説明

半導体発光装置及びその製造方法

【課題】回路基板を薄くしてLED装置の薄型化を図ろうとすると両面FPCにせざるを得なかった。そこで片面FPCと同等の構造で両面に電極を備えるLED装置の回路基板を提供する。
【解決手段】回路基板12は、貫通孔26を有するフィルム基材14と、フィルム基材14の上面に配置され貫通孔26を塞ぐ金属パターン23と、金属パターン23の上部に形成されたメッキ層22と、貫通孔26を埋めるようにして金属パターン23の下部に形成されたメッキ層24とを備える。メッキ層22がLED素子21用の実装電極になり、メッキ層24が外部回路用の接続電極になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフィルム状の回路基板に半導体発光素子を実装した半導体発光装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェハーから切り出した半導体発光素子(以下とくに断らない限りLEDダイと呼ぶ)を実装用の回路基板に配置した半導体発光装置(以下とくに断らない限りLED装置と呼ぶ)が知られている。このLED装置を薄型化するには、LEDダイ自身を薄くする方法、LEDダイをフリップチップ実装し接続用ワイヤをなくす方法、回路基板を薄くする方法等がある。
【0003】
これらの薄型化手法のなかで回路基板を薄くするものとして、例えば特許文献1の図4に、フレキシブル基板100(回路基板)上にLED102(LEDダイ)をフリップチップ実装した半導体発光素子(LED装置)が示されている。特許文献1の図5には、さらにフレキシブル基板100の詳細な構造として、上面にLED102の電極と接続するためのパッド204、並びに下面にマザー基板等と接続するための金属コンタクト234を備え、パッド204と金属コンタクト234がビア236で接続している様子が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−322937号公報(図4、図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の図5に示されたように、フレキシブル基板100(回路基板)にLED102(LEDダイ)をフリップチップ実装したLED装置は、フレキシブル基板100のLED102を実装する面、並びにマザー基板などの外部回路と接続する面の両方に電極を必要としている。このため両面フレキシブル基板を使用せざるを得ず、このことが回路基板の薄型化を制限し、コストアップも招いていた。
【0006】
そこで本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、回路基板の薄型化により半導体発光装置を薄型化し、さらにコストダウンを図るため、回路基板が両面フレキシブル基板を使用しなくてもLEDダイの実装側の電極、並びに外部回路との接続側の電極を確保できる半導体発光装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の半導体発光装置は、半導体発光素子と、該半導体発光素子を実装する回路基板と、前記半導体発光素子及び前記回路基板の上面を被覆する被覆層とを備えた半導体発光装置において、
前記回路基板が
貫通孔を有するフィルム基材と、
該フィルム基材の上面に配置され前記貫通孔を塞ぐ金属パターンと、
該金属パターンの上部に形成されたメッキ層と、
前記貫通孔を埋めるようにして前記金属パターンの下部に形成されたメッキ層と
を含み、
前記金属パターンの上部に形成されたメッキ層が前記半導体発光素子と接続するための
実装電極となり、
前記金属パターンの下部に形成されたメッキ層が外部回路と接続するための接続電極となることを特徴とする。
【0008】
(作用)
本発明の半導体発光装置は、回路基板の基材をフィルムとすることで薄型化を図っている。フィルム基材には貫通孔があり、その貫通孔を金属パターンが覆っている。この金属パターンをメッキ電極として電解メッキ法を適用すると、金属パターンの上部にメッキ層が形成されるのと同時に、貫通孔内を埋めるように下に向かってメッキ層が成長する。上側のメッキ層は半導体発光素子を実装する側の実装電極となり、下側のメッキ層は外部回路と接続するための接続電極となる。このようにすることで片面フレキシブル基板と同等の構造でありながら上下の面に電極を備えた回路基板を得ることができる。
【0009】
前記半導体発光素子が前記回路基板にフリップチップ実装されることが好ましい。
【0010】
前記金属パターンの下部に形成されたメッキ層の下面が前記フィルム基材の下面と同じ高さであるか、又は前記フィルム基材の下面から突出していることが好ましい。
【0011】
前記フィルム基材の下面に反射層を備えていることが好ましい。
【0012】
前記反射層が銀からなり、該反射層を無機絶縁膜で被覆することが好ましい。
