説明

受信装置、受信方法、受信プログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体

【課題】簡易かつ確実に伝送路状況に最適な動作クロック周波数及び電源電圧の制御を行い低消費電力化を図る。
【解決手段】信号品質監視部14の信号品質監視の結果によって伝送路状況を取得し、次のバーストの到来時の受信信号品質を予測し、それに対して消費電力を最小とする等化方法を次のバーストの到来時に選択する。更に、それに合わせた動作クロック周波数と電源電圧となるように周波数制御部15、電源電圧制御部16、及び等化部9にコントローラ17から指示する。これにより、等化部9は、最適な等化方法を選択し、周波数制御部15は、選択した等化方法を実行するのに十分な演算能力を提供可能な動作クロック周波数を選択し、電源電圧制御部16はその動作クロック周波数に応じた電源電圧を選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、間欠受信方式によるデジタル放送・通信の受信装置において、受信信号品質に基づいて信号処理を切り替え、更に電力制御を前記の切り替えと協調して実施する受信装置及び受信方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル放送・通信のインフラを用いた、マルチメディア情報を受信するモバイル端末によるサービスが普及している。このようなサービスの実現では、消費電力を抑えつつ実時間性を維持するだけの演算能力を有する受信装置が必要である。
【0003】
また、モバイル端末での受信では、固定受信と比較して伝送路条件が変動し易いという特徴があることから、可能な限り等化性能を高める必要がある。たとえば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式は、周波数効率が良い、マルチパスに強い等の長所を有する一方で、狭帯域のサブキャリアを複数配置していることから、高速フェージング環境に対して弱いという短所がある。これは、狭帯域通信であることから直交性を崩す原因となるキャリア間干渉(ICI:Inter Carrier Interference)を起し易くなるためである。このことから、高速フェージング環境下のOFDM受信の際にはドップラーシフトによるICIが受信可能速度を制限する。そこで、ICIキャンセル技術を適用した受信装置が既に開発されている。
【0004】
従来は、変動する伝送路条件下においても安定した受信を継続することを優先とし、ある受信装置における最大性能となる等化方法で処理可能な演算能力を常に提供する受信装置が用いられてきた。たとえば、上述のOFDMでは、実際の使用時の移動速度が低速であったとしても、ICIキャンセルを行う。しかしながら、ICIキャンセル処理は演算量を増加させるため、受信装置の動作クロック周波数の増加とそれに伴う消費電力が増大する。
【0005】
図6は、一般的な受信装置101を示す構成図である。
【0006】
図6に示すように、受信装置101においては、アンテナ102によって受信された受信信号が、チューナ103によって、所望の周波数への同調が行われるとともに増幅される。増幅後の受信信号は、復調器104で復調処理が行われて、トランスポートストリーム信号として出力される。このトランスポートストリーム信号は、受信装置101を搭載する機器(たとえば携帯電話機)のホストCPUであるアプリケーションプロセッサ105に渡された後、デコーダ部106でデコード処理が施される。
【0007】
復調器104において、入力された受信信号は、ADコンバータ(図中、ADC:Analog to Digital Converter)107でデジタル信号に変換され、高速フーリエ変換部(図中、FFT:Fast Fourier Transform)108によって、フーリエ変換処理が行われ、さらに等化部109で波形等化処理が施される。そして、デマップ部110によって、等化部109で得られた等化データを基にデマッピング処理が行われる。さらに、デインタリーブ/前方誤り訂正部(図中、DIL/FEC(Deinterleave/Forward Error Correction)111によって、デインターリーブ及び前方誤り訂正の処理が行われて、変調前のデータに復調される。
【0008】
上記のような一般的な受信装置101では、伝送路条件の悪い状態に対応できるように、等化部109が最大の能力で等化処理を行う単一の等化方法を用いるので、当該等化処理には常に一定の演算能力が必要とされる。このため、受信装置101では、上記の等化処理に必要な動作クロックの周波数や電源電圧は固定の値が用いられる。
【0009】
しかし、伝送路条件が良好な場合は、受信信号の品質が良好であるため、最大の能力で等化処理をする必要がない。このため、無駄に演算能力を必要とする等化処理を施していることになり、余分な電力を消費している。これは、消費電力削減の観点からは好ましくない。
【0010】
ところで、非実時間処理を主に扱うモバイル用途CPUでは、OS(Operating System)等のシステムプログラムとの協調により必要な演算量に合わせた動作周波数となるDVFS(Dynamic Voltage and Frequency Scaling)により、必要な演算量と消費電力のバランスを取っている。たとえば、OSにて割り当てるジョブ数が多く負荷が高いと予想される場合には、CPUの制御レジスタを書き換えることにより周波数を上げる。また、必要な周波数に応じて電源電圧を変更し、更なる消費電力の削減が実現されている。
