい
ことを特徴とする請求項1に記載の熱伝達システム。
【請求項5】
前記支持ピンが金属または半導体を含むこと、及び、前記ピンベースが金属または半導体を含むこと、少なくとも一方を
特徴とする請求項1に記載の熱伝達システム。
【請求項6】
前記支持ピンと前記ピンベースの上面との少なくとも一方は、導電性の金属又は半導体と耐スパッタ性の金属又は半導体との少なくとも一方で被覆される
ことを特徴とする請求項1に記載の熱伝達システム。
【請求項7】
前記支持ピンおよび前記ピンベースは、前記基板が前記支持ピン上に支持されたときに前記基板から前記熱伝達部材に熱エネルギーを伝達するように構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の熱伝達システム。
【請求項8】
前記ピンベースは、はんだ、ろう付け材料、または接着剤を介して前記熱伝達部材にボンディングされる
ことを特徴とする請求項1に記載の熱伝達システム。
【請求項9】
前記基板の裏面の温度を測定するように構成された少なくとも1つの温度センサをさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の熱伝達システム。
【請求項10】
前記支持ピンは、前記支持ピンの上方向または下方向の動きを制限するように構成された少なくとも1つのストップをさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の熱伝達システム。
【請求項11】
前記コンタクトチップは、前記基板が前記支持ピンと物理的に接触しているときに前記基板と前記基板支持ピンとの間の熱接触を最大にするように構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の熱伝達システム。
【請求項12】
各コンタクトチップは、約0.3ミクロン未満の平均表面粗さを有する接触面を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の熱伝達システム。
【請求項13】
各コンタクトチップは、実質的に平坦であり、または、実質的に半球形である
ことを特徴とする請求項1に記載の熱伝達システム。
【請求項14】
前記支持ピンのそれぞれは、前記基板の裏面と接触することによって下方向に変位するように構成され、
前記支持ピンのそれぞれは、前記空洞内の正のガス圧によって上方向に変位するように構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の熱伝達システム。
【請求項15】
各支持ピンの全垂直可動範囲は、約5mm未満である
ことを特徴とする請求項1に記載の熱伝達システム。
【請求項16】
前記ピン配列は、少なくとも1000個の支持ピンを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の熱伝達システム。
【請求項17】
前記熱伝達部材は、熱流体源と流体を介して連絡する流路を有し、
前記熱流体源は、前記熱流体を前記流路に供給するように構成され、
前記熱流体は、水、液体ヘリウム、液体窒素、エチレングリコール、プロピレングリコール、Fluorinet(商標)、およびそれらの混合物からなるグループから選択される
ことを特徴とする請求項1に記載の熱伝達システム。
【請求項18】
前記熱伝達部材の頂部に複数の熱電素子をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の熱伝達システム。
【請求項19】
前記熱電素子は、同心円状に配置される
ことを特徴とする請求項18に記載の熱伝達システム。
【請求項20】
前記ピンベース内に設けられ、加圧ガスを前記空洞に流すためのガス供給入口と、
前記空洞から圧力ガスを解放するための任意のガス出口と、
をさらに備え、
前記加圧ガスは、ヘリウム、窒素、およびアルゴンからなるグループから選択される
ことを特徴とする請求項1に記載の熱伝達システム。
【請求項21】
前記基板の上面に隣接した位置にプラズマを生成するように構成されたRF電極をさらに備え、
前記ピンベースの底面は、前記RF電極の上面にボンディングされ、
前記RF電極の底面は、前記熱伝達部材の上面にボンディングされ、
前記ボンディングは、はんだ、ろう付け材料、または接着剤を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の熱伝達システム。
【請求項22】
前記RF電極の上に配されたエッジリングと、
インピーダンス整合層と、
をさらに備え、
前記エッジリングは、プラズマから前記RF電極および前記ピンベースを遮蔽するように構成され、
前記エッジリングは、前記基板が前記熱伝達システムによって支持されるときに前記RF電極と前記基板との間に配されるように構成された第1部分を有し、
前記インピーダンス整合層は、前記RF電極と前記エッジリングとの間に配され、
前記インピーダンス整合層は、前記RF電極及び前記エッジリングの少なくとも一方にボンディングされ、
前記インピーダンス整合層は、前記RF電極とプラズマとの間のインピーダンスを制御するように構成され、
前記インピーダンスは、前記基板の前記上面にわたる処理の均一性を改善するように前記電場に影響を及ぼすように構成される
ことを特徴とする請求項21に記載の熱伝達システム。
【請求項23】
前記基板は、半導体のウェハであり、