【0013】
前記反射層がアルミニウムからなり、該反射層を陽極酸化膜で被覆することが好ましい。
【0014】
前記反射層にスリットが入っていても良い。
【0015】
本発明の半導体発光装置の製造方法は、半導体発光素子と、該半導体発光素子を実装する回路基板と、前記半導体発光素子及び前記回路基板の上面を被覆する被覆層とを備えた半導体発光装置の製造方法において、
貫通孔を有するフィルム基材と該フィルム基材の上面を覆う金属層を備えるフィルムを準備する準備工程と、
前記金属層をパターニングし金属パターンを形成するパターニング工程と、
前記金属パターンの上下にメッキ層を形成するメッキ工程と、
前記金属パターンの上部に形成したメッキ層に前記半導体発光素子を実装する実装工程と、
該半導体発光素子とともに前記フィルム上面を被覆材で被覆する被覆工程と、
前記フィルムを切断し前記半導体発光装置に個片化する個片化工程と
を備えることを特徴とする。
【0016】
(作用)
本発明の半導体発光装置の製造方法は、まず貫通孔を有するフィルム基材とそのフィルム基材の上面を覆う金属層を備えるフィルムを準備する。次にこの金属層をパターニングし金属パターンを形成する。続いて金属パターンをメッキ電極として電解メッキ法により金属パターンの上部にメッキ層を形成し、同時に金属パターンの下部にも貫通孔を埋めるようにしてメッキ層を形成する。さらに金属パターンの上部に形成したメッキ層に半導体発光素子を実装する。最後に半導体発光素子とともにフィルム上面を被覆材で被覆し、被覆材とともにフィルムを切断し半導体発光装置に個片化する。なお下部に形成したメッキ層は外部回路との接続電極として使用する。
【0017】
前記実装工程において前記半導体発光素子をフリップチップ実装することが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
以上のように本発明の半導体発光装置及び半導体発光装置の製造方法は、フィルム基材の貫通孔を埋めるようにして形成したメッキ層を接続電極としているので、回路基板が一層フレキシブル基板と同等の構造であるにもかかわらずLEDダイの実装電極、並びに外部回路との接続電極を確保できるため、回路基板を薄くして半導体発光装置装置を薄型化し、コストダウンも達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態におけるLED装置の外形を示す図。
【図2】図1に示すLED装置の断面図。
【図3】図1に示すLED装置の製造方法の説明図。
【図4】図1に示すLED装置の製造方法の説明図。
【図5】図1に示すLED装置の製造方法の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図1〜5を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また説明のため部材の縮尺は適宜変更している。さらに特許請求の範囲に記載した発明特定事項との関係をカッコ内に記載している。
【0021】
図1により本実施形態におけるLED装置10の外形を説明する。図1はLED装置10の外形を示す図であり、(a)が平面図、(b)が正面図、(c)が下面図である。LED装置10を上から見ると被覆材11が見える(a)。LED装置10を正面から見ると被覆材11の下に回路基板12が見る(b)。LED装置10の底面には、接続電極13と、接続電極13を囲む反射層15とがある(c)。接続電極13と反射層15の隙間並びに反射層15のスリット16からはフィルム基材14が見える。
【0022】
次に図2によりLED装置10の内部構造を説明する。図2は図1(a)のAA線に沿って描いたLED装置10の断面図である。フィルム基材14上には2つの金属パターン23が積層しており、さらに各金属パターン23上に上側メッキ層22が積層している。上側メッキ層22上にはLEDダイ21がフリップチップ実装されている。フィルム基材14の上面、金属パターン23の側面、上側メッキ層22の側面と上面、並びにLEDダイ21は被覆材11で被覆されている。
【0023】
またフィルム基材14には二つの貫通孔26があり、貫通孔26の上部を金属パターン23が塞いでいる。貫通孔26は下側メッキ層24で埋められ、この下側メッキ層24は金属パターン23と接続している。フィルム基材14の下面には反射層15が貼り付いており、この反射層15を無機保護膜25が被覆している。なお金属パターン23の上部に形成された上側メッキ層22がLEDダイ21の突起電極21a,21bと接続するための実装電極となり、金属パターン23の下部に形成された下側メッキ層24が外部回路と接続するための接続電極13(図1参照)となる。
【0024】