【0011】
実時間処理を扱う受信装置においても、上述のDVFSを適用すれば、消費電力を更に削減した受信装置が実現可能であることは自明である。しかしながら、実時間性の維持及び安定受信の観点から課題があり、これまで受信装置にはDVFSは用いられてこなかった。上述のモバイル用途CPUの例では、過去のジョブ数による負荷の平均値分のスループットとなるように動作クロック周波数を設定するため、全てのジョブの実行時間を一定時間内に維持できず、実時間処理に適さない。
【0012】
ゆえに、実時間処理を扱う受信装置では、安定して受信するために、伝送路状況を監視し、それに応じた等化処理に切り替え、それに必要な演算能力を供給する電力制御が求められる。
【0013】
特許文献1は、主にCDMA処理に対してDVFSを適用した受信装置である。具体的には、特許文献1は、レイク受信等の特徴を活用し、受信信号品質及び電力消費パラメタの1つ以上に応答し、クロック周波数及び電源電圧を制御する。
【特許文献1】特表2006−506889号公報(2006年2月23日公表)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、特許文献1に開示された受信装置においては、真の意味でのDVFSを行っている。すなわち、ランタイムに受信処理を行っている最中に動作クロック周波数等を変更することから、実時間性を維持するために電力の下げ幅にマージンを持たせなければならない可能性があるため、実装オーバヘッドが大きいという問題が残る。更に、特許文献1には、具体的な伝送路品質の監視方法やそれに応じた信号処理の切り替え手段が明記されていない。
【0015】
以上の通り、特許文献1に開示された手法では、伝送路状況に対して適切な電力制御を簡易かつ確実には受信装置に提供することができない。
【0016】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、間欠受信方式によるデジタル放送・通信の受信の特徴を活用し、伝送路状況に対して適切な電力制御を簡易かつ確実に行うことができる受信装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係る受信装置は、複数の等化方法の1つを用いて受信信号に等化処理を施す等化手段と、間欠受信における受信可能期間を検出する受信検出手段と、前記受信信号の品質に応じた前記等化方法を判定する等化方法判定手段と、前記等化方法判定手段によって判定された等化方法に前記等化手段の等化方法を切り替える等化方法切替手段と、受信装置の可変の動作クロック周波数及び電源電圧を前記等化方法判定手段によって判定された等化方法に応じて設定するクロック周波数/電圧設定手段と、前記受信検出手段により受信可能状態であることが検出されると、最適な等化方法を決定するように、前記等化方法切替手段による等化方法の切り替えを制御する切替制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0018】
上記の構成では、受信信号品質に応じた等化方法が判定され、その判定結果に基づいて切り替えられた等化方法によって等化処理が行われる。また、選択された等化方法に応じた動作クロック周波数及び電源電圧が設定される。これにより、受信信号品質に応じた能力で等化処理をそれに応じた動作クロック周波数及び電源電圧で行うので、等化処理に過剰な演算能力を必要とすることがなくなる。
【0019】
また、前記受信装置において、前記切替制御手段は、履歴情報に基づき次の受信可能時期に用いる最適な等化方法を予測し、次の受信可能期間までに等化方法を切り替えるように制御することが好ましい。この構成では、特に、移動に伴う必要ドップラー性能の変化に応じて等化方法を切り替えるのに適する。移動の特徴として、速度の変化は受信装置の処理速度と比較して急ではなく、また、加速、減速、一定速度の3つの状態を遷移することが挙げられる。ゆえに、過去の速度情報等の履歴に基づき次の受信可能期間に必要なドップラー性能を予測することが可能である。
【0020】
また、前記受信装置において、前記等化方法切替手段は、等化方法を決定するレジスタ値の設定又は等化処理プログラムの切り替えを復調器内のコントローラにより指示されること、及び復調器外部のプロセッサにより切り替えを指示されることのいずれか一方により前記等化方法を切り替えることが好ましい。
【0021】
また、前記受信装置において、前記等化方法判定手段は、前記受信信号品質として変調誤り率又はビット誤り率を利用することが好ましい。
【0022】
また、前記受信装置において、前記等化方法判定手段は、前記受信信号品質をヒステリシス特性を持つ閾値と比較することにより前記等化方法を判定することが好ましい。これにより、急激に伝送路状況が変動している際に、使用する等化方法をむやみに低い能力に切り替えることにより、受信が不安定になることを防止できる。
【0023】
本発明に係る受信方法は、間欠受信における受信可能期間を検出する受信検出ステップと、前記受信可能期間の前に受信プログラムを起動するプログラム起動ステップと、前記受信可能期間に入力される受信信号の品質に基づいて次の受信可能期間の受信信号品質を予測する受信信号予測ステップと、予測された受信信号品質に応じた受信信号の等化方法を選択する等化方法選択ステップと、選択された等化方法に応じて動作クロック周波数及び電源電圧を設定するクロック周波数/電圧設定ステップとを備えていることを特徴としている。