前記RF電極の直径は、前記ウェハの直径より小さい、あるいは、前記ウェハの直径より大きい、あるいは、前記ウェハの直径に等しく、
前記RF電極の直径は、前記ウェハの直径から約2mmを引いたものよりも大きく、またはウェハの直径に約2mmを加えたものよりも小さい
ことを特徴とする請求項21に記載の熱伝達システム。
【請求項24】
請求項21に記載の熱伝達システムを備える処理チャンバ内の基板を処理する方法であって、
前記支持ピン上に前記基板を支持する工程と、
前記空洞内の前記ガス圧を制御することによって前記コンタクトチップの大部分を前記基板の裏面と接触させる工程と、
前記基板を処理する工程と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項25】
前記処理チャンバは、プラズマエッチングチャンバであり、
前記基板を処理する工程は、
前記基板の前記上面に隣接した位置にプラズマを生成する工程と、
前記基板の前記上面の露出層を前記プラズマでエッチングする工程と、
を含む
ことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記基板を処理する工程は、前記基板の前記上面に層を形成する工程を含む
ことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記空洞内の前記ガス圧は、処理中に前記コンタクトチップの少なくとも95%を前記基板の裏面と熱接触した状態に維持するのに効果的なレベルに維持される
ことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項28】
熱流体を前記熱伝達部材内で循環させることにより、処理中に前記熱伝達部材を約100K未満の温度まで冷却する工程を含む
ことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項29】
熱流体を前記熱伝達部材内で循環させること、及び、前記基板支持ピンの温度を制御するための複数の熱電モジュールに電流を供給すること、の少なくとも一方により、処理中に前記基板を約450K未満の温度まで冷却する工程を含む
ことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項30】
前記熱伝達部材と前記基板との間で少なくとも約200Kまたは少なくとも約300Kの温度勾配を維持する工程を含む
ことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項31】
基板を処理をする工程は、化学的気相成長、プラズマ気相成長、物理的気相成長、スパッタリング、イオン注入、プラズマエッチング、またはレジスト剥離を含む
ことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項32】
前記基板をクランプすることなく前記基板を支持および処理する工程を含む
ことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項33】
前記処理チャンバは、上部シャワーヘッド電極および底部電極を含む2重周波数容量結合プラズマリアクタを備え、
前記2重周波数容量結合プラズマリアクタでは、RFエネルギーが2つの異なる周波数で前記底部電極に供給され、または、異なる第1および第2周波数で前記シャワーヘッド電極および底部電極に供給される
ことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項34】
基板の表面を処理するプラズマ処理システムであって、
処理のためにプラズマを発生させてプラズマを維持させるように構成された真空処理チャンバと、
前記処理チャンバ内に配された請求項1に記載の熱伝達システムと、
を備えることを特徴とするプラズマ処理システム。
【請求項35】
基板の上面を半導体処理するために前記基板を支持するように構成された熱伝達システムであって、
熱伝達部材の上に重なり、前記熱伝達部材と熱接触するピンベースであって、上部壁と、下部壁と、前記上部壁と前記下部壁との間に延びて前記上部壁と前記下部壁との間の空洞を規定する側壁とを有し、前記上部壁が複数のボアの配列を含むピンベースと、
前記複数のボアの1つに摺動可能にそれぞれ配置される基板支持ピンの配列であって、各基板支持ピンが前記ピンベースと熱接触し上端にコンタクトチップを含む基板支持ピンの配列と、
前記空洞と流体を介して連絡し、各支持ピンを上方向に移動させるのに十分な量だけ前記空洞に加圧ガスを供給するように構成された加圧ガス源とを備え、
前記熱伝達部材が、流路に熱流体を供給するように構成された熱流体源と流体を介して連絡するための当該流路を含むことを特徴とする熱伝達システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−54594(P2012−54594A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−242761(P2011−242761)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【分割の表示】特願2007−536733(P2007−536733)の分割
【原出願日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】