LEDダイ21は青色発光又は近紫外線発光する発光ダイオードであり、突起電極21a,21b上に半導体層21c及びサファイア基板21dが積層した構造になっている。突起電極21a,21bはそれぞれアノードとカソードであり、金または銅をコアとするバンプである。半導体層21cは厚さが6μm程度のGaN層で発光層を含んでいる。サファイア基板21dは、厚さが80〜120μm程度の透明絶縁基板である。被覆材11は、LEDダイ21が発する光を波長変換する蛍光体を含有するシリコーン樹脂である。
【0025】
次に回路基板12について更に詳しく説明する。回路基板12は、上側メッキ層22、金属パターン23、下側メッキ層24、フィルム基材14、反射層15並びに無機保護膜25を含む。
【0026】
上側メッキ層22は、金属パターン23をメッキ電極として電解メッキ法により形成したもので、Cu層、Ni層及びAu層又はAg層が積層している。このときCu層は厚さが9〜18μm、Ni層は厚さ5μm程度、Au層又はAg層は厚さが1μm程度である。金属パターン23は、フィルム基材14に貼りつけたCu箔をパターニングしたもので、厚さを9〜18μm程度にすることが多い。下側メッキ層24は、上側メッキ層22と同時に形成したもので、このため金属パターン23側から下に向かって厚さが9〜18μmのCu層、厚さが5μm程度のNi層、並びに厚さが1μm程度のAu又はAg層が積層している。また下側メッキ層24は、フィルム基材14の貫通孔26内で成長し、その下面がフィルム基材14の下面と略一致するかフィルム基材14の下面からやや突き出している。
【0027】
フィルム基材14は、LEDダイ21のフリップチップ実装時に加わる温度に耐えられる材料として厚さが6〜25μm程度のポリイミドを使う。なお厚さは上下のメッキ層22,24と揃える。また、フィルム基材14は透明で耐熱性があれば良く、例えば無機セグメントと有機高分子セグメントを構成要素とする有機−無機共重合体であるシルプラス(登録商標)等であっても良い。反射層15は、Ag層からなり厚さは10〜100nmである。なおAgは硫化により黒くなりやすいので反射層15を無機保護膜25で被覆する。無機保護膜25は、例えばSiO2からなり、数十nmの厚さで高いガスバリア性を備えるものから選ぶ。なお反射層15はスリット16を備えている。このスリット16は、下側メッキ層24と反射層15がピンホールなどでショートしたとしても、LED装置10としては二つの接続電極(アノードとカソード)をショートさせないようにするものである。
【0028】
次に図3〜5によりLED装置10の製造方法を説明する。図3はLED装置10の製造工程のうち準備工程を説明するための図であり、(a)が準備工程において準備するフィルム30の上面図、(b)が(a)のBB線に沿って描いたフィルム30の断面図、(c)がフィルム30の下面図である。
【0029】
準備工程ではフィルム30を準備する。このフィルム30は、貫通孔32を有するフィルム基材33の上面を金属層31が覆ったものである(b)。このフィルム30を上から眺めると一面に金属層31が見える(a)。ここで貫通孔32を点線で示した。フィルム30を下から眺めると、パターニングされた反射層34と、貫通孔32から露出する金属層31、貫通孔32と反射層34の隙間及び反射層34のスリット35から露出するフィルム基材33が見える。なお図3は説明のため4個の回路基板12(図2参照)が連結して配列しているように描いているが、実際のフィルムでは多数の回路基板12が連結している。また、反射層34を被覆する無機保護膜25(図2参照)は図示していない(以下同様)。
【0030】
フィルム基材33には予めプレスやレーザー、ケミカルエッチング等で貫通孔32を形成し、次にCu箔(金属層31)を貼付けフィルム30を完成する。なおフィルム基材33にCu箔を貼りつけてからレーザーで貫通孔32を形成しても良い。なお反射層34は、貫通孔32を形成する前に貫通孔32及びスリット35となる領域を除きスパッタ法等で形成する。このとき反射層34を形成しない領域として、マスクを使っても良いし、全面に反射層を形成しその後エッチングにより部分的に反射層を除去しても良い。続いてフィルム基材33の裏面全体に無機保護膜25をスパッタ法で形成しておく。
【0031】
図4はLED装置10の製造工程のうちパターニング工程を説明するための図であり、(a)が金属層31(図3参照)をパターニングし金属パターン36を形成したフィルム30の上面図、(b)が図3(b)と同様にして描いたフィルム30の断面図である。金属層31のパターニングはホトリソグラフィとCuのエッチングを組合せて行う。このとき金属パターン36同士を接続する配線37、並びに全ての配線37及び金属パターン36がフィルム端部で接続するようにしたメッキ用共通電極38も形成しておく。なお配線37は後述する個片化工程においてフィルム30を切断すると金属パターン36間のショートがなくなるようにしてある。またメッキ用共通電極38も個片化工程で切り取られる。