【0024】
上記の構成によれば、直前の受信可能期間における等化方法とそのときの受信信号品質に基づいて、次の受信可能期間の受信信号を処理する際の等化方法を事前に決定できる。ゆえに、間欠受信の起動時には動作周波数及び電源電圧を決定することができる。これにより、受信信号品質に応じた能力で等化処理をそれに応じた動作クロック周波数及び電源電圧で行うので、等化処理に過剰な演算能力を必要とすることがなくなる。また、その設定を受信可能期間において維持するため、簡易に電力制御することができる。
【0025】
本発明の受信プログラムは、上記受信方法の各ステップを受信装置に実行させることを特徴としている。また、当該受信プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されている。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る受信装置は、以上のように、複数の等化方法の1つを用いて受信信号に等化処理を施す等化手段と、間欠受信における受信可能期間を検出する受信検出手段と、前記受信信号の品質に応じた前記等化方法を判定する等化方法判定手段と、前記等化方法判定手段によって判定された等化方法に前記等化手段の等化方法を切り替える等化方法切替手段と、受信装置の可変の動作クロック周波数及び電源電圧を前記等化方法判定手段によって判定された等化方法に応じて設定するクロック周波数/電圧設定手段と、前記受信検出手段により受信可能状態であることが検出されると、最適な等化方法を決定するように、前記等化方法切替手段による等化方法を切り替えを制御する切替制御手段とを備えているので、等化処理に過剰な演算能力を必要としない。従って、間欠受信方式によるデジタル放送・通信の受信の特徴を活用し、伝送路状況に対して適切な電力制御を簡易かつ確実に行うことができるという効果を奏する。
【0027】
たとえば、DVB−H規格によるモバイル放送ではタイムスライスと呼ばれる間欠受信を行っているため、上記の構成を適用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明の一実施形態について図1ないし図5に基づいて説明すると、以下の通りである。
【0029】
図1は、本発明の実施形態に係る受信装置1の構成を示すブロック図である。
【0030】
図1に示すように、受信装置1は、アンテナ部2と、チューナ部3と、復調器4と、アプリケーションプロセッサ5と、デコーダ6とを備えている。
【0031】
チューナ部3は、アンテナ部2で受信された入力信号について、所望の周波数への同調処理を行うとともに、増幅する。チューナ部3は、入力信号の増幅のために可変利得増幅器を内蔵している。この可変利得増幅器は、後述する自動利得制御部18からのAGC制御電圧によって制御した利得で入力信号を増幅する。したがって、チューナ出力信号の振幅は、上記のAGC制御電圧により決定する。
【0032】
復調器4は、チューナ部3からの出力信号に対して所定の復調処理を行い、復調信号としてトランスポートストリーム信号(TS信号;MPEG2−TS)を出力する。復調器4については、後に詳しく説明する。
【0033】
アプリケーションプロセッサ5は、受信装置1が設けられた機器(例えば携帯電話機)の全体の制御を行うために設けられたプロセッサ(ホストCPU)であり、チューナ部3をはじめとする、各部を制御する。たとえば、アプリケーションプロセッサ5は、テレビ放送を見るときには、チューナ部3に対してチャンネル設定を行い、その後、チューナ部3から出力されるMPEG2−TSに対してデマルチプレックス及びデコードを行い、液晶パネルに表示する。
【0034】
なお、MPEG2−TSに対する上記の処理をアプリケーションプロセッサ5によるソフトウェア処理で行ってもよいが、演算量が多くなる。このため、デコーダ6にてMPEG2−TSをデコードさせることが多い。ゆえに、アプリケーションプロセッサ5は、復調器4からのTS信号をデコーダ6に渡す。この場合、アプリケーションプロセッサ5は、チューナ部3及びデコーダ6の制御をすることになる。このため、アプリケーションプロセッサ5は、後述するコントローラ17と通信して、復調器4についてコントローラ17に指示を与える等の処理を行う。また、後述する等化方法を切り替える制御も、アプリケーションプロセッサ5が行うことも可能であるが、アプリケーションプロセッサ5の負荷が大きくなってしまうことや、制御の応答性を低下させないといった理由から、チューナ部3内部にて実施することが望ましい。
【0035】
デコーダ部6は、アプリケーションプロセッサ5から渡されたTS信号にデコード処理を施す。また、必要に応じて、MPEG2−TSによるマルチプレックスやデコードをデコーダ6で実施してもよい。
【0036】
続いて、復調器4について説明する。
【0037】
復調器4は、AD変換部7と、高速フーリエ変換部(図中、FTT)8と、等化部9と、デマップ部10と、デインタリーブ/前方誤り訂正部(図中、DIL/FEC部)11と、BER測定部12と、MER測定部13と、信号品質監視部14と、周波数制御15と、電源電圧制御部16と、コントローラ17と、自動利得制御部(図中、AGC)18とを有している。