【0032】
図5はLED装置10に係る製造工程のうちパターニング工程以降の工程を示し、(a)が金属パターン36の上下にメッキ層51,52を形成するメッキ工程、(b)が金属パターン36の上部に形成した上側メッキ層51にLEDダイ21をフリップチップ実装する実装工程、(c)がLEDダイ21とともにフィルム30の上面を被覆材11で被覆する被覆工程、(d)がフィルム30を切断しLED装置10に個片化する個片化工程を示している。
【0033】
(a)のメッキ工程では、Cuメッキ液にフィルム30全体を浸し共通電極38(図4参照)を陰極として電解メッキ法により上側及び下側メッキ層51,52を成長させる。続いてメッキ液を変えNi層及びAg又はAu層を形成する。
【0034】
(b)の実装工程では上側メッキ層51にLEDダイ21をフリップチップ実装する。LEDダイ21の突起電極21a,21b(図2参照)の下面にはAu−Sn合金層があり、上側メッキ層51とはAu−Sn共晶で接続する。Au−Sn共晶接続は融点を半田リフロー温度(260℃程度)より高くできる(300℃程度)ので、半田リフローによる外部回路との接合時に、突起電極21a,21bの接続部を固体の状態にしておけるため有利な接合法である。
【0035】
(c)の被覆工程ではLEDダイ21とともにフィルム30の上面を被覆材11で被覆する。蛍光体を含有したシリコーン樹脂をスキージや金型などによりフィルム30上に配置し、150℃程度で硬化させる。なお上側メッキ層51の上面にAg層がある場合、硫化を防止するため被覆材11を配置する前にLEDダイ21とともにフィルム30上面にSiO2等の無機保護膜を形成しても良い。
【0036】
(d)の個片化工程では被覆材11とともにフィルム30をダイサー又は金型で切断し、回路基板12(図1参照)が連結していたフィルム30をLED装置10に個片化する。前述のように配線37(図4参照)の切断及びメッキ用共通電極38(図4参照)の除去により金属パターン36間のショートは解消する。
【0037】
本実施形態では回路基板12にLEDダイ21をフリップチップ実装していた。しかしながら回路基板を薄くしてLED装置を薄型化する場合、LEDダイの実装方法はフリップチップ実装に限られず、よく知られたワイヤボンディングを使用するファイスアップ実装でも良い。なおフリップ実装は、前述のようにワイヤがないためLED装置10の薄型化を促進するばかりでなく、実装面積が小さく発光効率や放熱効率も良いという特徴がある。つまりフリップチップ実装は、接続用のワイヤが不必要であるため実装面積が小さく、ワイヤやワイヤボンディグ部のように影になる部分がないため発光効率も良い。さらに発熱源となる発光層が半導体層21cに含まれるp型半導体層並びにp型半導体層と隣接する突起電極21a(アノード)を介して直接的に回路基板12と接続するため熱伝導効率が良い。
【0038】
本実施形態では接続電極13である下側メッキ層24の下面がフィルム基材14の下面とほぼ同じ高さになっていた。なお図2では下側メッキ層24の下面が無機保護膜25の下面と同じ高さであるように描いていたが、反射層15の厚さが数100nmであり、無機保護膜の厚さが数10nmであるため、下側メッキ層24の下面がフィルム基材14の下面とほぼ同じ高さになっていると言える。このように接続電極13(下側メッキ層24)の下面が回路基板12の下面とほぼ同じ高さか少し突起していると、マザー基板など外部回路に接続する際の歩留りが向上することを確認している。
【0039】
本実施形態のLED装置10はフィルム基材14の下面に反射層を備えていた。しかしながら反射層を形成する位置はフィルム基材の下面に限られず、フィルム基材の上面に形成しても良い。なお、構造及び製造工程を簡単にするため電極と反射層のショートを防止する層間絶縁膜を省略する場合、電極と反射層を平面的に離す必要がある。このときフィルム基材14の下面の方が広い反射層を形成できるため、反射層をフィルム基材14の下面に形成した方が反射効率を高くできる。
【0040】
本実施形態のLED装置10において、回路基板12の下面に形成する反射層15はAg層であった。しかしながら反射層はAg層に限られず、反射率が高く利用しやすい金属であるAlであっても良い。反射層がAlである場合は、保護膜として陽極酸化膜が利用できる。陽極酸化とは、金属を陽極として通電し酸化させる処理のことで、Alの場合ではアルマイトとして知られている。金属膜のスパッタ処理とSiO2等の化合物のスパッタ処理は別々の装置を使うことが多いのに対し、陽極酸化は大気中で処理できるため化合物のスパッタ処理が不要となり手軽に保護膜を形成できる。
【0041】
フィルム状の回路基板は、薄型化に有効なばかりでなく、フィルム基材の柔軟性により熱膨張率の不均一などで生じる応力集中を軽減する。さらに実装電極と接続電極が直接的に接続しているためLEDダイの発する熱を効率よくマザー基板に伝達する。とくにLEDダイをフリップチップ実装している場合は放熱効率が良い。
【0042】
本実施形態では回路基板12に較べLEDダイ21の平面サイズがある程度小さい場合を想定して図示していた。最近ではLEDダイの平面サイズが大きくなり1mm角程度のものも入手できるようになっており、回路基板の平面サイズがLEDダイの平面サイズと略等しくなることがある(チップサイズパッケージ或いはCSPと呼ばれる)。この場合でも本発明のLED装置及びその製造方法は薄型化やコストダウンに有効である。また本発明で示したLED装置の回路基板は、金属パターンと貫通孔形状を最適化することで、LEDダイの電極配置をマザー基板に接続しやすい電極配置に変換するインターポーザとして活用できる。
【符号の説明】
【0043】
10…LED装置(半導体発光装置)、
11…被覆材、
12…回路基板、
13…接続電極、
14,33…フィルム基材、
15,34…反射層、
16,35…スリット、
21…LEDダイ(半導体発光素子)、
21a,21b…突起電極、
21c…半導体層、
21d…サファイア基板、
22,51…上側メッキ層、
23,36…金属パターン、
24,52…下側メッキ層、
25…無機保護膜、
26、32…貫通孔、
30…フィルム、
31…金属層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体発光素子と、該半導体発光素子を実装する回路基板と、前記半導体発光素子及び前記回路基板の上面を被覆する被覆層とを備えた半導体発光装置において、
前記回路基板が
貫通孔を有するフィルム基材と、
該フィルム基材の上面に配置され前記貫通孔を塞ぐ金属パターンと、
該金属パターンの上部に形成されたメッキ層と、
前記貫通孔を埋めるようにして前記金属パターンの下部に形成されたメッキ層と
を含み、
前記金属パターンの上部に形成されたメッキ層が前記半導体発光素子と接続するための実装電極となり、
前記金属パターンの下部に形成されたメッキ層が外部回路と接続するための接続電極となることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項2】
前記半導体発光素子が前記回路基板にフリップチップ実装されることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項3】
前記金属パターンの下部に形成されたメッキ層の下面が前記フィルム基材の下面と同じ高さであるか、又は前記フィルム基材の下面から突出していることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体発光装置。
【請求項4】
前記フィルム基材の下面に反射層を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の半導体発光装置。
【請求項5】
前記反射層が銀からなり、該反射層を無機絶縁膜で被覆することことを特徴とする請求項4に記載の半導体発光装置。
【請求項6】
前記反射層がアルミニウムからなり、該反射層を陽極酸化膜で被覆することを特徴とする請求項4に記載の半導体発光装置。
【請求項7】
前記反射層にスリットが入っていることを特徴とする請求項4から6のいずれか一項に記載の半導体発光装置。
【請求項8】
半導体発光素子と、該半導体発光素子を実装する回路基板と、前記半導体発光素子及び前記回路基板の上面を被覆する被覆層とを備えた半導体発光装置の製造方法において、
貫通孔を有するフィルム基材と該フィルム基材の上面を覆う金属層を備えるフィルムを準備する準備工程と、
前記金属層をパターニングし金属パターンを形成するパターニング工程と、
前記金属パターンの上下にメッキ層を形成するメッキ工程と、
前記金属パターンの上部に形成したメッキ層に前記半導体発光素子を実装する実装工程と、
該半導体発光素子とともに前記フィルム上面を被覆材で被覆する被覆工程と、
前記フィルムを切断し前記半導体発光装置に個片化する個片化工程と
を備えることを特徴とする半導体発光装置の製造方法。
【請求項9】
前記実装工程において前記半導体発光素子をフリップチップ実装することを特徴とする請求項8に記載の半導体発光装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−45943(P2013−45943A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183621(P2011−183621)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(000001960)シチズンホールディングス株式会社 (1,939)
【出願人】(000131430)シチズン電子株式会社 (798)
【Fターム(参考)】