【0038】
AD変換部7は、チューナ出力信号をデジタルに変換する。AD変換部7では、受け入れ可能な最大入力振幅が規定されている。
【0039】
高速フーリエ変換部8は、AD変換部7からのデジタルデータにフーリエ変換処理を施すことによりOFDM変調を行う。これにより、送信装置において、逆フーリエ変換処理によって変換されていた時間領域のデータが、元の周波数領域のデータに変換される。
【0040】
等化部9は、高速フーリエ変換部24から出力された信号に波形等化処理を施す。具体的には、等化部9は、SP(Scattered Pilot)信号等に基づき、信号の振幅ならびに位相を補正する。また、等化部9は、複数の等化方法で等化処理を行うことができるように構成されており、コントローラ17の指示に応じて等化方法を選択する。具体的には、等化部9が後述するDSP(Digital Signal Processor)23によって構成される場合、等化部9は、たとえば、予め各等化方法で等化処理を実現する演算プログラムを用意しており、コントローラ17の指示に応じて当該演算プログラムを切り替えることで等化方法を選択する。
【0041】
デマップ部10は、等化部9によって等化されたデータを基に変調方式に応じたビット判定を行う。具体的には、デマップ部10は、等化部9からのデータをコンスタレーション上の座標に展開し、各座標点がどの理想信号点に近いかを判定して、その結果を複素信号点ベクトルで表すことにより、変調前のビット列を得る。
【0042】
デインタリーブ/前方誤り訂正部11は、デマップ部10からの出力データに、デインターリーブ処理及び前方誤り訂正処理を施す。デインターリーブ処理により、送信時にインターリーブ処理が施された状態のデータが元の状態に並び替えられるとともに誤り訂正が行われる。また、前方誤り訂正処理により、送信時に付加された冗長符号を用いて、伝送時に欠落したデータが回復される。デインタリーブ/前方誤り訂正部11は、前方誤り訂正処理の機能を果たすために、リードソロモン復号を行う部分(リードソロモン復号部)を含んでいる。このリードソロモン復号部は、データのブロック単位で誤り訂正を行う。
【0043】
BER測定部12は、デインタリーブ/前方誤り訂正部11における前述のリードソロモン復号部において誤りを修正したブロック数をカウントすることにより、BER(Bit Error Rate)を計算する。
【0044】
MER測定部13は、デマップ部10によってデマップされた結果のコンスタレーションから、変調誤差比(MER:Modulation Error Ratio)を出力する。具体的には、MERは、デマップされた複素信号点ベクトルが理想信号点に対してどれだけのベクトル誤差を持っているかを検出し、理想信号点ベクトルと誤差ベクトルとを電力比で表した値としてMERを出力する。このMERは、換言すれば、デマップ後にコンスタレーションから求められたCN比である。
【0045】
信号品質監視部14は、BER測定部12で測定されたBER及びMER測定部13で測定されたMERの状態を監視し、その結果をコントローラ17に通知する。具体的には、信号品質監視部14は、受信信号品質に基づいて受信可能な等化方法を判定するための閾値を有している。この閾値は、ヒステリシス特性を持つことが好ましい。これにより、急激に伝送路状況が変動する場合、使用する等化方法をむやみに低い能力の等化方法に切り替えることにより安定して受信できなくなることを防ぐことができる。また、信号品質監視部14は、各バースト時において受信可能な等化方法を判定し、それを次のバースト時に適用するという処理を繰り返す。具体的には、信号品質監視部14は、前のバースト時において、受信可能な等化方法を判定し、それを次のバースト時に適用し、次のバースト時に判定した受信可能な等化方法をさらに次のバースト時に適用するというような処理を繰り返す。
【0046】
閾値が一定の場合、急激に伝送路状況が変動すると、使用する等化方法が低い能力に切り替えられる理由について説明する。
【0047】
ここでは、等化方法Aと等化方法Bがあるとし、等化方法Aは50Hzのドップラー周波数まで等化可能であり、等化方法Bは100Hzのドップラー周波数まで等化可能とし、閾値が50Hzのドップラー周波数に対応して設定されているときに、55Hz程度のドップラー周波数に相当する速度で移動する場合について説明する。
【0048】
移動中において、移動速度や受信角度は時々刻々と変化するので、たとえばドップラー周波数が40Hz→45Hz→55Hz→45Hz→55Hz→45Hz→55Hzと変化するように移動速度が変化する場合、伝送路状況もそれに応じて変化するので、信号品質監視部14は、一定の閾値に基づいて等化方法を判定すると、ドップラー周波数の上記の変化に応じて、等化方法をA→A→A→B→A→B→Aのように判定する。これは、信号品質監視部14が、各バースト時において、受信可能な等化方法(ここでは等化方法A又は等化方法B)を判定し、それをそのまま次のバースト時に適用するからである。このため、受信の可否(受信可:○,受信不可:×)が○→○→×→○→×→○→×と変化する。
【0049】
このように、閾値を一定とすると、閾値付近でのBER又はMERの変動によって、受信の可否が短期間に入れ替わり、受信が不安定になる。特に、B→Aの変化ではドップラー周波数の変化(45Hz→55Hz)との関係が逆になっており、ドップラー周波数と等化方法との関係が適切でない。
【0050】
これに対し、閾値は前記のようにヒステリシス特性を持っている。例えば、A→Bの変化に対してはドップラー周波数が45Hzとなったら等化方法Bと判定し、B→Aの変化に対してはドップラー周波数が55Hzとなったら等化方法Aと判定するようなヒステリシス特性を閾値が持っている。これにより、ドップラー周波数の上記の変化に応じて、等化方法をA→A→B→A→B→A→Bのように判定するので、各ドップラー周波数にて受信が可能となる。このような等化方法の判定により、上記のように閾値が一定である場合に生じる受信不可の状態が発生しなくなる。そこで、この閾値のヒステリシスの特性と後述する移動速度の特性とを適宜組み合わせることにより、受信率の低下を回避することができる。
【0051】
コントローラ17は、信号品質監視部13の監視結果(等化方法判定結果)に基づいて、等化部9の等化方法(等化方式)を選択し、等化部9に選択した等化方法に切り替えるように指示する。また、コントローラ17は、その切り替え指示と同時に、選択した等化方法を実行するのに十分な演算能力(MIPS等)を提供可能な動作クロック周波数及びそれに応じた電源電圧を選択する制御をするように、周波数制御部15及び電源電圧制御部16にそれぞれ指示する。また、コントローラ17は、アプリケーションプロセッサ5との間で通信を行う。
【0052】
なお、電力制御を実行するコントローラ17は、複数の回路部品から構成されている。下記において特に断りがない限り、各回路部品は、それぞれ独立した機能を果たすように特化された回路素子の集合であってもよいし、汎用のプロセッサ等と下記の各機能を果たすようにプロセッサなどのハードウェアを機能させるプログラムとからなるものでもよい。後者の場合には、ハードウェア及びプログラムが組み合わされることによって回路部品が構築される。
【0053】
ここで、上記のように構成される受信装置1の動作について説明する。
【0054】
アンテナ2より入力された信号は、チューナ3にてIF(Intermediate Frequency)信号に変換され一定の信号レベルにてAD変換部7に入力されて、デジタルデータに変換される。高速フーリエ変換部8にて、そのデジタルデータに対してOFDM復調が行われる。さらに復調後の信号は、等化部9にて前述のSP信号等に基づき振幅ならびに位相が補正される。ここで補正された信号は、デマップ部10にてIQ平面上にデマップされる。MERは、デマップの結果として得られたコンスタレーションからMER測定部112にて計算される。
【0055】
デマップ部10にてデマップされた信号は、その後、デインタリーブ/前方誤り訂正部11にて、デインタリーブならびに前方誤り訂正処理(FEC)が施され、この段階の信号が通常はMPEG2−TSとなる。本MPEG2−TSは、アプリケーションプロセッサ130に渡され、デコード処理をした後に映像の再生を行う。
【0056】
また、ER測定部12にて、前記の誤り訂正処理部中のたとえばリードソロモン復号部において誤りを修正したブロック数をカウントすることにより、BER(Bit Error Rate)が行われる。BER測定部12及びMER測定部13の測定結果に基づき、信号品質の状況が信号品質監視部14にて監視される。その結果に基づき、コントローラ17は等化方法を選択し、等化部9の等化方法を切り替える。
【0057】
更に、コントローラ17は、先述の等化方法の切り替えと協調して、選択した等化方法を実行するのに十分な演算能力を提供可能な動作クロック周波数及びそれに応じた電源電圧を選択する制御をするように、周波数制御部15及び電源電圧制御16にそれぞれ指示を出し、適切なパラメタを選択させる。
【0058】
上記の一連の動作により、変動する伝送路状況に合わせた等化方法を選択し、更に、前記の選択された等化方法を実行するのに十分な演算能力を与えうる最小の電力制御を行うことができる。
【0059】
なお、上記の電力制御は、復調器4に内蔵されるコントローラ17によって実施してもよいし、コントローラ17をバイパスしてアプリケーションプロセッサ5にて実施してもよい。
【0060】
引き続いて、復調器4の詳細について説明する。
【0061】
図3は、復調器の構成例を示したブロック図である。
【0062】
復調器4は、全ての処理をハードワイヤードロジックで実現しても、DSP(Digital Signal processor)等によりソフトウェアを実行することにより実現してもよいが、ここでは、DSPによりソフトウェアを実行する場合を示している。これは、DSP等によりソフトウェアを実行する場合、ハードワイヤードロジックと比較して、必要演算能力の増加を行うのに増加させる周波数が大きく、特に電力制御の効果が高いためである。
【0063】
復調器4は、前述の各部以外に、信号処理部19、バス20、PLL21を有している。また、信号処理部19は、ハードウェアエンジン22、DSP23、メモリ24を含んでいる。また、メモリ24は、データメモリ25と、プログラムメモリ26とを含んでいる。プログラムメモリ26は、DSP23で実行される等化方法切り替え及び電力制御のためのプログラムを記憶しており、データメモリ25は、当該プログラムを実行するときに必要なデータを記憶している。
【0064】
前述のコントローラ17は、信号処理部19の制御やアプリケーションプロセッサ5とのインターフェースや割込みを行う。コントローラ17は、バス20にて信号処理部19と接続される。
【0065】
ハードウェアエンジン22は、復調器4においてハードウェアによって実現される部分である。一般的に、復調器は信号処理部と制御部とを有する。また、信号処理部に関しては、一般的に、全てDSP上のソフトウェアで信号処理をするとDSPの負荷が大きくなるため、高い周波数のクロックが必要となることから、消費電力が増大する。そこで、高速フーリエ変換部8(FFT回路)のような所定処理を行い、かつ消費電力の大きい部分をハードウェアで実現することが好ましく、ハードウェアエンジン22は、これらのハードウェアで構成された部分を含んでいる。ハードウェアエンジン22は、FFT回路だけでなく、デジタルフィルタ等を含んでいてもよい。
【0066】
信号品質監視部14は、専用ハードウェア、DSP23、コントローラ17又はアプリケーションプロセッサ5のいずれかに実装されてもよいが、コントローラ17にて実装されることが望ましい。これは、信号品質監視部14がコントローラ17に実装されることにより、受信装置1以外の各部を制御するアプリケーションプロセッサ5の負担を軽減することができるとともに、コントローラ17が復調器4を専用に制御しているために、アプリケーションプロセッサ5に実装されるよりも、信号品質監視部17の応答速度を向上させることができるからである。
【0067】
コントローラ17は、信号品質監視部14の信号品質判定結果に基づき、データメモリ25の等化方法を指定する値(レジスタ値)を書き替えるか、あるいはプログラムメモリ26に記憶されている等化方法の演算プログラムを切り替える。これにより、DSP23が、前記のレジスタ値を等化部9に与えるか、又は演算プログラムを等化部9に実行させることにより等化方法が切り替えられる。もしくは、メモリ容量の余裕のある場合には、コントローラ17からDSP23に、使用する等化方法を切り替えることを指示して、DSP23が等化方法を切り替えるためのプログラムを実行させることにより、等化方法を切り替えてもよい。コントローラ17は、この等化方法の切り替えに合わせて電源電圧制御部16及び周波数制御部15内に設けられるPLL21の設定を変更する。これにより、電源電圧制御部16は受信装置の電源電圧を増減し、周波数制御部15は受信装置1の動作クロック周波数を増減する。
【0068】
図3は、ドップラー周波数と受信可能となる所要のCN比との関係を示した図である。この図3においては、3種類の等化方法のドップラー性能を例示しており、Level3、 Level2、 Level1の順にドップラー性能が高いことを示している。Level3に対応する等化方法を選択すれば、高いドップラー周波数においても、すなわち、高速移動条件下であっても受信できることを示す。一方で、Level1、Level2、Level3の順に必要な演算能力が大きくなる。これは、フィルタのタップ数が増える等の要因による。ゆえに、低速移動時にはLevel1の等化方法を、中速移動時にはLevel2の等化方法を、高速移動時にはLevel3の等化方法を選択すればよい。
【0069】
以上から、コントローラ17が、受信信号品質にほぼ対応する移動速度に応じてLevel1、Level2、Level3の等化方法を切り替えることにより、不必要な等化処理を行わなくてよくなり、消費電力を削減することができる。また、コントローラ17は、Level1、Level2、Level3の順に動作クロック周波数及び電源電圧を高くするように制御する。
【0070】
図4は、DVB―H等の方式におけるタイムスライス等の間欠受信を図示した図である。間欠受信では、所望バースト(送信信号)がある時間間隔で間欠的に送信される。所望バーストの到来時以外は受信をしなくてもよいため、その間、受信装置1をスリープ状態(回路動作停止状態)にでき、消費電力を削減できるという特徴がある。
【0071】
デインタリーブ/前方誤り訂正部11からのMPEG2−TSは、次の所望のチャンネルの信号が到達するタイミングに関する情報を含んでいる。コントローラ17は、MPEG2−TSからその情報を抽出することにより間欠受信の状態を検出し、その結果に基づいて復調器4をONするように制御して、次の所望バーストの到来に待機する。具体的には、コントローラ17は、復調器4のON制御のためにDSP23に受信プログラムを起動させる。これにより、停止していた復調器4への電力供給が再開する。
【0072】
図5は、一般的な移動速度と時間の関係を示した図である。
【0073】
この図は、加速フェーズ、定速フェーズ、減速フェーズからなる。これは、一般的な車両等の移動手段では、急激な速度変化は起こらないためである。等化方法をこのような3種類に粗く分類し、各フェーズにおける受信状況(受信信号品質)に応じて等化方法を切り替える場合には、特に図5のように速度変化しているものとみなせる。
【0074】
以下に、受信装置1の起動から、移動速度の変化等による受信信号品質の変化を検出して、等化方法の切り替え及び電力制御を行うまでの動作を説明する。
【0075】
受信装置1の起動時には、コントローラ17によって、復調器4が初期化されるとともに、最高性能となる等化方法が選択され、それに応じた電力制御が行われる。図3の例では、Level3の等化方法が選択される。これは、起動時の受信状況は予測することが不可能であることから、最大限の受信信号品質が設定される。この後、信号品質監視部14によって、通常(無事)に受信をしていることが確認されるまでは、Level3の等化方法が選択され続ける。
【0076】
また、通常に受信をしていることが確認された後は、前述のコントローラ17にて、バースト毎に使用した等化方法とそのときのMERやBERをメモリ24に記憶しておく。更に、必要に応じて、過去の複数のバーストにおける等化方法とMERやBERの関係からDSP23にて以下のような計算を行い、過去の履歴情報を用いて次の所望バーストの期間(受信可能期間)に行うべき制御を予測する。
【0077】
たとえば、等化方法の切り替えが頻発するようなときに、受信を安定化させる目的で履歴情報を用いるというケースが考えられる。また、切り替えによる性能劣化を最小限に抑える制御にも活用できる。
【0078】
上記の計算としては、たとえば、次の処理を行う。過去における等化方法の切り替えの組合せ(図3の例)では、Level1→Level2, Level1→Level3, Level2→Level3, Level2→Level1, Level3→Level1, Level3→Level2)毎に、切り替えに伴うMER及びBERの変化量の最大値、最小値、平均値等のテーブルを信号処理部19に持っておき、履歴情報なしの場合には、切り替えをすべきポイントであっても、先述の履歴において、ある閾値よりもMERやBERの変化量が大きいときは、切り替えをしない制御を行う。更に、先述の制御により、一度、切り替えをしなかったことをメモリ24に記憶しておき、2回続けて同じ切り替えを行うと判断するときには、履歴に関わらず切り替えを行う制御を行う。このときに、上記の切り替えをしなかったという情報をクリアする。上記の切り替えの組合せに関しては、必ずしも、全ての組合せに制限されるものではなく、たとえば、Level3→Level2のように等化性能が劣化する方向の組合せのみに絞り、制御を簡易化してもよい。
【0079】
図5に示したように、特に等化方法を粗粒度に切り替える場合には、速度変化は加速、定速(変化なし)、減速の3つのフェーズとなることが予測される。このことから、コントローラ17は、現在の等化方法とMERやBERの受信信号品質の組とに基づいて、次のバーストの到来時における速度フェーズを予測することができる。コントローラ17は、GPSとの通信等によって取得した受信装置1の速度情報に基づいて、各速度フェーズを決定する。
【0080】
ここで、定速フェーズにおいて、Level1(低速移動時)の等化方法を用いても十分に受信可能であることが予測される場合、次のバーストの到来時にLevel1の等化方法を選択する。また、加速フェーズにおいて、Level1では受信が危ういがLevel2(中速移動時)であれば十分に受信可能であると予測される場合には、Level2を選択する。更に、加速フェーズが維持されて、Level1あるいはLevel2にすると受信が不可能であると予測される場合には、次のバーストにもLevel3(高速移動時)の等化方法を用いるようにする。
【0081】
以上のように、本実施の形態に係る受信装置1は、受信信号品質に応じて適した演算能力で処理を行う等化方法を選択して等化部9の等化処理に用いるとともに、等化方法の切り替えに合わせて動作クロック周波数及び電源電圧の値を選択された等化方法の演算能力に応じた値に切り替えている。これにより、伝送路の状況に応じて、消費電力が生じないような等化処理が行われるので、受信装置1の消費電力低減を図ることができる。
【0082】
これに対し、通常の受信装置では、受信信号品質に合わせた等化方法を選択せず、提供し得る最大限の等化性能を常に提供可能な一定の等化方法を実行するため、動作クロック周波数や電源電圧を変更することによる電力制御を施さない。ゆえに、信号品質に応じた低消費電力化がなされ得ない。
【0083】
なお、等化方法の選択及び電力制御のために、コントローラ17及びDSP23で実行されるプログラムは、メモリ24等の所定の記録媒体に記録されており、実行されるときに当該記録媒体から読み出される。
【0084】
また、何れの場合でも、格納されているプログラムは、プロセッサがアクセスして実行される構成であることが好ましい。さらに、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であることが好ましい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0085】
また、上記プログラムメディアとしては、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)ディスク、フレキシブルディスク(FD)、MO(Magneto Optical)ディスクなどのリムーバブル型記録媒体や、ハードディスクなどの固定型記録媒体のようなコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して配布可能である他、有線又は無線の電気通信手段によってインターネットなどの通信ネットワークを介して配布可能である。また、このプログラムは、等化方法選択及び電力制御専用のものでなくてもよく、復調処理などに係るプログラムと組み合わせて使用されることにより汎用型のプロセッサ等を有する汎用の装置を受信装置として機能させるプログラムであってもよい。マイクロコンピュータで処理を行うために図示しないメモリ、例えばROMのようなものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読取装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することにより読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。
【0086】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明の受信装置は、受信信号の品質に応じて、等化部の等化方法を選択して等化処理を行うとともに、選択した等化方法を実行するのに十分な演算能力を提供可能な動作クロック周波数を選択し、それに応じた電源電圧を選択することによって、伝送路状況に対して適切な電力制御を簡易かつ確実に行うことができるので、モバイル端末等に好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の実施の一形態を示す受信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】上記受信装置における復調器の構成を示すブロック図である。
【図3】上記受信装置における等化方法についてのCN比とドップラー特性との関係を示すグラフである。
【図4】間欠受信を示す波形図である。
【図5】移動速度と時間との関係を示すグラフである。
【図6】従来の受信装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0089】
1 受信装置
3 チューナ
5 アプリケーションプロセッサ(等化制御手段,プロセッサ)
9 等化部(等化手段)
10 デマップ部
11 デインターリーブ/前方誤り訂正部
12 BER測定部
13 MER測定部
14 信号品質監視部(等化方法判定手段)
15 周波数制御部
16 電源電圧制御部
17 コントローラ(受信検出手段,切替制御手段)
19 信号処理部
23 DSP(等化方法切替手段)
24 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の等化方法の1つを用いて受信信号に等化処理を施す等化手段と、
間欠受信における受信可能期間を検出する受信検出手段と、
前記受信信号の品質に応じた前記等化方法を判定する等化方法判定手段と、
前記等化方法判定手段によって判定された等化方法に前記等化手段の等化方法を切り替える等化方法切替手段と、
受信装置の可変の動作クロック周波数及び電源電圧を前記等化方法判定手段によって判定された等化方法に応じて設定するクロック周波数/電圧設定手段と、
前記受信検出手段により受信可能状態であることが検出されると、最適な等化方法を決定するように、前記等化方法切替手段による等化方法の切り替えを制御する切替制御手段とを備えていることを特徴とする受信装置。
【請求項2】
前記切替制御手段は、履歴情報に基づき次の受信可能時期に用いる最適な等化方法を予測し、次の受信可能期間までに等化方法を切り替えるように制御することを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記等化方法切替手段は、等化方法を決定するレジスタ値の設定又は等化処理プログラムの切り替えを復調器内のコントローラにより指示されること、及び復調器外部のプロセッサにより切り替えを指示されることのいずれか一方により前記等化方法を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【請求項4】
前記等化方法判定手段は、前記受信信号品質として変調誤り率又はビット誤り率を利用することを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【請求項5】
前記等化方法判定手段は、前記受信信号品質をヒステリシス特性を持つ閾値と比較することにより前記等化方法を判定することを特徴とする請求項1又は4に記載の受信装置。
【請求項6】
前記切替制御手段は、
前記受信装置の外部から取得した前記受信装置の移動速度に基づいて等化方法の切り替えを制御することを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【請求項7】
間欠受信における受信可能期間を検出する受信検出ステップと、
前記受信可能期間の前に受信プログラムを起動するプログラム起動ステップと、
前記受信可能期間に入力される受信信号の品質に基づいて次の受信可能期間の受信信号品質を予測する受信信号予測ステップと、
予測された受信信号品質に応じた受信信号の等化方法を選択する等化方法選択ステップと、
選択された等化方法に応じて動作クロック周波数及び電源電圧を設定するクロック周波数/電圧設定ステップとを備えていることを特徴とする受信方法。
【請求項8】
請求項7に記載の受信方法の各ステップを受信装置に実行させることを特徴とする受信プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載の受信プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−171356(P2009−171356A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−8490(P2008−8490)
【出願日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】